(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】制御装置、撮像装置、撮像システム、制御方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240430BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240430BHJP
G03B 17/20 20210101ALI20240430BHJP
H04N 23/611 20230101ALI20240430BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240430BHJP
【FI】
H04N23/60 100
G03B15/00 Q
G03B17/20
H04N23/611
H04N23/63 330
(21)【出願番号】P 2019220921
(22)【出願日】2019-12-06
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-157797(JP,A)
【文献】特開2009-008842(JP,A)
【文献】特開2015-167310(JP,A)
【文献】特開平09-023359(JP,A)
【文献】特開2012-165174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0085171(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G03B 15/00
G03B 17/20
H04N 23/611
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
位置測定装置が取り付けられた被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、撮像装置に対する前記被写体の位置情報を表示
し、
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在する場合、前記位置測定装置の位置情報の表示または非表示を切り替え可能であり、
前記表示手段は、前記表示手段の画面内における前記被写体の大きさが第1の閾値を超えた場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にすることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在するか否かに基づいて、前記被写体の位置に関する表示内容を変更することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記撮像装置に対する前記被写体の位置情報は、前記撮像装置から前記被写体までの距離、または、前記撮像装置に対して前記被写体が存在する方向の少なくとも一つに関する情報であることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記撮像装置の位置情報を取得する第1の位置取得手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記第1の位置取得手段からの信号および前記被写体に備えられた第2の位置取得手段からの信号に基づいて、前記被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
前記第1の位置取得手段からの信号および前記第2の位置取得手段からの信号に基づいて、前記撮像装置と前記被写体との相対位置関係を取得し、
前記撮像装置から前記被写体までの距離と前記撮像装置の焦点距離とに基づいて撮影画角を算出し、
前記撮影画角に基づいて、前記被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記位置測定装置の
位置情報に関する表示または非表示を撮影者が選択するための操作手段を更に有し、
前記表示手段は、前記撮影者による前記操作手段の操作により、前記位置測定装置の位置情報に関する表示または非表示を切り替えることを特徴とする請求項
1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記画面内における前記被写体の大きさを、前記被写体の全体を囲む四角の枠として表示することを特徴とする請求項
1乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記表示手段の画面の垂直方向のサイズをH、前記被写体に対応する前記四角の枠の垂直方向のサイズをHHとするとき、前記第1の閾値はHH/Hの閾値であることを特徴とする請求項
8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記表示手段の画面の面積をH2、前記被写体に対応する前記四角の枠の面積をHH2とするとき、前記第1の閾値はHH2/H2の閾値であることを特徴とする請求項
8に記載の制御装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記画面内に存在する人の数が所定の数以下の場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にすることを特徴とする請求項
1乃至7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
画像を表示する表示手段と、
位置測定装置が取り付けられた被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、撮像装置に対する前記被写体の位置情報を表示し、
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在する場合、前記位置測定装置の位置情報の表示または非表示を切り替え可能であり、
前記表示手段は、前記画面内に存在する人の数が所定の数以下の場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にすることを特徴とする制御装置。
【請求項13】
