(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】ソケット保持装置、及びロープ端末加工方法
(51)【国際特許分類】
B66B 7/06 20060101AFI20240426BHJP
D07B 9/00 20060101ALI20240426BHJP
【FI】
B66B7/06 F
D07B9/00
(21)【出願番号】P 2023078621
(22)【出願日】2023-05-11
【審査請求日】2023-05-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 公彬
(72)【発明者】
【氏名】開 和洋
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-104574(JP,A)
【文献】特開2013-147319(JP,A)
【文献】特開2023-84677(JP,A)
【文献】特開2023-37411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/06
D07B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
前記ベース部に設けられた保持機構部と
を備え、
前記保持機構部は、ソケット保持部と、前記ソケット保持部から基準方向へ離れた位置に配置されたロープ保持部とを有しており、
前記ソケット保持部には、前記基準方向に沿って前記ソケット保持部を貫通する貫通溝が設けられており、
前記ロープ保持部は、互いに対向している第1対向部及び第2対向部を有しており、
前記第1対向部及び前記第2対向部の少なくとも一方は、弾性変形可能な弾性部になっており、
前記ソケット保持部は、ロープの端末に設けられたソケットが前記貫通溝に挿入された状態で前記ソケットを保持し、
前記ロープ保持部は、前記ロープが前記第1対向部と前記第2対向部との間に通された状態で前記ロープを前記弾性部の弾性復元力によって保持するソケット保持装置。
【請求項2】
前記ベース部は、前記ベース部を支持可能な設置対象物に含まれているベース着脱部に着脱可能になっており、
前記ベース部が前記ベース着脱部に取り付けられている状態では、前記ソケット保持部が前記ロープ保持部よりも上方に位置している請求項1に記載のソケット保持装置。
【請求項3】
前記ベース部は、ベース部本体を有しており、
前記ベース部本体は、第1ベース面及び第2ベース面が前記基準方向に沿って形成された固定部と、前記第2ベース面に設けられたフック部と、前記フック部から前記基準方向へ離れた位置において前記第2ベース面に設けられた受け部とを有しており、
前記ソケット保持部及び前記ロープ保持部は、前記第1ベース面に設けられており、
前記受け部は、前記基準方向に交差する方向へ前記第2ベース面から突出しており、
前記ベース部が前記ベース着脱部に取り付けられている状態では、前記フック部が前記ベース着脱部の上端部に掛けられており、前記受け部が前記フック部の下方の位置において前記ベース着脱部の側部を受けている請求項2に記載のソケット保持装置。
【請求項4】
前記ベース着脱部は、網状パネルであり、
前記ベース部は、前記フック部に着脱可能な外れ防止具を有しており、
前記フック部が前記網状パネルに掛けられている状態では、前記フック部に取り付けられた前記外れ防止具が前記網状パネルの網目に挿入可能になっている請求項3に記載のソケット保持装置。
【請求項5】
請求項1に記載のソケット保持装置における前記ソケット保持部が前記ロープ保持部よりも上方に位置している状態で、前記ロープの端末に仮接続された前記ソケットを前記貫通溝に上方から挿入することにより、前記ソケット保持部に前記ソケットを保持するソケット保持工程と、
前記ソケット保持工程の後、水平方向における前記ロープ保持部の外側から前記ロープを前記第1対向部と前記第2対向部との間に差し込むことにより、前記ロープ保持部に前記ロープを保持するロープ保持工程と、
前記ロープ保持工程の後、前記ソケットに溶融金属を注入するバビット注入工程と
を備えているロープ端末加工方法。
【請求項6】
請求項2に記載のソケット保持装置における前記ソケット保持部が前記ロープ保持部よりも上方に位置している状態で、前記ベース部を前記ベース着脱部に取り付けるベース部取付工程と、
前記ベース部取付工程の後、前記ロープの端末に仮接続された前記ソケットを前記貫通溝に上方から挿入することにより、前記ソケット保持部に前記ソケットを保持するソケット保持工程と、
前記ソケット保持工程の後、水平方向における前記ロープ保持部の外側から前記ロープを前記第1対向部と前記第2対向部との間に差し込むことにより、前記ロープ保持部に前記ロープを保持するロープ保持工程と、
前記ロープ保持工程の後、前記ソケットに溶融金属を注入するバビット注入工程と
