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特許7479301低分子量プロピレン系ポリマーおよびオレフィンマルチブロックコポリマーを含有する組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】低分子量プロピレン系ポリマーおよびオレフィンマルチブロックコポリマーを含有する組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 23/14 20060101AFI20240426BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20240426BHJP
   C08L 53/00 20060101ALI20240426BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
C08L23/14
C08L23/08
C08L53/00
C08L91/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020565980
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 US2019036751
(87)【国際公開番号】W WO2019241374
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】62/684,564
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】マクレナガン、アラン ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】チン、イー
【審査官】堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/073088(WO,A1)
【文献】特表2016-528323(JP,A)
【文献】特表2016-526086(JP,A)
【文献】特開2012-251160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/14
C08L 23/08
C08L 53/00
C08L 91/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、以下の成分:
A)≦0.880g/ccの密度、2.00~3.00のMWD(conv)、および≦80,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有するプロピレン/エチレンコポリマーと、
B)≦0.890g/ccの密度および≧0.5g/10分のメルトインデックス(I2、190℃、2.16kg)を有するオレフィンマルチブロックコポリマーと、
パラフィン系オイルおよびナフテン系オイルからなる群から選択される少なくとも1つのオイルと、を含む、組成物。
【請求項2】
前記オレフィンマルチブロックコポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記プロピレン/エチレンコポリマーが、≦50,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、4,000~10,000mPa・sの溶融粘度(150℃)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記プロピレン/エチレンコポリマーが、≧0.855g/ccの密度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記プロピレン/エチレンコポリマーが、30,000~70,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記プロピレン/エチレンコポリマーが、前記組成物の重量に基づいて、5.0重量%~45重量%の量で前記組成物中に存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記オレフィンマルチブロックコポリマーが、≧0.855g/ccの密度を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記オレフィンマルチブロックコポリマーが、前記組成物の重量に基づいて、2.0重量%~20重量%の量で前記組成物中に存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/684,564号の優先権の利益を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配合されたポリマー組成物は接着剤に使用される。典型的には、接着剤の場合、2つの相反する要件、すなわち、凝集度の高い接着剤の必要性(例えば、剥離力によって決定される)と、低い接着剤粘度の必要性とのバランスを、接着剤の改善された適用を提供し、ラミネートの調製中の接着剤の滲み通りを減少させるためにとる必要がある。
【0003】
接着剤および他の組成物に使用するためのポリマー組成物は、次の参考文献、すなわち、U.S.9695340、U.S.6627723、U.S.6747114、U.S.7521507、U.S.6582762、U.S.8383731、U.S.2014/0256867、U.S.2012/0165455、WO2016/029006、WO2016/029012、WO2016/028961、WO2012/129489、WO2011/011729、WO2009/029476、およびEP2898035A1において開示されている。しかしながら、上で考察した、改善された接着剤組成物に関する必要性は残っている。この必要性は、以下の発明によって満たされている。
【発明の概要】
【0004】
以下の成分、すなわち、
A)≦0.880g/ccの密度、2.00~3.00のMWD(conv)、および≦80,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有するプロピレン/エチレンコポリマーと、
B)≦0.890g/ccの密度および≧0.5g/10分のメルトインデックス(I2)を有するオレフィンマルチブロックコポリマーと、を含む、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0005】
不織布/バックシートラミネートの調製中に起こり得る滲み通りの発生を排除することを含む、良好な接着性および改善された処理特性を備えた接着剤組成物を発見した。
【0006】
上で考察したように、以下の成分、すなわち、
A)≦0.880g/ccの密度、2.00~3.00のMWD(conv)、および≦80,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有するプロピレン/エチレンコポリマー(ランダム)と、
B)オレフィンマルチブロックコポリマーと、さらに、≦0.890g/ccの密度および≧0.5g/10分のメルトインデックス(I2)を有するオレフィンマルチブロックコポリマーと、を含む、組成物が提供される。
【0007】
本組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでいてもよい。
【0008】
プロピレン/エチレンコポリマーは、本明細書に記載のような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでいてもよい。
【0009】
オレフィンマルチブロックコポリマーは、本明細書に記載のような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでいてもよい。
【0010】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、≧0.855g/cc、または≧0.858g/cc、または≧0.860g/cc、または≧0.862g/cc、または≧0.865g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。
【0011】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、≦0.885g/cc、または≦0.880g/cc、または≦0.878g/cc、または≦0.875g/cc、または≦0.870g/ccの密度を有する。
【0012】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、0.860~0.875g/cc、または0.860~0.870g/cc、または0.860~0.868g/ccの密度を有する。
【0013】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、≧400mPa・s、または≧500mPa・s、または≧600mPa・s、または≧700mPaの溶融粘度(177℃)を有する。
【0014】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、≧800mPa・s、または≧1000mPa・s、または≧1200mPa・s、または≧1400mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する。
【0015】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、≦50,000mPa・s、または≦40,000mPa・s、または≦30,000mPa・s、または≦25,000mPa・s、または≦20,000mPa・s、または≦15,000mPa・s、または≦12,000mPa・s、または≦10,000mPa・s、または≦8,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する。
