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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】特に車両用の流体加熱装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/00 20060101AFI20240426BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
H05B3/00 310E
B60H1/22 611C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022537528
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 FR2020052291
(87)【国際公開番号】W WO2021123545
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】1914697
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、ドクール
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン、フルニエ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、シフラン-ブラン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-230021(JP,A)
【文献】特開2015-138615(JP,A)
【文献】特開2014-053288(JP,A)
【文献】特開2013-082377(JP,A)
【文献】特開2006-177634(JP,A)
【文献】特開2004-150777(JP,A)
【文献】中国実用新案第208079416(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 1/00-3/00
B60H 1/00-3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動車用の電気流体加熱装置であって、
流体を加熱するように意図された少なくとも1つの電気加熱素子(4)と、
流体の温度に関する情報を与えるように意図された温度センサ(83)と、
前記1つ又は複数の電気加熱素子用の電源回路(88)内で突入電流を生成するように意図された、突入電流スイッチと呼ぶスイッチ(87)と、
前記突入電流が発生した場合に、前記回路を開放する開放手段(89)と
を備え、
前記温度センサ(83)及び前記突入電流スイッチ(87)が、互いに独立して配置され、
前記加熱装置が、前記温度センサ(83)からの信号を前記突入電流スイッチ(87)に伝送するように構成され、
前記温度センサ(83)が、前記1つ又は複数の電気加熱素子(4)を流れる電流を制御するための制御回路基板(81)に搭載され、
前記装置が、前記流体を循環させるためのチャンバ(21)と前記回路基板(81)との間にヒートシンク(9)を更に備える、
電気流体加熱装置。
【請求項2】
前記温度センサ(83)と前記突入電流スイッチ(87)との間で前記信号を伝送する手段を備える、請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記信号を伝送する前記手段が、導電体を備える、請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記突入電流スイッチ(87)を制御し得るマイクロコントローラ(84)を備え、前記信号を伝送する前記手段が、前記温度センサ(83)と前記マイクロコントローラとの間の接続を実施する、請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記突入電流スイッチ(87)が、前記電気加熱素子(4)と並列の短絡線(881)に接続され、前記短絡線が、第1の端部(881a)と、第2の端部(881b)と、を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記電気加熱素子(4)と直列に接続された上流スイッチ(82A)及び下流スイッチ(82B)を更に備え、
前記電気加熱素子が、前記上流スイッチ(82A)と前記下流スイッチ(82B)との間に配置され、
前記上流スイッチ及び下流スイッチの少なくとも一方が、前記電気加熱素子を流れる電流を調節するように構成される、請求項5に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記短絡線(881)の前記第1の端部(881a)が、前記電気加熱素子(4)のすぐ上流に配置され、及び/又は前記短絡線(881)の前記第2の端部(881b)が、前記電気加熱素子(4)のすぐ下流に配置される、請求項6に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記短絡線(881)の前記第1の端部(881a)が、前記上流スイッチ(82A)の上流に配置され、及び/又は前記短絡線(881)の前記第2の端部(881b)が、前記下流スイッチ(82B)の下流に配置される、請求項6に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記回路(88)を開放する前記手段(89)が、前記短絡線(881)の前記第1の端部(881a)の上流に、又は前記短絡線(881)の前記第2の端部(881b)の下流に搭載された少なくとも1つのヒューズ(891)を備え、
