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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】広域警戒システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20240430BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G08B27/00 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019232612
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021101282
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】外村 賢昭
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-200727(JP,A)
【文献】特開2017-182333(JP,A)
【文献】特開2002-291026(JP,A)
【文献】特開平10-320676(JP,A)
【文献】特開2019-036304(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0271198(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/10
G08B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1通信手段と通信可能なサーバと、
建物毎に第2通信手段と共に設置され、同一建物に設置された第2通信手段と通信可能な検出器と、
を備え、
所定の第2通信手段と通信可能な複数の第1通信手段の位置情報と、当該所定の第2通信手段と前記通信可能な複数の第1通信手段との間の複数の電波伝播距離に基づき生成された第2通信手段の位置情報を当該第2通信手段が設置された建物の位置情報として前記サーバに登録し、
前記検出器から前記同一建物に設置された第2通信手段及び前記複数の第1通信手段の何れかを経由して前記サーバに異常検出信号送信し、前記サーバで前記異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき所定の警報制御を行うことを特徴とする広域警戒システム。
【請求項2】
請求項1記載の広域警戒システムに於いて、
前記第2通信手段の位置情報地図上で、前記第1通信手段の位置情報を中心とし前記電波伝播距離を半径とする複数の円の重複する領域に基づき生成されることを特徴とする広域警戒システム。
【請求項3】
請求項1記載の広域警戒システムに於いて、
記第1通信手段の各々は、前記第2通信手段と通信接続するためのビーコン信号を送信しており、
前記第2通信手段は、前記通信可能な複数第1通信手段から送信された前記ビーコン信号を受信して第1通信手段の識別情報と電波強度を含む複数のビーコン情報を生成し、
前記第2通信手段の位置情報は、前記複数のビーコン情報に基づき取得した前記複数の第1通信手段の位置情報と前記複数の電波伝播距離に基づき生成されることを特徴とする広域警戒システム。
【請求項4】
請求項3記載の広域警戒システムに於いて、
前記第2通信手段は、利用契約の有無に関わらず、異なる通信事業者の複数の無線ネットワークに設けられた前記第1通信手段からのビーコン信号を受信して前記ビーコン情報を生成することを特徴とする広域警戒システム。
【請求項5】
請求項3記載の広域警戒システムに於いて、
前記第1通信手段の位置情報は、前記ビーコン情報から得られた前記第1通信手段の識別情報に基づき取得されることを特徴とする広域警戒システム。
【請求項6】
請求項3記載の広域警戒システムに於いて、
前記電波伝播距離は、前記ビーコン情報から得られた前記電波強度に基づき取得されることを特徴とする広域警戒システム。
【請求項7】
請求項1記載の広域警戒システムにおいて、
前記サーバは前記異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき、当該異常検出信号を送信した検出器の近隣に位置する他の所定の検出器が設置された建物の位置情報を連動先として検出し、前記連動先の建物に設置された検出器に異常警報信号を送信して連動警報を出力させることを特徴とする広域警戒システム。
【請求項8】
請求項1記載の広域警戒システムにおいて、
前記検出器は、火災を監視する火災警報器、ガス漏れを監視するガス漏れ警報器、不審者の侵入を監視する侵入者警報器、スイッチ操作により非常事態の発生を通報する非常通報装置の少なくとも何れかを含むことを特徴とする広域警戒システム。
【請求項9】
サーバと、
建物毎に通信手段と共に設置され、同一建物に設置された通信手段と通信可能な検出器と
を備え、
前記サーバが前記通信手段の位置情報を予め取得して記憶し、前記通信手段を経由して前記検出器から所定の信号を受信したときに、前記通信手段の位置情報を当該通信手段が設置された建物の位置情報と見做して登録し、
前記検出器から前記通信手段を経由して異常検出信号を前記サーバへ送信し、前記サーバで前記異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき所定の警報制御を行うことを特徴とする広域警戒システム。
【請求項10】
サーバと、
建物毎に通信手段と共に設置され、同一建物に設置された通信手段と通信可能な検出器と
を備え、
前記サーバが前記通信手段を経由して当該経由した通信手段の位置情報が追加された前記検出器からの所定の信号を受信したときに、前記信号に含まれる通信手段の位置情報を当該通信手段が設置された建物の位置情報と見做して登録し、
前記検出器から前記通信手段を経由して異常検出信号を前記サーバへ送信し、前記サーバで前記異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき所定の警報制御を行うことを特徴とする広域警戒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の住戸に設置された火災警報器等の異常を監視する検知器を、無線ネットワークを経由してサーバに接続し、火災等の異常を検出した場合に異常検出場所の位置情報に基づいて近隣住戸等に対し連動警報等を行う広域警戒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災を検出して警報する住宅用の火災警報器が普及している。このような火災警報器にあっては、警報器内にセンサ部と警報部を一体に備え、煙あるいは熱等により火災を検出すると火災警報を出すようにしており、火災警報器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0003】
また、複数の火災警報器間で相互に通信を行うことによって、任意の火災警報器で火災警報音が出力されると、他の火災警報器でも連動して火災警報音が出力される無線式連動型の火災警報器システムも実用化され、普及している。
【0004】
