(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 405/12 20060101AFI20240426BHJP
A61K 31/255 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20240426BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20240426BHJP
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A61K 39/395 20060101ALI20240426BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240426BHJP
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A61P 31/12 20060101ALI20240426BHJP
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A61P 35/04 20060101ALI20240426BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240426BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20240426BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20240426BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20240426BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20240426BHJP
C07D 487/10 20060101ALI20240426BHJP
C07D 491/052 20060101ALI20240426BHJP
C07D 513/04 20060101ALI20240426BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20240426BHJP
C12Q 1/02 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
C07D405/12 CSP
A61K31/255
A61K31/4164
A61K31/4188
A61K31/437
A61K31/4375
A61K31/4427
A61K31/443
A61K31/4433
A61K31/4439
A61K31/444
A61K31/4545
A61K31/4709
A61K31/4725
A61K31/496
A61K31/497
A61K31/4985
A61K31/501
A61K31/502
A61K31/5025
A61K31/506
A61K31/513
A61K31/517
A61K31/519
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A61K31/537
A61K31/5377
A61K31/5383
A61K31/55
A61K31/662
A61K31/663
A61K33/243
A61K38/43
A61K39/395 L
A61K39/395 T
A61K45/00
A61K47/68
A61P31/12
A61P31/14
A61P31/20
A61P31/22
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07D405/14
C07D413/14
C07D471/04 106H
C07D471/04 112
C07D487/04 141
C07D487/10
C07D491/052
C07D513/04
C07D519/00 301
C07D519/00 311
C12Q1/02
(21)【出願番号】P 2022546434
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 US2021015943
(87)【国際公開番号】W WO2021155320
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520281789
【氏名又は名称】フォグホーン セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】FOGHORN THERAPEUTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ケビン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シラー,ショーン イー アール
(72)【発明者】
【氏名】ネグレッティ,ソリマール
【審査官】藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504904(JP,A)
【文献】国際公開第2017/087608(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/075083(WO,A1)
【文献】特表2022-542323(JP,A)
【文献】特表2021-512166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 405/12
A61K 31/255
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A61P 31/20
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A61P 35/00
A61P 35/02
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C07D 405/14
C07D 413/14
C07D 471/04
C07D 487/04
C07D 487/10
C07D 491/052
C07D 513/04
C07D 519/00
C12Q 1/02
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造
【化1】
を有する化合物であって、式中、
Aが、
【化2】
であり、
mが、0、1、2、または3であり、
nが、1または2であり、
oが、0または1であり、
Xが、O、CH
2、またはNR
7であり、
X’が、N、CH、またはCR
Xであり、R
Xが、ハロゲンであり、
Bが、任意に置換された6員の単環式ヘテロアリーレン、または任意に置換された9員もしくは10員の二環式ヘテロアリーレンであり、
Lが、共有結合、任意に置換されたC
1-C
3アルキレン、C
2アルキニレン、任意に置換されたC
2アルケニレン、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレン、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレン、または任意に置換された4~10員のヘテロシクリレンであり、
Cが、任意に置換された3~10員のシクロアルキル、任意に置換された6~10員のアリール、任意に置換された5~10員のヘテロアリール、または任意に置換された5~10員のヘテロシクリルであり、
R
1及びR
7が、独立して、水素、または任意に置換されたC
1-C
6アルキルであり、
各R
2及びR
3が、独立して、水素、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、または任意に置換されたC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
R
4が、シアノ、フルオロ、ヒドロキシ、または-CH
2OHであり、
R
5が、1、2、3、4、5、6、または7個のフルオロ基で任意に置換されたC
1-C
3アルキルであり、
R
6が、1、2、3、4、5、6、または7個のフルオロ基で任意に置換されたC
1-C
3アルキルである、化合物
もしくはその同位体標識された化合物、
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
1が、水素である、請求項1に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
mが、1である、請求項1または2に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
3が、水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
2が、水素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R
2が、任意に置換されたC
1-C
6アルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R
2が、任意に置換されたC
1-C
6ヘテロアルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Aが、
【化3】
である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R
5が、メチルまたは-CHF
2である、請求項8に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Xが、Oである、請求項8または9に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R
4が、シアノである、請求項8~10のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
Aが、
【化4】
である、請求項8に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Cが、任意に置換された3~10員のシクロアルキルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
Cが、任意に置換された6~10員のアリールである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Cが、フェニル、3-ジフルオロメチル-フェニル、4-ジフルオロメチルフェニル、2-メトキシ-フェニル、3-メトキシ-フェニル、4-メトキシ-フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3-ジフルオロメチルフェニル、2-メトキシ-5-メチル-フェニル、2-メトキシ-4-クロロ-フェニル、3-シアノ-フェニル、3-フルオロ-5-メトキシ-フェニル、3-フルオロ-5-アジチジニル-フェニル、3-アゼチジル-フェニル、4-アゼチジル-2-メトキシ-フェニル、4-モルホリン-4-イル-2-メトキシ-フェニル、4-tert-ブチル-2-メトキシ-フェニル、4-アゼチジル-フェニル、2-メトキシ-4-オキセタン-3-イル-フェニル、2-アゼチジン-2-オン-1-イル-フェニル、3-(3-ジフルオロメチルオキセタン-3-イル)-フェニル、3-(3-メトキシオキセタン-3-イル)-フェニル、3-(N-メチル-N-アセトアミド)-フェニル、3-シクロプロピルフェニル、3-(N-メチルアゼチジン-3-イル)-フェニル、3-(N-メチル-N’-ピペラジニル)-フェニル、3-フルオロ-5-アゼチジル-フェニル、3-メチルエステル-フェニル、
【化5】
である、請求項14に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
Cが、任意に置換された5~10員のヘテロアリールである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
Cが、
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
【化6-4】
である、請求項16に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Cが、
【化7】
である、請求項16に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
Cが、任意に置換された5~10員のヘテロシクリルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
Cが、
【化8】
またはN-ピロリジニルである、請求項19に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
Cが、
【化9】
である、請求項19に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
Bが、任意に置換された6員の単環式ヘテロアリーレンである、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
Bが、以下の構造
【化10】
を有し、
式中、R
aが、水素またはフルオロであり、
R
bが、水素、フルオロ、またはC
1-C
3アルキルであり、
X
aが、NまたはCHである、請求項22に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
Bが、
【化11】
である、請求項23に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
Bが、任意に置換された9員または10員の二環式ヘテロアリーレンである、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
Bが、以下の構造
【化12】
を有し、
式中、Dが、任意に置換された5員もしくは6員のヘテロアリール、または任意に置換された5員もしくは6員のヘテロシクリルである、請求項25に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
Bが、
【化13】
である、請求項26に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
Lが、任意に置換されたC
1-C
3アルキレンである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
Lが、任意に置換されたC
2アルケニレンである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
Lが、
【化14】
である、請求項29に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
Lが、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレンである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
Lが、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレンである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
Lが、
【化15】
である、請求項32に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
Lが、任意に置換された4~10員のヘテロシクリレンである、請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
Lが、
【化16】
である、請求項34に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物
もしくはその同位体標識された化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
【請求項37】
がんの治療を必要とする対象におけるがんを治療するための、請求項36に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
前記がんが、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膀胱がん、原発不明がん、神経膠腫、乳がん、黒色腫、非黒色腫皮膚がん、子宮内膜がん、食道胃がん、膵臓がん、肝胆道がん、軟部組織肉腫、卵巣がん、頭頸部がん、腎細胞がん、骨がん、非ホジキンリンパ腫、小細胞肺がん、前立腺がん、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、子宮頸がん、甲状腺がん、唾液腺がん、消化管神経内分泌腫瘍、子宮肉腫、消化管間質腫瘍、CNSがん、胸腺腫瘍、副腎皮質がん、虫垂がん、小腸がん、または陰茎がんである、請求項37に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
前記がんが、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膀胱がん、原発不明がん、神経膠腫、乳がん、黒色腫、非黒色腫皮膚がん、子宮内膜がん、軟部組織肉腫、または陰茎がんである、請求項38に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
前記がんが、非小細胞肺がんである、請求項39に記載の薬学的組成物。
【請求項41】
前記がんが、軟部組織肉腫である、請求項39に記載の薬学的組成物。
【請求項42】
前記がんが、黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液がんである、請求項37に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
前記黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液がんが、転移性である、請求項42に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
本発明は、BRG1またはBRM関連因子(BAF)複合体を調節するのに有用な化合物に関する。特に、本発明は、BAF複合体機能に関連する障害の治療に有用な化合物に関する。
【0003】
クロマチン調節は、遺伝子発現に不可欠であり、ATP依存性クロマチンリモデリングは、かかる遺伝子発現が生じる機序である。ヒトスイッチ/スクロース非発酵性(SWI/SNF)クロマチンリモデリング複合体は、BAF複合体としても知られており、BRG1(Brahma関連遺伝子-1)及びBRM(Brahma)として知られている2つのSWI2様ATPアーゼを有する。転写活性化因子BRG1は、ATP依存性クロマチンリモデラーSMARCA4としても知られ、19番染色体上のSMARCA4遺伝子によってコードされる。BRG1は、一部のがん腫瘍で過剰発現され、がん細胞の増殖に必要である。BRMは、可能性の高いグローバル転写活性化因子SNF2L2及び/またはATP依存性クロマチンリモデラーSMARCA2としても知られており、9番染色体上のSMARCA2遺伝子によってコードされ、BRG1の機能喪失変異を特徴とする細胞における腫瘍細胞の増殖に不可欠であることが示されている。BRG及び/またはBRMの脱活性化は、細胞周期停止及び腫瘍抑制を含む、細胞における下流効果をもたらす。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、BAF複合体を調節するのに有用な化合物を特徴とする。いくつかの実施形態において、化合物は、BAF複合体の変化に関連する障害、例えば、BRG1及びBRMタンパク質の一方または両方の変化に関連する障害の治療に有用である。本発明の化合物は、単独で、または他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて、そのような障害を治療するために使用することができる。
【0005】
一態様では、本発明は、以下の構造を有する化合物であって、
【化1】
式中、
Aが、
【化2】
であり、
mが、0、1、2、または3であり、
nが、1または2であり、
oが、0または1であり、
Xが、O、CH
2、またはNR
7であり、
X’が、N、CH、またはCR
Xであり、R
Xが、ハロゲンであり、
Bが、任意に置換された6員の単環式ヘテロアリーレン、または任意に置換された9員もしくは10員の二環式ヘテロアリーレンであり、
Lが、共有結合、任意に置換されたC
1-C
3アルキレン、C
2アルキニレン、任意に置換されたC
2アルケニレン、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレン、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレン、または任意に置換された4~10員のヘテロシクリレンであり、
Cが、任意に置換された3~10員のシクロアルキル、任意に置換された6~10員のアリール、任意に置換された5~10員のヘテロアリール、または任意に置換された5~10員のヘテロシクリルであり、
R
1及びR
7が、独立して、水素、または任意に置換されたC
1-C
6アルキルであり、
各R
2及びR
3が、独立して、水素、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、または任意に置換されたC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
R
4が、シアノ、フルオロ、ヒドロキシ、または-CH
2OHであり、
R
5が、1、2、3、4、5、6、または7個のフルオロ基で任意に置換されたC
1-C
3アルキルであり、
R
6が、1、2、3、4、5、6、または7個のフルオロ基で任意に置換されたC
1-C
3アルキルである、化合物、
またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0006】
いくつかの実施形態において、R1は、水素である。いくつかの実施形態において、mは、1である。いくつかの実施形態において、R3は、水素である。いくつかの実施形態において、R2は、水素である。いくつかの実施形態において、R2は、任意に置換されたC1-C6アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、R2は、任意に置換されたC1-C6ヘテロアルキル(例えば、-CH2OCH3)である。
【0007】
いくつかの実施形態において、Aは、
【化3】
である。いくつかの実施形態において、R
6は、-CHF
2である。
【0008】
いくつかの実施形態において、Aは、
【化4】
である。いくつかの実施形態において、R
5は、メチルまたは-CHF
2である。いくつかの実施形態において、Xは、Oである。いくつかの他の実施形態において、Xは、CH
2である。いくつかの実施形態において、Xは、NR
7である。いくつかの実施形態において、X’は、Nである。いくつかの実施形態において、X’は、CHである。いくつかの実施形態において、X’は、CR
Xである(例えば、R
Xは、フルオロである)。いくつかの実施形態において、R
7は、水素である。いくつかの実施形態において、R
7は、メチルである。いくつかの実施形態において、oは、0である。いくつかの実施形態において、oは、1である。いくつかの実施形態において、nは、1である。いくつかの実施形態において、nは、2である。いくつかの実施形態において、R
4は、シアノである。いくつかの実施形態において、R
4は、フルオロである。いくつかの実施形態において、R
4は、ヒドロキシである。いくつかの実施形態において、R
4は、-CH
2OHである。いくつかの実施形態において、Aは、
【化5】
である。
【0009】
いくつかの実施形態において、Cは、任意に置換された3~10員のシクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
【0010】
いくつかの実施形態において、Cは、任意に置換された6~10員のアリール(例えば、フェニル、3-ジフルオロメチル-フェニル、4-ジフルオロメチルフェニル、2-メトキシ-フェニル、3-メトキシ-フェニル、4-メトキシ-フェニル、3,5-ジフルオロフェニル、3-ジフルオロメチルフェニル、2-メトキシ-5-メチル-フェニル、2-メトキシ-4-クロロ-フェニル、3-シアノ-フェニル、3-フルオロ-5-メトキシ-フェニル、3-フルオロ-5-アジチジニル-フェニル、3-アゼチジル-フェニル、4-アゼチジル-2-メトキシ-フェニル、4-モルホリン-4-イル-2-メトキシ-フェニル、4-tert-ブチル-2-メトキシ-フェニル、4-アゼチジル-フェニル、2-メトキシ-4-オキセタン-3-イル-フェニル、2-アゼチジン-2-オン-1-イル-フェニル、3-(3-ジフルオロメチルオキセタン-3-イル)-フェニル、3-(3-メトキシオキセタン-3-イル)-フェニル、3-(N-メチル-N-アセトアミド)-フェニル、3-シクロプロピルフェニル、3-(N-メチルアゼチジン-3-イル)-フェニル、3-(N-メチル-N’-ピペラジニル)-フェニル、3-フルオロ-5-アゼチジル-フェニル、3-メチルエステル-フェニル、
【化6】
である)。
【0011】
いくつかの実施形態において、Cは、任意に置換された5~10員のヘテロアリール
【化7-1】
【化7-2】
【化7-3】
【化7-4】
である。いくつかの実施形態において、Cは、
【化8】
である。
【0012】
いくつかの実施形態において、Cは、任意に置換された5~10員のヘテロシクリル
【化9】
である。いくつかの実施形態において、Cは、
【化10】
である。
【0013】
いくつかの実施形態において、Bは、任意に置換された6員の単環式ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Bは、以下の構造を有し、
【化11】
式中、R
aが、水素またはフルオロであり、
R
bが、水素、フルオロ、またはC
1-C
3アルキルであり、
X
aが、NまたはCHである。
【0014】
いくつかの実施形態において、R
aは、水素である。いくつかの実施形態において、R
aは、フルオロである。いくつかの実施形態において、R
bは、水素である。いくつかの実施形態において、R
bは、フルオロである。いくつかの実施形態において、C
1-C
3アルキル(例えば、メチル)。いくつかの実施形態において、X
aは、Nである。いくつかの実施形態において、X
aは、CHである。いくつかの実施形態において、Bは、
【化12】
である。いくつかの実施形態において、Bは、
【化13】
である。
【0015】
いくつかの実施形態において、Bは、任意に置換された9員または10員の二環式ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態において、Bは、以下の構造を有し、
【化14】
式中、Dは、任意に置換された5員もしくは6員のヘテロアリール、または任意に置換された5員もしくは6員のヘテロシクリル
【化15】
である。
【0016】
いくつかの実施形態において、Lは、任意に置換されたC
1-C
3アルキレン、C
2アルキニレン、任意に置換されたC
2アルケニレン、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレン、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレン、または任意に置換された4~10員のヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態において、Lは、共有結合であり、例えば、式Iの化合物は、式Iaの化合物、
【化16】
またはその薬学的に許容される塩であり、変数はすべて、本明細書に記載されているとおりである。
【0017】
いくつかの実施形態において、Lは、任意に置換されたC
1-C
3アルキレン(例えば、エチレン)である。いくつかの実施形態において、C
2アルキニレン。いくつかの実施形態において、Lは、任意に置換されたC
2アルケニレン
【化17】
である。いくつかの実施形態において、Lは、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレン
【化18】
である。いくつかの実施形態において、Lは、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレン
【化19】
である。いくつかの実施形態において、Lは、任意に置換された4~10員のヘテロシクリレン
【化20】
である。
【0018】
いくつかの実施形態において、化合物は、表1の化合物1~48のうちのいずれか1つである。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0019】
いくつかの実施形態において、化合物は、表2の化合物49~84のうちのいずれか1つである。
【表2-1】
【表2-2】
【0020】
いくつかの実施形態において、化合物は、表3の化合物85~126のうちのいずれか1つである。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0021】
いくつかの実施形態において、化合物は、表3aの化合物127~525のうちのいずれか1つである。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【表4-10】
【表4-11】
【表4-12】
【表4-13】
【表4-14】
【表4-15】
【表4-16】
【表4-17】
【表4-18】
【表4-19】
【表4-20】
【表4-21】
【表4-22】
【表4-23】
【表4-24】
【表4-25】
【表4-26】
【表4-27】
【表4-28】
【表4-29】
【表4-30】
【表4-31】
【表4-32】
【表4-33】
【表4-34】
【表4-35】
【表4-36】
【表4-37】
【表4-38】
【表4-39】
【0022】
別の態様では、本発明は、上記の化合物のうちのいずれか1つと、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0023】
別の態様では、本発明は、細胞内のBAF複合体の活性を低減させる方法であって、細胞を、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0024】
いくつかの実施形態において、細胞は、がん細胞である。
【0025】
別の態様では、本発明は、BAF複合体関連障害の治療を必要とする対象におけるBAF複合体関連障害を治療する方法であって、対象に、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0026】
いくつかの実施形態において、BAF複合体関連障害は、がんである。
【0027】
さらなる態様では、本発明は、BRMを阻害する方法であって、細胞を、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、細胞は、がん細胞である。
【0028】
別の態様では、本発明は、BRG1を阻害する方法であって、細胞を、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、細胞は、がん細胞である。
【0029】
さらなる態様では、本発明は、BRM及びBRG1を阻害する方法であって、細胞を、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、細胞は、がん細胞である。
【0030】
別の態様では、本発明は、BRG1の機能喪失変異に関連する障害の治療を必要とする対象におけるBRG1の機能喪失変異に関連する障害を治療する方法であって、対象に、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0031】
いくつかの実施形態において、BRG1の機能喪失変異に関連する障害は、がんである。他の実施形態において、対象は、BRG1の機能喪失変異障害を有すると決定され、例えば、BRG1の機能喪失がんを有すると決定される(例えば、がんは、BRG1の機能喪失を伴うがん細胞を含むと決定された)。
【0032】
別の態様では、本発明は、細胞にアポトーシスを誘導する方法であって、細胞を、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、細胞は、がん細胞である。
【0033】
さらなる態様では、本発明は、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、対象に、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0034】
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膀胱がん、原発不明がん、神経膠腫、乳がん、黒色腫、非黒色腫皮膚がん、子宮内膜がん、食道胃がん、膵臓がん、肝胆道がん、軟部組織肉腫、卵巣がん、頭頸部がん、腎細胞がん、骨がん、非ホジキンリンパ腫、小細胞肺がん、前立腺がん、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、子宮頸がん、甲状腺がん、唾液腺がん、消化管神経内分泌腫瘍、子宮肉腫、消化管間質腫瘍、CNSがん、胸腺腫瘍、副腎皮質がん、虫垂がん、小腸がん、または陰茎がんである。
【0035】
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膀胱がん、原発不明がん、神経膠腫、乳がん、黒色腫、非黒色腫皮膚がん、子宮内膜がん、軟部組織肉腫、または陰茎がんである。
【0036】
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、薬剤耐性がんであるか、またはこれまでの治療剤(例えば、ベムラフェニブ、ダカルバジン、CTLA4阻害剤、PD1阻害剤、インターフェロン治療剤、BRAF阻害剤、MEK阻害剤、放射線療法、テモゾリミド、イリノテカン、CAR-T療法、ハーセプチン、パージェタ、タモキシフェン、ゼローダ、ドセタキソール、カルボプラチンなどのプラチナ製剤、パクリタキセル及びドセタキセルなどのタキサン、ALK阻害剤、MET阻害剤、アリムタ、アブラキサン、アドリアマイシン(登録商標)、ゲムシタビン、アバスチン、ハラベン、ネラチニブ、PARP阻害剤、ARN810、mTOR阻害剤、トポテカン、ゲムザール、VEGFR2阻害剤、葉酸受容体拮抗薬、デムシズマブ、フォスブレタブリン、もしくはPDL1阻害剤)に応答しなかった。
【0037】
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、BRG1変異を有するか、またはそれを有することが決定されている。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、BRG1突然変異は、ホモ接合性である。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、上皮成長因子受容体(EGFR)変異を有さないか、またはそれを有さないと決定されている。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)ドライバー変異を有さないか、またはそれを有さないと決定されている。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、がんは、KRAS変異を有するか、またはそれを有することが決定されている。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、BRG1変異は、タンパク質のATPアーゼ触媒ドメインにある。前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、BRG1突然変異は、BRG1のC末端での欠失である。
【0038】
別の態様では、本開示は、BAF関連障害の治療を必要とする対象におけるBAF関連障害(例えば、がんまたはウイルス感染症)を治療する方法を提供する。この方法は、細胞を、有効量の、前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的に許容される塩または前述の薬学的組成物のうちのいずれかを接触させることを含む。いくつかの実施形態において、障害は、レンチウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びデルタレトロウイルス(例えば、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I))、ヒトT細胞白血病ウイルスII型(HTLV-II))などのRetroviridae科、Hepadnaviridae科(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV))、Flaviviridae科(例えば、C型肝炎ウイルス(HCV))、Adenoviridae科(例えば、ヒトアデノウイルス)、Herpesviridae科(例えば、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、エプスタインバーウイルス、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヘルペスウイルスK*、CMV、水痘帯状疱疹ウイルス)、Papillomaviridae科(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV、HPV E1))、Parvoviridae科(例えば、パルボウイルスB19)、Polyomaviridae科(例えば、JCウイルス及びBKウイルス)、Paramyxoviridae科(例えば、麻疹ウイルス)、Togaviridae科(例えば、風疹ウイルス)のウイルスによる感染症であるウイルス感染症である。いくつかの実施形態において、障害は、コフィン・シリス、神経線維腫症(例えば、NF-1、NF-2、もしくは神経鞘腫)、または多発性髄膜腫である。
【0039】
別の態様では、本開示は、ウイルス感染症の治療を必要とする対象におけるウイルス感染症を治療するための方法を提供する。この方法は、対象に、有効量の、前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的に許容される塩または前述の薬学的組成物のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態において、ウイルス感染症は、レンチウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びデルタレトロウイルス(例えば、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I))、ヒトT細胞白血病ウイルスII型(HTLV-II))などのRetroviridae科、Hepadnaviridae科(例えば、B型肝炎ウイルス(HBV))、Flaviviridae科(例えば、C型肝炎ウイルス(HCV))、Adenoviridae科(例えば、ヒトアデノウイルス)、Herpesviridae科(例えば、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)、エプスタインバーウイルス、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、ヘルペスウイルスK*、CMV、水痘帯状疱疹ウイルス)、Papillomaviridae科(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPV、HPV E1))、Parvoviridae科(例えば、パルボウイルスB19)、Polyomaviridae科(例えば、JCウイルス及びBKウイルス)、Paramyxoviridae科(例えば、麻疹ウイルス)、またはTogaviridae科(例えば、風疹ウイルス)のウイルスによる感染症であるウイルス感染症である。
【0040】
別の態様では、本発明は、黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液がんの治療を必要とする対象における黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液がんを治療する方法であって、対象に、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0041】
別の態様では、本発明は、黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、血液がん、または食道がんの腫瘍成長の低減を必要とする対象における黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、血液がん、または食道がんの腫瘍成長を低減する方法であって、対象に、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0042】
別の態様では、本発明は、対象における黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液がんの転移進行を抑制する方法であって、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0043】
別の態様では、本発明は、対象における黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液がんの転移性コロニー形成を抑制する方法であって、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物を投与することを含む、方法を特徴とする。
【0044】
別の態様では、本発明は、黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、血液がん細胞、または食道がん細胞におけるBRG1及び/またはBRMのレベル及び/または活性を低減する方法であって、細胞を、有効量の前述の化合物のうちのいずれかまたはその薬学的組成物と接触させることを含む、方法を特徴とする。
【0045】
上記の態様のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、黒色腫、前立腺がん、乳がん、骨がん、腎細胞がん、または血液細胞は、対象内にある。
【0046】
上記の態様のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRG1のレベル及び/または活性を、少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)低減する。いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRG1のレベル及び/または活性を少なくとも50%(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)低減する。いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、BRG1のレベル及び/または活性を少なくとも90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)低減する。
【0047】
いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRG1のレベル及び/または活性を、少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)、少なくとも12時間(例えば、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間、30時間、36時間、48時間、72時間、またはそれ以上)低減する。いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRG1のレベル及び/または活性を、少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)、少なくとも4日間(例えば、5日、6日、7日、14日、28日、またはそれ以上)低減する。
【0048】
上記の態様のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRMのレベル及び/または活性を、少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)低減する。いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRMのレベル及び/または活性を少なくとも50%(例えば、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)低減する。いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、BRMのレベル及び/または活性を、少なくとも90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)低減する。
【0049】
いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRMのレベル及び/または活性を、少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)、少なくとも12時間(例えば、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、24時間、30時間、36時間、48時間、72時間、またはそれ以上)低減する。いくつかの実施形態において、有効量の化合物は、基準物質と比較して、BRMのレベル及び/または活性を、少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)、少なくとも4日間(例えば、5日、6日、7日、14日、28日、またはそれ以上)低減する。
【0050】
いくつかの実施形態において、対象は、がんを有する。いくつかの実施形態において、がんは、BRG1及び/またはBRMタンパク質を発現し、及び/または細胞または対象は、BRG1及び/またはBRMを発現していると同定されている。いくつかの実施形態において、がんは、BRG1タンパク質を発現し、及び/または細胞または対象は、BRG1を発現していると同定されている。いくつかの実施形態において、がんは、BRMタンパク質を発現し、及び/または細胞または対象は、BRMを発現していると同定されている。いくつかの実施形態において、がんは、黒色腫(例えば、ブドウ膜黒色腫、粘膜黒色腫、または皮膚黒色腫)である。いくつかの実施形態において、がんは、前立腺がんである。いくつかの実施形態において、がんは、血液がんであり、例えば、多発性骨髄腫、大細胞リンパ腫、急性T細胞白血病、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、免疫グロブリンAλ骨髄腫、びまん性混合型組織球性リンパ腫及びリンパ球性リンパ腫、B細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(例えば、T細胞性急性リンパ芽球性白血病またはB細胞性急性リンパ芽球性白血病)、びまん性大細胞リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施形態において、がんは、乳がん(例えば、ER陽性乳がん、ER陰性乳がん、トリプルポジティブ乳がん、またはトリプルネガティブ乳がん)である。いくつかの実施形態において、がんは、骨がん(例えば、ユーイング肉腫)である。いくつかの実施形態において、がんは、腎細胞がん(例えば、小眼球転写因子(MITF)ファミリー転座腎細胞がん(tRCC))である。いくつかの実施形態において、がんは、転移性である(例えば、がんは、肝臓に広がっている)。転移性がんは、遊走細胞の遊走及び/または浸潤を示す細胞、及び/または内皮動員及び/または血管新生を示す細胞を含み得る。他の実施形態において、遊走がんは、細胞遊走がんである。さらに他の実施形態において、細胞遊走がんは、非転移性の細胞遊走がんである。転移性がんは、腹膜、胸膜、心膜、またはくも膜下の空間の表面を播種することを介して広がるがんであり得る。代替的に、転移性がんは、リンパ系を介して広がるがん、または血行的に広がるがんであり得る。いくつかの実施形態において、本発明の化合物の有効量は、肝臓へのがんの転移性コロニー形成を阻害するのに有効な量である。
【0051】
いくつかの実施形態において、がんは、GNAQに変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、GNA11に変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、PLCB4に変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、CYSLTR2に変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、BAP1に変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、SF3B1に変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、EIF1AXに変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、TFE3転移を有する。いくつかの実施形態において、がんは、TFEB転座を有する。いくつかの実施形態において、がんは、MITF転座を有する。いくつかの実施形態において、がんは、EZH2変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、SUZ12変異を有する。いくつかの実施形態において、がんは、EED変異を有する。
【0052】
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、本方法は、対象に抗がん療法を投与すること、または細胞を、抗がん療法、例えば、化学療法剤もしくは細胞傷害性剤、免疫療法、手術、放射線療法、温熱療法、もしくは光凝固、またはこれらの組み合わせと接触させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗がん療法は、化学療法剤または細胞傷害性剤であり、例えば、代謝拮抗剤、抗有糸分裂剤、抗腫瘍剤、抗生剤、アスパラギン特異的酵素、ビスホスホネート、抗悪性腫瘍剤、アルキル化剤、DNA修復酵素阻害剤、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、コルチコステロイド、脱メチル化剤、免疫調節剤、ヤヌス関連キナーゼ阻害剤、ホスフィノシチド3-キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、もしくはチロシンキナーゼ阻害剤、またはこれらの組み合わせである。
【0053】
前述の方法のうちのいずれかのいくつかの実施形態において、本発明の化合物は、手術、MEK阻害剤、及び/またはPKC阻害剤、またはこれらの組み合わせなど、ブドウ膜黒色腫の治療に使用される別の抗がん療法と組み合わせて使用される。例えば、いくつかの実施形態において、本方法は、本発明の化合物の投与前、投与後、または投与と同時に手術を行うことをさらに含む。いくつかの実施形態において、本方法は、本発明の化合物の投与前、投与後、または投与と同時に、MEK阻害剤及び/またはPKC阻害剤を投与することをさらに含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、抗がん療法及び本発明の化合物は、互いに28日以内に、及びそれぞれが一緒になって対象を治療するのに有効な量で投与される。
【0055】
いくつかの実施形態において、対象またはがんは、BRG1の機能喪失変異を有する、かつ/またはそれを有すると同定されている。いくつかの実施形態において、対象またはがんは、BRMの機能喪失変異を有する、かつ/またはそれを有すると同定されている。
【0056】
いくつかの実施形態において、がんは、1つ以上の化学療法剤もしくは細胞傷害性剤に耐性である(例えば、がんは、化学療法剤もしくは細胞傷害性剤に耐性であると判断されているか(遺伝子マーカーによってなど)、または化学療法剤もしくは細胞傷害性剤に耐性である可能性が高いと判断されている(化学療法剤もしくは細胞傷害性剤に応答しなかったがんなど))。いくつかの実施形態において、がんは、1つ以上の化学療法剤または細胞傷害性剤に応答しなかった。いくつかの実施形態において、がんは、ダカルバジン、テモゾロミド、シスプラチン、トレオスルファン、フォテムスチン、IMCgp100、CTLA-4阻害剤(例えば、イピリムマブ)、PD-1阻害剤(例えば、ニボルマブまたはペムブロリズマブ)、PD-L1阻害剤(例えば、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブ)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤(例えば、セルメチニブ、ビニメチニブ、またはトラメチニブ)、及び/またはプロテインキナーゼC(PKC)阻害剤(例えば、ソトラスタウリンまたはIDE196)に耐性であるか、または応答しなかった。
【0057】
いくつかの実施形態において、がんは、MEK阻害剤またはPKC阻害剤などのブドウ膜黒色腫の治療に使用される、以前に投与された治療薬に耐性であるか、または応答しなかった。例えば、いくつかの実施形態において、がんは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤(例えば、セルメチニブ、ビニメチニブ、またはトラメチニブ)、及び/またはプロテインキナーゼC(PKC)阻害剤(例えば、ソトラスタウリンまたはIDE196)に耐性があるか、または応答しなかった。
【0058】
化学用語
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、限定的であることは意図されない。
【0059】
以下の化学定義のいずれについても、原子記号に続く数字は、特定の化学部分に存在するその元素の原子の総数を示す。理解されるように、H原子などの他の原子、または本明細書に記載される置換基は、必要な場合、原子の原子価を満たすために存在し得る。例えば、非置換C2アルキル基は、式-CH2CH3を有する。本明細書で定義される基とともに使用される場合、炭素原子の数への言及は、アセタール及びケタール基における二価の炭素を含むが、アシル、エステル、カーボネート、またはカルバメート基におけるカルボニル炭素を含まない。ヘテロアリール基中の酸素、窒素、または硫黄原子の数への言及は、複素環式環の一部を形成するそれらの原子のみを含む。
【0060】
本明細書で使用される場合、「アシル」という用語は、本明細書で定義されるように、カルボニル基を介して親分子基に結合しているHまたはアルキル基を表し、ホルミル(すなわち、カルボキシアルデヒド基)、アセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル、及びブタノイルによって例示される。例示的な非置換アシル基は、1~6、1~11、または1~21個の炭素を含む。
【0061】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~20個の炭素原子(例えば、1~16個の炭素原子、1~10個の炭素原子、または1~6個の炭素原子、または1~3個の炭素原子)の分岐または直鎖一価飽和脂肪族炭化水素ラジカルを指す。
【0062】
アルキレンは、二価のアルキル基である。本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、単独でまたは他の基と組み合わせて、炭素-炭素二重結合を有し、かつ2~20個の炭素原子(例えば、2~16個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~6個の炭素原子、または2個の炭素原子)を有する直鎖または分岐炭化水素残基を指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「アルキルスルフィンイミド」という用語は、式-N=S(O)R2(式中、各Rは、独立して、アルキルである)の基を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、単独でまたは他の基と組み合わせて、炭素-炭素三重結合を有し、かつ2~20個の炭素原子(例えば、2~16個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~6個の炭素原子、または2個の炭素原子)を有する直鎖または分岐炭化水素残基を指す。
【0065】
本明細書で使用される場合、「アミノ」という用語は、-N(RN1)2を表し、式中、各RN1は、独立して、H、OH、NO2、N(RN2)2、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、N保護基、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アシル(例えば、アセチル、トリフルオロアセチル、または本明細書に記載される他のもの)であり、これらの示されるRN1基の各々は、任意に置換され得るか、または2つのRN1は、一緒になってアルキレンもしくはヘテロアルキレンを形成し、各RN2は、独立して、H、アルキル、またはアリールである。本発明のアミノ基は、非置換アミノ(すなわち、-NH2)または置換アミノ(すなわち、-N(RN1)2)であり得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、少なくとも1つの芳香環を有する6~12個の炭素原子の芳香族単炭素環式または多炭素環式ラジカルを指す。そのような基の例には、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、インダニル、及び1H-インデニルが挙げられる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基を表す。例示的な非置換アリールアルキル基は、ベンジル及びフェネチルなどの、7~30個の炭素(例えば、C1-C6アルキルC6-C10アリール、C1-C10アルキルC6-C10アリール、またはC1-C20アルキルC6-C10アリールなどの、7~16個または7~20個の炭素)である。いくつかの実施形態において、アルキル及びアリールは各々、それぞれの基について本明細書で定義されるように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換され得る。
【0068】
本明細書で使用される場合、「アジド」という用語は、-N3基を表す。
【0069】
本明細書で使用される場合、「架橋ポリシクロアルキル」という用語は、1~3個の架橋を含む、5~20個の炭素の架橋多環式基を指す。
【0070】
本明細書で使用される場合、「シアノ」という用語は、-CN基を表す。
【0071】
本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」という用語は、環が炭素原子によって形成される非芳香族C3-C12単環式、二環式、または三環式の構造を指す。カルボシクリル構造には、シクロアルキル基及び不飽和カルボシクリルラジカルが含まれる。
【0072】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~10個、好ましくは3~6個の炭素原子の飽和非芳香族一価単炭素環式または多炭素環式ラジカルを指す。この用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、及びアダマンチルなどのラジカルによってさらに例示される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「ハロ」という用語は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)、またはヨウ素(ヨード)ラジカルを意味する。
【0074】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、構成炭素原子のうちの1つ以上が窒素、酸素、または硫黄で置き換えられている、本明細書で定義されるようなアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、アルキル基について本明細書に記載されるように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換され得る。ヘテロアルキル基の例は、「アルコキシ」であり、それは、本明細書で使用される場合、アルキル-O-(例えば、メトキシ及びエトキシ)を指す。ヘテロアルキレンは、二価のヘテロアルキル基である。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルケニル」という用語は、構成炭素原子のうちの1つ以上が窒素、酸素、または硫黄で置き換えられている、本明細書で定義されるようなアルケニル基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、アルケニル基について本明細書に記載されるように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換され得る。ヘテロアルケニル基の例は、「アルケノキシ」であり、それは、本明細書で使用される場合、アルケニル-O-を指す。ヘテロアルケニレンは、二価のヘテロアルケニル基である。本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキニル」という用語は、構成炭素原子のうちの1つ以上が窒素、酸素、または硫黄で置き換えられている、本明細書で定義されるようなアルキニル基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、アルキニル基について本明細書に記載されるように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換され得る。ヘテロアルキニル基の例は、「アルキノキシ」であり、それは、本明細書で使用される場合、アルキニル-O-を指す。ヘテロアルキニレンは、二価のヘテロアルキニル基である。
【0075】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1、2、または3個の環原子を含み、残りの環原子が炭素である、少なくとも1つの芳香環を有する5~12個の原子の芳香族単環式または多環式ラジカルを指す。ヘテロアリール基の1または2個の環炭素原子は、カルボニル基で置き換えられ得る。ヘテロアリール基の例は、ピリジル、ピラゾイル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、オキサキソリル、及びチアゾリルである。ヘテロアリーレンは、二価のヘテロアリールである。
【0076】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を表す。例示的な非置換ヘテロアリールアルキル基は、7~30個の炭素(例えば、C1-C6アルキルC2-C9ヘテロアリール、C1-C10アルキルC2-C9ヘテロアリール、またはC1-C20アルキルC2-C9ヘテロアリールなどの、7~16個または7~20個の炭素)である。いくつかの実施形態において、アルキル及びヘテロアリールは各々、それぞれの基について本明細書で定義されるように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換され得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語は、N、O、及びSから選択される1、2、3、または4個の環原子を含有する少なくとも1つの非芳香族環を有する3~12個の原子を有する単環式または多環式ラジカルを指し、芳香族環は、いかなるN、O、またはS環原子も含有しない。ヘテロシクリル基の例には、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、及び1,3-ジオキサニルが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロシクリレンは、二価のヘテロシクリルである。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリル基で置換されたアルキル基を表す。例示的な非置換ヘテロシクリルアルキル基は、7~30個の炭素(例えば、C1-C6アルキルC2-C9ヘテロシクリル、C1-C10アルキルC2-C9ヘテロシクリル、またはC1-C20アルキルC2-C9ヘテロシクリルなどの、7~16個または7~20個の炭素)である。いくつかの実施形態において、アルキル及びヘテロシクリルは各々、それぞれの基について本明細書で定義されるように、1、2、3、または4個の置換基でさらに置換され得る。
【0079】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシアルキル」という用語は、-OH基で置換されたアルキル基を表す。
【0080】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を表す。
【0081】
本明細書で使用される場合、「N-保護基」という用語は、合成手順中の望ましくない反応からアミノ基を保護することを意図している基を表す。一般的に使用されているN-保護基は、Greene,“Protective Groups in Organic Synthesis,”3rd Edition(John Wiley&Sons,New York,1999)に開示されている。N-保護基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、2-クロロアセチル、2-ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o-ニトロフェノキシアセチル、α-クロロブチリル、ベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-ブロモベンゾイル、4-ニトロベンゾイル、ならびにアラニン、ロイシン、及びフェニルアラニンなどの保護もしくは非保護D、L、またはD、L-アミノ酸などのキラル補助基などのアシル、アリーロイル、またはカルバミル基;ベンゼンスルホニル、及びp-トルエンスルホニルなどのスルホニル含有基;ベンジルオキシカルボニル、p-クロロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4-20ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロ-4,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5-トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニルイル)-1-メチルエトキシカルボニル、α,α-ジメチル3,5-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t-ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2,-トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4-ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル-9-メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、及びフェニルチオカルボニルなどのカルバメート形成基、ベンジル、トリフェニルメチル、及びベンジルオキシメチルなどのアリールアルキル基、ならびにトリメチルシリルなどのシリル基が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいN-保護基は、アロック、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t-ブチルアセチル、アラニル、フェニルスルホニル、ベンジル、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)である。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ニトロ」という用語は、-NO2基を表す。
【0083】
本明細書で使用される場合、「オキソ」という用語は、=O基を表す。
【0084】
本明細書で使用される場合、「チオール」という用語は、-SH基を表す。
【0085】
アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル(例えば、シクロアルキル)、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。置換されている場合、特に指定のない限り、一般に1~4個の置換基が存在する。置換基には、例えば、アルキル(例えば、非置換及び置換、置換基は本明細書に記載される任意の基、例えば、アリール、ハロ、ヒドロキシを含む)、アルキニル(例えば、非置換及び置換、置換基は本明細書に記載される任意の基、例えば、アリール、ハロ、ヒドロキシ、またはアルコキシを含む)、アリール(例えば、置換及び非置換フェニル)、カルボシクリル(例えば、置換及び非置換シクロアルキル)、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、ヘテロアルキル(例えば、置換及び非置換メトキシ、エトキシ、またはチオアルコキシ)、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ(例えば、NH2またはモノもしくはジアルキルアミノ)、アルキルスルフィンイミド、アジド、シアノ、ニトロ、オキソ、またはチオールが含まれる。いくつかの実施形態(例えば、式Iaの化合物について)において、置換基には、例えば:アルキル(例えば、非置換及び置換、置換基は、本明細書に記載の任意の基、例えば、アリール、ハロ、ヒドロキシを含む)、アリール(例えば、置換及び非置換フェニル)、カルボシクリル(例えば、置換及び非置換シクロアルキル)、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシル、ヘテロアルキル(例えば、置換及び非置換メトキシ、エトキシ、またはチオアルコキシ)、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ(例えば、NH2またはモノもしくはジアルキルアミノ)、アジド、シアノ、ニトロ、またはチオールが含まれる。アリール、カルボシクリル(例えば、シクロアルキル)、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基はまた、アルキル(非置換及び置換、例えば、アリールアルキル(例えば、置換及び非置換ベンジル))で任意に置換され得る。
【0086】
本明細書の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を有することができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えば、ラセミ体などのエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体、またはジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学的に活性な形態は、例えば、ラセミ体の分割により、不斉合成または不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤または溶離液を用いたクロマトグラフィー)により得ることができる。すなわち、ある特定の開示された化合物は、様々な立体異性体形態で存在し得る。立体異性体は、それらの空間配置のみが異なる化合物である。エナンチオマーは、最も一般的には、それらがキラル中心として機能する非対称に置換された炭素原子を含有するため、その鏡像を重ねることができない立体異性体の対である。エナンチオマーは、互いの鏡像であり、かつ重ねることができない一対の分子のうちの1つを意味する。ジアステレオマーは、最も一般的には、それらが2つ以上の非対称に置換された炭素原子を含有し、かつ1つ以上のキラル炭素原子の周りの置換基の立体配置を表すため、鏡像として関連しない立体異性体である。化合物のエナンチオマーは、例えば、キラルクロマトグラフィー及びそれに基づく分離方法などの1つ以上の周知の技術及び方法を使用して、例えば、ラセミ体からエナンチオマーを分離することによって調製され得る。本明細書に記載される化合物のエナンチオマーをラセミ混合物から分離するための適切な技術及び/または方法は、当業者により容易に決定され得る。「ラセミ体」または「ラセミ混合物」とは、2つのエナンチオマーを含有する化合物を意味し、そのような混合物は光学活性を呈さず、すなわち、それらは、偏光面を回転させない。「幾何異性体」とは、炭素-炭素二重結合、シクロアルキル環、または架橋二環式系との関係において置換原子の向きが異なる異性体を意味する。炭素-炭素二重結合の各側の原子(H以外)は、E(置換基は炭素-炭素二重結合の反対側にある)またはZ(置換基は同じ側に配向されている)立体配置にあり得る。「R」、「S」、「S*」、「R*」、「E」、「Z」、「シス」、及び「トランス」は、コア分子に対する立体配置を示す。ある特定の開示された化合物は、アトロプ異性体形態で存在し得る。アトロプ異性体は、回転に対する立体歪み障壁が配座異性体の単離を可能にするのに十分な高さである、単結合の周りの妨げられた回転から生じる立体異性体である。本発明の化合物は、異性体特異的合成により、または異性体混合物から分割して、個々の異性体として調製され得る。従来の分割手法は、光学的に活性な酸を使用して異性体対の各異性体の遊離塩基の塩を形成すること(続いて、遊離塩基の分別結晶及び再生成を行う)、光学的に活性なアミンを使用して異性体対の各異性体の酸形態の塩を形成すること(続いて、遊離酸の分別結晶及び再生成を行う)、光学的に純粋な酸、アミン、またはアルコールを使用して異性体対の異性体の各々のエステルもしくはアミドを形成すること(続いて、キラル補助剤のクロマトグラフィー分離及び除去)、または様々な周知のクロマトグラフィー法を使用して出発物質もしくは最終生成物のいずれかの異性体混合物を分割することを含む。開示された化合物の立体化学が構造によって命名または示されている場合、命名されたまたは示された立体異性体は、他の立体異性体に対して少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%、または99.9重量%である。単一のエナンチオマーが構造によって命名または示されている場合、示されたまたは命名されたエナンチオマーは、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%、または99.9重量%光学的に純粋である。単一のジアステレオマーが構造によって命名または示されている場合、示されたまたは命名されたジアステレオマーは、少なくとも60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、99重量%、または99.9重量%純粋である。光学純度パーセントは、エナンチオマーの重量、またはエナンチオマーの重量及びその光学異性体の重量に対する比である。重量によるジアステレオマー純度は、1つのジアステレオマーの重量またはすべてのジアステレオマーの重量に対する比である。開示された化合物の立体化学が構造によって命名または示されている場合、命名されたまたは示された立体異性体は、他の立体異性体に対してモル分率で少なくとも60%、70%、80%、90%、99%、または99.9%純粋である。単一のエナンチオマーが構造によって命名または示されている場合、示されたまたは命名されたエナンチオマーは、モル分率で少なくとも60%、70%、80%、90%、99%、または99.9%純粋である。単一のジアステレオマーが構造によって命名または示されている場合、示されたまたは命名されたジアステレオマーは、モル分率で少なくとも60%、70%、80%、90%、99%、または99.9%純粋である。モル分率による純度パーセントは、エナンチオマーのモル、またはエナンチオマーのモル及びその光学異性体のモルに対する比である。同様に、モル分率による純度パーセントは、ジアステレオマーのモル、またはジアステレオマーのモル及びその異性体のモルに対する比である。開示された化合物が立体化学を示さずに構造によって命名または示され、化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、名前または構造は、対応する光学異性体を含まない化合物のエナンチオマー、化合物のラセミ体混合物、化合物の混合物、またはその対応する光学異性体に対して1つのエナンチオマーが濃縮されている混合物のいずれかを包含すると理解されるべきである。開示された化合物が、立体化学を示さずに構造によって命名または示され、2つ以上のキラル中心を有する場合、その名前または構造は、他のジアステレオマーを含まないジアステレオマー、他のジアステレオマー対を含まないいくつかのジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマー対の混合物、一方のジアステレオマーが他方のジアステレオマーと比較して濃縮されているジアステレオマーの混合物、または1つ以上のジアステレオマーが他のジアステレオマーと比較して濃縮されているジアステレオマーの混合物を包含すると理解されるべきである。本発明は、これらの形態のすべてを包含する。