前記表示手段は、前記画面内における前記被写体の顔の大きさが第2の閾値を超えた場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にすることを特徴とする請求項
1乃至12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
画像を表示する表示手段と、
位置測定装置が取り付けられた被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、撮像装置に対する前記被写体の位置情報を表示し、
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在する場合、前記位置測定装置の位置情報の表示または非表示を切り替え可能であり、
前記表示手段は、前記画面内における前記被写体の顔の大きさが第2の閾値を超えた場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にすることを特徴とする制御装置。
【請求項15】
前記表示手段は、前記画面内における前記被写体の顔の大きさを、前記被写体の顔を囲む四角の枠として表示することを特徴とする請求項1
3または14に記載の制御装置。
【請求項16】
前記表示手段の画面の垂直方向のサイズをH、前記被写体に対応する前記四角の枠の垂直方向のサイズをIHとするとき、前記第2の閾値はIH/Hの閾値であることを特徴とする請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記表示手段の画面の面積をH2、前記被写体に対応する前記四角の枠の面積をIH2とするとき、前記第2の閾値はIH2/H2の閾値であることを特徴とする請求項15に記載の制御装置。
【請求項18】
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、前記撮像装置に対する前記被写体の方向を示す情報を表示することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項19】
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、前記撮像装置から前記被写体までの距離を示す情報を表示することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項20】
前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在する場合、位置測定装置の位置情報を表示することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
撮像素子と、
請求項1乃至20のいずれか一項に記載の制御装置と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項22】
請求項2
1に記載の撮像装置と、
前記撮像装置と通信可能な位置測定装置と、を有し、
前記撮像装置は、前記撮像装置の位置情報を取得する第1の位置取得手段を有し、
前記位置測定装置は、前記被写体の位置情報を取得する第2の位置取得手段を有し、
前記判定手段は、前記第1の位置取得手段からの信号および前記第2の位置取得手段からの信号に基づいて、前記被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定することを特徴とする撮像システム。
【請求項23】
位置測定装置が取り付けられた被写体が表示手段の画面内に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記被写体が前記画面内に存在しない場合、撮像装置に対する前記被写体の位置情報を表示する表示ステップと、
前記被写体が前記画面内に存在する場合、前記位置測定装置の位置情報の表示または非表示を切り替える切り替えステップと、を有し、
前記切り替えステップにおいて、前記表示手段の画面内における前記被写体の大きさが第1の閾値を超えた場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にすることを特徴とする制御方法。
【請求項24】
請求項23に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の位置を素早く撮影者に知らせることが可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、GPSユニットを用いて撮影者と被写体のそれぞれの位置情報を取得し、被写体と撮影領域を示す地図上に被写体の位置を表示する方法や、被写体の方向をファインダーに表示する方法が開示されている。特許文献2には、撮影対象の被写体に取り付けた発信機を用いて、撮影対象の被写体の位置情報と撮影支援情報とを音声や電子メール等で撮影者に知らせる方法が開示されている。特許文献3には、撮影者のカメラにGPSを搭載して位置情報を検出し、撮影者が被写体を選択し、被写体情報サーバから被写体の幅や高さ情報を受け取り、カメラの縦横方向、どの位置からの撮影がよいかをアドバイスする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-50011号公報
【文献】特開2011-66768号公報
【文献】特許第4058454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、撮影者は被写体の方向を知ることはできるが、被写体の位置に関する具体的な表示方法が記載されていない。特許文献2に開示された方法では、被写体の位置情報を音声や電子メールで確認している間に、被写体を撮影画面外に逃す可能性がある。また特許文献2には、ファインダーや液晶画面における被写体の位置の表示方法についての記載はない。特許文献3に開示された方法では、被写体をリアルタイムで追い続けたい場合、表示された文字を読み取っている間に被写体を逃す可能性が高い。
【0005】
