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  • -トナー製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】トナー製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/08 20060101AFI20240430BHJP
   G03G 9/097 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G03G9/08 381
G03G9/08
G03G9/097 375
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020041533
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021144102
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110870
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 芳広
(74)【代理人】
【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 陽介
(72)【発明者】
【氏名】田村 順一
(72)【発明者】
【氏名】山下 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土川 黎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 竜次
(72)【発明者】
【氏名】三浦 正治
(72)【発明者】
【氏名】溝尾 祐一
【審査官】高草木 綾音
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-079166(JP,A)
【文献】特開2017-054001(JP,A)
【文献】特開2001-022124(JP,A)
【文献】特開2005-227356(JP,A)
【文献】特開2017-173673(JP,A)
【文献】特開2013-015830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー粒子に、一次粒子の個数平均粒径dが0.050μm以上0.350μm以下である無機微粒子のみを混合し混合物を得る混合工程、および該混合物を熱風により熱処理して熱処理後トナー粒子を得る熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該トナー粒子は、重量平均粒径が3.0μm以上5.0μm以下であり、粒径2.0μm以下の粒子の割合が0.2体積%以上0.5体積%以下であり、
該混合工程後のトナー粒子において、粒径2.0μm未満の該トナー粒子に対する該無機微粒子の被覆率が10%以下であり、粒径2.0μm以上の該トナー粒子に対する該無機微粒子の被覆率が30%以上であり、
該トナー粒子の平均円形度をC1、該熱処理後トナー粒子の平均円形度をC2としたと き、該C1および該C2が下記式(1)を満たし、
0.010≦C2-C1 式(1)
該トナー粒子の重量平均粒径をD(μm)としたとき、d/Dが下記式(2)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
0.015≦d/D≦0.075 式(2)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナー製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高い生産性が要求されるようになってきている。高い現像性や転写性を達成するため、トナー粒子の熱球形化処理が有効である(特許文献1)。これはトナー粒子表面への大粒径微粒子が熱処理により固着することでトナー同士にスペーサー効果が発現するためである。
またトナーにおいては、小粒径化による高画質化が進んでいる。小粒径化により細線の再現性が向上するなどのメリットが存在する。小粒径化することで付着力も増大するため、外添剤によるスペーサー効果など外添剤の固着や円形度アップなど、熱球形化処理はより重要度が増している。しかしながら、小粒径化トナーの熱球形化処理を行うと、トナー粒子の合一により粒径の増大や分布のブロード化など、弊害が大きくなる傾向にあった。小粒径トナー製造時に熱球形化を行うためには、トナー粒子合一による粒径増大やブロード化を抑える必要であるという点に関して、更に改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-20244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決し、熱球形化処理時の粒径増加を抑制するとともに、粒子を選択的に合一させることで粒度分布のシャープなトナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、トナー粒子に、一次粒子の個数平均粒径dが0.050μm以上0.350μm以下である無機微粒子のみを混合し混合物を得る混合工程、および該混合物を熱風により熱処理して熱処理後トナー粒子を得る熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該トナー粒子は、重量平均粒径が3.0μm以上5.0μm以下であり、粒径2.0μm以下の粒子の割合が0.2体積%以上0.5体積%以下であり、
該混合工程後のトナー粒子において、粒径2.0μm未満の該トナー粒子に対する該無機微粒子の被覆率が10%以下であり、粒径2.0μm以上の該トナー粒子に対する該無機微粒子の被覆率が30%以上であり、
該トナー粒子の平均円形度をC1、該熱処理後トナー粒子の平均円形度をC2としたと き、該C1および該C2が下記式(1)を満たし、
0.010≦C2-C1 式(1)
該トナー粒子の重量平均粒径をD(μm)としたとき、d/Dが下記式(2)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
0.015≦d/D≦0.075 式(2)
【発明の効果】
【0006】
本発明により、熱球形化処理時の粒径増加を抑制するとともに、小粒径トナーの粒度分布がシャープになるトナー製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に好適に用いられる熱球形化装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係るトナー粒子は、重量平均粒径が3.0μm以上5.0μm以下であり、熱球形化処理を経て、小粒径トナーとなるものである。このような小粒径トナーは、細線の再現性が向上するなどのメリットがある。
【0009】
しかしながら、上記のような小粒径トナーに対し熱球形化処理を行うと、トナー粒子は合一しやすくなり、粒径増大や分布のブロード化など、弊害が大きくなる傾向にあった。本発明者らがこの点を改良しようと検討を進めた結果、トナー粒子径と大粒径外添剤の粒径の比を工夫することで上記の弊害なく小粒径トナーの熱球形化を行うことに成功した。
【0010】
本発明で弊害なく小粒径トナーの熱球形化を行うことが可能となったメカニズムについては現状確定には至っていないが、本発明者らは以下のように想定している。
【0011】
本発明では、トナー粒子の重量平均粒径D(μm)と無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径d(μm)を
0.015≦d/D≦0.075 式(2)
