(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】印刷装置とその制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240430BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240430BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B41J29/38 204
G03G21/00 376
G06F3/12 303
G06F3/12 332
(21)【出願番号】P 2020026534
(22)【出願日】2020-02-19
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】金田 健
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-261255(JP,A)
【文献】特開2018-067260(JP,A)
【文献】特開2007-140786(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0109933(US,A1)
【文献】特開2007-245429(JP,A)
【文献】特開2007-318519(JP,A)
【文献】特開2011-039628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
情報処理装置によるシートの種類を表示する表示能力を前記印刷装置が認識できるようにするための情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記情報に基づいて、標準属性のシートの種類の情報を送信せずにベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するか、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するかを決定する決定手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記標準属性のシートの種類の情報を送信せずに前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するよう前記決定手段によって決定された場合に、前記標準属性のシートの種類の情報を送信せずに前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信する送信手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を送信するよう前記決定手段によって決定された場合に、前記送信手段は、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記受信手段によって受信された前記情報は、前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要か否か通知する情報であって、
前記受信手段が前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要でないことを通知する情報を受信した場合に、前記決定手段は、前記標準属性のシートの種類の情報を送信せずにベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するよう決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記受信手段によって受信された前記情報は、前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要か否か通知する情報であって、
前記受信手段が前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要でないことを通知する情報を受信した場合に、前記決定手段は、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を送信するが、標準属性のシートの種類の情報を表示せずに前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を表示するための指示を示す情報を前記情報処理装置に送信するよう決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
印刷装置の制御方法であって、
情報処理装置によるシートの種類を表示する表示能力を前記印刷装置が認識できるようにするための情報を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した前記情報に基づいて、標準属性のシートの種類の情報を送信せずにベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するか、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの情報を前記情報処理装置に送信するかを決定する決定工程とを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項7】
前記標準属性のシートの種類の情報を送信せずに前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するよう前記決定工程で決定された場合に、前記標準属性のシートの種類の情報を送信せずに前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信する送信工程をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項8】
