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特許7479743突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋及びこれを用いた鉄筋構造物の施工方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋及びこれを用いた鉄筋構造物の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20240430BHJP
   E04C 5/18 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
E04C5/18 102
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023554072
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 KR2022001843
(87)【国際公開番号】W WO2022191442
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032135
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522196249
【氏名又は名称】キム、ヨン グン
【氏名又は名称原語表記】KIM,Yong-Keun
【住所又は居所原語表記】5 Nonhyeonnam-ro Namdong-gu Incheon 21653,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン グン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ ギョン
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-161986(JP,A)
【文献】特開2009-264045(JP,A)
【文献】特開2009-114810(JP,A)
【文献】特開2011-102488(JP,A)
【文献】特許第4427063(JP,B2)
【文献】韓国登録特許第10-1378723(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1541243(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0064240(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0171306(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/12
E04C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法において、
a)突合せ継手される鉄筋の基準長さを決定する段階、
b)前記基準長さと同一か前記基準長さより短いか長い定尺規格化鉄筋の長さ及び定尺規格化鉄筋の材質、径を決定して基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を選択する段階、及び
c)前記選択された基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を1本以上繰り返し使用する施工段階を含み、
前記c)段階は
(i)最初の区間の鉄筋を設置する段階、
(ii)前記最初の区間の鉄筋に前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を繰り返して突合せ継手する段階、及び
(iii)前記(i)段階~(ii)段階を繰り返し実施して仕上げ区間まで到達する段階を含み、
それぞれの基準長さ内で柱の両端からそれぞれ150mmを除いた区間または梁の両端からそれぞれ150mmを除いた区間でそれぞれの突合せ継手がなされ、
前記継手装置は
一端部にのみ雄ねじ部が形成される場合、
一端部にのみ雌ねじ部が形成される場合、
両端部に雄ねじ部が形成される場合、
両端部に雌ねじ部が形成される場合、
一端部には雄ねじ部、他端部には雌ねじ部が形成される場合の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり、
前記雄ねじ部と雌ねじ部は、円柱型ねじ結合構造または円錐型ねじ結合構造または円柱-円錐型一体型ねじ結合構造であることを特徴とする、突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項2】
前記a)段階の基準長さは、突合せ継手地点の継手作業予約区間を含み、
前記(iii)段階でn番目の突合せ継手地点が前記継手作業予約区間の範囲を離脱するようになる場合、前記n番目以前のいずれかの継手地点に継手位置調整鉄筋を突合せ継手してn番目の継手地点が前記継手作業予約区間の範囲内に復帰することを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項3】
前記継手位置調整鉄筋は、前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と長さが相違する定尺規格化鉄筋であることを特徴とする、請求項2に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項4】
前記定尺規格化鉄筋は、長さの差を有する2つの鉄筋であり、1つの鉄筋は前記基準長さより短い短縮型定尺規格化鉄筋であり、他の1つの鉄筋は前記基準長さより長い延長型定尺規格化鉄筋であり、
施工段階時に
短縮型定尺規格化鉄筋と延長型定尺規格化鉄筋を一回ごと交互に継手する場合、または
短縮型定尺規格化鉄筋を一回継手し前記延長型定尺規格化鉄筋を二回以上継手する場合、または
短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し前記延長型定尺規格化鉄筋を一回継手する場合、または
短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し前記延長型定尺規格化鉄筋も二回以上継手する場合を選択的に実施して仕上げ区間まで到達することを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項5】
前記基準長さは、
1階分の階高、2階分の階高、3階分の階高または4階分の階高の長さであるか、
柱間を連結する梁の長さの1倍の長さ、2倍の長さ、3倍の長さまたは4倍の長さであることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項6】
前記c)段階は、繰り返し使用される定尺規格化鉄筋の長さが相互同一であることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項7】
それぞれの基準長さごとに1箇所の継手地点が発生することを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項8】
前記円柱型ねじ結合構造は
一側の鉄筋の端部には円柱型雌ねじ部が形成され、他側の鉄筋の端部には円柱型雄ねじ部が形成されて、前記雄雌の円柱型ねじ部がねじ結合してなされる場合、
または端部で向き合って継手される2本の鉄筋の端部にそれぞれ円柱型雄ねじ部が形成され、別途のカプラーが前記円柱型雄ねじ部を両端でねじ結合してなされる場合であることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項9】
前記円柱-円錐型一体型ねじ結合構造は、
内径に円柱型ねじ山で形成される円柱型雌ねじ部と、前記円柱型雌ねじ部の一端に内径が狭くなる円錐型雌ねじ部とが一体で形成される円柱-円錐型一体型雌ねじ部を含み、
外径に円柱型ねじ山で形成される円柱型雄ねじ部と、前記円柱型雄ねじ部の一端に外径が狭くなる円錐型雄ねじ部とが一体で形成される円柱-円錐型一体型雄ねじ部を含み、
前記円柱型雌ねじ部の内径は、前記円錐型雌ねじ部の最大内径より大きくなるように形成され、
前記円柱型雄ねじ部の外径は、前記円錐型雄ねじ部の最大外径より大きくなるように形成され、
前記円柱型雌ねじ部と円錐型雌ねじ部の間、及び前記円柱型雄ねじ部と円錐型雄ねじ部の間に、それぞれねじ山不連続部が形成され、
前記円柱型雌ねじ部の内径が前記円錐型雄ねじ部の最大外径より大きくなるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項10】
前記雄ねじ部または雌ねじ部にはねじ保護キャップが結合され、
前記ねじ保護キャップには前記定尺規格化鉄筋と関連した固有情報を提供する情報提供部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項11】
前記継手装置は、
一端部にのみ第1接合端部材が形成される場合、
一端部にのみ第2接合端部材が形成される場合、
両端部に第1接合端部材が形成される場合、
両端部に第2接合端部材が形成される場合、
一端部には第1接合端部材、他端部には第2接合端部材が形成される場合の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり、
前記第1接合端部材は、前記定尺規格化鉄筋の端部に接合され締結ソケット結合用雄ねじ部が外面に長さ方向に形成される部材であり、
前記第2接合端部材は、一側の端部が前記第1接合端部材の端部形状に対応する形状からなり、他側の端部は定尺規格化鉄筋の端部に接合されて前記一側の端部から離隔され、軸方向での一端部が長さ方向に対して鋭角、直角及び鈍角のうちの選択されたいずれか1つの角度をなす1つまたは複数の段差が備えられる部材であることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項12】
前記第2接合端部材側には締結ソケットが仮結合され、
前記締結ソケットは、長さ方向に開口されて前記第2接合端部材の外面と第1接合端部材の外面を囲んで収容することができるように長さ方向に延長形成され、内面には前記第1接合端部材の締結ソケット結合用雄ねじ部にねじ結合される締結ソケット結合用雌ねじ部が長さ方向に形成され、前記第2接合端部材の段差に掛かり、長さ方向に対して鋭角、直角及び鈍角のうちの選択されたいずれか1つの角度をなす1つまたは複数の係止段が備えられた中空形状の部材であることを特徴とする、請求項11に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項13】
前記雄ねじ部には
1つのスリーブまたは他の1つのスリーブが結合され、
一端部の雄ねじ部に1つのスリーブが結合される場合、一端部の雄ねじ部に他の1つのスリーブが結合される場合、両端部の雄ねじ部に1つのスリーブが結合される場合、両端部の雄ねじ部に他の1つのスリーブが結合される場合、一端部の雄ねじ部には1つのスリーブ、他端部の雄ねじ部には他の1つのスリーブが結合される場合の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり、
前記1つのスリーブは、内面に雌ねじ部が形成され、外面に雄ねじ部が形成された部材であり、
前記他の1つのスリーブは、内面に雌ねじ部が形成され、軸方向に一端部が中心軸線に対して垂直な平行な面からなる第1係止段が形成された部材であることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項14】
前記他の1つのスリーブ側には結合ソケットが仮結合され、
前記結合ソケットは、内面に前記1つのスリーブの雄ねじ部とねじ締結される雌ねじ部が形成され、前記他の1つのスリーブの第1係止段と突き当たって係止作用をするように、一端部の内面に円の中心方向に突出した係止段が形成された部材であることを特徴とする、請求項13に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項15】
柱に使用される定尺規格化鉄筋を梁に使用するか、梁に使用される定尺規格化鉄筋を柱に使用することができることを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項16】
前記突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋は、複数本が先組されて定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網をなすことを特徴とする、請求項1に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法。
【請求項17】
鉄筋の材質、径を決定した後、一端から他端までの長さ規格である定尺規格化長さ寸法を定めて切断する鉄筋に付与し、付与された長さ寸法に従って定尺長さに前記鉄筋を切断し、前記定尺に切断された鉄筋の突合せ継手のための突合せ継手装置の種類を決定して、前記定尺規格化長さによって定尺に切断された鉄筋の一端または両端に前記突合せ継手装置を形成して継手装置が一体化されることを特徴とする、突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋。
【請求項18】
前記定尺規格化鉄筋は、
1階分の階高~4階分の階高または柱間を連結する梁の長さの1倍の長さ~4倍の長さに適用が可能なように差等された長さでそれぞれ複数形成されることを特徴とする、請求項17に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋。
【請求項19】
前記突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋は、複数本が先組されて定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網をなすことを特徴とする、請求項17に記載の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋及びこれを用いた鉄筋構造物の施工方法に関する。より詳細には、継手装置が一体化された状態で予め定尺規格で大量製作され既成化される定尺規格化鉄筋と、前記定尺規格化鉄筋を繰り返し使用することで、突合せ継手によって継続的に連結される鉄筋構造物を製作できる施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋は普通、標準長さ12m、15m等の長さでトン単位標準束の重さによって流通し、個々の建物設計に応じて柱、梁等の規格に合わせて短く切断して使用される。