【0016】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、≦16,000mPa・s、または≦14,000mPa・s、または≦12,000mPa・s、または≦10,000mPa・s、または≦9,000mPa・s、または≦8,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する。
【0017】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、2,000mPa・s~12,000mPa・s、または4,000mPa・s~10,000mPa・s、または5,000mPa・s~9,000mPa・s、または6,000mPa・s~9,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する。
【0018】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、500~3000g/10分、または600~2500g/10分、または700~2000g/10分、または800~1500g/10分、または900~1200g/10分のメルトフローレイトMFRを有する。
【0019】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、30,000~70,000g/モル、または35,000~60,000g/モル、または40,000~50,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0020】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、10,000~
30,000g/モル、または12,000~25,000g/モル、または16,000~22,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する。
【0021】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、2.00~4.00、または2.00~3.50、または2.00~3.00、または2.00~2.50、または2.10~2.45、または2.20~2.40のMw/Mnを有する。
【0022】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、55℃~95℃、または60℃~90℃、または65℃~85℃、または70℃~80℃の溶融温度(Tm)を有する。
【0023】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、2.0%~28%、または4.0%~26%、または6.0%~24%、または8.0%~22%、または10%~20%の結晶化度パーセントを有する。
【0024】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、-15℃~-2℃、または-13℃~-4℃、または-11℃~-6℃の結晶化温度(Tc)を有する。
【0025】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、プロピレン/エチレンコポリマーは、組成物の重量に基づいて、5.0重量%、または10重量%、または15重量%~25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%の量で組成物中に存在する。
【0026】
プロピレン/エチレンコポリマーは、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を含んでいてもよい。
【0027】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。α-オレフィンとしては、C3~C20α-オレフィン、および好ましくはC3~C10α-オレフィンが挙げられるが、それらに限定されない。より好ましいα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが挙げられ、より好ましくは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンが挙げられ、より好ましくは1-オクテンが挙げられる。
【0028】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、≧0.855g/cc、または≧0.858g/cc、または≧0.860g/cc、または≧0.862g/cc、または≧0.865g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。さらなる実施形態において、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。好適なα-オレフィンは、上で考察している。
【0029】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、≦0.885g/cc、または≦0.880g/cc、または≦0.878g/cc、または≦0.875g/cc、または≦0.870g/ccの密度を有する。さらなる実施形態において、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。好適なα-オレフィンは、上で考察している。
【0030】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、≧1.0g/10分、または≧2.0g/10分、または≧4.0g/10分、または≧6.0g/10分、または≧8.0g/10分、または≧10g/10分のメルトインデックスI2を有する。さらなる実施形態において、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。好適なα-オレフィンは、上で考察している。
【0031】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、≦50g/10分、または≦45g/10分、または≦40g/10分、または≦35g/10分、または≦30g/10分、または≦25g/10分、または≦20g/10分のメルトインデックスI2を有する。さらなる実施形態において、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。好適なα-オレフィンは、上で考察している。
【0032】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、5.0~30g/10分、または8.0~25g/10分、または10~20g/10分、または12~18g/10分、または14~16g/10分のメルトインデックスI2を有する。さらなる実施形態において、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。好適なα-オレフィンは、上で考察している。
【0033】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、オレフィンマルチブロックコポリマーは、組成物の重量に基づいて、2.0重量%、または4.0重量%、または6.0重量%~12重量%、または14重量%、または16重量%、または18重量%、または20重量%の量で組成物中に存在する。さらなる実施形態において、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。好適なα-オレフィンは、上で考察している。
【0034】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、成分Aの成分Bに対する重量比は、1.2~5.0、または1.4~4.5、または1.6~4.0、または1.7~3.5、または1.8~3.0である。
【0035】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、少なくとも1つの粘着付与剤、任意選択で少なくとも1つのオイル、および任意選択で少なくとも1つのワックスをさらに含む。
【0036】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、少なくとも1つの粘着付与剤、少なくとも1つのオイル、および任意選択で少なくとも1つのワックスをさらに含む。
【0037】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、粘着付与剤を含む。さらなる実施形態において、粘着付与剤は、水素化粘着付与剤である。
【0038】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、少なくとも1つの粘着付与剤および少なくとも1つのオイルをさらに含む。さらなる実施形態において、粘着付与剤は、水素化粘着付与剤である。
【0039】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、45重量%~75重量%、または45重量%~75重量%、または50重量%~70重量%、または55重量%~65重量%の粘着付与剤を含む。さらなる実施形態において、粘着付与剤は、水素化粘着付与剤である。