更に、市街地等の住宅に設置された火災警報器を対象として火災を監視する広域監視システムが考えられており、火災警報器をWiFi(登録商標)ネットワーク等の無線ネットワークの端末アダプタ(「クライアント」ともいう)からアクセスポイント及びインターネットを経由してサーバに接続し、サーバには火災警報器の設置場所(設置住宅)を示す端末位置情報が予め登録されており、火災警報器から火災検出信号を受信したときに、火災発生住宅を示す端末位置情報を取得し、火災発生住宅の周辺に位置する予め登録した連動先の住宅を端末位置情報から検索し、連動先の住戸に火災警報信号を送信して火災警報器から近隣の火災発生を示す連動警報を出力させ、迅速な避難行動等を促すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-168989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなサーバに火災警報器の設置場所を示す端末位置情報を登録して火災時に近隣住宅の火災警報器から連動警報を出力させる広域警戒システムにあっては、火災警報器の設置場所(設置住宅)を示す端末位置情報をサーバに登録する作業に大変な手間と時間がかかる問題がある。
【0007】
サーバに端末位置情報を登録するときは、専門の作業者が火災警報器の設置住宅に出向き、パーソナルコンピュータ等の端末アダプタ(クライアント)を使用し、WiFi(登録商標)ネットワークのアクセスポイントを経由してサーバに接続し、サーバに対し利用者契約等に基づき固有のユーザIDとパスワードの組からなるアカウント情報を事前登録し、このアカウント情報に基づき例えば設置場所を示す住所や地図上の緯度経度等の端末位置情報を入力し、これをサーバに送信して登録する作業が広域に分散している住戸毎に必要となり、サーバに対する端末位置情報の登録に大変な手間と時間がかかる。また、利用者の転居等もあることから、システムの運用中にあっても、端末位置情報の変更が必要となり、同様に、手間と時間がかかる問題がある。
【0008】
本発明は、無線ネットワークに配置されたアクセスポイントの位置情報を利用して簡単且つ容易に検出器の設置場所を示す端末位置情報のサーバ登録や登録変更を可能とする広域警戒システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(広域警戒システム)
本発明は、広域警報システムであって、
複数の第1通信手段(例えばアクセスポイント)と通信可能なサーバと、
建物毎に第2通信手段(例えば端末アダプタ)と共に設置され、同一建物に設置された第2通信手段と通信可能な検出器と、
を備え、
所定の第2通信手段と通信可能な複数の第1通信手段の位置情報と、当該所定の第2通信手段と通信可能な複数の第1通信手段との間の複数の電波伝播距離に基づき生成された第2通信手段の位置情報を当該第2通信手段が設置された建物の位置情報としてサーバに登録し、
検出器から同一建物に設置された第2通信手段及び複数の第1通信手段の何れかを経由してサーバに異常検出信号を送信し、サーバで異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき所定の警報制御を行うことを特徴とする。
【0010】
(第1通信手段の位置情報と電波伝播距離に基づく位置情報の生成)
第2通信手段の位置情報地図上で、第1通信手段の位置情報を中心とし電波伝播距離を半径とする複数の円の重複する領域に基づき生成される。
【0011】
(ビーコン信号の受信に基づく位置情報の生成)
1通信手段の各々は、第2通信手段と通信接続するためのビーコン信号を送信しており、
第2通信手段は、通信可能な複数の第1通信手段から送信されたビーコン信号を受信して第1通信手段の識別情報(例えばアクセスポイントMACアドレス)と電波強度を含む複数のビーコン情報を生成し、
第2通信手段の位置情報は、複数のビーコン情報に基づき取得した複数の第1通信手段の位置情報と複数電波伝播距離に基づき生成される。
【0012】
(第1通信手段の位置情報の取得)
第1通信手段の位置情報は、ビーコン情報から得られた第1通信手段の識別情報に基づき取得される。
【0013】
(電波強度による電波伝播距離の取得)
電波伝播距離は、ビーコン情報から得られた電波強度に基づき取得される。
【0014】
(プロバイダの異なる第1通信手段の位置情報の取得)
第2通信手段は、利用契約の有無に関わらず、異なる通信事業者の複数の無線ネットワークに設けられた第1通信手段からのビーコン信号を受信してビーコン情報を生成する。
【0015】
(検出器の連動制御)
サーバは、異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき、当該異常検出信号を送信した検出器の近隣に位置する他の所定の検出器が設置された建物の位置情報を連動先として検出し、連動先の建物に設置された検出器に異常警報信号を送信して連動警報を出力させる。
【0016】
(検出器の種別)
検出器は、火災を監視する火災警報器、ガス漏れを監視するガス漏れ警報器、不審者の侵入を監視する侵入者警報器、スイッチ操作により非常事態の発生を通報する非常通報装置の少なくとも何れかを含む。
【0017】
(端末位置情報の簡易登録1)
本発明の他の形態にあっては、広域警報システムであって、
サーバと、
建物毎に通信手段(例えばアクセスポイントの機能を備えたルータ)と共に設置され、同一建物に設置された通信手段と通信可能な検出器と、
を備え、
サーバが通信手段の位置情報を予め取得して記憶し、通信手段を経由して検出器から所定の信号を受信したときに、通信手段の位置情報を当該通信手段が設置された建物の位置情報と見做して登録し、
検出器から通信手段を経由して異常検出信号をサーバへ送信し、サーバで異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき所定の警報制御を行うことを特徴とする。
【0018】
(端末位置情報の簡易登録2)
本発明の他の形態にあっては、広域警報システムであって、
サーバと、
建物毎に通信手段と共に設置され、同一建物に設置された通信手段と通信可能な検出器と、
を備え、
サーバが通信手段を経由して当該経由した通信手段の位置情報が追加された検出器からの所定の信号を受信したときに、信号に含まれる通信手段の位置情報を当該通信手段が設置された建物の位置情報と見做して登録し、
検出器から通信手段を経由して異常検出信号をサーバへ送信し、サーバで異常検出信号を送信した検出器が設置された建物の位置情報に基づき所定の警報制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
(基本的な効果)
本発明は、複数の第1通信手段(例えばアクセスポイント)と複数の第2通信手段(例えば端末アダプタ)が所定の通信可能エリアに分散して配置され、所定の第2通信手段と所定の第1通信手段の間を通信接続して信号を送受信する所定の無線ネットワークを備え、建物に設置された検出器からの異常検出信号を無線ネットワークの所定の第2通信手段から所定の第1通信手段を経由してサーバに送信し、サーバで検出器の設置場所に基づき所定の警報制御を行う広域警戒システムに於いて、サーバ又は第2通信手段は、複数の第1通信手段の位置情報と、複数の第1通信手段からの電波を受信する第2通信手段までの電波伝播距離とに基づき、検出器の設置場所を示す第2通信手段の端末位置情報を生成して登録するようにしたため、第2通信手段側からサーバにユーザIDとパスワードの組からなるアカウント情報を事前登録し、アウント情報を使用してサーバに検知器の設置場所を示す端末位置情報を登録する作業が不要となり、例えば、第2通信手段に対し端末位置情報の登録を指示するスイッチ操作等を行うだけで、サーバ又は第2通信手段により自動的に端末位置情報を生成してサーバに登録することができる。
