(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】可動の家具部分用のガイドアセンブリを組み付ける方法
(51)【国際特許分類】
E05D 15/58 20060101AFI20240426BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20240426BHJP
E05D 15/26 20060101ALI20240426BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
E05D15/58 A
E05D15/06 125B
E05D15/26
A47B55/00
E05D15/06 119
(21)【出願番号】P 2022537854
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 AT2020060458
(87)【国際公開番号】W WO2021119696
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】GM50233/2019
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアント ケーニヒ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ルップ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シュペアガー
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-146702(JP,A)
【文献】登録実用新案第3068625(JP,U)
【文献】実開平06-045045(JP,U)
【文献】特開2004-137789(JP,A)
【文献】特開2015-203192(JP,A)
【文献】国際公開第2018/204950(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/081961(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00-15/58
A47B 43/00-57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つだけの戸(4)
を含む可動の家具部分(2,3)用および互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含む可動の家具部分(2,3)用のガイドアセンブリ(1)を、不動の家具部分(8)の家具壁(7)に組み付ける方法であって、該方法は、
記載された順序の時系列の、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記可動の家具部分(2,3)をガイドするための第1のガイドレール(9)を前記家具壁(7)に配置するステップ、
-
前記可動の家具部分(3)が、1つだけの戸(4)を含んでいる場合には、または、前記可動の家具部分(3)が、互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいる場合には、前記第1のガイドレール(9)の第1の長手
面(10)において、前記可動の家具部分(2,3)の運動に影響を与える少なくとも1つの駆動装置(11)を前記家具壁(7)に配置
するステップ、
-前記可動の家具部分(3)が、互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいる場合には、
さらに、前記第1のガイドレール(9)の第2の長手
面(12)において、前記可動の家具部分(3)をガイドするための第2のガイドレール(13)を前記家具壁(7)に配置
するステップ、
を有していることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの駆動装置(11)を前記家具壁(7)に配置するステップにおいて、前記第1のガイドレール(9)と前記少なくとも1つの駆動装置(11)とを互いに接続する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1のガイドレール(9)と前記少なくとも1つの駆動装置(11)とを、形状接続的に互いに接続する、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第2のガイドレール(13)を前記家具壁(7)に配置するステップにおいて、前記第1のガイドレール(9)と前記第2のガイドレール(13)とを互いに接続する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1のガイドレール(9)と前記第2のガイドレール(13)とを、形状接続的にかつ/または摺動可能に互いに接続するステップ、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記第1のガイドレールおよび/または前記駆動装置は、前記可動の家具部分(2,3)が1つだけの戸(4)を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいるのかには関係なく、同じ第1のガイドレール(9)および/または同じ駆動装置(11)である、請求項1
