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特許7479812搬送ユニット、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】搬送ユニット、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240430BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G03G15/08 366
G03G21/18 114
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019178027
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021056323
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】宝田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌明
(72)【発明者】
【氏名】和田 晃治
(72)【発明者】
【氏名】小川 毅
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-182769(JP,A)
【文献】特開2014-206766(JP,A)
【文献】特開2007-183572(JP,A)
【文献】特開2007-101718(JP,A)
【文献】特開2006-163207(JP,A)
【文献】特開2006-350105(JP,A)
【文献】特開2019-035860(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0104325(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像装置であって、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に供給される現像剤を収容する現像剤供給室と、
現像剤を収容する現像剤収容部であって、
現像剤を収容する収容室と、
前記収容室の長手方向である第1方向に対して第一の端部に設けられ、現像装置の外部より前記収容室へ現像剤が補給される補給口と、
前記第1方向に対して前記第一の端部に設けられ、前記補給口から補給された現像剤の一部を前記収容室から前記現像剤供給室へ排出する第1排出口と、
前記第1方向に対して前記第一の端部の反対側の第二の端部に整列して設けられ、前記第1排出口よりも前記補給口から離れた位置に配置され、前記補給口から補給された現像剤の一部を前記収容室から前記現像剤供給室へ排出する第2排出口と、
前記第1方向に対して前記第1排出口と前記第2排出口と整列し、前記第1排出口と前記第2排出口との間において現像剤が前記収容室から前記現像剤供給室へ排出されることを遮る部分と、
を備える現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に設けられ、前記収容室に収容された現像剤を前記補給口側から前記第1排出口および前記第2排出口側へ搬送する搬送機構であって、
前記第1方向に沿って延びる回転軸線を中心に回転可能な回転軸部と、
前記回転軸部の前記第一の端部側に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり、且つ、前記第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、
前記回転軸部の前記第二の端部側に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり、且つ、前記第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部と、
を備える搬送機構と、
を備え、
前記第1回転搬送部は、所定の巻方向を有する第1羽根部を備え、
前記第2回転搬送部は、前記所定の巻方向とは逆の巻方向を有する第2羽根部を備え、
前記第2羽根部の羽根間のピッチ間隔は、前記第1羽根部の羽根間のピッチ間隔よりも大きい、ことを特徴とする現像装置
【請求項2】
現像装置であって、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に供給される現像剤を収容する現像剤供給室と、
現像剤を収容する現像剤収容部であって、
現像剤を収容する収容室と、
前記収容室の長手方向である第1方向に対して第一の端部に設けられ、現像装置の外部より前記収容室へ現像剤が補給される補給口と、
前記第1方向に対して前記第一の端部に設けられ、前記補給口から補給された現像剤の一部を前記収容室から前記現像剤供給室へ排出する第1排出口と、
前記第1方向に対して前記第一の端部の反対側の第二の端部に整列して設けられ、前記第1排出口よりも前記補給口から離れた位置に配置され、前記補給口から補給された現像剤の一部を前記収容室から前記現像剤供給室へ排出する第2排出口と、
前記第1方向に対して前記第1排出口と前記第2排出口と整列し、前記第1排出口と前記第2排出口との間において現像剤が前記収容室から前記現像剤供給室へ排出されることを遮る部分と、
を備える現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に設けられ、前記収容室に収容された現像剤を前記補給口側から前記第1排出口および前記第2排出口側へ搬送する搬送機構であって、
前記第1方向に沿って延びる回転軸線を中心に回転可能な回転軸部と、
前記回転軸部の前記第一の端部側に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり、且つ、前記第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、
前記回転軸部の前記第二の端部側に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり、且つ、前記第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部と、
を備える搬送機構と、
を備え、
前記第1回転搬送部は、所定の巻方向を有する第1羽根部を備え、
前記第2回転搬送部は、前記所定の巻方向とは逆の巻方向を有する第2羽根部を備え、
前記第1方向において、前記第2羽根部の長さは、前記第1羽根部の長さよりも長い、
ことを特徴とする現像装置
【請求項3】
前記回転軸部の長手方向において、前記第1羽根部と前記第2羽根部の間に前記第1羽根部と前記第2羽根部を接続する接続部が設けられており、
前記接続部は、前記第2排出口よりも前記第1排出口に近い、ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置
【請求項4】
前記第2排出口の開口面積は、前記第1排出口の開口面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の現像装置
【請求項5】
前記搬送機構は、
前記回転軸部、前記第1回転搬送部、および、前記第2回転搬送部を備える第1搬送部材と、
前記第1方向に沿う方向に沿って延びると共に、前記補給口から現像剤を搬送する第2搬送部材と、
前記第1搬送部材と前記第2搬送部材の間に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第2搬送部材側から前記第1搬送部材側へ現像剤を搬送する第3搬送部材と、
を備える、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の現像装置
【請求項6】
前記第2搬送部材は、
回転可能な第2回転軸部と、
一端が前記第2回転軸部に固定され、他端が自由端となり前記第2回転軸部と共に回転するシート部と、を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置
【請求項7】
前記第3搬送部材は、無端ベルトと、前記無端ベルトを支持する支持部と、を備える、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の現像装置
【請求項8】
前記無端ベルトは、第1ベルト部と、第2ベルト部を備えている、ことを特徴とする請求項7に記載の現像装置
【請求項9】
現像剤を収容する収容室と、前記収容室の長手方向の一方側に設けられ外部より前記収容室へ現像剤を補給する補給口と、前記長手方向の前記一方側に設けられ前記収容室から現像剤を排出する第1排出口と、前記長手方向の他方側に設けられ前記第1排出口よりも前記補給口から離れた位置に配置され前記収容室から現像剤を排出する第2排出口と備える現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に設けられ、前記収容室に収容された現像剤を前記補給口側から前記第1排出口および前記第2排出口側へ搬送する搬送機構と、
有する、搬送ユニットであって、
前記搬送機構は、
前記第1排出口と前記第2排出口を結ぶ第1方向に沿う方向に沿って延びると共に前記第1方向を回転軸方向として回転可能な回転軸部と、前記回転軸部に設けられ前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、前記回転軸部に設けられ前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部とを備える第1搬送部材と、