前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を送信するよう前記決定工程で決定された場合に、前記送信工程では、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報が前記情報処理装置に送信されることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項9】
前記受信工程で受信された前記情報は、前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要か否か通知する情報であって、
前記受信工程で前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要でないことを通知する情報を受信した場合に、前記決定工程では、前記標準属性のシートの種類の情報を送信せずにベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するよう決定されることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項10】
前記受信工程によって受信された前記情報は、前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要か否か通知する情報であって、
前記受信
工程によって前記標準属性のシートの種類の情報の表示が必要でないことを通知する情報を受信した場合に、前記決定工程では、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を送信するが、標準属性のシートの種類の情報を表示せずに前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を表示するための指示を示す情報を前記情報処理装置に送信するよう決定されることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置の制御方法。
【請求項11】
請求項6乃至10の何れか1項に記載の制御方法を印刷装置に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置とその制御方法、及びプログラムである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置を構成する複数のオペレーティングシステム(OS)ではOSが備える標準の印刷機能としてIPP(IPP:Internet Printing Protocol)がある。IPPでは、情報処理装置は印刷装置から通知された用紙種類を情報処理装置の印刷設定画面で選択できる。
【0003】
非特許文献1は印刷装置(IPP-Server)から情報処理装置(IPP-Client)に能力情報の一部としてベンダー拡張の用紙種類を通知するフォーマット形式について記している。非特許文献2は印刷装置が通知したベンダー拡張の用紙種類を情報処理装置のUI表記するための文字列を印刷装置(IPP-Server)から情報処理装置(IPP-Client)へ転送する手段について記している。非特許文献3は印刷装置(IPP-Server)が情報処理装置(IPP-Client)にベンダー拡張の用紙種類の表記文字列を記述する「Message Catalog形式」について記している。
【0004】
本発明の各実施形態においても印刷装置から情報処理装置へ能力情報の一部としてベンダー拡張形式の用紙種類を通知する場合、非特許文献1~3の規則に従い情報の送受信を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】PWG Media Standardized Names 2.0 3.2 Vendor Media Type Names
【文献】IPP: Job and Printer Extensions - Set 3 (5100.13-2012) 5.6.37 printer-strings-languages-supported 5.6.38 printer-strings-uri
【文献】IPP Message Catalog Tooltips and Help Extensions
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように用紙種類の情報を表示するための手段は各非特許文献に描かれている。けれども、いずれの印刷装置も送りたい用紙種類の情報を送っているだけで、送信先の情報処理装置から受け取った情報に従って、送るべき用紙種類の情報を決定する技術は知られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、情報処理装置によるシートの種類を表示する表示能力を前記印刷装置が認識可能にするための情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記情報に基づいて、標準属性のシートの種類の情報を送信せずにベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するか、前記標準属性のシートの種類の情報と前記ベンダ拡張のシートの種類の情報を前記情報処理装置に送信するかを決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
