(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ACC阻害剤を含む併用療法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20240426BHJP
A61K 31/202 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/216 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/341 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/575 20060101ALI20240426BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240426BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240426BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/192 20060101ALN20240426BHJP
A61K 35/57 20150101ALN20240426BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K31/202
A61K31/216
A61K31/341
A61K31/575
A61P1/16
A61P3/06
A61P43/00 111
A61P43/00 121
A61K31/192
A61K35/57
(21)【出願番号】P 2020519118
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(86)【国際出願番号】 US2018054738
(87)【国際公開番号】W WO2019071216
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-05-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-05
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ, ジェイミー ゲイアー
(72)【発明者】
【氏名】レイ, エードリアン エス.
【合議体】
【審判長】原田 隆興
【審判官】渕野 留香
【審判官】吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/112305(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/071169(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0136138(US,A1)
【文献】PNAS,2016,Vol.113,No.13,p.E1796-E1805
【文献】Cell Metabolism,2017.08.01,Vol.26,No.2,p.394-406
【文献】岡山医学会雑誌,2010,Vol.122,No.1,p.73-76
【文献】Hepatology international,2015,Vol.9,No.3, p.471-479
【文献】NAFLD/NASH診療ガイドライン2014版(全体)(http://saigaiin.sakura.ne.jp/sblo_files/saigaiin/image/NAFLD_NASHE382ACE382A4E38389E383A9E382A4E383B3.pdf)
【文献】Gastroenterology,2018,Vol.155,p.443-457
【文献】Hepatology Communications,2020,Vol.4,No.7,p.998-1011
【文献】AASLD:The Liver Meeting,2019,November 8-12,2019,Boston,MA,LP5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-47/69,A61P1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減するための組み合わせ物であって、前記組み合わせ物は、(i)化合物1:
【化1A】
またはその薬学的に許容される塩、および(ii)フェノフィブレートまたはその塩を含み、前記組み合わせ物を必要とする患者がヒト患者であり、前記ヒト患者がF3-F4 NASH線維症を有する、組み合わせ物。
【請求項2】
高トリグリセリド血症の重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減するための組み合わせ物であって、前記組み合わせ物は、(i)化合物1:
【化1B】
またはその薬学的に許容される塩、および(ii)フェノフィブレートまたはその塩を含み、前記組み合わせ物を必要とする患者がヒト患者であり、前記ヒト患者がF3-F4 NASH線維症を有する、組み合わせ物。
【請求項3】
前記ヒト患者が、少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する、請求項1から2のいずれか一項に記載の組み合わせ物。
【請求項4】
前記ヒト患者が、NASHに起因する代償性肝硬変を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組み合わせ物。
【請求項5】
毎日1回約20mgの化合物1が投与されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組み合わせ物。
【請求項6】
非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減するための組成物であって、前記組成物は、化合物1:
【化1C】
またはその薬学的に許容される塩を含み、前記組成物は、それを必要とする患者に、フェノフィブレートまたはその塩と組み合わせて投与されることを特徴とし、前記組成物を必要とする患者がヒト患者であり、前記ヒト患者がF3-F4 NASH線維症を有する、組成物。
【請求項7】
非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減するための組成物であって、前記組成物は、フェノフィブレートまたはその塩を含み、前記組成物は、それを必要とする患者に、化合物1:
【化1D】
またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与されることを特徴とし、前記組成物を必要とする患者がヒト患者であり、前記ヒト患者がF3-F4 NASH線維症を有する、組成物。
【請求項8】
高トリグリセリド血症の重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減するための組成物であって、前記組成物は、化合物1:
【化1E】
またはその薬学的に許容される塩を含み、前記組成物は、それを必要とする患者に、フェノフィブレートまたはその塩と組み合わせて投与されることを特徴とし、前記組成物を必要とする患者がヒト患者であり、前記ヒト患者がF3-F4 NASH線維症を有する、組成物。
【請求項9】
高トリグリセリド血症の重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減するための組成物であって、前記組成物は、フェノフィブレートまたはその塩を含み、前記組成物は、それを必要とする患者に、化合物1:
【化1F】
またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与されることを特徴とし、前記組成物を必要とする患者がヒト患者であり、前記ヒト患者がF3-F4 NASH線維症を有する、組成物。
【請求項10】
1日当たり約48mgのフェノフィブレートが投与されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の組み合わせ物。
【請求項11】
1日当たり約145mgのフェノフィブレートが投与されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の組み合わせ物。
【請求項12】
前記組み合わせ物が、FXRアゴニストと組み合わせて投与されることを特徴とし、前記FXRアゴニストがオベチコール酸またはPX-102である、請求項10または請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項13】
フェノフィブレートの投与が、化合物1の投与前に開始され、必要に応じて、
前記化合物1の投与の少なくとも一部の間継続されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の組み合わせ物。
【請求項14】
フェノフィブレートの投与と化合物1の投与が同時である、請求項1または請求項2に記載の組み合わせ物。
【請求項15】
1日当たり約30mgの前記FXRアゴニストが投与されることを特徴とする、請求項12に記載の組み合わせ物。
【請求項16】
1日当たり約30mg~約200mgのフェノフィブレートが投与されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記ヒト患者が、少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する、請求項6から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が約20mgの化合物1を含む、請求項6から9のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)下で、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、2017年10月6日に出願した米国仮特許出願第62/569,375号、2017年12月1日に出願した米国仮特許出願第62/593,806号、および2018年4月10日に出願した米国仮特許出願第62/655,704号に対する利益を主張する。
【0002】
分野
本明細書では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する、薬物の組合せおよび方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
背景
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、比較的良性の脂肪症からより重症の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)までの範囲にわたる状態からなり、後者は、未処置である場合、線維症、肝硬変症、肝不全、または肝細胞癌をもたらす可能性がある。NAFLDは、米国において慢性肝疾患の最も一般的な原因であり、肥満、2型糖尿病、およびメタボリックシンドロームに密接に関連している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤を、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(PPARα)アゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0005】
一部の態様では、ACC阻害剤は、式:
【化1】
を有する(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは共結晶である(総合的におよび個々に「化合物1」と呼ぶ)。
【0006】
一部の態様では、ACC阻害剤は、式:
【化2】
を有する2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは共結晶である(総合的におよび個々に「化合物2」と呼ぶ)。
【0007】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0008】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0009】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0010】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0011】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0012】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0013】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0014】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0015】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0016】
一部の態様では、本発明は、化合物1または化合物2およびPPARαアゴニスト、ならびに薬学的に許容されるキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含む医薬組成物を提供する。
【0017】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を有する非肝硬変患者において非アルコール性脂肪肝炎を処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgの化合物1を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0018】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する代償性肝硬変を有する患者においてNASHを処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgの化合物1を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0019】
提供された組合せを利用する方法について記載している追加の実施形態が本明細書で以下に詳細に記載されている。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1または化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含み、前記PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、およびムラグリタザルからなる群から選択される、方法。
(項目2)
高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1または化合物2をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法。
(項目3)
前記NAFLDが、脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎、非アルコール性脂肪肝炎によって引き起こされる肝線維症、非アルコール性脂肪肝炎によって引き起こされる肝硬変、および非アルコール性脂肪肝炎によって引き起こされる肝細胞癌からなる群から選択される、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1または化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含み、前記PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、およびムラグリタザルからなる群から選択される、方法。
(項目5)
高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、非アルコール性脂肪肝炎を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1または化合物2をPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて投与することを含む方法。
(項目6)
前記患者が非肝硬変である、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記患者がステージ1~4の線維症を有する、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記患者が、ベースラインにおいて少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記患者が、ベースラインにおいて少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記患者が、ベースラインにおいて少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
処置が、前記患者の前記MRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約20%低減させる、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記処置した患者の少なくとも約3人に1人が、ベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記処置が、前記患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約5%低減させる、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記処置が、前記患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約9%低減させる、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記処置した患者の前記血漿トリグリセリドレベルが、前記処置中に有意に増加しない、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記処置した患者が、グレード3または4のトリグリセリド上昇を経験しない、項目1から15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記PPARαアゴニストが選択的PPARαアゴニストである、項目1から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される、項目2、3、5から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザル、サログリタザル、およびエラフィブラノールからなる群から選択される、項目2、3、5から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記PPARαアゴニストがフィブレートである、項目1から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記PPARαアゴニストがフェノフィブレートである、項目1から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
化合物1が投与される、項目1から21のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
化合物1が毎日1回約20mgの量で投与される、項目22に記載の方法。
(項目24)
化合物2が投与される、項目1から21のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
非アルコール性脂肪肝炎を有する非肝硬変患者において、非アルコール性脂肪肝炎を処置する方法であって、それを必要とする前記患者に、毎日1回約20mgの化合物1を投与することを含む方法。
(項目26)
前記患者がステージ1~3の線維症を有する、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記患者が、ベースラインにおいて少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する、項目25または26に記載の方法。
(項目28)
前記患者が、ベースラインにおいて少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する、項目25から27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記患者が、約250mg/dL未満のベースライン血漿トリグリセリドレベルを有する、項目25から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記処置が、前記患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約20%低減させる、項目25から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
化合物1で処置した前記患者の少なくとも約3人に1人が、ベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する、項目25から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記処置が、前記患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約5%低減させる、項目25から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記処置が、前記患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約9%低減させる、項目25から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