前記第1方向に沿う方向に沿って延びると共に、前記補給口から現像剤を搬送する第2搬送部材と、
前記第1排出口と前記第2排出口の間の領域の中央、且つ、前記第1搬送部材と前記第2搬送部材の間に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第2搬送部材側から前記第1搬送部材側へ現像剤を搬送する第3搬送部材と、
前記第2搬送部材から搬送された現像剤を前記第3搬送部材へ案内する案内部材と、
を有する、ことを特徴とする搬送ユニット。
【請求項10】
現像装置であって、
現像剤を収容する現像剤収容部であって、
現像剤を収容する収容室と、
前記収容室の長手方向である第1方向に対して第一の端部に設けられ、現像装置の外部より前記収容室へ現像剤を補給する補給口と、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に供給される現像剤を収容する現像剤供給室と、
前記第1方向に対して前記第一の端部に設けられ、前記補給口から補給された現像剤の一部を前記収容室から前記現像剤供給室へ排出する第1排出口と、
前記第1方向に対して前記第一の端部の反対側の第二の端部に整列して設けられ前記第1排出口よりも前記補給口から離れた位置に配置され、前記補給口から補給された現像剤の一部を前記収容室から前記現像剤供給室へ排出する第2排出口と
前記第1方向に対して前記第1排出口と前記第2排出口と整列し、前記第1排出口と前記第2排出口との間において現像剤が前記収容室から前記現像剤供給室へ排出されることを遮る部分と、
備える現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に設けられ、前記収容室に収容された現像剤を前記補給口側から前記第1排出口および前記第2排出口側へ搬送する搬送機構であって
記第1方向に沿って延びる回転軸線を中心に回転可能な回転軸部と、
前記回転軸部の前記第一の端部側に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、
前記回転軸部に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部と、を備える搬送機構と
を備え、
前記第1排出口の開口面積は、前記第2排出口の開口面積よりも大きい、ことを特徴とする現像装置
【請求項11】
請求項に記載の搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによって搬送された現像剤を担持する現像剤担持体と、を備えることを特徴とする現像装置
【請求項12】
請求項1~8又は10、11のいずれか1項に記載の現像装置と、
前記現像剤担持体から供給される現像剤によって現像された現像剤像を担持する像担持体と、を備ることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記プロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能である、ことを特徴とする請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
前記現像剤は、一成分の非磁性現像剤である、ことを特徴とする請求項1又は13に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項15】
請求項1~8又は10、11のいずれか1項に記載の現像装置、もしくは、請求項1~14のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ、のいずれか一つと、
転写部材と、を有する、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成装置に使用される搬送ユニット、プロセスカートリッジに関する。特に、電子写真方式を採用する電子写真画像形成装置および電子写真画像形成装置に使用される搬送ユニット、プロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、感光ドラムの表面に形成したトナー像を、転写媒体としての転写材に転写することで、画像を形成する。そして、現像剤の補給方式は、例えばプロセスカートリッジ方式やトナー補給方式が知られている。プロセスカートリッジ方式は、感光ドラムと現像容器をプロセスカートリッジとして一体化し、現像剤が切れるとプロセスカートリッジを新品に交換する方式である。
【0003】
一方、トナー補給方式は、トナーが切れると、新たにトナーを現像容器に補給する方式である。従来、トナーが搬送されるトナー搬送路に、トナーを補給可能なトナー供給箱が接続されるトナー補給方式の一成分現像装置が提案されている(特許文献1参照)。トナー供給箱に貯留されたトナーは、搬送スクリューによってトナー搬送路に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-30084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、画像形成装置は、上述のプロセスカートリッジ方式やトナー補給方式等の、さまざまな使われ方がユーザから求められている。
【0006】
そので、本発明は、画像形成装置および画像形成装置に使用される搬送ユニット、プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の搬送ユニットは、現像装置であって、現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤担持体に供給される現像剤を収容する現像剤供給室と、現像剤を収容する現像剤収容部であって、現像剤を収容する収容室と、収容室の長手方向である第1方向に対して第一の端部に設けられ、現像装置の外部より収容室へ現像剤が補給される補給口と、第1方向に対して第一の端部に設けられ、補給口から補給された現像剤の一部を収容室から現像剤供給室へ排出する第1排出口と、第1方向に対して第一の端部の反対側の第二の端部に整列して設けられ、第1排出口よりも補給口から離れた位置に配置され、補給口から補給された現像剤の一部を収容室から現像剤供給室へ排出し第1排出口とは異なる第2排出口と、第1方向に対して第1排出口と第2排出口と整列し、第1排出口と第2排出口との間において現像剤が収容室から現像剤供給室へ落下することを遮る部分と、を備える現像剤収容部と、現像剤収容部に設けられ、収容室に収容された現像剤を補給口側から第1排出口および第2排出口側へ搬送する搬送機構であって、第1方向に沿って延びる回転軸線を中心に回転可能な回転軸部と、回転軸部の第一の端部側に設けられ、回転軸部と共に回転可能であり、且つ、第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、回転軸部の第二の端部側に設けられ、回転軸部と共に回転可能であり、且つ、第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部と、を備える搬送機構と、を備え、第1回転搬送部は、所定の巻方向を有する第1羽根部を備え、第2回転搬送部は、所定の巻方向とは逆の巻方向を有する第2羽根部を備え、第2羽根部の羽根間のピッチ間隔は、第1羽根部の羽根間のピッチ間隔よりも大きい、ことを特徴とする。
【0008】
他の本発明の搬送ユニットは、
現像剤を収容する収容室と、前記収容室の長手方向の一方側に設けられ外部より前記収容室へ現像剤を補給する補給口と、前記長手方向の前記一方側に設けられ前記収容室から現像剤を排出する第1排出口と、前記長手方向の他方側に設けられ前記第1排出口よりも前記補給口から離れた位置に配置され前記収容室から現像剤を排出する第2排出口と備える現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に設けられ、前記収容室に収容された現像剤を前記補給口側から前記第1排出口および前記第2排出口側へ搬送する搬送機構と、
有する、搬送ユニットであって、
前記搬送機構は、
前記第1排出口と前記第2排出口を結ぶ第1方向に沿う方向に沿って延びると共に前記第1方向を回転軸方向として回転可能な回転軸部と、前記回転軸部に設けられ前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、前記回転軸部に設けられ前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部とを備える第1搬送部材と、
前記第1方向に沿う方向に沿って延びると共に、前記補給口から現像剤を搬送する第2搬送部材と、
前記第1排出口と前記第2排出口の間の領域の中央、且つ、前記第1搬送部材と前記第2搬送部材の間に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第2搬送部材側から前記第1搬送部材側へ現像剤を搬送する第3搬送部材と、
前記第2搬送部材から搬送された現像剤を前記第3搬送部材へ案内する案内部材と、
を有する、ことを特徴とする。
【0009】
更に他の本発明の搬送ユニットは、
現像剤を収容する収容室と、前記収容室の長手方向の一方側に設けられ外部より前記収容室へ現像剤を補給する補給口と、前記長手方向の前記一方側に設けられ前記収容室から現像剤を排出する第1排出口と、前記長手方向の他方側に設けられ前記第1排出口よりも前記補給口から離れた位置に配置され前記収容室から現像剤を排出する第2排出口と備える現像剤収容部と、
前記現像剤収容部に設けられ、前記収容室に収容された現像剤を前記補給口側から前記第1排出口および前記第2排出口側へ搬送する搬送機構と、