【0040】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、1.0重量%~20重量%、または2.0重量%~18重量%、または4.0重量%~16重量%、または6.0重量%~14重量%、または8.0重量%~12重量%のオイルを含む。
【0041】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、150℃において、500mPa・s~20,000mPa・s、または1,000mPa・s~15,000mPa・s、または3,000mPa・s~10,000mPa・s、または2,000mPa・s~8,000mPa・s、または2,500mPa・s~6,000mPa・s、または2,500mPa・s~5,000mPa・sの溶融粘度を有する。
【0042】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、150℃において、500mPa・s~8000mPa・s、または1000mPa・s~7000mPa・s、または2000mPa・s~6,000mPa・s、または2,500mPa・s~5,000mPa・sの溶融粘度を有する。
【0043】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、≧0.7、または≧0.8、または≧0.9、または≧1.0の剥離強度(N/25mm)を有する。さらなる実施形態において、組成物は、本明細書に記載されるように、ロール粘着を示さない。
【0044】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、0.7~3.5、または0.8~3.2、または0.9~3.0、または1.0~3.0、または1.2~3.0、または1.4~3.0の剥離強度(N/25mm)を有する。さらなる実施形態において、組成物は、本明細書に記載されるように、ロール粘着を示さない。
【0045】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づく各重量%で、5.0~30重量%、または10~25重量%のプロピレン/エチレンコポリマー、40~70重量%、50~65重量%の粘着付与剤、および5.0~15重量%、または7.0~12重量%のオイルを含む。
【0046】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、酸化防止剤(例えば、IRGANOX1010、IRGANOX1076、および/またはIRGAFOS168)、充填剤および/または着色剤から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む。
【0047】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、0.10~1.00重量%、または0.20~0.80重量%、または0.50~0.60重量%の1つ以上の酸化防止剤(例えば、IRGANOX1010、IRGANOX1076、および/またはIRGAFOS168)をさらに含む。
【0048】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のEVAを含む。さらなる実施形態において、組成物は、EVAを含まない。
【0049】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のエチレン系ポリマーを含み、成分Bのコポリマーは含まない。さらなる実施形態において、組成物は、そのようなエチレン系ポリマーを含まない。
【0050】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のエチレン/アルファ-オレフィンランダムコポリマーを含む。さらなる実施形態において、組成物は、エチレン/アルファ-オレフィンランダムコポリマーを含まない。
【0051】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のエチレン/アルファ-オレフィンターポリマー(例えば、エチレン/プロピレン/C4~C20アルファ-オレフィンターポリマー)を含む。さらなる実施形態において、組成物は、エチレン/アルファ-オレフィンターポリマーを含まない。
【0052】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のエチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー(例えば、EPDM)を含む。さらなる実施形態において、組成物は、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーを含まない。
【0053】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のポリエチレンホモポリマー(例えば、HDPEまたはLDPE)を含む。さらなる実施形態において、組成物は、ポリエチレンホモポリマーを含まない。
【0054】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%の、重合形態でスチレンを含有するポリマーを含む。さらなる実施形態において、組成物は、重合形態でスチレンを含有するポリマーを含まない。
【0055】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のフッ素含有ポリマーを含む。さらなる実施形態において、組成物は、フッ素含有ポリマーを含まない。
【0056】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のポリウレタンを含む。さらなる実施形態において、組成物は、ポリウレタンを含まない。
【0057】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のアタクチックプロピレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態において、組成物は、アタクチックプロピレン系ポリマーを含まない。
【0058】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のポリプロピレンホモポリマーを含む。さらなる実施形態において、組成物は、ポリプロピレンホモポリマーを含まない。
【0059】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、組成物の重量に基づいて、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%の充填剤を含む。さらなる実施形態において、組成物は、充填剤(例えば、カーボンブラックまたはシリカ)を含まない。
【0060】
本発明はまた、本明細書に記載の1つ以上の実施形態の組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む物品を提供する。好適な物品の非限定的な例としては、おむつおよび女性用衛生製品などの、オレフィン系ポリマーバックシートに接着された不織布を含む物品が挙げられる。
【0061】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、物品は、建築材料、コーティング布、医療デバイス、衛生用品、玩具またはスポーツ用品、履物用部品、床タイル、カーペット、または自動車部品である。
【0062】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、物品は、ラミネート、多層フィルム、本、シーラント、成形品、家具、屋根瓦、モールディングまたはトリム、窓、ドア、旅行鞄、または革製品である。
【0063】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、物品は、基材をさらに含む。さらなる実施形態において、基材は不織布である。本明細書で使用される場合、「不織布」は、例えば、機械的インターロックによって、または繊維の少なくとも一部を融合することによって、ランダムなウェブにおいて一緒に保持された一成分および/または二成分の繊維のアセンブリ(例えば、コア/シース、海の島状、サイドバイサイド、セグメント化パイなど)である。以下の説明では、不織布を製造するための非限定的な手順を提供する。ステープル繊維紡糸(短紡糸、長紡糸を含む)、スパンボンド、メルトブロー、またはそれらの複数の組み合わせを含む溶融紡糸プロセスによって製造された繊維は、ウェブに形成することができ、その後、カードサーマルボンディング、ウェットレイド、エアレイド、エアスルーボンディング、カレンダーサーマルボンディング、ハイドロエンタングルメント、ニードルパンチング、接着結合、またはそれらの任意の組み合わせなどの結合技術を使用して不織布に形成される。
【0064】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、組成物は、基材の少なくとも1つの表面と別の基材の少なくとも1つの表面との間にシールを形成する。
【0065】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、各基材は、衛生用品の成分である。
【0066】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、少なくとも1つの基材は、木材である。
【0067】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせにおいて、少なくとも1つの基材は、紙、ボール紙、布、またはプラスチックもしくは金属から選択される。
【0068】
本発明の組成物は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0069】