そこで本発明は、撮影者が被写体の位置を容易に把握可能であるように撮影画面に被写体の位置情報を表示する制御装置、撮像装置、撮像システム、制御方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての制御装置は、画像を表示する表示手段と、位置測定装置が取り付けられた被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定する判定手段とを有し、前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、撮像装置に対する前記被写体の位置情報を表示し、前記表示手段は、前記被写体が前記画面内に存在する場合、前記位置測定装置の位置情報の表示または非表示を切り替え可能であり、前記表示手段は、前記表示手段の画面内における前記被写体の大きさが第1の閾値を超えた場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にする。
【0007】
本発明の他の側面としての撮像装置は、撮像素子と前記制御装置とを有する。
【0008】
本発明の他の側面としての撮像システムは、前記撮像装置と、前記撮像装置と通信可能な位置測定装置とを有し、前記撮像装置は、前記撮像装置の位置情報を取得する第1の位置取得手段を有し、前記位置測定装置は、前記被写体の位置情報を取得する第2の位置取得手段を有し、前記判定手段は、前記第1の位置取得手段からの信号および前記第2の位置取得手段からの信号に基づいて、前記被写体が前記表示手段の画面内に存在するか否かを判定する。
【0009】
本発明の他の側面としての制御方法は、位置測定装置が取り付けられた被写体が表示手段の画面内に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記被写体が前記画面内に存在しない場合、撮像装置に対する前記被写体の位置情報を表示する表示ステップと、前記被写体が前記画面内に存在する場合、前記位置測定装置の位置情報の表示または非表示を切り替える切り替えステップと、を有し、前記切り替えステップにおいて、前記表示手段の画面内における前記被写体の大きさが第1の閾値を超えた場合、前記位置測定装置の位置情報を非表示にする。
【0010】
本発明の他の側面としてのプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影者が被写体の位置を容易に把握可能であるように撮影画面に被写体の位置情報を表示する制御装置、撮像装置、撮像システム、制御方法、および、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】各実施形態における撮像装置のブロック図である。
【
図2】各実施形態における位置測定装置のブロック図である。
【
図3】各実施形態における撮像装置の外観図である。
【
図4】第1実施形態における表示方法の説明図である。
【
図5】第1実施形態における表示方法のフローチャートである。
【
図6】第1実施形態における被写体の位置の判定方法および表示方法のフローチャートである。
【
図7】第2実施形態における表示方法の説明図である。
【
図8】第3実施形態における表示方法の説明図である。
【
図9】第4実施形態における表示方法の説明図である。
【
図10】第5実施形態における表示方法の説明図である。
【
図11】第5実施形態における表示方法のフローチャートである。
【
図12】第6実施形態における表示方法の説明図である。
【
図13】第6実施形態における表示方法のフローチャートである。
【
図14】第7実施形態における表示方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置は、各家庭において子供の運動会やイベント等の時の撮影に利用されることが多い。ところが、学校等では子供の数が多く、また集団生活であるために同じ服装で行動することが一般的に多い。このため、自分の子供がどこにいるのか見分けがつきにくい。
【0016】
運動会においては、撮影する場所が校庭などのトラックの外側で行う場合が多く、子供から離れた位置での撮影になる場合が多い。遠くにいる子供を探すには、子供の顔や体形を光学機器のファインダーや液晶画面で認識するために、撮像装置に子供をある程度大きく映し出す必要があり、レンズの焦点距離は望遠側になりやすい。事前に子供にどこの位置で出場するかを確認し、その情報からおおよその位置を予測してズーミングを行い、子供を認識できる望遠側の画界(画角)になるようレンズの焦点距離を設定して、子供を探す行動をとるが、探し出すまでに時間を要する場合が多い。時間を要して探した結果、自分の子供を画面内に捕らえたとしても、手持ち撮影による手の振れや、子供たちの激しい動きにより子供を追えないこともある。
【0017】
また、望遠側の焦点距離では、画界外に外れやすい。何らかの拍子に子供が画界外に出てしまった場合、画界外から再度画界内に捕らえるには、再度同じ方法で子供を探す必要があり、探すことに時間を要する場合がある。その結果、探している間に重要な出場シーンを逃す場合もある。一方、広角側の焦点距離では、画面内に捕らえたと思っていた子供が、間違って別の子供を撮影している可能性もある。このような運動会のような状況で、被写体としての子供をピンポイントで撮影するには、撮像装置のファインダーや液晶画面において子供がどこにいるかを撮影者に知らせる表示方法が必要である。
【0018】
以下の各実施形態では、被写体には被写体位置を把握するための発信機(子機としての位置測定装置)を取り付け(保持させ)、撮影者の光学機器(親機としての撮像装置)には、被写体位置の発信情報を受信するための受信機を配置している。このような構成により、発信機の情報により被写体位置情報を撮影者が把握できる撮像システムを実現している。
【0019】
まず、
図1を参照して、各実施形態における撮像装置(親機)について説明する。
図1は、撮像装置(カメラ)100のブロック図である。撮像装置100は、レンズ部101、撮像素子102、記憶装置103、表示部104、操作部105、判定部106、通信部107、方向検知部108、位置検知部109、および、メモリ110を有する。
【0020】