【0087】
本開示の化合物はまた、中間化合物または最終化合物中に存在する原子のすべての同位体も含む。「同位体」は、核内の異なる数の中性子から生じる、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を指す。例えば、水素の同位体には、トリチウム及び重水素が含まれる。
【0088】
特に明記しない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体的に濃縮された原子の存在のみで異なる化合物を含むことも意味する。本発明の化合物に組み込まれ得る例示的な同位体には、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iなどの水素同位体、炭素同位体、窒素同位体、酸素同位体、リン同位体、硫黄同位体、フッ素同位体、塩素同位体、及びヨード同位体が含まれる。同位体標識された化合物(例えば、3H及び14Cで標識されたもの)は、化合物または基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(すなわち、3H)同位体及び炭素-14(すなわち、14C)同位体は、それらの調製の容易さ及び検出可能性のために有用であり得る。さらに、重水素(すなわち、2H)などのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療的利益(例えば、増加したインビボ半減期または低減した必要用量)を与え得る。いくつかの実施形態において、1個以上の水素原子は、2Hもしくは3Hによって置き換えられるか、または1個以上の炭素原子は、13C-または14C-濃縮炭素によって置き換えられる。15O、13N、11C、及び18Fなどの陽電子放出同位体は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用である。同位体で標識された化合物の調製は、当業者に既知である。例えば、同位体で標識された化合物は、一般に、本明細書に記載される本発明の化合物について開示されるものに類似する手順に従って、同位体で標識された試薬を非同位体標識試薬に置換することによって調製され得る。
【0089】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本開示で使用するための方法及び材料を本明細書で説明する。当該技術分野で既知の他の好適な方法及び材料もまた使用され得る。それらの材料、方法、及び例は、例証にすぎず、限定するようには意図されていない。本明細書で言及されるすべての出版物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先するものとする。
【0090】
定義
この出願では、文脈から特に明記されていない限り、(i)「a」という用語は、「少なくとも1つ」を意味すると理解され得、(ii)「または」という用語は、「及び/または」を意味すると理解され得、(iii)「からなる(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、それ自体で表されるか、または1つ以上の追加の構成要素もしくはステップとともに表されるかにかかわらず、項目化された構成要素またはステップを包含すると理解され得る。
【0091】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、説明されている値の上下10%以内の値を指す。例えば、「約5nM」という用語は、4.5~5.5nMの範囲を示す。
【0092】
本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、対象または系への組成物(例えば、化合物または本明細書に記載されるような化合物を含む調製物)の投与を指す。動物対象への(例えば、ヒトへの)投与は、任意の適切な経路によるものであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、投与は、気管支(気管支点滴によるものを含む)、頬側、経腸、皮内(interdermal)、動脈内、皮内(intradermal)、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、くも膜下腔内、腫瘍内、静脈内、脳室内、粘膜、鼻腔、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(気管内点滴によるものを含む)、経皮、膣、及び硝子体であり得る。
【0093】
本明細書で使用される場合、「BAF複合体」という用語は、ヒト細胞におけるBRG1またはHBRM関連因子複合体を指す。
【0094】
本明細書で使用される場合、「BAF複合体関連障害」という用語は、BAF複合体の活性レベルによって引き起こされるか、または影響される障害を指す。
【0095】
本明細書で使用される場合、「BRG1の機能喪失変異」という用語は、活性の低減(例えば、BRG1活性の少なくとも1%の低減、例えば、BRG1活性の2%、5%、10%、25%、50%、または100%の低減)を有するタンパク質をもたらすBRG1における変異を指す。例示的なBRG1の機能喪失変異には、BRG1のC末端におけるホモ接合性BRG1の変異及び欠失が含まれるが、これらに限定されない。
【0096】
本明細書で使用される場合、「BRG1の機能喪失障害」という用語は、BRG1活性の低減(例えば、BRG1活性の少なくとも1%の低減、例えば、BRG1活性の2%、5%、10%、25%、50%、または100%の低減)を示す障害(例えば、がん)を指す。
【0097】
「がん」という用語は、腫瘍、新生物、がん腫、肉腫、白血病、及びリンパ腫などの悪性腫瘍細胞の増殖によって引き起こされる状態を指す。
【0098】
本明細書で使用される場合、「併用療法」または「組み合わせて投与される」は、2つ(またはそれ以上)の異なる薬剤または治療が、特定の疾患または状態に対する定義された治療レジメンの一部として対象に投与されることを意味する。治療レジメンは、対象に対する別々の薬剤の効果が重複するように、各薬剤の投与の用量及び周期性を定義する。いくつかの実施形態において、2つ以上の薬剤の送達は、同時または併用であり、薬剤は共製剤化されてもよい。いくつかの実施形態において、2つ以上の薬剤は、共製剤化されておらず、処方されたレジメンの一部として逐次的様式で投与される。いくつかの実施形態において、2つ以上の薬剤または組み合わせた治療の投与は、症状、または障害に関連する他のパラメータの低減が、単独でまたは一方の非存在下で送達される1つの薬剤または治療で観察されるものよりも大きいようなものである。2つの治療の効果は、部分的に相加的、完全に相加的、または相加的を超える(例えば、相乗的)であり得る。各治療剤の連続または実質的に同時の投与は、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を介した直接吸収を含むが、これらに限定されない、任意の適切な経路によって影響され得る。治療剤は、同じ経路によって、または異なる経路によって投与することができる。例えば、組み合わせの第1の治療剤は、静脈内注射によって投与されてもよいが、一方で、組み合わせの第2の治療剤が経口投与されてもよい。
【0099】
タンパク質またはRNAの「レベルを決定する」とは、直接または間接的のいずれかで、当該技術分野で既知である方法による、タンパク質またはRNAの検出を意味する。「直接決定すること」とは、物理的実体または値を得るためにプロセスを実行すること(例えば、試料に対してアッセイもしくは試験を実行すること、またはその用語が本明細書で定義されるように「試料を分析すること」)を意味する。「間接的に決定すること」は、別の団体または供給源(例えば、物理的実体または値を直接的に取得した第3者の研究室)から物理的実体または値を受領することを指す。タンパク質レベルを測定する方法には、概して、これらに限定されないが、ウェスタンブロット法、免疫ブロット法、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、免疫沈降、免疫蛍光、表面プラズモン共鳴、化学発光、蛍光偏光、リン光、免疫組織化学分析、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間(MALDI-TOF)質量分析法、液体クロマトグラフィー(LC)質量分析法、マイクロサイトメトリー、顕微鏡法、蛍光活性化細胞分類(FACS)、及びフローサイトメトリー、ならびにこれらに限定されないが、酵素活性または他のタンパク質パートナーとの相互作用を含む、タンパク質の性質に基づくアッセイが含まれる。RNAレベルを測定する方法は、当該技術分野で知られており、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)及びノーザンブロット分析が含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
タンパク質またはRNAの「減少したレベル」または「増加したレベル」とは、基準物質と比較した場合、それぞれ、タンパク質またはRNAレベルの減少または増加(例えば、基準物質と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約150%、約200%、約300%、約400%、約500%、もしくはそれ以上の減少または増加、基準物質と比較して、約10%、約15%、約20%、約50%、約75%、約100%、もしくは約200%超の減少または増加、約0.01倍、約0.02倍、約0.1倍、約0.3倍、約0.5倍、約0.8倍未満、またはそれ未満の減少または増加、あるいは約1.2倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.8倍、約2.0倍、約3.0倍、約3.5倍、約4.5倍、約5.0倍、約10倍、約15倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、約1000倍超、またはそれ以上の増加)を意味する。タンパク質のレベルは、質量/体積(例えば、g/dL、mg/mL、μg/mL、ng/mL)または試料中の総タンパク質に対する百分率で表され得る。
【0101】
「BAF複合体の活性を低減させる」とは、BAF複合体に関連する活性、または関連する下流効果のレベルを低減させることを意味する。BAF複合体の活性を低減させる非限定的な例は、Sox2活性化である。BAF複合体の活性レベルは、当該技術分野で既知の任意の方法、例えば、Kadoch et al.Cell,2013,153,71-85に記載されている方法を使用して測定することができ、その方法は参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
本明細書で使用される場合、「BRMを阻害する」という用語は、タンパク質のATPアーゼ触媒結合ドメインまたはブロモドメインのレベルまたは活性を、遮断または低減することを指す。BRM阻害は、当該技術分野で既知の方法(例えば、BRMのATPアーゼアッセイ、Nano DSFアッセイ、またはBRMのルシフェラーゼ細胞アッセイ)を使用して決定され得る。
【0103】
本明細書で使用される場合、IDE196としても知られている、「LXS196」という用語は、以下の構造を有するPKC阻害剤、
【化21】
、またはその薬学的に許容される塩、を指す。
【0104】
本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、薬学的に許容される賦形剤を用いて製剤化され、哺乳動物、例えば、ヒトへの投与に適した本明細書に記載の化合物を含有する組成物を表す。典型的には、薬学的組成物は、哺乳動物における疾患の治療のための治療レジメンの一部として政府規制機関の承認によって製造または販売される。薬学的組成物は、例えば、単位剤形(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ジェルキャップ、またはシロップ)での経口投与のため、局所投与(例えば、クリーム、ゲル、ローション、または軟膏として)のため、静脈内投与(例えば、粒子塞栓物質を含まない滅菌溶液として、及び静脈内使用に好適な溶媒系で)のため、または任意の他の薬学的に許容される製剤で製剤化することができる。
【0105】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」とは、本明細書に記載されており(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することが可能なビヒクル)、かつ患者において実質的に非毒性及び非炎症性であるという特性を有する化合物以下の任意の成分を指す。賦形剤には、例えば、抗付着剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(色)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはコーティング剤、香味剤、香料、滑剤(流動促進剤)、潤滑剤、防腐剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、及び水和水が含まれ得る。
【0106】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物の任意の薬学的に許容される塩、例えば、式Iの任意の化合物を意味する。本明細書に記載される化合物のうちのいずれかの薬学的に許容される塩は、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に釣り合った塩を含み得る。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知である。例えば、薬学的に許容される塩は、Berge et al.,J.Pharmaceutical Sciences 66:1-19,1977 and in Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(Eds.P.H.Stahl and C.G.Wermuth),Wiley-VCH,2008に記載されている。塩は、本明細書に記載される化合物の最終的な単離及び精製の間にその場で、または遊離塩基基を好適な有機酸と反応させることにより別々に調製することができる。
【0107】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩として調製することができるように、イオン化可能な基を有し得る。これらの塩は、無機酸または有機酸を含む酸付加塩であってもよく、または塩は、本発明の化合物の酸性形態の場合、無機または有機塩基から調製されてもよい。しばしば、化合物は、薬学的に許容される酸または塩基の付加生成物として調製される薬学的に許容される塩として調製または使用される。好適な薬学的に許容される酸及び塩基、ならびに適切な塩の調製方法は、当該技術分野で周知である。塩は、無機及び有機の酸及び塩基を含む、薬学的に許容される非毒性の酸及び塩基から調製され得る。
【0108】
「基準物質」とは、タンパク質またはRNAレベルを比較するために使用される任意の有用な基準物質を意味する。基準物質は、比較目的で使用される任意の試料、標準、標準曲線、またはレベルであり得る。基準物質は、通常の基準試料または基準標準もしくはレベルであり得る。「基準試料」は、例えば、対照、例えば、「正常対照」などの所定の陰性対照値、または同じ対象から採取された以前の試料;正常な細胞もしくは正常な組織などの正常な健康な対象からの試料;疾患を有していない対象からの試料(例えば、細胞または組織);疾患があると診断されているが、本発明の化合物でまだ治療されていない対象からの試料;本発明の化合物によって治療されている対象からの試料;または既知の正常濃度の精製されたタンパク質またはRNA(例えば、本明細書に記載される任意のもの)の試料であり得る。「基準標準またはレベル」とは、参照試料に由来する値または数値を意味する。「正常対照値」は、非疾患状態を示す所定の値、例えば、健康な対照対象で期待される値である。典型的には、正常対照値は、範囲(「XとYとの間」)、高閾値(「X以下」)、または低閾値(「X以上」)として表される。特定のバイオマーカーの正常対照値内の測定値を有する対象は、典型的には、そのバイオマーカーの「正常範囲内」と称される。正常な基準標準またはレベルは、疾患または障害(例えば、がん)を有していない正常な対象;本発明の化合物で治療されている対象に由来する値または数であり得る。好ましい実施形態において、基準試料、標準、またはレベルは、以下の基準:年齢、体重、性別、病期、及び全体的な健康のうちの少なくとも1つによって、試料対象試料と一致する。正常な基準範囲内の精製されたタンパク質またはRNA、例えば、本明細書に記載される任意のもののレベルの標準曲線もまた基準として使用することができる。
【0109】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、本発明による組成物が、例えば、実験的、診断的、予防的、及び/または治療的目的のために投与され得る任意の生物を指す。典型的な対象には、任意の動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトなどの哺乳動物)が含まれる。対象は、治療を求めている、または必要としている、治療を要求している、治療を受けている、将来治療を受けている、または特定の疾患もしくは状態について訓練を受けた専門家によって治療を受けているヒトもしくは動物であり得る。
【0110】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療した」、または「治療すること」という用語は、治療的処置または任意の手段を意味し、目的は、望ましくない生理学的状態、障害、もしくは疾患を減速(軽減)すること、または有益なもしくは望ましい臨床結果を得ることである。有益なまたは望ましい臨床結果には、症状の軽減;状態(condition)、障害、もしくは疾患の程度の減少;状態(condition)、障害、もしくは疾患の安定化(すなわち、悪化していない)状態(state);状態(condition)、障害、もしくは疾患の進行の発症の遅延または減速;状態(condition)、障害、もしくは疾患状態(disease state)の改善(amelioration)または寛解(部分的または完全);患者により必ずしも識別可能ではない少なくとも1つの測定可能な物理学的パラメータの改善;または状態(condition)、障害、もしくは疾患の増強または改善(improvement)が含まれるが、これらに限定されない。治療は、過度のレベルの副作用なしに臨床的に有意な応答を誘発することを含む。治療はまた、治療を受けていない場合の予測生存期間と比較して、生存期間を延長することを含む。本発明の化合物はまた、例えば、障害を発症するリスクが高い対象において、障害を「予防的に治療する」または「予防する」ためにも使用され得る。
【0111】
本明細書で使用される場合、「バリアント」及び「誘導体」という用語は互換的に使用され、本明細書に記載される化合物、ペプチド、タンパク質、または他の物質の天然発生型、合成、及び半合成類似体を指す。本明細書に記載される化合物、ペプチド、タンパク質、または他の物質のバリアントまたは誘導体は、元の材料の生物学的活性を保持または改善し得る。
【0112】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に示される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【
図1】BRG1/BRM阻害剤(化合物A)による、いくつかのがん細胞株の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図2A】BRG1/BRM阻害剤(化合物A)、MEK阻害剤(セルメチニブ)、及びPKC阻害剤(LXS196)による、ブドウ膜黒色腫細胞株92-1の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図2B】BRG1/BRM阻害剤(化合物A)、MEK阻害剤(セルメチニブ)、及びPKC阻害剤(LXS196)による、ブドウ膜黒色腫細胞株MP41の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図3】BRG1/BRM阻害剤(化合物B)による、いくつかのがん細胞株の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図4】BRG1/BRM阻害剤で処理されたがん細胞株の用量応答曲線から計算された曲線下面積(AUC)を示すグラフである。
【
図5】BRG1/BRM阻害剤(化合物B)による、ブドウ膜黒色腫及び非小細胞肺がん細胞株の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図6A】BRG1/BRM阻害剤(化合物B)、MEK阻害剤(セルメチニブ)、及びPKC阻害剤(LXS196)による、ブドウ膜黒色腫細胞株92-1の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図6B】BRG1/BRM阻害剤(化合物B)、MEK阻害剤(セルメチニブ)、及びPKC阻害剤(LXS196)による、ブドウ膜黒色腫細胞株MP41の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図7A】PKC阻害剤(LXS196)による、親細胞株及びPKC阻害剤難治性ブドウ膜黒色腫細胞株の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図7B】BRG1/BRM阻害剤(化合物B)による、親細胞株及びPKC阻害剤難治性ブドウ膜黒色腫細胞株の細胞増殖の阻害を示すグラフである。
【
図8A】BRG1/BRM阻害剤(化合物C)による、ブドウ膜黒色腫細胞株を移植したマウスにおける腫瘍増殖の阻害を示すグラフである。
【
図8B】ブドウ膜黒色腫細胞株を移植し、BRG1/BRM阻害剤(化合物C)を投与したマウス由来の腫瘍のサイズの図である。
【
図8C】ブドウ膜黒色腫細胞株を移植し、BRG1/BRM阻害剤(化合物C)を投与したマウスの体重変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0114】
本開示は、BRG1及び/またはBRMの阻害に有用な化合物を特徴とする。これらの化合物は、例えば、がんなどのBAF関連障害の治療のために、BAF複合体の活性を調節するために使用され得る。本明細書に記載の例示的な化合物には、式Iによる構造を有する化合物であって、
【化22】
式中、
Aが、
【化23】
であり、
mが、0、1、2、または3であり、
nが、1または2であり、
oが、0または1であり、
Xが、O、CH
2、またはNR
7であり、
X’が、N、CH、またはCR
Xであり、R
Xが、ハロゲンであり、
Bが、任意に置換された6員の二環式ヘテロアリーレン、または任意に置換された9員もしくは10員の二環式ヘテロアリーレンであり、
Lが、共有結合、任意に置換されたC
1-C
3アルキレン、C
2アルキニレン、任意に置換されたC
2アルケニレン、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレン、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレン、または任意に置換された4~10員ヘテロシクリレンであり、
Cが、任意に置換された3~10員シクロアルキル、任意に置換された6~10員アリール、任意に置換された5~10員ヘテロアリール、または任意に置換された5~10員ヘテロシクリルであり、
R
1及びR
7が、独立して、水素、または任意に置換されたC
1-C
6アルキルであり、
各R
2及びR
3が、独立して、水素、任意に置換されたC
1-C
6アルキル、または任意に置換されたC
1-C
6ヘテロアルキルであり、
R
4が、シアノ、フルオロ、ヒドロキシ、または-CH
2OHであり、
R
5が、1、2、3、4、5、6、または7個のフルオロ基で任意に置換されたC
1-C
3アルキルであり、
R
6が、1、2、3、4、5、6、または7個のフルオロ基で任意に置換されたC
1-C
3アルキルである、化合物、
またはその薬学的に許容される塩、が含まれる。
【0115】
好ましくは、Bが、任意に置換された6員の二環式ヘテロアリーレンである場合、Lが、共有結合、任意に置換されたC
1-C
3アルキレン、C
2アルキニレン、任意に置換されたC
2アルケニレン、任意に置換されたC
2-C
3ヘテロアルキレン、任意に置換されたC
3-C
5シクロアルキレン、または任意に置換された4~10員のヘテロシクリレンである。また好ましくは、Bが、任意に置換された9員または10員の二環式ヘテロアリーレンである場合、Lが、共有結合であり、例えば、式Iの化合物は、式Iaの化合物、
【化24】
またはその薬学的に許容される塩であり、変数はすべて、本明細書に記載されているとおりである。
【0116】
いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容される塩は、表1の化合物1~48、表2の化合物49~84、または表3の化合物85~126のうちのいずれか1つの構造を有する。
【0117】
他の実施形態、ならびにこれらの化合物の生成の合成のための例示的な方法は、本明細書に記載される。
【0118】
薬学的使用
本明細書に記載の化合物は、本発明の方法において有用であり、理論に束縛されるものではないが、BAF複合体のレベル、状態、及び/または活性を調節する、すなわち、哺乳動物におけるBAF複合体内のBRG1及び/またはBRMタンパク質の活性を阻害することによって、それらの能力を発揮すると考えられている。BAF複合体関連障害には、BRG1の機能喪失変異関連障害が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
本発明の一態様は、がん(例えば、非小細胞肺がん、結腸直腸がん、膀胱がん、原発不明がん、神経膠腫、乳がん、黒色腫、非黒色腫皮膚がん、子宮内膜がん、軟部組織肉腫、または陰茎がん)などのBRG1の機能喪失変異関連障害の治療を必要とする対象において、それを治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、化合物は、(a)腫瘍サイズの低減、(b)腫瘍成長率の低減、(c)腫瘍細胞死の増加、(d)腫瘍進行の低減、(e)転移数の低減、(f)転移率の低減、(g)腫瘍再発の減少、(h)対象の生存率の増加、(i)対象の無増悪生存期間の増加のうちの1つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上)をもたらすのに効果的である量及び時間で投与される。
【0120】
がんの治療により、腫瘍のサイズまたは体積の低減がもたらされ得る。例えば、治療後、腫瘍サイズは、治療前のそのサイズに対して5%以上(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上)低減される。腫瘍のサイズは、任意の再現性のある測定手段で測定され得る。例えば、腫瘍のサイズは、腫瘍の直径として測定され得る。
【0121】
がんの治療は、腫瘍の数の減少をさらにもたらし得る。例えば、治療後、腫瘍数は、治療前の数に対して5%以上(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上)低減される。腫瘍の数は、任意の再現性のある測定手段で測定され得、例えば、腫瘍の数は、肉眼で見えるか、または特定の倍率(例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、または50倍)で見える腫瘍をカウントすることにより測定され得る。
【0122】
がんの治療により、原発腫瘍部位から離れた他の組織または器官の転移性結節の数の減少がもたらされ得る。例えば、治療後、転移性結節の数は、治療前の数に対して5%以上(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上)低減される。転移性結節の数は、任意の再現性のある測定手段で測定され得る。例えば、転移性結節の数は、肉眼で見えるか、または特定の倍率(例えば、2倍、10倍、または50倍)で見える転移性結節をカウントすることにより測定され得る。
【0123】
がんを治療することにより、未治療の対象の集団と比較して、本発明に従って治療された対象の集団の平均生存時間の増加がもたらされ得る。例えば、平均生存時間が30日超(60日、90日、または120日超)増加される。集団の平均生存時間の増加は、任意の再現可能な手段で測定され得る。集団の平均生存時間の増加は、例えば、集団について、本発明の化合物による治療の開始後の平均生存期間の長さを計算することにより測定され得る。集団の平均生存時間の増加はまた、例えば、集団について、本発明の薬学的に許容される塩による治療の最初のラウンドの完了後の平均生存期間の長さを計算することにより測定され得る。
【0124】
がんを治療することにより、未治療の集団と比較して、治療された対象の集団の死亡率の減少もまたもたらされ得る。例えば、死亡率は、2%超(例えば、5%、10%、または25%超)減少される。治療された対象の集団の死亡率の減少は、任意の再現可能な手段で、例えば、集団について、本発明の薬学的に許容される塩による治療の開始後の単位時間当たりの疾患関連死の平均数を計算することによって測定され得る。集団の死亡率の減少はまた、例えば、集団について、本発明の薬学的に許容される塩による治療の最初のラウンドの完了後の単位時間当たりの疾患関連死の平均数を計算することによって測定され得る。
【0125】
本発明によって治療され得る例示的ながんには、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、結腸直腸がん、膀胱がん、神経膠腫、乳がん、黒色腫、非黒色腫皮膚がん、子宮内膜がん、食道胃がん、膵臓がん、肝胆道がん、軟部組織肉腫、卵巣がん、頭頸部がん、腎細胞がん、骨がん、非ホジキンリンパ腫、前立腺がん、胎児性腫瘍、胚細胞腫瘍、子宮頸がん、甲状腺がん、唾液腺がん、消化管神経内分泌腫瘍、子宮肉腫、消化管間質腫瘍、CNSがん、胸腺腫瘍、副腎皮質がん、虫垂がん、小腸がん、及び陰茎がんが含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
組み合わせ製剤及びその使用
本発明の化合物は、1つ以上の治療剤と組み合わせることができる。特に、治療剤は、本明細書に記載の任意のがんを治療または予防的に治療するものであり得る。
【0127】
併用療法
本発明の化合物は、単独で、または追加の治療剤、例えば、がんもしくはそれに関連する症状を治療する他の薬剤と組み合わせて、またはがんを治療するための他の種類の治療と組み合わせて使用することができる。併用治療では、1つ以上の治療用化合物の投与量は、単独で投与した場合の標準的な投与量から低減され得る。例えば、用量は、薬物の組み合わせ及び順列から経験的に決定され得るか、またはアイソボログラフ分析(例えば、Black et al.,Neurology 65:S3-S6,2005)によって推定され得る。この場合、組み合わせたときの化合物の投与量は、治療効果を提供するはずである。
【0128】
いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、化学療法剤(例えば、細胞傷害性薬剤またはがんの治療に有用な他の化合物)である。これらには、アルキル化剤、代謝拮抗剤、葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体及び関連阻害剤、ビンカアルカロイド、エピポドフィロトキシン、抗生物質、L-アスパラギナーゼ、トポイソメラーゼ阻害剤、インターフェロン、白金配位錯体、アントラセンジオン置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、アドレノコルチカン抑制剤、副腎皮質ステロイド、プロゲスチン、エストロゲン、抗エストロゲン、アンドロゲン、抗アンドロゲン、ならびに性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体が含まれる。5-フルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリン(LV)、イレノテカン、オキサリプラチン、カペシタビン、パクリタキセル、及びドキセタキセルもまた含まれる。化学療法剤の非限定的な例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド;アルキルスルホネート、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ(benzodopa)、カルボクオン(carboquone)、メツレドパ(meturedopa)、及びウレドパ(uredopa);エチレンイミン及びメチルアメルアミン(methylamelamine)、例えば、アルトレタミン(altretamine)、トリエチレンメラミン(triemylenemelamine)、トリエチレンリン酸アミド、トリエチレンチオリン酸アミド及びトリメチロールメラミン(trimethylolomelamine);アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);カンプトセシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼルシン、及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体KW-2189及びCBI-TMIを含む);エリュテロビン;パンクラスタチン;サルコディクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン;窒素マスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン酸化物、メルファラン、ノベンビシン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えばカリケアミシン、特にカリケアミシンガンマII及びカリケアミシンオメガII(例えば、Agnew,Chem.Intl.Ed Engl.33:183-186(1994)を参照されたい);ダイネミシンAを含むダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォア及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)などの抗生物質、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシニス、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、Adriamycin(登録商標)(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む、ドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;抗代謝物、例えば、メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補液、例えば、フロリン酸;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルホミチン(elfomithine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;マイタンシノイド、例えば、マイタンシン及びアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、Taxol(登録商標)パクリタキセル(Bristol-Myers Squibb Oncology、Princeton,N.J.)、ABraxane(登録商標)、発色団不含の、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg,Ill.)、及びTaxotere(登録商標)ドキセタキセル(Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France);クロランブシル;Gemzar(登録商標)ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金配位錯体、例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;Navelbine(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(例えば、CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸;カペシタビン;ならびに上記のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が挙げられる。本明細書に記載される第1の治療剤と組み合わせて投与されるカクテルにおいて、2つ以上の化学療法剤を使用することができる。併用化学療法の好適な投与レジメンは、当該技術分野で知られており、例えば、Saltz et al.(1999)Proc ASCO 18:233a及びDouillard et al.(2000)Lancet 355:1041-7に記載されている。
【0129】
いくつかの実施形態において、第2の治療剤は、がん治療で使用されるサイトカイン(例えば、インターフェロンまたはインターロイキン(例えば、IL-2))などの生物学的製剤である治療剤である。いくつかの実施形態において、生物学的製剤は、抗VEGF剤、例えば、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))などの抗血管新生剤である。いくつかの実施形態において、生物学的製剤は、免疫グロブリンベースの生物学的製剤、例えば、標的をアゴナイズして抗がん応答を刺激するか、またはがんにとって重要な抗原に拮抗するモノクローナル抗体(例えば、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、Fc融合タンパク質、またはその機能的断片)である。そのような薬剤には、Rituxan(リツキシマブ)、Zenapax(ダクリズマブ)、Simulect(バシリキシマブ)、Synagis(パリビズマブ)、Remicade(インフリキシマブ)、Herceptin(トラスツズマブ)、Mylotarg(ゲムツズマブオゾガミシン)、Campath(アレムツズマブ)、Zevalin(イブリツモマブチウキセタン)、Humira(アダリムマブ)、Xolair(オマリズマブ)、Bexxar(トシツモマブ-I-131)、Raptiva(エファリズマブ)、Erbitux(セツキシマブ)、Avastin(ベバシズマブ)、Tysabri(ナタリズマブ)、Actemra(トシリズマブ)、Vectibix(パニツムマブ)、Lucentis(ラニビズマブ)、Soliris(エクリズマブ)、Cimzia(セルトリズマブペゴル)、Simponi(ゴリムマブ)、Ilaris(カナキヌマブ)、Stelara(ウステキヌマブ)、Arzerra(オファツムマブ)、Prolia(デノスマブ)、Numax(モタビズマブ)、ABThrax(ラキシバクマブ)、Benlysta)(ベリムマブ)、Yervoy(イピリムマブ)、Adcetris(ブレンツキシマブベドチン)、Perjeta(ペルツズマブ)、Kadcyla(ado-トラスツズマブエムタンシン)、及びGazyva(オビヌツズマブ)が含まれる。また、抗体薬物コンジュゲートも含まれる。
【0130】
第2の薬剤は、非薬物治療である治療剤であり得る。例えば、第2の治療剤は、腫瘍組織の放射線療法、凍結療法、温熱療法、及び/または外科的切除である。
【0131】
第2の薬剤は、チェックポイント阻害剤であり得る。一実施形態では、チェックポイントの阻害剤は、阻害抗体(例えば、モノクローナル抗体などの単一特異性抗体)である。抗体は、例えば、ヒト化または完全にヒトであり得る。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、融合タンパク質、例えば、Fc受容体融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、チェックポイントタンパク質と相互作用する、抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、チェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する、抗体などの薬剤である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、CTLA-4(例えば、イピリムマブ/Yervoyまたはトレメリムマブなどの抗CTLA4抗体)の阻害剤(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、PD-1(例えば、ニボルマブ/Opdivo(登録商標)、ペムブロリズマブ/Keytruda(登録商標)、ピディリズマブ/CT-011)の阻害剤(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、PDL1(例えば、MPDL3280A/RG7446、MEDI4736、MSB0010718C、BMS 936559)の阻害剤(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、PDL2(例えば、AMP 224などのPDL2/Ig融合タンパク質)の阻害剤(例えば、阻害抗体またはFc融合もしくは小分子阻害剤)である。いくつかの実施形態において、チェックポイントの阻害剤は、B7-H3(例えば、MGA271)、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、またはこれらの組み合わせの阻害剤(例えば、阻害抗体または小分子阻害剤)である。
【0132】
本明細書に記載される組み合わせの実施形態のいずれにおいても、第1及び第2の治療剤は、同時にまたは逐次的に、いずれかの順序で投与される。第1の治療剤は、第2の治療剤の直前、直後、最大1時間、最大2時間、最大3時間、最大4時間、最大5時間、最大6時間、最大7時間、最大8時間、最大9時間、最大10時間、最大11時間、最大12時間、最大13時間、14時間、最大16時間、最大17時間、最大18時間、最大19時間、最大20時間、最大21時間、最大22時間、最大23時間、最大24時間、または最大1~7、1~14、1~21、もしくは1~30日前または後に投与され得る。
【0133】
薬学的組成物
本発明の化合物は、好ましくは、インビボでの投与に好適な生物学的に適合した形態で、哺乳動物、好ましくは、ヒトに投与するための薬学的組成物に製剤化される。したがって、一態様では、本発明は、好適な希釈剤、担体、または賦形剤との混合において、本発明の化合物を含む、薬学的組成物を提供する。
【0134】
本発明の化合物は、遊離塩基の形態で、塩、溶媒和物の形態で、及びプロドラッグとして使用され得る。すべての形態は、本発明の範囲内である。本発明の方法に従って、当業者によって理解されるように、記載される化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、選択された投与経路に応じて様々な形態で患者に投与され得る。本発明の化合物は、例えば、経口、非経口、頬側、舌下、鼻腔、直腸、パッチ、ポンプ、または経皮投与により投与され得、薬学的組成物はそれに応じて製剤化される。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、鼻腔、肺内、くも膜下腔内、直腸、及び局所様式の投与が含まれる。非経口投与は、選択された期間にわたる連続注入によるものであり得る。
【0135】
本発明の化合物は、例えば、不活性希釈剤または同化性可食担体とともに経口投与することができるか、または硬質もしくは軟質シェルゼラチンカプセルに封入することができるか、または錠剤に圧縮することができるか、または食事の食べ物とともに直接組み込むことができる。経口治療投与のために、本発明の化合物は、賦形剤とともに組み込まれてもよく、消化可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、及びウエハースの形態で使用されてもよい。本発明の化合物はまた、非経口的に投与され得る。本発明の化合物の溶液は、界面活性剤と好適に混合された水中で調製することができる。これらの調製物は、通常の保存条件及び使用条件下で、微生物の成長を防止するための保存剤を含有し得る。好適な製剤の選択及び調製のための従来の手順及び成分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(2003,20th ed.)及び1999年に出版されたThe United States Pharmacopeia:The National Formulary(USP 24 NF19)に記載されている。注射可能用途に好適な薬学的形態には、注射可能な滅菌溶液または分散液の即時調製のための滅菌水溶液または分散液及び滅菌粉末が含まれる。すべての場合で、形態は減菌でなければならず、シリンジを介して容易に投与され得る程度に流体でなければならない。鼻腔投与用の組成物は、エアロゾル、ドロップ、ゲル、及び粉末として好都合に製剤化され得る。エアロゾル製剤は、典型的には、生理学的に許容される水性または非水性溶媒中の活性物質の溶液または微細懸濁液を含み、通常、噴霧装置とともに使用するためカートリッジまたはリフィルの形態をとることができる密閉容器内に滅菌形態で、単回または複数回投与量で提供される。代替的に、密封容器は、使用後の廃棄を意図した、計量弁が取り付けられた単回用量の鼻腔吸入器またはエアロゾルディスペンサーなどの単一分配装置であり得る。剤形がエアロゾルディスペンサーを含む場合、それは、圧縮空気などの圧縮ガスまたは有機推進剤であり得る推進剤を含む。エアロゾル剤形は、ポンプ噴霧器の形態をとることもできる。頬側または舌下投与に好適な組成物には、有効成分が、担体とともに製剤化される、錠剤、ロゼンジ、及びトローチ(pastilles)が含まれる。直腸投与用の組成物は、好都合に、従来の坐剤基剤を含有する坐剤の形態である。本明細書に記載される化合物は、例えば、腫瘍内注射として腫瘍内に投与され得る。腫瘍内注射は、腫瘍血管への直接注射であり、個別の固形の接近可能な腫瘍に対して特に企図される。局所、領域、または全身投与も適切であり得る。本明細書に記載される化合物は、例えば、およそ1cm間隔で間隔をあけて、腫瘍に注射または複数回注射を投与することにより有利に接触させることができる。外科的介入の場合、本発明は、手術不能の腫瘍を切除に供するためなど、手術前に使用することができる。連続投与はまた、適切な場合、例えば、カテーテルを腫瘍または腫瘍血管に埋め込むことにより適用され得る。
【0136】
本発明の化合物は、本明細書に記述されるように、動物、例えば、ヒトに、単独でまたは薬学的に許容される担体と組み合わせて投与され得、その比率は、化合物の溶解度及び化学的性質、選択された投与経路、ならびに標準的な薬学的実務によって決定される。
【0137】
投薬量
本発明の化合物、及び/または本発明の化合物を含む組成物の投与量は、化合物の薬力学的特性;投与の様式;レシピエントの年齢、健康、及び体重;症状の性質及び程度;治療の頻度、及びもしあれば併用治療の種類;ならびに治療される動物における化合物のクリアランス率などの多くの要因に応じて変化し得る。当業者は、上記の要因に基づいて適切な投与量を決定することができる。本発明の化合物は、臨床応答に応じて、必要な場合に調整され得る好適な投与量で最初に投与され得る。一般に、本発明の化合物が、例えば、0.05mg~3000mgの毎日用量でヒトに投与される場合、満足な結果を得ることができる。0.05mgから3000mgの間の1日用量でヒトに投与される場合、用量範囲には、例えば、10~1000mgが含まれる。
【0138】
代替的に、患者の体重を使用して投与量を計算することができる。例えば、患者に投与される化合物またはその薬学的組成物の用量は、0.1~100mg/kgの範囲であり得る。
【実施例】
【0139】
【0140】
材料
特に明記しない限り、すべての材料は、商業的供給者から入手し、さらに精製することなく使用した。空気または湿気に敏感な試薬を含むすべての反応は、窒素雰囲気下で行われた。
【0141】
実施例1.中間体の調製
中間体1及び2:(4S)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸
【化25】
ステップ1.メチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾエート及びメチル5-ブロモ-2-(ジブロモメチル)ベンゾエート
N-ブロモスクシンイミド(130.5g、733mmol)及びAIBN(11.47g、69.8mmol)を、CCl
4(1.6L)中のメチル5-ブロモ-2-メチル-ベンゾエート(160g、698mmol)の混合物に加えた。混合物を80℃で8時間撹拌した。混合物を25℃に冷却し、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、表題化合物の混合物(215g、粗製)を黄色の油として得、これを次のステップに直接使用した。
【0142】
ステップ2.メチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾエート
ジイソプロピルエチルアミン(48.6mL、279mmol)及び1-エトキシホスホノイルオキシエタン(36.0mL、279mmol)を、THF(1L)中のメチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾエート及びメチル5-ブロモ-2-(ジブロモメチル)ベンゾエートの混合物(215g、粗製)に0℃で加えた。混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物を水(1L)で希釈し、EA(1L×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、PE:EA=10:1(1L)で溶解した。混合物を短いシリカゲルカラムを通して濾過し、PE:EA=10:1(2L)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(210g、682mmol)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.99(d,J=2.0Hz,1H),7.82-7.79(m,1H),7.56(d,J=8.4Hz,1H),4.97(s,2H),3.88(s,3H)ppm.
【0143】
ステップ3.メチル6-ブロモ-4-オキソ-イソクロマン-3-カルボキシレート
水素化ナトリウム(39g、974mmol、純度60%)を、DMF(1.5L)中のメチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ベンゾエート(150g、487mmol)及びメチル2-ヒドロキシアセテート(75mL、974mmol)の混合物に0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を、飽和NH4Cl(水溶液、6L)に注ぎ、次いでMTBE(3L×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(140g、粗製)を褐色の油として得、これを次のステップに直接使用した。
【0144】
ステップ4.6-ブロモイソクロマン-4-オン
EtOH(500mL)及びHCl(12M、1L)中のメチル6-ブロモ-4-オキソ-イソクロマン-3-カルボキシレート(140g、487mmol)の混合物を、120℃で1時間撹拌した。反応混合物を、25℃に冷却し、濾過した。フィルターケーキを、保存した。濾液を水(2L)で希釈し、MTBE(1.5L×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色の油を得た。褐色の油をフィルターケーキと合わせ、次いでEtOH(200mL)で0℃で0.5時間粉砕した。固体を濾過によって収集し、EtOH(50mL×2)で洗浄し、真空中で乾燥させて、表題化合物(50g、242mmol)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.17(d,J=20Hz,1H),7.69-7.67(m,1H),7.13(d,J=8.4Hz,1H),4.85(s,2H),4.37(s,2H)ppm.
【0145】
ステップ5.6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-オール
臭化メチルマグネシウム(THF中3M、440mL)を、THF(2L)中の6-ブロモイソクロマン-4-オン(100g、440mmol)及びCeCl3(54.3g、220mmol、マッフル炉で300℃で乾燥)の混合物に-50℃で滴加した。混合物を20℃に温め、1時間撹拌した。反応混合物を水(2L)に注ぎ、次いで珪藻土を通して濾過した。次いで、珪藻土をEA(2L)で洗浄した。濾液を分離し、水層をEA(1L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2L)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下40℃で濃縮して、残渣を得た。粗残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=50:1~3:1)によって精製して、表題化合物(105g、432mmol)を淡い黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.67(d,J=2.0Hz,1H),7.38-7.35(m,1H),6.99(d,J=8.4Hz,1H),5.35(s,1H),4.71-4.58(m,2H),3.68-3.59(m,1H),3.58-3.50(m,1H),1.38(s,3H)ppm.
【0146】
ステップ6.6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-カルボニトリル
TMSCN(102.9mL、823mmol)を、DCM(2L)中の6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-オール(100g、411mmol)の溶液に0℃で加えた。次いで、InBr3(29.2g、82.3mmol)を加え、混合物を温め、25℃で1時間撹拌した。混合物を水(2L)に注ぎ、DCM(1L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下40℃で濃縮した。粗残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=20:1~5:1)によって精製して、表題化合物(55g、218mmol)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.82(d,J=2.0Hz,1H),7.55-7.52(m,1H),7.13(d,J=8.3Hz,1H),4.83-4.68(m,2H),4.17(d,J=11.5Hz,1H),3.79(d,J=11.5Hz,1H),1.65(s,3H)ppm.
【0147】
ステップ7.(4S)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸
酢酸パラジウム(490mg、2.18mmol)及びK2CO3(9.05g、65.4mmol)を、DMSO(110mL)及びH2O(5.5mL)中の6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-カルボニトリル(11g、43.6mmol)及びDCPP-2HBF4(2.67g、4.36mmol)の混合物に加えた。混合物を脱気し、CO(g)で3回パージし、次いで混合物をCO(15psi)雰囲気下で、100℃で4時間撹拌した。次いで、水層をEA(1L×2)で抽出した。pH=3が達成されるまで、水相をHCl(2N)で酸性化した。次いで、水層をEA(1L×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、EA(100mL)で20℃で15分間粉砕し、次いで固体を濾過によって収集し、EA(50mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物(30g、138mmol)を白色の固体として得た。立体異性体の混合物を、SFC分離(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm×30mm、5μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MEOH];B%:20%~20%、3.52分;514分分)によって精製した。ピーク1を減圧下で濃縮して、油を得た。油を水(200mL)中に溶解した。混合物をHCl(2N)でpH=3に酸性化し、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、中間体1(4.15g、19.1mmol)をオフホワイト色の固体として得た。ピーク2を減圧下で濃縮して、油を得た。油を水(200mL)中に溶解した。混合物をHCl(2N)でpH=3に酸性化し、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、中間体2(4.1g、18.9mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
【0148】
中間体1:キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M;RT=0.89分
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=218.3.
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.17(br s,1H),8.07(d,J=1.6Hz,1H),7.89-7.87(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.95-4.79(m,2H),4.19(d,J=11.6Hz,1H),3.88(d,J=11.6Hz,1H),1.67(s,3H)ppm.
【0149】
中間体2:キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M;RT=1.03分
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=218.3.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.17(br s,1H),8.07(d,J=1.6Hz,1H),7.89-7.87(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.95-4.79(m,2H),4.19(d,J=11.6Hz,1H),3.88(d,J=11.6Hz,1H),1.67(s,3H)ppm.
【0150】
中間体3及び4:(4R)-4-ヒドロキシ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸及び(4S)-4-ヒドロキシ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸
【化26】
(4R)-4-ヒドロキシ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸及び(4S)-4-ヒドロキシ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸
DMSO(10mL)中の6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-オール(1.00g、4.11mmol)、dccp
.2BF
4(252mg、0.41mmol)、K
2CO
3(853mg、6.17mmol)、Pd(OAc)
2(92.4mg、0.41mmol)、及びH
2O(1.48mL、82.3mmol)の混合物を脱気し、CO(g)で3回パージした。混合物を、CO雰囲気下で、100℃で14時間撹拌した。反応混合物を濾過して、黒色の固体を除去し、次いで水(60mL)で希釈し、EA(60mL×2)で抽出した。有機層を廃棄し、水相を、HCl水溶液でpH=6に調整した。次いで、水溶液を、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(200mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物の混合物(550mg、2.43mmol)を淡い黄色の固体として得た。立体異性体を、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm*30mm、10μm);移動相:[0.1%NH
3・H
2O IPA];B%:40%~40%,4.0分;60分分)によって分離した。所望の画分を収集し、減圧下で濃縮した。生成物を水で希釈し、HCl水溶液でpH=4になるまで調整し、次いで、EA(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体3(260mg、1.18mmol)を黄色の固体として、中間体4(240mg、1.04mmol)を黄色の固体として得た。
【0151】
中間体3:キラルSFC:AD-3_5CM_IPA(DEA)_5_40_3ML_AT35.M;RT=1.537分。
LCMS(ESI)m/z:[M-18+H]+=191.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.19-12.40(m,1H),8.15(d,J=1.6Hz,1H),7.75-7.73(m,1H),7.13(d,J=8.0Hz,1H),5.34(s,1H),4.82-4.68(m,2H),3.71-3.65(m,1H),3.61-3.54(m,1H),1.40(s,3H)ppm.
【0152】
中間体4:キラルSFC:AD-3_5CM_IPA(DEA)_5_40_3ML_AT35.M;RT=1.926分。
LCMS(ESI)m/z:[M-17+H]+=191.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.86(br s,1H),8.15(d,J=1.6Hz,1H),7.75-7.73(m,1H),7.13(d,J=8.0Hz,1H),5.34(s,1H),4.84-4.67(m,2H),3.73-3.62(m,1H),3.62-3.53(m,1H),1.40(s,3H)ppm.
【0153】
中間体5及び6:(S)-4-シアノ-4-メチルクロマン-6-カルボン酸及び(R)-4-シアノ-4-メチルクロマン-6-カルボン酸
【化27】
ステップ1.6-ブロモクロマン-4-カルボニトリル
カリウムtert-ブトキシド(54.4g、484mmol)を、DME(2.5L)及びEtOH(100mL)中の6-ブロモクロマン-4-オン(50g、220mmol)及び1-(イソシアノメチルスルホニル)-4-メチル-ベンゼン(64.5g、330mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を温め、25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(2L)に注ぎ、NH
4Cl(56.9g)でpH=6~7に調整した。有機溶媒を真空中で除去した。水相をEA(1.5L×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をFCC(溶離液:PE:EA=20:1)によって精製した。精製された残渣を、同じ条件下で実行された別のバッチと合わせ、MTBE(150mL)で粉砕した。固体を濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(40g、151mmol)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.43-7.42(m,1H),7.33-7.31(m,1H),6.76(d,J=8.8Hz,1H),4.36-4.30(m,1H),4.26-4.21(m,1H),4.01-3.98(m,1H),2.35-2.31(m,2H)ppm.
【0154】
ステップ2.6-ブロモ-4-メチル-クロマン-4-カルボニトリル
水素化ナトリウム(8.40g、210mmol、純度60%)を、THF(250mL)中の6-ブロモクロマン-4-カルボニトリル(25g、105mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いでMeI(32.7mL、525mmol)を加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(水溶液、800mL)で希釈し、EA(800mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4溶液で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣を、FCC(溶離液:PE/EA=1:0~5:1)によって精製して、表題化合物(18g、69.2mmol)を淡い黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.69(d,J=2.4Hz,1H),7.41-7.38(m,1H),6.83(d,J=8.8Hz,1H),4.33-4.25(m,1H),4.24-4.15(m,1H),2.41-2.35(m,1H),2.17-2.11(m,1H),1.75(s,3H)ppm.
【0155】
ステップ3.(S)-4-シアノ-4-メチルクロマン-6-カルボン酸及び(R)-4-シアノ-4-メチルクロマン-6-カルボン酸
DMSO(85mL)中の6-ブロモ-4-メチル-クロマン-4-カルボニトリル(8.5g、33.7mmol)、dccp-2HBF4(2.06g、3.37mmol)、K2CO3(6.99g、50.6mmol)、Pd(OAc)2(757mg、3.37mmol)、及びH2O(1.22mL、67.4mmol)の混合物を脱気し、CO(g)で3回パージした。次いで、混合物を、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で14時間撹拌した。反応混合物を第2のバッチと合わせ、濾過して、黒色の固体を除去した。得られた混合物を水(60mL)で希釈し、EA(60mL×2)で抽出した。有機層を廃棄し、水相のpHを、HCl水溶液でpH=4になるまで調整して、沈殿物を得た。混合物を濾過し、白色の固体を水(40mL×2)で洗浄し、濾過し、真空中で乾燥させて、表題化合物の混合物(12g、51.2mmol)を白色の固体として得た。中間体5及び6を、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm*30mm、5μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MEOH];B%:30%~30%、4.7分;600分)により分離した。画分を減圧下で濃縮して、中間体5(5.3g、24.3mmol)をオフホワイト色の固体として得、中間体6(5.2g、23.6mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
【0156】
中間体5:キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、RT=0.958分
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=218.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.00(d,J=2.0Hz,1H),7.79-7.76(m,1H),6.88(d,J=8.4Hz,1H),4.37-4.22(m,2H),2.45-2.39(m,1H),2.22-1.75(m,1H),1.76(s,3H)ppm.
【0157】
中間体6:キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、RT=1.294
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=218.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.00(d,J=2.0Hz,1H),7.79-7.76(m,1H),6.89(d,J=8.4Hz,1H),4.37-4.23(m,2H),2.50-2.41(m,1H),2.22-2.18(m,1H),1.76(s,3H)ppm.
【0158】
中間体7及び8:(4R)-4-フルオロ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸及び(4S)-4-フルオロ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸
【化28】
ステップ1.6-ブロモ-4-フルオロ-4-メチル-イソクロマン
DAST(52.2mL、395mmol)を、DCM(320mL)中の中間体8(32g、132mmol)の混合物に0℃で滴加した。混合物を温め、25℃で20分間撹拌した。混合物を氷水(600mL)に注ぎ、DCM(250mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=30:1)によって精製して、表題化合物(24.5g、99.96mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M-18+H]+=226.9.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.72(s,1H),7.45-7.42(m,1H),6.93(d,J=8.0Hz,1H),4.84-4.74(m,1H),4.73-4.64(m,1H),4.06-4.00(m,1H),3.86-3.78(m,1H),1.76-1.64(m,3H)ppm.
【0159】
ステップ2.(4R)-4-フルオロ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸及び(4S)-4-フルオロ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸
酢酸パラジウム(687mg、3.06mmol)、dccp-2HBF4(1.87g、3.06mmol)、及びK2CO3(6.34g、45.9mmol)、及びH2O(7.50mL)を、DMSO(75mL)中の6-ブロモ-4-フルオロ-4-メチル-イソクロマン(7.5g、30.6mmol)の溶液に25℃で加えた。混合物をCO(g)で3回パージした。混合物を加熱し、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で4時間撹拌した。反応混合物をH2O(1.2L)に注ぎ、EA(400mL×2)で抽出した。水相を1N HClでpH=5に酸性化し、EA(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(300mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物の混合物(2.6g、12.2mmol)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.42-12.67(m,1H),8.13(s,1H),7.92-7.88(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.91-4.82(m,1H),4.77-4.68(m,1H),4.10-4.01(m,1H),3.89-3.76(m,1H),1.70-1.58(m,3H)ppm.
【0160】
中間体7及び8を、SFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm*30mm、10μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MeOH];B%:20%~20%、3.4分;2300分分)により分離して、2つのピークを得た。ピーク1を減圧下で濃縮して、95%MeOHを除去し、H2O(500mL)に注いだ。混合物をHCl(1N)でpH=5に酸性化し、EA(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体7(1.06g、5.04mmol)を白色の固体として得た。ピーク2を減圧下で濃縮し、H2O(500mL)に注いだ。混合物をHCl(1N)でpH=5に酸性化し、EA(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体8(1.07g、5.09mmol)を白色の固体として得た。
【0161】
中間体7:キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、RT=0.819分。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.08(br s,1H),8.13(s,1H),7.92-7.88(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.90-4.81(m,1H),4.78-4.68(m,1H),4.05-4.01(m,1H),3.87-3.78(m,1H),1.72-1.58(m,3H)ppm.
【0162】
中間体8:キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、RT=0.903分。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.31-12.88(m,1H),8.13(s,1H),7.92-7.88(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.90-4.81(m,1H),4.78-4.68(m,1H),4.08-4.01(m,1H),3.89-3.77(m,1H),1.72-1.58(m,3H)ppm.
