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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】撮像素子、製造方法、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240430BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20240430BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N25/70
H01L21/76 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019154343
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021034598
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】福井 大伸
(72)【発明者】
【氏名】白石 勝一郎
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-175494(JP,A)
【文献】特開2015-023259(JP,A)
【文献】特開2013-243324(JP,A)
【文献】特開2012-129358(JP,A)
【文献】特開2015-012127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0165009(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/70
H01L 21/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に設けられる複数の光電変換部と、
前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に設けられる分離部と、
前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる複数の素子と
を備え、
前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅くなる形状であり、
所定数の前記光電変換部が設けられた1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられた構成である
撮像素子。
【請求項2】
前記第2の深さの前記分離部における幅が、前記第1の深さの前記分離部における幅よりも広く設定される
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記半導体基板を平面視して、前記第2の深さの前記分離部が所定の方向に沿って複数の前記光電変換部に亘って連続して設けられるとともに、前記第1の深さの前記分離部が前記所定の方向に対して直交する方向に沿って前記光電変換部ごとに設けられ、
前記第1の深さの前記分離部と、前記第2の深さの前記分離部との間が不連続となる隙間が設けられた構成である
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記第1の深さの前記分離部は、前記光電変換部が配置される位置の像高に応じて調整された位置に配置される
請求項3に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記分離部は、前記半導体基板を平面視して、個々の前記光電変換部を囲う形状である
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記画素内における中央部以外の領域に、前記分離部が設けられた構成である
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項7】
前記分離部の側壁に、P型領域とN型領域との境界が設けられた構成である
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項8】
半導体基板に複数の光電変換部を形成することと、
前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に分離部を形成することと、
前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に複数の素子を形成することと
を含み、
前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅く形成され、
所定数の前記光電変換部が設けられた1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられて構成される
撮像素子の製造方法。
【請求項9】
前記第2の深さの前記分離部における幅が、前記第1の深さの前記分離部における幅よりも広く、それぞれの前記分離部を掘り込む工程が同時に行われることで前記分離部が設けられている
請求項8に記載の撮像素子の製造方法。
【請求項10】
前記第2の深さの前記分離部を掘り込む工程と、前記第1の深さの前記分離部を掘り込む工程とが別々に行われることで前記分離部が設けられている
請求項8に記載の撮像素子の製造方法。
【請求項11】
半導体基板に設けられる複数の光電変換部と、
前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に設けられる分離部と、
