(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】人形
(51)【国際特許分類】
A63H 3/16 20060101AFI20240426BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A63H3/16
A63H3/36 C
A63H3/36 D
A63H3/36 G
(21)【出願番号】P 2022110048
(22)【出願日】2022-07-07
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】鬼澤 正和
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3082330(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0115780(KR,A)
【文献】特開2007-143620(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173685(JP,U)
【文献】特開2015-097601(JP,A)
【文献】特開2004-073514(JP,A)
【文献】実開昭63-011090(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形であって、
主体部と、前記主体部に着脱可能であり、前記主体部に対し、連結部を介して連結可能に構成されている副体部と、を備え、
前記主体部は、前記人形の胴体部であり、且つ、少なくとも第1胴体部、当該第1胴体部に着脱可能な第2胴体部、及び当該第2胴体部に着脱可能な第3胴体部を含み、第1部品を含んでいる第1主体部と、前記第1部品を含んでいない第2主体部と、を含み、
前記副体部は、前記人形の頭部、腕部、及び脚部であり、前記第1部品を含んでいる第1副体部と、前記第1部品を含んでいない第2副体部と、を含み、
前記第1胴体部に設けられた前記連結部は、前記第2胴体部との連結、及び前記腕部との連結が可能な一体構造である、人形。
【請求項2】
人形であって、
主体部と、前記主体部に着脱可能であり、前記主体部に対し、連結部を介して連結可能に構成されている副体部と、を備え、
前記主体部は、前記人形の胴体部であり、且つ、少なくとも第1胴体部、当該第1胴体部に着脱可能な第2胴体部、及び当該第2胴体部に着脱可能な第3胴体部を含み、第1部品を含んでいる第1主体部と、前記第1部品を含んでいない第2主体部と、を含み、
前記副体部は、前記第1部品を含んでいる第1副体部と、前記第1部品を含んでいない第2副体部と、を含み、
前記第1胴体部と前記第2胴体部とを連結する前記連結部は、先端部が球状型に構成された第1連結部であり、
前記第2胴体部と前記第3胴体部とを連結する前記連結部は、先端部が円柱状型に構成された第2連結部である、人形。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の人形であって、
前記主体部、及び前記副体部に着脱可能な、前記第1部品とは異なる第2部品を備え、
前記第2部品は、前記主体部、及び前記副体部への装着状態において、前記主体部、及び前記副体部に対して移動可能に構成されている、人形。
【請求項4】
請求項3に記載の人形であって、
前記第1主体部と前記第1副体部は、それぞれ、前記第1部品が一体的に形成された構成であり、
前記第2部品は、前記主体部、及び前記副体部とは別体として構成されている、人形。
【請求項5】
請求項
3に記載の人形であって、
前記第2副体部は、前記第2部品を着脱可能に構成されている、人形。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の人形であって、
前記第2主体部、及び前記第2副体部は、装飾のない素体そのもの、又は前記素体に近似した素体近似外形を構成している、人形。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の人形であって、
前記主体部は、前記人形の胴体部であり、
前記副体部は、前記人形の頭部、腕部、及び脚部であり、
前記腕部と前記脚部は、異なる構成の前記連結部を含んでいる、人形。
【請求項8】
請求項7に記載の人形であって、
前記頭部は、前髪部、後髪部、及び顔部を含み、
前記顔部は、前記前髪部、及び前記後髪部に挟持可能に構成されている、人形。
