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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】米タンパク質に由来する味改変成分
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20240426BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240426BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240426BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L2/00 B
A23L2/52
A23L2/60
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022517748
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2020075151
(87)【国際公開番号】W WO2021052828
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】62/902,965
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,イーリー
(72)【発明者】
【氏名】ガラノ,モイゼス
(72)【発明者】
【氏名】オウジェリー,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】クラヴェック,パブロ ビクター
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102524736(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0131744(US,A1)
【文献】米国特許第04871575(US,A)
【文献】中国特許出願公開第105265741(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0288588(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103385519(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107242422(CN,A)
【文献】特表2013-535208(JP,A)
【文献】Chocolate Flavour 100% Vegetable Soya, Pea and Rice Protein Isolate Drink Mix,Mintel GNPD,2019年02月,#6322715
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘味改変および/またはオフノートマスキング成分を作製するための方法であって、ここでオフノートは、非動物タンパク質オフノートであり、方法が以下のステップ:
a.米タンパク質を酵素加水分解に供して、酵素加水分解を得ること;
b.反応混合物を分離して、上澄みを得ること;および
c.反応混合物の上澄みを回収すること、
を含む、前記方法。
【請求項2】
米タンパク質が、米タンパク質アイソレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
米タンパク質が、米タンパク質の水性スラリーである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酵素加水分解が1以上のタンパク質分解酵素を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
酵素加水分解を、35℃~80℃の範囲の温度で行う、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酵素加水分解を1時間~48時間の範囲の期間で実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
特徴づけるフレーバー;および
米タンパク質アイソレート加水分解物を含む味改変組成物
を含む、1以上の甘味料および/または非動物タンパク質と組み合わせて用いられるフレーバー組成物。
【請求項8】
特徴づけるフレーバー;
酵素加水分解した米タンパク質アイソレートを含む味改変組成物;および
1以上の甘味料をさらに含む、フレーバー組成物。
【請求項9】
1以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体、モグロシド、ステビア、トリロバチン、ルブソサイド、アスパルテーム、アドバンテーム、アガベシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、デンプンシロップ、Luo Han Guo抽出物、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、ナリンジン、糖アルコールセロビオース、プシコース、およびシクラマートから選択される、請求項7または8に記載のフレーバー組成物。
【請求項10】
ステビオール配糖体が、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、ズルコサイドA、ズルコサイドB、ルブソサイド、ナリンジンジヒドロカルコン、ステビオサイド、およびそれらの混合物から選択される、請求項9に記載のフレーバー組成物。
【請求項11】
モグロシドが、グロスベノリンII、グロスベノリンI、11-O-モグロシドII(I)、11-O-モグロシドII(II)、11-O-モグロシドII(III)、モグロシドII(I)、モグロシドII(II)、モグロシドII(III)、11-デヒドロキシ-モグロシドIII、11-O-モグロシドIII、モグロシドIII(I)、モグロシドIII(II)、モグロシドIIIe、モグロシドIIIx、モグロシドIV(I)(シアメノシド)、モグロシドIV(II)、モグロシドIV(III)、モグロシドIV(IV)、デオキシモグロシドV(I)、デオキシモグロシドV(II)、11-O-モグロシドV(I)、モグロシドV異性体、モグロシドV、イソ-モグロシドV、7-O-モグロシドV、11-O-モグロシドVI、モグロシドVI(I)、モグロシドVI(II)、モグロシドVI(III)(ネオモグロシド)およびモグロシドVI(IV)、およびそれらの混合物から選択される、請求項9に記載のフレーバー組成物。
【請求項12】
糖アルコールが、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトールおよびそれらの混合物から選択される、請求項9に記載のフレーバー組成物。
【請求項13】
組成物が、0.01%~1重量%の特徴づけるフレーバーを含む、請求項7または8に記載のフレーバー組成物。
【請求項14】
フレーバー組成物が、エマルション、溶液または粉末の形態である、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項15】
特徴づけるフレーバーおよび味改変組成物を含むフレーバー組成物;および
1以上の甘味料;
を含む飲料であって、
ここで味改変組成物が、酵素加水分解した米タンパク質アイソレートを含む、
前記飲料。
【請求項16】
1以上の甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体、モグロシド、ステビア、トリロバチン、ルブソサイド、アスパルテーム、アドバンテーム、アガベシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、デンプンシロップ、Luo Han Guo抽出物、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、ナリンジン、糖アルコールセロビオース、プシコース、およびシクラマートから選択される、請求項15に記載の飲料。
