(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-25
(45)【発行日】2024-05-08
(54)【発明の名称】静電チャックアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240426BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20240426BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
(21)【出願番号】P 2023507496
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2022036288
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【氏名又は名称】高村 雅晴
(74)【代理人】
【識別番号】100209336
【氏名又は名称】長谷川 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100218800
【氏名又は名称】河内 亮
(72)【発明者】
【氏名】竹林 央史
(72)【発明者】
【氏名】和氣 隼也
(72)【発明者】
【氏名】小島 充
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-102436(JP,A)
【文献】特開2013-113018(JP,A)
【文献】特開2014-150104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャックとしての円盤状の電極内蔵セラミックプレートと、
前記電極内蔵セラミックプレートの底面を支持し、環状又は円弧状の内部空間を有する、円盤状の冷却プレートと、
前記内部空間に前記冷却プレートの中心軸に対して回転可能に収容される、環状又は円弧状の内部固定部材と、
前記内部固定部材に、互いに離間して設けられるnの倍数個(但しnは2以上の整数)の雌ネジ部と、
前記冷却プレートの底部に、1セットのn個の前記雌ネジ部が露出するように設けられる、チャンバ固定用のボルトが挿入されるためのn個の抜き穴と、
を備え、前記内部固定部材が所定角度又はその倍数の角度で回転された場合に別セットのn個の前記雌ネジ部が前記抜き穴に露出するように、前記雌ネジ部の各々が配置されている、静電チャックアセンブリ。
【請求項2】
前記nが、2~24である、請求項1に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項3】
前記雌ネジ部の総数が、nの2~5倍である、請求項1又は2に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項4】
前記nが12であり、かつ、前記雌ネジ部の総数が前記nの4倍(すなわち48)である、請求項1又は2に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項5】
前記内部固定部材の前記雌ネジ部の隣に識別記号が視認可能に付与されており、かつ、
前記n個の抜き穴のうち少なくとも1つが、前記識別
記号を外部から視認可能とする余剰開口部を有している、請求項1又は2に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項6】
前記余剰開口部を有する抜き穴が、円弧状の抜き穴である、請求項5に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項7】
前記余剰開口部を有する抜き穴が2つ存在している、請求項6に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項8】
前記余剰開口部を有する2つの抜き穴が対角状に配置されている、請求項7に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項9】
前記識別記号が、刻印により前記内部固定部材に視認可能に付与されている、請求項5に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項10】
前記抜き穴に同時に露出可能な1セットのn個の前記雌ネジ部に対して同じ識別記号が割り当てられており、他のセットのn個の前記雌ネジ部と異なる識別記号とされている、請求項5に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項11】
前記識別記号が数字であり、前記雌ネジ部が、1からm(但し、mは2以上の整数であり、前記雌ネジ部の総数を前記nで除した値である)までの連番で順に配置されるように、前記雌ネジ部の各々に対して前記数字が割り当てられている、請求項10に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項12】
前記内部固定部材が前記環状部材であり、前記円弧状の抜き穴が成す円弧の中心角θが、[(360/N)+θ
1]度以上(但し、Nは前記雌ネジ部の総数であり、θ