を備えているロープ端末加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロープの端末に設けられたソケットを保持するソケット保持装置、及びロープ端末加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロープの端末が挿入されたソケットにバビットメタルとしての溶融金属を注入して硬化させることにより、ロープの端末にソケットを固定するロープ端末加工方法が知られている。特許文献1には、ソケットに対するバビットメタルの注入を容易にするために、ソケット支持部にソケットを支持した状態でバビットメタルをソケットに注入するロープ端末加工方法が開示されている。特許文献1に開示された従来のソケット支持部には、挿入溝が設けられている。ソケットは、挿入溝に挿入された状態でソケット支持部に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された従来のソケット支持部は、ソケットを挿入溝に挿入して支持するだけである。このため、ソケットから垂れ下がるロープの状態によってはソケットが鉛直方向に対して傾きやすくなってしまう。これにより、作業者がソケットを押さえてソケットの軸線を鉛直に保ちながら、ソケットにバビットメタルを注入する必要がある。従って、ロープの端末にソケットを固定する作業に手間がかかってしまう。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、ロープの端末にソケットを固定する作業を容易にすることができるソケット保持装置、及びロープ端末加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るソケット保持装置は、ベース部と、ベース部に設けられた保持機構部とを備え、保持機構部は、ソケット保持部と、ソケット保持部から基準方向へ離れた位置に配置されたロープ保持部とを有しており、ソケット保持部には、基準方向に沿ってソケット保持部を貫通する貫通溝が設けられており、ロープ保持部は、互いに対向している第1対向部及び第2対向部を有しており、第1対向部及び第2対向部の少なくとも一方は、弾性変形可能な弾性部になっており、ソケット保持部は、ロープの端末に設けられたソケットが貫通溝に挿入された状態でソケットを保持し、ロープ保持部は、ロープが第1対向部と第2対向部との間に通された状態でロープを弾性部の弾性復元力によって保持するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るソケット保持装置、及びロープ端末加工方法によれば、ロープの端末にソケットを固定する作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るソケット保持装置を示す側面図である。
【
図2】
図1のソケット保持装置を示す正面図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【
図5】
図1のベース部がパレッティーナの網状パネルに取り付けられているときのソケット保持装置を示す側面図である。
【
図6】
図5のソケット保持装置を示す正面図である。
【
図7】実施の形態1に係るロープ端末加工方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図7のロープ保持工程の後、バビット注入工程の前においてソケット及びロープがソケット保持装置に保持されている状態を示す側面図である。
【
図9】
図7の取り外し工程において保持機構部から取り外されるときのソケット及びロープのそれぞれの状態を示す側面図である。
【
図10】
図8のソケットとは異なる種類の別のソケットがソケット保持部に保持されている状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本開示の対象は、以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、又は実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るソケット保持装置を示す側面図である。
図2は、
図1のソケット保持装置を示す正面図である。ソケット保持装置1は、ベース部2と、1つ以上の保持機構部3とを有している。ベース部2は、ベース部本体21と、外れ防止具22とを有している。1つ以上の保持機構部3は、ベース部本体21に設けられている。本実施の形態では、
図2に示すように、4つの保持機構部3が1つのベース部本体21に設けられている。各保持機構部3は、ソケット保持部4と、ロープ保持部5とを有している。
【0011】
ベース部本体21は、
図1に示すように、固定部23と、フック部24と、受け部25とを有している。本実施の形態では、一枚の金属板が曲げられることにより固定部23、フック部24及び受け部25が形成されている。
【0012】
ベース部本体21には、基準方向Aが設定されている。基準方向Aは、各保持機構部3においてソケット保持部4に対するロープ保持部5の位置を設定する基準となる方向である。固定部23は、基準方向Aに沿って配置された板状部である。
【0013】
固定部23には、第1ベース面231及び第2ベース面232が基準方向Aに沿って形成されている。第1ベース面231及び第2ベース面232のそれぞれは、固定部23の厚さ方向に対して直交する面である。第1ベース面231及び第2ベース面232は、固定部23を挟んで互いに反対側を向いている。
【0014】
第2ベース面232には、フック部24及び受け部25が設けられている。基準方向Aにおける固定部23の一端部及び他端部のうち、一端部は第1端部23aとなっており、他端部は第2端部23bとなっている。フック部24は、固定部23の第1端部23aに設けられている。受け部25は、固定部23の第2端部23bに設けられている。これにより、受け部25は、フック部24から基準方向Aへ離れた位置に配置されている。
【0015】
フック部24は、突出部241と、返し部242とを有している。