化合物1または化合物2が毎晩1回投与される、項目1から33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する代償性肝硬変を有する患者において、NASHを処置する方法であって、それを必要とする前記患者に、毎日1回約20mgの化合物1を投与することを含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、線維症のマーカー(ALT、AST、GGT、ALP、TIMP-1、PII-NP、およびHA)に対する第12週におけるメジアン相対変化(IQR)のパーセンテージを例示している。各マーカーに対して、3つの柱が示されており、左の柱は化合物1、20mgに対応し、中央の柱は化合物1、5mgに対応し、右の柱はプラセボに対応する。
【0021】
【
図2】
図2は、NASHに起因する代償性肝硬変を有する被験体における化合物1での処置中のMRI-PDFFおよびALTの変化を例示している。BLはベースラインを指し、W4は第4週を指し、W12は第12週を指す。
【0022】
【
図3】
図3は、ベースラインと第12週との間の実施例1に記載されているようなMRI-PDFF応答による肝臓生化学および線維症の血清マーカーの変化を例示している。データはメジアン(IQR)である。各マーカーに対して、2つの柱が示されており、左の柱は≧30%の減少(n=33)に対応し、右の柱は<30%の減少(n=60)に対応している。
【0023】
【
図4】
図4は、試験した動物における血漿トリグリセリドの相対変化を示している。値は、ビヒクル、化合物2(「C2」)、および化合物2のフェノフィブレートとの組合せ(「C2+フェノ(C2+feno)」)での処置翌日の同じ時間に収集されたビヒクル処置した動物のパーセントとして表現されている。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
****p≦0.0001およびn=27~38(1つの処置群当たり8~13匹の動物からサンプリング)。データは平均値±SEMとして提示されている。
【0024】
【
図5A】
図5A、
図5B、および
図5Cは、ビヒクル(「Veh」)、化合物2(「C2」)、および化合物2のフェノフィブレートとの組合せ(「C2+フェノ」)で処置した動物における、投与の2時間または24時間後における肝臓トリグリセリド、肝臓コレステロール、および血漿ケトン体のレベルをそれぞれ示している。ns=有意でない。
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001(ビヒクル処置マウスと比較)、#p≦0.05、###p≦0.001、###p≦0.0001(対応のないスチューデントt検定により、化合物2処置マウスと比較);n=7~20、1つの処置群当たり7~10匹の動物からサンプリング。データは平均値±SEMとして提示されている。
【
図5B】
図5A、
図5B、および
図5Cは、ビヒクル(「Veh」)、化合物2(「C2」)、および化合物2のフェノフィブレートとの組合せ(「C2+フェノ」)で処置した動物における、投与の2時間または24時間後における肝臓トリグリセリド、肝臓コレステロール、および血漿ケトン体のレベルをそれぞれ示している。ns=有意でない。
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001(ビヒクル処置マウスと比較)、#p≦0.05、###p≦0.001、###p≦0.0001(対応のないスチューデントt検定により、化合物2処置マウスと比較);n=7~20、1つの処置群当たり7~10匹の動物からサンプリング。データは平均値±SEMとして提示されている。
【
図5C】
図5A、
図5B、および
図5Cは、ビヒクル(「Veh」)、化合物2(「C2」)、および化合物2のフェノフィブレートとの組合せ(「C2+フェノ」)で処置した動物における、投与の2時間または24時間後における肝臓トリグリセリド、肝臓コレステロール、および血漿ケトン体のレベルをそれぞれ示している。ns=有意でない。
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001(ビヒクル処置マウスと比較)、#p≦0.05、###p≦0.001、###p≦0.0001(対応のないスチューデントt検定により、化合物2処置マウスと比較);n=7~20、1つの処置群当たり7~10匹の動物からサンプリング。データは平均値±SEMとして提示されている。
【0025】
【
図6A】
図6Aおよび
図6Bは、ビヒクル、化合物2(「C2」)または化合物2のフェノフィブレートとの組合せ(「C2+フェノ」)で処置した動物におけるLXRα標的およびSREBP1c標的をそれぞれ示している。
【
図6B】
図6Aおよび
図6Bは、ビヒクル、化合物2(「C2」)または化合物2のフェノフィブレートとの組合せ(「C2+フェノ」)で処置した動物におけるLXRα標的およびSREBP1c標的をそれぞれ示している。
【0026】
【
図7】
図7は、実施例4に記載されているように、20mgの化合物1単独(右の柱)と比較した、20mgの化合物1およびフィブレート/魚油(左の柱)を投与した被験体のイメージング、肝臓生化学、線維症の血清マーカー、およびトリグリセリドレベルの第12週でのメジアン相対変化(%)を示している。
【0027】
【
図8A】
図8Aは、第1週においてグレード3の高トリグリセリド血症を有した後145mgのフェノフィブレートを投与した患者のトリグリセリド(triglyercide)およびApoB48を示している。
【0028】
【
図8B】
図8Bは、第1週においてグレード3の高トリグリセリド血症を有した後145mgのフェノフィブレートを投与した患者のVLDL粒子レベルおよびApoC3を示している。
【0029】
【
図9】
図9は、ビヒクル、単剤フェノフィブレート(「フェノ(25mg/kg)」および「フェノ(50mg/kg)」)および化合物2(「C2(5mg/kg)」)、ならびに化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ(「C2+フェノ(50mg/kg)」)で15日間処置した、ファストフード食餌(FFD)を不断給餌したマウスにおける、投与の2時間後における血漿トリグリセリドの変化を示している。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001およびn=11~15(1つの処置群当たりの動物)。データは平均値±SDとして提示されている。
【0030】
【
図10A-10B】
図10Aおよび
図10Bは、ビヒクル、単剤フェノフィブレート(「フェノ(25mg/kg)」および「フェノ(50mg/kg)」)および化合物2(「C2(5mg/kg)」)、ならびに化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ(「C2+フェノ(50mg/kg)」)で15日間処置した動物におけるPPARα標的およびLXRα標的の肝臓mRNA発現をそれぞれ示している。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001およびn=11~15(1つの処置群当たりの動物)。データは平均値±SDとして提示されている。
【0031】
【
図11A-11B】
図11Aおよび
図11Bは、ビヒクル、単剤フェノフィブレート(「フェノ(25mg/kg)」および「フェノ(50mg/kg)」)および化合物2(「C2(5mg/kg)」)、ならびに化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ(「C2+フェノ(50mg/kg)」)で15日間処置した、標準的食餌(固形飼料)またはFFDを給餌した、動物における血漿のALTレベルおよびASTレベルをそれぞれ示している。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001およびn=10~15(1つの処置群当たりの動物)。データは平均値±SEMとして提示されている。
【0032】
【
図12A-12B】
図12Aおよび
図12Bは、ビヒクル、単剤フェノフィブレート(「フェノ(25mg/kg)」および「フェノ(50mg/kg)」)および化合物2(「C2(5mg/kg)」)、ならびに化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ(「C2+フェノ(50mg/kg)」)で15日間処置した動物における、投与の2時間後における肝臓トリグリセリドレベルおよび肝臓ケトン体(βOHB)レベルをそれぞれ示している。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001、ns=有意ではない、およびn=11~15(1つの処置群当たりの動物)。データは平均値±SDとして提示されている。
【0033】
【
図13】
図13は、ビヒクル、単剤フェノフィブレート(「フェノ(25mg/kg)」および「フェノ(50mg/kg)」)および化合物2(「C2(5mg/kg)」)、ならびに化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ(「C2+フェノ(50mg/kg)」)で15日間処置した動物の肝臓内のマロンジアルデヒドの量として定量化した酸化ストレスを示している。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001およびn=11~15(1つの処置群当たりの動物)。データは平均値±SDとして提示されている。
【0034】
【
図14A-14B】
図14Aおよび
図14Bは、ビヒクル、単剤フェノフィブレート(「フェノ(25mg/kg)」および「フェノ(50mg/kg)」)および化合物2(「C2(5mg/kg)」)、ならびに化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ(「C2+フェノ(50mg/kg)」)で15日間処置した動物の肝臓における、線維化促進遺伝子col1a1およびtimp1のmRNA発現をそれぞれ示している。
*p≦0.05、
**p≦0.01、
***p≦0.001、
****p≦0.0001およびn=11~15(1つの処置群当たりの動物)。データは平均値±SDとして提示されている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
本明細書に記載されているように、一部の実施形態では、本発明は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法を提供する。
【0036】
定義
「含む(comprise)」という用語およびその変化形、例えば、「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」は、オープンの、包括的な意味、すなわち、「~を含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。さらに、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で明確に他であると指示されていない限り、複数の指示対象を含む。したがって、「薬剤」についての言及は複数のこのような薬剤を含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、定量的測定の文脈において使用される「約」という用語は、示された量±10%、または±5%、または±1%を意味する。例えば、「約30%」とは、33%~27%、または31.5%~28.5%、または30.3%~29.7%を意味し得る。
【0038】
本明細書で使用される場合一般的に、「ACC阻害剤」とは、アセチルCoAカルボキシラーゼ酵素の活性を低減させる任意の治療剤を意味する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「非アルコール性脂肪肝疾患」または「NAFLD」とは、これらに限定されないが、脂肪症、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、NASHによって引き起こされる肝線維症、NASHによって引き起こされる肝硬変、またはNASHによって引き起こされる肝細胞癌(HCC)を含めた、肝臓の過剰脂肪蓄積によって特徴付けられる、および/またはこれによって引き起こされる任意の疾患または他の有害な状態を意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「高トリグリセリド血症」とは、血中トリグリセリドレベルが異常なレベルにまで上昇する状態を指す。
【0041】
「被験体」または「患者」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物を意味し、ヒトおよび動物被験体、例えば、飼育動物(例えば、ウマ、イヌ、ネコなど)を含む。
【0042】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」とは、所望の生物学的応答を誘発する、物質(例えば、治療剤、組成物、および/または製剤)の、または2種もしくはそれよりも多くの薬剤もしくは化合物の組合せの量、あるいは2種もしくはそれよりも多くの薬剤もしくは化合物の組合せ中の個々の薬剤もしくは化合物の十分な量を意味する。一部の実施形態では、物質の治療有効量とは、NAFLDに罹患したまたは罹りやすい被験体への投薬レジメンの一部として投与された場合、NAFLDを処置する、診断する、予防する、および/またはその発現を遅延させるのに十分な量である。当業者であれば理解しているように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、標的細胞または組織などの因子に応じて異なり得る。例えば、NAFLDを処置するための製剤中の化合物の有効量は、NAFLDの1つもしくは複数の症状または特徴を緩和する、回復させる、和らげる、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減させるおよび/またはその発生率を低減させる量である。一部の実施形態では、「治療有効量」とは、少なくとも、NASHの1つまたは複数の症状を処置するために十分な化合物、または化合物を含有する組成物の最小量である。
【0043】
「処置する」または「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患もしくは障害、または疾患もしくは障害の1つもしくは複数の症状を部分的または完全に緩和する、阻害する、その発現を遅延させる、予防する、回復させるおよび/または和らげることを指す。本明細書で使用される場合、「処置」、「処置する」、および「処置すること」という用語は、NAFLD、またはNAFLDの1つもしくは複数の症状を部分的または完全に緩和する、阻害する、その発現を遅延させる、予防する、回復させるおよび/または和らげることを指す。一部の実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に施行することができる。一部の実施形態では、「処置すること」という用語は、NAFLDを予防するまたはその進行を停止することを含む。他の実施形態では、処置は、症状の非存在下で施行され得る。例えば、処置は、症状の発現以前に罹りやすい個体に施行され得る(例えば、症状の履歴を考慮しておよび/または遺伝因子もしくは他の感受性因子を考慮して)。処置はまた、症状が消えた後、例えば、これらの再発を予防するまたは遅延させるために継続することもできる。したがって、一部の実施形態では、「処置すること」という用語は、NAFLDの再燃または再発を予防することを含む。
【0044】
「単位剤形」という表現は、本明細書で使用される場合、処置すべき被験体に対して適当な治療用製剤の物理的に別個の単位を指す。しかし、本発明の組成物の毎日の総使用量は、確かな医学的判断の範囲内で主治医により決定されることを理解されたい。任意の特定の被験体または生物に対する具体的な有効用量レベルは、処置している障害および障害の重症度;用いる具体的な活性剤の活性;用いる具体的な組成物;被験体の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食生活;投与時間、および用いる具体的な活性剤の排出速度;処置期間;用いる具体的な化合物(複数可)と組み合わせてもしくは同時に使用される薬物ならびに/またはさらなる治療法など、医学的技術分野において周知の因子を含む様々な因子に依存する。
【0045】
処置の方法
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含み、PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(icosapent ethyl)(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸(pirinixic acid)、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、およびムラグリタザル(muraglitzar)からなる群から選択される、方法が提供される。
【0046】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が提供される。
【0047】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、ドコサヘキサエン酸、α-リノレン酸、ヘキサデカトリエン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘンエイコサペナエン酸(heneicosapenaenoic acid)、ドコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸など)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。
【0048】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0049】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含み、PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、およびムラグリタザルからなる群から選択される、方法が提供される。
【0050】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油と組み合わせて投与することを含む方法が提供される。
【0051】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。
【0052】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0053】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態では、非アルコール性脂肪肝疾患を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含み、PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、およびムラグリタザルからなる群から選択される、方法が提供される。
【0054】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油と組み合わせて投与することを含む方法が提供される。
【0055】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。
【0056】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NAFLDを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0057】
一部の実施形態では、NAFLDは脂肪症である。一部の実施形態では、NAFLDは非アルコール性脂肪肝炎(NASH)である。一部の実施形態では、NAFLDはNASHによって引き起こされる肝線維症である。一部の実施形態では、NAFLDはNASHによって引き起こされる肝硬変である。一部の実施形態では、NAFLDはNASHによって引き起こされる肝細胞癌(HCC)である。
【0058】
一部の態様では、NASHによって引き起こされる肝線維症を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、ACC阻害剤は化合物1または化合物2である。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、魚油、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザルおよびムラグリタザルからなる群から選択される。
【0059】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含み、PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザルおよびムラグリタザルからなる群から選択される、方法が本明細書に提供されている。
【0060】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0061】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含み、PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザルおよびムラグリタザルからなる群から選択される、方法が本明細書に提供されている。
