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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】エプロン
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/04 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
A41D13/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020080231
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021172940
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】593211706
【氏名又は名称】株式会社オンワードコーポレートデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤井 大貴
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 恵
(72)【発明者】
【氏名】久満 千種
(72)【発明者】
【氏名】岡部 恭世
(72)【発明者】
【氏名】二階堂 陽一
(72)【発明者】
【氏名】菅井 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】中村 風花
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-126426(JP,U)
【文献】特開2005-248412(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200026(JP,U)
【文献】登録実用新案第3177050(JP,U)
【文献】米国特許第04320863(US,A)
【文献】登録実用新案第3072238(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0029406(US,A1)
【文献】特表2013-538949(JP,A)
【文献】特開2002-069721(JP,A)
【文献】 Amazon.com : Waterproof Garden Apron with Pockets, 600D Oxford Highly,米国,Amazon.com, Inc.,2017年07月10日, https://www.amazon.com/Waterproof-CLINE-Adjustable-Gardening-Carpentry/dp/B0719G79B2/ref=sr_1_80?s=lawn-garden&ie=UTF8&qid=1496711843&sr=1-80&refinements=p_n_date_first_available_absolute%3A2661609011,製品名: Waterproof Garden Apron with Pockets, 600D Oxford Highly Durable Canvas Tool Apron, CLINE Adjustable Neck and Waist Straps Bib Aprons for Women & Man, Gardening Carpentry Lawn Care, Brown(意匠課公知資料番号: HJ2901553600参照)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エプロン本体部と、
前記エプロン本体部に取り付けられた首ひもと、
前記エプロン本体部に取付けられた腰ひもと
を備えるエプロンであって、
着用者が前記エプロンを着用した状態で、前記首ひもは前記着用者の首にかかり、前記腰ひもは前記着用者の背側を横切り、
前記エプロンは、前記首ひもと前記腰ひもとを連結する連結部材を備え
前記エプロン本体部は、
胸当て部と、
前記胸当て部の下方に位置する前身頃部と
を含み、
前記首ひもは前記胸当て部に取付けられるとともに前記腰ひもは前記前身頃部に取付けられ、
前記前身頃部は、前記腰ひもを引っ張ることにより弾性的に伸びる伸縮可能な伸縮部材を含み、
前記前身頃部の裏面には、前記首ひもが係合する係合部が設けられているエプロン。
【請求項2】
前記連結部材は、前記首ひも及び前記腰ひものそれぞれに対して取外し可能に取付けるための取付部材を含む、請求項1に記載のエプロン。
【請求項3】
前記連結部材は、該連結部材の長さを調整する長さ調整部材を含む、請求項1または2に記載のエプロン。
【請求項4】
前記エプロン本体部は、
胸当て部と、
前記胸当て部の下方に位置する前身頃部と、
前記胸当て部と前記前身頃部とを切り離し可能に接続する接続部と
を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のエプロン。
【請求項5】
前記接続部は、
前記前身頃部に取付けられた第1部材と、
前記胸当て部に取付けられた第2部材と
を含み、
前記第1部材と前記第2部材とは互いに連結及び切り離しが可能であり、
前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、前記エプロンの上下方向に間隔をあけて複数設けられている、請求項に記載のエプロン。
【請求項6】
前記エプロン本体部の表面には、前記腰ひもが通るループ部材が設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のエプロン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エプロンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、肩紐が肩からずれ落ちないようにしたエプロンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-162238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なエプロンには、H型エプロン、クロスエプロン、ホルターネックエプロン等があるが、ホルターネックエプロンでは、ポケットに物を入れると、その物の重みでエプロン全体が下方にずれることで、エプロンの着用者の首の後ろにかかる首ひもを介して首の後ろにその物の重みがかかり、着用者に首こりや肩こりが起きやすいといった問題点があった。