有する、搬送ユニットであって、
前記搬送機構は、
前記第1排出口と前記第2排出口を結ぶ第1方向に沿う方向に沿って延びると共に、前記第1方向を回転軸方向として回転可能な回転軸部と、
前記回転軸部に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部と、
前記回転軸部に設けられ、前記回転軸部と共に回転可能であり且つ前記第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部と、を備え、
前記第1排出口の開口面積は、前記第2排出口の開口面積よりも大きい、ことを特徴とする。
【0010】
本発明のプロセスカートリッジは、前記搬送装置と、前記搬送装置によって搬送された現像剤を担持する現像剤担持体と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置は、前記搬送装置、もしくは、前記プロセスカートリッジ、のいずれか一つと、転写部材と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、画像形成装置および画像形成装置に使用される搬送ユニット、プロセスカートリッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図
図2】(a)本発明の第1実施例に係る画像形成装置の断面概念図;(b)画像形成装置の斜視概念図
図3】本発明の第1実施例に係る画像形成装置の装置本体からプロセスカートリッジを取り外した状態を示す断面概念図
図4】(a)は本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジおよびトナーパックの斜視概念図;(b)は図4(a)に示すS1方向から見たときの、プロセスカートリッジおよびトナーパックの側面概念図
図5】(a)は本発明の第1実施例において、図4(b)に示す6A-6A断面におけるプロセスカートリッジの断面概念図;(b)は図4(b)に示す6B-6B断面におけるプロセスカートリッジの断面概念図;(c)はプロセスカートリッジ内のトナーの移動経路を示す概念図
図6】(a)は本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーパック(シャッタ閉時)の斜視概念図;(b)は図6(a)に示すS2方向から見たときの、トナーパックの平面概念図
図7】(a)は本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーパック(シャッタ開時)の斜視概念図:(b)は図7(a)に示すS2方向から見たときの、トナーパックの平面概念図;(c)はトナーパックよりトナーを補給する際の動作を示す概念図
図8】(a)本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーパックが装着されるトナー受けユニット補給口の一部を拡大した斜視概念図;(b)トナー受けユニット補給口の上面概念図
図9】(a)は本発明の第1実施例の変形例におけるトナーボトルユニット(充填前)の斜視概念図;(b)はトナーボトルユニット(充填後)の斜視概念図;(c)は図9(a)に示すS2方向から見たときの、トナーボトルユニットの平面概念図;(d)は図9(c)に示すA-A断面におけるトナーボトルユニットの断面概念図
図10】(a~f)本発明の第1実施例におけるトナーボトルユニットの各機能部を説明する斜視概念図
図11】本発明の第2実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図
図12】(a)本発明の第3実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図;(b)トナー受けユニットの上面部を含む平面概念図;(c)トナー受けユニットの断面概念図
図13】本発明の第4実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の斜視概念図
図14】本発明の第5実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の斜視概念図
図15】本発明の第1~第5実施例におけるトナー受けユニットの駆動列の斜視概念図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」と称する)、若しくは、画像形成装置の一部を構成するプロセスカートリッジ(以下、「カートリッジ」と称する)、搬送ユニットのいずれかの形態としても実施可能である。
【0015】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して説明する。
【0016】
なお、以下に説明する実施例は、例示的に本発明を説明するものであって、以下に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置関係などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれに限定するものではない。
【0017】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0018】
また、画像形成装置に使用される搬送ユニットは、現像装置の一部として現像装置と一体に形成することができる。現像装置は、少なくとも現像手段(現像ユニット)を有するものである。また、搬送ユニット、もしくは、搬送ユニットを含む現像装置をカートリッジ化して、画像形成装置の本体に着脱可能にすることができる。
【0019】
また、プロセスカートリッジ(カートリッジ)は、画像形成装置の一部を構成するものである。プロセスカートリッジは、少なくとも、搬送ユニットと、現像装置と、電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置の装置本体に対して着脱可能とするものである。なお、プロセスカートリッジを画像形成装置に固定した構成として使用してもよい。
【0020】
以下の説明において、プロセスカートリッジの長手方向とは像担持体である感光体ドラムの回転軸線方向と一致しているものとする。
【0021】
また、説明文中の符号は、図面を参照するためのものであって、構成を限定するものではない。
【0022】
[第1実施例]
まず、電子写真画像形成装置構成と画像形成プロセスについて説明する。
【0023】
図2(a)は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置の断面概念図である。図2(b)は、画像形成装置の斜視概念図である。
【0024】
図3は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置の装置本体からプロセスカートリッジを取り外した状態を示す断面概念図である。
【0025】
なお、図2(a)、(b)には、画像形成装置100の装置本体AにカートリッジB(プロセスカートリッジ)が装着された状態を示している。一方、図3には、カートリッジBが取り外した状態を示している。
【0026】
ここで、装置本体Aとは、画像形成装置100のカートリッジBを除いた部分である。
【0027】
図2を用いて画像形成装置構成について説明する。
【0028】
図2に示すように、本実施例の画像形成装置(画像形成装置100)は、カートリッジB(プロセスカートリッジ)を装置本体Aに着脱可能とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。
【0029】
カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(例えば、記録紙。以下、(紙)シートと記載する)を積載するシートトレイ400が配置されている。
【0030】
装置本体Aには、(紙)シートの搬送方向に沿って、ピックアップローラ401、搬送ローラ対402、転写ガイド403、転写ローラ404(転写部材)、搬送ガイド405、定着ローラ対406、排出ローラ対407、排出トレイ408等が順次配置される。
【0031】
次に、図2図3を用いて画像形成プロセスの概略を説明する。
【0032】
プリントスタート信号に基づいて、像担持体である感光体ドラム601はR方向(図3を参照する)方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0033】
バイアス電圧が印加された帯電ローラ602は、感光体ドラム601の外周面に接触し、感光体ドラム601の外周面を一様均一に帯電する。
【0034】
露光装置30は、画像情報に応じたレーザ光91を出力し、感光体ドラム601の外周面を走査露光する。これにより、感光体ドラム601の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0035】
一方、図3に示すように、現像装置20には、トナー受けユニット収容部8011内の現像剤(以下、「トナー」と称す)は、トナー搬送部材8013~8015によって、撹拌/搬送されてトナー供給室606に送り出される。なお、現像装置20は、カートリッジB(プロセスカートリッジ)の一部を構成するものである。
【0036】
トナーは、現像ローラ25(現像剤担持体)の表面に担持され、現像ブレード603によって、摩擦帯電されつつ現像ローラ25周面の層厚が規制される。
【0037】
トナーは、静電潜像に応じて感光体ドラム601へ転移され、トナー像として可視像化される。即ち、ドラムはトナー(トナー像)を担持して、R方向に回転する。