の範囲にすることが重要である。この範囲にそれぞれの粒径があるとき、大粒径外添剤はトナー粒子に対して大きすぎるため、トナー粒子表面に付着しにくくなると考えられる。特に微粒子側の粒径においてこの効果が発現しやすく、微粒子側のトナー粒子には外添剤が特に付着しにくくなる。その結果、熱球形化処理時において、トナー粒子のうち微粒子が選択的に合一していき、微粒子のみを減らすことができると推定される。微粒子のみを選択的に減少させることで、粒度分布のシャープ化につながったと推測している。但し、微粒子の量が多すぎると、合一にて減らすことが困難となったり、合一の結果、粒径が大きくなりすぎたりするため、所定の割合であることが必要であり、具体的には、粒径2.0μm以下の粒子の割合が0.2体積%以上0.5体積%以下であることが必要である。
【0012】
<トナー粒子の製造法>
次に、本発明の製造方法で、トナー粒子を製造する手順について説明する。
【0013】
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも結着樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤、該離型剤を分散させる分散剤、帯電制御剤などを混合してもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
【0014】
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
【0015】
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕される。更に、イノマイザー(ホソカワミクロン社製)、クリプトロン(川崎重工社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボミル(ターボ工業社製)等の機械式粉砕機で微粉砕される。粉砕工程では、このように段階的に所定のトナー粒度まで粉砕される。粉砕後、必要に応じて分級を行い、トナー粒子が得られる。
【0016】
<混合工程>
混合工程において、トナー粒子と無機微粒子とが混合される。混合装置としては、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を用いることができる。
【0017】
混合工程を経た粒子混合物は、トナー粒子表面に対する無機微粒子の被覆率が以下の範囲にあることが好ましい。粒径2.0μm未満のトナー粒子に対する無機微粒子の被覆率が10%以下であり、粒径2.0μm以上のトナー粒子に対する無機微粒子の被覆率が30%以上であることが好ましい。これらの被覆率の調整は、回転数や混合時間によって行うことができる。被覆率を上げるには、回転数と上げる、混合時間をのばすといった方法が好ましい。
【0018】
<熱処理工程>
続いて、得られた粒子混合物に対して、熱処理工程で球形化処理を行う。熱処理は、例えば、図1のような熱処理装置を用いることができる。
【0019】
以下、図1に記載の熱処理装置を用いた熱処理について説明する。
【0020】
原料定量供給手段1により定量供給された混合物(トナー粒子と無機微粒子との混合物)は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
【0021】
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
【0022】
供給された混合物を熱処理するための熱は、熱風供給手段7から供給され、分配部材12で分配され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃以上300℃以下であることが好ましく、130℃以上170℃以下であることがより好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を防止しつつ、均一に球形化処理することが可能となる。このときの平均円形度としては、0.955以上0.980以下であることが好ましい。熱風は熱風供給手段出口11から供給される。
【0023】
更に熱処理された粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却される。冷風供給手段8から供給される温度は-20℃乃至+30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理された粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、粒子の融着や過度の合一を防止することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m3以上15.0g/m3以下であることが好ましい。
【0024】
次に、冷却された熱処理後トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
【0025】
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給される混合物の旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、混合物に強力な遠心力がかかり、分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃った熱処理後トナー粒子を得ることができる。
【0026】
本発明においては、トナー粒子の平均円形度をC1、熱処理後トナー粒子の平均円形度をC2としたとき、該C1および該C2が下記式(1)を満たすことが必要である。
0.010≦C2-C1 式(1)
【0027】
平均円形度の変化幅は、熱処理の程度を反映している。平均円形度の変化幅が式(1)を満たす程度に処理した場合、微粒子の合一が十分に進み、微粒子の低減が十分に達成される。その結果、小粒径トナーにおけるシャープな粒度分布が達成される。
【0028】
<トナー粒子の原料>
次に、本発明で使用する結着樹脂及び着色剤を少なくとも含むトナー粒子の原材料について説明する。
【0029】
<結着樹脂>
電子写真に用いられるトナーに用いられる結着樹脂としては、一般的な樹脂を用いることができ、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが例示できる。この中でも、低温定着性を良好にするという観点から非晶性ポリエステル樹脂が用いられ、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、低分子量ポリエステルと高分子量ポリエステルを併用することが知られている。また、さらなる低温定着性の向上と保管時の耐ブロッキング性の観点から結晶性ポリエステルを可塑剤として用いることもある。
【0030】
<着色剤>
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
【0031】
該着色剤としては、公知の有機顔料若しくは油性染料、カーボンブラック、又は磁性体などが挙げられる。
【0032】
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。マゼンタ系着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。黒色系着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は、前記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
【0033】
該着色剤は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
【0034】
<離型剤>
