(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】グルコキナーゼ活性化剤およびビグアナイド系血糖降下薬を含む医薬品の組合せ、組成物、配合剤、ならびにその調製方法および使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4155 20060101AFI20240430BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240430BHJP
A61K 9/30 20060101ALI20240430BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240430BHJP
A61K 31/155 20060101ALI20240430BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240430BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240430BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240430BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240430BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240430BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240430BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240430BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240430BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20240430BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240430BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240430BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20240430BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61K31/4155
A61K9/20
A61K9/30
A61K9/48
A61K31/155
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/38
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P9/12
A61P43/00 111
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2020566564
(86)(22)【出願日】2019-05-28
(86)【国際出願番号】 CN2019088861
(87)【国際公開番号】W WO2019228362
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】201810556685.6
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217319
【氏名又は名称】華領医薬技術(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hua Medicine (Shanghai) Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】陳 力
(72)【発明者】
【氏名】李 永国
(72)【発明者】
【氏名】王 高森
【合議体】
【審判長】原田 隆興
【審判官】岩下 直人
【審判官】吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526608(JP,A)
【文献】特表2015-517525(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107854435(CN,A)
【文献】History of Changes for Study: NCT03141073, Long-term Efficacy and Safety of HMS5552 as add-on to Metformin in T2DM,ClinicalTrials.gov archive [online],2017年11月17日,[retrieved on 2022-06-27],Retrieved from the Internet: <URL: https://clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT03141073?A=2&B=2&C=merged#StudyPageTop>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/MEDLINE/REGISTRY/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)、(b)を含み、以下のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が、1:40~1:5である
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
(a)以下の式で表されるHMS5552、或いはその薬学的に許容される塩である
化合物からなるグルコキナーゼ活性化剤;
【化1】
(b)メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩であるビグアナイド系血糖降下薬;
【請求項2】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が、1:40、1:34、1:20、1:17、1:13.3、1:11.3、1:10、1:6.6または1:5である
請求項1に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項3】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が固体分散体
中に存在する、
請求項1~2のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項4】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在し、ここで、前記のポリマー担体がメタクリル酸共重合体A型である、
請求項1~2のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項5】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在し、ここで、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である、
請求項1~2のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項6】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在し、ここで、前記のポリマー担体がメタクリル酸の共重合体とメタクリレートエステルの共重合体を含むポリマー担体である、
請求項1~2のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項7】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が1:10~10:1である、
請求項4~6のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項8】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が1:9~9:1、1:4~4:1、3:7~7:3、2:3~3:2、3:4~4:3、4:5~5:4または5:6~6:5である、
請求項4~6のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項9】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が1:1、2:3、3:4、4:5または5:6である、
請求項4~6のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項10】
前記のビグアナイド系血糖降下薬が、メトホルミン塩酸塩である、
請求項1に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項11】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が25mg~100mgの用量の範囲で存在する、
請求項1に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項12】
前記のグルコキナーゼ活性化剤の用量が25mg、50mg、75mgまたは100mgである、
請求項11に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項13】
前記のビグアナイド系血糖降下薬が500mg~1000mgの用量の範囲で存在する、
請求項1に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項14】
前記のビグアナイド系血糖降下薬の用量が500mg、850mgまたは1000mgである、
請求項13に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項15】
前記用量が単位用量である、
請求項11~14のいずれかに記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬品の
血糖降下用組合せ製品を含む血糖降下医薬組成物。
【請求項17】
グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬を含み、グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が1:20~1:2.5である、
請求項16に記載の血糖降下医薬組成物。
【請求項18】
グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬を含み、グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が1:20、1:17、1:10、1:8.5、1:6.6、1:5.6、1:5、1:3.3または1:2.5である、
請求項16に記載の血糖降下医薬組成物。
【請求項19】
グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬を含み、前記のグルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体が重量で0.6~72%であり;前記のビグアナイド系血糖降下薬が重量で18~95%である、
請求項16に記載の血糖降下医薬組成物。
【請求項20】
前記医薬組成物が1つ以上の賦形剤をさらに含み、前記の賦形剤が結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、流動化剤、界面活性剤、湿潤剤、抗酸化剤、着香剤、甘味剤、着色剤またはコーティング剤からなる群から選択される、
請求項16に記載の血糖降下医薬組成物。
【請求項21】
前記医薬組成物が錠剤、カプセル、丸剤およびトローチ剤の形態から選択される、
請求項16に記載の血糖降下医薬組成物。
【請求項22】
コーティング錠剤である、
請求項16に記載の血糖降下医薬組成物。
【請求項23】
(a)以下の式で表されるHMS5552、またはその薬学的に許容される塩である
化合物からなるグルコキナーゼ活性化剤;
【化2】
(b)メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩であるビグアナイド系血糖降下薬;及び
(c)1つまたは複数の賦形剤;
を含み、前記のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が1:40~1:5である、血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項24】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が1:40、1:34、1:20、1:17、1:13.3、1:11.3、1:10、1:6.6または1:5である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項25】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が重量で0.3~36%であり;前記のビグアナイド系血糖降下薬が重量で18~95%である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項26】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が固体分散体
中に存在する、
請求項23~25のいずれかに記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項27】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在し、ここで、前記のポリマー担体がメタクリル酸共重合体A型である、
請求項23~25のいずれかに記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項28】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在し、ここで、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレートと(1:1)のアニオン共重合体である、
請求項23~25のいずれかに記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項29】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在し、ここで、前記のポリマー担体がメタクリル酸の共重合体とメタクリレートエステルの共重合体を含むポリマー担体である、
請求項23~25のいずれかに記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項30】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が1:10~10:1である、
請求項27~29に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項31】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が1:9~9:1、1:4~4:1、3:7~7:3、2:3~3:2、3:4~4:3、4:5~5:4または5:6~6:5である、
請求項27~29に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項32】
前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が1:1、2:3、3:4、4:5または5:6である、
請求項27~29に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項33】
前記のビグアナイド系血糖降下薬が、メトホルミン塩酸塩である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項34】
前記のグルコキナーゼ活性化剤が25mg~100mgの用量の範囲で存在する、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項35】
前記のグルコキナーゼ活性化剤の用量が25mg、50mg、75mgまたは100mgである、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項36】
前記のビグアナイド系血糖降下薬が500mg~1000mgの用量の範囲で存在する、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項37】
前記のビグアナイド系血糖降下薬の用量が500mg、850mgまたは1000mgである、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項38】
グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬を含み、グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が1:20~1:2.5である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項39】
グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬を含み、グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が1:20、1:17、1:10、1:8.5、1:6.6、1:5.6、1:5、1:3.3または1:2.5である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項40】
グルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体とビグアナイド系血糖降下薬を含み、前記のグルコキナーゼ活性化剤
含有固体分散体が重量で0.6~72%であり;前記のビグアナイド系血糖降下薬が重量で18~95%である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項41】
前記の賦形剤の1つ以上が、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、流動化剤、界面活性剤、湿潤剤、抗酸化剤、着香剤、甘味剤、着色剤またはコーティング剤からなる群から選択される、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項42】
前記の結合剤がポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒプロメロースから選択され;充填剤が微結晶セルロース、ケイ素化微結晶セルロース、乳糖、リン酸二水素カルシウム、マンニトール、コーンスターチ、またはアルファ化デンプンから選択され;崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウムから選択され;潤滑剤がステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムから選択され;流動化剤がコロイダルシリカ、またはタルクから選択される、
請求項41に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項43】
錠剤である、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項44】
