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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】圧力センサダイの取付け
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
G01L9/00 301G
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020031322
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2020144119
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】62/813,661
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/724,166
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513204665
【氏名又は名称】シリコン マイクロストラクチャーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON MICROSTRUCTURES, INC.
【住所又は居所原語表記】1701 McCarthy Boulevard, Milpitas, California 95035 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ラザヴィディナニ,ケヤノッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン スプラケラール,ゲルチャン
(72)【発明者】
【氏名】ワーグナー,クリス
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-83828(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0232389(US,A1)
【文献】特開2013-3112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00 - 23/32
G01L 27/00 - 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(220)によって支持されたメンブレン(210)を有する圧力センサダイ(200)と、
上面および前記上面内に位置するトレンチ(110)を有するパッケージ(100)であって、前記フレーム(220)の一部分(222)が前記トレンチ(110)内に位置する、パッケージ(100)と、
前記トレンチ(110)内に位置する第1の材料(400)であって、前記フレームの底部(224)と前記トレンチの底面(112)との間に位置し、前記フレームの下部分(222)を取り囲む第1の材料(400)と
を備えているとともに、

前記フレーム(220)と前記メンブレン(210)とによって画定される空洞が、側面視で直方体状である、
圧力センサシステム。
【請求項2】
前記パッケージ(100)を通って前記メンブレン(210)の下に開口(624)を形成する通路(120)をさらに備えている、請求項1に記載の圧力センサシステム。
【請求項3】
フレーム(220)によって支持されたメンブレン(210)を有する圧力センサダイ(200)と、
上面および前記上面内に位置するトレンチ(110)を有するパッケージ(100)であって、前記フレーム(220)の一部分が前記トレンチ(110)内に位置する、パッケージ(100)と、
前記トレンチ(110)内に位置する第1の材料(400)であって、前記フレームの底部(224)と前記トレンチの底面(112)との間に位置する第1の材料(400)と、
前記トレンチ(110)内で前記第1の材料(400)上に位置する第2の材料(500)であって、前記フレームの下部分(222)を取り囲む第2の材料(500)と
を備えているとともに、

前記フレーム(220)と前記メンブレン(210)とによって画定される空洞が、側面視で直方体状である、
圧力センサシステム。
【請求項4】
前記パッケージ(100)を通って前記メンブレン(210)の下に開口(624)を形成する通路(120)をさらに備えている、
請求項3に記載の圧力センサシステム。
【請求項5】
前記第1の材料(400)および前記第2の材料(500)が接着剤である、
請求項3に記載の圧力センサシステム。
【請求項6】
前記第1の材料(400)および前記第2の材料(500)が同じ材料を含んでいる、
請求項3に記載の圧力センサシステム。
【請求項7】
前記第2の材料(500)がシリコーンである、
請求項3に記載の圧力センサシステム。
【請求項8】
中心通路(610)を有するチューブ(600)と、
前記チューブ(600)の周りに形成された基板(620)であって、上面側にトレンチ(110)を有し、それにより前記チューブ(600)の上部分が前記トレンチ(110)内で露出され、前記チューブ(600)の前記中心通路(610)が、前記基板(620)を通る通路の少なくとも一部分を形成する、基板(620)と、
