(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】複合ハーネス
(51)【国際特許分類】
H01B 7/00 20060101AFI20240430BHJP
H01R 4/70 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
H01B7/00 301
H01B7/00 305
H01R4/70 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019196208
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】201821769030.9
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】グアンチュン リー
(72)【発明者】
【氏名】ガオフェン リャン
(72)【発明者】
【氏名】ペン リウ
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-229469(JP,A)
【文献】特表2018-507810(JP,A)
【文献】特開2018-107141(JP,A)
【文献】特開2013-237428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01R 4/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ハーネス(1)であって、第1のケーブル(2)と、第2のケーブル(3)と、分岐固定具(7)と、コネクタ(6)と、を備え、前記分岐固定具(7)は、前記コネクタ(6)と少なくとも部分的に接触し、かつ、前記コネクタ(6)と少なくとも部分的に一体化されて
おり、
前記第1のケーブル(2)の一方の端部に、ブレーキキャリパに接続されたコネクタ(20c)が設けられ、前記第2のケーブル(3)の一方の端部は、車輪速センサのセンサ部分(30c)に接続され、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)の他方の端部に、前記分岐固定具(7)及び前記コネクタ(6)が設けられており、
前記コネクタ(6)の一方の端部は、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)に接続され、他方の端部は、車両の制御装置のインタフェース(9)に直接接続され、又は、中間接続線(8)を介して車両の制御装置のインタフェースに接続されており、
前記第1のケーブル(2)は、第1の電線(20)と、前記第1の電線を被覆する第1のシース(21)と、を含み、前記第1のケーブル(2)は、前記第1のケーブル(2)の一方の端部に形成された第1のスリーブ(24)をさらに含み、前記第1のスリーブ(24)は、前記第1のシース(21)の終端部及び前記コネクタ(6)に対応する終端部を被覆し、前記第1のスリーブ(24)上に少なくとも1つの溝(240)が設けられ、前記第1のスリーブ(24)の材料は、前記第1のシース(21)の材料と同一であり又は類似しており、
前記第2のケーブル(3)は、第2の電線(30)と、前記第2の電線を被覆する第2のシース(31)と、を含み、前記第2のケーブル(3)の一方の端部は、前記センサ部分(30c)と一体化されている、
複合ハーネス。
【請求項2】
前記コネクタ(6)は、端子(61)と、絶縁ハウジング(62)と、を含み、前記絶縁ハウジング(62)は、絶縁本体(620)を含み、前記絶縁本体(620)は、前記端子(61)を内部に収容及び固定するために使用される、請求項
1に記載の複合ハーネス。
【請求項3】
前記分岐固定具(7)は、前記絶縁本体(620)と少なくとも部分的に接触して、前記分岐固定具(7)を前記コネクタ(6)の前記絶縁本体(620)と少なくとも部分的に一体化し、又は、前記絶縁ハウジング(62)は、絶縁スリーブ(621)を含み、前記絶縁スリーブ(621)は、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)の終端部を被覆し、前記絶縁スリーブ(621)の一方の端部は、前記分岐固定具(7)と一体化されるように少なくとも部分的に接続され、他方の端部は、前記絶縁本体(620)の対応する終端部に接続されている、請求項
2に記載の複合ハーネス。