【0020】
(第1通信手段の位置情報と電波伝播距離に基づく端末位置情報の生成の効果)
また、サーバ又は第2通信手段は、通信可能エリアを含む地図上で、第1通信手段の位置情報を中心とし電波伝播距離を半径とする複数の円の重複する領域に基づき端末位置情報を生成するようにしたため、例えば3か所の第1通信手段の位置情報と第2通信手段との電波伝搬距離が得られた場合、地図上で、3つの第1通信手段の位置情報を中心としそれぞれ電波伝播距離を半径とする3つの円を描いたときの重複する領域の中に第2通信手段が位置しており、例えば重複領域の重心位置を設置場所として緯度経度の地図座標や住所表記を生成して検出器の設置場所を示す第2通信手段の位置情報を自動的に生成できる。
【0021】
(ビーコン信号の受信に基づく位置情報の生成による効果)
また、複数の第1通信手段は、第2通信手段と通信接続するためのビーコン信号を送信しており、第2通信手段は、複数の第1通信手段から送信されたビーコン信号を受信して第1通信手段の識別情報(例えばアクセスポイントMACアドレス)と電波強度を含むビーコン情報を生成し、サーバ又は第2通信手段は、複数のビーコン情報に基づき複数の第1通信手段の位置情報と複数の第1通信手段からの電波伝播距離を取得して端末位置情報を生成するようにしたため、第1通信手段が例えば100ミリ秒の周期で送信しているビーコン信号を第2通信手段により受信することで、複数の第1通信手段の識別情報と電波強度を検出して例えばサーバに送り、第1通信手段の識別情報から第1通信手段の位置情報を取得し、電波強度から第1通信手段からの電波伝播距離を取得して端末位置情報を生成することができる。
【0022】
また、複数の第1通信手段の識別情報と電波強度を含むビーコン情報を検出した第2通信手段自身が、第1通信手段の識別情報から第1通信手段の位置情報を取得し、電波強度から第1通信手段からの電波伝播距離を取得して端末位置情報を生成することもできる。
【0023】
(第1通信手段の位置情報の取得)
また、サーバ又は第2通信手段は、ビーコン情報から得られた第1通信手段の識別情報に基づき、予め登録された第1通信手段の位置情報を取得するか、又は、外部の位置情報提供システムから第1通信手段の位置情報を取得するようにしたため、サーバに登録している第1通信手段の位置情報の読出し、或いは、外部の位置情報提供システムを活用した第1通信手段の位置情報の検索により、ビーコン信号を送信している第1通信手段の位置情報を簡単且つ確実に取得することができる。
【0024】
(電波強度による伝播距離の取得の効果)
また、サーバ又は第2通信手段は、ビーコン情報から得られた電波強度に基づき、電波伝播距離を取得するようにしたため、第1通信手段から送信したビーコン信号は距離の二乗に反比例して減衰する関係にあることから、ビーコン信号を受信したときの電波強度に基づき、第1通信手段から第2通信手段までの伝播距離を検出して端末位置情報の生成に利用することができる。
【0025】
(プロバイダの異なる第1通信手段の位置情報の取得の効果)
また、第2通信手段は、利用契約の有無に関わらず、異なる通信事業者の複数の無線ネットワークに設けられた第1通信手段からのビーコン信号を受信してビーコン情報を生成するようにしたため、ユーザが利用契約している無線ネットワークからのビーコン信号に限定されず通信可能な全ての第1通信手段からのビーコン信号を受信して端末位置情報が生成でき、ビーコン信号が受信できる第1通信手段の数が増加することで、端末位置情報の精度を高めることができる。
【0026】
(検出器の連動制御による効果)
また、サーバは、異常を検出した検出器の端末位置情報に基づき、近隣に位置する他の所定の検出器を連動先として検出し、連動先の検出器に異常警報信号を送信して連動警報を出力させるようにしたため、例えば、火災発生住宅に近い周囲の住宅に設置した火災警報器から周辺住宅での火災発生を示す連動火災警報が出力され、例えば、夜間の睡眠中であっても、近隣の住宅での火災発生を連動警報により知って、迅速に避難することが可能となる。
【0027】
(検出器の種別による効果)
また、検出器は、火災を監視する火災警報器、ガス漏れを監視するガス漏れ警報器、不審者の侵入を監視する侵入者警報器、スイッチ操作により非常事態の発生を通報する非常通報装置の少なくとも何れかを含むようにしたため、火災警報器、ガス漏れ警報器、侵入者警報器、非常通報装置の各々の設置場所を示す端末位置情報を簡単且つ容易にサーバ側に登録して利用することができる。
【0028】
(端末位置情報の簡易登録1による効果)
また、本発明の他の形態にあっては、サーバと、異常を検出する検出器と、サーバと検出器との通信経路に位置する通信手段とを備え、通信手段を経由して検出器から異常検出信号をサーバへ送信し、サーバで検出器の設置場所に基づき所定の警報制御を行う広域警報システムに於いて、サーバは通信手段の位置情報を予め取得して記憶し、通信手段を経由して検出器側から所定の信号を受信したときに、通信手段に対応した位置情報を検出器の設置場所を示す端末位置情報と見做して登録するようにしたため、サーバに通信手段の位置情報を予め取得して記憶しておくことで、検出器の設置場所を示す端末位置情報のサーバでの登録がより簡単となる。
【0029】
(端末位置情報の簡易登録2の効果)
本発明の他の形態にあっては、サーバと、サーバと検出器との通信経路に設けられた通信手段とを備え、通信手段を経由して検出器から異常検出信号をサーバへ送信し、サーバで検出器の設置場所に基づき所定の警報制御を行う広域警報システムに於いて、通信手段は、自己の位置情報を予め取得して記憶し、検出器側から所定の信号を受信したときに、位置情報を含む所定の信号をサーバに送信し、サーバは、通信手段から所定の信号を受信したときに、所定の信号に含まれた位置情報を検出器の設置場所を示す端末位置情報と見做して登録するようにしたため、通信手段で自身の位置情報を予め取得して記憶し、検出器側から受信した位置登録要求信号に自己の位置情報を含めてサーバへ送信することで、検出器の設置場所を示す端末位置情報のサーバでの登録がより簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】広域警戒システムの実施形態を示した説明図
図2図1のサーバ及び端末アダプタの実施形態を示したブロック図
図3】電波強度に対する電波伝播距離の関係を示した特性グラフ図
図4】地図上でアクセスポイントの位置情報と電波伝播距離から端末位置情報を生成する手法を示した説明図
図5】サーバに登録される端末位置情報を一覧形式で示した説明図
図6図2の実施形態による端末位置情報を生成する処理動作を示したタイムチャート
図7】サーバに登録した端末位置情報を利用した火災監視制御を示したタイムチャート
図8】端末アダプタで端末位置情報を生成してサーバに登録するサーバ及び端末アダプタの他の実施形態を示したブロック図
図9図8の実施形態による端末位置情報を生成する処理動作を示したタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
[広域警戒システムの構成]
図1は広域警戒システムの実施形態を示した説明図である。
【0032】
(実施形態の基本的概念)