から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記可動の家具部分(2)が1つだけの戸(4)を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、前記第1のガイドレール(9)の前記第2の長手
面(12)において、前記第1のガイドレール(9)に対して相対的に前記可動の家具部分(2)を終端位置に保持するための少なくとも1つの保持装置(14)を前記家具壁(7)に配置し、
前記第1のガイドレール(9)と前記少なくとも1つの保持装置(14)と
を互いに接続
する、請求項1
から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記第1のガイドレール(9)と前記少なくとも1つの保持装置(14)とを、形状接続的にかつ/または摺動可能に、互いに接続する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
さらなる方法ステップで、前記可動の家具部分(2,3)をガイドするための第3のガイドレール(16)を、前記第1のガイドレール(9)に対して間隔(15)を置いて前記家具壁(7)に配置
する、請求項1から
8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記第3のガイドレールは、前記可動の家具部分(2,3)が1つだけの戸(4)を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいるのかには関係なく、同じ第3のガイドレール(16)である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
さらなる方法ステップで、
前記可動の家具部分(2,3)の運動を減衰するための少なくとも1つの減衰装置(18)を、前記第1のガイドレール(9)に対して間隔(17)を置いて前記家具壁(7)に配置
する、請求項1から
10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
さらなる方法ステップで、前記第1のガイドレール(9)に対して相対的に終端位置へ向かう、前記可動の家具部分(2,3)の運動を減衰するための少なくとも1つの減衰装置(18)を、前記第1のガイドレール(9)に対して間隔(17)を置いて前記家具壁(7)に配置する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記減衰装置は、前記可動の家具部分(2,3)が1つだけの戸(4)を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいるのかには関係なく、同じ減衰装置(18)である、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
さらなる方法ステップで、前記可動の家具部分(2,3)を枢着的に支持するための少なくとも1つの支持体(19)を、設けられた前記ガイドレール(9,13,16)に摺動可能に支持させ
る、請求項1から
13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記支持体は、前記可動の家具部分(2,3)が1つだけの戸(4)を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいるのかには関係なく、同じ支持体(19)である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの支持体(19)には、前記少なくとも1つの支持体(19)、または前記支持体に配置された前記可動の家具部分(2,3)の、傾倒軸線を中心とした傾倒モーメント(21)を、戻しモーメント(23)によって補償するための少なくとも1つの補償装置(20)が配置されていて、さらなる方法ステップで、前記少なくとも1つの補償装置(20)を、前記家具壁(7)に
接続する、請求項
14または15記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの補償装置(20)を、前記家具壁(7)に配置された前記少なくとも1つの駆動装置(11)に接続する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
家具(24)を組み付ける方法であって、前記家具は、少なくとも1つの不動の家具部分(8)と、1つだけの戸(4)または互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含む少なくとも1つの可動の家具部分(2,3)と、前記可動の家具部分(2,3)用の少なくとも1つのガイドアセンブリ(1)とを備えており、この場合、まず、請求項1から
17までのいずれか1項記載の方法によって、前記少なくとも1つのガイドアセンブリ(1)を、前記少なくとも1つの不動の家具部分(8)の家具壁(7)に組み付け、次いで前記可動の家具部分(2,3)を、少なくとも第1のガイドレール(9)に摺動可能に支持させ
る方法。
【請求項19】
前記可動の家具部分(2,3)を、間接的に少なくとも1つの支持体(19)を介して支持させる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記可動の家具部分(3)が、互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、前記少なくとも2つの戸(5,6)を、少なくとも2つの戸ヒンジ(25)を介して互いに枢着させる、請求項