コーティング錠剤である、
請求項43に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項45】
前記のコーティング錠剤がフィルムコーティング錠剤である、
請求項44に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項46】
前記のコーティング錠剤がフィルムコーティング錠剤であり、前記のフィルムコーティング剤がオパドライ(登録商標)である、
請求項44に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項47】
重量で、
0.3~36%のグルコキナーゼ活性化剤、
0~55%の充填剤、
1~25%の結合剤、
0~15%の崩壊剤、
0.1~10%の潤滑剤、および
0~3%の流動化剤、
を含む、
請求項23に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項48】
前記グルコキナーゼ活性化剤がHMS5552である、
請求項47に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項49】
前記グルコキナーゼ活性化剤がHMS5552
であって、固体分散体
中に存在する、
請求項47に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項50】
前記グルコキナーゼ活性化剤がHMS5552
であって、ポリマー担体を含む固体分散体
中に存在する、
請求項47に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項51】
前記グルコキナーゼ活性化剤が
固体分散体中に存在し、
該固体分散体は、1:1でHMS5552、および、メタクリル酸とメチルメタクリレートと(1:1)のアニオン共重合体を含む固体分散体である、
請求項47に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項52】
活性成分の用量が、重量で、
25mg、50mg、75mgまたは100mgのHMS5552、
500mg、850mgまたは1000mgのメトホルミン塩酸塩である、
請求項47~51のいずれかに記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項53】
(1)
重量で、
25mgの
HMS5552、
1000mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である25mgのHMS5552/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(2)
重量で、
100mgの
HMS5552、
500mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である100mgのHMS5552/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(3)
重量で、
50mgの
HMS5552、
500mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である50mgのHMS5552/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(4)
重量で、
25mgの
HMS5552、
850mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である25mgのHMS5552/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(5)
重量で、
75mgの
HMS5552、
500mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である75mgのHMS5552/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(6)
重量で、
75mgの
HMS5552、
850mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である75mgのHMS5552/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(7)
重量で、
75mgの
HMS5552、
1000mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である75mgのHMS5552/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(8)
重量で、
50mgの
HMS5552、
850mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である50mgのHMS5552/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤であるか;あるいは
(9)
重量で、
50mgの
HMS5552、
1000mgのメトホルミン塩酸塩、
を含み、
前記のHMS5552が固体分散体中に存在し、該固体分散体は、1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である50mgのHMS5552/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である、
請求項52に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項54】
(1)
50mgの固体分散体、1000mgのメトホルミン塩酸塩、60.3mgの微結晶セルロース、31.9mgのポビドン、23.6mgのクロスポビドン、11.8mgのステアリン酸マグネシウム、2.36mgの微粉末シリカゲルおよび35.4mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ25mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(2)
200mgの固体分散体、500mgのメトホルミン塩酸塩、16mgの乳糖一水和物、28mgのクロスカルメロースナトリウム、28mgのヒドロキシプロピルセルロース、20mgの微結晶セルロース、8mgのステアリン酸マグネシウムおよび24mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ100mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(3)
100mgの固体分散体、500mgのメトホルミン塩酸塩、47.2mgの微結晶セルロース、18.6mgのヒドロキシプロピルセルロース、17.3mgのクロスカルメロースナトリウム、6.9mgのステアリン酸マグネシウムおよび20.7mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ50mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(4)
50mgの固体分散体、850mgのメトホルミン塩酸塩、182.30mgの微結晶セルロース、31.30mgのヒドロキシプロピルセルロース、34.80mgのデンプングリコール酸ナトリウム、11.60mgのフマル酸ステアリルナトリウムおよび34.80mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ25mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(5)
150mgの固体分散体、500.00mgのメトホルミン塩酸塩、36.40mgのケイ素化微結晶セルロース、19.70mgのヒドロキシプロピルセルロース、14.60mgのクロスカルメロースナトリウム、7.30mgのステアリン酸マグネシウムおよび21.80mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(6)
150mgの固体分散体、850.00mgのメトホルミン塩酸塩、56.20mgの微結晶セルロース、30.20mgのヒドロキシプロピルセルロース、22.40mgのクロスカルメロースナトリウム、11.20mgのフマル酸ステアリルナトリウムおよび33.60mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(7)
150mgの固体分散体、1000.00mgのメトホルミン塩酸塩、62.90mgの微結晶セルロース、35.10mgのヒドロキシプロピルセルロース、26.00mgのクロスカルメロースナトリウム、26.00mgのフマル酸ステアリルナトリウムおよび39.00mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(8)
100mgの固体分散体、850.00mgのメトホルミン塩酸塩、77.80mgの微結晶セルロース、29.50mgのヒドロキシプロピルセルロース、21.80mgのクロスカルメロースナトリウム、10.90mgのステアリン酸マグネシウムおよび32.70mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ50mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(9)
100mgの固体分散体、1000.00mgのメトホルミン塩酸塩、78.80mgの微結晶セルロース、33.70mgのポビドン、25.00mgのクロスポビドン、12.50mgのステアリン酸マグネシウムおよび37.50mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ50mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(10)
100mgの固体分散体、500.00mgのメトホルミン塩酸塩、32.20mgの微結晶セルロース、13.40mgのクロスカルメロースナトリウム、16.70mgのヒドロキシプロピルセルロース、6.70mgのステアリン酸マグネシウムおよび20.10mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ50mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(11)
100mgの固体分散体、850.00mgのメトホルミン塩酸塩、55.40mgの微結晶セルロース、23.60mgのクロスカルメロースナトリウム、26.80mgのヒドロキシプロピルセルロース、8.60mgのステアリン酸マグネシウム、5.36mgの微粉末シリカゲルおよび32.09mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ50mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(12)
150mgの固体分散体、500.00mgのメトホルミン塩酸塩、36.70mgの微結晶セルロース、22.11mgのクロスカルメロースナトリウム、18.40mgのヒドロキシプロピルセルロース、5.90mgのステアリン酸マグネシウム、3.69mgの微粉末シリカゲルおよび22.10mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(13)
150mgの固体分散体、850.00mgのメトホルミン塩酸塩、56.00mgの微結晶セルロース、28.20mgのクロスカルメロースナトリウム、28.20mgのヒドロキシプロピルセルロース、9.00mgのステアリン酸マグネシウム、5.64mgの微粉末シリカゲルおよび33.81mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(14)
150mgの固体分散体、850.00mgのメトホルミン塩酸塩、50.00mgのポビドン、11.00mgのステアリン酸マグネシウム、3.00mgの微粉末シリカゲルおよび31.90mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるか;あるいは
(15)
150mgの固体分散体、500.00mgのメトホルミン塩酸塩、36.10mgの微結晶セルロース、14.44mgのヒドロキシプロピルセルロース、14.44mgのクロスカルメロースナトリウム、7.22mgのステアリン酸マグネシウムおよび21.67mgのオパドライ(登録商標)を含み、
ここで、前記の固体分散体が1:1でHMS5552およびポリマー担体を含み、且つ75mgのHMS5552を含み、前記のポリマー担体がメタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体である、
請求項52に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤。
【請求項55】
1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;或いは、血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転することに用いられる医薬品の調製における、
請求項1~15のいずれか1項に記載の
医薬品の血糖降下用組合せ製品、請求項16~22のいずれか1項に記載の血糖降下医薬組成物、または請求項23~54のいずれか1項に記載の血糖降下医薬固定用量配合剤の使用。
【請求項56】
1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;或いは、血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転することに用いられる医薬品の調製における、以下の(a)および(b)の使用であって、以下のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が、1:40~1:5である使用。
(a)以下の式で表されるHMS5552、或いはその薬学的に許容される塩である
化合物からなるグルコキナーゼ活性化剤;
【化3】
(b)メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩であるビグアナイド系血糖降下薬
【請求項57】
1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;或いは、血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転することのために、以下の(b)と組み合わせて使用するための医薬品の調製のための以下の(a)の使用であって、以下のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が、1:40~1:5である使用。
(a)以下の式で表されるHMS5552、或いはその薬学的に許容される塩である
化合物からなるグルコキナーゼ活性化剤;
【化4】
(b)メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩であるビグアナイド系血糖降下薬
【請求項58】
1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;或いは、血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転することのために、以下の(a)と組み合わせて使用するための医薬品の調製のための以下の(b)の使用であって、以下のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が、1:40~1:5である使用。
(a)以下の式で表されるHMS5552、或いはその薬学的に許容される塩である
化合物からなるグルコキナーゼ活性化剤;
【化5】
(b)メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩であるビグアナイド系血糖降下薬
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
本出願は、2018年05月31日に出願された、中国発明特許出願番号が201810556685.6である特許出願の優先権を主張するものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【0002】
<技術分野>
本発明は、グルコキナーゼ活性化剤(Glucokinase Activator,GKA)の薬物およびパートナー薬物(partner drug)を含む医薬品の組合せ、医薬組成物、固定用量配合(fixed dose combination,FDC)剤、ならびにその調製方法および特定の疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【0003】
より具体的には、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤の薬物およびパートナー薬物を含む医薬品の組合せ、医薬組成物、または固定用量で配合された経口固形製剤、ならびにその調製方法に関する。また、本発明は、一種または複数の疾患および医学的障害の治療および/または予防におけるグルコキナーゼ活性化剤を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤の使用に関し、ここで、上記の疾患および医学的障害は、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、肥満症および高血圧症を含むが、これらに限定されない。さらに、本発明は、必要とされる被験者に治療有効量の本発明における医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を投与することを含む、一種または複数の疾患および医学的障害を治療および/または予防する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
糖尿病は、世界的に蔓延している疾患になり、世界中で4億2500万人の患者、そして中国で1億2000万人の患者がいる(International Diabetes Federation,Diabetes Atlas,2015)。2型糖尿病、即ちインスリン非依存性糖尿病(non-insulin dependent diabetes mellitus,NIDDM)は、糖尿病患者の90%以上を占めている。2型糖尿病は、インスリン分泌障害およびインスリン抵抗性によって引き起こされる人体の血糖恒常性のバランスの崩れに起因する高血糖性の慢性的な代謝機能障害である。人体の血糖恒常性は、主にインスリンおよびグルカゴンを含む血糖を制御する2つのホルモンによって維持される。
【0005】
グルコースセンサーであるグルコキナーゼ(Glucokinase,GK)は、血糖の変動を感知し、メッセンジャーグルコース制御ホルモン(messenger glucose-controlling hormones)、インスリンおよびグルカゴン、ならびにGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の分泌を調節し、人体の血糖恒常性を調節するための感知システムを構成する。グルコース制御ホルモンは、グルコース摂取中のグルコース貯蔵および空腹時のグルコース供給を制御し、人体の血糖恒常性の調節を構成する。グルコースの貯蔵に関与する器官は、主に肝臓、筋肉、脂肪であり、血糖とインスリンの作用により、グルコースを摂取し、肝臓グリコーゲン、筋肉グリコーゲンおよびトリグリセリドに変換する。グルコースの供給に関与する主な器官は肝臓であり、血糖とグルカゴンの作用下で、肝臓のグリコーゲン合成および肝臓のグルコース放出により、人体にグルコースを供給する。インスリンは、ナトリウム-グルコース共輸送体SGLT-2の活性を効果的に調節することもできる。血糖値が上昇すると、腎臓から排泄されたグルコースを再吸収させて人体のグルコース貯蔵に用いる。グルコースの摂取や肝臓のグルコース放出、およびさまざまな器官によるグルコースの使用は、人体の血糖恒常性の運営管理システムを構成する。グルコースの感知システムと運営管理システムの協同動作は、人体の血糖恒常性のランダムな調節を構成する。