レンズ部101は、レンズユニット(撮像光学系)であり、シングルレンズ、ズームレンズ等を備えて構成され、撮影者により所望の画角制御がなされる。撮像素子102は、CCDセンサやCMOSセンサ等であり、レンズ部101を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換して画像データを出力する。記憶装置103は、撮影画像(撮像素子102から出力された画像データに基づく画像を記憶する。なお、マイクから得られた音声信号とカメラ系から得られる撮像データとを合わせて画像データが生成される。表示部(表示手段)104は、液晶画面やファインダーで撮影中の画像をリアルタイムで確認できる液晶モニターである。表示部104は、記憶装置103にて生成した画像データを再生して表示する。
【0021】
位置検知部109は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を備え、GPSデータの受信が可能である。位置検知部109は、不図示のアンテナから複数の衛星データを受信して、復調処理、演算処理機能を備え、撮像装置100の現在位置情報を出力する。方向検知部108は、例えば電子コンパスである。方向検知部108は、周知のMI(MagnctoImpacdance)素子等で構成され、地磁気を検出し、方位情報を演算して出力する。各実施形態において、位置検知部109および方向検知部108は、撮像装置100の位置情報(位置および方向)を取得する第1の位置取得手段を構成する。通信部107は、被写体に取り付けられた発信機(位置測定装置200)との間で通信可能である。
【0022】
判定部106は、被写体が表示部104の画面内(枠401の中)に存在するか否かを判定する。すなわち判定部106は、方向検知部108、位置検知部109、および、レンズ部101から、撮像装置(親機)100と位置測定装置(子機)200との相対位置関係、撮像装置100の焦点距離、および、撮像装置100の方位(方向)を取得する。そして判定部106は、これらの取得情報に基づいて、撮影画界(撮影画面)における被写体(位置測定装置200)の位置を計算し、被写体が撮影画界の範囲内または範囲外のいずれに存在するかを判定する。表示部104は、被写体が画面内に存在しない場合、撮像装置100に対する被写体の位置情報(距離または方向)を表示する。また表示部104は、被写体が画面内に存在するか否かに基づいて、被写体402の位置に関する表示内容を変更する。
【0023】
操作部(操作手段)105は、位置測定装置200の表示または非表示を撮影者が選択するための操作ボタンである。後述のように、表示部104は、撮影者による操作部105の操作により、位置測定装置200の位置情報に関する表示または非表示を切り替える。
【0024】
次に、
図2を参照して、各実施形態における位置測定装置(子機)について説明する。
図2は、位置測定装置200のブロック図である。位置測定装置200は、撮影者が撮像装置100で撮影しようとする被写体に保持される(取り付けられる)。位置測定装置200は、被写体の位置情報および方位情報(方向情報)を取得し、無線転送で親機である撮像装置100に伝送する機能を備える。
【0025】
位置測定装置200は、位置検知部201、方向検知部202、通信部203、メモリ204、および、電源205を有する。位置検知部201、方向検知部202、および、通信部203は、撮像装置100の位置検知部109、方向検知部108、および、通信部107とそれぞれ同様の機能を有する。すなわち位置測定装置200は、GPSデータを受信可能な位置検知部201により取得された位置情報と方向検知部202により取得された方位情報をメモリ204に一時蓄積し、適時、撮像装置100に通信部203を介して無線転送を行う。なお、位置検知部201および方向検知部202により第2の位置取得手段が構成される。電源205は、バッテリおよび充電器を備えた電気ブロックであり、位置測定装置200の携帯運用を可能にする電力供給を担う。
【0026】
次に、
図3を参照して、各実施形態における撮像装置100の外観について説明する。
図3は、撮像装置100の外観図である。各実施形態の撮像装置100は、デジタルカメラ(光学機器)である。なお各実施形態において、撮像装置100は、カメラ本体とレンズ部101とが一体的に構成されたデジタルカメラであるが、カメラ本体と、カメラ本体に着脱可能な交換レンズ(レンズ部101)とを備えた一眼レフカメラやミラーレスカメラであってもよい。また撮像装置100は、デジタルカメラに限定されるものではなく、ビデオカメラや電子双眼鏡等の被写体の撮影が可能なカメラ機能を有する光学機器や、双眼鏡のように接眼光学系を覗くことによって被写体をより詳細に把握できる光学機器にも適用可能である。
【0027】
図3において、20はデジタルカメラ本体、101はレンズ部、102はレンズ部101により形成された被写体像を受光する撮像素子、23は撮像素子102から出力された画像データに基づく画像を記憶する受光した被写体像を記憶する記憶装置である。24は表示素子に表示された被写体像を観察するためのファインダーである。表示素子は液晶パネル等によって構成され、撮像素子102上に形成された被写体像が表示される。25は、ファインダー24と同等の機能を有する液晶表示パネルである。ファインダー24および液晶表示パネル25は、表示部104を構成する。26は被写体を撮影するための撮影ボタン、27は被写体の探索表示のON/OFFを切り替えるボタンである。撮影ボタン26およびボタン27は、操作部105を構成する。
【0028】
以下、各実施形態について具体的に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図4(a)、(b)を参照して、運動会において自分の子供(被写体)を探し出し、撮影する場合を想定して説明を行う。撮像装置100は、表示部104として、画像を確認するために画像を表示するファインダー24や液晶表示パネル(液晶モニター)25を有する。
図4(a)は被写体が画面内に存在しない場合の表示方法の説明図、
図4(b)は被写体が画面内に存在する場合の表示方法の説明図である。
【0030】
図4(a)において、401は撮影者が画像を確認できる画面(液晶画面)の全体の表示範囲を示す枠(撮影画面の端)である。枠401の範囲外は液晶画面の外部であり、液晶画面は表示されない範囲、すなわち撮影者は液晶画面で見ることができない範囲である。なお