18または19記載の方法。
【請求項21】
前記可動の家具部分(3)が、互いに枢着された少なくとも2つの戸(5,6)を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、前記第1のガイドレール(9)に対して横方向の少なくとも1つの横方向ガイドレール(26)を、前記少なくとも1つの不動の家具部分(8)に配置し、前記可動の家具部分(3)の前記少なくとも2つの戸(5,6)のうちの1つを、少なくとも1つの走行キャリッジ(50)を介して、前記少なくとも1つの横方向ガイドレール(26)に接続する、請求項
18から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの横方向ガイドレール(26)を、さらなる方法ステップで、少なくとも所定の領域で少なくとも1つの前板部材(27)によって覆う、請求項
21記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つだけの戸または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含む可動の家具部分用のガイドアセンブリを、不動の家具部分の家具壁に組み付ける方法に関する。本発明はさらに、ガイドアセンブリを組み付けるこのような方法を使用する、家具を組み付ける方法に関する。
【0002】
従来技術により既に、請求項1の上位概念による方法が公知である。この場合、ガイドアセンブリによってガイドすべき可動の家具部分が1つだけの戸を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいるのかに応じて、異なるガイドアセンブリが使用される。
【0003】
この場合、組立て作業者は、ガイドすべき可動の家具部分の1つの形式のガイドアセンブリのみを処理するわけではない場合には、両形式のガイドアセンブリを在庫として保持しておかなければならないという欠点がある。さらに、ガイドアセンブリが異なるように構成されていると、これにより2つの製造ラインが必要となるので、ガイドアセンブリの製造は高いコストにつながっている。
【0004】
本発明の課題は、これらの欠点を少なくとも部分的に回避し、組立て作業者には特に家具の製造におけるより高いフレキシビリティを可能とし、製造業者側では製造コストの削減に結びつくような、従来技術に対して改善された、1つだけの戸または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含む可動の家具部分用のガイドアセンブリを、不動の家具部分の家具壁に組み付ける方法を提供することにある。さらに、ガイドアセンブリを組み付けるこのような改善された方法を使用する、家具を組み付ける方法が提供されることが望ましい。
【0005】
この課題は、独立請求項1および8に記載の特徴により解決される。
【0006】
したがって、1つだけの戸または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含む可動の家具部分用のガイドアセンブリを、不動の家具部分の家具壁に組み付ける本発明による方法では、好ましくは記載された順序の時系列の、以下の方法ステップ、すなわち、
-可動の家具部分をガイドするための第1のガイドレールを家具壁に配置するステップ、
-第1のガイドレールの第1の長手方向面において、可動の家具部分の運動に影響を与える少なくとも1つの駆動装置を家具壁に配置し、好適にはこの場合、第1のガイドレールと少なくとも1つの駆動装置とは、特に好適には形状接続的に、互いに接続されているステップ、
-可動の家具部分が、互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいる場合には、第1のガイドレールの第2の長手方向面において、可動の家具部分をガイドするための第2のガイドレールを家具壁に配置し、好適にはこの場合、第1のガイドレールと第2のガイドレールとは、特に好適には形状接続的にかつ/または摺動可能に互いに接続されているステップ、
が想定されている。
【0007】
これにより、ガイドアセンブリを、1種の構成ユニットから構成することができ、この場合、1つだけの戸を含む可動の家具部分用のガイドアセンブリ、および互いに枢着された少なくとも2つの戸を含む可動の家具部分用のガイドアセンブリの両方において使用される同一部品が可能な限り多数、使用される。
【0008】
同一部品は、同じ製造ラインにおいてより多くの個数で製造することができ、これによりガイドアセンブリの製造コストは低減される。
【0009】
方法の好ましい実施形態によれば、第1のガイドレールおよび/または駆動装置は、可動の家具部分が1つだけの戸を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいるのかには関係なく、同じ第1のガイドレールおよび/または同じ駆動装置であることが想定されている。これにより、同一部品の数は増加する。
【0010】