【0003】
鉄筋工事の際、現場作業の特性上、施工過程で緊急に資材を調達して使用しなければならない場合が多い。しかし鉄筋の場合は、継手装置が一体化された規格化鉄筋が長さ単位で販売されていない実情であって、特定の長さの鉄筋を即時購入して使用することが不可能な実情である。
【0004】
そこで現場では、実際に必要な長さに合わせて切断機等を用いて個別に特定の長さに切断する。
【0005】
このような鉄筋加工の過程で、通常2%~5%の鉄筋ロスが発生して経済的損失が発生している。
【0006】
また、鉄筋切断の作業工程においても、工程上、人件費等の工事費が増加し得る。
【0007】
さらに、鉄筋にカプラー等の継手装置が一体化された規格化鉄筋が存在しない関係で、主に現場では運送が容易な長さで販売されている鉄筋を購入して必要な長さに切断して重ね継手施工する。
【0008】
これにより重なる区間の鉄筋が長くなるほど、さらに不要な資材費用の増加をもたらすようになり、重なる区間の鉄筋の荷重の分だけ不要に荷重が増大し得る。
【0009】
また、重ね継手によって配筋間隔が狭くなり、コンクリートの充填時にも障害となって、コンクリートの充填性が低下し得る。
【0010】
また、老朽化や地震等によるコンクリートの亀裂瑕疵により剥離現象が発生するようになると、鉄筋が重ね継手された柱は、急激に耐力が喪失して大きな危険を招き得る。
【0011】
にもかかわらず重ね継手をする主な理由は、鉄筋を容易に継手することができる継手装置が一体化された規格化鉄筋が存在しないためと考えられる。
【0012】
また、現場締結用の鉄筋カプラーも利用されてはいるが、継手部に初期スリップが発生する等の問題点がある場合が多く、製作工程及び多数の所要部品が要求されるためカプラーの生産単価が上昇する等、やはり経済性が低下するものと考えられる。
【0013】
また、鉄筋の端部に直接ねじ加工して行うねじ式継手のときには、加工専門業者へのオーダーメイド製作等によって納期まで待たなければならないため、それで工事日程の進行にも支障が生じ得る部分があり、工場の物流費が別途で発生してやはり経済性が低下するものと考えられる。
【0014】
また、ガス圧接は専門業者に依頼して行わなければならないことにより、経済性が低下し、継手部に熱変形が発生し、専門業者による作業依頼時に別途の作業日程を予約しなければならない等、工事日程の進行にも支障が生じ得る部分があったと考えられる。
【0015】
そこで、これまで様々な慢性的な弊害にもかかわらず、重ね継手をするしかなかったものと考えられる。
【0016】
その他にも、注文製作方式の場合、従来の鉄筋に直接ねじを形成する方式の場合、a)注文者の要求に応じて鉄筋の材質、径に合う鉄筋を準備する段階、b)注文者の要求長さに応じて鉄筋を切断する段階、c)切断された鉄筋端部に対して冷間鍛造スウェージングまたは端部切削加工、あるいは据え込み後に切削加工する段階、d)先端部の面取り加工する段階、e)雄ねじの転造ねじ加工または切削ねじ加工をする段階、f)注文者の望む工事現場へ運搬する段階で進められた。
【0017】
その他ねじ部材を鉄筋の端部に溶接する方式の場合、a)注文者の要請に応じて鉄筋の材質、径に合う鉄筋を準備する段階、b)注文者の要請長さに応じて鉄筋を切断する段階、c)準備された規格の雌ねじまたは雄ねじ部材を鉄筋に溶接接合する段階、d)注文者の指定工事現場へ運搬する段階、e)柱鉄筋の場合、該当建物の階高の長さに応じて同一の長さで注文された多数の鉄筋を継手施工する段階でなされていた。
【0018】
それで、鉄筋の注文において運搬後の施工までの工程が煩わしく、多数の日時が所要されて工期が遅延し、現場ごとに要求される鉄筋の長さや規格に一々対応するのが難しい点があった。
【0019】
また、図35を参照すると、従来の日本公開特許公報特開2011-102488号で、互いに径が異なる大径の鉄筋と小径の鉄筋の端部間を連結する鉄筋継手であって、互いに連結される大径の鉄筋及び直径の鉄筋の端部にそれぞれ拡大形状で形成されて互いに径が異なる一対のねじ部と、このような大径の鉄筋のねじ部と小径の鉄筋のねじ部とそれぞれ径とリードが同一の大経側ねじ部と小径側ねじ部を両方にそれぞれ有する両端異径雄ねじ部品と、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記大経側ねじ部と前記大径の鉄筋のねじ部とに渡って螺旋合致する大経側ねじスリーブと、内面に雌ねじ部を有し前記両端異径雄ねじ部品の前記小径側ねじ部と前記小径の鉄筋のねじ部とに渡って螺旋合致する小径側ねじスリーブを備える異径鉄筋ねじ式鉄筋継手及び継手付き鉄筋構造が開示されている。
【0020】
前記先行技術は、長さ調整用ねじ式鉄筋継手4を、様々な異なる長さのものを準備しておき選択して使用することで、前記雄ねじ付きの鉄筋1、1Aの長さが一定であっても、希望の総長の鉄筋配列体となる主筋12を得るようにする構成である。
【0021】
しかし、長さ調整用ねじ式鉄筋継手4を介して鉄筋網の総長に合わせるように継手されるものであり、定尺規格化鉄筋の継手作業予約区間を管理するようにする構成ではなく、毎基準長さ(たとえば、1つの階)ごとに、鉄筋に比べて非常に長さが短い長さ調整用ねじ式両端を鉄筋と全て継手しなければならないことにより、必然的に2回以上の継手作業が伴わなければならず、その結果、出願発明のように毎基準長さ(たとえば、1つの階)ごとに継手箇所の数を1つの地点に最小化することが不可能であり、これにより継手箇所の数が不要に多くなって、継手作業が煩雑になり経済性が低下して施工性が低下するしかない。
【0022】
すなわち、毎基準長さごとに継手装置及び継手工数が最小限1つずつさらに所要され、不要に資材費が増大し継手工数が増大するしかない。
【0023】
また、長さ調整用ねじ式鉄筋継手4は、単純に長さを合わせる別途の部材を継手するものであって、規格化鉄筋間の直接の継手作業を難しくし、鉄筋構造物ごとに毎度異なって長さを変えていきながら使用しなければならないことにより部材自体の規格化が難しい。
【0024】
しかし本発明は、定尺規格化鉄筋間で直接継手作業して連続施工が可能であり、継手位置の調整が要求される場合、断続的に継手作業予約区間に継手地点が復帰するように継手位置調整鉄筋を突合せ継手して施工しながら鉄筋構造物を容易に完成することができる構成である。
【0025】
断続的に継手位置調整鉄筋を使用することにより、継手位置調整鉄筋の使用区間を除けば、その他の区間では連続的な定尺規格化鉄筋のみの継手作業がなされる。
【0026】
このような場合、継手位置調整鉄筋もまた定尺規格化鉄筋であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【文献】日本公開特許公報特開2011-102488号
【文献】韓国特許登録番号第10-1378723号
【文献】韓国特許登録番号第10-1014543号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
構造物の安全性を高め鉄筋の所要物量を減らすことにある。
【0029】
応力伝達が鉄筋から鉄筋になされるようにすることにある。
【0030】
重ね継手でない突合せ継手で鉄筋を連続的に継手することができることにある。
【0031】
定尺規格化鉄筋間で直接継手作業して連続施工が可能なようにすることにある。
【0032】
基準長さ当りの継手地点を最小化することにある。
【0033】
連続的に基準長さ区間を基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と継手位置調整鉄筋のみで継手することにある。
【0034】
定尺規格化鉄筋を使用するのに障害となる階別の継手地点の誤差を克服することにある。
【0035】
必要に応じて即時現場に鉄筋を供給して、鉄筋の継手のための作業が容易になるようにすることにある。
【0036】
鉄筋を容易に識別できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0037】
前記の課題を解決するための本発明は、
【0038】
突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法において、a)突合せ継手される鉄筋の基準長さを決定する段階、b)前記基準長さと同一か前記基準長さより短いか長い定尺規格化鉄筋の長さ及び定尺規格化鉄筋の材質、径を決定して基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を選択する段階、及びc)前記選択された基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を1本以上繰り返し使用する施工段階を含み、前記c)段階は、(i)最初の区間の鉄筋を設置する段階、(ii)前記最初の区間の鉄筋に前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を繰り返して突合せ継手する段階、及び(iii)前記(i)段階~(ii)段階を繰り返し実施して仕上げ区間まで到達する段階を含み、それぞれの基準長さ内で柱の両端からそれぞれ150mmを除いた区間または梁の両端からそれぞれ150mmを除いた区間でそれぞれの突合せ継手がなされ、前記継手装置は、一端部にのみ雄ねじ部が形成される場合、一端部にのみ雌ねじ部が形成される場合、両端部に雄ねじ部が形成される場合、両端部に雌ねじ部が形成される場合、一端部には雄ねじ部、他端部には雌ねじ部が形成される場合の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり、前記雄ねじ部と雌ねじ部は、円柱型ねじ結合構造または円錐型ねじ結合構造または円柱-円錐型一体型ねじ結合構造であることを特徴とする。
【0039】
前記a)段階の基準長さは、突合せ継手地点の継手作業予約区間を含み、前記(iii)段階でn番目の突合せ継手地点が前記継手作業予約区間の範囲を離脱するようになる場合、前記n番目以前のいずれかの継手地点に継手位置調整鉄筋を突合せ継手してn番目の継手地点が前記継手作業予約区間の範囲内に復帰することを特徴とする。
【0040】
前記継手位置調整鉄筋は、前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と長さが相違する定尺規格化鉄筋であることを特徴とする。
【0041】
前記定尺規格化鉄筋は、長さの差を有する2つの鉄筋であり、1つの鉄筋は前記基準長さより短い短縮型定尺規格化鉄筋であり、他の1つの鉄筋は前記基準長さより長い延長型定尺規格化鉄筋であり、施工段階時に、短縮型定尺規格化鉄筋と延長型定尺規格化鉄筋を一回ごと交互に継手する場合、または短縮型定尺規格化鉄筋を一回継手し前記延長型定尺規格化鉄筋を二回以上継手する場合、または短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し前記延長型定尺規格化鉄筋を一回継手する場合、または短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し前記延長型定尺規格化鉄筋も二回以上継手する場合を選択的に実施して仕上げ区間まで到達することを特徴とする。
【0042】
前記基準長さは、1階分の階高、2階分の階高、3階分の階高または4階分の階高の長さであるか、柱間を連結する梁の長さの1倍の長さ、2倍の長さ、3倍の長さまたは4倍の長さであることを特徴とする。
【0043】
前記c)段階は、繰り返し使用される定尺規格化鉄筋の長さが相互同一であることを特徴とする。
【0044】
それぞれの基準長さごとに1箇所の継手地点が発生することを特徴とする。
【0045】
前記円柱型ねじ結合構造は、一側の鉄筋の端部には円柱型雌ねじ部が形成され、他側の鉄筋の端部には円柱型雄ねじ部が形成されて、前記雄雌の円柱型ねじ部がねじ結合してなされる場合、または端部で向き合って継手される2本の鉄筋の端部にそれぞれ円柱型雄ねじ部が形成され、別途のカプラーが前記円柱型雄ねじ部を両端でねじ結合してなされる場合であることを特徴とする。
【0046】
前記円柱-円錐型一体型ねじ結合構造は、内径に円柱型ねじ山で形成される円柱型雌ねじ部と、前記円柱型雌ねじ部の一端に内径が狭くなる円錐型雌ねじ部とが一体で形成される円柱-円錐型一体型雌ねじ部を含み、外径に円柱型ねじ山で形成される円柱型雄ねじ部と、前記円柱型雄ねじ部の一端に外径が狭くなる円錐型雄ねじ部とが一体で形成される円柱-円錐型一体型雄ねじ部を含み、前記円柱型雌ねじ部の内径は、前記円錐型雌ねじ部の最大内径より大きくなるように形成され、前記円柱型雄ねじ部の外径は、前記円錐型雄ねじ部の最大外径より大きくなるように形成され、前記円柱型雌ねじ部と円錐型雌ねじ部の間、及び前記円柱型雄ねじ部と円錐型雄ねじ部の間にそれぞれねじ山不連続部が形成され、前記円柱型雌ねじ部の内径が前記円錐型雄ねじ部の最大外径より大きくなるように形成されることを特徴とする。
【0047】
前記雄ねじ部または雌ねじ部にはねじ保護キャップが結合され、前記ねじ保護キャップには前記定尺規格化鉄筋と関連した固有情報を提供する情報提供部が形成されることを特徴とする。
【0048】
前記継手装置は、一端部にのみ第1接合端部材が形成される場合、一端部にのみ第2接合端部材が形成される場合、両端部に第1接合端部材が形成される場合、両端部に第2接合端部材が形成される場合、一端部には第1接合端部材、他端部には第2接合端部材が形成される場合の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり、前記第1接合端部材は、前記定尺規格化鉄筋の端部に接合され締結ソケット結合用雄ねじ部が外面に長さ方向に形成される部材であり、前記第2接合端部材は、一側の端部が前記第1接合端部材の端部形状に対応する形状からなり、他側の端部は定尺規格化鉄筋の端部に接合されて前記一側の端部から離隔され、軸方向での一端部が長さ方向に対して鋭角、直角及び鈍角のうちの選択されたいずれか1つの角度をなす1つまたは複数の段差が備えられる部材であることを特徴とする。
【0049】
前記第2接合端部材側には締結ソケットが仮結合され、前記締結ソケットは、長さ方向に開口されて前記第2接合端部材の外面と第1接合端部材の外面を囲んで収容することができるように長さ方向に延長形成され、内面には前記第1接合端部材の締結ソケット結合用雄ねじ部にねじ結合される締結ソケット結合用雌ねじ部が長さ方向に形成され、前記第2接合端部材の段差に掛かり、長さ方向に対して鋭角、直角及び鈍角のうちの選択されたいずれか1つの角度をなす1つまたは複数の係止段が備えられた中空形状の部材であることを特徴とする。