情報処理装置によるシートの種類を表示する表示能力を前記印刷装置が認識可能にするための情報を受信した情報に基づいて、標準属性のシートの種類の情報を送信せずにベンダ拡張のシートの種類の情報を情報処理装置に送信するか、標準属性のシートの種類の情報とベンダ拡張のシートの種類の情報を情報処理装置に送信するかを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図7】(a)実施例1の情報処理装置のフローチャート (b)実施例1の印刷装置のフローチャート
【
図8】(a)実施例2の情報処理装置のフローチャート (b)実施例2の印刷装置のフローチャート
【
図9】実施例1の情報処理装置と印刷装置のシーケンス図
【
図10】実施例2の情報処理装置と印刷装置のシーケンス図
【
図13】IPP通信におけるベンダー拡張形式を含む用紙種類選択の課題
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例1について説明する。
【0011】
IPPプロトコルを基盤とした情報処理装置と印刷装置から構成される印刷システムにおいて、用紙種類の選択手段は2つある。IPP標準で定義された「標準の用紙種類(標準属性の用紙種類と呼ぶこともある)」とIPPプロトコルの拡張ルールに則った「ベンダー拡張の用紙種類」である。どちらの用紙種類もサポートする用紙種類の情報は印刷装置から情報処理装置へ通知されるが、情報処理装置上の翻訳を含めた用紙名称のUI表示に関する実現方法が異なる。「IPP標準の用紙種類」は情報処理装置が印刷装置から通知された用紙種類IDと対になる表示用文字列のリソースを有する。一方、「ベンダー拡張の用紙種類」は情報処理装置からの要求に応答する形で、印刷装置が用紙種類IDと表示用文字列に関するリソースの両方を提供する。従来のIPPプロトコルを基盤とした印刷システムでは、IPP標準の用紙種類のみを用いた印刷システムか、IPP標準の用紙種類に一部、ベンダー拡張の用紙種類を追加したハイブリッド形式が提供されている。しかし、IPP標準の用紙種類は、情報処理装置のIPP-Clientの実装・提供者と印刷装置のIPP-Serverの実装・提供者が異なる場合、同一の用紙種類IDであっても対応する表示文字列が情報処理装置と印刷装置の間で完全一致しない。加えて同一の意味を持つ用紙種類ベンダー拡張形式とIPP標準形式の間で二重表示されるなど、ユーザが用紙選択・用紙の設定作業で混乱するケースがあった。(
図13)そこで、実施例1では、印刷装置が情報処理装置の用紙種類の表示能力に合わせて、ベンダー拡張のみか、あるいはIPP標準とベンダー拡張の両方を含む用紙種類を通知する。このように、印刷装置が能力通知の用紙種類リストを切り替えることにより、必要な用紙種類の情報のみが表示されるようにする。
【0012】
図1について説明する。
図1は、本発明の印刷システムの構成を説明する図である。LAN(Local Area Network)(100)上には印刷装置(101)、があり、情報処理装置がAP(アクセスポイント)(102)を経由してLAN(100)に接続している。本実施形では情報処理装置の一例として、タブレット、スマートフォン、PCなどの携帯端末(103),(104),(105)を例に説明する。尚、以降の説明では、タブレット、スマートフォン、PCなどを総称して情報処理装置と呼ぶ。これらの情報処理装置は、LAN(100)の印刷装置(101)で印刷できる。本実施例では、印刷システムの一例として上記の構成例で説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも1つ以上の情報処理装置と印刷装置とがネットワークを介して通信可能に接続されていればよい。またネットワークは無線であっても有線であっても良い。
【0013】
まず印刷装置(101)について説明する。この印刷装置(101)はシート(記録媒体)に画像を印刷する印刷機能を有する。印刷装置(101)は、ネットワークを介して情報処理装置から受信した印刷データを印刷できる。
【0014】
図2に印刷装置のハードウェア構成図、
図4にソフトウェア構成図を示す。
図2の(210)は、本実施例に係る印刷装置(101),のハードウェア構成を説明するブロック図である。本実施例では印刷装置を例に説明するが、印刷装置にスキャナやFAX機能を含むMFP(Multi Function Peripheral)等の印刷装置であってもよい。CPU(Central Processing Unit)(211)を含む制御部(210)は、印刷装置(101)全体の動作を制御する。CPU(211)は、ROM(Read Only Memory)(212)又はストレージ(214)に記憶されたプログラムをRAM(213)に展開し、それを実行して印刷制御や読取制御などの各種制御を行う。ROM(212)は、CPU(211)で実行可能な制御プログラムやブートプログラム等を格納する。RAM(Random Access Memory)(213)は、CPU(211)の主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ(214)は、印刷データ、画像データ、各種プログラム、及び各種設定情報を記憶する。本実施例ではストレージ(214)としてHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置を想定しているが、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを用いても良い。
【0015】
