(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】隠し文字ラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
G09F3/02 G
G09F3/02 F
G09F3/02 W
(21)【出願番号】P 2022203166
(22)【出願日】2022-12-20
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】592233347
【氏名又は名称】シーレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】森 計吾
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-098829(JP,A)
【文献】特開2016-045423(JP,A)
【文献】特開2008-006702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/02
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、
前記基材層の一方側に設けられた印刷層と、
前記印刷層における前記基材層側と反対側に設けられた接着剤層と、
前記接着剤層における前記印刷層側と反対側に設けられたハーフミラー層と、を備え、
前記基材層、前記印刷層、前記接着剤層、及び、前記ハーフミラー層の両表面が平坦に形成されている、隠し文字ラベル。
【請求項2】
前記ハーフミラー層の可視光線透過率が、10%以上40%以下である、請求項1に記載の隠し文字ラベル。
【請求項3】
前記ハーフミラー層の厚さが、0.01μm以上0.1μm以下である、請求項1に記載の隠し文字ラベル。
【請求項4】
前記印刷層は、パターンが形成された領域を備え、
前記パターンが形成された領域は、明度が1以上のインキで構成されている、請求項1に記載の隠し文字ラベル。
【請求項5】
前記パターンが形成された領域は、前記ハーフミラー層に可視光線を照射することにより、目視による視認が可能である、請求項4に記載の隠し文字ラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隠し文字ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、正規品であることを証明し、模倣品等の流通を抑制するために、隠し文字ラベルが用いられている。斯かる隠し文字ラベルとしては、例えば、コピーしにくく、美観に優れる観点から、ホログラムラベルが広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、点光源から入射した光を所望の光像へ変換する、位相型フーリエ変換ホログラムが記録された反射型ホログラム形成領域を有するホログラム層と、前記ホログラム層の前記反射型ホログラム形成領域の凹凸表面に接するように形成された蒸着層と、を有するホログラム構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなホログラムラベルは、角度によって見え方を変化させるために、ホログラムラベルを構成するホログラム層等の表面に微細な凹凸が形成されている。そのため、ホログラムラベルの製造には、専用の材料、及び、レーザー等を備えた特殊な装置が必要となる。また、ホログラムラベルは、上記のようにホログラム層等の表面に微細な凹凸が形成されることから、一般的に構造が複雑である。そのため、ホログラムラベルの製造工程は、複雑化する傾向がある。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シンプルな構造で、簡易的に製造できる隠し文字ラベルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る隠し文字ラベルは、基材層と、前記基材層の一方側に設けられた印刷層と、前記印刷層における前記基材層側と反対側に設けられた接着剤層と、前記接着剤層における前記印刷層側と反対側に設けられたハーフミラー層と、を備え、前記基材層、前記印刷層、前記接着剤層、及び、前記ハーフミラー層の両表面が平坦に形成されている。
【0008】
前記隠し文字ラベルは、基材層と、前記基材層の一方側に設けられた印刷層と、前記印刷層における前記基材層側と反対側に設けられた接着剤層と、前記接着剤層における前記印刷層側と反対側に設けられたハーフミラー層と、を備えることにより、前記印刷層が前記ハーフミラー層によって隠蔽される。これにより、隠し文字ラベルが適用される物品の偽造を防止することができる。そして、前記隠し文字ラベルは、前記基材層、前記印刷層、前記接着剤層、及び、前記ハーフミラー層を備え、これらの層の両表面を平坦に形成することで得られるため、シンプルな構造で、簡易的に隠し文字ラベルを製造することができる。
【0009】
本発明に係る隠し文字ラベルは、前記ハーフミラー層の可視光線透過率が、10%以上40%以下であってもよい。
【0010】
前記隠し文字ラベルは、斯かる構成により、印刷層の視認性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る隠し文字ラベルは、前記ハーフミラー層の厚さが、0.01μm以上1μm以下であってもよい。
【0012】
前記隠し文字ラベルは、斯かる構成により、印刷層の視認性を向上させることができる。
【0013】
