(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】斜面土壌体浸透係数モニタリング方法とシステム
(51)【国際特許分類】
E02D 1/00 20060101AFI20240430BHJP
E02D 19/20 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
E02D1/00
E02D19/20
(21)【出願番号】P 2024013229
(22)【出願日】2024-01-31
【審査請求日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】202410058714.1
(32)【優先日】2024-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】孫 紅月
(72)【発明者】
【氏名】王 旭
(72)【発明者】
【氏名】陳 浩
(72)【発明者】
【氏名】馬 天行
(72)【発明者】
【氏名】章 可穎
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-148757(JP,A)
【文献】特開2018-066182(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104196047(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115233749(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102251529(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 1/00
E02D 19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式において、k-地下測定部位の土壌体浸透係数、m/sであり、
b-ボーリング穴の長さ、mであり、測定設計操作パラメータによって決定される、ことを特徴とする斜面土壌体浸透係数モニタリング方法。
【請求項2】
点Pの時刻tにおける地下水標高aは、式2によって計算され、
式において、a-点Pのtにおける地下水標高、m、
v-時刻tの地上排水口流速、m/sであり、モニタリングデータDによって決定され、
μ-地下水の動粘度、Pa・sであり、測定設計操作パラメータによって決定され、
L-導水管の長さ、mであり、測定設計操作パラメータによって決定され、
ρ-地下水密度、g/cm
3であり、測定設計操作パラメータによって決定され、
c-導水管の水力半径、mであり、測定設計操作パラメータによって決定され、
【請求項3】
前記地下水流体の動粘度μは、式3の連立方程式によって計算され、
式において、f-地下水の運動粘度、m
2/sであり、
e-地上環境温度、℃であり、測定設計操作パラメータによって決定される、ことを特徴とする請求項2に記載のモニタリング方法。
【請求項4】
前記測定区間T内において、測定装置の地上排水口は、安定した排水を保持し、Tは、8h~24hである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のモニタリング方法。
【請求項5】
導水管を取り付けた後、排水口端で補助充水操作を行い、導水管路を満水にし、排水口の排水を導く、ことを特徴とする請求項4に記載のモニタリング方法。
【請求項6】
透水筒にN本の導水管を挿入し、N≧2であり、N本の導水管の取水口は、透水筒内の液面以下の同一点であり、排水口は、地上の同じ標高箇所にあり、N本の導水管のうちの1本は、測定管であり、残りは、補助排水管であり、測定管の排水口から収集点Pの地下水
水位特徴のモニタリングデータDを測定し、N本の導水管の仕様は、同じである、ことを特徴とする請求項4に記載のモニタリング方法。
【請求項7】
斜面土壌体が粘土である場合、N=3~7であり、斜面土壌体がシルトロームである場合、N=7~13であり、斜面土壌体が砂土である場合、N=16~24である、ことを特徴とする請求項6に記載のモニタリング方法。
【請求項8】
