(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】カッター
(51)【国際特許分類】
B26B 25/00 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
B26B25/00 A
(21)【出願番号】P 2022211555
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2023-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年11月25日に開催された「いつも富士市。第7回ビジネス交流会 in TOKYO」に出展
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599099294
【氏名又は名称】株式会社フジル
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】増田 秀行
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-102392(JP,U)
【文献】特開2015-074553(JP,A)
【文献】特開2020-082230(JP,A)
【文献】実開平06-000352(JP,U)
【文献】実開昭62-199061(JP,U)
【文献】実開平06-042292(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B1/00-11/00
B26B23/00-29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、
前記把持部の下方に配置されていて、挿入された扁平な切断対象の上下両面と対峙し、挿入された方向に向かって前記切断対象を通過させる切断対象通過部と、
前記切断対象通過部の間に配置された刃部と、
前記切断対象通過部の上方に配置されていて、前記切断対象に切れ目を形成するために前記刃部を上下に動かす操作部と、を有
し、
前記切断対象通過部が、
前記切断対象の上面と対面する上対面部を有し、前記刃部が収容されると共に前記上対面部から前記刃部の一部が張り出した刃支持本体部と、
前記切断対象の下面と対面する下対面部を有し、前記上対面部から張り出した前記刃部の一部が、前記下対面部に挿入された刃収容部と、
前記上対面部と前記下対面部との隙間である通路部において、前記切断対象が通過する方向における前記刃部の下流側で、前記刃支持本体部と前記刃収容部とを連結した薄板状の連結部と、から構成され、
前記通路部において、前記連結部よりも上流側で、前記刃支持本体部と前記刃収容部とが連結されていない、
ことを特徴とするカッター。
【請求項2】
前記操作部が、
前記把持部と前記切断対象通過部との間に配置された軸部と、
前記軸部から伸びて
前記切断対象通過部と前記把持部
との間に配置されたハンドル部と、
前記軸部から伸びて前記刃部に連結された刃支持部と、を有し、
前記ハンドル部が押し上げられることで前記軸部を軸として回転する、
ことを特徴とする請求項1に記載されたカッター。
【請求項3】
前記刃部が上方に動く方向に前記操作部を付勢した付勢部を有し、
前記付勢部が、前記ハンドル部に接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載されたカッター。
【請求項4】
付勢された前記操作部
の前記軸部が、前記連結部に当たることで停止している、
ことを特徴とする請求項
3に記載されたカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ダンボール等を切断する際に用いられる器具として、下記特許文献1に記載されたカッターナイフがある(以下、「文献公知1発明」と記す。)。文献公知1発明は、刃が取り付けられたホルダー本体と、このホルダー本体と隙間を空けて取り付けられたホルダーヘッドとを有し、ホルダー本体とホルダーヘッドとの隙間に、刃が露出している。隙間にダンボールが挿入された状態で、使用者が、刃をダンボールに押し付ける方向に、文献公知1発明を引っ張ると、刃によってダンボールが切り裂かれていく。
【0003】