【請求項9】
請求項7に記載の人形であって、
前記頭部は、前記胴体部に連結した状態において、前記連結部以外の部位が前記胴体部に非接触となる、人形。
【請求項10】
請求項7に記載の人形であって、
前記頭部と前記脚部は、同一の構成の前記連結部を含んでいる、人形。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の人形であって、
前記連結部は、先端部が球状型に構成された第1連結部と、先端部が円柱状型に構成された第2連結部と、を含んでいる、人形。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の人形であって、
前記第1胴体部、前記第2胴体部、及び前記第3胴体部は、前記第1胴体部と前記第2胴体部との連結部分において、前記第1胴体部が前記第2胴体部の表面の一部を覆い、前記第2胴体部と前記第3胴体部との連結部分において、前記第3胴体部が前記第2胴体部の表面を覆わないように構成されている、人形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人形に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人形として、例えば、特許文献1においては、人体形状をなすとともに、首及び胴、さらに各関節が人間の動きに近く可動とされた可動式素体に、兜、 頬当、胴、袖、籠手、草摺、佩盾、脛当などの当世具足を装着させて種々のポーズを取らせるようにした可動式戦国武者人形、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された人形は、可動式素体に武具を着せて、色々なポーズを取ることのできる人形を提供している。しかし、可動式素体と装着武具とは、一対一の対応構造であり衣装の変化に乏しい。また、可動式素体は、組み立て式ではなく、素体の組み立てを楽しんだり、部品を変更したりという楽しみ方が無く、興趣性に課題がある。
【0005】
本発明は、興趣性の高い人形を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の人形は、
人形であって、主体部と、主体部に着脱可能な副体部と、を備え、主体部は、第1部品を含んでいる第1主体部と、第1部品を含んでいない第2主体部と、を含み、副体部は、第1部品を含んでいる第1副体部と、第1部品を含んでいない第2副体部と、を含む、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い人形を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一態様の人形の第1形態の正面図である。
【
図6】主体部の一部の連結構造内部を示す斜視図である。
【
図7】人形の第1形態の主体部の連結構造を示す斜視図である。
【
図8】人形の第1形態の主体部の連結状態を示す斜視図である。
【
図9】主体部に第2部品を装着した状態を示す斜視図である。
【
図14】第2部品を右手で持った状態の一例を示す拡大斜視図である。
【
図15】第2部品を左手で持った状態の一例を示す拡大斜視図である。
【
図16】本発明の変形例における人形の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一態様について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一態様の人形の第1形態の正面図である。
図2は、人形の第2形態における正面図である。
人形1は、
図1に示すように、キャラクタが武装具(鎧)を装着した第1形態1Fと、キャラクタの人形が、略裸の状態(素体若しくは素体に近い状態)で組み立てた状態で
図2に示すような第2形態2Fと、を取り得る組み立て式の人形である。
【0010】
第1形態1Fにおいては、
図1に示すように、胴体部である主体部10は、武具を装着した第1主体部11の場合、この第1主体部11に着脱可能な、頭部220、腕部211、及び脚部212の第1副体部21(20)を備えている。一方、第2形態2Fにおいては、
図2に示すように、第2形態2Fの第2主体部12の場合、第2主体部12に着脱可能な、頭部220、腕部221、及び脚部222の第2副体部22(20)を備えている。
【0011】