ボーリング穴及び透水筒は、斜面法面に垂直に取り付けられる、ことを特徴とする請求項4に記載のモニタリング方法。
【請求項9】
前記透水筒コア層スリーブ末端の円錐状透水石を地下単一帯水層に保持し、導水管の内径は、5mmよりも小さい、ことを特徴とする請求項4に記載のモニタリング方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載の斜面土壌体浸透係数モニタリング方法を利用して実現される斜面土壌体浸透係数モニタリングシステムであって、斜面土壌体浸透係数測定部位Pを設定し、点Pにおいてボーリング穴を開けて透水筒を入れ、地下水が透水筒に入ることを保証し、導水管の取水口を透水筒内の液面以下に伸ばし、導水管の排水口を地上に導き、排水口の排水が安定になったら、収集点Pの地下水
水位特徴のモニタリングデータDを測定し、モニタリングデータDと測定設計操作パラメータを利用して点Pの土壌体浸透係数kを測算する、ことを特徴とする斜面土壌体浸透係数モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜面モニタリング測定技術に関し、特に斜面土壌体浸透特徴をモニタリングする方法とシステムに関し、環境モニタリング測定技術、工事地質土壌体モニタリング測定技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
土壌体浸透係数は、斜面の重要な地質パラメータである。様々な斜面安全安定性分析、斜面災害防除研究、斜面災害モニタリング事前警報技術において、斜面土壌体浸透係数は、ほとんど不可欠な土壌体特徴パラメータであり、斜面土壌体のミクロレベル作用力平衡分析の基礎である。
【0003】
従来の土壌体浸透係数測定技術は、大体二つの方案があり、第一類の方案は、現場土壌体のサンプリングと実験室の計器分析の結合を採用することである。このような方案は、一般的には各種の実験測定装置計器を設計開発し、ひいては異なる土壤タイプに対して専門計器を設計し、精密センサにより関連データを収集する。このような方案の利点は、測定精度の制御性が良く、測定結果の正確性が比較的高い。明らかな欠陥は、主に過程が比較的に煩雑で、時間が相対的に長いことにあるが、さらに際立った欠陥は、計器測定環境が密閉的で理想的な環境に属し、計器シミュレーションの環境条件の変化が限定的で、試験原土の受ける力が相対的に安定で均一で、試験環境と野外真実環境に常に一定の差異が存在することである。
【0004】
第二類の方案は、土壌体現場(原位置)測定である。このような方案の技術設計の際立った利点は、測定環境の野外真実性にあり、第一類の方案の欠陥を的確に克服することができる。しかしながら、従来の原位置測定方案の技術欠陥も同様に明らかである。従来の技術ZL 201810501818.Xは、土壌体原位置浸透係数測定装置及び試験方法を開示し、測定装置は、圧力装置と、圧力コントローラと、水流速度計と、測定棒と、圧力センサと、垂直計と、水タンクと、ストレーナとを含み、圧力コントローラは、圧力装置、水流速度計、圧力センサに電気的に接続され、圧力コントローラは、圧力の表示、測定と制御を一体化しており、製品の圧力装置は、圧力コントローラの作用で、真空ポンプ又は圧力ポンプにより、測定土壌体に負圧の強度を提供することができ、正圧の強度を提供することもでき、土砂と粘土に適用される。この技術の主な技術欠陥は、第1に、測定過程において特定の測定プラットフォームを構築する必要があり、圧力ポンプは、測定過程において常に正圧の強度を提供し、この条件において各種データを読み取る。つまり、測定が「原位置」で開展されるが、測定される土壌体は、実際に常に人為的に制御される条件にある局所土壌体であり、測定過程は、「原位置」であるが「不自然」であり、原位置測定は、最も重要な技術価値を失ってしまった。第2に、従来の揚充水量が比較的大きく、且ついずれも動力条件を別途追加する必要があり、追加のエネルギー損失が必要である。同時に、この過程において測定パラメータが多く、モニタリング過程が比較的に複雑で、測定誤差が出やすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の技術の不足に対して、野外での原位置で、且つ自然な測定技術価値を実現できる斜面土壌体浸透係数測定技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、まず斜面土壌体浸透係数モニタリング方法を提供し、その技術案は、以下のとおりである。