また、下記特許文献2に記載されたペーパーカッター(以下、「文献公知2発明」と記す。)は、刃が取り付けられたガイドと収納ケースとを有し、使用時には、刃と収容ケースとの隙間に封筒等が挿入されて切断される。一方で、不使用時には、ガイドが回転して刃と共に収容ケースに収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6198259号公報
【文献】特開2016-221032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献公知1発明は、上記したとおり、刃をダンボールに押し付けることで、ダンボールを切り裂くものであるため、例えば、切断対象が薄い紙やフィルムであった場合、刃によって押された切断対象は、切断される前に歪み、切断されない場合がある。すなわち、文献公知1発明における切断の理屈は、切断対象が、ある程度の剛性を有していることを前提としている。
【0006】
文献公知2発明は、ガイド(刃)が回転するものの、回転すると収容部ケースに収容されるため、切断対象は、収容ケース内に挟まることとなり、適切に切断されない。仮に、切断対象を切断することができたとしても、文献公知2発明は、使用者が、ガイドに親指を当て、収納ケースを他の指で掴み、親指でガイドを押し下げるものであることから、ガイド(刃)と収容ケースとの隙間に切断対象を挿入すると、使用者の手が、切断対象の上下面に跨った姿勢となる。この状態で、使用者が、刃を切断対象に押し付ける方向に、文献公知2発明を押すと、切り裂かれて刃の左右に分断された切断対象が手にぶつかるため、切断し続けることができない。
【0007】
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。本発明は、切断対象の剛性に依拠せずに、切断対象を確実に切断することができ、また、連続して切断し続けることができるカッターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るカッターは、把持部と、前記把持部の下方に配置されていて、挿入された扁平な切断対象の上下両面と対峙し、挿入された方向に向かって前記切断対象を通過させる切断対象通過部と、前記切断対象通過部の間に配置された刃部と、前記切断対象通過部の上方に配置されていて、前記切断対象に切れ目を形成するために前記刃部を上下に動かす操作部と、を有する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るカッターは、前記操作部が、前記把持部と前記切断対象通過部との間に配置された軸部と、前記軸部から伸びて前記把持部に配置されたハンドル部と、前記軸部から伸びて前記刃部に連結された刃支持部と、を有し、前記軸部を軸として回転する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るカッターは、前記刃部が上方に動く方向に前記操作部を付勢した付勢部を有し、前記付勢部が、前記ハンドル部に接続されている、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係るカッターは、前記切断対象通過部が、前記切断対象の上面と対面する上対面部を有し、前記刃部が収容されると共に前記上対面部から前記刃部の一部が張り出した刃支持本体部と、前記切断対象の下面と対面する下対面部を有し、前記上対面部から張り出した前記刃部の一部が、前記下対面部に挿入された刃収容部と、前記刃支持本体部と前記刃収容部とを連結した薄板状の連結部と、から構成され、付勢された前記操作部が、前記連結部に当たることで停止している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカッターは、把持部と、把持部の下方に配置されていて、挿入された扁平な切断対象の上下両面と対峙し、挿入された方向に向かって切断対象を通過させる切断対象通過部と、切断対象通過部の間に配置された刃部と、切断対象通過部の上方に配置されていて、切断対象に切れ目を形成するために刃部を上下に動かす操作部とを有している。すなわち、刃部が動くことで、切断対象の端部が切断されて切れ目が形成され、この切れ目が、刃部が切断対象を切断し始める起点となる。仮に、切断対象が薄く、剛性が低い場合であっても、初めに切断されることで、切断対象が裂けやすくなる。したがって、切断対象の剛性に依拠せずに、切断対象を確実に切断することができる。また、切断対象通過部は、把持部の下方に在ることから、把持部とは別個に備えられているため、使用者の手が、切断された切断対象の通り道に干渉することがない。すなわち、切断対象が切断されていくと、切断された切断対象の端部は、切断対象通過部に沿って通過するところ、切断対象通過部には把持部が存在しないため、把持部を把持した使用者の手が切断対象と干渉しない。したがって、切断が円滑となり、連続して切断し続けることができる。