前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる複数の素子と
を有し、
前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅くなる形状であり、
所定数の前記光電変換部が設けられた1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられた構成である
撮像素子を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子、製造方法、および電子機器に関し、特に、さらなる画質の向上を図ることができるようにした撮像素子、製造方法、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、裏面照射型CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサでは、光入射面側から物理的に半導体基板を彫り込んで形成されるトレンチによって、画素ごとにフォトダイオードを分離するレイアウトおよび構造が採用されている。一般的に、トレンチは、画素どうしの間を隙間なく彫り込むために、格子形状に形成されている。
【0003】
これに対し、特許文献1に開示されているように、隣接する画素間に斜め方向からの入射光を遮光するために形成されるトレンチにおいて分断箇所が設けられている構成の撮像素子が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-243324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像素子において、飽和信号量(Qs)を増加させるためにフォトダイオードの体積を増大させる場合に、隣接する画素への電荷漏出による画質の劣化を抑制するために、隣接する画素どうしの間の電荷遮蔽性(ブルーミング耐性)を高める必要がある。また、半導体基板を貫通しないようなトレンチ構造を有する裏面照射型CMOSイメージセンサでは、半導体基板の光入射面側からトレンチが形成され、光入射面に対して反対側の面に画素を駆動するためのトランジスタが配置される構造となる。このような構造では、トランジスタが配置される面から一定の距離を離すようにトレンチを形成する必要があるため、トレンチが設けられない領域では、不純物を注入することによって画素間を電気的に分離する構成が採用される。
【0006】
しかしながら、不純物によって電気的に画素間を分離する構成は、トレンチによって物理的に画素間を分離する構成に対して相対的に電荷遮蔽性が弱くなる結果、フォトダイオードの飽和信号量を増加させる際の制約となることが懸念される。さらに、トレンチが設けられない領域では、光の混色(クロストーク)が発生し易いため、光の混色によって画質が劣化することも懸念される。
【0007】
従って、フォトダイオードの飽和信号量の増加と、隣接する画素どうしの間の電荷遮蔽性の向上とを両立するとともに、混色の発生を抑制することによって、画質の向上を図ることが期待されている。
【0008】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、さらなる画質の向上を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一側面の撮像素子は、半導体基板に設けられる複数の光電変換部と、前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に設けられる分離部と、前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる複数の素子とを備え、前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅くなる形状であり、所定数の前記光電変換部が設けられた1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられた構成である。
【0010】
本開示の一側面の製造方法は、半導体基板に複数の光電変換部を形成することと、前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に分離部を形成することと、前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に複数の素子を形成することとを含み、前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅く形成され、所定数の前記光電変換部が設けられた1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられて構成される。
【0011】
本開示の一側面の撮像素子は、半導体基板に設けられる複数の光電変換部と、前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に設けられる分離部と、前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる複数の素子とを有し、前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅くなる形状であり、所定数の前記光電変換部が設けられた1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられた構成である撮像素子を備える。
【0012】