【0062】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0063】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含み、PPARαアゴニストが、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザルおよびムラグリタザルからなる群から選択される、方法が本明細書に提供されている。
【0064】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0065】
一部の実施形態では、患者は非肝硬変である。
【0066】
一部の実施形態では、患者は、過去の肝生検によりステージ1~4の線維症を有する。
・ステージ1:線維症による門脈域の拡大;
・ステージ2:門脈域間に稀に架橋を有する門脈域から伸びる線維症;
・ステージ3:肝臓の門脈域と中心静脈域(central area)を連結する線維症の多くの架橋
・ステージ4:<50%の生検の線維症を有する明らかな肝硬変。
【0067】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(ACC阻害剤による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0068】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0069】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0070】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(ACC阻害剤による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0071】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0072】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0073】
一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて、正常と比較して、ALT、TIMP-1および/またはPIII-NPの上昇した血清レベルを有する。
【0074】
一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約20%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約25%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約30%低減させる。
【0075】
一部の実施形態では、処置した患者の少なくとも約3人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。一部の実施形態では、処置した患者の約2人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。
【0076】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(tissue inhibitor of metalloproteinases-1)(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(ACC阻害剤による処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0077】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(化合物1による処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0078】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(化合物2による処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0079】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(ACC阻害剤による処置前のPIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0080】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(化合物1による処置前のPIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0081】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(化合物2による処置前のPIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0082】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。
【0083】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0084】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。
【0085】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0086】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。
【0087】
一部の態様では、高トリグリセリド血症の出現を低減もしくは除外、またはその重症度を軽減しながら、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、患者の血漿トリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0088】
一部の実施形態では、患者は非肝硬変である。一部の実施形態では、患者は、ベースライン(ACC阻害剤による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0089】
一部の実施形態では、患者は非肝硬変である。一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0090】
一部の実施形態では、患者は非肝硬変である。一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0091】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(ACC阻害剤による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0092】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0093】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0094】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(ACC阻害剤による処置前)において1デシリットル当たり約150ミリグラム(mg/dL)未満の正常な血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくともボーダーラインの高さの血漿トリグリセリドレベル(約150mg/dLまたはそれよりも高い)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて、少なくとも約500mg/dLまたはそれよりも高い、高血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、150mg/dL~199mg/dLのボーダーラインの高さの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、200mg/dL~499mg/dLの高血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は500mg/dLより上の非常に高い血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて約250mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0095】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において約150mg/dL未満の血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約200mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約250mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0096】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において約100mg/dL未満の血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約200mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約250mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0097】
一部の実施形態では、NASHおよび約150mg/dL未満の血漿トリグリセリドレベルを有する患者において、患者のトリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、NASHおよび約150mg/dL未満の血漿トリグリセリドレベルを有する患者において、患者のトリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、ACC阻害剤を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約200mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約250mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0098】
一部の実施形態では、NASHおよび少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する患者において、患者のトリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、NASHおよび少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する患者において、患者のトリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約200mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約250mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0099】
一部の実施形態では、NASHおよび少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する患者において、患者のトリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2をPPARαアゴニストと組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、NASHおよび少なくとも約150mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する患者において、患者のトリグリセリドレベルを実質的に増加させることなく、NASHを処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を魚油、例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約200mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約250mg/dLの血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0100】
一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて、正常と比較してALT、TIMP-1および/またはPIII-NPの上昇した血清レベルを有する。
【0101】
一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約20%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約25%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約30%低減させる。
【0102】
一部の実施形態では、処置した患者の少なくとも約3人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。一部の実施形態では、処置した患者の約2人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。
【0103】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(ACC阻害剤による処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0104】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(化合物1による処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0105】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(化合物2による処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0106】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(ACC阻害剤による処置前のPIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0107】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(化合物1による処置前PIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0108】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(化合物2による処置前のPIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0109】
一部の実施形態では、処置した患者のトリグリセリドレベルは、処置中に有意に増加しない。一部の実施形態では、処置した患者のトリグリセリドレベルは、処置中ベースラインから約10%より多く増加しない。一部の実施形態では、処置した患者のトリグリセリドレベルは、処置中ベースラインから約5%より多く増加しない。一部の実施形態では、処置した患者のトリグリセリドレベルは、処置中ベースラインから約1%より多く増加しない。一部の実施形態では、処置した患者のトリグリセリドレベルは、処置後も実質的に同じままであり、例えば、ベースラインの約±10%またはベースラインの約±5%のままである。
【0110】
一部の実施形態では、処置した患者は、グレード3または4のトリグリセリド上昇を経験しない。
【0111】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、シンフィブレート、オメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、またはドコサヘキサエン酸)、ピリニクス酸、GW409544、AZ242、LY518674、NS-220、AVE8134、BMS-711939、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルからなる群から選択される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストはフェノフィブレートである。
【0112】
一部の実施形態では、ACC阻害剤(例えば、化合物1または化合物2)は治療有効量で投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは魚油は治療有効量で投与される。一部の実施形態では、ACC阻害剤(例えば、化合物1または化合物2)およびPPARαアゴニストまたは魚油は治療有効量で投与される。
【0113】
ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2と、PPARαアゴニスト(例えば、魚油)の組合せは、これらに限定されないが(例えば、ALT、AST、GGT、ELF、ヒアルロン酸、TIMP1、PIIINP、TG、MRI-PDFF、MRE、およびFibroscan)を含むNASHのマーカーを改善することが想定される。ベースラインにおいてPPARαアゴニスト(例えば、魚油)で処置中の患者は、ACC阻害剤が投与された場合、代謝パラメータの改善(例えば、トリグリセリドの減少)を示すことがさらに想定される。
【0114】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を有する非肝硬変患者において非アルコール性脂肪肝炎を処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgのACC阻害剤を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0115】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を有する非肝硬変患者において非アルコール性脂肪肝炎を処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgの化合物1を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0116】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎を有する非肝硬変患者において非アルコール性脂肪肝炎を処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgの化合物2を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0117】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する代償性肝硬変を有する患者においてNASHを処置する方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、このような方法は、限定ではないものの、化合物1および化合物2を含むACC阻害剤の投与を含む。投与は、毎日1回であり得、1日量は、限定ではないものの、20mgであってよい。
【0118】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する代償性肝硬変を有する患者においてNASHを処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgのACC阻害剤を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0119】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する代償性肝硬変を有する患者においてNASHを処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgの化合物1を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0120】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に起因する代償性肝硬変を有する患者においてNASHを処置する方法であって、それを必要とする患者に、毎日1回約20mgの化合物2を投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0121】
一部の態様では、NASHに起因する代償性肝硬変を有する患者において肝臓脂肪症を改善する方法が本明細書に提供されている。一部の態様では、NASHを有する非肝硬変患者において肝臓脂肪症を改善する方法が本明細書に提供されている。
【0122】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物およびACC阻害剤による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0123】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0124】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において少なくとも約8%の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約11%のMRI-PDFFを有する。