【0050】
前記雄ねじ部には1つのスリーブまたは他の1つのスリーブが結合され、一端部の雄ねじ部に1つのスリーブが結合される場合、一端部の雄ねじ部に他の1つのスリーブが結合される場合、両端部の雄ねじ部に1つのスリーブが結合される場合、両端部の雄ねじ部に他の1つのスリーブが結合される場合、一端部の雄ねじ部には1つのスリーブ、他端部の雄ねじ部には他の1つのスリーブが結合される場合の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり、前記1つのスリーブは、内面に雌ねじ部が形成され、外面に雄ねじ部が形成された部材であり、前記他の1つのスリーブは、内面に雌ねじ部が形成され、軸方向に一端部が中心軸線に対して垂直な平行な面からなる第1係止段が形成された部材であることを特徴とする。
【0051】
前記他の1つのスリーブ側には結合ソケットが仮結合され、前記結合ソケットは、内面に前記1つのスリーブの雄ねじ部とねじ締結される雌ねじ部が形成され、前記他の1つのスリーブの第1係止段と突き当たって係止作用をするように、一端部の内面に円の中心方向に突出した係止段が形成された部材であることを特徴とする。
【0052】
柱に使用される定尺規格化鉄筋を梁に使用するか、梁に使用される定尺規格化鉄筋を柱に使用することができることを特徴とする。
【0053】
前記突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋は、複数本が先組されて定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網をなすことを特徴とする。
【0054】
鉄筋の材質、径を決定した後、一端から他端までの長さ規格である定尺規格化長さ寸法を定めて切断する鉄筋に付与し、付与された長さ寸法に従って定尺長さに前記鉄筋を切断し、前記定尺に切断された鉄筋の突合せ継手のための突合せ継手装置の種類を決定して、前記定尺規格化長さによって定尺に切断された鉄筋の一端または両端に前記突合せ継手装置を形成して継手装置が一体化されることを特徴とする。
【0055】
前記定尺規格化鉄筋は、1階分の階高~4階分の階高または柱間を連結する梁の長さの1倍の長さ~4倍の長さに適用が可能なように差等された長さでそれぞれ複数形成されることを特徴とする。
【0056】
前記突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋は、複数本が先組されて定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網をなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0057】
突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法は、鉄筋が継続的に継手されなければならない区間で、重ね継手でない突合せ継手で鉄筋を継続的に継手することができる効果がある。
【0058】
引張力がコンクリートに大きく影響を受ける重ね継手区間を最小化する効果がある。
【0059】
鉄筋の所要物量を減らすことができ経済性を実現することができる。
【0060】
応力伝達が鉄筋から鉄筋になされる効果がある。
【0061】
定尺規格化鉄筋間で直接継手作業して連続施工が可能な効果がある。
【0062】
連続的に基準長さ区間を、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と継手位置調整鉄筋のみで継手することができる効果がある。
【0063】
それぞれの基準長さごとに1箇所の継手地点が発生する効果がある。
【0064】
突合せ継手装置を一体化させて予め定尺規格で大量製作して鉄筋を既成化することにより、必要に応じて即時現場に供給でき、資材供給が容易で工期が短縮される効果がある。
【0065】
これで原料資材の属性を有する鉄筋資材を大量生産による既成品の属性の資材に転換する効果がある。
【0066】
規格化鉄筋に脱着されるねじ保護キャップに直接固有情報を表示することにより、規格化鉄筋を容易に識別できる効果がある。
【0067】
鉄筋の切断等の工程に所要される費用と時間を節減し、鉄筋の端切れ損失を減らすことができる効果がある。
【0068】
重ね継手を最小化して、鉄筋継手部のコンクリート充填性が増加する効果がある。
【0069】
定尺規格化鉄筋網のみで鉄筋構造物を形成することができる効果がある。
【0070】
継手位置の調整が要求される場合にも、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網と、継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網、2種類の鉄筋のみで鉄筋構造物を形成できる効果がある。
【0071】
断続的に継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を使用することにより、継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網の使用区間を除けば、その他の区間では連続的な定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網のみの継手作業がなされるようになる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1】本発明の実施例を示す順序図である。
図2】最初の区間の鉄筋の継手地点の高さと関連した実施例と、上階で現れる継手作業予約区間における継手位置の変化を示した図である。
図3】円柱型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図4】円柱型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図5】円柱型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図6】円錐型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図7】円錐型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図8】ねじ型スリーブによる鉄筋連結具が適用された定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図9】ねじ型スリーブによる鉄筋連結具が適用された定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図10】接合端部材によるソケット締結型鉄筋連結具が適用された定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図11】接合端部材によるソケット締結型鉄筋連結具が適用された定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図12】円柱-円錐型一体型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図13】円柱-円錐型一体型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図14】円柱-円錐型一体型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図15】円柱-円錐型一体型ねじ結合構造による定尺規格化鉄筋の突合せ継手装置の実施例を示す図である。
図16】定尺規格化鉄筋に鉄筋カプラーが仮結合された状態を示す図である。
図17】定尺規格化鉄筋を用いた鉄筋構造物の施工時に継手位置調整鉄筋が適用される実施例を示す図である。
図18】定尺規格化鉄筋を用いた鉄筋構造物の施工時に継手位置調整鉄筋が適用される実施例を示す図である。
図19】定尺規格化鉄筋を用いた鉄筋構造物の施工時に継手位置調整鉄筋が適用される実施例を示す図である。
図20】定尺規格化鉄筋を用いた鉄筋構造物の施工時に継手位置調整鉄筋が適用される実施例を示す図である。
図21】定尺規格化鉄筋を用いた鉄筋構造物の施工時に継手位置調整鉄筋が適用される実施例を示す図である。
図22】定尺規格化鉄筋のねじ保護キャップ及び情報提供部の実施例を示す図である。
図23】基準長さが1階分~4階分の階高である実施例、及びこれに伴う定尺規格化鉄筋による柱鉄筋の実施例を示す図である。
図24】基準長さが1階分~4階分の階高である実施例、及びこれに伴う定尺規格化鉄筋による柱鉄筋の実施例を示す図である。
図25】基準長さが1階分~4階分の階高である実施例、及びこれに伴う定尺規格化鉄筋による柱鉄筋の実施例を示す図である。
図26】基準長さが梁の長さの1倍~4倍の長さである実施例、及びこれに伴う定尺規格化鉄筋による梁鉄筋の実施例を示す図である。
図27】多様な基準長さの実施例、及び定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の実施例を示す図である。
図28】多様な基準長さの実施例、及び定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の実施例を示す図である。
図29】多様な基準長さの実施例、及び定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の実施例を示す図である。
図30】多様な基準長さの実施例、及び定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の実施例を示す図である。
図31】基準長さが1階分~4階分の階高である実施例、及びこれに伴う定尺規格化鉄筋による柱鉄筋の実施例を示す図である。
図32】基準長さが梁の長さの1倍~4倍の長さである実施例、及びこれに伴う定尺規格化鉄筋による梁鉄筋の実施例を示す図である。
図33】多様な基準長さの実施例、及び定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の実施例を示す図である。
図34】第1~第4実施例において階数変化に伴う継手地点の変化をグラフで示す図である。
図35】従来の技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本明細書で定尺規格化鉄筋というのは、鉄筋の材質、径を決定した後、一端から他端までの長さ規格である定尺規格化長さ寸法を定めて切断する鉄筋に付与し、付与された長さ寸法に従って定尺長さに前記鉄筋を切断するものであるが、前記定尺に切断された鉄筋の突合せ継手のための突合せ継手装置の種類を決定して、前記定尺規格化長さによって定尺に切断された鉄筋の一端または両端に前記突合せ継手装置を形成して継手装置が一体化される部材であり、既成化大量生産されていつでもそれぞれの定尺規格化鉄筋に対する需要発生時、即刻的に供給及び使用が可能な部材を意味するものと参照する。
【0074】
また、本明細書で定尺規格化鉄筋に突合せ継手装置を一体化するという意味は、実施例として定尺規格化鉄筋に雄ねじ部を直接加工形成するか、定尺規格化鉄筋の端部に雄ねじ部材や雌ねじ部材をそれぞれ溶接接合する場合を全て含むものと参照する。
【0075】
以下、突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法を説明する。
【0076】
通常、長さ部材である鉄筋が連続的に継手されなければならない区間は、重ね継手や突合せ継手で連結することができる。
【0077】
しかし重ね継手で鉄筋継手をすると、突合せ継手に比べて重なる長さの分だけの資材ロスが増大し、重なる長さの分だけ荷重が増加し得る。
【0078】
また、重ね継手は、コンクリートが硬化した状態を維持してはじめて引張力を発揮するようになるため、コンクリート付着割裂破壊が形成されると急激な耐力喪失を招き得る。
【0079】
それで地震のような横力に耐力を持たなければならない耐震構造にも適さないものと考えられる。
【0080】
また、重ね継手によって配筋間隔が狭くなり、コンクリートの充填時にも障害となってコンクリートの充填性が低下し得る。
【0081】
特に、現場によってはD29またはD35以上の鉄筋は重ね継手を禁止している。このような場合、突合せ継手が必須なものと考えられる。
【0082】
突合せ継手区間を増大させると、重ね継手に比べて資材ロスが減少し不要な荷重を減少させることができ、耐震構造に適した耐力を発揮できる効果がある。
【0083】
また、重ね継手は、応力伝達がコンクリートを介してなされるが、突合せ継手のときには鉄筋から鉄筋へ応力伝達がなされることができるため、鉄筋の継手部がコンクリートの条件や強度に対して独立的に耐力を発揮できるようになる。それで構造物の安全性が増進できるものと考えられる。
【0084】
すなわち、引張力がコンクリートに大きく影響を受ける重ね継手区間を最小化する効果がある。
【0085】
そこで鉄筋構造物が、継手性能が保障された突合せ継手によってなるようにすることにより、鉄筋コンクリート構造物が地震、強風等、その他の外力に対して有する耐力をより増大させることができると考えられる。
【0086】
図1を参照して、突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法を段階別に説明する。
【0087】
鉄筋構造物であれば、建築土木分野を含んで鉄筋コンクリートが使用される所は多様に本工法の適用が可能である。
【0088】
たとえば、配筋図に突合せ継手が続く水平鉄筋区間や垂直鉄筋区間を定めて任意に選定することができ、柱鉄筋、梁鉄筋等、突合せ継手によって連結される多様な区間に適用可能である。
【0089】
橋梁、港湾工事にも適用が可能であり、特に、橋梁の橋脚工事に効果的に使用することができる。橋脚工事の際、最近もまだ重ね継手を主に施工しており、本工法の適用が至急なものと考えられる。
【0090】
まず、突合せ継手される鉄筋の基準長さを決定する段階である(S1)。
【0091】
鉄筋コンクリート土木構造物等、多様な鉄筋コンクリートの骨組において、基準長さを設定して本発明を実施することができる。
【0092】
必要に応じて基準長さを区間別に相違して設定することもでき、このような場合は各基準長さ別の長さの差が発生する。
