(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ヘッドランプのための光学系
(51)【国際特許分類】
F21S 41/25 20180101AFI20240426BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20240426BHJP
F21S 41/43 20180101ALI20240426BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20240426BHJP
F21W 102/135 20180101ALN20240426BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240426BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240426BHJP
【FI】
F21S41/25
F21S41/148
F21S41/43
F21V15/01 360
F21W102:135
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2021535669
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 US2019068052
(87)【国際公開番号】W WO2020132565
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-27
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、オリジック
(72)【発明者】
【氏名】ブラント、ポッター
(72)【発明者】
【氏名】アンブロワーズ、セルバンティ
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0347781(US,A1)
【文献】特開2012-174656(JP,A)
【文献】特開2010-165474(JP,A)
【文献】特開2010-118203(JP,A)
【文献】特開2009-021237(JP,A)
【文献】特開2010-182574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/25
F21S 41/148
F21S 41/43
F21V 15/01
F21W 102/135
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの高輝度源及び第2光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの光源を含む複数のロービームモジュールを含み、ロービーム分布を生成するように構成されるロービームアセンブリと、
1以上のハイビームモジュールを含み、ハイビーム分布を生成するように構成されるハイビームアセンブリと、
を備え、
前記複数のロービームモジュール及び前記1以上のハイビームモジュールに関連する各光学系の焦点距離は6mm未満である、ヘッドランプアセンブリ。
【請求項2】
前記第1光度分布は、最大強度ホットスポット領域を含む、請求項1に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項3】
第1光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの高輝度源及び第2光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの光源を含む複数のロービームモジュールを含み、ロービーム分布を生成するように構成されるロービームアセンブリと、
1以上のハイビームモジュールを含み、ハイビーム分布を生成するように構成されるハイビームアセンブリと、
を備え、
前記複数のロービームモジュール及び前記1以上のハイビームモジュールの各モジュールに関連するレンズ高さは、1mm~20mmの範囲にある、ヘッドランプアセンブリ。
【請求項4】
第1光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの高輝度源及び第2光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの光源を含む複数のロービームモジュールを含み、ロービーム分布を生成するように構成されるロービームアセンブリと、
1以上のハイビームモジュールを含み、ハイビーム分布を生成するように構成されるハイビームアセンブリと、
を備え、
前記複数のロービームモジュールの第1ロービームモジュールは、規制に基づいて最適化された突起を有するフォルダを含む、ヘッドランプアセンブリ。
【請求項5】
前記突起は球状を有する、請求項4に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項6】