【0163】
中間体9及び10:(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-シアノ-4-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-カルボン酸及び(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-シアノ-4-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-カルボン酸
【化29】
ステップ1.tert-ブチル6-ブロモ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシレート
DCM(20mL)中の6-ブロモ-2,3-ジヒドロ-1H-キノリン-4-オン(2g、8.85mmol)、Boc
2O(3.86g、17.7mmol)、DMAP(108mg、0.88mmol)、及びDIEA(3.1mL、17.7mmol)の混合物を、60℃で12時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで水(5mL)に注いだ。次いで、水溶液を、EA(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE中0~12%EA)によって精製して、表題化合物(1.75g、5.37mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=326.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.89-7.88(m,1H),7.75(d,J=1.2Hz,2H),4.11-4.07(m,2H),2.79-2.75(m,2H),1.51(s,9H)ppm.
【0164】
ステップ2.tert-ブチル6-ブロモ-4-シアノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシレート
カリウムtert-ブトキシド(1.38g、12.26mmol)を、DME(100mL)及びEtOH(4mL)中のtert-ブチル6-ブロモ-4-オキソ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシレート(2g、6.13mmol)及び1-(イソシアノメチルスルホニル)-4-メチル-ベンゼン(1.80g、9.20mmol)の混合物に0℃で加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)に注ぎ、EA(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE中0~20%EA)によって精製して、表題化合物(900mg、2.67mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M-55]+=281.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.67(d,J=8.8Hz,1H),7.55(d,J=2.4Hz,1H),7.51-7.47(m,1H),4.48-4.44(m,1H),3.74-3.69(m,2H),2.21-2.15(m,2H),1.48(s,9H)ppm.
【0165】
ステップ3.tert-ブチル6-ブロモ-4-シアノ-4-メチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシレート
水素化ナトリウム(89mg、2.22mmol、純度60%)を、THF(5mL)中のtert-ブチル6-ブロモ-4-シアノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシレート(500mg、1.48mmol)の混合物に0℃でゆっくりと加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いでMeI(0.14mL、2.22mmol)を加えた。反応混合物を25℃に温め、2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(20mL)でクエンチし、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた油を、FCC(溶離液:PE中0~50%EA)によって精製して、表題化合物(370mg、1.01mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M-55]+=295.0
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.66(d,J=8.8Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.38-7.36(m,1H),3.89-3.80(m,2H),2.40-2.34(m,1H),2.04-2.00(m,1H),1.73(s,3H),1.53(s,9H)ppm.
【0166】
ステップ4.(R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-シアノ-4-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-カルボン酸及び(S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-シアノ-4-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-カルボン酸
酢酸パラジウム(11.8mg、0.053mmol)及びdccp.2HBF4(64.5mg、0.11mmol)を、DMSO(3mL)及びH2O(1mL)中のtert-ブチル6-ブロモ-4-シアノ-4-メチル-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシレート(370mg、1.05mmol)及びK2CO3(218mg、1.58mmol)の混合物に25℃で加えた。混合物を脱気し、CO(g、15psi)で3回パージし、次いで混合物を100℃でCO(g)下で12時間撹拌しながら温めた。反応混合物を濾過し、濾液を逆相HPLCによって精製して、表題化合物の混合物(190mg、0.60mmol)を白色の固体として得た。立体異性体を、キラルSFC(DAICEL CHIRALPAK AD(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MEOH];B%:20%~20%、1.75分;75分)によって分離して、中間体9(80mg、0.25mmol)を淡い黄色の固体として得、中間体10(90mg、0.28mmol)を淡い黄色の固体として得た。
【0167】
中間体9:LCMS(ESI)m/a:[M-55]+=261.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.96(d,J=1.6Hz,1H),7.80-7.78(m,1H),7.69(d,J=8.8Hz,1H),3.79-3.74(m,2H),2.36-2.32(m,1H),2.07-2.05(m,1H),1.71(s,3H),1.47(s,9H)ppm.
キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、Rt=0.766分、ee値=98.82%。
【0168】
中間体10:LCMS(ESI)m/a:[M-55]+=261.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.96(br s,1H),7.81-7.78(m,1H),7.71(br d,J=8.8Hz,1H),3.80-3.74(m,2H),2.36-2.31(m,1H),2.07-2.04(m,1H),1.71(s,3H),1.48(s,9H)ppm.
キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M.Rt=0.916分、ee値=93.82%。
【0169】
中間体11:tert-ブチルN-[1-(4-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エチル]カルバメート
【化30】
ステップ1.1-(4-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エタノン
n-ブチルリチウム(2.5M、16.9mL)を、トルエン(400mL)中の2,4-ジブロモピリジン(10.0g、42.2mmol)の溶液に-60℃で加えた。混合物を、-60℃で1時間撹拌し、次いで、メチル2-メトキシアセテート(7.53mL、76.0mmol)を加え、この混合物を-60℃で1時間撹拌した。水(1L)を加えることにより反応混合物をクエンチし、次いでEA(1L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1L)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、FCC(溶離液:PE:EA=3:1)によって精製して、表題化合物(5g、21.7mmol)を褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.45(d,J=5.2Hz,1H),8.23(d,J=2.0Hz,1H),7.68-7.66(m,1H),5.01(s,2H),3.54(s,3H)ppm.
【0170】
ステップ2.tert-ブチルN-[1-(4-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エチル]カルバメート
酢酸アンモニウム(13.4g、174mmol)及びNaBH3CN(10.93g、174mmol)を、THF(120mL)中の1-(4-ブロモ-2-ピリジル)-2-メトキシ-エタノン(4g、17.4mmol)の溶液に20℃で加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した。Boc2O(22.8g、104mmol)及び飽和NaHCO3(60mL)を、反応混合物に加え、この混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)で希釈し、EA(300mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、FCC(溶離液:PE:EA=3:1)によって精製し、減圧下で濃縮して、白色の固体を得た。次いで、白色の固体をRPCによって再精製した。表題化合物を含む画分を収集し、濃縮して、MeCNを除去した。pH=9.0が達成されるまで、水層を炭酸ナトリウム(固体)で塩基性化した。水溶液を、EA(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮して、表題化合物(1.5g、4.19mmol)を褐色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br81M+H]+=333.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.41(d,J=5.2Hz,1H),7.62(d,J=1.2Hz,1H),7.58-7.56(m,1H),7.37(br d,J=8.8Hz,1H),4.81-4.76(m,1H),3.56-3.54(m,2H),3.23(s,3H),1.40-1.37(m,9H)ppm.
【0171】
中間体12及び13:(S)-4-(ジフルオロメチル)-4-フルオロイソクロマン-6-カルボン酸及び(R)-4-(ジフルオロメチル)-4-フルオロイソクロマン-6-カルボン酸
【化31】
ステップ1.6-ブロモ-4-(ジフルオロ(フェニルスルホニル)メチル)イソクロマン-4-オール
LiHMDS(1M、26.4mL)を、THF(30mL)中の6-ブロモイソクロマン-4-オン(3g、13.2mmol)、ジフルオロメチルスルホニルベンゼン(2.8mL、19.8mmol)の溶液に-78℃で加えた。混合物を-78℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(50mL)に注ぎ、EA(50mL×2)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=10:1~3:1)によって精製して、表題化合物(3g、6.70mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H2O]+=435.8,437.8.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.04(d,J=7.6Hz,2H),7.90-7.89(m,1H),7.85-7.76(m,1H),7.71-7.62(m,2H),7.49-7.47(m,1H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),5.00(d,J=12.4Hz,1H),4.93-4.73(m,2H),3.93-3.88(m,1H),3.83(s,1H).
【0172】
ステップ2.6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イソクロマン-4-オール
マグネシウム(2.61g、107mmol)を、DMF(100mL)中の6-ブロモ-4-(ジフルオロ(フェニルスルホニル)メチル)イソクロマン-4-オール(3g、7.16mmol)及びNaOAc/HOAc(水溶液、8M、44.7mL)の溶液に加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)に注ぎ、次いでEA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=10:1~3:1)によって精製して、表題化合物(1.5g、5.37mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM-H2O]+=260.9.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.83-7.60(m,1H),7.51-7.33(m,1H),7.11-6.93(m,1H),6.25-5.88(m,1H),4.92-4.70(m,2H),4.26-4.17(m,1H),3.87-3.66(m,1H),2.75-2.58(m,1H).
【0173】
ステップ3.6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-4-フルオロイソクロマン
DAST(1.33mL、10.0mmol)を、DCM(20mL)中の6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)イソクロマン-4-オール(1.4g、5.02mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)に注ぎ、DCM(20mL×2)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=10:1~5:1)によって精製して、表題化合物(900mg、2.88mmol)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.73-7.51(m,1H),7.48-7.28(m,1H),7.08-6.89(m,1H),6.20-5.80(m,1H),4.82-4.61(m,2H),4.33-4.18(m,1H),4.01-3.82(m,1H).
【0174】
ステップ4.(S)-4-(ジフルオロメチル)-4-フルオロイソクロマン-6-カルボン酸及び(R)-4-(ジフルオロメチル)-4-フルオロイソクロマン-6-カルボン酸
酢酸パラジウム(34.0mg、0.15mmol)、K2CO3(627mg、4.54mmol)及びdccp-。2HBF4(185mg、0.30mmol)を、H2O(0.11mL)及びDMSO(10mL)中の6-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)-4-フルオロイソクロマン(850mg、3.02mmol)の溶液に加えた。混合物を、CO(g、15psi)下で、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)に注ぎ、EA(20mL×2)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物の混合物(450mg、1.64mmol)を無色の油として得た。立体異性体の混合物をSFC分離(カラム:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MEOH];B%:20%~20%、3分;36分分)によって精製して、中間体12(220mg、0.89mmol)を無色の油として、中間体13(220mg、0.89mmol)を無色の油として得る。
【0175】
中間体12:キラルSFC:Chiralpak IG-3 50×4.6mm ID、RT=0.928分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H2O]+=247.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.36(s,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.4Hz,1H),6.38-5.96(m,1H),5.01-4.76(m,2H),4.40-4.35(m,1H),4.18-4.01(m,1H).
【0176】
中間体13:キラルSFC:Chiralpak IG-3 50×4.6mm I.D.,RT=1.115分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H2O]+=247.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.36(s,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.4Hz,1H),6.38-5.96(m,1H),5.01-4.76(m,2H),4.40-4.35(m,1H),4.18-4.01(m,1H).
【0177】
中間体14及び15:(R)-3-シアノ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボン酸及び(S)-3-シアノ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボン酸
【化32】
ステップ1.メチル5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート
マグネシウム(9.53g、392mmol)を、MeOH(400mL)中のメチル5-ブロモベンゾフラン-3-カルボキシレート(10g、39.2mmol)の溶液に加えた。反応溶液を、25℃で6時間撹拌した。4N HCl(200mL)を、溶液に注意深く加えた。マグネシウム金属が完全に溶解した後、溶液を減圧下で濃縮して、MeOHを除去した。得られた混合物をEA(200mL×3)と水(100mL)との間で分配した。有機相を分離し、無水MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィーによって精製し、減圧下で濃縮して、MeCNを除去した。次いで、水層をEA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(6g、23.3mmol)を赤色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.41-7.40(m,1H),7.25-7.16(m,1H),6.62(d,J=8.8Hz,1H),4.89-4.85(m,1H),4.61-4.60(m,1H),4.28-4.24(m,1H),3.73(s,3H)ppm.
【0178】
ステップ2.メチル5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート
水素化ナトリウム(350mg、8.75mmol、純度60%)を、THF(15mL)中のメチル5-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート(1.5g、5.83mmol)の混合物に、0℃でゆっくりと加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いでMeI(0.54mL、8.75mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を25℃まで温め、2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(30mL)でクエンチし、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を濃縮して、黄色の油を得た。油をFCC(溶離液:0~40%EA/PE)によって精製して、表題化合物(670mg、2.43mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=271.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.43(d,J=2.0Hz,1H),7.29-7.27(m,1H),6.71(d,J=8.4Hz,1H),5.08(d,J=9.2Hz,1H),4.28(d,J=9.2Hz,1H),3.76(s,3H),1.61(s,3H)ppm.
【0179】
ステップ3.5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボン酸
MeOH(5mL)及びH2O(2mL)中のメチル5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシレート(650mg、2.40mmol)及びNaOH(240mg、5.99mmol)の混合物を、25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を水(10mL)で希釈した。HCl(1M)を加えて、pHを4に調整し、次いで溶液をEA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、表題化合物(600mg)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.44(d,J=2.0Hz,1H),7.34-7.31(m,1H),6.80(d,J=8.4Hz,1H),4.94(d,J=9.2Hz,1H),4.30(d,J=9.2Hz,1H),1.53(s,3H)ppm.
【0180】
ステップ4.5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキサミド
塩化アンモニウム(1.25g、23.3mmol)を、DMF(6mL)中の5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボン酸(600mg、2.33mmol)、DIPEA(2.0mL、11.7mmol)、及びHATU(1.33g、3.50mmol)の混合物に25℃で加えた。混合物を12時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(580mg)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=257.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.60(d,J=2.0Hz,1H),7.38-7.24(m,3H),6.76(d,J=8.4Hz,1H),5.03(d,J=8.8Hz,1H),4.20(d,J=9.2Hz,1H),1.52(s,3H)ppm.
【0181】
ステップ5.5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボニトリル
トリエチルアミン(0.95mL、6.79mmol)を、DCM(6mL)中の5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキサミド(580mg、2.26mmol)の混合物に0℃で加えた。次いで、TFAA(0.79mL、5.66mmol)を0℃で加えた。混合物を10分間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を濃縮して、黄色の油を得た。油を、FCC(溶離液:PE中0~20%EA)によって精製して、表題化合物(500mg、1.89mmol)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.80(d,J=2.0Hz,1H),7.47-7.44(m,1H),6.93(d,J=8.8Hz,1H),4.96(d,J=9.4Hz,1H),4.46(d,J=9.6Hz,1H),1.74(s,3H)ppm.
【0182】
ステップ6.(R)-3-シアノ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボン酸及び(S)-3-シアノ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボン酸
酢酸パラジウム(18.9mg、0.084mmol)及びdccp.2HBF4(103mg、0.17mmol)を、DMSO(3.2mL)及びH2O(0.8mL)中の5-ブロモ-3-メチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボニトリル(400mg、1.68mmol)及びK2CO3(348mg、2.52mmol)の混合物に25℃で加えた。混合物を脱気し、CO(g)で3回パージした。混合物を、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を逆相HPLCによって精製した。所望の画分を濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、表題化合物の混合物(210mg、1.02mmol)を白色の固体として得た。立体異性体を、キラルSFC(DAICEL CHIRALPAK IG(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MEOH];B%:20%~20%、3.9分)によって分離した。溶離液を濃縮して、中間体14(90mg、0.44mmol)を赤色の固体として、中間体15(100mg、0.49mol)を淡い黄色の固体として得た。
【0183】
中間体14:キラルSFC:AD-3_5CM_ETOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、RT=0.924分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=204.1.
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.02(s,1H),7.90-7.88(m,1H),6.98(d,J=8.4Hz,1H),4.99(d,J=9.6Hz,1H),4.52(d,J=9.6Hz,1H),1.75(s,3H)ppm.
【0184】
中間体15:キラルSFC:AD-3_5CM_ETOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、RT=1.078分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=204.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.02(d,J=1.6Hz,1H),7.89-7.87(m,1H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),4.99(d,J=9.6Hz,1H),4.52(d,J=9.2Hz,1H),1.75(s,3H)ppm.
【0185】
中間体16:3-[3-(ジフルオロメチル)オキセタン-3-イル]安息香酸
【化33】
ステップ1.3-(3-ブロモフェニル)オキセタン-3-カルバルデヒド
DMP(1.66mL、5.35mmol)を、DCM(10mL)中の[3-(3-ブロモフェニル)オキセタン-3-イル]メタノール(1g、4.11mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を濾過して濃縮した。残渣をFCC(溶離液:PE:EA=100:1~1:100)によって精製して、表題化合物(850mg、3.53mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=259.0.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=9.71(s,1H),7.46-7.40(m,1H),7.24(t,J=8.0Hz,1H),7.18(t,J=2.0Hz,1H),6.99-6.92(m,1H),5.08(d,J=6.4Hz,2H),4.91(d,J=6.4Hz,2H)ppm.
【0186】
ステップ2.3-(3-ブロモフェニル)-3-(ジフルオロメチル)オキセタン
DAST(1.15mL、8.71mmol)を、DCM(7mL)中の3-(3-ブロモフェニル)オキセタン-3-カルバルデヒド(700mg、2.90mmol)の溶液に-78℃で加えた。混合物を温め、0℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(5mL)に注いだ。有機層を収集し、真空中で濃縮した。残渣をFCC(溶離液:PE:EA=100:1~1:1)によって精製して、表題化合物(500mg、1.90mmol)を褐色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.59-7.45(m,1H),7.34-7.29(m,1H),7.26(s,1H),7.11-6.94(m,1H),6.43-5.96(m,1H),4.99(s,4H)ppm.
【0187】
ステップ3.3-[3-(ジフルオロメチル)オキセタン-3-イル]安息香酸
酢酸パラジウム(6.40mg、0.029mmol)、dccp.2HBF4(34.9mg、0.057mmol)、及びK2CO3(118mg、0.86mmol)を、DMSO(5mL)及びH2O(2.5mL)中の3-(3-ブロモフェニル)-3-(ジフルオロメチル)オキセタン(150mg、0.57mmol)の溶液に25℃で加えた。混合物を脱気し、CO(g)で3回パージし、次いで混合物をCO(15psi)雰囲気下で、100℃で16時間撹拌した。混合物をEA(5ml)で抽出した。水層をHCl水溶液(1M)でpHを5~6に調整し、EA(5ml×3)で抽出した。有機層を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(120mg、0.53mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=229.1.
【0188】
中間体17:4-(3-オキソシクロブチル)ピコリノニトリル
【化34】
ステップ1:4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピコリノニトリル
ジオキサン(250mL)中の4-ブロモピリジン-2-カルボニトリル(25g、136.61mmol)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(41.63g、163.93mmol)の溶液に、KOAc(40.22g、409.82mmol)及びPd(dppf)Cl
2.CH
2Cl
2(3g、3.67mmol)を加えた。混合物を80℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(1000mL)に注ぎ、溶液をEA(1000mL*2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2000mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10:1~1:1)によって精製して、表題化合物(24g、104.32mmol、収率76.36%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=231.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=8.79(d,J=4.4Hz,1H),8.04(s,1H),7.87(d,J=4.8Hz,1H),1.31(s,12H)ppm
【0189】
ステップ2:N’-(3-(ベンジルオキシ)シクロブチリデン)-4-メチルベンゼンスルホンヒドラジド
MeOH(150mL)中の3-ベンジルオキシシクロブタノン(15g、85.13mmol)の溶液に、4-メチルベンゼンスルホノヒドラジド(15.85g、85.13mmol)を加えた。混合物を20℃で5分間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをMeOH(30mL)で洗浄し、濾液を真空乾燥させて、表題化合物(23g、66.78mmol、収率78.45%)を白色の固体として得た。
【0190】
ステップ3:4-(3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)ピコリノニトリル
ジオキサン(450mL)中のN’-(3-(ベンジルオキシ)シクロブチリデン)-4-メチルベンゼンスルホンヒドラジド(23g、66.78mmol)及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピコリノニトリル(23.05g、100.17mmol)の溶液に、Cs2CO3(65.27g、200.33mmol)を加えた。混合物を130℃で48時間還流した。反応混合物を水(800mL)で希釈し、EA(300mL*3)で抽出した。合わせた有機層を洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM/EA=1/0~10/1)によって精製して、表題化合物(3.7g、13.29mmol、収率19.90%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=265.1
【0191】
ステップ4:4-(3-ヒドロキシシクロブチル)ピコリノニトリル
DCM(120mL)及びH2O(12mL)中の4-(3-(ベンジルオキシ)シクロブチル)ピコリノニトリル(3.7g、14.00mmol)の溶液に、DDQ(17.48g、76.99mmol)を加えた。混合物を、N2下で、30℃で16時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaSO3溶液(500mL)で抽出し、DCM(500mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5:1~0:1)によって精製して、表題化合物(1.4g、8.04mmol、収率57.41%)を黄色の油として得た。
【0192】
ステップ5:4-(3-オキソシクロブチル)ピコリノニトリル
DCM(15mL)中の4-(3-ヒドロキシシクロブチル)ピコリノニトリル(1.4g、5.44mmol)の溶液に、デス-マーチン(6.92g、16.31mmol)を加えた。混合物を30℃で2時間撹拌した。反応混合物をNa2SO3溶液(100mL)に注ぎ、EA(100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5:1~0:1)によって精製して、表題化合物(900mg、4.98mmol、収率91.62%)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=173.1
【0193】
中間体18:2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
【化35】
ステップ1:2-メチル-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
DMF(10mL)中の2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(200mg、1.37mmol)の混合物に、Cs
2CO
3(668.82mg、2.05mmol)及びMeI(291.36mg、2.05mmol、127.79uL)を30℃で加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。混合物をH
2O(10mL)に注ぎ、DCM(10mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、分取TLC(DCM/MeOH=20/1、Rf=0.4)によって精製して、表題化合物(160mg、946.72umol、収率69.18%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=161.1.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.98(s,1H),8.69(d,J=5.2Hz,1H),8.19(d,J=5.2Hz,1H),7.20(d,J=7.2Hz,1H),6.58(d,J=7.2Hz,1H),3.65(s,3H)ppm.
【0194】
ステップ2:2-ベンジル-6-メチル-5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イウムブロマイド
EtOH(0.5mL)中の2-メチル-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(50mg、312.16umol)の混合物を、70℃で10分間撹拌した。次いで、臭化ベンジル(720.00mg、4.21mmol、0.5mL)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物をMTBE(10mL)で処理し、濾過した。フィルターケーキを減圧下で乾燥させて、表題化合物(130mg、粗製)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.87(s,1H),8.98-8.97(m,1H),8.68(d,J=6.4Hz,1H),7.96(d,J=7.2Hz,1H),7.59-7.42(m,5H),6.96(d,J=7.6Hz,1H),5.96(s,2H),3.60(s,3H)ppm.
【0195】
ステップ3:6-ベンジル-2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
MeOH(1mL)中の2-ベンジル-6-メチル-5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イウムブロマイド(70mg、211.35umol)の混合物に、NaBH4(39.98mg、1.06mmol)をいくつかに分けて0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物を1M HCl水溶液(5mL)に注ぎ、pH=8になるまで飽和NaHCO3で塩基性化した。混合物をEA(10mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(35mg、137.62umol、収率65.1%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=255.3.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.40-7.28(m,5H),7.07(d,J=7.2Hz,1H),5.84(d,J=6.8Hz,1H),3.69(s,2H),3.52(s,3H),3.39(s,2H),2.79-2.64(m,4H)ppm.
【0196】
ステップ4:2-メチル-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
MeOH(1mL)中の6-ベンジル-2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(35mg、137.62umol)の混合物に、TFA(31.38mg、275.24umol、20.38uL)及びPd/C(20mg、純度10%)を加えた。混合物をH2で3回パージし、H2(15psi)下で、30℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮して、表題化合物(30mg、107.83umol、収率78.4%、TFA塩)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=165.1.
【0197】
中間体19:7-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩
【化36】
ステップ1:(E)-N-(2,2-ジメトキシエチル)-1-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)メタンイミン
トルエン(20mL)中の3-フルオロ-5-メトキシ-ベンズアルデヒド(2g、12.98mmol)の溶液に、2,2-ジメトキシエタンアミン(1.50g、14.27mmol、1.56mL)を加えた。混合物を120℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、表題化合物(3g、粗製)を黄色の油として得た。
【0198】
ステップ2:N-(3-フルオロ-5-メトキシベンジル)-2,2-ジメトキシエタン-1-アミン
MeOH(30mL)中の(E)-N-(2,2-ジメトキシエチル)-1-(3-フルオロ-5-メトキシフェニル)メタンイミン(3g、12.43mmol)の溶液に、NaBH4(564.53mg、14.92mmol)を0℃で加えた。混合物を30℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ、混合物をEA(100mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(2.2g、9.04mmol、収率72.73%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=6.66-6.63(m,2H),6.51-6.48(m,1H),4.49-4.46(m,1H),3.79(s,3H),3.76(s,2H),3.47-3.37(m,6H),2.73(d,J=5.4Hz,2H)ppm.
【0199】
ステップ3:7-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-オール
HCl(10mL)中のN-(3-フルオロ-5-メトキシベンジル)-2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(1g、4.11mmol)の混合物を、40℃で12時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、表題化合物(810mg、粗製)を黄色の油として得た。
【0200】
ステップ4:7-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
DCM(8mL)中の7-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-オール(810mg、4.11mmol)の溶液に、Et3SiH(1.43g、12.32mmol、1.97mL)及びTFA(5.39g、47.27mmol、3.5mL)を加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、表題化合物(744mg、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=182.3
【0201】
ステップ5:tert-ブチル7-フルオロ-5-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート
DCM(10mL)中の7-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(744mg、4.11mmol)の溶液に、Et3N(2.08g、20.53mmol、2.86mL)及びBoc2O(1.08g、4.93mmol、1.13mL)を加えた。混合物を30℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)に注ぎ、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5:1~1:1)によって精製して、表題化合物(150mg、494.22umol、収率12.04%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=226.2
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=6.45-6.42(m,2H),4.54-4.51(m,2H),3.80(s,3H),3.63-3.60(m,2H),2.69-2.66(m,2H),1.49(s,9H)ppm.
【0202】
ステップ6:7-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩
HCl/ジオキサン(2mL)中のtert-ブチル7-フルオロ-5-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート(150mg、533.20umol)の混合物を、30℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をMTBE(10mL)で粉砕して、表題化合物(60mg、263.71umol、収率49.46%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=182.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=6.53-6.43(m,2H),4.28(s,2H),3.81(s,3H),3.43(s,2H),3.00(s,2H)ppm
【0203】
中間体20:3-メトキシ-3-フェニルピロリジン塩酸塩
【化37】
ステップ1:tert-ブチル3-メトキシ-3-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(3mL)中のtert-ブチル3-ヒドロキシ-3-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート(200mg、759.50umol)の溶液に、NaH(42.53mg、1.06mmol、純度60%)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。MeI(161.70mg、1.14mmol、70.92uL)を混合物に加え、25℃で16時間撹拌し続けた。混合物を水(50mL)に注ぎ、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0から60%の酢酸エチル/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(180mg、648.98umol、収率85.45%)を無色の油として得た。
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.43-7.29(m,5H),3.97-3.78(m,1H),3.64-3.45(m,3H),3.02(d,J=5.6Hz,3H),2.48-2.36(m,1H),2.24-2.09(m,1H),1.48(d,J=4.8Hz,9H)ppm.
【0204】
ステップ2:3-メトキシ-3-フェニルピロリジン塩酸塩
MeOH(2mL)中のtert-ブチル3-メトキシ-3-フェニルピロリジン-1-カルボキシレート(170mg、612.93umol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、2mL)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して、表題化合物(120mg、粗製、HCl)を白色の固体として得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.89(br s,1H),9.48(br s,1H),7.47-7.34(m,4H),3.80-3.67(m,1H),3.40-3.14(m,3H),2.92(s,3H),2.63-2.53(m,1H),2.24-2.10(m,1H)ppm.
【0205】
中間体21:1-(アゼチジン-3-イル)-1H-インドール
【化38】
ステップ1:tert-ブチル3-(1H-インドール-1-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート
DMF(5mL)中のインドール(500mg、4.27mmol)の溶液に、NaH(256.06mg、6.40mmol、純度60%)を0℃で少しずつ加えた。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次いで、tert-ブチル3-ヨードアゼチジン-1-カルボキシレート(1.33g、4.69mmol)を滴加した。反応溶液を25℃で12.5時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液(10mL)でクエンチし、H
2O(10mL)で希釈し、EA(10mL*3)で抽出した。合わせた有機層を洗浄し、ブライン(10mL*3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(FA条件)によって精製した。分画を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、EA(25mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(520mg、1.77mmol、収率41.41%)を赤色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=273.1
1H NMR(400MHz,CDCl
3-d)δ=7.66(d,J=7.6Hz,1H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),7.32(d,J=3.2Hz,1H),7.26-7.22(m,1H),7.19-7.11(m,1H),6.60(d,J=2.8Hz,1H),5.22-5.18(m,1H),4.52-4.48(m,2H),4.36-4.32(m,2H),1.50(s,9H)
【0206】
ステップ2:1-(アゼチジン-3-イル)-1H-インドール
DCM(3mL)中のtert-ブチル3-(1H-インドール-1-イル)アゼチジン-1-カルボキシレート(220mg、807.81umol)の溶液に、TFA(92.11mg、807.81umol、59.81uL)を加えた。反応混合物を25℃で10時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を逆相クロマトグラフィー(FA条件)によって精製した。画分を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、表題化合物(110mg、504.01umol、収率62.39%、FA)を赤色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=173.1
【0207】
中間体22:7-(ジフルオロメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩
【化39】
ステップ1:tert-ブチル7-ホルミル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート
N
2下で、THF(40mL)中のtert-ブチル7-ブロモ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート(1g、3.20mmol)の溶液に、n-BuLi(2.5M、2.56mL)を-78℃で滴加した。反応物を-78℃で0.5時間撹拌した。次いで、DMF(468.25mg、6.41mmol、492.89uL)を-78℃で滴加し、-78℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を、NH
4Cl水溶液(60mL)で抽出し、EA(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1)によって精製して、表題化合物(280mg、1.01mmol、収率31.46%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H-56]
+=206.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=9.95(s,1H),7.76-7.68(m,2H),7.39(d,J=8.0Hz,1H),4.59(s,2H),3.58-3.55(m,2H),2.88-2.85(m,2H),1.46-1.41(m,9H)ppm.
【0208】
ステップ2:tert-ブチル7-(ジフルオロメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート
DCM(1.5mL)中のtert-ブチル7-ホルミル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート(150mg、574.02umol)の溶液に、DAST(157.29mg、975.83umol、128.93uL)及びEtOH(5.29mg、114.80umol、6.71uL)を加えた。混合物を25℃で14時間撹拌した。追加のDAST(92.53mg、574.02umol、75.84uL)を0℃で加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1)によって精製して、表題化合物(120mg、388.11umol、収率67.61%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H-56]+=228.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.40-7.34(m,2H),7.32-7.28(m,1H),7.12-6.82(m,1H),4.54(s,2H),3.57-3.52(m,2H),2.83-2.80(m,2H),1.43(s,9H)ppm.
【0209】
ステップ3:7-(ジフルオロメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩
ジオキサン(1mL)中のtert-ブチル7-(ジフルオロメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシレート(120mg、423.56umol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、756.34uL)を加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物(90mg、378.26umol、収率89.30%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=184.0.
【0210】
中間体23:7-ブロモ-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン
【化40】
ステップ1.3-ブロモ-1,5-ナフチリジン
ホウ酸(5.72g、92.5mmol)、FeSO
4
.7H
2O(2.09g、7.51mmol)、及び3-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム水和物(28.1g、116mmol)を濃H
2SO
4(50mL)の溶液に加え、混合物を30℃で0.5時間撹拌した。グリセロール(20.3mL、272mmol)、5-ブロモピリジン-3-アミン(10.0g、57.8mmol)、H
2O(50mL)を反応溶液に加え、混合物を135℃で18時間撹拌した。混合物を30℃に冷却し、pHをNaOHでpH=14に調整した。水層をEA(300mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=10:1~2:1)によって精製して、表題化合物(4.50g、19.9mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br79M+H]+=209.0
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.98-8.97(m,2H),8.58(d,J 1.6Hz,1H),8.40-8.37(m,1H),7.67-7.64(m,1H).
【0211】
ステップ2.7-ブロモ-1,5-ナフチリジン1-オキシド
m-CPBA(5.24g、25.8mmol、純度85%)を、DCM(45.0mL)中の3-ブロモ-1,5-ナフチリジン(4.50g、21.5mmol)の溶液に加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。混合物を飽和Na2SO3(100mL)に注ぎ、DCM(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をMTBE(50mL)で粉砕し、固体を濾過した。固体を収集し、真空乾燥させて、表題化合物(3.3g、14.66mmol)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.23-9.22(m,1H),9.03(d,J=2.0Hz,1H),8.55(d,J=6.4Hz,1H),7.99(d,J=8.8Hz,1H),7.57-7.53(m,1H).
【0212】
ステップ3.7-ブロモ-1,5-ナフチリジン-2(1H)-オン
水(25mL)中の炭酸カリウム(6.89g、49.86mmol)を、CHCl3(60mL)中の7-ブロモ-1,5-ナフチリジン1-オキシド(3.30g、14.7mmol)及びTosCl(3.35g、17.6mmol)の溶液に加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキを真空乾燥させて、表題化合物(2.5g、10.0mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br79M+H]+=225.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.21-11.78(m,1H),8.54(d,J=2.0Hz,1H),7.91(d,J=10.4Hz,1H),7.85(d,J=1.6Hz,1H),6.78-6.74(m,1H).
【0213】
中間体24:tert-ブチルN-[1-(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)エチル]カルバメート
【化41】
tert-ブチルN-[1-(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)エチル]カルバメート
臭化メチルマグネシウム(3M、1.73mL)を、THF(6mL)中の2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(300mg、1.30mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を25℃で1時間加温撹拌した。反応混合物を乾燥MeOH(3mL)を加えることによってクエンチし、次いでNH
4OAc(1g、13.0mmol)及びNaBH
3CN(815mg、13.0mmol)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。Boc
2O(1.70g、7.78mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)でクエンチし、EA(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、FCC(溶離液:PE:EA=1:1)によって精製して、表題化合物(250mg、0.68mmol)を淡い黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=350.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.34(s,1H),8.63(d,J=8.8Hz,1H),8.33-8.24(m,3H),7.84(s,1H),7.62-7.53(m,4H),4.87(d,J=7.2Hz,1H),1.47-1.37(m,12H)ppm.
【0214】
中間体25及び26:(3S)-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-インダン-5-カルボン酸及び(3R)-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-インダン-5-カルボン酸
【化42】
ステップ1.6-ブロモインダン-1-カルボニトリル
カリウムtert-ブトキシド(53.2g、474mmol)を、DME(2.5L)及びEtOH(100mL)中の6-ブロモインダン-1-オン(50g、237mmol)及び1-(イソシアノメチルスルホニル)-4-メチル-ベンゼン(69.4g、356mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(2L)に注ぎ、EA(2L×2)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮した。粗生成物をEA(500mL)で希釈し、ブライン(500mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をFCC(溶離液:PE:EA=20:1)によって精製した。所望の画分を収集し、真空中で濃縮した。次いで、固体をMTBE(100mL)で粉砕して、表題化合物(29g、130mmol)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.58(s,1H),7.42-7.40(m,1H),7.16(d,J=8.4Hz,1H),4.12-4.08(m,1H),3.10-3.00(m,1H),2.97-2.86(m,1H),2.65-2.55(m,1H),2.43-2.37(m,1H)ppm.
【0215】
ステップ2.6-ブロモ-1-メチル-インダン-1-カルボニトリル
水素化ナトリウム(10.8g、270mmol、純度60%)を、THF(300mL)中の6-ブロモインダン-1-カルボニトリル(30g、135mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を温め、10℃で0.5時間撹拌した。CH3I(42.1mL、675.43mmol)を0℃で加えた。混合物を温め、25℃で2時間撹拌した。反応物をNH4Cl(水溶液、800mL)で希釈し、EA(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~5:1)によって精製して、表題化合物(27g、114mmol)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.70(d,J=2.0Hz,1H),7.50-7.48(m,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),2.97-2.93(m,2H),2.60-2.53(m,1H),2.18(d,J=12.8Hz,1H),1.64(s,3H)ppm.
【0216】
ステップ3.3-シアノ-3-メチル-インダン-5-カルボン酸
DMSO(60mL)中の6-ブロモ-1-メチル-インダン-1-カルボニトリル(6.5g、27.5mmol)、dccp.2HBF4(1.69g、2.75mmol)、炭酸カリウム(5.71g、41.3mmol)、Pd(OAc)2(618mg、2.75mmol)、及び水(0.99mL)の混合物を脱気し、CO(g)で3回パージした。混合物を、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で14時間撹拌した。反応混合物を濾過して、黒色の固体を除去し、次いで水(60mL)で希釈し、EA(80mL×3)で抽出した。有機層を廃棄し、水相をHCl水溶液でpH=4に調整した。次いで、水溶液を、EA(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL×2)で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(4.5g、20.7mmol)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=202.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.04(s,1H),7.96(s,1H),7.91-7.88(m,1H),7.45(d,J=8.0Hz,1H),3.07-3.04(m,2H),2.64-2.53(m,1H),2.28-2.19(m,1H),1.65(s,3H)ppm.
【0217】
ステップ4.3-ホルミル-3-メチル-インダン-5-カルボン酸
DIBAL-H(1M、159.03mL)を、トルエン(160mL)中の3-シアノ-3-メチル-インダン-5-カルボン酸(16g、79.5mmol)の溶液に-70℃で加えた。混合物を-70℃で2時間撹拌した。反応物を、HCl(2M、323mL)の添加によりクエンチした。反応混合物を温め、20℃で1時間撹拌した。混合物を水(2L)で希釈し、EA(1.5L×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(14g、58.2mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=205.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.91(br s,1H),9.58(s,1H),7.85-7.83(m,1H),7.73(s,1H),7.40(d,J=8.0Hz,1H),3.06-2.90(m,2H),2.61-2.54(m,1H),1.98-1.87(m,1H),1.39(s,3H)ppm.
【0218】
ステップ5.(3S)-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-インダン-5-カルボン酸及び(3R)-3-(ヒドロキシメチル)-3-メチル-インダン-5-カルボン酸
水素化ホウ素ナトリウム(2.49g、65.8mmol)を、THF(150mL)中の3-ホルミル-3-メチル-インダン-5-カルボン酸(14g、58.2mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を温め、25℃で3時間撹拌した。反応物を水(200mL)で希釈し、EA(80mL×2)で抽出した。有機層を廃棄し、水相をHCl水溶液でpH=4に調整した。次いで、水溶液を、EA(300mL×3)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、DCM(50mL×3)で洗浄し、濾過し、濃縮して、白色の固体を得た。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をFCC(溶離液:PE:EA=1:0~1:5)によって精製した。所望の画分を収集し、減圧下で濃縮して、オフホワイト色の固体を得た。次いで、固体をMTBE(20mL×2)で洗浄した。この固体を濾過した固体と合わせ、真空乾燥させて、表題化合物の混合物(9.5g、44.3mmol)を白色の固体として得た。立体異性体は、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H(250mm*30mm、5μm);移動相:[0.1%NH3-H2O MEOH];B%:40%~40%、5分;540分)によって分離され、純粋な表題化合物を得た。
【0219】
中間体25:(4.0g、19.40mmol、白色の固体)
キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、Rt=1.575分、ee%=100%.
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=207.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.74-7.68(m,2H),7.17(d,J=8.4Hz,1H),3.39-3.31(m,2H),2.87-2.80(m,2H),2.15-2.12(m,1H),1.73-1.65(m,1H),1.20(s,3H)ppm.
【0220】
中間体26:((4.3g、20.44mmol、淡い黄色の固体)
キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、Rt=1.799分、ee%=97.93%.
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=207.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.73-7.64(m,2H),7.16(d,J=8.4Hz,1H),3.44-3.25(m,2H),2.88-2.78(m,2H),2.15-2.12(m,1H),1.73-1.65(m,1H),1.20(s,3H)ppm.
【0221】
中間体27及び28:(S)-3-シアノ-1,3-ジメチルインドリン-5-カルボン酸及び(R)-3-シアノ-1,3-ジメチルインドリン-5-カルボン酸
【化43】
ステップ1.メチル3-((4-ブロモフェニル)(メチル)アミノ)-3-オキソプロパノエート
TCFH(22.6g、80.6mmol)及びNMI(12.5mL、161.2mmol)を、MeCN(150mL)中の4-ブロモ-N-メチル-アニリン(10g、53.8mmol)及び3-エトキシ-3-オキソ-プロパン酸(8.52g、64.5mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を20℃で15時間撹拌した。混合物を濃縮し、水(10mL)で希釈した。次いで、水溶液を、DCM(15mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4溶液で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=5:1~3:1)によって精製して、表題化合物(13g、43.3mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=286.0.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.56(d,J=8.4Hz,2H),7.14(d,J=8.4Hz,2H),4.13(d,J=7.2Hz,2H),3.29(s,3H),3.21(s,2H),1.29-1.15(m,3H)ppm.
【0222】
ステップ2.メチル3-((4-ブロモフェニル)(メチル)アミノ)-2-メチル-3-オキソプロパノエート
炭酸カリウム(4.14g、30.0mmol)及びMeI(3.7mL、59.9mmol)を、DMF(60mL)中のメチル3-((4-ブロモフェニル)(メチル)アミノ)-3-オキソプロパノエート(6g、20.0mmol)の混合物に0℃で加えた。反応混合物を20℃で15時間撹拌した。反応物を水(100mL)で希釈し、EA(60mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=5:1~3:1)によって精製して、表題化合物(4g、12.7mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=300.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.57(d,J=8.4Hz,2H),7.18-7.11(m,2H),4.19-4.03(m,2H),3.40-3.28(m,1H),3.28(s,3H),1.31(d,J=7.2Hz,3H),1.27-1.21(m,3H)ppm.
【0223】
ステップ3.エチル5-ブロモ-1,3-ジメチル-2-オキソインドリン-3-カルボキシレート
t-BuOK(2.86g、25.5mmol)及び酢酸銅(II)一水和物(5.08g、25.5mmol)を、DMF(120mL)中のメチル3-((4-ブロモフェニル)(メチル)アミノ)-2-メチル-3-オキソプロパノエート(4g、12.7mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を水(150mL)で希釈し、次いでEA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=5:1~3:1)によって精製して、表題化合物(2g、5.77mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=312.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.46-7.44(m,1H),7.38(d,J=2.0Hz,1H),6.75(d,J=8.4Hz,1H),4.23-4.09(m,2H),3.26-3.19(m,3H),1.66(s,3H),1.21-1.16(m,3H)ppm.
【0224】
ステップ4.エチル5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボキシレート
BH3
.THF(1M、9.61mL)を、THF(20mL)中のエチル5-ブロモ-1,3-ジメチル-2-オキソインドリン-3-カルボキシレート(2g、6.41mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。混合物をMeOH(30mL)で0℃でゆっくりクエンチし、次いで濃縮した。粗生成物を、FCC(溶離液:PE:EA=10:1~3:1)によって精製して、表題化合物(300mg、0.86mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=298.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.34(d,J=2.0Hz,1H),7.23-7.20(m,1H),6.35(d,J=8.4Hz,1H),4.26-4.15(m,2H),3.89(d,J=9.2Hz,1H),3.19-3.12(m,1H),2.78-2.72(m,3H),1.54(s,3H),1.33-1.25(m,3H)ppm.
【0225】
ステップ5.5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボン酸
LiOH.H2O(126.66mg、3.02mmol)を、MeOH(3mL)及び水(1mL)中のエチル5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボキシレート(300mg、1.01mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を20℃で15時間撹拌した。MeOHを真空下で除去し、溶液を水(1mL)で希釈した。1N HClでpHを3に調整し、溶液をEA(5mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(220mg、0.70mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=270.0.
【0226】
ステップ6.5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボキサミド
塩化アンモニウム(436mg、8.14mmol)、HATU(465mg、1.22mmol)、及びDIPEA(0.56mL、4.07mmol)を、DMF(4mL)中の5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボン酸(220mg、0.81mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を15時間撹拌した。水(5mL)を加え、混合物をEA(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:1)によって精製して、表題化合物(210mg、0.47mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=269.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.29(br d,J=2.0Hz,1H),7.22(d,J=2.0Hz,1H),6.44(d,J=8.4Hz,1H),3.84(d,J=9.2Hz,1H),3.10(d,J=9.2Hz,1H),2.76(s,3H),1.57(s,3H)ppm.
【0227】
ステップ7.5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボニトリル
トリエチルアミン(0.33mL、2.34mmol)を、DCM(3mL)中の5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボキサミド(210mg、0.78mmol)の混合物に0℃で加えた。TFAA(0.27mL、1.95mmol)をゆっくり加え、得られた混合物を20℃で4時間撹拌した。混合物を水(5mL)で希釈し、DCM(5mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO3(水溶液)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=10:1~5:1)によって精製して、表題化合物(100mg、0.39mol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=251.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.33(d,J=2.0 Hz),7.31-7.28(m,1H),6.42(d,J=8.4Hz,1H),3.70(d,J=9.2Hz,1H),3.32(d,J=9.2Hz,1H),2.77(s,3H),1.68(s,3H)ppm.
【0228】
ステップ8.3-シアノ-1,3-ジメチルインドリン-5-カルボン酸
酢酸パラジウム(2.2mg、0.010mol)、dccp.2HBF4(12.2mg、0.020mmol)、及び炭酸カリウム(41.3mg、0.30mmol)を、DMSO(1mL)及び水(0.007mL)中の5-ブロモ-1,3-ジメチルインドリン-3-カルボニトリル(50mg、0.20mmol)の溶液に加えた。混合物を脱気し、CO(g)で3回洗い流した。次いで、混合物をCO(15psi)雰囲気下で、100℃で15時間撹拌した。水(3mL)を混合物に加え、混合物をEA(3mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を逆相HPLCによって精製した。所望の画分を収集し、DCM(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物の混合物(40mg)を白色の固体として得た。立体異性体は、SFC条件(カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm*30mm、5μm);移動相:[0.1%NH3・H2O IPA];B%:20%~20%、5分;85分分)によって分離され、中間体27(20mg、0.09mmol)を白色の固体として、中間体28(15mg、0.07mmol)を白色の固体として得た。
【0229】
中間体27:キラルSFC:IC-3-IPA(DEA)-5-40-3mL-35T.lcm;RT=1.517分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=217.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.39(br s,1H),7.85-7.76(m,2H),6.66(d,J=8.4Hz,1H),3.87(d,J=10.0Hz,1H28 3.44(d,J=10.0Hz,1H),2.83(s,3H),1.68(s,3H)ppm.
【0230】
中間体28:キラルSFC:IC-3-IPA(DEA)-5-40-3mL-35T.lcm;RT=1.608分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=217.1.
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.39(br s,1H),7.85-7.76(m,2H),6.66(d,J=8.4Hz,1H),3.87(d,J=10.0Hz,1H),3.44(d,J=10.0Hz,1H),2.83(s,3H),1.68(s,3H)ppm.
【0231】
中間体29及び30:(R)-5-シアノ-5-メチル-6,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸及び(S)-5-シアノ-5-メチル-6,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
【化44】
ステップ1.5-ブロモ-N-メトキシ-N,2-ジメチルニコチンアミド
塩化オキサリル(12.2mL、139mmol)を、DCM(100mL)中の5-ブロモ-2-メチル-ピリジン-3-カルボン酸(10g、46.29mmol)及びDMF(0.036mL、0.46mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をDCM(100mL)中に溶解した。有機溶液を、DCM(50mL)中のN-メトキシメタンアミン(6.77g、69.4mmol、HCl塩)及びDIEA(40.3mL、231mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で14時間撹拌した。反応混合物を水(500mL)に注ぎ、DCM(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4溶液で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~1:1)によって精製して、表題化合物(11.5g、44.4mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=259.0.
【0232】
ステップ2.1-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)エテノン
臭化メチルマグネシウム(3M、21.2mL)を、THF(100mL)中の5-ブロモ-N-メトキシ-N,2-ジメチルニコチンアミド(11g、42.4mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(400mL)に注ぎ、EA(400mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4溶液で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~5:1)によって精製して、表題化合物(9g、41.5mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=214.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.66(d,J=2.4Hz,1H),8.06(d,J=2.0Hz,1H),2.70(s,3H),2.60(s,3H)ppm.
【0233】
ステップ3.2-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)プロパンニトリル
tBuOK(9.23g、82.2mmol)を、DME(400mL)及びEtOH(16mL)中の1-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)エテノン(8g、37.4mmol)及び1-(イソシアノメチルスルホニル)-4-メチルベンゼン(11.0g、56.1mmol)の溶液に0℃で加えた。反応混合物を25℃で14時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(300mL)に注いだ。混合物を真空中で濃縮して、DME及びEtOHを除去した。水相をEA(400mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4溶液で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~5:1)によって精製して、表題化合物(7g、31.1mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)3m/z:[79BrM+H]+=225.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.55(d,J=2.4Hz,1H),7.89(d,J=2.0Hz,1H),4.03-3.98(m,1H),2.57(s,3H),1.66(d,J=7.2Hz,3H)ppm.
【0234】
ステップ4.2-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル
パラホルムアルデヒド(1.12g、37.3mmol)を、DMSO(60mL)中の2-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)プロパンニトリル(7g、31.1mmol)及びNaHCO3(261mg、3.11mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で14時間撹拌した。反応混合物を水(400mL)に注ぎ、EA(400mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~1:1)によって精製して、表題化合物(7.5g、29.4mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=255.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.54(d,J=2.0Hz,1H),7.79(d,J=2.0Hz,1H),4.14-4.09(m,1H),3.96-3.92(m,1H),2.80(s,3H),2.69-2.66(m,1H),1.81(s,3H)ppm.
【0235】
ステップ5.2-(5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリジン-3-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル
NBS(1.40g、7.84mmol)及びAIBN(64.4mg、0.39mmol)を、MeCN(10mL)中の2-(5-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル(1g、3.92mmol)の溶液に加えた。反応混合物を80℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~1:1)によって精製して、表題化合物(0.25g、0.76mmol)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=335.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.71(d,J=2.0Hz,1H),7.89(d,J=2.0Hz,1H),5.00-4.85(m,2H),4.21-4.06(m,2H),2.24-2.21(m,1H),1.89(s,3H)ppm.