尚、実施例1に係る印刷装置(101)では、1つのCPU(211)が1つのメモリ(RAM213)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて、後述するフローチャートに示す各処理を実行しても良い。またASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。
【0016】
操作部インタフェース(I/F)(216)は、操作部(217)と制御部(210)とを接続する。操作部(217)には、タッチパネル機能を有する表示部や各種ハードキーなどが備えられ、情報を表示する表示部や、ユーザの指示を受け付ける受付部として機能する。印刷部I/F(218)は、印刷部(219)と制御部(210)とを接続する。情報処理装置から受信した印刷ジョブを解析して生成された画像データは、印刷部I/F(218)を介して制御部(210)から印刷部(219)に転送される。印刷部(219)は制御部(210)を介して制御コマンド及び印刷すべき印刷ジョブを受信し、その印刷ジョブに基づいて給紙カセット(不図示)から給送されたシートに画像を印刷する。尚、印刷部(219)の印刷方式は、電子写真方式であってもよいし、インクジェット方式であってもよい。また熱転写方式などその他の印刷方式を適用することもできる。また制御部(219)は、通信部I/F(222)を介してLAN(100)に接続される。通信部I/F(222)は、情報処理装置(103,104,105)に情報を送信し、LAN(100)上の情報処理装置(103,104,105)から印刷ジョブや情報を受信する。
【0017】
画像処理部(215)は、情報処理装置(103,104,105)から受信したジョブを展開して印刷画像データを生成するRIP(Raster Image Processor)機能を備えている。また画像処理部(215)は、印刷ジョブを展開して得られた画像データの解像度変換や補正処理を行うこともできる。尚、本実施例では、画像処理部(2105)がハードウェア回路(ASIC又はFPGAなど)で実現されることを想定しているが、これに限定されるものではない。例えば、印刷装置(101)が画像処理用途向けのプロセッサを更に備え、そのプロセッサが画像処理プログラムを実行することにより、画像処理や、印刷データへの展開処理を実現してもよい。この場合、このプロセッサとCPU(211)とが協働して後述するフローチャートを実現するものとする。更には、画像処理を行うためのプログラムをCPU(211)が実行し、画像処理や印刷データの展開処理を行うように構成することもできる。また、これらのいずれかの組み合わせにより画像処理を行うようにしてもよい。
【0018】
シート処理部I/F(220)は、制御部(210)とシート処理部(221)とを接続する。シート処理部(220)は、制御部(210)から制御コマンドを受信し、その制御コマンドに従って印刷部(219)により印刷されたシートに後処理を施す。
【0019】
図4は、本実施形態1に係る印刷装置(101)のソフトウェア構成を説明する機能ブロック図である。尚、この
図4に示す各機能ブロックは、CPU(211)がRAM(213)に展開したプログラムを実行することにより達成されるものとする。
【0020】
IPP-Server制御部(401)はプリンタ能力通知部(402)を有する。プリンタ能力通知部(402)は情報処理装置(103,104,105)から印刷装置への能力に関する問い合わせを受けて、プリンタの能力情報を通知する。通知する能力情報の具体例としては、
・用紙サイズ:media-size
・用紙種類:media-type
・用紙種類の表示モード:media-type-display-mode
などがある。用紙種類の表示モードに関するIPP属性は、用紙種類の表示方法を情報処理装置から印刷装置へ問い合わせることを目的とした新規属性であり、本明細書の中で定義したものである(この新規属性は、上記した何れの非特許文献にも記載なし)。IPP-Server(401)は、情報処理装置(103,104,105)からの印刷装置の能力情報の要求(Get-Printer-Attributes-Requestのこと。)に含まれる情報(IPP-Clientの名称やClientのVersion、能力要求に含まれる属性名やその値域などのこと。)をもとに情報処理装置上のIPP-Clientがベンダー拡張表示に対応するか判定する。そして、ベンダー拡張表示に対応すると判定した場合、用紙DB(416)が管理する用紙情報のうち、ベンダー拡張形式の用紙種類に関する能力情報に絞って通知(送信)すると決定する。ベンダー拡張表示に対応していること判定できない場合、IPP標準形式の用紙種類のみ、あるいはIPP標準形式とベンダー拡張形式の両方で用紙種類の能力情報を通知(送信)すると決定する。
【0021】
情報処理装置(103,104,105)はプリンタの能力を取得後、プリンタに合わせた印刷ジョブを生成し印刷装置へ送信する。IPP-Server制御部(401)が情報処理装置からの印刷データの受信処理を行う。
【0022】
情報処理装置(103,104,105)からIPP印刷ジョブを受信すると印刷ジョブ生成部(404)を経由して、ジョブ制御部(407)に新規ジョブを生成する。続いて、ジョブ設定保存・検証部(403)はIPP属性で指定されたジョブ属性を検証し、ジョブ属性保存部(408)に書き込む。
【0023】
例としては印刷部数、用紙サイズ、用紙種類、フィニッシング、PDLフォーマット情報などがある。IPP-Server制御部(401)は、属性処理と並行してジョブデータの描画データをデータ受信制御部(405)に転送、一時保存する。データ受信制御部(405)は、印刷ジョブ生成部(404)が受信した印刷ジョブのバッファ領域であり、印刷ジョブ毎にストレージ(214)に保存する。
