(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】ステンシル回避設計方法、ステンシル回避設計装置、電子デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 30/398 20200101AFI20240430BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20240430BHJP
G06F 119/18 20200101ALN20240430BHJP
【FI】
G06F30/398
H05K3/34 505D
G06F119:18
(21)【出願番号】P 2022567149
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2021097211
(87)【国際公開番号】W WO2022057313
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202010974513.8
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514234230
【氏名又は名称】上海望友信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲パン▼
(72)【発明者】
【氏名】李 杜娟
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ ▲勝▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲継▼▲碩▼
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-228999(JP,A)
【文献】特開2004-334302(JP,A)
【文献】特開2012-150214(JP,A)
【文献】特表2019-532377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0089413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/30 -30/398
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンシル回避設計方法であって、
プロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより、
所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込むことと、
前記第一パターンと前記第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、
前記予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、
前記第一パターンを第二パターン
として取得し、前記第一ステンシル開ロパターンを第二ステンシル開口パターン
として取得することと、
前記第二パターンに基づいて第三パターンを得ることと、
前記第三パターンが前記第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、
前記第二ステンシル開口パターン
上の前記第三パターンと衝突が生じる部分を裁断して第三ステンシル開口パターンを取得することと、
前記第三ステンシル開口パターンが要求条件を満たしているか否かを更に確定させるために、
前記第三ステンシル開口パターン
の面積と孔壁面積との比率である第一面積比、
前記第三ステンシル開口パターンを含む第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第三ステンシル開口パターンの厚さとの比率である幅厚比、
前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との比率である第二面積比、
前記第三ステンシル開口パターンを含む前記第一最小矩形フレームの長辺と前記第二ステンシル開口パターンを含む第二最小矩形フレームの長辺との比率、及び、前記第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第二最小矩形フレームの幅の辺との比率である寸法
比に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得することと、
をそれぞれ実行することを特徴とするステンシル回避設計方法。
【請求項2】
前記第二パターンに基づいて第三パターンを得ることは、
前記予め設定された閾値範囲を満たしている前記第二パターンを予め設定された方向に沿って外向きに拡大又は内向きに縮小させて前記第三パターンを取得することを含み、
前記予め設定された方向とは、前記第二ステンシル開口パターンに向かう方向を意味することを特徴とする請求項1に記載のステンシル回避設計方法。
【請求項3】
前記第一パターンは、スルーホールパターン、ソルダレジストパターン、輪郭パターン、素子本体パターンのうちの少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1
又は請求項
2に記載のステンシル回避設計方法。
【請求項4】
ステンシル回避設計装置であって、
所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込むための取り込みモジュールと、
前記第一パターンと前記第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、前記予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、
前記第一パターンを第二パターン
として取得し、前記第一ステンシル開ロパターンを第二ステンシル開口パターン
として取得するための第一分析モジュールと、
前記第二パターンに基づいて、前記第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行うために用いられる第三パターンを取得するためのパターン処理モジュールと、
前記第三パターンが前記第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、前記第二ステンシル開口パターン
上の前記第三パターンと衝突が生じる部分を裁断して第三ステンシル開口パターンを取得するための第二分析モジュールと、
前記第三ステンシル開口パターンが要求条件を満たしているか否かを更に確定させるために、
前記第三ステンシル開口パターン
の面積と孔壁面積との比率である第一面積比、
前記第三ステンシル開口パターンを含む第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第三ステンシル開口パターンの厚さとの比率である幅厚比、
前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との比率である第二面積比、
前記第三ステンシル開口パターンを含む前記第一最小矩形フレームの長辺と前記第二ステンシル開口パターンを含む第二最小矩形フレームの長辺との比率、及び、前記第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第二最小矩形フレームの幅の辺との比率である寸法比に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得するための検出モジュールと、
を含むことを特徴とするステンシル回避設計装置。
【請求項5】
プロセッサ、通信インターフェース、メモリ及び通信バスを含み、
プロセッサ、通信インターフェース、メモリは、通信バスによって相互間の通信を完成させ、
メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載のステンシル回避設計方法を実現させるために用いられることを特徴とする電子デバイス。
【請求項6】
コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載のステンシル回避設計方法を実現させることを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント回路基板の技術分野に属し、具体的には、ステンシル回避設計方法、ステンシル回避設計装置、電子デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業における電子製品の発展に伴い、スマート工場という理念が製造業全体に入り込みつつある。迅速で効率が高い方法は製造に革命的な変化をもたらすことが予想される。電子製品に対する要求が高まるにつれて、電子製品の機能はスマート化しつつある。電子製品であるPCB回路基板(Printed Circuit Board、プリント回路基板)もますます複雑になっており、電子製品PCB回路基板の素子もますます多くなってきている。そのため、PCB回路基板の印刷プロセス及び印刷の質に対する要求も高まっている。特に、SMT(Surface Mounted Technology、表面実装技術)生産においてプロセス補助材料であるステンシルは、開口の品質の良悪がPCB回路基板における印刷の質に直結してしまうことになる。
【0003】
統計によると、SMTプロセスにおいて、印刷が原因で引き起こされたSMT欠陥は60%を超えている。そのうち、ステンシルの設計不良のみによるもの、すなわち、ステンシル開口設計における不合理によって引き起こされた欠陥の割合は35%以上に上る。したがって、ステンシルの設計はSMTの品質、生産効率に極めて重要な作用を発揮することになる。
ステンシル設計においては、プロセスが異なり、求められる場面が異なるため、実際の状況に基づいて要求に適合するステンシル開口を設計する必要がある。実際には、ステンシル開口が設計されたとき、ステンシルの開口とPCB基板におけるスルーホール、ソルダレジストパターン、Profile(PCB基板の輪郭)、素子本体(Body)等とが一定の距離を保っていなければならない。このとき、SMTプロセスが要求する距離の範囲に達するように、ステンシル開口に対して回避処理を行う必要がある。現在、電子製造業では作業者が肉眼で調査することがほとんどである。その際、手動で当該箇所を特定し、回避処理を行う開口を選択するが、これでは回避処理を行う必要があるステンシル開口を極めて容易に遺漏してしまい、後の使用においてエラーレートが高くなってしまう。また、この方法では多くの時間を浪費してしまう。
したがって、作業者が手動で回避を行う従来の方法では主に以下の問題が生じることになる。(1)どの位置の開口に回避が必要か否かを作業者が探し出す必要があるため、長時間を要する。(2)作業者が手動で回避させる方法では、回避後のステンシル開口データの全てがSMTプロセスの要求を満たしていることを保証することができないため、カバー率が低くなる。(3)作業者が手動で回避させる方法では、回避の際にデータの遺漏問題が生じないことを保証することができないため、容易に遺漏する。
以上の問題が生じると、はんだブリッジ、はんだ不足、はんだ漏れ等の状況が生じやすくなる、及び、はんだ漏れが原因のノンウェッティング問題が引き起こされる等、ステンシル開口設計の性能に影響を及ぼし、PCB回路基板における印刷の質に影響してしまう。
【0004】