ここで、本態様においては、頭部220については、第1形態1F、及び第2形態2Fの何れの形態においても同じものを使用している。
また、第1主体部11と第2主体部12との違いは、第1主体部11は、主体部表面において鎧や服の装飾である第1部品30が形成された一体的なものである。一方、第2主体部12は、鎧や服の装飾のない素体若しくは素体に近似した、所謂、素体近似外形を構成している。また、副体部20についても、第1形態1Fにおける第1副体部21は、鎧や服の表面装飾である第1部品30が形成されたものであり、第2形態2Fにおける第2副体部22は、鎧や服の表面装飾のない素体若しくは素体近似外形の構成である。
【0012】
なお、ここで言う、「素体若しくは素体近似外形」とは、基本的には殆ど裸に近い状態を言うものであるが、例えば、肌の表面に薄い衣服を装着した状態、また、
図2に示す足部222cのように、素足ではなく靴の原型のようなものを象った形状についても装飾のついていないものは、この概念に属する。
【0013】
また、第1形態1Fにおいては、主体部10、及び副体部20に着脱可能武具な別体の複数の第2部品50(胴巻武具51、腰巻武具52、肩当部53、籠手武具54、剣55、及び首巻武具59等)を備えている。これらの第2部品50は、その詳細については後述するが、主体部10、及び副体部20への装着状態において、主体部10、及び副体部20に対して移動可能に構成されている。
【0014】
ここで、第1形態1F、及び第2形態2Fにおける、上腕部211aと上腕部221a、並びに前腕部211bと前腕部221bについては別の符号にて表記しているが、実際には、第1形態1Fのものは、第2形態2Fにおける素体の上腕部221a、前腕部221bに第2部品50が装着された構成で同じ構成のものを使用している。
【0015】
図3は、
図1に示した人形の分解図である。
図4は、
図2に示した人形の分解斜視図である。
図3及び
図4に示すように、第1形態1F、及び第2形態2Fの何れの場合も、人形1の胴体部を構成する第1主体部11、及び第2主体部12は、何れも第1胴体部111,121(図中上側)、第2胴体部112,122(図中中段)、及び第3胴体部113,123(図中下側)が連結部材40を介して、着脱可能に構成されている。また、第1副体部21、及び第2副体部22についても、多数の連結部材40(符号41~48)を介して着脱可能に構成されている。
【0016】
また、連結部材40は、複数の連結構造を備えており、各接続部分同士が移動できる構成となっている。連結部材40の詳細については後述するが、例えば、主体部10に対する連結構造としては、頭部220と脚部212,222は、同一の構成(球形の構造)にて連結されているが、腕部211,221については異なった連結構造(柱状の構造)にて連結されている。また、胴部分に装着する最も大きな胴巻武具51については、付属品51aが付属されている。
【0017】
図5は、人形1の頭部220の拡大分解斜視図である。
頭部220は、
図5に示すように、例えば、前後方向において3分割され、前髪部220f、後髪部220r、及び顔部220mを備えた構造である。そして、顔部220mは、当該顔部220mのおでこの部分が前髪部220fの内側の前髪側凹部220aに嵌合され、顔部220mの裏面凸部220cが後髪部220rの後髪側凹部220dに嵌合される。すなわち、顔部220mが前髪部220fと、後髪部220rとの間に挟持される構造である。
【0018】
また、後髪部220rの下端部には、第1の連結部材41(40)の球形のボール部61と、当該ボール部61を移動可能に受容する球形凹部62と、の嵌合による第1連結部60が設けられている。したがって、頭部220は、例えば、第1の連結部材41の軸線回りの回動、更には首振り揺動(例えば前後左右の傾斜移動)を行うことができる。なお、特に、首振り揺動を行うときは、頭部220の下端部が、連結部以外の部位が主体部10(胴体部)に非接触となる離間距離S(
図1及び
図7参照)を有している。これにより、首振り動作が大きくとれることに加えて、頭部220と肩部分との間に、武具の一部や首巻武具59(50)を取り付けることができる。
【0019】
なお、第1の連結部材41は、ボール部61の一端には円柱状型に構成された円柱凸部71が設けられており、この円柱凸部71が、主体部10の首部10uに設けられた円柱凹部72に嵌合されて第2連結部70(
図7参照)を構成している。
【0020】
図6は、