【0007】
斜面土壌体浸透係数モニタリング方法であって、地下測定部位Pを決定し、測定区間
式において、k-地下測定部位の土壌体浸透係数、m/sであり、
b-ボーリング穴の長さ、mであり、測定設計操作パラメータによって決定されることを特徴とする。
【0008】
上記斜面土壌体浸透係数モニタリング方法は、連通管の液体流動エネルギー平衡原理に基づいて、地下水を地上に導き、地上排水口の水流運動パラメータデータをモニタリングすることにより、地下モニタリング部位の土壌体浸透係数を逆演算する。先行研究に基づいて、逆演算計算モデルのデータ基礎は、ボーリング穴データと測定時刻の地下水変化パラメータとを含み、1つは、地上排水口の水流運動モニタリングデータ(流量W)であり
従来の技術(例えば、CN 2023114987624、地下水水位の標高測定方法、貯水量測定システム及び応用)を利用して測定することができる。
【0009】
本発明は、先行研究データに基づいて、上記モニタリング方法を最適化する。具体的には、ダルシーの法則に基づいて、排水口で流速と測定部位の土壌体浸透係数パラメータとの間をモニタリングする逆演算計算モデルを直接構築するとともに、地下水の動粘度を逆演算計算モデルに組み入れ、地下水の流体性質が排水口流速に与える影響を計算モデル測定で具現できることを保証する。点Pの時刻tにおける地下水標高aは、式2によって計算される。
【0010】
式において、a-点Pのtにおける地下水標高(m)、v-時刻tの地上排水口流速(m/s)、μ-地下水の動粘度(Pa・s)、L-導水管の長さ(m)、ρ-地下水密度
【0011】
上記最適化方案では、地下水の動粘度μは、従来の技術、例えば実験測定又は経験マニュアルの直接閲覧を利用して決定することができる。技術論理が一致する技術案を確立するために、本発明のさらなる最適化は、排水口を利用して流速をモニタリングし、地下水の動粘度μを測算する技術問題を解決することである。地下水流体の動粘度μは、式3の連立方程式によって計算される。
【0012】
式において、f-地下水の運動粘度(m
2/s)、e-地上環境温度(℃)。
【0013】
上記斜面土壌体浸透係数モニタリング方法の最適化方案は、前述の逆演算計算の最適化に加えて、以下のようなモニタリング操作条件の最適化をさらに含む。下記各最適化は、同時に実施しなければならないことを要求するわけではない。
【0014】
最適化1、測定区間T内において、測定装置の地上排水口は、安定した排水を保持し、Tは、8h~24hである。
【0015】
最適化2、導水管を取り付けた後、排水口端で補助充水操作を行い、導水管路を満水にし、排水口の排水を導く。斜面地下水モニタリングにおいて、一般的には斜面体露岩面を利用して導水管の排水口を取水口より低くし、且つ一定の標高差を形成する。そのため、排水口を導いて排水を開始した後、排水過程は、任意の揚充水の余分なエネルギー消費を必要とすることなく、自発的に安定して行うことができる。補助充水操作は、排水口端で空気を抜いて負圧にするか、又は排水口から管路内に注水するなどであってもよい。
【0016】
最適化3、透水筒にN本の導水管を挿入し、N≧2であり、N本の導水管の取水口は、透水筒内の液面以下の同一点であり、排水口は、地上の同じ標高箇所にあり、N本の導水管のうちの1本は、測定管であり、残りは、補助排水管であり、測定管の排水口から収集点Pの地下水特徴のモニタリングデータDを測定する。この最適化は、一方では、地水下標高aの測定を、時刻tに極細排水口に基づく瞬時排水流速を収集することにより完了で
地水下の変化特徴を明らかに捕らえやすくすることによって、2つの方面からモニタリング方案の感度と精度を増進する。N本の導水管の仕様は、同じである。異なる斜面土壌体タイプについて、導水管の数をより改善する設計は、斜面土壌体が粘土である場合、N=3~7であり、斜面土壌体がシルトロームである場合、N=7~13であり、斜面土壌体が砂土である場合、N=16~24であることである。
【0017】
最適化4、ボーリング穴及び透水筒は、斜面法面に垂直に取り付けられる。