前記突起は三角形状を有する、請求項4に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項7】
前記複数のロービームモジュールの第2ロービームモジュールは、ファイルを含む、請求項1に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項8】
前記複数のロービームモジュールの第1ロービームモジュールは、第1高輝度源及び第2高輝度源を含む、請求項1に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項9】
前記第1ロービームモジュールは、前記第1高輝度源及び前記第2高輝度源を保持するように適合される2つの光キャビティを有する反射器を含む、請求項8に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの高輝度源は高輝度発光ダイオードである、請求項1に記載のヘッドランプアセンブリ。
【請求項11】
第1光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの高輝度源を含む第1光学系と、
第2光度分布を発するように光学的に構成される少なくとも1つの源を含む第2光学系と、
ハイビーム分布を生成するように構成される第3光学系と、
を備え、
前記第1光学系、前記第2光学系、及び前記第3光学系の各々の焦点距離は6mm未満である、ヘッドランプのための光学系。
【請求項12】
前記第1光学系は、突起を有するフォルダを含む、請求項11に記載の光学系。
【請求項13】
前記突起は球状を有する、請求項12に記載の光学系。
【請求項14】
前記突起は三角形状を有する、請求項12に記載の光学系。
【請求項15】
前記第2光学系はファイルを含む、請求項11に記載の光学系。
【請求項16】
前記少なくとも1つの源は高輝度源である、請求項11に記載の光学系。
【請求項17】
ハイブリッド光度分布を生成する方法であって、
第1ロービームモジュールの高輝度源を介して第1光度分布を発することと、
第2ロービームモジュールの少なくとも1つの光源を介して第2光度分布を発することと、
ハイビームアセンブリを介して第3光度分布を発することと、
を含み、
前記第1
ロービームモジュール、前記第2
ロービームモジュール及び前記ハイビームアセンブリの各々の焦点距離は6mm未満である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年12月20日に出願された米国非仮出願16/226,777に対する利益を主張し、当該米国非仮出願の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この発明は、動力車両のための照明の領域に関する。より具体的には、発明は、ヘッドランプのための光学系に関する。
【背景技術】
【0003】
動力車両は、内部照明及び外部照明の両方のための多数の照明装置を含む。例えば、車外照明装置は、ストップランプ機能、テールランプ機能、ヘッドランプ機能、デイタイム走行ライト機能、動的曲げライト機能、及びフォグランプ機能を実行しうる。
【0004】
動力車両を利用するほとんどの州、国、又は地域は、道路を合法的に使用するために車両が従わなければならない様々な要件及び基準を有する。例えば、連邦自動車安全基準(FMVSS)No.108は、米国内で運転される車両におけるヘッドランプのための(角度に基づく)様々な最大及び最小の光度値を規定する。
【0005】
米国における米国道路安全保険協会(IIHS)は、ヘッドランプ性能のための独自の一連の試験及び評価(Headlight Test and Rating Protocol:ヘッドライト試験及び評価プロトコル)を有する。IIHS試験及び評価は、実際の路上での使用における照明性能を改善するように製造業者を奨励することを目的とする。
【0006】
IIHS評価は、車両ヘッドランプによって提供される路上照明が大きく異なることを示した。さらに、IIHSは、ヘッドランプの大部分を、不良カテゴリ(例えば、不十分な照明、過度のグレアなど)に評価した。IIHSテストプロトコルは、5つのカーブ条件:1/150メートルの半径の左カーブ、2/250メートルの半径の左カーブ、3/直線道路、4/250メートルの右カーブ、及び5/150メートルの右カーブ)について、ヘッドランプをテストする。
【0007】
近年、車両の照明もまた、消費者への美的魅力のために重要になっている。必要なコスト、技術、及び規制要件を満たしながら、美的に魅力的な車両照明デバイスを提供することは、技術的に困難でありうる。例えば、照明モジュールのためレンズの高さを下げることは、試験点での規制要件を満たすために、従来型製品よりも高い輝度(cd/mm2)を有するLEDを使用する必要がある。
【0008】
ここで提供される「背景」の説明は、本開示の状況を一般的に提示することを目的としている。現在挙げられている発明者の研究は、それがこの背景セクションに記載されている範囲で、出願時に従来技術として適格ではないかもしれない説明の態様と同様に、本開示に対する従来技術として明示的又は黙示的に認めるものではない。