【0006】
糖尿病患者では、グルコキナーゼの機能および発現の障害によるセンサー機能不全が、グルコース制御ホルモンの早期相分泌の異常を引き起こし、グルコースの摂取と放出に影響を及ぼし、食後の高血糖および食前の低血糖に繋がる。グルコース制御ホルモンの異常なシグナル伝達は、グルコースの摂取と放出の実行システムにおける重要なタンパク質の機能や発現に異常が生じ、異常な動作状態になり、2型糖尿病を引き起こす。
【0007】
既存の糖尿病用経口血糖降下薬は、通常、単一のグルコース制御器官に作用し、血糖恒常性のバランスの崩れの問題を効果的に治療することはできない。グルコキナーゼ活性化剤は、2型糖尿病患者の病状を治療または改善するために開発された新薬の一部類を代表するものである。例えば、((S)-2-[4-((2-クロロ-フェノキシ)-2-オキソ-2,5-ジヒドロ-ピロール-1-イル]-4-メチル-ペンタン酸[1-((R)-2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-1H-ピラゾール-3-イル]-アミド(以下、HMS5552と称する)は、糖尿病患者のグルコースセンサーの機能を効果的に改善することができ、現在、上記の臨床ニーズを解決するための最も有望な糖尿病治療薬である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
糖尿病患者は、治療中に、ビグアナイド系血糖降下薬のみでは良い効果が得られず、特に一定の使用期間が経過しても血糖を理想的なレベルに制御できないような状況に陥ることが多い。これに対して、本発明者らは、ビグアナイド系血糖降下薬とグルコキナーゼ活性化剤を併用することにより、ビグアナイド系血糖降下薬の血糖降下作用を有意に改善し、安全性リスクも低減することができることを見出し、したがって、本発明のグルコキナーゼ活性化剤およびビグアナイド系血糖降下薬を含む医薬品の組合せ、組成物および配合剤を得た。
【0009】
より具体的には、ビグアナイド系血糖降下薬とグルコキナーゼ活性化剤との併用は、中・後期の患者の複数の器官の機能を改善することができ、さらに、糖尿病やそれに伴う疾患および合併症も良好に治療することができ;患者が服用する薬剤の量を減少し、患者のコンプライアンスを向上させることができ;同じ治療効果を達成する薬剤の総投与量を減少し、最小の投与量で最大の効果を得ることができ;1型糖尿病、2型糖尿病、高血糖症、耐糖能異常、肥満症などの症状の1種または1種以上の治療または予防に対して、優れた効果を発揮し、実用的な意義がある。
【0010】
一方、本発明のグルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)を含む固定用量配合剤は、これらの2つ以上の薬物のそれぞれを単独で使用する場合に比べて、より優れた治療効果を示すだけではなく、配合剤に通常存在する技術的課題も解決することができる。本発明の固定用量配合剤は、均一な含有量を有する2種以上の有効成分の同時放出という課題を解決することができ、且つ製剤に含まれる有効成分の溶出速度を最適化することができ、特に製剤に含まれる有効成分を小腸のpH環境下で迅速に放出させるように最適化することができる。これは、薬物が腸、膵島および肝臓の標的器官へ適時または同時に到達させることに有利であり、多臓器への標的性および相乗的な血糖降下効果の臨床的利点を達成し、より優れた治療効果を発揮し、毒性または副作用を低減させる。さらに、本発明のグルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)を含む固定用量配合剤は、短い崩壊時間および良好な溶解特性を有し、および/または患者におけるグルコキナーゼ活性化剤の高いバイオアベイラビリティを有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、例えば以下の構造で表されるHMS5552のようなグルコキナーゼ活性化剤、またはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩と、他の経口血糖降下薬とを含む医薬品の組合せ、医薬組成物、固定用量配合剤、特に固形製剤(例えば錠剤のような経口固形製剤)を提供する。
【化1】
【0012】
具体的には、本発明は、例えばHMS5552のようなグルコキナーゼ活性化剤またはその薬学的に許容される塩と、ビグアナイド系血糖降下薬とを含む医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤も提供する。ビグアナイド系薬物の例としては、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、およびそれらの薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩)などが含まれるが、これらに限定されない。それらの中で、メトホルミンおよびその薬学的に許容される塩が好ましく、メトホルミン塩酸塩がより好ましい。
【0013】
より具体的には、本発明は、例えばHMS5552のようなグルコキナーゼ活性化剤と、例えばメトホルミン塩酸塩のようなパートナー薬物を含む、固定用量で配合された固形製剤を提供する。上記の固形製剤は、錠剤であることが好ましく、コーティング錠剤であることがより好ましい。一実施形態では、例えばHMS5552のような上記のグルコキナーゼ活性化剤は、固体分散体の形態である。
【0014】
また、本発明は、乾式または湿式の処理法によって調製されたグルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を提供する。本発明の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤の放出方式は、2つ以上の活性医薬成分の迅速な放出である。
【0015】
また、本発明は、短い崩壊時間および良好な溶出特性を有し、および/または患者におけるグルコキナーゼ活性化剤の高いバイオアベイラビリティを有する、グルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)を含む医薬製剤を提供する。さらに、本発明は、乾式または湿式の処理法によって、グルコキナーゼ活性化剤とパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)を固定用量で配合した医薬組成物または医薬製剤を調製する方法を提供する。乾式加工法は乾式圧縮(打錠)と乾式造粒を含み;湿式処理法は湿式造粒を含む。
【0016】
また、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびに代謝障害(特に2型糖尿病)を予防、遅延(delaying)、治療する、またはその進行を減速(slowing down)するための方法を提供する。
【0017】
また、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩などの第2以上の活性医薬成分)を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびに必要とされる患者(特に2型糖尿病の患者)における血糖制御の改善のための方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびに血糖制御が不十分な患者における血糖制御の改善のための方法を提供する。
【0019】
また、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびに耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームの2型糖尿病への進行を予防、減速または遅延するための方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、グルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物を含む医薬品の組合せ、医薬組成物および医薬製剤、ならびに糖尿病合併症を含む疾患または病症を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速するための方法を提供する。
【0021】
当業者は、本明細書の記載および実施例を通して、本発明の他の目的を明らかにすることができる。
【0022】
<発明の簡単な説明>
本発明の一方面は、以下の(a)、(b)、(c)を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびにその調製方法、糖尿病およびその関連疾患を治療するためのそれらの使用を提供する。
(a)以下の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、その同位体標識体、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態から選択されるグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤がHMS5552であり;より好ましくは、HMS5552が固体分散体の形態で存在する);
【化2】
(b)ビグアナイド系薬物;および
(c)1つまたは複数の賦形剤。
【0023】
本発明の別の方面は、以下の成分を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびにその調製方法、糖尿病およびその関連疾患を治療するためのそれらの使用を提供する。
(a)化合物HMS5552、或いはその薬学的に許容される塩、その同位体標識体、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態から選択されるグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤がHMS5552であり;より好ましくは、HMS5552が固体分散体の形態で存在する);
(b)メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩、その同位体標識体、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態;および
(c)1つまたは複数の賦形剤。
【0024】
特に、本発明の一方面は、HMS5552固体分散体とパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩)との固定用量の組合せを含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤、ならびにその調製方法および使用にも関する。
【0025】
定義
特に明記しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有するが、矛盾する場合、本明細書における定義が優先するものとする。
【0026】
明細書および特許請求の範囲で使用されるように、特に明記しない限り、単数形「1種」、「1つ」および「該(前記)」は、複数形を含む。
【0027】
特に明記しない限り、本明細書のパーセント(%)は、すべて重量パーセント(重量%)である。
【0028】
明細書および特許請求の範囲で使用される成分量、プロセス条件などに関連するすべての数値または表現は、すべての場合において「約」によって修飾されると理解されるべきである。数値の量または範囲を指す場合の「約」という用語は、所定の数値の量または範囲が、試験の変動性の範囲内(または統計的実験誤差の範囲内)の近似値であることを意味する。したがって、この数値の量または範囲は、例えば、上記の数値の量または範囲の±5パーセントの間で変動させることができる。
【0029】
同じ成分または特性に関するすべての範囲は、独立して組み合わせることができるエンドポイントを含む。これらの範囲は連続しているため、最小値と最大値の間のすべての値を含む。本願で引用されている数値範囲は、いずれもその範囲内のすべてのサブ範囲を含むことを意図していることも理解すべきである。
【0030】
本発明は、分子量のような物理的性質または化学的性質を範囲で定義する場合、範囲のすべての組み合わせおよびサブ組み合わせ、ならびにその中の特定の実施形態を含む。「含む」という用語(および「含有する」または「備える」または「有する」などの関連用語)は、例えば、物質、組成物、方法、またはプロセスなどの任意の組み合わせであり、且つ「記載された特徴からなる」または「本質的に記載された特徴からなる」実施形態を含む。
【0031】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」は、関連する成分の「二者択一または二者」として理解されるべきである。すなわち、一部の場合では成分が共存し、他の場合では成分が別々に存在する。「および/または」で記載された複数の成分(即ち、「1種または複数の」関連する成分)は、同様に理解されるべきである。「および/または」で具体的に特定された成分を除いて、それらの具体的に特定された成分に関連するかどうかにかかわらず、他の成分は任意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」について、「含む」のような開放式用語を接続する場合、一実施形態では、A(任意にB以外の成分を含む)のみを指してもよく、別の実施形態では、B(任意にA以外の成分を含む)のみを指してもよく、さらに別の実施形態では、AおよびB(任意に他の成分を含む)などを指してもよい。
【0032】
逆に明示的に指示されない限り、本明細書で請求される2つ以上の工程または1つの行為を含む任意の方法において、該方法における工程および行為の順序は、必ずしも記載された工程および行為の順序に限定されないことが理解されるべきである。
【0033】
本発明で使用される略語は、化学、生物学および製剤の分野における通常の意味を有する。
【0034】
特に明記しない限り、本発明における「ビグアナイド系薬物」またはその任意添加の種類(例えば、「メトホルミン」)は、任意添加の薬学的に許容される塩、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーを含むことも意図している。
【0035】
HMS5552、旧名:RO5305552、英語名:ドルザグリアチン(Dorzagliatin)、化学名:(S)-2-[4-(2-クロロ-フェノキシ)-2-オキソ-2,5-ジヒドロ-ピロール-1-イル]-4-メチル-ペンタン酸[1-((R)-2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-1H-ピラゾール-3-イル]-アミド
【0036】
特に明記しない限り、重量%(wt%)は、医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤の全重量に占めるパーセンテージを表す。
【0037】
固体分散体(solid dispersion,SD)とは、1種以上の薬物の活性成分を不活性な添加物または担体に高度に分散して形成された固体分散システムである。
【0038】
EUDRAGIT(オイドラギット)は、一般にポリアクリル樹脂として知られているメタクリル酸共重合体およびメタクリレート共重合体を含む合成医薬添加物の商品名である。ポリアクリル樹脂系添加物は、その組成、割合、および重合度によってさまざまな規格に分類される。そのうち、Eudragit Eは、ジメチルアミノエチルメタクリレートとメタクリレートの重合体であり、Eudragit Lは、メタクリル酸とメチルメタクリレートの重合体(遊離カルボキシル基:エステル=1:1)であり、Eudragit Sは、メタクリル酸とメチルメタクリレートの重合体(遊離カルボキシル基:エステル=1:2)である。
【0039】
本明細書で使用される「錠剤」という用語は、コーティングされているかどうかにかかわらず、すべての形状およびサイズの圧縮された医薬製剤を含むことを意図している。
【0040】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、所望の生物学的結果を得るのに十分な薬剤量を意味する。該結果は、疾患の徴候、症状または原因の減少および/または軽減、あるいは他の任意の所望の生物システムの変化であり得る。例えば、治療用途の「有効量」とは、本発明の活性成分とする化合物が臨床的に有意に疾患を減少させるために必要な組成物量を含む。いかなる場合にも、適切な「有効」量は、当業者が通常の実験で測定することができる。したがって、「有効量」という表現とは、通常、活性物質が治療効果を発揮する量を指す。
【0041】
本明細書で使用される用語「治療(treat)」または「治療(treatment)」は、「予防(prevent)」と同義であり、疾患の進行を遅らせること、疾患の進行を防ぐこと、および/または発症する病状または予想される病状の重症度を軽減することを意味する。したがって、これらの用語には、既存の疾患の病状を改善すること、別の病状を予防すること、病状の潜在的な代謝原因を改善または予防すること、例えば、障害や疾患の進行を抑制すること、障害や疾患を軽減すること、障害や疾患を退行させること、疾患や障害による病状を軽減すること、または疾患や障害の病状を停止させることなどの障害や疾患を抑制すること、を含む。
【0042】
「医薬用」または「薬学的に許容される」とは、生物学的あるいは他の面で実質的に望ましくないものではない物質を指す。即ち、この物質を個体に投与すると、望ましくない生物学的効果を起こすことがなく、または有害になるようにこの物質を含む組成物における任意の他の成分と相互作用することがない。
【0043】
本明細書で使用される「被験者」という用語は、哺乳動物および非哺乳動物を含む。哺乳動物の例として、ヒト、チンパンジーおよび他のエイプおよびサルなどの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌおよびネコなどのペット;ラット、マウスおよびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などの哺乳綱の任意のメンバーを含むが、これらに限定されない。非哺乳動物の例として、鳥類及び魚などを含むが、これらに限定されない。本発明の一実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。
【0044】
本発明のグルコキナーゼ活性化剤を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(例えば、固定用量配合剤)における活性成分とする化合物は、塩を形成しても良い。特に明記しない限り、本明細書に記載された化合物に言及すると、その塩を含むと理解されるべきである。本明細書で使用される「塩(一種類または複数種類)」という用語は、無機酸および/または有機酸と形成された酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基と形成された塩基性塩を指す。また、前記化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンまたはイミダゾール)と酸性部分(例えば、カルボン酸)とを含む場合、双性イオン(「分子内塩」)が形成され、この双性イオン(「分子内塩」)が本明細書で用いる「塩(一種類または複数種類)」に含まれる。医薬用(即ち、無毒で、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。前記化合物の塩は、例えば、塩を析出させる媒体または含水媒体(反応後に凍結乾燥させる)のような媒体中で、前記化合物を一定量(例えば等量)の酸または塩基と反応させることにより形成される。
