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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】梱包製品並びに作製及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240426BHJP
   B31F 1/18 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
B65D81/05 400
B31F1/18
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020559452
(86)(22)【出願日】2018-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2018041549
(87)【国際公開番号】W WO2019209359
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】62/661,402
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】レナート クレイグ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤーズ ショーン エム.
(72)【発明者】
【氏名】シェイク ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー デニス ジェー.
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0210591(US,A1)
【文献】特表2001-501896(JP,A)
【文献】特表2016-517375(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0145561(US,A1)
【文献】特表平06-501669(JP,A)
【文献】特開2011-079537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
B31F 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包材料のバンドルであって、
コンパクトなバンドルへと折りたたまれる梱包材料のストリップを少なくとも2つ備え、
前記ストリップは、
第1の端部及び第2の端部並びに該第1の端部と該第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の頂部ストリップと、
第1の端部及び第2の端部並びに該第1の端部と該第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の底部ストリップと、
を備え、
前記頂部ストリップの中央部分は、前記底部ストリップの中央部分の上に重なり、前記頂部ストリップの長さ寸法は、前記底部ストリップの長さ寸法に直交する向きであり、
前記頂部ストリップの第1の端部及び第2の端部は、前記頂部ストリップの中央部分に折り重なり、前記底部ストリップの第1の端部及び第2の端部は、前記頂部ストリップの中央部分に折り重なり、
前記梱包材料の頂部ストリップ、及び、前記梱包材料の底部ストリップは、
1枚以上のしわになった内部シートと、
前記しわになった内部シートを超えて延びて前記内部シートを包み込み、その縁でシールされる1枚以上のカバーシートと、
を備え、
前記1枚以上のしわになった内部シートはそれぞれ1枚の紙シートであり、前記1枚以上のカバーシートは紙製である、梱包材料のバンドル。
【請求項2】
請求項1に記載のバンドルであって、束化された構成において、梱包材料の前記ストリップを一時的に固定するための拘束部材をさらに備え、
前記拘束部材は紙製である、梱包材料のバンドル。
【請求項3】
請求項2に記載のバンドルであって、前記拘束部材はストラップである、梱包材料のバンドル。
【請求項4】
梱包材料の2つのストリップから梱包材料のバンドルを作成する方法であって、
第1の端部及び第2の端部並びに該第1の端部と該第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の頂部ストリップと、第1の端部及び第2の端部並びに該第1の端部と該第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の底部ストリップと、を備える、梱包材料の2つのストリップを準備する手順と、
前記頂部ストリップの長さ寸法が前記底部ストリップの長さ寸法に直交するように、前記頂部ストリップの中央部分を前記底部ストリップの中央部分の上に配置する手順と、