【発明の概要】
【0009】
ここに記載の実施形態は、以下の態様を含む。
【0010】
本開示は、ヘッドランプに関する。ヘッドランプは、ロービーム分布を生成するように構成されたロービームアセンブリを含む。ロービームアセンブリは、第1光度分布を発するように光学的に構成された少なくとも1つの高輝度源と、第2光度分布を発するように光学的に構成された少なくとも1つの光源とを含む複数のロービームモジュールと;ハイビーム分布を生成するように構成されたハイビームアセンブリと、を含む。ハイビームアセンブリは、1つ又は複数のハイビームモジュールを含む。
【0011】
一態様において、複数のロービームモジュール及び1つ又は複数のハイビームモジュールに関連する各光学系の焦点距離は、6mm未満である。
【0012】
一態様において、第1光度分布は、最大強度ホットスポット領域を含む。
【0013】
一態様において、各モジュールに関連するレンズ高さは、1mmから20mmまでの範囲である。
【0014】
一態様において、複数のロービームモジュールの第1ロービームモジュールは、突起を有するフォルダを含む。
【0015】
一態様において、突起は球状を有する。
【0016】
一態様において、突起は三角形状を有する。
【0017】
一態様において、複数のロービームモジュールの第2ロービームモジュールは、ファイルを含む。
【0018】
一態様において、第1ロービームモジュールは、第1高輝度源及び第2高輝度源を含む。
【0019】
一態様において、第1ロービームモジュールは、第1高輝度源及び第2高輝度源を保持するように適合された2つの光キャビティを有する反射器を含む。
【0020】
一態様において、少なくとも1つの高輝度源は、高輝度発光ダイオードである。
【0021】
本開示はまた、ヘッドランプのための光学系に関する。光学系は、第1光度分布を発するように光学的に構成された少なくとも1つの高輝度源を含む第1光学系と;第2光度分布を発するように光学的に構成された少なくとも1つの源を含む第2光学系と;ハイビーム分布を生成するように構成された第3光学系と、を含む。
【0022】
本開示はまた、ハイブリッド光度分布を生成する方法に関する。その方法は、第1ロービームモジュールの高輝度源を介して第1光度分布を発することと;第2ロービームモジュールの少なくとも1つの光源を介して第2光度分布を発することと;ハイビームアセンブリを介して第3光度分布を発することとを含む。
【0023】
前述の段落は、一般的な紹介として提供されており、以下の特許請求の範囲を限定することは意図されていない。説明された実施形態は、さらなる利点とともに、添付の図面に伴う以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
発明のより完全な理解及びそれに付随するその利点の多くは、添付の図面に関連して検討した場合に以下の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解されるようになるので、容易に得られる。
【0025】
【
図1】
図1は、一例によるヘッドランプアセンブリの概略図である。
【
図2】
図2は、一例によるヘッドランプアセンブリの光学系の分解図を示す概略図である。
【
図3A】
図3Aは、一例によるハイビームモジュールの斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、一例によるハイビームモジュールの断面図である。
【
図3C】
図3Cは、一例によるハイビームモジュールの断面図である。
【
図4A】
図4Aは、一例による第1ロービームモジュールの斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、一例による第1ロービームモジュールの断面図である。
【
図4C】
図4Cは、一例による第1ロービームモジュールの反射器を示す概略図である。
【
図4D】
図4Dは、一例による第1ロービームモジュールの断面図である。
【
図5A】
図5Aは、一例による第2ロービームモジュールの斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、一例による第2ハイビームモジュールの断面図である。
【
図5C】
図5Cは、一例による第2ハイビームモジュールの断面図である。
【
図6A】
図6Aは、一例による第1ロービームモジュールの例示的な光度分布を示す概略図である。
【
図6B】
図6Bは、一例による第2ロービームモジュールの例示的な光度分布を示す概略図である。
【
図6C】
図6Cは、一例による試験面(壁)に投影された組み合わされたロービームモジュールの例示的な光度分布を示す概略図である。
【
図7】
図7は、一例によるハイビームモジュールの例示的な光度分布を示す概略図である。
【
図8】
図8は、一例による第2ロービームモジュールのフォルダを示す概略図である。
【
図9】
図9は、一例による第2ロービームモジュールのファイルを示す概略図である。
【
図10】