本実施形態の広域警戒システムは、複数の第1通信手段として機能するアクセスポイント16-1~16-5と複数の第2通信手段として機能する端末アダプタ14が所定の通信可能エリアに分散して配置されたWiFi(登録商標)ネットワーク18等の無線ネットワークを備え、住宅10-1に設置された火災警報器12等の検出器からの異常検出信号をWiFi(登録商標)ネットワーク18の所定の端末アダプタ14から所定のアクセスポイント16-1及びインターネット20を経由してサーバ22に送信し、サーバ22で火災警報器12の設置場所に基づき所定の警報制御を行う広域警戒システムを対象とする。以下、アクセスポイント16-1~16-5を区別する必要がないときは、アクセスポイント16という場合がある。
【0033】
広域警戒システムに設けられたサーバ22は、通信可能距離にある例えばアクセスポイント16-1~16-3の位置情報と、アクセスポイント16-1~16-3からの電波を受信する端末アダプタ14までの電波伝播距離とに基づき、火災警報器12等の検出器の設置場所となる住宅10-1を示す端末アダプタ14の端末位置情報を生成してサーバ22に登録するというものであり、従来の端末アダプタ14側からサーバ22にユーザIDとパスワードの組からなるアカウント情報を事前登録し且つアウント情報を使用してサーバ22に火災警報器12の設置場所を示す端末位置情報を登録する作業が不要となり、例えば、端末アダプタ14に対し例えば火災警報器12から端末位置の登録を指示するスイッチ操作等を行うだけで、サーバ22により自動的に端末位置を生成してサーバ22に登録することができる。
【0034】
サーバ22による端末位置情報の生成のため、アクセスポイント16が端末アダプタ14と通信接続するために100ミリ秒の周期で送信しているビーコン信号を利用する。端末アダプタ14は、アクセスポイント16から送信されたビーコン信号を受信してアクセスポイント識別情報(アクセスポイントMACアドレス)と電波強度を含むビーコン情報を生成する。
【0035】
サーバ22は、アクセスポイント16-1~16-3のビーコン情報から得られたアクセスポイント識別情報に基づきアクセスポイント16-1~16-3の位置情報を取得し、また、ビーコン情報から得られた電波強度に基づきアクセスポイント16-1~16-3から端末アダプタ14までの電波伝播距離を取得し、端末アダプタ14の設置場所を示す端末位置を生成する。
【0036】
サーバ22によるアクセスポイント位置情報の取得は、ビーコン情報から得られたアクセスポイント識別情報(例えばMACアドレス)に基づき、サーバ22に予め登録されたアクセスポイントの位置情報を取得するか、又は、外部のアクセスポイントデータベース25からアクセスポイントの位置情報を取得する。また、電波強度が電波伝播距離の二乗に反比例して減衰する関係にあることから、サーバ22はビーコン情報から得られた電波強度に基づき電波伝播距離を取得する。
【0037】
サーバ22による端末位置の生成は、通信可能エリアを含む地図上で、アクセスポイント位置を中心とし電波伝播距離を半径とする複数の円の重複する領域内を端末位置として生成し、サーバ22の端末位置情報に登録するものであり、例えば、10~100メートル程度の精度で端末位置を生成することができる。
【0038】
(広域警戒システム構成の概略)
図1に示すように、本実施形態の広域警戒システムは、市街地等に設置された住宅10-1~10-3を含む多数の利用者契約を結んだ利用者の住宅を監視対象とし、住宅10-1に代表して示すように、火災警報器12が設置される。火災警報器12は火災による煙濃度又は温度を検出し、煙濃度又は温度が所定の火災閾値に達すると火災を検出し、スピーカ及び表示灯の作動により火災警報を出力し、同時に、火災検出信号を外部に無線送信する。
【0039】
住宅10-1には火災警報器12が1台又は複数台設けられ、火災警報器12が複数台設けられた場合には連動グループを形成し、1台の火災警報器12が火災を検出して火災警報を出力すると、火災検出信号が他の火災警報器12に送信され、連動警報が出力される。
【0040】
住宅10-1に設置した火災警報器12からの火災検出信号は、無線ネットワークとして機能するWiFi(登録商標)ネットワーク18からインターネット20を経由してサーバ22に送信される。このように火災警報器12と端末アダプタ14が設けられた住宅10-1の設備機器は、他の住宅10-2,10-3も同様となる。以下の説明で住宅10-1~10-3を区別する必要がないときは住宅10という場合がある。
【0041】
WiFi(登録商標)ネットワーク18には無線LAN親機として機能する多数のアクセスポイント16-1~16-5が配置され、アクセスポイント16-1~16-5の通信可能範囲をサービスエリアとしており、市街地等にあっては、アクセスポイント16-1~16-5を含む多数のアクセスポイントが格子状に配置され、対象地域全域をカバーしている。
【0042】
住宅10-1にはWiFi(登録商標)ネットワーク18の無線LAN子機(ステーション又はクライアント)として機能する端末アダプタ14が設置され、火災警報器12からの火災検出信号は、火災検出パケット信号に変換されて端末アダプタ14からアクセスポイント16-1に送信され、更に、アクセスポイント16-1からインターネット20を経由してサーバ22に送信される。以下の説明ではアクセスポイント16-1~16-5を区別する必要がないときはアクセスポイント16という場合がある。
【0043】
WiFi(登録商標)ネットワーク18に設けられたアクセスポイント16は、100ミリ秒の周期でビーコン信号を送信している。ビーコン信号は端末アダプタ14がアクセスポイント16に接続するための信号であり、ネットワーク名を示す識別子SSID、MACアドレス、電波強度等の情報が含まれている。識別子SSID(Service Set Identifier)はIEEE802.11の無線LANの通信規格で定められているアクセスポイントの識別子であり、同じ空間に複数のアクセスポイントがあった場合、混線を避けるために名付けられている。
【0044】
アクセスポイント16と端末アダプタ14の間の通信制御は次のようになる。端末アダプタ14には、対応するアクセスポイント16-1の識別子であるSSIDを予め設定登録しておく。これによりアクセスポイント16-1は設定登録されている識別子SSIDの端末アダプタ14としか通信しないようにすることができる。
【0045】
アクセスポイント16-1と端末アダプタ14との間の通信制御は、パッシブスキャン方式とアクティブスキャン方式に大別される。パッシブスキャン方式は、アクセスポイント16-1が100ミリ秒周期でブロードキャスト送信するビーコン信号を端末アダプタ14で受信し、端末アダプタ14は予め設定登録しているアクセスポイント16-1の識別子SSIDが、接続しようとしているアクセスポイント16-1の識別子SSIDと同じかどうかを問い合わせるプローブ要求信号送信する。
【0046】
アクセスポイント16-1はプローブ要求信号により受信した識別子SSIDが自己の識別子SSIDと同じであればプローブ応答信号を返送し、端末アダプタ14はこれを受信して、アクセスポイント16-1の識別子SSIDが設定登録している識別子と同じ識別子であることを確認する。
【0047】
続いて端末アダプタ14とアクセスポイント16-1の間で、予め設定した認証方式を使って認証を行い、認証に成功すると、端末アダプタ14からアクセスポイント16-1へ接続要求としてアソシエーション要求信号を送信し、アクセスポイント16-1が許可応答としてアソシエーション応答信号を返送すると接続が完了し、パケット信号の通信を開始する。