【請求項4】
前記絶縁ハウジング(62)は、絶縁スリーブ(621)を含み、前記絶縁スリーブ(621)は、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)の終端部を被覆し、前記絶縁スリーブ(621)の一方の端部は、前記分岐固定具(7)と一体化されるように少なくとも部分的に接続され、他方の端部は、前記絶縁本体(620)の対応する終端部に接続されており、前記絶縁スリーブ(621)に、少なくとも1つの溝(64)が設けられている、請求項
2に記載の複合ハーネス。
【請求項5】
前記分岐固定具(7)は、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)の引き出し方向を固定するために使用され、前記分岐固定具(7)は
、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)上に形成され、前記分岐固定具(7)は、前記第1のケーブル(2)及び前記第2のケーブル(3)を共に被覆する本体(70)と、前記第1のケーブル(2)上で終端する第1の終端部(71)及び前記第2のケーブル(3)上で終端する第2の終端部(72)と、を含み、前記分岐固定具(7)上に少なくとも1つの溝(74)が設けられている、請求項
1に記載の複合ハーネス。
【請求項6】
前記第2のケーブル(3)及び前記第1のケーブル(2)は、互いに接触し又は接触せずに設けられている、請求項
1に記載の複合ハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の複合ハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両は通常、車輪速センサを使用することが知られている。車輪速センサは、車輪の回転速度を測定するセンサであり、そのセンサ部分(センサヘッド)は、車輪の付近に設けられる。車輪の付近に設けられたセンサ部分及び車体側に設けられた制御装置(ABS(アンチロックブレーキシステム)電子制御ユニット)は、車輪速センサ用のケーブルで接続される。
【0003】
また、近年、油圧の代わりに電力を利用してブレーキを制御する電動ブレーキが徐々に普及している。さらに、パーキングブレーキを電動化した電動パーキングブレーキ(EPB)が広く知られており、電動パーキングブレーキにおいては、車輪に設けられたブレーキキャリパ(駆動装置)、及び、車体側に設けられた制御装置は、電動ブレーキ用ケーブルを利用して接続されている。
【0004】
しかしながら、従来は、車輪速センサ用のケーブル及び電動ブレーキ用のケーブルは、接続先がほぼ同じ位置にあっても、別個に敷設されていた。車両の配線スペースが限られており、配線作業が複雑であるため、改善が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、配線作業を容易に行うことができる複合ハーネスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本出願の一態様によると、複合ハーネスであって、第1のケーブルと、第2のケーブルと、分岐固定具と、コネクタと、を備え、分岐固定具は、コネクタと少なくとも部分的に接触し、コネクタと少なくとも部分的に一体化されている、複合ハーネスが提供される。
【0007】
実現可能な一実施形態において、第1のケーブルの一方の端部に、ブレーキキャリパに接続されたコネクタが設けられ、第2のケーブルの一方の端部は、車輪速センサのセンサ部分に接続され、2つのケーブルの他方の端部に、分岐固定具及びコネクタが設けられている。
【0008】
実現可能な一実施形態において、コネクタの一方の端部は、第1のケーブル及び第2のケーブルに接続され、他方の端部は、車両の制御装置のインタフェースに直接接続され、又は、中間接続線を介して車両の制御装置のインタフェースに接続されている。
【0009】
実現可能な一実施形態において、コネクタは、端子と、絶縁ハウジングと、を含み、絶縁ハウジングは、絶縁本体を含み、絶縁本体は、端子を内部に収容及び固定するために使用される。
【0010】
実現可能な一実施形態において、分岐固定具は、絶縁本体と少なくとも部分的に接触して、分岐固定具をコネクタの絶縁本体と少なくとも部分的に一体化し、又は、絶縁ハウジングは、絶縁スリーブを含み、絶縁スリーブは、第1のケーブル及び第2のケーブルの終端部を被覆し、一方の端部は、分岐固定具と一体化されるように少なくとも部分的に接続され、他方の端部は、絶縁本体の対応する終端部に接続されている。