図10は、一実施形態によるハイブリッド光度分布を生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明は、開示の特定の例及び実施形態を与えることにより、本開示をさらに明確にすることを意図されている。これらの実施形態は、網羅的ではなく、例示的であることが意図されている。開示の全範囲は、明細書に開示されたいかなる特定の実施形態にも限定されず、むしろ特許請求の範囲によって定められる。
【0027】
明確さのために、ここで説明される実装の特徴の全てが示されるわけではなく、詳細に説明されるわけではない。そのような実際の実装の開発では、適用関連の制約及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、実装に特有の多数の決定が行われ、これらの特定の目標は実装ごとに異なり、開発者ごとに異なることが理解される。
【0028】
ここで、同様の参照番号がいくつかの図を通して同一又は対応する部品を示す図面を参照し、以下の説明は、ヘッドランプのための光学系に関する。そのヘッドランプは、米国自動車技術者協会(SAE)、欧州経済委員会(ECE)規格、中国強制製品認証(CCC)規格、及び/又は当業者のうちの一人によって理解されるであろう照明規制を有するその他の国に準拠するビームパターンを提供する。
【0029】
図1は、一例によるヘッドランプアセンブリ10の概略図である。ヘッドランプアセンブリ10は、光学系12及びエンクロージャ14を含む。ヘッドランプアセンブリの分解図が
図2に示されている。光学系12は、ハイ及びローのビームの照明パターンを提供するための1つ又は複数の光モジュールを含む。高輝度LEDは、1つ又は複数の光モジュールに含まれうる。高輝度LEDは、ここでは、約85cd/mm
2以上の輝度を有するLED又は光源を指す。典型的には、ロービーム照明は、別の車両が動力車両の真正面の道路上にあるときはいつでも及び/又は別の車両が反対方向から動力車両に接近しているときはいつでも、使用される。
【0030】
光学系12は、第1ロービームモジュール100、第2ロービームモジュール200、及びハイビームモジュール300を含みうる。一実装において、第1ロービームモジュール100、第2ロービームモジュール200、及びハイビームモジュール300は、プロジェクタタイプ照明モジュールである。例えば、第1ロービームモジュール100は、キンクロービームモジュール(kink low beam module)である。第2ロービームモジュール200は、フラットロービームモジュールである。光学系の1つ又は複数の照明モジュールは、20mm以下のレンズ高さを有する。一例において、第1ロービームモジュール100、第2ロービームモジュール200、及びハイビームモジュール300は、15mmのレンズ高さを有する。
【0031】
第1ロービームモジュール100は、「キンク(kink)」又は「エルボー(elbow)」という用語によって知られるカットオフプロファイルを有するビームパターンを提供する1つ又は複数のロービームモジュールである。第2ロービームモジュール200は、拡がりビームパターンを提供する1つ又は複数のロービームモジュールでありうる。
【0032】
ここに記載のモジュールは、利用可能なパッケージに基づいて、顧客の新しい要件(スタイリング、光学性能)を満たすように適合されうる。ここで説明される各モジュールは、スタンドアロンモジュールでありうる。他の実装において、2つのモジュールが単一のモジュールとして実装されうる。例えば、第1ロービームモジュール及び第2ロービームモジュールは、単一のロービームモジュールとして実装されうる。
【0033】
図3Aは、一例によるハイビームモジュール300の斜視図である。ハイビームモジュール300は、1つ又は複数の高輝度LED(図示せず)を含みうる。ハイビームモジュール300は、ハイビーム照明を生成するように構成された1つ又は複数のモジュールでありうる。例えば、ハイビームモジュールは、単一の高輝度LEDを含みうる又は複数の高輝度LEDを含みうる。光学系12は、1つ又は複数のハイビームモジュールを含むことができ、各ハイビームモジュールは、1つ又は複数の高輝度LEDを含む。ハイビームモジュール300は、最大強度調整のための及び顧客の要求に従うためのハイビーム照明を提供する。ハイビームモジュール300は、反射器302、レンズ304、ハウジング又はエンクロージャ306、及びヒートシンク308を含む。
図3B及び
図3Cは、ハイビームモジュール300の断面図である。
【0034】
レンズ304は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シリコーン、ガラス、又は熱可塑性材料でできている。しかしながら、セグメントの他の材料及び寸法は、ここに記載される実施形態によって予期される。単一の連続レンズ304及び反射器302は
図3A及び
図3Bに示されている。しかしながら、別個の反射器セグメントもまた、ここに記載される実施形態によって予期される。
【0035】