フレーム(220)によって支持されたメンブレン(210)を有する圧力センサダイ(200)であって、前記メンブレン(210)および前記フレーム(220)が、前記圧力センサダイ(200)内に後方空洞(230)を画定し、前記チューブ(600)の前記上部分が前記圧力センサダイ(200)の前記後方空洞(230)内に位置するように前記フレーム(220)の一部分が前記トレンチ(110)内に位置する、圧力センサダイ(200)と、
前記トレンチ(110)内に位置する第1の材料(400)であって、前記フレームの底部(224)と前記トレンチの底面(112)との間に位置する第1の材料(400)と、
前記トレンチ(110)内で前記第1の材料(400)上に位置する第2の材料(500)であって、前記フレームの下部分(222)を取り囲む第2の材料(500)と
を備えているとともに

前記後方空洞(230)が、側面視で直方体状である、

圧力センサシステム。
【請求項9】
前記基板が、射出成形によって形成されている、請求項8に記載の圧力センサシステム。
【請求項10】
前記第1の材料(400)および前記第2の材料(500)が1つまたは複数の接着剤である、請求項8に記載の圧力センサシステム。
【請求項11】
前記圧力センサダイ(200)の前記フレーム(220)の前記一部分(222)が前記トレンチ(110)内に位置する一方で、前記圧力センサダイ(200)の前記メンブレン(210)は前記トレンチ(110)内に位置せずに前記トレンチ(110)から露出している、
請求項1から10のいずれか一項に記載の圧力センサシステム。
【請求項12】
前記第2の材料(500)は前記第1の材料(400)とは異なる、
請求項3または8に記載の圧力センサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
圧力センサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサシステムは、多くのタイプの製品に浸透するにつれて、過去数年で広く普及してきた。自動車、工業、消費者、および医療の製品で利用されているため、圧力センサシステムに対する需要が急速に高まっており、弱まる兆しを見せていない。
【0003】
圧力センサシステムは、圧力センサチップまたはダイならびに他の構成要素を含むことができる。圧力センサダイは、典型的に、ダイアフラムまたはメンブレンを含むことができる。このメンブレンは、シリコンウェーハ内にホイートストンブリッジを作製し、次いで反対側の表面からシリコンをエッチング除去して、ホイートストンブリッジの下にシリコンの薄層を形成することによって形成することができる。その結果得られるメンブレンは、より厚いエッチングされていないシリコンウェーハ部分またはフレームによって取り囲むことができ、メンブレンおよびフレームは空洞を形成する。圧力センサシステム内の圧力センサダイが圧力を受けたとき、メンブレンは、形状を変化させることによって応答することができる。この形状の変化により、メンブレン上の電子構成要素の1つまたは複数の特性を変化させることができる。これらの変化する特性を測定することができ、これらの測定から、圧力の大きさを判定することができる。
【0004】
難題は、圧力センサシステムを製造する際に生じる可能性がある。圧力センサシステムは、圧力センサパッケージ内に圧力センサダイスを取り付けることによって形成することができる。これらのパッケージは、取付けプロセス中に圧力ダイの空洞と位置合わせする必要のある通路を有することがある。この位置合わせは、高価なダイ配置機器の使用を必要とする可能性がある。
【0005】
圧力センサダイと圧力センサパッケージとの間の取付け領域の変動は、圧力センサシステムによって測定される圧力の読取り値に誤差をもたらす可能性がある。最悪の場合、これらの変動は取付け領域内に漏れを引き起こす可能性がある。取付け領域を通る漏れ経路により、圧力センサシステムが機能しなくなる可能性がある。また、これらの変動は、パッケージに対する圧力センサダイの高さの差をもたらす可能性があり、それによりパッケージングの問題が生じ、性能が一貫しなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決すべき課題は、パッケージ内に圧力センサダイを正確に配置する必要性を低減させ、圧力センサシステム内の漏れを低減させ、かつパッケージへの圧力センサダイの一貫した取付けを提供する圧力センサシステムおよび圧力センサシステムを組み立てる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、パッケージ内に圧力センサダイを正確に配置する必要性を低減させ、圧力センサシステム内の漏れを低減させ、かつパッケージへの圧力センサダイの一貫した取付けを提供する圧力センサシステムおよび圧力センサシステムを組み立てる方法を提供することによって解決される。
【0008】