図3に示した第1形態1Fの人形1における第1胴体部111の連結構造内部を示す斜視図である。なお、連結構造は、第1形態1F、及び第2形態2Fの何れも同じ構造であるので、第2形態2Fについては説明を省略する。
【0021】
第1胴体部111は、下側の第2胴体部112側に開口すると共に左右の肩部分双方に開口する嵌合凹部111aが設けられている。そして、嵌合凹部111a内には、第2の連結部材42の上端側の嵌着凸42aが嵌合凹部111aの最深部に嵌り込むようして固定される。嵌着凸42aの両端部には、円柱凹部72が設けられており、嵌着凸42aが嵌め込まれた状態においては、当該円柱凹部72と肩部分双方に開口部分(図示では符号72)とが連通して円柱凹部72を構成する。したがって、第2の連結部材42は、嵌合凹部111aに嵌入され、且つ、円柱凹部72内に左右一対の第4の連結部材44の円柱凸部71が嵌入されることで、第1胴体部111に固定される。この状態では、第1胴体部111の下端側に、第2の連結部材42のボール部61が突出した状態(
図7参照)となっている。
【0022】
図7は、
図3に示した人形1における第1主体部11の連結構造を示す斜視図である。
図7に示すように、第1胴体部111に第2の連結部材42が連結された状態では、前述の如く、第1胴体部111の下端側にボール部61が突出していると共に、左右肩部分には、第4の連結部材44の円柱凸部71の一端に設けられ貫通孔73を備える半球型突起44aが突出した状態となっている。一方、第2胴体部112の上端部112uには、上方に向って開口する球形凹部62が設けられている。この球形凹部62に第2の連結部材42のボール部61を嵌合する第1連結部60によって、第1胴体部111と第2胴体部112とが連結される。このように、第2の連結部材42は、胴体部分の連結と腕部分の連結を一つの部材で可能にする一体構造となっている。
【0023】
また、第2胴体部112には、下端部112dに第3胴体部113側に向って開口する円柱凹部72が設けられており、第3の連結部材43の上端側の円柱凸部71と嵌合して第2連結部を構成している。一方、臀部に相当する第3胴体部113には、第3の連結部材43の下端部43aが嵌合固定されている。そして、第3の連結部材43は、下端部43aの両側に左右斜め下方に向って第3胴体部113の下端部113dから突出するボール部61を備えている。
【0024】
図8は、第1主体部11の連結状態を示す斜視図である。
第1連結部60によって連結された第2胴体部112と第1胴体部111とは、第1胴体部111が第2胴体部112に対して、例えば、前後方向(矢印A方向)又は左右方向(矢印B方向)に屈曲するような動きをすることができる。一方、第2連結部70によって連結された第2胴体部112と第3胴体部113とは、第2胴体部112が第3胴体部113に対して水平方向の相対回転(矢印C方向)することができる。
【0025】
ここで、第2胴体部112の上端部112uは、第1胴体部111の下端部111dよりも内側で且つ上側に位置している。これにより、第1胴体部111を曲げた時でも第1胴体部111と第2胴体部112との間には、不自然な隙間が形成されることがない。なお、第2胴体部112の上端部112uの周面形状は、曲がり易いように、下方側から上方に向って内側に狭くなるような湾曲面に構成されている。
【0026】
なお、第2胴体部112の下端部112dと第3胴体部113の上端部113uとの連結部分(腰部分)については、水平方向の移動だけであるので、第3胴体部113が第2胴体部112の表面を覆うような構成となっていない。また、この腰部分においては、後述するように、第2部品50を装着した状態では見えなくなる。
【0027】
図9は、
図8に示す第1主体部11に第2部品50を装着した状態を示す斜視図である。
第1形態1Fの完成状態では、第1主体部11には、第2胴体部112、及び第3胴体部113を覆うように第2部品50である胴巻武具51、及び腰巻武具52が装着される。この胴巻武具51、及び腰巻武具52は、共に第2胴体部112が貫通可能な中空部材として構成されている。したがって、胴巻武具51、及び腰巻武具52は、装着状態において、若干の上下移動(矢印D方向)及び回転移動(矢印E方向)が可能に装着されている。
【0028】
図10は、脚部212の連結構造を示す斜視図である。