可動の家具部分が1つだけの戸を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、第1のガイドレールの第2の長手方向面において、第1のガイドレールに対して相対的に可動の家具部分を終端位置に保持するための少なくとも1つの保持装置を家具壁に配置し、好適には、第1のガイドレールと少なくとも1つの保持装置とが、特に好適には形状接続的にかつ/または摺動可能に、互いに接続されていることが有利であることが実証された。これにより、可動の家具部分をガイドアセンブリによって、第1のガイドレールに対して相対的に、規定された終端位置へと移動させることができ、これにより家具部分の誤操作により生じる損傷の危険が減じられる。
【0011】
代替的にまたは補足的に、さらなる方法ステップで、可動の家具部分をガイドするための第3のガイドレールを、第1のガイドレールに対して間隔を置いて家具壁に配置し、好適にはこの場合、第3のガイドレールは、可動の家具部分が1つだけの戸を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいるのかには関係なく、同じ第3のガイドレールであることが想定されてよい。これにより、可動の家具部分を、ガイドアセンブリによって特に安定的に家具壁においてガイドすることができる。
【0012】
ガイドアセンブリによってガイドすべき可動の家具部分の特に調和のとれた運動は、さらなる方法ステップで、好適には第1のガイドレールに対して相対的に終端位置へ向かう、可動の家具部分の運動を減衰するための少なくとも1つの減衰装置を、第1のガイドレールに対して間隔を置いて家具壁に配置し、好適にはこの場合、減衰装置は、可動の家具部分が1つだけの戸を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいるのかには関係なく、同じ減衰装置であることにより実現される。
【0013】
好ましくは、さらなる方法ステップで、可動の家具部分を枢着的に支持するための少なくとも1つの支持体を、設けられたガイドレールに摺動可能に支持させ、好適にはこの場合、支持体は、可動の家具部分が1つだけの戸を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいるのかには関係なく、同じ支持体である。これにより、まずは設けられたガイドレールに支持体を組み付けることができ、次いで可動の家具部分をさらに支持体に接続するだけでよいので、組付けは簡単になる。
【0014】
この関連で、少なくとも1つの支持体には、少なくとも1つの支持体、または支持体に配置された可動の家具部分の、傾倒軸線を中心とした傾倒モーメントを、戻しモーメントによって補償するための少なくとも1つの補償装置が配置されていて、さらなる方法ステップで、少なくとも1つの補償装置を、家具壁に、好適には家具壁に配置された少なくとも1つの駆動装置に接続することが有利であることが実証された。これにより、ガイドアセンブリによってガイドすべき可動の家具部分の傾倒の危険を減じることができる。
【0015】
特許権保護は、家具を組み付ける方法であって、家具は、少なくとも1つの不動の家具部分と、1つだけの戸または互いに枢着された少なくとも2つの戸を含む少なくとも1つの可動の家具部分と、可動の家具部分用の少なくとも1つのガイドアセンブリとを備えており、この場合、まず、本発明による方法によって、少なくとも1つのガイドアセンブリを、少なくとも1つの不動の家具部分の家具壁に組み付け、次いで可動の家具部分を、少なくとも第1のガイドレールに摺動可能に支持させ、好適には間接的に少なくとも1つの支持体を介して支持させる方法に対しても求められる。
【0016】
有利な実施形態では、可動の家具部分が、互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、少なくとも2つの戸を、少なくとも2つの戸ヒンジを介して互いに枢着させることが想定されている。
【0017】
代替的にまたは補足的に、可動の家具部分が、互いに枢着された少なくとも2つの戸を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、第1のガイドレールに対して横方向の少なくとも1つの横方向ガイドレールを、少なくとも1つの不動の家具部分に配置し、可動の家具部分の少なくとも2つの戸のうちの1つを、少なくとも1つの走行キャリッジを介して、少なくとも1つの横方向ガイドレールに接続することが想定されていてよい。これにより、可動の家具部分を、ガイドアセンブリによって各位置で確実にガイドすることができる。
【0018】
この関連で、少なくとも1つの横方向ガイドレールを、さらなる方法ステップで、少なくとも所定の領域で少なくとも1つの前板部材によって覆うことが有利であることが実証された。これにより、組み立てるべき家具の有利な美しい外観を達成することができる。
【0019】
本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき図面を参照しながら以下により詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】1つだけの戸を含む可動の家具部分と、互いに枢着された2つの戸を含む可動の家具部分とを有した家具を概略的に示す斜視図である。
【
図2】互いに枢着された2つの戸を含む可動の家具部分を有した家具を概略的に示す斜視図である。
【
図3】互いに枢着された少なくとも2つの戸を含む可動の家具部分を有した家具の不動の家具部分の家具壁を概略的に示す斜視図である。
【
図4】第1のガイドレールと第3のガイドレールとを備えた、
図3による家具壁を示す図である。
【
図5】付加的に第2のガイドレールを備えた、