本発明の例示的な実施形態は、高精度の配置システムの使用に依拠しない圧力センサシステムを組み立てる方法を提供することができる。本発明の上記その他の実施形態は、トレンチを有するパッケージまたは他の基板を提供することができる。トレンチ内に、液化状態の第1の量の第1の材料を堆積させることができる。第1の材料は、ゴム状または柔軟な層を形成するように硬化させることができる。トレンチ内では、第1の材料の上に、第2の量の第2の材料を堆積させることができる。第2の材料は、少なくともある程度液化することができる。メンブレンおよびフレームを有する圧力センサダイを、トレンチにフレームが入るように位置決めすることができる。圧力センサダイに圧力を印加して定位置で保持することができるが、本発明の上記その他の実施形態では、このタスクには重力で十分な可能性もある。第2の材料を硬化させて、圧力センサダイを圧力センサパッケージ内で定位置に保持することができる。第1の材料は、トレンチ内でフレームの底部とトレンチの底部との間に位置することができる。第2の材料は、フレームの下部分を取り囲むことができる。
【0009】
本発明の上記その他の実施形態では、パッケージは、プラスチック、レーザ直接構造化(LDS)材料、アクリル、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。パッケージは、インサートの有無にかかわらず、トランスファ成形もしくは射出成形、3D印刷、または他の技法によって形成することができる。本発明の上記その他の実施形態では、パッケージの代わりに、サブアセンブリ、シリコンウェーハ、プリント回路基板、または他の構造を使用することもできる。これらは、セラミック、FR4などのプリント回路基板材料、シリコン、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。
【0010】
第1の材料は、第2の材料と同じにすることができるが、第1の材料および第2の材料を異なる材料にすることもできる。第1の材料および第2の材料は、室温加硫シーラント(RTV)、シリコーン、フルオロシリコーン、ゲル、エポキシ、ウレタン、ポリマー系材料、または他の材料もしくはこれらの組合せとすることができる。第1の材料および第2の材料をトレンチ内に塗布する前に、第1の材料および第2の材料の一方または両方に、様々な添加剤を混合することができる。たとえば、染料または顔料などの着色剤を添加することができる。これらの着色剤は、望ましいレベルの不透明度または他の光学的特性を提供することができる。第1の材料および第2の材料の一方または両方に、硬化剤、促進剤、または溶剤を混合することができる。硬化率、硬化温度、または他の態様を調整するための他の材料を、一方または両方の材料に添加することもできる。たとえば、圧力センサダイのフレームへの遮蔽または接地経路を提供するために、伝導性材料を添加することができる。
【0011】
本発明の例示的な実施形態は、低減された漏れ、およびパッケージへの圧力センサダイの一貫した取付け、を有する圧力センサシステムを提供することができる。本発明の上記その他の実施形態は、フレームによって支持されたメンブレンを含む圧力センサダイを有する圧力センサシステムを提供することができる。圧力センサシステムはまた、上面および上面内に位置するトレンチを有するパッケージを含むことができる。フレームの下部分は、トレンチ内に位置することができる。第1の材料が、トレンチ内でフレームの底部とトレンチの底面との間に位置することができる。第2の材料が、トレンチ内で第1の材料の上に位置することができる。第2の材料は、フレームの下部分を取り囲むことができる。前述したように、第1の材料は、第2の材料と同じにすることができるが、第1の材料および第2の材料を異なる材料にすることもできる。2重層、特にフレームの下部分を取り囲むことができる第2の層を使用することで、圧力センサシステムを通る漏れを低減させることができる。この配置はまた、第1の材料および第2の材料によってフレームに印加される力を均衡させることができる。第1の材料および第2の材料の量の一貫した塗布により、パッケージへの圧力センサダイの一貫した取付けを実現することができる。
【0012】
本発明の上記その他の実施形態では、異なるタイプの圧力センサシステムを提供することができる。たとえば、圧力センサパッケージは、ゲージ圧センサシステムまたは差圧センサシステムを形成するために、フレームによって取り囲まれる開口を形成する通路を含むことができる。通路は、絶対圧力センサシステム内でブロックされても、存在しなくてもよい。
【0013】
本発明の上記その他の実施形態では、パッケージは、様々な方法で形成することができる。たとえば、チューブをオーバーモールドして基板を形成することができ、チューブは、基板を通る通路を形成する。基板の上面に凹部を形成することができ、それによりチューブの上部分が凹部内で露出される。チューブの露出部分が圧力センサダイの空洞内に位置するように、上述した凹部内に圧力センサダイを配置することができる。
【0014】
本発明について、添付の図面を参照して例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による圧力センサシステムの断面を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による圧力センサシステムの上面図である。
図3】本発明の一実施形態による圧力センサシステムを製造する方法を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による圧力センサシステムを製造する方法を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による圧力センサシステムを製造する方法を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による圧力センサシステムの一部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による圧力センサシステムの断面を示す。この図は、他の含まれている図と同様に、例示的な目的で示されており、本発明の可能な実施形態または特許請求の範囲を限定するものではない。