図10に示すように、装飾造形の第1部品30を備えた第1副体部21である脚部212は、大腿部212a、下腿部212b、及び足部212cとで構成されている。大腿部212aの上端部には、第3の連結部材43のボール部61が嵌合される球形凹部62が設けられて、第1連結部60にて股関節部分が構成される。
【0029】
大腿部212aの下端部には、円柱凹部72が設けられている。下腿部212bの上端部には、水平後方に大腿部212a側に向って開口する膝部凹部74が設けられている。この膝部凹部74には、左右方向に貫通する軸孔74aが設けられている。また、第6の連結部材46は、円柱凸部71とこの円柱凸部71の一端側の環状部46aと、有し、この環状部46aには円柱凸部71と直交する貫通孔73が設けられている。この第6の連結部材46は、円柱凸部71を大腿部212aの円柱凹部72に嵌合され、環状部46aが膝部凹部74内に受容された状態で、軸部材47(第7の連結部材)が軸孔74a及び貫通孔73を貫通するように装着される。これにより膝関節が構成される。
【0030】
下腿部212bの下端部には、足部212c側に向って突出する軸部が設けられ、この軸部の先端にボール部61が設けられている。一方、足部212cには、靴形状をした足首部分に球形凹部62が設けられている。そして、下腿部212bのボール部61を足部212cの球形凹部62に嵌合することで、足部212cを自在に向きが変えられる足首部が構成される。
【0031】
図11は、腕部211の連結構造を示す斜視図である。
図11に示すように、第1副体部21である腕部211は、上腕部211a、前腕部211b、及び第1部品30を有する手部211cと、で構成されている。なお、前述したように、上腕部211a、及び前腕部211bは、素体の腕部221と同じ構成であるが、肩当部53や籠手武具54を装着する構成となっている。上腕部211aの肩側には、第4の連結部材44の半球型突起44aに形成された円柱凹部72に対し、上腕部211aの円柱凸部71が嵌入されて第2連結部70が構成される。これにより、主体部10に対して前後方向、及び左右方向の何れの方向にも回転可能な肩関節が構成される。
【0032】
上腕部211aの肘部側には、円柱凹部72が設けられている。前腕部211bの上腕部側には、肘関節を構成する肘部凹部75が設けられている。この肘部凹部75には、第5の連結部材45の環状部45aが挿入される。したがって、第5の連結部材45は、その円柱凸部71を上腕部211aの円柱凹部72に嵌入され且つ環状部45aが肘部凹部75内に受容された状態で、軸部材47が軸孔76a及び貫通孔73を貫通するように装着される。これにより肘関節が構成される。
【0033】
手部211cには、前腕部211b側に向って突出する円柱凸部71が設けられ、この円柱凸部71が、前腕部211bの円柱凹部72に嵌ることで、円柱凸部71の回りに回転する手首部が構成される。
なお、籠手武具54は、前腕部211bに対して回転、及び前腕部211bの長手方向に少しスライド移動が可能である。
【0034】
図12は、第2部品の肩当部53の取付け構造を示す斜視図である。
図12(a)に示すように、肩当部53は、その内面側には、第1連結部60の球形凹部62を備えている。一方、第8の連結部材48は、上腕部211aの表面に嵌合する半環状の連結環部48aにボール部61が設けられた構成である。したがって、ボール部61を球形凹部62に嵌め合わせると共に連結環部48aを上腕部211aに嵌めることで、肩当部53が取り付けられる。
肩当部53は、
図12(b)に示すように、上腕部211aに取り付けられた状態で、ボール部61を中心に揺動することができる。また、
図12(a)に示すように、第8の連結部材48は、上腕部211aに対して取り付け位置を上腕部211aの長手方向に移動することができる。
【0035】
図13は、他の第2部品の種類を示す正面図である。
第2部品50において、手で持つ武具としては、
図1に示した剣55の他に、例えば、把持部50aを備える、他の剣56,斧57,盾58などを揃えておくことができる。そして、これら武具を、後述するように、適宜取り替えて取り付けることができる。
【0036】
図14は、第2部品を右手にて持った状態の一例を示す拡大斜視図である。
斧57を右手で持った場合の状態を
図14に示す。この場合、
図1に示した剣55と斧57とは、把持部50aの径が同じに構成されている。したがって、剣55を取り外し、斧57の柄の部分の把持部50aを右手の親指部211eと他の4本の指部211fの間に嵌め込むように取付ける。