そのため、ステンシル回避を効果的に実現することができる方法を設計することは、早急に解決を要する課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
従来技術が有する上述の課題を解決するために、本発明は、ステンシル回避設計方法、ステンシル回避設計装置、電子デバイス及び記憶媒体を提供する。
本発明が解決しようとする技術課題は、以下の技術手段によって実現される。
【0006】
本発明は、ステンシル回避設計方法であって、プロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより、所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込むことと、前記第一パターンと前記第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、前記予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、前記第一パターンを第二パターンとして取得し、前記第一ステンシル開ロパターンを第二ステンシル開口パターンとして取得することと、前記第二パターンに基づいて第三パターンを得ることと、前記第三パターンが前記第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、前記第二ステンシル開口パターン上の前記第三パターンと衝突が生じる部分を裁断して第三ステンシル開口パターンを取得することと、前記第三ステンシル開口パターンが要求条件を満たしているか否かを更に確定させるために、前記第三ステンシル開口パターンの面積と孔壁面積との比率である第一面積比、前記第三ステンシル開口パターンを含む第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第三ステンシル開口パターンの厚さとの比率である幅厚比、前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との比率である第二面積比、前記第三ステンシル開口パターンを含む前記第一最小矩形フレームの長辺と前記第二ステンシル開口パターンを含む第二最小矩形フレームの長辺との比率、及び、前記第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第二最小矩形フレームの幅の辺との比率である寸法比に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得することと、をそれぞれ実行すること、を含んでいる。
【0007】
本発明の一実施例において、前記第二パターンに基づいて第三パターンを得ることは、前記予め設定された閾値範囲を満たしている前記第二パターンを予め設定された方向に沿って外向きに拡大又は内向きに縮小させて第三パターンを取得することを含み、前記予め設定された方向とは、前記第二ステンシル開口パターンに向かう方向を意味する。
【0008】
本発明の一実施例において、前記第二ステンシル開口パターンを裁断して第三ステンシル開口パターンを取得することは、前記第二ステンシル開口パターンの衝突部分を裁断して前記第三ステンシル開口パターンを取得することを含んでいる。
【0009】
本発明の一実施例において、前記第一面積比とは、前記第三ステンシル開口パターンの面積と孔壁面積との比率を意味し、前記第二面積比とは、前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との比率を意味する。
【0010】
本発明の一実施例において、前記第三ステンシル開口パターンにおける第一面積比、幅厚比、第二面積比、前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との関係に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得することとは、以下のステップ1.51~ステップ1.54を含んでいる。
【0011】
ステップ1.51において、前記第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を満たしているか否かを判断する。前記第一条件とは、前記第一面積比が第一閾値よりも大きく、かつ、前記幅厚比が第二閾値よりも大きいこと、前記第二条件とは、前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との比率が第三閾値よりも小さいこと、前記第三条件とは、前記第二面積比が第四閾値よりも大きく、前記寸法比が第五閾値よりも大きいことをそれぞれ意味する。
【0012】
ステップ1.52において、前記第一条件、前記第二条件及び前記第三条件を同時に満たすことができない場合には、予め設定された方法に従って前記第三ステンシル開口パターンに処理を行うことによって、パターン処理された第三ステンシル開口パターンを取り込む。
【0013】
ステップ1.53において、前記パターン処理された第三ステンシル開口パターンに対してステップ1.51及びステップ1.52を繰り返し行う。前記第三ステンシル開口パターンにおけるパターン処理の総回数Nが予め設定された回数閾値よりも小さいか等しく、かつ、N回のパターン処理を経た第三ステンシル開口パターンが前記第一条件、前記第二条件及び前記第三条件を同時に満たしている場合には、最終的なステンシル開口パターンを取得する。前記第三ステンシル開口パターンにおけるパターン処理の総回数Nが前記予め設定された回数閾値と等しく、かつ、N回のパターン処理を経た第三ステンシル開口パターンが前記第一条件、前記第二条件及び前記第三条件を同時に満たすことができない場合には、第四ステンシル開口パターンを取得する。
【0014】
ステップ1.54において、修正を経た前記第四ステンシル開口パターンを取り込むことによって、最終的なステンシル開口パターンを取り込む。
【0015】
本発明の一実施例において、前記予め設定された方法は、寸法を調整する方法、位置を調整する方法、形状を調整する方法のうちの少なくとも1つを含んでいる。
【0016】
本発明の一実施例において、予め設定された方法に従って前記第三ステンシル開口パターンに処理を行うことによって、パターン処理された第三ステンシル開口パターンを取り込むことは、予め設定された順序に基づき、前記予め設定された方法に従って前記第三ステンシル開口パターンに処理を行うことによって、前記パターン処理された第三ステンシル開口パターンを取り込むことを含み、前記予め設定された順序では、前記寸法を調整する方法の優先度が前記位置を調整する方法の優先度よりも高く、前記位置を調整する方法の優先度が前記形状を調整する方法の優先度よりも高くなっている。
【0017】
本発明の一実施例において、前記第一パターンは、スルーホールパターン、ソルダレジストパターン、輪郭パターン、素子本体パターンのうちの少なくとも1種類を含んでいる。
【0018】
本発明の一実施例においては、ステンシル回避設計装置を更に提供し、所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込むための取り込みモジュールと、前記第一パターンと前記第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、前記予め設定された距離が前記予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、前記第一パターンを第二パターンとして取得し、前記第一ステンシル開ロパターンを第二ステンシル開口パターンとして取得するための第一分析モジュールと、前記第二パターンに基づいて、前記第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行うために用いられる第三パターンを取り込むためのパターン処理モジュールと、前記第三パターンが前記第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、前記第二ステンシル開口パターン上の前記第三パターンと衝突が生じる部分を裁断して第三ステンシル開口パターンを取得するための第二分析モジュールと、前記第三ステンシル開口パターンが要求条件を満たしているか否かを更に確定させるために、前記第三ステンシル開口パターンの面積と孔壁面積との比率である第一面積比、前記第三ステンシル開口パターンを含む第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第三ステンシル開口パターンの厚さとの比率である幅厚比、前記第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する前記第二ステンシル開口パターンの面積との比率である第二面積比、前記第三ステンシル開口パターンを含む前記第一最小矩形フレームの長辺と前記第二ステンシル開口パターンを含む第二最小矩形フレームの長辺との比率、及び、前記第一最小矩形フレームの幅の辺と前記第二最小矩形フレームの幅の辺との比率である寸法比に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得するための検出モジュールと、を含んでいる。
【0019】
本発明における一実施例は、電子デバイスを更に提供し、プロセッサ、通信インターフェース、メモリ及び通信バスを含んでいる。
プロセッサ、通信インターフェース、メモリは、通信バスによって相互間の通信を完成させ、メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するとき、上述のうちのいずれか1つの実施例に記載のステンシル回避設計方法を実現させるために用いられる。
【0020】
本発明における一実施例は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されるとき、上述のうちのいずれか1つの実施例に記載のステンシル回避設計方法を実現させる。
【0021】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0022】
本発明の方法は、PCBにおいてステンシル開口と一定距離を保つ必要がある全ての要素と、全てのステンシル開口との間の予め設定された距離を判断することによって、一部の要素との間において回避処理を行わなければならない可能性があるステンシル開口を取得する。その後、衝突処理を経て裁断されたステンシル開口を取得し、最後に、当該ステンシル開口における第一面積比、幅厚比、第二面積比、寸法比及び当該ステンシル開口の面積と裁断前のステンシル開口の面積との関係に基づいて、最終的なステンシル開口パターンを取得する。
この方法によれば、ステンシル回避設計の効率、精度、カバー率及び包括性を高めることができる。人為的介入を減らして、回避されるステンシル開口に手作業による見間違い又は遺漏があることにより回避がされない又は回避不足になるという問題、回避後のステンシル開口がプロセス要求等を満たしていないために修正が繰り返されるという問題が発生することを避けることができる。
従来、作業者が肉眼で調査する場合と比べると、本発明の方法は、人的要求及び作業方法に対して相当大きな優位性がある。自動化が手作業に代替されることは、現在、各業界の傾向となっており、本発明はまさにこの傾向の発展に応えるものでもある。したがって、ステンシル開口設計の時間を大幅に短縮し、ステンシル設計の質を高めることで、PCB基板における印刷の質を高めることができる。