【0013】
本発明に係るカッターは、操作部が、把持部と切断対象通過部との間に配置された軸部と、軸部から伸びて把持部に配置されたハンドル部と、軸部から伸びて刃部に連結された刃支持部とを有し、軸部を軸として回転するものである。ハンドル部が把持部に配置されているため、使用者は、把持部を把持しながら操作部を操作することができる。また、事実上、軸部は、切断対象通過部の上方に在り、切断対象通過部と干渉しないため、切断対象が通過する領域として、切断対象部通過部が確保される。したがって、切断が円滑となり、連続して切断し続けることができる。
【0014】
本発明に係るカッターは、刃部が上方に動く方向に操作部を付勢した付勢部を有し、付勢部が、ハンドル部に接続されている。すなわち、付勢部は、ハンドル部に接続され、切断対象通過部と干渉しないため、切断対象が通過する領域として、切断対象部通過部が確保される。したがって、切断が円滑となり、連続して切断し続けることができる。
【0015】
本発明に係るカッターは、切断対象通過部が、切断対象の上面と対面する上対面部を有し、刃部が収容されると共に上対面部から刃部の一部が張り出した刃支持本体部と、切断対象の下面と対面する下対面部を有し、上対面部から張り出した刃部の一部が、下対面部に挿入された刃収容部と、刃支持本体部と刃収容部とを連結した薄板状の連結部とから構成され、付勢された操作部が、連結部に当たることで停止している。連結部が、刃支持本体部と刃収容部を連結する機能と、付勢部によって付勢された操作部の可動範囲を規制する機能とを担っている。したがって、部品点数が抑えられる。また、連結部が薄板状であるため、切断対象が切断対象通過部を通過することを妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るカッターの表面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るカッターの上面図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII-III断面であって、本発明の実施形態に係るカッターの断面図である
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るカッターの動作後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係るカッター(以下、「ハサミカッター」と記す。)は、扁平な切断対象(図示省略)を切断する際に用いられるものである。切断対象は、剛性が高いものから低いものまで、種々のものが含まれ、例えば、食料品や薬品等が収容された紙製又はプラスチック製の袋、薄葉紙、封筒、プラスチックフィルム、ビニル袋、段ボール等である。ここで、本実施形態に係るハサミカッターを図面に基づいて説明する。
図1及び2には、本実施形態に係るハサミカッター1の外観が示されている。
図3及び4には、ハサミカッター1の断面が示され、
図3に示されているのは、動作前のハサミカッター1であり、
図4に示されているのは、動作後のハサミカッター1である。なお、以下の説明では、
図1に示されているとおり、ハサミカッター1を前進させる方向を(同図において、左向き)を前側とし、その反対方向(同図において、右向き)を後側とし、刃部16が動く方向を上側及び下側とする。また、
図2に示されているとおり、ハサミカッター1の厚み方向を、表側及び裏側とする。
【0018】
図1に示されているとおり、ハサミカッター1は、使用者(図示省略)によって把持される把持部2と、この把持部2の下方に配置された切断対象通過部3と、この切断対象通過部3の間に形成された通路部15に配置された刃部16と、切断対象通過部3の上方に配置されていて刃部16を上下に動かす操作部17とを有している。切断対象通過部3は、把持部2に連接された刃支持本体部4と、この刃支持本体部4の下方に配置された刃収容部9と、刃支持本体部4と刃収容部9とを連結した連結部13とから構成されている。通路部15は、直線状の隙間であって、使用者の指が挟まらない程度の幅であり、かつ、切断対象が挿入され得る幅である。把持部2と刃支持本体部4とは、一体の部材である。(以下、把持部2と刃支持本体部4とから構成された一体の部材を、「本体部材」と記す。)