【0125】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(ACC阻害剤による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0126】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物1による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0127】
一部の実施形態では、患者は、ベースライン(化合物2による処置前)において少なくとも約2.5kPaの肝硬度を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて少なくとも約2.9kPaの肝硬度を有する。
【0128】
一部の実施形態では、患者は、約250mg/dL未満のベースライン血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、約200mg/dL未満のベースライン血漿トリグリセリドレベルを有する。一部の実施形態では、患者は、約150mg/dL未満のベースライン血漿トリグリセリドレベルを有する。
【0129】
一部の実施形態では、処置は、患者の磁気共鳴画像法プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)をベースラインと比較して少なくとも約20%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約25%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のMRI-PDFFをベースラインと比較して少なくとも約30%低減させる。
【0130】
一部の実施形態では、ACC阻害剤で処置した患者の少なくとも約3人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。一部の実施形態では、ACC阻害剤で処置した患者の約2人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。
【0131】
一部の実施形態では、化合物1で処置した患者の少なくとも約3人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。一部の実施形態では、化合物1で処置した患者の約2人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。
【0132】
一部の実施形態では、化合物2で処置した患者の少なくとも約3人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。一部の実施形態では、化合物2で処置した患者の約2人に1人がベースラインと比較してMRI-PDFFの約30%の低減を達成する。
【0133】
一部の実施形態では、処置は、患者の組織メタロプロテイナーゼ阻害物質-1(TIMP-1)の血清レベルをベースライン(処置前のTIMP-1の血清レベル)と比較して少なくとも約5%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約6%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のTIMP-1の血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約7%低減させる。
【0134】
一部の実施形態では、処置は、患者のN末端プロコラーゲンIII-ペプチド(PIII-NP)の血清レベルをベースライン(処置前のPIII-NPの血清レベル)と比較して少なくとも約9%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約10%低減させる。一部の実施形態では、処置は、患者のPIII-NPの血清レベルをベースラインと比較して少なくとも約13%低減させる。
【0135】
一部の実施形態では、方法は、患者にPPARαアゴニストまたは魚油を投与することをさらに含む。
【0136】
一部の実施形態では、肝臓ジアシルグリセリドレベルが上昇している、肝臓ジアシルグリセリドレベルを低減させることを必要とする患者において肝臓ジアシルグリセリドレベルを低減させる方法であって、治療有効量のACC阻害剤を患者に投与することを含む方法が提供される。
【0137】
一部の実施形態では、肝臓膜脂質を回復させることを必要とする患者において肝臓膜脂質を回復させる方法であって、治療有効量のACC阻害剤を患者に投与することを含む方法が提供される。
【0138】
一部の実施形態では、肝臓ホスファチジルエタノールアミンレベルが低減している、肝臓ホスファチジルエタノールアミンを増加させることを必要とする患者において肝臓ホスファチジルエタノールアミンを増加させる方法であって、治療有効量のACC阻害剤を患者に投与することを含む方法が提供される。
【0139】
一部の実施形態では、肝臓ホスファチジルコリン(phosphatidylcoline)レベルが低減している、肝臓ホスファチジルコリンを増加させることを必要とする患者において肝臓ホスファチジルコリンを増加させる方法であって、治療有効量のACC阻害剤を患者に投与することを含む方法が提供される。
【0140】
一部の実施形態では、胆汁酸合成の基質を低減させることを必要とする患者において胆汁酸合成の基質を低減させる方法であって、治療有効量のACC阻害剤を患者に投与することを含む方法が提供される。
【0141】
一部の実施形態では、1種もしくは複数種のCol1a1、パルミトレエート、イソブチリルカルニチン、3-ヒドロキシブチレート、または3-ヒドロキシブチリルカルニチンのレベルの上昇を有する患者においてNASHを処置する方法であって、治療有効量のACC阻害剤を患者に投与することを含む方法が提供される。
【0142】
一部の実施形態では、ACC阻害剤は、毎日約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの量で投与される。一部の実施形態では、ACC阻害剤は、1日1回、2回または3回投与される。一部の実施形態では、ACC阻害剤は、毎日1回約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの量で投与される。
【0143】
一部の実施形態では、化合物1は、毎日約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物1は、1日1回、2回または3回投与される。一部の実施形態では、化合物1は、毎日1回約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物1は、毎日1回約20mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物1は、遊離酸(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸として毎日1回約20mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物1は、(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物または共結晶として、約20mgの(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸の遊離酸と等価な量で毎日1回投与される。
【0144】
一部の実施形態では、化合物2は、毎日約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物2は、1日1回、2回または3回投与される。一部の実施形態では、化合物2は、毎日1回約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物2は、毎日1回約20mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物2は、遊離酸2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸として、毎日1回約20mgの量で投与される。一部の実施形態では、化合物2は、2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物または共結晶として、約20mgの2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸の遊離酸と等価な量で毎日1回投与される。
【0145】
一部の実施形態では、ACC阻害剤は、約10mg、20mg、または30mgのACC阻害剤の遊離酸と等価な量でACC阻害剤を含む単位投与量製剤で投与される。ある特定の実施形態では、カプセル製剤は、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgのACC阻害剤の遊離酸と等価な量でACC阻害剤を提供する。
【0146】
一部の実施形態では、化合物1は、約10mg、20mg、または30mgの化合物1の遊離酸と等価な量で化合物1を含む単位投与量製剤で投与される。ある特定の実施形態では、カプセル製剤は、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの化合物1の遊離酸と等価な量で化合物1を提供する。
【0147】
一部の実施形態では、化合物2は、約10mg、20mg、または30mgの化合物2の遊離酸と等価な量で化合物2を含む単位投与量製剤で投与される。ある特定の実施形態では、カプセル製剤は、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、または約35mgの化合物2の遊離酸と等価な量で化合物2を提供する。
【0148】
一部の実施形態では、毎日1回のACC阻害剤は、晩において、例えば、およそ6p.m.の現地時間もしくはその後に、およそ7p.m.の現地時間もしくはその後に、およそ8p.m.の現地時間もしくはその後に、またはおよそ9p.m.の現地時間もしくはその後に投与される。
【0149】
一部の実施形態では、毎日1回の化合物1は、晩において、例えば、およそ6p.m.の現地時間もしくはその後に、およそ7p.m.の現地時間もしくはその後に、およそ8p.m.の現地時間もしくはその後に、またはおよそ9p.m.の現地時間もしくはその後に投与される。
【0150】
一部の実施形態では、毎日1回の化合物2は、晩において、例えば、およそ6p.m.の現地時間もしくはその後に、およそ7p.m.の現地時間もしくはその後に、およそ8p.m.の現地時間もしくはその後に、またはおよそ9p.m.の現地時間もしくはその後に投与される。
【0151】
一部の実施形態では、1つまたは複数の症状が発症した後に処置が施行される。他の実施形態では、症状の非存在下で、処置が施行される。例えば、症状の発現以前に(例えば、症状の履歴を考慮しておよび/または遺伝因子もしくは他の感受性因子を考慮して)罹りやすい個体に処置が施行される。処置はまた、症状が消えた後に、例えば、これらの再発を予防する、遅延させるまたはその重症度を軽減するために継続される。
【0152】
化合物1
化合物1は、化学名(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸および以下の構造:
【化3】
を有するACC阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、溶媒和物、もしくは水和物である。一部の実施形態では、化合物1は、(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸であり、これはまた化合物1の遊離酸とも呼ばれる。一部の実施形態では、化合物1は、(R)-2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、化合物1の重水素化類似体は、本明細書に記載されている方法に使用することができる。
【0153】
薬学的に許容される塩の例として、金属イオン(例えば、アルミニウム、亜鉛、アルカリ金属、アルカリ土類金属)塩、アンモニウム塩およびN+(C1~4アルキル)4塩を含む適当な塩基由来の塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩として、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩として、適当な場合、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、および第一級、第二級または第三級アミンカチオン由来のものが挙げられ、これらに限定されないが、天然アミノ酸または天然に存在しないアミノ酸由来のものが含まれる。代表的なアミンまたはアンモニウムベースの塩として、これらに限定されないが、アルギニン、ベタイン、ヒドラバミン、コリン、ジエチルアミン、リシン、ベンザチン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、エタノールアミン、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、ジエタノールアミン、アンモニア、デアノール、N-メチル-グルカミン、トロメタミン、トリエタノールアミン、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、1H-イミダゾール、エチレンジアミン、ピペラジン、プロカイン、およびベネタミン由来のものが挙げられる。
【0154】
一部の実施形態では、化合物1は結晶形態である。化合物1のある特定の結晶形態は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0267690A1号に記載されている(are decribed)。一部の実施形態では、化合物1の結晶形態は、US2017/0267690A1に記載されている「化合物1形態I」、「化合物1形態II」、「化合物1形態III」、「化合物1形態IV」、「化合物1形態V」、「化合物1形態VI」、「化合物1形態VII」、「化合物1形態VIII」である。
【0155】
一部の実施形態では、化合物1は、US2017/0267690A1に記載されている「化合物1ナトリウム形態I」、「化合物1ナトリウム形態II」、「化合物1カルシウム形態I」、「化合物1マグネシウム形態I」、「化合物1ジエタノールアミン形態I」、または「化合物1ピペラジン形態I」である。
【0156】
一部の実施形態では、化合物1の結晶形態は、Cu-Kα照射を1.54Åの波長で使用する回折計で決定した場合、以下のピーク:9.3、15.0、および19.8°2θ±0.2°2θを含むX線粉末回折図により特徴付けられる化合物1形態Iである。
【0157】
一部の実施形態では、化合物1形態Iは、16.0、24.0、25.8、および27.3°2θ±0.2°2θにおいて1つまたは複数の追加のピークを含む回折図により特徴付けられる。
【0158】
一部の実施形態では、化合物1の結晶形態は、約9.2、約15.8、約19.6、約24.0、約25.6、約28.6、および約8.7度2θにおけるピークから選択される、その粉末X線回折パターンの1つまたは複数のピークを有するという点で特徴付けられる。
【0159】
一部の実施形態では、化合物1形態1は、約189℃~約193℃の間の吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線により特徴付けられる。
【0160】
一部の実施形態では、化合物1の結晶形態は少なくとも約85%の形態Iである。
【0161】
一部の実施形態では、化合物1の結晶形態またはその薬学的に許容される塩もしくは共結晶は、化合物1形態II、化合物1形態III、化合物1形態IV、化合物1形態V、化合物1形態VI、化合物1形態VII、化合物1形態VIII、化合物1ナトリウム形態I、化合物1ナトリウム形態II、化合物1カルシウム形態I、化合物1マグネシウム形態I、化合物1ジエタノールアミン形態I、および化合物1ピペラジン形態Iから選択される。
【0162】
一部の実施形態では、化合物1は非晶質形態である。一部の実施形態では、化合物1は結晶性化合物1を実質的に含まない。
化合物2
【0163】
化合物2は、化学名2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸および以下の構造:
【化4】
を有するACC阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、溶媒和物、もしくは水和物である。一部の実施形態では、化合物2は、2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸であり、これはまた化合物2の遊離酸とも呼ばれる。一部の実施形態では、化合物2は、2-[1-[(2R)-2-[(4-ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-(1,3-オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1H,2H,3H,4H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-3-イル]-2-メチルプロパン酸の薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、化合物2の重水素化類似体は本明細書に記載されている方法に使用することができる。
【0164】
PPARαアゴニスト
上に全般的に記載されているように、提供される方法は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2、およびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ(PPARα)アゴニストを含む組合せを含む。
【0165】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、マウスおよびヒトからクローニングした3種のサブタイプ:PPARα、PPARγ、およびPPARδを含むリガンド-活性化転写因子の核内受容体スーパーファミリーのメンバーである。PPARα、PPARγ、およびPPARδ配列は、例えば、GenBank(登録商標)配列データベースから公的に入手可能である。PPARαはまた、NR1C1(核内受容体サブファミリー1、C群、メンバー1)としても公知である。PPARαアゴニストはPPARαを活性化する。
【0166】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、混合PPARα/δアゴニスト、例えば、GFT505ではない。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、PPARα/γ二重アゴニスト、例えば、サログリタザルではない。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは選択的PPARαアゴニスト、例えば、PPARγおよびPPARδに対して、PPARαに対する少なくとも約10倍、約20倍、約50倍、または約100倍の選択性を有するPPARαアゴニストである。一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、ヒトPPARγおよびPPARδを活性化するその活性と比較して、少なくとも約10倍、約20倍、約50倍、または約100倍高いヒトPPARαを活性化する活性を有する選択的PPARαアゴニストである。
【0167】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは以下から選択される:
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【0168】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、フィブレート、カルボゾール(carbozole)ベースの化合物、またはピペリジンベースの化合物である。
【0169】
フィブレートは、例えば、アルミニウムクロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、コリンフェノフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、ペマフィブレート、ロニフィブレート、およびシンフィブレートを含めた両親媒性カルボン酸である化合物のクラスである。カルボゾールベースのPPARαアゴニストとして、例えば、米国特許出願公開第2010/0286210号に記載されている化合物、例えば、
【化5】
が挙げられる。米国特許出願公開第2010/0286210号はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0170】
ピペリジンベースの化合物として、Christopher D. Kane et al., Molecular Pharmacology, 2009, 75(2):296-306(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているもの、例えば、
【化6】
が挙げられる。
【0171】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、国際特許出願WO2017044551(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物、例えば、
【化7】
である。