【請求項17】
ステビオール配糖体が、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、ズルコサイドA、ズルコサイドB、ルブソサイド、ナリンジンジヒドロカルコン、ステビオサイド、およびそれらの混合物から選択される、請求項16に記載の飲料。
【請求項18】
モグロシドが、グロスベノリンII、グロスベノリンI、11-O-モグロシドII(I)、11-O-モグロシドII(II)、11-O-モグロシドII(III)、モグロシドII(I)、モグロシドII(II)、モグロシドII(III)、11-デヒドロキシ-モグロシドIII、11-O-モグロシドIII、モグロシドIII(I)、モグロシドIII(II)、モグロシドIIIe、モグロシドIIIx、モグロシドIV(I)(シアメノシド)、モグロシドIV(II)、モグロシドIV(III)、モグロシドIV(IV)、デオキシモグロシドV(I)、デオキシモグロシドV(II)、11-O-モグロシドV(I)、モグロシドV異性体、モグロシドV、イソ-モグロシドV、7-O-モグロシドV、11-O-モグロシドVI、モグロシドVI(I)、モグロシドVI(II)、モグロシドVI(III)(ネオモグロシド)およびモグロシドVI(IV)、およびそれらの混合物から選択される、請求項16に記載の飲料。
【請求項19】
糖アルコールが、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトールおよびそれらの混合物から選択される、請求項16に記載の飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、米タンパク質を使用して味改変成分を作製するための方法、および当該方法により作製された味改変成分に関する。より具体的に、本開示は、味改変成分を含むフレーバー組成物および消費物、および消費物における味改変成分の、例えば甘味料および/または甘味エンハンサーの分解を抑制する、消費物の口当たりを改善する、および/または消費物のオフノートをマスクする、および/または消費物の甘味を改善するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
消費可能な製品、すなわち、摂取するかまたは吐き出すかのいずれかのために口腔に入れられる製品、たとえば、食材、飲料、菓子、オーラルケア製品等の味を改変するための化合物は、幅広く使用される。それら自体は消費物にフレーバーを加えないが、所望の付随的な利益、たとえば、増強された口当たり、またはダイエット製品において糖の代わりに使用されるいくつかの甘味料に関連する苦い後味などの、他の成分の望ましくない特徴のマスキングを提供する。さらに、食品および飲料製剤は、具体的に、かかる製剤または製品が貯蔵寿命の対象となる場合、安定した成分で製造する必要がある。食品および飲料製剤の分解は、多くの因子、たとえば温度(熱)、pH、光および他の因子によって引き起こされ得る。
【0003】
「口当たり」は、食材または飲料などの消費可能な製品が口の中に存在することにより引き起こされる、口の中の物理的な感覚(単数または複数)を意味する。所望の口当たりは、滑らかさ(ざらつきおよび摩擦の無さ)およびクリーミーさによってしばしば代表される。残念ながら、所望の効果は、しばしば、健康および食事の理由のために多くの人々にとってその摂取が減少されるべきである、乳製品などの脂肪の多い食品の特性である。
【0004】
とりわけ、天然でありおよび/またはビーガンのために好適である、すなわち「よりクリーンなラベル」である、味改変成分を提供する必要性が残る。したがって、新規な味改変成分および味改変成分を製造するための方法が、本開示によって提供される。加えて、それらが組み込まれる食べることが可能な組成物のフレーバーを補完する味改変成分を提供する必要性が残っており、これは、それらの自体の具体的な味特徴を発揮するのではなく、該組成物のフレーバーおよび口当たりを強調し、よって、広範な消費物カテゴリーに亘る使用の極めて広いスペクトルを与えるためである。
【発明の概要】
【0005】
概要
1つの例示的な態様において、味改変成分を作製するためのプロセスは、以下のステップを含む:a)米タンパク質を酵素加水分解に供して、反応混合物を得ること;b)反応混合物を分離して、上澄みを得ること;およびc)反応混合物の上澄みを回収すること。
【0006】
別の例示的な態様において、フレーバー組成物は、特徴づけるフレーバー;および米タンパク質アイソレートを含む味改変組成物を含む。
【0007】
もう1つの例示的な態様において、飲料は、特徴づけるフレーバーおよび味改変組成物を含むフレーバー組成物;および1以上甘味料を含む。味改変組成物は、米タンパク質アイソレートを含む。
【0008】
特定の態様の、これらのおよび他の特色、側面および利点が、本開示を読むことから、当業者に明らかになるであろう。
【0009】
詳細な記載
以下の文章は、本開示の無数の異なる態様の広い記載を示す。記載は、例示的なものとしてのみ解釈され、全ての実行可能な態様を記載することは、全ての実行可能な態様は、不可能ではないとしても非実際的であるため、全ての実行可能な態様を記載するものではない。本明細書に記載のあらゆる特色、特徴、構成要素、組成物、成分、製品、ステップまたは方法論は、全部または一部を削除、組み合わせ、または置換することができることは理解されよう。無数の代替の態様は、現在の技術またはこの特許の出願日後に開発される技術のいずれかを使用して、実施することができ、それらは依然として、請求項の範囲内である。本明細書において引用されるすべての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
本開示は、米タンパク質を酵素加水分解に供することで、味改変成分として、例えば、甘味料および/または甘味エンハンサーの分解を抑制するため、消費物の口当たりを改善するため、消費物のオフノートをマスクするため、および/または消費物の甘味を改善するために、使用することができる製品を製造することができるという驚くべき知見に関する。とりわけ、本開示は、保管中の甘味の減少が抑制された自然のおよび低カロリーの指向性飲料を提供するために使用することができるという、驚くべき知見に関する。換言すれば、本明細書に記載の味改変成分は、甘味エンハンサーの甘い強度および甘味の総合的な品質を保持/保存するために使用することができる。
【0011】
この知見は、出願人が、希薄水性溶液において化合物を味見したとき、それらは無味であるかまたは固有の甘味を示さなかったことを考慮すると、より驚くべきことであった。そのため、それらは、フレーバー用途における使用にはまったく好適ではないように思われた。他のフレーバー共成分とのそれらの組み合わせ、およびそれらの利用レベルの慎重な選択によってのみ、これらの化合物の優れた官能特性を発見することが実行可能であった。食べることが可能な組成物へのそれらの効果は、食材または飲料へ特徴フレーバープロファイルを発揮するのではなく、それらが組み込まれる食品または飲料の甘い強度および甘味の総合的な品質を、実際に補完し、持ち上げ、または協調するという、極めて珍しいものである。結果的に、本発明の化合物は、食品および飲料産業における、広いスペクトルの用途の実用性を見出す。
【0012】
