(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】重複するコンポーネントキャリアを利用するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0453 20230101AFI20240430BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20240430BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20240430BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240430BHJP
【FI】
H04W72/0453
H04L27/26 113
H04L27/26 420
H04W56/00 130
H04W72/0457
(21)【出願番号】P 2022537434
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 US2020065359
(87)【国際公開番号】W WO2021127011
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-17
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】イモネン アンティ
(72)【発明者】
【氏名】アラスティ メディ
(72)【発明者】
【氏名】ケヌモル シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】ハフィーズ アブドゥラウフ
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03528570(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/198343(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/163133(WO,A1)
【文献】特開2019-140512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04L27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局で、第1の周波数帯域を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することと、
前記基地局で、前記第1の周波数帯域と重複する第2の周波数帯域を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することと、
前記基地局から、前記第1の周波数帯域で第1の同期信号ブロックを送信することと、
前記基地局から、前記第2の周波数帯域で前記第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することと、
前記第1および第2の周波数帯域間の重複に対応する周波数上でのみ、物理ランダムアクセスチャネルを送信することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の周波数帯域で第1の制御リソースセットを送信することと、
前記第2の周波数帯域で第2の制御リソースセットを送信することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の同期信号ブロックは、システム情報ブロックを指す第1の主情報ブロックを含み、前記第2の同期信号ブロックは、前記第1の主情報ブロックと同じシステム情報ブロックを指す第2の主情報ブロックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1および第2の周波数帯域間の重複に対応する周波数上でのみ、前記基地局から前記システム情報ブロックを送信することをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記基地局の送信フィルタで送信パスバンドを確立することをさらに含み、前記送信パスバンドは、前記基地局が前記基地局の割当て帯域幅での信号のみを送信することを保証する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基地局の受信フィルタで受信パスバンドを確立することをさらに含み、前記受信パスバンドは、前記基地局が前記基地局の前記割当て帯域幅内の信号のみを受信することを保証する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基地局は5G新無線基地局である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記重複する第1および第2のコンポーネントキャリアは3GPP標準に準拠する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
信号を送受信するように構成されたトランシーバと、
前記トランシーバに結合された1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとプロセスを実行する命令を含む1つまたは複数のコンピュータ可読媒体と
を備える基地局であって、前記プロセスは、
少なくとも部分的に前記トランシーバで、第1の周波数帯域を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することと、
少なくとも部分的に前記トランシーバで、前記第1の周波数帯域と重複する第2の周波数帯域を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することと、
前記基地局から、前記第1の周波数帯域で第1の同期信号ブロックを送信することと、
前記基地局から、前記第2の周波数帯域で前記第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することと、
前記第1および第2の周波数帯域間の重複に対応する周波数上でのみ、物理ランダムアクセスチャネルを送信することと
を含む、基地局。
【請求項10】
前記トランシーバが割当て帯域幅内の信号のみを送信することを保証する送信パスバンドを確立する送信フィルタをさらに備える、請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