【0038】
また、図2に示すように、レーザ光の出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ、搬送ローラ対によって、装置本体Aの下部に収納された(紙)シートがシートトレイ400上から給送される。
【0039】
そして、(紙)シートが転写ガイドを経由して、感光体ドラム601と転写ローラ404との間の転写位置へ供給される。この転写位置において、トナー像は感光体ドラム601から(紙)シートに順次転写されていく。
【0040】
トナー像が転写された(紙)シートは、感光体ドラム601から分離されて搬送ガイドに沿って定着ローラ対406に搬送されニップ部を通過する。
【0041】
このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像は(紙)シートに定着される。トナー像の定着処理を受けた(紙)シートは、排出ローラ対407まで搬送され、排出トレイ408に排出される。
【0042】
一方、図3に示すように、転写後の感光体ドラム601は、クリーニング部材604により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。感光体ドラム601から除去されたトナーはクリーニングユニット803の廃トナー収容室605に貯蔵される。
【0043】
<プロセスカートリッジ>
次に、本実施例のプロセスカートリッジ(カートリッジB)について説明する。特に、カートリッジBとトナーパック40の関係について説明する。
【0044】
図4(a)は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジおよびトナーパックの斜視概念図である。図4(b)は、図4(a)に示すS1方向から見たときの、プロセスカートリッジおよびトナーパックの側面概念図である。
【0045】
図5(a)は、本発明の第1実施例において、図4(b)に示す6A-6A断面におけるプロセスカートリッジの断面概念図である。図5(b)は、図4(b)に示す6B-6B断面におけるプロセスカートリッジの断面概念図である。図5(c)は、プロセスカートリッジ内のトナーの移動経路を示す概念図である。
【0046】
図6(a)は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーパック(シャッタ閉時)の斜視概念図である。図6(b)は、図6(a)に示すS2方向から見たときの、トナーパックの平面概念図である。
【0047】
図4図5に示すように、本実施例では、カートリッジBは、トナー受けユニット801(搬送ユニット)、現像ユニット802、および、クリーニングユニット803から構成されている。
【0048】
トナー受けユニット801、クリーニングユニット803、および、現像ユニット802が、重量方向上方から順に配置されている。以下、トナー受けユニット801について説明する。
【0049】
トナー受けユニット801は、カートリッジBの上部に配置され、内部にトナーを収容する収容室801Aを備えるトナー受けユニット収容部8011(現像剤収容部)を有する。
【0050】
また、トナー受けユニット収容部8011(収容室801A)の長手方向端部には、トナーパック40と結合してトナーパック40内のトナーを受ける補給口8012が設けられている。補給口8012は、トナーパック40に対して連結可能に構成されている。
【0051】
さらに、トナー受けユニット801は、内部に第2搬送部材8013、第3搬送部材8014、第1搬送部材8015が設けられている。具体的には、第2搬送部材8013は、H1方向にトナー搬送することができる。また、第3搬送部材8014は、J方向(第2方向)にトナーを搬送することができる。そして、第1搬送部材8015は、K1方向とK2方向にトナーを搬送することができる。
【0052】
なお、本実施の第1搬送部材、または、第2搬送部材、または、第3搬送部材は、本発明の搬送機構HSを構成するものである。即ち、搬送機構HSは、第1~第3の搬送部材の少なくとも一つを備えることができる。
【0053】
また、本実施例では、第2方向Jは、後述する第1方向(80154)に直交(交差)する方向である。
【0054】
そして、トナー受けユニット801は、トナー受けユニット801から現像ユニット802へトナーが重力により重力方向下方へ搬送されるための排出口8016a(第1排出口)、8016b(第2排出口)を長手方向両端部に設けられている。
【0055】
よって、トナーパック40内に収容されたトナーは、補給口8012より室内に補給された後、第2搬送部材8013、第3搬送部材8014、第1搬送部材8015により、排出口8016(a、b)に搬送される。なお、排出口8016からは、トナーは重力により開口8021(図5(b)を参照する)に落下(補給)される。
【0056】
図7(a)は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーパック(シャッタ開時)の斜視概念図である。図7(b)は、図7(a)に示すS2方向から見たときの、トナーパックの平面概念図である。図7(c)は、トナーパックよりトナーを補給する際の動作を示す概念図である。
【0057】
図6(a)、図7(a)には、トナーパック40の全体形状が示されている。また、図6(b)、図7(b)には、トナーパック40を下方から見た状態(下面図)を示している。そして、図7(c)には、トナー補給時のトナーパック40をユーザが指で絞るイメージを示している。
【0058】
図6図7に示すように、トナーパック40は、開口部に設けられ開閉可能なシャッタ部材41と、樹脂でできた補給口42、トナーが収容される袋部材43、トナーパック40の使用情報が記録されている記憶手段45とを有している。
【0059】
ユーザは、トナー受けユニット801にトナーを補給する場合、トナーパック40を補給口8012の突部8012b(図4(a)参照)を通過するように位置合わせして、トナーパック40を補給口8012に連結する。
【0060】
そして、この状態でユーザがトナーパック40の補給口42を持って180度回転させると、トナーパック40のシャッタ部材41が補給口8012の突部8012b(図4(a)参照)に突き当たることでトナーパック40本体に対して回転する。これにより、シャッタ部材41とトナーパック40との相対移動によって、補給開口42aが露出される構成となっている。トナーパック40に収容されたトナーが補給口42の補給開口42aから漏下し、漏下したトナーは、補給口8012を介してトナー受けユニット収容部8011(図5(a)参照)に供給されることになる。シャッタ部材41の開閉動作については詳細を後述する。
【0061】
また、シャッタ部材41が開かれた時にトナーパック40からトナーを排出させる方法は、ユーザが指で絞るようにするのが好適である。
【0062】
ここで、シャッタ部材41は省いてもよく、回転式のシャッタ部材41の代わりにスライド式のシャッタ部材を適用してもよい。また、シャッタ部材41は、トナーパック40を補給口8012に装着したり装着状態でトナーパックを回転させたりすることで破壊される構成でも良く、シールのような取り外し可能な蓋構造であってもよい。
【0063】
<トナーパック>
次に、トナーパック40について説明する。特に、トナーパック40とカートリッジBのトナー受けユニット801のシャッタ開閉機構、および、シャッタ部材41のロック機構の関係について説明する。
【0064】
図8(a)は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーパックが装着されるトナー受けユニット補給口の一部を拡大した斜視概念図である。図8(b)は、トナー受けユニット補給口の上面概念図である。
【0065】
即ち、図8(a、b)には、トナー受けユニット801の補給口8012周辺の構成を示している。
【0066】
図8(a)に示すように、補給口8012には、補給口8012に対し回転可能に取り付けられる補給口シャッタ7013が備えられる。また、補給口シャッタ7013の回転を規制するロック部材7014と、補給口シャッタ7013の回転を検知する回転検知部7015も備えられている。
【0067】
回転検知部7015は、2枚の導電性のある板バネ70151、70152から構成される。補給口シャッタ7013は図8(b)に示すように、補給口8012をふさぐ蓋部70131と、トナーパック40の記憶手段45に記録された情報を読み取る読み取り部70133と、回転を規制する複数の突出部70135などが備わっている。また、補給口8012にも複数の突出部70125a、70125bが設けられており、補給口シャッタ7013に設けられた複数の突出部70135a、70135bと接触する。なお、補給口シャッタ7013の回転方向は、取付け時にR1方向、取外し時にR2方向に回す。
【0068】
次に、図9及び図10を用いてトナーパック40の別の形態について説明する。
【0069】
図9(a)は、本発明の第1実施例の変形例におけるトナーボトルユニット(充填前)の斜視概念図である。図9(b)は、トナーボトルユニット(充填後)の斜視概念図である。図9(c)は、図9(a)に示すS2方向から見たときの、トナーボトルユニットの平面概念図である。図9(d)は、図9(c)に示すA-A断面におけるトナーボトルユニットの断面概念図である。
【0070】
図10(a~f)は、本発明の第1実施例におけるトナーボトルユニットの各機能部を説明する斜視概念図である。
【0071】