【0093】
もし、以下の実施例のように、基準長さを相互同一に設定する場合、同一の基準長さが連続して配置される形状になる。
【0094】
基準長さに相応するように定尺規格化鉄筋の長さを決定することになるため、1本の定尺規格化鉄筋の一端から他端までの長さは、基準長さと類似した長さとなる。
【0095】
前記基準長さは、それぞれの基準長さが連続するように形成され、それぞれの基準長さ内で1回継手されるため、それぞれの基準長さごとに1箇所の継手地点が発生する。
【0096】
これで基準長さ当りの継手地点を最小化できる効果がある。
【0097】
基準長さの設定方法は制限がなく、たとえば、鉄筋構造物の各階高を参照して設定されるか、柱間を連結する梁の長さを参照して設定されることができる。
【0098】
すなわち、基準長さは、定尺規格化鉄筋が柱鉄筋として使用される場合、1つの階または複数階の階高の長さに決定されることができる。このような場合、1つの階または複数階ごとに1回継手地点が発生する構成となる。
【0099】
図23図25を参照すると、もし、基準長さ237が1階分の階高なら、定尺規格化鉄筋232もこの基準長さ237に相応するように設定する。
【0100】
これにより、基準長さである毎1つの階(n Floor)あたり定尺規格化鉄筋232の1本の使用によって1箇所、すなわち、1回の継手地点238cが発生する。
【0101】
基準長さ236が2階分の階高(n Floor~n+1 Floor)の場合も、基準長さ236である毎2つの階あたり定尺規格化鉄筋231の1本の使用によって1箇所、すなわち、1回の継手地点238bが発生する。
【0102】
基準長さ235が3階分の階高(n Floor~n+2 Floor)の場合も、基準長さ235である毎3つの階あたり定尺規格化鉄筋230の1本の使用によって1箇所、すなわち、1回の継手地点238aが発生する。
【0103】
図31を参照すると、基準長さ315が4階分の階高(n Floor~n+3 Floor)の場合も、基準長さ315である毎4つの階あたり定尺規格化鉄筋310の1本の使用によって1箇所、すなわち、1回の継手地点318が発生する。その他4階分の階高以上の基準長さも同一の説明を参照する。
【0104】
好ましくは、個別鉄筋による定尺規格化鉄筋では、1階分~2階分の階高まで主に継手し、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網での作業時には3階分~4階分の階高あるいはそれ以上までも可能である。
【0105】
図26を参照すると、梁の長さを基準として前記定尺規格化鉄筋の基準長さ265、266、267を設定するなら、柱間を連結する梁の長さの倍数すなわち、1倍(n Girder)、2倍(n Girder~n+1 Girder)または3倍(n Girder~n+2 Girder)で形成されることができる。
【0106】
また、図32を参照すると、前記定尺規格化鉄筋の基準長さは、柱間を連結する梁の長さの4倍(n Girder~n+3 Girder)あるいはそれ以上でも形成されることができる。
【0107】
これで定尺規格化鉄筋は、各基準長さ265、266、267、325に相応するように梁の長さの1倍267、2倍266、3倍265または4倍320で設定され、各基準長さ当りの定尺規格化鉄筋1本の使用によって、基準長さ265、266、267、325あたり1箇所、すなわち、1回の継手地点268a、268b、268c、328が発生する。
【0108】
図27図30及び図33を参照すると、好ましくは、前記定尺規格化鉄筋は多数本が紐ないしストラップ等で囲まれた先組鉄筋網270、271、272、330をなすことができる。
【0109】
この場合も、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網は、各基準長さ275、276、277、335に相応するように1階分の階高の長さの1倍272、2倍271、3倍270または4倍335に設定され、基準長さ当りの1回の定尺規格化先組鉄筋網270、271、272、330の1つの使用によって各1箇所、すなわち、各1回の継手地点278a、278b、278c、338が発生する。
【0110】
現場での施工時には、個別鉄筋からなる1本の定尺規格化鉄筋230、231、232、265、266、267、320を用いて鉄筋構造物を製作するか、個別鉄筋を先組することにより定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網270、271、272、330を製作して、鉄筋構造物を形成することができる。
【0111】
すなわち、1本ずつ個別鉄筋で定尺規格化鉄筋230、231、232、265、266、267、320を継手するか、複数本の定尺規格化鉄筋が先組鉄筋網に組立てされた定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網270、271、272、330を連続的に継手することにより、鉄筋構造物を形成するようになる。
【0112】
物流においては、たとえば、25トン長軸ないし超長軸の貨物車の荷台の長さが10,100mmであり、住商複合ビルないしアパートの階高はおおよそ2,300mm~2,400mmである場合が大部分であるため、4階分の階高は9,600mm内外となり、定尺規格化鉄筋ないし定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の物流が可能である。
【0113】
5階分の階高以上の基準長さも可能であるが、鉄筋の長さが5階分の階高以上は物流作業が難しいため、4階分の階高まで基準長さを設定する。必要に応じては5つの階以上の長さを有する定尺規格化鉄筋ないし定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の実施例も考慮できる。
【0114】
その他にも、図示されていないが、定尺規格化鉄筋の異径鉄筋間ないし異径鉄筋網間の継手等、異径継手が必要な場合にも前記の実施例にもれない。
【0115】
次に、前記基準長さと同一か前記基準長さより短いか長い定尺規格化鉄筋の長さ及び定尺規格化鉄筋の材質、径を決定して、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を選択する段階である(S2)。
【0116】
前記基準長さを基準として、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さを選択する。
【0117】
もし、基準長さと同一の長さの定尺規格化鉄筋が存在するなら、定尺規格化鉄筋の材質、径のみ選択する。
【0118】
すなわち、継手作業予約区間Tを、必ずしも技術的に定義して使用する必要はなく、作業者の作業時に手が届くのに楽な位置、たとえば、柱鉄筋の継手作業の場合は柱の両端から各150mmを除いた区間、または梁鉄筋の継手作業の場合は梁の両端から各150mmを除いた区間のうち最も便利な位置に設定して使用する。
【0119】
必要に応じて、前記基準長さ内で前記突合せ継手地点の継手作業予約区間の範囲を設定することができる。
【0120】
図17を参照すると、すなわち、前記基準長さ内で前記突合せ継手地点の継手作業予約区間Tの範囲を設定するようになる。
【0121】
継手作業予約区間Tは、基準長さ内で継手箇所が発生し得る区間であって、このような継手作業予約区間Tを設定後、継手箇所が継手作業予約区間Tを外れないように管理することになる。
【0122】
継手位置調整鉄筋が使用されなければならない場合にも、断続的に継手位置調整鉄筋を使用することにより、連続的な定尺規格化鉄筋のみの継手作業がある程度可能である。
【0123】
これで継手位置調整鉄筋の使用区間を除けば、その他の区間では連続的な定尺規格化鉄筋のみの継手作業がなされるようになる効果がある。
【0124】
また、前記突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋は、複数本が先組されて定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網をなし、継手位置調整鉄筋も複数本が先組されて継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網をなすことができる。
【0125】
定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網270、271、272の施工方法も、1本ずつ定尺規格化鉄筋を継手する実施例と同一の方法を参照する。
【0126】
すなわち、突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網を用いた鉄筋構造物の施工方法は、a)突合せ継手される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の基準長さを決定する段階、b)前記基準長さと同一か前記基準長さより短いか長い定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の長さ及び定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の材質、径を決定して、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網を選択する段階、c)前記選択された基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網を1つ以上繰り返し使用する施工段階を含み、前記c)段階は(i)最初の区間の鉄筋網を設置する段階、(ii)前記最初の区間の鉄筋網に前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網を繰り返して突合せ継手する段階、(iii)前記(i)段階~(ii)段階を繰り返し実施して仕上げ区間まで到達する段階を含む。
【0127】
継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を使用する場合、前記a)段階の基準長さは突合せ継手地点の継手作業予約区間を含み、前記(iii)段階でn番目の突合せ継手地点が前記継手作業予約区間の範囲を離脱するようになる場合、前記n番目以前のいずれかの継手地点に、継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を突合せ継手して、n番目の継手地点が前記継手作業予約区間の範囲内に復帰する。
【0128】
継手位置の調整が要求される場合、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網の継手地点278a、278b、278c、338も、それぞれの基準長さ275、276、277、335ごとに設定されるそれぞれの継手作業予約区間Tで、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網270、271、272、330の継手地点278a、278b、278c、338を管理することができる。
【0129】
このような場合、断続的に継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を使用することにより、継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網の使用区間を除けば、その他の区間では連続的な定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網のみの継手作業がなされるようになる効果がある。
【0130】
これで継手位置の調整が要求される場合にも、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網と継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網、2種類の鉄筋のみで鉄筋構造物を形成することができる効果がある。
【0131】
さらに、継手位置調整鉄筋も定尺規格化鉄筋である場合、鉄筋構造物を定尺規格化鉄筋ないし定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網のみで構成する結果となる。
【0132】
その他、個別鉄筋による定尺規格化鉄筋、個別鉄筋による継手位置調整鉄筋、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網、及び継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網の選択群から選択される任意の組み合わせ、たとえば、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網を使用するが継手位置の調整時には個別鉄筋による継手位置調整鉄筋を継手して使用する場合等の実施例も可能である。
【0133】
このような継手作業予約区間Tの設定目的は、基本的に作業者の作業の便宜を図り、基準長さに対応する定尺規格化鉄筋を使用することを可能にして、工期を短縮しようとすることであるため、作業者が現場で作業の便宜のために任意で継手作業予約区間Tを設定することができる。
【0134】
その他、設計者による設計時、ショップドローイング時、または施工時に現場でもそれぞれ現場別に設定することができる。
【0135】
その他、たとえば、耐震設計時、一般的に柱鉄筋30の継手地点は、柱長さの4分の1の範囲内には継手を避けて4分の2から4分の3以内で継手することができる。
【0136】
または柱長さの下側500mm範囲内には継手を避け、柱長さの上側4分の1以内で継手を避け、500mmから4分の3以内で継手することができる。
【0137】
たとえば、複筋梁において、上端筋は梁の長さの中央部4分の2の長さ、下端筋は両端の4分の1の長さの範囲で継手することができる。
【0138】
このような応力集中が緩和される区間に継手地点が位置するように継手作業予約区間の範囲を設定することができる。
【0139】
継手作業予約区間T内では、継手地点が高くなるか低くなる等、任意の地点に変動しても、継手作業予約区間T自体が応力が集中する区間が回避された状態であるため、好ましい継手地点となることができる。
【0140】
そこで施工時に突合せ継手地点が前記継手作業予約区間Tを外れないように、前記定尺規格化鉄筋または継手位置調整鉄筋を選択的に組み合わせ使用する。このような施工方法について以下で詳細に説明する。