【0048】
アクティブスキャン方式は、端末アダプタ14でアクセスポイント16-1からのビーコン信号を一定時間にわたり受信できなかった場合に、端末アダプタ14が接続を行いたい識別子SSIDの情報をプローブ要求信号により送信し、アクセスポイント16-1からプローブ応答信号が得られれば、パッシブスキャン方式と同様に、認証、アソシエーション要求と応答に移行し、接続を完了し、パケットの通信を開始する。
【0049】
サーバ22は、住宅10-1~10-3に設置された端末アダプタ14の地図上の設置場所を示す端末位置、即ち、火災警報器12が設置された住宅10-1~10-3の場所を示す端末位置を予め登録しており、住宅10-1に設置された火災警報器12からの火災検出信号を受信したとき、火災警報器12の端末位置に基づき火災が発生した住宅10-1の近隣に位置する予め登録された他の住宅、例えば住宅10-2,10-3を連動先として検出し、連動先の住宅10-2,10-3に設置された火災警報器12にインターネット20及びWiFi(登録商標)ネットワーク18を経由して火災警報信号(火災連動信号)を送信して連動火災警報を出力させ、近隣の住宅10-1の火災発生を報知して迅速な避難を可能とする制御を行う。
【0050】
また、サーバ22は住宅10に設置された火災警報器12からの火災検出信号を受信した場合、必要に応じてインターネット20を経由して消防機関サーバ26や警備会社サーバ28に火災通報信号を送信し、消防活動や警備活動を要請する制御も行う。
【0051】
このためサーバ22には、監視対象とする全ての住宅10に設置された端末アダプタ14の位置を端末位置情報として予め登録しておく必要がある。
【0052】
[端末位置の登録]
図2図1のサーバ及び端末アダプタの実施形態を示したブロック図、図3は電波強度に対する電波伝播距離の関係を示した特性グラフ図、図4は地図上でアクセスポイントの位置と電波伝播距離から端末位置を生成する手法を示した説明図、図5はサーバに登録される端末位置情報を一覧形式で示した説明図である。
【0053】
(端末アダプタの構成)
図2に示すように、端末アダプタ14は、アダプタ通信部30、アダプタ制御部32及び端末通信部34で構成され、CPU、メモリ、各種入出力ポートを備えたコンピュータ回路により実現される。
【0054】
端末通信部34は1又は複数の火災警報器12からの火災検出信号を受信し、また、火災警報器12に火災警報信号(火災連動信号)を送信する。端末通信部34は、例えば426MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(特定小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)に準拠し、426.2500MHz~426.8375MHzの間に12.5kHzの周波数帯域幅で割り当てられた48チャンネルの何れかを使用する。
【0055】
アダプタ制御部32にはCPUによるプログラムの実行により実現される通信制御部36とビーコン情報生成部38の機能が設けられる。通信制御部36は端末通信部34とアダプタ通信部30との間との中継制御を行う。ビーコン情報生成部38は後に詳述する。
【0056】
アダプタ通信部30は、WiFi(登録商標)ネットワーク18に設けられたアクセスポイント16-1との間で前述したアクセスポイント通信制御を行う。
【0057】
(サーバの構成)
図2に示すように、サーバ22は、サーバ通信部40、サーバ制御部42、ディスプレイ44、キーボードやマウスを備えた操作部45及び記憶部46で構成され、CPU、メモリ、各種入出力ポートを備えたコンピュータ回路により実現される。
【0058】
サーバ制御部42にはCPUによるプログラムの実行により実現される機能として、監視制御部52と位置情報生成部54が設けられる。また、記憶部46にはアクセスポイント位置情報48と端末位置情報50が登録(記憶)されている。
【0059】
監視制御部52は、WiFi(登録商標)ネットワーク18及びインターネット20を経由して端末アダプタ14から火災警報器12の火災検出信号を受信した場合に、端末アダプタ14のアダプタIDによる端末位置情報50の参照により対応した端末位置を検出し、火災端末位置に隣接した端末位置のアダプタIDを連動先として取得し、火災警報信号(火災連動信号)を送信して火災発生住宅の近隣の住宅に設置した火災警報器12から火災連動警報を出力させる制御を行う。位置情報生成部54は後に詳述する。
【0060】
(ビーコン信号に基づく端末位置情報の生成)
端末アダプタ14のアダプタ制御部32に設けたビーコン情報生成部38は、例えば、火災警報器12又は端末アダプタ14の所定の位置情報登録のスイッチ操作を検出したときに動作し、WiFi(登録商標)ネットワーク18に設けられたアクセスポイント16-1~16-3から送信されたビーコン信号を受信してビーコン情報を生成し、アダプタ通信部30に指示してサーバ22にビーコン情報を送信する制御を行う。
【0061】
アクセスポイント16-1~16-3は100ミリ秒周期で、ネットワーク名を示す識別子SSID、MACアドレス、電波の強さ等の情報を含むビーコン信号を送信しており、ビーコン情報生成部38は受信したビーコン信号からアクセスポイント16-1~16-3のMACアドレスと電波強度を含むビーコン情報を各々生成し、アダプタ通信部30に指示してサーバ22に送信する制御を行う。
【0062】
ここで、端末アダプタ14がビーコン信号を受信するアクセスポイント16-1~16-3には、端末アダプタ14の利用者が通信契約を結んでいる通信事業者が設置しているアクセスポイント以外に、利用者が通信契約を結んでいない通信事業者が設置しているアクセスポイントも含まれる。
【0063】
また、ビーコン情報生成部38は、受信したビーコン信号の電波強度の強い順に優先度を付けたビーコン情報を生成してサーバ22に送信する。また、ビーコン情報生成部38は少なくも2以上のアクセスポイント16からのビーコン信号を受信してビーコン情報を生成する。
【0064】
更に、ビーコン情報生成部38は、通信利用契約を結んでいる通信事業者(プロバイダー)のWiFi(登録商標)ネットワーク18に限定されず、通信利用契約を結んでいない他のWiFi(登録商標)ネットワークに配置しているアクセスポイントからのビーコン信号を受信してビーコン情報を生成し、可能な限り多くのビーコン情報を生成してサーバ22に送信する。
【0065】
サーバ22でビーコン情報から端末位置を生成するためには、少なくとも2つのアクセスポイント16のビーコン情報が必要であり、望ましくは3以上のアクセスポイント16のビーコン情報が位置精度を高めるために必要となる。
【0066】
(アクセスポイント位置情報の取得)
図2のサーバ22のサーバ制御部42に設けられた位置情報生成部54は、端末アダプタ14から送信された複数のビーコン情報に含まれたアクセスポイント識別子であるアクセスポイントMACアドレスに基づき、記憶部46に予め登録されたアクセスポイント位置情報48を検索し、各アクセスポイントMACアドレスに対応したアクセスポイント位置を取得する。このアクセスポイント位置は、地図上での緯度経度及び住所を含む。
【0067】