図4(a)において、枠401の範囲外の情報は、理解しやすくするために示している。運動会において、子供たちは同じ服装を身に着けており、子供の座席や、出場演技、演技場所のおよその位置は子供へ聞き取り、事前に把握している場合が多く、事前に入手した情報に基づいて撮像装置100を向けて探す。
【0031】
図4(a)は、事前に入手した情報より、自分の子供(被写体402)が存在すると考えられる方向に撮像装置100を向けた状態を示している。
図4(a)において、被写体402は、表示部104の画面内に存在しない(画面外に存在する)状態を示している。本実施形態において、被写体402が画面外である場合、表示部104は、被写体402の方向を矢印403(撮像装置100に対する被写体402の方向を示す情報)で表示している。また、画面中心404に対して、被写体402がどのくらいの距離離れているのかを、矢印403と同時にメートル等の距離405を表示する。406は、撮影ターゲットである自分の子供(被写体402)とは異なる被写体(他人の子供)を表している。撮影者は、表示された矢印403の方向に撮像装置100を向けることにより、被写体402を画面内に入れることが可能となる。
【0032】
図4(b)は、被写体402を画面内(枠401の中)に捕らえた後の表示方法を示している。被写体402を画面内に捕らえた場合、表示部104は、矢印403の表示方法から被写体402の位置情報を丸形状201で表示する表示方法に切り替える。被写体402が画面外(枠401の外)から画面内に入った場合、瞬時に矢印403から丸形状201に表示方法が切り替わる。
【0033】
逆に、被写体402が画面内から画面外に外れた場合、表示部104は、瞬時に丸形状201から矢印403に切り替わる。撮影者は、表示方法が変わったことによって、被写体402が画面内にいるのか画面外にいるのかを瞬時に把握することができる。本実施形態において、丸形状の大きさは、認識した被写体の上下左右における最大値以内の丸形状とすることが好ましい。
【0034】
次に、
図5を参照して、本実施形態における表示方法について説明する。
図5は、本実施形態における表示方法のフローチャートである。撮像装置100を購入した場合、撮影は運動会や子供のイベントのみを撮影するわけではないため、液晶画面に表示する表示画面にはサポートの表示方法は使いたい場合と、使いたくない場合とで表示の有無を選択できるように構成することが好ましい。このため、サポート表示を使うことを選択できるボタン等を撮像装置100に設けることが好ましい。サポート表示を行う場合にはボタンを押し、表示を行わない場合には再度ボタンを押すことで切り替えを行えばよい。
図5のフローチャートにおいては、被写体探索を開始し、サポートシステムの被写体探索ボタンを押すことで、ステップS601のサポート探索表示ONが開始する。
【0035】
ステップS601にてサポート探索表示ON後、ステップS602において、判定部106は、被写体が表示部104の画面内(枠401の中)に存在するか否かを判定する。被写体が画面外である場合、ステップS605に進み、表示部104は、画面上に画面中央から被写体が存在する方向に向けて矢印を表示する。続いてステップS606において、撮影者は撮影を続け、矢印の方向に撮像装置100を向ける動作をとる。続いてステップS607において、判定部106は、撮影者の動作中に被写体を画面内に捕えたか否かをリアルタイムで判定する。被写体を捕えていない場合、ステップS605に戻り、表示部104は矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。
【0036】
一方、被写体を捕えた場合、ステップS608に進み、表示部104は、被写体の上に丸形状を表示する。続いてステップS609において、被写体の動作に合わせて撮影を続ける。続いてステップS610において、判定部106は、撮影中に被写体を画面内に捕えたか否かをリアルタイムで判定する。被写体を画面内に捕えた場合、ステップS608において、継続して被写体の上に丸形状を表示する。一方、被写体が画面から外れた場合、ステップS605に進み、表示部104は矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。撮影終了後または被写体探索が不要となった場合、ステップS604において、撮影者が被写体探索ボタンを押しOFFにすることで、サポート探索表示を終了する。
【0037】
次に、
図6を参照して、被写体の位置が画面内または画面外であるかを判定する判定方法について説明する。
図6は、被写体の位置の判定方法および表示方法のフローチャートである。
【0038】
まずステップS701において、撮影者は被写体探索ボタンを押す。続いてステップS702において、撮像装置100は、通信部107を介して、子機(GPSシステム)である位置測定装置200の緯度経度の位置情報を取得する。続いてステップS703において、親機である撮像装置100の緯度経度の位置情報を取得する。続いてステップS704において、撮像装置100と位置測定装置200との相対位置関係より、判定部106は被写体までの距離を算出し、算出した距離をメモリ(不揮発性メモリ)110に記憶させる。
【0039】
続いてステップS705において、判定部106は、レンズ部101の焦点距離を取得し、取得した焦点距離をメモリ110に記憶させる。続いてステップS706において、判定部106は、被写体のまでの距離とレンズ部101の焦点距離とに基づいて、被写体距離における撮影画界(撮影画角)を算出し、算出した撮影画界をメモリ110に記憶させる。続いてステップS707において、方向検知部108は撮像装置100の撮影方向を検出し、検出した撮影方向をメモリ110に記憶させる。続いてステップS708において、判定部106は、撮像装置100から位置測定装置200までの距離および撮像装置100の方向を含む位置情報を検出し、撮影画界における位置測定装置200の位置を算出する。ステップS708以降、
図5のステップS602~S610(ステップS700)へ移行する。
【0040】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7(a)、(b)を参照して、第1の実施形態と同様に、運動会において自分の子供(被写体)を探し出し、撮影する場合を想定して説明を行う。