本開示の一側面においては、複数の光電変換部が、半導体基板に設けられ、分離部が、半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、光電変換部を有する画素どうしの間に設けられ、複数の素子が、光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる。そして、分離部は、素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも浅くなる形状であり、所定数の光電変換部が設けられた1つの画素内で、光電変換部の間に第1の深さの分離部が設けられて構成される
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術を適用した撮像素子の第1の実施の形態の構成例を示す図である。
図2】撮像素子の断面的な構造の一例を示す図である。
図3】撮像素子の断面的な構造の一例を示す図である。
図4】電荷漏出および飽和信号量の関係について説明する図である。
図5】分光特性について説明する図である。
図6】像高中心における画素の構造の一例を示す図である。
図7】像高-8割における画素の構造の一例を示す図である。
図8】像高+8割における画素の構造の一例を示す図である。
図9】本技術を適用した撮像素子の第2の実施の形態の構成例を示す図である。
図10】本技術を適用した撮像素子の第3の実施の形態の構成例を示す図である。
図11】第3の実施の形態の第1の変形例を示す図である。
図12】第3の実施の形態の第2の変形例を示す図である。
図13】第3の実施の形態の第3の変形例を示す図である。
図14】撮像素子の断面的な構造の一例を示す図である。
図15】撮像素子の製造方法を説明する図である。
図16】撮像素子の製造方法を説明する図である。
図17】撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図18】イメージセンサを使用する使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
<撮像素子の第1の構成例>
図1乃至図8を参照して、本技術を適用した撮像素子の第1の実施の形態の構成例について説明する。
【0016】
図1は、撮像素子11を平面視したレイアウトを示す図である。
【0017】
図1に示すように、撮像素子11は、複数の画素21が行方向および列方向に沿ってアレイ状に配置され、隣接する画素21どうしを分離するための素子分離部22および素子分離部23が設けられて構成される。
【0018】
また、撮像素子11は、いわゆるベイヤ配列となるように、赤色の画素21R、緑色の画素21Gr、青色の画素21B、および、緑色の画素21Gbが、縦×横が2×2となるように配置された構成となっている。なお、以下の説明では、赤色の画素21R、緑色の画素21Gr、青色の画素21B、および、緑色の画素21Gbを、それぞれ区別する必要がない場合には、単に画素21と称する。
【0019】
素子分離部22は、画素21を行ごとに、複数の画素21に亘って連続するように行方向に延在して設けられる。例えば、素子分離部22は、画素21の1行分に相当する長さとなるように形成される。
【0020】
素子分離部23は、画素21の列ごとに、画素21の1つずつで不連続となるように列方向に延在して設けられる。例えば、素子分離部23は、画素21ごとに、列方向の長さが画素21の一辺の長さと略同一(または、それ以下)となるように形成される。
【0021】
このように、撮像素子11は、素子分離部22と素子分離部23とが交差することがなく、互いの間が不連続となる隙間が設けられたレイアウトとなっている。
【0022】
例えば、一般的な撮像素子では、素子分離部が格子形状のパターンに形成されており、行方向に延在する素子分離部と列方向に延在する素子分離部とが交差する交差部が設けられる構成となっていた。このため、素子分離部を形成するためのエッチング時に、マイクロローディング効果によって交差部が最も深く彫り込まれることになる。従って、素子分離部は、交差部以外の領域において交差部よりも深く彫り込むことができず、交差部以外の領域における電荷の漏出および光の混色が懸念されていた。
【0023】
これに対し、撮像素子11は、行方向に延在する素子分離部22と列方向に延在する素子分離部23とが交差部を有さないパターンで構成されている。このため、撮像素子11では、上述したように交差部が最も深く彫り込まれることは発生せず、素子分離部22および素子分離部23を、それぞれ所望の深さまで彫り込んだ形状に形成することができる。従って、撮像素子11は、素子分離部22および素子分離部23を深く彫り込むことによって、隣接する画素21との間の電荷の漏出および光の混色を抑制することができる。
【0024】
ここで、素子分離部22および素子分離部23は、エッチング時のマイクロローディング効果によって、平面視したときの幅に従った深さで形成される。
【0025】
図1に示すように、例えば、素子分離部22の幅は0.1~0.15μmの範囲であり、かつ、素子分離部23の幅は0.2~0.25μmの範囲であって、必ず、素子分離部22より素子分離部23が太くなるように幅が設定される。即ち、素子分離部22の幅が、素子分離部23の幅より狭く設定される。従って、素子分離部22および素子分離部23を一括で加工する場合に、エッチング時のマイクロローディング効果の影響で、幅が太い素子分離部23が、幅が狭い素子分離部22よりも深くなる形状で形成されることになる。
【0026】
さらに、図示するように、撮像素子11では、画素21どうしの間の行方向に沿って、画素21を駆動するトランジスタが配置されるトランジスタ配置行と、画素21から転送される電荷を一時的に蓄積するFD部が配置されるFD部配置行とが交互に設けられる。従って、撮像素子11は、トランジスタ配置行およびFD部配置行に、深さが浅い形状の素子分離部22が配置され、トランジスタおよびFD部が配置されていない領域に、深さが深い形状の素子分離部23が配置された構成となる。