前記上流スイッチ(82A)及び前記下流スイッチ(82B)が同時に故障した場合に、前記ヒューズが、前記電気加熱素子(4)を保護するように構成される、請求項6から8のいずれか一項に記載の加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車両用、より詳細には車室内の換気、暖房、及び/又は空調、並びに/あるいはバッテリの温度調節のための設備用の流体加熱装置に関する。これは、特に、自律的であり得る電気車両又はハイブリッド車両であり得る。
【背景技術】
【0002】
熱交換器を使用して、空気流と伝熱液との間の熱交換により、車室内の温度処理用の空気を加熱することが知られている。ハイブリッド車両や電気車両の場合、電気加熱素子の温度を上昇させるように電流を循環させて、伝熱液を接触して配置させた熱エネルギー源を構成する電気加熱装置が知られている。次いで、熱エネルギーは、電気加熱素子と伝熱液との間で交換され、伝熱液は、交換器によって車室を加熱する前に加熱される。
【0003】
過熱を防止するために、欧州特許第2 884 519号明細書は、電気加熱素子のための電源回路を開放する手段の使用を教示している。その手段は、電気加熱素子と接触して配置されたバイメタルストリップの変形によって作動される。バイメタルストリップは、電気加熱素子の温度が特定の所定の閾値に達すると変形し、リーフによって回路を開放する手段の作動を保証する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許第2 884 519号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
過熱を防止するためのそのような解決策は、電気加熱素子に対して正確に位置決めするために、バイメタルストリップが高価な構造の特定の形状を有する必要があるという事から、大きな欠点を有する。更に、バイメタルストリップとリーフを介した開放手段との間の機械的結合で生じる大きな体積は、アセンブリを加熱装置内に搭載するための操作のマージンを減少させ、その結果、特に、バイメタルストリップが、最大加熱領域の外側に配置されるリスクがある。
【0006】
したがって、簡単な構造であり、加熱装置内への搭載が容易であり、加熱装置の電気加熱素子の過熱を防止する解決策を見つけることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、そのような解決策を少なくとも部分的に提供することを目的とする。
【0008】
その目的のために、本発明の主題は、特に自動車用の電気流体加熱装置であり、それは、流体を加熱するように意図された少なくとも1つの電気加熱素子と、流体の温度に関する情報を与えるように意図された温度センサと、1つ又は複数の電気加熱素子用の電源回路内で突入電流を生成するように意図された突入電流スイッチと呼ぶスイッチと、突入電流が発生した場合に、その回路を開放する開放手段と、を備え、温度センサ及び突入電流スイッチは、互いに独立して配置され、加熱装置は、温度センサからの信号を突入電流スイッチに伝送するように構成される。
【0009】
したがって、突入電流スイッチとは独立して搭載された温度センサを用いて、本発明は、これらの構成要素の各々を、選択された関連位置に配置し得ることで、過熱を防止するための解決策のアセンブリを単純化する。
【0010】
本発明はまた、
加熱装置は、温度センサと突入電流スイッチとの間で信号を伝送する手段を備え、
信号を伝送する手段は、導電体を備え、
加熱装置は、突入電流スイッチを制御し得るマイクロコントローラを備え、
信号を伝送する手段は、温度センサとマイクロコントローラとの間の接続を実施し、
加熱装置は、上流スイッチ及び下流スイッチを更に備え、
電気加熱素子は、上流スイッチ及び下流スイッチに直列に接続され、
上流スイッチ又は下流スイッチの一方は、電気加熱素子を通って流れる電流を調節するように構成され、
上流スイッチ及び下流スイッチは、電気加熱素子を流れる電流を制御するための制御回路基板に接続され、
回路を開放する手段は、少なくとも1つのヒューズを備え、
ヒューズは、電気加熱素子と直列に接続され、
回路を開放する手段は、上流スイッチの上流、又は下流スイッチの下流に接続され、
回路を開放する手段は、上流スイッチ及び下流スイッチが同時に故障した場合に、電気加熱素子を保護するように構成され、
突入電流スイッチは、電気加熱素子と並列の短絡線に接続され、
短絡線は、第1の端部と第2の端部とを備え、
短絡線の第1の端部は、電気加熱素子と上流スイッチとの間に配置され、及び/又は短絡線の第2の端部は、電気加熱素子と下流スイッチとの間に配置され、
短絡線の第1の端部は、上流スイッチの上流に配置され、及び/又は短絡線の第2の端部は、下流スイッチの下流に配置され、
回路を開放する手段は、少なくとも1つのヒューズを備え、
ヒューズは、短絡線の第1の端部の上流、又は短絡線の第2の端部の下流に接続され、