1は平面視した場合に前記冷却プレートの中心から前記雌ネジ部に引いた2本の接線が成す角度である)である、請求項
6に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項13】
前記内部固定部材が、360/n度以上の中心角を有する2個以上の円弧状部材を含み、前記円弧状部材の各々において、前記円弧状の抜き穴が成す円弧の中心角θが、[(360/n)/N’)+θ
1]度以上(但し、N’は前記円弧状部材における前記雌ネジ部の数であり、θ
1は平面視した場合に前記冷却プレートの中心から前記雌ネジ部に引いた2本の接線が成す角度である)である、請求項
6に記載の静電チャックアセンブリ。
【請求項14】
前記n個の前記雌ネジ部が互いに等間隔に離れて配置されている、請求項1又は2に記載の静電チャックアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造における回路形成は、プラズマエッチングにより一般的に行われている。プラズマエッチングは、プラズマエッチング装置内の真空チャンバに不活性ガスを導入してプラズマ化することにより行われる。プラズマエッチング装置内には、エッチングされるべきウェハが載置されるためのサセプタとして機能する、静電チャックアセンブリが設けられている。静電チャックアセンブリは、静電チャックとして機能する電極内蔵セラミックプレートと、電極内蔵セラミックプレートの底面を支持する冷却プレートとを備える。ウェハは電極内蔵セラミックプレートに静電吸着されることで、静電チャックアセンブリに固定された状態でプラズマエッチングが施される。一方、冷却プレートは、電極内蔵セラミックプレートの底面に設けられることで、プラズマエッチングによりウェハに発生する熱を奪うように構成される。静電チャックアセンブリの真空チャンバ内への組付け手法として、ボルトやネジによる締結が採用されている。
【0003】
特許文献1(特許第4590393号公報)には、複数の貫通孔を有するセラミックス基体と、各貫通孔に挿入され且つボルト穴を有する複数の円筒状金属ソケットと、円筒状金属ソケット及び貫通孔の間に設けられる第1ロウ材と、セラミックス基体の外周側壁に嵌めこまれた金属リングと、金属リング及びセラミックス基体の外周側壁の間に設けられる第2ロウ材とを備えた、基板保持体が開示されており、セラミックス基体の内部には被処理基板を静電チャックするための電極が設けられている。かかる構成によれば、ボルト止めによる破損を抑制できるとされている。
【0004】
特許文献2(特許第6080571号公報)には、内部に冷媒流路が形成され且つ裏面に電圧印加可能な給電部材が接続された基台と、被処理体が載置される載置面を有する載置部材と、基台に支持されるフォーカスリングと、 載置面と冷媒流路との間に介在する第1電熱部材と、フォーカスリングと冷媒流路との間に介在する第2電熱部材とを備えた、被処理体を載置する載置台が開示されている。この基台は、処理容器の底部に設置される支持台に支持される。具体的には、支持台の貫通孔と基台の貫通孔とが重なるように基台と支持台とを位置決めし、ネジを支持台の裏面側から挿通させてネジ止めすることで、基台と支持台とが連結され固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4590393号公報
【文献】特許第6080571号公報
【発明の概要】
【0006】
前述のように、静電チャックアセンブリの真空チャンバ内への組付け手法として、ボルトやネジによる締結が採用されている。
図7及び8に静電チャックアセンブリ110又は110’を真空チャンバ130に組み付けるための従来の構造を示す。
図7及び8に示される従来の静電チャックアセンブリ110又は110’は、いずれも、電極内蔵セラミックプレート112と、電極内蔵セラミックプレートの底面を支持する冷却プレート114と、雌ネジ部118を有する。
図7に示される雌ネジ部118は冷却プレート114に雌ネジ形状が直接切られている構造を有する。一方、
図8に示される雌ネジ部118’は、冷却プレート114内の穴に配置される(冷却プレート114とは別個の)独立パーツ119に雌ネジ形状が切られたもの(例えばナット)である。そして、真空チャンバ130の穴から挿入されたボルト122がOリング132を介して雌ネジ部118又は118’に螺合されることで、静電チャックアセンブリ110又は110’が真空チャンバ130に固定される。しかしながら、静電チャックアセンブリ110又は110’の真空チャンバ130への組付けや脱着に伴い雌ネジ部118又は118’が劣化し、組付けが不可能になるリスクがある。
【0007】
本発明者らは、今般、環状又は円弧状の内部空間を有する円盤状の冷却プレートと、この内部空間に回転可能に収容される環状又は円弧状の内部固定部材とを採用し、かつ、内部固定部材にnの倍数個の雌ネジ部を設けて冷却プレート裏面の抜き穴からn個の雌ネジ部を露出させる構成とすることで、n個の雌ネジ部の少なくとも1つが劣化した場合に、内部固定部材を回転させるだけで、別セットのn個の未劣化の雌ネジ部を抜き穴に露出させることができ、その結果、静電チャックアセンブリの耐用期間を倍数的に長くすることができるとの知見を得た。