前記トランシーバが前記割当て帯域幅内の信号のみを受信することを保証する受信パスバンドを確立するように構成された受信フィルタをさらに備える、請求項
10に記載の基地局。
【請求項12】
第1および第2のコンポーネントキャリアは、複数の物理リソースブロックをそれぞれ含む、請求項11に記載の基地局。
【請求項13】
基地局で、第1の周波数帯域を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することと、
前記基地局で、前記第1の周波数帯域と重複する第2の周波数帯域を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することと、
前記基地局から、前記第1の周波数帯域で第1の同期信号ブロックを送信することと、
前記基地局から、前記第2の周波数帯域で前記第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することと、
前記第1の周波数帯域で第1の物理ランダムアクセスチャネルを送信することと、
前記第2の周波数帯域で第2の物理ランダムアクセスチャネルを送信することと
を含む方法。
【請求項14】
前記第1の周波数帯域で第1の制御リソースセットを送信することと、
前記第2の周波数帯域で第2の制御リソースセットを送信することと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の同期信号ブロックは、システム情報ブロックを指す第1の主情報ブロックを含み、前記第2の同期信号ブロックは、前記第1の主情報ブロックと同じシステム情報ブロックを指す第2の主情報ブロックを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1および第2の周波数帯域間の重複に対応する周波数上でのみ、前記基地局から前記システム情報ブロックを送信することをさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の物理ランダムアクセスチャネルは、前記第2の物理ランダムアクセスチャネルと重複する周波数で送信されない、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記基地局の送信フィルタで送信パスバンドを確立することをさらに含み、前記送信パスバンドは、前記基地局が前記基地局の割当て帯域幅での信号のみを送信することを保証する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モバイル無線通信システムに関し、より詳細には、重複するコンポーネントキャリアを使用するモバイル通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線モバイル通信技術は、基地局とユーザ機器(UE)との間でデータを送信するためにさまざまな標準およびプロトコルを使用する。無線広域ネットワーク通信システムの標準およびプロトコルは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:登録商標)を含み得る。
【0003】
現在の3GPP仕様は、5MHz、10MHz、15MHzまたは20MHzのコンポーネントキャリア帯域幅をサポートする。しかし、個々のコンポーネントキャリアは、超高速データレートに対するIMT-Advanced(International Mobile Telecommunications Advanced)の要件を満たすために、20MHzより大きい帯域幅をサポートするためのキャリアアグリゲーションの概念が導入されている。現在、キャリアアグリゲーションの概念は、モバイル端末にとって利用可能な全帯域幅がセルの帯域幅の和となるように、同じフレーム構造体の5個のコンポーネントキャリアがアグリゲートされることを可能にしている。本明細書で使用される場合、コンポーネントキャリアはセルと呼ばれることがある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、基地局を動作させる方法は、基地局で、第1の周波数帯域を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することを含む。本方法は、前記基地局で、前記第1の周波数帯域と重複する第2の周波数帯域を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することを含む。本方法は、前記基地局から、前記第1の周波数帯域で第1の同期信号ブロックを送信することと、前記基地局から、前記第2の周波数帯域で前記第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することとを含む。
【0005】
一実施形態では、基地局を動作させる方法は、新無線準拠基地局で、第1の周波数帯域幅を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することを含む。本方法は、前記基地局で、前記第1の周波数帯域幅と重複する第2の周波数帯域幅を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することを含む。本方法は、前記基地局から、前記第1のコンポーネントキャリア上で第1の同期信号ブロックを送信することと、前記基地局から、前記第2のコンポーネントキャリア上で前記第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することを含む。本方法は、前記第1および第2のコンポーネントキャリア間の負荷不均衡に応答して、デフォルト周期から前記第2の同期信号ブロックの周期を調整することを含む。
【0006】
一実施形態では、新無線準拠基地局は、信号を送受信するように構成されたトランシーバと、前記トランシーバに結合された1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるとプロセスを実行する命令を含む1つまたは複数のコンピュータ可読媒体とを含む。前記プロセスは、少なくとも部分的に前記トランシーバで、第1の周波数帯域を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することと、少なくとも部分的に前記トランシーバで、前記第1の周波数帯域と重複する第2の周波数帯域を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することとを含む。前記プロセスは、前記基地局から、前記第1の周波数帯域で第1の同期信号ブロックを送信することと、前記基地局から、前記第2の周波数帯域で前記第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による無線通信システムのブロック図である。