【0037】
斧57が取り付けられた状態においては、斧57の持ち位置は、手部211cに対して、軸方向にスライド移動させて変えることができる。また、斧57の刃の向きについても、変えるように回転することができる。
【0038】
図15は、盾58を左手にて持った状態の一例を示す拡大斜視図である。
盾58は、
図15に示すように、その裏面58r側に把持部58aを備えている。この把持部58aは、例えば、裏面58rから突出した一対の突起58bと、一対の突起58b間に把持軸部58cが設けられている。把持軸部58cの裏面58rとの間隔は、少なくとも4本の指部211fが挿入できるだけの大きさに構成されている。これにより、盾58は、四本の指部211fと親指部211eとの間に、把持軸部58cを入れるようにして保持ができる。この場合においては、盾58は、把持軸部58cを中心にして回転することができる。
【0039】
図16は、本発明の変形例における人形の正面図である。
図17は、
図16に示した人形の素体の分解図である。なお、
図16、及び
図17に示した人形1においては、同じ構成要素には前掲の図と同じ符号をつけて説明を省略する。
前掲の形態においては、男の子の人形1について説明したが、
図16及び
図17に示すように、女の子の人形1であっても良い。
【0040】
図16に示すように、第1形態1Fの服装については、男の子の場合とは異なり、例えば、胴部を構成する第1胴体部111、第2胴体部112、及び第3胴体部113は、胴巻武具51のような第2部品50を装着しないか、少なくしたスッキリしたスマートな形状が好ましい。例えば、図示の如く、肩当部53などは使用しない形状とし、肩部分や籠手部分には、第1部品30の装飾造形等を施した形状として、全体的に武具というよりは、服装に近い形状となっている。
【0041】
また、素体における第1胴体部111、第2胴体部112、及び第3胴体部113についは、その輪郭線を男の子の場合とは若干変えた構成以外は、前掲の構成と全く同じでもよい。また、例えば、第1胴体部111、第2胴体部112、及び第3胴体部113についは、
図17に示すように、第2の連結部材42、および第3の連結部材43が予め胴体部分に組み込まれた状態であっても良い。
【0042】
以上説明したように、本態様においては、組立及び分解が自在にできる人形において、主体部10、副体部20が、一種類ではなく複数の形状のものを含む構成となっていることで、鎧を着て武装した人形、裸の状態の人形を楽しむことができるだけでなく、着替え途中の人形を楽しむことができ、人形の楽しみ方を多様化することができる。
【0043】
本態様においては、主体部10(胴体部)、及び副体部20(頭部及び体肢部)に着脱可能な第2部品50(装着品)は、主体部10、及び副体部20への装着状態において移動可能な構成であるので、この第2部品50を動かして楽しむことができる。
【0044】
本態様においては、第1主体部11と第1副体部21は、第1部品30が予め形成された構成であるので、部品装着型の胴体部や体肢部に比べてスリム化を図ることができ、同じ造形の部品を装着型の部品としたときに比べて、人形の外観を自然な形状にすることが可能となる。特に、小型の人形においては、部品装着によって、その部分の形状が不自然に太くなるような状態(着膨れ状態)を回避できる。
一方、第1主体部11、及び第1副体部21とは別体の第2部品50を有していることで、組付けの操作を楽しむことに加え、例えば、同じ個所に装着するもので異なった造形の第2部品50を付けることができる。これにより、人形の外観を部分的に変更して楽しむことが可能である。
【0045】
本態様においては、第2副体部22は、第2部品50を着脱可能な構成となっているので、第2部品50を付けて楽しむことができる。
【0046】
本態様においては、第2主体部12、及び第2副体部22は、外観が素肌に近い素体又は素体に近いのスリムな構成となっていることで、第2部品50を付けた場合でも、着膨れすることが可能となる。
【0047】
本態様においては、副体部20は、主体部10に対し、異なる構成の連結構造を介して連結可能に構成されていることで、副体部20の主体部10に対する連結の状態を変化させることができる。この連結構造の変化によって、主体部10に対する副体部20の異なる動きを楽しむことが可能になる。
【0048】