【0024】
本実施例のプリンタ(101)が備えるPDL解析部(406)はPDFとPWG-Rasterフォーマットに対応する。PDL解析部(406)はジョブ制御部(407)からの指示を受けて印刷描画データをデータ受信制御部(405)に要求し、解析処理を行う。ページ制御部(409)はPDL解析部(406)が生成するページデータに関して、画像データをページ保存部(410)に、ページ属性情報をページ属性保存部(411)に保存する。
【0025】
ページ制御部(409)は、PDL解析部(406)のページ解析処理、RIP制御部(413)のRIP処理、印刷制御部(412)の印刷制御処理を制御する。印刷制御部(412)は、ページ保存部(410)からRIP済みの画像データを取得し、RGBに色分解してエンジン制御部(414)に転送する。エンジン制御部(414)は、印刷制御部(412)からページ単位でRGB別の画像データを受け取り、印刷制御部(412)を制御して各ページの印刷処理を行う。UI・WebUI制御部(415)は、処理中の印刷ジョブの状態に関する情報をジョブ制御部(407)から取得し、印刷ジョブの処理状況をUI画面に表示する。
【0026】
図3に情報処理装置のハードウェア構成図、
図5にソフトウェア構成図を示す。CPU(311)を含む制御部(300)は、情報処理装置全体の動作を制御する。CPU(311)は、ROM(314)又はストレージ(313)に記憶されたプログラムをRAM(312)に展開し、それを実行して印刷設定画面の制御や印刷データの生成、印刷ジョブの転送などの各種制御を行う。ROM(314)は、CPU(311)で実行可能な制御プログラムやブートプログラム等を格納する。RAM(312)は、CPU(311)の主記憶メモリであり、ワークエリア又は各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ(313)は、OS、印刷アプリケーション、OS印刷フレームワーク、OS印刷フレームワークが生成する印刷ジョブ、及び各種設定情報を記憶する。本実施例ではストレージ(313)としてHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置を想定しているが、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを用いても良い。タッチパネル(318)は操作部I/F(315)に接続されており、各アプリケーションや印刷設定画面に対する画面描画だけでなく、ユーザのタッチ操作をCPU(311)上で動作するアプリケーションへ通知する。
【0027】
図5に、情報処理装置(103)~(105)のソフトウェア構成図を示す。尚、この各機能ブロックは、CPU(311)がRAM(312)に展開したプログラムを実行することにより達成されるものとする。アプリケーション(501)は情報処理装置上にユーザがインストールする任意のアプリケーションであり、ワープロ、表計算、データベース、メール、ウェブブラウザなどの一般的なアプリケーションである。OS印刷フレームワーク(502)は、IPP印刷クライアント(503)、プリントスプーラー(509)、印刷画面制御部(510)から構成される。IPP印刷クライアント(503)はプリンタ情報管理部(504)、印刷ジョブ生成部(505)から構成される。プリンタ情報管理部(504)はデータ通信制御部(520)を通じて印刷装置(101)に問い合わせを行い、印刷装置(101)の能力情報を取得・保持する。
【0028】
取得情報は前述の
・用紙サイズ:media-size
・用紙種類:media-type
・用紙種類の表示モード:media-type-display-mode
などである。
【0029】
これらの情報は、印刷画面制御部(510)の用紙選択表示部(511)や印刷ジョブ生成部(506)が参照する。印刷画面制御部(510)はアプリケーション(501)の呼び出しに応じて印刷画面を表示する。ユーザは印刷画面から印刷設定を行い印刷する。印刷画面に表示する印刷設定項目は情報処理装置(103,104,105)が印刷装置(101)から提供可能な機能の能力情報を取得し、提供可能な範囲内で設定画面・設定項目を表示する。印刷ジョブ生成部(505)はジョブ属性生成部(506)、ページ生成部(507)、PDL生成部(508)から構成される。印刷ジョブ生成部(505)は印刷画面制御部(510)の指示を受け、印刷ジョブを生成する。ジョブ属性生成部(506)は印刷画面の設定項目からIPPジョブのジョブ属性とドキュメント属性を生成する。ページ生成部(507)はPDL生成部(508)と連携して、アプリケーション(501)がOS描画エンジン(530)を通して生成した描画データを印刷装置(101)のサポートするPDLデータに変換して印刷装置(101)へ送信する。
【0030】
印刷画面制御部(510)および印刷ジョブ生成部(505)は、印刷装置101のサポートする用紙サイズや用紙種類をプリンタ情報管理部(504)の用紙情報管理部(512)から取得し、印刷データ内でジョブ毎、あるいはページ毎に指定する。OS描画エンジン(530)はアプリケーション(501)の要求に従い、印刷ページデータをOS標準の描画フォーマットで描画、OS印刷フレームワーク(502)のページ生成部(507)に渡す。データ通信制御部(520)はIPPクライアント制御部が生成する、プリンタ管理のための通信、およびジョブ送信・ジョブ管理のためのメッセージを印刷装置(101)へ送受信する。