【
図2A】一実施形態による重複するコンポーネントキャリアの表現である。
【
図2B】一実施形態による、負荷均衡条件下で
図2Aの重複するコンポーネントキャリアに関連付けられた第1および第2の同期信号ブロックの周波数およびタイミング配置の表現である。
【
図2C】一実施形態による、負荷不均衡状況で
図2Aの重複するコンポーネントキャリアに関連付けられた第1および第2の同期信号ブロックの周波数およびタイミング配置の表現である。
【
図2D】一実施形態による、物理ランダムアクセスチャネル信号に対する周波数の指示を含む重複するコンポーネントキャリアの表現である。
【
図2E】一実施形態による、物理ランダムアクセスチャネル信号に対する周波数の指示を含む重複するコンポーネントキャリアの表現である。
【
図3】一実施形態による重複するコンポーネントキャリアの表現である。
【
図4】一実施形態による重複するコンポーネントキャリアの表現である。
【
図5】一実施形態によるモバイル通信ネットワーク基地局を動作させる方法の流れ図である。
【
図6】一実施形態によるモバイル通信ネットワーク基地局を動作させる方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一実施形態による無線通信システム100のブロック図である。無線通信システム100は、基地局102およびUE104を含む。基地局102は、UE104が他のUEと通信すること、またはインターネットを介してデータを送受信することを可能にする。
【0009】
基地局102は、トランシーバ106、送信フィルタ108、受信フィルタ110、メモリリソース112、および処理リソース114を含む。トランシーバ106は、モバイル通信およびインターネットへのアクセスを可能にするために、UE104に、他の基地局に、および他の通信システムにモバイル通信信号を送信する。メモリリソース112は、基地局102でモバイル通信ネットワークを確立するためのソフトウェア命令を記憶する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含む。処理リソース114は、メモリリソース112の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行する。以下でより詳細に説明するように、ソフトウェア命令を実行することにより、基地局102は、重複するコンポーネントキャリア116を確立する。
【0010】
一実施形態では、通信システム100は3GPPネットワークである。通信システム100は、新無線(NR)第5世代(5G)ネットワークを含み得る。通信システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく他の種類のネットワークを含み得る。
【0011】
3GPP標準は、5G NR UEによって利用され得る特定の帯域幅を規定している。特に、UEは、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzなどの帯域幅を利用し得る。3GPP標準は、指定された5MHz、10MHz、15MHz、20MHzなどの間の帯域幅を利用するUEを規定していない。
【0012】
無線通信ネットワークサービスを提供したい組織および会社は一般に、無線スペクトルの特定の部分に対する権利を購入する。例えば、3GPP標準は、無線周波数スペクトル内の多数のE-UTRA(evolved universal mobile telecommunications system)帯域を規定している。無線サービスプロバイダは、これらの帯域のうちの1つまたは複数内の帯域幅を購入し、ライセンスを受け、またはさもなければ取得することができ、そして帯域のその部分内でモバイル通信サービスを提供することができる。
【0013】
帯域幅は非常に高価であり得る。米国では、いくつかの組織がさまざまな地域で帯域幅に対して数十億ドルを支払っている。帯域幅のコストが高いため、UEによって利用され得る特定の帯域幅の間に入る量の帯域幅を購入することは高価である。組織は一般に、余剰の帯域幅を浪費することを避けるために、UEによって利用され得る特定の帯域幅のうちの1つに対応する量の帯域幅を購入しようとする。換言すれば、組織は一般に、指定された5MHz、10MHzなどの間に残る帯域幅がないように、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzなどの帯域幅を購入しようとする。
【0014】
しかし、さまざまな組織による帯域幅のライセンス、オプション付与、および購入が複雑なため、組織は半端な量の帯域幅を利用する権利で妥協することがしばしばある。本明細書で使用される場合、半端な量の帯域幅は、3GPP標準によってUEに対して認可される特定の帯域幅間に入る量の帯域幅に対応する。この状況において、1つの可能な解決策は、残りの帯域幅を単に未使用のまま残すことである。この結果として、大きなスペクトル非効率が生じる。例えば、組織が7MHzの帯域幅に対する権利を所有している場合、その組織は、5MHzのシステムを規定し、残りの2MHzの帯域幅を未使用のまま残すことがあり得る。これは、購入した帯域幅の約35%が未使用になることに対応する。
【0015】
無線通信システム100は、購入した帯域幅内で互いに重複する複数のコンポーネントキャリアを規定することによって、この問題を解決する。したがって、通信システム100の基地局102は、重複するコンポーネントキャリア116を規定する。コンポーネントキャリアは、それらの規定された周波数帯域が互いに重複するという意味で、互いに重複する。
【0016】
無線通信システム100は、帯域内で重複するコンポーネントキャリアを利用する。したがって、通信システム100は、周波数スペクトル内で互いに重複する2つ以上のコンポーネントキャリアを利用する。各コンポーネントキャリアは、ネットワークの全帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。通信システム100が2つのコンポーネントキャリアを利用する実施例では、第1のコンポーネントキャリアが、割り当てられたネットワーク帯域幅の最初から始まる帯域幅を有する。第2のコンポーネントキャリアが、第1のコンポーネントキャリアの帯域幅の途中の周波数から始まり全ネットワーク帯域幅の最後で終わる帯域幅を有する。したがって、第1のコンポーネントキャリアの一部が第2のコンポーネントキャリアの一部と重複する。