【0141】
次に、前記選択された基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を1本以上繰り返し使用する施工段階である(S3)。これで相互長さが同一か相違する定尺規格化鉄筋を1本以上繰り返し使用して施工することができる。
【0142】
もし、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さが基準長さと同一に設定される場合は、定尺規格化鉄筋を継続的に繰り返して突合せ継手すれば配筋が自然に完了できる。
【0143】
また、多少誤差があっても大きな問題がない場合には、単純に定尺規格化鉄筋を継続的に継手することにより配筋が完了する。
【0144】
好ましくは、基準長さに最も類似した長さの定尺規格化鉄筋を選択して使用することができる。したがって、定尺規格化鉄筋の長さと基準長さはほとんど類似し、定尺規格化寸法の規格化の間隔に相応する微小な長さの差程度のみが存在することになる。
【0145】
すなわち、本実施例でのように、たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、2,530mm、2,580mm、2,630mm、2,680mm、2,730mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0146】
しかし基準長さが2,600mmにならなければならない場合、2,600mmに最も類似した2,580mmまたは2,630mmの中から選択して使用するようになる。したがって基準長さと定尺規格化鉄筋の差は20mmまたは30mmに過ぎない。
【0147】
また、繰り返し使用される定尺規格化鉄筋の長さが相互同一でもあり得る。単一長さの定尺規格化鉄筋を鉄筋構造物に繰り返し使用することができる。
【0148】
すなわち、定尺規格化鉄筋の長さと基準長さが相違する場合にも、繰り返し使用される定尺規格化鉄筋の長さは相互同一であり得る。これにより資材管理が容易になり得ると考えられる。すなわち、前記の例で2,580mmを選択して繰り返して使用するか2,630mmを選択して繰り返して使用することができる。
【0149】
また、定尺規格化鉄筋より短いか長い鉄筋を選択して前記定尺規格化鉄筋と組み合わせ使用することができる。
【0150】
すなわち、前記定尺規格化鉄筋より短いか長い鉄筋を用いて、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と長さが異なる鉄筋とを選択的、継続的に突合せ継手して施工することができる。
【0151】
前記定尺規格化鉄筋より短いか長い鉄筋は、必ずしも定尺規格化鉄筋である必要はない。
【0152】
定尺規格化鉄筋より短い鉄筋を継手すれば、短くなる長さの分だけの継手地点の変動が発生する。反対に定尺規格化鉄筋より長い鉄筋を継手すれば、長くなる長さの分だけの継手地点の変動が発生する。
このような特性を利用して、全体的に定尺規格化鉄筋のみを継手したときより、定尺規格化鉄筋と前記定尺規格化鉄筋より短いか長い鉄筋とを選択的に組み合わせ使用しながら継手するようになったとき、柔軟に継手地点を管理することができる。
【0153】
このような特性を利用すれば、全ての基準長さに対して定尺規格化鉄筋を用いて柔軟な対応が可能である。
【0154】
前記定尺規格化鉄筋より短いか長い鉄筋を必ず1回使用するか、突合せ継手あたりの使用回数が決まっているものではなく、施工時の任意の組み合わせによって最適の継手地点を導出するように、関連する組み合わせ群から最も好ましい実施例を使用することができる。
【0155】
たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、2,530mm、2,580mm、2,630mm、2,680mm、2,730mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0156】
しかし基準長さが2,600mmにならなければならない場合が問題となる。
【0157】
このような場合、定尺規格化鉄筋を2,630mmの規格製品で設定して実際に突合せ継手するとき、基準長さと定尺規格化鉄筋の差である+30mm分の誤差量が発生する。
【0158】
このような誤差量が、連続的な区間でn回継手時、継続して累積されて全体区間では突合せ継手地点が+30mm×n回分、継手地点が前進する。
【0159】
反対に基準長さより定尺規格化鉄筋の長さが20mmだけ短く選択されることができる。
【0160】
たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、2,530mm、2,580mm、2,630mm、2,680mm、2、730mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0161】
しかし設計上基準距離が2,600mmにならなければならない場合が問題となる。
【0162】
このような場合、定尺規格化鉄筋を2,580mmの規格製品で設定して実際に突合せ継手するとき、基準長さと定尺規格化鉄筋の差である-20mm分の誤差量が発生する。
【0163】
このような誤差量が、連続的な区間でn回継手時、継続して累積されて全体区間では突合せ継手地点が-20mm×n回分、継手地点が後退する。
【0164】
これで継手作業予約区間Tを離脱するようになるため、鉄筋の継手地点を継手作業予約区間Tに復帰させなければならない。
【0165】
前記の例で中間中間に-30mmだけ短い鉄筋か+20mmだけ長い鉄筋を定尺規格化鉄筋と組み合わせて使用する。
【0166】
前記選択された基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を1本以上繰り返し使用する施工段階を、さらに詳細に説明すれば下記のとおりである。
【0167】
まず、図2を参照すると、鉄筋構造物が施工される地点に最初の区間の鉄筋22、25を設置する段階を介して施工を開始する(S4)。
【0168】
もし、継手位置調整鉄筋を使用しなければならない場合、継手作業予約区間Tを設定し、前記最初の区間の鉄筋22、25に定尺規格化鉄筋の継手作業を進める。
【0169】
前記の例でのように、中間中間に-30mmだけ短い鉄筋か+20mmだけ長い鉄筋を定尺規格化鉄筋と組み合わせて使用時には、最初の継手地点21、24が、継手作業予約区間Tのどの地点に位置するか考慮する必要がある。
【0170】
たとえば、柱鉄筋として中間中間に+20mmだけ長い鉄筋を継手しなければならない場合20aとは、基準長さより基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さが短い場合である。このような場合には、継手作業予約区間Tの上端部に最初の継手地点24が位置するように、最初の区間の鉄筋25の高さを高く考慮する必要がある。上階に上がるほど継手作業予約区間Tの中でだんだん継手地点26の高さが低くなるためである。
【0171】
反対に、柱鉄筋として中間中間に-30mmだけ短い鉄筋を継手しなければならない場合20bとは、基準長さより基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さが長い場合である。このような場合には、継手作業予約区間Tの下端部に最初の継手地点21が位置するように、最初の区間の鉄筋の高さを低く考慮する必要がある。上階に上がるほど継手作業予約区間Tの中でだんだん継手地点23の高さが高くなるためである。
【0172】
次に、前記最初の区間の鉄筋に前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋を繰り返して突合せ継手する段階である(S5)。突合せ継手装置は既に定尺規格化鉄筋に一体化となっている状態であるため、はやい継手作業が可能である。
【0173】
もし、継手作業予約区間Tを設定し、継手位置調整鉄筋を使用しなければならない場合であって、図18図20のように、n番目の区間の突合せ継手地点が、継手作業予約区間の範囲を離脱するようになるなら、継手地点を継手作業予約区間内に復帰させるために継手位置調整鉄筋60を利用する。
【0174】
継手作業予約区間の範囲を離脱する鉄筋の長さPを適切に考慮して、継手位置調整鉄筋60の長さを選定する。
【0175】
すなわち、n番目の継手地点で前記継手作業予約区間Tの範囲を離脱するなら、前記n番目の区間以前のいずれかの継手地点に継手位置調整鉄筋60を突合せ継手して、n番目の継手地点が前記継手作業予約区間内に復帰する段階(S3)を介して、n番目の区間で定尺規格化鉄筋の突合せ継手地点が継手作業予約区間T範囲に復帰する。本実施例ではn-1番目の区間を用いた。
【0176】
すなわち、図20及び図21を参考にすると、n-1番目の区間に適用された定尺規格化鉄筋50の代わりに、前記n-1番目の鉄筋より短い継手位置調整鉄筋60をn-1番目の区間に突合せ継手することにより、n番目の継手する区間で誤差を吸収する。これで許容誤差量Dがまた確保される。
【0177】
継手位置調整鉄筋60の長さを、定尺規格化鉄筋の長さより適切に短いか長く形成して、鉄筋の継手地点が継手作業予約区間内に復帰するようにする。
【0178】
好ましくは、前記継手位置調整鉄筋60も既成化された鉄筋として継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋であり得る。
【0179】
すなわち、前記継手位置調整鉄筋は、前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋と長さが相違する定尺規格化鉄筋であり得る。
【0180】
これで前記継手位置調整鉄筋に定尺規格化鉄筋を再び繰り返して突合せ継手して、前記段階を繰り返し実施して仕上げ区間まで到達することができる。
【0181】
定尺規格化鉄筋を用いて配筋されるため、施工時に予め大量製作されて既成化された鉄筋を即時調達して使用することができる。これにより、現場での即刻的な資材対応が容易である。全ての工事現場の迅速な資材調達が可能となり工期が短縮されることができる。
【0182】
次に、前記(i)段階~(ii)段階を繰り返し実施して仕上げ区間まで到達する段階である(S6)。
【0183】
仕上げ区間に到達したら、仕上げ区間作業で残余区間の長さの鉄筋を突合せ継手する。
【0184】
鉄筋を残余区間の長さに切断するか、規格化鉄筋と長さが同一であればそのまま規格化鉄筋を適用して仕上げる。
【0185】
これで資材ロスが最小化され、資材対応が容易で工事期間短縮及び重ね継手を最小化する施工方法となることができる。
【0186】
以下、柱鉄筋を例に挙げて、継手作業予約区間Tを設定し、継手位置調整鉄筋を使用しなければならない場合の施工段階をさらに詳細に説明する。まず、柱鉄筋の連続継手が要求される基準長さを決定する。
【0187】
連続突合せ継手される柱鉄筋において、基準長さを決定すれば、突合せ継手の回数及び継手作業予約区間も定められることができる。
【0188】
たとえば、基準長さを1階分の階高とし、これに階あたり1回継手地点を有するとすれば、継手地点の個数は階数と一致するようになる。
【0189】
定尺規格化鉄筋の選択時、もし1つの階ずつ工程が進められる場合、1階分の階高よりは小さいか大きいながら、階高に最も近似の長さの規格化鉄筋であり得る。
【0190】
事前段階で柱鉄筋が施工される地点に最初の区間の鉄筋を設置時、このような最初の区間の鉄筋は基礎に埋め立てられる鉄筋であり得る。
【0191】
このような場合、定着長さを確保するために、基礎内の埋め立てのための鉤部が下側端部に形成されることができる。
【0192】
特に、定尺規格化鉄筋で柱鉄筋を施工する場合、継手位置調整鉄筋の実施例をさらに詳細に説明すれば下記のとおりである。
【0193】
まず、1階分の階高2,600mm、スラブ厚さ200mm、定尺規格化鉄筋の総全長は2,630mmとする。1階の最初の継手地点は、スラブ床面から650mmとする。
【0194】
1階から15階まで連続的に柱鉄筋を突合せ継手するものとする。
【0195】
作業者の作業の便宜のために、継手作業予約区間の範囲は各層の床面から650mm~770mmに設定する。
【0196】
すなわち、継手地点が各層のスラブ床面から650mm~770mmである範囲を離脱するようになれば、継手位置調整鉄筋を用いる。
【0197】
建物別に微細に差を有する最上階の設計高さにより、定尺規格化鉄筋の使用時に各建築物の設計別に誤差が生じるようになる。
【0198】
このような誤差を、継手区間中の特定の継手区間で、長さ誤差を吸収する鉄筋がつまり継手位置調整鉄筋である。
【0199】
適切に継手位置調整鉄筋を使用することにより、規格化鉄筋を使用するのに障害となる階別の継手地点の誤差を克服できる効果がある。
【0200】
これにより各層で床から継手地点間の距離を示すと下記のとおりである。
【0201】
【表1】
【0202】
*継手作業予約区間の範囲(各階の床面から継手地点間距離基準):650mm≦継手地点≦770mm
前記に示されたように、1つの階ずつ上昇するほど30mmずつ継手地点が累積的に上昇する。
【0203】
6階で継手作業予約区間の範囲を外れるようになったため、5階では継手位置調整鉄筋を適用して継手する。
【0204】
継手位置調整鉄筋で6階での継手地点を650mmに復帰させなければならないため、5階では800mm-650mm=150mmだけ短い鉄筋を用いなければならない。
【0205】
これにより、5階では総全長が2,480mmである鉄筋を用いる。
【0206】
前記継手位置調整鉄筋によって、6階では継手地点が再び650mmに復帰する。
【0207】
【表2】
【0208】
6階の上に再び7階を同一の2,630mmの定尺規格化鉄筋を繰り返し的に突合せ継手する。
【0209】
【表3】
【0210】
11階で再び継手作業予約区間の範囲を外れるようになったため、10階では継手位置調整鉄筋を適用して継手する。これにより、10階では総全長が2,480mmである継手位置調整鉄筋を用いる。
【0211】
前記継手位置調整鉄筋によって、11階では継手地点が再び650mmに復帰する。
【0212】
【表4】
【0213】
結局、1階から15階までの床から継手地点間の距離と定尺規格化鉄筋の長さを表で示してみると下記のとおりである。
【0214】
【表5】
【0215】