ヒューズは、突入電流スイッチの上流に接続され、
ヒューズは、突入電流スイッチの下流に接続され、
回路基板は、その回路基板の主領域に関して断熱された領域を備え、
温度センサは、回路基板のその断熱領域に搭載され、
加熱装置は、流体を循環させるためのチャンバと回路基板との間にヒートシンクを更に備える
といった、本発明の多くの実施形態を形成し、それら特徴のいずれか1つを含むことができ、個々に、又は任意の技術的な可能な組合せで採用される。
【0011】
本発明は、非限定的な例として、添付の図面を参照して与えられる以下の説明を読むことによって、好適に理解され、本発明の更なる詳細、特徴及び利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による加熱装置の長手方向断面図である。
図2】第1の実施形態における本発明による加熱装置の回路図である。
図3】第2の実施形態における本発明による加熱装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、すべての図において、類似している及び/又は同じ機能を実行する要素は、同じ参照番号で示していることに留意されたい。
【0014】
慣例により、特に明記しない限り、「長手方向」という用語は、電気加熱装置の最大寸法が延在する方向に適用され、「横方向」という用語は、長手方向に実質的に垂直な方向に適用され、「垂直方向」という用語は、長手方向及び横方向の両方に垂直な方向を指す。
【0015】
更に、上記で画定された向き及び方向を参照して、長手方向は、軸Oxによって表され、横方向は、軸Oyによって表され、垂直方向は、軸Ozによって表される。これらの様々な軸は共に、図1に示す正規直交基準系Oxyzを画定する。この基準系内では、「上部」又は「上方」という用語は、軸Ozの正の方向によって表され、「下部」又は「下方」という用語は、この同じ軸Ozの負の方向によって表される。
【0016】
図1に示すように、本発明は加熱装置1に関する。加熱装置は、流体、特に伝熱液を加熱するために使用される。加熱装置は、流体を循環させるためのハウジング2と、少なくとも1つの加熱素子4(この例では2つの加熱素子)と、1つ又は複数の加熱素子を支持するカバー6と、1つ又は複数の加熱素子の電源電流を制御する制御ユニット8と、を備える。
【0017】
特に、ハウジング2は、流体を循環させるための第1のチャンバ21を画定し、第1のチャンバは、1つ又は複数の電気加熱素子4を収容するように配置され、これにより、ハウジング内を循環する流体は、1つ又は複数の電気加熱素子と接触する。ハウジング2はまた、1つ又は複数の電気加熱素子4内を循環する電流を制御するための制御ユニット8が収容される第2のチャンバ22を画定する。最後に、ハウジングは、カバー6によって第1のチャンバ21から分離された第3のチャンバ23を画定する。
【0018】
ハウジング2は、例えば、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金をダイカストして形成される。
【0019】
チャンバ21内で流体を循環させるために、ハウジング2は、チャンバ21と連通する、少なくとも第1の入口パイプ(図示せず)と、少なくとも第2の出口パイプ25と、を備える。入口パイプ及び出口パイプ25は、ハウジング2の同一の側に配置され、この例ではハウジング2の下部26に配置される。
【0020】
出口パイプ25は、第1の開口部25aを通ってチャンバ21内に直接通じている。入口パイプは、下部26とは反対側のチャンバの一端に形成された第2の開口を介してチャンバ21内に通じる。入口パイプは、チャンバ21に長手方向に隣接し、そのチャンバに通じるチャネルを備える。
【0021】
各電気加熱素子4は、螺旋状に配置されたシールド抵抗器41と、その抵抗器を電流供給源に接続するように意図された少なくとも1つの接続端子42と、を備える。電気加熱素子4は、カバー6を通ってハウジング2内で長手方向に延在する。
【0022】
この目的のために、カバー6は、開口部61を備え、電気素子の各々について、抵抗器41が第1のチャンバ21内に延在し、端子42がカバー6を通って延在し、第3のチャンバ23に通じるように、電気加熱素子4が搭載される。カバー6と端子42との間の接続は、漏れ止めがなされている。
【0023】
第2のチャンバ22は、第1のチャンバ21の上方に、第1のチャンバに沿って配置され、上方カバー3によって閉じられた上方縁部を有する。更に、第2のチャンバ22は、垂直突起22aと、第2のチャンバと第1のチャンバ21との間の分離壁10上に形成されたプラットフォーム22bと、を備える。
【0024】
加熱装置は、流体の温度及び/又は1つ又は複数の電気加熱素子4の温度に関する情報を与えるように意図された少なくとも1つの温度センサ83を更に備える。
【0025】
図2及び図3に示すように、加熱装置はまた、電気加熱素子4用の電源回路88内に突入電流を生成するように意図された突入電流スイッチと呼ぶ少なくとも1つのスイッチ87と、突入電流が発生した場合に、その回路を開放する少なくとも1つの手段89と、を備える。電気加熱素子4は、回路88において並列に接続される。電流を開放する1つ又は複数のスイッチ87及び1つ又は複数の手段89は、例えば、制御ユニット8に統合される。
【0026】