【0045】
異なる化合物およびその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの結晶多形の形態は、本発明に含まれる。
【0046】
本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的のためのものであり、それらを制限することを意図しないことが理解されるべきである。さらに、本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法、装置、および材料が、本発明の実施または試験に使用されるが、以下、好ましい方法、装置、および材料を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、実施例12Bおよび同じ用量の単一錠剤の溶出結果を示す。
【
図2】
図2は、実施例13Bおよび同じ用量の単一錠剤の溶出結果を示す。
【
図3】
図3は、2型糖尿病の患者におけるHMS5552とメトホルミン塩酸塩との併用の臨床研究の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の一方面は、グルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)とパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩)との医薬品の組合せ、医薬組成物、または固定用量配合剤のような医薬製剤に関する。前記の製剤は、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、小袋(sachet)または他の固体形態であっても良い。具体的には、本発明の一方面は、グルコキナーゼ活性化剤とパートナー薬物(例えば、メトホルミン塩酸塩)の固定用量の組合せを含む錠剤に関する。
【0049】
本発明の特定の一方面において、医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤は、以下のものを含む。
(1)グルコキナーゼ活性化剤、或いはその薬学的に許容される塩、またはその同位体標識体、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態(好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤がHMS5552であり;より好ましくは、HMS5552が、例えば、ポリマー担体を含む固体分散体の形態(例えば、噴霧乾燥粉末)のような固体分散体の形態で存在する);
(2)ビグアナイド系経口血糖降下薬(好ましくは、メトホルミン、或いはその薬学的に許容される塩、その同位体標識体、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態から選択される);および/または
(3)充填剤;および/または
(4)結合剤;および/または
(5)崩壊剤;および/または
(6)潤滑剤または流動化剤;および/または
(7)コーティング剤。
【0050】
本発明の一実施形態において、医薬品の組合せ、医薬組成物、または医薬製剤は、さらに、1種または複数の結合剤、1種または複数の希釈剤(充填剤)、1種または複数の崩壊剤、1種または複数の潤滑剤、1種または複数の流動化剤、1種または複数の界面活性剤または湿潤剤;および1種または複数の抗酸化剤;および1種または複数のコーティング剤からなる群から選択される1種または複数の賦形剤を含んでもよい。
【0051】
医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤
グルコキナーゼ活性化剤+ビグアナイド系薬物
一実施形態において、本発明は、医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤に関し、好ましくは、以下のものを含む固定用量配合剤である。
(a)以下の式で表される化合物、或いはその薬学的に許容される塩、またはその同位体標識体、またはその結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態であるグルコキナーゼ活性化剤;
【化3】
(b)ビグアナイド系血糖降下薬;
好ましくは、前記のビグアナイド系がメトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、或いはそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらの同位体標識体、またはそれらの結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態からなる群から選択され、ここで、薬学的に許容される塩が塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩を含み、より好ましくは、メトホルミンおよびその薬学的に許容される塩であり、特に好ましくはメトホルミン塩酸塩であり;
(c)1つまたは複数の賦形剤;
ここで、上記の医薬品(a)および(b)は、同時に、別々に、または順次に使用される。
【0052】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、前記のグルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比は、約1:50~1:1である。好ましくは、約1:40~1:5であり、より好ましくは、約1:40、約1:34、約1:20、約1:17、約1:13.3、約1:11.3、約1:10、約1:6.6または約1:5である。
【0053】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において前記のグルコキナーゼ活性化剤は、約1mg~約200mg、好ましくは約25mg~約100mgの範囲の用量(好ましい単位用量)で存在する。好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤の用量(好ましい単位用量)が約25mg、約50mg、約75mg、または約100mgである。
【0054】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において前記のビグアナイド系血糖降下薬は、約100mg~1500mg、好ましくは約500mg~約1000mgの用量(好ましい単位用量)の範囲で存在する。好ましくは、前記のビグアナイド系血糖降下薬の用量(好ましい単位用量)が約250mg、約500mg、約625mg、約750mg、約850mg、または約1000mgであり、最も好ましくは、約500mg、約850mgまたは約1000mgである。
【0055】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において前記のグルコキナーゼ活性化剤は、化合物HMS5552、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩である。
【化4】
【0056】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)においてグルコキナーゼ活性化剤は、固体分散体の形態で存在する。
【0057】
一実施形態において、前記の固体分散体は、グルコキナーゼ活性化剤、或いはその同位体標識体、またはその薬学的に許容される塩を、ポリマー担体とともに、噴霧乾燥、熱溶融または凍結乾燥などの方式によって得られる。
【0058】
一実施形態において、固体分散体の全重量に基づいて、固体分散体中のグルコキナーゼ活性化剤の含有量は、約1重量%~約99重量%、好ましくは10重量%~90重量%の範囲で変動しても良い。一実施形態において、グルコキナーゼ活性化剤の含有量の範囲が約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%、約70重量%、約71重量%、約72重量%、約73重量%、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、約78重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、または約99重量%、あるいはその間の任意の範囲である。
【0059】
一実施形態において、固体分散体におけるグルコキナーゼ活性化剤の含有量は、固体分散体の合計重量で約1重量%~約20重量%、約2重量%~約40重量%、約30重量%~約60重量%、約60重量%~約80重量%、約70重量%~約90重量%、または約80重量%~約100重量%である。
【0060】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、前記のグルコキナーゼ活性化剤は、固体分散体の形態で存在し、前記の固体分散体における前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比は約1:10~10:1、好ましくは約1:9~9:1、約1:4~4:1、約3:7~7:3、約2:3~3:2、約3:4~4:3、約4:5~5:4または約5:6~6:5、より好ましくは約1:1、約2:3、約3:4、約4:5または約5:6、或いはその間の任意の範囲である。
【0061】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、グルコキナーゼ活性化剤は、化合物HMS5552、その同位体標識体またはその薬学的に許容される塩、それとポリマー担体と共に噴霧乾燥、熱溶融または凍結乾燥などの方式によって得られた固体分散体である。
【0062】
一実施形態では、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、上記の固体分散体におけるポリマー担体は、ポリプロピレン樹脂系重合体である。このポリプロピレン樹脂系重合体は、アクリル酸(又はメタクリル酸およびそれらのエステル、例えばメチルエステル、エチルエステルなど)そのもの(1種類の単量体)で重合してなる高分子化合物であり、或いは、メタクリル酸(又はそのエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、ジメチルアミノエチルエステルなど)との2種類の単量体(二元重合)または3種類の単量体(二元重合)として一定の割合で共重合してなる高分子化合物である。
【0063】
一実施形態では、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、固体分散体に使用される前記のポリマー担体は、ブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチルの共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とアクリル酸メチルとメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレートの共重合体からなる群から選択される。
【0064】
一実施形態において、前記のポリマー担体は、ブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレート(1:2:1)の共重合体、メタクリル酸とアクリル酸エチル(1:1)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.2)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレートとクロロトリメチルアミノエチルメタクリレート(1:2:0.1)の共重合体、アクリル酸エチルとメチルメタクリレート(2:1)の共重合体、メタクリル酸とブチルアクリレート(35:65)の共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)の重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレート(35:65)の共重合体からなる群から選択される。
【0065】
一実施形態において、前記のポリマー担体は、Eudragit E、Eudragit L、Eudragit S、Eudragit RL、およびEudragit RSを含むEudragit(オイドラギット)である。ここで、Eudragit Eは、ジメチルアミノメタクリレートと他の中性メタクリレート類を共重合したものであり、ジメチルアミエチルメタクリレートとメタクリレートの重合体を含み;Eudragit LおよびEudragit Sは、メタクリル酸と異なる割合のメタクリレート類を共重合したものであり、メタクリル酸とメチルメタクリレートとの共重合体(遊離カルボキシル基:エステル=1:1)またはメタクリル酸とメチルメタクリレートとの共重合体(遊離カルボキシル基:エステル=1:2)を含み;Eudragit RLおよびEudragit RSは、4級アミン官能基を含むあるアクリル酸とメタクリレートとの共重合体であり、10%の4級アミン基を含むアクリル酸とメタクリレートとの共重合体、および5%の4級アミン基を含むアクリル酸とメタクリレートの共重合体を含む。
【0066】
一実施形態において、前記のポリマー担体は、
オイドラギットEPOを含む、ブチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレート(1:2:1)の共重合体であるEudragit E100(オイドラギットE100)、
メタクリル酸共重合体A型であって、メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体であるEudragit L100(オイドラギットL100)、
メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:2)の共重合体であるEudragit S100(オイドラギットS100)、
からなる群から選択される。
【0067】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552固体分散体におけるポリマー担体は、メタクリル酸共重合体A型(メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1))のアニオン共重合体)であり、好ましくはEudragitであり、より好ましくはEudragit L100である。
【0068】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552固体分散体におけるHMS5552とEudragit L100との重量比は、約1:10~10:1、約1:9~9:1、約2:3~9:1、約3:4~9:1、約4:5~9:1、約5:6~9:1または約1:1~9:1;約2:3~4:1、約3:4~4:1、約4:5~4:1、約5:6~4:1または約1:1~4:1;約2:3~7:3、約3:4~7:3、約4:5~7:3、約5:6~7:3または約1:1~7:3;約2:3~3:2、約3:4~4:3、約4:5~5:4または約5:6~6:5;約1:4~4:1、約3:7~7:3、約2:3~3:2、約3:4~4:3、約4:5~5:4または約5:6~6:5、或いはその間の任意の範囲である。
【0069】
一実施形態において、上記の医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552固体分散体におけるHMS5552とEudragit L100との重量比は、約1:1、約2:3、約3:2、約1:4、約4:1、約3:4、約4:3、約4:5、約5:4、約5:6、約6:5、約7:3、約3:7、約1:9、約9:1、或いはその間の任意の範囲である。
【0070】
一実施形態では、上記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、第2の活性成分はメトホルミン塩酸塩である。前記のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)は、重量で、約0.3~36%のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約18~95%のメトホルミン塩酸塩;約0~55%の充填剤;約1~25%の結合剤;約0~15%の崩壊剤;約0.1~10%の潤滑剤、約0~3%の流動化剤、および0~5%のコーティング剤を含む。
【0071】
一実施形態において、前記のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)は、重量で、約1~20%のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約30~85%のメトホルミン塩酸塩;約0~30%の充填剤;約1~10%の結合剤;重量で約1~10%の崩壊剤;約0.1~5%の潤滑剤;0~2%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含む。前記の医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)は、湿式造粒法または乾式造粒法で調製され、好ましくは、湿式造粒法で調製される。
【0072】
一実施形態において、前記のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)は、グルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)の用量(好ましい単位用量)が約1mg~200mgである。好ましくは、グルコキナーゼ活性化剤の用量(好ましい単位用量)が約5mg~100mgである。好ましくは、グルコキナーゼ活性化剤の用量(好ましい単位用量)が約5mg、約10mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約75mg、約80mg、約90mg、約100mg、或いはその間の任意の範囲である。より好ましくは、グルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)の用量(好ましい単位用量)が約25mg、約50mg、約75mg、約100mgである。好ましくは、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552は、固体分散体の形態で存在する。
【0073】
一実施形態において、前記のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)は、メトホルミン塩酸塩の用量(好ましい単位用量)が約100mg~約1500mgであり;好ましくは、メトホルミン塩酸塩の用量(好ましい単位用量)が約250mg、約500mg、約625mg、約750mg、約850mgまたは約1000mg、或いはその間の任意の範囲であり;ここで、より好ましくは、メトホルミン塩酸塩の用量(好ましい単位用量)が約500mg、約850mgまたは約1000mgである。好ましくは、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552は、固体分散体の形態で存在する。
【0074】
前記のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくは、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552(またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の用量(好ましい単位用量)の具体的な実施形態は、以下の通りである。
(1)約25mgのHMS5552および約500mgのメトホルミン塩酸塩
(2)約25mgのHMS5552および約850mgのメトホルミン塩酸塩;