【0172】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはオメガ-3脂肪酸(例えば、イコサペント酸エチル(Vascepa(登録商標))、ドコサヘキサエン酸)である。一部の実施形態では、PPARαアゴニストはドコサヘキサエン酸(DHA)である。一部の実施形態では、PPARαアゴニストはイコサペント酸エチルである。一部の実施形態では、オメガ-3脂肪酸は、オメガ-3脂肪酸を含む組成物、例えば、魚油で投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストはイコサペント酸エチルである。一部の実施形態では、ドコサヘキサエン酸は、ドコサヘキサエン酸を含む組成物、例えば、魚油で投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている方法は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2を、魚油と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0173】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、米国特許出願公開第20070197615号(その全体が参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている化合物、例えば、NS-220である。
【0174】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはフェノフィブレートである。一部の実施形態では、フェノフィブレートは、1日当たり約30mg~約200mgの投与量で投与される。一部の実施形態では、フェノフィブレートは、毎日1回約30mg~約200mgの投与量で投与される。一部の実施形態では、フェノフィブレートは、毎日1回約30~約67mg、約40~約54mg、約40mg~約200mg、約50~約150mg、約90~約200mg、約120~約160mg、約50mg、または約150mgの投与量で投与される。一部の実施形態では、フェノフィブレートは経口投与される。一部の実施形態では、フェノフィブレートの毎日の投与量は、それぞれ約30mg、約40mg、約43mg、約48mg、約50mg、約54mg、約67mg、約90mg、約120mg、約130mg、約134mg、約145mg、約150mg、約160mg、または約200mgのフェノフィブレートを含有する1つまたは複数の錠剤またはカプセル剤として投与される。
【0175】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはベザフィブレートである。一部の実施形態では、ベザフィブレートは1日当たり約600mgの投与量で投与される。一部の実施形態では、ベザフィブレートは、200mgのベザフィブレートを含む1個の錠剤で1日当たり3回投与される。
【0176】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはシプロフィブレートである。一部の実施形態では、シプロフィブレートは、1日当たり約100mgの投与量で投与される。一部の実施形態では、シプロフィブレートは、1日当たり100mgのシプロフィブレートを含む1個の錠剤で投与される。
【0177】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはクロフィブレートである。一部の実施形態では、クロフィブレートは、1日4回約500mgの投与量で経口投与される。
【0178】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはゲムフィブロジルである。一部の実施形態では、ゲムフィブロジルは、1日2回約600mgの投与量で経口投与される。一部の実施形態では、ゲムフィブロジルは朝および晩の食事の30分前に投与される。
【0179】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストはペマフィブレートである。一部の実施形態では、ペマフィブレートは、1日2回約0.1mg~約0.2mgの投与量で投与される。
【0180】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストは、GW409544、AZ242、LY518674およびグリタザール、例えば、アレグリタザル、ムラグリタザルおよびサログリタザルを含むPPARα/γ二重アゴニストである。一部の実施形態では、PPARαアゴニストはサログリタザルである。一部の実施形態では、サログリタザルは、1日1回約4mgの量で経口投与される。
【0181】
追加の治療剤
一部の実施形態では、本明細書に提供されている処置の方法は、患者に、1種または複数種の追加の治療剤を投与することをさらに含む。ある特定の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤は、独立して、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、オートタキシン阻害剤、カスパーゼ阻害剤、カテプシンB阻害剤、CCR2ケモカインアンタゴニスト、CCR5ケモカインアンタゴニスト、クロライドチャネル刺激物質、コレステロール溶解剤、ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤、ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ2(DGAT2)阻害剤 ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害剤、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、FXR/TGR5二重アゴニスト、ガレクチン-3阻害剤、グルカゴン様ペプチド1(GLP1)アゴニスト、グルタチオン前駆体、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤、HMG CoA還元酵素阻害剤、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β-HSD1)阻害剤、IL-1βアンタゴニスト、IL-6アンタゴニスト、IL-10アゴニスト、IL-17アンタゴニスト、回腸の胆汁酸ナトリウム共輸送体阻害剤、レプチン類似体、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、LPL遺伝子刺激物質、リシルオキシダーゼホモログ2(LOXL2)阻害剤、リゾホスファチジン酸受容体アンタゴニスト、PDE3阻害剤、PDE4阻害剤、ホスホリパーゼC(PLC)阻害剤、Rho関連タンパク質キナーゼ2(ROCK2)阻害剤、ナトリウムグルコーストランスポーター-2(SGLT2)阻害剤、ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤、甲状腺ホルモン受容体βアゴニスト、腫瘍壊死因子α(TNFα)リガンド阻害剤、ケトヘキソキナーゼ阻害剤、トランスグルタミナーゼ阻害剤、トランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体、血管接着タンパク質(VAP-1)、血小板由来成長因子アンタゴニスト、結合(cynnective)組織成長因子アンタゴニスト、PTP1b阻害剤、およびASK1阻害剤からなる群から選択される。
【0182】
一部の実施形態では、追加の治療剤はアンジオテンシンII受容体アンタゴニストである。
【0183】
一部の実施形態では、追加の治療剤はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤である。一部の実施形態では、ACE阻害剤はエナラプリルである。
【0184】
一部の実施形態では、追加の治療剤はカスパーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、カスパーゼ阻害剤はエムリカサンである。
【0185】
一部の実施形態では、追加の治療剤はカテプシンB阻害剤である。一部の実施形態では、カテプシンB阻害剤は混合したカテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、混合したカテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤はVBY-376である。
【0186】
一部の実施形態では、追加の治療剤はCCR2ケモカインアンタゴニストである。一部の実施形態では、追加の治療剤は混合したCCR2/CCR5ケモカインアンタゴニストである。一部の実施形態では,混合したCCR2/CCR5ケモカインアンタゴニストはセニクリビロックである。
【0187】
一部の実施形態では、追加の治療剤はCCR5ケモカインアンタゴニストである。
【0188】
一部の実施形態では、追加の治療剤はクロライドチャネル刺激物質である。一部の実施形態では、クロライドチャネル刺激物質はコビプロストンである。
【0189】
一部の実施形態では、追加の治療剤コレステロール溶解剤である。
【0190】
一部の実施形態では、追加の治療剤はジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ1(DGAT1)阻害剤である。一部の実施形態では、DGAT1阻害剤はLCQ908である。
【0191】
一部の実施形態では、追加の治療剤はジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)阻害剤である。一部の実施形態では、DPPIV阻害剤はリナグリプチンである。
【0192】
一部の実施形態では、追加の治療剤はファルネソイドXレセプター(FXR)アゴニストである。一部の実施形態では、FXRアゴニストはINT-747(オベチコール酸)である。一部の実施形態では、FXRアゴニストはPX-102である。
【0193】
一部の実施形態では、追加の治療剤はFXR/TGR5二重アゴニストである。一部の実施形態では、FXR/TGR5二重アゴニストはINT-767である。
【0194】
一部の実施形態では、追加の治療剤はガレクチン-3阻害剤である。一部の実施形態では、ガレクチン-3阻害剤はGR-MD-02である。
【0195】
一部の実施形態では、追加の治療剤はグルカゴン様ペプチド1(GLP1)アゴニストである。一部の実施形態では、GLP1アゴニストはリラグルチドである。一部の実施形態では、GLP1アゴニストはエキセナチドである。
【0196】
一部の実施形態では、追加の治療剤はグルタチオン前駆体である。
【0197】
一部の実施形態では、追加の治療剤はC型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤は混合したカテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、混合したカテプシンB/C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ阻害剤はVBY-376である。
【0198】
一部の実施形態では、追加の治療剤はHMG CoA還元酵素阻害剤である。一部の実施形態では、HMG-CoA還元酵素阻害剤はスタチンである。一部の実施形態では、HMG-CoA還元酵素阻害剤はアトルバスタチンである。
【0199】
一部の実施形態では、追加の治療剤は11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β-HSD1)阻害剤である。一部の実施形態では、11β-HSD1阻害剤はRO5093151である。
【0200】
一部の実施形態では、追加の治療剤はIL-1βアンタゴニストである。
【0201】
一部の実施形態では、追加の治療剤はIL-6アンタゴニストである。一部の実施形態では、IL-6アンタゴニストは混合したIL-6/IL-1β/TNFαリガンド阻害剤である。一部の実施形態では、混合したIL-6/IL-1β/TNFαリガンド阻害剤はBLX-1002である。
【0202】
一部の実施形態では、追加の治療剤はIL-10アゴニストである。一部の実施形態では、IL-10アゴニストはペグ-イロデカキンである。
【0203】
一部の実施形態では、追加の治療剤はIL-17アンタゴニストである。一部の実施形態では、IL-17アンタゴニストはKD-025である。
【0204】
一部の実施形態では、追加の治療剤は回腸の胆汁酸ナトリウム共輸送体阻害剤である。一部の実施形態では、回腸の胆汁酸ナトリウム共輸送体阻害剤はSHP-626である。
【0205】
一部の実施形態では、追加の治療剤はレプチン類似体である。一部の実施形態では、レプチン類似体はメトレレプチンである。
【0206】
一部の実施形態では、追加の治療剤は5-リポキシゲナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、5-リポキシゲナーゼ阻害剤は混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。一部の実施形態では、混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0207】
一部の実施形態では、追加の治療剤はLPL遺伝子刺激物質である。一部の実施形態では、LPL遺伝子刺激物質はアリポジーンチパルボベックである。
【0208】
一部の実施形態では、追加の治療剤はリシルオキシダーゼホモログ2(LOXL2)阻害剤である。一部の実施形態では、LOXL2阻害剤は抗LOXL2抗体である。一部の実施形態では、抗LOXL2抗体はGS-6624(シムツズマブ)である。
【0209】
一部の実施形態では、追加の治療剤はPDE3阻害剤である。一部の実施形態では、PDE3阻害剤は混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。一部の実施形態では、混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0210】
一部の実施形態では、追加の治療剤はPDE4阻害剤である。一部の実施形態では、PDE4阻害剤はASP-9831である。一部の実施形態では、PDE4阻害剤は混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。一部の実施形態では、混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0211】
一部の実施形態では、追加の治療剤はホスホリパーゼC(PLC)阻害剤である。一部の実施形態では、PLC阻害剤は混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤である。一部の実施形態では、混合した5-リポキシゲナーゼ/PDE3/PDE4/PLC阻害剤はタイペルカストである。
【0212】
一部の実施形態では、追加の治療剤はRho関連タンパク質キナーゼ2(ROCK2)阻害剤である。一部の実施形態では、ROCK2阻害剤はKD-025である。
【0213】
一部の実施形態では、追加の治療剤はナトリウムグルコーストランスポーター-2(SGLT2)阻害剤である。一部の実施形態では、SGLT2阻害剤はレモグリフロジンエタボネートである。
【0214】
一部の実施形態では、追加の治療剤はステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤である。一部の実施形態では、ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤はアラムコール(aramchol)である。一部の実施形態では、ステアロイルCoAデサチュラーゼ-1阻害剤はCVT-12805である。
【0215】
一部の実施形態では、追加の治療剤は甲状腺ホルモン受容体βアゴニストである。一部の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体βアゴニストはMGL-3196である。
【0216】
一部の実施形態では、追加の治療剤は腫瘍壊死因子α(TNFα)リガンド阻害剤である。
【0217】
一部の実施形態では、追加の治療剤はトランスグルタミナーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、トランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体はメルカプタミンである。
【0218】
一部の実施形態では、追加の治療剤はトランスグルタミナーゼ阻害剤前駆体である。
【0219】
一部の実施形態では、追加の治療剤はPTP1b阻害剤である。一部の実施形態では、PTP1b阻害剤は、A119505、A220435、A321842、CPT633、ISIS-404173、JTT-551、MX-7014、MX-7091、MX-7102、NNC-521246、OTX-001、OTX-002、またはTTP814である。
【0220】
一部の実施形態では、追加の治療剤はASK1阻害剤である。一部の実施形態では、ASK1阻害剤はGS4977である。一部の実施形態では、ASK1阻害剤はセロンセルチブ(GS-4997)である。
【0221】
一部の実施形態では、前記1種または複数種の追加の治療剤は、独立して、アセチルサリチル酸、アリポジーンチパルボベック、アラムコール、アトルバスタチン、BLX-1002、セニクリビロック、コビプロストン、コレセベラム、エムリカサン、エナラプリル、GR-MD-02、ヒドロクロロチアジド、イコサペントエチルエステル(エチルエイコサペンタエン酸)、IMM-124E、KD-025、リナグリプチン、リラグルチド、メルカプタミン、MGL-3196、オベチコール酸、オレソキシム、ペグ-イロデカキン、ピオグリタゾン、PX-102、レモグリフロジンエタボネート、SHP-626、ソリスロマイシン、タイペルカスト、TRX-318、ウルソデオキシコール酸、およびVBY-376から選択される。
【0222】
一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はアセチルサリチル酸である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はアリポジーンチパルボベックである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はアラムコールである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はアトルバスタチンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はBLX-1002である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はセニクリビロックである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はコビプロストンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はコレセベラムである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はエムリカサンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はエナラプリルである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はGR-MD-02である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はヒドロクロロチアジドである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はイコサペントエチルエステル(エチルエイコサペンタエン酸)である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はIMM-124Eである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はKD-025である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はリナグリプチンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はリラグルチドである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はメルカプタミンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はMGL-3196である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はオベチコール酸である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はオレソキシムである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はペグ-イロデカキンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はピオグリタゾンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はPX-102である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種は である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はレモグリフロジンエタボネートである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はSHP-626である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はソリスロマイシンである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はタイペルカストである。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はTRX-318である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はウルソデオキシコール酸である。一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤の1種はVBY-376である。
【0223】