【0023】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明について更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は本発明の実施例が提供するステンシル回避設計方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明の実施例が提供する別のステンシル回避設計方法のフローチャートである。
【
図3a】
図3aは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3b】
図3bは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3c】
図3cは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3d】
図3dは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3e】
図3eは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3f】
図3fは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3g】
図3gは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図3h】
図3hは本発明の実施例が提供するスルーホールに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4a】
図4aは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4b】
図4bは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4c】
図4cは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4d】
図4dは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4e】
図4eは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4f】
図4fは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4g】
図4gは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図4h】
図4hは本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5a】
図5aは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5b】
図5bは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5c】
図5cは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5d】
図5dは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5e】
図5eは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5f】
図5fは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5g】
図5gは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図5h】
図5hは本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6a】
図6aは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6b】
図6bは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6c】
図6cは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6d】
図6dは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6e】
図6eは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6f】
図6fは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6g】
図6gは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図6h】
図6hは本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例が提供するステンシル回避設計装置の構造模式図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例が提供する電子デバイスの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、具体的な実施例を参照しながら本発明について更に詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
【0026】
実施例1
図1及び
図2を参照して本実施例の技術手段を理解されたい。本実施例はステンシル回避設計方法を提供し、具体的には、以下のステップ1.1~ステップ1.5を含むことができる。
【0027】
ステップ1.1において、所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込む。
【0028】
ステップ1.2において、第一パターンと第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合は、予め設定された閾値範囲を満たしている第二パターン及び第二ステンシル開口パターンを取得する。
【0029】
ステップ1.3において、第二パターンに基づいて第三パターンを得る。
【0030】
ステップ1.4において、第三パターンが第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合は、第二ステンシル開口パターンを裁断して第三ステンシル開口パターンを取得する。
【0031】
ステップ1.5において、第三ステンシル開口パターンにおける第一面積比、幅厚比、第二面積比、寸法比、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との関係に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得する。
【0032】
本実施例においては、まず、第一パターン及び第一ステンシル開口パターンを取り込む。当該第一パターンは、PCB基板においてステンシル開口と衝突が生じる可能性がある任意のパターンであり、第一ステンシル開口パターンとは、ステンシル上のステンシル開口パターンを意味している。その後、各第一パターンと各第一ステンシル開口パターンとの間の最短距離(すなわち、予め設定された距離)が予め設定された閾値範囲を満たしているか否かを判断する。当該予め設定された閾値範囲とは、第一ステンシル開口パターンが第一パターンに対する回避処理を行わなければならない範囲を意味している。そのため、予め設定された距離が予め設定された閾値範囲を満たしていない場合には、当該第一ステンシル開口パターンは、いかなる第一パターンも回避する必要がないということを示しており、当該第一ステンシル開口パターンを直接、最終的なステンシル開口パターンとすることができる。
予め設定された距離が予め設定された閾値範囲を満たしている場合には、当該第一ステンシル開口パターンに対して回避処理を行う必要があるということを示しており、予め設定された閾値範囲を満たしている第一パターンを第二パターンとし、第一ステンシル開口パターンを第二ステンシル開口パターンとする。予め設定された閾値範囲は、例えば、0から0.2mmまでである。すなわち、0<予め設定された距離<0.2mmであるとき、予め設定された距離は予め設定された閾値範囲を満たしている。第二パターンが確定された後、第二パターンに対して処理を行い第三パターンを取得し、当該第三パターンと、当該第三パターンとの間の距離が予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンとに対して、衝突処理を行う必要がある。
衝突が生じる場合には、衝突が生じている第二ステンシル開口パターンに対して裁断処理を行い、第三ステンシル開口パターンを取得する必要がある。第二ステンシル開口パターンを裁断した後に取得する第三ステンシル開口パターンが最終的なステンシル開口の要求を満たしているとは限らないため、当該第三ステンシル開口パターンが条件を満たしているか否かを更に確定させるために、第三ステンシル開口パターンにおける第一面積比、幅厚比、第二面積比、寸法比、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との関係を通じて当該第三ステンシル開口パターンに調整が必要か否かを確定させることができ、それによって最終的なステンシル開口パターンを取得する。
第一面積比とは、第三ステンシル開口パターンの面積と孔壁面積との比率を意味しており、第二面積比とは、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との比率を意味している。第三ステンシル開口パターンの面積とは、ステンシル開口の面積を意味しており、孔壁面積とは、当該第三ステンシル開口パターンの孔壁の総面積を意味しており、第三ステンシル開口パターンに対応する第二ステンシル開口パターンとは、第三ステンシル開口パターンが裁断される前の第二ステンシル開口パターンのことを意味している。そして、第三ステンシル開口パターンに基づいて当該第三ステンシル開口パターンを含むことができる第一最小矩形フレームを取り、第二ステンシル開口パターンに基づいて当該第二ステンシル開口パターンを含むことができる第二最小矩形フレームを取る。幅厚比とは、第一最小矩形フレームの幅の辺と当該第三ステンシル開口パターンの厚さとの比率を意味している。寸法比とは、第一最小矩形フレームの長辺と第二最小矩形フレームの長辺との比率、第一最小矩形フレームの幅の辺と第二最小矩形フレームの幅の辺の比を意味しており、幅の辺とは、矩形フレームにおいて長さが長辺よりも短い短辺を意味している。
【0033】
第一面積比=第三ステンシル開口パターンの面積/孔壁面積である。
【0034】
幅厚比=W1/D1であり、W1は第一最小矩形フレームの幅の辺であり、D1は第三ステンシル開口パターンの厚さである。
【0035】
第二面積比=第三ステンシル開口パターンの面積/第二ステンシル開口パターンの面積を意味しており、当該第三ステンシル開口パターンの面積とは、当該第二ステンシル開口パターンが対応して裁断された後のパターンの面積を意味している。
【0036】
寸法比=W1/W2、L1/L2であり、W1及びL1はそれぞれ第一最小矩形フレームの幅の辺及び長辺であり、W2及びL2はそれぞれ第二最小矩形フレームの幅の辺及び長辺である。
【0037】
一実施例において、第一パターンは、スルーホールパターン、ソルダレジストパターン、輪郭パターン、素子本体パターンのうちの少なくとも1種類を含んでいる。
【0038】