前記頂部ストリップの第1の端部及び第2の端部を、前記頂部ストリップの中央部分の上に折り重ねる手順と、
前記底部ストリップの第1の端部及び第2の端部を、前記頂部ストリップの中央部分の上に折り重ねる手順と、
を含み、
前記梱包材料の頂部ストリップ、及び、前記梱包材料の底部ストリップは、
1枚以上のしわになった内部シートと、
前記しわになった内部シートを超えて延びて前記内部シートを包み込み、その縁でシールされる1枚以上のカバーシートと、
を備え、
前記1枚以上のしわになった内部シートはそれぞれ1枚の紙シートであり、前記1枚以上のカバーシートは紙製である、梱包材料のバンドルを作成する方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、束化された構成において、梱包材料の前記ストリップを一時的に固定するための拘束部材をあてがう手順を、2つの前記折り重ねる手順の後にさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の梱包材料のバンドルを使用する方法であって、
上部側が開いていて、該上部側の反対にある底部側が閉じている、長方形の包装容器を準備する手順と、
前記底部ストリップの中央区画の底部側を前記包装容器の底部側の内面に向けた状態で、梱包材料の前記バンドルを前記包装容器に配置する手順と、
前記頂部ストリップの第1の端部及び第2の端部、及び、前記底部ストリップの第1の端部及び第2の端部を、前記包装容器のそれぞれの側壁に向けて展開する手順と、
を含む方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記バンドルを一時的な拘束部材から解く手順をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の方法であって、梱包される物品を前記頂部ストリップの中央区画の上部側に配置し、前記頂部ストリップの第1の端部及び第2の端部、及び、前記底部ストリップの第1の端部及び第2の端部のそれぞれを物品の上に折り重ね、包装容器の開いた上部側を閉じる手順をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、梱包製品、より具体的には輸送用コンテナを裏張りするためのダンネージ製品と、梱包製品の作製に対応する方法と、梱包製品を使用する方法と、に関する。
[背景技術]
ダンネージ変換機は、素材を、輸送用コンテナ内の物品を梱包するのに使用でき、それ故に輸送中の損傷を最小限に抑えたり、防いだりすることができるダンネージ製品に変換する。ダンネージ変換機器とも称されるダンネージ変換機は、一般的には、変換アセンブリを有し、上流端にある入口から下流端にある出口に向かって変換アセンブリの中を素材が移動する際に、素材を比較的低密度のダンネージ製品に変換する。
【0002】
既に使用されている例示的なダンネージ変換機は、クラフト紙などのシート素材を、輸送される物品を保護するためにその後にコンテナに配置することができるダンネージ製品に変換する。そのようなダンネージ変換機は、通常、略連続長のシート素材を一切れのダンネージに変換し、そのダンネージから、梱包業者による所望の構成でのコンテナ内における配置のため、別個の長さのダンネージ製品へと切り離される。
[発明の概要]
本発明は、オンデマンドで生産可能なダンネージ製品のバンドルを生産する方法と、バンドルから引き出されたダンネージ製品によって保護されたコンテナ内で、輸送用の物品を梱包する際に、束化されたダンネージ製品を使用する方法と、を提供する。当該方法は、ダンネージ製品のバンドルをコンテナ内に配置すること、そして、コンテナに裏張りするためバンドルを開けることを含んでもよい。本発明は、とりわけ絶縁ダンネージ製品との使用に便利となり得る。既存の、オンデマンドでのシートベースの絶縁用ライナーの組立方法では、機械の稼働時間とスピードのために、エンドユーザが利用可能なスループットに限度がある。このスループットを改善し、絶縁輸送用コンテナの組み立てを容易にすること、そして、即時使用可能なシートベースの絶縁用ライナーを簡単に保管する方法を提供することを目的として、本発明は、絶縁用ライナーとして使用可能な絶縁用ダンネージ製品を束ねるための改良された方法を提供する。
【0003】
現在入手可能な絶縁材はかさばり高価な傾向にあり、完全に再生可能ではない一方、本発明は、また、費用対効果が高く、局所的な輸送のためのカーブサイド・リサイクル(CURBSIDE-RECYCLING)可能な絶縁の裏張りを提供する。裏張りは、コンテナに挿入可能であるが、使用できる状態になるまでコンパクトに保管されるキットの一部として提供され得る。梱包場所でのキットの組立手順を省くべく、絶縁の裏張りは、コンテナの壁に完成品として組み込まれることも可能である。