本発明の物品は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0070】
オレフィンマルチブロックコポリマー
一実施形態では、オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、ポリマーの重量に基づいて、50重量%または過半量の重合エチレンを含む。
【0071】
「オレフィンブロックコポリマー」または「OBC」という用語は、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーを意味し、エチレンと、重合形態の1つ以上の、好ましくは1つの共重合性α-オレフィンコモノマーと、を含み、化学的または物理的特性が異なる2つ以上の、好ましくは2つの重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントを特徴とする。コポリマー中の「エチレン」または「コモノマー」の量に言及する場合、これは、その重合単位を意味すると理解される。いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーは、以下の式によって表すことができる:
(AB)
式中、nは、少なくとも1であり、好ましくは1より大きい整数、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれを超える整数であり、「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し、「B」は、ソフトブロックまたはソフトセグメントを表す。好ましくは、AおよびBは、実質的に分岐状または実質的に星形の様式とは対照的に、実質的に線状の様式で連結される。他の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布される。換言すると、ブロックコポリマーは、通常、以下のような構造を有さない。
AAA-AA-BBB-BB。
【0072】
さらに他の実施形態において、ブロックコポリマーは、異なるコモノマー(複数可)を含む第3のタイプのブロックを通常有さない。なお他の実施形態において、ブロックAおよびブロックBの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマーまたはコモノマーを有する。換言すると、ブロックAもブロックBも、ブロックの残りとは実質的に異なる組成を有する先端セグメントなどの別個の組成の2つ以上のサブセグメント(またはサブブロック)を含まない。
【0073】
好ましくは、エチレンは、ブロックコポリマー全体の大部分のモル分率を含み、すなわち、エチレンは、全ポリマーの少なくとも50モルパーセントを含む。より好ましくは、エチレンは、少なくとも60モルパーセント、少なくとも70モルパーセント、または少なくとも80モルパーセントを含み、ポリマー全体の実質的な残りは、好ましくは、3つ以上の炭素原子を有するα-オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーを含む。いくつかの実施形態において、オレフィンブロックコポリマーは、50モル%~90モル%、好ましくは60モル%~85モル%、より好ましくは65モル%~80モル%のエチレンを含み得る。多くのエチレン/オクテンブロックコポリマーについて、好ましい組成物は、ポリマー全体の80モルパーセントを超えるエチレン含量、およびポリマー全体の10~15モルパーセント、好ましくは15~20モルパーセントのオクテン含量を含む。
【0074】
オレフィンブロックコポリマーは、様々な量の「ハード」および「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、エチレンが、ポリマーの重量に基づいて、95重量パーセントを超える、または98重量パーセントを超える、最大100重量パーセントの量で存在する重合単位のブロックである。換言すると、ハードセグメント中のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマー含有量)は、ポリマーの重量に基づいて、5重量パーセント未満、または2重量パーセント未満であり、最低でゼロになり得る。いくつかの実施形態において、ハードセグメントは、エチレンに由来するすべてまたは実質的にすべての単位を含む。「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づいて、5重量パーセント超、または8重量パーセント超、10重量パーセント超、または15重量パーセント超の重合単位のブロックである。いくつかの実施形態において、ソフトセグメント中のコモノマー含有量は、20重量パーセント超、25重量パーセント超、30重量パーセント超、35重量パーセント超、40重量パーセント超、45重量パーセント超、50重量パーセント超、または60重量パーセント超であり得、最大100重量パーセントであってもよい。
【0075】
ソフトセグメントは、OBC中に、OBCの総重量の1重量パーセント~99重量パーセント、または5重量パーセント~95重量パーセント、10重量パーセント~90重量パーセント、15重量パーセント~85重量パーセント、20重量パーセント~80重量パーセント、25重量パーセント~75重量パーセント、30重量パーセント~70重量パーセント、35重量パーセントから65重量パーセント、40重量パーセント~60重量パーセント、またはOBCの総重量の45重量パーセント~55重量パーセントの量で存在し得る。逆に、ハードセグメントは、同様の範囲で存在し得る。ソフトセグメントの重量割合およびハードセグメントの重量割合は、DSCまたはNMRから得たデータに基づいて計算することができる。そのような方法および計算は、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、Colin L.P.Shan,Lonnie Hazlitt,et al.の名で2006年3月15日出願され、Dow Global Technologies Incに譲渡された、「エチレン/α-オレフィンブロックインターコポリマー」と題された米国特許第7,608,668号に開示されている。特に、ハードセグメントおよびソフトセグメントの重量パーセンテージ、ならびにコモノマー含有量は、US7,608,668の第57欄~第63欄に記載されているように決定することができる。
【0076】
オレフィンブロックコポリマーは、好ましくは直鎖の様式で接合された2つ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と称される)を含むポリマーであり、重合エチレン官能性に対してペンダントまたはグラフトの様式よりもむしろ端と端で接合されている。一実施形態において、ブロックは、組み込まれたコモノマーの量もしくはタイプ、密度、結晶化度の量、このような組成のポリマーに起因する結晶サイズ、立体規則性(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)のタイプまたは程度、位置規則性もしくは位置不規則性、分岐(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)の量、均質性、または他の任意の化学的もしくは物理的特性で異なる。逐次モノマー付加、流動性触媒、またはアニオン重合技術によって生成されたインターポリマーを含む先行技術のブロックインターポリマーと比較して、本発明のOBCは、一実施形態においては、それらの調製に使用される複数の触媒と組み合わせたシャトル剤(複数可)の効果のために、両ポリマー多分散性(PDIまたはMw/MnまたはMWD)の唯一の分布、ブロック長分布、および/またはブロック数分布によって特徴付けられる。
【0077】
一実施形態において、OBCは、連続プロセスで製造され、1.7~3.5、または1.8~3、または1.8~2.5、または1.8~2.2の多分散指数PDI(またはMWD)を有する。バッチまたは半バッチプロセスで生成される場合、OBCは、1.0~3.5、または1.3~3.0、または1.4~2.5、または1.4~2.0のPDIを有する。
【0078】
加えて、オレフィンブロックコポリマーは、ポアソン分布ではなくシュルツ-フローリー分布に適合するPDIを有する。本OBCは、多分散ブロック分布ならびにブロックサイズの多分散分布の両方を有する。これにより、改善された区別可能な物理的特性を有するポリマー生成物が形成される。多分散ブロック分布の理論的利点は、Potemkin,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902-6912、およびDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),pp 9234-9238において以前にモデル化され、考察されている。
【0079】
一実施形態において、本発明のオレフィンブロックコポリマーは、ブロック長の最も確かな分布を有する。一実施形態において、オレフィンブロックコポリマーは、以下のものを有すると定義される:すなわち、
(A)1.7~3.5のMw/Mn、少なくとも1つの摂氏での融点Tm、およびグラム/立方センチメートルでの密度d、ここで、Tmおよびdの数値は、以下の関係:
Tm>-2002.9+4538.5(d)-2422.2(d)、に対応する;かつ/または
(B)約1.7~約3.5のMw/Mn、J/gでの融解熱ΔH、および最高DSCピークと最高結晶化分析分別(「CRYSTAF」)ピークとの間の温度差として定義される、摂氏でのデルタ量ΔTによって特徴付けられ、ここで、ΔTおよびΔHの数値は、以下の関係:
ΔT>-0.1299 ΔH+62.81、ΔHは、ゼロより大きく、最大130J/gであり、
ΔT≧48℃、ΔHは、130J/gより大きい、
を有し、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して決定され、ポリマーの5パーセント未満が、識別可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は、30℃である;かつ/または
(C)エチレン/α-オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムで測定された300%歪みおよび1サイクルでの弾性回復率Re、ならびにグラム/立方センチメートルでの密度d、ここで、エチレン/α-オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含んでいないとき、Reおよびdの数値は、以下の関係:
Re>1481-1629(d)を満たす;かつ/または
(D)TREFを使用して分別したときに40℃~130℃で溶出する分子フラクションを有し、そのフラクションは、量(-0.2013)T+20.07以上、より好ましくは量(-0.2013)T+21.07以上のコモノマーモル含有量を有することを特徴とし、式中、Tは、℃で測定されたTREFフラクションのピーク溶出温度の数値である;かつ/または、
(E)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)、および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有し、G’(25℃)対G’(100℃)の比は、1:1~9:1の範囲にある。
【0080】
オレフィンブロックコポリマーはまた:
(F)フラクションが、少なくとも0.5および最大1のブロックインデックスおよび1.3を超える分子量分布Mw/Mnを有することを特徴とする、TREFを使用して分別すると40℃~130℃で溶出する分子フラクション、および/または
(G)ゼロを超えかつ最大1.0の平均ブロックインデックスおよび1.3を超える分子量分布Mw/Mn、も有し得る。オレフィンブロックコポリマーは、特性(A)~(G)のうちの1つ、いくつか、全て、または任意の組み合わせを有してもよいことが理解される。ブロックインデックスは、その目的のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,608,668号に詳述されるように決定され得る。特性(A)~(G)を決定するための分析方法は、例えば、その目的のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,608,668号、第31欄26行目~第35欄44行目に記載されている。
【0081】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックインターポリマー、およびさらなるコポリマーは、性質(A)~(G)のうちのいずれか1つを含んでもよい、または(A)~(G)のうちの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。
【0082】
本OBCを調製する際に使用するのに好適なモノマーとしては、エチレン、およびエチレン以外の1つ以上の、好ましくは1つの付加重合性モノマー(複数可)が挙げられる。好適なコモノマーの例としては、3~30個、好ましくは3~20個の炭素原子の直鎖または分岐鎖α-オレフィン、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセン;3~30個、好ましくは3~20個の炭素原子のシクロオレフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、および2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ-ナフタレン;ジ-およびポリオレフィン、例えば、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、および5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン;ならびに3-フェニルプロペン、4-フェニルプロペン、1,2-ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、および3,3,3-トリフルオロ-1-プロペンが挙げられる。好ましいα-オレフィンとしては、C3~C20α-オレフィン、好ましくはC3~C10α-オレフィンが挙げられるが、これらに限定されない。より好ましいα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが挙げられ、より好ましくは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンが挙げられ、より好ましくは1-オクテンが挙げられる。
【0083】
オレフィンブロックコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,858,706号に記載されているような鎖シャトリングプロセスを介して製造することができる。具体的には、好適な鎖シャトリング剤および関連情報については、第16欄第39行~第19欄第44行に列挙されている。好適な触媒は、第19欄45行目~第46欄19行目に記載され、好適な共触媒は、第46欄20行目~第51欄28行目に記載されている。プロセスについては文書全体で、具体的には第51欄欄第29行~第54欄第56行に記載されている。プロセスについてはまた、例えば次の米国特許第7,608,668号、同第7,893,166号、および同第7,947,793号にも記載されている。
【0084】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、0.910g/cc以下、または0.905g/cc以下、または0.900g/cc以下、または0.885g/cc以下、または0.880g/cc以下の密度を有する。
【0085】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、0.855g/cc以上、さらに0.860g/cc以上、さらに0.862g/cc以上の密度を有する。密度は、ASTM D-792-08の手順によって測定される。
【0086】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、80℃を超える、または85℃を超える、または90℃を超える、または95℃を超える、または100℃を超える融点を有する。融点は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2006/0199930号(WO2005/090427)に記載される示差走査熱量測定法(DSC)によって測定される。
【0087】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ASTM D-1238(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定した場合、0.1g/10分以上、または0.5g/10分以上、または1.0g/10分以上、または5.0g/10分以上、または10g/10分以上のメルトインデックス(I2)を有する。
【0088】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、ASTM D-1238(190℃、2.16kg荷重)を使用して測定した場合、50g/10分以下、または40g/10分以下、または30g/10分以下、または20g/10分以下のメルトインデックス(I2)を有する。
【0089】
オレフィンマルチブロックコポリマーは、本明細書に記載のような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでいてもよい。
【0090】
エチレンマルチブロックコポリマーは、本明細書に記載のような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでいてもよい。
【0091】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、本明細書に記載されるような2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0092】
添加剤
一実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つの添加剤を含む。好適な添加剤としては、充填剤、酸化防止剤、UV安定剤、難燃剤、着色剤または顔料、酸化亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、離型剤、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0093】
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ビスフェノール、およびチオビスフェノール;置換ヒドロキノン;トリス(アルキルフェニル)ホスファイト;ジアルキルチオジ-プロピオネート;フェニルナフチルアミン;置換ジフェニルアミン;ジアルキル、アルキルアリール、およびジアリール置換p-フェニレンジアミン;モノマーおよびポリマーのジヒドロキノリン;2-(4-ヒドロキシ-3,5-t-ブチルアニリン)-4,6-ビス(オクチルチオ)1,3,5-トリアジン;ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル-s-トリアジン;2,4,6-トリス(n-1,4-ジメチルペンチルフェニレン-ジアミノ)-1,3,5-トリアジン;およびトリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートが挙げられるが、それらに限定されない。
