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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】チルド水産物の賞味期限を延ばす方法
(51)【国際特許分類】
   A23B 4/10 20060101AFI20240430BHJP
   A23B 4/015 20060101ALI20240430BHJP
   A23B 4/20 20060101ALI20240430BHJP
   A23B 4/16 20060101ALI20240430BHJP
   A23L 29/275 20160101ALI20240430BHJP
   A23L 29/231 20160101ALI20240430BHJP
【FI】
A23B4/10 Z
A23B4/015
A23B4/20 Z
A23B4/16
A23L29/275
A23L29/231
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022553189
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2021108318
(87)【国際公開番号】W WO2022257244
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】202110637535.X
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522351332
【氏名又は名称】浙江海洋大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG OCEAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 1 South Haida Rd, Lincheng Avenue, Dinghai District Zhoushan, Zhejiang 316002 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲どん▼ 尚貴
(72)【発明者】
【氏名】応 暁国
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112167317(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109258776(CN,A)
【文献】特開2005-278505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23B、A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量部で、15~20部の変性カルボキシメチルキトサン、5~12部のペクチン、2~5部のオレイン酸、1~3部の酵母セレン、1~3部のナタマイシン、2~6部のナイシンレンサ球菌の成分を含む、ことを特徴とするチルド水産物の賞味期限を延長するコンパウンド
【請求項2】
重量部で、18~20部の変性カルボキシメチルキトサン、8~10部のペクチン、2~3部のオレイン酸、1~2部の酵母セレン、1~2部のナタマイシン、2~4部のナイシンレンサ球菌の成分を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のチルド水産物の賞味期限を延長するコンパウンド。
【請求項3】
重量部で、19部の変性カルボキシメチルキトサン、8.5部のペクチン、2.5部のオレイン酸、1.2部の酵母セレン、1.5部のナタマイシン、3.5部のナイシンレンサ球菌の成分を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のチルド水産物の賞味期限を延長するコンパウンド。
【請求項4】
変性カルボキシメチルキトサンの製造について、カルボキシメチルキトサンとL-システイン塩酸塩を質量比1:1-1.5により混合し、室温で2-3時間振とうして変性カルボキシメチルキトサンを得るというステップ1と、
前記コンパウンドの配合比率に従ってペクチン、オレイン酸及びステップ1で得られた変性カルボキシメチルキトサンを混合し、高速で2-3時間撹拌した後、酵母セレン、カナマイシン及びナイシンレンサ球菌を加えて低速で30-60分間撹拌し、前記コンパウンドを得るというステップ2と
を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のチルド水産物の賞味期限を延長するコンパウンドの製造方法。
【請求項5】
前記高速が5000-8000rpm、前記低速が300-500rpmである、ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
混合ガスを用いてチルド水産物を処理すると、チルド水産物を前記コンパウンドに浸漬するというステップを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のコンパウンドを用いてチルド水産物の賞味期限を延長する方法。
【請求項7】