【0017】
この圧力センサシステムは、圧力センサパッケージ100を含むことができる。圧力センサパッケージ(または基板)100は、底面112を有するトレンチ110を含むことができる。1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層が層300を形成することができ、層300は、トレンチ110内に位置することができる。圧力センサダイ200が、メンブレン210およびフレーム220を含むことができる。抵抗器またはトランジスタなどの1つまたは複数の構成要素(図示せず)が、メンブレン210またはその付近に位置することができる。たとえば、ホイートストンブリッジに対する抵抗器を、メンブレン210またはその付近に形成することができる。1つまたは複数の層300によって、フレーム220の下部分222を取り囲むことができる。1つまたは複数の層300は、フレーム220の底部224とトレンチ110の底面112との間に位置することができる。
【0018】
本発明の上記その他の実施形態では、圧力センサパッケージ100は、プラスチック、レーザ直接構造化(LDS)材料、アクリル、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。圧力センサパッケージ100は、インサートの有無にかかわらず、トランスファ成形もしくは射出成形、3D印刷、または他の技法によって形成することができる。本発明の上記その他の実施形態では、圧力センサパッケージ100の代わりに、サブアセンブリ、シリコンウェーハ、プリント回路基板、または他の構造を使用することもできる。これらは、セラミック、FR4などのプリント回路基板材料、シリコン、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。
【0019】
本発明の上記その他の実施形態を使用して、異なるタイプの圧力センサシステムを形成することもできる。たとえば、ゲージ圧または差圧システムを形成するために、通路120を含むことができる。通路120は、絶対圧力センサを形成するために、ブロックされても、存在しなくてもよい。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による圧力センサシステムの上面図である。この例では、圧力センサパッケージ100は、トレンチ110を含むことができる。圧力センサダイ200は、トレンチ110内に位置するフレーム220を有することができる。前述したように、1つまたは複数の層300がトレンチ110内に位置することができる。通路120が、圧力センサダイ200のメンブレン210の下に開口を形成することができる。フレーム220は、通路120によって形成された開口を側面から取り囲むことができる。
【0021】
図3図5は、本発明の一実施形態による圧力センサシステムを製造する方法を示す。図3で、圧力センサパッケージ100および圧力センサダイ200を提供することができる。圧力センサパッケージ100は、通路120およびトレンチ110を含むことができる。
【0022】
図4で、第1の量の第1の材料400をトレンチ110内に堆積、塗布、または他の方法で配置することができる。第1の材料400は、室温加硫シーラント(RTV)、シリコーン、フルオロシリコーン、ゲル、エポキシ、ウレタン、ポリマー系材料、または他の材料もしくはこれらの組合せとすることができる。第1の材料400をトレンチ内に塗布する前に、第1の材料400に様々な添加剤を混合することができる。たとえば、染料または顔料などの着色剤を添加することができる。これらの着色剤は、望ましいレベルの不透明度または他の光学的特性を提供することができる。第1の材料400に、硬化剤、促進剤、または溶剤を混合することができる。硬化率、硬化温度、または他の態様を調整するための他の材料を、第1の材料400に添加することもできる。たとえば、圧力センサダイのフレームへの遮蔽または接地経路を提供するために、伝導性材料を添加することができる。次いで、第1の材料400を硬化させることができる。本発明の上記その他の実施形態では、第1の量の第1の材料400を正確に提供することができ、その結果、圧力センサパッケージ100に対する圧力センサダイ200の高さを一貫したものにすることができる。
【0023】