【0018】
最適化5、透水筒コア層スリーブ末端の円錐状透水石を地下単一帯水層に保持し、導水管の内径は、5mmよりも小さい。
【0019】
本発明の上記斜面土壌体浸透係数モニタリング方法を基礎に、本発明は、同時に地下水貯水量モニタリング測定システムを提供し、技術案は、以下のとおりである。
【0020】
斜面土壌体浸透係数モニタリングシステムであって、斜面土壌体浸透係数測定部位Pを設定し、点Pにおいてボーリング穴を開けて透水筒を入れ、地下水が透水筒に入ることを保証し、導水管の取水口を透水筒内の液面以下に伸ばし、導水管の排水口を地上に導き、排水口の排水が安定になったら、収集点Pの地下水特徴のモニタリングデータDを測定し、モニタリングデータDと測定設計操作パラメータを利用して点Pの土壌体浸透係数kを測算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
従来の技術に比べて、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。(1)本発明の先行研究により、導水管を利用して地下ボーリング穴測定位置と地上モニタリング位置との間の水流管路を構築し、液体流動エネルギー平衡原理に基づいて、管路の地上排水口流速がボーリング穴地下水位の標高特徴を特徴付けることができることを発見した。本発明の技術案は、この研究発見を拡張し、測定区間で特徴付けられる測定時間パラメータを導入することにより、指定時刻(即ち測定区間の両端)の地下水標高データを測算し、排水口流量パラメータを地下水浸透特徴逆演算計算モデルに導入するとともに、斜面地形の露岩面特徴を利用して、測定過程の余分なエネルギー消費がないことを実現する。それによって、本発明は、完全に測定部位の原位置で、且つ十分な自然環境条件において地下水浸透係数をモニタリングする技術案を提供する。従来の原位置モニタリング技術の「原位置であるが自然ではない」という技術欠陥を的確に克服し、全く新たな地下水浸透係数モニタリング技術構想である。(2)本発明は、さらに土壌体内地下水浸透流ダルシーの法則を結び付けて、地下水の動粘度と導水管構造/材料特徴パラメータとを排水口流速で定義される地下水標高計算モデルに組み入れることにより、全体的に排水口流速を利用して地下水標高計算モデルを逆演算する精度を高め、本発明の地下水浸透係数モニタリング技術の精度も高める。(3)本発明の技術構想では、連通管原理排水測定法を採用し、地上排水口流速を利用して地下部位の地下水標高特徴を逆演算して測定する場合、好ましい方案は、極細導水管を使用して高精度微小液体流速流量計と組み合わせ、排水口流速の検出を瞬時に完了し、地下水位の標高に対して無視できる極微小の外乱のみが発生することを保証することであり、地下水浸透係数モニタリング全体方案において、理想的な状態は、二つの指定時刻の地下水標高の間にできるだけ明らかな標高差が存在し、それによって地下水浸透特徴を増幅してそれを捕らえてモニタリングしやすいようにすることである。この矛盾を的確に解決するために、本発明は、導水管の設計を改良し、複数本の導水管を設置し、測定管と補助排水管とを区別する。このように、測定管は、細極導水管+微小流速流量計の設計を流用して、流速収集精度を向上させることができ、補助排水管は、複数の管路の平行排水を実現し、標高変化レートを加速し、できるだけ明らかな標高差を形成することができる。その上で、さらにすべての導水管を限定して同じ仕様を採用すれば、補助排水管の流入水サイフォン効果による透水筒内の水面の外乱による測定管の流入水への影響を低減させることができる。最適化方案は、モニタリング方案の局所と全体の精度と感度を両立させ、地下水浸透係数の原位置モニタリング類技術案の技術価値を高める。(4)本発明の機器と実施は、いずれも低コスト、低エネルギー消費の特性を有し、各種山間部の斜面災害防除方案に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】斜面土壌体浸透係数モニタリング方法レイアウト概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、図面を結び付けながら、本発明の好ましい実施例をさらに記述する。
【0024】