また、アクセスポイント位置情報48はサーバ22の記憶部46に全て登録されているとは限らず、記憶部46の検索で対応するアクセスポイント位置が検索されなかった場合、位置情報生成部54はインターネット20を経由してアクセスポイントデータベース25にアクセスポイント位置情報48を登録して管理しているデータベースサーバ24にアクセスポイントMACアドレスによる検索要求信号を送信し、外部のシステムから対応するアクセスポイント位置を取得する制御を行う。
【0068】
これにより端末アダプタ14の利用者が通信契約を結んでいる通信事業者の保有するWiFi(登録商標)ネットワークのアクセスポイントのみならず、通信契約をしていない通信事業者の保有するWiFi(登録商標)ネットワークのアクセスポイントの位置も、ビーコン情報から得られたアクセスポイントMACアドレスにより取得することが可能となる。
【0069】
(電波伝播距離の取得)
図2のサーバ22のサーバ制御部42に設けられた位置情報生成部54は、端末アダプタ14から送信された複数のビーコン情報に含まれた電波強度に基づき、アクセスポイント16から端末アダプタ14までの電波伝播距離Lを取得する制御を行う。
【0070】
図3は電波強度に対する電波伝播距離の関係を示した特性グラフ図である。アクセスポイント16から送信されたビーコン信号の電波強度Eは、図3の特性曲線に示すように、電波伝播距離Lの二乗に反比例して減衰する関係、即ち、
E=1/L2
の関係にある。
【0071】
このためサーバ制御部42に設けられた位置情報生成部54は、ビーコン情報から得られた電波強度Eに基づき
L=(1/E)1/2
として電波伝播距離Lを取得する。
【0072】
ここで、電波強度Eが電波伝播距離Lの二乗に反比例して減衰する関係は、障害物の少ない見通し通信のときに正確に得られる関係にあるが、実際の通信では、障害物や反射等で電波伝播条件か時間的に変化することが多く、精度が落ちる可能性がある。
【0073】
このため端末アダプタ14のビーコン情報生成部38は、100ミリ秒の周期で送信されるビーコン信号を所定時間に亘り複数回受信し、電波強度の平均値を求め、これをビーコン情報に含めてサーバ22に送信することで、電波強度に基づく電波伝播距離の精度を高めるようにする。
【0074】
(端末位置の取得)
図2のサーバ22のサーバ制御部42に設けられた位置情報生成部54は、ビーコン情報に含まれる複数のアクセスポイントMACアドレスから取得した複数のアクセスポイント位置P1,P2・・・Pnと、ビーコン情報に含まれる電波強度から取得した複数のアクセスポイント毎の電波伝播距離L1,L2・・・Lnに基づき、火災警報器12の設置場所、即ち端末アダプタ14の設置場所を示す端末位置P0を生成する制御を行う。
【0075】
位置情報生成部54による端末位置P0の生成は、WiFi(登録商標)ネットワーク18のアクセスポイント毎の通信可能エリアを含む地図上で、アクセスポイント位置P1,P2・・・Pnを中心とし、電波伝播距離L1,L2・・・Lnを半径とする複数の円の重複する領域に基づき端末位置P0を生成する。
【0076】
図4は地図上でアクセスポイントの位置情報と電波伝播距離から端末位置情報を生成する手法を示した説明図であり、図4(A)はアクセスポイントが2箇所の場合を示し、図4(B)はアクセスポイントが3箇所の場合を示す。
【0077】
図4(A)に示すように、2箇所のアクセスポイント位置P1,P2と電波伝播距離L1,L2が取得された場合は、P1を中心とする半径L1の円C1と、P2点を中心とする半径L2の円C2の重複領域56の中を、端末アダプタ14の設置場所を示す端末位置P0とする。ここで、重複領域56はある面積をもつことから、例えば重複領域56の重心位置又は重複領域56を通るP1,P2を結ぶ直線の中点を端末位置P0として検出する。
【0078】
また、図4(B)に示すように、3箇所のアクセスポイント位置P1,P2,P3と電波伝播距離L1,L2,L3が取得された場合は、P1を中心とする半径L1の円C1と、P2点を中心とする半径L2の円C2、P3点を中心とする半径L3の円C3の重複領域58の中を、端末アダプタ14の設置場所を示す端末位置P0とする。ここで、重複領域58はある面積をもつことから、例えば重複領域58の重心位置を端末位置P0として検出する。
【0079】
更に、4箇所以上のアクセスポイント位置P1~Pnと電波伝播距離L1~Lnについても、同様にして、円C1~Cnの重複領域内(2以上の円の重複領域)を端末位置P0とする。
【0080】
一方、図4(A)(B)にあっては、電波伝播距離が短いと、複数の円の重複領域56,58を生成できなくなるが、この場合には、全て電波伝播距離Lを所定の単位距離ΔLずつ増加させながら、複数の円の重複領域56,58を生成して端末位置P0を取得する。
【0081】
なお、図4(A)の2箇所のアクセスポイントによる端末位置P0の生成は、位置精度が高くないことから、図4(B)に示す少なくとも3箇所のアクセスポイントによる端末位置P0の生成を基本とし、3箇所のアクセスポイント位置が得られないときのバックアップとして2箇所のアクセスポイントによる端末位置P0の生成を行う。
【0082】
このようなアクセスポイント位置と電波伝番距離に基づく端末位置P0の生成により、例えば10~100メートル範囲の精度で端末位置P0を取得することができ、更に、3つ以上のアクセスポイントを用いることで、例えば10~20メートル範囲に端末位置P0の位置精度を高めることができる。
【0083】
(端末位置情報)
図5はサーバに登録された端末位置情報を一覧形式で示した説明図である。図5に示すように、サーバ22に登録された端末位置情報50は、端末アダプタID(端末アダプタ識別子)として端末アダプタ14のMACアドレスを登録し、続いて、端末アダプタ14のインターネット20上の宛先となるURLを登録し、次に、端末位置P0を示す地図座標として緯度経度を登録し、更に、端末位置P0の住所を登録している。
【0084】
また、サーバ22は火災を検出した端末位置P0の住宅に隣接する住宅から連動警報を出力させるため、連動先として他の住宅に設置した端末アダプタの端末アダプタIDを登録している。
【0085】
[端末位置情報の登録処理動作]
図6図2の実施形態による端末位置情報を生成する処理動作を示したタイムチャートである。
【0086】
図6に示すように、例えば、火災警報器12に設けられた所定のスイッチによる位置情報登録操作がステップS1で判別されると、火災警報器12から位置情報登録要求信号がステップS2で端末アダプタ14に送信される。
【0087】
火災警報器12から位置情報登録要求信号を受信した端末アダプタ14は、ステップS3でアクセスポイント16-1~16-3から定期的に送信されるビーコン信号を検索し、ステップS4で受信したビーコン信号に基づきアクセスポイント16-1~16-3の識別子SSID、MACアドレス及び受信電波の電波強度を含むビーコン情報を生成し、ステップS5で例えばアクセスポイント16-1からインターネット20を経由し、サーバ22に送信する。
【0088】
サーバ22は、端末アダプタ14からビーコン情報を受信するとステップS6に進み、ビーコン情報から得られたアクセスポイントMACアドレスによる自己の記憶部46及び外部のアクセスポイントデータベース25の検索によりアクセスポイント位置を取得し、続いて、ビーコン情報から得られた電波強度に基づき電波伝播距離を生成する。
【0089】
続いて、サーバ22は、複数のアクセスポイント位置と電波伝播距離に基づき端末アダプタ14の設置場所を示す端末位置として緯度経度及び住所を生成し、ステップS9で図5に示したように、アダプタIDにより記憶部46の端末位置情報50に生成した端末位置を登録(記憶)する。