(3)約25mgのHMS5552および約1000mgのメトホルミン塩酸塩;
(4)約50mgのHMS5552および約500mgのメトホルミン塩酸塩;
(5)約50mgのHMS5552および約850mgのメトホルミン塩酸塩;
(6)約50mgのHMS5552および約1000mgのメトホルミン塩酸塩;
(7)約75mgのHMS5552および約500mgのメトホルミン塩酸塩;
(8)約75mgのHMS5552および約850mgのメトホルミン塩酸塩;
(9)約75mgのHMS5552および約1000mgのメトホルミン塩酸塩;
(10)約100mgのHMS5552および約500mgのメトホルミン塩酸塩;
(11)約100mgのHMS5552および約850mgのメトホルミン塩酸塩;および
(12)約100mgのHMS5552および約1000mgのメトホルミン塩酸塩。
【0075】
好ましくは、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)において、HMS5552は、固体分散体の形態で存在する。
【0076】
一実施形態において、本発明の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)は、錠剤に打錠され、カプセルに充填され、または小袋に計量されてもよい。
【0077】
一実施形態において、本発明の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、固定用量配合剤)の剤形は、錠剤であることが好ましい。
【0078】
一実施形態において、本発明の錠剤は、グルコキナーゼ活性化剤(HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)およびメトホルミン塩酸塩の固定用量配合錠剤である。
【0079】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、25mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約25mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約500mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0080】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、50mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/500mgメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約50mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約500mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0081】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、75mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/500mgメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約75mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約500mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0082】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、100mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/500mgメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約100mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約500mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0083】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、25mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約25mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約850mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0084】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、50mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約50mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約850mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0085】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、75mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約75mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約850mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0086】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、100mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約100mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約850mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0087】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、25mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約25mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約1000mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0088】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、50mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩)/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約50mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体または薬学的に許容される塩);約1000mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0089】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、75mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体またはその薬学的に許容される塩)/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約75mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552、或いはその同位体標識体またはその薬学的に許容される塩);約1000mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0090】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは、100mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体またはその薬学的に許容される塩)/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤である固定用量配合錠剤)は、重量で、約100mgのグルコキナーゼ活性化剤(例えば、HMS5552またはその同位体標識体またはその薬学的に許容される塩);約1000mgのメトホルミン塩酸塩;約0~20%の充填剤;約1~8%の結合剤;約1~5%の崩壊剤;約0.5~3%の潤滑剤;ならびに約0~0.5%の流動化剤および0~5%のコーティング剤を含み;好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤が前記の固体分散体の形態であり、好ましくは、前記の固体分散体がグルコキナーゼ活性化剤およびポリマー担体を含み、好ましくは、約1:1でグルコキナーゼ活性化剤およびEudragit L100を含む。
【0091】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは固定用量配合剤)は、他の賦形剤をさらに含む。前記の他の賦形剤は、希釈剤、着香剤(フレーバー)、甘味剤および着色剤のうちの1つ、またはそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0092】
一実施形態において、前記の本発明の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは固定用量配合剤)は、1つまたは複数の充填剤(希釈剤)を含んでも良い。充填剤の例として、微結晶セルロースまたはリグノセルロース(微結晶セルロースおよびケイ素化微結晶セルロースを含む)のようなセルロース誘導体、乳糖、無水乳糖または乳糖一水和物、スクロース、デンプン、アルファ化デンプン、デキストロース、マンニトール(マンニトールPearlitol SD 200を含む)、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、コーンスターチ、変性コーンスターチ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムのような無機塩、デキストリン/グルコース結合剤、マルトデキストリン、圧縮性糖および他の既知の増量剤あるいは充填剤、および/またはそれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
好ましい充填剤(希釈剤)の例として、微結晶セルロース(MCC)、ケイ素化微結晶セルロース(SMCC)、乳糖、マンニトール、ソルビトール、リン酸二水素カルシウム(二水和物)、コーンスターチ、アルファ化デンプンおよび粉末セルロースが挙げられる。より好ましい充填剤(希釈剤)は、微結晶セルロースおよびケイ素化微結晶セルロースである。微結晶セルロースは、複数の供給者から入手することができ、FMC Corporation製のAvicel PH 101、Avicel PH 102、Avicel PH 103、Avicel PH 105およびAvicel PH 200が挙げられる。
【0094】
一実施形態において、前記の本発明の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましくは固定用量配合剤)は、1つまたは複数の結合剤を含んでも良い。その例として、カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む)、ヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシプロピルセルロースEXFを含む)、コーンスターチ、アルファ化デンプン、変性コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒプロメロース(HPMC)(ヒプロメロース2208を含む)、乳糖、スクロース、アラビアゴム、エチルセルロース、酢酸セルロース、およびカルナウバワックス、パラフィンワックス、セチルワックス、ポリエチレン系または微結晶ワックスのようなワック結合剤、ならびに他の一般の結合剤および/またはそれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、前記の結合剤に加えて、本発明に適用される結合剤として、アルギン酸、微結晶セルロース、デキストリン、ゼラチン、アミロペクチン、液体グルコース、グアーガム、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポビドンおよびシロップ、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
結合剤の好ましい実施形態として、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒプロメロース(HMPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン1500およびポリビドンが含まれる。より好ましい結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースおよびポリビニルピロリドンである。
【0096】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましいは固定用量配合剤)は、1つまたは複数の崩壊剤を含んでも良い。本発明に適用される崩壊剤の例として、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、交ポビドン、乳糖、スクロース、デンプン、ポテトスターチ、アルファ化デンプン、コーンスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび他の既知の崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
好ましくは、崩壊剤は、変性デンプン、変性セルロースポリマーまたはポリカルボン酸から選択される1つ以上である。具体的に、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、およびカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC Calcium)からなる群から選択される。一実施形態において、崩壊剤はクロスポビドンである。別の実施形態において、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。別の実施形態において、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。クロスカルメロースナトリウムNFのA型は、「Ac-di-sol」という商品名で市販されている。
【0098】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましいは固定用量配合剤)は、1つまたは複数の潤滑剤を含む。本発明に適用される潤滑剤の例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナウバワックス、ステアリン酸、パルミチン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、硫酸ラウリルナトリウム、グリセリルパルミトステアレート、パルミチン酸、ミリスチン酸及水添植物油脂(水添ヒマシ油を含む)、ならびに他の既知の滑剤および/またはそれらの2種以上の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
好ましくは、潤滑剤の実施形態は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、水添ヒマシ油およびそれらの混合物が含まれる。より好ましい潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウム、またはそれらの混合物である。
【0100】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましいは固定用量配合剤)は、1つまたは複数の流動化剤および/またはブロッキング防止剤を含む。本発明に適用される流動化剤および/またはブロッキング防止剤の例として、シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルク、ならびに凝集したケイ酸塩およびシリカヒドロゲルなどの他の形態のシリカが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
好ましくは、流動化剤の実施形態は、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムおよびタルク、またはそれらの混合物を含む。好ましい流動化剤はコロイダルシリカである。
【0102】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましいは固定用量配合剤)は、1つまたは複数の界面活性剤または湿潤剤をさらに含んでも良い。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または中性界面活性剤であっても良い。アニオン性界面活性剤として、硫酸ラウリルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、およびステアリン酸エステルとタルクと混合されたラウリン酸ナトリウムが挙げられる。カチオン性界面活性剤は、塩化ベンザルコニウムおよび臭化アルキルトリメチルアンモニウムを含む。中性界面活性剤は、モノオレイン酸グリセロール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリビニルアルコールおよびソルビタンエステルを含む。湿潤剤の実施形態は、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、およびポリオキシエチレンステアレートを含む。
【0103】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましいは固定用量配合剤)は、化学的安定性を付与するために、抗酸化剤をさらに含んでもよい。本発明に適用される抗酸化剤の例として、トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸エステル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、チオグリセロール、ピロ亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
好ましくは、抗酸化剤は、α-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、トコフェロールが豊富な天然源由来の抽出物、L-アスコルビン酸およびそのナトリウム塩またはカルシウム塩、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、ブチル化ヒドロキシトルエン、およびブチル化ヒドロキシアニソールからなる群から選択される。一実施形態において、抗酸化剤はBHTまたはBHAである。
【0105】