図7(a)は、本実施形態において、被写体が画面内に存在しない場合の表示方法の説明図であり、
図4(a)と同様である。
図7(b)は、被写体が画面内に存在する場合の表示方法の説明図である。
【0041】
図7(b)において、被写体402を画面内に捕らえた場合、被写体402の周辺部のエッジ強調処理901を行って被写体402を表示する。本実施形態では、判定部106は被写体402の体形を認識して被写体402の周辺部におけるエッジ強調処理901を行う。または、被写体402のエッジ部に赤色等の色を付けることにより、被写体であることを判別しやすくしてもよい。被写体402が画面外(枠401外)から画面内に入った場合、瞬時に矢印403からエッジ強調処理901に切り替わる。逆に、被写体402が画面内から画面外に外れた場合、瞬時にエッジ強調処理901から矢印403の表示に切り替わる。撮影者は、表示方法が変わることにより、被写体402が画面内または画面外のいずれに存在するのかを瞬時に把握することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図8(a)、(b)を参照して、第1の実施形態と同様に、運動会において自分の子供(被写体)を探し出し、撮影する場合を想定して説明を行う。
図8(a)は、本実施形態において、被写体が画面内に存在しない場合の表示方法の説明図であり、
図4(a)と同様である。
図8(b)は、被写体が画面内に存在する場合の表示方法の説明図である。
【0043】
図8(b)において、被写体402を画面内に捕らえた場合、被写体402の外周を囲む四角の枠1101を表示する。本実施形態では、判定部106は被写体402の体形を認識して被写体402の外周を囲む四角の枠1101を表示する。枠1101に赤色等の色を付けることにより、被写体402をより判別しやすくしてもよい。被写体402が画面外(枠401外)から画面内に入った場合、瞬時に矢印403から枠1101の表示に切り替わる。逆に、被写体402が画面内から画面外に外れた場合、瞬時に枠1101から矢印403の表示に切り替わる。撮影者は、表示方法が変わることにより、被写体402が画面内または画面外のいずれに存在するのかを瞬時に把握することができる。本実施形態において、被写体402の外周を囲う四角の枠1101は、被写体認識における上下左右の各方向の最大値を通り、液晶画面枠と同じ垂直、水平線で囲われた四角形状とすることが好ましい。
【0044】
以上のように、本実施形態において、表示部104は、表示部104の画面内における被写体402の大きさが第1の閾値を超えた場合、位置測定装置200の位置情報を非表示にする。例えば、表示部104の画面の垂直方向のサイズをH、被写体402に対応する四角の枠1101の垂直方向のサイズをHHとするとき、第1の閾値をHH/Hの閾値として設定することができる。また例えば、表示部104の画面の面積をH2、四角の枠1101の面積をHH2とするとき、第1の閾値をHH2/H2の閾値として設定してもよい。
【0045】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9(a)、(b)を参照して、第1の実施形態と同様に、運動会において自分の子供(被写体)を探し出し、撮影する場合を想定して説明を行う。
図9(a)は、本実施形態において、被写体が画面内に存在しない場合の表示方法の説明図であり、
図4(a)と同様である。
図9(b)は、被写体が画面内に存在する場合の表示方法の説明図である。
【0046】
図9(b)において、被写体402を画面内に捕らえた場合、被写体402の顔の外周を囲む四角の枠1301を表示する。本実施形態では、判定部106は被写体402の顔を認識して被写体402の顔の外周を囲む四角の枠1301を表示する。枠1301に赤色等の色を付けることにより、被写体402をより判別しやすくしてもよい。被写体402が画面外(枠401外)から画面内に入った場合、瞬時に矢印403から枠1301の表示に切り替わる。逆に、被写体402が画面内から画面外に外れた場合、瞬時に枠1301から矢印403の表示に切り替わる。撮影者は、表示方法が変わることにより、被写体402が画面内または画面外のいずれに存在するのかを瞬時に把握することができる。本実施形態において、被写体402の外周を囲う四角の枠1301は、被写体の顔認識における上下左右の各方向の最大値を通り、液晶画面枠と同じ垂直、水平線で囲われた四角形状とすることが好ましい。
【0047】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態において、
図10(a)は、第1の実施形態の
図4(a)において被写体までの距離がある程度近い場合、または、撮像装置100の焦点距離が望遠側に長い焦点距離などの場合であり、表示部104で被写体402の顔が判別可能な大きさの場合を示す。顔が判別できるほどの大きさで表示部104の画面に映し出されている場合、被写体判別用の表示を行わないほうが好ましい場合がある。その場合、撮像装置100への設定により、位置測定装置200の位置情報の表示を非表示にすることができる。
【0048】
図10(a)は、被写体402が画面内(枠401の中)に存在する場合の被写体402の顔の大きさ判定の説明図であり、被写体402を画面内に捕らえた後の表示方法を示している。被写体402を画面内に捕らえた場合、被写体の位置(すなわち位置測定装置200の位置)を丸形状1401で表示する表示方法に切り替えている。一方、同時に被写体402の顔を認識し、被写体402の顔の周辺部を四角の枠1402で囲い、四角の枠1402の大きさを判定する。顔を囲う四角の枠1402は、被写体認識用の撮影者には見えない、撮像装置100の内の処理上の枠である。
【0049】
図10(b)は、被写体402が画面内に存在する場合の表示を非表示とした場合の説明図であり、事前に設定した顔の大きさが所定の閾値を超えた場合において、丸形状1401を非表示した場合の画面表示を示している。