【0017】
重複するコンポーネントキャリアの1つの結果は、ネットワーク帯域幅が全く浪費されないことである。重複するコンポーネントキャリアのもう1つの結果は、いずれのコンポーネントキャリアも、近隣のネットワークまたはシステムの帯域幅内に拡大しないことである。したがって、無線通信システム100は、そのネットワーク帯域幅全体を効率的に使用する。
【0018】
一実施例では、一実施形態によれば、無線通信システム100は、LTEバンド26内の7MHzの帯域幅へのアクセスを有する。無線通信システム100は、その7MHzの帯域幅内で第1のコンポーネントキャリアおよび第2のコンポーネントキャリアを規定する。各コンポーネントキャリアは、3GPP標準による5MHzのコンポーネントキャリアである。しかし、コンポーネントキャリアは互いに重複する。第1のコンポーネントキャリアがネットワーク帯域幅の最初から始まり、第2のコンポーネントキャリアがネットワーク帯域幅の最後で終わる場合、2つのコンポーネントキャリアの重複する帯域幅は約3MHzである。以下でより詳細に説明するように、無線通信システム100は、ネットワークリソースが効率的に利用されるように、2つのコンポーネントキャリア上で送信される信号の種類を管理する。
【0019】
無線通信システム100が7MHzの帯域幅へのアクセスを有する実施例を続けると、実際には、2つのコンポーネントキャリアは、完全な5MHzではなく、4.5MHzの帯域幅をそれぞれ含む。これは、ネットワーク帯域幅の最初および最後に規定されたガードバンドがあるためである。特に、0.25MHzの第1のガードバンドが、ネットワーク帯域幅の最初に確立される。0.25MHzの第2のガードバンドが、利用可能なネットワーク帯域幅の最後に確立される。結果として、2つのコンポーネントキャリア間には約2.5MHzの重複がある。
【0020】
各コンポーネントキャリアは、25個の物理リソースブロック(PRB:physical resource block)に分割される。各PRBの帯域幅は約180kHzである。PRBは、スケジューリングアルゴリズムによって使用される最小単位を規定する。したがって、共有チャネル上で最小のスケジューリングされるユーザ送信は1PRBである。ネットワーク帯域幅が7MHzである実施例では、2つのコンポーネントキャリアの重複部分は約14PRBである。通信システム100は、重複するPRBがどのように利用されるかを規定する。
【0021】
一実施形態では、3GPPチャネル帯域幅に準拠するために、基地局102は、帯域幅のうちのいずれかが重複するか否かを考慮せずに、すべてのコンポーネントキャリアの帯域幅の和である帯域幅を有するチャネルとして構成される。ネットワーク帯域幅が7MHzであり2つの重複するコンポーネントキャリアがある実施例では、各コンポーネントキャリアが5MHzであるため、基地局は10MHzのチャネルとして構成される。他のネットワーク帯域幅および他の個数のコンポーネントキャリアの場合、基地局102は、すべてのコンポーネントキャリアの帯域幅の和である帯域幅を有するチャネルとして構成される。
【0022】
一実施形態では、基地局102は送信フィルタ108を含む。送信フィルタ108は、厳格なパスバンドを有するバンドパスフィルタである。パスバンドは、基地局102に対して割り当てられた帯域幅に対応する。パスバンドの外側の周波数を有する信号は、基地局102から送信されないようにフィルタリングされる。これは、基地局102からの送信が、隣り合うネットワークに割り当てられた帯域幅を侵害しないことを保証する助けとなり得る。
【0023】
一実施例では、通信システム100は、LTEバンド26内の7MHzへの権利を有する。送信フィルタ108は、指定された7MHzの帯域幅に対応するパスバンドを確立する。指定された7MHzの外側の信号は、送信フィルタ108に部分的に基づいて、基地局102から送信されない。
【0024】
一実施形態では、基地局102は受信フィルタ110を含む。受信フィルタ110は、基地局102が、その指定された帯域幅の外側の信号を拒否することを保証するように構成される。したがって、受信フィルタ110は、通信システム100の割当て帯域幅に対応する厳格なパスバンドを有するバンドパスフィルタである。よって、近隣の帯域幅におけるネットワークからの通信は、基地局102によって受信されない。
【0025】
通信システム100がLTEバンド26内の7MHzの帯域幅への権利を有する実施例では、受信フィルタ110は、指定された7MHzの帯域幅に対応するパスバンドを確立する。指定された7MHzの外側の信号は、送信フィルタ108に部分的に基づいて、基地局102によって受信されない。
【0026】
一実施形態では、UE104ではフィルタリング変更のための修正は不要である。3GPP標準に従って動作するUE104は、重複するコンポーネントキャリア116を利用する場合でも、通信システム100の帯域幅内の信号を送受信し得る。基地局102は、各コンポーネントキャリアに対する周波数帯域とともに、重複するコンポーネントキャリア116を規定する。ユーザコンテンツ104は、さらなる修正なしでこの構成に従って動作し得る。
【0027】
重複するコンポーネントキャリア116が2つの重複するコンポーネントキャリアを含む実施例を説明した。しかし、重複するコンポーネントキャリア116は、2つよりも多くのコンポーネントキャリアを含み得る。例えば、重複するコンポーネントキャリア116は3つ以上のコンポーネントキャリアを含み得る。
【0028】
一実施形態では、重複するコンポーネントキャリア116には3つのコンポーネントキャリアがある。第1のコンポーネントキャリアは第2のコンポーネントキャリアと重複する。第2のコンポーネントキャリアは第1のコンポーネントキャリアと重複する。第3のコンポーネントキャリアは、第2のコンポーネントキャリアと隣接してもよく、または、第2のコンポーネントキャリアおよび第3のコンポーネントキャリアの一部と重複してもよい。第2のコンポーネントキャリアは、第1または第3のいずれかのコンポーネントキャリアと重複しない部分を含む。当業者には認識されるように、本開示に照らして、本開示の範囲から逸脱することなく、コンポーネントキャリアの多くの構成が利用され得る。
【0029】