具体的に、図9(a)には、補充トナーを収容する「トナーパック」の別の形態の一例である「トナーボトルユニット」の外観を示している。また、図9(b)には、ユーザがピストンを押してトナーを排出した時状態を示している。
【0072】
また、図10(a)には、トナーボトルユニットの外筒を非表示にした状態を示している。図10(b)には、ユーザがピストンを押してトナーを排出した外筒を非表示にした状態を示している。図10(c)には、押し込み検知に関わる部品のピストン押し前の状態を示している。
【0073】
そして、図10(d)には、押し込み検知に関わる部品のピストンがユーザに押された後の状態を示している。図10(e)には、トナーボトルの回転検知に関わる部品のトナーボトル回転前の状態を示している。図10(f)には、トナーボトルの回転検知に関わる部品のトナーボトルが回転された後の状態を示している。
【0074】
図9(a)及び(c)に示すように、トナーボトルユニット900は、トナーを収容する筒形状の収容部9014、一端にトナーを排出する排出口9011と他端に開口部9012を備える内筒901を備えている。
【0075】
また、トナーボトルユニット900は、内筒901の開口部9012に嵌合する筒状のピストン902と、内筒901を内包し一端に排出口9031、他端に開口部9032を備える筒状の外筒903とを備える。また、トナーボトルユニット900には外筒903の排出口9031を開閉可能に封止するシャッタ904も備えられている。
【0076】
また、内筒901のトナー収容部9014にはトナー収容部9014内を自在に移動可能な球形状の重り部材905が内包されている。
【0077】
また、ピストン902は排出口側端部9023に弾性部材906が備えられ、弾性部材906と逆側端部9022付近の筒状外形に凸形状の押し込みリブ9021が設けられている。内筒901とピストン902は略同軸になっている。
【0078】
また、外筒903内側とピストン902外側の間にはピストン902の動きに連動する押し込み検知棒907が備え付けられている。押し込み検知棒907は排出口側に押し込み検知棒接点解除部9072と逆側端部に押し込み検知棒接触部9071を備えている(図10(c)参照)。
【0079】
また、外筒903の開口部側端部には筒カバー910が備え付けられており、押し込み検知棒907が脱落するのを防止している。
【0080】
内筒901及び外筒903は排出口9011、9031付近に傾斜形状9013、9033が設けてあり、各筒の内側断面積が排出口9011、9031に向かって徐々に小さくなる。
【0081】
また、外筒903は内筒901との間に第1接点板908及び第2接点板909を備え、外筒903の排出口9031付近外形には記憶手段911が備えられている。
【0082】
さらに、記憶手段911は金属板9111、9112、9113を備えている(図10(a)参照)。
【0083】
次に、トナーボトル900がTユニットに装着されてからトナーが補給されるまでの新品検知及び回転検知手段について説明する。
【0084】
まず、図10(a)及び(c)を用いて、新品検知手段について説明する。
【0085】
図10に示すように、押し込み検知棒907の押し込み検知棒解除部9072は第1接点板908及び第2接点板909近傍に位置している。
【0086】
第1接点板908と第2接点板909はピストン902を押す前の状態では接触しており導通を取ることができる。
【0087】
また、第1接点板908及び第2接点板909は押し込み棒907が配置されるのと逆側端部で記憶手段911の金属板9111と9113とそれぞれ接触している。
【0088】
この状態において、記憶手段911と第1接点板908及び第2接点板909は閉鎖経路を形成しており導通をとることができる。
【0089】
ここで、トナーボトルユニット900が画像形成装置100に装着された状態において、本体接点部(不図示)と金属板9111、9113は接触しており、微弱電流を流し導通がとれるとピストン902が押されていない状態と認識する。
【0090】
次に、図10(b)及び(d)に示すように、ピストン902が押されると押し込みリブ9021が押し込み検知棒接触部9071を押す。そして押し込み検知棒907が排出口側に押されて押し込み検知棒解除部9072が第1接点板908と第2接点板909の接触位置に入り込み導通を解除する。
【0091】
このような構成をとることにより、導通が切断されることで本体はピストン902が押されたことを検知することができるので、未使用品、使用済み品の判断をすることができる。
【0092】
次に、図10(e)及び(f)を用いて回転検知手段について説明する。
【0093】
前述したように、トナーボトルユニット900においてもトナーボトルユニット900を回転することで排出口9011、9031を封止するシャッタ904の開閉を行う。
【0094】
Tユニットには蓋部70131、板バネ70151及び板バネ70152が備え付けられている。また、板バネ70152の端部に接触部701521を備えている。また、蓋部70131の外周上に突起部70135bが形成されている。受入口70131の回転前は板バネ70151及び板バネ70152は接触しておらず導通経路を形成していない。
【0095】
次に、トナーボトルユニット900を蓋部70131に装着して、回転させると蓋部70131の突出部70135bが接触部701521を押すことで、押される個所の裏側が板バネ70151と接触し導通経路が形成される。これにより、トナーボトルユニット900が回転したと本体が検知することができる。
【0096】
トナーボトルユニット900を外す場合はトナーボトルユニット900を蓋部70131と一緒に逆回転させることで、接触部701521が突出部70135bに押されるのが解除され、板バネ70151と非接触状態となり導通経路が切断される。これによりトナーボトルユニット900が脱着可能になる。
【0097】
なお、トナー受けユニット801とトナーボトルユニット900との脱着に関してはトナーパック40の脱着と同様の構成で行われる。
【0098】
<トナー受けユニット>
次に、本発明に関わるトナー受けユニットについて図1図4図5図6図15を用いて説明する。
【0099】
図1は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図である。
【0100】
図15は、本発明の第1(後述する第2~第5)実施例におけるトナー受けユニットの駆動列の斜視概念図である。
【0101】
図1は、本発明の第1実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図である。
【0102】
なお、図15には、トナー受けユニット801の各構成部品を動かす駆動列を示している。
【0103】
図1に示すように、トナー受けユニット801の長手方向(P方向)において、補給口8012に近い側には排出口8016a(第1排出口)が設けられ、遠い側には排出口8016b(第2排出口)が設けられている。
【0104】
また、トナー受けユニット収容部8011の収容室801A内に、第1搬送部材8015、第2搬送部材8013、第3搬送部材8014が配置されている。
【0105】
そして、第1搬送部材8015は、排出口8016aと排出口8016bの略中心を結ぶ仮想直線(第1方向80154)に沿うように配置されている。第1搬送部材8015の両端部と重なるように、排出口8016aと排出口8016bが配置される。
【0106】
本実施例では、第1搬送部材8015は、第1搬送部材軸80150(回転軸部)と、排出口8016aへトナーを送る第1回転搬送部80151(螺旋形状)と排出口8016bへトナーを送る第2回転搬送部80152(逆螺旋形状)から構成されている。
【0107】
第1搬送部材軸80150は、第1方向80154に沿う方向PSに沿って延びるように配置されている。なお、本実施例では、方向PSは、実質上、第1方向80154と同一である。
【0108】
また、第1回転搬送部80151は、所定の巻方向を有する第1羽根部8015Aを備える。第2回転搬送部80152は、所定の巻方向とは逆の巻方向を有する第2羽根部8015Bを備える。
【0109】
また、本実施例では、第1回転搬送部80151と第2回転搬送部80152の間には、切替部80153(接続部)が形成されている。なお、切り替え部80153には、螺旋形状が設けられておらず、回転軸の部分のみ構成されている。なお、第1回転搬送部80151と第2回転搬送部80152を連続的に形成するようにしてもよい。この場合、第1回転搬送部80151と第2回転搬送部80152の螺旋部分の旋回方向が切り替わる部分(境の部分)を切り替え部とすることができる。
【0110】
そして、本実施例では、切替部80153は、トナー受けユニット収納部8011の長手方向の中心位置PLよりも排出口8016a寄りに形成されている。
【0111】
そのため、第2回転搬送部80152の第2羽根部の長手方向幅(長さT2)が第1回転搬送部80151の第1羽根部の長手方向幅(長さT1)よりも大きく形成されている。
【0112】
次に、第2搬送部材8013が第1搬送部材8015と並行するようにトナー受けユニット収容部8011内に配置されている。
【0113】
第2搬送部材8013は一端部が補給口8012付近に配置されている。また、第2搬送部材8013は回転軸(80130)にスリットを切ったシート(例えばPETシート)材(80131)が組付けられた構成になっており、回転させるとトナーを第3搬送部材8014の方向へ搬送することができる。
【0114】
次に、第3搬送部材8014が第1搬送部材8015と第2搬送部材8013の間に配置される。
【0115】