PCB設計データを読み取って予め処理を行うことで、PCB基板のスルーホールデータ(ビアホール)、ソルダレジストデータ(ソルダレジスト層)、Profile(PCB基板の輪郭)データ、素子本体(Body)データ、素子座標データ、素子実装データ等のPCB基板のパターンデータを取り込む。
まず、素子実装データに基づいてはんだペースト層データを生成し、次に、はんだペースト層データを通じて、異なる素子の種類に対して相応のステンシル開口パターン(Stencil Aperture)を製作(設計)する。これらのステンシル開口パターンが、第一ステンシル開口パターンである。つまり、回避のために必要である完成されたステンシル開口パターンデータを取得する。また、回避されるステンシル開口データGerberファイル(*.gbr)を相応に選択し、当該ファイルデータをインポートしてステンシル開口層を抽出することで、第一ステンシル開口パターンを取得することもできる。
【0039】
本実施例のステップ1.2をより明確に説明するために、第一パターンがスルーホールである場合を例として、説明を行う(
図3参照)。
全てのスルーホールがスルーホールA
1からスルーホールA
5を含み、全ての第一ステンシル開口パターンが第一ステンシル開口パターンB
1から第一ステンシル開口パターンB
8を含む場合には、スルーホールA
1からスルーホールA
5と第一ステンシル開口パターンB
1から第一ステンシル開口パターンB
8との二者間の予め設定された距離を計算する。
図3bに示すように、d1はスルーホールA
1と第一ステンシル開口パターンB
1との間の距離の測定値を示しており、d1=0.07mmである。d2はスルーホールA
2と第一ステンシル開口パターンB
3との間の距離の測定値を示しており、d2=0.12mmである。d3はスルーホールA
3と第一ステンシル開口パターンB
5との間の距離の測定値を示しており、d3=0.18mmである。d4はスルーホールA
4と第一ステンシル開口パターンB
7との間の距離の測定値を示しており、d4=0.3mmである。d5はスルーホールA
5と第一ステンシル開口パターンB
8との間の距離の測定値を示しており、d5=0.33mmである。
スルーホールと第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離をAB距離とし、0<AB距離<0.2mmである場合には、当該スルーホールと第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離は予め設定された閾値範囲を満たしていることを表している。d1=0.07mm,d2=0.12mm,d3=0.18mmであることから、スルーホールA
1、スルーホールA
2、スルーホールA
3と第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
5とが予め設定された閾値範囲を満たしているパターンになる。
図3cに示すように、この場合は、スルーホールA
1、スルーホールA
2、スルーホールA
3及び第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
3及び第一ステンシル開口パターンB
5をそれぞれスルーホールA1
1、スルーホールA1
2、スルーホールA1
3及び第一ステンシル開口パターンB1
1、第一ステンシル開口パターンB1
3及び第一ステンシル開口パターンB1
5と記載している。
【0040】
具体的な一実施形態において、ステップ1.3は、予め設定された閾値範囲を満たしている第二パターンを予め設定された方向に沿って外向きに拡大又は内向きに縮小させて第三パターンを取得することを含むことができる。予め設定された方向とは、第二ステンシル開口パターンに向かう方向を意味している。
【0041】
具体的には、本実施例において第二パターンが確定された後、第二パターンを、当該第二パターンとの間の距離が予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンに向けて、外向きに拡大させる処理又は内向きに縮小させる処理を行う必要があり、外向きに拡大又は内向きに縮小させた第二パターンを第三パターンとする。例えば、第二パターンがスルーホールパターン、ソルダレジストパターン又は素子本体パターンであるときには、外向きに拡大させる方法で処理を行い、第二パターンが輪郭パターンであるときには、内向きに縮小させる方法で処理を行う。第二パターンがスルーホールであるときには、
図3cに示すように、スルーホールA
1、スルーホールA
2、スルーホールA
3は外向きに拡大させる処理を行う必要がある。すなわち、スルーホールの元の半径に基づいて設定距離を加えることによって、外向きに拡大したスルーホールA1
1、スルーホールA1
2、スルーホールA1
3を取得する。設定距離が0.2mmであり、外向きに拡大させていないスルーホールの半径が0.1mmである場合には、外向きに拡大させた後の半径は0.3mmになる。
【0042】
設定距離とは、予め設定された閾値範囲内における任意の数値を意味している。
【0043】
具体的な一実施形態において、ステップ1.4は、第三パターンが第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合は、第二ステンシル開口パターンの衝突部分を裁断して第三ステンシル開口パターンを取得することを含むことができる。
【0044】
具体的には、第三パターンと第二ステンシル開口パターンとに対して衝突処理を行う。第三パターンと第二ステンシル開口パターンとの間に衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターン上の第三パターンと衝突が生じる部分を裁断する必要があり、裁断後の第二ステンシル開口パターンを第三ステンシル開口パターンとする。例えば、
図3dにおいては、第一ステンシル開口パターンB2
1、第一ステンシル開口パターンB2
3、第一ステンシル開口パターンB2
5はそれぞれ第一ステンシル開口パターンB1
1、第一ステンシル開口パターンB1
3及び第一ステンシル開口パターンB1
5を裁断した後のパターンである。
図3dにおける第一ステンシル開口パターンB2
1、第一ステンシル開口パターンB2
3及び第一ステンシル開口パターンB2
5のノッチ部分は、裁断部分である。
【0045】
具体的な一実施形態において、ステップ1.5は、以下のステップ1.51~ステップ1.54を含むことができる。
【0046】
ステップ1.51において、第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を満たしているか否かを判断する。第一条件とは、第一面積比が第一閾値よりも大きく、幅厚比が第二閾値よりも大きいことを意味しており、第二条件とは、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との比率が第三閾値よりも小さいことを意味しており、第三条件とは、前記第二面積比が第四閾値よりも大きく、寸法比が第五閾値よりも大きいことをそれぞれ意味している。
【0047】
ステップ1.52において、同時に満たすことができない場合には、予め設定された方法に従って第三ステンシル開口パターンに対して処理を行うことによって、パターン処理された第三ステンシル開口パターンを取り込む。
【0048】
本実施例においては、第一条件、第二条件及び第三条件を基準として、第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を同時に満たしている場合は、当該第三ステンシル開口パターンとPCB内のパターンとがいずれも距離の要求を満たしていることを示しており、回避処理を改めて行う必要がなく、最初に設計された第一ステンシル開口パターンの代わりに、当該第三ステンシル開口パターンを最終的なステンシル開口パターンとして用いる。第一条件、第二条件及び第三条件のうちのいずれか1つを満たすことができない場合は、当該第三ステンシル開口パターンとPCB内のパターンとは距離の要求を満たすことができないことを示しており、回避処理を改めて行う必要がある。例えば、第三ステンシル開口パターンの大きさ、形状又は位置を調整する等、予め設定された方法に従って第三ステンシル開口パターンを調整することができる。
第一閾値は、例えば、0.66、第二閾値は1.5、第三閾値は20%、第四閾値は50%、第五閾値は50%にする。例えば、第一ステンシル開口パターンB21、第一ステンシル開口パターンB23、第一ステンシル開口パターンB25については、第一ステンシル開口パターンB21、第一ステンシル開口パターンB23、第一ステンシル開口パターンB25における第一面積比が>0.66、幅厚比が>1.5、第二面積比が>50%、寸法比が>50%になり、かつ、第三ステンシル開口パターンの面積/第二ステンシル開口パターンの面積が<20%になる。
【0049】
更に、予め設定された方法は、寸法を調整する方法、位置を調整する方法、形状を調整する方法のうちの少なくとも1つを含んでいる。第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を満たすことができない場合には、寸法を調整する方法及び/又は位置を調整する方法及び/又は及び/又は形状を調整する方法によって、当該第三ステンシル開口パターンを調整することができる。寸法を調整する方法は縮小する方法によって行うことができ、例えば、第三ステンシル開口パターン全体を0.05倍縮小する。位置を調整する方法は第三ステンシル開口パターンを回避する必要があるパターンから離間させる方法によって行うことができ、形状を調整する方法は第三ステンシル開口パターンの幅の辺又は長辺を調整する方法によって行うことができる。
【0050】
具体的な一実施例において、予め設定された方法に従って第三ステンシル開口パターンに処理を行うことによって、パターン処理された第三ステンシル開口パターンを取り込むことは、予め設定された順序に基づき、予め設定された方法に従って第三ステンシル開口パターンに処理を行うことにより、パターン処理された第三ステンシル開口パターンを取り込むことを含んでいる。予め設定された順序では、寸法を調整する方法の優先度が位置を調整する方法の優先度よりも高く、位置を調整する方法の優先度が形状を調整する方法の優先度よりも高くなっている。
【0051】
具体的には、実際に使用する際、寸法を調整する方法のみに従って調整すること、位置を調整する方法のみに従って調整すること、形状を調整する方法のみに従って調整すること、及び、同時に2種類の調整方法又は3種類の調整方法を選択して調整を行うことができる。処理効率を高めるために、調整方法を選択するときは、予め設定された順序に従って調整方法を選択することができる。すなわち、1種類の調整方法が用いられるときは、寸法を調整する方法の優先度が位置を調整する方法の優先度よりも高くするとともに、位置を調整する方法の優先度が形状を調整する方法の優先度よりも高くなる。
2種類の調整方法が用いられるときは、まず寸法を調整する方法を行う。次に位置を調整する方法を行うことの優先度に関し、まず位置を調整する方法を行い、次に形状を調整する方法を行うことの優先度よりも高くする。
3種類の調整方法が用いられるときは、寸法を調整する方法が優先して用いられ、次に位置を調整する方法が用いられ、次に形状を調整する方法が用いられる。
【0052】
例えば、
図3dの第三ステンシル開口パターンB2
3、第三ステンシル開口パターンB2
5がいずれも第一条件、第二条件及び第三条件を満たしている場合には、本来は回避の要求を満たしていなかった第一ステンシル開口パターンB3、第一ステンシル開口パターンB5の代わりに、条件を満たしている第三ステンシル開口パターンB2