一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は抗糖尿病剤である。一部の実施形態では、前記抗糖尿病剤は、アデノシンA1受容体アゴニスト(例えばアデノシン、CCPA、CVT-3619、GR-190718)、アデノシンA2受容体アンタゴニスト(イストラデフィリン、SCH-58261)、アルドース還元酵素阻害剤、α-アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレアスタチン(treastatin)、AL-3688)、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、カミグリボース、ジポシン(diposine)、エミグリテート、ミグリトール、プラジミシン-Q、サルボスタチン、ボグリボース)、アミリン類似体(例えば、AC164209およびプラムリンチド)、AMPK活性化剤、β3-アドレナリン作用アゴニスト(例えば、アミベグロン、AZ-40140、CL-316,243、KRP-204、L-742,791、L-796,568、LY-368,842、LY-377,604、ミラベグロン、Ro40-2148、ソラベグロン、SWR-0342SA)、β-ケトアシル-アシルキャリアタンパク質シンターゼ阻害剤、ビグアナイド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害剤、DGAT-2阻害剤、DPP-4阻害剤(例えば、アログリプチン、アナグリプチン、デュトグリプチン、ジェミグリプチン、リナグリプチン、オマリグリプチン、サキサグリプチン、シタグリプチン、テネリグリプチン、トレラグリプチン、およびビルダグリプチン)、ERN1阻害剤、脂肪酸酸化阻害剤、脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害剤、FGF21誘導体、フルクトース1,6-ジホスファターゼ阻害剤、GLP1アゴニスト(例えば、アルビグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、タスポグルチド)、グルカゴン受容体モジュレーター、混合したグルカゴン受容体/GLP-1アゴニスト(例えば、MAR-701、ZP2929)、グルコキナーゼ阻害剤(例えば、TTP-399、TTP-355、TTP-547、AZD1656、ARRY403、MK-0599、TAK-329、AZD5658、およびGKM-001)、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えば、GSK1362885)、GSK-3阻害剤、GPR119アゴニスト(例えば、MBX-2982、GSK1292263、APD597、PSN821)、GPBAR1(TGR5)アゴニスト(例えば、INT-777、XL-475)、GPR39モジュレーター、GPR40アゴニスト(例えば、TAK-875)、GPR41モジュレーター、GPR43モジュレーター、GPR81モジュレーター、GPR120アゴニスト、HSL阻害剤、IκB阻害剤、ILI-ベータモジュレーター、インスリンもしくはインスリン類似体(これらに限定されないが、その経口製剤、吸入製剤または注射用製剤を含む)、インスリン様増殖因子(IGF-1)もしくはその類似体、インスリン分泌促進物質、JNK阻害剤(例えば、CC-359)、カッパオピオイド受容体モジュレーター、LY3084077、Kvl.3阻害剤(例えば、ChTX、クロファズミン(clofazmine)、WIN-173173)、MAP4K4阻害剤、MC1もしくはMC4アゴニスト(例えば、アファメラノチド、BMS-470539、ブレメラノチド、Melanotan II、PF-00446687、PL-6983、セトメラノチド、およびTHIQ)、メグリチニド(例えば、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド)、ミネラロコルチコイド受容体阻害剤、モノアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ阻害剤、NF-κB阻害剤、ニコチン酸受容体(HM74A)活性化剤、PDE-10阻害剤、PDHK2阻害剤、PDHK4阻害剤、PKC(PKC-アルファ、PKC-ベータ、およびPKC-ガンマを含む)阻害剤、PTP1b阻害剤(例えば、トロズスクエミン)、レチノール結合タンパク質4阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ阻害剤、SGLT1阻害剤(例えば、GSK1614235)、SIRT-1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840、GSK184072)、ソマトスタチン受容体阻害剤、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネース、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、ブリミピリド(blimipiride)、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、トルブタミド)、チアゾリジンジオン(例えば、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ロベグリタゾン、MSDC-0602、ネトグリタゾン、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、およびトログリタゾン)、TORC2阻害剤、ウロテンシンII受容体アゴニスト、バゾプレシンアゴニスト(例えば、DDAVP、WAY-141608)、VPAC2受容体アゴニストまたはケトヘキソキナーゼ阻害剤(例えば、PF-06835919)である。
【0224】
一部の実施形態では、前記1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は抗抗肥満剤(anti-antiobesity agent)である。一部の実施形態では、前記抗肥満剤(anti-obesity)は、apoB-MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド、JTT130、SLX4090、ユシスタピド)、β3-アドレナリン作用アゴニスト(例えば、アミベグロン、AZ-40140、CL-316,243、KRP-204、L-742,791、L-796,568、LY-368,842、LY-377,604、ミラベグロン、Ro40-2148、ソラベグロン、SWR-0342SA)、ボンベシン受容体アゴニスト、BRS3モジュレーター、CB1受容体アンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、CCKAアゴニスト、毛様体神経栄養因子(CNTF)もしくはその類似体(例えば、アキソキン、NT-501)、ContraveTM(ブプロプリオン/ナルトレキソン)、ドーパミン受容体アゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β-HSD1)阻害剤、EmpaticTM(プラムリンチド/メトレレプチン)、5-HT2Cアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、ガラニンアンタゴニスト、グレリンアゴニストもしくはアンタゴニスト、GLP1アゴニスト(例えば、アルビグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、タスポグルチド)、混合したグルカゴン受容体/GLP-1アゴニスト(例えば、MAR-701、ZP2929)、H3アンタゴニストもしくはインバースアゴニスト、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)阻害剤、レプチンもしくはその類似体(例えば、メトレレプチン)、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン)、MC1もしくはMC4アゴニスト(例えば、アファメラチド、BMS-470539、ブレメラノチド、Melanotan II、PF-00446687、PL-6983、セトメラノチド、およびTHIQ)、メラニン形成細胞刺激ホルモンもしくはその類似体、MetAp2阻害剤(例えば、ZGN-433)、モノアミン再取り込み阻害剤(例えば、ブプロプリオン、シブトラミン、フェンテルミン、テソフェンシン)、ニューロメジンU受容体アゴニスト、NPYアンタゴニスト(例えば、ベルネペリット)、オピオイド受容体アンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレキシン受容体アンタゴニスト(例えば、アルモレキサント、レンボレキサント、SB-334,867、SB-408,124、SB-649,868、スボレキサント)、オキシントモジュリンもしくはその類似体、PYYもしくはその類似体(例えば、PYY1-36、PYY3-36)、QsymiaTM(フェンテルミン/トピラメート)、RXR-アルファモジュレーター、ステアロイル-CoAデサチュラーゼ(SCD-1)阻害剤、または交感神経様作用剤である。
【0225】
一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は脂質低下剤である。一部の実施形態では、脂質低下剤は、アシルコエンザイムAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、胆汁酸再吸収阻害剤、コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤、5-LOX阻害剤(例えばBAY X 1005)、FLAP阻害剤(例えばAM-679)、HMG CoAシンターゼ阻害剤、リポタンパク質合成阻害剤、低密度リポタンパク質受容体誘導剤、LXR受容体モジュレーター、ミクロソームトリグリセリド輸送阻害剤、ナイアシン、血小板凝集阻害剤、レニン-アンジオテンシン系阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、またはトリグリセリド合成阻害剤である。
【0226】
一部の実施形態では、前記1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は、代謝障害を処置するための薬剤である。一部の実施形態では、代謝障害を処置するための前記薬剤が、ABCトランスポーター活性化剤、ACT-434964(Actelion)、ANG-5阻害剤、アンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、MC4262)、CCX-872、DUR-928(Durect)、ESP41091、F-652(Generon)、FGF21アゴニスト(例えば、BMS-986036)、ホメピゾール(Raptor)、FXRアゴニスト、FXR/TGR5二重アゴニスト(例えば、INT-767)、グレリンアンタゴニスト(例えば、TZP-301)、グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤、GPR17モジュレーター、GPR119アゴニスト、IG-MD-014(Indigene)、IMM-124E(Immuron)、リソソーム経路モジュレーター(例えば、CAT5000)、メラニン-凝集ホルモン受容体1アンタゴニスト(例えば、KI-1361-17)、MCL1阻害剤(例えば、CMPX-1023)、mTORC1阻害剤、NaCT(例えば、SLC13A5)阻害剤、NHE3阻害剤(例えば、RDX-011、tenapanor)、NP003(Neuraltus)、PBI-4050(ProMetic)、プロテオスタシス制御因子(例えば、PTI-130、PTI-428、PTI-C1811)、PS248288(Pharmacopeia/Merck)、PX-102(Phenex)、RG7410、RG7652、ROCK阻害剤、SBC-104(Synageva BioPharma)、SPX-100(Spherix)、ステアロイルCoAデサチュラーゼ阻害剤(例えば、CVT-12805)、TRC150094(Torrent)、またはZYH7(Zydus Cadila)である。
【0227】
一部の実施形態では、前記1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は、脂肪症を処置するための薬剤である。一部の実施形態では、脂肪症を処置するための前記薬剤が、アディポネクチン類似体(例えば、PX811013)、アラムコール(Galmed)、ASK1阻害剤(例えば、GS4977、GS4997)(セロンセルチブとしても公知)、AZD4076(AstraZeneca)、胆汁酸封鎖剤(例えば、オベチコール酸)、BL-1060(Galmed)、BMS986171(Bristol-Myers Squibb)、CCR5/CCR2アンタゴニスト(例えば、セニクリビロック)、カンナビジオール、CER-209(Cerenis)、システアミン類似体(例えば、RP-103、RP-104)、DS102(DS Biopharma)、EGS21(Enzo)、エラフィブラノール(elafibranor)(Genfit)、エムリカサン(Idun)、エチルエイコサペンタエン酸(Mochida)、FXRアゴニスト、GPBAR1アゴニスト(例えば、RDX009)、GR-MD-02(Galectin Therapeutics)、ロイシン/シルデナフィル/メトホルミン(NuSirt)、LCQ908(Novartis)、LJN452(Novartis)、LOXL2阻害剤(例えば、シムツズマブ)、MAT-8800(Matinas)、MB-10866(Metabasis)、miR-103/107阻害剤(例えば、RG-125)、MK-4074(Merck & Co.)、ナルメフェン(TaiwanJ)、ニボカサン(Gilead)、NGM-282(NGM Biopharmaceuticals)、オメガ-3カルボン酸もしくはその混合物(例えば、EpanovaTM)、PX-102(Phenex)、PX-104(Phenex)、レモグリフロジンエタボネート(Kissei)、サログリタザル(Zydus-Cadila)、SAR-548304(sanofi-aventis)、タイペルカスト(Kyorin)、ウルソデオキシコール酸、VK2809(Viking)、またはXL335(Exelixis)である。
【0228】
一部の実施形態では、追加の治療剤は、セロンセルチブ、san FXRアゴニスト、またはこれらの組合せである。
【0229】
一部の実施形態では、前記1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は、炎症を処置するための薬剤である。一部の実施形態では、炎症を処置するための前記薬剤は、Th17細胞の分化または活性化を低減させる。一部の実施形態では、炎症を処置するための前記薬剤は、カスパーゼ阻害剤(例えば、エムリカサン)、TGF-β阻害剤、IL-1β阻害剤、IL-6阻害剤、IL-17阻害剤、IL-17a阻害剤、IL-17F阻害剤、IL-21阻害剤、IL-23阻害剤(例えば、グセルクマブ)、IMM-124E、RORγt阻害剤(例えば、JTE-151)、RORα阻害剤、ソリスロマイシン(Cempra)、または血管接着タンパク質-1阻害剤(例えばPXS-4728A)である。
【0230】
一部の実施形態では、1種または複数種の追加の治療剤のうちの少なくとも1種は、線維症を処置するための薬剤である。一部の実施形態では、線維症を処置するための薬剤は、セニクリビロック(Tobira/Takeda)、CNX-014/023/024/025(Connexios)、エンドセリンアンタゴニスト(例えば、A192621、アンブリセンタン、アトラセンタン(atracentan)、ボセンタン、BQ-123、BQ-788、マシテンタン、シタキセンタン、テゾセンタン、ジボテンタン)、エタネルセプト、エビター(evitar)(AdeTherapeutics)、線維芽細胞増殖因子阻害剤、ガレクチン-3阻害剤、イマチニブ、IVA337(Inventiva)、N-アセチルシステイン、ニンテダニブ、ピルフェニドン、RG6069(Roche)、SP20102(Sarfez)、タイペルカスト(Kyorin)、またはXOMA 089(Xoma)である。
【0231】
一部の実施形態では、本明細書に提供されている処置の方法は、患者に、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することをさらに含む。
【0232】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物1を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0233】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0234】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、20mgの化合物1を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0235】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、それを必要とする患者に、20mgの化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書に提供されている。
【0236】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、
それを必要とする患者に、約20mgの化合物1を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、
患者が、投与前に<250mg/dLの血清トリグリセリドレベルを有する、方法が本明細書に提供されている。
【0237】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、
それを必要とする患者に、約20mgの化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、
患者が、投与前に<250mg/dLの血清トリグリセリドレベルを有する、方法が本明細書に提供されている。
【0238】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、
それを必要とする患者に、約20mgの化合物1を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、
PPARαアゴニストが、フェノフィブレート、ベザフィブレート、エラフィブラノール(elafinbranor)、またはサログリタザルであり、
患者が、PPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせた化合物1の投与前に、<250mg/dLの血清トリグリセリドレベルを有する、方法が本明細書に提供されている。
【0239】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、
それを必要とする患者に、約20mgの化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、
PPARαアゴニストが、フェノフィブレート、ベザフィブレート、エラフィブラノール、またはサログリタザルであり、
患者が、PPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて化合物2を投与する前に、<250mg/dLの血清トリグリセリドレベルを有する、方法が本明細書に提供されている。
【0240】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、
それを必要とする患者に、約20mgの化合物1を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、
PPARαアゴニストが、フェノフィブレート、ベザフィブレート、エラフィブラノール、またはサログリタザルであり、
患者が、化合物1の投与前にPPARαアゴニストまたは魚油を投与される(必要に応じてPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて)、方法が本明細書に提供されている。
【0241】
一部の態様では、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を処置する、安定化させる、またはその重症度もしくは進行を軽減する方法であって、
それを必要とする患者に、約20mgの化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて、セロンセルチブ、FXRアゴニスト、またはこれらの組合せから選択される追加の治療剤と組み合わせて投与することを含み、
PPARαアゴニストが、フェノフィブレート、ベザフィブレート、エラフィブラノール、またはサログリタザルであり、
患者が、化合物2の投与前にPPARαアゴニストまたは魚油を投与される(必要に応じてPPARαアゴニストまたは魚油と組み合わせて)、方法が本明細書に提供されている。
【0242】
組合せ投薬
本明細書に記載されているように、提供される方法は、投与を必要とする患者に、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2を、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じて1種または複数種の追加の治療剤と組み合わせて投与することを含む。本明細書で使用される場合、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じた1種または複数種の治療剤の投与に関する「組み合わせて」という用語は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じた1種または複数種の治療剤のそれぞれを、患者に、単一組成物、製剤、または単位剤形で、任意の順序(すなわち、同時にまたは逐次)または一緒に投与することができることを意味する。