【0004】
より具体的には、本発明は、コンパクトなバンドルへと折りたたまれる梱包材料のストリップを少なくとも2つ備える、梱包材料のバンドルを提供する。梱包材料のストリップは、第1及び第2の端部並びに第1の端部と第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の頂部ストリップと、第1及び第2の端部並びに第1の端部と第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の底部ストリップと、を備える。頂部ストリップの中央部分は、底部ストリップの中央部分の上に重なり、頂部ストリップの長さ寸法は、底部ストリップの長さ寸法に直交する向きである。頂部ストリップの第1及び第2の端部は、頂部ストリップの中央部分の上に折り重ねられ、底部ストリップの第1及び第2の端部は、底部ストリップの中央部分の上に折り重ねられる。
【0005】
当該バンドルは、次の特徴のうち、1つ以上をさらに備えてもよい。(a)頂部ストリップの中央部分が、上部側及び当該上部側の反対にある底部側を有し、そして、頂部ストリップの第1及び第2の端部が、頂部ストリップの上部側の上に折り重ねられ、底部ストリップの第1及び第2の端部が、頂部ストリップの中央部分の上部側の上に折り重ねられること、(b)頂部ストリップの第1の端部及び第2の端部のうちの1つが、底部ストリップの第1の端部及び第2の端部のうちの1つの上に折り重ねられること、(c)頂部ストリップ及び底部ストリップの第1の端部及び第2の端部が、交互に配置されていること、(d)梱包材料のストリップが、少なくとも部分的に紙で出来ており、無作為にしわになった紙を含み得ること。
【0006】
当該バンドルは、束化された構成において、梱包材料のストリップを一時的に固定するための拘束部材をさらに備えてもよい。拘束部材は、ストラップであってもよい。
梱包材料のストリップは、次のうち1つ以上の要素に基づき選択されてもよい。(a)コンテナのそれぞれの側壁の幅に対する、梱包材料のストリップの幅寸法、(b)梱包材料のストリップの絶縁性、(c)梱包材料の緩衝性。
【0007】
本発明は、また、梱包材料の2つのストリップから梱包材料のバンドルを作製する方法を提供する。当該方法は、次の手順を含む。(a)第1及び第2の端部並びに第1の端部と第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の頂部ストリップと、第1及び第2の端部並びに第1の端部と第2の端部との間の中央部分を備えた長さ寸法を有する梱包材料の底部ストリップと、を備える、梱包材料の2つのストリップを準備すること、(b)頂部ストリップの長さ寸法が底部ストリップの長さ寸法に直交するように、頂部ストリップの中央部分を底部ストリップの中央部分の上に配置すること、(c)頂部ストリップの第1の端部及び第2の端部を、頂部ストリップの中央部分の上に折り重ねること、(d)底部ストリップの第1の端部及び第2の端部を、底部ストリップの中央部分の上に折り重ねること。
【0008】
当該方法は、(e)束化された構成において、梱包材料のストリップを一時的に固定するための拘束部材をあてがう手順を、折り重ねの手順の後にさらに含んでもよい。
【0009】
折り重ねの手順は、頂部ストリップ及び底部ストリップの第1の端部と第2の端部とを交互に配置することを含んでもよい。
準備する手順は、少なくとも部分的に紙で出来た梱包材料のストリップを選択することを含んでもよい。
【0010】
準備する手順は、無作為にしわになった紙を含む梱包材料のストリップを選択することを含んでもよい。
準備する手順は、次のうち1つ以上の要素に基づいた梱包材料のストリップを選択することを含んでもよい。(a)コンテナのそれぞれの側壁の幅に対する、梱包材料のストリップの幅寸法、(b)梱包材料のストリップの絶縁性、(c)梱包材料の緩衝性。
【0011】
本発明は、また、上述したとおりの梱包材料のバンドルを使用する方法を提供する。当該方法は、(a)上部側が開いていて、当該上部側の反対にある底部側が閉じている、長方形の包装容器を準備すること、(b)底部ストリップの中央区画の底部側を包装容器の底部側の内面に向けた状態で、梱包材料のバンドルを包装容器に配置すること、(c)頂部ストリップ及び底部ストリップの第1の端部及び第2の端部を、包装容器のそれぞれの側壁に向けて展開すること、の手順を含む。
【0012】
当該方法は、当該バンドルを一時的な拘束部材から解く手順をさらに含んでもよい。
当該方法は、梱包される物品を頂部ストリップの中央区画の上部側に配置し、頂部ストリップ及び底部ストリップの第1の端部及び第2の端部のそれぞれを物品の上に折り重ね、そして、包装容器の開いている上部側を閉じる手順を含んでもよい。