【0236】
ステップ6.3-ブロモ-5-メチル-6,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5-カルボニトリル
炭酸カリウム(1.61g、11.7mmol)を、DMF(65mL)中の2-(5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリジン-3-イル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル(1.3g、3.89mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)に注ぎ、EA(300mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:PE:EA=1:0~1:1)によって精製して、表題化合物(350mg、1.27mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=253.0.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=8.59(d,J=2.4Hz,1H),7.95(d,J=2.4Hz,1H),4.85-4.76(m,2H),4.12-3.94(m,2H),1.75(s,3H)ppm.
【0237】
ステップ7.(R)-5-シアノ-5-メチル-6,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸及び(S)-5-シアノ-5-メチル-6,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
DMSO(3mL)中の3-ブロモ-5-メチル-6,8-ジヒドロ-5H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5-カルボニトリル(270mg、1.07mmol)、dccp.2HBF4(65.3mg、0.11mmol)、Pd(OAc)2(23.9mg、0.11mmol)、H2O(0.038mL)、及びK2CO3(221mg、1.60mmol)の混合物を脱気し、CO(g)で3回パージした。混合物を、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、水(80mL)に注ぎ、EA(30mL×2)で抽出した。EA相を、破棄した。水相を、HCl水溶液(1M)でpH=5に調整した。水相をEA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物の混合物(130mg、0.57mmol)を黄色の油として得た。立体異性体は、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm*30mm、10μm);移動相:[0.1%NH3・H2O MEOH];B%:30%~30%、4.2分;55分分)によって分離され、中間体29(55mg、0.24mmol)を黄色の固体として、中間体30(50mg、0.22mmol)を黄色の固体として得た。
【0238】
中間体29:キラルSFC:AD-3-MeOH(DEA)-5-40-3mL-35T.1cm;RT=1.055分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=219.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.99(d,J=2.0Hz,1H),8.43(d,J=2.0Hz,1H),4.96-4.75(m,2H),4.26(d,J=11.8Hz,1H),3.92(d,J=11.8Hz,1H),1.70(s,3H).
【0239】
中間体30:キラルSFC:AD-3-MeOH(DEA)-5-40-3mL-35T.1cm;RT=1.666分。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=219.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.99(d,J=2.0Hz,1H),8.43(d,J=2.0Hz,1H),4.96-4.75(m,2H),4.26(d,J=11.8Hz,1H),3.92(d,J=11.8Hz,1H),1.70(s,3H).
【0240】
中間体31及び32:(4S)-4-(ヒドロキシメチル)-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸及び(4R)-4-(ヒドロキシメチル)-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸
【化45】
ステップ1.6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-カルボン酸
水酸化カリウム(水溶液、9M、5.29mL)を、EtOH(12mL)中の6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-カルボニトリル(1.2g、4.76mmol)の溶液に加えた。混合物を90℃で5時間撹拌した。反応混合物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を廃棄し、水相を1N HClでpH=4に調整した。水層をEA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(800mg、2.95mmol)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.11-12.45(m,1H),7.52(d,J=2.0Hz,1H),7.40(d,J=8.4Hz,1H),7.03(d,J=8.4Hz,1H),4.75-4.62(m,2H),4.16(d,J=11.2Hz,1H),3.59(d,J=11.2Hz,1H),1.41(s,3H).
【0241】
ステップ2.(6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-イル)メタノール
6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-カルボン酸(800mg、2.95mmol)をBH3
。THF(1M、8.85)中に0℃で溶解し、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。1N HCl(25mL)を20℃で加えることにより反応混合物をクエンチし、30分間撹拌した。次いで、混合物を水(20mL)で希釈し、EA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、FCC(溶離液:DCM:MeOH=100:1~10:1)によって精製して、表題化合物(400mg、1.56mmol)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.47(d,J=2.0,1H),7.33(d,J=8.4Hz,1H),6.89(d,J=8.4Hz,1H),4.79-4.68(m,2H),4.05(d,J=11.6 z,1H),3.82-3.75(m,1H),3.71-3.63(m,1H),3.53(d,J=11.6Hz,1H),1.21(s,3H).
【0242】
ステップ3.4-(ヒドロキシメチル)-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸
水(1mL)、K2CO3(185mg、1.34mmol)、Pd(OAc)2(20.1mg、0.089mmol)、及びdccp.2HBF4(110mg、0.18mmol)を、DMSO(5mL)中の(6-ブロモ-4-メチル-イソクロマン-4-イル)メタノール(230mg、0.89mmol)の溶液に加えた。反応混合物をCO(g)で3回パージし、得られた混合物をCO(15psi)雰囲気下で、100℃で16時間撹拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を廃棄し、水層をHCl(1N)でpH=4に調整した。水層をEA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物の混合物(150mg、0.62mmol)を黄色の固体として得た。立体異性体を、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm×30mm、10μm);移動相:[0.1%NH3-H2O IPA];B%:25%~25%、6.65分;66分)によって分離した。移動相を減圧下で濃縮して、MeOHの大部分を除去した。水(40mL)を加え、所望の各化合物混合物を凍結乾燥させて、中間体31(44mg、0.20mmol)をオフホワイト色の固体として、中間体32(48mg、0.21mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
【0243】
中間体31:
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.02-12.77(m,1H),7.90(s,1H),7.72(d,J=1.2Hz,1H),7.14(d,J=8.0Hz,1H),4.88-4.87(m,1H),4.74(d,J=4.0Hz,2H),3.90(d,J=11.2Hz,1H),3.58-3.50(m,1H),3.42-3.35(m,2H),1.14(s,3H).
【0244】
中間体32:
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.02-12.77(m,1H),7.90(s,1H),7.72(d,J=1.2Hz,1H),7.14(d,J=8.0Hz,1H),4.88-4.87(m,1H),4.74(d,J=4.0Hz,2H),3.90(d,J=11.2Hz,1H),3.58-3.50(m,1H),3.42-3.35(m,2H),1.14(s,3H).
【0245】
中間体33:2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
【化46】
ステップ1:2-メチル-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
DMF(10mL)中の2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(200mg、1.37mmol)の混合物に、Cs
2CO
3(668.82mg、2.05mmol)及びMeI(291.36mg、2.05mmol、127.79uL)を30℃で加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。混合物をH
2O(10mL)に注ぎ、DCM(10mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、分取TLC(DCM/MeOH=20/1、Rf=0.4)によって精製して、表題化合物(160mg、946.72umol、収率69.18%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=161.1.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.98(s,1H),8.69(d,J=5.2Hz,1H),8.19(d,J=5.2Hz,1H),7.20(d,J=7.2Hz,1H),6.58(d,J=7.2Hz,1H),3.65(s,3H)ppm.
【0246】
ステップ2:2-ベンジル-6-メチル-5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イウムブロマイド
EtOH(0.5mL)中の2-メチル-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(50mg、312.16umol)の混合物を、70℃で10分間撹拌した。次いで、臭化ベンジル(720.00mg、4.21mmol、0.5mL)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物をMTBE(10mL)で処理し、濾過した。フィルターケーキを減圧下で乾燥させて、表題化合物(130mg、粗製)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.87(s,1H),8.98-8.97(m,1H),8.68(d,J=6.4Hz,1H),7.96(d,J=7.2Hz,1H),7.59-7.42(m,5H),6.96(d,J=7.6Hz,1H),5.96(s,2H),3.60(s,3H)ppm.
【0247】
ステップ3:6-ベンジル-2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
MeOH(1mL)中の2-ベンジル-6-メチル-5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-2-イウムブロマイド(70mg、211.35umol)の混合物に、NaBH4(39.98mg、1.06mmol)をいくつかに分けて0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。混合物を1M HCl水溶液(5mL)に注ぎ、pH=8になるまで飽和NaHCO3で塩基性化した。混合物をEA(10mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(35mg、137.62umol、収率65.1%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=255.3.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.40-7.28(m,5H),7.07(d,J=7.2Hz,1H),5.84(d,J=6.8Hz,1H),3.69(s,2H),3.52(s,3H),3.39(s,2H),2.79-2.64(m,4H)ppm.
【0248】
ステップ4:2-メチル-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン
MeOH(1mL)中の6-ベンジル-2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(35mg、137.62umol)の混合物に、TFA(31.38mg、275.24umol、20.38uL)及びPd/C(20mg、純度10%)を加えた。混合物をH2で3回パージし、H2(15psi)下で、30℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮して、表題化合物(30mg、107.83umol、収率78.4%、TFA塩)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=165.1.
【0249】
中間体34:1-ブロモ-4-シクロブチル-2-メトキシベンゼン
【化47】
ステップ1:1-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)シクロブタン-1-オール
THF(25mL)中の1-ブロモ-4-ヨード-2-メトキシ-ベンゼン(2.4g、7.67mmol、5.41mL)の混合物に、i-PrMgCl-LiCl(1.3M、6.19mL)を-40℃で滴加した。混合物を-40℃で0.5時間撹拌し、次いでシクロブタノン(591.30mg、8.44mmol)を-40℃でゆっくり加えた。得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NH
4Cl(200mL)に注ぎ、EA(150mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(250mL)で洗浄しNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~1/1)によって精製して、表題化合物(1.9g、6.65mmol、収率86.71%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=211.0.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.52(d,J=8.0Hz,1H),7.08(d,J=2.0Hz,1H),6.98-6.96(m,1H),4.14-4.12(m,1H),3.93(s,3H),2.61-2.48(m,2H),2.43-2.30(m,2H),2.12-1.97(m,3H),1.80-1.68(m,1H)ppm
【0250】
ステップ2:1-ブロモ-4-シクロブチル-2-メトキシベンゼン
DCM(20mL)中の1-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)シクロブタン-1-オール(400mg、1.56mmol)の混合物に、Et3SiH(1.81g、15.56mmol)及びTFA(1.77g、15.56mmol)を0℃で加え、次いで混合物を25℃で8時間撹拌した。混合物をDCM(150mL)で希釈し、次いで、飽和NaHCO3(100mL*2)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル)によって精製して、表題化合物(150mg、622.09umol、収率39.99%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.44(d,J=8.0Hz,1H),6.78-6.68(m,2H),3.91(s,3H),3.55-3.47(m,1H),2.39-2.32(m,2H),2.15-2.07(m,2H),2.06-1.98(m,1H),1.90-1.85(m,1H)ppm
【0251】
中間体35:4-ブロモ-7-フルオロ-1,2-ジメチル-1H-インドール
【化48】
ステップ1:4-ブロモ-7-フルオロ-2-メチル-1H-インドール
THF(20mL)中の4-ブロモ-1-フルオロ-2-ニトロ-ベンゼン(2g、9.09mmol、1.12mL)の混合物に、ブロモ(イソプロペニル)マグネシウム(0.5M、72.73mL)を、N
2下で、-40℃で滴加した。混合物を-40℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NH
4Cl(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL*1)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)によって精製して、表題化合物(500mg、2.19mmol、収率24.12%)を黄色の油として得た。
【0252】
ステップ2:4-ブロモ-7-フルオロ-1,2-ジメチル-1H-インドール
THF(1mL)中の4-ブロモ-7-フルオロ-2-メチル-1H-インドール(80mg、350.78umol)の溶液に、NaH(28.06mg、701.57umol、純度60%)を0℃で加え、25℃で0.5時間撹拌した。次いで、MeI(149.37mg、1.05mmol)を混合物に0℃で加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(10mL)で希釈し、EA(10mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、表題化合物(60mg、247.84umol、収率70.65%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.08-7.06(m 1H),6.71-6.66(m,1H),6.30-6.29(m,1H),3.87(d,J=1.2Hz,3H),2.41(s,3H)ppm.
【0253】
中間体36:4-ブロモ-2-エチル-1-メチル-1H-インドール
【化49】
ステップ1:4-ブロモ-1-トシル-1H-インドール
DMF(10mL)中の4-ブロモ-1H-インドール(1g、5.10mmol、641.03uL)の溶液に、NaH(244.82mg、6.12mmol、純度60%)を0℃で加え、混合物を、N
2雰囲気下で、0℃で1時間撹拌した。次いで、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.16g、6.08mmol)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物をNH
4Cl(30mL)に注ぎ、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層を洗浄し、ブライン(30mL*3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~3/1)によって精製して、表題化合物(1.6g、4.02mmol、収率78.73%)をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.99-7.93(m,2H),7.89(d,J=8.4Hz,2H),7.49(d,J=7.6Hz,1H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.29-7.27(m,1H),6.77(d,J=3.6Hz,1H),2.31(s,3H)ppm.
【0254】
ステップ2:4-ブロモ-2-エチル-1-トシル-1H-インドール
THF(12mL)中の4-ブロモ-1-トシル-1H-インドール(1.2g、3.43mmol)の溶液に、N2下で、-20℃でLDA(2M、2.06mL)を加え、混合物を、N2雰囲気下で、-20℃で30分間撹拌した。次いで、ヨードエタン(801.58mg、5.14mmol)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)によって精製して、表題化合物(220mg、581.58umol、収率16.97%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.15(d,J=8.4Hz,1H),7.63(d,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=7.6Hz,1H),7.22(d,J=8.4Hz,2H),7.15-7.10(m,1H),6.47(s,1H),3.06-3.01(m,2H),2.36(s,3H),1.39-1.35(m,3H)ppm.
【0255】
ステップ3:4-ブロモ-2-エチル-1H-インドール
MeOH(60mL)中の4-ブロモ-2-エチル-1-トシル-1H-インドール(220.00mg、581.58umol)の溶液に、KOH(1.63g、29.08mmol)を加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した。反応混合物を2N HCl(20mL)で処理し、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1から10/1)によって精製して、表題化合物(100mg、446.24umol、収率76.73%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.09-7.95(m,1H),7.24(d,J=8.0Hz,2H),7.03-6.92(m,1H),6.32(s,1H),2.84-2.79(m,2H),1.40-1.36(m,3H)ppm.
【0256】
ステップ4:4-ブロモ-2-エチル-1-メチル-1H-インドール
DMF(2mL)中の4-ブロモ-2-エチル-1H-インドール(150mg、669.35umol)の溶液に、NaH(40.16mg、1.00mmol、純度60%)を、N2下で、0℃で加えた。得られた混合物をN2雰囲気下で、0℃で15分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(114.01mg、803.22umol)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl(30mL)に注ぎ、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)によって精製して、表題化合物(150mg、629.93umol、収率94.11%)を無色の油として得た。
【0257】
中間体37:4-クロロ-2-シクロプロピル-1-メチル-1H-インドール
【化50】
ステップ1:3-クロロ-2-(シクロプロピルエチニル)アニリン
MeCN(40mL)中の3-クロロ-2-ヨード-アニリン(2g、7.89mmol)及びエチニルシクロプロパン(521.57mg、7.89mmol)の混合物に、TEA(7.98g、78.91mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2(553.84mg、789.06umol)及びCuI(150.28mg、789.06umol)を加えた。混合物を脱気し、N
2で3回パージし、混合物をN
2雰囲気下で、25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH
2O(20mL)で希釈し、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~5/1)によって精製して、表題化合物(1.3g、6.78mmol、収率85.96%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=6.97-6.95(m,1H),6.59(d,J=8.0Hz,2H),5.50(s,2H),1.63-1.61(m,1H),0.95-0.86(m,2H),0.83-0.76(m,2H)ppm.
【0258】
ステップ2:4-クロロ-2-シクロプロピル-1H-インドール
DMF(10mL)中3-クロロ-2-(シクロプロピルエチニル)アニリン(1g、5.22mmol)の溶液に、CuI(2.98g、15.65mmol)を加えた。混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)によって精製して、表題化合物(600mg、2.71mmol、収率52.01%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=191.9.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=8.37-7.67(m,1H),7.18(d,J=7.6Hz,1H),7.11-6.98(m,2H),6.25(s,1H),2.03-1.87(m,1H),1.08-0.95(m,2H),0.89-0.72(m,2H)ppm.
【0259】
ステップ3:4-クロロ-2-シクロプロピル-1-メチル-1H-インドール
DMF(2mL)中の4-クロロ-2-シクロプロピル-1H-インドール(180mg、939.18umol)の溶液に、NaH(56.35mg、1.41mmol、純度60%)を、N2下で、0℃で加え、混合物をN2雰囲気下で、0℃で15分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(199.96mg、1.41mmol)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl(30mL)に注ぎ、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)によって精製して、表題化合物(190mg、864.18umol、収率92.01%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=206.0.
【0260】
中間体38:4-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
【化51】
ステップ1:1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド
DMF(200mL)中の1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(10g、104.07mmol)及びCs
2CO
3(67.82g、208.14mmol)の混合物に、3-ヨードオキセタン(28.72g、156.11mmol)を加え、次いで混合物を60℃で10時間撹拌した。反応混合物を水(1000mL)を添加することによってクエンチし、得られた混合物をEA(400mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)によって精製して、表題化合物(3.1g、20.37mmol、収率19.58%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=10.01(s,1H),7.63-7.62(m,1H),6.86(d,J=2.4Hz,1H),5.57-5.50(m,1H),5.09(d,J=6.4Hz,4H)ppm.
【0261】
ステップ2:3-(ジフルオロメチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
DCM(12mL)中の1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(600mg、3.94mmol)の混合物に、DAST(1.91g、11.83mmol、1.56mL)を-50℃で加え、混合物を5℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3(100mL)に注ぎ、EA(50mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(0.1%FA条件)によって精製した。生成物画分をEA(150mL*2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(170mg、898.09umol、収率22.77%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=175.1
【0262】
ステップ3:4-ブロモ-3-(ジフルオロメチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
MeCN(4mL)中の3-(ジフルオロメチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール(170mg、976.18umol)の混合物に、NBS(191.12mg、1.07mmol)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~5/1)によって精製して、表題化合物(200mg、735.05umol、収率75.30%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[81BrM+H]+=255.0
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.68(s,1H),6.84-6.58(m,1H),5.46-5.51(m,1H),5.07-4.99(m,4H)ppm
【0263】
中間体39:4-ブロモ-3-(2,2-ジフルオロエチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
【化52】
ステップ1:3-(2,2-ジフルオロビニル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
DMF(10mL)中の1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(1g、6.57mmol)及びナトリウム2-クロロ-2,2-ジフルオロアセテート(1.50g、9.86mmol)の混合物に、N
2下で、PPh
3(2.59g、9.86mmol)を加え、次いで混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(250mL)で希釈し、EA(150mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL*2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~3/1)によって精製して、表題化合物(700mg、3.12mmol、収率47.49%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=187.1
【0264】
ステップ2:3-(2,2-ジフルオロエチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
MeOH(10mL)及びEA(10mL)中の3-(2,2-ジフルオロビニル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール(250mg、1.34mmol)の混合物を、Pd/C(100mg、1.34mmol、純度10%)をH2(15psi)下で加え、次いで混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(230mg、粗製)を無色の油として得、次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=189.1
【0265】
ステップ3:4-ブロモ-3-(2,2-ジフルオロエチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
MeCN(4mL)中の3-(2,2-ジフルオロエチル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール(210mg、1.12mmol)及びNBS(218.49mg、1.23mmol)の混合物を、25℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~3/1)によって精製して、表題化合物(150mg、544.80umol、収率48.82%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[81BrM+H]+=269.0
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.61(s,1H),6.280-5.97(m,1H),5.40-5.36(m,1H),5.50-4.98(m,4H),3.27-3.17(m,2H)ppm
【0266】
中間体40:4-ブロモ-3-フルオロ-1-メチル-1H-インドール
【化53】
ステップ1:4-ブロモ-3,3-ジフルオロインドリン-2-オン
DCM(10mL)中の4-ブロモインドリン-2,3-ジオン(1g、4.42mmol)の溶液に、DAST(1.78g、11.06mmol)を、N
2下で、0℃で加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3(30mL)に注ぎ、DCM(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~3/1)によって精製して、表題化合物(1g、4.03mmol、収率91.13%)を褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.41(d,J=0.8Hz,1H),7.50-7.40(m,1H),7.34(d,J=8.1Hz,1H),6.99(d,J=7.6Hz,1H)ppm.
【0267】
ステップ2:4-ブロモ-3-フルオロ-1H-インドール
THF(2mL)中のNaBH4(91.52mg、2.42mmol)の混合物に、BF3
.Et2O(343.34mg、2.42mmol)を、N2下で、0℃で加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。この混合物を、THF(2mL)中の4-ブロモ-3,3-ジフルオロインドリン-2-オン(200mg、806.37umol)の溶液に、N2下で、0℃で加え、得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。16時間後、THF(2mL)中のNaBH4(152.54mg、4.03mmol)の溶液に、BF3
.Et2O(572.23mg、4.03mmol)を0℃で加え、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、この混合物を前述の反応混合物に0℃で加えた。得られた混合物を25℃でさらに4時間撹拌した。反応混合物を2N HClを加えることによってクエンチし、H2O(30mL)で希釈し、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~5/1)によって精製して、表題化合物(100mg、420.07umol、収率52.09%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.18(s,1H),7.46-7.45(m,1H),7.42-7.35(m,1H),7.22(d,J=7.6Hz,1H),7.10-7.01(m,1H)ppm.
【0268】
ステップ3:4-ブロモ-3-フルオロ-1-メチル-1H-インドール
DMF(1mL)中の4-ブロモ-3-フルオロ-1H-インドール(100mg、467.22umol)の溶液に、NaH(28.03mg、700.82umol、純度60%)を、N2下で、0℃で加えた。混合物を0℃で15分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(79.58mg、560.66umol)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl(30mL)に注ぎ、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)によって精製して、表題化合物(60mg、263.09umol、収率56.31%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.56-7.44(m,2H),7.25(d,J=7.6Hz,1H),7.16-7.06(m,1H),3.74(s,3H)ppm.
【0269】
中間体41:4-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-インドール
【化54】
ステップ1:(4-ブロモ-1H-インドール-2-イル)メタノール
THF(20mL)中の4-ブロモ-1H-インドール-2-カルボン酸(2g、8.33mmol)の溶液に、LiAlH
4(948.65mg、24.99mmol)を、N
2下で、0℃で加えた。混合物を25℃で4時間撹拌した。反応混合物をH
2Oを加えることによってクエンチし、混合物をHCl(2N)でpH=2に調整し、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL*2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM/MeOH=100:1~10:1)によって精製して、表題化合物(1g、4.24mmol、収率50.86%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=235.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.40(s,1H),7.34(d,J=8.4Hz,1H),7.16-7.15(m,1H),6.98-6.94(m,1H),6.25(d,J=1.2Hz,1H),5.34-5.31(m,1H),4.61(d,J=5.6Hz,2H)ppm.
【0270】
ステップ2:4-ブロモ-1H-インドール-2-カルバルデヒド
DCM(3mL)中の(4-ブロモ-1H-インドール-2-イル)メタノール(300mg、1.33mmol)の溶液に、デス-マーチン(675.42mg、1.59mmol)を0℃で加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(30mL)に注ぎ、DCM(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(297mg、粗製)を褐色の固体として得、これを次のステップで直接使用した。
【0271】
ステップ3:4-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-1H-インドール
DCM(3mL)中の4-ブロモ-1H-インドール-2-カルバルデヒド(290mg、1.29mmol)の溶液に、DAST(625.90mg、3.88mmol)を0℃で加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(30mL)に注ぎ、DCM(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~3/1)によって精製して、表題化合物(110mg、408.13umol、収率31.53%)を褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.56(s,1H),7.40-7.35(m,2H),7.20-7.12(m,1H),7.05-6.68(m,2H)ppm.
【0272】
ステップ4:4-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-インドール
DMF(1mL)中の4-ブロモ-2-(ジフルオロメチル)-1H-インドール(110mg、447.06umol)の溶液に、NaH(26.82mg、670.59umol、純度60%)を0℃で加えた。混合物を脱気し、N2で3回パージし、N2雰囲気下で、0℃で15分間撹拌した。次いで、ヨードメタン(69.80mg、491.77umol)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl(30mL)に注ぎ、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~10/1)によって精製して、表題化合物(110mg、422.95umol、収率94.61%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=261.9.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.63(d,J=8.4Hz,1H),7.54-7.20(m,4H),6.80(s,1H),3.86(s,3H)ppm.
【0273】
中間体42:4-ブロモ-1-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-3-メトキシ-1H-ピラゾール
【化55】
ステップ1:3-メトキシ-1-ビニル-1H-ピラゾール
DCE(10mL)中の3-メトキシ-1H-ピラゾール(500mg、5.10mmol)、カリウムトリフルオロ(ビニル)ボラート(1.02g、7.65mmol)、Cu(OAc)
2(1.02g、5.61mmol)、Na
2CO
3(1.19g、11.21mmol)及び2,2’-ビピリジル(875.60mg、5.61mmol)の混合物を脱気し、O
2で3回パージした。混合物を、O
2雰囲気下で、70℃で16時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EA(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);25g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、50mL/分で0~20%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(400mg、3.22mmol、収率63.22%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=125.0
1H NMR(400MHz,CDCl
3-d)δ=7.33(d,J=2.4Hz,1H),6.94-6.72(m,1H),5.78(d,J=2.4Hz,1H),5.44-5.32(m,1H),4.67(d,J=8.8Hz,1H),3.93(s,3H)ppm.
【0274】
ステップ2:1-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-3-メトキシ-1H-ピラゾール
THF(5mL)中の3-メトキシ-1-ビニル-1H-ピラゾール(400mg、3.22mmol)の混合物に、NaI(169.04mg、1.13mmol)を加えた。次いで、TMSCF3(1.60g、11.28mmol)を、N2下で、80℃でゆっくりと加えた。反応物を80℃で30分間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);25g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、50mL/分で0~20%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(200mg、1.15mmol、収率35.64%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=175.0
1HNMR(400MHz,CDCl3-d)δ=7.32-7.13(m,1H),5.62(d,J=2.4Hz,1H),3.91-3.83(m,1H),3.81(s,3H),2.08-1.99(m,1H),1.97-1.88(m,1H)ppm.
【0275】
ステップ3:4-ブロモ-1-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-3-メトキシ-1H-ピラゾール
MeCN(5mL)中の1-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-3-メトキシ-1H-ピラゾール(100mg、574.22umol)の混合物に、NBS(112.42mg、631.65umol)を加えた。反応物を25℃で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、50mL/分で0~20%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(120mg、474.23umol、収率82.59%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=253.0
1H NMR(400MHz,CDCl3-d)δ=7.34(s,1H),3.95(s,3H),3.94-3.88(m,1H),2.15-1.97(m,2H)ppm.
【0276】
中間体43:1-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)アゼチジン
【化56】
ステップ1:1-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)アゼチジン
トルエン(5mL)中の1-ブロモ-4-ヨード-2-メトキシ-ベンゼン(500mg、1.60mmol)及びアゼチジン(91.35mg、1.60mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(146.52mg、160.0umol)、キサントホス(185.16mg、320.00umol)及びCs
2CO
3(1.56g、4.80mmol)をN
2下で加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)にゆっくりと加え、EA(50mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE/EA=10:1~1:1)によって精製して、表題化合物(150mg、619.55umol、収率38.72%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z=[M+H]
+=242.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=7.25(d,J=8.4Hz,1H),6.06(d,J=2.4Hz,1H),5.93-5.90(m,1H),3.81-3.78(m,7H),2.32-2.24(m,2H)ppm.
【0277】
中間体44:1-ブロモ-4-(tert-ブチル)-2-メトキシベンゼン
【化57】
ステップ1:2-ブロモ-5-(tert-ブチル)フェノール
DCM(50mL)中の3-tert-ブチルフェノール(5g、33.29mmol)の溶液に、DCM(25mL)中のBr
2(5.59g、34.95mmol、1.80mL)の溶液を0℃で30分間にわたって加えた。混合物を、飽和Na
2SO
3(200mL)に注ぎ、DCM(100mL*2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(8g、粗製)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=9.98(s,1H),7.35(d,J=8.4Hz,1H),6.97(d,J=2.4Hz,1H),6.77-6.74(m,1H),1.22(s,9H)ppm.
【0278】
ステップ2:1-ブロモ-4-(tert-ブチル)-2-メトキシベンゼン
THF(5mL)中の2-ブロモ-5-(tert-ブチル)フェノール(1g、4.36mmol)の溶液に、t-BuOK(494.66mg、4.41mmol)を加え、続いてMeI(631.90mg、4.45mmol)を加えた。混合物を70℃で3時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EA(100mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)によって精製して、表題化合物(750mg、3.08mmol、収率70.67%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.07-7.04(m,1H),6.91-6.88(m,1H),3.85(s,3H),1.28(s,9H)ppm
【0279】
中間体45:4-ブロモ-3-(ジフルオロメトキシ)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
【化58】
ステップ1:1-(3-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オン
ピリジン(15mL)中の1H-ピラゾール-3-オール(3g、35.68mmol)の溶液に、ピリジン(6mL)中のAc
2O(3.82g、37.47mmol、3.51mL)の溶液を95℃で30分間にわたって加え、次いで混合物を95℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をMeOH(20mL)で粉砕して、表題化合物(3.8g、30.13mmol、収率84.45%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=10.97(s,1H),8.12(d,J=3.6Hz,1H),6.00(d,J=2.8Hz,1H),2.47(s,3H)ppm.
【0280】
ステップ2:3-(ジフルオロメトキシ)-1H-ピラゾール
DMF(10mL)中の1-(3-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オン(1000mg、7.93mmol)及びナトリウム2-クロロ-2,2-ジフルオロアセテート(1.45g、9.52mmol)の混合物に、K2CO3(3.29g、23.79mmol)を加えた。混合物を80℃で10時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(150mL)に注ぎ、EA(100mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)によって精製して、表題化合物(270mg、2.01mmol、収率25.39%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=135.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.49(s,1H),7.69(s,1H),7.41-7.04(m,1H),5.97-5.96(m,1H)ppm.
【0281】
ステップ3:3-(ジフルオロメトキシ)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
DMF(5mL)中の3-(ジフルオロメトキシ)-1H-ピラゾール(270mg、2.01mmol)、3-ヨードオキセタン(555.70mg、3.02mmol)の混合物に、Cs2CO3(1.31g、4.03mmol)を加えた。混合物を60℃で8時間撹拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ、EA(50mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~3/1)によって精製して、表題化合物(270mg、1.18mmol、収率58.53%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=427.1
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.41(d,J=2.4Hz,1H),7.07-6.70(m,1H),5.93(d,J=2.4Hz,1H),5.34-5.27(m,1H),5.08-4.97(m,4H)ppm.
【0282】
ステップ4:4-ブロモ-3-(ジフルオロメトキシ)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール
MeCN(5mL)中の3-(ジフルオロメトキシ)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾール(270mg、1.42mmol)の混合物に、NBS(278.00mg、1.56mmol)を加え、次いで、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)によって精製して、表題化合物(300mg、1.05mmol、収率73.82%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=269.0
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.49(s,1H),7.16-6.80(m,1H),5.29-5.26(m,1H),5.00(d,J=6.0Hz,4H)ppm.
【0283】
中間体46:ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル トリフルオロメタンスルホネート
【化59】
ステップ1:ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル トリフルオロメタンスルホネート
DMF(1mL)及びTHF(1mL)中のピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-オール(200mg、1.49mmol)の溶液に、NaH(65.60mg、1.64mmol、純度60%)を、N
2下で、0℃で加え、次いで、1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(639.21mg、1.79mmol)を反応混合物に0℃で加えた。得られた混合物を、N
2下で、0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)を加えることによってクエンチし、次いでEA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE/EA=5:1)によって精製して、表題化合物(300mg、1.06mmol、収率71.05%)を淡い黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=267.1
【0284】
中間体47:3-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)オキセタン
【化60】
ステップ1:3-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)オキセタン
DMA(4mL)中の1-ブロモ-4-ヨード-2-メトキシ-ベンゼン(500mg、1.60mmol)及び3-ヨードオキセタン(352.75mg、1.92mmol)の混合物に、塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル複合体(35.11mg、159.78umol)、ピリジン-2-カルボキサミジン塩酸塩(25.18mg、159.78umol)、TFA(18.22mg、159.78umol、11.83uL)、Zn(208.96mg、3.20mmol)、及びNaI(119.75mg、798.90μmol)を、N
2下で25℃で一度に加えた。混合物を60℃で12時間撹拌した。固形分を濾過により除去し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を逆相カラム(0.1%FA)によって精製した。生成物画分を濃縮して、MeCNを除去し、水相を酢酸エチル(20mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(200mg、668.21umol、収率41.82%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=242.8,244.9.
【0285】
中間体48:1-(8-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)エタン-1-オン
【化61】
ステップ1:N-(3-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)アセトアミド
DCM(10mL)中の2-アミノ-6-ブロモ-フェノール(1g、5.32mmol)の溶液に、Ac
2O(651.56mg、6.38mmol、597.76uL)及びTEA(1.61g、15.96mmol、2.22mL)を、N
2下で、0℃で加えた。混合物を25℃に加熱し、1時間撹拌した。水を加え(10mL)、混合物をジクロロメタン(50mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~3/1)によって精製して、表題化合物(300mg、1.11mmol、収率20.84%)を淡い褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[
79BrM+H]
+=229.9.
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.96(br s,1H),7.90(s,1H),7.59-7.53(m,1H),7.32-7.28(m,1H),6.80-6.72(m,1H),2.24(s,3H).
【0286】
ステップ2:1-(8-ブロモ-2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)エタン-1-オン
DMF(2mL)中のN-(3-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)アセトアミド(100mg、434.67umol)の溶液に、K2CO3(180.22mg、1.30mmol)及び1,2-ジブロモエタン(163.32mg、869.35umol、65.59uL)をN2下で加えた。混合物を80℃に加熱し、12時間撹拌した。混合物を水(5mL)に注ぎ、酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL*2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(SiO2、PE/EA=1:1)によって精製して、表題化合物(100mg、351.43umol、収率26.95%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=255.9
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.77-7.67(m,1H),7.33(d,J=7.9Hz,1H),6.82(t,J=8.0Hz,1H),4.40-4.33(m,2H),3.89(t,J=4.5Hz,2H),3.09(s,1H),2.25(s,3H)
【0287】
中間体49:7-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン
【化62】
ステップ1:3-ブロモ-N-(2,2-ジメトキシエチル)-5-フルオロベンズアミド
DCM(50mL)中の3-ブロモ-5-フルオロ-安息香酸(5g、22.83mmol)、2,2-ジメトキシエタンアミン(2.40g、22.83mmol、2.49mL)の溶液に、EDCI(8.75g、45.66mmol)、HOBt(6.17g、45.66mmol)、及びDIEA(7.38g、57.08mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、DCM(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10:1)によって精製して、表題化合物(6.1g、19.93mmol、収率87.28%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H-OMe]
+=275.9.
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ=7.84(s,1H),7.58-7.53(m,2H),4.57-4.53(m,1H),3.48(d,J=5.6Hz,2H),3.40(s,6H)ppm.
【0288】
ステップ2:7-ブロモ-5-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン及び5-ブロモ-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン
H2SO4(34mL)中の3-ブロモ-N-(2,2-ジメトキシエチル)-5-フルオロベンズアミド(5.6g、18.29mmol)の溶液を、100℃で3時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、得られた固体を濾過によって収集し、乾燥して、表題化合物の混合物(3.5g、14.46mmol、収率79.05%)を白色の固体として得た。
【0289】
ステップ3:7-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン及び5-ブロモ-7-フルオロ-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン
THF(15mL)中の7-ブロモ-5-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン及び5-ブロモ-7-フルオロイソキノリン-1(2H)-オン(1.5g、6.20mmol)の溶液に、KHMDS(1M、7.44mL)を0℃で加えた。混合物を0.5時間撹拌し、次いでヨードメタン(3.52g、24.79mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した後、水(5mL)に注ぎ、EA(10mL*3)で抽出した。有機層を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1:1、Rf=0.3)によって精製し、表題化合物の混合物(750mg、2.93mmol、収率47.26%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=256.1.
【0290】
ステップ4:7-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン
7-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン及び5-ブロモ-7-フルオロ-2-メチルイソキノリン-1(2H)-オン(750mg、2.93mmol)の混合物を、SFC分離:{メソッドカラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm*30mm、10um);移動相:[0.1%NH3H2O MEOH];B%:40%~40%、4.25;105分}によって精製して、表題化合物(270mg、1.05mmol、収率35.95%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=256.2.
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ=8.22(s,1H),7.67-7.63(m,1H),7.47(d,J=7.6Hz,1H),6.72(d,J=7.6Hz,1H),3.61(s,3H)ppm.
【0291】
中間体50:6-ブロモ-7-メトキシ-1-メチル-1H-インダゾール
【化63】
ステップ1:2-ブロモ-3-(ジメトキシメチル)フェノール
MeOH(30mL)中の2-ブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(2g、9.95mmol)及びトリメトキシメタン(5.28g、49.75mmol、5.45mL)の溶液に、TsOH(171.33mg、994.94umol)を加えた。混合物を100℃で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40gのSepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、100mL/分で0~60%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(1.6g、6.48mmol、収率65.08%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=214.9
1H NMR(400MHz,CDCl
3-d)δ=7.29-7.24(m,1H),7.23-7.18(m,1H),7.07-7.02(m,1H),5.79(s,1H),5.53(s,1H),3.40(s,6H)ppm.
【0292】
ステップ2:2,4-ジブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド
CHCl3(7mL)中の2-ブロモ-3-(ジメトキシメチル)フェノール(1.4g、5.67mmol)の溶液に、CHCl3(7mL)中のBr2(1.18g、7.37mmol、379.72uL)の溶液を0℃で加えた。反応物を25℃で16時間撹拌した。反応物をNa2S2O3水溶液(80mL)によってクエンチし、EA(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);25g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、100mL/分で0~60%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(1.3g、4.64mmol、収率81.97%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br M+H]+=280.8.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.44(s,1H),10.17(d,J=0.8Hz,1H),7.83-7.65(m,1H),7.27(d,J=8.4Hz,1H)ppm.
【0293】
ステップ3:2,4-ジブロモ-3-メトキシベンズアルデヒド
DMF(15mL)中の2,4-ジブロモ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.3g、4.64mmol)及びK2CO3(1.28g、9.29mmol)の溶液に、MeI(988.80mg、6.97mmol、433.69uL)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで水(60mL)に注ぎ、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~60%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(1.2g、粗製)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=10.17(s,1H),7.89-7.82(m,1H),7.53(d,J=8.4Hz,1H),3.85(s,3H)ppm.
【0294】
ステップ4:(E)-1-(2,4-ジブロモ-3-メトキシベンジリデン)-2-メチルヒドラジン
EtOH(5mL)中の2,4-ジブロモ-3-メトキシベンズアルデヒド(500mg、1.70mmol)及びメチルヒドラジン(391.84mg、3.40mmol、447.82uL)の溶液を、25℃で16時間撹拌した。混合物を水(80mL)に注ぎ、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~50%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(250mg、776.41μmol、収率45.64%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br M+H]+=322.8.
1H NMR(400MHz,CDCl3-d)δ=7.72(s,1H),7.58-7.51(m,1H),7.48-7.41(m,1H),5.90(br s,1H),3.90(s,3H),3.02(s,3H)ppm.
【0295】
ステップ5:6-ブロモ-7-メトキシ-1-メチル-1H-インダゾール
DMF(4mL)中の(E)-1-(2,4-ジブロモ-3-メトキシベンジリデン)-2-メチルヒドラジン(230mg、714.29umol)の溶液に、K2CO3(296.16mg、2.14mmol)及びCuI(13.60mg、71.43umol)を加えた。混合物を100℃で16時間撹拌した。水(40mL)を加え、生成物をEA(20mL*3)に抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、40mL/分で0~60%の酢酸エチル/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(120mg、497.75umol、収率69.68%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br M+H]+=242.9.
1H NMR(400MHz,CDCl3-d)δ=7.98(s,1H),7.41-7.35(m,1H),7.30(d,J=10.0Hz,1H),4.33(s,3H),4.05(s,3H)ppm.
【0296】
中間体51:2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ピリミジン-4-イル トリフルオロメタンスルホネート
【化64】
ステップ1:4-(ベンジルオキシ)-2-クロロピリミジン
THF(80mL)中のフェニルメタノール(29.03g、268.50mmol、27.92mL)及びt-BuOK(15.06g、134.25mmol)の混合物を70℃に加熱し、0.5時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、-70℃未満に温度を維持しながら、DMF(100mL)中の2,4-ジクロロピリミジン(20g、134.25mmol)の溶液にゆっくりと滴加した。0.5時間撹拌した後、反応物を25℃まで温め、12時間撹拌した。反応混合物を冷水(150mL)に滴加すると、白色の固体が形成された。固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(22g、84.75mmol、収率63.13%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=221.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=8.49(d,J=5.6Hz,1H),7.50-7.46(m,2H),7.42-7.35(m,3H),7.06(d,J=5.6Hz,1H),5.41(s,2H)ppm.
【0297】
ステップ2:4-(ベンジルオキシ)-2-(オキセタン-3-イル)ピリミジン
DMA(400mL)中の4-(ベンジルオキシ)-2-クロロピリミジン(20g、90.64mmol)及び3-ヨードオキセタン(20.01g、108.77mmol)の混合物に、塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル複合体(1.99g、9.06mmol)、ピリジン-2-カルボキサミジン塩酸塩(1.43g、9.06mmol)、TFA(1.03g、9.06mmol、671.08uL)、Zn(11.85g、181.28mmol)、及びNaI(6.79g、45.32mmol)を、25℃で一度に加えた。混合物を、N2下で、60℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、H2O(800mL)に注ぎ、EA(800mL*3)で抽出した。合わせた有機層を水(800mL)及びブライン(800mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0~20%のEA/石油エーテル勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(1g、2.48mmol、収率2.73%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=243.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.61-8.47(m,1H),7.49-7.31(m,5H),7.14-6.84(m,1H),5.49-5.38(m,2H),4.96-4.66(m,4H),4.37(d,J=8.8Hz,1H)ppm.
【0298】
ステップ3:4-(ベンジルオキシ)-2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ピリミジン
THF(4mL)中の4-(ベンジルオキシ)-2-(オキセタン-3-イル)ピリミジン(1g、4.13mmol)の溶液に、KHMDS(1M、6.19mL)を-68℃で加えた。混合物を-68℃で0.5時間撹拌した。次いで、ヨードメタン(2.93g、20.64mmol、1.28mL)を-68℃で加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl水溶液(40mL)で0℃でクエンチし、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/1)によって精製して、表題化合物(220mg、858.37umol、収率20.80%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=257.0
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.53(d,J=5.6Hz,1H),7.50-7.44(m,2H),7.43-7.32(m,3H),6.86(d,J=6.0Hz,1H),5.43(s,2H),4.96(d,J=5.6Hz,2H),4.48(d,J=5.6Hz,2H),1.66(s,3H)ppm.
【0299】
ステップ4:2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ピリミジン-4-オール
MeOH(15mL)中の4-(ベンジルオキシ)-2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ピリミジン(200mg、780.34umol)の溶液に、Pd/C(40mg、純度10%)を加えた。混合物を脱気し、H2バルーンで3回パージした。混合物を、H2雰囲気下(15psi)で、25℃で0.5時間撹拌した。反応物を濾過して、Pd/Cを除去し、減圧下で濃縮して、表題化合物(110mg、661.95umol、収率84.83%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=167.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.89(d,J=6.8Hz,1H),6.19(d,J=6.8Hz,1H),4.89(d,J=6.0Hz,2H),4.38(d,J=6.0Hz,2H),1.61(s,3H)ppm.
【0300】
ステップ5:2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ピリミジン-4-イル トリフルオロメタンスルホネート
DCM(1mL)中の2-(3-メチルオキセタン-3-イル)ピリミジン-4-オール(50mg、300.88umol)及びDIEA(116.66mg、902.65umol、157.22uL)の溶液に、Tf2O(101.87mg、361.06umol、59.57uL)を0℃で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3水溶液(20mL)に注ぎ、DCM(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(88mg、295.07umol、収率98.07%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=299.0.
【0301】
中間体52:4-クロロ-2-(1-フルオロシクロプロピル)ピリミジン
【化65】
ステップ1:メチル1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキシレート
DCM(20mL)中の1-フルオロシクロプロパンカルボン酸(4g、38.43mmol)の混合物に、二塩化オキサリル(7.32g、57.65mmol、5.05mL)を0℃で加えた。反応物を25℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いでDCM(20mL)中に溶解した。次いで、MeOH(3.69g、115.30mmol、4.67mL)を0℃で加え、混合物を25℃で30分間撹拌した。反応物を、NaHCO
3水溶液(50mL)を添加することによりクエンチし、生成物をDCM(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層を25℃で濃縮して、表題生成物(2g、粗製)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3-d)δ=3.76(s,3H),1.39-1.29(m,4H)ppm.
【0302】
ステップ2:1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキシミドアミド
トルエン(30mL)中のNH4Cl(4.53g、84.67mmol)の混合物に、AlMe3(2M、42.33mL)を0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。メチル1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキシレート(2g、16.93mmol)を混合物に0℃で加えた。反応物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、MeOH(50mL)を加え、混合物を10分間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題生成物(2.1g、粗製)を白色の固体として得た。
【0303】
ステップ3:2-(1-フルオロシクロプロピル)ピリミジン-4-オール
EtOH(30mL)中の1-フルオロシクロプロパン-1-カルボキシミドアミド(2.02g、19.77mmol)及びK2CO3(5.46g、39.54mmol)の混合物に、エチル(E)-3-エトキシプロプ-2-エノエート(0.95g、6.59mmol、951.90uL)を25℃で加えた。反応物を75℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、100mL/分で0~20%のDCM/MeOHの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(140mg、908.26umol、収率13.78%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=155.1
1H NMR(400MHz,CDCl3-d)δ=11.80-10.90(m,1H),7.85(d,J=6.8Hz,1H),6.33(d,J=6.8Hz,1H),1.68-1.52(m,4H)ppm.
【0304】
ステップ4:4-クロロ-2-(1-フルオロシクロプロピル)ピリミジン
DCM(1mL)中の2-(1-フルオロシクロプロピル)ピリミジン-4-オール(70mg、454.13umol)及びDMF(3.32mg、45.41umol、3.49uL)の混合物に、塩化オキサリル(63.41mg、499.54umol、43.73uL)を0℃で加えた。反応物を25℃で2時間撹拌した。混合物をNaHCO3水溶液(30mL)で抽出し、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、36mL/分で0~50%のPE/EAの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(35mg、202.80umol、収率44.66%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3-d)δ=8.58(d,J=5.6Hz,1H),7.22(d,J=5.2Hz,1H),1.68-1.61(m,2H),1.58-1.52(m,2H)ppm.
【0305】
中間体53:3-(ジメチルアミノ)ピリジン-2(1H)-オン
【化66】
ステップ1:2-(ベンジルオキシ)-3-ブロモピリジン
THF(50mL)中のフェニルメタノール(3.37g、31.18mmol、3.24mL)の混合物に、NaH(1.25g、31.18mmol、純度60%)を、N
2下で、0℃で少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで混合物に、3-ブロモ-2-クロロ-ピリジン(5g、25.98mmol)を0℃で加えた。混合物を25℃で11.5時間撹拌した。混合物を水(300mL)に注ぎ、生成物を酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL*1)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)によって精製して、表題化合物(5.2g、19.69mmol、収率75.78%)を淡い黄色の油として得た。
【0306】
ステップ2:2-(ベンジルオキシ)-N,N-ジメチルピリジン-3-アミン
トルエン(10mL)中の2-(ベンジルオキシ)-3-ブロモピリジン(500mg、1.89mmol)及びジメチルアミン塩酸塩(255.62mg、5.67mmol、287.22uL)の混合物に、Pd2(dba)3(86.54mg、94.50μmol)、BINAP(117.68mg、189.00umol)、及びt-BuONa(908.15mg、9.45mmol)を、N2下で、25℃で一度に加えた。混合物を100℃で12時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、生成物を酢酸エチル(10mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL*1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=15/1)によって精製して、表題化合物(200mg、876.08umol、収率46.35%)を黄色の油として得た。
【0307】
ステップ3:3-(ジメチルアミノ)ピリジン-2(1H)-オン
2-(ベンジルオキシ)-N,N-ジメチルピリジン-3-アミン(100mg、438.04umol)及びMeOH(2mL)の溶液に、Pd/C(10mg、438.04umol、純度10%)を加えた。混合物を脱気し、H2で3回パージし、次いで混合物をH2(15psi)下で、25℃で0.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(50mg、361.88umol、収率82.61%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=139.0
【0308】
中間体54:1-シクロプロピルイミダゾリジン-2-オン
【化67】
ステップ1:1-(2-クロロエチル)-3-シクロプロピル尿素
TH(10mL)中のシクロプロパンアミン(541.06mg、9.48mmol)の混合物に、1-クロロ-2-イソシアナト-エタン(1g、9.48mmol)を滴加し、次いで混合物を30℃で2時間撹拌した。反応物を真空下で濃縮して、表題化合物(1.52g、9.35mmol、収率98.63%)を白色の固体として得、これを次のステップで直接使用した。
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ=6.30(s,1H),6.13(s,1H),3.61-3.53(m,2H),3.33-3.28(m,2H),2.43-2.35(m,1H),0.61-0.53(m,2H),0.37-0.29(m,2H)ppm.
【0309】
ステップ2:1-シクロプロピルイミダゾリジン-2-オン
THF(50mL)中の1-(2-クロロエチル)-3-シクロプロピル尿素(1.5g、9.22mmol)の混合物に、NaH(442.76mg、11.07mmol、純度60%)を0℃で少しずつ加えた後、混合物を30℃で2時間撹拌した。反応物を、飽和NH4Cl(30mL)を加えることによってクエンチし、生成物をDCM(30mL*5)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をPE(10mL)で20℃で粉砕し、固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(0.8g、6.34mmol、収率68.75%)を灰色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=127.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=6.28(s,1H),3.30-3.23(m,2H),3.20-3.12(m,2H),2.36-2.27(m,1H),0.58-0.51(m,4H)ppm.