【0008】
したがって、本発明の目的は、真空チャンバ内での使用における耐用期間を倍数的に長くすることが可能な静電チャックアセンブリを提供することにある。
【0009】
本発明によれば、以下の態様が提供される。
[態様1]
静電チャックとしての円盤状の電極内蔵セラミックプレートと、
前記電極内蔵セラミックプレートの底面を支持し、環状又は円弧状の内部空間を有する、円盤状の冷却プレートと、
前記内部空間に前記冷却プレートの中心軸に対して回転可能に収容される、環状又は円弧状の内部固定部材と、
前記内部固定部材に、互いに離間して設けられるnの倍数個(但しnは2以上の整数)の雌ネジ部と、
前記冷却プレートの底部に、1セットのn個の前記雌ネジ部が露出するように設けられる、チャンバ固定用のボルトが挿入されるためのn個の抜き穴と、
を備え、前記内部固定部材が所定角度又はその倍数の角度で回転された場合に別セットのn個の前記雌ネジ部が前記抜き穴に露出するように、前記雌ネジ部の各々が配置されている、静電チャックアセンブリ。
[態様2]
前記nが、2~24である、態様1に記載の静電チャックアセンブリ。
[態様3]
前記雌ネジ部の総数が、nの2~5倍である、態様1又は2に記載の静電チャックアセンブリ。
[態様4]
前記nが12であり、かつ、前記雌ネジ部の総数が前記nの4倍(すなわち48)である、態様1~3のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
[態様5]
前記内部固定部材の前記雌ネジ部の隣に識別記号が視認可能に付与されており、かつ、
前記n個の抜き穴のうち少なくとも1つが、前記識別記号を外部から視認可能とする余剰開口部を有している、態様1~4のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
[態様6]
前記余剰開口部を有する抜き穴が、円弧状の抜き穴である、態様5に記載の静電チャックアセンブリ。
[態様7]
前記余剰開口部を有する抜き穴の数が2つ存在している、態様6に記載の静電チャックアセンブリ。
[態様8]
前記余剰開口部を有する2つの抜き穴が対角状に配置されている、態様7に記載の静電チャックアセンブリ。
[態様9]
前記識別記号が、刻印により前記内部固定部材に視認可能に付与されている、態様5~8のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
[態様10]
前記抜き穴に同時に露出可能な1セットのn個の前記雌ネジ部に対して同じ識別記号が割り当てられており、他のセットのn個の前記雌ネジ部と異なる識別記号とされている、態様5~9のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
[態様11]
前記識別記号が数字であり、前記雌ネジ部が、1からm(但し、mは2以上の整数であり、前記雌ネジ部の総数を前記nで除した値である)までの連番で順に配置されるように、前記雌ネジ部の各々に対して前記数字が割り当てられている、態様10に記載の静電チャックアセンブリ。
[態様12]
前記内部固定部材が前記環状部材であり、前記円弧状の抜き穴が成す円弧の中心角θが、[(360/N)+θ1]度以上(但し、Nは前記雌ネジ部の総数であり、θ1は平面視した場合に前記冷却プレートの中心から前記雌ネジ部に引いた2本の接線が成す角度である)である、態様6~11のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
[態様13]
前記内部固定部材が、360/n度以上の中心角を有する2個以上の円弧状部材を含み、前記円弧状部材の各々において、前記円弧状の抜き穴が成す円弧の中心角θが、[(360/n)/N’)+θ1]度以上(但し、N’は前記円弧状部材における前記雌ネジ部の数であり、θ1は平面視した場合に前記冷却プレートの中心から前記雌ネジ部に引いた2本の接線が成す角度である)である、態様6~12のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
[態様14]
前記n個の前記雌ネジ部が互いに等間隔に離れて配置されている、態様1~13のいずれか一つに記載の静電チャックアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明による静電チャックアセンブリの一例の模式断面図である。
【
図1B】
図1Aに示される静電チャックアセンブリの断面斜視図である。
【
図2A】
図1Aに示される静電チャックアセンブリを冷却プレートの裏面から見た模式図である。
【
図2B】
図2Aに示される冷却プレートの裏面において抜き穴に2つの雌ネジ部が露出した状態を示した拡大図である。
【
図3A】本発明に用いられる内部固定部材の一例を示す底面図である。
【
図3B】
図3Aに示される内部固定部材の3B-3B線断面図である。
【
図3C】本発明に用いられる内部固定部材の他の一例を示す底面図である。
【
図3D】本発明に用いられる内部固定部材の他の一例を示す底面図である。
【
図3E】本発明に用いられる内部固定部材の他の一例を示す底面図である。
【
図4】本発明に用いられる電極内蔵セラミックプレートの製造工程を示す流れ図である。