【0027】
図2および図3を参照して、撮像素子11の断面的な構造について説明する。
【0028】
図2には、図1の一点鎖線A1-A1に沿った断面における撮像素子11の構成例が示されており、図3には、図1の一点鎖線A2-A2に沿った断面における撮像素子11の構成例が示されている。
【0029】
撮像素子11は、例えば、単結晶のシリコンからなる半導体基板31の光入射面に、絶縁性を備えた酸化膜からなる絶縁層32が積層され、その光入射面に対して反対側を向く面(以下、素子形成面と称する。)に、図示しない配線層が積層されて構成される。
【0030】
また、撮像素子11は、画素21ごとに、光電変換部となるフォトダイオード41が半導体基板31に形成されており、フォトダイオード41に光を集光するオンチップレンズ43が絶縁層32に積層されて構成される。また、赤色の画素21Rの絶縁層32には赤色の光を透過するカラーフィルタ42Rが配置され、緑色の画素21Grまたは21Gbの絶縁層32には緑色の光を透過するカラーフィルタ42Grまたは42Gbがそれぞれ配置され、青色の画素21Bの絶縁層32には緑色の光を透過するカラーフィルタ42Bが配置されている。また、絶縁層32には、アレイ状に配置される複数の画素21どうしの間で格子形状となるように、遮光性を備えた金属からなる画素間遮光膜44が設けられている。
【0031】
さらに、図2に示すように、半導体基板31の素子形成面に対して、図示しない絶縁膜を介して積層されるように、画素21を駆動するトランジスタ45(例えば、画素21に蓄積されている電荷を転送するための転送トランジスタ)が配置される。また、図3に示すように、半導体基板31の素子形成面に露出するように、画素21から転送される電荷を一時的に蓄積するFD部46が形成される。
【0032】
ここで、図1を参照して説明したように、トランジスタ45はトランジスタ配置行に沿って配置されるとともに、FD部46はFD部配置行に沿って配置されている。
【0033】
従って、行方向に沿って配置される素子分離部22は、半導体基板31の素子形成面に形成されるトランジスタ45やFD部46などの素子まで届かないような深さで、半導体基板31の光入射面側から彫り込んで形成される。一方、列方向に沿って配置される素子分離部23は、トランジスタ45やFD部46などの素子とは関係なく、素子分離部22よりも深く彫り込んで形成することができる。
【0034】
例えば、図3に示すように、素子分離部22は、その先端から半導体基板31の素子形成面までの間隔(シリコン残し量)が0.1~1.0μmの範囲となる深さで形成される。同様に、素子分離部23は、その先端から半導体基板31の素子形成面までの間隔が0.0~0.7μmの範囲となる深さで形成され、半導体基板31を貫通するように形成してもよい。そして、素子分離部22および素子分離部23は、必ず、素子分離部23が素子分離部22よりも深くなる形状で形成される。
【0035】
このように構成される撮像素子11は、素子分離部22および素子分離部23によって物理的に画素21どうしを分離する構成により、例えば、不純物を注入することによって電気的に分離する構成と比較して、隣接する画素21どうしの間の電荷遮蔽性を向上させることができる。これにより、撮像素子11は、例えば、フォトダイオード41の体積を増大することができる結果、飽和信号量を増加させることができ、ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。
【0036】
例えば、図4に示すように、飽和信号量(Qs)を増加させた場合には、電荷の漏出が増えることになり、従来技術では、電荷遮蔽性が低い場合には画質劣化が生じる程まで電荷が漏出することもあった。これに対し、本技術を適用した撮像素子11は、電荷遮蔽性を向上させることができる結果、従来技術では画質劣化が生じる程まで飽和信号量を増加させても、画質劣化が生じないように電荷の漏出を抑制することができる。
【0037】
さらに、撮像素子11は、素子分離部22および素子分離部23を深くまで形成することによって、隣接する画素21どうしの間で光の混色が発生することを抑制することができる。その結果、図5に示すように、本技術を適用した撮像素子11は、従来技術よりも、より良好な分光特性を得ることができる。
【0038】
従って、撮像素子11は、素子分離部22および素子分離部23による素子分離性能を向上させることができる結果、よりダイナミックレンジが広く、かつ、より良好な分光特性で撮像することができ、その撮像により得られる画像の画質を改善することが可能となる。
【0039】
さらに、撮像素子11は、素子分離部23の配置位置を像高に応じて調整することで、瞳補正を行うことができるので、例えば、画角端における光の混色を抑制することが可能となる。図6乃至図8を参照して、像高に応じた素子分離部23の配置位置の調整について説明する。
【0040】
図6には、像高中心における平面レイアウトおよび断面構成が示されており、図7には、像高-8割における平面レイアウトおよび断面構成が示されており、図8には、像高+8割における平面レイアウトおよび断面構成が示されている。
【0041】
図6に示すように、像高中心では、光入射面に対して垂直方向に光が入射し、素子分離部23は、一点鎖線で示す画素21の中心に対して等間隔となるように配置される。また、オンチップレンズ43は、その中心が、画素21の中心に一致するように配置される。
【0042】