【0310】
中間体55:2-シクロプロピル-1,2,5-チアジアゾリジン1,1-ジオキシド
【化68】
ステップ1:tert-ブチル(N-シクロプロピルスルファモイル)カルバメート
DCM(60mL)中の塩化硫黄イソシアナート(5g、35.33mmol、3.07mL)の溶液に、2-メチルプロパン-2-オール(2.62g、35.33mmol、3.38mL)を0℃で加えた。90分間撹拌した後、DCM(60mL)中の得られた溶液及びTEA(10.91g、107.77mmol)を、DCM(75mL)及びTEA(6.54g、64.66mmol)中のシクロプロパンアミン(2.02g、35.33mmol、2.45mL)の溶液に滴加した。反応混合物を5℃で3時間撹拌し、次いで水200mLに注ぎ、DCM(200mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をPE(100mL)で粉砕し、固体を濾過し、真空乾燥させて、表題化合物(2.5g、10.58mmol、収率29.95%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.17(br s,1H),5.47(s,1H),2.46-2.43(m,1H),1.52(s,9H),0.79-0.72(m,4H)ppm
【0311】
ステップ2:tert-ブチル5-シクロプロピル-1,2,5-チアジアゾリジン-2-カルボキシレート1,1-ジオキシド
アセトン(3mL)中のtert-ブチル(N-シクロプロピルスルファモイル)カルバメート(200mg、846.42umol)及び1,2-ジブロモエタン(182.20mg、969.84umol)の溶液に、K2CO3(346.34mg、2.51mmol)を加えた。得られた混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)に注ぎ、生成物をEA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(120mg、457.45umol、収率54.04%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=3.77-3.73(m,2H),3.41-3.38(m,2H),2.37-2.34(m,1H),1.54(s,9H),0.89-0.84(m,2H),0.77-0.77(m,2H)ppm.
【0312】
ステップ3:2-シクロプロピル-1,2,5-チアジアゾリジン1,1-ジオキシド
DCM(1.5mL)中のtert-ブチル5-シクロプロピル-1,2,5-チアジアゾリジン-2-カルボキシレート1,1-ジオキシド(120mg、457.45umol)の溶液に、TFA(1.5mL)を加えた。混合物を30℃で2時間撹拌し、次いで真空下で濃縮して、表題化合物(74mg、456.20umol、収率99.73%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=3.52-3.45(m,4H),2.35-2.28(m,1H),0.82-0.79(m,2H),0.74-0.72(m,2H)ppm.
【0313】
中間体56:3-(ジフルオロメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン塩酸塩
【化69】
ステップ1:tert-ブチル3-ホルミル-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート
THF(30mL)中のtert-ブチル3-ブロモ-6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5-カルボキシレート(3000mg、9.93mmol)の溶液に、n-BuLi(2.5M、8.34mL)をN
2下で、-78℃で加え、-78℃で0.5時間撹拌した。次いで、DMF(798.27mg、10.92mmol、840.28uL)を加え、得られた混合物を-78℃でさらに2時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)でクエンチし、生成物をEA(200mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE/EA=1:1)によって精製して、表題化合物(400mg、1.45mmol、収率14.59%)を淡い黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=252.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=9.88(s,1H),7.95(s,1H),4.92(s,2H),4.23(t,J=5.2Hz,2H),3.93(t,J=5.2Hz,2H),1.51(s,9H)ppm
【0314】
ステップ2:tert-ブチル3-(ジフルオロメチル)-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート
DCM(8mL)中のtert-ブチル3-ホルミル-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート(400mg、1.59mmol)の溶液に、DAST(1.28g、7.96mmol、1.05mL)を0℃で加え、混合物を30℃で4時間撹拌した。追加のDAST(2.57g、15.92mmol、2.10mL)を混合物に加え、30℃で12時間撹拌し続けた。混合物を飽和NaHCO3(200mL)でクエンチし、EA(200mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EA=2:1)によって精製して、表題化合物(250mg、850.78μmol、収率53.45%)を淡い黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=274.0.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.60(s,1H),6.88-6.51(m,1H),4.76(br s,2H),4.21(br t,J=5.2Hz,2H),3.91(br t,J=5.2Hz,2H),1.51(s,9H)ppm.
【0315】
ステップ3:3-(ジフルオロメチル)-4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン塩酸塩
4M HCl/ジオキサン(2mL)中のtert-ブチル3-(ジフルオロメチル)-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-カルボキシレート(100mg、365.93umol)の溶液を、30℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物(120mg、粗製)を白色の固体として得た。
【0316】
中間体57及び58:(R)-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸及び(S)-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
【化70】
ステップ1:メチル5-ブロモ-2-メチルニコチネート
MeOH(100mL)中の5-ブロモ-2-メチルニコチン酸(10g、46.29mmol、1当量)の溶液に、SOCl
2(8.26g、69.43mmol、5.04mL)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。室温に達し、溶媒を真空下で除去した。残渣をNaHCO
3水溶液(200mL)に取り込み、EA(100mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(8.8g、38.25mmol、収率82.63%)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br M+H]
+=229.9
1H NMR(400MHz,CDCl
3-d)δ=8.66(d,J=2.4Hz,1H),8.32(d,J=2.4Hz,1H),3.93(s,3H),2.78(s,3H)ppm.
【0317】
ステップ2:メチル5-ブロモ-2-(ジブロモメチル)ニコチネート
CCl4(60mL)中のメチル5-ブロモ-2-メチルニコチネート(5.6g、24.34mmol)の溶液に、NBS(4.77g、26.78mmol)及びAIBN(399.71mg、2.43mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(10g、粗製)を黄色の油として得た。
【0318】
ステップ3:メチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ニコチネート
THF(100mL)中のメチル5-ブロモ-2-(ジブロモメチル)ニコチネート(11g、28.36mmol)及びDIEA(1.47g、11.34mmol、1.98mL)の溶液に、ホスホン酸ジエチル(1.57g、11.34mmol、1.46mL)を0℃で加えた。混合物を15℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、水(300mL)に注ぎ、EA(150mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);120g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、120mL/分で0~50%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(7.4g、23.95mmol、収率84.46%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[Br M+H]+=309.7
【0319】
ステップ4:メチル3-ブロモ-5-ヒドロキシ-8H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-6-カルボキシレート
DMF(100mL)中のメチル5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ニコチネート(9.9g、32.04mmol)及び2-ヒドロキシ酢酸メチル(5.77g、64.09mmol、4.93mL)の溶液に、NaH(2.56g、64.09mmol、純度60%)を0℃で加えた。混合物を15℃で16時間撹拌した。混合物をNaHCO3水溶液(600mL)に注ぎ、EA(200mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(7.6g、粗製)を白色の固体として得た。
【0320】
ステップ5:3-ブロモ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン
EtOH(80mL)中のメチル3-ブロモ-5-ヒドロキシ-8H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-6-カルボキシレート(7.6g、26.57mmol)の溶液に、HCl(12M、152.00mL)を加えた。混合物を130℃で2時間撹拌した。混合物をNaHCO3水溶液でPH=8に調整し、生成物をEA(300mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);80g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、60mL/分で0~60%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(3.3g、14.47mmol、収率54.47%)を黄色の固体として得た。
【0321】
ステップ6:3-ブロモ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5-オール
THF(60mL)中の3-ブロモ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン(3.3g、14.47mmol)及びCeCl3(1.78g、7.24mmol)の溶液に、MeMgBr(3M、14.47mL)を、N2下で、-50℃で加えた。混合物を15℃で1時間撹拌した。水(150mL)を加え、混合物を濾過し、生成物をEA(80mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、80mL/分で0~60%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(2.9g、11.88mmol、収率82.10%)を白色の固体として得た。
【0322】
ステップ7:3-ブロモ-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン
DCM(30mL)中の3-ブロモ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5-オール(2.9g、11.88mmol)の溶液に、DAST(2.11g、13.07mmol、1.73mL)を0℃で加えた。反応物を0℃で1時間撹拌した。混合物をNaHCO3水溶液(100mL)に注ぎ、DCM(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、100mL/分で0~60%のEA/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(2.4g、9.75mmol、収率82.09%)を黄色の油として得た。
【0323】
ステップ8:5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
DMSO(40mL)中の3-ブロモ-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン(2.4g、9.75mmol)、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンビス(テトラフルオロボレート)(597.14mg、975.31umol)、Pd(OAc)2(218.97mg、975.31umol)、H2O(351.50mg、19.51mmol、351.50uL)、及びK2CO3(2.02g、14.63mmol)の混合物を脱気し、COで3回パージした。混合物をCO雰囲気下(15Psi)、100℃で4時間撹拌した。混合物を濾過し、水(100mL)に注ぎ、EA(60mL*2)で抽出した。EA層を、破棄した。水相をHCl水溶液(1M)によってPH=5に調整し、EA(60mL*5)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物(1.6g、7.27mmol、収率74.57%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=212.0
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=14.29-12.75(m,1H),9.01(s,1H),8.45(s,1H),4.93-4.69(m,2H),4.24-4.03(m,1H),3.97-3.79(m,1H),1.76-1.57(m,3H)ppm.
【0324】
ステップ9:(R)-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸及び(S)-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸(1.6g、7.58mmol)を、SFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm*)30mm、10um);移動相:[0.1%NH3H2O MeOH];B%:30%~30%、4分;150分)及びSFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IG(250mm*30mm、10um);移動相:[0.1%NH3H2O EtOH];B%:20%~20%、3.8分;80分分)によって分離した。生成物画分を真空下で濃縮し、HCl水溶液(1M)によってPH=5に調整し、EA(50mL*6)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体50(610mg、2.88mmol、収率37.96%)を白色の固体として得、中間体51(400mg、1.83mmol、収率62.21%)を白色の固体として得た。立体化学を、任意に割り当てられた。
【0325】
(R)-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=212.0
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=14.20-12.71(m,1H),9.01(s,1H),8.45(s,1H),4.87-4.71(m,2H),4.16-4.05(m,1H),3.97-3.82(m,1H),1.75-1.63(m,3H)ppm.
キラルSFC:IG-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_T35.M;Rt=1.251分、ee%=100%.
【0326】
(S)-5-フルオロ-5-メチル-5,8-ジヒドロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-3-カルボン酸
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=212.0
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.97-13.03(m,1H),9.04-8.98(m,1H),8.51-8.38(m,1H),4.87-4.71(m,2H),4.16-4.04(m,1H),3.98-3.81(m,1H),1.74-1.61(m,3H)ppm.
キラルSFC:IG-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_T35.M;Rt=1.597分、ee%=100%.
【0327】
中間体59及び60:(R)-4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸及び(S)-4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸
【化71】
ステップ1:メチル5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルベンゾエート
DCM(500mL)中のメチル3-アミノ-5-ブロモ-2-メチル-ベンゾエート(50g、204.85mmol)の混合物に、ニトロソニウムテトラフルオロボレート(31.11g、266.30mmol)を、N
2下で、0℃で少しずつ加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、o-キシレン(869.90g、8.19mol、990.78mL)を加え、混合物を130℃までゆっくりと加熱した後、130℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)に注ぎ、EA(100mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE/EA=50/1~10/1)によって精製して、表題化合物(49g、198.33mmol、収率96.82%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ=7.75(s,1H),7.29-7.26(m,1H),3.83(s,3H),2.37(d,J=2.4Hz,3H)ppm.
【0328】
ステップ2:5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸
MeOH(10mL)、THF(10mL)、及びH2O(5mL)中のメチル5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルベンゾエート(10g、40.48mmol)の混合物に、LiOH.H2O(5.10g、121.43mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を水(80mL)に注ぎ、1N HClによってpH=4に調整した。次いで、混合物をEA(30.0mL*3)で抽出した。合わせた有機物をブライン(80mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(8.5g、36.48mmol、収率90.12%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.54-13.49(m,1H),7.76-7.73(m,2H),2.36(d,J=2.4Hz,3H)ppm.
【0329】
ステップ3:5-ブロモ-3-フルオロ-N-メトキシ-N,2-ジメチルベンズアミド
DCM(150mL)中の5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸(14.7g、63.08mmol)及びDMF(46.11mg、630.81umol)の混合物に、(COCl)2(24.02g、189.24mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで真空下で濃縮した。残渣をDCM(150mL)中に溶解し、得られた溶液を、DCM(50mL)中のN-メトキシメタンアミン(9.23g、94.62mmol、1.5当量)及びDIEA(32.61g、252.32mmol、43.95mL)の混合物に加えた。反応物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(400mL)に注ぎ、DCM(300mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(400mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=100:1~8:1)によって精製して、表題化合物(11.5g、41.65mmol、収率66.03%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.58-7.55(m,1H),7.40(s,1H),3.43(br s,3H),3.29(br d,J=8.8Hz,3H),2.09(d,J=2.0Hz,3H)ppm.
【0330】
ステップ4:1-(5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)エタン-1-オン
THF(100mL)中の5-ブロモ-3-フルオロ-N-メトキシ-N,2-ジメチルベンズアミド(11g、39.84mmol)の溶液に、MeMgBr(3M、19.92mL)を0℃で加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(300mL)で洗浄し、EA(80mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=100:1~5:1)によって精製して、表題化合物(9.1g、39.38mmol、収率98.85%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.81(s,1H),7.71-7.68(m,1H),2.57(s,3H),2.23(d,J=2.0Hz,3H)ppm.
【0331】
ステップ5:2-(5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)プロパンニトリル
DME(500mL)及びEtOH(15.95g、346.23mmol)中の1-(5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)エタン-1-オン(10g、43.28mmol)及びp-トルエンスルホニルメチルイソシアニド(12.67g、64.92mmol)の混合物に、t-BuOK(10.68g、95.21mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を飽和NH4Cl(400mL)に注ぎ、EtOAc(200mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=30:1~5:1)によって精製して、表題化合物(7.7g、31.81mmol、収率73.49%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.54-7.51(m,1H),7.45(s,1H),4.53-4.47(m,1H),2.20(d,J=2.4Hz,3H),1.54(d,J=7.2Hz,3H)ppm.
【0332】
ステップ6:2-(5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル
DMSO(60mL)中の2-(5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)プロパンニトリル(7.7g、31.81mmol)及びNaHCO3(267.20mg、3.18mmol)の混合物に、パラホルムアルデヒド(1.15g、38.17mmol)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。水(400mL)を加え、混合物をEtOAc(200mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(400mL*2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE;EtOAc=10:1~3:1)によって精製して、表題化合物(8.0g、29.40mmol、収率92.43%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.58-7.56(m,1H),7.36(s,1H),5.84-5.81 m,1H),3.95-3.91(m,1H),3.69-3.66(m,1H),2.40(d,J=4.0Hz,3H),1.70(s,3H)ppm.
【0333】
ステップ7:2-(5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル
MeCN(80mL)中の2-(5-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル(8g、29.40mmol)の混合物に、NBS(10.99g、61.74mmol)及びAIBN(1.45g、8.82mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=10:1-3:1)によって精製して、表題化合物(8.5g、24.22mmol、収率82.37%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.74-7.71(m,1H),7.44(s,1H),5.93(br s,1H),4.97-4.86(m,2H),3.95-3.91(m,1H),3.77-3.73(m,1H),1.76(s,3H)ppm.
【0334】
ステップ8:6-ブロモ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-4-カルボニトリル
DMF(320mL)中の2-(5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-フルオロフェニル)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパンニトリル(6.3g、17.95mmol)の混合物に、K2CO3(7.44g、53.84mmol)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。水(3000mL)を加え、混合物をEtOAc(500mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1000mL*2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE;EtOAc=10:1~3:1)によって精製して、表題化合物(2.5g、9.26mmol、収率51.57%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.75(s,1H),7.61-7.59(m,1H),4.87-4.71(m,2H),4.20(d,J=11.2Hz,1H),3.81(d,J=11.6Hz,1H),1.67(s,3H)ppm.
【0335】
ステップ9:(R)-4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸及び(S)-4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸
DMSO(40mL)及びH2O(4mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-4-カルボニトリル(2.1g、7.77mmol)、K2CO3(1.61g、11.66mmol)、Pd(OAc)2(174.55mg、777.50umol)、及び1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンビス(テトラフルオロボレート)(952.06mg、1.55mmol)の混合物を脱気し、COで3回パージした。混合物を、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で4時間撹拌した。混合物を水(300mL)に注ぎ、EA(50.0mL*2)で抽出した。合わせた有機物を廃棄し、水性物をHCl使用液(1M)でPH=5に調整し、生成物をEA(50.0mL*3)で抽出した。合わせた有機物をブライン(100.0mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して、ラセミ4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸を得た。ラセミ体を、SFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm*30mm、5um);移動相:[0.1%NH3H2O EtOH];B%:20%~20%、3.1分;600分)によって分離した。ピーク1(Rt=1.120分)の溶離液を真空下で濃縮した。残渣をH2O(50mL)で希釈し、1N HClでpH=5に調整し、次いで混合物をEA(50mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(570mg、2.30mmol、収率29.58%)を黄色の固体として得た。ピーク2(Rt=1.258分)の溶離液を真空下で濃縮した。残渣をH2O(50mL)で希釈し、1N HClでpH=5に調整し、次いで混合物をEA(50mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の固体を得た。この生成物を、SFC分離(カラム:DAICEL CHIRALPAK IC(250mm*30mm、5um);移動相:[0.1%NH3H2O EtOH];B%:20%~20%、3.2分;73分)によってさらに精製して、表題化合物(590mg、2.48mmol、収率31.84%)を黄色の固体として得た。立体化学を、任意に割り当てられた。
【0336】
(R)-4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.84-13.85(m,1H),7.95(s,1H),7.66-7.64(m,1H),4.97-4.84(m,2H),4.21(d,J=11.6Hz,1H),3.90(d,J=11.6Hz,1H),1.69(s,3H)ppm.
キラルSFC:IC-3-EtOH(DEA)-5-40-3mL-35T.1cm、Rt=1.120分、ee%=95.99%。
【0337】
(S)-4-シアノ-8-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.58-13.50(m,1H),7.96(s,1H),7.67-7.64(m,1H),4.97-4.84(m,2H),4.21(d,J=11.6Hz,1H),3.90(d,J=11.6Hz,1H),1.69(s,3H)ppm.
キラルSFC:IC-3-EtOH(DEA)-5-40-3mL-35T.1cm、Rt=1.159分、ee%=99.13%。
【0338】
中間体61:3-ブロモ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン-6,6-d
2
【化72】
ステップ1:3-ブロモ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン-6,6-d
2
THF(250.00mL)中の3-ブロモ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン(3.00g、13.155mmol、1.00当量)の溶液に、NaHDMS(52mL、1M、52.620mmol、4.00当量)を、窒素下で、0℃を加えた。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで、D
2O(100.00mL)を反応混合物に加え、室温で16時間撹拌し続けた。水層をEA(50mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗生成物を得た。粗生成物を、溶出勾配が石油エーテル中0~50%EtOAcであるフラッシュシリカクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分を蒸発乾固して、表題化合物(1.1g、36.35%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=230.
【0339】
中間体62:3-クロロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン-8,8-d
2
【化73】
ステップ1:(3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メタン-d
2-オール
CD
3OD(10.00mL)中のメチル3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-カルボキシレート(1.00g、3.992mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、NaBD
4(670.71mg、15.969mmol、4.00当量)を、N
2雰囲気下で、0℃で加えた。得られた混合物を、N
2雰囲気下で、室温で2時間撹拌した。反応物を室温で、水でクエンチした。水性混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を真空下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(12:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(644mg、71.86%)を淡い黄色の固体として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]
+=224.
【0340】
ステップ2:tert-ブチル2-((3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)アセテート
トルエン(30.00mL)中の(3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メタン-d2-オール(5.10g、22.719mmol、1.00当量)及びtert-ブチル2-ブロモアセテート(8.86g、45.438mmol、2.00当量)の撹拌溶液に、Bu4NHSO4(0.77g、2.272mmol、0.10当量)及び10M NaOH(30mL)を0℃で加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を、飽和NH4Cl(10mL)を室温で添加することによってクエンチした。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を真空下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(12:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(6.5g、粗製)を淡い黄色の油として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=338.
【0341】
ステップ3:2-((3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)酢酸
DCM(40.00mL)中のtert-ブチル2-((3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)アセテート(6.50g、19.196mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、TFA(10.00mL)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物(6.4g、粗製)を白色の固体として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=282.
【0342】
ステップ4:2-((3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-N-メトキシ-N-メチルアセトアミド
DMF(60.00mL)中の2-((3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)酢酸(6.40g、22.654mmol、1.00当量)及びN,O-ジメチルヒドロキシルアミン(1.66g、27.185mmol、1.20当量)の撹拌溶液に、HATU(10.34g、27.185mmol、1.20当量)及びDIEA(8.78g、67.962mmol、3.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。水を加え、水性混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物(4.45g、60.33%)を淡い黄色の油として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=325.
【0343】
ステップ5:3-クロロ-6H-ピラノ[3,4-b]ピリジン-5(8H)-オン-8,8-d2
THF(40.00mL)中の2-((3-ブロモ-5-クロロピリジン-2-イル)メトキシ-d2)-N-メトキシ-N-メチルアセトアミド(3g、9.214mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、nBuLi(4.42mL、11.057mmol、1.20当量)を、窒素雰囲気下で、-78℃で加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、-78℃で2時間撹拌した。反応物を、飽和NH4Cl(10mL)を室温で添加することによってクエンチした。水性混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物(380mg、22.22%)を淡い黄色の油として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=187.
【0344】
中間体63:エチル2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-4-カルボキシレート
【化74】
ステップ1.2-tert-ブチル4-エチル2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-2,4-ジカルボキシレート
2-[(tert-ブトキシ)カルボニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-4-カルボン酸(0.2g、0.783mmol)を、EtOH(2.6mL)中に溶解した。触媒硫酸(0.26mL)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。次いで、過剰の溶媒を真空下で除去した。粗残渣をEtOAc中に溶解し、有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.14g)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H-Boc]+=184.2.
【0345】
ステップ2.エチル2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-4-カルボキシレート
2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-2,4-ジカルボキシレート(0.065g、0.24mmol)を、DCM(1.2mL)中に溶解し、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(0.19mL、2.4mmol)を滴加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去した。粗残渣をDCM中に溶解し、有機層を飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.04g)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=184.2.
【0346】
中間体64:2-クロロ-8-フルオロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
【化75】
ステップ1:2-クロロ-3-フルオロ-5-ヨードピリジン-4-アミン
エタノール(150mL)中の2-クロロ-3-フルオロピリジン-4-アミン(6.00g、40.942mmol、1.00当量)及びAg
2SO
4(12.77g、40.956mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、I
2(10.39g、40.942mmol、1当量)を加えた。得られた混合物を55℃で2時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(300mL)中に溶解し、水(50mL×2)及び飽和ブライン(30mL×1)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(8.8g、78.89%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=273.
【0347】
ステップ2:エチル(E)-3-(4-アミノ-6-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)アクリレート
DME(90mL)及びH2O(30mL)中の2-クロロ-3-フルオロ-5-ヨードピリジン-4-アミン(6.00g、22.022mmol、1.00当量)及びエチル(2E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)プロプ-2-エノエート(6.47g、28.629mmol、1.3当量)の撹拌溶液に、Pd(PPh3)4(2.54g、2.202mmol、0.1当量)及びNa2CO3(4.67g、44.045mmol、2当量)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(5.0g、92.80%)を淡い黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=245.
【0348】
ステップ3:7-クロロ-8-フルオロ-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン
エタノール(60mL)中のエチル(E)-3-(4-アミノ-6-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)アクリレート(5.00g、20.437mmol、1.00当量)及びNaSMe(17.88g、51.093mmol、2.5当量、H2O中の20%)の溶液を、60℃で4時間撹拌した。混合物を1N HClでpH7に酸性化した。得られた混合物をEtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(2.23g、54.95%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=199.
【0349】
ステップ4:8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
DMF(5mL)中の7-クロロ-8-フルオロ-1,6-ナフチリジン-2(1H)-オン(1.00g、5.036mmol、1.00当量)及びZn(CN)2(1.18g、10.072mmol、2当量)の撹拌溶液に、Pd2(dba)3(0.92g、1.007mmol、0.2当量)及びXPhos(0.96g、2.014mmol、0.4当量)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、100℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物(561mg、58.90%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=190.
【0350】
ステップ5:2-クロロ-8-フルオロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
トルエン(1mL)中のトリクロロイソシアヌル酸(568.01mg、2.444mmol、0.67当量)及びPPh3(1913.59mg、7.296mmol、2当量)の溶液を、窒素雰囲気下で、室温で一晩撹拌した。上記の混合物に、8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(690.00mg、3.648mmol、1.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、110℃でさらに4時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(346mg、45.69%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=208.
【0351】
中間体65:tert-ブチル((6-ブロモイソキノリン-3-イル)メチル)カルバメート
【化76】
ステップ1:6-ブロモ-3-メチルイソキノリン
DCM(500mL)中の(4-ブロモフェニル)メタンアミン(30g、161.25mmol)の溶液に、1,1-ジメトキシプロパン-2-オン(20.95g、177.37mmol)及びMgSO
4(60.00g、498.47mmol)を加えた。得られた混合物を40℃で16時間撹拌した。次いで、NaBH
3CN(12.16g、193.50mmol)を加え、混合物を30℃で5時間撹拌した後、濾過した。濾液を濃縮して、黄色の油を得た。クロロスルホン酸(157.50g、1.35mol)を-10℃に冷却し、上記の粗生成物を、N
2下で、3時間滴加した。反応混合物を120℃に10分間加熱した。反応混合物を25℃に冷却し、氷水(2L)に注いだ。溶液を2M NaOHで中和し、EA(1000mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2000mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10:1~5:1)によって精製して、表題化合物(8.5g、38.27mmol、収率23.74%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=9.06(s,1H),7.8(d,J=1.2Hz,1H),7.71(d,J=8.4Hz,1H),7.52-7.50(m,1H),7.30(s,1H),2.62(s,3H)ppm.
【0352】
ステップ2:6-ブロモ-3-(ブロモメチル)イソキノリン
トリフルオロメチルベンゼン(200mL)中の6-ブロモ-3-メチルイソキノリン(8.3g、37.37mmol)の溶液に、NBS(7.97g、44.77mmol)及びAIBN(919.64mg、5.60mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=40:1~20:1)によって精製して、表題化合物(3g、9.22mmol、収率24.68%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=301.9
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.22(s,1H),8.02-8.00(m,2H),7.86(d,J=8.8Hz,1H),7.72-7.68(m,2H),4.72(s,2H)ppm.
【0353】
ステップ3:2-((6-ブロモイソキノリン-3-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
DMF(65mL)中の6-ブロモ-3-(ブロモメチル)イソキノリン(3g、9.97mmol)及び(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)カリウム(2.03g、10.96mmol)の混合物を30℃で16時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3溶液(200mL)に注ぎ、生成物をDCM(200mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(3.6g、9.80mmol、収率98.36%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.15(s,1H),7.95-7.89(m,3H),7.76-7.74(m,3H),7.65(s,1H),7.54(s,1H),5.30(s,2H)ppm.
【0354】
ステップ4:(6-ブロモイソキノリン-3-イル)メタンアミン
EtOH(60mL)中の2-((6-ブロモイソキノリン-3-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン(3.6g、9.80mmol)の溶液に、NH2NH2.H2O(1.72g、34.31mmol)を加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、表題化合物(2.32g、9.79mmol、収率100.00%)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.25-9.23(m,1H),8.22-8.20(m,1H),8.05(d,J=8.8Hz,1H),7.78-7.71(m,2H),3.95(s,2H)ppm.
【0355】
ステップ5:tert-ブチル((6-ブロモイソキノリン-3-イル)メチル)カルバメート
THF(25mL)中の(6-ブロモイソキノリン-3-イル)メタンアミン(2.32g、9.79mmol)の溶液に、NaHCO3(1.64g、19.57mmol)及びBoc2O(2.56g、11.74mmol)を加えた。混合物を30℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ、生成物をEA(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20:1~2:1)によって精製して、表題化合物(2.2g、6.25mmol、収率63.87%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=339.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.17(s,1H),7.97-7.95(m,1H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),7.67-7.64(m,1H),7.53(s,1H),4.58(br d,J=6.0Hz,2H),1.48(s,9H)ppm.
【0356】
中間体66:2-((6-ブロモシンノリン-3-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
【化77】
ステップ1:ジエチルヒドラジニルホスホネート
ヒドラジン水和物(21.32g、362.05mmol、20.70mL)を、CCl
4(180mL)、DCM(300mL)、無水K
2CO
3(75.06g、543.08mmol)、及びベンジル(トリエチル)アンモニウムクロリド(824.66mg、3.62mmol)の混合物に、25℃で効率的に撹拌しながら滴加した。25℃で15分間撹拌し続け、次いでDCM(60mL)中のホスホン酸ジエチル(50g、362.05mmol、46.73mL)の溶液を、時々外部冷却しながら25℃で加えた。添加が完了した後、25℃で4時間撹拌し続けた。次いで、炭酸カリウムを濾過し、フィルターケーキをDCMで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(56g、333.07mmol、収率92.00%)を淡い黄色の油として得、これを次のステップで直接使用した。
【0357】
ステップ2:ジエチル(Z)-(2-(1-(3-ブロモフェニル)プロパン-2-イリデン)ヒドラジニル)ホスホネート
EtOH(400mL)中の1-(3-ブロモフェニル)プロパン-2-オン(20.9g、98.09mmol)、ジエチルヒドラジニルホスホネート(17.32g、102.99mmol)、及びHCl(0.6mL)の混合物を、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、黄色の油を得た。油を水(100mL)中に溶解し、飽和NaHCO3を加えて、pHを9に調整した。生成物をDCM(50mL*3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、褐色の残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ジクロロメタン/メタノール=1/0~10/1)によって精製して、表題化合物(26.65g、66.04mmol、収率67.33%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=362.9/364.9
【0358】
ステップ3:(6-ブロモシンノリン-3-イル)メチルアセテート
トルエン(92mL)中のジエチル(Z)-(2-(1-(3-ブロモフェニル)プロパン-2-イリデン)ヒドラジニル)ホスホネート(3.65g、10.05mmol)の溶液に、Cu(OAc)2.H2O(2.01g、10.05mmol、2.01mL)を、25℃で加えた。混合物を、O2(15psi)下で、130℃で12時間撹拌した。混合物をH2O(500mL)で希釈し、EA(500mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM/EA=1/0~0/1)によって精製して、表題化合物(1g、3.56mmol、収率17.70%)を褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.45(d,J=9.2Hz,1H),8.05(d,J=1.6Hz,1H),7.94-7.91(m,1H),7.83(s,1H),5.70(s,2H),2.20(s,3H)ppm.
【0359】
ステップ4:(6-ブロモシンノリン-3-イル)メタノール
MeOH/THF/H2O=2/2/1(10mL)中の(6-ブロモシンノリン-3-イル)メチルアセテート(1g、3.56mmol)の溶液に、NaOH(213.44mg、5.34mmol)を加えた。混合物を40℃で3時間撹拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、DCM(30mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をMTBE(20mL)で粉砕し、黄色の固体を濾過によって収集して、表題化合物(580mg、2.43mmol、収率68.20%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=238.8/240.8.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.47(d,J=1.6Hz,1H),8.41(d,J=9.2Hz,1H),8.16(s,1H),8.03-8.01(m,1H),5.82-5.79(m,1H),5.07(d,J=5.6Hz,2H)ppm.
【0360】
ステップ5:2-((6-ブロモシンノリン-3-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
THF(20mL)中の(6-ブロモシンノリン-3-イル)メタノール(580mg、2.43mmol)、イソインドリン-1,3-ジオン(392.65mg、2.67mmol)及びPPh3(954.51mg、3.64mmol)の溶液に、THF(10mL)中のDEAD(633.79mg、3.64mmol、661.58uL)の溶液を0℃で加えた。混合物を、N2下で、25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(100mL)で希釈し、DCM(100mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をMeOH(20mL)で粉砕し、オフホワイト色の固体を濾過によって収集して、表題化合物(550mg、1.49mmol、収率61.57%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=369.9.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.39-8.37(m,2H),8.21(s,1H),8.04-8.02(m,1H),7.96-7.93(m,2H),7.90-7.89(m,2H),5.34(s,2H)ppm.
【0361】
中間体67:tert-ブチル((3-ブロモ-1,7-ナフチリジン-6-イル)メチル)カルバメート
【化78】
ステップ1:5-ブロモ-3-ヨードピコリン酸
10%H
2SO
4(30mL)中の3-アミノ-5-ブロモ-ピリジン-2-カルボン酸(4g、18.43mmol)の溶液に、NaNO
2(1.91g、27.65mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。KI(9.18g、55.29mmol)を加え、反応物を0℃で30分間撹拌し、次いで80℃に1時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、氷水(80mL)にゆっくり注いだ。得られた黄色の固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(4.5g、13.72mmol、収率74.46%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:[
79BrM+H]
+=327.8.
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ=8.73(d,J=2.0Hz,1H),8.70(d,J=2.0Hz,1H)ppm.
【0362】
ステップ2:5-ブロモ-3-ヨード-N-メトキシ-N-メチルピコリンアミド
DCM(15mL)中の5-ブロモ-3-ヨードピコリン酸(2g、6.10mmol)の溶液に、HATU(3.48g、9.15mmol)、DIPEA(3.94g、30.50mmol)、及びN,O-ジメチルヒドロキシルアミン(713.95mg、7.32mmol)を加えた。混合物を30℃で2時間撹拌した。水(30mL)を加え、生成物を酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(2.2g、5.93mmol、収率97.23%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[81BrM+H]+=372.8.
【0363】
ステップ3:5-ブロモ-3-ヨードピコリンアルデヒド
THF(10mL)中の5-ブロモ-3-ヨード-N-メトキシ-N-メチルピコリンアミド(1g、2.70mmol)の溶液に、DIBAL-H(1M、5.39mL、5.39mmol)を、N2下で、-70℃で滴加した。混合物を-70℃で1時間撹拌した。反応物を、水(50mL)を加えることによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、表題化合物(0.6g、1.92mmol、収率71.36%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=311.8.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=9.98(s,1H),8.83(d,J=2.0Hz,1H),8.53(d,J=2.0Hz,1H)ppm.
【0364】
ステップ4:tert-ブチル(3-(5-ブロモ-2-ホルミルピリジン-3-イル)プロプ-2-イン-1-イル)カルバメート
CH3CN(6mL)中の5-ブロモ-3-ヨードピコリンアルデヒド(150mg、480.92umol)、tert-ブチルN-プロプ-2-イニルカルバメート(74.64mg、480.92umol)、Et3N(486.64mg、4.81mmol、669.39uL)、CuI(9.16 mg、48.09umol)、及びPd(PPh3)2Cl2(33.76mg、48.09umol)を脱気し、N2でパージした後、N2下で、20℃で2時間撹拌した。反応物を、水(30mL)を加えることによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(0.2g、粗製)を黄色の油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=339.0.
【0365】
ステップ5:tert-ブチル((3-ブロモ-1,7-ナフチリジン-6-イル)メチル)カルバメート
tBuOH(5mL)中のtert-ブチル(3-(5-ブロモ-2-ホルミルピリジン-3-イル)プロプ-2-イン-1-イル)カルバメート(0.2g、589.65umol)の溶液に、NH4OAc(68.18mg、884.48umol)及びAgOTf(30.30mg、117.93umol)を加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。反応混合物を、水(30mL)を加えることによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(110mg、315.49μmol、収率53.51%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=338.1.
【0366】
中間体68:2-((2-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
【化79】
ステップ1:6-メチルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-2(1H)-チオン
DMF(75mL)中の5-ブロモ-2-メチルピリジン-4-アミン(7.50g、40.098mmol、1.00当量)及びカリウムエチルキサンテート(25.71g、160.393mmol、4当量)の溶液を、130℃で15時間撹拌した。得られた混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(300mL)で抽出した。有機層を廃棄し、水層を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(500mL)でスラリー化し、25℃で1時間撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(3.5g、47.89%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=183.
【0367】
ステップ2:2-クロロ-6-メチルチアゾロ[5,4-c]ピリジン
塩化スルホニル(20.00mL)中の6-メチルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-2(1H)-チオン(2.10g、11.522mmol、1.00当量)の溶液を、室温で2時間撹拌した。混合物を氷水(200mL)に注いだ。水性混合物を、Na2CO3でpH9に塩基性化した。EtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL×1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(0.726g、34.13%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=185.
【0368】
ステップ3:6-(ブロモメチル)-2-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリジン及び2-クロロ-6-(ジブロモメチル)チアゾロ[5,4-c]ピリジン
CCl4(30mL)中の2-クロロ-6-メチルチアゾロ[5,4-c]ピリジン(1.83g、9.911mmol、1.00当量)及びNBS(1.76g、9.911mmol、1当量)の撹拌溶液に、AIBN(0.16g、0.991mmol、0.1当量)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、80℃で15時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、DCM(60mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物の混合物(1.57g、60.11%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=265.
【0369】
ステップ4:6-(ブロモメチル)-2-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリジン
THF(25mL)中の6-(ブロモメチル)-2-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリジン及び2-クロロ-6-(ジブロモメチル)チアゾロ[5,4-c]ピリジン(1.87g、5.461mmol、1.00当量)及びホスホン酸ジエチル(4.53g、32.766mmol、6当量)の混合物の撹拌溶液に、DIEA(4.23g、32.766mmol、6当量)を加えた。混合物を、室温で15時間撹拌した。混合物を、真空下で濃縮し、残渣を、PE/EtOAc(12:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(1.42g、98.67%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=265.
【0370】
ステップ5:2-((2-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
DMF(1mL)中の6-(ブロモメチル)-2-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリジン(100.00mg、0.379mmol、1.00当量)及びカリウムフタルイミド(84.34mg、0.455mmol、1.2当量)の溶液を、室温で1時間撹拌した。混合物を水(2mL)に注ぎ、10分間撹拌した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキを水(5mL×2)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させて、表題化合物(114mg、91.11%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=330.
【0371】
中間体69:tert-ブチル((6-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-イル)メチル)カルバメート
【化80】
ステップ1:エチル(E)-3-(4-アミノ-6-クロロピリダジン-3-イル)アクリレート
DME(270.00mL)及びH
2O(90.00mL)中の3,6-ジクロロピリダジン-4-アミン(24.00g、146.350mmol、1.00当量)、エチル(2E)-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン)-2-イル)プロプ-2-エノエート(39.70g、175.620mmol、1.20当量)の撹拌溶液に、Pd(PPh
3)
4(16.91g、14.635mmol、0.10当量)及びNa
2CO
3(31.02g、292.701mmol、2.00当量)を加えた。混合物を100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、水(300mL)で希釈し、EtOAc(300mL×5)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物を、溶出勾配が石油エーテル中0~100%EtOAcであるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3,6-ジクロロピリダジン-4-アミン及び表題化合物(15g、粗製)の混合物を黄色の固体として得た。混合物をEtOAc(260mL)から再結晶して、表題化合物(10g、30.02%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=228.
【0372】
ステップ2:3-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-6-オール
EtOH(150mL)中のエチル(E)-3-(4-アミノ-6-クロロピリダジン-3-イル)アクリレート(11.80g、51.834mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、NaSMe(9.08g、129.548mmol、2.50当量)を室温で滴加した。得られた混合物を60℃で2時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、1M HCl(水溶液)でpH7に中和した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをtert-ブチルメチルエーテル(10mL×3)で洗浄した。フィルターケーキを真空下で乾燥させて、表題化合物(6.3g、63.59%)を灰色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=182.
【0373】
ステップ3:6-ヒドロキシピリド[3,2-c]ピリダジン-3-カルボニトリル
DMF(40mL)中の3-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-6-オール(3500.00mg、19.275mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、Zn(CN)2(4527.53mg、38.551mmol、2当量)、Pd2(dba)3(3530.15mg、3.855mmol、0.2当量)、及びXPhos(3675.53mg、7.710mmol、0.40当量)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下で、100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、表題化合物(900mg、31.64%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=173.
【0374】
ステップ4:6-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-カルボニトリル
1,4-ジオキサン(100mL)中のPPh3(3047.23mg、11.618mmol、2当量)の撹拌溶液に、トリクロロイソシアヌル酸(904.51mg、3.892mmol、0.67当量)を少しずつ加えた。得られた混合物を室温で23時間撹拌した。上記の混合物に、6-ヒドロキシピリド[3,2-c]ピリダジン-3-カルボニトリル(1000.00mg、5.809mmol、1.00当量)を少しずつ加えた。得られた混合物を108℃でさらに4時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、溶離勾配がEtOAc中0~100%のPEであるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(581mg、52.48%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=191.
【0375】
ステップ5:tert-ブチル((6-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-イル)メチル)カルバメート及びtert-ブチル((6-クロロ-1,2-ジヒドロピリド[3,2-c]ピリダジン)-3-イル)メチル)カルバメート
THF(8mL)中の6-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-カルボニトリル(300.00mg、1.574mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、THF中のLiAlH4(1.9mL、4.722mmol、3.00当量)の2.5M溶液を0℃で滴加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。反応物を、飽和NaHCO3(水溶液)(10mL)を添加することによって0℃でクエンチした。上記の混合物に、Boc2O(1030.60mg、4.722mmol、3.00当量)を0℃で滴加した。得られた混合物を室温でさらに1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物の混合物(231mg、粗製)を得、これをさらに精製することなく直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=295.
【0376】
ステップ6:tert-ブチル((6-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-イル)メチル)カルバメート
DCM(8mL)中のtert-ブチル((6-クロロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-イル)メチル)カルバメート及びtert-ブチル((6-クロロ-1,2-ジヒドロピリド[3,2-c]ピリダジン-3-イル)メチル)カルバメート(231mg、粗)の撹拌溶液に、DDQ(714.64mg、3.148mmol、2.00当量)を少しずつ加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCM(5mL×3)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCで精製して、表題化合物(112mg、24.14%)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=295.
【0377】
中間体70:tert-ブチル((5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
【化81】
ステップ1:2-ベンジル-7-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2,6-ナフチリジン-2-イウムブロミド
DCM(10mL)中のtert-ブチル((2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート(3.6g、13.88mmol)の溶液に、(ブロモメチル)ベンゼン(3.56g、20.83mmol)を加えた。混合物を30℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をMTBE(50mL)中で粉砕して、表題化合物(4.5g、粗製)を灰色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M]
+=350.3.
【0378】
ステップ2:tert-ブチル((6-ベンジル-5-メチル-5,6-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
2-ベンジル-7-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-2,6-ナフチリジン-2-イウムブロミド(2.0g、4.65mmol)を、THF(50mL)中のMeMgBr(3M、9.30mL)の溶液に、N2下で、0℃で少しずつ加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl(50mL)を加えることによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(2g、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=366.3.
【0379】
ステップ3:tert-ブチル((6-ベンジル-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
MeOH(20mL)及びリン酸緩衝液pH7.0(20mL)中のtert-ブチル((6-ベンジル-5-メチル-5,6-ジヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート(2g、5.47mmol)の溶液に、NaBH4(828.09mg、21.89mmol)を0℃で加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応物を、0.5N HCl(50mL)を添加することによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(50mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)によって精製して、表題化合物(1.3g、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=368.2.
【0380】
ステップ4:tert-ブチル((5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
MeOH(15mL)中のtert-ブチル((6-ベンジル-5-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート(0.5g、1.36mmol)及びPd/C(666.67mg、634.92μmol、純度10%)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物を、H2雰囲気(15psi)下で、40℃で40時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(0.35g、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=278.3.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.10(s,1H),7.40-7.22(m,1H),7.01(s,1H),4.18-4.12(m,2H),3.93-3.82(m,1H),3.20-3.15(m,1H),3.13-3.04(m,1H),2.82-2.74(m,1H),2.70-2.65(m,1H),2.59(br s,1H),1.44-1.38(m,9H),1.32-1.29(m,3H)ppm.
【0381】
中間体71:2-((5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-3-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩
【化82】
ステップ1:ベンジル3-オキソ-3,5,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(2H)-カルボキシレート
ベンジル4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(25g、107.18mmol)、KOAc(0.4g、4.08mmol)、及びグリオキシル酸一水和物(10g、135.07mmol)の混合物を、90℃で12時間撹拌した。次いで、N
2H
4.H
2O(5.67g、96.19mmol、5.5mL)を、混合物に90℃で滴加した後、90℃でさらに0.5時間撹拌した。混合物をMeOH(100mL)で希釈し、25℃に冷却し、濾過した。固体をMeOHで洗浄し、乾燥させて、表題化合物(10g、35.05mmol、収率32.70%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=286.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.48-7.25(m,5H),6.80(s,1H),5.13(s,2H),4.54(br s,2H),3.67(br s,2H),2.75-2.72(m,2H).
【0382】
ステップ2:ベンジル3-クロロ-7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(5H)-カルボキシレート
POCl3(38.61g、251.81mmol、23.40mL)中のベンジル3-オキソ-3,5,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(2H)-カルボキシレート(9g、31.55mmol)の混合物に、Et3N(65.43mg、646.61umol)を、N2下で、25℃で一度に加えた。混合物を80℃で3時間撹拌した。混合物を水(2000mL、25℃)に注ぎ、5分間撹拌した。飽和NaHCO3を混合物に加えて、pH=7に調整した。水相をEA(1000mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1000mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、表題化合物(7.7g、25.35mmol、収率80.36%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=304.0.
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=7.75-7.63(m,1H),7.46-7.28(m,5H),5.23-5.15(m,2H),4.82-4.74(m,2H),4.63-4.57(m,1H),3.96-3.84(m,2H),3.24-3.12(m,2H).
【0383】
ステップ3:6-ベンジル3-メチル7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-3,6(5H)-ジカルボキシレート
DMSO(225mL)中のベンジル3-クロロ-7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(5H)-カルボキシレート(7.5g、24.69mmol)の溶液に、Pd(OAc)2(277.18mg、1.23mmol)、K2CO3(5.12g、37.04mmol)、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンビス(テトラフルオロボレート)(1.51g、2.47mmol)及びMeOH(11.88g、370.69mmol、15.00mL)を、N2下で、25℃で加えた。懸濁液を真空下で脱気し、COで数回パージした。混合物を、CO(15psi)下で、100℃で1.5時間撹拌した。合わせた混合物を水(1500mL)に注ぎ、酢酸エチル(500mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(500mL*2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/2)によって精製して、表題化合物(3.3g、9.92mmol、収率40.16%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=327.9.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.21-8.12(m,1H),7.43-7.28(m,5H),5.17-5.10(m,2H),4.89-4.68(m,2H),3.99-3.90(m,3H),3.86-3.75(m,2H),3.26-3.13(m,2H).
【0384】
ステップ4:6-(tert-ブチル)3-メチル7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-3,6(5H)-ジカルボキシレート
MeOH(65mL)中の6-ベンジル3-メチル7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-3,6(5H)-ジカルボキシレート(3.2g、9.78mmol)の溶液に、Boc2O(3.20g、14.66mmol、3.37mL)及びPd/C(300mg、純度10%)をN2下で加えた。懸濁液を脱気し、H2で数回パージした。混合物を、H2(15psi)下で、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(2.9g、粗製)を淡い黄色の油として得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=294.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.89-7.84(m,1H),4.66-4.60(m,2H),3.79-3.72(m,2H),3.32-3.21(m,2H),1.44-1.42(m,9H).
【0385】
ステップ5:tert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(5H)-カルボキシレート
MeOH(28mL)/THF(14mL)中の6-(tert-ブチル)3-メチル7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-3,6(5H)-ジカルボキシレート(2.8g、9.55mmol)及びCaCl2(4.24g、38.18mmol)の混合物に、NaBH4(722.29mg、19.09mmol)を、N2下で、0℃で一度に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を、飽和NH4Cl(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(100mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL*1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を逆相カラム(FA)によって精製した。溶離液を濃縮して、MeCNを除去し、水相を酢酸エチル(50mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL*1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(1.3g、4.90mmol、収率51.33%)を淡い黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=266.0.
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=7.68-7.60(m,1H),4.85-4.84(m,2H),4.75-4.66(m,2H),3.85-3.77(m,2H),3.21-3.08(m,2H),2.03-1.99(m,2H),1.51-1.49(m,9H).
【0386】
ステップ6:tert-ブチル3-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(5H)-カルボキシレート
THF(12mL)中のtert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(5H)-カルボキシレート(1.15g、4.33mmol)、PPh3(1.71g、6.50mmol)、及びイソインドリン-1,3-ジオン(701.53mg、4.77mmol)の混合物に、DEAD(1.13g、6.50mmol、1.18mL)を、N2下で、0℃で滴加した。混合物を25℃で2時間撹拌した。合わせた混合物を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(30mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL*1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(1.2g、3.04mmol、収率70.19%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=395.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.85-7.75(m,2H),7.71-7.65(m,2H),7.13-7.08(m,1H),5.14-5.08(m,2H),4.56-4.48(m,2H),3.75-3.64(m,2H),3.17-3.07(m,2H),1.43-1.39(m,9H).
【0387】
ステップ7:2-((5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-3-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩
ジオキサン(5mL)中のtert-ブチル3-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)-7,8-ジヒドロピリド[4,3-c]ピリダジン-6(5H)-カルボキシレート(950mg、2.41mmol)の混合物に、HCl/ジオキサン(4M、5mL)を、N2下で、25℃で一度に加えた。混合物を25℃で30分間撹拌した。混合物を濾過し、固体をMTBE(5mL)で洗浄して、表題化合物(360mg、1.09mmol、収率45.19%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=294.9.
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=8.11-8.04(m,1H),7.96-7.81(m,4H),5.25(s,2H),4.62(s,2H),3.77-3.68(m,2H),3.57-3.49(m,2H).
【0388】
中間体72:2-ブロモ-6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)シクロプロピル)ピリジン
【化83】
ステップ1:2-ブロモ-6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ビニル)ピリジン
MeCN(100mL)中の1-(6-ブロモ-2-ピリジル)エタノン(5g、25.00mmol)、TBSCl(15.07g、99.98mmol、12.25mL)、及びNaI(14.99g、99.98mmol)の溶液に、TEA(11.38g、112.48mmol、15.66mL)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(500mL)に注ぎ、EA(500mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(800mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~10%の酢酸エチル/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(7.5g、23.79mmol、収率95.16%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[81BrM+H]+=316.1.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.53(s,2H),7.37-7.35(m,1H),5.69(d,J=1.2Hz,1H),4.60(d,J=1.2Hz,1H),1.01(s,9H),0.25(s,6H)ppm.