【0031】
図6について説明する。
図6は情報処理装置の印刷設定画面である。ユーザは印刷装置から通知された用紙サイズや用紙種類を印刷設定画面(610)内で選択できる。画面610はアプリケーション(501)から印刷機能を実行した際、最初に呼び出される印刷設定画面である。設定項目には用紙サイズや用紙種類(611)を設定可能であり、ユーザが用紙種類の選択メニュー(611)を押下すると用紙種類の選択リスト画面(612)を表示する。用紙種類としてベンダー拡張形式のみの用紙種類の表示例が613、IPP標準形式のみの用紙種類の表示例が614、ベンダー拡張形式とIPP標準形式の両方の用紙種類の表示例が615となる。実施例1においては(613、614、615)の用紙種類のリスト表示は用紙選択表示部(511)が用紙情報管理部(512)に問い合わせることで実現している。実施例2においては、用紙選択表示部(511)が情報処理装置から通知された用紙種類の表示モードに従い、(613、614、615)の用紙種類のリスト表示処理を切り替える。
【0032】
【0033】
最初に情報処理装置側の用紙種類の取得フローについて説明する。情報処理装置はIPP標準形式とベンダー拡張形式の両方の用紙種類に対応し、能力情報を取得するIPPクライアント制御部(503)はS7201にてベンダー拡張の用紙種類の表示・設定に対応するIPP-Clientであることを印刷装置に通知する。S7202にて印刷装置101がサポートする用紙種類一覧を取得し、用紙情報管理部(512)に保持する。S7203において印刷装置から取得した用紙種類をそのまま全て印刷設定画面の用紙種類選択手段に表示する。このため、通知された用紙種類にIPP標準の用紙とベンダー拡張の用紙種類の両方が含まれる場合、両方の用紙を表示する。
【0034】
次に印刷装置側の用紙種類の通知フローについて説明する。印刷装置(101)はIPP標準の用紙種類とベンダー拡張の用紙種類の両方をサポートする。ここでは印刷装置(101)が情報処理装置に通知する用紙種類の生成フローについて2つ示す。
【0035】
第1の実施形では、印刷装置(101)がS7301にて情報処理装置がサポートする用紙種類の表示能力を印刷装置が何らかの形で識別情報を取得する。取得した識別子からS7302にて情報処理装置がベンダー拡張表示が可能か判断する。ベンダー拡張表示をサポートする場合はベンダー拡張形式の用紙種類のみを情報処理装置に通知(S7302~S7303)する。そして、ベンダー拡張表示をサポートしない、あるいはS7301にて識別情報を取得できない情報処理装置であると判断した場合はIPP標準形式の用紙種類のみを通知する(S7304)。
【0036】
第2の実施形では、ベンダー拡張の用紙種類をサポートしない、あるいはS7301にて識別情報を取得できない情報処理装置であると判断した場合に、標準の用紙種類とベンダー拡張の用紙種類の両方を通知してもよい(S7305)。
【0037】
図9では情報処理装置が印刷装置用紙種類を取得し、印刷画面に表示・選択・印刷属性としてジョブを生成するまでのシーケンスを示す。情報処理装置はS9001にて印刷装置に能力情報を要求する。この要求メッセージの中でサポートする用紙種類を問い合わせる。この時、情報処理装置はIPPヘッダに搭載しているIPP-Clientの種別やバージョンの識別情報をUser-Agentに含める。あるいは情報処理装置のIPP-Clientが印刷装置の能力情報を取得する際、ベンダー拡張表示に対応することを暗示する目的で特定のIPP属性(後述するmedia-type-display-mode属性など。)の問い合わせを行ってもよい。S9002では、印刷装置のIPP-Server制御部(401)およびプリンタ能力通知部(402)が情報処理装置からリクエストを受けた能力要求の形式(IPPヘッダのUser-Agent情報のこと。)や能力情報の要求に含まれる属性情報などから、情報処理装置がベンダー拡張表示をサポートするか判断する。プリンタ能力通知部(402)は、用紙DB(418)と連携して情報処理装置のIPP-Clientがベンダー拡張表示に対応する場合はベンダー拡張のみの用紙種類リストを生成する。一方、ベンダー拡張表示に対応するか判断できない場合はベンダー拡張とIPP標準の両形式の用紙種類情報のリストを生成する。詳細は
図11の通信メッセージのサンプルとあわせて後述する。S9003にて印刷装置のIPP-Serverは情報処理装置のIPP-ClientへS9002で生成した用紙種類に関する能力情報をGet-Printer-Attributes-Responseとして通知する。S9004にて情報処理装置のIPP-Clientは通知された用紙種類を印刷画面に表示する。S9005にて、ユーザが印刷画面から用紙種類選択して印刷ボタンを選択する。S9006~S9009にて、IPPジョブの印刷属性としてユーザが選択した用紙種類を付加して印刷設定の検証依頼(Validate-Job)、およびジョブの送信(Print-Job)を行う。
【0038】
図11について説明する。