一実施形態において、前記の固定用量配合剤の好ましい製剤は、圧縮法で調製された錠剤である。前記の錠剤は、コーティングされていてもよい。コーティング基質の好ましい例として、糖衣コーティング基質、水溶性フィルムコーティング基質、腸溶性フィルムコーティング基質などが挙げられる。
【0106】
糖衣コーティング基質としは、スクロースが使用される。また、タルク粉末、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、アミロペクチン、カルナウバワックスなどから選択される1種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0107】
水溶性フィルムコーティング基質の例として、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系ポリマー;例えば、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレート共重合体E[Eudragit E(商品名称)]、ポリビニルピロリドン等の合成ポリマーが挙げられる。
【0108】
腸溶性フィルムコーティング基質の例として、例えば、ヒプロメロースフタレート、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレートなどのセルロース系ポリマー;例えば、メタクリル酸共重合体L[Eudragit L(商品名称)]、メタクリル酸共重合体LD[Eudragit L-30D55(商品名称)]、メタクリル酸共重合体S[Eudragit S(商品名称)]などのアクリル重合体が挙げられる。
【0109】
コーティング添加剤の好ましい例として、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール、クエン酸トリエチル、ヒマシ油、ポリソルベート、またはそれらの2種以上の混合物などの可塑剤;例えば、二酸化チタンなどの不透明化剤;例えば、ベンガラ(酸化鉄)、黄酸化鉄などの着色剤、染料およびレーキ;例えば、タルクなどの流動化剤が挙げられる。
【0110】
好ましくは、前記の錠剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースとヒプロメロースとの混合物でコーティングすることができる。この混合物は、二酸化チタンおよび/または他の着色剤(例えば、酸化鉄、染料およびレーキ);ポリビニルアルコール(PVA)とポリエチレングリコール(PEG)との混合物;または、他の任意添加の適切な即時放出性コーティング剤を含む。コーティングは、最終的な錠剤に、味のマスキングおよび追加の安定性を提供する。市販のコーティング材料は、Colorconによって提供される事前に調製された粉末混合物であるオパドライ(Opadry(登録商標))(例えば、オパドライ03K12429)である。
【0111】
一実施形態において、前記の医薬品の組合せ、医薬組成物または医薬製剤(好ましいは固定用量配合剤)は、必要に応じて甘味剤および/または着香剤を添加しても良い。
【0112】
一実施形態において、前記の結合剤は、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルセルロース、またはヒプロメロースであり;前記の充填剤は、微結晶セルロース、またはケイ素化微結晶セルロース、または乳糖、またはリン酸二水素カルシウム、またはマンニトール、またはコーンスターチおよびアルファ化デンプンであり;前記の崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウムであり;前記の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムであり;前記の流動化剤はコロイダルシリカである。
【0113】
一実施形態において、前記の結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースであり;前記の充填剤は、微結晶セルロース、またはケイ素化微結晶セルロース、または乳糖であり;前記の崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウムであり;前記の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムであり;前記の流動化剤はコロイダルシリカである。
【0114】
一実施形態において、前記の結合剤はポリビニルピロリドンであり;前記の充填剤は、微結晶セルロース、またはケイ素化微結晶セルロースであり;前記の崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポビドンであり;前記の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムであり;前記の流動化剤はコロイダルシリカである。
【0115】
一実施形態において、前記の結合剤はヒプロメロースであり;前記の充填剤は、微結晶セルロース、またはケイ素化微結晶セルロース、または乳糖であり;前記の崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウムであり;前記の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムであり;前記の流動化剤はコロイダルシリカである。
【0116】
一実施形態において、前記の結合剤はヒドロキシプロピルセルロースであり;前記の充填剤は、微結晶セルロース、またはケイ素化微結晶セルロース、または乳糖であり;前記の崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムであり;前記の潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムである。
【0117】
一実施形態において、前記の結合剤はポリビニルピロリドンであり;前記の潤滑剤はステアリン酸マグネシウムであり;前記の流動化剤はコロイダルシリカである。
【0118】
調製方法
一実施形態において、湿式造粒(高剪断および/または流動床)によって本発明の医薬組成物または固定用量配合剤を調製する。造粒は、結合剤を溶媒に加えて、結合剤溶液を調製した後、造粒機に投入するか、または造粒機に直接投入して、湿粒子を調製する方法である。湿式造粒法は、以下の工程を含む。
(1)医薬有効成分であるグルコキナーゼ活性化剤(好ましくはHMS5552)およびパートナー薬物(好ましくは、メトホルミン塩酸塩)を造粒機に投入する。
(2)任意添加の充填剤(例えば、微結晶セルロース、ケイ素化微結晶セルロース、乳糖)を、工程(1)で得られた混合物に添加する。
(3)任意添加の崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム)を、工程(1)または(2)で得られた混合物に添加する。
(4)高剪断造粒において、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、またはポリビニルピロリドン、またはヒプロメロース)を純水に加えて結合剤溶液を調整した後、造粒機に投入し、攪拌しながら造粒を行う。流動床造粒において、2種の医薬有効成分を流動床に投入し、結合剤および純水で調製された水溶液である結合剤溶液を圧縮空気によって噴霧する。
(5)得られた湿粒子を適切な整粒機で整粒して、適切なサイズの湿粒子を得る。
(6)高剪断造粒で調製された粒子は、オーブン内のトレイで乾燥され、または流動床乾燥機で乾燥される。流動床造粒で調製された粒子は、流動床で乾燥される。
(7)適切な研磨機で整粒して、適切なサイズの乾燥粒子を得る。
(8)適切なミキサーで、任意添加の充填剤(例えば、微結晶セルロースのような希釈剤)および任意添加の崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)を乾燥粒子と混合する。
(9)潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムおよびフマル酸ステアリルナトリウム)を、工程(8)で得られた混合物に加える。
(10)任意添加の流動化剤(例えば、コロイダルシリカ)を工程(9)の混合物に加える。
(11)工程(9)または(10)で潤滑された粒子混合物を、バイアル、小袋またはカプセルに充填するか、または所望の形状の錠剤に圧縮する。
(12)必要に応じて、得られた錠剤をフィルムコーティングする。
【0119】
乾式処理(直接圧縮または乾式造粒)法は、以下の工程を含む。
(1)医薬有効成分であるグルコキナーゼ活性化剤(好ましくはHMS5552)およびパートナー薬物(好ましくはメトホルミン塩酸塩)をバレルミキサーに投入する。
(2)任意添加の充填剤(例えば、微結晶セルロース、ケイ素化微結晶セルロース、乳糖)を、工程(1)に添加する。
(3)任意添加の結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、またはポリビニルピロリドン、またはヒプロメロース)を、工程(1)または(2)で得られた混合物に添加する。
(4)潤滑剤または流動化剤を工程(3)に添加し、混合する。
(5)工程(4)で得られた混合物を、バイアル、小袋またはカプセルに充填するか、または所望の形状の錠剤に圧縮するか、またはローラーコンプレッサーで処理する。
(6)ローラーコンプレッサーで処理する場合、工程(3)の混合物を予め混合しておき、ローラーで圧延する。必要に応じて、適切な研磨機で整粒して、所望のサイズの粒子を得る。
(7)適切なミキサーで、任意添加の希釈剤を工程(6)で得られた粒子に加えて、圧縮性能を改善する。
(8)任意添加の崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム)を、工程(7)に加える。
(9)任意添加の潤滑剤または流動化剤を、工程(8)の混合物に加える。
(10)工程(9)で潤滑された粒子混合物を、バイアル、小袋またはカプセルに充填するか、または所望の形状の錠剤に圧縮する。
(11)必要に応じて、工程(5)または(10)で得られた錠剤をフィルムコーティングする。
【0120】
本発明の一実施形態において、本発明の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤におけるグルコキナーゼ活性化剤は、固体分散体の形態であり、噴霧乾燥法、流動床乾燥法、溶媒法、熔融押出法などの方法で調製することができる。
【0121】
本発明の一実施形態は、以下の工程を含む、噴霧乾燥法でグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体を調製する方法である。
(1)ポリマー担体およびグルコキナーゼ活性化剤(好ましくはHMS5552)を溶媒に溶解することを含む、噴霧乾燥溶液を調製する工程
(2)送風温度、送風量、霧化気流の流速と圧力、および溶液の噴出速度などを制御することを含む噴霧乾燥工程
【0122】
本発明の実施形態において、グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製に使用される溶媒は、アルカノール、エステル、ニトリル、シクロアルカン、芳香族炭化水素、ケトンなどが含まれるが、これらに限定されない。具体的には、溶媒は、無水エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、イソブタノール、n-ヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される。溶媒は、単一溶媒、混合溶媒、または有機溶媒と水との混合物であってもよい。
【0123】
疾患の治療および/または予防の方法および使用
本発明の別の実施形態は、本発明におけるグルコキナーゼ活性化剤を含む組成物または製剤(好ましくは、固定用量で組み合わせた医薬組成物または固定用量配合剤)によって、以下の疾患および医学的障害を治療および/または予防する方法または使用に関する。特に、被験者に治療有効量で本発明の組成物または製剤(好ましくは、固定用量で組み合わせた医薬組成物または固定用量配合剤)を投与することを含む、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害および高血糖症からなる群から選択される1種以上の疾患の治療および/または予防の方法または使用に関する。
・1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症及びメタボリックシンドロームからなる群から選択される代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;または
・血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;または
・耐糖能異常、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームの2型糖尿病への進行を予防、減速、遅延または逆転すること;または
・例えば、白内障や微小血管疾患および大血管疾患、例えば、腎臓病、網膜症、神経障害、学習および記憶機能障害、神経変性または認知障害、心血管疾患または脳血管疾患、組織虚血、糖尿病足病変または潰瘍、動脈硬化症、高血圧症、内皮機能障害、心筋梗塞、急性冠症候群、不安定狭心症、安定狭心症、脳卒中、末梢閉塞性動脈疾患、心筋症、心不全、不整脈および血管再狭窄などの糖尿病合併症からなる群から選択される病症または障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;または
・体重および/または体脂肪を低減すること、または体重および/または体脂肪の増加を防止すること、または体重および/または体脂肪の減少を促進すること;または
・膵臓β細胞の退行変性および/または膵臓β細胞の機能の低下を予防、減速、遅延または治療すること、および/または膵臓β細胞の機能を改善および/または回復または保護すること、および/または膵臓のインスリン分泌機能を回復すること;または
・肝臓または異所性脂肪の異常な蓄積に起因する疾患または病症を予防、減速、遅延または治療すること;または
・インスリン敏感性を保持および/または改善すること、および/または高インスリン血症および/またはインスリン抵抗性を治療または予防すること;または
・移植後新規発症糖尿病(NODAT)および/または移植後メタボリックシンドローム(PTMS)を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;または
・微小血管疾患および大血管疾患および事象、移植片拒絶、感染および死亡を含むNODATおよび/またはPTMSに関連する合併症を予防、遅延または減軽すること;または
・高尿酸血症および高尿酸血症に関連する病症を治療すること。
【0124】
また、本発明は、前記の治療を必要とする被験者に、本発明におけるグルコキナーゼ活性化剤およびパートナー薬物を含む医薬組成物または製剤(好ましくは固定用量で組み合わせた医薬組成物または固定用量配合剤)を治療有効量で経口投与して、2型糖尿病を治療する方法を提供する。一実施形態において、前記の治療を必要とする被験者はヒトである。他の一実施形態において、医薬組成物は錠剤の形態である。本発明におけるグルコキナーゼ活性化剤を含む組成物または製剤(好ましくは固定用量で組み合わせた医薬組成物または固定用量配合剤)は、1日1回(QD)、1日2回(BID)または1日3回(TID)で投与しても良い。
【0125】
具体的に、本発明は、以下の具体的な実施形態に関する。
実施形態-グルコキナーゼ活性化剤+ビグアナイド系血糖降下薬(例えば、メトホルミン)
【0126】
形態1.以下の(a)、(b)、(c)を含む医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
(a)以下の式で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、その同位体標識体、その結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態であるグルコキナーゼ活性化剤;
【化5】
(b)ビグアナイド系血糖降下薬;
(c)1つまたは複数の賦形剤;
ここで、上記の薬物(a)および(b)は、同時に、別々に、または順次に使用される、
医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0127】
形態2.グルコキナーゼ活性化剤とビグアナイド系血糖降下薬との重量比が、約1:50~1:1、好ましくは約1:40~1:5、より好ましくは約1:40、約1:34、約1:20、約1:17、約1:13.3、約1:11.3、約1:10、約1:6.6または約1:5である、形態1に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0128】
形態3.前記のグルコキナーゼ活性化剤が重量で約0.3~36%、前記のビグアナイド系血糖降下薬が重量で約18~95%である、形態1または2に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0129】
形態4.前記のグルコキナーゼ活性化剤が以下の式で表される化合物HMS5552、またはその同位体標識体またはその薬学的に許容される塩である、形態1~3のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【化6】
【0130】
形態5.前記のグルコキナーゼ活性化剤が固体分散体の形態である、形態1~4のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0131】
形態6.前記のグルコキナーゼ活性化剤が、ポリマー担体を含む固体分散体の形態であり、前記のポリマー担体がメタクリル酸共重合体A型(メタクリル酸とメチルメタクリレート(1:1)のアニオン共重合体)、好ましくはEudragit、より好ましくはEudragit L100である、形態5に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0132】
形態7.前記のグルコキナーゼ活性化剤とポリマー担体との重量比が約1:10~10:1、好ましくは約1:9~9:1、約1:4~4:1、約3:7~7:3、約2:3~3:2、約3:4~4:3、約4:5~5:4または約5:6~6:5、より好ましくは約1:1、約2:3、約3:4、約4:5または約5:6、或いはその間の任意の範囲である、形態6に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0133】
形態8.前記のビグアナイド系血糖降下薬が、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、それらの薬学的に許容される塩、それらの同位体標識体、それらの結晶形、水和物、溶媒和物、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの形態からなる群から選択され、ここで、前記の薬学的に許容される塩が、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩を含み、好ましくはメトホルミンおよびその薬学的に許容される塩であり、より好ましくはメトホルミン塩酸塩である、形態1~7のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0134】
形態9.前記のグルコキナーゼ活性化剤が約1mg~約200mg、好ましくは約25mg~約100mgの用量(好ましい単位用量)の範囲で存在し、好ましくは、前記のグルコキナーゼ活性化剤の用量(好ましい単位用量)が約25mg、約50mg、約75mgまたは約100mgである、形態1~8のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0135】