ある態様において、本開示は、分解抑制量の1以上の味改変成分を消費物へ添加することによる、消費物に含有される甘味料および/または甘味エンハンサーの分解を阻害する方法を開示する。甘味エンハンサーは、炭水化物甘味料または高効能甘味料の甘味を増強し、それによって、食品、飲料の製剤および他の甘い食べることが可能な製剤を、甘味エンハンサーを含有しない等しく甘い製剤と比較して、より少ない甘味料で可能とする化合物である。甘味エンハンサーの利益は、より低い甘味料コストを包含し、および、カロリーのある炭水化物甘味料の場合、炭水化物の甘い味のプロファイルを維持する、より低いカロリーの食品、飲料または他の甘い食べることが可能な製剤を包含する。
【0013】
本開示は、以下のステップを含む味改変成分を作製するためのプロセスに関する:a)米タンパク質を酵素加水分解に供して、酵素加水分解を得ること;b)反応混合物を分離して、上澄みを得ること;およびc)反応混合物の上澄みを回収すること。
【0014】
米タンパク質
用語「米タンパク質」は、より一般的なホエイおよび大豆タンパク質の代替である、ベジタリアンタンパク質アイソレートを指す。米タンパク質は、タンパク質から炭水化物を分離させる酵素で処理した玄米に由来してもよい。米タンパク質は、栄養価の高いタンパク質供給源であり、大豆、乳および他の穀物に一般的に関連するアレルゲンを相対的に含まない。そのため、米タンパク質は、低アレルゲンであり、およびクリーンラベル修飾因子として使用することができるため貴重である。
【0015】
米タンパク質は、硫黄を含有するアミノ酸である、システインおよびメチオニンを多く含むが、リシンを少なく含む。
米タンパク質は、例えば、有機米タンパク質アイソレートであってよい。
【0016】
酵素加水分解
ある態様において、米タンパク質は、酵素加水分解に供され、ここで米タンパク質は、1以上の酵素(単数または複数)と、当該酵素(単数または複数)が米タンパク質を少なくとも部分的に分解するために好適な条件および期間で、接触する。すべての酵素は、食品グレードであるべきである。
【0017】
一態様において、酵素加水分解のために使用される酵素(単数または複数)は、例えば、タンパク質分解酵素から選択してよい。タンパク質分解酵素は、タンパク質およびペプチドの加水分解を触媒する。タンパク質分解酵素は、例えば、タンパク質を加水分解して小さいペプチドを形成するプロテイナーゼ、および小さいペプチドをさらに加水分化してアミノ酸を形成するペプチダーゼを包含する。タンパク質分解酵素(単数または複数)は、例えば、エンドペプチダーゼ活性(内側のペプチド結合を攻撃する)および/またはエキソペプチダーゼ活性(タンパク質またはペプチドの末端のペプチド結合を攻撃する、たとえばアミノ-またはカルボキシペプチダーゼ)を有してよい。
【0018】
タンパク質分解酵素は、例えば、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、グルタミナーゼ(例として、L-グルタミン-アミド-ヒドロラーゼ(EC 3.5.1.2))、エンドプロテアーゼ、セリンエンドペプチダーゼ、スブチリシンペプチダーゼ(EC 3.4.21.62)、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、トリプシン、キモトリプシン(EC 3.4.21.1)、ペプシン、パパイン、およびエラスターゼを包含する。
【0019】
タンパク質分解酵素(EC 3.4およびEC 3.5)は、EC番号(enzyme commission番号)によって分類され、各クラスは、ある反応タイプの様々な既知の酵素を含む。EC 3.4は、ペプチド結合に作用する酵素(ペプチダーゼ/プロテイナーゼ)を含み、EC 3.5は、ペプチド結合以外の炭素-窒素結合に作用する酵素を含む。
【0020】
EC 3.4の例は、例えば、以下を包含する:アミノペプチダーゼ(EC 3.4.11)、ジペプチダーゼ(3.4.13)、ジペプチジル-ペプチダーゼ(3.4.14)、ペプチジル-ジペプチダーゼ(3.4.15)、セリン-カルボキシペプチダーゼ(3.4.16)、メタロカルボキシペプチダーゼ(3.4.17)、システイン-カルボキシペプチダーゼ(3.4.18)、オメガペプチダーゼ(3.4.19)、セリン-エンドペプチダーゼ(3.4.21)、システイン-エンドペプチダーゼ(3.4.22)、アスパルタート-エンドペプチダーゼ(3.4.23)、メタロエンドペプチダーゼ(3.4.24)、トレオニン-エンドペプチダーゼ(3.4.25)。
【0021】
EC 3.5の例は、限定せずに、線状アミドを切断するタンパク質分解酵素(3.5.1)、例えば、限定せずに、グルタミナーゼ(EC 3.5.1.2)を包含する。
【0022】
食品グレード用途に好適な様々なタンパク質分解酵素は、Novozymes、Amano、Biocatalysts、Bio-Cat、Valey Research(現在は、DSMの子会社)、EDC(Enzyme Development Corporation)、および他の供給者から市販されている。いくつかの例は、以下を包含する:Neutrase(R)、Alcalase(R)、Protamex(R)、およびFlavorzyme(R) (Novozymesから入手可能);Promod(R)シリーズ:例として 215P、439L、523MDP、782MDP、845MDPおよび903MDP、Flavorpro(R) 937MDP、852MDP、795MDP、766MDP、750MDP、P523MDP(Biocatalystsから入手可能);Protin PC10、Umamizyme(R)、Peptidase R(または723)、プロテアーゼ A、プロテアーゼ M、プロテアーゼ N、プロテアーゼ P、およびThermoase GL30(Amanoから入手可能);Validase(R) AFP およびValidase(R) FPII(Valey Researchから入手可能);Fungal protease、Exo-protease、Papain、Bromelain、およびプロテアーゼおよびペプチダーゼのEnzeco(R)シリーズ(EDCから入手可能)。
【0023】
酵素加水分解は、関与する全ての酵素に適した条件下で行われる。当業者には明らかなように、温度およびpHは、加水分解が所望される程度で生じるために好適な範囲内であるべきである。インキュベーションの長さは、変化し、条件が最適条件により近い場合、より短くなる。必要であれば、または選択された酵素に有益であれば必要なイオンが存在してもよい。インキュベートされた混合物を、例えば混ぜることによって(例として50~500rpmまたは100~200rpm)、撹拌に供することで、加水分解が改善し得る。
【0024】
酵素加水分解は、例えば、酵素が変性する温度よりも低い温度で行ってよい。温度は、例えば、所望される反応速度を与えるために選択してよい。酵素加水分解は、例えば、約35℃~約80℃の範囲の温度で行ってよい。例えば、酵素加水分解は、約40℃~約75℃または約45℃~約70℃の範囲の温度で行ってもよい。
【0025】
酵素加水分解は、例えば、酵素が変性しないpHで行ってよい。pHは、例えば、所望される反応速度を与えるために選択してよい。酵素加水分解は、例えば、約7~約8.5、例えば約7.5~約8.5、例えば約7.9~約8.3の範囲のpHで行ってよい。
【0026】
酵素加水分解は、例えば、1時間~約48時間の範囲の期間で実施してよい。例えば、酵素加水分解は、約2時間~約48時間または約4時間~約36時間または約6時間~約24時間または約8時間~約16時間の範囲の期間で実施してよい。
【0027】
さらなるプロセシングステップ
酵素加水分解の生成物は、例えば、味改変成分として直接使用してもよい。しかしながら、方法は、例えば、1以上の追加のステップを含んでもよい。一態様において、加水分解に供される米タンパク質は、例えば、米タンパク質の水性スラリーであってもよい。よって、ある態様において、方法は、酵素加水分解に先立ち、米タンパク質を水およびバッファ溶液と組み合わせることを含んでもよい。米タンパク質の水性スラリーは、例えば、少なくとも約5wt%米タンパク質、例えば少なくとも約10wt%米タンパク質、例えば少なくとも約15wt%米タンパク質を含んでもよい。