<実施例1>
図1に示すように、本発明の方法を利用してある斜面土壌体浸透係数をモニタリングする。
【0025】
1、対象斜面体及びモニタリング計器の布設
モニタリング対象となる斜面は、浙江省江山市に位置し、地滑り全体の地質構造が簡単で、斜面の後縁に広い降雨浸潤補給領域があり、且つ斜面土壌体の浸透性が良く、地下水位の年次変化が比較的大きく、斜面体浸透係数は、斜面体の安全安定に密接に関連している。本発明の方法を利用してこの斜面土壌体浸透係数をモニタリングする。
【0026】
現場調査を行い、モニタリング方案のバックグラウンドデータを取得する。本技術でいう現場調査は、工事の位置する斜面現場に対する様々な地質調査、踏査、測量・製図、測定作業、及び分野内の従来のシミュレーション実験、試験実験、観測実験、分析実験、及び災害履歴の取得、及び関連技術規範、及び参照参考作用のある経験方法及びデータの取得などを含む。
【0027】
斜面土壌体浸透係数モニタリング方法のレイアウト概略図である。
【0028】
文字を節約するために、以下では、モニタリング方案における1組のモニタリング区間Tのみをサンプルとして記述する。モニタリング方案の実施は、動的モニタリング、即ち連続するマルチモニタリング区間Tに展開されることであってもよい。
【0029】
モニタリング方案のバックグラウンドデータに基づいて、各測定設計操作パラメータを決定する(表1)。従来の技術には、影響半径Rを測算する具体的な方法が複数あり、本発明を実施するための形態は、単位排水量及び単位水位低下の2つのパラメータに基づいてRを決定する方法を採用し、具体的には表2に示すとおりである。
【0030】
バックグラウンドデータに基づいて斜面体内の地下測定部位Pを決定し、点Pの斜面法面における垂直投影部位P′を決定する。点において、P′は、法面ボーリング穴4に垂直であり、深さは、地下水水位線以下であり、ボーリング穴4の長さは、bである。穴内に透水筒1を取り付け、
透水筒1をボーリング穴に置き、透水筒1が法面に垂直であることを保証し、導水管2を透水筒1に伸ばし、取水口21をコア層スリーブ13内の液面下に没させる。導水管2の排水口22を地上まで引き出し、流速測定器を接続する。透水筒1のコア層スリーブ11の末端の円錐状透水石12を地下単一帯水層に保持する。装置の各部材取り付けの詳細な内容は、従来の技術(CN 2023114987624、地下水水位の標高測定方法、貯水量測定システム及び応用)を参考にする。本例では、流速測定器は、高精度微小液体流速流量計を選択する。
【0031】
導水管2を取り付けた後、排水口22端で補助充水操作を行う。本例では、補助充水操作は、排水口21に一定の初期揚水を与え、排水起動を導くことである。
【0032】
2、モニタリングデータ収集
測定区間T内において、排水口の安定した排水を保持する。
【0033】
モニタリングデータを表1に示す。
【0034】
3、逆演算計算
本実施の形態は、具体的に本発明の測定方法の最適化方案を実施し、即ちすべての中間量は、いずれも排水口の水流動的特徴に基づいて計算されて決定される。測定設計操作パラメータとモニタリングデータDに基づいて、順に式3の連立方程式によって地下水の運動粘度fと地下水流体の動粘度μを計算し、
N本の導水管2のすべての流量である。
【0035】
【0036】
【符号の説明】
【0037】
1 透水筒
2 導水管
21 取水口
22 排水口
3 ボーリング穴
4 斜面
5 初期地下水位線
【要約】 (修正有)
【課題】斜面土壌体浸透係数モニタリング方法を提供する。
【解決手段】測定点の地下水を地上に導いて自然的に排水し、排水口の水流運動特徴を測定し、排水口の測定区間内における流速と流量変化データを利用し、地下水の動粘度と導水管構造材料特徴パラメータを結び付けて、斜面地下水標高、及び斜面地下水浸透係数を逆演算して測算する。最適化方案は、測定管と補助排水管を設置することにより、外乱のない流速測定と水位の標高差補強の技術矛盾を両立させ、測定方案の局所と全体の精度と感度を高める。利用地上環境温度を利用して地下水流体の動粘度を測算する問題も解決する。同時にモニタリングシステム方案を提供する。全く新たな地下水浸透係数モニタリング技術案であり、且つ低コスト、低エネルギー消費である。
【選択図】
図1