【0243】
ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2、PPARαアゴニストまたは魚油、および必要に応じた1種または複数種の追加の治療剤は、同じ日または異なる日に、適当な投薬プロトコールに従い、任意の順序で投与することができることを理解されたい。
【0244】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは魚油の投与は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の投与が開始する前のある期間(よって少なくとも1日、3日、1週、2週、または1カ月)に開始し、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の投与期間の少なくとも一部の間必要に応じて継続する。一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは魚油の投与は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の投与が開始するのと同じ日に開始する。一部の実施形態では、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の投与が開始した後少なくともある期間の間(よって少なくとも1日、3日、1週、2週、または1カ月)PPARαアゴニストまたは魚油と共に投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは魚油の投与は、患者がトリグリセリドレベルの上昇、例えば、少なくともボーダーラインの高さのトリグリセリドレベルを示した場合、開始する。一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは魚油の投与は、患者が正常なトリグリセリドレベルを示すまで継続する。一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは魚油の投与は、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の全処置過程の間継続する。一部の実施形態では、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の投与は、患者がPPARαアゴニストまたは魚油を投与されている間、患者がトリグリセリドレベルの上昇、例えば、少なくともボーダーラインの高さのトリグリセリドレベルを示した場合、停止するか、または投与量を低減し、患者が正常なトリグリセリドレベルを示した後に再開し、必要に応じてPPARαアゴニストまたは魚油の投与を継続する。一部の実施形態では、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の処置過程の間、同じPPARαアゴニストまたは魚油が投与される。一部の実施形態では、ACC阻害剤、例えば、化合物1または化合物2の処置過程の間、異なるPPARαアゴニストまたは魚油が投与される。
【0245】
PPARαアゴニストまたは追加の治療剤の投薬
一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは必要に応じた追加の治療剤は、約0.1mg/日~約1200mg/日の量で投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは1種または複数種の必要に応じた追加の薬剤のそれぞれは、1mg/日~約100mg/日、約10mg/日~約1200mg/日、約10mg/日~約100mg/日、約100mg/日~約1200mg/日、約400mg/日~約1200mg/日、約600mg/日~約1200mg/日、約400mg/日~約800mg/日または約600mg/日~約800mg/日の量で投与される。一部の実施形態では、本明細書で開示されている方法は、0.1mg/日、0.5mg/日、1mg/日、10mg/日、15mg/日、20mg/日、30mg/日、40mg/日、45mg/日、50mg/日、60mg/日、75mg/日、100mg/日、125mg/日、150mg/日、200mg/日、250mg/日、300mg/日、400mg/日、600mg/日または800mg/日のPPARαアゴニストおよび必要に応じて治療剤の、それを必要とする患者への投与を含む。
【0246】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは1種または複数種の追加の治療剤のそれぞれの総1日量は、約5mg、約10mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、約1800mg、約1850mg、約1900mg、約1950mg、約2000mg、約2050mg、約2100mg、約2150mg、約2200mg、約2250mg、約2300mg、約2350mg、約2400mg、約2450mg、約2500mg、約2550mg、約2600mg、約2650mg、約2700mg、約2750mg、約2800mg、約2850mg、約2900mg、約2950mg、または約3000mgから選択される。
【0247】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストまたは1種または複数種の追加の治療剤のそれぞれの総1日量は、独立して、約5mg~約3000mgの間、約5mg~約1000mgの間、約5mg~約500mgの間、約5mg~約100mgの間、約10mg~約3000mgの間、約10mg~約2000mgの間、約10mg~約1000mgの間、約20mg~約1000mgの間、約30mg~約1000mgの間、約30mg~約750mgの間、約30mg~約500mgの間、約30mg~約250mgの間、約30mg~約100mgの間、約50mg~約500mgの間、または約50mg~約100mgの間である。
【0248】
追加の治療剤の単位剤形
一部の実施形態では、PPARαアゴニストおよび1種または複数種の必要に応じた追加の治療剤のそれぞれは、約0.1mg~約2000mg、約1mg~200mg、約35mg~約1400mg、約125mg~約1000mg、約250mg~約1000mg、または約500mg~約1000mgの間のPPARαアゴニストまたは治療剤を含む単位投与量製剤で投与される。
【0249】
一部の実施形態では、約0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、45mg、50mg、60mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、600mgまたは800mgのPPARαアゴニストまたは追加の治療剤を含む単位投与量製剤が本明細書に提供されている。
【0250】
一部の実施形態では、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、35mg、50mg、70mg、100mg、125mg、140mg、175mg、200mg、250mg、280mg、350mg、500mg、560mg、700mg、750mg、1000mgまたは1400mgのPPARαアゴニストまたは追加の治療剤を含む単位投与量製剤が本明細書に提供されている。特定の実施形態では、約5mg、約15mg、約20mg、約30mg、約45mg、および約50mgのPPARαアゴニストまたは追加の治療剤を含む単位投与量製剤が本明細書に提供されている。
【0251】
PPARαアゴニストまたは魚油または追加の治療剤の投与
一部の実施形態では、提供される方法は、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物を1日1回、2回、3回、または4回投与することを含む。
【0252】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、毎日1回(「QD」)投与される。
【0253】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、毎日2回投与される。一部の実施形態では、毎日2回の投与とは、化合物または組成物が「BID」投与される、または1日の2つの異なる時間に2つの等価な用量が投与されることを指す。
【0254】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、1日3回投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、「TID」投与される、または1日の3つの異なる時間に3つの等価な用量が投与される。
【0255】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、1日4回投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、「QID」投与される、または1日の4つの異なる時間に4つの等価な用量が投与される。一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または1種もしくは複数種の追加の治療剤を含む薬学的に許容される組成物は、様々な日数の間(例えば14、21、28)、処置の間に様々な日数を設けて(0、14、21、28)投与される。
【0256】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または追加の治療剤は患者に空腹条件下で投与され、総1日量は、上記および本明細書内で想定されたもののいずれかである。
【0257】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または追加の治療剤は、患者に摂食条件下で投与され、総1日量は、上記および本明細書内で想定されたもののいずれかである。
【0258】
一部の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または追加の治療剤は、経口的に投与される。一部の実施形態では、経口的に投与される場合、PPARαアゴニストもしくは魚油または追加の治療剤は、食事および水と共に投与される。別の実施形態では、PPARαアゴニストもしくは魚油または追加の治療剤は、水またはジュース(例えば、リンゴジュースまたはオレンジジュース)中に分散させて、懸濁液として経口的に投与される。一部の実施形態では、経口的に投与される場合、PPARαアゴニストもしくは魚油または追加の治療剤は空腹状態で投与される。
【0259】
PPARαアゴニストまたは治療剤はまた、皮内に、筋肉内に、腹腔内に、経皮的に(percutaneously)、静脈内に、皮下に、鼻腔内に、硬膜外に、舌下に、脳内に、膣内に、経皮的に(transdermally)、直腸に、粘膜に、吸入により、または耳、鼻、眼、もしくは皮膚に局所的に投与することができる。投与モードは、医療従事者の裁量に委ねられ、病状の部位にある程度依存し得る。
【0260】
化合物1または化合物2のいずれか、およびPPARαアゴニストの薬学的に許容される組成物
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている方法における使用のための、化合物1もしくは化合物2のいずれか、またはPPARαアゴニストの薬学的に許容される組成物を含む薬学的に許容される組成物を提供する。一部の実施形態では、化合物1または化合物2を含む組成物は、PPARαアゴニストを含む組成物とは別々になっている。一部の実施形態では、化合物1または化合物2、およびPPARαアゴニストは、同じ組成物中に存在する。
【0261】
例示的なこのような薬学的に許容される組成物は、これより以下および本明細書内に記載されている。
【0262】
経口投与のための液体剤形として、これらに限定されないが、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。ACC阻害剤および/または1種もしくは複数種の追加の治療剤に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤(emulsifier)、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などを含有し得る。不活性希釈剤以外に、経口組成物はまたアジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤(emulsifying agent)および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに芳香剤を含むことができる。
【0263】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知の技術に従い製剤化することができる。滅菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、例えば、1,3-ブタンジオール中溶液としての無菌の注射用液剤、懸濁剤または乳剤であってもよい。中でも、用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒は水、リンガー液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として慣例的に用いられている。この目的のために合成モノ-またはジグリセリドを含む、任意の無刺激の不揮発性油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用される。
【0264】
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを介した濾過により、または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌の注射用媒体中に溶解もしくは分散させることができる滅菌の固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより滅菌することができる。
【0265】
化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストの効果を長引かせるためには、皮下または筋肉注射からのゆっくりとした吸収が多くの場合望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用により達成することができる。よって、吸収速度は、その溶解速度に依存し、この溶解速度は、ひいては結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。代わりに、非経口的に投与された化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストの遅延吸収は、油ビヒクル中に化合物を溶解するまたは懸濁させることにより達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストのマイクロカプセルマトリックスを形成させることによって作製される。化合物のポリマーに対する比および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ酸(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に化合物をエントラップすることによって調製される。
【0266】
直腸または膣投与のための組成物は、好ましくは坐剤であり、坐剤は、本発明の化合物を、周辺温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔内で融解して、活性化合物を放出する適切な無刺激性賦形剤またはキャリア、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することができる。
【0267】
経口投与のための固体剤形として、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体剤形において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容される賦形剤またはキャリア、例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/あるいはa)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなど、c)保湿剤、例えば、グリセロール、d)崩壊剤、例えば、寒天-寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど、h)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土、ならびにi)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と混合する。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝化剤も含み得る。
【0268】
同様のタイプの固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤内の充填剤として用いることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティングおよび医薬製剤化技術分野において周知の他のコーティングを用いて調製することができる。これらは、必要に応じて不透明化剤を含有してもよく、また、活性成分(複数可)のみを、または活性成分(複数可)を優先的に、腸管のある特定の部分において、必要に応じて、遅延した方式で放出する組成物のものであることもできる。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様のタイプの固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤内の充填剤として用いることもできる。
【0269】
化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストはまた、上述のような1種または複数種の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬製剤化技術分野において周知の他のコーティングを用いて調製することができる。このような固体剤形の中で、化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストは、少なくとも1種の不活性希釈剤、例えば、スクロース、ラクトースまたはデンプンと混和することができる。このような剤形はまた、通常の慣行通り、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化滑沢剤および他の錠剤化補助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースを含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝化剤も含み得る。これらは、必要に応じて不透明化剤を含有してもよく、また、活性成分(複数可)のみを、または活性成分(複数可)を優先的に、腸管のある特定の部分において、必要に応じて、遅延した方式で放出する組成物のものであることもできる。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0270】
化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストの局所的または経皮的投与のための剤形として、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性な構成成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容されるキャリアおよび、必要に応じて任意の必要とされる防腐剤またはバッファと混和する。眼用製剤、点耳剤、および点眼剤もまた本発明の範囲内であると想定される。さらに、本発明は、化合物の身体への制御送達を提供するというさらなる利点を有する、経皮的パッチの使用を想定している。このような剤形は、化合物を適切な媒体中に溶解するまたは分配することによって作製することができる。吸収増強剤もまた、皮膚を横切る化合物の流動を増加させるために使用することができる。速度は、速度制御膜を提供することによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることによって、制御することができる。
【0271】
一実施形態によれば、本開示は、生物学的試料において、新規の脂肪酸合成を阻害する方法であって、前記生物学的試料を、化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストと接触させるステップを含む方法に関する。
【0272】
一実施形態によれば、本開示は、生物学的試料において、脂肪酸酸化を増加させる方法であって、前記生物学的試料を、化合物1もしくは化合物2、および/またはPPARαアゴニストと接触させるステップを含む方法に関する。
【0273】
「生物学的試料」という用語は、本明細書で使用される場合、限定ではないものの、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得た生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞、精液、涙、もしくは他の体液またはそれらの抽出物を含む。
【実施例】
【0274】
(実施例1)
NASHを有する患者の第2相、無作為化、プラセボ対照試験における化合物1