【0028】
一態様において、インキュベーションの後の反応混合物を室温まで冷却し、混合物を、例えば遠心分離によって、分離ステップに提示して、上清を回収した。本開示に従って、上清はそのまま液体形態に維持しても、穏やかな条件を使用して、例えば、噴霧乾燥または凍結乾燥で、粉末に変えてもよい。
【0029】
製品
本明細書に記載の酵素加水分解によって作製された味改変成分は、フレーバー組成物および/または食品組成物において直接使用してもよく、上に記載のとおりさらなるプロセシングを受けてもよい。味改変成分は、例えば、食品ラベルリングおよび/または食品規制の理由のために、天然産物と認識してよい。
【0030】
味改変成分の最終的な形態は、当該技術分野において周知である方法に従って選択してよく、具体的な食品用途に依存するであろう。液体食品のためには、味改変成分は、さらなるプロセシングなく、その液体形態において使用することができる。乾燥用途のためには、噴霧乾燥の濃縮した味改変成分を使用することができる。味改変成分は、食品製品に直接添加することもでき、またはフレーバー剤またはシーズニング食品製品のためのフレーバー組成物の一部として提供してもよい。
【0031】
本開示に従って、フレーバー組成物は、特徴づけるフレーバーおよび味改変組成物を包含してよい。用語「特徴づけるフレーバー」は、個人による消費の際に、優勢であると感じられるフレーバーを指す。
一態様において、味改変組成物は、米タンパク質に由来する味改変成分を包含する。特徴づけるフレーバーおよび味改変組成物は、フレーバー組成物において、感覚刺激的に有効量で存在すべきである。この量は、特徴づけるフレーバーおよび味改変組成物の性質、ならびにフレーバー組成物の性質、および達成されることが所望される効果に依存し、および所望される量の実験は、当業者の範囲内である
【0032】
フレーバー組成物は、1以上の食品グレード賦形剤(単数または複数)も含んでもよい。フレーバー組成物のために好適な賦形剤は、当該技術分野において周知であり、例えば、限定せずに、溶媒(水、アルコール、エタノール、油、脂肪、植物油、およびミグリオールを包含する)、バインダー、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、フレーバー剤、着色剤、保存料、抗酸化剤、乳化剤、安定化剤、フレーバー-エンハンサー、甘味剤、抗ケーキング剤等を包含する。フレーバーのための、かかる担体または希釈剤の例は、例として"Perfume and Flavour Materials of Natural Origin", S. Arctander, Ed., Elizabeth, N.J., 1960に; "Perfume and Flavor Chemicals", S. Arctander, Ed., Vol. I & II, Allured Publishing Corporation, Carol Stream, USA, 1994に; "Flavourings", E. Ziegler and H. Ziegler (ed.), Wiley-VCH Weinheim, 1998に、および"CTFA Cosmetic Ingredient Handbook", J.M. Nikitakis (ed.), 1st ed., The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc., Washington, 1988に見出してもよい。
【0033】
フレーバー組成物は、あらゆる好適な形態、例えば液体または固体、湿式または乾燥、または担体/粒子に結合または被覆したカプセル化された形態または粉末、を有してよい。フレーバー組成物は、特徴づけるフレーバーを、フレーバー組成物の重量の、約0.01~約10%、別の態様において約0.01~約5%、もう1つの態様において約0.01~約1%、またはその範囲内の任意の数の量で包含してよい。別の態様において、消費物は、特徴づけるフレーバーを、消費物の重量の、約0.001~約0.5%、別の態様において約0.01~約0.3%、もう1つの態様において約0.02~約0.1%、またはその範囲内の任意の数の量で包含してよい。
【0034】
典型的な態様において、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の重量の約0.01%~約10%の味改変組成物を含み、これは、所望される具体的な用途に依存する。一態様において、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の重量の約0.01%~約5%の味改変組成物を含む。別の態様において、フレーバー組成物は、フレーバー組成物の重量の約0.01%~約1%またはその範囲内の任意の数の味改変組成物を含またはその範囲内の任意の数の量で包含してよい。
【0035】
別の態様において、消費物は、味改変組成物を、消費物の重量の約0.001~約1.0%、別の態様において約0.01~約0.5%、もう1つの態様において約0.1~約0.2%、またはその範囲内の任意の数の量で包含してよい。
【0036】
典型的な態様において、食品製品は、約5~約50ppmの味改変成分を包含してよく、これは、所望される具体的な用途に依存する。ある態様に従って、消費物に存在する味改変成分の量は、少なくとも約5ppm~約35ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、消費物に存在する味改変成分の量は、少なくとも約10ppm~約25ppmの濃度であってよい。
【0037】
用語「食品製品」は、口腔内に入れられるが必ずしも摂取されない製品を含む広い意味で使用され、例えば、食品、飲料、栄養補助食品および、マウスウォッシュを包含するデンタルケア製品を包含する。
【0038】
食品製品は、シリアル製品、米製品、パスタ製品、ラビオリ、タピオカ製品、サゴ製品、ベーカリー製品、ビスケット製品、ペストリー製品、パン製品、菓子製品、デザート製品、ガム、チューインガム、チョコレート、氷、蜂蜜製品、糖蜜製品、酵母製品、塩および香辛料製品、セイボリー食品製品、マスタード製品、ビネガー製品、ソース(調味料)、加工食品、加工果実および野菜製品、肉および肉製品、肉類似物/置換/代替物、ジェリー、ジャム、果実ソース、卵製品、乳製品(乳を包含する)、チーズ製品、バターおよびバター代替製品、乳代替製品、大豆製品(例として豆「乳」)、食べることが可能な油および脂製品、医薬、飲料、ジュース、フルーツジュース、野菜ジュース、食品抽出物、植物エキス、肉抽出物、調味料、栄養補助食品、ゼラチン、錠剤、ロゼンジ、点滴薬、エマルション、エリキシル剤、シロップ、およびそれらの組み合わせを包含する。
【0039】
加工食品は、マーガリン、ピーナッツバター、スープ(透明、缶詰、クリーム、インスタント、UHT)、グレービー、缶ジュース、缶野菜ジュース、缶トマトジュース、缶フルーツジュース、缶果汁飲料、缶野菜、パスタソース、冷凍アントレ、冷凍ディナー、冷凍手持ちアントレ、乾燥パッケージディナー(マカロニ&チーズ、肉が添加された乾燥ディナー、乾燥サラダ/サイドディッシュミックス、肉入り乾燥ディナー)を包含する。スープは、濃縮された湿式の、そのまま提供できる、ラーメン、乾燥、およびブイヨン、加工されたおよび調理済みの低ナトリウム食品を含む、さまざまな形態であってよい。
【0040】
特に興味深いのは、例えば、乳(例としてウシの乳、ヤギの乳、ヒツジの乳、ラクダの乳)、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、およびカスタードなどの乳製品である。乳製品、例えば、甘味付けらえていても、付けられてなくてもよい。乳製品(例として乳)は、例えば、全脂肪、低脂肪、または無脂肪であってもよい。
【0041】