本発明に係る隠し文字ラベルは、前記印刷層が、パターンが形成された領域を備え、前記パターンが形成された領域は、明度が1以上のインキで構成されていてもよい。
【0014】
前記隠し文字ラベルは、斯かる構成により、印刷層のパターンが形成された領域の視認性を向上させることができる。
【0015】
本発明に係る隠し文字ラベルは、前記パターンが形成された領域が、前記ハーフミラー層に可視光線を照射することにより、目視による視認が可能であってもよい。
【0016】
前記隠し文字ラベルは、斯かる構成により、偽造及び模倣の対象となる物品が正規品か否かを判定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、シンプルな構造で、簡易的に製造できる隠し文字ラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る隠し文字ラベル1の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の隠し文字ラベル1のII-II断面を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る隠し文字ラベル1について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る隠し文字ラベル1の平面図である。また、
図2は、
図1の隠し文字ラベル1のII-II断面を示した断面図である。隠し文字ラベル1は、基材層2と、基材層2の一方側に設けられた印刷層3と、印刷層3における基材層2側と反対側に設けられた接着剤層4と、接着剤層4における印刷層3側と反対側に設けられたハーフミラー層5と、を備える。すなわち、隠し文字ラベル1は、基材層2と、印刷層3と、接着剤層4と、ハーフミラー層5とが、この順に積層されてなる。なお、本明細書において、隠し文字ラベル1を構成する各層が積層する方向を「積層方向」という。
【0021】
基材層2は、両表面が平坦に形成される。基材層2を形成する材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム、プラスチック代替複合シート等が挙げられる。基材層2の厚さは、ロールtoロール加工を適切に行い、シートの偏肉を抑制する観点、及び、隠し文字ラベル1の貼付性を適正にする観点から、6μm以上200μm以下であることが好ましく、12μm以上80μm以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、平坦とは、公差を考慮した平坦を意味する。
【0022】
印刷層3は、基材層2の一方側に設けられる。印刷層3は、両表面が平坦に形成される。印刷層3は、積層方向から見て基材層2と同一の形状及び大きさを有する。印刷層3の厚さは、印刷層3の表面を平滑にする観点から、1μm以上20μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、本明細書において同一とは、公差を考慮した同一を意味する。
【0023】
印刷層3は、パターンが形成された領域31と、パターン以外が形成された領域32と、を備える。パターン以外が形成された領域32とは、印刷層3におけるパターンが形成された領域31以外の全ての領域である。パターンが形成された領域31は、特に限定されるものではなく、文字、図柄等により構成される。例えば、パターンが形成された領域31は、日付、バーコード等の可変情報により構成されてもよい。パターンが形成された領域31及びパターン以外が形成された領域32は、従来公知の印刷インキから形成される。従来公知の印刷インキとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール系樹脂、UV硬化型樹脂等のバインダー樹脂に顔料等の着色剤が配合された有色インキ、メジウム等の無色透明のインキ等が挙げられる。顔料としては、特に限定されるものではなく、有機顔料又は無機顔料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン系顔料、金属錯塩顔料、カーボンブラック等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化バリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、シリカ、アルミニウム、マイカ、黄鉛、パール顔料、真鍮等が挙げられる。
【0024】
印刷層3のパターンが形成された領域31及びパターン以外が形成された領域32は、例えば、熱転写方式(熱転写)、インクジェット方式、電子写真方式、オフセット印刷、グラビア印刷、UVフレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、UV樹脂凸版印刷等の印刷により形成される。
【0025】
印刷層3のパターンが形成された領域31は、明度が1以上のインキで構成されていることが好ましい。また、印刷層3のパターン以外が形成された領域32は、パターンが形成された領域31の視認性を向上させる観点から、明度が9以下のインキで構成されていることが好ましい。なお、本明細書において明度とは、JIS Z 8721:1993で規定される明度を意味する。
【0026】
印刷層3のパターンが形成された領域31は、後述するハーフミラー層5に可視光線を照射することにより、目視による視認が可能である。なお、本明細書において、可視光線とは、波長範囲の短波長限界が360~400nmであり、長波長限界が760~830nmである電磁波を意味する。