【0016】
突出部241は、基準方向Aに交差する方向へ固定部23の第2ベース面232から突出している。本実施の形態では、基準方向Aと直交する板状部が突出部241となっている。
【0017】
返し部242は、固定部23から離れた位置において突出部241から受け部25側へ突出している。これにより、固定部23の第2ベース面232と返し部242との間には、挿入空間26が形成されている。本実施の形態では、固定部23の第2ベース面232と平行な板状部が返し部242となっている。
【0018】
受け部25は、基準方向Aに交差する方向へ固定部23の第2ベース面232から突出している。本実施の形態では、基準方向Aと直交する板状部が受け部25となっている。第2ベース面232から突出する受け部25の長さは、第2ベース面232から突出する突出部241の長さよりも短くなっている。
【0019】
外れ防止具22は、フック部24の返し部242に着脱可能になっている。本実施の形態では、蝶ねじが外れ防止具22として用いられている。返し部242には、ねじ穴が設けられている。外れ防止具22は、返し部242のねじ穴にねじ込まれることにより返し部242に取り付けられる。
【0020】
外れ防止具22が返し部242に取り付けられている状態では、返し部242のねじ穴に対する外れ防止具22のねじ込み量の調整により、基準方向Aに交差する方向へ外れ防止具22が返し部242に対して移動可能になっている。これにより、外れ防止具22が返し部242に取り付けられている状態では、返し部242のねじ穴に対する外れ防止具22のねじ込み量が増加することにより、外れ防止具22の一部が返し部242から挿入空間26内に突出する。
【0021】
各保持機構部3では、ソケット保持部4及びロープ保持部5が固定部23の第1ベース面231に設けられている。
【0022】
ロープ保持部5は、ソケット保持部4から基準方向Aへ離れた位置に配置されている。また、ロープ保持部5は、ソケット保持部4よりも固定部23の第2端部23bに近い位置に配置されている。これにより、ソケット保持部4の位置をロープ保持部5の位置よりも上方にしてベース部本体21が配置された状態では、フック部24が受け部25よりも上方に位置している。
【0023】
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面図である。
図3には、1つの保持機構部3におけるソケット保持部4が示されている。ソケット保持部4は、第1ベース面231に溶接などによって固定されている。ソケット保持部4には、貫通溝41が設けられている。貫通溝41は、基準方向Aに沿ってソケット保持部4を貫通する溝である。貫通溝41は、挿入孔部42と、スリット部43とを有している。
【0024】
挿入孔部42は、基準方向Aに沿ってソケット保持部4を貫通している。本実施の形態では、基準方向Aに直交する平面における挿入孔部42の断面形状が円形となっている。また、挿入孔部42の内径は、基準方向Aにおけるソケット保持部4のいずれの位置においても一定である。挿入孔部42は、ソケット保持部4の内周面によって形成されている。
【0025】
スリット部43は、基準方向Aに沿ってソケット保持部4を貫通している。また、スリット部43は、ソケット保持部4の外周面及びソケット保持部4の内周面のそれぞれに繋がっている。これにより、挿入孔部42は、基準方向Aにおけるソケット保持部4のいずれの位置においてもスリット部43を通してソケット保持部4の外部に開放されている。ソケット保持部4は、固定部23とは反対側にスリット部43を向けて配置されている。
【0026】
本実施の形態では、スリット部43の幅が挿入孔部42の内径よりも小さくなっている。また、本実施の形態では、基準方向Aに沿ってソケット保持部4を見たときのソケット保持部4の形状がC字状となっている。
【0027】
ロープ保持部5は、
図1に示すように、複数のねじ50によって固定部23の第1ベース面231に固定されている。ロープ保持部5は、基準方向Aに交差する方向へ第1ベース面231から突出している。ロープ保持部5が第1ベース面231から突出する方向は、ロープ保持部5の長手方向と一致している。本実施の形態では、ロープ保持部5の長手方向が第1ベース面231と直交している。
【0028】
図4は、
図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図4には、1つの保持機構部3におけるロープ保持部5が示されている。ロープ保持部5は、第1対向部51と、第2対向部52と、結合部53とを有している。本実施の形態では、一枚の金属板が曲げられることにより、第1対向部51、第2対向部52及び結合部53が形成されている。
【0029】
第1対向部51及び第2対向部52は、基準方向Aに直交する方向において互いに対向している。本実施の形態では、基準方向A及びロープ保持部5の長手方向のいずれにも直交する方向において第1対向部51及び第2対向部52が互いに対向している。
【0030】
第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれは、弾性変形可能な板状の弾性部となっている。第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれは、第1対向部51と第2対向部52との間の距離が変化する方向へ弾性変形可能になっている。
【0031】