図4Aは、一例による第1ロービームモジュール100の斜視図である。第1ロービームモジュールは、レンズ102、104、反射器106、フォルダ108、ヒートシンク110を含みうる。第1ロービームモジュール100の断面図が
図4B及び
図4Dに示されている。
図4Cは、一例による反射器106を示す概略図である。
【0036】
第1ロービームモジュール100は、1つ又は複数の高輝度発光ダイオード(LED)(図示せず)を含みうる。ここで前述したように、第1ロービームモジュールは、1つ又は複数のロービームモジュールを含みうるものであり、各ロービームモジュールは、1つ又は複数の高輝度LEDを含む。第1ロービームモジュール100は、要件に基づいて2つ以上の高輝度LEDを含みうる。第1ロービームモジュール100又はキンクは、ロービーム最大強度調整ターゲットのための「ホットスポット」を提供する。
【0037】
反射器106は、
図4Cに示すように、第1高輝度LEDを含む第1光キャビティ(optical cavity)112と、第2高輝度LEDを含む第2光キャビティ114とを含みうる。第1光キャビティ112及び第2光キャビティ114は同一でありうる。対照的に、標準LEDを使用するキンクモジュールは、同じパフォーマンスを実現するために4つ以上のLEDを含みうる。
【0038】
フォルダ108は、約0.8から約0.97の範囲の反射率を有する材料を有する。レンズ102、104は、例えば、耐熱性ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シリコーン、ガラス、又は熱可塑性材料でできている。しかしながら、セグメントの他の材料及び寸法は、ここに記載される実施形態によって予期される。
【0039】
図5Aは、一例による第2ロービームモジュール200又はフラットを示す概略図である。第2ロービームモジュール200は、1つ又は複数の標準光源を含みうる。第2ロービームモジュール200又はフラットモジュールは、道路上に流束(flux)をもたらして拡がりを達成するように機能する。光源の例は、半導体発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、及びモノリシック発光ダイオード(MLED)を含むが、これらに限定されない。一実装において、光源は、高輝度LEDでありうる。一実装において、光源は、第1ロービームモジュール100の高輝度LEDよりも低い輝度を有しうる。第2ロービームモジュール200の光学系は、高さ20mm以下のレンズに適合している。一実装において、第2ロービームモジュール200は、各々が光源を含む1つ又は複数のモジュールでありうる。一実装において、第2ロービームモジュール200は、6つのLEDを含みうる。
【0040】
第2ロービームモジュール200は、レンズ202、反射器204、ハウジング210、ヒートシンク206、及びファイル208を含む。単一の連続レンズ202及びフォルダ208が
図5A及び
図5Bに示される。しかしながら、別個の反射器セグメント及びレンズもまた、ここに記載の実施形態によって予期される。例えば、各LEDは、別個のモジュールに含まれうる。
図5B及び
図5Cは、第2ロービームモジュールの断面図を示す。
【0041】
各モジュールの光学系は、ヘッドランプで使用される従来の光学系と比較して短焦点距離を有する。焦点距離は、レンズの望ましい光学的高さの関数である。各モジュールの光学系の焦点距離は、6mm未満でありうる。一実装において、焦点距離は5mm未満でありうる。第1ロービームモジュール100、第2ロービームモジュール200、及びハイビームモジュール300の各々に関する光学系の焦点距離は、約2mm~約6mmの範囲、又は約2.5mm~約4.5mmの範囲、例えば約3mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、4mm、4.2mm、4.4mm、4.6mm、4.8mm、又は5mm、でありうる。
【0042】
一例において、光学系12は、330mmの全幅を有しうる。光学系12の全幅は、各光モジュールの関数である。
【0043】
IHHS試験中、対向車に関するグレアはロービームから測定される。試験点での最大発光(測光)強度は12,000cdである。照準許容範囲を向上させるには、より鋭いカットオフが望まれる。
【0044】
ここに記載されるロービームモジュールは、必要に応じて再照準した後、試験点で(安全マージンのために)10,000cdの最大ターゲットを提供するように適合されたビーム形状を有する。さらに、ロービームのカットオフラインは、水平線の下方の0.2度の最大ギャップで水平線と位置合わせされる。ロービームモジュールは、他のすべての試験点で高い性能を有する。
【0045】
図8は、一例による第1ロービームモジュール100のフォルダ108を示す概略図である。第1ロービームモジュール100又はキンクモジュールは、フォルダ108において突起800を含み、より良いIIHS評価のために、試験点(すなわち、0.86D-3.5L)でビームパターンにノッチを作成する。対照的に、フォルダに突起がないと、ビームを再照準する必要があるため、光ダウンロード(light downroad)が失われ、IIHSのデメリットが増大する。突起800は球状を有しうる。他の実装において、突起800は三角形状を有しうる。突起形状及び寸法は、IIHS要件に基づいて最適化されうる。