図4による家具壁を示す図である。
【
図6a)】付加的に駆動装置と減衰装置とを備えた、
図5の家具壁を概略的に示す斜視図である。
【
図6b)】付加的に駆動装置と減衰装置とを備えた、
図5の家具壁を概略的に示す後方から見た側面図であり、さらに付加的に、第1および第2のガイドレールに摺動可能に支持された支持体を示す図である。
【
図7】付加的に支持体を備えた、
図6a)に示した家具壁を示す図である。
【
図8】
図7に示した家具壁を、支持体に配置された補償装置が駆動装置に接続されている状態で示す図である。
【
図9】1つだけの戸を含む可動の家具部分を有した家具の不動の家具部分の家具壁を概略的に示す斜視図である。
【
図10】第1のガイドレールを備えた、
図9の家具壁を示す図である。
【
図11a)】付加的に駆動装置を備えた、
図10の家具壁を概略的に示す斜視図である。
【
図11b)】付加的に駆動装置を備えた、
図10の家具壁を概略的に示す後方から見た側面図である。
【
図12a)】付加的に減衰装置と、第3のガイドレールと、保持装置とを備えた、
図11a)の家具壁を示す図である。
【
図12b)】駆動装置が保持エレメントを介して家具壁に取り付けられた状態で示す、
図11b)の拡大図である。
【
図13】付加的に支持体を備えた、
図12a)に示した家具壁を示す図である。
【
図14a)】1つだけの戸を含む可動の家具部分を保持するための保持装置を、保持位置で概略的に示す斜視図である。
【
図14b)】1つだけの戸を含む可動の家具部分を保持するための保持装置を、解除位置で概略的に示す斜視図である。
【0021】
図1は家具24を示しており、この家具は、1つだけの戸4を含む可動の家具部分2と、互いに枢着された2つの戸5,6を含む可動の家具部分3とを有している。可動の家具部分2,3によってそれぞれ1つの内室49を遮蔽することができ、この内室内には例えばキッチン機器および/またはキッチン家具を配置することができる。このようにして隠すことができるキッチンを実現することができる。
【0022】
内室は、
図1に示されているものとは異なり、可動の家具部分3によって第1の側から、かつ可動の家具部分2によって第2の側から遮蔽可能な1つの共通の内室49であってもよい。
【0023】
家具24は、家具24の奥行き方向22に延在している、好ましくはシャフト状に形成された中空室28を有していて、この中空室内には、可動の家具部分2,3が配置可能である。
【0024】
可動の家具部分2,3を中空室28内でガイドするために、不動の家具部分8の家具壁7に配置されたそれぞれ1つのガイドアセンブリ1が組み付けられている。
【0025】
図2は家具24を示しており、この家具は、互いに枢着された2つの戸5,6を含む可動の家具部分3を有している。戸5,6は、戸ヒンジ25を介して互いに枢着されている。
【0026】
家具24の天板29には、横方向ガイドレール26が配置されていて、この場合、可動の家具部分3の2つの戸5,6のうちの1つの戸は、走行キャリッジ50を介して横方向ガイドレール26に摺動可能に支持されている(
図1も参照)。横方向ガイドレール26は、所定の領域で前板部材27によって覆われている。
【0027】
図1および
図2に示した家具24の他に、1つだけの戸4を含む1つだけの可動の家具部分2を有している家具24、または2つ以上の可動の家具部分2および/または2つ以上の可動の家具部分3を有する家具24も考えられる。
【0028】
本発明の対象は、第1の態様によれば、1つだけの戸4または互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含む可動の家具部分2,3用のガイドアセンブリ1を、不動の家具部分8の家具壁7に組み付ける方法であって、該方法は、好ましくは記載された順序の時系列の、以下の方法ステップ、すなわち、
-可動の家具部分2,3をガイドするための第1のガイドレール9を家具壁7に配置するステップ、
-第1のガイドレール9の第1の長手方向面10において、可動の家具部分2,3の運動に影響を与える少なくとも1つの駆動装置11を家具壁7に配置し、好適にはこの場合、第1のガイドレール9と少なくとも1つの駆動装置11とは、特に好適には形状接続的に、互いに接続されているステップ、
-可動の家具部分3が、互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含んでいる場合には、第1のガイドレール9の第2の長手方向面12において、可動の家具部分3をガイドするための第2のガイドレール13を家具壁7に配置し、好適にはこの場合、第1のガイドレール9と第2のガイドレール13とは、特に好適には形状接続的にかつ/または摺動可能に互いに接続されているステップ、
を有している方法である。
【0029】
図3~
図8につき、以下に、互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含む可動の家具部分3用のガイドアセンブリ1を、不動の家具部分8の家具壁7に組み付けるこのような方法の好適な実施例を説明する。次いで、
図9~
図14b)につき、1つだけの戸4を含む可動の家具部分2用のガイドアセンブリ1を、不動の家具部分8の家具壁7に組み付ける方法の好適な実施例を説明する。
【0030】