まず低温プラズマビームを使って、55%CO2、25%N2、及び20%O2を組み合う混合ガス中で、前記チルド水産物を20-30秒間処理してから、前記チルド水産物を前記コンパウンドに浸漬して10-15分間超音波処理した後、取り出して1-2分間静置し、4℃の冷蔵庫内に貯蔵する、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
低温プラズマビームの電圧は50-60kVである、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記チルド水産物は魚類製品である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品保存の分野に関し、特にチルド水産物の賞味期限を延ばす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国は世界第一の水産養殖大国、漁業生産大国と水産品貿易大国であり、水産品の生産量と消費量は巨大で、2019年の全国水産品の総生産量は6480.36万トンで、漁業総生産額は26406.50億元で、全国で一人当たりの水産品占有量は46.45キログラムである(全国人口は139538万人)。イカは現在中国の水産原料の中に最も広く利用されている品種の一つである。イカ、別名スルメイカまたはヤリイカスルメイカ、頭足類で、軟体動物門頭足綱管イカ目開眼亜目に属し、世界の海洋漁業資源の中で十分に利用されておらず、大きな潜在力を持つ海洋生物の一つである。イカの栄養成分が非常に豊富で、タンパク質が17%程度、脂肪が13%程度含まれている。しかし、イカの体内には栄養物質を分解する酵素がたくさん存在し、水分含有量が高く、筋肉組織が柔らかく、特に微生物の成長・繁殖に適しており、イカの腐敗・変質を引き起こしやすい。また、イカの生産量の構造が動的に変化し、アルゼンチンイカや北太平洋イカなどの重要な経済イカ品種の生産量も減少傾向にある。そのため、酵素の活動と微生物の成長・繁殖をコントロールし、イカの品質保証をしっかりと行うことは、イカ資源の利用率を高め、経済的損失を減らすだけでなく、イカの有効な供給を保障するのにも役立つ。
【0003】
長い間、人々は冷凍方式を採用して水産品の賞味期限を延長することが多く、この方法は保存時間が長いが、凍結、貯蔵、解凍の過程で、水産品に対する肉質、風味、テクスチャー、保水性と栄養などの品質が大きく変化する。冷凍保存のほか、乾燥、塩漬、燻製などがあり、これらの方法は水産物の賞味期限を延長できるが、水産物の品質に大きな影響を与え、人体の健康に不利な化学成分も存在する可能性がある。科学技術の進歩と消費者の食品品質に対する要求の高まりに伴い、水産物の品質と賞味期限を改善するために、安全、無害かつ水産物の本来の品質を維持できる新しい保存方法が早急に求められている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、チルド水産物の賞味期限を延長する方法を提供して、上記の従来技術の問題点を解決して、混合ガスを低温プラズマの条件下で処理した後、調合したチルド水産物の賞味期限を延長できるコンパウンドで浸漬処理することにより、水産品タンパク質の冷蔵期間中の分解と酸化変性を顕著に緩和して、水産品中のタンパク質活性を良好に維持して、水産品品質の劣化を効果的に緩和することができる。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の方案を提供する。
【0006】
本発明は、チルド水産物の賞味期限を延長するためのコンパウンドを提供し、重量部で、15~20部の変性カルボキシメチルキトサン、5~12部のペクチン、2~5部のオレイン酸、1~3部の酵母セレン、1~3部のナタマイシン、2~6部のナイシンレンサ球菌、の成分が含まれる。
【0007】
好ましくは、重量部で、18~20部の変性カルボキシメチルキトサン、8~10部のペクチン、2~3部のオレイン酸、1~2部の酵母セレン、1~2部のナタマイシン、2~4部のナイシンレンサ球菌、の成分が含まれる。
【0008】
好ましくは、重量部で、19部の変性カルボキシメチルキトサン、8.5部のペクチン、2.5部のオレイン酸、1.2部の酵母セレン、1.5部のナタマイシン、3.5部のナイシンレンサ球菌、の成分が含まれる。
【0009】
本発明はまた、チルド水産物の賞味期限を延長するコンパウンドの製造方法を提供する。以下のステップを含む。
【0010】
ステップ1:変性カルボキシメチルキトサンの製造について、カルボキシメチルキトサンとL-システイン塩酸塩を質量比1:1-1.5により混合し、室温で2-3時間振とうして変性カルボキシメチルキトサンを得る。
【0011】
ステップ2:前記コンパウンドの配合比率に従ってペクチン、オレイン酸及びステップ1で得られた変性カルボキシメチルキトサンを混合し、高速で2-3時間撹拌した後、酵母セレン、カナマイシン及びナイシンレンサ球菌を加えて低速で30-60分間撹拌し、前記コンパウンドを得る。
【0012】
好ましくは、高速は5000~8000rpmであり、低速は300~500rpmである。
【0013】
本発明はまた、混合ガスを用いてチルド水産物を処理すると、チルド水産物を前記コンパウンドに浸漬するというステップを含むことという、コンパウンドを用いてチルド水産物の賞味期限を延長する方法を提供する。
【0014】