形態10.前記のビグアナイド系血糖降下薬が約100mg~1500mg、好ましくは約500mg~約1000mgの用量(好ましい単位用量)の範囲で存在し、好ましくは、前記のビグアナイド系血糖降下薬の用量(好ましい単位用量)が約250mg、約500mg、約625mg、約750mg、約850mgまたは約1000mg、最も好ましくは約500mg、約850mgまたは約1000mgである、形態1~9のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0136】
形態11.前記の賦形剤の1つ以上が、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、流動化剤、界面活性剤、湿潤剤、抗酸化剤、着香剤、甘味剤、着色剤またはコーティング剤からなる群から選択される、形態1~10のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0137】
形態12.前記の結合剤がポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒプロメロースから選択され;充填剤が微結晶セルロース、ケイ素化微結晶セルロース、乳糖、リン酸二水素カルシウム、マンニトール、コーンスターチ、またはアルファ化デンプンから選択され;崩壊剤がクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウムから選択され;潤滑剤がステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムから選択され;流動化剤がコロイダルシリカ、またはタルクから選択される、形態11に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0138】
形態13.錠剤である、形態1~12のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0139】
形態14.コーティング錠剤である、形態13に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0140】
形態15.前記のコーティング錠剤がフィルムコーティング錠剤であり、前記のフィルムコーティング剤が、フィルムコーティング基質(例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはそれらの混合物)、任意添加の可塑剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリソルベートまたはそれらの混合物)、任意添加の着色剤(例えば、ベンガラ、黄酸化鉄またはそれらの混合物)、任意添加の不透明化剤(例えば、二酸化チタン)、および任意添加の流動化剤を含む、形態14に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0141】
形態16.前記のコーティング錠剤がフィルムコーティング錠剤であり、前記のフィルムコーティング剤がオパドライである、形態15に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0142】
形態17.重量で、
約0.3~36%のグルコキナーゼ活性化剤(好ましくはHMS5552、好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約18~95%のメトホルミン塩酸塩、
約0~55%の充填剤、
約1~25%の結合剤、
約0~15%の崩壊剤、
約0.1~10%の潤滑剤、
約0~3%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態1~16のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0143】
形態18.成分の用量(好ましい単位用量)が、重量で、
約25mg、約50mg、約75mgまたは約100mgのグルコキナーゼ活性化剤(好ましくはHMS5552)、
約500mg、約850mgまたは約1000mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~55%の充填剤、
約1~25%の結合剤、
約0~15%の崩壊剤、
約0.1~10%の潤滑剤、
約0~3%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤である、
形態17に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0144】
形態19.重量で、
約25mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約1000mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が25mgのHMS5552/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0145】
形態20.重量で、
約100mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約500mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が100mgのHMS5552/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0146】
形態21.重量で、
約50mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約500mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が50mgのHMS5552/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0147】
形態22.重量で、
約25mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約850mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が25mgのHMS5552/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0148】
形態23.重量で、
約75mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約500mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が75mgのHMS5552/500mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0149】
形態24.重量で、
約75mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約850mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が75mgのHMS5552/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0150】
形態25.重量で、
約75mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約1000mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が75mgのHMS5552/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0151】
形態26.重量で、
約50mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約850mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が50mgのHMS5552/850mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0152】
形態27.重量で、
約50mgのHMS5552(好ましくはHMS5552の固体分散体、好ましくはHMS5552およびポリマー担体を含む固体分散体、好ましくは約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含む固体分散体)、
約1000mgのメトホルミン塩酸塩、
約0~50%の充填剤、
約1~8%の結合剤、
約1~5%の崩壊剤、
約0.5~3%の潤滑剤、
約0~0.5%の流動化剤、および
約0~5%のコーティング剤を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤(好ましくは、前記の固定用量配合剤が50mgのHMS5552/1000mgのメトホルミン塩酸塩の錠剤)。
【0153】
形態28.約50mgの固体分散体、約1000.00mgのメトホルミン塩酸塩、約60.30mgの微結晶セルロース、約31.90mgのポビドン、約23.60mgのクロスポビドン、約11.80mgのステアリン酸マグネシウム、約2.36mgの微粉末シリカゲルおよび約35.40mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約25mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0154】
形態29.約200mgの固体分散体、約500.00mgのメトホルミン塩酸塩、約16.00mgの乳糖一水和物、約28.00mgのクロスカルメロースナトリウム、約28.00mgのヒドロキシプロピルセルロース、約20.00mgの微結晶セルロース、約8.00mgのステアリン酸マグネシウムおよび約24.00mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約100mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0155】
形態30.約100mgの固体分散体、約500.00mgのメトホルミン塩酸塩、約47.20mgの微結晶セルロース、約18.60mgのヒドロキシプロピルセルロース、約17.30mgのクロスカルメロースナトリウム、約6.90mgのステアリン酸マグネシウムおよび約20.70mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約50mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0156】
形態31.約50mgの固体分散体、約850.00mgのメトホルミン塩酸塩、約182.30mgの微結晶セルロース、約31.30mgのヒドロキシプロピルセルロース、約34.80mgのデンプングリコール酸ナトリウム、約11.60mgのフマル酸ステアリルナトリウムおよび約34.80mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約25mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0157】
形態32.約150mgの固体分散体、約500.00mgのメトホルミン塩酸塩、約36.40mgのケイ素化微結晶セルロース、約19.70mgのヒドロキシプロピルセルロース、約14.60mgのクロスカルメロースナトリウム、約7.30mgのステアリン酸マグネシウムおよび約21.80mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0158】
形態33.約150mgの固体分散体、約850.00mgのメトホルミン塩酸塩、約56.20mgの微結晶セルロース、約30.20mgのヒドロキシプロピルセルロース、約22.40mgのクロスカルメロースナトリウム、約11.20mgのフマル酸ステアリルナトリウムおよび約33.60mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0159】
形態34.約150mgの固体分散体、約1000.00mgのメトホルミン塩酸塩、約62.90mgの微結晶セルロース、約35.10mgのヒドロキシプロピルセルロース、約26.00mgのクロスカルメロースナトリウム、約26.00mgのフマル酸ステアリルナトリウムおよび約39.00mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0160】
形態35.約100mgの固体分散体、約850.00mgのメトホルミン塩酸塩、約77.80mgの微結晶セルロース、約29.50mgのヒドロキシプロピルセルロース、約21.80mgのクロスカルメロースナトリウム、約10.90mgのステアリン酸マグネシウムおよび約32.70mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約50mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0161】
形態36.約100mgの固体分散体、約1000.00mgのメトホルミン塩酸塩、約78.80mgの微結晶セルロース、約33.70mgのポビドン、約25.00mgのクロスポビドン、約12.50mgのステアリン酸マグネシウムおよび約37.50mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約50mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0162】
形態37.約100mgの固体分散体、約500.00mgのメトホルミン塩酸塩、約32.20mgの微結晶セルロース、約13.40mgのクロスカルメロースナトリウム、約16.70mgのヒドロキシプロピルセルロース、約6.70mgのステアリン酸マグネシウムおよび約20.10mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約50mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0163】
形態38.約100mgの固体分散体、約850.00mgのメトホルミン塩酸塩、約55.40mgの微結晶セルロース、約23.60mgのクロスカルメロースナトリウム、約26.80mgのヒドロキシプロピルセルロース、約8.60mgのステアリン酸マグネシウム、約5.36mgの微粉末シリカゲルおよび約32.09mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約50mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0164】
形態39.約150mgの固体分散体、約500.00mgのメトホルミン塩酸塩、約36.70mgの微結晶セルロース、約22.11mgのクロスカルメロースナトリウム、約18.40mgのヒドロキシプロピルセルロース、約5.90mgのステアリン酸マグネシウム、約3.69mgの微粉末シリカゲルおよび約22.10mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0165】
形態40.約150mgの固体分散体、約850.00mgのメトホルミン塩酸塩、約56.00mgの微結晶セルロース、約28.20mgのクロスカルメロースナトリウム、約28.20mgのヒドロキシプロピルセルロース、約9.00mgのステアリン酸マグネシウム、約5.64mgの微粉末シリカゲルおよび約33.81mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0166】
形態41.約150mgの固体分散体、約850.00mgのメトホルミン塩酸塩、約50.00mgのポビドン、約11.00mgのステアリン酸マグネシウム、約3.00mgの微粉末シリカゲルおよび約31.90mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0167】
形態42.約150mgの固体分散体、約500.00mgのメトホルミン塩酸塩、約36.10mgの微結晶セルロース、約14.44mgのヒドロキシプロピルセルロース、約14.44mgのクロスカルメロースナトリウム、約7.22mgのステアリン酸マグネシウムおよび約21.67mgのオパドライを含む、医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤であって、
ここで、前記の固体分散体が約1:1でHMS5552およびEudragit L100を含み、且つ約75mgのHMS5552を含む、
形態18に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0168】
形態43.活性成分を1つまたは複数の賦形剤に配合して造粒を行い;好ましくは、さらに、得られた粒子混合物をバイアル、小袋またはカプセルに充填するか、または所望の形状の錠剤に圧縮し;より好ましくは、さらに、得られた錠剤をフィルムコーティングすることを含む、前記のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を調製する方法。
【0169】
形態44.湿式造粒(高剪断および/または流動床)によって調製するか、または乾式処理(直接圧縮または乾式造粒)によって調製する、
形態43に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を調製する方法。
【0170】
形態45.前記のグルコキナーゼ活性化剤を固体分散体の形態で調製する、
形態43~44のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を調製する方法。
【0171】
形態46.前記のグルコキナーゼ活性化剤および第2以上の活性成分をともに配合固体分散体の形態(即ち、2つ以上の活性成分を含む固体分散体)で調製する、
形態43~45のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を調製する方法。
【0172】
形態47.1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;或いは、血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転することに用いられる、形態1~42のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤。
【0173】
形態48.被験者に治療有効量で形態1~42のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤を投与することを含む、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速する方法;或いは、血糖制御を改善する方法、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減する方法;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転する方法。
【0174】
形態49.1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖障害、高血糖症、食後高血糖症、過体重、肥満症、高血圧症、インスリン抵抗および/またはメタボリックシンドロームからなる群から選択される1種以上の代謝障害を予防、遅延、治療する、またはその進行を減速すること;或いは、血糖制御を改善すること、および/または空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減すること;或いは、糖尿病合併症を予防、減速、遅延または逆転することに用いられる医薬品の調製における、形態1~42のいずれか1項に記載の医薬品の組合せ、医薬組成物または固定用量配合剤の使用。
【0175】