乳製品代替製品もまた、興味深い。乳製品代替製品は、動物から得られた乳製品を包含しない、植物をベースとした製品である。例えば、乳製品代替製品は、例えば、大豆、アーモンド、米、エンドウ豆、ココナッツ、およびナッツ(例としてカシュー)に由来してもよい、代替の「乳」、「クリーム」、および「ヨーグルト」製品を包含する。乳製品代替製品は、例えば、甘味付けらえていても、付けられてなくてもよい。
【0042】
さらに特に興味深いのは、例えば、飲料は、飲料ミックスおよび濃縮物を包含し、これは、例えば、アルコールおよび非アルコールのすぐに飲めるおよび乾燥粉末状飲料、炭酸および非炭酸飲料、例として、ソーダ、フルーツまたは野菜ジュース、アルコールおよび非アルコール飲料を包含する。飲料は、例えば、甘味付けらえていても、付けられてなくてもよい。
【0043】
さらに特に興味深いのは、例えば、低減されたナトリウム塩濃度を有する伝統的にナトリウム塩を多く含む食品製品であり、これは以下を包含する:調味料およびソース(冷たい、温かい、インスタント、保存、サテ、トマト、BBQソース、ケチャップ、マヨネーズおよび類似物、ベシャメル)、グレービー、チャツネ、サラダドレッシング(常温保存、冷蔵)、生地ミックス、ビネガー、ピザ、パスタ、インスタントヌードル、フライドポテト、クルトン、塩味スナック(ポテトチップス、クリスプ、ナッツ、トルティーヤ・トスタダ、プレッツェル、チーズスナック、コーンスナック、ポテトスナック、すぐ食べられるポップコーン、レンジ用ポップコーン、キャラメルコーン、ポークリンツ、ナッツ)、クラッカー(塩味、「Ritz」タイプ)、「サンドイッチ型クラッカースナック、朝食用シリアル、チーズおよびチーズ製品、チーズ類似物を含む(減ナトリウムチーズ、低温殺菌プロセスチーズ(食品、スナック&スプレッド)、セイボリースプレッド、コールドパックチーズ製品、チーズソース製品、肉、アスピック、塩漬肉(ハム、ベーコン)、ランチョン/ブレックファストミート(ホットドッグ、コールドカット、ソーセージ)大豆ベース製品、トマト製品、ジャガイモ製品、乾燥香辛料またはシーズニング組成物、液体香辛料またはシーズニング組成物、これはペースト、マリネを包含する、スープタイプ/食事代替飲料、および野菜ジュース、これはトマトジュース、ニンジンジュース、ミックス野菜ジュースおよび他の野菜ジュースを包含する。
【0044】
フレーバー組成物および食品製品は、例えば、1以上の甘味料を含んでもよい。甘味付けられた組成物において使用してもよい甘味料の例は、例えば、WO 2016/038617に開示され、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
1以上の甘味料、1以上の天然の甘味料および/または1以上の人工甘味料を含んでもよい。1以上の甘味料は、例えば、以下から選択してもよい:スクロース、フルクトース、グルコース、キシロース、アラビノース、ラムノース、タガトース、アルロース、トレハロース、イソマルツロース、ステビオール配糖体(例としてレバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、レバウディオサイドG、レバウディオサイドH、レバウディオサイドI、レバウディオサイドJ、レバウディオサイドK、レバウディオサイドL、レバウディオサイドM、レバウディオサイドN、レバウディオサイドO、ズルコサイドA、ズルコサイドB、ルブソサイド、ナリンジンジヒドロカルコン、ステビオサイド)、モグロシド(例としてグロスベノリンII、グロスベノリンI、11-O-モグロシドII(I)、11-O-モグロシドII(II)、11-O-モグロシドII(III)、モグロシドII(I)、モグロシドII(II)、モグロシドII(III)、11-デヒドロキシ-モグロシドIII、11-O-モグロシドIII、モグロシドIII(I)、モグロシドIII(II)、モグロシドIIIe、モグロシドIIIx、モグロシドIV(I)(シアメノシド)、モグロシドIV(II)、モグロシドIV(III)、モグロシドIV(IV)、デオキシモグロシドV(I)、デオキシモグロシドV(II)、11-O-モグロシドV(I)、モグロシドV異性体、モグロシドV、イソ-モグロシドV、7-O-モグロシドV、11-O-モグロシドVI、モグロシドVI(I)、モグロシドVI(II)、モグロシドVI(III)(ネオモグロシド)およびモグロシドVI(IV))、ステビア、トリロバチン、レブソシド、アスパルテーム、アドバンテーム、アガベシロップ、アセスルファムカリウム(AceK)、高フルクトースコーンシロップ、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、高フルクトースコーンシロップ、デンプンシロップ、Luo Han Guo抽出物、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、ナリンジン、糖アルコール(例としてソルビトール、キシリトール、イノシトール、マンニトール、エリスリトール)、セロビオース、プシコース、およびシクラマート。
【0046】
使用
本明細書に記載の方法によって得られたおよび/または得ることができる味改変成分を、例えば、食品製品(例として、フレーバー組成物の一部として)に添加し、食品製品のフレーバーまたは甘味を改変/増強してもよい。
【0047】
本明細書に記載の方法によって得られたおよび/または得ることができる味改変成分は、例えば、食品製品の口当たりを改善するため、および/または食品製品のオフノートをマスクするため、および/または食品製品の甘味を改善するため、および/または食品製品の塩味を増強するため、および/または食品製品におけるプロバイオティクスとして作用するために、使用してもよい。
【0048】
よって、改善された口当たり、および/または低減されたオフノート、および/または改善された甘味、および/または増強された塩味を有する、および/またはプレバイオティクスとしての使用される、食品製品を提供する方法であって、方法が、本明細書に記載の方法によって得られたおよび/または得ることができる味改変成分を食品製品と混和することを含む、前記方法もまた本明細書に提供される。
【0049】
一般に用語、「口当たり」は、食品および飲料製品の芳香、味、および食感の品質によって影響される、口の中における熟達した知覚の複雑さを指す。技術的な視点から、しかしながら、口当たり感覚は、具体的に言うと、三叉神経を介して、口において感じられる物理的(例として触覚、温度)および/または化学的(例として疼痛)特徴に関連する。結果的に、それらは口中での触覚刺激の結果であり、口腔粘膜、唇、舌、頬、口蓋、咽頭に位置付けられる機械的、疼痛および温度受容体に関与する。
【0050】
口当たり知覚は、例えば、1以上の食感 - 渋み、灼熱感、冷たさ、ヒリヒリ感、濃厚さ、噛みごたえ、脂肪感、油感、ぬるぬる感、泡感、融解、砂っぽい、チョークっぽい、水っぽい、酸性、長引き、金属的、ボディ、ボディスイート、炭酸、冷却、温め、熱い、ジューシー、口内乾燥、麻痺、刺激的、唾液分泌、スポンジっぽい、べとつき、充実感、凝集力、密度、破砕性、粒状性、グリット性、ガム性、硬度、重さ、吸湿性、放湿性、マウスウォータリング、マウスコーティング、ざらつき、滑りやすさ、滑らかせ、一様性、噛み切りの一様性、噛み応えの一様性、粘度、早い拡散、フルボディ、唾液分泌および滞留を包含する。
【0051】
「口当たりの改善」とは、いずれか1以上の所望される口当たり知覚が増強されたこと、および/またはいずれ1以上の望ましくない口当たり知覚が低減されたことを意味する。とりわけ、以下の知覚の1以上が、本明細書に記載の製品および方法によって増強されてよい:クリーミーサワー、酸性乳製品、甘味、塩味、うま味。
【0052】
「オフノートのマスキング」とは、オフノートマスキングの成分を含む食品を、オフノートマスキング成分を添加していない食品製品と比較して、熟練したパネリストによって分析されたときに、製品における望ましくない特質の知覚の強度および/または長さが低減されることを意味する。