必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤を用いてもよい。該離型剤としては、低分子量ポリオレフィン類、シリコーンワックス、脂肪酸アミド類、エステルワックス類、カルナバワックス、炭化水素系ワックスなどが一般的に例示できる。
【0035】
<トナー粒子と混合される無機微粒子>
無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子の如き無機微粒子が好ましい。これらは、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
【0036】
無機微粒子は、一次粒子の個数平均粒径dが50nm以上350nm以下であることが好ましい。この範囲にあるとき、流動性向上や耐久性安定化を良好に両立できる。
【0037】
無機微粒子は、トナー粒子100質量部に対して3.0質量部以上7.0質量部以下使用されることが好ましい。
【0038】
各種物性の測定法について以下に説明する。
【0039】
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、50μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
【0040】
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
【0041】
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
【0042】
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
【0043】
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を1μm以上30μm以下に設定する。
【0044】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【0045】
<トナー粒子の個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法の(7)の工程において、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
【0046】
<平均円形度の測定方法>
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
【0047】
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS-150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
【0048】
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
【0049】
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
【0050】
尚、実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
【0051】
<無機微粒子の粒径>
外添剤の個数平均粒径の測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)「JEM2800」(日本電子製)を用いて測定する。
【0052】
まず、測定サンプルの調製を行う。外添剤約5mgに対し、イソプロパノール1mlを加え、超音波分散機(超音波洗浄機)で5分間分散させる。次に、TEM用の支持膜付きマイクログリッド(150メッシュ)に上記分散液を1滴たらし、乾燥させることで測定サンプルを準備した。
【0053】
次に、透過型電子顕微鏡(TEM)により、加速電圧200kVの条件のもと、視野中の外添剤が十分に測長できる倍率(例えば20万倍~100万倍)にて画像を取得し、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径を求める。粒径の測定は手動でもよいし、計測ツールを用いてもよい。
【0054】
<被覆率の算出>
被覆率は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影された、無機微粒子が表面に付着したトナー粒子表面画像を、画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S-4800の画像撮影条件は以下の通りである。
【0055】
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に測定試料を吹きつける。さらにエアブローして、余分な測定試料を試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
【0056】
(2)S-4800観察条件設定
被覆率Xの算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率Xを精度良く測定することが出来る。
【0057】
S-4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
【0058】
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
【0059】
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
【0060】
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。粒子が付着した母粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくとも母粒子30粒子以上について画像を得る。
【0061】
(5)画像解析
下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率Xを算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。 画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下の通りである。
【0062】
ソフトImage-ProPlus5.1J
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2~107と入力する。
【0063】
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。この時、領域の面積(C)は24000~26000ピクセルになるようにする。「処理」-2値化で自動2値化し、測定対象の無機微粒子の無い領域の面積の総和(D)を算出する。
【0064】
正方形の領域の面積C、測定対象の無機微粒子の無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率が求められる。
被覆率(%)=100-(D/C×100)
【0065】
得られた全データの平均値を本発明における被覆率とする。
【実施例
【0066】
<非晶性ポリエステル樹脂Lの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.0質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:28.0質量部(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
【0067】
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した。
【0068】
・無水トリメリット酸:3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が90℃に達したことを確認してから温度を下げて反応を止め、非晶性ポリエステル樹脂Lを得た。