本態様においては、副体部20が主体部10に対して着脱可能な頭部220、腕部211,221、及び脚部212,222であることで、特に、腕部と脚部は、異なる構成の連結構造を含んでいるので、例えば、腕部211,221は、肩、肘、手首などの異なった動きができ、脚部212,222においては、股関節、膝、足首の異なった動きを表現できる。
【0049】
本態様においては、頭部220は、前髪部220f、後髪部220r、及び顔部220mを有する複数部で組み合わせるように構成されているので、顔部220mの変更、髪型の変更、更には頭部220において被り物をする場合には、その変更も可能になり、頭部220の形態を色々に変更して楽しむことができる。
【0050】
本態様においては、頭部220は、主体部10に連結した状態において、連結部以外の部位が主体部10に非接触となるように構成されていることで、主体部10の方の部分と頭部220の下端部との間にスペースが形成される。この結果、頭部220を主体部10に対して動かすし易い状態となり、また、頭部220の下端部の形状の自由度が増し、例えば、髪型のサイズや形状を大きく変えることができる。
【0051】
本態様においては、頭部と脚部は、同一の構成の連結部を含んでおり、例えば同じ回動構造によって、頭部の首振り回転と股関節の回転を同一構造の連結部によって行うことができる。
【0052】
本態様においては、連結部は、先端部が球状型のボールジョイント構造に構成された第1連結部60によって、回転並びに揺動が可能となり、また、円柱ジョイント構造の第2連結部70によって、円柱状の軸線を中心にした回転動を提供できる。また、連結部材40が第1連結部60と第2連結部70の双方を備える構成においては、この連結部材40が配置された個所では複雑な屈曲や回転動作ができ、更に、部品点数を削減できる。
【0053】
本態様においては、人形の胴体部を構成する主体部10が着脱可能な上下に三つの構成となっていることで、中央の第2胴体部112,122の上下によって異なる連結構造を採用することができ、また、主体部10への第2部品50の装着を容易に行うことができる。
【0054】
本態様においては、主体部10は、第2胴体部112,122の上下において異なる連結構造が設けられているので、第2胴体部112,122の上側と下側とでは異なる動きをすることができる。
【0055】
本態様においては、第2胴体部の上部においては、ボールジョイントを用いた第1連結部60であるので、胴体部の軸線の方向において、第1胴体部111,121の曲げるような動きが可能となる。一方、第2胴体部112,122の下部においては、円柱状ジョイントを用いた第2連結部70であるので、第2胴体部112,122と第3胴体部113,123とは胴体部の軸線を中心にして互いに回転可能になる。
【0056】
本態様においては、第1胴体部111,121、第2胴体部112,122、及び第3胴体部113,123の連結状態において、第1胴体部111,121が第2胴体部112,122の表面の一部を覆うように構成されていることで、第1胴体部111,121が第2胴体部112,122の軸線に対して揺動するように動いた時でも、側面視において、第2胴体部112,122に対して第1胴体部111,121が隙間を開けるような状態が回避される。
【0057】
本態様においては、第1胴体部111,121に設けられた第2の連結部材42、第2胴体部112,122との連結、及び腕部211,221との連結が可能な一体構造であるので、第1胴体部111,121と第2胴体部112,122の連結と同時に腕部211,221の連結も同時にできる。
【0058】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、本態様においては、頭部220についは、第1形態1F、第2形態2Fの何れにおいても素体として構成されたものについて説明したが、これに限らす、例えば、頭部が兜などを被った構成であっても良い。
【0059】
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0060】
(1)
人形であって、
主体部と、前記主体部に着脱可能な副体部と、を備え、
前記主体部は、第1部品を含んでいる第1主体部と、前記第1部品を含んでいない第2主体部と、を含み、
前記副体部は、前記第1部品を含んでいる第1副体部と、前記第1部品を含んでいない第2副体部と、を含む、人形。
【0061】
(2)
(1)に記載の人形であって、