3、第三ステンシル開口パターンB2
5を用い、第三ステンシル開口パターンB2
3、第三ステンシル開口パターンB2
5を
図3eのB12
3、B12
5に示すような新たなステンシル開口とする。
【0053】
図3dの第三ステンシル開口パターンB2
1において、開口とスルーホールとの距離が近すぎるためにノッチが大きくなってしまい、幅厚比の要求を満たしていない場合には、条件を満たしていない第三ステンシル開口パターンB2
1に対してパターン修正処理を行う。
まず、第三ステンシル開口パターンB2
1の寸法を修正し(例えば、0.05倍縮小する)、次に、第三ステンシル開口パターンB2
1の位置を修正し(例えば、パターンを0.001mm移動させる等、スルーホールA1
1から離れる方向に特定距離移動させる)、次に、第三ステンシル開口パターンB2
1の形状を修正する(例えば、長さ、幅等のいずれかの辺の寸法を微調整し、微調整する寸法と微調整前の寸法との比率が0.5%~10%の閾値範囲内であればよい)ことによって、
図3fのような新たなステンシル開口B3
1が生じる。当該ステンシル開口B3
1は、第三ステンシル開口パターンB2
1をスルーホールから離れる方向に特定距離移動させることで第三ステンシル開口パターンB2
1の位置を修正し、増加した第三ステンシル開口パターンB2
1の幅部分の寸法が微調整前の寸法の0.5%~10%の閾値範囲内を満たすように操作して幅厚比を高めるという方法によって実現したものである。
【0054】
ステップ1.53において、パターン処理された第三ステンシル開口パターンに対してステップ1.51及びステップ1.52を繰り返し行う。
第三ステンシル開口パターンにおけるパターン処理の総回数Nが予め設定された回数閾値よりも小さいか等しく、かつ、N回のパターン処理を経た第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を同時に満たしている場合には、最終的なステンシル開口パターンを取得する。第三ステンシル開口パターンにおけるパターン処理の総回数Nが予め設定された回数閾値と等しく、かつ、N回のパターン処理を経た第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を同時に満たすことができないときは、第四ステンシル開口パターンを取得する。
【0055】
具体的には、パターン処理された第三ステンシル開口パターンに対して、ステップ1.51からステップ1.52の方法に従って、ステップ1.51からステップ1.52が重複して実行される。重複して実行される過程において、実行回数が予め設定された回数閾値よりも小さいか等しく、かつ、パターン処理を経た第三ステンシル開口パターンが第一条件、第二条件及び第三条件を同時に満たすことができる場合には、初期のステンシル開口パターンの代わりに、数回のパターン処理を経た第三ステンシル開口パターンを最終的なステンシル開口パターンとして用いる。
実行回数が予め設定した回数閾値以下である場合は、上述の調整方法では要求を満たすステンシル開口パターンを取得することができないことを示しており、当該要求を満たすことができないステンシル開口パターンを第四ステンシル開口パターンとする。例えば、
図3gにおいて、ステンシル開口パターンBi
1はi回のパターン処理を経たステンシル開口パターンである。予め設定された回数閾値は、例えば、20回である。
図3hに示したものは、i回のパターン処理を経て取得した最終的なステンシル開口パターンである。
【0056】
ステップ1.54として、修正を経た第四ステンシル開口パターンを取り込むことによって、最終的なステンシル開口パターンを取得する。
【0057】
具体的には、要求を満たしていない第四ステンシル開口パターンを一つずつカウントし、報告形式で回避検査ウィンドウに戻し、相応の座標位置を表示して、手動で調査及び修正を行わせる。手動での修正を経て設計要求に適合する第四ステンシル開口パターンを取得することによって、設計要求に適合する最終的なステンシル開口パターンを取得することができる。
【0058】
本実施例において第一パターンを第三パターンに修正することは、ステンシル開口パターンに対して回避処理を行う必要があるか否かを判断するために行うにすぎず、本発明の方法を用いて最終的なステンシル開口パターンが確定された後は、PCB基板におけるスルーホール、ソルダレジストパターン、輪郭、素子本体にはいかなる変更が行われず、元の設計が維持されることとなる。
【0059】
本発明の方法は、PCBにおいてステンシル開口と一定距離を保つ必要がある全ての要素と、全てのステンシル開口との間の予め設定された距離を判断することによって、一部の要素との間において回避処理を行わなければならない可能性があるステンシル開口を取得する。その後、衝突処理を経て裁断されたステンシル開口を取得し、最後に、当該ステンシル開口における第一面積比、幅厚比、第二面積比、寸法比及び当該ステンシル開口の面積と裁断前のステンシル開口の面積との関係に基づいて、当該ステンシル開口にパターン処理を行う必要があるか否か判断する。その後、本発明の方法に従って、パターン処理を経たステンシル開口が要求を満たしているか否かを更に判断し、最終的なステンシル開口パターンを取得するに至る。
この方法によれば、ステンシル開口回避設計の効率、精度、カバー率及び包括性を高めることができる。これにより、人為的介入を減らして、回避されるステンシル開口に手動による見間違い又は遺漏があることにより回避がされない又は回避不足になるという問題、及び回避後のステンシル開口がプロセス要求等を満たしていないために修正が繰り返されるという問題を避けることができる。
従来、作業員が肉眼で調査していた場合と比べると、本発明の方法は、人的要求及び作業方法に対して相当大きな優位性がある。自動化が人力に代替されることは、現在、各業界の傾向となっており、本発明はまさにこの傾向の発展に応えるものでもあり、ステンシル開口設計の時間を大幅に短縮し、ステンシル設計の質を高めることで、PCB基板における印刷の質を高めることができる。
【0060】
実施例2
図4a~
図4hは、本発明の実施例が提供する輪郭に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
図4a~
図4hを参照すると、本発明は上述の実施例に基づき、第一パターンがPCB基板の輪郭(Profile)であるときを例として、本発明が提供する輪郭及びステンシル回避設計方法を用いて輪郭及びステンシル開口に対して回避を行う具体的なプロセスを説明する。当該プロセスは、具体的に、以下のステップ2.1~ステップ2.12を含んでいる。
【0061】
ステップ2.1において、PCB設計データを読み取って予め処理を行うことで、PCB基板のスルーホールデータ(ビアホール)、ソルダレジストパターンデータ(ソルダレジスト層)、Profile(PCB基板の輪郭)データ、素子本体(Body)データ、素子座標データ、素子実装データ等のPCB基板のパターンデータを取り込む。まず、素子実装データに基づいてはんだペースト層データを生成し、次に、はんだペースト層データを通じて、異なる素子の種類に対して相応のステンシル開口パターンを製作(設計)する。つまり、回避のための完成されたステンシル開口パターンデータを取得する。
回避処理を行う必要があるPCB基板の輪郭(Profile)、4つの第一ステンシル開口パターン(第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
4を含む)を
図4aに示す。
【0062】
ステップ2.2において、
図4bに示すように、輪郭の各アウトラインは、それぞれ第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
4との二者間ごとの予め設定された距離を判断し、予め設定された閾値範囲、すなわち、0<AB距離<0.2mmであること(ここでは、AB距離は輪郭の各アウトラインと第一ステンシル開口パターンの辺との最短距離のことを指す)を満たしているか否かを判断する。
【0063】
ステップ2.3において、予め設定された閾値範囲を満たしている場合には、すなわち、0<AB距離<0.2mmを満たしている場合には、予め設定された閾値範囲を満たしている第一ステンシル開口パターンを第二ステンシル開口パターンとし、アウトラインは変更されない。
図4bに示すように、d1は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
1との間の距離の測定値を示しており、d1=0.07mmである。d2は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
2との間の距離の測定値を示しており、d2=0.13mmである。d3は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
3との間の距離の測定値を示しており、d3=0.18mmである。d4は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
4との間の距離の測定値を示しており、d4=0.4mmである。d5は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
1との間の距離の測定値を示しており、d5=0.21mmである。d6は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
2との間の距離の測定値を示しており、d6=0.38mmである。d7は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
3との間の距離の測定値を示しており、d7=0.3mmである。d8は輪郭と第一ステンシル開口パターンB
4との間の距離の測定値を示しており、d8=0.36mmである。
したがって、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
1左辺との間の予め設定された距離(すなわち、d1)、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
2右辺との間の予め設定された距離(すなわち、d2)、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
3右辺との間の予め設定された距離(すなわち、d3)がいずれも予め設定された距離を満たしている場合には、
図4cに示すように、第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2及び第一ステンシル開口パターンB
3をそれぞれ第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2及び第二ステンシル開口パターンB1
3とする。
【0064】
ステップ2.4において、予め設定された閾値範囲を満たしていない場合には、予め設定された閾値範囲を満たしていないステンシル開口の対応する辺は変更されずに維持される。
図4bに示すように、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
4の左辺及び下辺、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
1の上辺、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