【0094】
実施形態
本開示の特定の実施形態としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:
1.以下の成分:
A)≦0.880g/ccの密度、2.00~3.00のMWD(conv)、および≦80,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有するプロピレン/エチレンコポリマーと、
B)≦0.890g/ccの密度および≧0.5g/10分のメルトインデックス(I2)を有するオレフィンマルチブロックコポリマーと、を含む、組成物。
【0095】
2.オレフィンマルチブロックコポリマーが、エチレンマルチブロックコポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである、実施形態1に記載の組成物。
【0096】
3.プロピレン/エチレンコポリマーが、≦50,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1または実施形態2に記載の組成物。
【0097】
4.プロピレン/エチレンコポリマーが、≦20,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1~3のいずれか一つに記載の組成物。
【0098】
5.プロピレン/エチレンコポリマーが、≦10,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1~4のいずれか一つに記載の組成物。
【0099】
6.プロピレン/エチレンコポリマーが、≦8,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1~5のいずれか一つに記載の組成物。
【0100】
7.プロピレン/エチレンコポリマーが、≧1,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1~6のいずれか一つに記載の組成物。
【0101】
8.組成物が、4,000~10,000mPa・sの溶融粘度(150℃)を有する、実施形態1~7のいずれか一つに記載の組成物。
【0102】
9.プロピレン/エチレンコポリマーが、≧0.855g/cc、または≧0.858g/cc、または≧0.860g/cc、または≧0.862g/cc、または≧0.865g/cc(1cc=1cm)の密度を有する、実施形態1~8のいずれか一つに記載の組成物。
【0103】
10.プロピレン/エチレンコポリマーが、≦0.885g/cc、または≦0.880g/cc、または≦0.878g/cc、または≦0.875g/cc、または≦0.870g/ccの密度を有する、実施形態1~9のいずれか一つに記載の組成物。
【0104】
11.プロピレン/エチレンコポリマーが、≧800mPa・s、または≧1000mPa・s、または≧1200mPa・s、または≧1400mPaの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1~10のいずれか一つに記載の組成物。
【0105】
12.プロピレン/エチレンコポリマーが、2,000mPa・s~12,000mPa・s、または4,000mPa・s~10,000mPa・s、または5,000mPa・s~9,000mPa・s、または6,000mPa・s~9,000mPa・sの溶融粘度(177℃)を有する、実施形態1~11のいずれか一つに記載の組成物。
【0106】
13.プロピレン/エチレンコポリマーが、30,000~70,000g/モル、または35,000~60,000g/モル、または40,000~50,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有する、実施形態1~12のいずれか一つに記載の組成物。
【0107】
14.プロピレン/エチレンコポリマーが、10,000~30,000g/モル、または12,000~25,000g/モル、または16,000~22,000g/モルの数平均分子量(Mn)を有する、実施形態1~13のいずれか一つに記載の組成物。
【0108】
15.プロピレン/エチレンコポリマーが、2.00~4.00、または2.00~3.50、または2.00~3.00、または2.00~2.50、または2.10~2.45、または2.20~2.40のMw/Mnを有する、実施形態1~14のいずれか一つに記載の組成物。
【0109】
16.プロピレン/エチレンコポリマーが、組成物の重量に基づいて、5.0重量%、または10重量%、または15重量%~25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%の量で組成物中に存在する、実施形態1~15のいずれか一つに記載の組成物。
【0110】
17.オレフィンマルチブロックコポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、α-オレフィンが、C3~C20α-オレフィン、さらにC3~C10α-オレフィンから選択される、実施形態1~16のいずれか一つに記載の組成物。
【0111】
18.α-オレフィンが、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンから選択され、さらにプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンから選択され、さらに1-オクテンである、実施形態17に記載の組成物。
【0112】
19.オレフィンマルチブロックコポリマーが、≧0.855g/cc、または≧0.858g/cc、または≧0.860g/cc、または≧0.862g/cc、または≧0.865g/cc(1cc=1cm)の密度を有する、実施形態1~18のいずれか一つに記載の組成物。
【0113】
20.オレフィンマルチブロックコポリマーが、≦0.885g/cc、または≦0.880g/cc、または≦0.878g/cc、または≦0.875g/cc、または≦0.870g/ccの密度を有する、実施形態1~19のいずれか一つに記載の組成物。
【0114】
21.オレフィンマルチブロックコポリマーが、≧1.0g/10分、または≧2.0g/10分、または≧4.0g/10分、または≧6.0g/10分、または≧8.0g/10分、または≧10g/10分のメルトインデックスI2を有する、実施形態1~20のいずれか一つに記載の組成物。
【0115】
22.オレフィンマルチブロックコポリマーが、≦50g/10分、または≦45g/10分、または≦40g/10分、または≦35g/10分、または≦30g/10分、または≦25g/10分、または≦20g/10分のメルトインデックスI2を有する、実施形態1~21のいずれか一つに記載の組成物。
【0116】
23.オレフィンマルチブロックコポリマーが、組成物の重量に基づいて、2.0重量%、または4.0重量%、または6.0重量%~12重量%、または14重量%、または16重量%、または18重量%、または20重量%の量で組成物中に存在する、実施形態1~22のいずれか一つに記載の組成物。
【0117】
24.成分Aの成分Bに対する重量比が、1.2~5.0、または1.4~4.5、または1.6~4.0、または1.7~3.5、または1.8~3.0である、実施形態1~23のいずれか一つに記載の組成物。
【0118】
25.組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤、任意選択で少なくとも1つのオイル、および任意選択で少なくとも1つのワックスをさらに含み、さらに、粘着付与剤は、水素化粘着付与剤である、実施形態1~24のいずれか一つに記載の組成物。
【0119】
26.組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤および少なくとも1つのオイルを含み、さらに粘着付与剤は、水素化粘着付与剤である、実施形態1~25のいずれか一つに記載の組成物。
【0120】
27.組成物が、組成物の重量に基づいて、45重量%~75重量%、または45重量%~75重量%、または50重量%~70重量%、または55重量%~65重量%の粘着付与剤を含む、実施形態1~26のいずれか一つに記載の組成物。
【0121】
28.組成物が、組成物の重量に基づいて、1.0重量%~20重量%、または2.0重量%~18重量%、または4.0重量%~16重量%、または6.0重量%~14重量%、または8.0重量%~12重量%のオイルを含む、実施形態1~27のいずれか一つに記載の組成物。
【0122】
29.組成物が、500mPa・s~20,000mPa・s、または1,000mPa・s~15,000mPa・s、または3,000mPa・s~10,000mPa・s、または2,000mPa・s~8,000mPa・s、または2,500mPa・s~6,000mPa・s、または2,500mPa・s~5,000mPa・sの150℃における溶融粘度を有する、実施形態1~28のいずれか一つに記載の組成物。
【0123】
30.組成物が、500mPa・s~8,000mPa・s、または1000mPa・s~7,000mPa・s、または2,000mPa・s~6000mPa・s、または2,500mPa・s~5000mPa・sの150℃における溶融粘度を有する、実施形態1~29のいずれか一つに記載の組成物。
【0124】
31.組成物が、≧0.7、または≧0.8、または≧0.9、または≧1.0の剥離強度(N/25mm)を有する、実施形態1~30のいずれか一つに記載の組成物。