【0027】
接着剤層4は、印刷層3における基材層2側と反対側に設けられる。接着剤層4は、両表面が平坦に形成される。接着剤層4は、積層方向から見て基材層2及び印刷層3と同一の形状及び大きさを有する。接着剤層4の厚さは、印刷層3の視認性を向上させる観点から、1μm以上14μm以下であることが好ましく、2μm以上6μm以下であることがより好ましい。
【0028】
接着剤層4は、紫外線硬化型接着剤から形成される。なお、本明細書において、紫外線硬化型接着剤とは、紫外線を照射することにより固体状に変化し、これにより被着体に対して密着性を発揮するものをいう。紫外線硬化型接着剤としては、例えば、ウレタンアクリレート樹脂やポリブタジエンジアクリレート樹脂等からなるラジカル系の樹脂や、ポリビニルエーテル化合物やエポキシ化合物等からなるカチオン系の樹脂等から形成されるものを用いることができる。接着剤層4の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、液体状の樹脂の塗工又は印刷等が挙げられる。
【0029】
ハーフミラー層5は、接着剤層4における印刷層3側と反対側に設けられる。ハーフミラー層5は、両表面が平坦に形成される。ハーフミラー層5は、積層方向から見て基材層2、印刷層3及び接着剤層4と同一の形状及び大きさを有する。ハーフミラー層5の厚さは、印刷層3の視認性を向上させる観点から、0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、0.03μm以上0.05μm以下であることがより好ましい。
【0030】
ハーフミラー層5は、印刷層3の視認性を向上させる観点から、可視光線透過率が5%以上95%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましい。
【0031】
ハーフミラー層5は、アルミニウム、亜鉛、スズ、銅、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、インジウム等の金属、又は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物を従来公知の蒸着方法を用いて蒸着することにより形成することができる。従来公知の蒸着方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
【0032】
隠し文字ラベル1は、正規品か否かを判定する目的で、金券、高級ブランド品、電化製品、媒体に記録されたソフト等の偽造及び模倣の対象となる各種物品に適用することができる。具体的には、隠し文字ラベル1を外部から認識できるように、偽造及び模倣の対象となる各種物品に貼り付ける、荷札として取り付ける等により適用することができる。
【0033】
偽造及び模倣の対象となる各種物品は、該物品に適用された隠し文字ラベル1のハーフミラー層5に可視光線を照射して、印刷層3のパターンが形成された領域31を視認することにより、正規品か否かを判定することができる。可視光線は、5度以上80度以下の角度で照射する。また、可視光線は、パターンが形成された領域31の視認性を向上させる観点から、30度以上60度以下の角度で照射することが好ましい。可視光線の照度は、パターンが形成された領域31の視認性を向上させる観点から、10lx以上であることが好ましく、500lx以上であることがより好ましい。
【0034】
本実施形態に係る隠し文字ラベル1は、基材層2と、基材層2の一方側に設けられた印刷層3と、印刷層3における基材層2側と反対側に設けられた接着剤層4と、接着剤層4における印刷層3側と反対側に設けられたハーフミラー層5と、を備えることにより、印刷層3が、ハーフミラー層5によって隠蔽される。これにより、隠し文字ラベル1が適用される物品の偽造を防止することができる。そして、隠し文字ラベル1は、基材層2、印刷層3、接着剤層4、及び、ハーフミラー層5を備え、これらの層の両表面を平坦に形成することで得られるため、シンプルな構造で、簡易的に隠し文字ラベル1を製造することができる。
【0035】
本実施形態に係る隠し文字ラベル1は、ハーフミラー層5の可視光線透過率が、10%以上40%以下であることにより、印刷層3の視認性を向上させることができる。
【0036】
本実施形態に係る隠し文字ラベル1は、ハーフミラー層5の厚さが、0.01μm以上1μm以下であることにより、印刷層3の視認性を向上させることができる。
【0037】
本実施形態に係る隠し文字ラベル1は、印刷層3が、パターンが形成された領域31を備え、パターンが形成された領域31が、明度が1以上のインキで構成されていることにより、印刷層3に形成されたパターンが形成された領域31の視認性を向上させることができる。
【0038】
本実施形態に係る隠し文字ラベル1は、パターンが形成された領域31が、ハーフミラー層5に可視光線を照射することにより、目視による視認が可能である。これにより、偽造及び模倣の対象となる物品が正規品か否かを判定することができる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0040】
例えば、上記実施形態に係る隠し文字ラベル1では、基材層2、印刷層3、接着剤層4、及び、ハーフミラー層5の積層方向から見た形状及び大きさが同一である場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではない。例えば、基材層2の積層方向から見た形状及び大きさは、印刷層3、接着剤層4、及びハーフミラー層5の積層方向から見た形状及び大きさと異なっていてもよい。