15階の仕上げ区間では、階高2,600mmで継手地点の高さである770mm分を勘案すれば、残余分の長さは1,830mmである。ここで最上階定着のための鉤を形成する場合、鉤の長さが200mmであれば、仕上げ鉄筋の総全長は2,030mmとなる。結局、6階での離脱時には5階に継手位置調整鉄筋を継手し、11階での離脱時には10階に継手位置調整鉄筋を継手した。したがって、n層で継手作業予約区間の範囲が離脱時、n-1階に継手位置調整鉄筋を継手すれば、n層は継手地点が継手作業予約区間の範囲内に復帰して継手作業予約区間の範囲を離脱しない。
【0216】
継手位置調整鉄筋の位置は、必ずしもn-1階ではなければならないものではなく、n-2階以下の所定位置で調節されることができる。
【0217】
前記の実施例は、基準長さである1階分の階高より定尺規格化鉄筋の長さが長く選択されている実施例である。
【0218】
すなわち、前記の実施例は、定尺規格化鉄筋の長さが基準長さより30mmだけ長く選択されている実施例である。
【0219】
前記の実施例とは反対に、基準長さである1階分の階高より定尺規格化鉄筋の長さが短く選択されることがあり得る。
【0220】
以下では、前記の実施例とは反対に、階高より定尺規格化鉄筋の長さが20mmだけ短く選択される実施例を簡略に説明する。
【0221】
たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、2,530mm、2,580mm、2,630mm、2,680mm、2,730mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0222】
しかし設計上基準距離が2,600mmとならなければならない場合が問題となる。
【0223】
このような場合、定尺規格化鉄筋を2,580mmの規格製品で設定して実際に突合せ継手するとき、継手地点間距離と定尺規格化鉄筋の差である-20mm分の誤差量が発生する。
【0224】
このような誤差量が、連続的な区間でn回継手時、継続して累積されて各区間で突合せ継手地点が-20mm×n回分、継手地点の高さが低くなる。
【0225】
これでn層で継手地点が継手作業予約区間を離脱するようになる。
【0226】
それでn-1番目の区間に適用された定尺規格化鉄筋の代わりに、前記n-1番目の鉄筋より長い継手位置調整鉄筋をn-1番目の区間に突合せ継手することにより、n番目の継手する区間で誤差を吸収する。これで許容誤差量がまた確保される。
【0227】
結局、基準長さより定尺規格化鉄筋の長さが短いか長かったとしても、全て誤差吸収が可能であるものと考えられる。
【0228】
これで毎基準長さごとに各1回の継手による1箇所の継手地点が発生する結果となる。
【0229】
これで設定された継手作業予約区間の範囲内にそれぞれの突合せ継手がなされ、継続的に連結されるそれぞれの突合せ継手が、それぞれの基準長さで設定される継手作業予約区間を離脱しないように形成される。
【0230】
さらに、2階分の階高を基準長さに決定した実施例を説明する。
【0231】
まず、基準長さは2階分の階高5,200mm、スラブ厚さ200mm、定尺規格化鉄筋の総全長は5,230mmとする。1階の最初の継手地点は、スラブ床面から650mmとする。
【0232】
1階から15階まで連続的に柱鉄筋を突合せ継手するものとする。
【0233】
作業者の作業の便宜のために、継手作業予約区間の範囲は各階の床面から650mm~770mmに設定する。
【0234】
すなわち、継手地点が各階のスラブ床面から650mm~770mmである範囲を離脱するようになれば、継手位置調整鉄筋を用いる。
【0235】
たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、5,080mm、5,130mm、5,180mm、5,230mm、5,280mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0236】
しかし基準長さが5,200mmにならなければならない場合である。
【0237】
このような場合、定尺規格化鉄筋を5,230mmの規格製品で設定して実際に突合せ継手するとき、基準長さと定尺規格化鉄筋の差である+30mm分の誤差量が発生する。
【0238】
このような誤差量が、連続的な区間でn回継手時、継続して累積されて全体区間では突合せ継手地点が+30mm×n回分、継手地点が前進する。
【0239】
これで継手作業予約区間Tを離脱するようになるため、鉄筋の継手地点を継手作業予約区間Tに復帰させなければならない。
【0240】
【表6】
【0241】
表で示すとおり、9階でただ一度、継手位置調整鉄筋が使用される。すなわち、ただ一度の継手を除いて全て基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋で継手された。全体的な継手箇所も8回に過ぎない。さらに、3階分の階高を基準長さに決定した実施例を説明する。
【0242】
まず、基準長さは3階分の階高7,800mm、スラブ厚さ200mm、定尺規格化鉄筋の総全長は7,830mmとする。1階の最初の継手地点は、スラブ床面から650mmとする。
【0243】
1階から15階まで連続的に柱鉄筋を突合せ継手するものとする。
【0244】
作業者の作業の便宜のために、継手作業予約区間の範囲は各階の床面から650mm~770mmに設定する。
【0245】
すなわち、継手地点が各階のスラブ床面から650mm~770mmである範囲を離脱するようになれば、継手位置調整鉄筋を用いる。
【0246】
たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、7,680mm、7,630mm、7、780mm、7,830mm、7,880mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0247】
しかし基準長さが7,800mmにならなければならない場合である。
【0248】
このような場合、定尺規格化鉄筋を7,830mmの規格製品で設定して実際に突合せ継手するとき、基準長さと定尺規格化鉄筋の差である+30mm分の誤差量が発生する。
【0249】
このような誤差量が、連続的な区間でn回継手時、継続して累積されて全体区間では突合せ継手地点が+30mm×n回分、継手地点が前進する。
【0250】
これで継手作業予約区間Tを離脱するようになるため、鉄筋の継手地点を継手作業予約区間Tに復帰させなければならない。
【0251】
【表7】
【0252】
表で示すとおり、継手位置調整鉄筋が使用される必要がなかった。全て基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋で継手された。全体的な継手箇所も5回に過ぎない。さらに、4階分の階高を基準長さに決定した実施例を説明する。
【0253】
まず、基準長さは4階分の階高10,400mm、スラブ厚さ200mm、定尺規格化鉄筋の総全長は10,430mmとする。1階の最初の継手地点はスラブ床面から650mmとする。
【0254】
1階から15階まで連続的に柱鉄筋を突合せ継手するものとする。
【0255】
作業者の作業の便宜のために、継手作業予約区間の範囲は各階の床面から650mm~770mmに設定する。
【0256】
すなわち、継手地点が各階のスラブ床面から650mm~770mmである範囲を離脱するようになれば、継手位置調整鉄筋を用いる。
【0257】
たとえば、50mm間隔で鉄筋を予め既成化して、10,280mm、10,330mm、10,380mm、10,430mm、10,480mmの鉄筋がそれぞれ既成化されていると仮定する。
【0258】
しかし基準長さが10,400mmにならなければならない場合である。
【0259】
このような場合、定尺規格化鉄筋を10,430mmの規格製品で設定して実際に突合せ継手するとき、基準長さと定尺規格化鉄筋の差である+30mm分の誤差量が発生する。
【0260】
このような誤差量が、連続的な区間でn回継手時、継続して累積されて全体区間では突合せ継手地点が+30mm×n回分、継手地点が前進する。
【0261】
これで継手作業予約区間Tを離脱するようになるため、鉄筋の継手地点を継手作業予約区間Tに復帰させなければならない。
【0262】
【表8】
【0263】
表で示すとおり、継手位置調整鉄筋が使用される必要がなかった。全て基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋で継手された。全体的な継手箇所も4回に過ぎない。前記の実施例で基準長さが1階分の階高のときは継手位置調整鉄筋が2本必要であり、基準長さが2階分の階高のときは継手位置調整鉄筋が1本必要であり、基準長さが3階分の階高か4階分の階高の場合には継手位置調整鉄筋が0本必要であった。
【0264】
また、繰り返し使用される基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さは、全て相互同一であり、継手位置調整鉄筋として使用される鉄筋も定尺規格化鉄筋であった。
【0265】
ただし、継手位置調整鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋は、繰り返し使用される定尺規格化鉄筋より寸法段階が一段階短い定尺規格化鉄筋であった。
【0266】
ここで継手位置の調整が行われた基準長さが1階分の階高のときの5階と10階、及び基準長さが2階分の階高のときの9階では、1つの階内で相互長さが異なる2つ種類の鉄筋が使用された。これでその次の階では継手地点が継手作業予約区間の範囲内に復帰することができた。
【0267】
すなわち、継手位置の調整が行われる基準長さ区間では、1つの基準長さ区間内で相互長さが相違する2つの鉄筋が使用されて継手される。
【0268】
さらに、3階分の階高以上を基準長さとして施工時には、継手位置の調整も必要なく、ただ定尺規格化鉄筋のみで15つの階長の柱鉄筋を完成させることができた。
【0269】
もちろん繰り返し使用される定尺規格化鉄筋の長さが相互同一であった。
【0270】
さらに、梁と柱に使用される定尺規格化鉄筋において、柱に使用される定尺規格化鉄筋を梁に使用するか、梁に使用される定尺規格化鉄筋を柱に使用することができる。
【0271】
たとえば、柱に使用される定尺規格化鉄筋と梁に使用される定尺規格化鉄筋が同一の長さ、同一の規格である場合に、柱に使用される定尺規格化鉄筋をそのまま梁に使用するか、梁に使用される定尺規格化鉄筋をそのまま柱に使用することができる。
【0272】
これからみて、梁と柱に使用される定尺規格化鉄筋を、相互区別することなしに共用使用して施工することができる。
【0273】
さらに、定尺規格化鉄筋を下から上に順に突合せ継手する場合だけでなく、反対に上から下に順に突合せ継手して下向き式継手する場合にも、前記の実施例を参考にして実施することができるものと考えられる。
【0274】
これで継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋が単位規格別に事前に大量製作されて既成化されていても、このような既成化鉄筋を用いて鉄筋構造物を製作できる。
【0275】
これで鉄筋の端切れ損失を減らすことができ、また鉄筋の切断工程に所要される費用と時間を節減することができる。
【0276】
これにより原料資材の属性を有する鉄筋資材を、大量生産による既成品の属性の資材に転換することができる。消費予測によって所要物量を予め先生産して、即時使用可能なように十分な量を予め生産することができる。
【0277】
本発明の突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋による鉄筋構造物の施工方法は、鉄筋が継続的に継手されなければならない区間で、重ね継手でない突合せ継手で鉄筋を継続的に継手することができるようにする。これで鉄筋の所要物量を減らすことができて、経済性を実現することができる。
【0278】
突合せ継手装置が一体化されて定尺で規格化される鉄筋を、さらに詳細に詳察すると、まず、鉄筋の材質を決定し、一端から他端までの長さ規格である定尺規格化長さ寸法を定めて切断する鉄筋に付与する。
【0279】
鉄筋に継手装置を予め一体化するためには、鉄筋の長さに定尺規格化長さ寸法を付与して規格化されることが必須条件となる。
【0280】
鉄筋の長さが規格化されていないと、鉄筋を切断して使用しなければならないため、鉄筋に継手装置を予め一体化させておくのが難しいためである。
【0281】
すなわち、鉄筋切断時に鉄筋に一体化された継手装置も切断して除去されるためである。
【0282】
前記定尺規格化長さ寸法は、ミリメートル、センチメートル、メートル、またはインチ単位に基づいて定められることができる。これで所定の長さ寸法で形成されるか、所定間隔の段階からなる長さ寸法体系を有するように製作されることができる。
【0283】
定尺規格化長さ寸法を定める方法は多様であり、たとえば、鉄筋生産者が任意で予測して最も多く需要があると予想される規格を決定することもでき、土木及び建築設計グループまたは建設会社等、その他関連先の注文によって定められることができる。
【0284】
または、関連した鉄筋コンクリート構造物で、普遍的かつ頻繁に現れる突合せ継手地点間の長さを対象として、継手地点間長さより近似に短いか長い長さで定められることができる。
【0285】
たとえば、前記基準長さの実施例のように、建物の1つの階の長さ、2つの階の長さ、3つの階の長さまたは4つの階の長さであるか、柱間を連結する梁の長さの1倍の長さ、2倍の長さ、3倍の長さまたは4倍の長さに形成することができる。
【0286】
これで統計的分析方法を用いて、最も多くの頻度で現れる階高ないし梁の長さを所定の統計的技法(たとえば、標準正規分布)を用いて算出した後、最も有意味な値を有する長さを定尺規格化鉄筋の長さに設定することができる。
【0287】
次に、付与された長さ寸法に従って定尺長さに前記鉄筋を切断する。付与された長さ寸法に従って正確な長さに切断するため、定尺規格化長さ寸法に従って切断加工された鉄筋になる。
【0288】
または、鉄筋製作段階で別途の切断加工工程が要求されないように、鉄筋生産ラインのストッパ位置を調整する等、付与された長さ寸法に従って鉄筋がオーダーメイド製作されることもできる。
【0289】
次に、前記規格化長さによって定尺に切断された鉄筋の一端または両端に、前記突合せ継手装置を形成して、継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋を既成化生産する。
【0290】