【
図5】本発明に用いられる冷却プレートの製造工程を示す流れ図である。
【
図6】本発明による静電チャックアセンブリの製造工程及びその真空チャンバへの組付け工程を示す流れである。
【
図7】従来の静電チャックアセンブリの一例を模式的に示す断面図である。
【
図8】従来の静電チャックアセンブリの他の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
静電チャックアセンブリ
図1A及び1Bに本発明の一態様による静電チャックアセンブリ10の模式断面図を示す。静電チャックアセンブリ10は、電極内蔵セラミックプレート12と、円盤状の冷却プレート14と、環状又は円弧状の内部固定部材16と、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’と、抜き穴20とを備える。電極内蔵セラミックプレート12は、静電チャックとしての構成を有する円盤状のプレートである。冷却プレート14は、環状又は円弧状の内部空間14aを有する円盤状のプレートであり、電極内蔵セラミックプレート12の底面を支持する。内部固定部材16は、内部空間14aに冷却プレート14の中心軸に対して回転可能に収容される、環状又は円弧状の部材である。雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’は、内部固定部材16に、互いに離間して設けられる。雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の数はnの倍数個(但しnは2以上の整数)である。抜き穴20は、チャンバ固定用のボルト22が挿入されるための穴であり、
図2Aに示されるように、冷却プレート14の底部に、1セットのn個の雌ネジ部18が露出するように設けられる、したがって、抜き穴20の数はn個である。そして、内部固定部材16が所定角度又はその倍数の角度で回転された場合に別セットのn個の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’が抜き穴に露出するように、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の各々が配置されている。このように、環状又は円弧状の内部空間14aを有する円盤状の冷却プレート14と、この内部空間14aに回転可能に収容される環状又は円弧状の内部固定部材16とを採用し、かつ、内部固定部材16にnの倍数個の雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’を設けて冷却プレート14裏面の抜き穴20からn個の雌ネジ部18を露出させる構成とすることで、n個の雌ネジ部18の少なくとも1つが劣化した場合に、内部固定部材16を回転させるだけで、別セットのn個の未劣化の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’を抜き穴に露出させることができ、その結果、静電チャックアセンブリの耐用期間を倍数的に長くすることができる。
【0012】
すなわち、前述したように、静電チャックアセンブリ110又は110’の真空チャンバ130への組付けや脱着に伴い雌ネジ部118又は118’が劣化し、組付けが不可能になるリスクがあった。しかし、このような場合であっても、本発明による静電チャックアセンブリ10は、内部固定部材16を回転させるだけで、未劣化の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’を順次抜き穴20に露出させることができるので、そこにボルト22を螺合し直すことで、静電チャックアセンブリ10を廃棄することなく引き続き使用することができる。結果として、静電チャックアセンブリ10の耐用期間を倍数的に(すなわち[(雌ネジ部の総数)/n]倍、図示例では4倍)長くすることができる。
【0013】
静電チャックアセンブリ10の耐用期間を倍数的に長くすることができることは、プラズマエッチング装置の真空チャンバ内における以下の事情も踏まえると、極めて有利なことであるといえる。すなわち、
図7及び8に示される従来の構造において、静電チャックアセンブリ110又は110’の組付けのためのボルト122に付与するトルクは、冷却プレート114の裏面と真空チャンバ130との間のOリング132を、垂直方向上側(図中矢印A方向)へ大気圧が加わる環境下で、所定量潰すのに必要な軸力を確保する値であることが望まれる。この値は、固定するためのボルト122の呼び径や本数にもよるが、例えば2.4T系列の材質(例えば炭素鋼)でM6(外径6mm)のボルト12本の場合、1Nmもの高いトルクが付与されうる。また、静電チャックアセンブリ110又は110’の使用においては昇降温を繰り返すため、ネジ固定部には、ボルト122の固定時に発生する応力及び反力のみならず、昇降温に起因する熱応力も加えられる。このため、