【0389】
ステップ2:2-ブロモ-6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)シクロプロピル)ピリジン
DCM(180mL)中のジエチル亜鉛(1M、38.18mL)の溶液に、DCM(60mL)中のクロロ(ヨード)メタン(13.47g、76.36mmol、5.54mL)の溶液を0℃で滴加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、混合物に、DCM(180mL)中の2-ブロモ-6-(1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ビニル)ピリジン(4g、12.73mmol)の溶液を加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。反応混合物をNH4Cl水溶液(200mL)で洗浄し、DCM(100mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(400mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);120g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、0~10%の酢酸エチル/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製して、表題化合物(700mg、2.13mmol、収率16.75%)を無色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=328.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.60-7.58(m,1H),7.49-7.45(m,1H),7.23-7.21(m,1H),1.45-1.39(m,2H),1.27-1.23(m,2H),0.95(s,9H),0.10(s,6H)ppm.
【0390】
中間体73:6-フェニル-2,7-ナフチリジン-3-カルボニトリル
【化84】
ステップ1:2,7-ナフチリジン-1,3,6,8-テトラオール
EtOH(70mL)中のプロパンジニトリル(5.39g、81.60mmol、5.13mL)の溶液に、ジエチル3-オキソペンタンジオエート(15g、74.18mmol、13.51mL)及びエチルアミン(167.21mg、3.71mmol、242.68uL)を加えた。混合物を30℃で48時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をH
2SO
4(70%、20mL)に加え、100℃で10分間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、氷水(180mL)にゆっくりと注ぐことによってクエンチし、黄色の固体を生成した。固体を収集し、乾燥させて、表題化合物(14g、72.11mmol、収率97.21%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=195.0.
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=11.38(s,2H),5.79(s,2H)ppm.
【0391】
ステップ2:1,3,6,8-テトラクロロ-2,7-ナフチリジン
2,7-ナフチリジン-1,3,6,8-テトラオール(5g、25.75mmol)及びPOCl3(49.50g、322.83mmol、30.00mL)の混合物を、160℃で48時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(1000mL)を加えることによってクエンチし、酢酸エチル(300mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、表題化合物(1.6g、5.97mmol、収率23.19%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=268.9.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=7.58(s,2H)ppm.
【0392】
ステップ3:3,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン
THF(10mL)中の1,3,6,8-テトラクロロ-2,7-ナフチリジン(1g、3.73mmol)、NaBH3CN(1.17g、18.66mmol)、Pd(dppf)Cl2(273.10mg、373.24umol)、及びTMEDA(1.08g、9.33mmol、1.41mL)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物を、N2雰囲気下で、30℃で4時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)を加えることによってクエンチし、酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して、表題化合物(0.6g、2.83mmol、収率75.92%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=199.0.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=9.30-9.20(m,2H),7.68(m,2H)ppm.
【0393】
ステップ4:3-クロロ-6-フェニル-2,7-ナフチリジン
DMA(5mL)中の3,6-ジクロロ-2,7-ナフチリジン(150mg、753.63umol)、トリフェニルビスマス(109.50mg、248.70umol)、Cs2CO3(982.19mg、3.01mmol)、及びPd(PPh3)4(87.09mg、75.36umol)を脱気し、N2で3回パージした。混合物を、N2雰囲気下で、90℃で4時間撹拌した。反応物を、水(15mL)を加えることによってクエンチし、混合物を酢酸エチル(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(160mg、664.76umol、収率88.21%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=241.1.
【0394】
ステップ5:6-フェニル-2,7-ナフチリジン-3-カルボニトリル
DMA(3mL)中の3-クロロ-6-フェニル-2,7-ナフチリジン(50mg、207.74umol)、Pd(dppf)Cl2(15.20mg、20.77umol)、Zn(2.72mg、41.55umol)、及びZn(CN)2(48.79mg、415.48umol、26.37uL)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物を、N2雰囲気下で、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を、水(10mL)を加えることによってクエンチし、酢酸エチル(10mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(35mg、148.32umol、収率71.40%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=232.1.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=9.61(s,1H),9.46(s,1H),8.22-8.17(m,3H),8.12(s,1H),7.60-7.49(m,3H)ppm.
【0395】
実施例2.メチル(R)-3-((2-((4-シアノ-4-メチルクロマン-6-カルボキサミド)メチル)ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾエート
【化85】
ステップ1.メチル3-[2-[2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ピリジル]エチニル]ベンゾエート
Pd(PPh
3)
2Cl
2(73.3mg、0.10mmol)及びメチル3-エチニルベンゾエート(669mg、4.18mmol)を、DMF(3mL)中のtert-ブチルN-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]カルバメート(300mg、1.04mmol)、CuI(19.9mg、0.10mmol)、及びEt
3N(0.44mL、3.13mmol)の溶液に加えた。混合物を100℃で1時間撹拌した。混合物を濾過した。濾過した液体を水(20mL)で希釈し、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~0/1)によって精製した。溶離液を濃縮して、表題化合物(300mg、0.54mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=367.1.
【0396】
ステップ2.メチル3-[2-[2-(アミノメチル)-4-ピリジル]エチニル]ベンゾエート
TFA(0.24mL、3.28mmol)を、DCM(1mL)中のメチル3-[2-[2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ピリジル]エチニル]ベンゾエート(120mg、0.33mmol)の溶液に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を水(3mL)で希釈し、DCM(3mL×2)で抽出した。合わせた有機層を廃棄した。水層を飽和NaHCO3溶液でpH=10に調整し、DCM(3mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、表題化合物(40mg、0.14mmol)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=267.1.
【0397】
ステップ3.メチル3-[2-[2-[[[(4R)-4-シアノ-4-メチル-クロマン-6-カルボニル]アミノ]メチル]-4-ピリジル]エチニル]ベンゾエート
HOBt(30.4mg、0.23mmol)、EDCI(43.2mg、0.23mmol)、及びDIPEA(0.078mL、0.45mmol)を、DCM(0.5mL)中のメチル3-[2-[2-(アミノメチル)-4-ピリジル]エチニル]ベンゾエート(40mg、0.15mmol)及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-クロマン-6-カルボン酸(35.9mg、0.17mmol)の溶液に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、DCM(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(FA条件)(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75*30mm*3um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:45%~75%、7分)によって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、表題化合物(23.5mg、0.051mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=466.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.15-9.12(m,1H),8.60-8.58(m,1H),8.12(d,J=2.0Hz,2H),8.03-8.01(m,1H),7.89-7.86(m,2H),7.63-7.59(m,1H),7.47-7.44(m,2H),6.95(d,J=8.4Hz,1H),4.60(d,J=4.4Hz,2H),4.35-4.33(m,2H),3.87(s,3H),2.47-2.41(m,1H),2.23-2.21(m,1H),1.79(s,3H)ppm.
【0398】
表4の以下の実施例は、実施例2の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表6-1】
【表6-2】
【0399】
実施例3.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(2-フェニル-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-7-イル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化86】
ステップ1.(4R)-N-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド
EDCI(1.54g、8.02mmol)、HOBt(1.08g、8.02mmol)、DIEA(4.66mL、26.7mmol)、及び(4-ブロモ-2-ピリジル)メタンアミン(1g、5.35mmol、HCl)を、DCM(10mL)中の(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(1.28g、5.88mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物をH
2O(40mL)で希釈し、次いでDCM(40mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~1/10)によって精製して、表題化合物(1.2g、3.10mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[81BrM+H]+=388.0.
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.39(d,J=5.6Hz,1H),8.01(d,J=1.6Hz,1H),7.78-7.76(m,1H),7.56-7.49(m,2H),7.42-7.40(m,1H),7.13(d,J=8.0Hz,1H),4.87(s,2H),4.74(d,J=5.2Hz,2H),4.14-4.11(m,1H),3.94(d,J=11.2Hz,1H),1.76(s,3H)ppm.
【0400】
ステップ2.tert-ブチル7-[2-[[[(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボニル]アミノ]メチル]-4-ピリジル]-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボン酸
[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-メチルスルホニルオキシ-パラジウム;ジtert-ブチル-[2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン(41.1mg、51.8μmol)及びtBuONa(149.3mg、1.55mmol)を、ジオキサン(4mL)中の(4R)-N-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド(200mg、0.52mmol)及びtert-ブチル2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(220mg、1.04mmol)の溶液に加えた。混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(80mL)に注ぎ、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を逆相HPLC(0.1%FA条件)によって精製した。生成物を含む画分を合わせ、EA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(80mg、0.11mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=518.2.
【0401】
ステップ3.(4R)-4-シアノ-N-[[4-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド
TFA(1.5mL)を、DCM(3mL)中のtert-ブチル7-[2-[[[(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボニル]アミノ]メチル]-4-ピリジル]-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート(80mg、0.11mmol)の溶液に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。粗残渣を、PE(2mL)及びMTBE(1mL)の混合物で粉砕した。残渣を濾過し、真空中で乾燥させて、表題化合物(70mg、TFA)を黄色の油として得、これを次のステップに直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=418.2.
【0402】
ステップ4.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(2-フェニル-2,7-ジアザスピロ[3.4]オクタン-7-イル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
ジオキサン(1.5mL)中の(4R)-4-シアノ-N-[[4-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル)-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド(65mg、0.12mmol、TFA)、ブロモベンゼン(57.6mg、0.37mmol、39μL)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-メチルスルホニルオキシ-パラジウム;ジtert-ブチル-[2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン(9.7mg、12μmol)、及びt-BuONa(58.8mg、0.61mmol)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。次いで、反応混合物を70℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(80mL)に注ぎ、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge C18 150*50mm*10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:46%~66%、10分)によって精製し、画分を凍結乾燥させて、表題化合物(3.62mg、7.13μmol、収率5.83%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=494.2.
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.17-9.07(m,1H),8.12(d,J=1.6Hz,1H),8.07(d,J=6.0Hz,1H),7.91-7.83(m,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.20-7.12(m,2H),6.72-6.64(m,1H),6.52-6.39(m,4H),4.92-4.78(m,2H),4.52-4.42(m,2H),4.20(d,J=11.6Hz,1H),3.85(d,J=11.6Hz,1H),3.77(s,4H),3.54(s,2H),3.40-3.35(m,2H),2.27-2.18(m,2H),1.67(s,3H)ppm.
【0403】
表5の以下の実施例は、実施例3の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表7】
【0404】
実施例4.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化87】
ステップ1.tert-ブチル3-(2-シアノ-4-ピリジル)アゼチジン-1-カルボキシレート
DMA(80mL)中の4-ブロモピリジン-2-カルボニトリル(4g、21.9mmol)、tert-ブチル3-ヨードアゼチジン-1-カルボキシレート(7.43g、26.2mmol)、ジクロロニッケル;1,2-ジメトキシエタン(480mg、2.19mmol)、ピリジン-2-カルボキサミジン塩酸塩(344mg、2.19mmol)、NaI(1.64g、10.9mmol)、Zn(2.86g、43.7mmol)、及びTFA(249mg、2.19mmol、162μL)の混合物を脱気し、N
2で3回パージした。反応混合物を60℃で4時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液を水(500mL)で希釈し、EA(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、粗残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=1/0~0/1)によって精製した。溶離液を濃縮して、表題化合物(3.8g、14.6mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=260.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.70-7.68(m,1H),8.08-8.07(m,1H),7.72-7.70(m,1H),4.24-4.23(m,2H),3.93-3.90(m,3H),1.40(s,9H)ppm.
【0405】
ステップ2.4-(アゼチジン-3-イル)ピリジン-2-カルボニトリル
HCl/ジオキサン(4N、20mL)中のtert-ブチル3-(2-シアノ-4-ピリジル)アゼチジン-1-カルボキシレート(2.0g、7.71mmol)の混合物を、25℃で0.5時間撹拌した。混合物を濃縮して、表題化合物(1.6g、粗製、HCl)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=160.0.
【0406】
ステップ3.4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)ピリジン-2-カルボニトリル
ピリジン(16mL)中のフェニルボロン酸(3.0g、24.5mmol)及び4-(アゼチジン-3-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(1.6g、8.18mmol、HCl)の溶液に、酢酸銅(II)(1.71g、9.40mmol)及び4A分子篩(1.6g)を加えた。混合物を、酸素雰囲気下で、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EA(100mL×2)で抽出し、合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~0/1)によって精製した。溶離液を濃縮して、表題化合物(120mg、0.45mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=236.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.71(d,J=4.8Hz,1H),8.12-8.11(m,1H),7.78-7.77(m,1H),7.21-7.17(m,2H),6.74-6.70(m,1H),6.50(d,J=7.6Hz,2H),4.22-4.19(m,2H),4.04-4.01(m,1H),3.87-3.84(m,2H)ppm.
【0407】
ステップ4.tert-ブチルN-[[4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート
MeOH(2mL)中の4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)ピリジン-2-カルボニトリル(100mg、0.43mmol)及びNiCl2・6H2O(253mg、1.06mmol)の溶液に、NaBH4(161mg、4.25mmol)を0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。Boc2O(1.39g、6.38mmol)を加えた。次いで、混合物を25℃で2時間撹拌した。THF(2mL)及びNaHCO3(2mL)を混合物に加えた。次いで、混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl溶液(30mL)で希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、40mL/分で0~100%の酢酸エチル/石油エーテルの勾配の溶出)によって精製した。溶離液を濃縮して、表題化合物(50mg、0.12mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=340.3.
【0408】
ステップ5.[4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)-2-ピリジル]メタンアミン
TFA(168mg、1.47mmol、109μL)を、DCM(1mL)中のtert-ブチルN-[[4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート(50mg、0.15mmol)の溶液に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物をN2気流によって乾燥させた。粗生成物を、PE/MTBE=1:1(3mL)で粉砕して、表題化合物(30mg、0.085mmol、TFA)を黄色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=240.0.
【0409】
ステップ6.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
HOBt(17.2mg、0.13mmol)、EDCI(24.4mg、0.13mmol)、及びDIPEA(32.9mg、0.25mmol、44μL)を、DCM(0.5mL)中の[4-(1-フェニルアゼチジン-3-イル)-2-ピリジル]メタンアミン(30mg、0.085mmol、TFA塩)及び(4R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(20.3mg、0.093mmol)の溶液に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、DCM(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗残渣を得た。残渣を分取HPLC(中性条件)(カラム:Waters Xbridge C18 150*50mm*10μm;移動相:[水(10mM NH4 HCO3)-ACN];B%:36%~66%、10分)によって精製して、表題化合物(12.8mg、0.030mmol)を黄色の粘性物質として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=439.3.
1HNMR(400MHz,CD3OD)δ=8.46(d,J=5.2Hz,1H),8.08(d,J=1.6Hz,1H),7.82-7.80(m,1H),7.51(s,1H),7.38-7.37(m,1H),7.21-7.17(m,3H),6.75-6.70(m,1H),6.52-6.50(m,2H),4.88(s,2H),4.70(s,2H),4.26-4.24(m,2H),4.18(d,J=11.2Hz,1H),3.91-3.83(m,4H),1.71(s,3H)ppm.
【0410】
表6の以下の実施例は、実施例4の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表8】
【0411】
実施例5.(R,E)-4-シアノ-N-((4-(1,2-ジフルオロ-2-フェニルビニル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化88】
ステップ1.tert-ブチルN-[[4-[(E)-1,2-ジフルオロ-2-フェニル-ビニル]-2-ピリジル]メチル]カルバメート
Pd(PPh
3)
4(53mg、0.046mmol)及びK
3PO
4(292mg、1.37mmol)を、ジオキサン(3mL)中の(Z)-(2-クロロ-1,2-ジフルオロビニル)ベンゼン(80mg、0.46mmol)及び(2-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)ピリジン-4-イル)ボロン酸(173mg、0.69mmol)の混合物に、N
2下で、25℃で加えた。混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取TLC(石油エーテル/EA=3/1)によって精製して、表題化合物(60mg、0.14mmol)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=347.2.
【0412】
ステップ2.[4-[(E)-1,2-ジフルオロ-2-フェニル-ビニル]-2-ピリジル]メタンアミン
4N HCl/ジオキサン(0.22mL)を、ジオキサン(1mL)中のtert-ブチルN-[[4-[(E)-1,2-ジフルオロ-2-フェニル-ビニル]-2-ピリジル]メチル]カルバメート(60mg、0.17mmol)の混合物に、25℃で加えた。混合物を30分間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物(40mg、0.14mmol、HCl塩)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=247.2.
【0413】
ステップ3.(4R)-4-シアノ-N-[[4-[(E)-1,2-ジフルオロ-2-フェニル-ビニル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-イソクロマン-カルボキサミド
HOBt(28.7mg、0.21mmol)、EDCI(40.7mg、0.21mmol)、及びDIEA(0.12mL、0.71mmol)を、DCM(2mL)中の[4-[(E)-1,2-ジフルオロ-2-フェニル-ビニル]-2-ピリジル]メタンアミン(40mg、0.14mmol、HCl塩)及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(36.9mg、0.17mmol)の混合物に25℃で加えた。混合物を2時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、DCM(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を逆相カラムクロマトグラフィーによって精製した。溶離液を凍結乾燥させて、表題化合物(22.3mg、0.050mmol、FA塩)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=446.3.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.68-8.56(m,1H),8.17-8.08(m,1H),7.90-7.84(m,1H),7.82-7.73(m,3H),7.68-7.60(m,1H),7.56-7.42(m,3H),7.33-7.19(m,1H),4.92-4.88(m,2H),4.76(s,2H),4.20-3.90(m,2H),1.75(s,3H)ppm.
【0414】
表7の以下の実施例は、実施例5の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表9】
【0415】
実施例6.(4R)-N-[(4-ベンジルオキシ-2-ピリジル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド
【化89】
ステップ1.4-ベンジルオキシピリジン-2-カルボニトリル
t-BuOK(2.43g、21.65mmol)を、THF(10mL)中の4-クロロピリジン-2-カルボニトリル(1g、7.2mmol)及びフェニルメタノール(0.90mL、8.7mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を25℃に温め、1時間撹拌した。反応混合物を飽和NH
4Cl(水溶液、20mL)に注ぎ、EA(7mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/EA=10/1~1/1)によって精製して、表題化合物(1.1g、4.24mmol)を黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.63(d,J=5.2Hz,1H),8.45(d,J=5.6Hz,1H),8.04(d,J=2.0Hz,1H),7.78-7.76(m,1H),7.64(d,J=2.8Hz,1H),7.45-7.39(m,2H),7.23-7.21(m,1H),5.29(s,2H)ppm.
【0416】
ステップ2.(4-ベンジルオキシ-2-ピリジル)メタンアミン
BH3
.THF(1M、4.76mL)を、THF(2mL)中の4-ベンジルオキシピリジン-2-カルボニトリル(200mg、0.95mmol)の溶液に0℃で滴加した。反応混合物を25℃に温め、4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、2N HCl(5mL)を加えた。反応混合物を30分間加熱還流し、次いで25℃に冷却した。pH=12が達成されるまで、2N NaOHを加えた。次いで、反応混合物をEA(5mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(170mg、0.56mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=215.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.48-8.43(m,1H),8.30(d,J=5.6Hz,2H),7.64(d,J=2.8Hz,1H),7.44-7.39(m,5H),7.25-7.21(m,1H),5.19(s,2H),4.50(d,J=2.8Hz,2H)ppm.
【0417】
ステップ3.(4R)-N-[(4-ベンジルオキシ-2-ピリジル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド
DIEA(0.41mL、2.3mmol)を、DMF(2mL)中の(4-ベンジルオキシ-2-ピリジル)メタンアミン(100mg、0.47mmol)、(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(101mg、0.47mmol)、EDCI(179mg、0.93mmol)、及びHOBt(126mg、0.93mmol)の溶液に加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150*25*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:20%~50%、9分)によって精製して、表題化合物(51.8mg、0.11mmol、FA塩)を黄色の粘性物質として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=414.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.21-9.18(m,1H),8.40-8.30(m,1H),8.14(d,J=1.6Hz,1H),7.89-7.88(m,1H),7.48-7.39(m,2H),7.38-7.32(m,3H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),6.99-6.91(m,2H),5.17(s,2H),4.95-4.80(m,2H),4.58-4.49(m,2H),4.22(d,J=11.6Hz,1H),3.86(d,J=11.6Hz,1H),1.69(s,3H)ppm.
【0418】
表8の以下の実施例は、実施例6の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表10】
【0419】
実施例7.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-[(1S,2S)-2-フェニルシクロプロピル]-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-[(1R,2R)-2-フェニルシクロプロピル]-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化90】
ステップ1.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-[(1S,2S)-2-フェニルシクロプロピル]-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-[(1R,2R)-2-フェニルシクロプロピル]-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
PdCl
2(dtbpf)(33.7mg、0.052mmol)及びK
3PO
4(165mg、0.78mmol)を、ジオキサン(1mL)及びH
2O(0.1mL)中の(4R)-N-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド(100mg、0.26mmol)、及び(2-フェニルシクロプロピル)ボロン酸(83.9mg、0.52mmol)の溶液に加えた。混合物を80℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で洗浄し、EA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 150*25mm*10μm;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:32%~52%、10分)によって精製して、表題化合物の混合物(60mg、132.24μmol、収率51.08%)を褐色の固体として得た。混合物を、キラルSFC(カラム:DAICEL CHIRALCEL OJ-H(250mm×30mm、5μm);移動相:[0.1%NH
3・H
2O MeOH];B%:40%~40%、3.9分;70分)によって分離し、溶液を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。
【0420】
第1の溶出する化合物(12.9mg、0.029mmol、オフホワイト色の固体):
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=424.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.18-9.14(m,1H),8.37(d,J=5.2Hz,1H),8.13(d,J=1.2Hz,1H),7.90-7.86(m,1H),7.29-7.25(m,3H),7.19-7.15(m,4H),7.07-7.04(m,1H),4.91-4.79(m,2H),4.57-4.53(m,2H),4.21(d,J=11.2Hz,1H),3.85(d,J=11.6Hz,1H),2.29-2.21(m,2H),1.68(s,3H),1.57-1.52(m,2H)ppm.
【0421】
第2の溶出する化合物(11.3mg、0.027mmol、黄色の固体):
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=424.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.25-9.21(m,1H),8.43(d,J=5.2Hz,1H),8.13(d,J=1.6Hz,1H),7.90-7.87(m,1H),7.30-7.25(m,3H),7.20-7.16(m,4H),7.07-7.03(m,1H),4.91-4.79(m,2H),4.60(d,J=5.2Hz,2H),4.21(d,J=11.6Hz,1H),3.85(d,J=11.2Hz,1H),2.36-2.30(m,2H),1.67(s,3H),1.64-1.59(m,2H)ppm.
【0422】
表9の以下の実施例は、実施例7の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表11】
【0423】
実施例8.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(2-フェニルエチル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化91】
ステップ1.tert-ブチルN-[[4-[(E)-スチリル]-2-ピリジル]メチル]カルバメート
Pd(OAc)
2(7.8mg、0.0325mmol)を、DMF(2mL)中のtert-ブチル((4-ブロモピリジン-2-イル)メチル)カルバメート(200mg、0.70mmol)、スチレン(363mg、3.48mmol)、Et
3N(0.14mL、1.04mmol)、及びトリス-o-トリルホスファン(21.2mg、0.070mmol)の溶液に加えた。混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物をH
2O(10mL)で希釈し、DCM(10mL×2)で抽出し、合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/EA=1/0~0/1)によって精製して、表題化合物(200mg、0.64mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=311.4
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.51(d,J=5.2Hz,1H),7.55(d,J=7.2Hz,2H),7.42-7.40(m,2H),7.38-7.28(m,4H),7.04(d,J=16.4Hz,1H),4.47(d,J=5.6Hz,2H),1.49(s,9H)ppm.
【0424】
ステップ2.tert-ブチルN-[[4-(2-フェニルエチル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート
Pd(OH)2/C(30mg)を、MeOH(2mL)中のtert-ブチルN-[[4-[(E)-スチリル]-2-ピリジル]メチル]カルバメート(100mg、0.32mmol)の混合物に加えた。混合物を脱気し、H2で3回パージし、次いで混合物をH2(15psi)雰囲気下で、25℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物(90mg、0.29mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=313.0.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.41(d,J=4.8Hz,1H),7.31-7.27(m,2H),7.21-7.18(m,1H),7.16-7.14(m,2H),7.06(s,1H),6.98-6.97(m,1H),4.41(br d,J=5.2Hz,2H),2.92(s,4H),1.47(s,9H)ppm.
【0425】
ステップ3.[4-(2-フェニルエチル)-2-ピリジル]メタンアミン
4N HCl/ジオキサン(5.0mL)中のtert-ブチルN-[[4-(2-フェニルエチル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート(90mg、0.29mmol)の溶液を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、表題化合物(70mg、0.28mmol、HCl塩)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=213.3.
【0426】
ステップ4.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(2-フェニルエチル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
DIEA(0.14mL、0.80mmol)、EDCI(46.2mg、0.24mmol)、及びHOBt(32.6mg、0.24mmol)を、DCM(0.5mL)中の[4-(2-フェニルエチル)-2-ピリジル]メタンアミン(40mg、0.16mmol、HCl塩)及び(4R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(38.4mg、0.18mmol)の溶液に加えた。混合物を30℃で12時間撹拌した。反応混合物をH2O(3mL)で希釈し、DCM(3mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=1/0~0/1)によって精製して、表題化合物(23.5mg、0.054mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=412.3.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.34(d,J=4.8Hz,1H),8.10(d,J=0.8Hz,1H),7.85-7.83(m,1H),7.27(d,J=8.0Hz,1H),7.20-7.16(m,3H),7.14-7.12(m,3H),7.10-7.07(m,1H),4.90(d,J=3.2Hz,2H),4.64(s,2H),4.20(d,J=11.6Hz,1H),3.92(d,J=11.2Hz,1H),2.95-2.92(m,4H),1.74(s,3H)ppm.
【0427】
実施例9.メチル3-[(E)-2-[2-[[[(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボニル]アミノ]メチル]-4-ピリジル]ビニル]ベンゾエート
【化92】
ステップ1.メチル3-[(E)-2-[2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ピリジル]ビニル]ベンゾエート
Pd(OAc)
2(15.6mg、0.070mmol)、トリス-o-トリルホスファン(42.4mg、0.14mmol)及びEt
3N(0.19mL、1.39mmol)を、DMF(2mL)中のtert-ブチルN-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]カルバメート(200mg、0.70mmol)及びメチル3-ビニルベンゾエート(226mg、1.39mmol)の混合物に加えた。反応混合物を100℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EA=10/1~3/1)によって精製して、表題化合物(200mg、0.54mmol)を淡い黄色の油として得た
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=369.2.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.52(d,J=5.2Hz,1H),8.24(s,1H),8.00(d,J=7.6Hz,1H),7.71(d,J=7.6Hz,1H),7.48-7.46(m,1H),7.39-7.28(m,3H),7.10(d,J=16.4Hz,1H),4.48(d,J=5.6Hz,2H),4.12(s,3H),1.55(s,9H)ppm.
【0428】
ステップ2.メチル3-[(E)-2-[2-(アミノメチル)-4-ピリジル]ビニル]ベンゾエート
TFA(0.50mL、6.75mmol)を、DCM(1mL)中のメチル3-[(E)-2-[2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]-4-ピリジル]ビニル]ベンゾエート(100mg、0.27mmol)の混合物に加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3(30mL)に注ぎ、DCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、表題化合物(60mg、0.22mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=269.1.
【0429】
ステップ3.メチル3-[(E)-2-[2-[[[(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボニル]アミノ]メチル]-4-ピリジル]ビニル]ベンゾエート
HOBt(22.7mg、0.17mmol)、EDCI(32.1mg、0.17mmol、及びDIEA(0.058mL、0.33mmol)を、DCM(1mL)中のメチル3-[(E)-2-[2-(アミノメチル)-4-[ピリジル]ビニル]ベンゾエート(30mg、0.11mmol)及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(29.1mg、0.13mmol)の混合物に加えた。混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ、DCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10/1)によって精製して、表題化合物(25.2mg、0.052mmol)を青色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=468.3.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.52-8.46(m,1H),8.30-8.24(m,1H),8.18-8.14(m,1H),8.01-7.95(m,1H),7.93-7.85(m,2H),7.64-7.60(m,1H),7.59-7.49(m,3H),7.34-7.26(m,2H),4.94-4.91(m,2H),4.74(s,2H),4.25-3.90(m,5H),1.77(s,3H)ppm.
【0430】
表10の以下の実施例は、実施例9の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表12】
【0431】
実施例10.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(フェノキシメチル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化93】
ステップ1.2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]ピリジン-4-カルボン酸
Pd(OAc)
2(62.6mg、0.28mmol)、DCPP(171mg、0.28mmol)、H
2O(2mL)、及びK
2CO
3(578mg、4.18mmol)を、DMSO(8mL)中の2tert-ブチルN-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]カルバメート(800mg、2.79mmol)の溶液に加えた。反応混合物をCO(g)で3回パージした。得られた混合物を、CO(15psi)雰囲気下で、100℃で16時間撹拌した。反応混合物をH
2O(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を廃棄し、水層を合わせ、pH=4が達成されるまで1N HClを加えた。反応混合物をEA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(436mg、1.68mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=253.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=13.63-13.56(m,1H),8.67-8.66(m,1H),7.71(s,1H),7.68-7.66(m,1H),7.55-7.53(m,1H),4.29(br d,J=5.6Hz,2H),1.40(s,9H)ppm.
【0432】
ステップ2.tert-ブチルN-[[4-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート
BH3
.Me2S(10M、0.18mL)を、THF(2mL)中の2-[(tert-ブトキシカルボニルアミノ)メチル]ピリジン-4-カルボン酸(150mg、0.59mmol)の溶液に0℃で滴加した。混合物を25℃に温め、12時間撹拌した。MeOH(5mL)を反応混合物に0℃で加えた後、温め、70℃で1時間撹拌した。次いで、混合物をH2O(40mL)で希釈し、EA(40mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=1/0~0/1)によって精製して、表題化合物(100mg、0.42mmol)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=239.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.50(d,J=5.2Hz,1H),7.29-7.27(m,1H),7.19(d,J=4.8Hz,1H),5.56(br s,1H),4.74(s,2H),4.44(br d,J=5.6Hz,2H),1.46(s,9H)ppm.
【0433】
ステップ3.tert-ブチルN-[[4-(フェノキシメチル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート
DIAD(0.098mL、0.50mmol)を、THF(1mL)中のtert-ブチルN-[[4-(ヒドロキシメチル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート(80mg、0.34mmol)、PPh3(132mg、0.50mmol)、及びフェノール(0.060mL、0.67mmol)の溶液に0℃で加えた。混合物を温め、25℃で16時間撹拌した。混合物をH2O(10mL)で希釈し、EA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=1/0~1/1)によって精製して、表題化合物(75mg、0.24mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=315.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.54(d,J=5.2Hz,1H),7.34-7.29(m,3H),7.25(br s,1H),7.00-6.94(m,3H),5.54(br s,1H),5.09(s,2H),4.47(br d,J=4.8Hz,2H),1.47(s,9H)ppm.
【0434】
ステップ4.[4-(フェノキシメチル)-2-ピリジル]メタンアミン
HCl/ジオキサン(4N、1mL)中のtert-ブチルN-[[4-(フェノキシメチル)-2-ピリジル]メチル]カルバメート(40mg、0.13mmol)の溶液を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、表題化合物(30mg、0.12mmol、HCl塩)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=215.3。
【0435】
ステップ5.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[4-(フェノキシメチル)-2-ピリジル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
DIEA(0.10mL、0.60mmol)、EDCI(34.4mg、0.18mmol)、及びHOBt(24.2mg、0.18mmol)を、DCM(0.5mL)中の(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(26mg、0.12mmol)及び[4-(フェノキシメチル)-2-ピリジル]メタンアミン(30mg、0.12mmol、HCl塩)の溶液に加えた。混合物を30℃で12時間撹拌した。反応混合物をH2O(3mL)で希釈し、DCM(3mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=1/0~0/1)によって精製して、表題化合物(18.8mg、0.045mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=414.4.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.49(d,J=5.12Hz,1H),8.10(d,J=1.6Hz,1H),7.84-7.82(m,1H),7.51-7.40(m,1H),7.26-7.21(m,3H),6.95-6.91(m,3H),5.17(s,2H),4.90(d,J=4.0Hz,2H),4.71(s,2H),4.20(d,J=11.6Hz,1H),3.92(d,J=11.6Hz,1H),1.74(s,3H)ppm.
【0436】
実施例11及び12:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1r,3R)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド及び(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1s,3S)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
【化94】
ステップ1:4-(6-ブロモピリジン-2-イル)モルホリン
DMSO(20mL)中の2,6-ジブロモピリジン(2g、8.44mmol)及びモルホリン(2.94g、33.77mmol、2.97mL)の混合物に、DIEA(3.27g、25.33mmol)を加えた。混合物を120℃で10時間撹拌した。混合物を水(150mL)に注ぎ、次いでEA(100mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(250mL)で洗浄しNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、DCM/酢酸エチル=50/1~1/1)によって精製して、表題化合物(1.6g、6.58mmol、収率77.96%)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=7.34-7.30(m,1H),6.80(d,J=7.6Hz,1H),6.52(d,J=8.4Hz,1H),3.87-3.75(m,4H),3.52-3.49(m,4H)ppm.
【0437】
ステップ2:4-(3-ヒドロキシ-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピコリノニトリル
THF(10mL)中の4-(6-ブロモピリジン-2-イル)モルホリン(1.41g、5.81mmol)の混合物に、n-BuLi(2.5M、2.32mL)を、N2下で、-70℃で加えた。混合物を-70℃で0.5時間撹拌し、得られた溶液を、N2下で、THF(10mL)中の4-(3-オキソシクロブチル)ピコリノニトリル(500mg、2.90mmol)の溶液に-70℃で加えた。混合物を-70℃で2時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(100mL)に注ぎ、EA(100mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~0/1)によって精製して、表題化合物(430mg、1.25mmol、収率43.14%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=337.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.68(d,J=5.2Hz,1H),8.08-8.07(m,1H),7.73-7.71(m,1H),7.58-7.54(m,1H),6.94(d,J=7.2Hz,1H),6.72(d,J=8.4Hz,1H),5.84(s,1H),5.75(s,1H),3.74-3.72(m,4H),3.49-3.47(m,4H),2.95-2.90(m,2H),2.42-2.37(m,2H)ppm.
【0438】
ステップ3:O-(3-(2-シアノピリジン-4-イル)-1-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)S-メチルカルボノジチオエート
THF(2mL)中のNaH(59.45mg、1.49mmol、純度60%)の混合物に、THF(2mL)中の4-(3-ヒドロキシ-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピコリノニトリル(200mg、594.55umol)を、N2下で、0℃で加えた。混合物を10℃で0.5時間撹拌し、次いでCS2(242.19mg、3.18mmol、192.22uL)を0℃で滴加した。得られた混合物を10℃で1時間撹拌し、次いでMeI(219.41mg、1.55mmol、96.23uL)を混合物に0℃で滴加した。得られた混合物を10℃で1時間撹拌した。反応混合物をH2O(40mL)で希釈し、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10:1~1:1)によって精製して、表題化合物(250mg、533.34umol、収率89.70%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=427.1
【0439】
ステップ4:4-(3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピコリノニトリル
トルエン(3mL)中のO-(3-(2-シアノピリジン-4-イル)-1-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)S-メチルカルボノジチオエート(125mg、293.05umol)の混合物に、Bu3SnH(255.88mg、879.14umol、232.62uL)及びAIBN(9.62mg、58.61umol)を加えた。混合物を110℃で2時間撹拌した。混合物を飽和KF溶液(50mL)を加え、15分間撹拌した。混合物をEA(50mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)によって精製して、表題化合物(80mg、187.27umol、収率63.91%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=321.2
【0440】
ステップ5:tert-ブチル((4-(3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)カルバメート
MeOH(2mL)及びEA(2mL)中の4-(3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピコリノニトリル(80mg、249.70umol)の混合物に、TEA(75.80mg、749.09umol)、(Boc)2O(108.99mg、499.40μmol)、及びラネーNi(50mg、583.60umol)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物をEAで希釈し、EA(15mL*3)で注意深く濾過した。濾液をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~0/1)によって精製して、表題化合物(90mg、188.68umol、収率75.56%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=425.3.
【0441】
ステップ6:(4-(3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メタンアミン塩酸塩
HCl/ジオキサン(4M、4mL)中のtert-ブチル((4-(3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)カルバメート(90mg、212.00umol)の混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、表題化合物(76mg、粗製、HCl塩)を白色の固体として得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=325.2
【0442】
ステップ7:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1r,3R)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド及び(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1s,3S)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
DCM(3mL)中の(4-(3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メタンアミン塩酸塩(76mg、210.60umol)、(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(54.89mg、252.72umol)及びDIEA(81.65mg、631.79umol、110.05uL)の混合物に、EDCI(60.56mg、315.89umol)及びHOBt(42.68mg、315.89umol)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、DCMを除去した。残渣を分取TLC(DCM:MeOH=10:1)によって精製して、粗ラセミ生成物(34mg)を得た。ラセミ生成物を、SFC(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm*30mm、10um);移動相:[0.1%NH3H2O IPA];B%:50%~50%、4.5分;25分)によってさらに分離し、ピーク1(Rf=0.743分)及びピーク2(Rf=1.102分)を得た。ピーク1(Rf=0.743分)の画分を真空下で濃縮して、残渣を得、次いで逆相HPLC(0.1% FA条件)によって精製し、凍結乾燥させて、(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1r,3R)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド(3.10mg、5.92umol、収率2.81%)をオフホワイト色の固体として得た。ピーク2(Rf=1.102分)の画分を真空下で濃縮して、残渣を得、次いで逆相HPLC(0.1% FA条件)によって精製し、凍結乾燥させて、(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1s,3S)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド(7.55mg、14.42umol、収率6.85%)をオフホワイト色の固体として得た。
【0443】
(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1r,3R)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=524.2
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=8.43(d,J=4.8Hz,1H),8.12(d,J=1.6Hz,1H),7.88-7.85(m,1H),7.49-7.45(m,1H),7.39(s,1H),7.32-7.30(m,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),6.62-6.58(m,2H),4.90(s,2H),4.70(s,2H),4.19(d,J=11.2Hz,1H),3.91(d,J=11.2Hz,1H),3.92-3.78(m,5H),3.55-3.51(m,5H),2.79-2.72(m,2H),2.56-2.49(m,2H),1.74(s,3H)ppm.
キラルSFC:AD-3_5CM_IPA(DEA)_40_3ML_T35.M、Rt=0.743分、ee%=100%.
【0444】
(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-((1s,3S)-3-(6-モルホリノピリジン-2-イル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=524.2
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=8.40(d,J=4.8Hz,1H),8.10(d,J=1.2Hz,1H),7.86-7.83(m,1H),7.44-7.41(m,1H),7.36(s,1H),7.27-7.24(m,2H),6.58-6.53(m,2H),4.90(s,1H),4.66(m,2H),4.18(d,J=11.2Hz,1H),3.91(d,J=11.2Hz,1H),3.76-3.73(m,4H),3.56-3.42(m,6H),2.72-2.64(m,2H),2.50-2.42(m,2H),1.72(s,3H)ppm.
キラルSFC:AD-3_5CM_IPA(DEA)_40_3ML_T35.M、Rt=1.100分、ee%=100%.
【0445】
表11の以下の実施例は、実施例11及び12の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表13】
【0446】
実施例13及び14:(R)-4-シアノ-N-((4-((1r,3R)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド及び(R)-4-シアノ-N-((4-((1s,3S)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化95】
ステップ1:4-ブロモ-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン
DCM(75mL)中の(4-ブロモ-2-ピリジル)メタノール(3g、15.96mmol)及びイミダゾール(1.63g、23.93mmol)の混合物に、TBSCl(2.89g、19.15mmol、2.35mL)を15℃で加えた。混合物を15℃で16時間撹拌した。混合物を濾過し、母液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=20/1~5/1)によって精製し、表題化合物(5.4g、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[
79BrM+H]
+=302.2.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.32(d,J=5.2Hz,1H),7.69(d,J=0.8Hz,1H),7.35-7.27(m,1H),4.82(s,2H),0.98(s,9H),0.14(s,6H)ppm.
【0447】
ステップ2:1-メトキシ-3-ビニルベンゼン
THF(100mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(25.19g、70.51mmol)の混合物に、t-BuOK(8.57g、76.39mmol)を、N2下で、0℃で数回に分けて加えた。混合物を、N2下で、0℃で1時間撹拌した。次いで、3-メトキシベンズアルデヒド(8g、58.76mmol、7.14mL)を、N2下で、0℃で滴加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物をPE(100mL)で希釈し、濾過した。母液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE-PE/EA=100/1)によって精製して、表題化合物(4g、29.81mmol、収率50.7%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.27-7.22(m,1H),7.02(d,J=7.6Hz,1H),6.98-6.94(m,1H),6.84-6.81(m,1H),6.73-6.66(m,1H),5.78-5.73(m,1H),5.26(d,J=10.8Hz,1H),3.83(s,3H)ppm.
【0448】
ステップ3:3-(3-メトキシフェニル)シクロブタン-1-オン
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(14.72g、52.17mmol、8.61mL)を、N2下で、0℃でDMA(3.90g、44.72mmol、4.16mL)及びDCE(50mL)の混合物に滴加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、DCE(25mL)中の1-メトキシ-3-ビニルベンゼン(5g、37.26mmol、5.17mL)及び2,4,6-トリメチルピリジン(6.32g、52.17mmol、6.89mL)の混合物を、N2下で、滴加した。混合物を90℃で16時間撹拌した。次いで混合物を濃縮して、残渣を得、これをCCl4(50mL)及びH2O(50mL)中に溶解した。混合物を90℃で4時間撹拌した。反応混合物をH2O(100mL)で希釈し、DCM(100mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE-PE/EA=20/1)によって精製して、表題化合物(3.2g、18.16mmol、収率48.7%)を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=7.32-7.28(m,1H),6.91(d,J=7.6Hz,1H),6.88-6.78(m,2H),3.83(s,3H),3.71-3.65(m,1H),3.56-3.44(m,2H),3.33-3.22(m,2H)ppm.
【0449】
ステップ4:1-(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-4-イル)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブタン-1-オール
THF(30mL)中の4-ブロモ-2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン(3.29g、10.90mmol)の混合物に、n-BuLi(2.5M、5.45mL)を-70℃で滴加した。混合物を-70℃で1時間撹拌した。次いで、THF(10mL)中の3-(3-メトキシフェニル)シクロブタン-1-オン(1.6g、9.08mmol)の溶液を-70℃で滴加した。混合物を-70℃で1時間撹拌した。反応混合物をH2O(150mL)に滴加し、EA(100mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=10/1~2/1)によって精製して、表題化合物(1.6g、4.00mmol、収率44.1%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=400.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.56(d,J=5.2Hz,1H),7.79(d,J=1.2Hz,1H),7.43-7.40(m,1H),7.30-7.27(m,1H),6.90(d,J=7.6Hz,1H),6.86-6.83(m,1H),6.80-6.77(m,1H),4.90(s,2H),3.83(s,3H),3.27-3.16(m,1H),3.06-2.94(m,2H),2.66-2.55(m,2H),2.19(s,1H),0.99(s,9H),0.16(s,6H)ppm.
【0450】
ステップ5:O-(1-(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-4-イル)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)S-メチルカルボノジチオエート
THF(8mL)中のNaH(250.23mg、6.26mmol、純度60%)の混合物に、THF(12mL)中の1-(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-4-イル)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブタン-1-オール(1g、2.50mmol)の溶液を、N2下で、0℃で滴加した。混合物を、N2下で、10℃で30分間撹拌した。次いで、CS2(1.02g、13.39mmol、809.05uL)を、混合物に0℃で滴加した。混合物を10℃で1時間撹拌した。次いで、MeI(923.53mg、6.51mmol、405.06uL)を、混合物に0℃で滴加した。混合物を10℃で1時間撹拌した。反応混合物をMeOH(2mL)でクエンチし、H2O(40mL)で希釈し、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=10/1~3/1)によって精製して、表題化合物(1.08g、2.21mmol、収率88.1%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=490.5.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.52(d,J=5.2Hz,1H),7.65(d,J=0.8Hz,1H),7.26-7.23(m,2H),6.87(d,J=7.6Hz,1H),6.82-6.78(m,2H),4.88(s,2H),3.83(s,3H),3.44-3.34(m,1H),3.23-3.18(m,2H),2.93-2.86(m,2H),2.50(s,3H),0.99(s,9H),0.14(s,6H)ppm.
【0451】
ステップ6:2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン
トルエン(11mL)中のO-(1-(2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-4-イル)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)S-メチルカルボノジチオエート(1.08g、2.21mmol)の混合物に、Bu3SnH(1.93g、6.62mmol、1.75mL)及びトリエチルボラン(1M、6.62mL)を25℃で加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を飽和KF水溶液(30mL)に注ぎ、15℃で30分間撹拌した。次いで、混合物をEA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=20/1~5/1)によって精製して、表題化合物(740mg、1.88mmol、収率85.0%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=384.2.
【0452】
ステップ7:(4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メタノール
DCM(4mL)及びTFA(12.32g、108.05mmol、8mL)中の2-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン(740mg、1.93mmol)の混合物を25℃で72時間撹拌した。混合物を、H2O(50mL)に注ぎ、NaHCO3でpHを9に調整した。混合物をDCM(30mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=5/1-EA)によって精製して、表題化合物(470mg、1.75mmol、収率90.5%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=270.0.
【0453】
ステップ8:2-((4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
THF(4mL)中の(4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メタノール(200mg、742.56umol)、イソインドリン-1,3-ジオン(163.88mg、1.11mmol)、及びPPh3(292.15mg、1.11mmol)の混合物に、DIAD(225.23mg、1.11mmol、216.57uL)を、N2下で、0℃で滴加した。混合物を25℃で15時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=10/1~1/1)によって精製して、表題化合物(245mg、582.96umol、収率78.5%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=399.3.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.50-8.39(m,1H),7.94-7.86(m,2H),7.80-7.69(m,2H),7.26-6.70(m,6H),5.04-4.98(m,2H),3.87-3.77(m,3H),3.69-3.41(m,2H),2.86-2.15(m,4H)ppm.
【0454】
ステップ9:(4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メタンアミン
MeOH(3mL)中の2-((4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン(245mg、614.88umol)の混合物に、NH2NH2.H2O(307.81mg、6.15mmol、298.84uL)を加えた。混合物を25℃で30分間撹拌した。混合物をH2O(20mL)に注ぎ、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(170mg、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=269.2.
【0455】
ステップ10:(R)-4-シアノ-N-((4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMF(1.5mL)中の(4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メタンアミン(80mg、298.12umol)(4R)-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボン酸(64.76mg、298.12umol)、EDCI(85.72mg、447.17umol)、及びHOBt(60.42mg、447.17umol)の混合物に、DIEA(115.59mg、894.35umol、155.78uL)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物をH2O(15mL)に注ぎ、EA(10mL*2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=5/1-EA)によって精製して、表題化合物(85mg、175.04umol、収率58.7%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=468.4.
【0456】
ステップ11:(R)-4-シアノ-N-((4-((1r,3R)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド及び(R)-4-シアノ-N-((4-((1s,3S)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
(R)-4-シアノ-N-((4-(3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(85mg、181.80umol)を、SFC(カラム:DAICEL CHIRALCEL OD(250mm*30mm、10um);移動相:[0.1%NH3H2OIPA];B%:50%~50%、5.0分;30分)によって分離した。移動相(ピーク1、Rt=0.487分)を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。黄色の固体を逆相カラム(0.1%FA条件)によって精製した。溶離液を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、(R)-4-シアノ-N-((4-((1s,3S)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(34.42mg、73.62umol、収率40.5%、純度100%)を白色の固体として得た。移動相(ピーク2、Rt=0.679分)を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。黄色の固体を逆相カラム(0.1%FA条件)によって精製した。溶離液を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、(R)-4-シアノ-N-((4-((1r,3R)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(14.46mg、30.93umol、収率17.01%)を白色の固体として得た。
【0457】
(R)-4-シアノ-N-((4-((1s,3S)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド:
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=468.3.
1H NMR(400MHz,Me OD-d4)δ=8.40(d,J=5.2Hz,1H),8.11(d,J=1.6Hz,1H),7.86-7.83(m,1H),7.34(s,1H),7.28-7.21(m,2H),7.18-7.14(m,1H),6.81-6.80(m,1H),6.77-6.70(m,2H),4.90(d,J=3.6Hz,2H),4.69(s,2H),4.19(d,J=11.2Hz,1H),3.91(d,J=11.2Hz,1H),3.75(s,3H),3.61-3.48(m,2H),2.86-2.74(m,2H),2.26-2.15(m,2H),1.73(s,3H)ppm.
キラルSFC:AD-3_5CM_MEOH(DEA)_5_40_3ML_AT35.M、Rt=0.493分、ee%=100%.
【0458】
(R)-4-シアノ-N-((4-((1r,3R)-3-(3-メトキシフェニル)シクロブチル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド:
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=468.3.
1H NMR(400MHz,MeOD-d4)δ=8.46(d,J=5.2Hz,1H),8.14(d,J=1.2Hz,1H),7.90-7.87(m,1H),7.46(s,1H),7.37(d,J=5.2Hz,1H),7.32-7.21(m,2H),6.92(d,J=7.6Hz,1H),6.87(s,1H),6.78-6.75(m,1H),4.92-4.91(m,2H),4.74(s,2H),4.20(d,J=11.2Hz,1H),3.93(d,J=11.6Hz,1H),3.81(s,3H),3.73-3.61(m,2H),2.72-2.58(m,4H),1.76(s,3H)ppm.
キラルSFC:Cellucoat-IPA+ACN(DEA)-50-3mL-35T、Rt=0.639分、ee%=100%.