前記主体部、及び前記副体部に着脱可能な、前記第1部品とは異なる第2部品を備え、
前記第2部品は、前記主体部、及び前記副体部への装着状態において、前記主体部、及び前記副体部に対して移動可能に構成されている、人形。
【0062】
(3)
(2)に記載の人形であって、
前記第1主体部と前記第1副体部は、それぞれ、前記第1部品が一体的に形成された構成であり、
前記第2部品は、前記主体部、及び前記副体部とは別体として構成されている、人形。
【0063】
(4)
(2)又は(3)に記載の人形であって、
前記第2副体部は、前記第2部品を着脱可能に構成されている、人形。
【0064】
(5)
(1)から(4)の何れかに記載の人形であって、
前記第2主体部、及び前記第2副体部は、装飾のない素体そのもの、又は前記素体に近似した素体近似外形を構成している、人形。
【0065】
(6)
(1)から(5)の何れかに記載の人形であって、
前記副体部は、前記主体部に対し、連結部を介して連結可能に構成され、
前記連結部は、異なる構成の連結構造を含んでいる、人形。
【0066】
(7)
(6)に記載の人形であって、
前記主体部は、前記人形の胴体部であり、
前記副体部は、前記人形の頭部、腕部、及び脚部であり、
前記腕部と前記脚部は、異なる構成の前記連結部を含んでいる、人形。
【0067】
(8)
(7)に記載の人形であって、
前記頭部は、前髪部、後髪部、及び顔部を含み、
前記顔部は、前記前髪部、及び前記後髪部に挟持可能に構成されている、人形。
【0068】
(9)
(7)又は(8)に記載の人形であって、
前記頭部は、前記胴体部に連結した状態において、前記連結部以外の部位が前記胴体部に非接触となる、人形。
【0069】
(10)
(7)から(9)の何れかに記載の人形であって、
前記頭部と前記脚部は、同一の構成の前記連結部を含んでいる、人形。
【0070】
(11)
(6)から(10)の何れか一項に記載の人形であって、
前記連結部は、先端部が球状型に構成された第1連結部と、先端部が円柱状型に構成された第2連結部と、を含んでいる、人形。
【0071】
(12)
(6)から(11)の何れかに記載の人形であって、
前記主体部は、前記人形の胴体部であり、且つ、少なくとも第1胴体部、第2胴体部、及び第3胴体部を含み、
前記第1胴体部、及び前記第3胴体部は、前記第2胴体部に着脱可能に構成されている、人形。
【0072】
(13)
(12)に記載の人形であって、
前記第1胴体部、前記第2胴体部、及び前記第3胴体部は、前記連結部を介して連結可能に構成され、前記第1胴体部と前記第2胴体部とを連結する前記連結部は、前記第2胴体部と前記第3胴体部とを連結する前記連結部とは、異なる構成である、人形。
【0073】
(14)
(13)に記載の人形であって、
前記第1胴体部と前記第2胴体部とを連結する前記連結部は、先端部が球状型に構成された第1連結部であり、
前記第2胴体部と前記第3胴体部とを連結する前記連結部は、先端部が円柱状型に構成された第2連結部である、人形。
【0074】
(15)
(12)から(14)の何れかに記載の人形であって、
前記第1胴体部、前記第2胴体部、及び前記第3胴体部は、前記第1胴体部と前記第2胴体部との連結部分において、前記第1胴体部が前記第2胴体部の表面の一部を覆い、前記第2胴体部と前記第3胴体部との連結部分において、前記第3胴体部が前記第2胴体部の表面を覆わないように構成されている、人形。
【0075】
(16)
(12)から(15)の何れかに記載の人形であって、
前記副体部は、前記人形の頭部、腕部、及び脚部であり、
前記第1胴体部に設けられた前記連結部は、前記第2胴体部との連結、及び前記腕部との連結が可能な一体構造である、人形。
【符号の説明】
【0076】
1 人形
10 主体部
11 第1主体部(主体部)
12 第2主体部(主体部)
20 副体部
21 第1副体部(副体部)
22 第2副体部(副体部)
30 第1部品
40 連結部材
50 第2部品
60 第1連結部(連結部)
70 第2連結部
111,121 第1胴体部
112,122 第2胴体部
113,123 第3胴体部
211 腕部
211a 上腕部
211b 前腕部
211c 手部
212 脚部
212a 大腿部
212b 下腿部
212c 足部
220 頭部
220f 前髪部
220m 顔部
220r 後髪部
221 腕部
221a 上腕部
221b 前腕部
221c 手部
222 脚部
222a 大腿部
222b 下腿部
222c 足部