図7に示すように、像高-8割では、光入射面に対して斜め方向に、撮像素子11の中央から外側に向かって光が入射する。そして、素子分離部23は、撮像素子11の中央側では画素21の中心に近くなり、撮像素子11の外側では画素21の中心から遠くなる(図面の左側に寄せる)ように、配置位置が調整される。また、オンチップレンズ43は、その中心が、画素21の中心よりも撮像素子11の中央側に配置される(図面の右側に寄せる)ように配置位置が調整される。
【0043】
図8に示すように、像高+8割では、光入射面に対して斜め方向に、撮像素子11の中央から外側に向かって光が入射する。そして、素子分離部23は、撮像素子11の中央側では画素21の中心に近くなり、撮像素子11の外側では画素21の中心から遠くなる(図面の右側に寄せる)ように、配置位置が調整される。また、オンチップレンズ43は、その中心が、画素21の中心よりも撮像素子11の中央側に配置される(図面の左側に寄せる)ように配置位置が調整される。
【0044】
なお、撮像素子11では、フォトダイオード41の形状も、像高に応じて調整してもよい。例えば、図6に示すように、像高中心では、フォトダイオード41は、半導体基板31の垂直方向に沿った形状に形成される。これに対し、図7の像高-8割および図8の像高+8割に示すように、フォトダイオード41’は、半導体基板31の垂直方向に対して斜めとなるように、光入射面から深さ方向に向かうに従って撮像素子11の外側に向かうような形状で形成される。例えば、フォトダイオード41’を形成する際の不純物を注入する位置を、不純物を注入する深さ方向に応じて外側に移動させることで、フォトダイオード41’を斜めとなる形状で形成することができる。
【0045】
このように、撮像素子11は、素子分離部23の配置位置を像高に応じて調整することによって瞳補正を可能にし、例えば、高像高側において光が混色することを適切に抑制することができる。また、撮像素子11は、像高に応じて、オンチップレンズ43の配置位置を調整し、フォトダイオード41の形状を変更することによっても、瞳補正を可能にすることができる。
【0046】
以上のように、撮像素子11は、素子分離部22および素子分離部23によって画素21どうしの間の素子分離性能を向上させることができる。これにより、撮像素子11は、フォトダイオード41の飽和信号量の増加と、隣接する画素21との間の電荷遮蔽性の向上とを両立するとともに、混色の発生を抑制することによって、さらなる画質の向上を図ることができる。
【0047】
なお、撮像素子11は、図1に示したように、トランジスタおよびFD部が行方向に配置される構成の他、トランジスタおよびFD部が列方向に配置される構成を採用してもよい。この場合、素子分離部22が列方向に沿って形成され、素子分離部23が行方向に沿って形成されること、即ち、図1の構成に対して90°回転した構成とすることができる。
【0048】
さらに、撮像素子11は、素子分離部22および素子分離部23の幅が略同一となるような構成としてもよい。この場合、素子分離部22および素子分離部23は、それぞれ異なる工程でトレンチを加工することにより、それぞれ異なる深さで、即ち、素子分離部23が素子分離部22よりも深くなる形状で形成することができる。
【0049】
<撮像素子の第2の構成例>
図9を参照して、本技術を適用した撮像素子の第2の実施の形態の構成例について説明する。
【0050】
図9のAには、第2の実施の形態である撮像素子11-2の平面的なレイアウトが示されている。
【0051】
撮像素子11-2は、複数の画素21が行方向および列方向に沿ってアレイ状に配置されている点で、図1の撮像素子11と同様に構成されている。
【0052】
一方、撮像素子11-2は、隣接する画素21どうしを分離する素子分離部24が、個々の画素21においてフォトダイオード41の外周を囲う形状に形成される点で、図1の撮像素子11と異なる構成となっている。また、撮像素子11-2の素子分離部24は、図1の撮像素子11の素子分離部22および素子分離部23と同様に、上述したような素子分離部に交差部を有さないパターンで構成されている。
【0053】
従って、撮像素子11-2は、素子分離部に交差部が設けられるような構成と比較して、より深く素子分離部24を形成することができるので、素子分離部24によって画素21どうしの間の素子分離性能を向上させることができる。
【0054】
図9のBには、第2の実施の形態の変形例である撮像素子11-2aの平面的なレイアウトが示されている。
【0055】
撮像素子11-2aは、個々の画素21においてフォトダイオード41の外周を囲う形状に形成された素子分離部24’が設けられて構成される。そして、素子分離部24’は、意図的に、所望の個所の幅が太くなるように形成され、図示する例では、列方向に向かう両側において幅広部25および26が形成されている。
【0056】
これにより、撮像素子11-2aは、幅広部25および26が形成されている素子分離部24’の両側の領域の深さが、その他の領域の深さよりも、より深く形成される。例えば、撮像素子11-2aは、トランジスタ45(図2)やFD部46(図3)などの素子が形成されない個所に対応させて幅広部25および26を形成するように素子分離部24’が設けられる。これにより、素子分離部24’は、トランジスタ45(図2)やFD部46(図3)などの素子が形成されている個所では、それらの素子に届かないような深さで形成され、それらの素子が形成されていない個所ではより深く形成される。
【0057】
従って、撮像素子11-2aは、素子分離部24’による素子分離性能を、さらに向上させることができ、例えば、光の混色を抑制する効果をより良好に得ることができる。
【0058】