第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれは、ロープ保持部5の長手方向において基端部501及び自由端部502を有している。第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれは、基端部501を第1ベース面231に向け、自由端部502を第1ベース面231とは反対側に向けた状態で配置されている。
【0032】
第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの自由端部502は、互いに離れた状態で対向している。これにより、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの自由端部502の間には、ロープ差し込み用開放部54が形成されている。ロープ保持部5は、固定部23とは反対側にロープ差し込み用開放部54を向けて配置されている。
【0033】
第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれには、基端側屈曲部503と、自由端側屈曲部504とが形成されている。基端側屈曲部503及び自由端側屈曲部504は、ロープ保持部5の長手方向において基端部501と自由端部502との間に位置している。また、基端側屈曲部503は、自由端側屈曲部504よりも基端部501に近い位置に位置している。
【0034】
第1対向部51の基端側屈曲部503と第2対向部52の基端側屈曲部503とは、ロープ保持部5の長手方向の同位置において互いに対向している。また、第1対向部51の自由端側屈曲部504と第2対向部52の自由端側屈曲部504とは、ロープ保持部5の長手方向の同位置において互いに対向している。
【0035】
互いに対向する2つの自由端側屈曲部504の間の距離は、互いに対向する2つの基端側屈曲部503の間の距離よりも小さくなっている。また、互いに対向する2つの自由端側屈曲部504の間の距離は、2つの自由端部502の間の距離よりも小さくなっている。互いに対向する2つの基端側屈曲部503の間の距離は、2つの自由端部502の間の距離よりも大きくなっている。2つの自由端部502の間の距離、互いに対向する2つの基端側屈曲部503の間の距離、及び、互いに対向する2つの自由端側屈曲部504の間の距離は、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの弾性変形に応じて変化する。
【0036】
結合部53は、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの基端部501を互いに結合する板状部である。結合部53には、ねじ50を通す複数のねじ通し穴が設けられている。
【0037】
固定部23には、ねじ50がねじ込まれる複数のねじ穴が設けられている。結合部53は、ねじ通し穴に通されたねじ50が固定部23のねじ穴にねじ込まれることにより固定部23に固定されている。
【0038】
ここで、例えばエレベータの改修を行う工事現場では、ロープの端末にソケットを固定する作業が必要になることがある。この場合、工事現場において用いられる複数の器具のうち、ベース部2を支持可能な器具をソケット保持装置1の設置対象物として用いることができる。設置対象物は、ソケット保持装置1が設置される対象となる器具である。設置対象物には、ベース部2が着脱可能なベース着脱部が含まれている。ロープの端末にソケットを固定する作業は、設置対象物のベース着脱部にベース部2が取り付けられた状態で行われる。
【0039】
本実施の形態では、パレッティーナと呼ばれる器具が設置対象物として用いられている。パレッティーナは、金属製の網状パネルによって構成された収納ボックスである。本実施の形態では、パレッティーナの網状パネルにベース部2が着脱可能になっている。即ち、本実施の形態では、パレッティーナの網状パネルがベース着脱部となっている。
【0040】
図5は、
図1のベース部2がパレッティーナの網状パネルに取り付けられているときのソケット保持装置1を示す側面図である。
図6は、
図5のソケット保持装置1を示す正面図である。パレッティーナ6の網状パネル61は、上下方向に沿って配置されている。上下方向における網状パネル61の寸法は、基準方向Aにおけるベース部2の寸法よりも大きくなっている。ベース部2は、網状パネル61に取り付けられることによりパレッティーナ6に支持される。
【0041】
ベース部2が網状パネル61に取り付けられている状態では、フック部24が網状パネル61の上端部に掛けられており、受け部25がフック部24の下方の位置において網状パネル61の側部を受けている。これにより、ベース部2が網状パネル61に取り付けられている状態では、固定部23の第1端部23aが固定部23の第2端部23bよりも上方に位置している。
【0042】
フック部24が網状パネル61の上端部に掛けられている状態では、網状パネル61の上端部が挿入空間26に挿入されている。また、フック部24が網状パネル61の上端部に掛けられている状態では、突出部241が網状パネル61の上端部に載っており、返し部242が水平方向において網状パネル61に重なっている。
【0043】
受け部25が網状パネル61の側部を受けている状態では、固定部23の第2端部23bと網状パネル61との間の距離が受け部25によって一定の距離に維持されている。従って、フック部24が網状パネル61の上端部に掛けられており、受け部25が網状パネル61の側部を受けている状態では、ベース部本体21の基準方向Aが鉛直方向と一致している。