2の下辺、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
3の上辺、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
4、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
1の上辺、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
2の下辺、輪郭と第一ステンシル開口パターンB
3の上辺のいずれも距離の要求を満たしていないため、第一ステンシル開口パターンB
4、第一ステンシル開口パターンB
1の上辺、第一ステンシル開口パターンB
2の下辺、第一ステンシル開口パターンB
3の上辺の開口は変更されずに維持される。
【0065】
ステップ2.5において、ステップ2.3の予め設定された閾値範囲を満たしている輪郭部分に対して、予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンに向けて、内向きに縮小させる処理を行う必要があり(ここでの内向きに縮小させるとは、内向きにインデントさせることを意味している。ここで、内向きに縮小することは、別の状況において外向きに拡大することを示す意味と同じであり、いずれも予め設定された閾値範囲の第二ステンシル開口パターンに向けて近接させることである。ここで内向きに縮小させることを用いる理由は、輪郭とステンシル開口とに包括関係があるためであり、別の状況において互いに独立し、包括関係が存在しなければ、外向きに拡大させることを用いる。)、特定距離(例えば、0.2mm)に至るまで移動させる。予め設定された閾値範囲を満たしている輪郭部分とは、輪郭において、第二ステンシル開口パターンとにおいて予め設定された閾値範囲を満たしている辺の一部分のみを意味しており、当該部分の辺の長さは他のステンシル開口パターンと衝突が生じないことを満たしていることが必要である。
図4cにおける第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2及び第二ステンシル開口パターンB1
3内の黒の縦線は、移動した後のパターンである。移動後のパターンは、第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2及び第二ステンシル開口パターンB1
3とそれぞれ衝突処理が行われる。
【0066】
ステップ2.6において、衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターンの衝突が生じている部分に対して裁断処理を行い、第三ステンシル開口パターンとする。
図4c及び4dに示すように、第二ステンシル開口パターンB1
1の左辺部分に対して裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
1を取得し、第二ステンシル開口パターンB1
2の右辺部分に裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
2を取得し、第二ステンシル開口パターンB1
3の右辺部分に裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
3を取得する。
【0067】
ステップ2.7において、第三ステンシル開口パターンB21、第三ステンシル開口パターンB22、第三ステンシル開口パターンB23に対して、第三ステンシル開口パターンB21、第三ステンシル開口パターンB22、第三ステンシル開口パターンB23が、第一面積比>0.66であること、幅厚比>1.5であること、第二面積比>50%であること、寸法比>50%であること、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との比率が20%よりも小さいことをいずれも満たしているか否かをそれぞれ判断する。
【0068】
ステップ2.8において、ステップ2.7の条件がいずれも満たされている場合には、条件を満たしている第三ステンシル開口パターンが修正前の第一ステンシル開口パターンに入れ替わる。
図4eに示すように、第三ステンシル開口パターンB2
2、第三ステンシル開口パターンB2
3がいずれもステップ2.7の条件を満たしているため、第一ステンシル開口パターンB
2の代わりに、第三ステンシル開口パターンB2
2を新たなステンシル開口B12
2として用い、第一ステンシル開口パターンB
3の代わりに、第三ステンシル開口パターンB2
3を新たなステンシル開口B12
3として用いる。
【0069】
ステップ2.9において、ステップ2.7のうち1つでも条件を満たしていない場合には、条件を満たしていないと見なす。例えば、
図4eの第三ステンシル開口パターンB2
1において、開口と輪郭との距離が近すぎるためにノッチが大きくなってしまい、幅厚比の要求を満たしていないため、条件を満たしていない第三ステンシル開口パターンに対してパターン修正処理を行う必要がある。例えば、まず、第三ステンシル開口パターンの寸法を修正し(例えば、0.05倍縮小する)、次に、第三ステンシル開口パターンの位置を修正し(例えば、0.001mm移動させる等、輪郭から離間する方向に特定距離移動させる)、次に、第三ステンシル開口パターンの形状を修正する(例えば、長さ、幅等のいずれかの辺の寸法を微調整し、微調整する寸法と微調整前の寸法との比率が0.5%~10%の閾値範囲内であればよい)ことによって、新たなステンシル開口パターンが作成される。
図4fのステンシル開口B3
1は、第三ステンシル開口パターンB2
1を輪郭から離れる方向に特定距離移動させることで第三ステンシル開口パターンB2
1の位置を修正し、増加させた開口の幅部分の寸法が微調整前の寸法の0.5%~10%の閾値範囲内を満たすように操作して幅厚比を高めるという方法によって実現したものである。
【0070】
ステップ2.10において、ステップ2.9を経てパターン処理された全てのステンシル開口パターンに対して、ステップ2.7を繰り返し、条件を満たしていないものが依然としてある場合には、ステップ2.9の繰り返しを継続する。
図4gのステンシル開口パターンBi
1のように、新たなステンシル開口パターンBi(ここでのiは、i=2から、i<20である)が生じるまで、ステップ2.7からステップ2.9が繰り返され、i=20となれば、繰り返しが終了する。
【0071】
ステップ2.11において、ステップ2.7の条件がいずれも満たされている場合には、ステンシル開口B
1の代わりに、Bi(例えば、
図4hのステンシル開口パターンB1i
1)を用いる。
【0072】
ステップ2.12において、i回の繰り返しを経てi=20に達しても依然としてステップ2.7の条件を満たしていないステンシル開口パターンBiを一つずつカウントし、報告形式で回避検査ウィンドウに戻し、相応の座標位置を表示して、手動で調査及び修正を行わせる。
【0073】
実施例3
図5a~
図5hは、本発明の実施例が提供するソルダレジストパターンに係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
図5a~
図5hを参照して、上述の実施例に基づき、第一パターンがソルダレジストである場合を例として、本発明が提供するソルダレジストパターン及びステンシル回避設計方法を用いてソルダレジスト及びステンシル開口に対して回避を行う具体的なプロセスを説明する。
当該プロセスは、具体的に、以下のステップ3.1~ステップ3.12を含んでいる。
【0074】
ステップ3.1において、PCB設計データを読み取って予め処理を行うことで、PCB基板のスルーホールデータ(ビアホール)、ソルダレジストデータ(ソルダレジスト層)、Profile(PCB基板の輪郭)データ、素子本体(Body)データ、素子座標データ、素子実装データ等のPCB基板のパターンデータを取り込む。まず、素子実装データに基づいてはんだペースト層データを生成し、次に、はんだペースト層データを通じて、異なる素子の種類に対して相応のステンシル開口パターンを製作(設計)する。
図5aに示すように、回避処理を行う必要があるのは5つのソルダレジスト(ソルダレジストS
1、ソルダレジストS
2、ソルダレジストS
3、ソルダレジストS
4、ソルダレジストS
5を含む)及び5つの第一ステンシル開口パターン(第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
4、第一ステンシル開口パターンB
5を含む)である。
【0075】
ステップ3.2において、
図5bに示すように、ソルダレジストS
1、ソルダレジストS
2、ソルダレジストS
3、ソルダレジストS
4、ソルダレジストS
5と、第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
4、第一ステンシル開口パターンB
5との二者間ごとの予め設定された距離を判断し、予め設定された閾値範囲、すなわち、0<AB距離<0.2mmであること(ここでは、AB距離はソルダレジストと第一ステンシル開口パターンとの最短距離のことを指す)を満たしているか否かを判断する。
【0076】
ステップ3.3において、予め設定された閾値範囲を満たしている場合、すなわち、0<AB距離<0.2mmである場合には、予め設定された閾値範囲を満たしている第一ステンシル開口パターンを第二ステンシル開口パターンとする。
図5bに示すように、d1はソルダレジストS
1と第一ステンシル開口パターンB
1との間の距離の測定値を示しており、d1=0.07mmである。d2はソルダレジストS
2と第一ステンシル開口パターンB
2との間の距離の測定値を示しており、d2=0.13mmである。d3はソルダレジストS
3と第一ステンシル開口パターンB
3との間の距離の測定値を示しており、d3=0.18mmである。d4はソルダレジストS
4と第一ステンシル開口パターンB
4との間の距離の測定値を示しており、d4=0.35mmである。d5はソルダレジストS
5と第一ステンシル開口パターンB
5との間の距離の測定値を示しており、d5=0.38mmである。
予め設定された閾値範囲を満たしている第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3を、
図5cの第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2、第二ステンシル開口パターンB1
3とすることができる。
【0077】
ステップ3.4において、予め設定された閾値範囲を満たしていない場合には、第一ステンシル開口パターンは変更されずに維持される。例えば、
図5bのソルダレジストS
4と第一ステンシル開口パターンB
4との間の予め設定された距離と、ソルダレジストS
5と第一ステンシル開口パターンB
5との間の予め設定された距離がいずれも要求を満たしていないため、第一ステンシル開口パターンB
4及び第一ステンシル開口パターンB
5の開口は変更されずに維持される。
【0078】
ステップ3.5において、ステップ3.2の予め設定された閾値範囲を満たしているソルダレジストに対して、予め設定された閾値範囲を満たしている部分を予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンに向ける方向に沿って外向きに特定距離(例えば、0.2mm)を拡大する。ここで、外向きに拡大させるとは、ソルダレジストの予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンに近接する辺において、当該辺が当該第二ステンシル開口パターンに向けて外向きに特定距離拡大することを意味しており、その後、予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行う。