ネットワーク帯域幅が7MHzである実施例を説明した。しかし、本開示の原理に従って、他の非標準のネットワーク帯域幅が利用され得る。例えば、ネットワーク帯域幅は、5MHzと10MHzの間、10MHzと15MHzの間、15MHzと20MHzの間などであり得る。さまざまな数のコンポーネントキャリアがこれらの状況で利用され得る。例えば、ネットワーク帯域幅が13MHzである場合、重複するコンポーネントキャリア116は、上記のようにして重複する3つの5MHzコンポーネントキャリアを含み得る。別の実施例では、ネットワーク帯域幅が17MHzである場合、重複するコンポーネントキャリア116は4つの5MHzコンポーネントキャリアを含み得る。
【0030】
5G NRシステムに対する3GPP標準によれば、無線通信システム100内のダウンリンク同期は同期信号ブロック(SSB:synchronization signal block)を使用して達成される。SSBは、選択された周期に基づいて規則的な間隔で基地局102からUE104に送信される。SSBは、UE104がセルと時間および周波数の同期を取得し、そのセルのセルIDを復号することを可能にする。これによりUE104は、以下でより詳細に説明するように、基地局102からシステム情報ブロック(SIB:system information block)を読み出すことができる。
【0031】
各SSBは複数のコンポーネントを含む。特に、各SSBは、プライマリ同期信号(PSS:primary synchronization signal)、セカンダリ同期信号(SSS:secondary synchronization signal)および物理ブロードキャストチャネル(PBCH:physical broadcast channel)を含む。これらの信号は、基地局102とUE104との間の同期を容易にする。
【0032】
セル同期が行われる前に、UE104は、自己の無線を用いて、どの帯域をサポートしているかに応じて異なる周波数チャネルをスキャンする。通信システム100の帯域に同調すると、UEはまずSSBのPSSを見つける。PSSは、無線フレーム内の第1のシンボルの位置に対応する無線フレーム境界を提供する。これによりUEは、サブフレームレベルで同期することが可能となる。PSSは、各SSBの同じサブフレーム内の同じ位置で反復される。PSSから、UEは物理層識別を取得することができる。
【0033】
UE104がPSSを取得した後、UE104はSSSを見つける。SSSは、サブフレーム内の第1のシンボルの位置に対応するサブフレーム境界を提供する。PSSおよびSSSの両方を取得した後、UE104は、物理層セル識別グループ番号を取得することができる。
【0034】
PSSおよびSSSを取得した後、UE104はPBCHの時刻を取得することができる。PSSおよびSSSの中心周波数はPBCHの中心周波数と整列している。したがって、PSSおよびSSSとの同期はPBCHの取得を可能にする。PBCHは、主情報ブロック(MIB:major information block)を伝送する。MIBは、UE104のためのシステム取得を容易にする。特に、MIBは、システム情報ブロック(SIB)を復号するために必要なパラメータを含む。
【0035】
SIBは、通信ネットワークへのUE104のアタッチを可能にする。UE104とネットワークとの間のアップリンク同期が確立され、UE104がMIBを読み出した後、UE104は、セルアクセス関連情報を伝送しUE104に他のSIBのスケジューリングを供給するSIBタイプ1を待機する。SIBタイプ1を読み出すことによりUE104はネットワークへのアクセスを獲得することができる。SIBタイプ1を読み出さなければ、UE104は、PRACHで送信しなければならないシーケンス、または基地局が送信している送信電力について知ることがない。
【0036】
3GPP標準は、制御リソースセット(CORESET:control resource set)も規定する。CORESETは、物理リソースのセット、すなわちNRダウンリンクリソースグリッド上の特定のエリアである。CORESETは、ダウンリンク制御情報(DCI:downlink control information)を伝送する物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)を伝送するために使用されるパラメータのセットを含む。CORESETは、周波数ドメイン内の特定の領域に配置される。帯域幅パートは、所与のキャリア上のPRBの隣接するセットである。これらのPRBは、所与のヌメロロジに対する共通リソースブロックの隣接するサブセットから選択される。
【0037】
一実施形態では、基地局102は、重複するコンポーネントキャリア106上で2つのSSBを送信する。特に、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア上で第1のSSBを、および第2のコンポーネントキャリア上で第2のSSBを送信する。第1および第2のSSBは、ネットワーク帯域幅の有効利用を促進するために選択されたタイミングで送信される。
【0038】
一実施形態では、基地局102は、重複するコンポーネントキャリア106上で2つのSSBを送信する。特に、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア上で第1のSSBを、および第2のコンポーネントキャリア上で第2のSSBを送信する。第1および第2のSSBは、ネットワーク帯域幅の有効利用を促進するために選択されたタイミングで送信される。
【0039】
一実施形態では、第1および第2のSSBは時間的に交互配置される。第1のSSBは第1のコンポーネントキャリア上で送信される。第1のSSBが第1のコンポーネントキャリア上で送信された後、第2のSSBが第2のコンポーネントキャリア上で送信される。第2のSSBが第2のコンポーネントキャリア上で送信された後、第1のSSBが第1のコンポーネントキャリア上で再び送信される。これは、第1および第2のSSBが時間的に互いにインタリーブされるように継続する。
【0040】
一実施形態では、第1のSSB上のPBCHは第1のMIBを伝送する。したがって、第1のコンポーネントキャリアは、第1のMIBを伝送するPBCHを含む第1のSSBを送出する。第1のMIBは、UE104が基地局102とのネットワーク接続を取得することを支援する。
【0041】
一実施形態では、第2のSSB上のPBCHは第2のMIBを伝送する。したがって、第1のコンポーネントキャリアは、第2のMIBを伝送するPBCHを含む第1のSSBを送出する。第2のMIBは、UEが基地局102とのネットワーク接続を取得することを支援する。
【0042】
一実施形態では、第1のMIBおよび第2のMIBの両方が同じSIBを指す。したがって、第1および第2のMIBは異なるSIBを指さない。代わりに、第1および第2のMIBは同じSIBを指す。
【0043】