また、第3搬送部材8014のトナー送り方向は、第1搬送部材8015のトナーの送り方向K1あるいはK2もしくは第2搬送部材8013のトナーの一送り方向であるH1と交差する。
【0116】
また、第3搬送部材8014は、2つの回転軸(80140)(図5(a)参照)にシート(例えばPETシート)材(80141)をベルト状に巻き付けた構成になっている。なお、図5に示すように、シート材80141(無端ベルト)を、第1のベルト部8014Aと第2のベルト部8014Bとで構成してもよい。
【0117】
次に、図15を用いて、各搬送部材への駆動力の伝達方法について説明する。
【0118】
図15に示すように、トナー受けユニット収容部8011側面にギア80181、ギア80182、ギア80183、ギア80184が備えてある。
【0119】
また、ギア80184は、第2搬送部材8013と結合しており(結合部不図示)、ギア80181は、第1搬送部材8015と結合している(結合部不図示)。
【0120】
また、ギア80182は、第3搬送部材8014の一軸と一体的に回転可能に結合(結合部不図示)している。
【0121】
次に、装置本体Aからギア80184が駆動力を受けて、さらに下流のギアに駆動力を伝達し、各ギアが結合している各搬送部材が回転する構成になっている。
【0122】
ここで、ギア80184からギア80182に駆動力を伝える構成として、本実施例では、介在するギア(歯車)を配置しているが、ギアを使用せずにベルトをギア80184とギア80182間にかけて駆動力を伝える構成であってもよい。
【0123】
次に、トナーの移動経路(動き)について、図1を用いて説明する。
【0124】
図1に示すように、トナーパック40(図6参照)から補給口8012に補給されたトナーは、補給口8012を中心にトナー受けユニット収容部8011内にV→W→X→Y・・・の順で拡散していく。
【0125】
この場合、排出口8016b側と比較すると、排出口8016a側には多くのトナーが滞留することになる。
【0126】
即ち、排出口8016a付近でトナーが滞留、あるいは排出口8016aが詰まり易い状況になっているといえる。
【0127】
一方、排出口8016b付近にはトナーが少ない状況になっているといえる。
【0128】
次に、搬送部材8013が駆動されると、滞留したトナーはH1及びH2方向に送られる。そして、H2方向に送られたトナーは、第3搬送部材8014に受け渡され、さらに第3搬送部材によってJ方向(第2方向)に送られ第1搬送部材8015に受け渡される。
【0129】
そして、第1搬送部材8015に受け渡されたトナーは、第1回転搬送部80151により排出口8016a側へ、第2回転搬送部80152により排出口8016b側へと送られ、それぞれの排出口8016a、8016bから下流側の現像ユニットへ排出される。
【0130】
ここで、本実施例では、第2回転搬送部80152の長手方向幅(T2)は、第1回転搬送部80151の長手方向幅(T1)よりも大きく構成されている。
【0131】
そのため、トナーの搬送量としては、第2回転搬送部80152の方が第1回転搬送部80151よりも多くなっている。
【0132】
先に述べたように、補給口8012は長手方向片側にあるため、補給口8012側の方ではトナーが滞留する傾向がある。つまり、両側においてトナーの密集の程度に差がある。
【0133】
ここで、トナーの搬送量は第2回転搬送部80152側を多くしているので、排出口8016a付近に滞留したトナーを積極的に排出口8016b側へ送ることができる。
【0134】
以上説明した通り、本構成により、排出口8016a付近の滞留トナーを減少させ、排出口8016aの詰まりを抑制するとともに、排出口8016b側のトナーを増やすことにより排出口8016aと排出口8016b(即ち、長手方向の両側)のトナー排出量の差を軽減することができる。
【0135】
本実施例によれば、従来の構成における下記する課題に対しても有効である。
【0136】
即ち、従来では、内部にトナー搬送部材を備えるトナー供給箱(以下、トナー搬送ユニット)において、トナー受入口(以下、補給口)より供給されるトナーをトナー搬送部材によって複数のトナー排出口に搬送する構成がある。このような構成において、補給口に近いトナー排出口には、多くのトナーが送られるため、トナー滞留もしくはトナー排出口詰まりを引き起こす恐れがあった。
【0137】
この結果、従来の構成では、各排出口のトナー排出量に差が生じることで、さらに下流の画像形成プロセスにおいて、現像剤担持体長手に均一にトナーが供給されず画像不良を引き起こす恐れがあった。
【0138】
本実施例の構成は、上記のような従来の構成における問題の解決策としても有効である。即ち、本実施例の構成によれば、複数のトナー排出口から排出されるトナー量を均一に保つと共に、排出口にトナーがつまるのを効果的に軽減することができる。よって、長手方向により均等にトナーを供給することもでき、画質の向上に寄与することができる。
【0139】
[第2実施例]
次に、図4図5図6図11を用いて本発明に関わる第2実施例について説明する。
【0140】
図11は、本発明の第2実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図である。
【0141】
図11には、トナー受けユニット801の天面を非表示して内部構成を示している。
【0142】
なお、各搬送部材の配置及び駆動に関しては第1実施例と基本的に同様である。
【0143】
図11に示すように、本実施例では、第2回転搬送部(逆螺旋形状)80152の第2羽根部の螺旋ピッチ間隔P2は、第1回転搬送部(螺旋形状)80151の第1羽根部の螺旋ピッチ間隔P1よりも広く形成されている。
【0144】
また、第2回転搬送部(逆螺旋形状)80152の螺旋羽の面積は、第1回転搬送部(螺旋形状)80151の螺旋羽の面積よりも広く形成されている。即ち、第2回転搬送部80152は、第1回転搬送部80151より大きい搬送力を持っている。
【0145】
次に、切替部80153は、第1搬送部材8015の長手中心(PL)に形成されている。
【0146】
そのため、第1回転搬送部80151と第2回転搬送部80152の長手方向は同じ幅になっている。
【0147】
これにより、第1搬送部材8015の1回転あたりのトナーの搬送量は、第2回転搬送部材80152の方が、第1回転搬送部材80151よりも多くなる。
【0148】
次に、トナーの移動経路(動き)について、図11を用いて説明する。
【0149】
トナーパック40(図6参照)から補給口8012に補給されたトナーは、補給口8012を中心にトナー受けユニット収容部8011内にV→W→X→Yの順で拡散していく。
【0150】
この場合、排出口8016bと比較すると排出口8016a側に多くのトナーが滞留することになる。
【0151】
即ち、排出口8016a付近でトナーが滞留、あるいは排出口8016aが詰まり易い状況になっているといえる。
【0152】
また、排出口8016b付近にはトナーが少ない状況になっているといえる。
【0153】
次に、第2搬送部材8013が駆動されると、滞留したトナーはH1及びH2方向に送られる。そして、H2方向に送られたトナーは、第3搬送部材8014に受け渡され、さらに第3搬送部材によってJ方向に送られ第1搬送部材8015に受け渡される。
【0154】
そして、第1搬送部材8015に受け渡されたトナーは、第1回転搬送部80151により排出口8016aへ、第2回転搬送部80152により排出口8016bへと送られ、それぞれの排出口8016a、8016bから下流側の現像ユニットへ排出される。
【0155】
ここで、本実施例では、第2回転搬送部80152の長手方向幅(T4)と第1回転搬送部80151の長手方向幅(T3)が同じ幅に構成されている。長手均一にトナーが受け渡された場合、ほぼ同等量のトナーが二つの回転搬送部に行き渡ることになる。
【0156】
しかし、第1回転搬送部材80151付近(排出口8016a側)では、前述したように多くのトナーが滞留する。このため、第1回転搬送部材80151では排出口8016aにすべてのトナーを送り切れず、余ったトナーが第2回転搬送部材80152付近に押し出されてくる。
【0157】
この場合、前述したように第2回転搬送部80152の方が多くのトナーを搬送できるため、押し出されたトナーを積極的に排出口8016b側に送ることができる。
【0158】
以上説明した通り、本実施例の構成によれば、排出口8016a側に滞留トナーを減少させ、排出口8016aの詰まりを抑制することができる。これと共に、排出口8016b側へ搬送されるトナーを増やすことにより、排出口8016aと排出口8016b(即ち、長手方向における両側)のトナー排出量の差を軽減することもできる。よって、長手方向により均等にトナーを供給することができ、画質の向上に寄与することができる。
【0159】
[第3実施例]
次に、図4図5図6図12を用いて本発明に関わる第3実施例について説明する。
【0160】
図12(a)は、本発明の第3実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の平面概念図である。図12(b)は、トナー受けユニットの上面部を含む平面概念図である。図12(c)は、トナー受けユニットの断面概念図である。
【0161】
図12(a)には、トナー受けユニット801の天面を非表示して内部構成を示している。
【0162】
なお、各搬送部材の配置及び駆動に関しては第1実施例と基本的に同様である。
【0163】
図12に示すように、本実施例では、第1搬送部材8015の切替部80153は、トナー受けユニット収納部8011の長手方向の中心PLに形成される。