図5cは、ソルダレジストS1
1、ソルダレジストS1
2、ソルダレジストS1
3、すなわち、ソルダレジストS
1、ソルダレジストS
2、ソルダレジストS
3が外向きに拡大された後に第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2、第二ステンシル開口パターンB1
3と衝突が生じる部分を示している。
【0079】
ステップ3.6において、衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターンの衝突が生じている部分に対して裁断処理を行い、第三ステンシル開口パターンとする。
図5c及び5dに示すように、第二ステンシル開口パターンB1
1に裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
1を取得し、第二ステンシル開口パターンB1
2に対して裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
2を取得し、第二ステンシル開口パターンB1
3に対して裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
3を取得する。
【0080】
ステップ3.7において、第三ステンシル開口パターンB21、第三ステンシル開口パターンB22、第三ステンシル開口パターンB23に対して、第三ステンシル開口パターンB21、第三ステンシル開口パターンB22、第三ステンシル開口パターンB23が、第一面積比>0.66であること、幅厚比>1.5であること、第二面積比>50%であること、寸法比>50%であること、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との比率が20%よりも小さいことをいずれも満たしているか否かをそれぞれ判断する。
【0081】
ステップ3.8において、ステップ3.7の条件がいずれも満たされている場合には、条件を満たしている第三ステンシル開口パターンが修正前の第一ステンシル開口パターンに入れ替わる。
図5eに示すように、第三ステンシル開口パターンB2
2、第三ステンシル開口パターンB2
3がいずれもステップ3.7の条件を満たしているため、第一ステンシル開口パターンB
2の代わりに、第三ステンシル開口パターンB2
2を新たなステンシル開口B12
2として用い、第一ステンシル開口パターンB
3の代わりに、第三ステンシル開口パターンB2
3を新たなステンシル開口B12
3として用いる。
【0082】
ステップ3.9において、ステップ3.7のうち1つでも条件を満たしていない場合には、条件を満たしていないと見なす。例えば、
図5eの第三ステンシル開口パターンB2
1において、開口とソルダレジストとの距離が近すぎるためにノッチが大きくなってしまい、幅厚比の要求を満たしていないため、条件を満たしていない第三ステンシル開口パターンに対してパターン修正処理を行う必要がある。
まず、第三ステンシル開口パターンの寸法を修正し(例えば、0.05倍縮小する)、次に、第三ステンシル開口パターンの位置を修正し(例えば、0.001mm移動させる等、ソルダレジストから離間する方向に特定距離移動させる)、次に、第三ステンシル開口パターンの形状を修正する(例えば、長さ、幅等のいずれかの辺の寸法を微調整し、微調整する寸法と微調整前の寸法との比率が0.5%~10%の閾値範囲内であればよい)ことによって、新たなステンシル開口パターンが作成される。例えば、
図5fのステンシル開口B3
1は、第三ステンシル開口パターンB2
1を輪郭から離れる方向に特定距離移動させることで第三ステンシル開口パターンB2
1の位置を修正し、増加した開口の幅部分の寸法が微調整前の寸法の0.5%~10%の閾値範囲内を満たすように操作して幅厚比を高めるという方法によって実現したものである。
【0083】
ステップ3.10において、ステップ3.9を経てパターン処理された全てのステンシル開口パターンに対して、ステップ3.7を繰り返し、条件を満たしていないものが依然として存在している場合には、ステップ3.9の繰り返しを継続する。
図5gのステンシル開口パターンBi
1のように、新たなステンシル開口パターンBi(ここでのiは、i=2から、i<20である)が生じるまで、ステップ3.7からステップ3.9が繰り返され、i=20となった場合に、繰り返しが終了する。
【0084】
ステップ3.11において、ステップ3.7の条件がいずれも満たされている場合には、ステンシル開口B
1の代わりに、Bi(例えば、
図5hのステンシル開口パターンB1i
1)を用いる。
【0085】
ステップ3.12において、i回の繰り返しを経てi=20に達しても依然としてステップ3.7の条件を満たしていないステンシル開口パターンBiを一つずつカウントし、報告形式で回避検査ウィンドウに戻し、相応の座標位置を表示して、手動で調査及び修正を行わせる。
【0086】
実施例4
図6a~
図6hは、本発明の実施例が提供する素子本体に係るステンシル回避設計の過程を示す図である。
図6a~
図6hを参照して、上述の実施例に基づき、第一パターンが素子本体であるときを例として、本発明が提供する素子本体及びステンシル回避設計方法を用いて素子本体及びステンシル開口に対して回避を行う具体的なプロセスを説明する。
当該プロセスは、具体的に、以下のステップ4.1~ステップ4.12を含んでいる。
【0087】
ステップ4.1において、PCB設計データを読み取って予め処理を行うことで、PCB基板のスルーホールデータ(ビアホール)、ソルダレジストデータ(ソルダレジスト層)、Profile(PCB基板の輪郭)データ、素子本体(Body)データ、素子座標データ、素子実装データ等のPCB基板のパターンデータを取り込む。
まず、素子実装データに基づいてはんだペースト層データを生成し、次に、はんだペースト層データを通じて、異なる素子の種類に対して相応のステンシル開口パターンを製作(設計)する。
図6aに示すように、回避処理を行う必要があるのは、5つの素子本体(素子本体P
1、素子本体P
2、素子本体P
3、素子本体P
4、素子本体P
5を含む)及び5つの第一ステンシル開口パターン(第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
4、第一ステンシル開口パターンB
5を含む)である。
【0088】
図6bに示すように、ステップ4.2において、素子本体P
1、素子本体P
2、素子本体P
3、素子本体P
4、素子本体P
5と、第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3、第一ステンシル開口パターンB
4、第一ステンシル開口パターンB
5との二者間ごとの予め設定された距離を判断し、予め設定された閾値範囲、すなわち、0<AB距離<0.2mmであること(ここでは、AB距離は素子本体と第一ステンシル開口パターンとの最短距離のことを指す)を満たしているか否かを判断する。
【0089】
ステップ4.3において、予め設定された閾値範囲を満たしている場合、すなわち、0<AB距離<0.2mmである場合には、予め設定された閾値範囲を満たしている第一ステンシル開口パターンを第二ステンシル開口パターンとする。
図6bに示すように、d1は素子本体P
1と第一ステンシル開口パターンB
1との間の距離の測定値を示しており、d1=0.07mmである。d2は素子本体P
2と第一ステンシル開口パターンB
2との間の距離の測定値を示しており、d2=0.15mmである。d3は素子本体P
3と第一ステンシル開口パターンB
3との間の距離の測定値を示しており、d3=0.18mmである。d4は素子本体P
4と第一ステンシル開口パターンB
4との間の距離の測定値を示しており、d4=0.3mmである。d5は素子本体P
5と第一ステンシル開口パターンB
5との間の距離の測定値を示しており、d5=0.33mmである。予め設定された閾値範囲を満たしている第一ステンシル開口パターンB
1、第一ステンシル開口パターンB
2、第一ステンシル開口パターンB
3は、
図6cの第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2、第二ステンシル開口パターンB1
3を設定することができる。
【0090】
ステップ4.4において、予め設定された閾値範囲を満たしていない場合には、第一ステンシル開口パターンは変更されずに維持される。例えば、
図6bの素子本体P
4と第一ステンシル開口パターンB
4との間の予め設定された距離、素子本体P
5と第一ステンシル開口パターンB
5との間の予め設定された距離がいずれも要求を満たしていないため、第一ステンシル開口パターンB
4及び第一ステンシル開口パターンB
5の開口は変更されずに維持される。
【0091】
ステップ4.5において、ステップ4.2の予め設定された閾値範囲を満たしている素子本体に対して、予め設定された閾値範囲を満たしている部分を予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンに向ける方向に沿って、外向きに特定距離(例えば、0.2mm)を拡大する。ここでの外向きに拡大するとは、素子本体の予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンに近接する辺において、当該辺が当該第二ステンシル開口パターンに向けて、外向きに特定距離を拡大することを指し、その後、予め設定された閾値範囲を満たしている第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行う。
図6cは、素子本体P1
1、素子本体P1
2、素子本体P1
3、すなわち、素子本体P
1、素子本体P
2、素子本体P
3が外向きに拡大された後に第二ステンシル開口パターンB1
1、第二ステンシル開口パターンB1
2、第二ステンシル開口パターンB1
3と衝突が生じる部分を示している。
【0092】
ステップ4.6において、衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターンの衝突が生じている部分に対して裁断処理を行い、第三ステンシル開口パターンとする。
図6c及び6dに示すように、第二ステンシル開口パターンB1
1に対して裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
1を取得し、第二ステンシル開口パターンB1
2に裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
2を取得し、第二ステンシル開口パターンB1
3に裁断処理を行い第三ステンシル開口パターンB2
3を取得する。
【0093】
ステップ4.7において、第三ステンシル開口パターンB21、第三ステンシル開口パターンB22、第三ステンシル開口パターンB23に対して、第三ステンシル開口パターンB21、第三ステンシル開口パターンB22、第三ステンシル開口パターンB23が、第一面積比>0.66であること、幅厚比>1.5であること、第二面積比>50%であること、寸法比>50%であること、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との比率が20%よりも小さいことをいずれも満たしているか否かをそれぞれ判断する。