【0069】
<非晶性ポリエステル樹脂Hの製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.3質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:18.3質量部(0.11モル;多価カルボン酸総モル数に対して65.0mol%)
・フマル酸:2.9質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
【0070】
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した。
【0071】
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が137℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、非晶性ポリエステル樹脂Hを得た。
【0072】
<結晶性ポリエステル樹脂>
・1,6-ヘキサンジオール:34.5質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5質量部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
【0073】
次に、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた。
【0074】
さらに、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、ステアリン酸を、原料モノマー100.0質量部に対し7.0質量部加え、常圧下にて200℃で2時間反応させた。
【0075】
その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して200℃で3時間反応させることにより、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
【0076】
[無機微粒子1~6]
粒径の異なる市販のシリカ微粒子に対して、4質量%のヘキサメチルジシラザンを用いて表面処理を施したものを無機微粒子として用いた。得られた無機微粒子の粒径を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
<熱処理後トナー粒子1の製造例>
・前記非晶性ポリエステル樹脂L 80質量部
・前記非晶性ポリエステル樹脂H 20質量部
・前記結晶性ポリエステル樹脂 5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(炭化水素ワックス、最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 8質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。混練時のバレル温度は、混練物の出口温度が120℃になるよう設定した。混練物の出口温度は、安立計器社製ハンディタイプ温度計HA-200Eを用い直接計測した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。
【0079】
得られたトナー粒子 100質量部に、無機微粒子1を5.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30s-1、回転時間10minで混合し、熱処理前粒子混合物1を得た。表2に物性を載せる。
【0080】
得られた熱処理前粒子混合物1に対して、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行い、熱処理後トナー粒子1を得た。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度C=240℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度E=5℃、冷風流量=4m3/min.、冷風絶対水分量=3g/m3、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。得られた熱処理後トナー粒子1の物性を表3に載せる。
【0081】
<熱処理後トナー粒子2~13の製造例>
熱処理前粒子混合物1を、表2に記載の熱処理前粒子混合物2~13に変更した以外は、熱処理後トナー粒子1と同様にして、表3に記載の熱処理後トナー粒子2~13を製造した。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
〔実施例1〕
得られた熱処理後トナー1の粒度分布である重量平均粒径D4と個数平均粒径D1を測定し、D4/D1、および粒径差の評価を行った。
【0085】
<評価1;D4/D1>
粒度分布の指標として評価を行った。値が小さいほど分布がシャープになることを示す。評価結果を表4に示す。
(評価基準)
A:D4/D1が1.40未満 (非常に優れている)
B:D4/D1が1.40以上、1.45未満 (良好である)
C:D4/D1が1.45以上、1.50未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:D4/D1が1.50以上 (本発明では許容できない)
【0086】
<評価2;粒径差>
熱処理を行うことで粒径増大を抑制することが本発明では重要である。よって粒径増大についての評価を、(熱処理後トナー粒子の重量平均粒径)-(トナー粒子の重量平均粒径)として行った。評価結果を表4に示す。
A:(熱処理後トナー粒子の重量平均粒径)-(トナー粒子の重量平均粒径)が0.30未満 (非常に優れている)
B:(熱処理後トナー粒子の重量平均粒径)-(トナー粒子の重量平均粒径)が0.30以上0.40未満 (良好である)
C:(熱処理後トナー粒子の重量平均粒径)-(トナー粒子の重量平均粒径)が0.40以上0.50未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:(熱処理後トナー粒子の重量平均粒径)-(トナー粒子の重量平均粒径)が0.50以上 (本発明では許容できない)
【0087】
〔実施例2乃至9、および比較例1乃至4〕
熱処理後トナー粒子2~13を用いる以外は、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。なお、実施例4、5、8、9は参考例である。
【0088】
【表4】
【0089】
比較例1は、粒径が小さい無機微粒子を使用している。トナー粒子の微粒子にも無機微粒子が付着するため、合一が進まない。分布はブロードになってしまう。
【0090】
比較例2は、粒径が大きい無機微粒子を使用している。トナー粒子の中心粒径にも無機微粒子が付着しにくくなり、トナー粒子の微粒子はもちろんだが全体的に合一が進んでしまう。これにより熱処理後トナー粒径が大きくなってしまう。
【0091】
比較例3は、トナー粒子は大きく、粒径が小さい無機微粒子を使用している。トナー粒子の微粒子にも無機微粒子が付着するため、合一が進まない。分布はブロードになってしまう。
【0092】
比較例4は、トナー粒子は小さく、粒径が大きい無機微粒子を使用している。トナー粒子の中心粒径にも無機微粒子が付着しにくくなり、トナー粒子の微粒子はもちろんだが全体的に合一が進んでしまう。これにより熱処理後トナー粒径が大きくなってしまう。
【符号の説明】
【0093】
1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8.冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口
図1