以上のように、撮像素子11-2および11-2aは、それぞれ素子分離部24および24’によって画素21どうしの間の素子分離性能を向上させることができ、図1の撮像素子11と同様に、さらなる画質の向上を図ることができる。
【0059】
<撮像素子の第3の構成例>
図10乃至図14を参照して、本技術を適用した撮像素子の第3の実施の形態の構成例について説明する。
【0060】
図10には、第3の実施の形態である撮像素子11-3の平面的なレイアウトが示されている。
【0061】
撮像素子11-3は、複数の画素21が行方向および列方向に沿ってアレイ状に配置され、隣接する画素21どうしを分離するための素子分離部22および素子分離部23が設けられている点で、図1の撮像素子11と同様に構成されている。
【0062】
一方、撮像素子11-3は、1つの画素21が2つのフォトダイオード41aおよび41bを有している点で、図1の撮像素子11と異なる構成となっている。例えば、撮像素子11-3の画素21は、1つのオンチップレンズ43により集光される光を2つのフォトダイオード41aおよび41bで分割して受光することで、例えば、オートフォーカスに用いられる像面位相差の検出に利用することができる。
【0063】
このように、撮像素子11-3は、素子分離部22および素子分離部23によって、2つのフォトダイオード41aおよび41bを有する画素21どうしの間の素子分離性能を向上させることができる結果、図1の撮像素子11と同様に、さらなる画質の向上を図ることができる。
【0064】
なお、撮像素子11-3は、2つ以上の所定数のフォトダイオード41を有する構成としてもよい。
【0065】
図11には、第3の実施の形態の第1の変形例である撮像素子11-3aの平面的なレイアウトが示されている。
【0066】
撮像素子11-3aは、撮像素子11-3と同様に、1つの画素21が2つのフォトダイオード41aおよび41bを有しているのに加えて、フォトダイオード41aおよび41bの間に素子分離部27を有した構成となっている。例えば、素子分離部27は、素子分離部23と略同一の深さに形成される。
【0067】
即ち、撮像素子11-3aでは、フォトダイオード41aおよび41bの間を素子分離部27で分離することで、フォトダイオード41aおよび41bの間における電荷漏出を抑制することができる。これにより、撮像素子11-3aは、例えば、位相差の検出性能を向上させることができる。
【0068】
また、図示するように、撮像素子11-3aでは、画素21の中央部で分離するように、中央部以外の領域に素子分離部27が形成されている。これにより、撮像素子11-3aは、例えば、素子分離性能は低下するものの、オンチップレンズ43により集光される光が素子分離部27によって乱反射することを回避することができる。
【0069】
図12には、第3の実施の形態の第2の変形例である撮像素子11-3bの平面的なレイアウトが示されている。
【0070】
撮像素子11-3bは、撮像素子11-3と同様に、1つの画素21が2つのフォトダイオード41aおよび41bを有しているのに加えて、フォトダイオード41aおよび41bの間に素子分離部28を有した構成となっている。また、撮像素子11-3aでは、素子分離部27は画素21の中央で分離するように形成されていたのに対し、撮像素子11-3bでは、素子分離部28は連続してフォトダイオード41aおよび41bを分離するように形成されている。例えば、素子分離部28は、素子分離部23と略同一の深さに形成される。
【0071】
このような構成の撮像素子11-3bは、フォトダイオード41aおよび41bの間における電荷漏出をさらに抑制することができ、例えば、撮像素子11-3aよりも素子分離性能を向上させることができる。
【0072】
図13には、第3の実施の形態の第3の変形例である撮像素子11-3cの平面的なレイアウトが示されている。
【0073】
撮像素子11-3cは、撮像素子11-3と同様に、1つの画素21が2つのフォトダイオード41aおよび41bを有している。そして、撮像素子11-3cでは、緑色の画素21Grおよび21Gb並びに青色の画素21Bには、素子分離部28が設けられ、赤色の画素21Rには、中央部で分離するような素子分離部27が設けられている。このような構成の撮像素子11-3cは、光の波長依存を有する隣接画素への混色を抑制しつつ、具体的には、赤色の画素21Rにおける乱反射による緑色の画素21Grおよび21Gb並びに青色の画素21Bへの混色を抑制しつつ、素子分離性能の向上を図ることができる。
【0074】
なお、素子分離部27または素子分離部28を設ける組み合わせは、図13に示すレイアウトに限定されることなく、画素21ごとに任意の組み合わせを用いることができる。また、図10に示したように、所定の画素21に素子分離部27および素子分離部28を設けない構成を組み合わせてもよい。
【0075】
さらに、撮像素子11-3乃至11-3cのように、1つの画素21が2つのフォトダイオード41aおよび41bを有する構成では、フォトダイオード41の体積が半減されることになる結果、飽和信号量も半分に減ってしまうことが懸念される。そのため、例えば、固定電荷膜を成膜したり、不純物注入を行ったりすることでP/N境界面積(P型領域とN型領域との境界の面積)の増加を図ることで、飽和信号量の減少を抑制することができる。
【0076】
例えば、図14には、固定電荷膜33が設けられた構成例が示されている。
【0077】
図14のAには、図10に示した撮像素子11-3のように、1つの画素21Rが2つのフォトダイオード41aおよび41bを有している構成が示されている。図示するように、素子分離部23の側面に固定電荷膜33が成膜されている。また、図示しないが、素子分離部22の側面についても、同様に、固定電荷膜33が成膜されている。