以下、実施例によって本発明の範囲内の実施形態をさらに説明および例示するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。本発明の技術に基づいてなされる様々な修正および置換は本発明の範囲内に含まれる。
【0176】
実施例
グルコキナーゼ活性化剤の配合錠剤の調製
本発明で使用される化学薬品は、Shin-Etsu Japan、Evonik Germany、J.T.Baker US、SCR China、Ashland US、FMC US、JRS Germany、Colorcon US、Capsugel、BASF、Zhenxing Chinaなどの会社から市販されている。製造装置および分析試験装置は、Sartorius、Nikon、Sympatec、Bruker、Gea Niro、Korsch、Erweka、Agilent、Quadro Engineering,Canada;Waters,US;TA,US;SOTAX,Switzerland;Mettler Toledo Instrument Newark,DEなどの会社から市販されている。
【0177】
I.グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製
1.1 固体分散体の噴霧乾燥前の溶液の調製
実施例1A (活性成分とポリマーとの重量比は1:9)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)6.75gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、0.75gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0178】
実施例2A (活性成分とポリマーの重量比は3:7)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)5.25gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、2.25gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0179】
実施例3A (活性成分とポリマーの重量比は5:5)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)3.75を秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、3.75gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0180】
実施例4A (活性成分とポリマーの重量比は7:3)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)2.25gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、5.25gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0181】
実施例5A (活性成分とポリマーの重量比は8:2)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)1.5gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、6gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0182】
実施例6A (活性成分とポリマーの重量比は9:1)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)0.75gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、6.75gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0183】
実施例7A (活性成分とポリマーの重量比は6:4)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)3.0gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、4.5gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0184】
実施例8A (活性成分とポリマーの重量比は4:6)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)4.5gを秤量し、攪拌しながら無水エタノール(J.T.Baker)に加え、完全に溶解した後、3.0gの化合物HMS5552を添加し、十分な量の無水エタノールを加えた後、引き続き攪拌して50mlの溶液を得た。
【0185】
実施例9A (活性成分とポリマーの重量比は5:5)
Eudragit L100(オイドラギットL100,Evonik Germany)187.5を秤量し、攪拌しながら無水エタノール(Zhenxing China)に加え、完全に溶解した後、187.5gの化合物HMS5552を添加し、引き続き攪拌して2500mlの溶液を得た。
【0186】
1.2 グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製
グルコキナーゼ活性化剤の固体分散体は、上記で調製した溶液を噴霧乾燥することにより調製した。得られた固体分散体の番号は上記実施例の番号に対応する。本発明に適用される噴霧乾燥装置として、Niro GEA Process Engineering Inc.、Buchi Labortechnik AG、ProCeptおよびSPX ANHYDROUS社によって製造された噴霧乾燥装置が挙げられるが、これらに限定されない。噴霧乾燥は、液滴が装置壁に到達するときに十分に乾燥されるように、乾燥ガスの適切な送風温度、送風量、給液速度、および霧化圧力を選択することによって行われる。これは、乾燥した液滴が基本的に固体になることを確保するのに役立ち、微粉末を形成することができ、壁にくっつかず、サイクロンでの捕集が困難になることもない。製品が品質要求を確実に満たすために、得られた粉末を二次乾燥する。
【0187】
噴霧乾燥法によるグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製の製造プロセスの説明
前記実施例1A~8Aで調製した溶液を噴霧乾燥して固体分散体を調製した。この際、噴霧乾燥機の送風温度を90~150℃、送風速度を0.3~0.5m3/min、気流の流速を15~30L/min、前記溶液の噴霧速度を5~7mL/minに設定し、噴霧乾燥して、固体分散体1~8を得た。
【0188】
前記実施例9Aで調製した溶液を噴霧乾燥して固体分散体を調製した。この際、噴霧乾燥機の送風温度を90~150℃、送風速度を20~30kg/h、気流の流速を3~30kg/h、前記溶液の噴霧速度を5~200mL/minに設定し、噴霧乾燥して、固体分散体9を得た。
【0189】
以上のように、固体分散体1~9をそれぞれ調製した。固体分散体1中の化合物HMS5552の質量分率は10%;固体分散体2中の化合物HMS5552の質量分率は30%;固体分散体3中の化合物HMS5552の質量分率は50%;固体分散体4中の化合物HMS5552の質量分率は70%;固体分散体5中の化合物HMS5552の質量分率は80%;固体分散体6中の化合物HMS5552の質量分率は90%;固体分散体7中の化合物HMS5552の質量分率は60%;固体分散体8中化合物HMS5552の質量分率は40%;固体分散体9中の化合物HMS5552の質量分率は50%であった。
【0190】
II.配合錠剤の調製
2.1 高剪断湿式造粒による配合錠剤の調製
前記のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製実施例で調製されたHMS5552固体分散体およびパートナー薬物を、高剪断湿式造粒機に投入し、充填剤(例えば、微結晶セルロース、またはケイ素化微結晶セルロース、または乳糖)および崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウム)を加え、結合剤粉末の一部を添加し、高剪断攪拌しながら5min混合した。配合された結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはヒプロメロース)溶液を、1~6分間内で高剪断攪拌しながら前記の乾燥混合物に加え、造粒を行った。Comil整粒機で湿粒子を整粒して、適切なサイズの湿粒子を得た。約60℃のオーブン内のトレイまたは流動床乾燥機(送風温度40~60℃)で湿粒子を20~40分間乾燥した。その後、乾燥された材料を研磨機で研磨し、適切なサイズの粒子を得た。研磨した後、微結晶セルロースまたはケイ素化微結晶セルロース(顆粒外部分(extragranular part)を有する充填剤の場合)および崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、またはクロスポビドン、またはデンプングリコール酸ナトリウム)を、粒子に添加し、バレルミキサーで混合した。次に、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、またはフマル酸ステアリルナトリウム)および/または任意添加の流動化剤(微粉末シリカゲル)を加え、さらによく混合した。潤滑された混合物を回転式打錠機で打錠して、異なる仕様に対応する異なる重量および形状の錠剤(素錠、コーティングされていない錠剤コア)を得た。必要に応じて、得られた錠剤をOpadry(登録商標)IIでフィルムコーティングし、重量を約3%増加させることで、フィルムコーティング錠を得た。
【0191】
実施例1B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格25mg/1000mg)
【表1】
【0192】
実施例2B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格100mg/500mg)
【表2】
【0193】
実施例3B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格50mg/500mg)
【表3】
【0194】
実施例4B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格25mg/850mg)
【表4】
【0195】
実施例5B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/500mg)
【表5】
【0196】
実施例6B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/850mg)
【表6】
【0197】
実施例7B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/1000mg)
【表7】
【0198】
実施例8B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格50mg/850mg)
【表8】
【0199】
実施例9B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格50mg/1000mg)
【表9】
【0200】
実施例10B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格50mg/500mg)
【表10】
【0201】
実施例11B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格50mg/850mg)
【表11】
【0202】
実施例12B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/500mg)
【表12】
【0203】
実施例13B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/850mg)
【表13】
【0204】
2.2 流動床湿式造粒による配合錠剤の調製
前記のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製実施例で調製されたHMS5552固体分散体およびパートナー薬物を、流動床造粒機に投入し、必要に応じて、充填剤(例えば、微結晶セルロース)を加えた。調製された結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)溶液を、20~60分間内で流動床中の混合物に噴霧して造粒した後、流動床乾燥机(送風温度40~60℃)で乾燥した。次に、乾燥された材料を研磨機で研磨し、適切なサイズの粒子を得た。研磨した後、微結晶セルロースまたはケイ素化微結晶セルロース(顆粒外部分を有する充填剤の処方)を、粒子に添加し、バレルミキサーで混合した。さらに、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム)および/または任意添加の流動化剤(微粉末シリカゲル)を加え、よく混合した。潤滑された混合物を回転式打錠機で打錠して、異なる仕様に対応する異なる重量および形状の錠剤(素錠、コーティングされていない錠剤コア)を得た。必要に応じて、得られた錠剤をフィルムコーティングし、重量を約3%増加させることで、フィルムコーティング錠を得た。
【0205】
実施例14B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/850mg)
【表14】
【0206】
2.3 乾式圧片造粒による配合錠剤の調製
前記のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製実施例で調製されたHMS5552固体分散体およびパートナー薬物をバレルミキサーに投入し、充填剤(例えば、微結晶セルロース)および結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)加えて均一に混合した。その後、圧片造粒機(roller compaction granulator)で圧延し、得られたストランドを破砕機で破砕し、整粒して適切なサイズの粒子を得た。研磨した後、必要に応じて微結晶セルロースまたはケイ素化微結晶セルロース(顆粒外部分を有する充填剤の場合)および崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)を、粒子に添加し、バレルミキサーで混合した。次に、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムまたはフマル酸ステアリルナトリウム)および/または任意添加の流動化剤(微粉末シリカゲル)を加え、さらによく混合した。潤滑された混合物を回転式打錠機で打錠して、異なる仕様に対応する異なる重量および形状の錠剤(素錠、コーティングされていない錠剤コア)を得た。必要に応じて、得られた錠剤をOpadry(登録商標)IIでフィルムコーティングし、重量を約3%増加させることで、フィルムコーティング錠を得た。
【0207】
実施例15B HMS5552+メトホルミン塩酸塩配合錠剤(用量規格75mg/500mg)
【表15】
【0208】
2.4 粉末混合物の直接打錠による配合錠剤の調製
前記のグルコキナーゼ活性化剤の固体分散体の調製実施例で調製されたHMS5552固体分散体およびパートナー薬物を、等比級数的に増加するように、均一に予備混合し、バレルミキサーに投入し、充填剤(例えば、微結晶セルロース)、崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム)および任意添加の流動化剤(微粉末シリカゲル)を、粒子に添加し、バレルミキサーで混合した。次に、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウムまたはフマル酸ステアリルナトリウム)を加え、さらによく混合した。潤滑された混合物を回転式打錠機で打錠して、異なる仕様に対応する異なる重量および形状の錠剤(素錠、コーティングされていない錠剤コア)を得た。必要に応じて、得られた錠剤をOpadry(登録商標)IIでフィルムコーティングし、重量を約3%増加させることで、フィルムコーティング錠を得た。
【0209】
III.グルコキナーゼ活性化剤を含む配合剤のインビトロ溶出試験
錠剤の溶出度は、「中国薬局方」(2015年版)のパドル法によって試験された。pH6.8の媒介で、5分、15分、30分、45分および60分の時点にそれぞれ5mlのサンプルを採取し、HPLC分析を行うことで、HMS5552と別のパートナー薬との溶解度を測定した。
【0210】
前記の測定方法に従って、前記の固定用量規格の錠剤およびそれらに対応する単一の錠剤を測定した。その溶出度の結果を以下に示す。
【0211】
表1 実施例12Bで調製された固定用量配合錠剤の溶出結果
【表16】
【0212】
表2 実施例13Bで調製された固定用量配合錠剤の溶出結果
【表17】
【0213】
前記の固定用量配合剤の溶出結果から、本発明の固定用量配合剤の溶出は、速放性製剤の要件を満たすことが分かる。
【0214】
IV.グルコキナーゼ活性化剤を含む配合剤の物理的性質
薬局方に記載されている関連する機器および方法に従って、前記の固定用量規格の錠剤の物理的性質を試験した。結果は、以下の通りである。
【0215】
表3 異なる実施例で調製された固定用量配合錠剤の物理的性質
【表18】
【0216】
V.グルコキナーゼ活性化剤を含む配合剤の薬力学研究
実施例1C
2型糖尿病患者におけるHMS5552とメトホルミン塩酸塩との併用の臨床研究。
参加時に少なくとも14日間、1000mg/日のメトホルミン塩酸塩用量で安定して投与された2型糖尿病患者13人は、研究の1~2日目に、メトホルミン500mgを毎日の朝と夕方に経口投与され;3日目に、500mgのメトホルミン塩酸塩を朝に1回経口投与され;4~7日目に、メトホルミン塩酸塩500mgおよびHMS5552 50mgを毎日の朝と夕方にそれぞれ1回経口投与され;8日目に、メトホルミン塩酸塩500mgおよびHMS5552 50mgを朝に1回経口投与され;9~12日目に、HMS5552 50mgを毎日の朝と夕方にそれぞれ1回経口投与され;13日目に、HMS5552 50mgを朝に1回経口投与された。毎回の試験薬の投与30分間後に食事をした。
【0217】
3日目、8日目および13日目に投与した後、血漿サンプルを採取し、血糖値を分析し、0~4時間の食後血糖値曲線下面積(AUEC0-4h,hr×mg/dL)を算出し、それぞれ110.2(メトホルミン)、72.96(HMS5552)および46.67(HMS5552とメトホルミン塩酸塩との併用)であった。これは、HMS5552とメトホルミン塩酸塩との併用による血糖降下作用が、HMS5552またはメトホルミン塩酸塩の単剤療法によりも有意に優れており、統計的に有意な差があることを示す。
【0218】
メトホルミン塩酸塩は、肝臓グリコーゲンの放出を抑えることで空腹時血糖値を低下させる2型糖尿病の基礎的医薬品である。新規グルコキナーゼ活性化剤できるHMS5552は、2型糖尿病患者の膵島機能を改善し、インクレチンの分泌を促進し、インスリン抵抗を低下させることができ、空腹時血糖値と食後血糖値を低下させるという二重の治療効果がある。メトホルミン塩酸塩で血糖制御が失敗する患者について、メトホルミン塩酸塩とHMS5552との併用は、より優れた血糖制御効果および糖尿病合併症のリスク低下効果を有する。
【0219】
前記のHMS5552と既存の経口糖尿病薬との併用の有効性に関する研究は、併用がHMS5552または既存の血糖降下薬の有効性を高め、安全性リスクを低減し、医療効果を向上させることが可能であることが明らかになった。HMS5552と既存の経口糖尿病薬で開発された経口固定用量配合剤は、現在、上記の臨床ニーズを解決するための最も有望な糖尿病治療用配合剤である。