【0090】
このように本実施形態にあっては、火災警報器12又は端末アダプタ14で位置情報登録のスイッチ操作を行うと、アクセスポイント16からのビーコン信号の受信に基づき自動的に端末アダプタ14の位置、即ち、火災警報器12を設置した住宅10を示す端末位置が生成されてサーバ22に登録され、ユーザIDとパスワードの組からなるアカウント情報による端末位置情報50の登録に比べ、スイッチのワンタッチ操作で簡単に端末位置をサーバに登録することができる。
【0091】
[広域警戒制御]
図7はサーバに登録した端末位置情報を利用した火災監視制御を示したタイムチャートである。
【0092】
図7に示すように、住宅10-1に設置された火災警報器12がステップS11で火災を検出すると、ステップS12で火災警報を出力し、続いて、ステップS13で火災検出信号を端末アダプタ14に送信する。ここで、住宅10-1に複数の火災警報器12が複数設けられて連動グループを形成している場合は、火災を検出した火災警報器12から他の火災警報器に火災検出信号が送信され、他の全ての火災警報器から連動警報が出力される。
【0093】
火災警報器12からの火災検出信号を受信した端末アダプタ14は、自己のMACアドレスをアダプタIDとして含む火災検出信号(火災検出パケット信号)をステップS14で生成し、アクセスポイント16-1及びインターネット20(図示省略)を経由してサーバ22に送信する。
【0094】
サーバ22は、ステップS15で受信した火災検出信号から得られたアダプタIDにより図5に示した端末位置情報50を検索して端末位置を検索し、続いて、ステップS16で連動先のアダプタIDを検索して宛先URLを取得し、ステップS17で連動先の他の端末アダプタに火災警報信号(火災連動信号)を送信し、これを受信した他の端末アダプタは火災警報信号を他の住宅に設置している火災警報器に送信して火災連動信号を出力させ、近隣の住宅の火災発生を報知して避難を促す。
【0095】
続いて、サーバ22はステップS18で消防機関サーバに火災通報信号を送信して出動を要請し、更に、ステップS19で警備会社サーバに火災通報信号を送信し、火災発生住宅に出向いて必要な火災対処を行うことを要請する。
【0096】
[端末アダプタで端末位置を生成して登録する実施形態]
図8は端末アダプタで端末位置を生成してサーバに登録するサーバ及び端末アダプタの他の実施形態を示したブロック図、図9図8の実施形態による端末位置を生成して登録する処理動作を示したタイムチャートである。
【0097】
図8に示すように、本実施形態にあっては、端末アダプタ14のアダプタ制御部32にビーコン情報生成部38に加え位置情報生成部54の機能が設けられている。サーバ22のサーバ制御部42には位置情報アクセス部60が設けられている。それ以外の構成及び機能は図2の実施形態と同じになることから、同一符号を付して説明は省略する。
【0098】
端末アダプタ14のアダプタ制御部32に設けられたビーコン情報生成部38は、火災警報器12又は端末アダプタ14の端末情報登録操作を検出したとき、WiFi(登録商標)ネットワーク18に配置しているアクセスポイント16-1~16-3から定期的に送信されているビーコン信号を受信して識別子SSID、MACアドレス及び電波強度等を含むビーコン情報を生成し、位置情報生成部54に引き渡す。
【0099】
位置情報生成部54は、ビーコン情報から得られたアクセスポイントMACアドレスによりデータベースサーバ24にアクセスしてアクセスポイントデータベース25のアクセスポイント位置情報48からアクセスポイント位置(緯度経度と住所)を取得する。なお、本実施形態はサーバ22にアクセスポイント位置情報は登録されておらず、データベースサーバ24のみからアクセスポイント位置情報を取得している。また、位置情報生成部54はビーコン情報から得られた電波強度に基づき電波伝番距離を取得する。
【0100】
最終的に、位置情報生成部54は、複数のアクセスポイント位置を中心とし、電波伝播距離を半径とする円の重複領域に基づき端末位置を取得し、アダプタIDと端末位置(緯度経度と住所)をサーバ22に送信し、位置情報アクセス部60により記憶部46の端末位置情報50に登録する。
【0101】
本実施形態による端末位置情報を生成して登録する制御処理は、図9に示すように、例えば、火災警報器12に設けられた所定のスイッチによる位置情報登録操作がステップS21で判別されると、火災警報器12から位置情報登録要求信号がステップS22で端末アダプタ14に送信される。
【0102】
火災警報器12から位置情報登録要求信号を受信した端末アダプタ14は、ステップS23でアクセスポイント16-1~16-3から定期的に送信されるビーコン信号を検索し、ステップS24で受信したビーコン信号に基づきアクセスポイント16-1~16-3の識別子SSID、MACアドレス及び受信電波の電波強度を含むビーコン情報を生成し、ステップS25で例えばアクセスポイント16-1からインターネット20を経由し、データベースサーバ24に送信する。
【0103】
データベースサーバ24は、端末アダプタ14からビーコン情報を受信するとステップS26に進み、ビーコン情報から得られたアクセスポイントMACアドレスにより図8に示したアクセスポイントデータベース25に格納しているアクセスポイント位置情報48の検索によりアクセスポイント位置を取得し、端末アダプタ14に送信する。
【0104】
端末アダプタ14はステップS27でビーコン情報から得られた電波強度に基づき電波伝播距離を生成し、続いて、ステップS28に進んで、複数のアクセスポイント位置と電波伝播距離に基づき端末アダプタ14の設置場所を示す端末位置として緯度経度及び住所を生成し、ステップS29でアダプタIDと端末位置をサーバ22に送信し、サーバ22はステップS30で端末アダプタ14を示すアダプタIDにより記憶部46の端末位置情報50に生成した端末位置を登録(記憶)する。
【0105】
このように本実施形態にあっては、アクセスポイント16からのビーコン信号の受信に基づく端末位置の生成とサーバ22に対する登録が全て端末アダプタ14側で行われ、サーバ22の負担を低減できる。また、アクセスポイントMACアドレスによるアクセスポイント位置の取得も端末アダプタ14から外部のデータベースサーバ24に対するアクセスで処理され、サーバ22の処理負担を低減できる。
【0106】
[測位アプリケーションプログラムを利用した実施形態]
図8に示した端末アダプタ14側で端末位置を生成してサーバ22に登録する他の実施形態として、端末アダプタ14にビーコン情報生成部38と位置情報生成部54を設けず、ビーコン情報生成部38と位置情報生成部54の機能を実質的に備えた測位アプリケーションプログラムをインストールしたWiFi通信機能を備えたパーソナルコンピュータ又はタブレット等の情報端末を使用して端末情報を生成してサーバ22に登録する。
【0107】
測位アプリケーションプログラムをインストールした情報端末が準備できたならば、この情報端末を端末アダプタ14の設置住宅に持ち込み、測位アプリケーションプログラムを起動して自己の端末位置を取得し、取得した端末位置をUSBメモリ等の記憶媒体に格納して端末アダプタ14にセットする。
【0108】