【0078】
また、図14のBには、図11に示した撮像素子11-3aのように、1つの画素21Rが2つのフォトダイオード41aおよび41bを有し、それらの間が素子分離部27によって分離された構成が示されている。図示するように、素子分離部23および素子分離部27の側面に固定電荷膜33が成膜されている。また、図示しないが、素子分離部22の側面についても、同様に、固定電荷膜33が成膜されている。なお、図12に示した撮像素子11-3bおよび図13に示した撮像素子11-3cについても同様の構成を採用することができる。
【0079】
以上のように、撮像素子11-3乃至11-3cは、固定電荷膜33を設ける構成とすることによってP/N境界面積を増加し、フォトダイオード41aおよび41bの飽和信号量の減少を抑制することができる。従って、撮像素子11-3乃至11-3cは、例えば、位相差の検出性能を向上させることができる。
【0080】
<撮像素子の製造方法>
図15および図16を参照して、撮像素子11の製造方法の一例について説明する。図15および図16では、それぞれ左側には図1の一点鎖線A1-A1に沿った断面が示されており、それぞれ右側には図1の一点鎖線A2-A2に沿った断面が示されている。
【0081】
まず、図15の上段に示すように、第1の工程において、半導体基板31に対して不純物が注入されることによりフォトダイオード41およびFD部46が形成される。さらに、半導体基板31の表面である素子形成面にトランジスタ45が形成されるとともに、図示しない配線層が積層された後、半導体基板31の裏面に対する薄膜化が施されて光入射面が形成される。その後、半導体基板31の光入射面に対してレジスト51の塗布および露光が施され、不要な箇所を除去することで、素子分離部22および素子分離部23が形成される個所以外を覆うようなレジスト51が形成される。
【0082】
そして、図15の下段に示すように、第2の工程において、半導体基板31に対してドライエッチングが施され、レジスト51により覆われていない個所において半導体基板31が彫り込まれて、トレンチ52および53が形成される。このとき、素子分離部22に対応する個所のトレンチ幅よりも、素子分離部23に対応する個所のトレンチ幅が太くなるようにレジスト51が形成されている。従って、マイクロローディング効果によって、素子分離部22に対応する個所のトレンチ52よりも、素子分離部23に対応する個所のトレンチ53が深くなるように加工される。その後、レジスト51が除去される。
【0083】
次に、第3の工程において、例えば、酸化膜がトレンチ52および53に埋め込まれることで、図16の上段に示すように、素子分離部22および素子分離部23が形成される。なお、図14に示したような固定電荷膜33をトレンチ52および53に成膜した後に、素子分離部22および素子分離部23を形成してもよい。
【0084】
そして、第4の工程において、カラーフィルタ42および画素間遮光膜44を配置して絶縁層32を形成し、さらにオンチップレンズ43のパターニングおよび加工を施す。これにより、図16の下段に示すように、隣接する画素21どうしが素子分離部22および素子分離部23により分離された撮像素子11が製造される。
【0085】
以上のような製造方法では、トレンチ52およびトレンチ53の幅を異なるものとすることで、それぞれ深さの異なるトレンチ52およびトレンチ53を掘り込む工程を同時に行うことができる。これにより、より短時間で、かつ、より高い加工精度で撮像素子11を製造することができる。
【0086】
なお、例えば、トレンチ52およびトレンチ53の幅を同一として、それぞれエッチング時間が異なるように、トレンチ52およびトレンチ53を掘り込む工程を別々に行ってもよい。例えば、トレンチ52のエッチング時間よりもトレンチ53のエッチング時間を長くすることで、素子分離部22よりも素子分離部23を深く形成することができる。
【0087】
ところで、トレンチ52およびトレンチ53を掘り込む工程を別々に行った場合には、先の加工工程が行われた後の段差などによって、後の加工工程における加工精度が低下するなどの悪影響が生じる恐れがある。これに対し、図15および図16を参照して説明したように、トレンチ52およびトレンチ53を掘り込む工程を同時に行うことで、このような段差などの悪影響が生じることを回避することができる。
【0088】
以上のような工程で製造される撮像素子11は、上述したように、画素21どうしの間の素子分離性能を向上させることができ、より画質の向上を図ることができる。
【0089】
<電子機器の構成例>
上述したような撮像素子11は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像システム、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0090】
図17は、電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0091】
図17に示すように、撮像装置101は、光学系102、撮像素子103、信号処理回路104、モニタ105、およびメモリ106を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0092】
光学系102は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの像光(入射光)を撮像素子103に導き、撮像素子103の受光面(センサ部)に結像させる。
【0093】