【0011】
実現可能な一実施形態において、絶縁スリーブに、少なくとも1つの溝が設けられている。
【0012】
実現可能な一実施形態において、分岐固定具は、射出又は押出成形により第1のケーブル及び第2のケーブル上に形成され、第1のケーブル及び第2のケーブルの引き出し方向を固定するために使用され、分岐固定具は、第1のケーブル及び第2のケーブルを共に被覆する本体と、第1のケーブル上で終端する第1の終端部及び第2のケーブル上で終端する第2の終端部と、を含み、分岐固定具上に少なくとも1つの溝が設けられている。
【0013】
実現可能な一実施形態において、第1のケーブルは、第1の電線と、第1の電線を被覆する第1のシースと、を含み、第1のケーブルは、射出又は押出成形により第1のケーブルの一方の端部に形成された第1のスリーブをさらに含み、第1のスリーブは、第1のシースの終端部及びコネクタに対応する終端部を被覆し、第1のスリーブ上に少なくとも1つの溝が設けられ、第1のスリーブの材料は、第1のシースの材料と同一であり又は類似している。
【0014】
実現可能な一実施形態において、第2のケーブルは、第2の電線と、第2の電線を被覆する第2のシースと、を含み、第2のケーブルの一方の端部は、センサ部分と一体化されている。
【0015】
実現可能な一実施形態において、第2のケーブル及び第1のケーブルは、互いに接触し又は接触せずに設けられており、第1のシース及び第2のシースに使用される材料は、石などの飛散に対する耐衝撃特性を有する。
【0016】
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、以下に図面を参照して説明する本発明の実施形態からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による、複合ハーネスの概略枠組み図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による、複合ハーネスの第1のケーブルの概略断面図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態による、複合ハーネスの第2のケーブルの概略断面図を示す。
【
図4】本発明の一実施形態による、複合ハーネスのコネクタと、第1、第2のケーブルとの接続の概略図を示す。
【
図5】本発明の一実施形態による、複合ハーネスの他の装置との接続関係の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照して、本発明の好ましい実施形態による複合ハーネス及び複合ワイヤケーブルについて説明する。
【0019】
図1を参照すると、本発明の一実施形態の複合ハーネス1は、第1のケーブル2と、第2のケーブル3と、分岐固定具7と、コネクタ6と、を含み、分岐固定具7は、コネクタ6と少なくとも部分的に一体化されている。本実施形態においては、第1のケーブル2は、電動ブレーキ用ケーブルであり、主に車両の停止後に所定のボタンを押すことによって車輪の回転を抑制する機構(電動パーキングブレーキ(EPB)機構)を機能させる電流を流すための導電線に使用される。第2のケーブル3は、車輪速センサ用ケーブルであり、車両アンチロックブレーキシステム又は車両安定性制御システムに信号を送信するために使用される。他の実施形態においては、第1のケーブル2及び第2のケーブル3は、任意の自動車用ケーブルであってもよい。
【0020】
第1のケーブル2の一方の端部にブレーキキャリパ(図示せず)に接続されたコネクタ20cが設けられ、第2のケーブル3の一方の端部は、車輪速センサのセンサ部分(センサヘッド)30cに接続され、2つのケーブル2、3の他方の端部に、分岐固定具7及びコネクタ6が設けられている。
【0021】