一実施形態では、SIBはネットワーク帯域幅の重複部分に配置される。換言すれば、SIBは、第1および第2のコンポーネントキャリアが重複するネットワーク帯域幅の部分に対応する周波数に配置される。SIBは、第1および第2のコンポーネントキャリアの重複部分に対応する周波数でのみ送信され得る。
【0044】
一実施形態では、基地局102は、重複するコンポーネントキャリア106上で2つのCORESET0を送信する。特に、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア上で第1のCORESET0を、および第2のコンポーネントキャリア上で第2のCORESET0を送信する。第1および第2のCORESET0は、ネットワーク帯域幅の有効利用を促進するために選択されたタイミングで送信される。
【0045】
一実施形態では、第1および第2のCORESET0は時間的に交互配置される。CORESET0は第1のコンポーネントキャリア上で送信される。第1のCORESET0が第1のコンポーネントキャリア上で送信された後、第2のCORESET0が第2のコンポーネントキャリア上で送信される。第2のCORESET0が第2のコンポーネントキャリア上で送信された後、第1のCORESET0が第1のコンポーネントキャリア上で再び送信される。これは、第1および第2のCORESET0が時間的に互いにインタリーブされるように継続する。
【0046】
一実施形態では、基地局102のスケジューラの視点からは実質的に2つのBWPがある。UE104の第1のグループが第1のBWP上にある。UE104の第2のグループが第2のBWP上にある。このようにして、重複するキャリアコンポーネント116はUE104の複数のグループをサポートするために利用される。
【0047】
3GPP 5G NR標準では、同期のためのアップリンク上のチャネルは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random-access channel)である。PRACHオポチュニティは、SSBに関連付けられたSIBで規定される。一実施形態では、システム100は、2つのPRACHオポチュニティを有し得る。特に、システム100は、第1のコンポーネントキャリアの非重複部分に対応するネットワーク帯域幅の部分に第1のPRACHオポチュニティを含み得る。システム100は、第2のコンポーネントキャリアの非重複部分に対応するネットワーク帯域幅の部分に第2のPRACHオポチュニティを含み得る。
【0048】
一実施形態では、システム100は、単一のPRACHオポチュニティを規定する。単一のPRACHオポチュニティは、第1および第2のコンポーネントキャリアの重複部分に対応するネットワーク帯域幅の部分に配置される。
【0049】
一実施形態では、第1および第2のSSBが時間的にインタリーブされるため、SSBを求めてスキャンするUE104は、等しい確率で第1のSSBまたは第2のSSBに最初に遭遇する。したがって、UE104が第1のコンポーネントキャリアまたは第2のコンポーネントキャリアにアンカーする可能性は等しい。よって、確率的には、多数のUE104が基地局102に接続される場合、UE104の約半数が第1のコンポーネントキャリアに接続され、UE104の約半数が第2のコンポーネントキャリアに接続される。
【0050】
しかし、特定の時点で、一方のコンポーネントキャリアが他方のコンポーネントキャリアよりも顕著に高い負荷を有し得る可能性がある。この場合、一実施形態では、基地局102は、第1および第2のSSBの一方または両方が送信される周期TSSを調整し得る。3GPP標準は現在、SSBに対するデフォルトTSSが20msであると示している。これは、SSBが20msごとに送信されることを意味する。しかし、3GPP標準は現在、5ms、10ms、20ms、40ms、80ms、または160msのTSSを許容している。したがって、基地局102は、UE104が一方または他方のコンポーネントキャリアと接続する可能性を変化させるために、第1および第2のSSBの一方または両方のTSSを調整し得る。
【0051】
一実施形態では、一方のコンポーネントキャリアが他方のコンポーネントキャリアよりも顕著に高い負荷を有する場合、基地局102は、より軽負荷のコンポーネントキャリアに対するTSSを低減し得る。一実施例では、第1および第2の両方のSSBに対してデフォルトTSSは20msである。負荷不均衡が存在する場合、より重負荷のコンポーネントキャリアに対するTSSは20msに維持しながら、より軽負荷のコンポーネントキャリアのSSBに対するTSSが5msに低減される。この場合、より軽負荷のコンポーネントキャリアに対して4つのSSBが、より重負荷のコンポーネントキャリアの各SSBについて送信される。これは、UE104がより軽負荷のコンポーネントキャリアにアタッチする可能性を大幅に増大させる。2つのコンポーネントキャリアが再び十分に負荷均衡した後、基地局102は、前に軽負荷であったコンポーネントキャリアのTSSをデフォルト値に戻す。
【0052】
一実施形態では、基地局102は、データパケットがUE104に提供されるように、およびUE104によって提供されるようにスケジューリングするパケットスケジューラを含む。特に、基地局102がUE104との接続を確立した後、基地局102は、UE104にデータパケットを提供することができ、UE104からデータパケットを受信することができる。データパケットは、電話通話に対する音声データ、ウェブサーバによってUE104に提供されるデータ、UE104によってウェブサーバに提供されるデータ、または無線通信ネットワーク上で通常交換される他の種類のデータを含み得る。
【0053】
一実施例では、UE104はスマートフォンである。UE104が基地局102とのネットワーク接続を確立し、部分的に、SSBを受信し、SIBを復号し、CORESET0を受信した結果として、UE104のユーザは、インターネットを介してUE104のアプリケーション上で動画をストリーミングすることを選択し得る。動画ストリームは、基地局102からのデータパケットでUE104に提供される。
【0054】
一実施形態では、基地局102のパケットスケジューラは、すべてのコンポーネントキャリア上でデータパケットをスケジューリングし得る。第1のコンポーネントキャリアおよび第2のコンポーネントキャリアがある実施例では、基地局102のパケットスケジューラは、第1のコンポーネントキャリアおよび第2のコンポーネントキャリアの両方の上でデータパケットをスケジューリングし得る。
【0055】