【0046】
いくつかの実施形態において、ノッチは、垂直軸Vの実質的に左側に配置されることができる。他の実施形態において、ノッチは、垂直軸Vの周りに対称的に位置付けられることができる。ノッチの配置は、一般に、特定の安全要件と、安全要件に対して矛盾しないユーザーの好みと、による。
【0047】
図9は、一例による第2ロービームモジュール200のファイル208を示す概略図である。ファイル208は、ステップ形状を有しうる。
【0048】
一実装において、チップアップ(tip up)は、ヘッドランプアセンブリ10のすべてのロービームモジュール(例えば、第1ロービームモジュール100及び第2ロービームモジュール200)に関して実施される。IIHSのデメリットを改善するようにハイビームに切り替えると、チップアップは1~約1.5度の上昇を与える。IIHSは5つのデメリットによって改善される。チップアップは、ダウンロード見通し(downroad vision)に関して最大強度ポイントに追加の強度を提供する。
【0049】
最適化されたスコアに関するIIHS対策を有するロービームモジュール(すなわち、ファイルが設けられるフラットモジュール(試験点を照らすキャビティの前で位置が最適化される)、及び、突起が設けられるフォルダを有するキンクモジュール)の光度シミュレーションが実行された。試験点0.86D-3.5Lは、
図6Aにおいて600により示されている。
【0050】
図6Aは、一例による第1ロービームモジュール100の例示的な光度分布を示す概略図である。横軸H及び縦軸Vは、スクリーン及びヘッドランプの中心の両方と交差する水平面及び垂直面を識別する。
図6Aに示される横軸H及び縦軸Vは、2°間隔で配置される目盛りを含む。最大強度は、横軸に沿って-0.2度の位置及び縦軸に沿って-0.5度の位置にある。示されている最大強度は47300cdであり、343の全光束を有する。
【0051】
図6Bは、一例による第2ロービームモジュール200の例示的な光度分布を示す概略図である。
図6Bに示す横軸H及び縦軸Vは、2°間隔で配置された目盛りを含む。最大強度は、横軸に沿って-13.8度の位置及び縦軸に沿って-0.6度の位置にある。示されている最大強度は14500cdであり、901の全光束を有する。
【0052】
図6Cは、試験点での光レベルを適合させるためのノッチ602を示す概略図である。光パターンは、ロービームモジュールの前面(放射面)から間隔を置いて、ロービームモジュールの前面(放射面)と平行に、配置されたスクリーン(壁)に見られる。対策(すなわち突起及びファイル)は、試験点周辺の発光を低減する。その対策は、ヘッドランプアセンブリ10が、FMVSS No.108の要件を依然として満たしながら、改善されたIIHS評価をもたらすことを、許容することができる。
【0053】
図7は、一例によるハイビームモジュール300の例示的な光度分布を示す概略図である。
図7に示す横軸H及び縦軸Vは、2°間隔で配置された目盛りを含む。最大強度は、横軸に沿って-0.5度の位置及び縦軸に沿って0度の位置にある。示されている最大強度は54900cdであり、411の全光束を有する。
【0054】
ここに記載されるモジュールは、1つ又は複数の制御回路を介して制御されうる。
【0055】
図10は、光度分布を生成する例示的な方法1000のフローチャートである。ステップ1002において、2つ以上の高強度LEDを含む第1ロービームモジュールを介して、第1光度分布が発せられる。第1ロービームモジュールは短焦点距離を有する。一実施形態において、第1光度分布は、最大強度ホットスポット領域を含む。
【0056】
ステップ1004において、1つ又は複数のLEDを含む第2ロービームモジュールを介して、第2光度分布が発せられる。第1光度分布は、第2光度分布とは異なる。一実施形態において、第2光度分布は、第1光度分布と比較して、集中的な強度ホットスポット領域及びより大きな拡がり分布を含む。
【0057】
ステップ1006において、2つ以上の高強度LEDを含むハイビームモジュールを介して、第3光度分布が発せられる。
【0058】
ある実施形態がここに記載されているが、これらの実施形態は、例としてのみ提示されており、本開示の範囲を限定することを意図されるものではない。この開示の教示を使用して、当業者は、開示の精神から逸脱することなく、様々な方法で開示を、修正及び適合させることができ、ここに記載されている実施形態の構造において省略、置換、及び/又は変更を行うことができる。さらに、開示を解釈する際には、すべての用語は、事情に一致する可能な限り広いやり方で解釈されるべきである。付随する請求項及びそれらの同等物は、開示の範囲及び精神に含まれるであろう、そのような形及び修正をカバーすることを意図される。