【0013】
本発明における上述の及びその他の特徴は、以下で十分に説明され、特に請求項において指摘され、以下の説明及び添付の図面は、本発明の特定の例示的な実施形態を詳細に示しているが、これらの実施形態は、本発明の原理を使用することができる様々な方法のほんの一部を示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】例示的なダンネージ変換機の概略を示す図である。
図2図1のダンネージ変換機により製造されるダンネージ製品の概略図である。
図3】本発明により提供される例示的なダンネージのストリップの概略的な断面である。
図4】本発明により提供される例示的なダンネージのストリップの概略的な断面である。
図5】本発明により提供される例示的なダンネージのストリップの概略的な断面である。
図6】本発明により提供される例示的なダンネージのストリップの概略的な断面である。
図7】当該発明により提供される例示的なダンネージのストリップの概略的な斜視図である。
図8】当該発明により提供される、別の例示的なダンネージのストリップの概略的な斜視図である。
図9】線9-9に沿って見たときの図8のダンネージのストリップの断面図である。
図10】開いている輸送用コンテナの上に配置されたダンネージの2つのストリップの概略図である。
図11】「T字」構成で一対のパッドを順次折りたたむ作業の図である。
図12】「十字」構成で一対のパッドを順次折りたたむ作業の図である。
図13】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図14】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図15】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図16】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図17】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図18】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図19】束化されたダンネージ製品を構成するため、「十字」構成で一対のパッドを折りたたむ作業の一連の手順を示す。
図20】輸送用コンテナ内に梱包する1つ以上の物品の受け入れのための輸送用コンテナを準備するべく、束化されたダンネージ製品を使用する一連の手順を示す。
図21】輸送用コンテナ内に梱包する1つ以上の物品の受け入れのための輸送用コンテナを準備するべく、束化されたダンネージ製品を使用する一連の手順を示す。
図22】輸送用コンテナ内に梱包する1つ以上の物品の受け入れのための輸送用コンテナを準備するべく、束化されたダンネージ製品を使用する一連の手順を示す。
図23】輸送用コンテナ内に梱包する1つ以上の物品の受け入れのための輸送用コンテナを準備するため、束化されたダンネージ製品を使用する一連の手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、束化されたダンネージ製品を作製する方法、束化されたダンネージ製品を作製する方法、及び、輸送される1つ以上の物品をコンテナ内に受け入れるための輸送用コンテナを準備するために、束化されたダンネージ製品を使用する方法を提供する。バンドルとも称され得る束化されたダンネージ製品により、輸送用コンテナに緩衝性又は断熱性を持たせるなどのための、複数のダンネージ製品を同時にコンテナ内に配置することが容易になる。束化されたダンネージ製品は、輸送される物品をコンテナが受け入れる準備ができ次第、コンテナを裏張りするために直ちに展開できるようになっている。当該バンドルは、輸送用コンテナ用のライナー又は裏張りとも称され得る。束化されたダンネージ製品を展開することで、所望の緩衝性、熱的性質、その他のダンネージ特性を持たせるために、ダンネージ製品がコンテナの内側面に沿って配置される。
【0016】
本発明における使用に適した例示的なダンネージのストリップは、シート素材を、該素材より比較的厚みがあり、低密度なダンネージ製品へと変換するダンネージ変換機によって製造されてもよい。本発明における使用に適した、シート素材をダンネージのストリップへと変換する例示的な機械は、ここで参考として引用する国際特許出願公開番号WO2009/042664に開示されている。この例示的なダンネージ変換機は、包み込み可能なダンネージ製品を製造するが、本発明はそういったダンネージ製品や図示されるダンネージ変換機に限定されない。
【0017】