【0044】
また、ベース部2が網状パネル61に取り付けられている状態では、返し部242に取り付けられた外れ防止具22が網状パネル61の網目に挿入可能になっている。外れ防止具22は、返し部242のねじ穴にねじ込まれて返し部242を貫通することにより、網状パネル61の網目に挿入される。
【0045】
外れ防止具22が網状パネル61の網目に挿入されている状態では、フック部24が網状パネル61に対して上方へ移動すると、外れ防止具22が網状パネル61に掛かる。これにより、網状パネル61の上端部が挿入空間26から外れることが防止され、ベース部本体21が網状パネル61から外れることが防止される。
【0046】
ベース部2が網状パネル61に取り付けられている状態では、各保持機構部3においてソケット保持部4がロープ保持部5よりも上方に位置している。ソケット保持部4には、ロープ11の端末に設けられたソケット10が保持される。ロープ保持部5には、ソケット10から出ているロープ11が保持される。従って、各保持機構部3は、ロープ11がソケット10から下方へ出ている状態でソケット10及びロープ11を保持する。
【0047】
ソケット10は、テーパ部101と、連結部102とを有している。連結部102は、テーパ部101と一体となっている。
【0048】
テーパ部101は、ソケット10の軸線と同軸に配置された筒状部である。
図5に示すように、ソケット10の軸線方向におけるテーパ部101の一端部及び他端部のうち、一端部はロープ側端部101aであり、他端部は連結側端部101bである。
【0049】
テーパ部101の連結側端部101bには、連結部102が設けられている。連結部102は、不図示の留め具に連結可能になっている。
【0050】
テーパ部101のロープ側端部101aに形成された開口部は、ロープ11が通されるロープ通し穴103となっている。ロープ11の端末にソケット10を固定する作業が行われるときには、ソケット10がロープ11の端末に仮接続された状態でソケット10及びロープ11が保持機構部3に保持される。
【0051】
ソケット10がロープ11の端末に仮接続されている状態では、ロープ11がロープ通し穴103に通されており、ロープ11の端末がテーパ部101内に挿入されている。また、ソケット10がロープ11の端末に仮接続されている状態では、ロープ11の端末における複数のストランドがテーパ部101内において折り返されている。ソケット10は、ロープ通し穴103を下方に向けてソケット保持部4に保持される。
【0052】
テーパ部101の外径及び内径は、連結側端部101bからロープ側端部101aに向かって連続的に小さくなっている。従って、テーパ部101の外径及び内径は、連結側端部101bにおいて最大となっており、ロープ側端部101aにおいて最小となっている。ソケット10におけるテーパ部101の最大の外径としては、16mm、18mmなどが挙げられる。
【0053】
ソケット保持部4に設けられた貫通溝41における挿入孔部42の内径は、テーパ部101の最小の外径よりも大きくなっており、かつテーパ部101の最大の外径よりも小さくなっている。これにより、挿入孔部42に挿入されたテーパ部101は、挿入孔部42を抜けることなく、テーパ部101の外周面をソケット保持部4に接触させた状態でソケット保持部4に保持される。
【0054】
スリット部43の幅は、ロープ11の外径以上となっている。これにより、ロープ11は、スリット部43を通過可能になっている。
【0055】
ロープ保持部5は、第1対向部51と第2対向部52との間に通されたロープ11を第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの弾性復元力によって保持する。ロープ11は、
図4に示すように、ロープ差し込み用開放部54から結合部53に向けて押し込まれることにより、第1対向部51と第2対向部52との間の空間に通される。このとき、ロープ11は、第1対向部51と第2対向部52との間を押し広げながら、自由端側屈曲部504の位置を超えて第1対向部51と第2対向部52との間の空間に移動する。ロープ11が第1対向部51と第2対向部52との間の空間に通されている状態では、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの弾性復元力がロープ11に加わっている。これにより、ロープ11がロープ保持部5に保持される。
【0056】
次に、ソケット保持装置1を用いてソケット10をロープ11の端末に固定するロープ端末加工方法について説明する。
図7は、実施の形態1に係るロープ端末加工方法を示すフローチャートである。ロープ端末加工方法は、ベース部取付工程S1と、ソケット保持工程S2と、ロープ保持工程S3と、バビット注入工程S4と、取り外し工程S5とを有している。作業者は、ベース部取付工程S1、ソケット保持工程S2、ロープ保持工程S3、バビット注入工程S4及び取り外し工程S5の順に各工程を実施することにより、ロープ11の端末にソケット10を固定する。
【0057】
<ベース部取付工程S1>
ベース部取付工程S1では、パレッティーナ6の網状パネル61にベース部2を取り付ける。このとき、ソケット保持部4がロープ保持部5よりも上方に位置している状態にする。
【0058】