この状態で端末アダプタ14又は火災警報器12の端末情報登録操作を行うと、端末アダプタ14はUSBメモリに格納している端末位置を読み出し、WiFiネットワーク18及びインターネット20を経由してサーバ22に送信し、サーバ22が受信した端末位置を端末位置情報50に登録する。これにより例えば市販の測位アプリケーションプログラムの利用により端末位置を取得してサーバ22に簡単に登録することができる。
【0109】
[端末位置を簡易登録する実施形態]
(簡易登録の第1実施形態)
本実施形態にあっては、住宅内に無線LANネットワークのアクセスポイントとして機能する宅内無線ルータを設置している場合に、火災警報器12を設置した住宅の端末アダプタ14とサーバ22との通信経路に位置する通信手段として宅内無線ルータが備えたアクセスポイントを利用する。ここで、宅内無線ルータが備えたアクセスポイントをアクセスポイント16-4とする。
【0110】
火災警報器12又は端末アダプタ14の位置登録操作に伴う例えばアダプタIDを含む位置登録要求信号をサーバ22に送信するとき、アクセスポイント16-4を経由する。このとき、アクセスポイント16-4により、送信元を示す情報としてアクセスポイント16-4のMACアドレスが付与された位置登録要求信号がサーバ22に送信される。
【0111】
サーバ22は宅内無線ルータが備えたアクセスポイント16-4から位置登録要求信号を受信すると、この信号に含まれるMACアドレスに対応するアクセスポイント16-4の位置情報を外部のデータベースサーバから取得する。
【0112】
宅内無線ルータが備えたアクセスポイント16-4の位置情報は住宅の位置を固定的に示しており、且つ、火災警報器12も住宅内に固定されるため、警報器12の位置情報は宅内無線ルータが備えたアクセスポイント16-4による住宅の位置情報と一致しており、アクセスポイント16-4の位置情報を火災警報器12の設置場所を示す端末アダプタ14の端末位置情報と見做し、端末アダプタ14のアダプタIDに紐づけて登録する。
【0113】
なお、サーバ22でアクセスポイント16-4の位置情報を取得するためには、宅内無線ルータのMACアドレス等の固有の情報が位置情報サービスに登録されていればよい。また、端末アダプタは宅内無線ルータのアクセスポイント16-4と有線又は無線のいずれの通信方法で接続されてもよい。また、MACアドレス等の固有の情報が自動的に位置情報サービスに登録されるのであれば、WANとLANいずれも有線接続機能しか有さないルータを用いることもできる。
【0114】
(簡易登録の第2実施形態)
本実施形態も、住宅内に無線LANネットワークのアクセスポイントとして機能する宅内無線ルータを設置している場合に、火災警報器12の設置場所となる端末アダプタ14とサーバ22との通信経路に位置する通信手段として宅内無線ルータが備えたアクセスポイント16-4を利用する。宅内無線ルータが備えたアクセスポイント16-4は、外部のデータベースサーバから自己のMACアドレスに対応する自己の位置情報を予め取得して記憶している。なお、アクセスポイント16-4は、サーバ22を経由して外部のデータベースサーバから自己のMACアドレスに対応する位置情報を取得しても良い。
【0115】
火災警報器12又は端末アダプタ14の位置登録操作に伴う例えばアダプタIDを含む位置登録要求信号をサーバ22に送信するとき、アクセスポイント16-4を経由する。このとき、アクセスポイント16-4により、送信元を示す情報としてアクセスポイント16-4のMACアドレスと予め記憶している位置情報が付与された位置登録要求信号がサーバ22に送信される。
【0116】
サーバ22はアクセスポイント16-4から位置登録要求信号を受信する。この信号に含まれたアクセスポイント16-4の位置情報は、宅内無線ルータを設けた住宅の位置を固定的に示しており、且つ、火災警報器12も住宅内に固定されるため、警報器12の位置情報は宅内無線ルータのアクセスポイント16-4による住宅の位置情報と一致しており、アクセスポイント16-4の位置情報を火災警報器12の設置場所を示す端末アダプタ14の端末位置情報と見做し、端末アダプタ14のアダプタIDに紐づけて登録する。
【0117】
なお、アクセスポイント16-4が自己の位置情報を取得するためには、宅内無線ルータのMACアドレス等の固有の情報が位置情報サービスに登録されていればよい。また、端末アダプタは宅内無線ルータのアクセスポイント16-4と有線又は無線のいずれの通信方法で接続されてもよい。また、MACアドレス等の固有の情報が自動的に位置情報サービスに登録されるのであれば、WANとLANいずれも有線接続機能しか有さないルータを用いることもできる。
【0118】
[本発明の変形例]
(端末位置情報の生成指示)
上記の実施形態は、火災警報器又は端末アダプタに設けられたスイッチの端末位置登録操作により端末位置情報の生成処理を起動しているが、これに限定されず、サーバからの指示により端末位置情報の生成処理を起動しても良い。
【0119】
例えば、住宅に火災警報器と端末アダプタを設置し、端末アダプタを最初に起動してサーバに接続したとき、サーバは端末アダプタのアダプタIDにより端末位置情報を参照するが、未登録であることを認識し、端末アダプタに対し端末位置登録の指示信号を送信する。サーバからの端末位置登録の指示信号を受信した端末アダプタは、上記の実施形態に示したように、複数のアクセスポイントからのビーコン信号を受信してビーコン情報を生成してサーバに送信し、サーバは受信したビーコン情報に基づき端末位置情報を生成して登録することになる。
【0120】
(検出器)
上記の実施形態は、検出器として火災を監視する火災警報器を住宅に設けた広域警戒システムを例にとっているが、これに限定されず、ガス漏れを監視するガス漏れ警報器、不審者の侵入を監視する侵入者警報器、スイッチ操作により非常事態の発生を通報する非常通報装置の何れかを検出器として設けて端末位置をサーバに登録し、ガス漏れ検出信号、侵入者検出信号又は非常通報信号をサーバで受信したときに、予め登録した連動先に連動信号を送信して例えば近隣住宅から連動警報を行って避難を促したり支援を求めたりする広域警戒システムにも、そのまま適用することができ、簡単な操作でサーバに検出器の設置場所を示す端末位置を登録して利用することができる。
【0121】
(検出器と端末アダプタ)
上記の実施形態は、火災警報器などの検出器と端末アダプタとの間を無線回線で接続した場合を例にとっているが、火災警報器等の検出器を信号線により有線接続した場合も含む。また、検出器と端末アダプタは一体化しても良い。
【0122】
(その他)
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0123】
10-1~10-3:住宅
12:火災警報器
14:端末アダプタ
16-1~16-5:アクセスポイント
18:WiFi(登録商標)ネットワーク
20:インターネット
22:サーバ
24:データベースサーバ
25:アクセスポイントデータベース
26:消防機関サーバ
28:警備会社サーバ
30:アダプタ通信部
32:アダプタ制御部
34:端末通信部
36:通信制御部
38:ビーコン情報生成部
40:サーバ通信部
42:サーバ制御部
44:ディスプレイ
45:操作部
46:記憶部
48:アクセスポイント位置情報
50:端末位置情報
52:監視制御部
54:位置情報生成部
56,58:重複領域
60:位置情報アクセス部
図1
図2
図3
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図9