図10(a)において、被写体402の顔の大きさ判定は、表示部104の画面の垂直方向のサイズをH、顔を囲う四角の枠1402の垂直方向のサイズをIHとするとき、例えばIH/H>0.3なる条件式(第1の閾値)を満足するか否かで行われる。ここで、0.3は被写体402の垂直方向の顔のサイズが画面の垂直方向のサイズの30%以上の場合は非表示に設定するということを示している。また、顔サイズの判定は、垂直方向のサイズで表示するだけではなく、例えば画面の面積と、画面内の顔を囲う四角の枠の面積との比率で表してもよい。被写体402の外周を囲う被写体402の顔認識用の見えない四角の枠1402は、被写体402の顔の上下左右の各方向の最大値を通り、画面枠と同じ垂直、水平線で囲われた四角形状とすることが好ましい。
【0050】
次に、
図11を参照して、本実施形態における表示方法について説明する。
図11は、本実施形態における表示方法のフローチャートである。撮像装置100を購入した場合、撮影は運動会や子供のイベントのみを撮影するわけではないため、サポートの表示方法は使いたい場合と、使いたくない場合とで表示の有無を選択できるように構成することが好ましい。このため、サポート表示を使うことを選択できるボタン等を撮像装置100に設けることが好ましい。サポート表示を行う場合にはボタンを押し、表示を行わない場合には再度ボタンを押すことで切り替えを行えばよい。
【0051】
まずステップS1600において、画面内における顔の大きさの閾値(第2の閾値)を登録する。そしてステップS1601において、撮影者がサポートシステムの被写体探索ボタンを押すことで、撮像装置100はサポート探索表示ONを開始する。続いてステップS1602において、判定部106は、被写体が画面外または画面内のいずれに存在するかを判定する。被写体が画面外に存在する場合、ステップS1605に進み、表示部104は画面上に画面中央から被写体が存在する方向にむけて矢印を表示する。続いてステップS1606において、撮影者は矢印の方向に撮像装置100を向ける動作をとる。続いてステップS1607において、判定部106は、被写体を画面内に捕えたか否かをリアルタイムで判定する。被写体を捕えていない場合、ステップS1605に進み、矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。
【0052】
一方、被写体を捕えた場合、ステップS1603に進む。ステップS1603において、被写体が画面内に存在する場合、ステップS1608に進み、被写体の顔サイズを認識する。続いてステップS1609において、被写体の顔の大きさを判定する。事前に撮像装置100に撮影画面内における被写体の顔の垂直方向のサイズH、撮影画面の垂直方向のサイズIHに基づく値H/IHを登録しておく。そして判定部106は、被写体の顔のサイズが設定した閾値以上であるか否かを判定する。登録した値が閾値を超える場合、ステップS1610に進み、被写体上に表示する丸形状を非表示とする。続いてステップS1611において、撮影者は被写体の動作に合わせて撮影を続ける。
【0053】
続いてステップS1612において、判定部106は、被写体を画面内に捕えているか否かをリアルタイムで判定する。被写体を画面内に捕えている場合、ステップS1608に進み、被写体の顔の大きさを認識し続ける。一方、被写体が画面から外れた場合、ステップS1605に進み、矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。撮影終了後または探索が不要となった場合、ステップS1604において、撮影者が被写体探索ボタンを押しOFFにすることで、サポート探索表示を終了する。
【0054】
以上のように、本実施形態において、表示部104は、画面内における被写体402の顔の大きさが第2の閾値を超えた場合、位置測定装置200の位置情報を非表示にする。好ましくは、表示部104は、画面内における被写体402の顔の大きさを、被写体402の顔を囲む四角の枠1402として表示する。ここで、表示部104の画面の垂直方向のサイズをH、被写体402に対応する四角の枠1402の垂直方向のサイズをIHとするとき、第2の閾値をIH/Hの閾値として設定することができる。また、表示部104の画面の面積をH2、四角の枠1402の面積をIH2とするとき、第2の閾値をIH2/H2の閾値として設定してもよい。
【0055】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態において、
図12(a)は、第1の実施形態の
図4(a)において被写体までの距離がある程度近い場合、または、撮像装置100の焦点距離が望遠側に長い焦点距離などの場合であり、表示部104で被写体402の顔が判別可能な大きさの場合を示す。顔が判別できるほどの大きさで表示部104の画面に映し出されている場合、被写体判別用の表示を行わないほうが好ましい場合がある。運動会においては人が密集している場合多いため、画面内の人の数を自動カウントする。そして人の数が閾値以下の場合、被写体をある程度認識できる程度に拡大していると想定し、位置測定装置200の位置情報の表示を非表示にする。
【0056】
図12(a)は、被写体402が画面内(枠401の中)に存在する場合の人の数の判定の説明図であり、被写体402を画面内に捕らえた後の表示方法を示している。被写体402を画面内に捕らえた場合、被写体の位置(すなわち位置測定装置200の位置)を丸形状1701で表示する表示方法に切り替えている。一方、同時に画面内に存在する人の数を認識し、人の周りをマーキングして人の数をカウントする。人を囲う丸の枠1702は、人認識用の撮影者には見えない、撮像装置100の内の処理上の枠である。
図12(b)は、被写体402が画面内に存在する場合の表示を非表示とした場合の説明図であり、事前に設定した画面内の人の数が所定の数以下になった場合、丸形状1701を非表示にした場合の画面を示している。
【0057】
次に、
図13を参照して、本実施形態における表示方法について説明する。
図13は、本実施形態における表示方法のフローチャートである。撮像装置100を購入した場合、撮影は運動会や子供のイベントのみを撮影するわけではないため、サポートの表示方法は使いたい場合と、使いたくない場合とで表示の有無を選択できるように構成することが好ましい。このため、サポート表示を使うことを選択できるボタン等を撮像装置100に設けることが好ましい。サポート表示を行う場合にはボタンを押し、表示を行わない場合には再度ボタンを押すことで切り替えを行えばよい。