【0125】
32.組成物が、0.7~3.5、または0.8~3.2、または0.9~3.0、または1.0~3.0、または1.2~3.0、または1.4~3.0の剥離強度(N/25mm)を有する、実施形態1~31のいずれか一つに記載の組成物。
【0126】
33.組成物が、組成物の重量に基づく各重量%で、5.0~30重量%、または10~25重量%のプロピレン/エチレンコポリマー、40~70重量%、50~65重量%の粘着付与剤、および5.0~15重量%、または7.0~12重量%のオイルを含む、実施形態1~32のいずれか一つに記載の組成物。
【0127】
34.組成物が、酸化防止剤、充填剤、および/または着色剤から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む、実施形態1~33のいずれか一つに記載の組成物。
【0128】
35.組成物が、組成物の重量に基づいて、0.10~1.00重量%、または0.20~0.80重量%、または0.50~0.60重量%の1つ以上の酸化防止剤をさらに含む、実施形態1~34のいずれか一つに記載の組成物。
【0129】
36.実施形態1~35のいずれか一つに記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む、物品。
【0130】
37.物品が、少なくとも1つの基材を含む、実施形態36に記載の物品。
【0131】
定義
相反する記載、文脈から暗示的、または当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づくものであり、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0132】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0133】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という語は、同じ種類かまたは異なる種類のモノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、唯一の種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および本明細書において以下に定義されるようなインターポリマーという用語を包含する。ポリマーという用語は、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれ得る微量の不純物、例えば触媒残留物を含む。
【0134】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合により調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという総称は、コポリマー(2種類の異なるモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および3種類以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0135】
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」という用語は、50重量%または過半量のオレフィンモノマー、例えばエチレンまたはプロピレン(ポリマーの重量に基づいて)を重合形態で含むポリマーを指し、任意に1つ以上のコモノマーを含み得る。
【0136】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(ポリマーの重量に基づいて)を含むポリマーを指し、任意に1種以上のコモノマーを含んでもよい。
【0137】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半量のプロピレンモノマーおよび少なくとも1つのα-オレフィンを含むインターポリマーを指す。
【0138】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(コポリマーの重量に基づいて)と、α-オレフィンとを2種類のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0139】
本明細書で使用される場合、「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、重合形態で、過半量のプロピレンモノマー(コポリマーの重量に基づいて)と、エチレンとを2種類のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0140】
本明細書で使用する場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)50重量%または過半量のエチレンモノマーを含み、かつ任意選択で1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0141】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の構成要素、ステップ、または手順の存在を、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、除外することを意図するものではない。いかなる疑義も避けるために、用語「含む」の使用を通じて主張される全ての組成物は、矛盾する記載がない限り、任意の追加の添加剤、補助剤、またはポリマー化合物であるかにかかわらず化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意の以降の記述の範囲から任意の他の成分、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を排除する。
【0142】
試験方法
密度は、ASTM D-792に従って測定する。結果は、1立方センチメートル当たりのグラム(g)、またはg/ccで報告する。
【0143】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPCconv)
試料調製および試料注入のためのロボット支援送達(RAD)システムを備えた高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システム。濃度検出器は、Polymer Char Inc.(Valencia,Spain)製の赤外線検出器(IR4)である。データ収集は、Polymer Char DM100データ収集ボックスを使用して行った。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)であった。システムには、Agilentからのオンライン溶媒脱気デバイスを装備した。カラムコンパートメントを、150℃で操作した。カラムは、4つのMixed ALS 30cm、20ミクロンのカラムであった。溶媒は、約200ppmの2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)を含有する窒素でパージされた1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)であった。流量は1.0mL/分であり、注入量は200μlであった。穏やかに撹拌しながら、Nパージし、予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中に試料を160℃で2.5時間溶解することによって、「2mg/mL」の試料濃度を調製した。
【0144】
20個の狭分子量分布ポリスチレン標準物質を用いることによって、GPCカラム設定を較正した。標準物質の分子量(MW)は、580~8,400,000g/モルの範囲であり、標準物質を6つの「カクテル」混合物に含有させた。各標準混合物は、個々の分子量間で少なくとも一桁の間隔を有した。各PS標準物質の同等のポリプロピレン分子量は、ポリプロピレン(Th.G.Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,and A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763-3782 (1984))およびポリスチレン(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))に関する報告されたMark-Houwink係数を用いて、以下の式を使用して計算した。
【数1】

式中、Mppは、PP換算MWであり、MPSは、PS換算MWであり、PPおよびPSに関するMark-Houwink係数のlogKおよび値を、以下の表Aに列挙する。
【表1】
【0145】
四次多項式近似を溶出体積の関数として使用して、対数分子量較正を生成した。数平均分子量および重量平均分子量を、以下の等式に従って計算した。
【数2】

式中、WfおよびMは、それぞれ溶出成分iの重量分率および分子量である。
【0146】
示差走査熱量測定法(DSC)
示差走査熱量測定法(「DSC」)を使用して、ポリマー(例えば、エチレン系(PE)ポリマーまたはプロピレン系(PP)ポリマー)中の結晶化度を測定する。約5mg~8mgのポリマー試料を計量し、DSCパンに置く。密閉された雰囲気を確保するためにパンに蓋を圧着する。試料パンをDSCセルに配置し、次いで、約10℃/分の速度で、PEの場合180℃の温度(ポリプロピレンまたは「PP」の場合230℃)に加熱する。試料は、この温度で3分間保持する。次いで、試料は、10℃/分の速度で、PEについては-60℃(PPについては-40℃)に冷却し、その温度で3分間等温に保持する。次に、試料を、完全に溶融するまで10℃/分の速度で加熱する(第2の熱)。第2の熱曲線から決定した融解熱(H)を、PPに関する165J/gの理論融解熱で割り、その量に100を掛けることによって、結晶化度パーセントを計算する(例えば、結晶化度%=(H/165J/g)×100(PPの場合))。