【0164】
また、トナー受けユニット収容部8011に形成される排出口8016aと排出口8016bの各開口幅をL1、L2とした場合、排出口8016bの方が大きくなるように(L1<L2)形成されている。即ち、本実施例では、排出口8016bの開口面積MS2は、排出口8016aの開口面積MS1より大きい。
【0165】
これにより、排出口8016aよりも排出口8016bの方が多くのトナーを受入れ、下流の現像ユニットに排出することができる。
【0166】
次に、トナーの移動経路(動き)について、図12を用いて説明する。
【0167】
トナーパック40(図6参照)から補給口8012に補給されたトナーは、補給口8012を中心にトナー受けユニット収容部8011内にV→W→X→Y・・・の順で拡散していく。
【0168】
この場合、排出口8016bと比較すると排出口8016a側に多くのトナーが滞留することになる。
【0169】
即ち、排出口8016a付近でトナーが滞留、あるいは排出口8016aが詰まり易い状況になっているといえる。
【0170】
また、排出口8016b付近にはトナーが少ない状況になっているといえる。
【0171】
次に、第2搬送部材8013が駆動されると、滞留したトナーはH1及びH2方向に送られる。そして、H2方向に送られたトナーは第3搬送部材8014に受け渡され、さらに第3搬送部材によってJ方向に送られ第1搬送部材8015に受け渡される。
【0172】
そして、第1搬送部材8015に受け渡されたトナーは、第1回転搬送部80151により排出口8016aへ、第2回転搬送部80152により排出口8016bへと送られ、それぞれの排出口8016a、8016bから下流側の現像ユニットへ排出される。
【0173】
ここで、第2回転搬送部80152の長手方向幅(T4)と第1回転搬送部80151の長手方向幅(T3)が同じであるため、第1搬送部材8015に受け渡されるトナーは、ほぼ長手均一に受け渡される。これにより、ほぼ同等の量のトナーが二つの回転搬送部に行き渡ることになる。
【0174】
しかし、第1回転搬送部材80151付近では、前述したように多くのトナーが滞留するため、第1回転搬送部材80151では排出口8016aにすべてのトナーを送り切れず、余ったトナーが第2回転搬送部材80152付近に押し出されてくる。
【0175】
この場合、排出口8016a付近のトナーの量が多くなることによって第2回転搬送部80152で搬送されるトナーの量が増える。しかし、排出口8016bが大きく構成されているため、第2回転搬送部80152で搬送されたトナーは詰まることなく、スムーズに受入、排出することができる。
【0176】
以上、説明した通り、本実施例の構成によれば、排出口8016a側に滞留トナーを減少させると共に、排出口8016b側のトナー排出量を増やして、排出口8016aと排出口8016b(即ち、長手方向における両側)のトナー排出量の差を軽減することができる。よって、長手方向により均等にトナーを供給することができ、画質の向上に寄与することができる。
【0177】
[第4実施例]
次に、図4図5図6図13を用いて本発明に関わる第4実施例について説明する。
【0178】
図13は、本発明の第4実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の斜視概念図である。
【0179】
図13には、トナー受けユニット801の天面を非表示して内部構成を示している。
【0180】
なお、各搬送部材の配置及び駆動に関しては第1実施例と基本的に同じである。
【0181】
図13に示すように、本実施例では、切替部80153は、トナー受けユニット収納部8011の長手方向の中心位置PLに形成されている(後述する第3搬送部材8014の長手中央部に対向する位置)。
【0182】
また、トナー受けユニット収容部8011内の第2搬送部材8013と第3搬送部材8014の間に、ガイド形状の傾斜部(案内部材)80154a、80154bが形成されている。
【0183】
ガイド形状の傾斜部80154a、80154bは、それぞれトナー受けユニット収容部8011の長手両端部より中央部に向かって延びており、中央部に向かうに従って第2搬送部材8013から離れるように傾斜するテーパ形状を形成している。
【0184】
また、ガイド形状の傾斜部80154aと80154bの先端はトナー受けユニット収容部8011の長手中央部で互いに接続せず、一定の間隔(L5)に離れるように形成されている。
【0185】
次に、トナーの移動経路(動き)について、図13を用いて説明する。
【0186】
トナーパック40(図6参照)から補給口8012に補給されたトナーは、補給口8012を中心にトナー受けユニット収容部8011内にV→W→X→Y・・・の順で拡散していく。
【0187】
この場合、補給口8012付近に多くのトナーが滞留することになる。
【0188】
次に、第2搬送部材8013が駆動されると、滞留したトナーはH1及びH2方向に送られる。H2方向に送られたトナーのうち、ガイド形状の傾斜部80154a、80154bに接触(案内)されたものは、H3及びH4方向に移動方向を変える。
【0189】
そして、H2、H3及びH4方向に送られたトナーは、ガイド形状の傾斜部80154aと80154bの間(L5)を通り、第3搬送部材8014に受け渡される。
【0190】
ここで、ガイド形状の傾斜部80154a、80154bの傾斜面により、第2搬送部材8013で送られるトナーが一度トナー受けユニット収容部8011の長手中央部に集められ、そして、第3搬送部材8014へと受け渡される。
【0191】
そして、第3搬送部材8014に受け渡されたトナーは、第3搬送部材によってJ方向に送られ第1搬送部材8015に受け渡される。
【0192】
そして、第1搬送部材8015に受け渡されたトナーは、第1回転搬送部80151により排出口8016aへ、第2回転搬送部80152により排出口8016bへと送られ、それぞれの排出口8016a、8016bから下流側の現像ユニットへ排出される。
【0193】
ここで、第2回転搬送部80152の長手方向幅(T4)と第1回転搬送部80151の長手方向幅(T3)が同じであるため、第1搬送部材8015に受け渡されるトナーは、ほぼ長手均一に受け渡される。これにより、ほぼ同等の量のトナーが二つの回転搬送部に行き渡ることになる。
【0194】
従って、第1搬送部材8015の中央部にある切替部80153付近に集められて受け渡されたトナーは、第1回転搬送部80151と第2回転搬送部80152それぞれにほぼ同等の量を受け渡されることになる。
【0195】
以上説明した通り、本構成により排出口8016a及び排出口8016bのトナー排出量差を軽減することができる。
【0196】
[第5実施例]
次に、図4図5図6図14を用いて本発明に関わる第5実施例について説明する。
【0197】
図14は、本発明の第5実施例に係る画像形成装置に使用される搬送ユニットのトナー受けユニット(上面部を省略した状態)の斜視概念図である。
【0198】
図14には、トナー受けユニット801の天面を非表示して内部構成を示している。
【0199】
なお、各搬送部材の配置及び駆動に関しては第1実施例と基本的に同様である。
【0200】
図14に示すように、本実施例では、第1搬送部材8015の切替部80153は、トナー受けユニット収納部8011の長手方向の中心PLに形成される。
【0201】
また、トナー受けユニット収容部8011には、補給口8012に近い位置に排出口8016aが形成され、遠い位置に排出口8016bが形成される。
【0202】
また、排出口8016aの開口幅(L3)と排出口8016bの開口幅(L4)はL3>L4となっており、排出口8016aの方が大きくなるように形成されている。即ち、本実施例では、排出口8016aの開口面積MS3は、排出口8016bの開口面積MS4より大きい。
【0203】
これにより、排出口8016bよりも排出口8016aの方が多くのトナーを受入れ、下流の現像ユニットに排出することができる。
【0204】
次に、トナーの移動経路(動き)について、図14を用いて説明する。
【0205】
トナーパック40(図6参照)から補給口8012に補給されたトナーは、補給口8012を中心にトナー受けユニット収容部8011内にV→W→X→Y・・・の順で拡散していく。
【0206】
この場合、排出口8016bと比較すると排出口8016a側に多くのトナーが滞留することになる。
【0207】
即ち、排出口8016a付近でトナーが滞留、あるいは排出口8016aが詰まり易い状況になっているといえる。
【0208】
次に、第2搬送部材8013が駆動されると、滞留したトナーはH1及びH2方向に送られる。そして、H2方向に送られたトナーは第3搬送部材8014に受け渡され、さらに第3搬送部材によってJ方向に送られ第1搬送部材8015に受け渡される。
【0209】
そして、第1搬送部材8015に受け渡されたトナーは、第1回転搬送部80151により排出口8016aへ、第2回転搬送部80152により排出口8016bへと送られ、それぞれの排出口8016a、8016bから下流側の現像ユニットへ排出される。
【0210】
ここで、第2回転搬送部80152の長手方向幅(T4)と第1回転搬送部80151の長手方向幅(T3)が同じであるため、第1搬送部材8015に受け渡されるトナーは、ほぼ長手均一にトナーが受け渡される。これにより、ほぼ同等の量のトナーが二つの回転搬送部に行き渡ることになる。
【0211】