図2Aは、一実施形態による重複するコンポーネントキャリア116の表現である。基地局102は、基地局102に割り当てられたネットワーク帯域幅の範囲にわたる信号を送受信する。基地局102は、重複するコンポーネントキャリア116を利用する。
【0056】
図2Aの実施例では、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア122および第2のコンポーネントキャリア124を規定する。第1のコンポーネントキャリア122は、全ネットワーク帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。第2のコンポーネントキャリア124は、全ネットワーク帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。第1のコンポーネントキャリア122の帯域幅は、第2のコンポーネントキャリア124の帯域幅と重複する。第1のコンポーネントキャリア122の帯域幅は、ネットワーク帯域幅の最初から始まる。第2のコンポーネントキャリア124の帯域幅は、ネットワーク帯域幅の最後で終わる。
【0057】
図2Aには示していないが、実際には、追加的に、ガードバンドが存在し得る。第1のガードバンドは、ネットワーク帯域幅の最初から、第1のコンポーネントキャリア122の帯域幅の最初をバッファリングし得る。第2のガードバンドは、ネットワーク帯域幅の最後から、第2のコンポーネントキャリア124の最後をバッファリングし得る。
【0058】
図2Bは、一実施形態による、負荷均衡条件下で
図2Aの重複するコンポーネントキャリア116に関連付けられた第1および第2のSSBの周波数およびタイミング配置の表現である。
図2Bの実施例では、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア122に関連付けられた周波数上で第1のSSB(SSB1)を送信する。基地局102は、第2のコンポーネントキャリア124に関連付けられた周波数上で第2のSSB(SSB2)を送信する。
【0059】
一実施形態では、SSB1およびSSB2は時間的にインタリーブされる。
図2Bの実施例では、基地局102はまずSSB1を出力する。基地局102がSSB1を出力した後、基地局102はSSB2を出力する。基地局102がSSB2を出力した後、基地局102は再びSSB1を出力する。このパターンは、第1および第2のSSBが時間的に互いにインタリーブされるように継続する。
【0060】
一実施形態では、SSB1に対するTSSは20msである。したがって、20msごとにSSB1が基地局102によって出力される。一実施形態では、SSB2に対するTSSも20msであるが、SSB1とインタリーブされる。したがって、20msごとに基地局102はSSB2を出力する。TSSに対する他の値が、本開示の範囲から逸脱することなく可能である。
【0061】
図2Bには示していないが、第1のCORESET0信号はネットワーク帯域幅のSSB1と同じ部分で送信され得る。第2のCORESET0信号はネットワーク帯域幅のSSB2と同じ部分で送信され得る。
【0062】
図2Cは、一実施形態による、負荷不均衡状況で
図2Aの重複するコンポーネントキャリア116に関連付けられた第1および第2のSSBの周波数およびタイミング配置の表現である。
図2Cの実施例では、第1のコンポーネントキャリア122は、第2のコンポーネントキャリア124よりも顕著に高い比率または個数のUE104にアタッチされている。したがって、基地局102は、SSB2がSSB1よりも頻繁に出力されることを保証するように基地局102がSSB2のTSSを低減する負荷均衡手続きを開始する。その結果、UE104はSSB2を受信する可能性が高くなり、SSB1を介してよりもSSB2を介してネットワークに接続しやすくなる。
【0063】
図2Cの実施例では、SSB1のTSSは20msである。SSB2のTSSは5msである。基地局102はまずSSB1を出力する。基地局102は次にSSB2を出力する。SSB2に対するTSSの低減された値のため、基地局102は、SSB1が再び出力される前にSSB2を4回出力する。これは、第2のコンポーネントキャリア124にアタッチされるUE104の比率が第1のコンポーネントキャリア122にアタッチされるUE104の比率と均衡するまで継続する。負荷が均衡した後、基地局102は、SSB2のTSSを
図2Bに例示したようなデフォルト値に戻す。TSSに対する他の値および値の変更が、本開示の範囲から逸脱することなく利用され得る。
【0064】
一実施形態では、基地局102がSSB1またはSSB2のいずれかのTSSを低減することをトリガする閾値比率不均衡または閾値個数不均衡がある。一実施形態では、基地局がTSSをデフォルト値に戻すことをトリガする閾値比率または個数均衡がある。
【0065】
図2Dは、一実施形態による、PRACH信号に対する周波数の指示を含む重複するコンポーネントキャリア116の表現である。
図2Dの実施例では、システム100は、単一のPRACHオポチュニティを規定する。単一のPRACHオポチュニティは、第1および第2のコンポーネントキャリア122、124の重複部分に対応するネットワーク帯域幅の部分に配置される。
【0066】
図2Eは、一実施形態による、PRACH信号に対する周波数の指示を含む重複するコンポーネントキャリア116の表現である。一実施形態では、システム100は、2つのPRACHオポチュニティを有し得る。特に、システム100は、第1のコンポーネントキャリア122の非重複部分に対応するネットワーク帯域幅の部分に第1のPRACHオポチュニティを含み得る。システム100は、第2のコンポーネントキャリア122の非重複部分に対応するネットワーク帯域幅の部分に第2のPRACHオポチュニティを含み得る。
【0067】
図3は、一実施形態による重複するコンポーネントキャリア116の表現である。
図3の実施例では、ネットワーク帯域幅は7MHzである。
図3の実施例では、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア122および第2のコンポーネントキャリア124を規定する。第1のコンポーネントキャリア122の帯域幅は4.5MHzである。第2のコンポーネントキャリア124の帯域幅は4.5MHzである。0.25MHzのガードバンドが、第1のコンポーネントキャリア122の最初をネットワーク帯域幅の最初から分離する。0.27MHzのガードバンドが、第2のコンポーネントキャリア124の最後をネットワーク帯域幅の最後から分離する。ガードバンドは、コンポーネントキャリア122、124が、割り当てられたネットワーク帯域幅の外側の周波数で信号を伝送しないことを保証する助けとなる。