【0147】
別段記載がない限り、各ポリマーの融点(複数可)(T)は、第2の熱曲線(ピークTm)から決定し、結晶化温度(T)は、第1の冷却曲線(ピークTc)から決定する。
【0148】
溶融粘度-ポリマー
溶融粘度は、Brookfield粘度計モデルおよびBrookfield RV-DV-II-Pro粘度計スピンドル31を使用して、プロピレン/C4~C10アルファ-オレフィンインターポリマーについて177℃で測定した。試料をチャンバに注入し、次にこれをBrookfield Thermoselに挿入し、所定の位置に固定した。試料チャンバを、Brookfield Thermoselの底部に適合するノッチを底部に有していて、スピンドルが挿入されかつ回転している際にチャンバが回転しないようにする。試料(約8~10グラムの樹脂)を、溶融した試料が試料チャンバ上部の1インチ下になるまで必要な温度に加熱した。粘度計装置を下降させ、スピンドルを試料チャンバに浸した。粘度計上のブラケットがThermosel上に整列するまで、下降を続けた。粘度計の電源を入れ、粘度計のrpm出力に基づいて、全トルク容量の40~60パーセントの範囲内のトルク読み取りをもたらすせん断速度で作動するように設定した。約15分毎に読み取りを取得するか、または値が安定するまで読み取りを取得し、その時点で最終読み取りを記録した。
【0149】
溶融粘度-組成
溶融粘度は、Brookfield RV-DV-II-Pro粘度計およびスピンドルSC4-27を使用し、ASTM D-3236に従って、150℃で、Brookfield粘度計モデルを使用して測定した。事前に加熱するために、加熱デバイスを、かかる温度に設定し、スピンドルは、加熱デバイス中に配置した。その後、9.5グラムの試料を、適切に使い捨て可能な試料チャンバで秤量し、5分間および/または溶融するまで加熱デバイスに導入した。次いで、スピンドルを溶融物の内部に約10分間配置した。システム全体が目的の温度になったら、70%~90%の範囲でトルク値を生成するために、速度を約20~50rpmに設定した。すべての実験中に粘性挙動を制御するために、3分間隔で粘度値を読み取り、最終的に、粘度値は、30分後に報告された値とした。
【0150】
ここで、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳述する。
【実施例
【0151】
プロピレン/エチレンコポリマー(PE1)の調製
触媒Bおよび助触媒成分溶液は、ポンプおよび質量流量計を使用して計量し、触媒フラッシュ溶媒と組み合わせて、反応器の底部に導入する。助触媒は、i-ブチル/メチル基のモル比約1/3を含む三次成分(tertiary component)であるトリ(イソブチル)アルミニウム変性メチアルモキサン(MMAO)と組み合わせた、メチルジ(オクタデシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(MDB)に等しいほぼ化学量論の長鎖アルキルアンモニウムボレートである。触媒Bの場合、助触媒は、Hfに基づくモル比1.2/1であり、MMAO(25/1 Al/Hf)である。重合プロセスは発熱性である。
【0152】
プロピレン-エチレンコポリマーは、低圧溶液重合ループ反応器と2つの熱交換器で製造され、その総量は31.4ガロン(118.9リットル)である。溶媒およびモノマー(プロピレン)は、液体として反応器に注入される。コモノマー(エチレン)ガスは、液体溶媒に完全に溶解させる。反応器に注入する前に、供給物は5℃に冷却される。反応器は、15重量%~20重量%のポリマー濃度で作動する。溶液の断熱的な温度上昇は、重合反応からの熱除去の一部を占める。熱交換器は、反応器の温度制御のために使用する。
【0153】
溶媒は、ISOPAR Eの商標でExxonから入手可能な高純度イソパラフィンフラクションである。新鮮なプロピレンは、精製してから、溶媒、プロピレン、エチレン、および水素を含有する再循環流と混合する。再循環流と混合した後、組み合わせた流れをモレキュラーシーブのベッドに通してさらに精製してから、高圧供給ポンプを使用して内容物を反応器に通す。新鮮なエチレンを精製してから、その流れを圧縮する。水素(分子量を低減するために使用した)は、圧縮エチレンと混合させてから、その2つを液体供給に混合/溶解する。全流を、適切な供給温度(5℃)に冷却する。反応器は、500~525psig(3447~3619kPa)で作動する。反応器におけるプロピレンの転化は、触媒注入を制御することによって維持する。反応温度は、熱交換器全体の水温を85℃に制御することによって維持する。反応器における滞留時間は約10分である。反応器を出ると、水および添加剤(500ppmのフェノール類および1000ppmのホスフィット)をポリマー溶液に注入する。水は触媒を加水分解し、重合反応を停止させる。溶媒および未反応のモノマーは、脱揮発プロセス中に除去される。ポリマー溶融物は、水中ペレット切断のためのダイへとポンピングされる。
【0154】
ホットメルト接着剤配合物およびBrookfield粘度
接着剤の配合(組成)を表1に列挙する。
【表2】
【0155】
PE1は、177℃での溶融粘度(Brookfield)7813mPa・s、密度0.867/cm、Mn=19,160g/モル、Mw=45,090g/モル、MWD(conv)=2.35を有するプロピレン-エチレンコポリマー(ランダム)である。
【0156】
INFUSE9807は、オレフィンブロックコポリマーであり、メルトインデックス(I2、190℃、2.16kg)=15g/10分、および密度=0.866g/ccである。
【0157】
INFUSE9817は、オレフィンブロックコポリマーであり、メルトインデックス(I2、190℃、2.16kg)=15g/10分、および密度=0.877g/ccである。
【0158】
REGALITE R1100は、Eastmanの水素化粘着付与樹脂であり、リングおよびボールの軟化点は100℃である。
【0159】
CATENEXは、Shellの水素化処理されたパラフィン系プロセスオイルである。
【0160】
NYFLEX 222Bは、Nynasの水素化処理されたナフテン系プロセスオイルである。
【0161】
IRGANOX1010は、BASFの酸化防止剤である。
【0162】
ホットメルト接着剤組成物
組成物は、本明細書に記載の配合成分および混合手順を用いて調製した。ブレンドは、モーターによって駆動される混合ブレード、ヒーター、温度および「rpm制御ユニット」、および容量約0.25Lの混合チャンバからなる実験室タイプの接着剤ミキサー(Model Z Blade mixer LUK)で調製した。「200gバッチ」の試料を作製するために、最初に各成分の適切な量を計量することによって、各試料を調製した。配合成分は、次の順序で、すなわち、最初にポリマー、第二にオイル、および第三に粘着付与剤、さらにIRGANOXを、予熱された(180℃)混合チャンバに加えて、配合成分の熱劣化またはせん断劣化を制限しながら、溶融するまで、良好に混合した。その後、20rpmで3分間、続いて66rpmで10分間の2つの混合段階を採用した。レギュレータの設定温度は、すべての混合ステップ中、180℃であった。組成物は、粘稠性について視覚で検査した。
【0163】
接着剤ラミネートの調製
Nordson/JHT Lab Coater(室温)を使用して、不織布/バックシートラミネートを調製した。溶融タンク、移送ホース、および溶融アプリケータは、すべて150℃(適用温度)に設定した。接着剤のアドオン重量は、1、2、3、および5gsm(グラム/平方メートル)であった。メルトポンプのrpmを、23rpmで一定に保ち、ライン速度を、約22、16、および8m/分に変化させて、それぞれのコーティング重量を付与した。ゴムロールニップでの積層圧力は2バールに設定した。スロットコーティングダイは、基材に対して垂直であり、目ヤニを防止するために、ゴムロールの中点から約3~4cm下、かつ約6~8mm中に配置した。Fitesaの「12gsm」疎水性PP不織布基材を、Clopay MicroProの「18gsm」通気性PEバックシートと共に、使用した。不織布基材上に適用し、評価中にはスロットコーティングのみを使用した。
【0164】
剥離接着力の測定のためラミネートを分離するために、「幅20mm、長さ200mm」のシリコーン剥離ライナーのストリップを、接着剤の適用前に、かつゴムロールニップの前に、バックシートと不織布の間に挿入した。ラミネートロールを、直ちにコーティングラインから取り外し、手で展開した。展開中、展開中に観察されたロールの粘着量を、無し、低、中、高、および非常に高いで評価した。
【0165】
ラミネート剥離接着力(NW/HMA/BS)
「幅25mm×長さ200mm」の各試料を、手動のNAEFパンチプレスを使用して、機械方向に上記の接着剤ラミネートから切り出した。不織布成分は、PEバックシートから部分的に剥がされ、両方ともクランプサポートにしっかりと固定した。接着力は、100Nロードセルを備えたZwickを使用し、ISO11339に従って、300mm/分の分離速度、および180度の一定の剥離角度を試験構成として選択して、平均剥離によって測定した。剥離試験は室温(25℃)で行った。結果を以下の表2に示す。表2に見られるように、オレフィンブロックコポリマーを含有する組成物は、最小のロール粘着を示したが、オレフィンブロックコポリマーを含まない組成物は有意なロール粘着を示した。
【表3-1】
【表3-2】