【0094】
ステップ4.8において、ステップ4.7の条件がいずれも満たされている場合には、条件を満たしている第三ステンシル開口パターンが修正前の第一ステンシル開口パターンに入れ替わる。
図6eに示すように、第三ステンシル開口パターンB2
2、第三ステンシル開口パターンB2
3は、いずれもステップ4.7の条件を満たしているため、第一ステンシル開口パターンB
2の代わりに、第三ステンシル開口パターンB2
2を新たなステンシル開口B12
2として用い、第一ステンシル開口パターンB
3の代わりに、第三ステンシル開口パターンB2
3を新たなステンシル開口B12
3として用いる。
【0095】
ステップ4.9において、ステップ4.7のうち1つでも条件を満たしていない場合には、条件を満たしていないと見なす。例えば、
図6eの第三ステンシル開口パターンB2
1において、開口と素子本体との距離が近すぎるためにノッチが大きくなってしまい、幅厚比の要求を満たしていないため、条件を満たしていない第三ステンシル開口パターンに対してパターン修正処理を行う必要がある。
例えば、まず、第三ステンシル開口パターンの寸法を修正し(例えば、0.05倍縮小する)、次に、第三ステンシル開口パターンの位置を修正し(例えば、0.001mm移動させる等、素子本体から離れる方向に特定距離移動させる)、次に、第三ステンシル開口パターンの形状を修正する(例えば、長さ、幅等のいずれかの辺の寸法を微調整し、微調整する寸法と微調整前の寸法との比率が0.5%~10%の閾値範囲内であればよい)ことによって、新たなステンシル開口パターンが作成される。
図6fのステンシル開口B3
1は、第三ステンシル開口パターンB2
1を輪郭から離れる方向に特定距離移動させることで第三ステンシル開口パターンB2
1の位置を修正し、増加した開口の幅部分の寸法が微調整前の寸法の0.5%~10%の閾値範囲内を満たすように操作して幅厚比を高めるという方法によって実現したものである。
【0096】
ステップ4.10において、ステップ4.9を経てパターン処理された全てのステンシル開口パターンに対して、ステップ4.7を繰り返し、条件を満たしていないものが依然としてある場合には、ステップ4.9の繰り返しを継続する。
図6gのステンシル開口パターンBi
1のように、新たなステンシル開口パターンBi(ここでのiは、i=2から、i<20である)が生じるまで、ステップ4.7からステップ4.9が繰り返され、i=20となった場合に、繰り返しが終了する。
【0097】
ステップ4.11において、ステップ4.7の条件がいずれも満たされている場合には、ステンシル開口B
1の代わりに、Bi(
図6hのステンシル開口パターンB1i
1)を用いる。
【0098】
ステップ4.12において、i回の繰り返しを経てi=20に達しても依然としてステップ4.7の条件を満たしていないステンシル開口パターンBiを一つずつカウントし、報告形式で回避検査ウィンドウに戻し、相応の座標位置を表示して、手動で調査及び修正を行わせる。
【0099】
実施例5
図7は、本発明の実施例が提供するステンシル回避設計装置の構造模式図である。
図7を参照すると、当該ステンシル回避設計装置は、所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込むための取り込みモジュールと、第一パターンと第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、予め設定された距離が予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、予め設定された閾値範囲を満たしている第二パターン及び第二ステンシル開口パターンを取得するための第一分析モジュールと、第二パターンに基づいて、第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行うために用いられる第三パターンを取り込むためのパターン処理モジュールと、第三パターンが第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターンを裁断して第三ステンシル開口パターンを取得するための第二分析モジュールと、第三ステンシル開口パターンにおける第一面積比、幅厚比、第二面積比、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との関係に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得するための検出モジュールと、を含んでいる。
【0100】
本実施例が提供するステンシル回避設計装置は、上述の方法の実施例を実行することができる。但し、実現する原理及び技術的効果は類似しているため、ここでは説明を繰り返さない。
【0101】
実施例6
図8は、本発明の実施例が提供する電子デバイスの構造模式図である。
図8を参照すると、当該電子デバイス1100は、プロセッサ1101、通信インターフェース1102、メモリ1103及び通信バス1104を含んでいる。プロセッサ1101、通信インターフェース1102、メモリ1103は、通信バス1104によって相互間の通信を完成させ、メモリ1103は、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、プロセッサ1101は、コンピュータプログラムを実行する場合において、上述の方法を実現させるために用いられる。
【0102】
プロセッサ1101は、コンピュータプログラムを実行するとき、以下のステップ1.1~ステップ1.5を実現させる。
【0103】
ステップ1.1において、所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込む。
【0104】
ステップ1.2において、第一パターンと第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、予め設定された閾値範囲を満たしている第二パターン及び第二ステンシル開口パターンを取得する。
【0105】
ステップ1.3において、第二パターンに基づいて、第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行うために用いられる第三パターンを取り込む。
【0106】
ステップ1.4において、第三パターンが第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターンを裁断して第三ステンシル開口パターンを取得する。
【0107】
ステップ1.5において、第三ステンシル開口パターンにおける第一面積比、幅厚比、第二面積比、寸法比、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との関係に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得する。
【0108】
本発明が提供する電子デバイスは、上述の方法の実施例を実行することができる。但し、実現する原理及び技術的効果は類似しているため、ここでは説明を繰り返さない。
【0109】
実施例7
本発明は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶されている。上述のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合において、以下のステップ1.1~ステップ1.5が実行される。
【0110】
ステップ1.1において、所定数の第一パターン及び所定数の第一ステンシル開口パターンを取り込む。
【0111】
ステップ1.2において、第一パターンと第一ステンシル開口パターンとの間の予め設定された距離が予め設定された閾値範囲内であるか否かを判断し、予め設定された閾値範囲の条件を満たしている場合には、予め設定された閾値範囲を満たしている第二パターン及び第二ステンシル開口パターンを取得する。
【0112】
ステップ1.3において、第二パターンに基づいて、第二ステンシル開口パターンと衝突処理を行うために用いられる第三パターンを取り込む。
【0113】
ステップ1.4において、第三パターンが第二ステンシル開口パターンと衝突するか否かを判断し、衝突が生じる場合には、第二ステンシル開口パターンを裁断して第三ステンシル開口パターンを取得する。
【0114】
ステップ1.5において、第三ステンシル開口パターンにおける第一面積比、幅厚比、第二面積比、寸法比、第三ステンシル開口パターンの面積とこれに対応する第二ステンシル開口パターンの面積との関係に基づいて最終的なステンシル開口パターンを取得する。
【0115】
本発明が提供するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述の方法の実施例を実行することができる。但し、実現する原理及び技術的効果は類似しているため、ここでは説明を繰り返さない。
【0116】
当業者は、本発明の実施例が方法、装置(デバイス)、又はコンピュータプログラム製品を提供できることを理解すべきである。したがって、本発明は、完全なハードウエアの実施例、完全なソフトウエアの実施例、又はソフトウエア及びハードウエア分野の実施例を組み合わせた形式を採用することができ、ここではそれらを「モジュール」又は「システム」と総称する。また、本発明は、コンピュータが使用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリ等を含むがこれらに限定されるものではない)において実施されるコンピュータプログラム製品の形式を採用することができる。コンピュータプログラムは適切な媒体内に記憶/保存され、他のハードウエアとともに提供されるか、ハードウエアの一部とされる。例えば、Internet又は有線若しくは無線の他の電気通信システムを経由する等、別の分布形式を採用することもできる。
【0117】
本発明の説明において、理解すべきことは、「第一」、「第二」という用語は説明を目的に用いたものにすぎず、相対的な重要性を指示若しくは示唆するもの、又は示される技術的特徴の数を暗示的に指定するものと理解すべきではない。このため、「第一」、「第二」という限定がある特徴は、1つ又は更に多くの当該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本発明の説明において、特に明確で具体的な限定がない限り、「複数」とは2つ又は2つ以上を意味するものとする。
【0118】
本明細書の説明において、参考用語「一実施例」、「一部の実施例」、「例示」、「具体的例示」、又は「一部の例示」等の説明は、当該実施例又は例示を参照して説明される具体的特徴、構造、材料又は特性が、本発明における少なくとも1つの実施例又は例示に含まれていることを意味する。本明細書において、上述の用語における概略的表現は必ずしも同一の実施例又は例示を指しているわけではない。また、説明される具体的特徴、構造、材料又は特性は、1つ又は複数の実施例又は例示のいずれにおいても、適切な方法によって結び付けることができる。このほか、当業者であれば、本明細書において説明する異なる実施例又は例示をつなぎ合わせたり組み合わせたりすることができる。
【0119】
以上の内容は具体的な好ましい実施形態を参照して本発明を更に詳細に説明したものであるが、本発明の具体的な実施形態がこれらの説明のみに限定されると認めるものではない。当業者であれば本発明の構想を逸脱することなく若干の簡単な推断演繹又は置換を行うこともできるが、いずれも本発明の保護範囲に属すると見なすべきである。