ベース部取付工程S1では、網状パネル61の上端部を挿入空間26内に挿入しながら、フック部24を網状パネル61に掛ける。このとき、外れ防止具22が挿入空間26内に突出しないように外れ防止具22を返し部242に対して後退させておく。この後、受け部25を網状パネル61の側部に接触させることにより、受け部25が網状パネル61の側部を受けた状態にする。これにより、ベース部本体21は、基準方向Aが鉛直方向と一致した状態で網状パネル61に取り付けられる。このとき、ソケット保持部4の上面は、鉛直方向に直交して水平に配置される。
【0059】
ベース部取付工程S1では、ベース部本体21を網状パネル61に取り付けた後、外れ防止具22を返し部242のねじ穴にねじ込むことにより、挿入空間26内の網状パネル61の網目に外れ防止具22を挿入する。これにより、ベース部2が網状パネル61に取り付けられる。
【0060】
<ソケット保持工程S2>
ベース部取付工程S1の後、ソケット保持工程S2を実施する。ソケット保持工程S2では、ロープ11の端末にソケット10を予め仮接続しておく。ソケット保持工程S2では、ロープ11の端末に仮接続されたソケット10をソケット保持部4に保持する。このとき、ソケット10からロープ11が下方へ垂れ下がっている状態で、水平方向におけるソケット保持部4の外側からロープ11を貫通溝41に挿入する。ロープ11は、スリット部43を通して挿入孔部42に挿入する。この後、貫通溝41の挿入孔部42にソケット10を上方から挿入する。これにより、ソケット10におけるテーパ部101の外周面がソケット保持部4に接触し、ソケット10がソケット保持部4に保持される。ソケット10がソケット保持部4に保持された状態では、ソケット10の軸線方向を鉛直方向と一致させてソケット10が配置される。
【0061】
<ロープ保持工程S3>
ソケット保持工程S2の後、ロープ保持工程S3を実施する。ロープ保持工程S3では、水平方向におけるロープ保持部5の外側からロープ11を第1対向部51と第2対向部52との間に差し込むことにより、ロープ保持部5にロープ11を保持する。このとき、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれをロープ11によって弾性変形させながら、第1対向部51と第2対向部52との間にロープ11を押し込む。これにより、ロープ11は、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの弾性復元力によってロープ保持部5に保持される。ロープ11がロープ保持部5に保持された状態では、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれのガイドによって、第1対向部51と第2対向部52との間をロープ11が鉛直方向に沿って通される。
【0062】
図8は、
図7のロープ保持工程S3の後、バビット注入工程S4の前においてソケット10及びロープ11がソケット保持装置1に保持されている状態を示す側面図である。パレッティーナ6は、床面12に置かれている。床面12は、ソケット10から下方へ垂れ下がっているロープ11を受けている。これにより、ソケット10から床面12に達したロープ11は、床面12に沿った方向へ曲がっている。ベース部2が網状パネル61に取り付けられている状態では、床面12からベース部2までの高さは、床面12において曲がったロープ11の反力によってベース部2が鉛直方向に対して傾かない高さに確保されている。
【0063】
<バビット注入工程S4>
ロープ保持工程S3の後、バビット注入工程S4を実施する。バビット注入工程S4では、バビットメタルとしての溶融金属をソケット10に注入する。このとき、ソケット保持部4に保持されたソケット10に上方から溶融金属を流し込む。ソケット10には、ソケット10内のロープ11の端末が溶融金属に埋まるまで溶融金属を流し込む。この後、ソケット10に注入された溶融金属が冷却によって硬化することにより、ソケット10がロープ11の端末に固定される。
【0064】
<取り外し工程S5>
バビット注入工程S4の後、取り外し工程S5を実施する。取り外し工程S5では、ソケット10及びロープ11を保持機構部3から取り外す。このとき、ロープ11の端末に固定されたソケット10をソケット保持部4から取り外すとともに、ロープ11をロープ保持部5から取り外す。
【0065】
図9は、
図7の取り外し工程S5において保持機構部3から取り外されるときのソケット10及びロープ11のそれぞれの状態を示す側面図である。取り外し工程S5では、ソケット10を上方へ引き上げることにより、貫通溝41の挿入孔部42からソケット10を抜く。これにより、ソケット10がソケット保持部4から上方へ外れる。このとき、ソケット10に繋がったロープ11がソケット10に追従して貫通溝41の挿入孔部42内へ引き上げられる。
【0066】
この後、ソケット10及びロープ11を水平方向へ移動させることにより、貫通溝41からロープ11を外す。ロープ11は、スリット部43を通って挿入孔部42からソケット保持部4の外側へ外れる。
【0067】
ロープ保持部5の位置においても、ロープ11を水平方向へ移動させる。これにより、ロープ11が第1対向部51と第2対向部52との間からロープ保持部5の外側へ外れる。このとき、ロープ11は、第1対向部51と第2対向部52との間の空間から、第1対向部51と第2対向部52との間を押し広げながら、自由端側屈曲部504の位置を超えてロープ差し込み用開放部54へ出る。このようにして、ソケット10及びロープ11を保持機構部3から取り外す。
【0068】