図7及び8に示されるような従来の固定方法と相まって、ネジ山同士の干渉に伴う噛み込みや山潰れ発生(すなわち雌ネジ部118又は118’の劣化)が容易に想定される。特に、静電チャックアセンブリ110又は110’のサセプタとしての機能自体には使用を経ても問題が無いにもわらず、雌ネジ部118又は118’の劣化によってサセプタとしての耐用期間までも制限されかねないため、雌ネジ部118に関する部分の改善が急務である。このように、上述したような雌ネジ部118又は118’の劣化に伴う問題は、プラズマエッチング装置の真空チャンバ内での使用においてはとりわけ顕著であるといえるところ、本発明によればこれらの問題を首尾よく解決することができる。
【0014】
また、本発明の静電チャックアセンブリ10は、雌ネジ部118又は118’の劣化に伴う問題以外に以下の問題にも対処することができる点でも有利である。
【0015】
図7及び8に示される従来の構造において、ボルト122で固定している箇所は、ボルト122で固定していない箇所と比べて鉛直下方向に引っ張る力が強く、それ故、電極内蔵セラミックプレート112の表面112aに凹凸が生じやすいとの問題もある。この点、本発明によれば、ボルト122の固定によるクランプ荷重が環状又は円弧状の内部固定部材16で分散されるため、静電チャックアセンブリ10の組付けによる電極内蔵セラミックプレート112の表面112aの凹凸は従来よりも軽微となる。
【0016】
図8に示される従来の構造においては、ボルト122の固定時に独立パーツ119の回転を抑止する形状(例えば、ナットのような六角形、二面取り等)が必要となる。しかし、独立パーツ119が小さいと、この回転抑止形状の寸法も大きく確保することができず、回転抑止効果が不十分となる。その上、回転抑止形状が変形してしまうと、ボルト122による固定も不可能となる。この点、本発明によれば、内部固定部材16が環状又は円弧状であるため、内部固定部材16の側面が冷却プレート14内の環状又は円弧状の内部空間14aの内壁によって十分な長さにわたって規制されることで、ボルト122の固定に伴う回転を効果的に抑止できる。
【0017】
静電チャックアセンブリ10は、ウェハにプラズマを利用してCVDやエッチング等を行うためにウェハが載置される台として用いられるものであり、半導体デバイス製造用の真空チャンバ30(特にそのチャンバー下部パーツ)に固定されている。
【0018】
静電チャックアセンブリ10は、電極内蔵セラミックプレート12と、冷却プレート14とを備えている。冷却プレート14は、電極内蔵セラミックプレート12のウェハ載置面である表面12aとは反対側の裏面12bに接合層13を介して接着されうる。
【0019】
電極内蔵セラミックプレート12は、静電チャックとして一般的に用いられる構成のものであることができる。典型的な電極内蔵セラミックプレート12は、円盤状のセラミック基体12cと、セラミック基体12c内に互いに厚さ方向に離間して埋設される静電電極12d及びヒータ電極12eを備える。セラミック基体12c内において、静電電極12dが表面12a寄りに設けられる一方、ヒータ電極12eが裏面12b寄りに設けられる。セラミック基体12cを構成するセラミック材料の例としては、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0020】
静電電極12dは、導電層(例えば導電性のあるメッシュ又はプレート)であることができ、表面12aと平行に設けられている。静電電極12dの裏面は、真空チャンバ30、冷却プレート14及び接合層13を貫通し、セラミック基体12cに差し込まれた給電棒34に接続されている。静電電極12dには、給電棒34を介して直流電圧が印加されるようになっている。
【0021】
ヒータ電極12eは、導電性のあるコイル又は印刷パターンで作製され、平面視した場合に電極内蔵セラミックプレート12の全体にわたって一筆書きの要領で一端から他端まで繋がるように形成されている。ヒータ電極12eの一端と他端は、真空チャンバ30、冷却プレート14及び接合層13を貫通し、セラミック基体12cに差し込まれた図示しない一対の給電棒に接続されている。ヒータ電極12eには、この給電棒を介して電圧が印加されるようになっている。
【0022】
もっとも、セラミック基体12c内に埋設される電極は、静電電極12d及びヒータ電極12eに限定されず、他の種類の電極であってもよいし、埋設される電極の層数も2層に限らず、3層以上であってもよい。例えば、表面12aから裏面12bに向かって、ウェハ用静電電極、ウェハ用バイアス電極、フォーカスリング用静電電極、及びフォーカスリング用バイアス電極の4層の電極が順次互いに離間してセラミック基体12c内に埋設されていてもよい。
【0023】
冷却プレート14は、電極内蔵セラミックプレート12の底面を支持する円盤状のプレートであり、内部固定部材16を収容するための環状又は円弧状の内部空間14aを有する。この内部空間14aは、内部固定部材16が、冷却プレート14の中心軸に対して回転可能に収容できる構造に形成されている。冷却プレート14は、内部空間14aを有すること以外は、静電チャック用に一般的に用いられる構成の冷却プレートの構成であることができる。冷却プレート14は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属製であってもよいし、SiSiCTi(Si、SiC及びTiを含む複合材料)等の金属基複合材料(Metal Matrix Composite(MMC))製であってもよい。典型的な冷却プレート14は円盤状であり、内部に冷媒が循環可能な流路14bを備えている。流路14bは、真空チャンバ30を貫通する冷媒供給路及び冷媒排出路(図示せず)に接続されており、冷媒排出路から排出された冷媒は温度調整された後、再び冷媒供給路に戻される。冷却プレート14は、冷却プレート14の下方部分(真空チャンバ30に近い側の部分)が拡径方向に延出してフランジ部14cを構成している。