図1を参照すると、ダンネージ変換機は、シート素材の供給源202から1つ以上のシート素材の層P及びPを引き出す供給アセンブリ204と、シート材が複数重なり合った層を一緒につなげて、ダンネージのストリップ207を構成する、供給アセンブリ204より下流の接続アセンブリ206と、の両方をさらに備える変換アセンブリ200を備える。
【0018】
適したシート素材とは、例えば、ロール状やジャバラ式に積み重なった状態で供給される紙又はプラスチックのシート、若しくはそれらの組み合わせを含む。当該変換機で使用される例示的なシート素材は、ロール形状で、及び、ジャバラ式に積み重なった状態でつながった一連の長方形の複数ページとして、のいずれかで提供される、単一層又は多層いずれかのクラフト紙を含む。シート素材として、紙は、一般的にはリサイクル可能かつ再使用可能であり、再生可能資源で構成されている故、環境に配慮した選択である。シート素材の供給源は、ダンネージ製品へと変換される層状又はひと巻きのシート素材を提供するための、複数のロール又は積み重ねを含んでもよく、それに続くロール又は積み重ねは、ダンネージ変換機へ連続長のシート素材を提供すべく、先行するロール又は積み重ねの終端に継ぎ合わせられてもよい。
【0019】
接続アセンブリ206は、層P及びPが、供給アセンブリ204から、接続アセンブリ206へと供給されて通るときの速度より遅い速度で、層P及びP又は素材のシートを通過させ、それにより接続アセンブリ206は供給アセンブリ204と協力して、供給アセンブリ204と接続アセンブリ206との間で長手方向に延びる狭い空間において、素材を長手方向に無作為にしわにするか、折りたたむ。接続アセンブリ206は、しわになったシートを他のシートに接続させることで、連続したダンネージのストリップ207において、しわになったシートをしわ状態のまま保持する。変換機は、また、ストリップ207から別個の長さのダンネージ製品209を切断するために、接続アセンブリ206の下流の切断アセンブリ208を備えてもよい。
【0020】
そのため、少なくとも1つのダンネージ製品209の層は、無作為にしわになったひと巻きの紙又はシートを含む。少なくとも1枚のシートを、無作為にしわにすることにより、ダンネージ製品209に緩衝性を持たせる。しわになった1枚のシート又は複数のシートは、例えば、少なくとも1枚の他のシートと機械的相互接続する線から構成され得る接続バンドに沿って、しわになった状態で保たれる。複数の重なったシート又は層をつなぐ接続線は、便利な折り曲げ線を提供することにもなる。
【0021】
図2に示される例示的なダンネージ製品100は、少なくとも1つの、望ましくは横方向に間隔が取られた複数の、長手方向に延びる接続バンド102を備え、シート素材はそこでエンボス加工、又はピアッシング、又はパンチング加工を施されるか、あるいは機械的に相互接続され、素材の複数の層104及び106をまとめる。素材は、一般的には、これらの接続バンド102内で圧縮されるため、しわになった層104は、接続バンド102の外の緩衝領域110に、比較的高い嵩高性を持たせる。しわのない層106を有するラッピング製品において、当該しわのない層は、しわになった層のキャリアとして機能する。しわのない層106と1つ以上のしわになった層104に、同じ幅の素材が使用される場合、一般的には、しわにする工程で、しわになった1つの層又は複数の層104の幅は小さくなり、しわのないキャリア層106が、しわになった1つの層又は複数の層104の横方向外縁を超えて横方向に延びる。これら横方向外側部分は、また、ダンネージ製品の縦方向でのさらなる強化のため、より一貫性のある仕上がりの縁を提供するため、及び/又は、素材の複数の層どうしの接続の品質を向上させるために接続される前に又は後で、接続バンド102の内側へと折り重ねられてもよい。加えて、1つより多いしわのない層106が所望される場合、追加のしわのない1枚のシート又は複数のシートが、しわになった1枚のシート又は複数のシートの同じ側か反対側の接続アセンブリ206(図1)に供給されてもよい。
【0022】
しわになった1つの層又は複数の層104、及び、しわのない1つの層又は複数の層106をしわになった1つの層又は複数の層104にくっつけている、横方向に間隔が取られた接続バンド102を無作為にしわにすることで、高品質なダンネージ製品を提供する。しわになった起伏の実際のばらつきは予測不可能であるが、起伏の大きさや数は一般的には統計によりおおよそ予測可能であり、供給アセンブリ204と接続アセンブリ206の差速、並びに、層P及びPが移動する空間のサイズの結果である。
【0023】
しわになったシートの数量、使用する素材の重量を変更すること、又は、しわになった若しくはしわのないキャリアシートのいずれかを使用することで、ラッピング製品の緩衝性又はその他の性質を変化させられる。また、供給アセンブリ204及び接続アセンブリ206を通る素材の供給量の割合を変化させることで、緩衝性を制御することもできる。