また、取り外し工程S5では、ベース部2を網状パネル61から取り外す。ベース部2を網状パネル61から取り外すときには、まず外れ防止具22を返し部242に対して後退させることにより、網状パネル61の網目から外れ防止具22を外す。この後、ベース部2を上方へ持ち上げることによりベース部2を網状パネル61から外す。
【0069】
このようなソケット保持装置1では、ロープ保持部5がソケット保持部4から基準方向Aへ離れた位置に配置されている。ソケット保持部4は、ソケット10が貫通溝41に挿入された状態でソケット10を保持する。ロープ保持部5は、ロープ11が第1対向部51と第2対向部52との間に通された状態で第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれの弾性復元力によってロープ11を保持する。このため、ソケット10から出ているロープ11をロープ保持部5によって保持することができる。これにより、ソケット保持部4によって保持されたソケット10がロープ11から偏った力を受けることを抑制することができる。従って、ソケット保持部4によって保持されたソケット10が傾くことをより確実に抑制することができる。これにより、溶融金属をソケット10に注入するときに作業者がソケット10を押さえる必要がなくなり、ロープ11の端末にソケット10を固定する作業を容易にすることができる。また、ソケット10が傾かないようにソケット10を押さえておく作業者を減らすことができるため、作業者の数の低減化を図ることもできる。
【0070】
また、第1対向部51と第2対向部52との間にロープ11を差し込むだけで、ロープ11をロープ保持部5に保持することができる。これにより、ソケット10がソケット保持部4に保持されている状態でも、ロープ保持部5にロープ11を容易に保持することができる。従って、ロープ11の端末にソケット10を固定する作業をさらに容易にすることができる。
【0071】
さらに、貫通溝41にソケット10を挿入するだけで、ソケット10をソケット保持部4に保持することができる。このため、ソケット保持部4にソケット10を容易に保持することができる。また、サイズの異なる複数種類のソケット10のいずれであっても、共通のソケット保持部4によって保持することができる。
【0072】
図10は、
図8のソケット10とは異なる種類の別のソケット20がソケット保持部4に保持されている状態を示す側面図である。別のソケット20のサイズは、ソケット10のサイズよりも小さくなっている。別のソケット20におけるテーパ部101の最大の外径は、貫通溝41の挿入孔部42の内径よりも大きくなっている。別のソケット20におけるテーパ部101の最小の外径は、貫通溝41の挿入孔部42の内径よりも小さくなっている。別のソケット20におけるテーパ部101の最大の外径としては、例えば12mmが挙げられる。
【0073】
これにより、別のソケット20におけるテーパ部101は、挿入孔部42に挿入可能であるとともに挿入孔部42を抜けることはない。このように、ソケット10のサイズよりも小さいサイズの別のソケット20であっても、ソケット保持部4に保持することができる。
【0074】
また、ロープ11の径もソケット10のサイズに応じて異なる。しかし、径の異なる複数種類のロープ11のいずれであっても、第1対向部51と第2対向部52との間に差し込むことができるため、共通のロープ保持部5によって保持することができる。この場合、複数種類のロープ11のうち、最大の径を持つロープ11の径よりもスリット部43の幅が大きくされる。
【0075】
また、ベース部2は、パレッティーナ6の網状パネル61に着脱可能になっている。このため、床面12にベース部2を自立させてソケット10及びロープ11を保持する必要がなくなる。これにより、ベース部2を小型化することができ、ソケット保持装置1の小型化を図ることができる。従って、ソケット保持装置1の運搬作業を容易にすることができるとともに、作業スペースの省スペース化を図ることができる。
【0076】
また、固定部23の第2ベース面232には、フック部24と、受け部25とが設けられている。受け部25は、フック部24から基準方向Aへ離れた位置に配置されている。このため、網状パネル61の上端部にフック部24を掛けて、受け部25によって網状パネル61の側部を受けた状態にすることにより、ベース部2を網状パネル61に取り付けることができる。これにより、網状パネル61にベース部2を容易に取り付けることができる。さらに、受け部25によって網状パネル61の側部を受けることにより、ベース部本体21の基準方向Aを鉛直方向と容易に一致させることができる。これにより、ソケット保持部4に保持されたソケット10の軸線方向を鉛直方向と容易に一致させることができる。従って、ソケット10に注入された溶融金属の液面をソケット10の軸線に対して傾きにくくすることができ、ソケット10に溶融金属をより効果的に注入することができる。
【0077】
また、ベース部2は、フック部24に着脱可能な外れ防止具22を有している。このため、フック部24に取り付けられた外れ防止具22を網状パネル61の網目に挿入することにより、ベース部2が網状パネル61から外れることを防止することができる。
【0078】