鉄筋を突合せ継手する装置の種類によって、ねじ加工、ねじ部材接合、ねじ型スリーブ結合、接合端部材接合等の作業をしなければならないため、最も適した継手装置の種類を選定する。鉄筋の突合せ継手のための装置の種類は多様である。
【0291】
次に、前記規格化長さによって定尺に切断された鉄筋の一端または両端に、前記突合せ継手装置を形成して、継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋を既成化生産する。
【0292】
鉄筋の材質、径によって長さが規格化された状態で一端または両端に継手装置が一体化形成される。
【0293】
継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋において、異形鉄筋等、鉄筋の種類は多様である。
【0294】
継手方式は様々なものがあるが、特に、機械式継手方法においては、鉄筋の端部に突合せ継手のための手段を別途で形成しなければならない。
【0295】
しかし本発明によれば、継手装置を一体化させた定尺規格化鉄筋を大量生産して既成化することにより、必要に応じて即時現場に供給することができて、鉄筋の継手のための全ての作業が容易になり工期が短縮されることができる。
【0296】
定尺規格化鉄筋の施工時、鉄筋切断作業が最小化されることができる。
【0297】
このような工程は、定尺規格化鉄筋による規格化方式として、たとえば、a)注文者と関係なく鉄筋の材質、径を生産者が任意で決定して準備する段階、b)生産者が任意で長さを定めて鉄筋を切断する段階、c)鉄筋を既成化するために材質、径及び長さの寸法を定める段階、d)生産者が任意で継手カプラーの種類を選定して鉄筋に直接ねじ加工またはねじ部溶接接合等による継手装置を形成して、定尺規格化鉄筋を完成させる段階、e)生産者または販売者が材質、径及び長さ別に定尺規格化鉄筋を保有ないし保管する段階、f)生産者が任意で材質、径による長さを定め、継手装置を形成して規格化された鉄筋部材を、規格化された情報を提供し、これによって購入者がすぐ望む製品を購入する段階、g)購入者が望む場所に運搬する段階、h)現場で望む一致した長さがほとんどないため、望む長さに最も近接した鉄筋を選定して、継手作業を行うのが安全かつ便利な区間を設定して継手を実行し、誤差範囲が継手作業に不便が生じたら、長いか短い継手位置調整鉄筋で継手する段階を介して、鉄筋構造物を形成することができるようになる。
【0298】
これで柱、梁を有する鉄筋構造物を定尺規格化鉄筋で形成するために、好ましくは1階分の階高~4階分の階高、または柱間を連結する梁の長さの1倍の長さ~4倍の長さに適用が可能なように、所定の規格差によって差等された長さでそれぞれ定尺規格化鉄筋を複数形成させて対応することができる。
【0299】
必要に応じて前記突合せ継手装置が一体化された定尺規格化鉄筋は、複数本が先組されて定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網を形成するか、継手位置調整鉄筋の複数本が先組されて継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を形成することができる。
【0300】
これで定尺規格化鉄筋ないし継手位置調整鉄筋で現場製作するか、工場製作後に現場へ運搬される定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網ないし継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を用いて、迅速に鉄筋構造物を形成することができる。
【0301】
前記の実施例では、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さが相互同一であったが前記の実施例に制限されるものではない。
【0302】
すなわち、現場状況とその他定尺規格化鉄筋の在庫量の過不足等、多様な場合に基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋の長さを、基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋間で相互相違して使用することができる。
【0303】
同様に継手位置調整鉄筋の場合も、使用される継手位置調整鉄筋の長さを継手位置調整鉄筋間で相互相違して使用することができる。
【0304】
以下、他の実施例を詳察する。
【0305】
第1実施例は上向式継手方法であるところ、まず、前記で説明された一実施例を変形して、30階まで継手する場合であって、2,630mmの定尺規格化鉄筋と2,480mmの継手位置調整鉄筋を用いて、継手地点650mmから開始する継手を進めて、6階、11階、16階、21階、26階で継手位置調整鉄筋が使用される。
【0306】
これをグラフで示すと図34のa)のとおりである。すなわち、継手位置調整鉄筋が使用される度に、グラフ上で確認できるように、継手地点に急激な変動が現れる。すなわち、上向式継手方法が使用されて継手位置がだんだん高くなって急激に調整される実施例となる。
【0307】
第2実施例は下向式継手方法であるところ、2,580mmの定尺規格化鉄筋と2,720mmの継手位置調整鉄筋を用いて、継手地点770mmから開始する継手を進めて、8階、15階、22階、29階で継手位置調整鉄筋が使用される。
【0308】
これをグラフで示すと図34のb)のとおりである。すなわち、継手位置調整鉄筋が使用される度に、グラフ上で確認できるように、継手地点に急激な変動が現れる。すなわち、下向式継手方法が使用されて継手位置がだんだん低くなって急激に調整される実施例になる。
【0309】
前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋は、長さの差を有する2つの鉄筋から選択されることができる。すなわち、1つの鉄筋は前記基準長さより短い短縮型定尺規格化鉄筋であり、他の1つの鉄筋は前記基準長さより長い延長型定尺規格化鉄筋であり得る。このとき、基準長さとの長さ規格偏差は、相互同一の偏差を有するか相違する偏差を有することができる。
【0310】
施工段階時に、短縮型定尺規格化鉄筋と延長型定尺規格化鉄筋を一回ごと交互に継手する場合か、短縮型定尺規格化鉄筋を一回継手し前記延長型定尺規格化鉄筋を二回以上継手する場合か、短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し前記延長型定尺規格化鉄筋を一回継手する場合、または短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し前記延長型定尺規格化鉄筋も二回以上継手する場合を選択的に実施して仕上げ区間まで到達することができる。
【0311】
第3実施例と第4実施例は、2,580mm製品と2,630mm製品を用いて基本的な交互パターンによって連続的に継手する。
【0312】
基準長さである2,600mmよりも、2,580mmの短縮型定尺規格化鉄筋は-20mm短く、2,630mmの延長型定尺規格化鉄筋は+30mm長い。これで長さ寸法偏差を同じくらい有しているため、単純に2つの定尺規格化鉄筋を1回ずつ交互に継手すれば、継手地点はだんだん上昇するようになる。
【0313】
これで第3実施例は、継手地点710mmから始めて、短縮型定尺規格化鉄筋を二回継手し、延長型定尺規格化鉄筋を一回継手して継手地点を下向させ、650mm地点近くに至ると、延長型定尺規格化鉄筋一回、短縮型定尺規格化鉄筋一回を継手して、継手長さをまた漸次的に上向させる実施例である。
これをグラフで示すと図34のc)のとおりである。すなわち、短縮型、延長型定尺規格化鉄筋を交互にするパターンを選択的に組み合わせ実施して、継手地点を管理することができる。
第4実施例は、短縮型定尺規格化鉄筋を二回以上継手し、前記延長型定尺規格化鉄筋も二回以上継手する場合である。
【0314】
これをグラフで示すと図34のd)のとおりである。
【0315】
短縮型または延長型定尺規格化鉄筋のうちで選択して最初の区間の鉄筋から継手を開始することができ、短縮型または延長型定尺規格化鉄筋のうちどちらで先に継手を開始しても鉄筋構造物の構造的性能は同一であり得る。
【0316】
第5実施例は、短縮型定尺規格化鉄筋と延長型定尺規格化鉄筋が一回ごと交互に継手される場合である。
【0317】
基準長さが2,600mmであって、2,550mmの短縮型定尺規格化鉄筋と2,650mmの延長型定尺規格化鉄筋を用いた実施例である。すなわち、前記一実施例や第1~第4実施例とは異なり、基準長さから離隔された長さ規格偏差が50mmで同一の二種類の定尺規格化鉄筋を用いた実施例である。継手地点を710mmから始めて2,550mm短縮型定尺規格化鉄筋を継手して、継手を進めるほど増分量は-50mmと+50mmが交互に現れ、継手地点も710mmと660mmが交互に現れる。
【0318】
もし、基準長さが2,610mmの場合、2,550mmの短縮型定尺規格化鉄筋の偏差は-60mmで、2,650mmの延長型定尺規格化鉄筋の偏差は+40mmとなるが、一回ごと交互に継手されるので基準長さとの偏差は継手地点管理に大きく問題とならない。
【0319】
前記第3及び第4実施例は、短縮型定尺規格化鉄筋と延長型定尺規格化鉄筋が相互相違する偏差を有する場合であり、前記第5実施例は相互同一の偏差を有する場合である。
【0320】
前記の第1~第5実施例も、定尺規格化鉄筋による先組鉄筋網と継手位置調整鉄筋による先組鉄筋網を用いる場合にも同一の方法の実施例になる。
【0321】
さらに、前記基準鉄筋として使用される定尺規格化鉄筋は、長さの差を有する3つ以上の鉄筋から選択されることもできる。これで延長型、短縮型、延長型定尺規格化鉄筋の組み合わせや、延長型、短縮型、短縮型定尺規格化鉄筋の組み合わせ等、現場状況に応じて多様な実施例が可能である。
【0322】
また、前記の第3~第5実施例も継手位置調整鉄筋をさらに含ませて実施することもできる。
【0323】
これで、前記で詳察したように、本発明によれば1種類の定尺規格化鉄筋で鉄筋構造物を形成するか、定尺規格化鉄筋と継手位置調整鉄筋の2種類の鉄筋で鉄筋構造物を形成するか、短縮型および延長型の2種類の定尺規格化鉄筋で鉄筋構造物を形成するか、3種類以上の定尺規格化鉄筋を用いるか、短縮型及び延長型定尺規格化鉄筋と、継手位置調整鉄筋を組み合わせ実施する等で、前記実施例を組み合わせて鉄筋構造物を形成することができる効果がある。
【0324】
これで定尺規格化鉄筋の連続的突合せ継手施工時の交互パターンも、必要に応じて前記の基本パターンを基にした応用パターンを導出して現場別状況にあうように実施することができる。
【0325】
一方、継手装置の種類は多様であり、ねじ山を利用する方法の場合、鉄筋の一端部にのみ雄ねじ部が形成される場合、一端部にのみ雌ねじ部が形成される場合、両端部に雄ねじ部が形成される場合、両端部に雌ねじ部が形成される場合、一端部には雄ねじ部、他端部には雌ねじ部が形成される場合の選択群のうちで選択されることができる。
【0326】
定尺規格化鉄筋に雄ねじ部を形成する方法は多様である。
【0327】
たとえば、定尺規格化鉄筋の端部をスウェージング後に転造加工するか、据え込み後に切削加工する等、鉄筋の端部に直接ねじを形成することができる。
【0328】
図4を参照すると、定尺規格化鉄筋84の一側の端部に円柱型ねじ85による雄ねじ部を直接形成するか、定尺規格化鉄筋86の両側端部に円柱型ねじ87による雄ねじ部を直接形成することができる。
図6を参照すると、定尺規格化鉄筋104の一側の端部に円錐型ねじ105による雄ねじ部を直接形成するか、定尺規格化鉄筋106の両側端部に円錐型ねじ107による雄ねじ部を直接形成することができる。
【0329】
または、図4図6図12のように、一端から他端に所定区間にねじ山が形成されたねじ部材80、100、160を、定尺規格化鉄筋81、101、161の端部に延長状に一体化溶接接合することができる。
【0330】
雌ねじ部を形成する方法は、一側に開口され内周面に雌ねじ部が形成された部材82、102、162を、定尺規格化鉄筋83、103、163の端部に延長状に一体化溶接接合して形成することができる。
【0331】
鉄筋がだんだん高強度化するに伴い、鉄筋に直接ねじをつくる作業が難しくなり、特に、鉄筋に対する切削ねじ加工は、繊維状の組織を損傷させてSD600以上の超高強度鉄筋には適用が難しい。
【0332】
これにより、超高強度鉄筋は、好ましくはねじ部材を鉄筋に固相溶接して、機械式継手のための雄ねじ部を形成する。
【0333】
前記雄ねじ部と雌ねじ部形成時の溶接方法は多様であり、摩擦溶接、スタッド溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、CO2溶接、アルゴン溶接、バット溶接、フラッシュ溶接等を含む。摩擦溶接時、溶接余盛90は必要に応じて除去されることができる。
【0334】
また、図16を参照すると、前記雄ねじ部181には鉄筋カプラー180が予め仮結合されることができる。
【0335】
すなわち、中空円筒形状体内に両側方向に雌ねじ山が形成されたカプラー180部材を仮結合させておき、継手施工時に仮結合された鉄筋カプラーを用いて突合せ継手する。
【0336】
雌ねじ山のねじの種類は、円柱型ねじ、円錐型ねじ、円柱-円錐型一体型ねじ等であり得る。
【0337】
図5を参照すると、前記雄ねじ部は、外周面に円柱型雄ねじ部91が形成される円柱型ねじ部材92が、定尺規格化鉄筋93の端部に延長状に一体化溶接接合されて形成されることができる。
【0338】
実施例によって継手される鉄筋93の断面積に対する円柱型ねじ部材92の断面積比率を上げるために、鉄筋93の径に対する谷の径が拡張するように形成することにより、耐力が向上した継手になることができる。
【0339】
すなわち、前記円柱型ねじ部材92は、鉄筋93の径より谷の径が大きくなるように形成されることができ、谷の径が大きい円柱型ねじ部材92が定尺規格化鉄筋93の端部に延長状に一体化溶接接合されて形成されることができる。
【0340】
鉄筋93を切削する場合は、谷の径を減少させないために据え込みをしなければならないが、別途の部材を溶接接合する場合は煩わしい据え込み工程が不要である。
【0341】
鉄筋93に対し断面積がより大きい部材を溶接接合すれば、耐力が向上した継手となることができると考えられる。
【0342】
ここで定尺規格化鉄筋93に継手装置が形成される実施例は、一端部にのみ円柱型雄ねじ部91が形成される場合94、一端部にのみ円柱型雌ねじ部99が形成される場合95、両端部に円柱型雄ねじ部が形成される場合96、両端部に円柱型雌ねじ部が形成される場合98、一端部には円柱型雄ねじ部、他端部には円柱型雌ねじ部が形成される場合97の実施例が可能である。