【0068】
標準のキャリアアグリゲーションでは、各コンポーネントキャリアは5MHzの帯域幅が割り当てられる。コンポーネントキャリアのうちの4.5MHzが、基地局102とUE104との間で信号を伝送するために使用される。0.25MHzが、ガードバンドとしてコンポーネントキャリアの両端に含まれる。
【0069】
図3の重複するコンポーネントキャリア116には、第1のコンポーネントキャリア122の前のガードバンドおよび第2のコンポーネントキャリア124の最後のガードバンドがある。
【0070】
コンポーネントキャリア122、124のそれぞれは、25個の物理リソースブロック(PRB)130を含む。各PRB130は12個のサブキャリアを含む。各PRBの帯域幅は180kHzである。
図3の実施例では、第1のコンポーネントキャリア122および第2のコンポーネントキャリア124は2.52MHzの重複する帯域幅を有する。これは、14個の重複するPRB130に対応する。
【0071】
一実施形態では、第1のコンポーネントキャリア122の全25個のPRBが、SSB1および第1のCORESET0を提供するために利用され得る。第2のコンポーネントキャリア124の全25個のPRBが、SSB2および第2のCORESET0を提供するために利用され得る。これらの信号は時間的にインタリーブされるため、重複するPRBは第1および第2の両方のコンポーネントキャリア122、124のために利用され得る。
【0072】
一実施形態では、SIBが、重複するPRB全体で提供される。一実施形態では、PRACHが、重複するPRB全体で提供される。代替的に、PRACH1が第1のコンポーネントキャリア122の最初の18個のPRB上で提供される一方、PRACH2が第2のコンポーネントキャリア124の最後の18個のPRB上で提供されてもよい。データパケットは第1および第2の両方のコンポーネントキャリア122、124の全25個のPRB上でスケジューリングされ得る。
【0073】
図4は、一実施形態による重複するコンポーネントキャリア116の表現である。基地局102は、基地局102に割り当てられたネットワーク帯域幅の範囲にわたる信号を送受信する。基地局102は、キャリアアグリゲーション構成で重複するコンポーネントキャリア116を利用する。
【0074】
図4の実施例では、基地局102は、第1のコンポーネントキャリア122、第2のコンポーネントキャリア124、および第3のコンポーネントキャリア132を規定する。第1のコンポーネントキャリア122は、全ネットワーク帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。第2のコンポーネントキャリア124は、全ネットワーク帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。第3のコンポーネントキャリア132は、全ネットワーク帯域幅よりも小さい帯域幅を有する。第1のコンポーネントキャリア122の帯域幅は、第2のコンポーネントキャリア124の帯域幅と重複する。第3のコンポーネントキャリア132の帯域幅は、第2のコンポーネントキャリア124の帯域幅の最後から始まる。換言すれば、第3のコンポーネントキャリア132の帯域幅は、第2のコンポーネントキャリア124の帯域幅と隣接する。第1のコンポーネントキャリア122の帯域幅は、ネットワーク帯域幅の最初から始まる。第3のコンポーネントキャリア132の帯域幅は、ネットワーク帯域幅の最後で終わる。
【0075】
一実施形態では、第1および第2のコンポーネントキャリア122、124の帯域幅は、
図2A~
図3に関して説明したように利用され得る。第3のコンポーネントキャリア132の帯域幅は、任意の好適な方式でSSB、PRACH、SIB、CORESET0、データパケット、および他の種類の信号を提供するために利用され得る。
【0076】
図5は、一実施形態による方法500の流れ図である。502で、方法500は、基地局で、第1の周波数帯域を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することを含む。504で、方法500は、基地局で、第1の周波数帯域と重複する第2の周波数帯域を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することを含む。506で、方法500は、基地局から、第1の周波数帯域で第1の同期信号ブロックを送信することを含む。508で、方法500は、基地局から、第2の周波数帯域で第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することを含む。
【0077】
図6は、一実施形態による方法600の流れ図である。602で、方法600は、新無線準拠基地局で、第1の周波数帯域幅を有する第1のコンポーネントキャリアを確立することを含む。604で、方法600は、基地局で、第1の周波数帯域幅と重複する第2の周波数帯域幅を有する第2のコンポーネントキャリアを確立することを含む。606で、方法600は、基地局から、第1のコンポーネントキャリア上で第1の同期信号ブロックを送信することを含む。608で、方法600は、基地局から、第2のコンポーネントキャリア上で第1の同期信号ブロックと時間的にインタリーブされた第2の同期信号ブロックを送信することを含む。610で、方法600は、第1および第2のコンポーネントキャリア間の負荷不均衡に応答して、デフォルト周期から第2の同期信号ブロックの周期を調整することを含む。
【0078】
上記のさまざまな実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わされ得る。実施形態の態様は、必要であれば、一層さらなる実施形態を提供するために、さまざまな特許、応用例および刊行物の概念を使用するように修正され得る。
【0079】
これらおよび他の変更は、上記の説明に照らして実施形態に対してなされ得る。一般に、添付の特許請求の範囲において、使用される用語は、明細書および特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、当該特許請求の範囲の権利範囲にある均等物の全範囲とともにすべての可能な実施形態を含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されない。
【0080】
本出願は、2019年12月18日に出願された米国非仮出願第16/719,657号の優先権の利益を主張し、当該出願は全体として参照により本明細書に組み込まれる。