また、このようなロープ端末加工方法では、ソケット保持工程S2において、ソケット10を貫通溝41に上方から挿入することによりソケット保持部4にソケット10を保持する。さらに、ロープ保持工程S3において、水平方向におけるロープ保持部5の外側からロープ11を第1対向部51と第2対向部52との間に差し込むことにより、ロープ保持部5にロープ11を保持する。このため、ソケット10をソケット保持部4に容易に保持することができるとともに、ロープ11をロープ保持部5に容易に保持することができる。また、ロープ11がロープ保持部5に保持されるため、ソケット保持部4に保持されたソケット10が傾くことをより確実に抑制することができる。これにより、バビット注入工程S4においてソケット10を押さえておく作業をなくすことができる。このようなことから、ロープ11の端末にソケット10を固定する作業を容易にすることができる。さらに、バビット注入工程S4においてソケット10を押さえておく作業者を減らすことができるため、作業者の数の低減化も図ることができる。
【0079】
また、ベース部取付工程S1では、ベース部2を網状パネル61に取り付ける。このため、床面12にベース部2を自立させてソケット10及びロープ11を保持する必要がなくなる。これにより、ベース部2を小型化することができ、ソケット保持装置1の小型化を図ることができる。従って、ソケット保持装置1の運搬作業を容易にすることができるとともに、作業スペースの省スペース化を図ることができる。さらに、網状パネル61にベース部2を取り付ける位置を調整することにより、床面12からソケット保持装置1までの高さを工事現場において決定することができる。これにより、ソケット10及びロープ11をソケット保持装置1に保持する作業をさらに容易にすることができる。
【0080】
なお、上記の実施の形態では、ベース部2が外れ防止具22を有している。しかし、ベース部本体21が網状パネル61から外れるおそれがない場合には、外れ防止具22はなくてもよい。このようにしても、ベース部2を網状パネル61に着脱可能にすることができる。
【0081】
また、上記の実施の形態では、ベース部本体21が固定部23と、フック部24と、受け部25とを有している。しかし、ベース部2の構成は、これに限定されない。例えば、網状パネル61に番線などによって締結可能な板状部材をベース部2としてもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態では、ベース部2が網状パネル61に着脱可能になっている。しかし、ベース部2の構成は、床面12に自立する構成であってもよい。例えば、床面12に自立する支持台をベース部2としてもよい。この場合、ベース部2の基準方向Aが鉛直方向と一致している状態で、ベース部2が床面12に設置される。また、この場合、ソケット保持部4がロープ保持部5よりも上方に位置している状態で、ベース部2が床面12に設置される。
【0083】
ベース部2の構成が床面12に自立する構成である場合、ロープ端末加工方法では、ベース部取付工程S1が実施されない。この場合、ベース部2が床面12に予め設置されることにより、ソケット保持工程S2の前に、ソケット保持部4がロープ保持部5よりも上方に位置している状態となる。また、この場合、ソケット保持工程S2では、ソケット保持部4がロープ保持部5よりも上方に位置している状態で、ソケット10を貫通溝41に上方から挿入することによりソケット保持部4にソケット10を保持する。
【0084】
また、上記の実施の形態では、パレッティーナ6が設置対象物として用いられており、パレッティーナ6の網状パネル61がベース着脱部となっている。しかし、設置対象物として用いられる器具は、ベース部2を支持可能な器具であればパレッティーナ6に限定されない。
【0085】
また、上記の実施の形態では、第1対向部51及び第2対向部52のそれぞれが弾性変形可能な弾性部となっている。しかし、第1対向部51及び第2対向部52のいずれか一方のみが弾性変形可能な弾性部となっていてもよい。即ち、第1対向部51及び第2対向部52の少なくとも一方が弾性変形可能な弾性部であればよい。このようにしても、ロープ保持部5は、弾性部による弾性復元力によってロープ11を保持することができる。
【0086】
以上、上記の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。実施の形態は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 ソケット保持装置、2 ベース部、3 保持機構部、4 ソケット保持部、5 ロープ保持部、6 パレッティーナ(設置対象物)、10,20 ソケット、11 ロープ、21 ベース部本体、22 外れ防止具、23 固定部、24 フック部、25 受け部、41 貫通溝、51 第1対向部51、52 第2対向部、61 網状パネル、231 第1ベース面、232 第2ベース面。
【要約】
【課題】ロープの端末にソケットを固定する作業を容易にすることができるソケット保持装置、及びロープ端末加工方法を提供する。
【解決手段】ソケット保持装置1において、ロープ保持部5は、ソケット保持部4から基準方向Aへ離れた位置に配置されている。ソケット保持部4には、基準方向Aに沿ってソケット保持部4を貫通する貫通溝41が設けられている。ロープ保持部5は、第1対向部51及び第2対向部52を有している。第1対向部51及び第2対向部52の少なくとも一方は、弾性変形可能な弾性部である。ソケット保持部4は、ソケットが貫通溝41に挿入された状態でソケットを保持する。ロープ保持部5は、ロープが第1対向部51と第2対向部52との間に通された状態でロープを弾性部の弾性復元力によって保持する。
【選択図】
図1