【0019】
図2に示されているとおり、ハサミカッター1は、厚みが薄く、平坦な板状である。本体部材は、ハサミカッター1の表側である薄い表側の本体部材と、裏側である薄い裏側の本体部材とが張り合わせられたものであり、同様に、刃収容部9も、薄い表側の刃収容部9と、薄い裏側の刃収容部9とが張り合わせられたものである。
【0020】
図1ないし3に示されているとおり、把持部2は、使用者が握って掌に収められる程度の大きさであり、後側に向けて伸びた棒状である。把持部2の前端部には、刃支持本体部4が連接されている。刃支持本体部4は、把持部2の前端部から下方に向けて広がっている。刃支持本体部4は、把持部2の下方において、前後に向かって伸び、後端部に、支持側被取付部5を有している。支持側被取付部5は、把持部2と間を空けて対峙している。刃支持本体部4の下端部は、切断対象の上面と対面する上対面部6を有している。本体部材の内側には、収容空間7が形成されている。収容空間7は、把持部2から刃支持本体部4に至っており、上対面部6において開放されている。上対面部6には、収容空間7に通じた上開口スリット8が形成されている。収容空間7には、操作部17と刃部16とが連結された状態で収容されている。
【0021】
刃部16は、円板状である。操作部17は、把持部2と切断対象通過部3との間に配置されて刃支持本体部4に支持された軸部18と、この軸部18から伸びて把持部2に配置されたハンドル部19と、軸部18から伸びて刃部16に連結された刃支持部20とを有している。軸部18は、刃支持本体部4に対して回転自在に支持されている。ハンドル部19は、軸部18から上方に向けて伸び、伸びた先が直角に折れ曲がって後方に向けて伸びている。ハンドル部19は、把持部2において収容空間7に収容されており、一部が把持部2の下方に露出している。ハンドル部19と把持部2との間には付勢部21が取り付けられている。付勢部21は、例えば、トーションばね等であり、付勢部21の片側が把持部2に接続され、もう片側がハンドル部19に接続されている。なお、付勢部21は、コイルばねやU字状に曲げられた板ばね等であってもよい。刃支持部20は、軸部18から前方に向けて伸び、伸びた先に刃部16の中心が連結されている。刃部16は、収容空間7に収容されており、一部が上対面部6の上開口スリット8から通路部15に張り出している。
【0022】
操作部17は、ハンドル部19が操作されると、軸部18を軸として回転することで刃支持部20が上下に揺動する。付勢部21は圧縮されており、ハンドル部19を押し下げる方向に伸びて復元しようとする。したがって、付勢部21は、刃部16が上方に動く方向(軸部18を中心とした右回り方向)に操作部17を付勢している。
【0023】
刃収容部9は、前後に向けて伸びた棒状である。刃収容部9の後端部には、収容側被取付部10を有している。収容側被取付部10は、支持側被取付部5と通路部15を空けて対峙している。刃収容部9の上端部は、切断対象の下面と対面する下対面部11を有している。下対面部11には、刃支持本体部4の上開口スリット8と対峙した下開口スリット12が形成されている。下開口スリット12には、上開口スリット8から通路部15に張り出した刃部16の一部が挿入されている。
【0024】
連結部13は、薄板状であり、刃支持本体部4の支持側被取付部5と刃収容部9の収容側被取付部10とに連結されている。したがって、通路部15の幅は一定に保たれている。連結部13は、上端部に、規制部14を有している。規制部14には、付勢された操作部17の軸部18が当たっている。したがって、操作部17の回転(軸部18を中心とした右回りの回転)は、規制部14によって規制されている。
【0025】
上記のとおり、ハサミカッター1が構成されている。次に、ハサミカッター1の作用効果を図面に基づいて説明する。
【0026】
図3において、把持部2を使用者が握り、通路部15に切断対象を挿入する。切断対象通過部3では、刃支持本体部4の上対面部6が、切断対象の上面と対峙し、刃収容部9の下対面部11が、切断対象の下面と対峙する。切断対象が、例えば段ボール等であれば、切断対象は適度な剛性を有しているため、使用者がハサミカッター1を前進させることで、刃部16が切断対象に押し付けられると、切断対象は、挿入された方向に向かって切断対象通過部3に沿って通路部15を通過すると共に刃部16によって切り裂かれていく。一方で、切断対象が、例えば薄い紙等であった場合、切断対象は剛性が低いため、刃部16が押し付けられた切断対象は、切断される前に歪み、切断されない場合がある。この場合であっても、以下の作用によって、切断対象は適切に切断される。