図11は本実施例のIPP通信メッセージのサンプルである。メッセージ1110は情報処理装置から印刷装置への能力情報の要求、メッセージ1120は印刷装置から情報処理装置への(1110)に対する応答である。情報処理装置が印刷装置からサポートする用紙種類の一覧を取得する手段としてmedia-supported属性の要求(1113)と(1121)応答があり、IPP標準形式の用紙サイズがリストとして通知される。情報処理装置が印刷装置からサポートする用紙種類の一覧を取得する手段としてmedia-type-supported属性の要求(1114)と応答(1122)があり、ベンダー拡張形式とIPP標準形式の両方、あるいはいずれか一方がリスト化される。本施例においては、印刷装置が、情報処理装置の要求メッセージ(1110)の内容に基づいて、情報処理装置が用紙種類のベンダー拡張表示のサポート可否を判断する。具体的には、例えば、IPPヘッダ(1111)に含まれるUser-Agent情報に基づいて判断する。もしくは、情報処理装置からの能力情報の問い合わせ指示(1112)において、ベンダー拡張の用紙種類の表示に関わるmedia-type-display-mode属性(1115)が含まれているか否かに基づいて判断する。即ち、含まれている場合にはベンダー拡張表示のサポート可と判断し、含まれていない場合にはサポート不可と判断する。もしくはそれらの両方の情報から判断する。サポートすると判断した場合のみ、印刷装置は能力情報として用紙種類(1122)の値にベンダー拡張形式の用紙種類(1123)のみを含めて通知する。なお、ベンダー拡張表示のサポート可というのは、ベンダー拡張の用紙種類のみの表示が可能ということであり、即ち、標準属性の用紙種類が表示必須でないということである。また、ベンダー拡張表示のサポート不可というのは、ベンダー拡張の用紙種類のみを表示することはできない、即ち、ベンダー拡張の用紙種類のみでは表示可能ではない、即ち、標準属性の用紙種類が表示必須であるということである。
【0039】
情報処理装置が印刷装置からメッセージ・カタログの表示言語を取得する手段としてprinter-strings-languages-supported属性の要求(1116)と(1125)応答がある。情報処理装置はここで通知された言語のメッセージ・カタログを取得することで、ベンダー拡張の用紙種類の表示用文字列を取得する。
【0040】
これまでの説明から、印刷装置は、IPP-Server制御部(401)とプリンタ能力通知部(402)が情報処理装置の用紙種類の表示能力を識別し、識別結果から情報処理装置にあわせて通知する用紙種類を切り替えていた。具体的には、ベンダー拡張のみか、あるいはIPP標準とベンダー拡張の両方を含む用紙種類とするか切り換えていた。これにより、ベンダー拡張表示に対応する情報処理装置は、全ての用紙種類をベンダー拡張形式で能力通知する印刷装置との組み合わせにおいて、ベンダー拡張の用紙種類のみからなる指定手段を提供できる。これにより、用紙種類の表記が印刷装置と情報処理装置で統一され、更には用紙種類の多重表示を解消できることから、ユーザの操作性を改善できる。
【0041】
実施例2について説明する。
【0042】
実施例2では、印刷装置はIPP標準とベンダー拡張の両方の用紙種類を情報処理装置に通知し、情報処理装置は用紙種類のリストとは別に用紙種類の表示方法に関する指示を印刷装置から取得する。印刷装置は情報処理装置に対して、ベンダー拡張の用紙種類のみの選択リストか、あるいはIPP標準とベンダー拡張の両方を含む用紙種類の選択リストか、いずれか生成すべきかを指示する実施例である。
【0043】
図1~3、および
図5~6は実施例1と共通のため説明を省略する。
【0044】
実施例2では、情報処理装置がベンダー拡張表示に対応していようといまいと、印刷装置のプリンタ能力通知部(402)は、用紙DB(416)が管理する用紙種類をIPP標準形式とベンダー拡張形式の用紙種類の両方を情報処理装置に通知する。また、プリンタ能力通知部(402)は用紙種類の表示方法について、情報処理装置から問い合わせがあった場合、ベンダー拡張形式の用紙種類表示に対応する情報処理装置はベンダー拡張形式のみを表示するよう、能力情報の一部として指示する。即ち、実施例1では、情報処理装置がベンダー拡張表示に対応している場合、送信する用紙種類を絞っていた。対して、実施例1では、送信する用紙種類を絞らず、全ての用紙種類を送るが、そのうちのベンダー拡張形式の用紙種類のみを表示して欲しい旨を示す指示を行う。
【0045】
【0046】
最初に情報処理装置側のフローについて説明する。
【0047】
IPP標準形式とベンダー拡張形式の用紙種類の両方に対応する情報処理装置の用紙種類の取得フローについて説明する。情報処理装置の用紙選択表示部(511)は、S8101にて印刷装置101から、印刷装置101のサポートする用紙種類の表示モードを要求する。S8102にて用紙種類の表示モードを取得出来た場合はS8103へ、表示モードを取得できなかった場合はS8106へ進み、IPP標準形式、およびベンダー拡張形式の両タイプの用紙種類を選択リストにピックアップする。S8103では取得した用紙種類の表示モードに応じて動作を切り替える。
【0048】
指定された表示モードがIPP標準形式の用紙種類のみを表示する場合はS8104に進み、用紙種類の選択リストにIPP標準形式の用紙をピックアップする。表示モードが、ベンダー拡張形式の用紙種類のみを表示する指定の場合はS8105に進み、用紙種類の選択リストにベンダー拡張のみの用紙をピックアップする。表示モードが、IPP標準形式とベンダー拡張形式の両方の用紙を表示する指定の場合はS8106に進み、IPP標準形式とベンダー拡張形式の両タイプの用紙を選択リストにピックアップする。
【0049】
次に印刷装置側のフローについて説明する。
【0050】