好ましくは、具体的には以下のステップを含む。まず低温プラズマビームを使って、55%CO2、25%N2、及び20%O2を組み合う混合ガス中で、前記チルド水産物を20-30秒間処理してから、前記チルド水産物を前記コンパウンドに浸漬して10-15分間超音波処理した後、取り出して1-2分間静置し、4℃の冷蔵庫内に貯蔵する。
【0015】
好ましくは、低温プラズマビームの電圧は50~60kVである。
【0016】
好ましくは、チルド水産物は魚製品である。
【0017】
本発明は、以下の技術的効果を開示している。
【0018】
本発明により調製されたチルド水産物の賞味期限を延長するためのコンパウンドには、変性カルボキシメチルキトサン、ペクチン、オレイン酸、酵母セレン、ナタマイシンおよびナイシンレンサ球菌が含まれる。L-システインが使用される変性カルボキシメチルキトサンは良好なフォーミングプロパティを有する。ペクチンは、多数の主鎖と分岐鎖が交錯することに存在するため複雑な構造を形成し、変性カルボキシメチルキトサンに添加すると良好な架橋効果を示し、膜形成の延性を高めることができる。オレイン酸は、フィルムの柔らかさを高め、防水性能を向上させ、フィルムの外側の吸湿や内部の水分の揮発を抑えることができる。酵母セレンは、セレンを提供して栄養素を強化するだけでなく、水産物の抗酸化酵素の活性化を促進し、脂質過酸化を抑制し、抗酸化特性を改善できるから、水産物の賞味期限を延ばすのに役立つ。ナタマイシンとナイシンレンサ球菌は真菌および細菌の侵入と感染に効果的に防ぐことができる。上記コンパウンドに使用される原料はすべて食品グレードの原料であるため、水産物を浸漬した後でも、水産物の食用に影響を与えることはないころである。
【0019】
本発明は、まず、CO2、N2、O2からなる混合ガス中で、低温プラズマを用いて水産物を短時間処理し、イオン化によって発生する紫外線が微生物のDNA損傷を誘発し、低温プラズマにより生成される様々なプラズマ活性物質の相乗効果により微生物が急速に死滅する。低温プラズマ処理を行わない場合と比較して、TVB-N値の上昇をより適切に制御でき、滅菌、保存、貯蔵時間の延長の効果が得られることができる。さらに、混合ガスで低温プラズマの処理後、水産物はまた、水生成物の表面上にフィルム層を形成するために、本発明によって調製されたコンパウンドに浸される必要がある。このフィルムは食用であるだけでなく、保水性を高め、セレン元素を増やし、抗酸化能力を向上させると同時に、保管中の環境中の外来細菌や真菌の汚染を抑制し、保管前後の二重の抗菌保護を実現出来る上に、賞味期限を3~5日延長でき、水産物の本来の品質を大幅に維持する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の様々な例示的な実施形態を詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の限定としてではなく、本発明の特定の態様、特徴、および実施形態のより詳細な説明として解釈されるべきである。
【0021】
本発明に記載されている用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するために使用されていないことを理解されたい。さらに、本開示における数値範囲については、範囲の上限と下限との間に介在する各値も具体的に開示されることを理解されたい。記載された値または記載された範囲内の介在値と、他の記載された値またはその記載された範囲内の介在値との間のすべてのより小さな範囲もまた、本発明に含まれる。これらの小さい範囲の上限と下限は、独立して範囲に含めることも、範囲から除外することもできる。
【0022】
特に明記されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が説明する分野の当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本発明は好ましい方法と材料のみを説明したが、本明細書で説明するのと同様、または同等の方法と材料を、本発明の実施またはテストでも使用することができる。本明細書で言及されているすべての文献は、その文献に関連する方法および/または材料を開示および説明するために参照によって組み込まれている。いかなる組み込まれた文献と衝突する場合も、本書の内容に準ずる。
【0023】
本発明の明細書の具体的な実施の形態には、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、多くの改良や変更を加えることができることは当業者にとって明らかである。本発明の明細書から得られる他の実施形態については、当業者にとって明らかである。本願明の明細書および実施例は例示にすぎない。
【0024】
本明細書で使用される「含む」、「含まれる」、「有する」などは、制限のない用語であり、含むがこれに限定されないことを意味する。
【0025】
<実施例1>
チルド水産物の賞味期限を延ばすためのコンパウンドで、重量部で以下の成分が含まれる。15部の変性カルボキシメチルキトサン、5部のペクチン、2部のオレイン酸、1部の酵母セレン、1部のナタマイシン、2部のナイシンレンサ球菌。
【0026】
チルド水産物の賞味期限を延ばすためのコンパウンドの上記の調製方法は、以下のステップを含む。
【0027】