【0058】
まずステップS1900において、画面内における人の数の閾値(所定の数)を登録する。そしてステップS1901において、撮影者がサポートシステムの被写体探索ボタンを押すことで、撮像装置100はサポート探索表示ONを開始する。続いてステップS1902において、判定部106は、被写体が画面外または画面内のいずれに存在するかを判定する。被写体が画面外に存在する場合、ステップS1905に進み、表示部104は画面上に画面中央から被写体が存在する方向にむけて矢印を表示する。続いてステップS1906において、撮影者は矢印の方向に撮像装置100を向ける動作をとる。続いてステップS1907において、判定部106は、被写体を画面内に捕えたか否かをリアルタイムで判定する。被写体を捕えていない場合、ステップS1905に進み、矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。
【0059】
一方、被写体を捕えた場合、ステップS1903に進む。ステップS1903において、被写体が画面内に存在する場合、ステップS1908に進み、画面内の人の数を認識する。続いてステップS1909において、人の数をカウントし、人の数が所定の数以下であるか否かを判定する。人の数が所定の数以下である場合、ステップS1910に進み、被写体上に表示する丸形状を非表示とする。続いてステップS1911において、撮影者は被写体の動作に合わせて撮影を続ける。
【0060】
続いてステップS1912において、判定部106は、被写体を画面内に捕えているか否かをリアルタイムで判定する。被写体を画面内に捕えている場合、ステップS1908に進み、人の数を認識し続ける。一方、被写体が画面から外れた場合、ステップS1905に進み、矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。撮影終了後または探索が不要となった場合、ステップS1904において、撮影者が被写体探索ボタンを押しOFFにすることで、サポート探索表示を終了する。
【0061】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。本実施形態において、撮影者はGPSによって被写体402(位置測定装置200)と撮像装置100との距離を取得することができる。また、被写体の身長等の大きさ情報を事前に撮像装置100に登録しておく。これにより、被写体の大きさ、撮像装置100の焦点距離、および、被写体までの距離に基づいて、撮影画界(画面内)における被写体の大きさを撮像装置100の焦点距離によって把握することができる。撮像装置100の焦点距離が事前に設定した所定の焦点距離よりも長い場合、位置測定装置200の表示情報を非表示にすることができる。
【0062】
図14を参照して、本実施形態における表示方法について説明する。
図14は、本実施形態における表示方法のフローチャートである。撮像装置100を購入した場合、撮影は運動会や子供のイベントのみを撮影するわけではないため、サポートの表示方法は使いたい場合と、使いたくない場合とで表示の有無を選択できるように構成することが好ましい。このため、サポート表示を使うことを選択できるボタン等を撮像装置100に設けることが好ましい。サポート表示を行う場合にはボタンを押し、表示を行わない場合には再度ボタンを押すことで切り替えを行えばよい。
【0063】
まずステップS2000において、事前に被写体402の身長等の寸法(所定の閾値)を登録する。そしてステップS2001において、撮影者がサポートシステムの被写体探索ボタンを押すことで、撮像装置100はサポート探索表示ONを開始する。続いてステップS2002において、判定部106は、被写体が画面外または画面内のいずれに存在するかを判定する。被写体が画面外に存在する場合、ステップS2005に進み、表示部104は画面上に画面中央から被写体が存在する方向にむけて矢印を表示する。続いてステップS2006において、撮影者は矢印の方向に撮像装置100を向ける動作をとる。続いてステップS2007において、判定部106は、被写体を画面内に捕えたか否かをリアルタイムで判定する。被写体を捕えていない場合、ステップS2005に進み、矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。
【0064】
一方、被写体を捕えた場合、ステップS2003に進む。ステップS2003において、被写体が画面内に存在する場合、ステップS2008に進み、撮像装置100の焦点距離を取得する。続いてステップS2009において、撮像装置100の焦点距離が所定の焦点距離以上であるか否かを判定する。撮像装置100の焦点距離が所定の焦点距離以上の場合、ステップS2010に進み、被写体上に表示する丸形状を非表示とする。続いてステップS2011において、撮影者は被写体の動作に合わせて撮影を続ける。
【0065】
続いてステップS2012において、判定部106は、被写体を画面内に捕えているか否かをリアルタイムで判定する。被写体を画面内に捕えている場合、ステップS2008に進み、撮像装置100の焦点距離を取得し続ける。一方、被写体が画面から外れた場合、ステップS2005に進み、矢印を表示して被写体が存在する方向を知らせる。撮影終了後または探索が不要となった場合、ステップS2004において、撮影者が被写体探索ボタンを押しOFFにすることで、サポート探索表示を終了する。
【0066】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0067】
各実施形態によれば、撮影者が被写体の位置を容易に把握可能であるように撮影画面に被写体の位置情報を表示する制御装置、撮像装置、撮像システム、制御方法、および、プログラムを提供することができる。このため各実施形態によれば、運動会等の子供のイベントにおいて自分の子供を素早く確実に探して撮影可能であって、さらには子供を応援することにも気を回すことが可能となる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
100 撮像装置(制御装置)
104 表示部(表示手段)
106 判定部(判定手段)
401 枠(撮影画面)