【0053】
「甘味における改善」とは、食品に甘味改善効果を有する製品を含む食品を、甘味改善成分を添加していない食品と比較して、熟練したパネリストによって分析されたとき、より好ましいと見出される、製品の甘味特性における味改変成分の効果を意味する。甘味における改善は、例えば、スクロースの甘味特性により類似した甘味特性を提供してよい。
【0054】
ある態様において、味改変成分を、甘味料および/または甘味エンハンサーの分解を抑制するため、および食品製品(例として甘味付けられた食品製品)の甘味インパクトを強くするために使用してもよい。甘味インパクトは、甘味が最初に検出されるまでの長さおよび甘味が最初に検出されるときの強度に関する。味改変成分は、例えば、甘味が最初に検出される時間の長さを減少しおよび/または甘味が最初に検出される強度を増加してよい。
【0055】
本明細書に記載の甘味の程度および他の甘味特徴は、例えば以下の例において記載されるように、フレーバリストのテイスティングパネルによって評価してよい。
【0056】
他の態様に従って、開示された方法は、植物タンパク質などの非動物由来のタンパク質によって与えられるオフノートを低減または除去するために使用してもよい。例示の植物タンパク質は、大豆タンパク質およびエンドウ豆タンパク質を包含する。本明細書に使用されるとき、大豆は、あらゆる形態の、大豆を含有するすべての消費物を包含し、これらは、医薬品として、単独で、または組み合わせて使用される大豆油、大豆の豆腐、豆乳、大豆または大豆ペーストを包含する。植物タンパク質は、藻類(スピルリナなど)、豆類(beans)(たとえば黒豆、カネリ豆、赤インゲン豆、レンズ豆、リマ豆、ピント豆、大豆、白豆)、ブロッコリー、枝豆、ナッツ(たとえばアーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、落花生、ピーカン、ヘーゼルナッツ、松の実、クルミ)、エンドウ類(peas)(黒目豆、ひよこ豆、グリーンピースなど)、ジャガイモ、オートミール、種子(たとえばカノーラ、チア、フラックス、ヘンプ、カボチャ、ゴマ、サンフラワー)、穀物(米、キビ、トウモロコシ、大麦、小麦、オート麦、ソルガム、ライ麦、テフ、ライ小麦、アマランス、ソバ、キノア)、セイタン(すなわち、小麦グルテンベース)、テンペ、豆腐、マイコプロテインまたは真菌タンパク質;昆虫および葉タンパク質およびそれらの混合物を包含する。
【0057】
一例において、米タンパク質に由来する味改変成分は、具体的な非動物タンパク質における望ましくないオフノート(単数または複数)をブロック、マスクまたは改変するその量力に基づいて選択される。様々な非動物タンパク質は、望ましくないオフノートを提供する。具体的に、望ましくないオフノートは、ビーニー、苦味、草っぽい、渋み、土っぽい、チョークっぽい、および腐敗のオフノートである。用語オフノートは、消費物の消費後、経時的に発達する不快な後味を指す。米タンパク質に由来する味改変成分の添加は、オフノートをブロック、マスクまたは改変し、それらを、目立たなくするか、気づかないようにする。非動物タンパク質は、それによって、それらのビーニー/苦味/草っぽい/渋み/土っぽい/チョークっぽい/腐敗の味を失うこととなる。
【0058】
別の態様において、非動物由来のタンパク質によって付与されるオフノートを低減または除去するために、消費物において、1,3-プロパンジオールを、米タンパク質に由来する味改変成分と組み合わせて使用してもよいことが、驚くべきことにおよび予想外に見出された。1,3-プロパンジオールは、トウモロコシ糖から調製することができる極性化合物である。一般に、1,3-プロパンジオールは、1,3-プロパンジオール自体が、食品または飲料にフレーバーを与えず、および味を通じて製品に含まれていると認識されない量において、消費物に包含される。例えば、1,3-プロパンジオールは、平均的消費者にとって、感覚刺激的に知覚できるフレーバー閾値を下回ると一般的に考えられる量で包含される。換言すれば、1,3-プロパンジオールを含有しない比較製品は、1,3-プロパンジオールを含有する製品と味において知覚的に異ならない。1,3-プロパンジオールは、ZEMEA(R)としてDuPont Tate & Lyle BioProducts (Wilmington, Del.)から市販されているが、1,3-プロパンジオールの他の供給元も使用することができる。
【0059】
他の態様に従って、開示された方法は、非動物タンパク質を含有する肉類似物製品によって付与されるオフノートを低減または除去するために使用してもよい。「肉類似物」は、あるタイプの肉の美的品質および/または化学的特徴に近似させた食品製品である。用語、肉類似物は、テクスチャードベジタブルタンパク質(TVP)、高水分肉類似物(HMMA)および低水分肉類似物(LMMA)製品で調製したものを包含する。別の態様において、オフノートを低減または除去するために、非動物タンパク質を含有する肉類似物において、1,3-プロパンジオールを、米タンパク質に由来する味改変成分と組み合わせて使用してもよいことが、驚くべきことにおよび予想外に見出された。
【0060】
ある態様に従って、肉類似物製品または他の非動物タンパク質を含有する消費物に存在する1,3-プロパンジオールの量は、少なくとも約50ppm~約1000ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、1,3-プロパンジオールの量は、少なくとも約100ppm~約500ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、1,3-プロパンジオールの量は、少なくとも約150ppm~約300ppmの濃度であってよい。ある態様に従って、1,3-プロパンジオールの量は、約200ppmの濃度であってよい。
【0061】
肉類似物組成物および押出プロセス
食品科学者は、牛肉、豚肉、家禽、魚類、および貝類類似物などの許容し得る肉様食品用途を、多種多様の非動物タンパク質から調製するための方法を、開発するために多くの時間を割いてきた。かかるアプローチの1つは、押出プロセシングによる繊維状食肉類似物へのテクスチャー化である。その結果得られる肉類似物製品は、改善された肉様の視覚外観および改善された食感を示す。
【0062】
肉類似物製品は、高い水分含量で製造され、動物肉の繊維状構造を模倣し、所望の肉様の水分、食感、口当たり、フレーバーおよび着色を有する、製品を提供する。
【0063】
タンパク質のテクスチャー化は、熱、および/または剪断および水の添加を包含するプロセスを介して、食感または構造を発生させることである。食感または構造は、消費されたときに肉様の外観および知覚を提供するように、タンパク質繊維によって形成される。タンパク質のテクスチャー化の機構は、熱および/または剪断によって分子内の結合力を破壊することによって、与えられたタンパク質の水和および展開から始まる。展開されたタンパク質分子は、剪断によって配列および結合され、肉様製品の特徴的な繊維を形成する。一態様において、アミノ酸の極性側鎖が線状タンパク質分子と結合を形成し、その結合によってタンパク質分子が整列し肉様製品の特徴的な繊維を形成する。
【0064】
非動物タンパク質の嗜好性を高めるために、例えば押出プロセシングを介する、繊維状肉類似物へテクスチャー化が、受けられてきたアプローチである。その汎用性、高い生産性、エネルギー効率、および低コストに起因して、押出プロセシングは、現在の食品産業において幅広く使用されている。押出プロセシングは、多ステップおよび多機能の操作であり、混合、水和、剪断、均質化、圧縮、脱気、低温殺菌または滅菌、流れの整列、成形、膨張および/または繊維形成につながる。結局は、非動物タンパク質は、典型的には、押出機に乾燥ブレンドの形態で導入され、繊維材料の形態に加工される。
【0065】