【0024】
冷却プレート14は、電極内蔵セラミックプレート12の裏面12bに接合層13を介して接着されることができる。接合層13は、ボンディングシートであってもよいし、アルミニウム合金層等の金属層であってもよい。特に、冷却プレート14がSiSiCTi等の金属基複合材料(MMC)で作製されている場合には、電極内蔵セラミックプレート12の裏面12bに冷却プレート14をTCB(Thermal Compression Bonding)により接合するのが好ましい。TCBとは、接合対象の2つの部材の間に金属接合材を挟み込み、金属接合材の固相線温度以下の温度に加熱した状態で2つの部材を加圧接合する公知の方法をいう。金属接合材の例としては、アルミニウム合金が挙げられる。
【0025】
内部固定部材16は、内部空間14aに冷却プレート14の中心軸に対して回転可能に収容される、環状又は円弧状の部材である。したがって、内部固定部材16は、内部空間14aに適合する形状に形成されている。内部固定部材16は
図2A、3A及び3Bに示されるように環状であってもよいし、
図3C~3Eに示されるように様々な中心角の円弧状部材16’、16’’又は16’’’であってもよい。
図3C、3D及び3Eに示される円弧状の内部固定部材16の中心角はそれぞれ約45°、約90°及び約135°である。内部固定部材16が円弧状に形成される場合、冷却プレート14の内部空間14aは、環状であってもよいし、円弧状であってもよい。冷却プレート14の内部空間14aが円弧状である場合、内部空間14a内で円弧状の内部固定部材16が中心軸に対して回転可能に収容される必要があるため、内部空間14aの円弧形状の中心角は、円弧状の内部固定部材16の中心角よりも大きくすることが望まれる。
【0026】
内部固定部材16は、雌ネジ部18を形成可能な材料で構成されていればよい。そのような材料の例としては、チタン、ステンレス鋼等の金属が挙げられる。
【0027】
雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’は、内部固定部材16に、互いに離間して設けられる。雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の総数は、nの倍数個(但しnは2以上の整数)である。この点、
図2A及び3Aに示される態様では、雌ネジ部18の個数、雌ネジ部18’の個数、雌ネジ部18’’の個数、及び雌ネジ部18’’’の個数がそれぞれ12、すなわちn=12であり、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の種別数が4であるため、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の総数は、n×4=12×4=48個となる。なお、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’は互いに同じ形状及びサイズの雌ネジ部であるのが望ましく、「18」、「18’」、「18’’」及び「18’’’」なる異なる符号は、互いに区別可能に説明をするための便宜上付されたものにすぎない。もっとも、
図2A及び3Aに示される雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の種別数及び総数は単なる例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
nの値は、2以上の整数であれば特に限定されないが、2~24であるのが好ましく、典型的には3~20、より典型的には5~15である。雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の総数は、nの2~5倍であるのが好ましい。最も好ましくは、
図2A及び3Aに示されるように、nの値が12であり、かつ、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の総数がnの4倍(すなわち48)である。n個の雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’は互いに等間隔に離れて配置されているのが好ましい。
【0029】
抜き穴20は、チャンバ固定用のボルト22が挿入されるための穴であって、冷却プレート14の底部に、1セットのn個の雌ネジ部18が露出するように、n個設けられる。抜き穴20は、後述する余剰開口部20aを有する場合を除いて、雌ネジ部18にボルト22を無理なく挿入できるように、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の外径よりも若干大きめのサイズに形成されるのが望ましい。