【0459】
表12の以下の実施例は、実施例13及び14の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表14】
【0460】
実施例15:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-(6-メチル-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
【化96】
ステップ1:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((4-(6-メチル-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)ピリジン-2-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
DMSO(1mL)中の(4R)-N-[(4-ブロモ-2-ピリジル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-イソクロマン-6-カルボキサミド(30mg、77.67umol)の混合物に、2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(43.22mg、155.34umol、TFA塩)及びDIEA(50.19mg、388.36umol、67.64uL)を30℃で加えた。混合物を120℃で40時間撹拌した。混合物をH
2O(10mL)に注ぎ、EA(10mL*2)で抽出した。水相を逆相カラム(0.1% FA条件)によって精製した。溶離液を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、表題化合物(10.33mg、20.04umol、収率25.8%、FA塩)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=470.2.
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=8.65-8.41(m,1H),8.18-8.09(m,2H),7.87-7.84(m,1H),7.50(d,J=6.8Hz,1H),7.27(d,J=8.0Hz,1H),7.04(d,J=2.4Hz,1H),6.98(br d,J=6.4Hz,1H),6.28(d,J=7.2Hz,1H),4.89(d,J=2.6Hz,2H),4.64(s,2H),4.48(s,2H),4.19(d,J=11.6Hz,1H),3.92(d,J=11.6Hz,1H),3.78-3.75(m,2H),3.55(s,3H),2.74-2.71(m,2H),1.75(s,3H)ppm.
キラルSFC:AD-3-MeOH+ACN(DEA)-50-3mL-35T、Rt=0.893分、ee%=100%.
【0461】
表13の以下の実施例は、実施例15の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表15-1】
【表15-2】
【0462】
実施例16:(4R)-4-シアノ-N-((4-(3-フルオロ-3-フェニルピロリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化97】
ステップ1:(4R)-4-シアノ-N-((4-(3-フルオロ-3-フェニルピロリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DCM(0.5mL)中の(4R)-4-シアノ-N-((4-(3-ヒドロキシ-3-フェニルピロリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(20mg、42.69umol)の溶液に、DAST(34.40mg、213.43umol、28.20uL)を-78℃で加えた。混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いで水(30mL)に注ぎ、EA(10mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini NX-C18(75*30mm*3um);移動相:[水(10mM NH
4HCO
3)-ACN];B%:38%~58%、8分)によって精製した。生成物画分を真空下で濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、表題化合物(3.55mg、7.27umol、収率17.04%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=471.1.
1HNMR(400MHz,MeOD-d
4)δ=8.15-8.03(m,2H),7.89-7.77(m,1H),7.54(d,J=7.6Hz,2H),7.48-7.34(m,3H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),6.59(s,1H),6.56-6.44(m,1H),4.88(br d,J=3.2Hz,3H),4.17(d,J=11.2Hz,1H),3.96-3.79(m,3H),3.78-3.58(m,3H),2.74-2.47(m,2H),1.72(s,3H)ppm.
キラルSFC:IC-3-EtOH(DEA)-60-3mL-35T.1cm;Rt=1.386分、Rt=1.826分。
【0463】
実施例17:(R)-4-シアノ-N-((4-((3-シアノベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化98】
ステップ1:(R)-4-シアノ-N-((4-((3-シアノベンジル)オキシ)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMSO(1mL)中の(R)-N-((4-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(100mg、258.91umol)の混合物に、Cs
2CO
3(168.71mg、517.81umol)及び3-(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(68.94mg、517.81umol)を加えた。混合物を100℃で16時間撹拌した。水(20mL)を加え、混合物をEtOAc(20mL*2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を分取HPLC(FA条件)によって精製し、生成物画分を真空下で濃縮して、MeCNを除去し、続いて凍結乾燥させて、表題化合物(15.18mg、31.74umol、収率12.26%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=439.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.18-9.15(m,1H),8.36(d,J=5.6Hz,1H),8.12(d,J=1.2Hz,1H),7.90-7.86(m,2H),7.81-7.76(m,2H),7.59-7.55(m,1H),7.27(d,J=8.4Hz,1H),6.97-6.95(m,2H),5.23(s,2H),4.91-4.80(m,2H),4.54-4.52(m,2H),4.21(d,J=11.2Hz,1H),3.85(d,J=11.6Hz,1H),1.68(s,3H)ppm.
キラルSFC:Cellucoat-MeOH(DEA)-40-3mL-35T.1cm、Rt=0.680分、ee値=100%.
【0464】
表14の以下の実施例は、実施例17の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表16】
【0465】
実施例18:(R)-N-((4-(ベンジルチオ)ピリジン-2-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化99】
ステップ1:(R)-N-((4-(ベンジルチオ)ピリジン-2-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMF(0.5mL)中のフェニルメタンチオール(28.94mg、233.01umol、27.30uL)の溶液に、NaH(8.70mg、217.48umol、純度60%)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。次いで、(R)-N-((4-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(30mg、77.67umol)を混合物に加えた。反応物を25℃で2時間撹拌した。混合物を水(60mL)に注ぎ、EA(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取TLC(PE/EA=0/1)によって精製し、凍結乾燥させて、表題化合物(23.19mg、53.16umol、収率68.45%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=430.0
1HNMR(400MHz,MeOD-d
4)δ=8.23(d,J=5.6Hz,1H),8.11(d,J=1.6Hz,1H),7.90-7.79(m,1H),7.39-7.31(m,2H),7.29-7.24(m,2H),7.23-7.12(m,4H),4.90(d,J=4.0Hz,2H),4.61(s,2H),4.28(s,2H),4.19(d,J=11.6Hz,1H),3.91(d,J=11.2Hz,1H),1.74(s,3H)ppm.
キラルSFC:AD-3-MeOH+ACN(DEA)-60-3mL-35T.1cm;Rt=0.585分、ee%=100%.
【0466】
実施例19:(4R)-4-シアノ-N-((4-(1-(6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化100】
ステップ1:2-((4-ブロモピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
THF(400mL)中の(4-ブロモピリジン-2-イル)メタノール(20g、106.37mmol)、イソインドリン-1,3-ジオン(23.48g、159.56mmol)、及びPPh
3(41.85g、159.56mmol)の溶液に、DIAD(32.26g、159.56mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を30℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(1000mL)及びEA(1000mL)に注ぎ、溶液を濾過し、フィルターケーキを真空下で乾燥させて、表題化合物(32g、100.90mmol、収率94.86%)を白色の固体として得た。
【0467】
ステップ2:tert-ブチル3-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート
ジオキサン(8mL)及びH2O(2mL)中の2-((4-ブロモピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン(700mg、2.21mmol)及びtert-ブチル3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(977.31mg、3.31mmol)の溶液に、[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(143.86mg、220.72umol)及びK3PO4(937.06mg、4.41mmol)を、N2雰囲気下で、25℃で加えた。混合物を60℃で2時間撹拌した。水(10mL)を加え、混合物をEA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=100/1~1/100)によって精製して、表題化合物(890mg、2.20mmol、収率99.45%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=406.0.
1HNMR(400MHz,MeOD-d4)δ=8.43-8.37(m,1H),7.93-7.88(m,2H),7.86-7.81(m,2H),
7.46(d,J=4.4Hz,1H),7.36-7.33(m,1H),6.66-6.58(m,1H),4.99(s,2H),4.55-4.43(m,2H),4.36-4.27(m,2H),1.51(d,J=5.6Hz,9H)ppm.
【0468】
ステップ3:tert-ブチル3-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)ピリジン-4-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート
MeOH(150mL)中のtert-ブチル3-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)ピリジン-4-イル)-2,5-ジヒドロ-1H-ピロール-1-カルボキシレート(890mg、2.20mmol)の溶液に、Pd/C(100mg、220.35umol、純度10%)をH2雰囲気下で加え、次いで、混合物を水素(20Psi)雰囲気下で、25℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(890mg、2.18mmol、収率99.51%)を黄色の油として得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=408.0.
【0469】
ステップ4:2-((4-(ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩
ジオキサン(3mL)中のtert-ブチル3-(2-((1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)メチル)ピリジン-4-イル)ピロリジン-1-カルボキシレート(300mg、515.39umol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、3.00mL)を加えた。混合物を25℃で0.5時間撹拌し、次いで濃縮して、表題化合物(160mg、465.38μmol、収率90.30%)を黄色の油として得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=308.0.
【0470】
ステップ5:2-((4-(1-(6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
DMSO(2mL)中の2-((4-(ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン塩酸塩(160mg、465.38umol)及び2-ブロモ-6-(ジフルオロメチル)ピリジン(387.20mg、1.86mmol)の溶液に、DIEA(601.45mg、4.65mmol、810.59uL)を25℃で加え、次いで混合物を140℃で12時間撹拌した。水(3mL)を加え、混合物をEA(5mL*3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EA=1:1、Rf=0.3)によって精製して、表題化合物(200mg、460.37umol、収率98.92%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=435.0.
【0471】
ステップ6:(4-(1-(6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メタンアミン
EtOH(0.5mL)中の2-((4-(1-(6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン(50mg、115.09umol)の溶液に、N2H4・H2O(8.82mg、172.64umol、8.56uL、純度98%)を25℃で加え、次いで混合物を75℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(30mg、98.57umol、収率85.65%)を黄色の固体として得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=305.0.
【0472】
ステップ7:(4R)-4-シアノ-N-((4-(1-(6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMF(0.2mL)中の(4-(1-(6-(ジフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル)ピリジン-2-イル)メタンアミン(20mg、65.72umol)、(R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(14.27mg、65.72umol)の溶液に、EDCI(25.20mg、131.43umol)、HOBt(17.76mg、131.43umol)、及びDIEA(21.23mg、164.29umol、28.62uL)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。水(3mL)を加え、混合物をEA(5mL*3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をprep-HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150*25*10um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:33%~63%、8.5分)によって精製し、凍結乾燥させて、表題の化合物(8mg、15.77umol、収率24.00%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=504.3.
1HNMR(400MHz,MeOD-d4)δ=8.46(d,J=5.2Hz,1H),8.11(d,J=1.6Hz,1H),7.84-7.80(m,1H),7.61-7.55(m,1H),7.39(d,J=5.6Hz,1H),7.32(d,J=5.2Hz,1H),7.24(d,J=8.0Hz,1H),6.84-6.81(m,1H),6.60-6.30(m,2H),4.91(d,J=4.0Hz,2H),4.71(s,2H),4.23-4.19(m,1H),3.98-3.90(m,2H),3.70-3.54(m,4H),2.55-2.44(m,1H),2.21-2.08(m,1H),1.75(d,J=1.6Hz,3H)ppm.
キラルSFC:AD-3-MeOH+ACN(DEA)-40-3ML-35T.1cm;Rt=0.974分/Rt=1.137分。
【0473】
表15の以下の実施例は、実施例19の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表17】
【0474】
実施例20:(R)-4-シアノ-N-((4-((3-((2-メトキシエチル)カルバモイル)フェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化101】
ステップ1:(R)-3-((2-((4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド)メチル)ピリジン-4-イル)エチニル)安息香酸
THF(5.00mL)中のメチル(R)-3-((2-((4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド)メチル)ピリジン-4-イル)エチニル)ベンゾエート(226.00mg、0.485mmol、1.00当量)、LiOH・H
2O(61.12mg、1.456mmol、3.00当量)、及びH
2O(1.00mL)の溶液を、室温で一晩撹拌した。混合物を2M HCl(水溶液)でpH5に酸性化した。得られた混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物(208mg、94.89%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=452.
1H NMR(300MHz,DMSO-d
6)δ 13.23(s,1H),9.28(t,J=5.9Hz,1H),8.60(dd,J=5.0,0.9Hz,1H),8.19-8.07(m,2H),8.01(dt,J=7.8,1.5Hz,1H),7.92(dd,J=8.0,1.7Hz,1H),7.85(dt,J=7.7,1.5Hz,1H),7.59(t,J=7.8Hz,1H),7.54-7.44(m,2H),7.29(d,J=8.1Hz,1H),4.98-4.75(m,2H),4.63(d,J=5.8Hz,2H),4.22(d,J=11.5Hz,1H),3.86(d,J=11.5Hz,1H),1.70(s,3H).
【0475】
ステップ2:(R)-4-シアノ-N-((4-((3-((2-メトキシエチル)カルバモイル)フェニル)エチニル)ピリジン-2-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMF(1.00mL)中の(R)-3-((2-((4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド)メチル)ピリジン-4-イル)エチニル)安息香酸(20.00mg、0.044mmol、1.00当量)及び2-メトキシエタン-1-アミン(3.99mg、0.053mmol、1.2当量)の溶液に、HATU(25.27mg、0.066mmol、1.5当量)及びDIEA(17.18mg、0.133mmol、3当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応溶液を逆フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(10mg、44.39%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z[M+H]+=509.10.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.30(t,J=5.9Hz,1H),8.63(dd,J=22.5,5.2Hz,2H),8.16(d,J=1.7Hz,1H),8.07(d,J=1.8Hz,1H),7.92(dq,J=8.0,1.7Hz,2H),7.75(dt,J=7.7,1.4Hz,1H),7.55(t,J=7.7Hz,1H),7.46(dd,J=6.9,1.7Hz,2H),7.29(d,J=8.1Hz,1H),4.96-4.78(m,2H),4.63(d,J=5.9Hz,2H),4.22(d,J=11.5Hz,1H),3.86(d,J=11.5Hz,1H),3.45(tt,J=9.6,4.2Hz,4H),3.26(s,3H),1.69(s,3H).
【0476】
表16の以下の実施例は、実施例20の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表18】
【0477】
実施例21.(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)クロマン-6-カルボキサミド
【化102】
ステップ1.2-ブロモ-5-ヨード-ピリジン-4-アミン
NIS(93.6g、416mmol)を、MeCN(1.5L)中の2-ブロモピリジン-4-アミン(60g、347mmol)の溶液に80℃で加えた。反応混合物を80℃で36時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を飽和Na
2SO
3(1.5L)で希釈し、EA(1.5L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2L)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE/EA=20:3)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(65g、217mmol)を淡い黄色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.31(s,1H),6.79(s,1H),4.75(br s,2H)ppm.
【0478】
ステップ2.エチル-3-(4-アミノ-6-ブロモ-3-ピリジル)プロプ-2-エノエート
エチルプロプ-2-エン酸(45.1mL、415mmol)、Et3N(43.3mL、311mmol)、Pd(OAc)2(2.3g、10.4mmol)、及びトリス-o-トリルホスファン(6.3g、20.7mmol)を、DMF(620mL)中の2-ブロモ-5-ヨード-ピリジン-4-アミン(62g、207mmol)の溶液に加えた。混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物を水(4L)で希釈し、EA(2L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EA=20:3)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(50g、170mmol)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=271.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.23(s,1H),7.73(d,J=16.0Hz,1H),6.90-6.67(m,3H),6.52(d,J=16.0Hz,1H),4.18(d,J=7.2Hz,2H),1.25(d,J=7.2Hz,3H)ppm.
【0479】
ステップ3.7-ブロモ-1H-1,6-ナフチリジン-2-オン
NaSMe(24.2mL、380mmol)を、EtOH(200mL)中のエチル-3-(4-アミノ-6-ブロモ-3-ピリジル)プロプ-2-エノエート(40g、148mmol)の溶液に加えた。反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(400mL)で希釈し、次いで1N HClでpH=7.0に中和した。固体を濾過し、フィルターケーキを水(50mL)で洗浄した。フィルターケーキを減圧下で濃縮して、表題化合物(22g、96.8mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=224.9.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.08(br s,1H),8.65(s,1H),7.99(d,J=9.6Hz,1H),7.36(s,1H),6.62(d,J=9.6Hz,1H)ppm.
【0480】
ステップ4.2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
Zn(406.80mg、6.22mmol)を、DMA(140mL)中の7-ブロモ-1H-1,6-ナフチリジン-2-オン(7g、31.1mmol)、Zn(CN)2(3.95mL、62.2mmol)、及びPd(dppf)Cl2
.CH2Cl2(5.08g、6.22mmol)の溶液に加えた。反応混合物を脱気し、N2で3回パージし、次いで混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、DCM/イソプロパノール(v/v=3:1)(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EA=1:1)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(3g、17.5mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=12.37(br s,1H),8.97(s,1H),8.09(d,J=9.6Hz,1H),7.67(s,1H),6.77(d,J=9.6Hz,1H)ppm.
【0481】
ステップ5.2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
2-オキソ-1H-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(3.0g、17.5mmol)及びPOCl3(30mL、323mmol)の混合物を、80℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(2L)に注ぎ、NaHCO3でpH=7に調整した。溶液をEA(1.5L×2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(1.1g、5.76mmol)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=190.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.58(d,J=0.8Hz,1H),8.79(d,J=0.8Hz,1H),8.69(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,1H)ppm.
【0482】
ステップ6.2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
ジオキサン(3mL)中の2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(270mg、1.42mmol)、フェニルボロン酸(208.4mg、1.71mmol)、K3PO4(907mg、4.27mmol)、ジtert-ブチル(シクロペンチル)ホスファン;
ジクロロパラジウム;鉄(92.8mg、142μmol)、及びH2O(0.3mL)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EA(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=30/1~3/1)によって精製して、表題化合物(248mg、1.07mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=232.1
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.52(s,1H),8.80(d,J=8.8Hz,1H),8.69(s,1H),8.53(d,J=8.8Hz,1H),8.37-8.30(m,2H),7.65-7.60(m,3H)ppm.
【0483】
ステップ7.tert-ブチルN-[(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]カルバメート
Boc2O(340mg、1.56mmol)及びEt3N(0.29mL、2.08mmol)を、MeOH(10mL)中の2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(240mg、1.04mmol)の溶液に加えた。Ni(305mg、5.19mmol)を加え、反応混合物を脱気し、H2で3回パージした。反応混合物を、H2(15psi)雰囲気下で、25℃で16時間撹拌した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキをMeOH(2mL×3)で洗浄し、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)によって精製して、表題化合物(110mg、0.33mmol)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=336.2.
【0484】
ステップ8.(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン
HCl/ジオキサン(4N、5mL)中のtert-ブチルN-[(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]カルバメート(110mg、328μmol)の混合物を、25℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、表題化合物(118mg、粗製、HCl)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=236.2.
【0485】
ステップ9.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]クロマン-6-カルボキサミド
EDCI(27.5mg、0.14mmol)、HOBt(19.4mg、0.14mmol)、及びDIEA(0.058mL、0.33mmol)を、DCM(1mL)中の(4R)-4-シアノ-4-メチル-クロマン-6-カルボン酸(28.8mg、0.13mmol)の溶液に加えた。(2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン(30mg、0.11mmol、HCl塩)を反応混合物に加え、25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、EA(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。溶離液を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、残渣を凍結乾燥させて、表題化合物(13.6mg、0.030mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=435.1.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=9.34-9.25(m,1H),8.60(d,J=9.6Hz,1H),8.22-8.14(m,4H),7.95(s,1H),7.88(d,J=2.4,1H),7.59-7.52(m,3H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),4.91(s,3H),4.41-4.36(m,2H),2.52-2.44(m,1H),2.27-2.18(m,1H),1.85(s,3H)ppm.
【0486】
表17の以下の実施例は、実施例21の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表19-1】
【表19-2】
【表19-3】
【表19-4】
【0487】
実施例22.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化103】
ステップ1.2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
DIEA(0.37mL、2.11mmol)及びピペリジン(0.31mL、3.16mmol)を、DMSO(2mL)中の2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(200mg、1.05mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を加熱し、100℃で2時間加熱撹拌した。混合物をH
2O(20mL)に注ぎ、濾過した。フィルターケーキをMTBE(20mL)で洗浄した。フィルターケーキを減圧下で乾燥させて、表題化合物(170mg、0.62mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=239.7.
【0488】
ステップ2.tert-ブチルN-[[2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]メチル]カルバメート
MeOH(20mL)及びEA(20mL)中の2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(170mg、0.71mmol)、Et3N(0.20mL、1.43mmol)、Boc2O(234mg、1.07mmol)、ラネーNi(61.1mg)の混合物を、H2(15psi)雰囲気下で、20℃で16時間撹拌した。反応混合物を窒素に通気し、次いで濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EA=5/1)によって精製して、表題化合物(165mg、0.48mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=343.4.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.72(s,1H),8.02(d,J=9.6Hz,1H),7.36(s,1H),7.21(d,J=9.6Hz,1H),4.40(s,2H),3.87-3.79(m,4H),1.81-1.73(m,2H),1.72-1.63(m,4H),1.49(s,9H)ppm.
【0489】
ステップ3.[2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]メタンアミン
HCl/ジオキサン(4N、2mL)中のtert-ブチルN-[[2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]メチル]カルバミン酸(165mg、0.48mmol)の混合物を20℃で2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、表題化合物(135mg、0.56mmol、HCl塩)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=243.0.
【0490】
ステップ4.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[[2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
DIEA(0.047mL、0.27mmol)を、DMF(0.5mL)中の[2-(1-ピペリジル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]メタンアミン(25mg、0.090mmol、HCl塩)、(4R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(21.4mg、0.099mmol)、EDCI(25.8mg、0.3mmol)、及びHOBt(18.2mg、0.13mmol)の混合物に加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。混合物をH2O(10mL)に注ぎ、濾過した。フィルターケーキを分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150*25mm*5μm;移動相:[水(10mM NH4-HCO3)-ACN];B%:28%~58%、9分)によって精製して、表題化合物(20.2mg、0.046mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=442.4.
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.77(s,1H),8.15(d,J=1.6Hz,1H),8.04(d,J=9.2Hz,1H),7.92-7.88(m,1H),7.41(s,1H),7.27(d,J=8.0Hz,1H),7.22(d,J=9.6Hz,1H),4.90(d,J=4.0Hz,2H),4.76(s,2H),4.20(d,J=11.2Hz,1H),3.91(d,J=11.2Hz,1H),3.86-3.77(m,4H),1.79-1.70(m,5H),1.69-1.60(m,4H)ppm.
【0491】
実施例23.(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((2-フェニル-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)クロマン-6-カルボキサミド
【化104】
ステップ1.3-クロロ-6-フェニルイソキノリン
6-ブロモ-3-クロロイソキノリン(0.500g、2.06mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.476g、0.412mmol)、フェニルボロン酸(0.500g、2.06mmol)、及び亜鉛(6.3mg、0.096mmol)を、40mLのバイアルに加え、それを窒素でパージした。10mLのDME/水(1:1)の混合物をバイアルに加え、反応混合物を80℃に加熱し、窒素雰囲気下で、80℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~60% EtOAc)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(310mg、1.29mmol)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=240.1.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=9.09(d,J=1.1Hz,1H),8.05(d,J=8.5Hz,1H),7.93(s,1H),7.86(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.77(s,1H),7.74-7.67(m,2H),7.57-7.49(m,2H),7.49-7.41(m,1H)ppm.
【0492】
ステップ2.6-フェニルイソキノリン-3-カルボニトリル
3-クロロ-6-フェニルイソキノリン(0.23g、0.9595mmol)、炭酸カリウム(0.263g、1.91mmol)、Pd(PPh3)4(0.221g、0.1919mmol)、及びZn(CN)2(0.167g、1.43mmol)を、20mLのバイアルに加え、それを窒素でパージした。DMF(4.8mL)を加え、混合物を100℃に加熱し、3時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応物を水を添加することによってクエンチし、粗混合物をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中の0~70% EtOAc)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(140mg、0.608mmol、収率64%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=231.2.
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=9.30(t,J=0.9Hz,1H),8.20(d,J=1.0Hz,1H),8.17-8.11(m,1H),8.10-8.03(m,2H),7.75-7.69(m,2H),7.58-7.51(m,2H),7.51-7.45(m,1H)ppm.
【0493】
ステップ3.(6-フェニルイソキノリン-3-イル)メタンアミン
THF中のLiAlH4溶液(1.0M、0.22mL、0.22mmol)を、THF(1mL)中の6-フェニルイソキノリン-3-カルボニトリル(0.050g、0.217mmol)の溶液に0℃で滴加した。反応混合物を2時間撹拌し、その時点で室温まで温めた。反応物を、1mLの水、続いて0.5mLの6N NaOH水溶液を添加することによってクエンチした。反応混合物をDCM溶液中10%MeOH溶液(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗アミン(51.2mg)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[79BrM+H]+=224.9.
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=9.25(s,1H),8.09-7.91(m,1H),7.88-7.79(m,1H),7.72(d,J=7.8Hz,2H),7.56-7.39(m,4H),3.75(s,2H)ppm.
【0494】
ステップ4.(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((6-フェニルイソキノリン-3-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
EDCI(49.0mg、0.256mmol)、HOBt(34.5mg、0.256mmol)、及びDIEA(66.1mg、0.512mmol、89μL)を、DCM(1mL)中の(4R)-4-シアノ-4-メチル-クロマン-6-カルボン酸(46.3mg、0.2133mmol)の溶液に加えた。1-(6-フェニルイソキノリン-3-イル)メタンアミン(50.0mg、0.2133mmol)を反応混合物に加え、25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(5mL)で希釈し、EA(5mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を逆相フラッシュ(0.1%FA条件)によって精製した。溶離液を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、残渣を凍結乾燥させて、表題化合物(39.4mg、0.0909mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=434.3.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.56(d,J=4.0Hz,2H),7.51(d,J=1.6Hz,1H),7.47-7.41(m,2H),7.21(ddd,J=13.1,8.3,1.8Hz,2H),7.10(dd,J=8.3,1.3Hz,2H),7.04(s,1H),6.77(dd,J=8.3,6.8Hz,2H),6.71-6.65(m,1H),6.54(d,J=8.1Hz,1H),4.01(d,J=5.8Hz,2H),3.46(d,J=11.4Hz,1H),3.11(d,J=11.5Hz,1H),2.75(s,1H),0.94(s,3H)ppm.
【0495】
実施例24.(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
【化105】
ステップ1.7-クロロ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン
7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン塩酸塩(0.300g、1.46mmol)、ヨードベンゼン(0.455g、2.19mmol)、Pd-RuPhos G3(0.183g、0.219mmol)、及び炭酸セシウム(0.951g、2.92mmol)を、20mLのバイアルに加えた。バイアルを窒素でパージした後、ジオキサン/水(5:1)の混合物(7.3mL)を加え、反応混合物を80℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、5mLの水を加えた。反応混合物をDCM溶液中10%MeOH溶液(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、ヘプタン中0~100%EtOAc)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(80.0mg、0.327mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=245.1.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.20(s,1H),7.35-7.28(m,1H),7.28(d,J=0.8Hz,1H),7.26(s,2H),7.14(s,1H),7.00-6.93(m,2H),6.89(td,J=7.3,1.1Hz,1H),4.36(s,2H),3.58(t,J=5.8Hz,2H),2.95(t,J=5.8Hz,2H)ppm.
【0496】
ステップ2.6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-カルボニトリル
7-クロロ-2-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン(0.026g、0.106mmol)、Pd(PPh3)4(0.0245g、0.0212mmol)、亜鉛(1.0mg、0.0159mmol)、及びZn(CN)2(18.7mg、0.159mmol)を、1mLのバイアルに加え、それを窒素でパージした。DMF(4.8mL)を加え、混合物を100℃に加熱し、3時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応物を水を添加することによってクエンチし、粗混合物をDCM(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘプタン中0~70% EtOAc)によって精製し、減圧下で濃縮して、表題化合物(15.1mg、0.0642mmol)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=236.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.54(s,1H),7.50(s,1H),7.37(dd,J=8.7,7.3Hz,2H),7.13(d,J=8.1Hz,2H),7.03(t,J=7.4Hz,1H),4.45(s,2H),3.65(t,J=5.8Hz,2H),3.15(t,J=5.8Hz,2H)ppm.
【0497】
ステップ3.(6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メタンアミン
THF(0.5mL)中の6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-カルボニトリル(0.015g、0.0642mmol)に、THF中のLiAlH4溶液(1.0M、0.22mL、0.22mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を2時間撹拌し、その時点で室温まで温めた。反応物を、1mLの水、続いて0.5mLの6N NaOH水溶液を添加することによってクエンチした。反応混合物をDCM溶液中10%MeOH溶液(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗アミン(15.0mg)を褐色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=240.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.55-8.28(m,1H),7.26(s,2H),7.07-6.76(m,4H)ppm,4.40(dd,J=23.8,6.7Hz,2H),4.03-3.34(m,4H),3.08-2.88(m,2H).
【0498】
ステップ4.(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
DIEA(19.4mg、0.150mmol、26μL)を、DCM(0.5mL)中の1-(6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メタンアミン(15.0mg、0.0627mmol)、EDCI(14.5mg、0.0752mmol)、HOBt(10.4mg、0.0752mmol)、及び(4R)-4-シアノ-4-メチル-クロマン-6-カルボン酸(13.6mg、0.0627mmol)を含有するバイアルに加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を逆相フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(6.2mg、0.0141mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=439.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.38(s,1H),8.28(s,1H),8.09-8.00(m,2H),7.81(dd,J=8.0,1.7Hz,1H),7.35-7.27(m,3H),7.13(dd,J=15.5,8.1Hz,2H),7.02-6.95(m,2H),6.89(t,J=7.3Hz,1H),4.87(d,J=15.6Hz,4H),4.75(dd,J=5.5,3.1Hz,2H),4.42(s,2H),4.14(dd,J=11.3,6.4Hz,2H),3.93(dd,J=14.3,11.3Hz,2H),3.59(t,J=5.7Hz,2H),3.50(s,2H),3.00(t,J=5.7Hz,2H),1.78(s,3H)ppm.
【0499】
実施例25.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[(2-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
【化106】
ステップ1.2,5-ジクロロ-4-イソチオシアナト-ピリジン
二塩化チオカルボニル(0.94mL、12.3mmol)を、DCM(15mL)中の2,5-ジクロロピリジン-4-アミン(1g、6.13mmol)及びNa
2CO
3(2.60g、24.5mmol)の溶液に、25℃で加えた。混合物を15時間撹拌した。混合物を濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/EA=10/1~5/1)によって精製して、表題化合物(750mg、3.66mmol)を褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=8.63(s,1H),7.85-7.76(m,1H)ppm.
【0500】
ステップ2.N-(2,5-ジクロロ-4-ピリジル)ベンゼンカルボチオアミド
臭化フェニルマグネシウム(3M、1.6mL)を、THF(8mL)中の2,5-ジクロロ-4-イソチオシアナト-ピリジン(650mg、3.17mmol)の混合物に-40℃でゆっくりと加えた。添加後、混合物を-40℃で30分間撹拌した。次いで、反応混合物を25℃に温め、2時間撹拌した。混合物を水(5mL)を添加することによってクエンチし、EA(5mL)で抽出した。有機画分をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=10/1~5/1)によって精製して、表題化合物(650mg、2.30mmol)を白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ=8.55-8.51(m,1H),8.08-8.03(m,1H),7.97-7.90(m,2H),7.60-7.53(m,1H),7.50-7.43(m,2H)ppm.
【0501】
ステップ3.6-クロロ-2-フェニル-チアゾロ[5,4-c]ピリジン
Na2CO3(412mg、3.88mmol)を、DMA(8mL)中のN-(2,5-ジクロロ-4-ピリジル)ベンゼンカルボチオアミド(550mg、1.94mmol)の混合物に25℃で加えた。混合物を温め、120℃で3時間撹拌した。混合物を水(20mL)でクエンチし、EA(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=10/1~5/1)によって精製して、表題化合物(250mg、1.01mmol)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=247.0.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.25(d,J=0.4Hz,1H),8.21-8.16(m,3H),7.70-7.59(m,3H)ppm.
【0502】
ステップ4.tert-ブチルN-[(2-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メチル]カルバメート
SPhos Pd G3(25.3mg、0.032mmol)及びCs2CO3(211mg、0.65mmol)を、ジオキサン(3mL)及びH2O(0.5mL)中の6-クロロ-2-フェニル-チアゾロ[5,4-c]ピリジン(80mg、0.32mmol)及びカリウム;2-(tertブトキシカルボニルアミノ)エチル-トリフルオロ-ボラヌイド(122mg、0.49mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を温め、100℃で15時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EA=5/1~3/1)によって精製して、表題化合物(60mg、0.18mmol)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=342.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=9.13(s,1H),8.15-8.13(m,2H),7.94(s,1H),7.62-7.49(m,4H),5.50(s,1H),4.62(d,J=5.2Hz,2H),1.49(s,9H)ppm.
【0503】
ステップ5.(2-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メタンアミン
HCl/ジオキサン(4N、2mL)中のtert-ブチルN-[(2-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メチル]カルバメート(60mg、0.18mmol)の混合物を、25℃で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、表題化合物(30mg、0.11mmol、HCl塩)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=242.1
【0504】
ステップ6.(4R)-4-シアノ-4-メチル-N-[(2-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メチル]イソクロマン-6-カルボキサミド
EDCI(20.7mg、0.11mmol)、HOBt(14.6mg、0.11mmol)、及びDIPEA(0.047mL、0.27mmol)を、DMF(1mL)中の(2-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリジン-6-イル)メタンアミン(15mg、0.054mmol、HCl塩)、及び(4R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(11.7mg、0.054mmol)の混合物に20℃で加えた。混合物を15時間撹拌した。混合物を水(5mL)を添加することによってクエンチし、次いでEA(3mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150*25*10μm;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:39%~69%、10分)によって精製して、表題化合物(20.8mg、0.047mmol)を灰色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=441.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.41-9.30(m,2H),8.21-8.13(m,3H),7.96-7.90(m,2H),7.68-7.57(m,3H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.94-4.80(m,2H),4.75(d,J=5.6Hz,2H),4.22(d,J=11.6Hz,1H),3.86(d,J=11.6Hz,1H),1.70(s,3H)ppm.
【0505】
表18の以下の実施例は、実施例25の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表20】
【0506】
実施例26:(R)-4-シアノ-N-((2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化107】
ステップ1:2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
ジオキサン(2mL)中の1-ブロモ-4-シクロブチル-2-メトキシベンゼン(88.46mg、348.37umol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(88.46mg、348.37umol)及びKOAc(85.47mg、870.92umol)の混合物に、[1,1-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(23.71mg、29.03umol)をN
2下で加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物をEA(20mL)で希釈し、濾過した。濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(83mg、粗製)を黒色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z=[M+H]
+=289.1.
【0507】
ステップ2:(2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン
DCM(1000mL)中の2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(25g、131.86mmol)の溶液に、DIBAL-H(1M、329.64mL、2.5当量)を、N2下で、-70℃で滴加した。反応混合物を-70℃で2時間撹拌した。反応混合物を、水(500mL)及び飽和酒石酸カリウムナトリウム(1500mL)でクエンチし、さらに30分間撹拌した。混合物をDCM:MeOH=10:1(6000mL*3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(51g、粗製)を褐色の固体として得、これを次のステップで直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[35ClM+H]+=194.2
【0508】
ステップ3:tert-ブチル((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)カルバメート
DCM(1500mL)中の(2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン(51g、263.39mmol)の溶液に、(Boc)2O(172.45g、790.16mmol)及びDIEA(102.12g、790.16mmol)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(1500mL)で希釈し、次いで濾過した。濾液をDCM(1000mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~2/1~1/3)によって精製して、表題化合物(21g、64.34mmol、収率24.43%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=293.9.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.37(s,1H),8.62(d,J=8.4Hz,1H),7.71(d,J=8.4Hz,1H),7.58-7.53(m,2H),4.39(d,J=6.4Hz,2H),4.20-4.25(m,2H),1.41(s,9H)ppm
【0509】
ステップ4:tert-ブチル((2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)カルバメート
H2O(0.4mL)及びジオキサン(2mL)中のtert-ブチル((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)カルバメート(45mg、153.19umol)、2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(79.47mg、275.75umol)、[1,1-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(9.98mg、15.32umol)及びK3PO4(97.55mg、459.58μmol)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物を、N2雰囲気下で、80℃で2時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~0/1)によって精製して、表題化合物(55mg、120.62umol、収率78.73%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z=[M+H]+=420.3
【0510】
ステップ5:(2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン塩酸塩
HCl/ジオキサン(4M、4mL)中のtert-ブチル((2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)カルバメート(55mg、131.10umol)の混合物を、N2雰囲気下で、25℃で1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、表題化合物(46mg、粗製)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z=[M+H]+=320.3
【0511】
ステップ6:(R)-4-シアノ-N-((2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DCM(1mL)中の(2-(4-シクロブチル-2-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン塩酸塩(46mg、129.26umol)、EDCI(37.17mg、193.90umol)、(R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(33.69mg、155.12umol)、及びDIEA(83.53mg、646.32umol)の混合物に、EDCI(37.17mg、193.90umol)及びHOBt(26.20mg、193.90umol)を加えた。混合物を、N2雰囲気下で、25℃で4時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を逆相HPLC(0.1%FA条件)によって精製した。生成物画分を真空下で濃縮して、MeCNを除去し、次いで凍結乾燥させて、表題化合物(27.13mg、52.31umol、収率40.47%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z=[M+H]+=519.3.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.39-9.36(m,1H),9.34(s,1H),8.51(d,J=8.4Hz,1H),8.19(d,J=1.6Hz,1H),8.06(d,J=8.4Hz,1H),7.95-7.93(m,1H),7.77-7.75(m,2H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.02(s,1H),6.97(d,J=8.0Hz,1H),4.92-4.79(m,4H),4.22(d,J=11.2Hz,1H),3.84-3.84(m,4H),3.62-3.57(m,1H),2.34-2.31(m,2H),2.21-2.12(m,2H),2.03-1.964(m,1H),1.87-1.83(m,1H),1.69(s,3H)ppm
【0512】
実施例27:(R)-4-シアノ-N-((2-(7-フルオロ-1,2-ジメチル-1H-インドール-4-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化108】
ステップ1:7-フルオロ-1,2-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール
ジオキサン(1mL)中の4-ブロモ-7-フルオロ-1,2-ジメチル-1H-インドール(60mg、247.84umol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(69.23mg、272.63umol)の溶液に、KOAc(72.97mg、743.53umol)及び[1,1-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(16.15mg、24.78umol)を加えた。混合物を、N
2下で、80℃で2時間撹拌した。混合物をEA(10mL)で希釈し、濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物(70mg、粗製)を褐色の油として得、これを次のステップで直接使用した。
【0513】
ステップ2:(R)-N-((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
1-(2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メタンアミン(0.040g、0.207mmol、1当量)を含有する4mLの乾燥したバイアルに、(R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(0.045g、0.207mmol、1当量)、EDCI(0.048g、0.248mmol、1.2当量)、DIEA(0.087mL、0.496mmol、2.4当量)、HOBt(0.034g、0.248mmol、1.2当量)、及びDCM(1.4mL、0.15M)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、精製のためにシリカゲル(溶離液としてDCM中5%MeOH)に直接負荷し、(4R)-N-[(2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル]-4-シアノ-4-メチル-3,4-ジヒドロ-1H-2-ベンゾピラン-6-カルボキサミド(68.4mg、0.207mmol、収率84%)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(m/z)393.17[Μ+Η]
【0514】
ステップ3:(R)-4-シアノ-N-((2-(7-フルオロ-1,2-ジメチル-1H-インドール-4-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
ジオキサン/H2O=4/1(1mL)中の(R)-N-((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(40mg、101.82umol)及び7-フルオロ-1,2-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール(58.88mg、203.65umol)の溶液に、K3PO4(64.84mg、305.47umol)及び[1,1-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(6.64mg、10.18umol)を加えた。混合物を、N2下で、80℃で12時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3(10mL)で希釈し、DCM(10mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を逆相分取HPLC(0.1%FA条件)によって精製した。生成物画分を濃縮して、ACNを除去し、凍結乾燥させて、表題化合物(12.07mg、22.87umol、収率22.46%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=520.2
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.40-9.35(m,2H),8.60(d,J=8.8Hz,1H),8.20-8.16(m,2H),7.95-7.93(m,1H),7.84(s,1H),7.69-7.68(m,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.08-7.01(m,2H),4.92-4.81(m,4H),4.23(d,J=11.2Hz,1H),3.89-3.84(m,4H),2.44(s,3H),1.70-1.68(m,3H)ppm.
キラルSFC:Cellucoat-MeOH(DEA)-40-3mL-35T.1cm、Rt=1.380;ee%=100%.
【0515】
実施例28:(R)-4-シアノ-N-((2-(イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化109】
ステップ1:3-(トリブチルスタニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン
THF(2mL)中の3-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン(200mg、1.01mmol)及びBu
3SnH(411.56mg、1.41mmol、374.14uL)の溶液に、LiCl(64.22mg、1.51mmol、31.02uL)及びPd(PPh
3)
4(116.71mg、101.00umol)を25℃で加えた。混合物を、N
2下で、80℃で2時間撹拌した。水(5mL)を加え、生成物をEA(10mL*3)に抽出した。有機層を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE:EA=5:1、Rf=0.5)によって精製し、濃縮して、表題化合物(100mg、245.00umol、収率24.26%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=410.0.
【0516】
ステップ2:(R)-4-シアノ-N-((2-(イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
ジオキサン(0.5mL)中の3-(トリブチルスタニル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(37.41mg、91.64umol)の溶液に、(R)-N-((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(30mg、76.37umol)及びPd(PPh3)4(4.41mg、3.82umol)を、N2下で、25℃で加えた。混合物を100℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物を飽和KF水溶液(5mL)でクエンチし、次いでEA(10mL*3)で抽出した。有機層を濃縮し、残渣を分取HPLC(FA法)によって精製して、表題化合物(12mg、20.89umol、収率27.35%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=476.3.
1HNMR(400MHz,MeOD-d4)δ=9.34-9.28(m,1H),8.96(d,J=8.8Hz,1H),8.75-8.62(m,3H),8.54-8.44(m,H),8.23-8.17(m,2H),7.97-7.91(m,2H),7.47-7.43(m,1H),7.30(d,J=8.4Hz,1H),4.93-4.91(m,4H),4.21(d,J=1.6Hz,1H),3.93(d,J=11.6Hz,1H),1.77(s,3H)ppm.
キラルSFC:Cellucoat-MeOH+ACN(DEA)-40-3mL-35T.1cm;Rt=1.034分、ee%=100%.
【0517】
表19の以下の実施例は、実施例21、26、27、及び28の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表21-1】
【表21-2】
【表21-3】
【表21-4】
【表21-5】
【表21-6】
【表21-7】
【表21-8】
【表21-9】
【表21-10】
【表21-11】
【表21-12】
【表21-13】
【表21-14】
【表21-15】
【表21-16】
【表21-17】
【表21-18】
【表21-19】
【表21-20】
【表21-21】
【表21-22】
【表21-23】
【表21-24】
【表21-25】
【表21-26】
【表21-27】
【表21-28】
【表21-29】
【表21-30】
【表21-31】
【表21-32】
【表21-33】
【表21-34】
【表21-35】
【表21-36】
【表21-37】
【表21-38】
【表21-39】
【表21-40】
【表21-41】
【表21-42】
【表21-43】
【表21-44】
【表21-45】
【表21-46】
【表21-47】
【表21-48】
【表21-49】
【表21-50】
【表21-51】
【表21-52】
【表21-53】
【表21-54】
【0518】
実施例29:(R)-4-シアノ-N-((2-(3-(ジメチルアミノ)-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化110】
ステップ1:(R)-4-シアノ-N-((2-(3-(ジメチルアミノ)-2-オキソピリジン-1(2H)-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
ジオキサン(1mL)中の(R)-N-((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(30mg、76.37umol)及び3-(ジメチルアミノ)ピリジン-2(1H)-オン(21.10mg、152.73umol)の溶液に、Cs
2CO
3(74.65mg、229.10umol)及びXantPhos Pd G
3(7.24mg、7.64umol)を加えた。混合物を、N
2下で、100℃で12時間撹拌した。混合物をH
2O(10mL)で希釈し、EA(10mL*2)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を逆相分取HPLC(0.1%FA条件)によって精製して、表題化合物(12.66mg、22.61umol、収率29.61%、FA塩)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=495.4.
1H NMR(400MHz,MeOD)δ=9.39(s,1H),8.65(d,J=8.8Hz,1H),8.15(d,J=1.6Hz,1H),7.99(d,J=8.8Hz,1H),7.91-7.89(m,2H),7.60-7.58(m,1H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),6.93-6.91(m,1H),6.46-6.43(m,1H),4.92(s,2H),4.90(d,J=4.0Hz,2H),4.21(d,J=11.6Hz,1H),3.93(d,J=11.6Hz,1H),2.85(s,6H),1.75(s,3H)ppm.
キラルSFC:Cellucoat-MeOH+ACN(DEA)-40-3mL-35T.1cm、Rt=0.908分、ee値=100%.
【0519】
表20の以下の実施例は、実施例29の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表22-1】
【表22-2】
【0520】
実施例30:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((2-(6-メチル-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
【化111】
ステップ1:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((2-(6-メチル-5-オキソ-3,4,5,6-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-2(1H)-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
DMSO(1mL)中の2-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-1(2H)-オン(30mg、107.83umol、TFA塩)の混合物に、(R)-N-((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(28.24mg、71.88umol)及びDIEA(46.45mg、359.42umol、62.60uL)を加えた。混合物を120℃で16時間撹拌した。混合物をH
2O(15mL)に注ぎ、EA/MeOH=10/1(15mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10/1、Rf=0.3)によって精製して、黄色の固体を得た。黄色の固体を逆相カラム(0.1%FA条件)によってさらに精製した。生成物画分を減圧下で濃縮して、MeCNを除去し、凍結乾燥させて、表題化合物(8.23mg、15.81umol、収率22.0%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=521.3.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.31-9.28(m,1H),8.91(s,1H),8.20-8.17(m,2H),7.95-7.92(m,1H),7.54(d,J=7.2Hz,1H),7.38(d,J=9.2Hz,1H),7.33-7.27(m,2H),6.17(d,J=6.8Hz,1H),4.94-4.80(m,2H),4.71(s,2H),4.69-4.61(m,2H),4.23(d,J=11.6Hz,1H),3.98-3.94(m,2H),3.87(d,J=11.6Hz,1H),3.40(s,3H),2.54(br s,2H),1.70(s,3H)ppm.
キラルSFC:Cellucoat-MeOH+ACN(DEA)-40-3mL-35T、Rt=1.153分、ee%=100%.
【0521】
表21の以下の実施例は、実施例30の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表23-1】
【表23-2】
【表23-3】
【0522】
実施例31:(R)-N-((2-(6-(アゼチジン-1-イル)pyridin-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化112】
ステップ1:1-(6-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-オール
メチルプロプ-2-イノエート(1.29g、15.32mmol、1.28mL)を、t-BuOH(10mL)中の(6-クロロ-2-ピリジル)ヒドラジン(2g、13.93mmol)の溶液に20℃で滴加した。次いで、t-BuOK(3.13g、27.86mmol)を0℃で加えた後、20℃で16時間撹拌した。反応物を、水(100mL)を添加することによってクエンチし、混合物を1N HCl溶液でpH9に調整し、黄色の沈殿物を形成した。固体を濾過によって収集し、水(20mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物(1.6g、8.18mmol、収率58.72%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=196.1.
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.38-8.36(m,1H),7.83-7.71(m,1H),7.57-7.48(m,1H),7.21-7.11(m,1H),6.06-5.89(m,1H),4.71(br s,1H)ppm.
【0523】
ステップ2:2-(3-(ベンジルオキシ)-1H-ピラゾール-1-イル)-6-クロロピリジン
NaH(173.21mg、4.33mmol、純度60%)を、DMF(10mL)中の1-(6-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-オール(0.77g、3.94mmol)の溶液に、0℃で滴加した。混合物を0℃で15分間撹拌した。(ブロモメチル)ベンゼン(673.27mg、3.94mmol、467.55uL)を、0℃で滴加し、混合物を60℃で1時間撹拌した。反応物を水(50mL)に注ぐことによってクエンチし、黄色の沈殿物を形成した。固体を濾過によって収集し、水(20mL)で洗浄し、乾燥させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、表題化合物(0.5g、1.75mmol、収率44.45%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=286.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=8.38-8.36(m,1H),7.76-7.67(m,2H),7.55-7.46(m,2H),7.44-7.34(m,4H),7.14-7.05(m,1H),6.00-5.97(m,1H),5.32(s,2H)ppm.
【0524】
ステップ3:3-(ベンジルオキシ)-1-(6-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド
POCl3(429.30mg、2.80mmol、260.18uL)を、DMF(204.64mg、2.80mmol、215.41uL)の溶液に-10℃で滴加し、混合物を0℃で15分間撹拌した。2-(3-(ベンジルオキシ)-1H-ピラゾール-1-イル)-6-クロロピリジン(0.2g、699.97umol)を0℃で少しずつ加えた。次いで、混合物を70℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3(20mL)を添加することによってクエンチし、黄色の沈殿物を形成した。固体を濾過によって収集し、水(10mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物(0.21g、669.35umol、収率95.63%)を得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=314.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=9.92(s,1H),8.91(s,1H),7.84-7.74(m,2H),7.57-7.49(m,2H),7.45-7.36(m,3H),7.26-7.24(m,1H),5.46(s,2H)ppm.
【0525】
ステップ4:1-(6-クロロピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド
TFA(3.39g、29.71mmol、2.20mL)を、トルエン(2.2mL)中の3-(ベンジルオキシ)-1-(6-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(110mg、350.61umol)の溶液に滴加した。混合物を20℃で48時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣をMTBE(5mL)で粉砕して、表題化合物(50mg、粗製)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=224.0.
【0526】
ステップ5:1-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-イル トリフルオロメタンスルホネート
DCM(3mL)中の1-(6-クロロピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-4-カルバルデヒド(40mg、178.88umol)の溶液に、TEA(54.30mg、536.64umol)及びTf2O(75.70mg、268.32umol)を滴加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。反応物を水(50mL)を添加することによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(30mg、粗製)を黄色の油として得た。
【0527】
ステップ6:tert-ブチル(3-(1-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-イル)プロプ-2-イン-1-イル)カルバメート
CH3CN(2mL)中のtert-ブチルプロプ-2-イン-1-イルカルバメート(13.74mg、88.56umol)、1-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-イル トリフルオロメタンスルホネート(30mg、84.35umol)、Et3N(85.35mg、843.46umol)、CuI(1.61mg、8.43umol)、及びPd(PPh3)2Cl2(5.92mg、8.43umol)の混合物を脱気し、N2でパージした。混合物を、N2下で、70℃で2時間撹拌した。反応混合物を、(水30mL)を添加することによってクエンチし、生成物を酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(40mg、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+Na]+=383.1.