【0024】
上述したような変換機で生産されたダンネージ製品100は、上述したとおり、巻き付けダンネージ製品としての使用に特に適している一方、ダンネージ製品100、その代替品も、望ましい緩衝性と断熱性を提供してよい。ダンネージ変換機の使用により、必要時又は望ましい時に、オンデマンドでのダンネージ製品の生産を可能にする。そういったダンネージ製品又はその他のダンネージ製品のストリップ又は長さを、本発明に従って、以下のようにして利用してもよい。
【0025】
ストリップダンネージ製品とも称され、時にパッドと称される、梱包材料のストリップは、様々な長さであってもよく、また、絶縁性や緩衝性、もしくはそういった特性の組み合わせを有してもよい。パッドは、通常、幅寸法を上回る長さ寸法を有し、幅寸法と長さ寸法の両方は、通常、厚み寸法を上回る。パッドの中心は、第1及び第2の端部の、又は長さ寸法の両端にあるパッドのそれぞれの端部の中間にある。パッドの中央部分は、長手方向の対向する端部どうしの間に存在し、中心を含む。パッドの長さはさまざまであるが、通常、輸送用コンテナの対応する寸法を横切って延びるのに十分な長さである。当該パッドは、コンテナの1つ以上の直立した側壁及び底壁の内面を含む、コンテナの複数の内面を横切って延びるのに十分な長さを有してもよい。コンテナの内側面の幅寸法がパッドの幅寸法を上回る場合、共通の方向に延びる複数の隣接するパッドが提供されてもよい。
【0026】
上述の、そして図1及び図2に示されるパッドの代替として、絶縁用ライニング300として使用される目的のパッドは、外周縁にてシールされた2枚の紙304と306との間に挟まれた紙である、無作為にしわになった1枚以上のシート302(図3又は図4)、又は、共通若しくは反対方向に延びるカバーシート308の縁で、無作為にしわになったシート302を内部に包み込む1枚のカバーシート308(図5又は図6)を含んでもよい。反対方向に延びる縁どうしは、接するか重なり合ってもよく、また、カバーシート308を所定の位置に固定するためのテープ又は他の手段を利用してもよい。絶縁性の向上や絶縁用ライニング300の増厚のため、内部のしわになったシート302のうちの多くの層を利用してもよい。
【0027】
図1及び図2に示されるパッドと同様に、絶縁用ライニング300は、また、後で所望の長さに切断される、連続したストリップとして製造されてもよい。図7に示される通り、輸送用コンテナの内寸に合致するように絶縁用ライニングの折り曲げを容易に行えるよう、折り曲げ線310又は折り目を長手に沿った所定の距離で、絶縁用ライニングに形成してもよい。図8及び図9に示される通り、ストリップの端部312は、内部のしわになったシート302の長さを超えて延びてもよく、当該端部をシールするため、そして、熱的性能の向上のため、折り重ねられてもよい。当該ストリップ、代替のストリップも、ストリップの長手又は幅に沿った中間部分でシールされてもよい。
【0028】
本発明は、2つ以上のストリップが束化された構成を形成又は使用して、輸送のためにストリップが物品を受け入れ、保護する準備ができている望ましい向きにて展開の準備がなされた状態で、複数のストリップを一度にコンテナに挿入することを容易にする。この束化された構成は、キットとも称されてもよい。
【0029】
ここで、図10を参照すると、典型的な長方形の輸送用コンテナ20は、第1の位置に配置される第1のパッド22であって、輸送用コンテナ20内の底面を横切りその輸送用コンテナ20の平行な対面する側壁に対して概して垂直である第1のパッド22を備えてもよく、そして、第2のパッド24が、図1に示される通り、第1のパッド22に対して垂直に輸送用コンテナを横切って備えられてもよい。第1及び第2のパッドの端部は、輸送される物品が第1のパッド22及び第2のパッド24の上に配置され、輸送用コンテナ20に押し込まれるよう、一般的には輸送用コンテナからそれぞれの側壁を越えて延在し、第1のパッド22及び第2のパッドの24がまだ下向きに押しこまれていない場合には、コンテナ20内に、又は輸送用コンテナ20の底面に隣接して配置される。それから、第1のパッド22及び第2のパッド24の端部は、互いに及び輸送用コンテナ20の底面と重なり合う第1のパッド22及び第2のパッド24の中央部分の上、並びに輸送される物品の上又は周囲で、内側に折りたたまれる。当該コンテナは、その後、閉じられるか、又は輸送のため準備がなされる。
【0030】