最近の押出技術の開発は、高水分(40~80%)条件下で、二軸押出機を使用して、非動物タンパク質を繊維状肉代替物へとテクスチャー化することに焦点が当てられている。「湿式押出」としても知られる、高水分二軸押出機プロセスにおいて、原材料、主として、大豆および/またはエンドウ豆タンパク質などの非動物タンパク質を混合し、二軸押出機に供給し、ここでふさわしい量の水を投入し、全ての成分をさらにブレンドし、次いでスクリューの熱機械作用によって溶融させる。大きいタンパク質分子の再整列、層流、および押出機の長いスリット冷却内の強い成層化傾向が、繊維状構造の形成に寄与する。その結果得られる湿式押出製品は、改善された全筋肉様の視覚外観および改善された嗜好性を示す傾向にある。したがって、この押出技術は、健康的でおいしい食品に対する消費者の要求の高まりに応えるために、非動物タンパク質のテクスチャー化に有望である。
【0066】
テクスチャー化プロセスは、スピニング、単純な剪断流れ、Couette Cellにおける単純な剪断流れおよび熱(「Couette Cell」技術)も包含してもよい。スピニングプロセスは、高アルカリ性pH溶液中でタンパク質分子を展開すること、およびタンパク質アルカリ性溶液を酸浴中に噴霧することにより、展開したタンパク質分子を凝固することからなる。噴霧は、無数の微細なオリフィスを持つプレートによって行われる。タンパク質は、酸媒体に触れるとすぐに凝固して繊維を形成する。繊維を、次いで洗浄し、残存する酸および/またはプロセス中に形成された塩を除去する。Couette Cellは、円筒をベースとしたデバイスであって、内筒が回転し、外筒が静止しており、スケールアップが容易である。Couette Cellは、固定円筒および回転円筒の間の空間でタンパク質に熱および剪断を与え、タンパク質繊維を形成するのと同じ原理で動作する。
【0067】
Couette Cellにおける単純な剪断流れおよび熱に関して、このプロセスは、繊維状構造上パターンを、軽度のプロセス条件において、非動物タンパク質の粒状混合物に誘導することができる。このプロセスは、”On the use of the Couette Cell technology for large scale production of textured soy-based meat replacers”、Journal of Food Engineering 169 (2016) 205-213に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
全筋肉動物肉のそれと同様の品質(例えば、食感、水分、口当たり、フレーバー、および色)を有する肉類似物製品を、相対的に水分の高い条件下で、押出を使用して形成した非動物タンパク質を使用して製造してもよい。一態様において、肉類似物製品は、非動物タンパク質、小麦粉、デンプン、および食べることが可能な繊維の1以上、食べることが可能な脂質材料を包含してもよい。
【0069】
ある組成物において、押出される混合物に含まれる非動物タンパク質の量は、乾燥成分の約90重量%以下を包含する。例えば、本開示に従う肉類似物製品を作製するために用いられる成分に存在する非動物タンパク質の量は、乾燥成分の約3%~約90重量%の範囲であってよい。別の態様において、本開示に従う肉類似物製品を作製するために用いられる成分に存在する非動物タンパク質の量は、乾燥成分の約10%~約80重量%の範囲であってよい。さらなる態様において、本開示に従う肉類似物製品を作製するために用いられる乾燥成分に存在する非動物タンパク質の量は約25%~約50重量%の範囲であってよい。別のさらなる態様において、本開示に従う肉類似物製品を作製するために用いられる乾燥成分に存在する非動物タンパク質の量は、約40%であってもよい。
【0070】
用語「乾燥成分」は、添加水および添加水と共に添加される成分(すなわち、「湿潤成分」)を除く、押出される混合物中の全ての成分を包含する。
【0071】
一態様において、非動物タンパク質成分は、大豆から単離される。好適な大豆由来のタンパク質を含有する成分は、大豆タンパク質アイソレート、大豆タンパク質濃縮物、大豆粉、およびそれらの混合物を包含する。大豆タンパク質材料は、一般に当該技術分野において一般に知られている方法に従って、全大豆に由来してもよい。別の例示の態様において、非動物タンパク質成分は、本明細書に記載のとおり、穀物、マメ科植物またはパルス、種子および油種子、ナッツ、藻類、マイコプロテインまたは真菌タンパク質、昆虫、葉タンパク質およびそれらの組み合わせから単離される。
【0072】
上記に加えて、肉類似物製品は、水を相対的に多い量で包含する。一態様において、肉類似物製品を作製するための、押出される混合物の合計水分レベルは、肉類似物製品が少なくとも約50重量%である水分含量を有するように制御される。かかる高い水分含量を達成するために、水を典型的には成分に添加する。相対的に高い水分含量が所望されるが、肉類似物製品が約65%よりもはるかに多い水分含量を有することは所望されないかもしれない。そのため、一態様において、成分に添加される水の量および押出プロセスパラメータは、肉類似物製品(押出の後に)が約40%~約65重量%である水分含量を有するように制御される。
【0073】
記載されたプロセスの実施に有用である好適な押出装置の中には、Wenger (Sabetha, Kansas)によって製造されるWenger TX 52モデルなどの市販の二重バレル、二軸押出機装置がある。
【0074】
二軸押出機のスクリューは、バレル内で同じまたは反対方向に回転するこができる。同じ方向のスクリューの回転は、シングルフローまたは共回転と称され、反対方向のスクリューの回転は、ダブルフローまたは逆回転と称される。押出機のスクリュー(単数)またはスクリュー(複数)のスピードは、具体的な装置に応じて異なり得る;しかしながら、典型的には毎分約100~約450回転(rpm)である。一般に、スクリューのスピードが増加すると、押出物の密度は低下する。押出装置は、非動物タンパク質材料を押出すために押出装置製造業者が推奨するように、シャフトおよびウォームセグメントから組み立てられたスクリュー、ならびにミキシングローブおよびリング型剪断要素を含有する。
【0075】
押出装置は、一般には、押出ダイを通して押出装置を出ることに先立ち、タンパク質混合物が機械的圧力下で搬送される複数の加熱ゾーンを含む。各連続的な加熱ゾーンにおける温度は、一般に、約10℃~約70℃の間で、先の加熱ゾーンの温度を超える。一態様において、乾燥プレミックスは、タンパク質混合物が、溶融押出塊が約170℃の温度で押出ダイに入るように、約25℃~約170℃の温度へ加熱され、押出装置内の複数の加熱ゾーンを通過して搬送される。一態様において、タンパク質混合物は、夫々の加熱ゾーンにおいて、約25℃、約40℃、約95℃、約150℃および約170℃の温度まで加熱される。
【0076】
押出機バレル内の圧力は、典型的には約30psigおよび約500psigの間、またはより具体的に言うと約50psigおよび約300psigの間である。一般に、最後の2つの加熱ゾーンの圧力は、約50psigおよび約500psigの間、さらにいっそう具体的に言うと約50psig~約300psigの間である。バレル圧力は、バレルへの混合物の供給速度、バレルへの水の供給速度、及びバレル内の溶融塊の粘度を含む無数の因子に依存する。
【0077】
追加の「湿潤成分」と共に水を、押出機バレルに注入し、非動物タンパク質混合物を水和し、タンパク質のテクスチャー化を促進する。溶融押出塊の形成における補助剤として、水は可塑化剤として作用してもよい。水を、1以上の注射ジェットを介して押出機バレルへ導入してもよい。バレルへの水の導入速度は、一般に、上に記載のとおりの水分含量を有する押出物などの、先述の所望される特徴を有する押出物の産生を促進するように制御する。
【0078】
テクスチャードベジタブルタンパク質(TVP)/低水分肉類似物(LMMA)