【0030】
内部固定部材16が所定角度又はその倍数の角度で回転された場合に別セットのn個の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’が抜き穴20に露出するように、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の各々が配置されている。別セットのn個の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’とは、既に抜き穴20に露出していた雌ネジ部(図示例では雌ネジ部18)とは別に、n個の抜き穴20に同時に露出可能な雌ネジ部のセット(図示例では、n個の雌ネジ部18’の組合せ、n個の雌ネジ部18’’の組合せ、又はn個の雌ネジ部18’’’の組合せ)を意味する。こうすることで、既に抜き穴20に露出していた雌ネジ部18が使用により劣化した際に、内部固定部材16を所定角度又はその倍数の角度で回転するだけで、未使用の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’のセットを抜き穴20に露出させて新たに使用することができる。すなわち、未使用の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’のセットにボルト22を螺合させることができる。その結果、静電チャックアセンブリ10の真空チャンバ内での使用における耐用期間を倍数的に長くすることができる。
【0031】
内部固定部材16の雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の隣に識別記号(図示例では1、2、3及び4)が視認可能に付与されており、かつ、n個の抜き穴20のうち少なくとも1つが、識別
記号を外部から視認可能とする余剰開口部20aを有しているのが好ましい。こうすることで、使用済のセットの雌ネジ部18と、未使用のセットの雌ネジ部18’、18’’又は18’’’とを余剰開口部20aから識別記号で見分けることができ、抜き穴20に次に露出させるべき未使用のセットの雌ネジ部18’、18’’又は18’’’を容易かつ適切に選択することができる。したがって、抜き穴20に同時に露出可能な1セットのn個の雌ネジ部18、18’、18’’又は18’’’に対して同じ識別記号が割り当てられており、他のセットのn個の雌ネジ部18、18’、18’’又は18’’’と異なる識別記号とされているのが好ましい。例えば、
図2A及び3Aに示されるように、識別記号が数字であり、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’が、1からm(但し、mは2以上の整数であり、雌ネジ部の総数をnで除した値である)までの連番で順に配置されるように、雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の各々に対して数字が割り当てられているのが好ましい。この場合、識別番号に従って順に、抜き穴20に露出すべき雌ネジ部を決定すればよい。識別記号は、刻印により内部固定部材16に視認可能に付与されているのが好ましい。刻印であれば長期間の使用を経ても識別記号が消えにくい点で有利である。
【0032】
余剰開口部20aを有する抜き穴20は、円弧状の抜き穴であるのが好ましい。また、余剰開口部20aを有する抜き穴20が2つ存在しているのが好ましく、これらの余剰開口部20aを有する2つの抜き穴20は対角状に配置されているのがより好ましい。
【0033】
内部固定部材16が環状部材である場合、
図2Bに示されるように、円弧状の抜き穴20(余剰開口部20aを有する抜き穴20)が成す円弧の中心角θが、[(360/N)+θ
1]度以上(但し、Nは雌ネジ部18、18’、18’’及び18’’’の総数であり、θ
1は平面視した場合に冷却プレート14の中心から雌ネジ部18、18’、18’’又は18’’’に引いた2本の接線が成す角度である)であるのが好ましい。この構成によれば、雌ネジ部18を使い終えてボルト22を外した後、雌ネジ部18に棒状物や指を入れて内部固定部材16を中心軸に対して回転させるだけで、
図2Bに示されるように円弧状の抜き穴20に次に使用すべき未使用の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’を容易に露出させることができる。すなわち、使用済みの雌ネジ部18のみならず未使用の雌ネジ部18’、18’’又は18’’’を同じ円弧状の抜き穴20に露出させることができる。特に、内部固定部材16は冷却プレート14の内部空間14a内に収容されており、内部固定部材16が外部に露出する部分が抜き穴20に対応する部分しか存在しないため、内部固定部材16を回転させるためには工夫を要することになるが、上記態様によれば容易に内部固定部材16を回転させることができる。
【0034】