本発明より以前には、オペレータは一般的には、パッド22及び24それぞれを、輸送用コンテナにわたって一度に1つずつ手動で配置し、ダンネージ変換機が第2のパッド24を分配する間には待たなければならないときもあった。オペレータは、また、輸送される1つ又は複数の物品をコンテナに配置し、第1及び第2のパッド22及び24の端部で物品を包み込む前に、パッドの中央部分を輸送用コンテナの底部に押し込む必要があった。本発明は、第1のパッド22及び第2のパッド24を折りたたんでバンドルを形成する方法を提供し、これにより、オペレータは、輸送される物品を受け入れるコンテナ内で、展開される準備ができた複数のパッドを一度に、より迅速かつ効率的に輸送用コンテナの底部に配置することができる。
【0031】
パッドを束ねる第1手順において、第1のパッド及び第2のパッドは、「T字」構成(図2)又は「十字」構成(図3)のいずれかの形状を取るようを配置されてもよい。説明を簡単にするため、図2を参照すると、T字構成からのバンドルの形成は、次の手順を含む(図4から図8も順次参照)。まず、第1のパッド30の中央部分が第2のパッド32の中央部分の上に重なった状態で、第1のパッド30が第2のパッド32に対し垂直に配置される。どちらのパッドが上に来るかは重要ではない。パッドどうしは一緒に固定されてもよい。第1のパッド30は頂部パッド又は底部パッドでもよく、第2のパッド32についても同様である。比較のため、十字構成において、第1のパッド40の中心は第2のパッド42の中心の上に重なり、一方で、T字構成においては、第1のパッド30の中心は第2のパッド32の中心の上に重ならない。換言すると、T字構成において、第1のパッド30の中心は、第2のパッド32の中心に対し中心を外れており、第2のパッド32の片端寄りである。
【0032】
図3に戻ると、各パッドは複数区画に分割され、第1のパッド30及び第2のパッド32それぞれの区画は、その後、中央部分の印のない区画上に折り返される。この順番は異なり得るが、本例では、区画は参照符号(1)から(5)の順番で、印のない区画上に折り返される。より具体的には、第1のパッド30の第1区画(1)は、第1のパッド30の印のない区画上、及び、その下にある第2のパッド32の中央区画上に折り返され、その後、第1のパッド30の第2区画(2)は、第2のパッド32の印のない区画上、及び、既に折り返されている第1のパッド30の区画(1)上に折り返される。図6を参照されたい。次に、第2のパッド32の第3区画(3)は、第2のパッド32の印のない中央区画(及び、第1のパッド30の中央部分と、既に内側へと折り返されている第1区画(1)及び第2区画(2)と)の上に折り返される。最後に、第2のパッド32の第4区画(4)及び第5区画(5)は、第2のパッド32の印のない区画(及び、既に折り返されている第1区画から第3区画)の上を囲って折り返され、バンドル50を成す(図8及び図9を参照)。パッドの端どうしは、当該バンドルにおいて交互に配置されてもよい。いずれかの区画が中央部分において印のない区画より長い場合、そういった区画は印のない区画を超えて囲うよう延在してもよい。
【0033】
出来上がった折りたたまれたバンドル50は、コンテナ内に直ぐの使用のために配置されてもよいし、又は、後の使用のために保管されてもよい。バンドル50は、また、ストラップ52若しくは他の拘束部材、又は、第1のパッド30及び第2のパッド32を束化された構成で保持若しくは固定するための手段を含んでもよい。例示的なストラップ52は、重なり合うストラップ52の端部どうしを固定する接着剤を備えた紙から作成される。
【0034】
ここで、図3及び参照符号(1)から(4)を参照すると、十字構成からのバンドルの作成は、同様の手順を有する。まず、第1のパッド40の中心が第2のパッド42の中心を覆って配置された状態で、第1のパッド40が第2のパッド42に対し垂直に配置される。その後、第1のパッド40及び第2のパッド42の区画は、参照符号(1)から(4)の順番で、次の区画を前の区画の上、そして、印のない中央部分の周りに折り重ねた状態で、印のない中央部分の上に折り重ねられ、2つのパッド40及び42からバンドルを形成する。
【0035】
これらの方法は、様々な区画が内側に折りたたまれる順番がそれぞれで異なる。当該バンドルのサイズは、包装容器のサイズ及び当該コンテナに必要な梱包要件と相関することが好ましい。考慮すべき要素として、絶縁性又は緩衝性、若しくはその組み合わせについての所望の特性、コンテナのサイズ、輸送される物品のサイズ、当該バンドル内のダンネージ製品のサイズが挙げられる。したがって、上記のように、単一パッドよりも広いコンテナ壁を覆うために、複数のパッドを共通の方向に横並びで並べて配置した状態でコンテナに同時に配置するため、コンパクトなバンドルに折りたたんでもよい。そのため、特定のコンテナで必要な場合には、当該バンドルは、1つ又は複数の第1のパッドと共に、1つ又は複数の第2のパッドを備えてもよい。パッドの数量に関わらず、出来上がったバンドルにより、オペレータが複数のパッドを一度にコンテナ内に配置するのが非常に簡単になる。また、束化された編成により、パッドが当該バンドルから展開される際に、コンテナの内側面に向けてパッドを並べるのが容易になる。