【0041】
また、上記実施形態に係る隠し文字ラベル1では、印刷層3が、パターンが形成された領域31を備える場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、印刷層3が、パターン以外が形成された領域32のみを備えていてもよい。すなわち、印刷層3は、1色の印刷インキを基材層2上にベタ塗りすることにより形成されていてもよい。なお、この場合、印刷層3の印刷インキの色により、偽造及び模倣の対象となる物品が正規品か否かを判定することができる。
【0042】
また、上記実施形態に係る隠し文字ラベル1では、隠し文字ラベル1が、基材層2と、印刷層3と、接着剤層4と、ハーフミラー層5とが、この順に積層されてなる場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、隠し文字ラベル1は、さらに他の層を備えていてもよい。例えば、隠し文字ラベル1は、基材層2の他方側に粘着剤層を備えていてもよい。
【0043】
例えば、前記粘着剤層は、基材層2の他方の面に全体的に隙間なく形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。粘着剤層の厚さは、例えば、3μm以上40μm以下とすることができる。粘着剤層は、例えば、アクリル(メタクリル)系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の従来公知の粘着剤から形成することができる。
【0044】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]基材層と、
前記基材層の一方側に設けられた印刷層と、
前記印刷層における前記基材層側と反対側に設けられた接着剤層と、
前記接着剤層における前記印刷層側と反対側に設けられたハーフミラー層と、を備え、
前記基材層、前記印刷層、前記接着剤層、及び、前記ハーフミラー層の両表面が平坦に形成されている、隠し文字ラベル。
[2]前記ハーフミラー層の可視光線透過率が、10%以上40%以下である、[1]に記載の隠し文字ラベル。
[3]前記ハーフミラー層の厚さが、0.01μm以上1μm以下である、[1]又は[2]に記載の隠し文字ラベル。
[4]前記印刷層は、パターンが形成された領域を備え、
前記パターンが形成された領域は、明度が1以上のインキで構成されている、[1]~[3]のいずれか一つに記載の隠し文字ラベル。
[5]前記パターンが形成された領域は、前記ハーフミラー層に可視光線を照射することにより、目視による視認が可能である、[4]に記載の隠し文字ラベル。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
<隠し文字ラベルの作製>
隠し文字ラベルは、
図2に示す隠し文字ラベルと同一の構造を有するように、基材層、印刷層、接着剤層、ハーフミラー層を、この順で積層することにより作製した。具体的には、まず、基材層とするポリエチレンテレフタレートフィルム(PET50、東洋紡社製、厚さ:50μm)の一方の面に、紫外線硬化型アクリル系樹脂(T&K TOKA社製)を用いて、厚さが4±2μmとなるように所定のパターンをUV凸印刷により印刷して印刷層を形成した。続いて、印刷層の表面に紫外線硬化型アクリル系樹脂(T&K TOKA社製)を4±2μmの厚さで塗工して硬化前の接着剤層を形成した後、該接着剤層の表面にハーフミラー層となる転写箔(クルツ社製、厚さ:0.03±0.01μm)を貼り合わせて、紫外線を照射して印刷層及び接着剤層を硬化させることにより、四角形状(5mm×5mm)の隠し文字ラベルを得た。
【0047】
<視認性の評価>
白色LEDライト付きカメラ(MJ-MS302、佐藤商事社製)を用いて、作製した隠し文字ラベルに可視光線(波長は400~800nm(465,570nm付近に強度の強いピーク))を照射して、目視にて印刷層の視認性を評価した。なお、隠し文字ラベルは、黒塗装された金属板に貼り付けて視認性の評価を行った。白色LEDライト付きカメラは、隠し文字ラベルの表面からカメラの先端までの距離が3.5cmとなり、かつ、可視光線の照射角度が斜度45度になる位置に配置した。また、可視光線は、照度が15000lx、5000lx、及び、180lxの条件で照射した。照度は、照度計(FT3424、HIOKI社製)を用いて、隠し文字ラベルの表面から3.5cm離れた位置で測定した。いずれの照度においても印刷層を目視で視認することができたため、隠し文字ラベルとして使用できることが分かった。
【符号の説明】
【0048】
1 隠し文字ラベル
2 基材層
3 印刷層
31 パターンが形成された領域
32 パターン以外が形成された領域
4 接着剤層
5 ハーフミラー層
【要約】
【課題】シンプルな構造で、簡易的に製造できる隠し文字ラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る隠し文字ラベルは、基材層と、前記基材層の一方側に設けられた印刷層と、前記印刷層における前記基材層側と反対側に設けられた接着剤層と、前記接着剤層における前記印刷層側と反対側に設けられたハーフミラー層と、を備え、前記基材層、前記印刷層、前記接着剤層、及び、前記ハーフミラー層が平坦に形成されている。
【選択図】
図2