この印刷装置は、IPP標準形式とベンダー拡張形式の用紙種類の両方をサポートする。能力通知情報を情報処理装置へ通知する際のプリンタ能力通知部(402)モジュールの処理フローについて2つ示す。第1の処理フローを備える印刷装置は、印刷装置101は、S8201にてクライアントから用紙種類の表示モードに関する問い合わせがあるか判断し、問い合わせがある場合はS8202へ進み、用紙種類の表示モードを通知する。問い合わせが無い場合はS8203へ進む。S8203では印刷装置がサポートする用紙種類をベンダー拡張方式とIPP標準方式の両方で通知する。第2の処理フローを備える印刷装置では、印刷装置101は、S8301にてクライアントから用紙種類の表示モードに関する問い合わせがあるか判断し、問い合わせがある場合はS8302へ進み、用紙種類の表示モードを通知する。問い合わせが無い場合はS8304へ進む。S8303では印刷装置がサポートする用紙種類をベンダー拡張方式とIPP標準方式の両方で通知する。S8304では印刷装置がサポートする用紙種類をIPP標準方式のみで通知する。
【0051】
【0052】
図10は情報処理装置が印刷装置からベンダー拡張形式とIPP標準形式の用紙種類、および印刷設定画面の用紙種類に関する表示方法をプリンタから取得するシーケンスを示す。
【0053】
S1001にて、情報処理装置が、印刷装置に対応する能力情報を要求する。即ち、印刷装置に対して、サポートする用紙種類を問い合わせる。S1002にて印刷装置のIPP-Serverは、情報処理装置のIPP-Clientへ、選択可能な用紙種類のリスト情報を通知する。加えて、用紙種類の表示に関する指示をmedia-type-display-mode属性に設定し、通知する。media-type-display-mode属性に設定可能な値域は以下の3通りである。
・standard:IPP標準の用紙種類のみの表示を指示
・vendor-extension:ベンダー拡張の用紙種類のみの表示を指示
・standard-and-vendor-extension:IPP標準とベンダー拡張の用紙種類のみの表示を指示
S1002で、情報処理装置のIPP-Clientがベンダー拡張の用紙種類に対応する場合は、表示モードとしてvendor-extensionを通知する。そのため、通知がなく印刷装置がベンダー拡張に対応するか判断できない場合はstandard-and-vendor-extensionか、standardを表示モードとして通知する。このためS1003にて先に述べた通り、用紙種類は、表示モードにstandardを通知する場合は、リスト通知する用紙種類もIPP標準の用紙種類のみとなる。一方、それ以外のvendor-extensionやstandard-and-vendor-extensionでは、IPP標準の用紙種類とベンダー拡張の用紙種類の両方を用紙リストとして通知する。
【0054】
S1004にて情報処理装置のIPP-Clientは通知された用紙種類を印刷画面に表示する。media-type-display-mode属性による指示に対応するIPP-Clientは属性で指示された通りに用紙属性をリスト表示する。media-type-display-mode属性に対応しないIPP-Clientは印刷装置から通知された用紙種類リストをそのままリスト表示する。S1005にて、ユーザは情報処理装置の印刷画面から用紙種類選択して印刷ボタンを押下する。すると、S1006~S1009にて、印刷チケットにユーザが選択した用紙種類を付加して印刷設定の検証依頼(Validate-Job)、およびジョブを送信(Print-Job)する。
【0055】
【0056】
図は実施例2におけるIPP通信メッセージのサンプルである。メッセージ1210は情報処理装置から印刷装置への能力情報の要求、メッセージ1220は印刷装置から情報処理装置への1210に対する応答である。情報処理装置が印刷装置からサポートする用紙種類の一覧を取得する手段としてmedia-supported属性の要求(1213)と(1221)応答があり、IPP標準形式の用紙サイズがリストとして通知される。情報処理装置が印刷装置からサポートする用紙種類の一覧を取得する手段としてmedia-type-supported属性の要求(1214)と(1222)応答があり、ベンダー拡張形式とIPP標準形式の両方の用紙種類を通知する。実施例2では情報処理装置側でIPP標準の用紙種類とベンダー拡張の用紙種類の表示を選択的に切り替える手段としてmedia-type-display-mode属性を定義する。印刷装置は、情報処理装置から要求されたmedia-type-display-mode属性(1215)とその応答(1225)において以下の指示を行う。即ち、情報処理装置側で印刷設定画面に表示する用紙種類をベンダー拡張形式とIPP標準形式の両方とするか、いずれか一方に限定するよう指示する。
図12の応答例(1225)ではベンダー拡張形式のみを指示している。情報処理装置が印刷装置からメッセージ・カタログの表示言語を取得する手段としてprinter-strings-languages-supported属性の要求(1216)と(1225)応答があり、情報処理装置はここで通知された言語のメッセージ・カタログを取得することで、ベンダー拡張の用紙種類の表示用文字列を取得する。
【0057】
これまでの説明から、印刷装置はIPP-Server制御部(401)とプリンタ能力通知部(402)がベンダー拡張形式を含む用紙種類情報に加えて、用紙種類の表示モードに関する情報を情報処理装置に通知する。これにより、ベンダー拡張形式の用紙種類表示、および表示モード指定に対応する情報処理装置は、全ての用紙種類をベンダー拡張形式で能力通知する印刷装置と組み合わせる際に、ベンダー拡張のみの用紙種類一覧からなる指定手段を提供できる。これにより、用紙種類の表記が印刷装置と情報処理装置で統一され、更には用紙種類の多重表示を解消できることから、ユーザの操作性を改善できる。
【0058】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。