テクスチャードベジタブルタンパク質(TVP)は、食べることが可能なタンパク質供給源から作製された食品製品として定義することができ、各ユニットが、調理および食品を消費するための準備に使用される他の手順における水和に耐えることができるような、構造上の完全性および識別可能な食感を有することによって特徴付けられる。今日製造されるTVPの大多数は、押出技術によって製造される。これらのTVPは、しばしば、60~65%水分で再水和され、これらに限定されないが、バインダー、肉、他のTVP、フレーバー、賦形剤、脂肪、油、またはシーズニングを包含する他の成分と混合される。
【0079】
低水分肉類似物(LMMA)製品は、ほとんどの場合、押出機ダイにおいて押出機ナイフで切断され、最終製品のサイズおよび形状を形成する。押出後に乾燥することで、水分を除去し、保管、操作性、および保存安定性を改善する。これらのLMMAは、しばしば60~70%水分で再水和される。加えて、他の食品成分アイテムを、改善する最終製品機能性および外観を改善するために添加することができ、これらは、これらに限定されないが、油、他のタンパク質、塩、シーズニング、フレーバー、マスカー、エンハンサー、またはバインダーを包含する。一般に再水和されたLMMAは、40~80%水分、0~5%油、25~60%タンパク質を含有する。
【0080】
LMMAの典型的な製剤は、水、大豆濃縮物、大豆アイソレート、油、バインダー(例としてセルロース、バイタル小麦グルテン)および、動物肉製品に近い味および食感を提供するフレーバー、マスカー、シーズニング、等々を含有する。
【0081】

以下の例は、もっぱら説明の目的のために与えられ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本発明の多くの変形が可能であるため、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0082】
米タンパク質(TMI-T)の酵素加水分解
味改変成分を、12.3gの有機米タンパク質アイソレートを87.7gの水と、清潔で消毒されたタンクにおいて混合することによって作った。0.6~1.1%NaOH(50%溶液)を混合物に添加し、pH7.9および8.3の間の混合物を作った。室温にて、60mgのタンパク質分解酵素をスラリーに添加し、70℃で1時間40分間、連続的に撹拌しながら、インキュベートした。混合物を次いで95℃で、45分間停止した。混合物を室温に冷却し、遠心分離し、上清をTMI-Tとして回収した。水を次いで凍結乾燥することによって除去した。
【0083】
味改変成分(TMI-T)を次いで、中性の炭酸ソフトドリンク(carbonated soft drink)飲料においてテストした。飲料は以下の表1および2においてリストされた成分から調製された:
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
本開示に従う飲料を、以下の様に調製した:
参照瓶をカバーするに十分な、全糖のための濃縮したシロップベースの大きなバッチを調製する。
7.28°Brixで指摘されたすべてのテストをカバーするために十分な、30%低減した糖の濃縮したシロップベースの大きなバッチを調製する。
適切な200mlガラス瓶において、濃縮したシロップベースおよび他の成分を組み合わせた。
非炭酸の飲料水で満たした各例の8本の瓶を調製した。
各例の4瓶を冷却装置(4~6℃)に保存する。
各試験の4瓶を、36~37℃、加速条件下のチャンバー-ホットで保存する。
【0087】
安定性結果
表2からの飲料(対照+例1~4)を、時間ゼロおよび2、4および8週間後にテストし、冷蔵した試料をチャンバー/ホット試料と比較した。結果を、表3に示す。官能評価評価を、各例に関して、フレーバリストによって行った(合格/不合格+記述分析)。
【0088】
【表3】
【0089】
表3の飲料組成物(6週経過、チャンバー-ホット)は5名フレーバリストによって味見され、彼らは飲料を説明するように求められた。
【0090】
【表4】
【0091】
上記表3および4から、TMI-Tの組み込みは、炭酸ソフトドリンクの貯蔵寿命の間、ステビアFMPまたはRebMを包含する飲料の甘い強度および甘味の全体の品質を改善することが理解できる
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】
本開示に従う飲料を、以下の様に調製した:
参照瓶をカバーするに十分な、全糖のための濃縮したシロップベースの大きなバッチを調製する。
7.02°Brixで指摘されたすべてのテストをカバーするために十分な、30%低減した糖の濃縮したシロップベースの大きなバッチを調製する。
適切な200mlガラス瓶において、濃縮したシロップベースおよび他の成分を組み合わせた。
非炭酸の飲料水で満たした各例の6本の瓶を調製した。
各例の3瓶を冷却装置(4~6℃)に保存する。
各試験の3瓶を、36~37℃、加速条件下のチャンバー-ホットで保存する。
【0095】
安定性結果
表6からの飲料(対照+例5~8)を、時間ゼロおよび2、4および8週間後にテストし、冷蔵した試料をチャンバー/ホット試料と比較した。結果を、表7に示す。官能評価評価を、各例に関して、フレーバリストによって行った(合格/不合格+記述分析)。
【0096】
【表7】
【0097】
表7の飲料組成物(8週経過、チャンバー-ホット)は5名のフレーバリストによって味見され、彼らは飲料を説明するように求められた。
【0098】
【表8】
【0099】
上記表7および8から、TMI-Tの組み込みは、非炭酸飲料の貯蔵寿命の間、ステビアRebAまたはRebMを包含する飲料の甘い強度および甘味の全体の品質を改善することが理解できる
【0100】
エンドウ豆タンパク質飲料
味改変成分を、次いでエンドウ豆タンパク質飲料においてテストした。以下の例の目的のために、タンパク質分解酵素としてBromeleinのパーセンテージを変え、およびインキュベーション時間を変えて、味改変成分を調製した。
【0101】
例9
エンドウ豆タンパク質飲料を、3%エンドウ豆タンパク質アイソレート(Pisane(R) C9)、3%スクロース、0.05%安定剤(ジェランガム)、および0.4%天然のバニラフレーバー-水中の乾燥重量を混合することで調製した。
【0102】
例10
エンドウ豆タンパク質飲料を例9に従って調製した。10ppmのTMI(1%Bromelein、3時間)をエンドウ豆タンパク質飲料に添加した。
【0103】
例11
エンドウ豆タンパク質飲料を例9に従って調製した。10ppmのTMI(2%Bromelein、1.5時間)をエンドウ豆タンパク質飲料に添加した。
【0104】
例12
エンドウ豆タンパク質飲料を例9に従って調製した。10ppmのTMI(2%Bromelein、3時間)をエンドウ豆タンパク質飲料に添加した。
【0105】
例9~12のエンドウ豆タンパク質飲料組成物は5名のフレーバリストによって味見され、彼らは飲料を説明するように求められた。
【0106】
【表9】
【0107】
上の表9から、TMIの組み込みが、エンドウ豆タンパク質からのオフノート、とりわけ苦みおよび渋味における知覚される低減をもたらすことが、理解される。
【0108】
本明細書に開示された寸法および値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別様に特定されない限り、各かかる寸法は、言及された値およびその値を囲む機能的に等価な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0109】
本発明の具体的な態様を例示し、説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および改変を行うことができることは、当業者に自明であろう。したがって、添付のすべての請求項において、本発明の範囲内にあるすべてのかかる変更および改変がカバーされることが意図される。