図2を参照すると,第1のケーブル2は、第1の電線20と、第1の電線20を被覆する第1のシース21と、を含み、第1の電線20は、中心導体20aと、中心導体20aの周囲に被覆された絶縁体20bと、を含む。絶縁体20bの材料は、自動車用電線に使用される任意の絶縁体であってもよい。本実施形態においては、第1のケーブル2は、第1のシース21で共に被覆された2つの第1の電線20を含む。他の実施形態においては、第1のケーブル2は、1つ又は複数の第1の電線20を含んでもよく、任意選択的に、電動パーキングブレーキ(EPB)用以外の他のケーブルを含んでもよい。任意選択的に、第1のケーブル2は、射出又は押出成形により第1のケーブル2の一方の端部に形成された第1のスリーブ24をさらに含み、第1のスリーブ24は、第1のシース21の終端部及びコネクタ20cの対応する終端部を被覆して、第1のケーブル2の一方の端部をコネクタ20cと一体化し、これにより第1のケーブル2の一方の端部とコネクタ20cとの間の安定した接続を確保し、水及び埃が入るのを防ぐ。第1のスリーブ24上に、少なくとも1つの溝240が設けられ、この溝240は、第1のケーブル2に弾性変形スペースを提供するためのものであり、また、第1のスリーブ24の射出又は押出成形の際に位置決め作用を得るために使用されてもよい。第1のスリーブ24の材料は、第1のシース21の材料と同一であり又は類似しており、第1のシース21の周囲に第1のスリーブ24を形成する際に、第1のシース21を熱で溶融させることができ、これにより、第1のシース21は、第1のスリーブ24と少なくとも部分的に接合される。したがって、第1のスリーブ24は、第1のケーブル2とコネクタ20cとを共に強固に固定することができる。
【0022】
図3を参照すると、第2のケーブル3は、第2の電線30と、第2の電線30を被覆する第2のシース31と、を含み、第2の電線30は、中心導体30aと、中心導体30aの周囲に被覆された絶縁体30bと、を含む。絶縁体30bの材料は、自動車用の電線に使用される任意の絶縁体であってもよい。本実施形態においては、第2のケーブル3は、第2のシース31で共に被覆された2つの第2の電線30を含む。他の実施形態においては,第2のケーブル3は、1つ又は複数の第2の電線30を含んでもよく、任意選択的に、車輪速センサ用ケーブル以外の他のケーブルを含んでもよい。第2のケーブル3の一方の端部は、センサ部分(センサヘッド)30cと一体化されており、これにより第2のケーブル3とセンサ部分30cとの間の強固な接続を確保し、水及び埃が入るのを防ぐ。第2のケーブル3の一方の端部とセンサ部分(センサヘッド)30cとの間の一体化的構造、材料及び形成方法は、第1のケーブル2の第1のスリーブ24と類似しているため、ここでは説明しない。
【0023】
第2のケーブル3及び第1のケーブル2は、互いに接触し又は接触せずに設けられる。第1のシース21及び第2のシース31に使用される材料は、石などの飛散に対する耐衝撃特性を有する。
【0024】
図1を参照すると、分岐固定具7は、射出又は押出成形により第1のケーブル2及び第2のケーブル3上に形成され、第1のケーブル2及び第2のケーブル3の引き出し方向を固定するために使用される。分岐固定具7は、第1のケーブル2及び第2のケーブル3を共に被覆する本体70と、第1のケーブル2上で終端する第1の終端部71及び第2のケーブル上で終端する第2の終端部72と、を含む。本実施形態においては,本体70、第1の終端部71及び第2の終端部72は、射出成形により一体に形成されている。実際の取り付けスペース及びニーズに応じて、第1の終端部71及び第2の終端部72は、本体70の長軸を基準に、互いに異なる角度を有することができ、角度範囲は0度~180度、例えば、0度、30度、50度又は90度などである。分岐固定具7は、第1のケーブル2及び第2のケーブル3の引き出し方向を固定することに加え、第1のケーブル2及び第2のケーブル3を共に固定する機能も有することができる。したがって、好ましくは、分岐固定具7の材料は、第1のシース21、第2のシース31の材料と同一であり又は類似しており、これにより第1のシース21、第2のシース31は分岐固定具7と融着され、第1のケーブル2及び第2のケーブル3と共に強固に固定される。
【0025】
好ましくは、分岐固定具7上に少なくとも1つの溝74が設けられ、この溝74は、分岐固定具7に弾性変形スペースを提供するためのものであり、また、分岐固定具7の射出又は押出成形の際に位置決め作用を得るために使用されてもよく、さらに複合ハーネス1を車体に取り付ける固定部品のための締結具として使用されてもよい。
【0026】
図1、
図4及び