図3は、家具24の不動の家具部分8の家具壁7を示しており、この場合、この家具壁7には、互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含む可動の家具部分3用のガイドアセンブリが組み付けられるべきである。家具壁7には孔30が配置されている。さらに、家具壁7は切欠き51を有している。
【0031】
図4は、
図3の家具壁7を示しており、この場合、第1のガイドレール9と第3のガイドレール16とが家具壁7に配置されている。
【0032】
第3のガイドレール16は、第1のガイドレール9に対して間隔15を置いて配置されている。
【0033】
第1のガイドレール9は調節装置31を有しており、この調節装置によって、第1のガイドレール9の長手方向面12に配置される第2のガイドレール13(
図5参照)は、家具壁7の奥行き方向22で調節可能である。
【0034】
図5は、付加的に第2のガイドレール13を有している
図4による家具壁7を示しており、この場合、第2のガイドレール13は、第1のガイドレール9の長手方向面12において家具壁7に配置されている。
【0035】
第1のガイドレール9と第2のガイドレール13とは、互いに形状接続的にかつ摺動可能に結合されている(
図6b)も参照)。
【0036】
図6a)および
図6b)は、
図5に示した家具壁7を、付加的に駆動装置11と減衰装置18と共に示していて、
図6b)には付加的に、第1のガイドレール9および第2のガイドレール16に摺動可能に支持された支持体19が示されている。
【0037】
可動の家具部分3の運動に影響を与えるための駆動装置11は、第1のガイドレール9の長手方向面10(
図5参照)に配置されていて、この場合、第1のガイドレール9と駆動装置11とは、互いに形状接続的に結合されている(
図6b)参照)。
【0038】
駆動装置11の種々様々な実施形態が可能である。駆動装置11は、可動の家具部分3を加速させ、制動させ、かつ/または均一に運動させるように形成されていてよい。この場合、家具壁7によって形成された中空室28の外側における可動の家具部分3の配置(
図1参照)と、家具壁7によって形成された中空室28の内側における終端位置での可動の家具部分3の配置との間の経路全体において運動に影響を与えることができる。代替的に、この経路の1つのまたは複数の部分区分のみ
において運動に影響を与えることもできる。
【0039】
具体的に図示すると、駆動装置11は、可動の家具部分3を家具壁7に対して相対的に可動の家具部分3の終端位置から押し出すためのエジェクタ装置33を有している。さらに、第1の終端位置から第2の終端位置へと、第1のガイドレール9に沿って可動の家具部分3を移動させることができるワイヤケーブル34が設けられている。エジェクタ装置33およびワイヤケーブル34の力作用は、可動の家具部分3が、使用者による力の支援なしに、第1の終端位置から第2の終端位置へと移動可能であるように重畳されている。逆方向への移動の際に、エジェクタ装置33とワイヤケーブル34とは再び負荷される。
【0040】
駆動装置11の端部側の領域にはホルダ35が配置されている。このホルダ35の機能は、
図8に関連して説明する。
【0041】
可動の家具部分3の運動を減衰するための減衰装置18が、第1のガイドレール9に対して間隔17を置いて家具壁7に配置されている。
【0042】
具体的には、第1のガイドレール9に対して相対的な、終端位置への可動の家具部分3の運動が減衰可能であるように、減衰装置18が家具壁7に配置されている。
【0043】
図6a)の拡大された部分図から明らかであるように、第2のガイドレール13は、一方では第1のガイドレール9に形状接続的に取り付けられており、かつ他方では保持エレメント32を介して家具壁7に取り付けられている。この取付けによって、調節装置31(
図4参照)を用いて、第2のガイドレール13を第1のガイドレール9に対して相対的に摺動させることができる。
【0044】
同様に、駆動装置11の取付けは、一方では第1のガイドレール9において、他方では保持エレメント32を介して家具壁7において行われてよいが、駆動装置11と第1のガイドレール9との相対的な摺動可能性はない。
【0045】
図6b)から明らかであるように、支持体19は、ガイド装置36を介して第1のガイドレール9に接続されている。ガイド装置36は、支持体19と、この支持体19に接続されたまたは接続可能な可動の家具部分3との重量を、鉛直方向52で支持することができる支持ローラ37と、支持体19を水平方向53で支持することができる支持ローラ38とを有している。
【0046】
図7は、
図6a)による家具壁7を、付加的に支持体19と共に示している。
【0047】
可動の家具部分3を枢着的に支持するための支持体19は、設けられたガイドレール9,13,16に摺動可能に支持されている。支持体19には、少なくとも1つの支持体19、またはこの支持体に配置された可動の家具部分3の、傾倒軸線を中心とした傾倒モーメント21を、戻しモーメント23によって補償するための補償装置20が配置されている。
【0048】
図8では、補償装置20が、駆動装置11に、具体的には駆動装置11のホルダ35に接続されている。
【0049】
補償装置20の種々様々な実施形態が可能である。具体的に図示した例では、補償装置20はY字形に形成されたシザー機構39と、Z字形に延在する引張りロープを備えたロープ装置40とを含む。
【0050】
家具壁7にガイドアセンブリ1を組み付ける際の時間的順序は、以下の通りに規定することができる。すなわち、
1.家具壁7を準備する
2.第1のガイドレール9を、家具壁7に配置する