図5で、第2の量の第2の材料500を圧力センサパッケージ100のトレンチ110内で第1の材料400の上に堆積、塗布、または他の方法で配置することができる。第2の材料500は、室温加硫シーラント(RTV)、シリコーン、フルオロシリコーン、ゲル、エポキシ、ウレタン、ポリマー系材料、または他の材料もしくはこれらの組合せとすることができる。第2の材料500をトレンチ内に塗布する前に、第2の材料500に様々な添加剤を混合することができる。たとえば、染料または顔料などの着色剤を添加することができる。これらの着色剤は、望ましいレベルの不透明度または他の光学的特性を提供することができる。第2の材料500に、硬化剤、促進剤、または溶剤を混合することができる。硬化率、硬化温度、または他の態様を調整するための他の材料を、第2の材料500に添加することもできる。たとえば、圧力センサダイのフレームへの遮蔽または接地経路を提供するために、伝導性材料を添加することができる。第2の量の第2の材料500が少なくともある程度液化されているとき、圧力センサダイ200をトレンチ110内に配置することができる。具体的には、通路120がメンブレン210の下に開口を有するように、フレーム220をトレンチ110内に配置することができる。圧力センサダイ200に力を加えて、圧力センサダイ200を定位置で保持することができる。本発明の上記その他の実施形態では、このタスクには重力で十分な可能性がある。第2の材料500を硬化させて、それによって圧力センサダイ200を定位置で保持することができる。
【0024】
この配置では、圧力センサダイ200のフレーム220の下部分222を、第2の材料500によって垂直側で取り囲むことができる。第1の材料400は、フレーム220の底部224とトレンチ110の底面112との間に位置することができる。これにより、圧力センサシステムを通る漏れ経路を低減させるのを助けることができる。
【0025】
この例では、圧力センサダイ200が距離590だけ位置ずれをおこした場合でも、圧力センサシステムは機能したままとすることができる。これは、X方向およびY方向の両方で誤った位置に配置した場合に当てはまる。この誤差耐性により、高価な配置機器を必要とすることなしに、圧力センサシステムを製造することを可能にすることができる。
【0026】
本発明の上記その他の実施形態では、パッケージは、様々な方法で形成することができる。一例が以下の図に示されている。
【0027】
図6は、本発明の一実施形態による圧力センサシステムの一部分を示す。この例では、中心通路610を有するチューブ600を提供することができる。チューブ600の周りに、基板620を形成することができる。基板620は、上面側のトレンチまたは凹部622と、底面側の開口624とを含むことができる。チューブ600の上部分は、トレンチまたは凹部622内に露出させることができる。チューブ600内の中心通路610は、開口624から圧力センサダイ200内の後方空洞230へのガスまたは他の流体のための経路を提供することができる。チューブ600の下部分は、チューブ600を基板620内で定位置にさらに固定するために、位置630にフランジを含むことができる。
【0028】
圧力センサダイ200は、基板620のトレンチまたは凹部622内に位置することができるフレーム220を含むことができる。圧力センサダイ200は、メンブレン210をさらに含むことができる。メンブレン210およびフレーム220は、圧力センサダイ200内に後方空洞230を画定することができる。
【0029】
前述したように、第1の材料400および第2の材料500(図4および図5に示す)などの1つまたは複数の材料を接着剤層300として使用して、圧力センサダイ200を基板620のトレンチまたは凹部622内で定位置に固定することができる。
【0030】
この構成では、圧力センサダイ200は、圧力センサダイ200のメンブレン210の上面と基板620内の開口624との間の差圧を測定することができる。
【0031】
この例では、オーバーモールドされた基板620は、プラスチック、LDS、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。チューブ600は、金属、プラスチック、セラミック、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。オーバーモールドされた基板620は、インサートの有無にかかわらず、トランスファ成形もしくは射出成形、3D印刷、または他の技法によって形成することができる。本発明の上記その他の実施形態では、オーバーモールドされた基板620の代わりに、サブアセンブリ、シリコンウェーハ、プリント回路基板、または他の構造を使用することもできる。これらは、セラミック、FR4などのプリント回路基板材料、シリコン、または他の材料もしくは材料の組合せから形成することができる。たとえば、チューブ600は、プリント回路基板内の開口を通って挿入され、はんだ付け、接着材の塗布、または他の方法によって定位置に固定されることができる。
【0032】
本発明の実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的で提示されたものである。網羅的であることまたは記載の厳密な形態に本発明を限定することを意図したものではなく、上記の教示に照らして、多くの修正形態および変形形態が可能である。これらの実施形態は、本発明の原理およびその実際的な応用例について最もよく説明し、それによって当業者であれば、様々な実施形態において、企図される特定の用途に好適な様々な修正によって本発明を最もよく利用することが可能になるように選択および記載されている。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲の範囲内のすべての修正形態および均等物を包含することを意図したものであることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6