【0036】
本発明は、また、輸送される物品を受け入れるのに適した構成で、コンテナ内にダンネージ製品を迅速に配置するため、当該バンドルを使用する方法を提供する。当該方法は、上述したT字構成からのバンドル50を用いて、図11から図14に示される次の手順を含む。最初に、バンドル50(固定されているかどうかにかかわらず)がコンテナ74に配置され、そして、パッド30及び32を束化した構成で保持するために使用されるテープ、ストラップ、又は結束があれば、解かれるか取り除かれる。次に、T字構成、十字構成、又はその他の構成のいずれの場合でも、束化する方法とは逆になり、図11から図14に順次示されるように、第1のパッド及び第2のパッドの区画が展開され、輸送のために1つ以上の物品を受け入れる準備が整った構成に配置される際に、コンテナの側面及び外側に広がる可能性があるさまざまな区画を逆の順序で展開することで、第1のパッド及び第2のパッドがコンテナ内で展開される。
【0037】
バンドル50が底壁の内側面に向けてコンテナ74内に配置された後(図11)、第2のパッド32の区画4及び区画6は展開され、輸送用コンテナ74の直立した側壁の隣接した内側面の上に配置され(図12)、そして、第2のパッドの区画3は、向かい側の直立した側壁の、向かい合っている内側面に向けて展開される。その後、区画2及び区画1は、同様の方法で、コンテナ74の、直交して直立した側壁のそれぞれ向かい合っている内側面に向けて順番に展開される。図13及び図14を参照されたい。これにより、コンテナ74は輸送される物品を受け入れ、及び、所望の構成で配置された、第1及び第2のパッド30及びパッド32の簡易な展開の準備ができる。
【0038】
次に、それぞれの区画は、輸送中に物品のすべての側面を覆い、保護するため、物品の上に折り重ねられてもよい。代替として、又は、追加的に、更なる保護の提供のため、コンテナを閉じる前に物品の上又は周りに1つ以上の追加パッドを提供してもよい。
【0039】
束化されたダンネージ製品を、コンテナに入れ、その後にパッドを展開することは、過去になされてきたように、コンテナ内に複数のパッドを一度に1つずつ手動で配置するよりもはるかに簡単で迅速である。たとえば、オンデマンドでのシートベースの絶縁用ライナーを組み立てる従来の方法は、オペレータがコンテナ内にパッドを配置できる速度と、ダンネージ変換機が必要な長さのパッドを製造できる速度と、によって制限されていた。束化されたダンネージ製品を提供することにより、ダンネージ製品を解くと、輸送される物品を受け入れのための所望の構成に、ダンネージ製品が自動的に配置される。束化されたダンネージ製品は、束化して使用するためにオンデマンドで製造しても、事前に製造して、使用する準備ができるまでコンパクトな束化された構成で保存してもよい。束化、そして結束の作業は、自動化されてもよい。
【0040】
要約すると、本発明は、コンパクトな構成に折りたたまれた梱包材料の少なくとも2つのストリップを含む、梱包材料のバンドルを提供する。梱包材料のストリップは、第1及び第2の端部並びに第1の端部と第2の端部との間の中央部分の間に長さ寸法を有する梱包材料の頂部ストリップと、第1及び第2の端部並びに第1の端部と第2の端部との間の中央部分の間に長さ寸法を有する梱包材料の底部ストリップと、を備える。頂部ストリップの中央部分は、底部ストリップの中央部分の上に重なり、頂部ストリップの長さ寸法は、底部ストリップの長さ寸法に直交する向きである。頂部ストリップの第1及び第2の端部は、その中央部分に折り重ねられ、そして、底部ストリップの第1及び第2の端部は、その中央部分に折り重ねられる。ストラップは、束化された構成において、ストリップを保持してもよい。
【0041】
当該発明は、特定の例示された実施形態に関して示され、説明されてきたが、同等の変更及び修正は、仕様及び添付の図面を読んで理解することにより、当技術分野における他の当業者により行われるであろう。特に、上述した整数(構成要素、アセンブリ、デバイス、組成物等)によって実施される種々の機能に関して、こうした整数を述べるために使用される用語(「手段(means)」への言及を含む)は、特に指示されない限り、本発明の本明細書で示す例示的な実施形態における機能を実施する開示される構造に構造的に同等でなくても、述べる整数の特定の機能を実施する(すなわち、機能的に等価である)いかなる整数にも対応することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
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図22
図23