本発明によれば、温度センサ83及び突入電流スイッチ87は、互いに独立して搭載された2つの構成要素を形成する。
【0027】
このような解離は、突入電流スイッチ87から距離を置いてセンサ83を搭載することを可能にし、センサ及びスイッチは各々、加熱装置内の異なる位置に配置され得る。また、このような解離により、複数の温度センサと複数の突入電流スイッチとを同一の加熱装置に設けることができる。
【0028】
特に、突入電流スイッチ87は、電気加熱素子4のうちの1つと並列の短絡線881に接続され、その短絡線は、上流端部881a及び下流端部881bを有する。上流位置及び下流位置とは、電流の流れの方向に関する本明細書の定義である。
【0029】
本発明の一特徴によれば、短絡線881を閉じることによって、熱センサ83が、熱伝達流体及び/又は電気加熱素子4による閾値温度の通過に関する情報を受信した場合に、突入電流スイッチ87は反応し、次いで短絡線が1つ又は複数の電気加熱素子4を短絡する。次いで、電源回路の抵抗が急激に減少し、これにより突入電流が発生し、開放手段89が作動する。これは、回路88を開放し、1つ又は複数の電気加熱素子4をオフに切り替える。
【0030】
回路88を開放する手段89は、短絡線881の第1の端部881aの上流、又は短絡線881の第2の端部881bの下流に、搭載又は接続された少なくとも1つのヒューズ891を備える。
【0031】
電源回路88は、1つ又は複数の電気加熱素子4を通って流れる電流を調節するように構成されたスイッチ82のセットを備え得る。各電気加熱素子4は、第1の電流調節スイッチと、第2の電流調節スイッチとに直列に接続され、第1の電流調節スイッチは、上流スイッチ82Aと呼び、制御ユニット8のパルス幅変調(PWM)発生器と連通し、第2の電流調節スイッチは、下流スイッチ82Bと呼び、上流スイッチ82Aが故障した場合に、電気加熱素子4の安全性を保証する。
【0032】
電気車両又はハイブリッド車両の暖房用途で必要とされる高い供給電力を処理する能力で知られる、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)及び/又は金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)から、電流調節スイッチ82は選択される。
【0033】
電気加熱素子4を流れる電流を調節するための上流スイッチ82A及び下流スイッチ82Bを含む回路88において、本発明による回路88を開放する手段89は、それらの上流スイッチ及び下流スイッチが同時に故障した場合に介入する。その手段89は、電気加熱素子4の上流スイッチ82Aの上流、又は下流スイッチ82Bの下流に配置される。
【0034】
更に、図2に示すように、短絡線881の第1の端部881aは、上流スイッチ82Aの上流の回路88に接続され、短絡線881の第2の端部881bは、下流スイッチ82Bの下流の回路88に接続される。
【0035】
しかしながら、図3に示すように、短絡線881の第1の端部881aは、電気加熱素子4と上流スイッチ82Aとの間で、電気加熱素子4のすぐ上流に配置されてもよい。短絡線の第2の端部881bは、電気加熱素子と下流スイッチ82Bとの間で、電気加熱素子4のすぐ下流に配置されてもよい。
【0036】
短絡線881の端部881a、881bのこのような配置は、スイッチ87が不都合なトリガを起こした場合に、回路88を開放する手段89の作動を防止する。具体的には、短絡線881は、通常動作時に回路88を流れる電流を調節し得るスイッチ82A、82Bを短絡しない。
【0037】
図3は、上流スイッチ82Aの上流に配置されたヒューズ891を示しているが、その上流スイッチと電気加熱素子4との間に、そのヒューズを配置することを想定することは、実現性が高い。このようなヒューズの配置は、引き続き、本発明の趣旨に合致している。
【0038】
有利には、温度センサ83は、回路基板81上に、特にその回路基板の主領域813に関して断熱された領域812に、配置されてもよい。次いで、回路88を開放する手段89は、主領域813内に、又はハウジング2の第2のチャンバ22内に形成された任意の他の支持体上に、配置されてもよい。
【0039】
温度センサ83が回路基板81上に配置された状態で、第1のチャンバ21に含まれる流体の温度の画像の記録は、その第1のチャンバと、その回路基板との間に配置されたヒートシンクを使用して実行されてもよい。
【0040】
有利には、温度センサ83と突入電流スイッチ87との間の接続は、選択された信号伝送手段によって実施される。それは、例えば、電気的性質の信号、特に導電体で伝送するための手段である。
【0041】
信号伝送手段はまた、マイクロコントローラ84を介して、温度センサ83と、上流スイッチ82A又は下流スイッチ82Bの一方と、の間の接続を実施するように構成され、そのマイクロコントローラは、突入電流スイッチ87の動作を制御し得る。
【0042】
並列に接続された複数の電気加熱素子4の場合、回路88を開放する同一の手段89、特に同一のヒューズ891、及び/又は同一の突入電流スイッチ87は、複数の、又は更にはすべての電気加熱素子に使用され得る。具体的には、電流は最も抵抗の小さい電線を通って流れるので、1つの電気加熱素子に対して行われる短絡は、加熱装置の他のすべての電気加熱素子を十分に短絡する。
図1
図2
図3