同様の手法は、円弧状部材16’、16’’又は16’’’にも適用可能である。この場合、内部固定部材16は、360/n度以上の中心角を有する2個以上の円弧状部材16’、16’’及び/又は16’’’を含むものとする。そして、円弧状部材16’、16’’及び16’’’の各々において、円弧状の抜き穴20(余剰開口部20aを有する抜き穴20)が成す円弧の中心角θが、[(360/n)/N’)+θ1]度以上(但し、N’は円弧状部材16’、16’’又は16’’’における雌ネジ部の数であり、θ1は平面視した場合に冷却プレートの中心から雌ネジ部18、18’、18’’又は18’’’に引いた2本の接線が成す角度である)であるのが好ましい。
【0035】
製造方法
本発明の静電チャックアセンブリは、公知の方法に従って製造すればよく、その製造方法は特に限定されない。例えば、電極内蔵セラミックプレート12、冷却プレート14用のパーツ、及び内部固定部材16の各々を作製し、これらの部材をTCBにより接合することにより、静電チャックアセンブリ10を作製することができる。以下、各工程について、
図4~6を参照しながら説明する。
【0036】
(1)電極内蔵セラミックプレートの作製
まず、セラミック原料粉末、バインダー、分散媒等を含むスラリーを調製する。セラミック原料粉末の例としては、窒化アルミニウム粉末、炭化珪素粉末、窒化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末等が挙げられる。スラリーにフィルタリングを施し、硬化剤を添加して混合する。得られたスラリーを鋳型に注ぎ入れ、乾燥させる。乾燥して得られたグリーンシートに脱脂、仮焼及び加工を施して円盤状のグリーンシート42を得る。
図4では3枚のグリーンシート42が準備されているが、グリーンシート42の枚数はこれに限定されず、4枚以上のグリーンシート42を用いてもよい。ここでは、説明の便宜上、3枚のグリーンシート42を用いることを前提に説明を行うものとする。
【0037】
図4(a)に示されるように、2枚のグリーンシート42に電極12d又は12eを印刷しておく。そして、3枚のグリーンシート42を電極12d及び12eがグリーンシート42間に挟まれるように積層する。
図4(b)に示されるように、得られた積層体をホットプレスにより焼成する。
図4(c)に示されるように、焼成された積層体を機械加工して電極12d及び12eに接続可能な穴を形成する。こうして電極内蔵セラミックプレート12を得る。
【0038】
(2)冷却プレート用パーツの作製
図5(a)に示されるようにMMC原料粉末をプレス成形して圧粉体44を得た後、
図5(b)に示されるように圧粉体44をホットプレスにより焼成する。こうして3枚のMMC焼結体46を作製する。
図5(c)に示されるように、3枚のMMC焼結体46の各々を機械加工して、内部空間14a及び/又は流路14bを形成する。こうして冷却プレート用パーツ48a、48b及び48cを得る。なお、
図5では3つの冷却プレート用パーツ48a、48b及び48cが準備されているが、冷却プレート用パーツの個数はこれに限定されず、4個以上の冷却プレート用パーツを用いてもよい。
【0039】
(3)内部固定部材の作製
チタン製の材料を機械加工して、
図3A及び3Bに示されるような、雌ネジ部18、18’、18’’又は18’’’が等間隔に形成された環状の内部固定部材16を得る。
【0040】
(4)静電チャックアセンブリの組立て及び組付け
図6(a)に示されるように、電極内蔵セラミックプレート12と、3個の冷却プレート用パーツ48a、48b及び48cと、内部固定部材16とを、内部空間14aに内部固定部材16が収容されるように組み立てる。このとき、電極内蔵セラミックプレート12と冷却プレート用パーツ48との間、及び冷却プレート用パーツ48同士の間に、アルミニウム合金シート43を介在させる。
図6(b)に示されるように、TCBを実施することで、電極内蔵セラミックプレート12及び冷却プレート用パーツ48c、並びに冷却プレート用パーツ48a、48b及び48c同士を接合させる。
図6(c)に示されるように、得られた接合体に、追加工、端子接合、溶射、及びスリーブ接着等を施して、静電チャックアセンブリ10を得る。最後に、
図6(d)に示されるように、静電チャックアセンブリ10を真空チャンバ30にOリング32を介在させて配置し、真空チャンバ30(特にその支持板)の穴からボルト22を通し、抜き穴20に露出する雌ネジ部18に挿入して螺合させる。こうして、静電チャックアセンブリ10が真空チャンバ30に固定される。
【要約】
真空チャンバ内での使用における耐用期間を倍数的に長くすることが可能な静電チャックアセンブリが提供される。この静電チャックアセンブリは、静電チャックとしての円盤状の電極内蔵セラミックプレートと、電極内蔵セラミックプレートの底面を支持し、環状又は円弧状の内部空間を有する、円盤状の冷却プレートと、内部空間に冷却プレートの中心軸に対して回転可能に収容される、環状又は円弧状の内部固定部材と、内部固定部材に、互いに離間して設けられるnの倍数個(但しnは2以上の整数)の雌ネジ部と、冷却プレートの底部に、1セットのn個の雌ネジ部が露出するように設けられる、チャンバ固定用のボルトが挿入されるためのn個の抜き穴とを備え、内部固定部材が所定角度又はその倍数の角度で回転された場合に別セットのn個の雌ネジ部が抜き穴に露出するように、雌ネジ部の各々が配置されている。