【0528】
ステップ7:tert-ブチル((2-(6-クロロピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メチル)カルバメート
t-BuOH(2mL)中のtert-ブチル(3-(1-(6-クロロピリジン-2-イル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-イル)プロプ-2-イン-1-イル)カルバメート(40mg、110.87umol)の溶液に、NH4OAc(12.82mg、166.30umol)及びAgOTf(5.70mg、22.17umol)を、N2下で加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。反応物をNaHCO3(0.2g)を添加することによってクエンチし、混合物を20℃で30分間撹拌した。得られた混合物を濾過し、固体を酢酸エチル(30mL*3)で洗浄した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1)によって精製して、表題化合物(35mg、粗製)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=360.1.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=9.27(s,1H),9.24-9.14(m,1H),8.28-8.18(m,1H),7.97-7.84(m,1H),7.53(s,1H),7.45-7.36(m,1H),5.48-5.29(m,1H),4.58-4.48(m,2H),1.48(s,9H)ppm.
【0529】
ステップ8:tert-ブチル((2-(6-(アゼチジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メチル)カルバメート
アゼチジン(15.23mg、266.81umol)及びDIEA(114.94mg、889.36umol)を、DMSO(2mL)中のtert-ブチル((2-(6-クロロピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メチル)カルバメート(32mg、88.94umol)の溶液を滴加した。混合物を120℃で16時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却し、水(20mL)に注いだ。生成物を酢酸エチル(20mL*3)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(22mg、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=381.2.
【0530】
ステップ9:(2-(6-(アゼチジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メタンアミン
TFA(410.67mg、3.60mmol、266.67uL)を、DCM(2mL)中のtert-ブチル((2-(6-(アゼチジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メチル)カルバメート(20mg、52.57umol)の溶液に加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。溶媒をN2ガス流によって蒸発させて、表題化合物(12mg、粗製)を黄色の油として得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=281.2.
【0531】
ステップ10:(R)-N-((2-(6-(アゼチジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DCM(2mL)中の(2-(6-(アゼチジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル)メタンアミン(12mg、42.81umol)の溶液に、(R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(11.16mg、51.37umol)、DIEA(27.66mg、214.04umol)、HOBt(6.94mg、51.37umol)、及びEDCI(9.85mg、51.37umol)を加えた。水(30mL)を加え、生成物を酢酸エチル(30mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml*3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(0.1%NH3.H2O条件)によって精製して、表題化合物(4.44mg、9.26umol、収率21.63%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=480.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.38(s,1H),9.30-9.22(m,2H),8.21-8.15(m,1H),7.95-7.90(m,1H),7.80-7.73(m,1H),7.46(s,1H),7.43-7.37(m,1H),7.32-7.26(m,1H),6.51-6.43(m,1H),4.93-4.81(m,2H),4.72-4.65(m,2H),4.27-4.21(m,1H),4.11-4.07(m,4H),3.90-3.84(m,1H),2.42-2.38(m,2H),1.70(s,3H)ppm.
【0532】
表22の以下の実施例は、実施例31の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表24】
【0533】
実施例32:(R)-4-シアノ-N-((6-(2-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化113】
ステップ1:tert-ブチル(3-(4-ホルミルピリジン-3-イル)プロプ-2-イン-1-イル)カルバメート
CH
3CN(120mL)中の3-ブロモピリジン-4-カルバルデヒド(15g、80.64mmol)、tert-ブチルプロプ-2-イン-1-イルカルバメート(13.14g、84.67mmol)、Et
3N(81.60g、806.43mmol、112.25mL)、CuI(1.54g、8.06mmol)、及びPd(PPh
3)
2Cl
2(5.66g、8.06mmol)の混合物を、N
2下で、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(300mL)を添加することによってクエンチし、酢酸エチル(300mL*3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(300mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、表題化合物(18g、69.15mmol、収率85.75%)を褐色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=261.1.
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ=10.48(s,1H),8.66(s,1H),8.78-8.68(m,1H),7.78-7.62(m,1H),4.88(br s,1H),4.32-4.18(m,2H),1.46(s,9H)ppm.
【0534】
ステップ2:tert-ブチル((2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
t-BuOH(60mL)中のtert-ブチル(3-(4-ホルミルピリジン-3-イル)プロプ-2-イン-1-イル)カルバメート(17g、65.31mmol)の溶液に、NH4OAc(7.55g、97.97mmol)及びAgOTf(3.36g、13.06mmol)を加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。反応混合物を、NaHCO3(22g)を添加することによってクエンチし、反応混合物を20℃で30分間撹拌した。混合物を濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(30mL*3)で洗浄した。合わせた有機相を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=0/1)によって精製して、表題化合物(8.5g、32.39mmol、収率49.59%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=260.1.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=9.36-9.25(m,2H),8.75-8.61(m,1H),7.82-7.71(m,1H),5.46(br s,1H),4.64-4.62(m,2H),1.46(s,9H)ppm.
【0535】
ステップ3:tert-ブチル((5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
MeOH(80mL)中のtert-ブチル((2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート(8g、30.85mmol)及びPtO2(700.59mg、3.09mmol)の混合物を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2(15psi)雰囲気下で、20℃で16時間撹拌した。反応物を濾過し、フィルターケーキをMeOH(50mL*2)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM:MeOH=10/1)によって精製して、粗生成物(5g)を黒色の油として得た。粗生成物を逆相HPLC(0.1%FA条件)によって精製した。所望の画分を飽和NaHCO3でpH9に調整し、DCM(200mL*3)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(3.8g、14.43mmol、収率46.77%)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=264.2.
1HNMR(400MHz,CDCl3)δ=8.26(s,1H),6.92(s,1H),5.46(br s,1H),4.37-4.35(m,2H),3.98(s,2H),3.17-3.13(m,2H),2.79-2.75(m,2H),1.46(s,9H)ppm.
【0536】
ステップ4:tert-ブチル((6-(2-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート
ジオキサン(3mL)中のtert-ブチル((5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート(100mg、379.75umol)、1-ブロモ-2-メトキシ-ベンゼン(213.08mg、1.14mmol、142.05uL)、BINAP(47.29mg、75.95umol)、Pd2(dba)3(34.77mg、37.97umol)、及びCs2CO3(371.18mg、1.14mmol)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物を、N2雰囲気下で、110℃で3時間撹拌した。混合物を水(40mL)に注ぎ、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(0.1%FA条件)によって精製して、表題化合物(80mg、155.90umol、収率41.06%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=370.1
【0537】
ステップ5:(6-(2-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メタンアミン塩酸塩
MeOH(0.5mL)中のtert-ブチル((6-(2-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)カルバメート(35mg、94.73umol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、0.5mL)を加えた。混合物を20℃で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去して、表題化合物(30mg、粗製)を黄色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=270.2.
【0538】
ステップ6:(R)-4-シアノ-N-((6-(2-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DCM(1mL)中の(6-(2-メトキシフェニル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル)メタンアミン塩酸塩(30mg、98.10umol)及び((R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(27.70mg、127.53umol)の溶液に、EDCI(28.21mg、147.15umol)、DIEA(63.40mg、490.51umol、85.44uL)及びHOBt(19.88mg、147.15umol)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を水(30mL)に注ぎ、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75*30mm*3um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:26%~56%、8分)によって精製して、表題化合物(15.64mg、31.70umol、収率32.31%)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=469.3
1H NMR(400MHz,METHANOL-d4)δ=8.31(s,1H),8.11(d,J=1.6Hz,1H),7.90-7.81(m,1H),7.29-7.20(m,2H),7.08-6.96(m,3H),6.94-6.86(m,1H),4.89(d,J=3.2Hz,2H),4.67(s,2H),4.23(s,2H),4.19(d,J=11.6Hz,1H),3.91(d,J=11.6Hz,1H),3.87(s,3H),3.42-3.35(m,2H),3.03-2.94(m,2H),1.74(s,3H)ppm.
【0539】
表23の以下の実施例は、実施例32の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表25-1】
【表25-2】
【表25-3】
【0540】
実施例33:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-3-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
【化114】
ステップ1:3-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-6(5H)-チオン
DMF(10mL)中の3,6-ジクロロピリダジン-4-アミン(5.00g、30.490mmol、1.00当量)及びカリウムエチルキサンテート(14.78g、121.957mmol、4.00当量)の混合物を、130℃で12時間撹拌した。得られた混合物を水(500mL)で希釈し、EtOAc(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×1)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(4.8g、79.67%)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく直接使用した。
LCMS(ESI)m/z[M+H]
+=204.
【0541】
ステップ2:3,6-ジクロロチアゾロ[5,4-c]ピリダジン
塩化スルホニル(3.00mL)中の3-クロロチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-6(5H)-チオン(2.00g、9.820mmol、1.00当量)の混合物を、窒素雰囲気下で、0℃で2時間撹拌した。残渣を飽和Na2CO3水溶液でpH9に中和した。得られた混合物を、CH2Cl2(1L×3)で抽出し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶出勾配が石油エーテル中0~100%EtOAcであるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。純粋な画分を蒸発乾固させて、中間体3(1.3g、61.68%)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく直接使用した。
LCMS(ESI)m/z[M+H]+=206.
【0542】
ステップ3:3-クロロ-6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン
ジオキサン(4.00mL)及びH2O(1.00mL)中の3,6-ジクロロチアゾロ[5,4-c]ピリダジン(800.00mg、3.883mmol、1.00当量)及びCs2CO3(2530.15mg、7.765mmol、2.00当量)の撹拌混合物に、Pd(dppf)Cl2(284.10mg、0.388mmol、0.10当量)に加えた。得られた混合物を室温で2.5時間撹拌した。得られた混合物を水(30.0mL)で希釈し、EtOAc(30.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25.0mL×1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、表題化合物(320mg、29.95%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z[M+H]+=248.
【0543】
ステップ4:6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-3-カルボニトリル
DMF(4.00mL)中の3-クロロ-6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン(310.00mg、1.252mmol、1.00当量)及びZn(CN)2(293.97mg、2.503mmol、2.00当量)の撹拌混合物に、Pd2(dba)3(229.21mg、0.250mmol、0.20当量)及びXPhos(238.65mg、0.501mmol、0.40当量)を加えた。反応混合物を、窒素雰囲気下で、40℃で2時間撹拌した。得られた混合物を水(30.0mL)で希釈し、EtOAc(30.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25.0mL×1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶離勾配が石油エーテル中0~100%のEtOAcであるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(150mg、48.29%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z[M+H]+=239.
【0544】
ステップ5:(6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-3-イル)メタンアミン
DCM(4.00mL)中の6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-3-カルボニトリル(130.00mg、0.546mmol、1.00当量)の撹拌混合物に、DIBAL-H(77.59mg、0.546mmol、1.00当量)を0℃で滴加した。混合物を30分間撹拌した。得られた混合物を水(30.0mL)で希釈し、EtOAc(30.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(25.0mL×1)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、溶離勾配が石油エーテル中0~100%のEtOAcであるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(40mg、29.05%)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z[M+H]+=243.
【0545】
ステップ6:(R)-4-シアノ-4-メチル-N-((6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-3-イル)メチル)イソクロマン-6-カルボキサミド
DMF(1.50mL)中の(R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(16.14mg、0.025mmol、1.00当量)及び(6-フェニルチアゾロ[5,4-c]ピリダジン-3-イル)メタンアミン(18mg、0.025mmol、1.00当量)の撹拌混合物に、HATU(22.55mg、0.021mmol、1.00当量)及びDIEA(24.00mg、0.062mmol、3.00当量)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。いかなる追加の後処理もなく、混合物を分取HPLC(カラム:Xselect CSH F-Phenyl OBDカラム、19*250、5um;移動相A:水(0.05% FA)、移動相B:ACN;流量速度:25mL/分;勾配:10分で27B~55B、10分で55B~B、分でB~B 、分でB~B、分でB~B、254/220nm;RT1:8.4;RT2:;注入量:mL;実行回数:;)によって精製して、表題化合物(6.0mg、31.71%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z[M+H]+=443.05.
1H NMR(300MHz,メタノール-d4)δ 8.32-8.24(m,2H),8.22(s,1H),8.16(d,J=1.8Hz,1H),7.91(dd,J=8.1,1.8Hz,1H),7.66(dt,J=14.7,7.1Hz,3H),7.30(d,J=8.2Hz,1H),5.09(s,2H),4.92(s,2H),4.22(d,J=11.4Hz,1H),3.94(d,J=11.4Hz,1H),1.77(s,3H).
【0546】
実施例34:(S)-N-((2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチル)-4-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化115】
ステップ1:(4,5-ジアミノピリジン-2-イル)メタノール
THF(80mL)中のメチル4,5-ジアミノピリジン-2-カルボキシレート(8.00g、47.856mmol、1.00当量)の撹拌混合物に、LiBH4(THF中2M、119.64mL、239.280mmol、5.00当量)を0℃で滴加した。得られた混合物を室温で13時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(500mL)でクエンチし、真空下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、DCM/MeOH(20/1~2/1)で溶離する酸化アルミニウムカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(6g、90.10%)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=140.
【0547】
ステップ2:7-(ヒドロキシメチル)ピリド[3,4-b]ピラジン-2-オール
n-BuOH(500.00mL)中の(4,5-ジアミノピリジン-2-イル)メタノール(5.00g、35.930mmol、1.00当量)の溶液に、グリオキシル酸エチル(7.70g、37.727mmol、1.05当量、50%)を加えた。得られた混合物を100℃で8時間撹拌した。反応物を冷却し、濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物(3.1g、48.70%)を黄色の固体として得、これをさらに精製することなく直接使用した。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=178.
【0548】
ステップ3:(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート
DCM(50mL)中の7-(ヒドロキシメチル)ピリド[3,4-b]ピラジン-2-オール(3.10g、17.498mmol、1.00当量)及びDMAP(1068.85mg、8.749mmol、0.50当量)の溶液に、TEA(2.66g、26.287mmol、1.50当量)及びAc2O(5.36g、52.503mmol、3.00当量)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を濃縮し、残渣を、DCM/MeOH=50/1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(3.1g、80.82%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=220.
【0549】
ステップ4:(2-クロロピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート
トルエン(100.00mL)中のPPh3(5.80g、22.112mmol、4.8当量)の溶液に、トリクロロイソシアヌル酸(1.71g、7.371mmol、1.60当量)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌した。上記の混合物に、(2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート(1.53g、6.97mmol、1.00当量)を加えた。得られた混合物を110℃でさらに5時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を、50/1~8/1のPE/EAで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフによって精製して、表題化合物(610mg、55.72%)をオフホワイト色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=238.
【0550】
ステップ5:(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート
ジオキサン(2.00mL)中の(2-クロロピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート(250.00mg、1.052mmol、1.00当量)及びSn2Me6(413.60mg、1.262mmol、1.20当量)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、室温でPd(PPh3)4(121.57mg、0.105mmol、0.10当量)を加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、100℃で2時間撹拌した。上記の混合物に、追加の(2-クロロピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート(250.00mg、1.052mmol、1.00当量)を室温で加え、得られた混合物を100℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、PE/EtOAc(12:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(298mg、粗製)を淡い黄色の固体として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=321.
【0551】
ステップ6:(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メタノール
MeOH(5.00mL)中の(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルアセテート(285.00mg、0.887mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、K2CO3(245.15mg、1.774mmol、2.00当量)を加えた。得られた混合物を60℃で2時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(48mg、30.32%)を淡い黄色の固体として得、これをさらに精製することなく直接使用した。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=280.
【0552】
ステップ7:(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルメタンスルホネート
DCM(5.00mL)中の(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メタノール(270.00mg、0.967mmol、1.00当量)及びTEA(195.64mg、1.934mmol、2.00当量)の撹拌溶液に、MsCl(166.10mg、1.451mmol、1.50当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物(115mg、33.29%)を淡い黄色の固体として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=358.
【0553】
ステップ8:2-((2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
DMF(2.00mL)中の(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチルメタンスルホネート(105.00mg、0.294mmol、1.00当量)の撹拌溶液に、カリウム1,3-ジオキソイソインドリン-2-イド(108.84mg、0.588mmol、2.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を水(10mL)でクエンチし、沈殿した固体を濾過によって収集し、H2O(3×10mL)で洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥させて、表題化合物(69mg、57.50%)を淡い黄色の固体として得た。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=409.
【0554】
ステップ9:(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メタンアミン
EtOH(5.00mL)中の2-((2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン(60.00mg、0.147mmol、1.00当量)をヒドラジン水和物(0.50mL)に室温で加えた。得られた混合物を、窒素雰囲気下で、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮して、表題化合物(72mg、粗製)を淡い黄色の固体として得、これをさらに精製することなく直接使用した。
(LCMS(ESI)m/z[M+H]+=279.
【0555】
ステップ10:(S)-N-((2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メチル)-4-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMF(2.00mL)中の(S)-4-フルオロ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(20.00mg、0.095mmol、1.00当量)及びHATU(43.41mg、0.114mmol、1.20当量)の撹拌溶液に、DIEA(36.89mg、0.285mmol、3.00当量)及び(2-(6-シクロプロピルピラジン-2-イル)ピリド[3,4-b]ピラジン-7-イル)メタンアミン(29.13mg、0.105mmol、1.10当量)を室温で加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。いかなる追加の後処理もなく、混合物を分取HPLCによって精製して、表題化合物(20mg、44.68%)を淡い黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=471.20.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.84(s,1H),9.55(s,1H),9.46(t,J=5.8Hz,1H),9.40(s,1H),8.85(s,1H),8.28(d,J=1.8Hz,1H),8.02-7.90(m,2H),7.31(d,J=8.0Hz,1H),4.95-4.81(m,3H),4.79-4.69(m,1H),4.08(t,J=13.0Hz,1H),3.85(dd,J=25.1,12.5Hz,1H),2.43-2.31(m,1H),1.70(d,J=20.7Hz,3H),1.29-1.09(m,4H).
【0556】
表24の以下の実施例は、実施例34の調製に使用したものと同様の標準的な化学操作及び手順を使用して調製した。
【表26-1】
【表26-2】
【0557】
実施例35及び36:(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド及び(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
【化116】
ステップ1:(R)-N-((2-(3-ブロモ-4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
DMSO(0.5mL)中の(R)-N-((2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(30mg、76.37umol)、3-ブロモ-4-フルオロ-1H-ピラゾール(62.99mg、381.85umol)、及びDIEA(98.70mg、763.70umol、133.02uL)の混合物を、120℃で2時間撹拌した。反応物を水(4mL)に注ぎ、EA(4mL*3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(FA条件)によって精製して、表題化合物(30mg、56.38umol、収率73.83%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[81BrM+H]+=523.1.
1HNMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.45-9.42(m,1H),9.41(s,1H),9.08(d,J=4.8Hz,1H),8.78(d,J=8.8Hz,1H),8.23-8.16(m,2H),7.97-7.94(m,1H),7.71(s,1H),7.32(d,J=8.4Hz,1H),4.95-4.83(m,2H),4.81(d,J=6.0Hz,2H),4.24(d,J=11.2Hz,1H),3.88(d,J=11.6Hz,1H),1.71(s,3H)ppm.
【0558】
ステップ2:(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド及び(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
ジオキサン(1mL)中の(R)-N-((2-(3-ブロモ-4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(30mg、57.54umol)、メチルボロン酸(4.13mg、69.05umol)、K3PO4(36.64mg、172.62umol)、及び[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(37.50mg、57.54μmol)の混合物を脱気し、N2で3回パージした。混合物を、N2雰囲気下で、60℃で2時間撹拌した。反応物を、4mLのH2Oに注ぎ、EA(4mL*3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna C18 150*25mm*10um;移動相:[水(0.225%FA)-ACN];B%:38%~68%、10分)によって精製して、(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(2.83mg、5.35umol、収率9.30%、FA塩)を黄色の固体として得、(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド(4.77mg、9.44umol、収率16.41%、FA塩)を黄色の固体として得た。
【0559】
(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=457.3.
1HNMR(400MHz,メタノール-d4)δ=9.23(s,1H),8.65(d,J=4.8Hz,1H),8.58(d,J=9.2Hz,1H),8.24(d,J=9.2Hz,1H),8.17(s,1H),7.93-7.90(m,1H),7.80(s,1H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.91(d,J=3.2Hz,2H),4.89(s,2H),4.21(d,J=11.6Hz,1H),3.93(d,J=11.2Hz,1H),2.34(s,3H),1.77(s,3H)ppm.
【0560】
(R)-4-シアノ-N-((2-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-イル)メチル)-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=443.2.
1HNMR(400MHz,メタノール-d4)δ=9.26(s,1H),8.75(d,J=4.8Hz,1H),8.62(d,J=8.8Hz,1H),8.30(d,J=8.8Hz,1H),8.17(s,1H),7.93-7.90(m,1H),7.86-7.80(m,2H),7.29(d,J=8.0Hz,1H),4.91(d,J=3.6Hz,2H),4.90(s,2H),4.21(d,J=11.2Hz,1H),3.93(d,J=11.2Hz,1H),1.77(s,3H)ppm.
【0561】
実施例37:メチル1-(7-(((R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド)メチル)-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
【化117】
ステップ1:tert-ブチル5-(7-シアノ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート
ジオキサン(4mL)及びH
2O(0.4mL)中の2-クロロ-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(400mg、2.11mmol)及びtert-ブチル5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(848.03mg、2.74mmol)の混合物に、[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(137.50mg、210.97umol)及びK
3PO
4(1.34g、6.33mmol)を加えた。混合物をN
2で1分間パージし、得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物をH
2O(30mL)で希釈し、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(8mL)中でスラリー化し、沈殿物を濾過によって収集し、乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE:EtOAc=20:1~1:1)によるさらなる精製により、表題化合物(460mg、1.37mmol、収率64.82%)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=337.2.
【0562】
ステップ2:tert-ブチル1-(7-シアノ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
DMSO(2mL)中のt-BuOK(70.05mg、624.28umol)の混合物に、ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(137.39mg、624.28umol)を0℃で加え、混合物を25℃で30分間撹拌した。次いで、混合物を、DMSO(1mL)中に溶解したtert-ブチル5-(7-シアノ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(210mg、624.28umol)の溶液に加え、得られた混合物を45℃で4時間撹拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=20:1~1:1)によって精製して、表題化合物(80mg、215.17umol、収率34.47%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=351.2.
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ=9.21(s,1H),8.30-8.19(m,2H),7.71-7.40(m,1H),4.32-4.25(m,1H),4.24-4.14(m,1H),3.76-3.52(m,1H),3.20-2.96(m,1H),2.18-(m,1H),1.97-1.82(m,2H),1.78-1.60(m,1H),1.54-1.46(m,10H)ppm.
【0563】
ステップ3:2-(3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル
DCM(2mL)中のtert-ブチル1-(7-シアノ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(120mg、342.45umol)の混合物に、TFA(770.00mg、6.75mmol、0.5mL)を0℃で加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(20mL)で抽出し、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(85mg、粗製)を黄色の固体として得た。
【0564】
ステップ4:メチル1-(7-シアノ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
DCM(1mL)中2-(3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-1-イル)-1,6-ナフチリジン-7-カルボニトリル(85mg、339.60umol)及びTEA(171.82mg、1.70mmol、236.34uL)の混合物に、クロロギ酸メチル(96.27mg、1.02mmol、78.91uL)を0℃で滴加し、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EA(40mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL*2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=20:1~1:1)によって精製して、表題化合物(55mg、173.78umol、収率51.17%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=309.1.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.43(d,J=0.8Hz,1H),8.60(d,J=8.8Hz,1H),8.52(s,1H),7.76-7.60(m,1H),4.35-4.15(m,2H),3.64(s,3H),3.63-3.50(m,1H),3.16-2.97(m,1H),2.18-2.06(m,1H),1.96-1.78(m,2H),1.54-1.53(m,1H),1.10-1.08(m,1H)ppm.
【0565】
ステップ5:メチル1-(7-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
MeOH(10mL)中のメチル1-(7-シアノ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(55mg、178.38umol)の混合物に、TEA(36.10mg、356.76umol、49.66uL)及びBoc2O(58.40mg、267.57umol、61.47uL)を加えた。混合物をN2でパージし、ラネーNi(76.41mg、891.89umol)を加えた。次いで、混合物をH2で3回パージし、得られた混合物をH2(15psi)下で、25℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=20:1~1:1)によって精製して、表題化合物(35mg、84.27umol、収率47.24%)を無色の油として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=413.2.
【0566】
ステップ6:メチル1-(7-(アミノメチル)-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
DCM(3mL)中のメチル1-(7-(((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(35mg、84.85umol)の溶液に、TFA(1mL)を0℃で加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(20mL)に注ぎ、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物(28mg、粗製)を黄色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=313.2.
【0567】
ステップ7:メチル1-(7-(((R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボキサミド)メチル)-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート
DCM(1mL)中の(R)-4-シアノ-4-メチルイソクロマン-6-カルボン酸(23.37mg、107.57umol)の溶液に、EDCI(22.34mg、116.53umol)、HOBt(15.75mg、116.53umol)及びDIEA(34.76mg、268.92umol、46.84uL)を加えた。次いで、メチル1-(7-(アミノメチル)-1,6-ナフチリジン-2-イル)-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシレート(28mg、89.64umol)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3(30mL)に注ぎ、EA(20mL*3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(0.1%FA条件)によって精製して、表題化合物(5.30mg、10.36umol、収率11.56%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]+=512.2.
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=9.41-9.32(m,1H),9.28(s,1H),8.45(d,J=8.8Hz,1H),8.19(d,J=1.6Hz,1H),7.94(d,J=1.6,1H),7.64(s,1H),7.51-7.39(m,1H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),4.94-4.81(m,2H),4.77(d,J=5.6Hz,2H),4.33-4.19(m,2H),4.18-4.07(m,1H),3.87(d,J=11.2Hz,1H),3.61(s,3H),3.52-3.43(m,1H),3.13-2.97(m,1H),2.14-2.04(m,1H),1.88-1.76(m,2H),1.70(s,3H),1.53-1.43(m,1H),1.04-0.96(m,1H)ppm.
【0568】
実施例38.BRM及びBRG-1のATPアーゼ触媒活性のアッセイ
BRMまたはBRG-1のATPアーゼ触媒活性を、ADP-Glo(商標)(Promega,V9102)を使用したインビトロ生化学アッセイによって測定した。反応が完了したら、ADP-Glo(商標)キナーゼアッセイを2ステップで行う。最初のステップは、反応中に消費されていないATPを枯渇させることである。第2のステップは、反応生成物であるADPをATPに変換することであり、これは、ルシフェラーゼによって発光を生成するために利用され、Envisionなどの発光リーダーによって検出される。
【0569】
アッセイ反応混合物(10μL)は、20mMのTris(pH8)、20mMのMgCl2、50mMのNaCl、0.1%のTween-20、及び1mMの新鮮なDTT(Pierce(商標)DTT(ジチオスレイトール)、カタログ番号20290)からなる、ATPアーゼアッセイ緩衝液中に、30nMのBRMまたはBRG1、20nMのサケ精子DNA(Invitrogen、UltraPure(商標)サケDNA溶液、カタログ番号15632011から)、及び400μMのATPを含有する。少量の白色Proxiplate-384プラスプレート(PerkinElmer、カタログ番号6008280)上の2.5μLのATP/DNA溶液を添加することによって反応を開始し、室温で1時間インキュベートする。次いで、キットに提供される5μLのADP-Glo(商標)試薬を添加した後、反応物を、室温で40分間インキュベートする。次いで、キットに提供される10μLのキナーゼ検出試薬を添加して、ADPをATPに変換し、反応物を、室温で60分間インキュベートする。最終的には、発光測定値を、Envisionなどのプレートリーディングルミノメーターで収集する。
【0570】
BRM及びBRG-1は、上位5つの昆虫細胞株から、90%超の純度で合成した。本明細書に記載のATPアーゼ触媒活性アッセイからの化合物1~126のIC
50データを、以下の表25に示す。
【表27-1】
【表27-2】
【表27-3】
【表27-4】
【表27-5】
【表27-6】
【表27-7】
【表27-8】
【表27-9】
【表27-10】
【表27-11】
【表27-12】
【表27-13】
【表27-14】
【表27-15】
【0571】
実施例39.化合物Aの合成
BRG1/BRM阻害剤化合物Aは、以下の構造を有する。
【化118】
【0572】
化合物Aを、以下のスキーム1に示されるように合成した。
【化119】
化合物Aの存在下でのBRMまたはBRG-1のATPアーゼ触媒活性を、上記のADP-Glo(商標)(Promega,V9102)を使用したインビトロ生化学アッセイによって測定した。化合物Aは、アッセイで、BRMに対して10.4nM、BRG1に対して19.3nMのIC
50を有することが見出された。
【0573】
実施例40.ブドウ膜黒色腫細胞株及び血液がん細胞株の増殖に対するBRG1/BRM ATPアーゼの阻害の効果
手順:ブドウ膜黒色腫細胞株(92-1、MP41、MP38、MP46)、前立腺がん細胞株(LNCAP)、肺がん細胞株(NCI-H1299)、及び不死化胚性腎臓株(HEK293T)を、増殖培地を含む96ウェルプレートに播種した(表5を参照)。BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤である化合物Aを、DMSO中に溶解し、プレーティング時、0~10μMの濃度勾配で、細胞に加えた。細胞を、37℃で3日間インキュベートした。処理の3日後、培地を細胞から除去し、30μLのTrypLE(Gibco)を、細胞に10分間加えた。細胞を、プレートから剥離し、170μLの増殖培地を加えて、再懸濁した。2つのDMSOで処理された対照ウェルから、細胞をカウントし、実験の開始時にプレーティングされた初期の細胞数を、37℃でさらに4日間、新鮮な化合物を含有するプレートに再プレーティングした。7日目に、細胞を上記のように採取した。3日目及び7日目に、Cell-titer glo(Promega)を加えることによって、相対細胞増殖を測定し、発光を、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)で測定した。各細胞株の増殖が50%阻害される化合物17の濃度(GI50)は、Graphpad Prismを使用して計算され、以下にプロットされている。多発性骨髄腫細胞株(OPM2、MM1S、LP1)、ALL細胞株(TALL1、JURKAT、RS411)、DLBCL細胞株(SUDHL6、SUDHL4、DB、WSUDLCL2、PFEIFFER)、AML細胞株(OCIAML5)、MDS細胞株(SKM1)、卵巣がん細胞株(OV7、TYKNU)、食道がん細胞株(KYSE150)、ラブドイド腫瘍株(RD、G402、G401、HS729、A204)、肝臓がん細胞株(HLF、HLE、PLCRPF5)、及び肺がん細胞株(SW1573、NCIH2444)について、上記の方法を、以下の変更を用いて行った:細胞を、96ウェルプレートに播種し、翌日、BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤である化合物Aを、DMSO中に溶解し、0~10μMの濃度勾配で細胞に加えた。3日目及び7日目の細胞を分ける時点で、細胞を新しい96ウェルプレートに分け、新鮮な化合物を再プレーティングの4時間後に添加した。
【0574】
表26に、試験した細胞株及び使用した増殖培地を列挙する。
【表28】
【0575】
結果:
図1に示されるように、ブドウ膜黒色腫細胞株及び血液がん細胞株は、他の試験された細胞株よりも、BRG1/BRM阻害に対して感受性が高かった。ブドウ膜黒色腫細胞株及び血液がん細胞株の阻害は、7日目まで維持された。
【0576】
実施例41.ブドウ膜黒色腫細胞株におけるBRG1/BRM阻害剤と臨床PKC及びMEK阻害剤との比較
手順:ブドウ膜黒色腫細胞株、92-1またはMP41を、増殖培地の存在下、96ウェルプレートに播種した(表26を参照)。BAF ATPアーゼ阻害剤(化合物A)、PKC阻害剤(LXS196;MedChemExpress)、またはMEK阻害剤(セルメチニブ;SelleckChemicals)をDMSO中に溶解し、プレーティング時に、0~10μMの濃度勾配で細胞に加えた。細胞を、37℃で3日間インキュベートした。処理の3日後、細胞増殖を、Cell-titer glow(Promega)で測定し、発光を、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)で読み取った。
【0577】
結果:
図2A及び
図2Bに示されるように、化合物Aは、臨床PKC阻害剤及び臨床MEK阻害剤として同等のブドウ膜黒色腫細胞の増殖阻害を示した。さらに、化合物Aは、臨床PKC阻害剤及び臨床MEK阻害剤よりも早い阻害の開始をもたらすことが見出された。
【0578】
実施例42.化合物Bの合成
BRG1/BRM阻害剤化合物Bは、以下の構造を有する。
【化120】
【0579】
化合物Bを、以下のスキーム2に示されるように合成した。
【化121】
【0580】
ステップ1:(S)-1-(メチルスルホニル)-N-(4-(メチルチオ)-1-オキソ-1-((4-(3-(ピリジン-4-イル)フェニル)チアゾール-2-)イル)アミノ)ブタン-2-イル)-1H-ピロール-3-カルボキサミド(化合物B)の調製
【化122】
DMF(20mL)中の(2S)-2-アミノ-4-メチルスルファニル-N-[4-[3-(4-ピリジル)フェニル]チアゾール-2-イル]ブタンアミド(2g、4.75mmol、HCl塩)及び1-メチルスルホニルピロール-3-カルボン酸(898.81mg、4.75mmol)の混合物に、EDCI(1.37g、7.13mmol)、HOBt(962.92mg、7.13mmol)、及びDIEA(2.46g、19.00mmol、3.31mL)に加え、混合物を25℃で3時間撹拌した。混合物をH
2O(100mL)に注ぎ、沈殿物を濾過によって収集した。固体をMeOH(20mL)中で粉砕し、沈殿物を濾過によって収集した。固体をDMSO(10mL)中に溶解し、次いで混合物をMeOH(50mL)に注ぎ、形成された沈殿物を濾過によって収集し、凍結乾燥させて、化合物B(2.05g、3.66mmol、収率77.01%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI)m/z[M+H]
+=555.9.
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 12.49(s,1H),8.68-8.66(m,2H),8.46(d,J=7.2Hz,1H),8.31-8.30(m,1H),8.02-8.00(m,1H),7.94-7.96(m,1H),7.83(s,1H),7.73-7.74(m,3H),7.61-7.57(m,1H),7.31-7.29(m,1H),6.79-6.77(m,1H),4.74-4.69(m,1H),3.57(s,3H),2.67-2.53(m,2H),2.13-2.01(m,5H).SFC:AS-3-MeOH(DEA)-40-3mL-35T.1cm、t=0.932分、ee%=100%.
【0581】
実施例43.ブドウ膜黒色腫細胞株、血液がん細胞株、前立腺がん細胞株、乳がん細胞株、及びユーイング肉腫細胞株の増殖に対するBRG1/BRM ATPアーゼの阻害の効果
手順:実施例28での上記のすべての細胞株も、化合物Bを用いて上記のように試験した。さらに、以下の細胞株も以下のように試験した。簡潔には、ユーイング肉腫細胞株(CADOES1、RDES、SKES1)、網膜芽腫細胞株(WERIRB1)、ALL細胞株(REH)、AML細胞株(KASUMI1)、前立腺がん細胞株(PC3、DU145、22RV1)、黒色腫細胞株(SH4、SKMEL28、WM115、COLO829、SKMEL3、A375)、乳がん細胞株(MDAMB415、CAMA1、MCF7、BT474、HCC1419、DU4475、BT549)、B-ALL細胞株(SUPB15)、CML細胞株(K562、MEG01)、バーキットリンパ腫細胞株(RAMOS2G64C10、DAUDI)、マントル細胞リンパ腫細胞株(JEKO1、REC1)、膀胱がん細胞株(HT1197)、及び肺がん細胞株(SBC5)について、上記の方法を、以下の変更を用いて行った:細胞を、96ウェルプレートに播種し、翌日、BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤である化合物Bを、DMSO中に溶解し、0~10μMの濃度勾配で細胞に加えた。3日目及び7日目の細胞を分ける時点で、細胞を新しい96ウェルプレートに分け、新鮮な化合物を再プレーティングの4時間後に添加した。
【0582】
表27に、試験した細胞株及び使用した増殖培地を列挙する。
【表29】
【0583】
結果:
図3に示されるように、ブドウ膜黒色腫細胞株、血液がん細胞株、前立腺がん細胞株、乳がん細胞株、及びユーイング肉腫細胞株は、他の試験された細胞株よりもBRG1/BRM阻害に対して感受性が高かった。ブドウ膜黒色腫細胞株、血液がん細胞株、前立腺がん細胞株、乳がん細胞株、及びユーイング肉腫細胞株の阻害は、7日目まで維持された。
【0584】
実施例44.がん細胞株の増殖に対するBRG1/BRM ATPアーゼの阻害の効果。
手順:前述のように(「バーコード化腫瘍細胞株の混合物における遺伝子型特異的がん脆弱性のハイスループット同定」、Yu et al,Nature Biotechnology34,419-423,2016)、PRISM(混合物中の相対阻害の同時プロファイリング)を使用してプールされた細胞生存率アッセイを、以下の改変を用いて行った。細胞株を、がん細胞株エンサイクロペディア(CCLE)収集物から入手し、独自の感染及びプーリングのプロトコルを、かかる細胞株の大きな一覧に適用するために、10%の非動化ウシ胎児血清(FBS)を補充したフェノールレッド不含RPMI-1640培地に順応させた。ブラストサイジンを選択マーカーとして使用して、すべての細胞株に対して推定感染多重度(MOI)が1で、レンチウイルスのスピン感染プロトコルを実行して、24ヌクレオチドのバーコードを各細胞株に導入した。次いで、安定してバーコード化された750超のPRISMがん細胞株を、倍加時間に従って、25個のプールに一緒にプールした。スクリーニングの実行のために、前述のように各ウェルに25種類の細胞株のプールを播種する代わりに(Yu et al.)、すべての付着細胞株またはすべての浮遊細胞株のプールを、それぞれ、T25フラスコ(100,000細胞/フラスコ)または6ウェルプレート(50,000細胞/ウェル)を使用して一緒に播種した。細胞を、10μMの最高濃度から開始して、8測定点、3倍ごとの用量応答を3重で、DMSOまたは化合物のいずれかで処理した。アッセイの堅牢性のための対照として、2.5μM及び0.039μMの最高濃度を使用して、細胞を、それぞれ、先の検証された2つの化合物、汎Raf阻害剤であるAZ-628、及びプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブを用いて、並行して処理した。
【0585】
化合物で処理して3日後、細胞を溶解し、ゲノムDNAを抽出し、バーコードをPCRによって増幅し、次世代配列決定で検出した。細胞生存率は、処理試料中の細胞株特異的バーコードのカウントを、DMSO対照及び0日目対照中のものと比較することによって決定した。用量応答曲線を細胞株ごとに適合させ、対応する曲線下面積(AUC)を計算し、すべての細胞株のAUCの中央値と比較した(
図4)。中央値未満のAUCを有する細胞株は、最も感受性が高いと考えられた。
【0586】
実施例45.ブドウ膜黒色腫細胞株の増殖に対するBRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤の効果。
手順:ブドウ膜黒色腫細胞株(92-1、MP41、MP38、MP46)及び非小細胞肺がん細胞(NCI-H1299)を、増殖培地を含む96ウェルプレートに播種した(表27を参照されたい)。BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤である化合物67を、DMSOに溶解し、プレーティング時、0~10μMの濃度勾配で、細胞に添加した。細胞を、37℃で3日間インキュベートした。処理の3日後、細胞増殖を、Cell-titer glow(Promega)で測定し、発光を、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)で読み取った。
【0587】
結果:
図5に示されるように、化合物Bは、ブドウ膜黒色腫細胞株における強力な増殖阻害をもたらした。
【0588】
実施例46.ブドウ膜黒色腫細胞株におけるBRG1/BRM阻害剤と臨床PKC及びMEK阻害剤との比較
手順:ブドウ膜黒色腫細胞株、92-1またはMP41を、増殖培地の存在下、96ウェルプレートに播種した(表27を参照されたい)。BAF ATPアーゼ阻害剤(化合物B)、PKC阻害剤(LXS196;MedChemExpress)、及びMEK阻害剤(セルメチニブ;SelleckChemicals)をDMSO中に溶解し、プレーティング時に、0~10μMの濃度勾配で細胞に添加した。細胞を、37℃で3日間インキュベートした。処理の3日後、細胞増殖を、Cell-titer glow(Promega)で測定し、発光を、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)で読み取った。
【0589】
結果:
図6A及び
図6Bに示されるように、化合物Bは、臨床PKC阻害剤及び臨床MEK阻害剤と比較して、ブドウ膜黒色腫細胞の増殖阻害に対するより強力な効果を示した。さらに、化合物Bは、臨床PKC阻害剤及び臨床MEK阻害剤よりも早い増殖阻害の開始をもたらすことが見出された。
【0590】
実施例47.BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤は、PKC阻害剤耐性細胞の増殖を阻害するのに有効である。
手順:MP41ブドウ膜黒色腫細胞を、最大1μMの漸増濃度の化合物を含有する増殖培地で長期培養することによって、PKC阻害剤(LXS196、MedChemExpress)に対して耐性にした(表27を参照されたい)。3カ月後、親MP41細胞、及びPKC阻害剤(LXS196)またはBRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤(化合物B)に対するPKC阻害剤(PKCi)耐性細胞の感受性を、上記の実施例9に記載されるように、7日間の増殖阻害アッセイで試験した。
【0591】
結果:PKCi耐性細胞は、親MP41細胞株よりも高い濃度のLXS196で増殖に耐え得るが(
図7A)、BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤(化合物B)は、依然として、PKCi耐性細胞株及び親細胞株の両方の強力な増殖阻害をもたらした(
図7B)。PKCi耐性細胞は、親MP41細胞よりも、化合物Bに対してより感受性であった(
図7B)。
【0592】
実施例48.化合物Cの合成
【化123】
ステップ1:6-フルオロピリジン-2-カルボニルクロリド(中間体B)の調製
【化124】
ジクロロメタン(500mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.26mL、3.54mmol)中の6-フルオロピリジン-2-カルボン酸(50.00g、354.36mmol)の冷却(0℃)した溶液に、塩化オキサリル(155.10mL、1.77mol)を添加した。塩化オキサリルを完全に添加した後、反応混合物を室温に温め、さらに0.5時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、中間体B(56.50g)を白色の固体として得ると、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
【0593】
ステップ2:2-クロロ-1-(6-フルオロ-2-ピリジル)エテノン(中間体C)の調製
【化125】
1,4-ジオキサン(800mL)中の中間体B(56.00g、351.00mmol)の冷却(0℃)した混合物に、ヘキサン(351mL)中の2Mのトリメチルシリルジアゾメタンの溶液を滴加した。得られた反応混合物を25℃で10時間撹拌した。続いて、反応混合物を、1,4-ジオキサン(500mL)中の4M HClの溶液でクエンチした。2時間撹拌した後、反応溶液を真空下で濃縮して、油を得た。残渣を飽和NaHCO
3水溶液(500mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、中間体C(35.50g)を白色の固体として得、これを次のステップに直接使用した。LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=173.8.
【0594】
ステップ3:4-(6-フルオロ-2-ピリジル)チアゾール-2-アミン(中間体E)の調製
【化126】
MeOH(250mL)及びH
2O(250mL)の混合物中の中間体C(35.50g、204.53mmol)及びチオ尿素(14.01g、184.07mmol)の溶液に、NaF(3.56g、84.82mmol)を室温で加えた。0.5時間撹拌した後、反応混合物を真空下で部分的に濃縮して、MeOHを除去し、得られた溶液を2M HCl水溶液でpH約3に酸性化した。15分後、溶液を酢酸エチル(200mL×3)で抽出し、有機層を廃棄し、水相をNaHCO
3(500mL)でアルカリ化し、30分間撹拌し、次いで酢酸エチル(325mL*3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(225mL*3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、石油エーテル(300mL)を用いて粉砕し、25℃で10分間撹拌し、濾過した。得られた固体を真空下で乾燥させて、中間体E(28.00g、143.43mmol、収率70.13%、純度100%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=195.8.;
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ8.00-7.96(m,1H),7.72(d,J=7.2Hz,1H),7.24(s,1H),7.16(s,2H),7.02(d,J=8.0Hz,1H).
【0595】
ステップ4:tert-ブチルN-[2-[[4-(6-フルオロ-2-ピリジル)チアゾール-2-イル]アミノ]-2-オキソ-エチル]カルバメート(中間体G)の調製
【化127】
ジクロロメタン(100mL)中のN-Boc-グリシン(5.92g、33.81mmol)、HATU(12.86g、33.81mmol)、及びDIEA(15.89g、122.94mmol、21.41mL)の溶液に、中間体E(6.00g、30.74mmol)を添加した。2時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、続いて水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(60mL×4)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、石油エーテルとMeOHの1:1混合物(40mL)を用いて粉砕した。25℃で20分間撹拌した後、懸濁液を濾過し、フィルターケーキをMTBE(20mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、中間体G(7.7g、21.63mmol、収率70.4%、純度99.0%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=353.1.
【0596】
ステップ5:2-((4-(6-フルオロピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエタン-1-アミニウムクロリド(中間体H)の調製
【化128】
1,4-ジオキサン(35mL)中4M HCl中の中間体G(5.40g、15.32mmol)の溶液を、25℃で1.5時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、中間体H(4.42g)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=252.9.
【0597】
ステップ6:1-tert-ブチル-N-[2-[[4-(6-フルオロ-2-ピリジル)チアゾール-2-イル]アミノ]-2-オキソ-エチル]ピロール-3-カルボキサミド(中間体J)の調製
【化129】
ジクロロメタン(40mL)中の中間体H(3.00g、10.39mmol)、1-tert-ブチルピロール-3-カルボン酸(1.74g、10.39mmol)、及びDIEA(6.71g、51.95mmol、9.05mL)の溶液に、HOBt(1.68g、12.47mmol)及びEDCI(2.39g、12.47mmol)を順次加えた。4時間撹拌した後、混合物を、真空下で濃縮した。残渣を水(250mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた固体を、MTBE/酢酸エチルの1:1混合物(400mL)を用いて粉砕し、30分後、懸濁液を濾過した。固体を、MTBE(85mL×3)で洗浄し、次いで真空下で乾燥させて、中間体J(3.10g、7.64mmol、収率73.6%、純度99.0%)を白色の固体として得た。
LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=402.3.
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 12.40(s,1H),8.18-8.15(m,1H),8.09-8.08(m,1H),7.87-7.83(m,2H),7.52(s,1H),7.11(d,J=8.0Hz,1H),6.97(m,1H),6.47(s,1H),4.10(d,J=5.6Hz,2H),1.49(s,9H).
【0598】
ステップ7:1-(tert-ブチル)-N-(2-((4-(6-(シス-2,6-ジメチルモルホリノ)ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)-1H-ピロール-3-カルボキサミド(化合物C)の調製
【化130】
DMSO(1mL)中の中間体J(0.100g、0.249mmol)の溶液に、DIEA(0.130mL、0.747mmol)及びシス-2,6-ジメチルモルホリン(0.057g、0.498mmol)を加え、混合物を120℃で撹拌した。12時間後、溶液を室温まで冷却し、反応混合物をMeOH(3mL)で希釈した。残渣を分取HPLC(0.1%TFA;カラム:Luna C18 150*25 5u;移動相:[水(0.075%TFA)-ACN];B%:30%~60%、2分)によって精製した。適切な画分を収集し、凍結乾燥させて、化合物C(0.079g、0.129mmol、収率51.94%、純度100%)を白色の固体として得た。LCMS(ESI)m/z:[M+H]
+=497.5.
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 12.27(s,1H),8.17-8.14(m,1H),7.75(s,1H),7.63-7.59(m,1H),7.51(s,1H),7.25(d,J=7.2Hz,1H),6.96(s,1H),6.79(d,J=8.8Hz,1H),6.47(s,1H),4.24(d,J=12.4Hz,2H),4.08(d,J=5.6Hz,2H),3.64-3.61(m,2H),2.44-2.38(m,2H),1.49(s,9H),1.18(d,J=5.6Hz,6H).
【0599】
実施例49.BRG1/BRM ATPアーゼ阻害剤は、インビボでブドウ膜黒色腫の腫瘍増殖の阻害を引き起こす。
手順:ヌードマウス(Envigo)を、50%のMatrigel中の5×106個の92-1ブドウ膜黒色腫細胞を用いて、腋窩領域に皮下移植した。腫瘍を、平均約200mm3まで増殖させ、この時点で、マウスをグループ化し、投薬を開始した。マウスに、ビヒクル(20%の2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)または漸増用量の化合物Cを強制経口投与によって、1日1回投与した。腫瘍量及び体重を、3週間にわたって測定し、用量を体重によって調整して、適切な用量をmg/kgとして得た。この時点で、動物を安楽殺し、腫瘍を解剖し、画像化した。
【0600】
結果:化合物Cを用いた処置は、最高(50mg/kg)用量で観察された用量依存的な様式での腫瘍退縮を伴う腫瘍増殖阻害をもたらした。(
図8A及び
図8B)。いずれの処置も体重減少を認めず、良好な忍容性を示した。(
図8C)。
【0601】
他の実施形態
本発明を、その特定の実施形態に関連して説明してきたが、本発明は、さらなる修正が可能であり、この出願は、一般に、本発明の原理に従い、かつ本発明が関連する当該技術分野内の既知または慣例的実践の範囲内である本開示からのそのような逸脱を含む本発明の任意の変形例、用途、または適合を包含することを目的としており、本明細書の上に示される本質的な特徴に適用され得、特許請求の範囲内にあるとおりであることが理解されるであろう。
【0602】
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。