【0027】
切断対象が刃部16に接触した状態で、使用者が、付勢部21の弾性力に抗してハンドル部19を押し上げると、操作部17は、軸部18を軸として、刃部16が下がる方向(軸部18を中心とした左回り)へ回転する。刃部16が動く際、切断対象通過部3は変形しないため、通路部15の幅も変化せず刃部16の動作に依らず一定である。刃部16が下方に動くと、切断対象に切れ目が形成され、この切れ目が、刃部16が切断対象を切断し始める起点となる。切断対象は、初めに切断されることで裂けやすくなる。したがって、切断対象の剛性に依拠せずに、切断対象を確実に切断することができる。
【0028】
切断対象通過部3は、把持部2の下方に在ることから、把持部2とは別個に備えられているため、使用者の手が、切断された切断対象の通り道に干渉することがない。すなわち、切断対象が切断されていくと、切断された切断対象の端部は、切断対象通過部3に沿って通路部15を通過するところ、切断対象通過部3には把持部2が存在しないため、把持部2を把持した使用者の手が切断対象と干渉しない。したがって、切断が円滑となり、連続して切断し続けることができる。
【0029】
ハサミカッター1は、操作部17のハンドル部19が、把持部2の収容空間7に収容されており、ハンドル部19の一部が下方に露出しているため、使用者は、把持部2を把持しながら操作部17を操作することができる。また、軸部18は、切断対象通過部3の上方に在り、切断対象通過部3と干渉しないため、切断対象が通過する領域として、通路部15が確保される。したがって、切断が円滑となり、連続して切断し続けることができる。
【0030】
ハサミカッター1は、ハンドル部19と把持部2との間に、板ばね等の付勢部21が取り付けられている。すなわち、付勢部21は、ハンドル部19に接続され、切断対象通過部3と干渉しないため、切断対象が通過する領域として、通路部15が確保される。したがって、切断が円滑となり、連続して切断し続けることができる。
【0031】
ハサミカッター1では、連結部13は、刃支持本体部4の支持側被取付部5と刃収容部9の収容側被取付部10とに連結され、付勢された操作部17の軸部18が当たる規制部14を有している。すなわち、連結部13は、刃支持本体部4と刃収容部9を連結する機能と、付勢部21によって付勢された操作部17の可動範囲を規制する機能とを担っている。したがって、部品点数が抑えられる。また、連結部13は、薄板状であるため、切断対象が切断対象通過部3に沿って通路部15を通過することを妨げない。
【0032】
ハサミカッター1は、刃支持本体部4、刃収容部9、操作部17及び連結部13がすべて板状であるため、厚みが薄い(
図2参照)。
【0033】
ハサミカッター1の刃部16は、円板状であるため、刃部16の一部が劣化した場合であっても、使用者が刃部16を回転させることで、劣化していない部分が現れる。したがって、刃の交換が容易である。
【0034】
なお、本発明の他の実施形態では、通路部の形状が直線状ではなく、刃部の辺りから後方に向かうにしたがって徐々に下方に向けられている。したがって、刃部で切断された切断対象は、通路部に沿って、後方かつ下方に向かって斜めに向けられて通過する。
【0035】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 ハサミカッター(カッター)
2 把持部
3 切断対象通過部
4 刃支持本体部
5 支持側被取付部
6 上対面部
7 収容空間
8 上開口スリット
9 刃収容部
10 収容側被取付部
11 下対面部
12 下開口スリット
13 連結部
14 規制部
15 通路部
16 刃部
17 操作部
18 軸部
19 ハンドル部
20 刃支持部
21 付勢部
【要約】
【課題】切断対象の剛性に依拠せずに、切断対象を確実に切断することができ、また、連続して切断し続けることができるカッターを提供する。
【解決手段】ハサミカッター1は、使用者が把持する把持部2と、この把持部2の下方に配置されて切断対象を通過させる切断対象通過部3と、この切断対象通過部3の間に形成された通路部15に配置された刃部16と、切断対象通過部3の上方に配置されていて刃部16を上下に動かす操作部17とを有している。
【選択図】
図3