ステップ1:変性カルボキシメチルキトサンの製造について、カルボキシメチルキトサンとL-システイン塩酸塩を質量比1:1により混合し、室温で2時間振とうして変性カルボキシメチルキトサンを得る。
【0028】
ステップ2:前記コンパウンドの配合比率に従ってペクチン、オレイン酸及びステップ1で得られた変性カルボキシメチルキトサンを5000rpmの高速で2時間撹拌した後、酵母セレン、カナマイシン及びナイシンレンサ球菌を加えて300rpmの低速で30分間撹拌し、前記コンパウンドを得る。
【0029】
<実施例2>
チルド水産物の賞味期限を延ばすためのコンパウンドで、重量部で以下の成分が含まれる。19部の変性カルボキシメチルキトサン、8.5部のペクチン、2.5部のオレイン酸、1.2部の酵母セレン、1.5部のナタマイシン、3.5部のナイシンレンサ球菌。
【0030】
チルド水産物の賞味期限を延ばすためのコンパウンドの上記の調製方法は、以下のステップを含む。
【0031】
ステップ1:変性カルボキシメチルキトサンの製造について、カルボキシメチルキトサンとL-システイン塩酸塩を質量比1:1.2により混合し、室温で2.5時間振とうして変性カルボキシメチルキトサンを得る。
【0032】
ステップ2:前記コンパウンドの配合比率に従ってペクチン、オレイン酸及びステップ1で得られた変性カルボキシメチルキトサンを6000rpmの高速で2.5時間撹拌した後、酵母セレン、カナマイシン及びナイシンレンサ球菌を加えて400rpmの低速で45分間撹拌し、前記コンパウンドを得る。
【0033】
<実施例3>
チルド水産物の賞味期限を延ばすためのコンパウンドで、重量部で以下の成分が含まれる。20部の変性カルボキシメチルキトサン、12部のペクチン、5部のオレイン酸、3部の酵母セレン、3部のナタマイシン、6部のナイシンレンサ球菌。
【0034】
チルド水産物の賞味期限を延ばすためのコンパウンドの上記の調製方法は、以下のステップを含む。
【0035】
ステップ1:変性カルボキシメチルキトサンの製造について、カルボキシメチルキトサンとL-システイン塩酸塩を質量比1:1.5により混合し、室温で3時間振とうして変性カルボキシメチルキトサンを得る。
【0036】
ステップ2:前記コンパウンドの配合比率に従ってペクチン、オレイン酸及びステップ1で得られた変性カルボキシメチルキトサンを8000rpmの高速で3時間撹拌した後、酵母セレン、カナマイシン及びナイシンレンサ球菌を加えて500rpmの低速で60分間撹拌し、前記コンパウンドを得る。
【0037】
<比較例1>
実施例2との違いは、ペクチンがコンパウンドに添加されておらず、他のステップが同じであるということである。
【0038】
<比較例2>
実施例2との違いは、コンパウンドにオレイン酸が添加されておらず、他のステップは同じであるということである。
【0039】
<比較例3>
実施例2との違いは、コンパウンドに酵母セレンが添加されておらず、他のステップが同じであるということである。
【0040】
<比較例4>
例2との違いは、コンパウンドにナタマイシンとナイシンレンサ球菌が添加されておらず、他のステップが同じであるということである。
【0041】
<実験例1>
1.材料
浙江省舟山水族館から購入され、長さ約300mm、重さ1000gの新鮮なペルーイカ(Dosidicus gigas)を準備し、アイスキューブ付きのインキュベーターに入れ、使用するために30分間以内に実験室に戻した。
【0042】
2、イカの保存方法
イカの皮をむき、内臓を取り、体軸に沿って長さ、幅、高さを約3 cm x 3 cm x1cmのイカ片に切り、そのチルド水産物を55%CO2、25%N2、20%O2の組み合わせの混合ガス中で低温プラズマビームを用いて30秒間処理した。次に、チルド水産物を、実施例1~3および比較例1~4で調製したコンパウンドを用いて10分間に浸漬し超音波処理し、取り出して1分間放置し、4℃の冷蔵庫に入れて保管した。同時に、実施例2に基づいて、低温プラズマ処理なしおよびコンパウンド浸漬処理なしのサンプルを、それぞれ対照1および対照2として使用した。0.5%亜硫酸ナトリウム化学鮮度保持剤と何も処理しないサンプルをそれぞれ対照3、対照4とし、それぞれ0日目、5日目、10日目、15日目のサンプルの細菌総数(測定方法はGB/T 4789.2に参照する)とTVB-N(測定方法はGB 2733-2015に参照する)を測定した。
【0043】
表1および表2から分かるように、実施例1~3で調製されたコンパウンドおよび低温プラズマは、イカの鮮度保持に明らかな影響を及ぼし、低温プラズマおよびコンパウンドによって処理されたイカは、細菌総数を著しく制御し、鮮度を向上させ、鮮度期間を3~5日延長できる。
【0044】
また、保管15日目のイカの色、臭い、筋肉の弾力性も測定した。評価者は20名で、採点基準と採点結果を表3、4に示す。
【0045】
表4から分かるように、本発明の鮮度保持方法を使用することにより、イカの鮮度、食感および風味は、15日以内に最大限に保証できる。
【0046】
上記の実施例は、本発明の好ましい方式を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の設計思想を逸脱することなく、当業者が本発明の請求項に対して行う様々な変形や改良は、本発明の特許請求の範囲で定められた保護範囲内に収まるべきである。