撮像素子103としては、上述した撮像素子11が適用される。撮像素子103には、光学系102を介して受光面に結像される像に応じて、一定期間、電子が蓄積される。そして、撮像素子103に蓄積された電子に応じた信号が信号処理回路104に供給される。
【0094】
信号処理回路104は、撮像素子103から出力された画素信号に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路104が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ105に供給されて表示されたり、メモリ106に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0095】
このように構成されている撮像装置101では、上述した撮像素子11を適用することで、例えば、より高画質な画像を撮像することができる。
【0096】
<イメージセンサの使用例>
図18は、上述のイメージセンサ(撮像素子)を使用する使用例を示す図である。
【0097】
上述したイメージセンサは、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0098】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0099】
<構成の組み合わせ例>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
半導体基板に設けられる複数の光電変換部と、
前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に設けられる分離部と、
前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる複数の素子と
を備え、
前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも深くなる形状である
撮像素子。
(2)
前記第2の深さの前記分離部における幅が、前記第1の深さの前記分離部における幅よりも狭く設定される
上記(1)に記載の撮像素子。
(3)
前記半導体基板を平面視して、前記第2の深さの前記分離部が所定の方向に沿って複数の前記光電変換部に亘って連続して設けられるとともに、前記第1の深さの前記分離部が前記所定の方向に対して直交する方向に沿って前記光電変換部ごとに設けられ、
前記第1の深さの前記分離部と、前記第2の深さの前記分離部との間が不連続となる隙間が設けられた構成である
上記(1)または(2)に記載の撮像素子。
(4)
前記第2の深さの前記分離部における幅が、前記第1の深さの前記分離部における幅よりも狭く、それぞれの前記分離部を掘り込む工程が同時に行われることで前記分離部が設けられている
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の撮像素子。
(5)
前記第2の深さの前記分離部を掘り込む工程と、前記第1の深さの前記分離部を掘り込む工程とが別々に行われることで前記分離部が設けられている
上記(3)に記載の撮像素子。
(6)
前記第1の深さの前記分離部は、前記光電変換部が配置される位置の像高に応じて調整された位置に配置される
上記(3)に記載の撮像素子。
(7)
前記分離部は、前記半導体基板を平面視して、個々の前記光電変換部を囲う形状である
上記(1)に記載の撮像素子。
(8)
1つの画素に対して所定数の前記光電変換部が設けられた構成である
上記(1)から(7)までのいずれかに記載の撮像素子。
(9)
1つの前記画素内で、前記光電変換部の間に前記第1の深さの前記分離部が設けられた構成である
上記(8)に記載の撮像素子。
(10)
前記画素内における中央部以外の領域に、前記分離部が設けられた構成である
上記(8)または(9)に記載の撮像素子。
(11)
前記分離部の側壁に、P型領域とN型領域との境界が設けられた構成である
上記(8)から(10)までのいずれかに記載の撮像素子。
(12)
半導体基板に複数の光電変換部を形成することと、
前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に分離部を形成することと、
前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に複数の素子を形成することと
を含み、
前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも深く形成される
撮像素子の製造方法。
(13)
半導体基板に設けられる複数の光電変換部と、
前記半導体基板に対して光が入射する側となる光入射面から所定の深さで、前記光電変換部を有する画素どうしの間に設けられる分離部と、
前記光入射面に対して反対側となる素子形成面に設けられる複数の素子と
を有し、
前記分離部は、前記素子が設けられる領域における深さである第1の深さが、前記素子が設けられない領域における深さである第2の深さよりも深くなる形状である
撮像素子を備えた電子機器。
【0100】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0101】
11 撮像素子, 21 画素, 22乃至24 素子分離部, 25および26 幅広部, 27および28 素子分離部, 31 半導体基板, 32 絶縁層, 33 固定電荷膜, 41 フォトダイオード, 42 カラーフィルタ, 43 オンチップレンズ, 44 画素間遮光膜, 45 トランジスタ, 46 FD部, 51 レジスト, 52および53 トレンチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18