【0343】
このような場合、定尺規格化鉄筋93は、円柱型ねじによる継手装置で継手される。
【0344】
図3を参照すると、このような円柱型ねじ結合構造は、一側の定尺規格化鉄筋の端部には円柱型雌ねじ部30が形成され、他側の定尺規格化鉄筋の端部には円柱型雄ねじ部31が形成されて、別途のカプラーなしに定尺規格化鉄筋と定尺規格化鉄筋相互間の前記雄雌の円柱型ねじ部30、31がねじ結合して直接継手が行われる場合、または、端部で向き合って継手される2本の定尺規格化鉄筋の端部にそれぞれ円柱型雄ねじ部33が形成され、別途のカプラー32が前記円柱型雄ねじ部33を両端でねじ結合してなされる場合であり得る。
【0345】
図7を参照すると、定尺規格化鉄筋110に継手装置が形成される実施例は、一端部にのみ円錐型雄ねじ部111が形成される場合113、一端部にのみ円錐型雌ねじ部112が形成される場合114、両端部に円錐型雄ねじ部が形成される場合115、両端部に円錐型雌ねじ部が形成される場合117、一端部には円錐型雄ねじ部、他端部には円錐型雌ねじ部が形成される場合116の実施例が可能である。
このような場合、定尺規格化鉄筋110は、円錐型ねじによる継手装置で継手される。
【0346】
円錐型ねじの場合、傾き角は中心軸線に対して6度~22度で形成されることができる。
【0347】
また、円錐型ねじの場合、好ましくは3回転半~4回転半程度で締結が完了するよう、ねじ山が形成されることができる。
【0348】
また、前記雄ねじ部または雌ねじ部は、円柱-円錐型一体型ねじ結合構造でなされることができる。
図13を参照すると、前記円柱-円錐型一体型ねじは、円柱-円錐型一体型雌ねじ部21、円柱-円錐型一体型雄ねじ部31を含む。
【0349】
前記円柱-円錐型一体型雌ねじ部21は、内径に円柱型ねじ山で形成される円柱型雌ねじ部P1と、前記円柱型雌ねじ部P1の一端に内径が狭くなる円錐型雌ねじ部T1とが一体で形成される。
【0350】
内側方向で内径に円柱型雌ねじ部P1と円錐型雌ねじ部T1とが並んで形成されるところ、前記円柱型雌ねじ部P1より内側に円錐型雌ねじ部T1が位置するように形成される。
【0351】
前記円柱-円錐型一体型雄ねじ部31は、外径に円柱型ねじ山で形成される円柱型雄ねじ部P2と、前記円柱型雄ねじ部P2の一端に外径が狭くなる円錐型雄ねじ部T2とが一体で形成される。
【0352】
ねじ結合のために相互対応する規格で形成される円錐型ねじ山T1、T2と円柱型ねじ山P1、P2とが、それぞれ全て雄雌が噛み合う構造でねじ結合される構造である。
【0353】
このために、前記円柱型雌ねじ部P1の内径DP1(minor diameter)は、前記円錐型雌ねじ部T1の最大内径DT1より大きくなるよう形成される。
【0354】
すなわち、前記円錐型雌ねじ部T1は、内径が円柱型雌ねじ部P1方向にだんだん大きくなるよう形成され、前記円錐型雌ねじ部T1の最大内径DT1が前記円柱型雌ねじ部P1の内径DP1よりは小さく形成される。
【0355】
また、前記円柱型雄ねじ部P2の外径DP2(major diameter)は、前記円錐型雄ねじ部T2の最大外径DT2より大きくなるように形成される。
【0356】
すなわち、前記円錐型雄ねじ部T2の外径が、前記円柱型雄ねじ部P2方向にだんだん大きくなるように形成され、前記円錐型雄ねじ部T2の最大外径DT2が前記円柱型雄ねじ部P2の外径DP2よりは小さく形成される。
【0357】
これにより、前記円錐型ねじ山T1、T2と、円柱型ねじ山P1、P2とがそれぞれ全て雄雌で噛み合うねじ山を形成する構成がなされることができる。
【0358】
さらに、前記円柱型雌ねじ部P1と円錐型雌ねじ部T1の間、及び前記円柱型雄ねじ部P2と円錐型雄ねじ部T2の間に、それぞれねじ山不連続部23、33が形成される。
【0359】
前記不連続部23、33は、ねじ山が不連続でありされすれば、その形状や方法は多様である。
【0360】
たとえば、円周方向に帯状に陥没形成されるリセス部を加工形成することができる。すなわち、前記リセス部によって、円錐型ねじ部-リセス部-円柱型ねじ部T1-23-P1、T2-33-P2の一連の構成を有するようになる。これで円錐型ねじ部のねじ線が連続しない。
【0361】
しかし、ねじ山の不連続のために必ずしも前記のようなリセス部を形成する必要はなく、ねじ山の不連続をなすようにする多様な構成を含む。
【0362】
ねじ山が不連続になると、ねじ加工が容易で、前記円錐型雌ねじ部T1の最大内径DT1や前記円錐型雄ねじ部T2の最大外径DT2と関係する必要なしに、円柱型雌ねじ部P1や円柱型雄ねじ部P2を任意の径規格でそれぞれ形成することができる。
【0363】
これにより、円錐型ねじ部と円柱型ねじ部の有効断面積が加わって引張力等に耐力を有するようにすることができる。
【0364】
効率的かつ迅速なねじ結合作業のために、前記円柱型雌ねじ部P1の内径DP1が前記円錐型雄ねじ部T2の最大外径DT2より大きくなるように形成する。
【0365】
このような構成により、ねじ結合作業時に、不要なねじ山間の干渉が基本的に回避されることができる。
【0366】
これを介して、円柱-円錐型一体型雌ねじ部21と円柱-円錐型一体型雄ねじ部31のねじ結合回転時、雄雌の円柱型ねじ部と雄雌の円錐型ねじ部がそれぞれ同時結合される作用が起きるため、このような作用を利用して結合回転数を減少させながらも円柱-円錐型一体型ねじ山が抜けなく全て結合される構成が可能な効果がある。
【0367】
すなわち、円錐型ねじ山T1、T2と円柱型ねじ山P1、P2とが、それぞれ全て雄雌噛み合うねじ山を形成する構成により、雄雌の円柱型ねじ部P1、P2と雄雌の円錐型ねじ部T1、T2の同時結合をなすようにする効果がある。
【0368】
また、結合完了時、円錐型ねじ山T1、T2と円柱型ねじ山P1、P2の間が相互締められ、別途のロックキングナットなしでもねじ山間の結合がロックされることができる。
【0369】
図14のX1図を参照すると、円錐型ねじと円柱型ねじを単純に組み合わせた従来の実施例の場合は、円錐型ねじの最大外径と円柱型ねじの外径が同一である関係で、挿入時に雌ねじ35と雄ねじの間34が相互に干渉された36。それで仮結合深さD1が制限され、ねじ回転なしには円錐型ねじを深く挿入して仮結合させることができなかった。
【0370】
しかし本発明によれば、図21のX2図のように、雌ねじ体と雄ねじ体は、円柱型雌ねじ部の内径が円錐型雄ねじ部の最大外径より大きくなるように形成されて、仮結合完了時に円錐型ねじ部は相互接触37し、円柱型ねじ部は相互離隔38することができる。結局、円錐型ねじ部と円柱型ねじ部の接触有無によって仮結合の深さが決定される構造であるため、X1図よりX2図の仮結合の深さがより深くなる。
【0371】
すなわち、雄雌の円錐型ねじ部の円錐型ねじ山間の結合開始地点、または雄雌の円錐型ねじ部の円錐型ねじ山と雄雌の円柱型ねじ部の円柱型ねじ山間の同時結合開始地点、または雄雌の円柱型ねじ部の円柱型ねじ山間の結合開始地点まで、ねじ回転なしに雄ねじ体が雌ねじ体内部に挿入されて仮結合されることができるD2。これで仮結合時の結合深さD2が増大することができる。(D2>D1)
【0372】
結合後、円柱-円錐型一体型雌ねじ部21と円柱-円錐型一体型雄ねじ部31は、円柱型ねじ山P1、P2による結合を含んでいる結合からなっているため、円柱型ねじ山P1、P2による真直度を有することができ、円錐型ねじ山T1、T2のみによった結合よりさらに真直度の歪曲が減少することができると考えられる。
【0373】
図15を参照すると、定尺規格化鉄筋181に継手装置が形成される実施例は、一端部にのみ円柱-円錐型一体型雄ねじ部180が形成される場合183、一端部にのみ円柱-円錐型一体型雌ねじ部182が形成される場合184、両端部に円柱-円錐型一体型雄ねじ部が形成される場合182、両端部に円柱-円錐型一体型雌ねじ部が形成される場合187、一端部には円柱-円錐型一体型雄ねじ部、他端部には円柱-円錐型一体型雌ねじ部が形成される場合186の実施例が可能である。
【0374】
図22を参照すると、前記雄ねじ部または雌ねじ部にはねじ保護キャップ200が結合され、前記ねじ保護キャップ-20には前記定尺規格化鉄筋201と関連した固有情報を提供する情報提供部202が形成されることができる。
【0375】
現場では資材管理が難しく、作業者は各規格化鉄筋の総全長が何mmなのか肉眼のみでは識別が難しいため、鉄筋に脱着されるねじ保護キャップ200に直接固有情報を表示することで鉄筋を識別することができる。
【0376】
前記情報提供部202の実施例は、文字表示、バーコード方式、RFID方式、QRコード(登録商標)202方式、NFC方式等を含む。
【0377】
たとえば、端末装置でQRコード(登録商標)202を認識して、鉄筋情報表示部203を提供するアプリケーション204と連動が可能である。
【0378】
その他、定尺規格と関連する固有情報をする方法として、鉄筋に直接、鉄筋の生産段階で陰刻または陽刻形状を付加して情報提供部を形成する等、多様な実施例が可能である。
【0379】
前記定尺規格化鉄筋には、特許登録番号第10-1378723で公開された接合端部材によるソケット締結型鉄筋連結具を用いた継手装置が一体化されることができる。
【0380】
前記発明はすでに開示されているため、発明の構成と効果に関する詳細な説明は省略し、定尺規格化鉄筋に接合端部材によるソケット締結型鉄筋連結具が継手装置として形成される実施例を中心に説明する。
【0381】
すなわち、図11を参照すると、前記継手装置は、定尺規格化鉄筋157の一端部にのみ第1接合端部材150が形成される場合151、一端部にのみ第2接合端部材152が形成される場合153、両端部に第1接合端部材が形成される場合154、両端部に第2接合端部材が形成される場合156、一端部には第1接合端部材、他端部には第2接合端部材が形成される場合155の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり得る。
【0382】
図10を参照すると、前記特許に開示されたように、前記第1接合端部材140は、前記定尺規格化鉄筋141aの端部に接合され、締結ソケット結合用雄ねじ部142が外面に長さ方向に形成される部材である。
【0383】
前記第2接合端部材143は、一側の端部が前記第1接合端部材の端部形状に対応する形状144からなり、他側の端部は定尺規格化鉄筋の端部141bに接合され、前記一側の端部から離隔され、軸方向での一端部が長さ方向に対して鋭角、直角及び鈍角のうちの選択されたいずれか1つの角度をなす1つまたは複数の段差145が備えられる部材である。
【0384】
また、前記第2接合端部材側には、締結ソケット146が仮結合されることができる。締め締結前まで締結ソケット146は、自由遊動が可能な状態である。
【0385】
前記締結ソケット146は、長さ方向に開口されて前記第2接合端部材143の外面と第1接合端部材140の外面を囲んで収容することができるように長さ方向に延長形成され、内面には前記第1接合端部材140の締結ソケット結合用雄ねじ部142にねじ結合される締結ソケット結合用雌ねじ部147が長さ方向に形成され、前記第2接合端部材の段差145に掛かり、長さ方向に対して鋭角、直角及び鈍角のうちの選択されたいずれか1つの角度をなす1つまたは複数の係止段148が備えられた中空形状の部材である。
【0386】
前記第1接合端部材140の構成と第2接合端部材143の構成は、入れ替えて実施されることができ、締結ソケット146の位置も第1接合端部材140側に仮結合されることができる。
【0387】
また、前記定尺規格化鉄筋には、特許登録番号10-1014543号のねじ型スリーブによる鉄筋連結具を用いた継手装置が一体化されることができる。
【0388】
すなわち、図8を参照すると、前記ねじ型スリーブによる鉄筋連結具は、鉄筋の端部120に形成された雄ねじ部121を利用する鉄筋連結具であるため、まず、定尺規格化鉄筋120の端部に雄ねじ部121が直接形成されている状態で前記ねじ型スリーブの構成要素が結合される構成である。
【0389】
前記定尺規格化鉄筋の前記雄ねじ部121に1つのスリーブ122または他の1つのスリーブ123が結合される。
【0390】
すなわち、図9を参照すると、規格化鉄筋130の一端部の雄ねじ部にのみ1つのスリーブ131が結合される場合133、一端部にのみ他の1つのスリーブ132が結合される場合134、両端部に1つのスリーブが結合される場合135、両端部に他の1つのスリーブが結合される場合136、一端部には1つのスリーブ、他端部には他の1つのスリーブが結合される場合137の選択群のうちの選択されたいずれか1つであり得る。
【0391】
図8を参照すると、前記1つのスリーブ122は、内面に雌ねじ部124が形成され、外面に雄ねじ部125が形成された部材であり、前記他の1つのスリーブ123は、内面に雌ねじ部126が形成され、軸方向に一端部が中心軸線に対して垂直な平行な面からなる第1係止段127が形成された部材である。
【0392】
前記他の1つのスリーブ123側には結合ソケット128が仮結合されることができる。締め締結前まで結合ソケット128は自由遊動が可能な状態である。
【0393】
前記結合ソケット128は、内面に前記1つのスリーブ122の雄ねじ部125とねじ締結される雌ねじ部129が形成され、前記他の1つのスリーブ123の第1係止段127と突き当たって係止作用をするように、一端部の内面に円の中心方向に突出した係止段129bが形成された部材である。
【0394】
また、図示されていないが、前記列挙した実施例の組み合わせ実施例として、前記継手装置は、前記規格化鉄筋の一端部には接合端部材によるソケット締結型鉄筋連結具の構成要素である第1接合端部材または第2接合端部材が結合され、他端部にはねじ型スリーブによる鉄筋連結具の構成要素である1つのスリーブまたは他の1つのスリーブが結合されることができる。
【0395】
すなわち、第1接合端部材-1つのスリーブ、第1接合端部材-他の1つのスリーブ、第2接合端部材-1つのスリーブ、第2接合端部材-他の1つのスリーブのような実施例が可能である。その他、前記列挙した継手装置の組み合わせ実施例も可能である。
【0396】
その他、前記の内容と関連する変形された実施例も本発明の範疇に含まれる。
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図5
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