方法:この二重盲検プラセボ対照試験において、MRIプロトン密度脂肪画分(PDFF)≧8%およびMRエラストグラフィー(MRE)による肝硬度≧2.5kPaによってNASHを有すると非侵襲性的に診断された、または過去の肝生検がNASHおよびステージ1~3の線維症と一致した、126名の非肝硬変被験体を2:2:1に無作為化して、化合物1、20mg、化合物1、5mg、またはプラセボを経口的にQDで12週間(W12)与えた。中央読影MRI-PDFFおよびMRE、ならびにFibroScanおよび線維症の血清マーカーをベースラインおよびW12において測定した。幾人かの被験体において、トランジェントエラストグラフィー(FibroScan(登録商標);Echosens、Paris、France)を使用して、制御減衰パラメータ(CAP)による肝硬度および肝臓脂肪含有量をベースライン(すなわち第0週)および第12週において評価した。
【0275】
標準的脂質試験(血清トリグリセリド(「TG」、全コレステロール(「TC」)、低密度リポタンパク質コレステロール(「LDL-C」)、および高密度リポタンパク質コレステロール(「HDL-C」))に加えて、リポタンパク質もまた、核磁気共鳴分光法(NMR LipoProfile(登録商標)、LabCorp)により、空腹時血清試料においてベースライン(「BL」)、第1週(W1)、第4週(W4)およびW12に測定した。化合物1で処置した被験体におけるBLからの変化を、Wilcoxonの符号順位検定およびWilcoxonの順位和検定(すべてBonferroni調整を用いた)を使用するプラセボとの比較を使用して評価した。
【0276】
超高速液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法(Ultrahigh Performance Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectroscopy)(UHPLC-MS;Waters Acquity UHPLC、Waters Corporation、Milford、MA USA)およびハイブリッド四重極-オービトラップ型質量分析計(Hybrid Quadrupole-Orbitrap mass spectometer)(Q-Exactive Thermo Fischer Scientific、Waltham、MA、USA)プラットフォームを用いて、公知のエレクトロスプレーイオン化-ポジティブおよびネガティブモードでアシルカルニチン種の測定を実施した。
【0277】
結果(MRI-PDFFおよびMRE):被験体の大部分は女性(65%)であり、糖尿病(60%)であった;ベースラインにおけるメジアンMRI-PDFFおよびMRE-硬度はそれぞれ14.4%(IQR11.1~19.0)および3.43kPa(2.96~4.20)であった。被験体の40%はMRE>3.64kPaを有し、これは進行した(≧F3)線維症に一致した。W12において、化合物1、20mgは、プラセボと比較して、統計的および臨床的に有意なMRI-PDFFの減少をもたらした。化合物1、5mgとプラセボとの間の差異は統計的に有意ではなかった(表1)。W12において、化合物1、20mg(p=0.004、対プラセボ)で処置した被験体の48%、化合物1、5mg(p=0.433、対プラセボ)で処置した被験体の23%、およびプラセボで処置した被験体の15%において、MRI-PDFFの≧30%低下が観察された。
【0278】
幾人かの被験体において、肝臓脂肪症をCAPにより測定した。CAPにおける用量依存性の低減が化合物1で処置した患者に観察され、これはMRI-PDFFの変化と並行したが、CAPにおける差異は統計的に有意ではなかった(データは示されていない)。化合物1で処置した患者と、プラセボを受けた患者との間のCAPの変化の差異は、XLプローブ対Mプローブを使用して測定した場合、最も明らかであった。
【0279】
MREによる肝硬度の変化は群間では異ならなかった。しかし、化合物1、20mgで処置した被験体はTIMP-1の血清レベルに有意な低減を有した(表1);TIMP-1の変化はPIII-NP(r=0.47;p=0.001)およびヒアルロン酸(r=0.62;p<0.001)の変化と相関した。用量依存性ではあるが、血清ALT、FibroScanによる肝硬度、およびPIII-NPにおいて統計的に有意ではない低減もまた観察された。化合物1は全般的に良好な耐容性を示した。FibroScanによる肝硬度の変化は、使用したプローブのタイプ、ならびに経時的に同じタイプのプローブの一貫した使用に依存するようにみえた。Mプローブを使用した場合、ベースラインから第12週までの肝硬度の変化の差異は、処置群間で観察されなかった。XLプローブで測定した患者において、プラセボと比較して肝硬度の統計的に有意な減少が、化合物1で処置した患者において観察された。具体的には、ベースラインから第12週までのメジアン(IQR)相対変化は化合物120mgで処置した患者(p=0.04、対プラセボ)において-7.2%(-32.6、7.8)、化合物15mgで処置した患者(p=0.02、対プラセボ)において-3.6%(-23.8、8.2)、およびプラセボで処置した患者において+30.6%(4.5、63.8)であった。測定間での同じプローブの一貫した使用も、化合物1で処置した群における、プラセボと比較した肝硬度の有意な低下と関連した。
【0280】
W12におけるALT、AST、GGT、ALP、TIMP-1、PIII-NP、およびHAのメジアン(medium)相対変化(IQR)の結果も
図1に要約されている。
図1で報告されたp値はWilcoxonの順位和検定による化合物1対プラセボの比較に対するものである。いずれかの用量で化合物1を受けた患者は、プラセボを受けた患者よりも、より大きなALT、TIMP-1、およびPIII-NPのメジアン相対的低減があった。TIMP-1は、化合物1、20mgを受けた患者対プラセボを受けた患者の間で統計的に有意であった(p=0.022)(
図1)。メジアンアルカリホスファターゼは、化合物1、20mgを受けた患者において9%増加したが(p<0.001、対プラセボ)、化合物1、5mgおよびプラセボを受けた患者では、それぞれ変化はなしか、または減少した。他の肝臓生化学試験および複合ELFスコアにおける変化は処置群の間では有意差はなかった。PDFF-非応答者(n=60)と比較して、MRI-PDFFにおいてベースラインからの少なくとも30%の相対的な低減を示した33人の患者はまた、肝臓生化学(ALT、AST、GGT)ならびにELFスコアおよびその構成成分においても減少を示した(
図3)。
【0281】
複数の長鎖および中鎖アシルカルニチン種、脂肪酸のベータ酸化の増加の代用マーカーは、PDFF応答なしの群と比べてPDFF応答を示した、化合物1、20mgで処置した群において、次の1日量(約24時間)の投与前に有意に低減した(表3)。それどころか、化合物1、5mgまたはプラセボ群の患者は、PDFF応答に従い比較した場合、アシルカルニチン種において最小の変化を示した。これらのデータは、血漿アシルカルニチンの測定が、化合物1による処置中のミトコンドリアのβ酸化の増強の潜在的末梢マーカーとして使用することができる(化合物1によるACC阻害を用いた脂肪酸異化の改善)ことを示唆している。
【0282】
結果(脂質パラメータ):年齢のメジアンは56才であり、67%が女性であり、60%は糖尿病を有し、45%はBL(スタチン39%、フィブレート4.8%、その他17%)での脂質低下療法中にあった。W12において、+11%、+13%、および-4%のトリグリセリド(TG)のメジアン相対変化が化合物1、20mg、化合物1、5mg、およびプラセボで処置した被験体の間において観察された。無症候性の、グレード3または4のTG上昇(>500mg/dL)が化合物1、20mg(n=7)または5mg(n=9)を受けた16人の被験体において観察された。これら16人の被験体のうち、4人がフィブレートまたは魚油療法に応答し、残りの12人の被験体のうちの7人が処置または化合物1の停止なしで回復した。グレード3または4のTG上昇に関連する主要な要因はベースラインTGレベル>250mg/dL(p<0.001)であった。
【0283】
化合物1を受けた被験体におけるTG上昇は、W1でピークに達し、その後低下した(表2)。W12において、プラセボを受けた被験体での5.5mg/dLの低減(-24、26)(p=0.14)と比較して、14mg/dLのメジアン(IQR)TG増加(-6、72)が化合物1で処置した被験体の間で観察された。W1における超低密度リポタンパク質(VLDL)粒子およびVLDL-TGの統計的に有意な増加は、W12ではもはや有意ではなかった。W12におけるHDL-C、TC、およびLDL-Cのベースラインからの変化は、化合物1で処置した被験体において有意でなかったが、プラセボを受けた被験体においてTCおよびLDL-Cは低下した。全HDLまたは全LDL粒子の有意な変化は、化合物1を受けた被験体には観察されなかった。また、化合物1、20mgまたは化合物1、5mgでは、プラセボと比較してグルコース、インスリン、またはHbA1cにおける有意な変化はなかった。
【0284】
結論:この無作為化、プラセボ対照研究において、肝臓を標的とした、経口ACC阻害剤である化合物1、20mg、QDを用いた12週間の療法は安全であり、NASHを有する患者において、肝臓脂肪症および選択された線維症マーカーの有意な改善をもたらした。さらに、化合物1、20mgで毎日処置したNASH患者におけるTG上昇はVLDL粒子の肝臓放出の一時的な増加に関係し得ることが想定される。血清TG濃度の増加にもかかわらず、HDLおよびLDL粒子は有意に変化しなかった。
【表1】
【表2】
【表3-1】
【表3-2】
【0285】
(実施例2a)
化合物2およびフェノフィブレート:雄のC57B1/6マウスにおける脂肪肝のファストフード食餌モデルを使用した14日間の経口およびフィード薬理学研究
目的:この研究の目的は、マウスの非アルコール性脂肪症のファストフード食餌誘発性モデルにおける10~14日間の化合物2の投与後の血漿および肝臓TGへの重水素取り込みならびに肝臓の分子生物学に対する化合物2の効果を評価することである。この研究に登録したマウスには、研究開始前のほぼ9カ月間ファストフード食餌を給餌した。主要評価項目は、血漿TGへの重水素取り込み、全血漿TG、ならびに肝臓からのPPARα、肝臓X受容体(LXR)、およびレチノイン酸X受容体アルファ(RXRα)のクロマチン免疫沈降(IP)である。
【0286】
動物ケアおよび使用の記述:このプロトコールにおけるすべての手順は動物福祉法、実験動物の管理と使用に関する指針、および実験動物福祉部門に適合する。依頼者および研究責任者の評価により、研究は任意の以前の作業と不必要に重複することはなく、いかなる他のモデルも研究の必要条件を満たすことはできない。
【0287】
【0288】
(実施例2b)
雄のC57B1/6マウスの脂肪肝のファストフード食餌モデルを使用した、固形飼料で毎日1回投与した化合物2およびフェノフィブレート:14日間の薬理学研究
目的:この研究の目的は、脂肪、コレステロール、およびフルクトース(ファストフード食餌、FFD)の高い食餌を給餌したマウスにおいて、経口投与した化合物2(10mg/kg、QD)、またはフェノフィブレート(固形飼料で0.1%投与)、または組合せの10~14日間後の血漿および肝臓TGならびに肝臓の分子生物学に対する化合物2の効果を評価することであった。この研究に登録したマウスには、研究開始前のほぼ9カ月間ファストフード食餌を給餌した。主要評価項目は、血漿トリグリセリド、肝臓トリグリセリド、肝臓コレステロール、および肝臓Xレセプターα(LXRα)の肝臓遺伝子発現、およびqPCRによるステロール応答エレメント結合タンパク質-1c(SREBP1c)標的遺伝子であった。
【0289】
動物ケアおよび使用の記述:このプロトコールにおけるすべての手順は動物福祉法、実験動物の管理と使用に関する指針、および実験動物福祉部門に適合する。依頼者および研究責任者の評価により、研究は任意の以前の作業を不必要に重複することはなく、いかなる他のモデルも研究の必要条件を満たすことはできない。
【表4】
【0290】
このモデルにおける化合物2の投与の2週間後、血漿トリグリセリドは、ビヒクルで処置した動物に比べて15%有意に増加し、その一方で、固形飼料でのフェノフィブレートの化合物2との共投与は、化合物2で処置した群およびビヒクル対照群の両方に比べて血漿トリグリセリドを有意に低減させた(
図4を参照されたい)。化合物2での処置は、標的遺伝子の発現の増加と関連し、化合物2と共にフェノフィブレートの追加は、LXRαの発現およびSREBP1標的遺伝子発現の低減を伴った(
図6A~B)。したがってLXRα/SREBP1の活性化およびPPARαの低減は、ACC阻害剤、化合物2(「C2」)で媒介される高トリグリセリド血症に対して必要とされ得ることが想定される。フェノフィブレートの追加は、C2誘発性の肝臓トリグリセリドの低減に影響を与えなかったが、肝臓コレステロールをさらに有意に減少させた(
図5Aおよび5Bを参照されたい)。このマウスモデルにおける化合物2での14日間の処置後、血漿βOHBは有意に増加し、フェノフィブレートの添加と共にさらに有意に増加した(
図5Cを参照されたい)。
【0291】
結論:データは、化合物2のPPARαアゴニストとの共投与が、ACC阻害により誘発される血漿高トリグリセリド血症を軽減することができることを実証している。
【0292】
(実施例3)
NASHに起因する代償性肝硬変を有する患者における化合物1
方法:概念実証研究において、NASHに起因する代償性肝硬変(Child-Turcotte-Pugh[CTP]-A)の疑いのある10人の被験体(生検、磁気共鳴エラストグラフィーによる肝硬度[MRE]≧4.67kPaまたはトランジェントエラストグラフィー≧14.0kPa、またはFibrotest≧0.75のいずれか1つにより定義される)には、化合物1、20mgを経口的に毎日1回12週間与えた。中央読影磁気共鳴画像法-プロトン密度脂肪画分(MRI-PDFF)およびMRE、ならびに線維症の血清マーカーをベースライン(BL)、第4週(W4)、および第12週(W12)において測定した。DNL決定のために、重水(2H2O、35mL)を、ベースライン、W4、およびW12の前に、毎日3回、1週間のサイクルの間投与した。パルミテートへの重水素取り込みをGC/MSにより空腹時血漿試料中において測定し、質量アイソトポマー分布分析を使用して、肝臓のDNLおよび化合物1によるその阻害を計算した。
【0293】
結果:BLと比較して、肝臓PDFF(メジアン:9.2対4.6%;P=0.004)および血清ALT(46対32U/L;P=0.008;
図2)における統計的に有意な低減が化合物1での処置の12週間後に観察された。PDFFにおける低減は、W4まで有意であった。≧30%の相対的低下がW4で5人の被験体に(50%)、W12で7人の被験体に(70%)見られた。MRE硬度または血清線維症マーカーにおける有意な変化は観察されなかった。PDFFの減少はALT、ELFスコア、およびPIII-NPにおける変化と相関した。化合物1は耐容性が良好であった。早期に研究薬物治療を中断した被験体はいなかった。メジアン(IQR)空腹時トリグリセリドは、BLで147mg/dL(105、231)から、W12で159mg/dL(142、248)まで増加した(P=0.008)が、他の脂質パラメータは変化しなかった。1人の被験体は無症候性グレード3の高トリグリセリド血症を有し、フィブレート療法に応答した。化合物1の空腹時肝臓DNLに対する影響に関するデータは未決定である。
【0294】
結論:概念実証研究において、NASHに起因する代償性肝硬変を有する被験体における、肝臓を標的とした、経口の化合物1を用いた12週間の療法は安全であり、肝臓脂肪症および血清ALTにおける有意な改善を伴った。
【0295】
(実施例4)
患者における化合物1
脂肪症(MRI-PDFF≧10%)およびF1~F3線維症(MRE≧2.88kPaであるが、FibroText<0.75、過去のイメージングおよび肝生検に基づく非肝硬変)を有する10人の被験体を20mgの化合物1で12週間処置した。
【0296】
10人の被験体のうち4人に、ベースラインにおいて魚油またはフェノフィブレートを受けさせ、併用薬物治療を研究期間の間継続した。研究全体にわたり、被験体を、安全性(有害事象、検査異常)、肝臓生化学、線維症の血清マーカー(ELFおよびその構成成分TIMP-1、ヒアルロン酸、PIII-NP)および細胞死(CK18 M30およびM65)、肝硬度(MRE)および脂肪(MRI-PDFF)についてモニターし、新規の脂質生成に対する効果を、重水標識化を使用して評価した。
【0297】
4人の被験体を、実施例1に記載の研究からの8人の被験体と併せて分析した。これら12人の被験体は、少なくとも6週間の研究の間魚油またはフィブレートを受け、これにはベースラインにおいて魚油もしくはフィブレートを受けていた被験体、または高トリグリセリド血症としてグレード分けされ、研究中魚油もしくはフィブレートが与えられた被験体が含まれた。結果は表6および
図7に要約されている。
【表6】
連続的データはメジアンである(IQR);フィブレート/魚油を>6週間;*患者は第1週後にフェノフィブレートを開始した;
†実施例1に記載されている第2相研究においてのみ、化合物1+フィブレート/魚油に対してn=6。
【0298】
表6に示されているように、ほぼすべてのイメージング、肝臓生化学、線維症の血清マーカー、および代謝パラメータのデータは、化合物1単独と比較して、PPARαアゴニスト(フェノフィブレートまたは魚油)と組み合わせた化合物1の有効性の改善を実証している;PIII-NPは3つの処置群の間で同様である。
【0299】
これら12人の被験体の1人に、第1週においてグレード3の高トリグリセリド血症を有した後145mgのフェノフィブレートを投与した。モニターしたすべてのTG関連の測定値(総TG、アポリポタンパク質B48(「APOB48」)、VLDL-Pおよびアポリタンパク質C3(「APOC3」))は、フェノフィブレートによる介入後、ベースライン未満に改善された(
図8Aおよび8B)。データは、PPARαアゴニストが有効性を増強し、トリグリセリドの増加を打ち消し得ることを示唆している。
【0300】
(実施例5)
NASHを有する患者における化合物1
F3~F4 NASH線維症と共に代償性肝機能(非侵襲性マーカーおよび6カ月以内のスクリーニングによる過去の生検によって決定してもよい)を示す被験体を含めた、既存のフィブレートまたは魚油を受けていない被験体に、20mgの化合物1および投与量強度で与えられるフェノフィブレート(例えば、145mg)を投与する。トリグリセリド>250mg/dLを有する被験体が数名(ほぼ75%)登録されてもよいが、トリグリセリド(trigliceride)>750mg/dLを有する被験体は除外され得る。肝臓生化学(ALT、AST、GGT)、線維症の血清マーカー(例えば、ELFおよびその構成成分)および代謝(例えば、HBA1C、インスリン、グルコース、アシルカルニチン)、およびイメージング(例えば、MRI-PDFF、MRE、Fibroscan)を、様々な時間間隔、例えば、第0週、第4週、第8週、第12週、および第24週で測定する。
【0301】
(実施例6)
化合物2およびフェノフィブレートの毎日1回の経口投与:雄のC57BL/6マウスにおいて脂肪肝のファストフード食餌モデルを使用した15日の薬理学研究
目的:この研究の目的は、高脂肪、高コレステロール、および高フルクトース(ファストフード食餌、FFD(研究食餌D12079B))の食餌を給餌したマウスにおいて、化合物2(5mg/kg、QD)、フェノフィブレート(25mg/kgおよび50mg/kg、QD)、または組合せ(化合物2(5mg/kg、QD)+フェノフィブレート(50mg/kg、QD))の15日間の経口投与(「PO」)後、化合物2の血漿および肝臓トリグリセリド(TG)ならびに肝臓の分子生物学に対する効果を評価することであった。この研究に登録したマウスには、研究開始前のほぼ9カ月間FFDを給餌した。主要評価項目は、血漿TG、肝臓TG、肝臓ケトン体、血漿肝臓酵素、肝臓の酸化ストレスならびに肝臓Xレセプターα(LXRα)およびPPARα標的の肝臓遺伝子発現、ならびにqPCRによる線維化促進マーカーであった。
【表7】
【0302】
FFDモデルにおいて化合物2を15日間投与後、ビヒクル処置した動物と比べて血漿TGが有意に29%増加したのに対し、フェノフィブレート(50mg/kg)の化合物2との共投与は、ビヒクル、化合物2、およびフェノフィブレート(50mg/kg)群と比べて血漿TGを有意に低減させた(
図9)。化合物2での処置はPPARα標的遺伝子の発現の減少をもたらしたが、これは、化合物2およびビヒクルで処置した群と比べて、化合物2のフェノフィブレートとの組合せ処置において増加した(
図10A)。逆に、化合物2での処置は、LXRα標的遺伝子の発現の増加と関連し、化合物2のフェノフィブレート(50mg/kg)との組合せは発現を正常化した(
図10B)。化合物2は血漿ALTおよびASTレベルを低減させ、これは、フェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ処置ではさらに低減した(
図11Aおよび11B)。同様に、肝臓TGは単剤化合物2の処置で低減し、化合物2/フェノフィブレートでの組合せ処置は、さらなる低減をもたらした(
図12A)。さらに、化合物2は、β酸化に対するマーカーである肝臓ケトン体(ベータヒドロキシブチレート(βOHB))のレベルを増加させ、これは、フェノフィブレート(50mg/kg)との組合せ処置ではさらに増加した(
図12B)。15日間の化合物2の投与は肝臓の酸化ストレス(マロンジアルデヒドの量として定量される)を低減させ、フェノフィブレートの共投与はこのパラメータをさらに低減させた(
図13)。フェノフィブレート単独では(25および50mg/kgの両用量)は、上述のパラメータに対して中程度の効果から効果なしであった。しかし、化合物2およびフェノフィブレート(50mg/kg)の単剤処置は両方とも線維化促進遺伝子の肝臓の発現を低減させた。化合物2/フェノフィブレートの組合せ処置は、線維化促進遺伝子の発現に対していずれの単剤よりも大きな効果を有した(
図14Aおよび14B)。
【0303】
結論:データは、化合物2のPPARαアゴニストとの共投与はACC阻害により誘発される血漿高トリグリセリド血症を軽減させることができ、脂肪症および線維症の評価項目に対してより大きな有効性を有することを実証している。