しかし、前述したように、排出口8016a付近に滞留し、押し出されたトナーの量が多くなるが、排出口8016aの方が大きく構成されているため、第1回転搬送部80151より搬送されたトナーを効率よく排出口8016aで排出することが可能になる。
【0212】
以上説明した通り、本実施例の構成により、排出口8016a付近の滞留トナーを減少させ、詰まりを有効に抑制することができる。
【0213】
なお、以上の本実施例に記載した、第1搬送部材8015、第2搬送部材8013について、回転軸に螺旋形状が形成された螺旋スクリューの構成を採用してもよい。また、回転軸にスリットを切ったシート(例えばポリカーボネート製のシート)材を組付けて、回転した時にシートがたわんで軸方向にトナーを送り出す構成を採用しても良い。
【0214】
本発明の構成を以下のように纏めることができる。
【0215】
(1)本発明の搬送ユニット(801)は、
現像剤を収容する収容室(801A)と、補給口(8012)と、第1排出口(8016a)と、第2排出口(8016b)と、を備える現像剤収容部(8011)と、
現像剤収容部に設けられ、収容室に収容された現像剤を補給口側から第1排出口および第2排出口側へ搬送する搬送機構(HS)と、
有する、搬送ユニットであって、
搬送機構(HS)は、
第1排出口と第2排出口を結ぶ第1方向(80154)に沿う方向(PS)に沿って延びると共に、第1方向を回転軸方向として回転可能な回転軸部(80150)と、
回転軸部に設けられ、回転軸部と共に回転可能であり、且つ、第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部(80151)と、
回転軸部に設けられ、回転軸部と共に回転可能であり、且つ、第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部(80152)と、を備え、
第2回転搬送部は、第1回転搬送部よりも搬送量が大きくなるように構成される。
【0216】
なお、補給口(8012)は、現像剤を収容する収容室(801A)と、収容室の長手方向(P)の一方側に設けられ外部より収容室へ現像剤を補給するものである。第1排出口(8016a)は、長手方向の一方側に設けられ収容室から現像剤を排出するものである。第2排出口(8016b)は、長手方向の他方側に設けられ第1排出口よりも補給口から離れた位置に配置され収容室から現像剤を排出するものである。
【0217】
(2)本発明の搬送ユニットでは、
第1回転搬送部(80151)は、所定の巻方向を有する第1羽根部(8015A)を備え、
第2回転搬送部(80152)は、所定の巻方向とは逆の巻方向を有する第2羽根部(8015B)を備えてもよい。
【0218】
(3)本発明の搬送ユニットでは、
第2羽根部(8015B)の羽根間のピッチ間隔(P2)を、第1羽根部(8015A)の羽根間のピッチ間隔(P1)よりも大きくなるように構成してもよい。
【0219】
(4)本発明の搬送ユニットでは、
第1方向において、第2羽根部の長さ(T2)を、第1羽根部の長さ(T1)よりも長くなるように構成してもよい。
【0220】
(5)本発明の搬送ユニットでは、
回転軸部の長手方向において、第1羽根部と第2羽根部の間に第1羽根部と第2羽根部を接続する接続部(80153)が設けられており、
接続部を、第2排出口よりも第1排出口に近くなるように構成してもよい。
【0221】
(6)本発明の搬送ユニットでは、
第2排出口の開口面積(MS2)を、第1排出口の開口面積(MS1)よりも大きくなるように構成してもよい。
【0222】
(7)本発明の搬送ユニットでは、
搬送機構は、
回転軸部(80150)、第1回転搬送部(80151)、および、第2回転搬送部(80152)を備える第1搬送部材(8015)と、
第1方向に沿う方向(PS)に沿って延びると共に、補給口から現像剤を搬送する第2搬送部材(8013)と、
第1搬送部材(8015)と第2搬送部材(8013)の間に配置され、第1方向と交差する第2方向(J)に沿って第2搬送部材側から第1搬送部材側へ現像剤を搬送する第3搬送部材(8014)と、を備えてもよい。
【0223】
(8)本発明の搬送ユニットでは、
第2搬送部材(8013)は、
回転可能な第2回転軸部(80130)と、
一端が第2回転軸部に固定され、他端が自由端となり第2回転軸部と共に回転するシート部(80131)と、を備えてもよい。
【0224】
(9)本発明の搬送ユニットでは、
第3搬送部材(8014)は、無端ベルト(80141)と、無端ベルトを支持する支持部(80140)と、を備えてもよい。
【0225】
(10)本発明の搬送ユニットでは、
無端ベルト(80141)は、第1ベルト部(8014A)と、第2ベルト部(8014B)を備えてもよい。
【0226】
(11)別の形態の本発明の搬送ユニット(801)は、
現像剤を収容する収容室(801A)と、補給口(8012)と、第1排出口(8016a)と、第2排出口(8016b)とを備える現像剤収容部(8011)と、
現像剤収容部に設けられ、収容室に収容された現像剤を補給口側から第1排出口および第2排出口側へ搬送する搬送機構(HS)と、
有する、搬送ユニットであって、
搬送機構(HS)は、
回転軸部(80150)と、第1回転搬送部(80151)と、第2回転搬送部(80152)とを備える第1搬送部材と、
第1方向に沿う方向(PS)に沿って延びると共に、補給口から現像剤を搬送する第2搬送部材(8013)と、
第1排出口と第2排出口の間の領域の中央、且つ、第1搬送部材と第2搬送部材の間に配置され、第1方向と交差する第2方向(J)に沿って第2搬送部材側から第1搬送部材側へ現像剤を搬送する第3搬送部材(8014)と、
第2搬送部材から搬送された現像剤を第3搬送部材へ案内する案内部材(80154a、80154b)と、を有する。
【0227】
なお、補給口(8012)は、現像剤を収容する収容室(801A)と、収容室の長手方向(P)の一方側に設けられ外部より収容室へ現像剤を補給するものである。第1排出口(8016a)は、長手方向の一方側に設けられ収容室から現像剤を排出するものである。第2排出口(8016b)は、長手方向の他方側に設けられ第1排出口よりも補給口から離れた位置に配置され収容室から現像剤を排出するものである。
【0228】
また、回転軸部(80150)は、第1排出口と第2排出口を結ぶ第1方向(80154)に沿う方向(PS)に沿って延びると共に第1方向を回転軸方向として回転可能なように配置される。第1回転搬送部(80151)は、回転軸部に設けられ回転軸部と共に回転可能であり且つ第1排出口側へ向かって現像剤を搬送するものである。第2回転搬送部(80152)は、回転軸部に設けられ回転軸部と共に回転可能であり且つ第2排出口側へ向かって現像剤を搬送するものである。
【0229】
(12)更に別の形態の本発明の搬送ユニット(801)は、
現像剤を収容する収容室(801A)と、補給口(8012)と、第1排出口(8016a)と、第2排出口(8016b)とを備える現像剤収容部と、
現像剤収容部に設けられ、収容室に収容された現像剤を補給口側から第1排出口および第2排出口側へ搬送する搬送機構(HS)と、
有する、搬送ユニットであって、
搬送機構(HS)は、
第1排出口と第2排出口を結ぶ第1方向(80154)に沿う方向(PS)に沿って延びると共に、第1方向を回転軸方向として回転可能な回転軸部(80150)と、
回転軸部に設けられ、回転軸部と共に回転可能であり且つ第1排出口側へ向かって現像剤を搬送する第1回転搬送部(80151)と、
回転軸部に設けられ、回転軸部と共に回転可能であり且つ第2排出口側へ向かって現像剤を搬送する第2回転搬送部(80152)と、を備え
第1排出口(8016a)の開口面積(MS3)は、第2排出口(8016b)の開口面積(MS4)よりも大きい。
【0230】
なお、補給口(8012)は、現像剤を収容する収容室(801A)と、収容室の長手方向(P)の一方側に設けられ外部より収容室へ現像剤を補給するものである。第1排出口(8016a)は、長手方向の一方側に設けられ収容室から現像剤を排出するものである。第2排出口(8016b)は、長手方向の他方側に設けられ第1排出口よりも補給口から離れた位置に配置され収容室から現像剤を排出するものである。
【0231】
(13)本発明のプロセスカートリッジ(B)は、
前述の搬送ユニット(801)と、
搬送ユニットによって搬送された現像剤を担持する現像剤担持体(25)と、を備える。
【0232】
(14)本発明のプロセスカートリッジでは、
現像剤担持体(25)から供給される現像剤によって現像された現像剤像を担持する像担持体(601)をさらに備えてもよい。
【0233】
(15)本発明のプロセスカートリッジでは、
プロセスカートリッジ(B)を、画像形成装置(100)の装置本体(A)に対して着脱可能とすることができる。
【0234】
(16)本発明のプロセスカートリッジでは、
現像剤は、一成分の非磁性現像剤であってもよい。
【0235】
(17)本発明の画像形成装置は、
前述の搬送ユニット(801)、もしくは、前述のプロセスカートリッジ(B)、のいずれか一つと、転写部材(404)と、を有する。
【符号の説明】
【0236】
801 トナー受けユニット(搬送ユニット)
801A 収容室
8011 トナー受けユニット収容部(現像剤収容部)
8012 補給口
80150 第1搬送部材軸(回転軸部)
80151 第1回転搬送部
80152 第2回転搬送部
80154 第1方向
8016a 排出口(第1排出口)
8016b 排出口(第2排出口)
HP 搬送機構
P 長手方向
PS 第1方向に沿う方向
図1
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