3.第3のガイドレール16を、家具壁7に配置する
4.第2のガイドレール13を、家具壁7に配置する
5.駆動装置11を、家具壁7に配置する
6.減衰装置18を、家具壁7に配置する
7.支持体19を、ガイドレール9,16,13に摺動可能に支持させる
8.補償装置20を、家具壁7および/または駆動装置11に接続する。
【0051】
図9~
図14b)により示されている、1つだけの戸4を含む可動の家具部分2用のガイドアセンブリ1を組み付ける方法の好適な実施例は、
図3~
図8に示された、互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含む可動の家具部分3用のガイドアセンブリ1を組み付ける方法の好適な実施例と実質的に同様に進行する。
【0052】
比較すればわかるように、この場合、同部分を使用することができる。すなわち、同部分とは、可動の家具部分2,3が1つだけの戸4を含んでいるのか、または互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含んでいるのかには関係なく、同じ第1のガイドレール9と、同じ駆動装置11と、同じ減衰装置18と、同じ支持体19とである。
【0053】
両実施例の相違点は、さらなる方法ステップで、第1のガイドレール9の第2の長手方向面12において(第2のガイドレール13の代わりに)、第1のガイドレール9に対して相対的に可動の家具部分2を終端位置に保持するための少なくとも1つの保持装置14を家具壁7に配置し、好適には、第1のガイドレール9と少なくとも1つの保持装置14とが、特に好適には形状接続的にかつ/または摺動可能に、互いに接続されていることにある。
【0054】
保持装置14も同じく調節装置31を介して、家具壁7の奥行き方向22で第1のガイドレール9に対して相対的に調節可能であってよい。
【0055】
保持装置14の様々な実施形態が可能である。1つの好適な実施形態が、
図14a)および
図14b)に示されており、この場合、
図14a)は保持位置を示し、
図14b)は解除位置を示す。
【0056】
保持装置14は、旋回レバー機構42を含んでいて、この旋回レバー機構は、回動軸47を中心として基体48に回動可能に支持された旋回レバー44を有している。旋回レバー44は、ばね装置43を介して、
図14a)および
図14b)に示された両終端位置に押し付けられる。これらの位置の間には、死点位置が形成されている。旋回レバー44が、
図14a)に示した終端位置において当接するストッパ41が設けられている。
【0057】
旋回レバー44は収容部45を有しており、この収容部内には、可動の家具部分2に連動するように結合された、または結合可能であるピン等が導入可能である。
図14a)に示した終端位置において、ピン、ひいては可動の家具部分2は、ばね付勢された旋回レバー44によって保持される。使用者が可動の家具部分2をこの終端位置から移動させたい場合には、使用者は、ばね装置43のばね力を克服しなければならない。このとき旋回レバー44は、死点位置を越えて、
図14b)に示された終端位置へと運動させられる。この場合、ピン、ひいては可動の家具部分2は解放される。
【0058】
基体48には、調節装置31に係合しているまたは係合可能である連結要素46が設けられており、これによって基体48、ひいては保持装置14全体は、第1のガイドレール9に対して相対的に摺動可能である。
【0059】
さらに付言すると、支持体19に配置された補償装置20が、
図3~
図8に示した好適な実施例の場合と同様に、さらに
図13を起点として、家具壁7または駆動装置11に接続される(
図8に類似)。
【0060】
ガイドアセンブリ1を組み付ける方法は、例えば
図1または
図2に示した家具24を組み付けることができる、家具24を組み付ける方法に含まれてよい。
【0061】
具体的にはこの方法は、家具24を組み付ける方法であって、この家具は、少なくとも1つの不動の家具部分8と、1つだけの戸4または互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含む少なくとも1つの可動の家具部分2,3と、可動の家具部分2,3用の少なくとも1つのガイドアセンブリ1とを備えており、この場合、まず、本発明の方法によって、少なくとも1つのガイドアセンブリを、少なくとも1つの不動の家具部分8の家具壁7に実現し、次いで可動の家具部分2,3を、少なくとも第1のガイドレール9に摺動可能に支持させ、好適には間接的に少なくとも1つの支持体19を介して支持させる方法である。
【0062】
可動の家具部分3が、互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、少なくとも2つの戸5,6が、少なくとも2つの戸ヒンジ25を介して互いに枢着される(
図2参照)。
【0063】
可動の家具部分3が、互いに枢着された少なくとも2つの戸5,6を含んでいる場合には、さらなる方法ステップで、第1のガイドレール9に対して横方向の少なくとも1つの横方向ガイドレール26を、少なくとも1つの不動の家具部分8に配置し、可動の家具部分3の少なくとも2つの戸5,6のうちの1つを、少なくとも1つの走行キャリッジ50を介して少なくとも1つの横方向ガイドレール26に接続させる(
図2参照)。
【0064】
少なくとも1つの横方向ガイドレール26は、さらなる方法ステップで、少なくとも所定の領域で、少なくとも1つの前板部材27によって覆われる。