図5を参照すると、コネクタ6の一方の端部は、第1のケーブル及び第2のケーブル3に接続され、他方の端部は車両の制御装置のインタフェース9に直接接続され、又は、実際のニーズに基づいて、異なる長さの中間接続線8を選択し、車両の制御装置のインタフェース9に接続される。車両的制御装置は、電動パーキングブレーキ(EPB)と、アンチロックブレーキシステム又は車両安定性制御システムの制御装置と、を含み、複合ハーネス1の信号を制御装置内に送信する。
【0027】
コネクタ6は、端子61と、絶縁ハウジング62と、を含み、端子61の数量は、複合ハーネス1の電線の数量と等しく、本実施例においては、端子61の数量は4つである。絶縁ハウジング62は、絶縁本体620と、絶縁スリーブ621と、を含み、絶縁本体620は、端子61を内部に収容及び固定するために使用される。絶縁スリーブ621は、第1のケーブル2及び第2のケーブル3の終端部を被覆し、一方の端部は、分岐固定具7に一体化するように少なくとも部分的に接続され、他方の端部は、絶縁本体620の対応する終端部に接続されて、分岐固定具7、第1のケーブル2及び第2のケーブル3の他方の端部及びコネクタ6を一体化する。
【0028】
絶縁スリーブ621に少なくとも1つの溝64が設けられ、この溝64は、コネクタ6弾性変形スペースを提供するためのものであり、絶縁スリーブ621の射出又は押出成形の際に位置決め作用を得るために使用されてもよく、さらに複合ハーネス1を車体に取り付ける固定部品のための締結具として使用されてもよい。
【0029】
組み付け時、第1の電線20の中心導体20a及び第2の電線30の中心導体30aは、まず、端子61に固定的に接続される。固定的な接続方法として、端子61の終端部を固定した中心導体20a、30aの終端部と共に溶接する。又は、端子61の終端部に巻回部61aを形成して中心導体20a、30aの終端部をその内部に収容して固定する。第1の電線20の中心導体20a及び第2の電線30の中心導体30aを端子61に固定的に接続した後、端子61を絶縁本体620内に固定的に設ける。端子61の固定方法として、絶縁本体620を端子61の外側に射出成形する、又は、端子61を事前成形された絶縁本体620の端子溝62a内に挿入する。最後に、射出又は押出成形により分岐固定具7及び絶縁スリーブ621を一体に形成して、分岐固定具7及び絶縁ハウジング62を少なくとも部分的に一体化する。
【0030】
他の実施形態においては、コネクタ6の絶縁ハウジング62は、絶縁スリーブを含まず、射出又は押出成形により分岐固定具7を形成する際に、分岐固定具7を接触絶縁ハウジング62と少なくとも部分的に接触させて、分岐固定具7を絶縁ハウジング62と少なくとも部分的に一体化する。
【0031】
上述した実施形態では言及しなかったが、第1のケーブル2及び第2の3に加えて、他の電線も一体化可能であることは言うまでもないことが理解されよう。
【0032】
このように,第1のケーブル2及び第2のケーブル3は一体化されるため、車両の配線スペースを有効に利用することができ、配線及び取り付け作業を容易に行うことができる。複合ハーネスの分岐固定具7は、絶縁ハウジング62と少なくとも部分的に一体化され、ワイヤケーブルの接続の信頼性を確保することができる。さらに実際のニーズに応じて異なる長さの中間接続線8を選択して車両の制御装置のインタフェース9に接続可能であるため、複合ハーネスを任意の車内環境で使用することができ、利便性が向上する。
【0033】
本発明の特定の実施形態を説明したが、これらは例示としてのみ提示され、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。むしろ、本発明に記載の構造は、さまざまな他の形態で具体化することができる。また、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に記載の構造形態に対してさまざまな代替及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 複合ハーネス
2 第1のケーブル
3 第2のケーブル
6 コネクタ
7 分岐固定具
8 中間接続線
9 制御装置のインタフェース
20 第1の電線
20a 中心導体
20b 絶縁体
20c コネクタ
21 第1のシース
24 第1のスリーブ
240 溝
30 第2の電線
30a 中心導体
30b 絶縁体
30c センサ部分
31 第2のシース
61 端子
61a 巻回部分
62 絶縁ハウジング
620 絶縁本体
621 絶縁スリーブ
62a 端子溝
64 溝
70 本体
71 第1の終端部
72 第2の終端部
74 溝