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、着用者の首や肩にかかる負担を軽減できるエプロンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るエプロンは、エプロン本体部と、前記エプロン本体部に取り付けられた首ひもと、前記エプロン本体部に取付けられた腰ひもとを備えるエプロンであって、着用者が前記エプロンを着用した状態で、前記首ひもは前記着用者の首にかかり、前記腰ひもは前記着用者の背側を横切り、前記エプロンは、前記首ひもと前記腰ひもとを連結する連結部材を備え、前記エプロン本体部は、胸当て部と、前記胸当て部の下方に位置する前身頃部とを含み、前記首ひもは前記胸当て部に取付けられるとともに前記腰ひもは前記前身頃部に取付けられ、前記前身頃部は、前記腰ひもを引っ張ることにより弾性的に伸びる伸縮可能な伸縮部材を含み、前記前身頃部の裏面には、前記首ひもが係合する係合部が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示のエプロンによれば、着用者がエプロンを着用した状態で、着用者の首にかかる首ひもと着用者の背側を横切る腰ひもとを連結部材が連結しているので、エプロン全体が下方にずれた場合に、着用者の首にかかる首ひもを連結部材が下方に引っ張る。これにより、エプロン全体を下方にずらす力が着用者の首にかかりにくくなるので、着用者の首や肩にかかる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係るエプロンの正面図である。
図2】本開示の一実施形態に係るエプロンに設けられるサスペンダーの正面図である。
図3】本開示の一実施形態に係るエプロンの一部分の背面図である。
図4】本開示の一実施形態に係るエプロンの前身頃部の裏面に設けられた収納部を示す図である。
図5】本開示の一実施形態に係るエプロンにおいて、胸当て部を前身頃部の裏面側に収容した状態の背面図である。
図6】本開示の一実施形態に係るエプロンを着用者が着用した状態を示す正面図である。
図7】本開示の一実施形態に係るエプロンを着用者が着用した状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示されるように、本開示の一実施形態に係るエプロン1は、エプロン本体部2と、エプロン本体部2に取り付けられた首ひも3及び一対の腰ひも4,4とを備えている。エプロン1は、首ひも3に一端が取付けることのできるサスペンダー5(連結部材)をさらに備えている。
【0010】
図2に示されるように、サスペンダー5は、一端側が折り曲げられてループ状に形成した状態を維持するためのドット釦51と、他端に設けられたクリップ52と、サスペンダー5の長さを調整するための長さ調整部材であるアジャスター53とを含んでいる。ドット釦51を外して首ひも3(図1参照)に引っ掛けるようにループを形成し、この状態をドット釦51によって維持することで、サスペンダー5の一端を首ひも3に取付けることができる。
【0011】
図1に示されるように、エプロン本体部2は、胸当て部21と、胸当て部21の下方に位置する前身頃部22とを含んでいる。首ひも3の一端は胸当て部21の上縁21aに固定されおり、首ひも3の他端は、上縁21aに固定されたループ部材21bに結びつけることで、首ひも3と上縁21aとによってループ形状を構成することができる。尚、ループ部材21bの代わりに、首ひも3の他端又は胸当て部21のいずれか一方に釦を設けるとともに他方に釦穴を形成した構成としてもよく、釦の代わりにホックを用いてもよく、さらには、首ひも3の他端にクリップを設けてこのクリップが上縁21aを挟むようにした構成としてもよい。
【0012】
一対の腰ひも4,4のそれぞれの一端は、前身頃部22の左右の側縁22b,22cのうち前身頃部22の上縁22a近傍に固定されている。前身頃部22には、腰ひも4,4のそれぞれの一端が固定される部分に隣接する位置から上縁22aに沿うようにして左右方向に弾性的に伸縮可能な伸縮部材23、例えばゴムが設けられている。前身頃部22の表面22eには、上縁22aの近傍に、左右方向に間隔をあけて2つのループ部材24,24が設けられている。また、表面22eには、ポケット25も設けられている。前身頃部22には、前身頃部22の下縁22dの左右方向の中央付近からポケット25に向かって延びるようにスリット26が形成されている。
【0013】
図3に示されるように、エプロン本体部2は、胸当て部21と前身頃部22とを切り離し可能に接続する接続部30を含んでいる。接続部30は、前身頃部22の裏面22fに設けられた4つの釦31(第1部材)と、胸当て部21に形成された釦31用の8つの釦穴32(第2部材)とを含んでいる。4つの釦31は、隣り合う釦間に間隔があくように左右方向に直線状に配置されている。8つの釦穴32のうちの4つがそれぞれ4つの釦31の位置に対応するように直線状に配置された釦穴列33を構成し、他の4つの釦穴32が釦穴列33に対して間隔をあけるようにして釦穴列33の下方に位置する釦穴列34を構成している。
【0014】
4つの釦31をそれぞれ釦穴列33,34のいずれかの4つの釦穴32に係合させることにより、胸当て部21と前身頃部22とを接続することができる。4つの釦31をそれぞれ釦穴列33の4つの釦穴32に係合させる場合と、4つの釦31をそれぞれ釦穴列34の4つの釦穴32に係合させる場合とで、胸当て部21の上縁21aから前身頃部22の下縁22dまでの長さ、すなわちエプロン本体部の上下方向の長さを変えることができるので、エプロン1の着用者10(図6又は7参照)の身長に合ったエプロン本体部2に調整することができる。
【0015】
図3では、2つの釦穴列33,34が胸当て部21に形成されているが、3列以上の釦穴列を設けることにより、エプロン本体部2の上下方向の長さの調整階数を増やすことができる。また、釦31の個数及び各釦穴列33,34の釦穴32の個数はそれぞれ4つに限定するものではなく、任意の個数の釦31及び釦穴32を設けてもよい。尚、釦31を胸当て部21の表面に設けるとともに釦穴32を前身頃部22に形成してもよい。さらに、接続部30は、釦31及び釦穴32を含む構成に限定するものではなく、ホックやクリップ、ジッパ、面ファスナ等を含む構成であってもよい。
【0016】
4つの釦31をそれぞれ釦穴列33,34のいずれかの4つの釦穴32から外し、前身頃部22から胸当て部21を切り離すと、エプロン本体部2は前身頃部22のみを有する構成になる。この場合、サロンエプロンとして使用することができる。
【0017】
前身頃部22の裏面22fには係合部40が設けられている。図4に示されるように、係合部40は、長さ方向の中央部付近で裏面22fに固定された帯状部材41と、帯状部材41の両端付近に設けられたドット釦42,43とを含んでいる。ドット釦42,43を互いに連結すると、図3に示されるように、係合部40は閉じたループ形状になる。
【0018】
図5に示されるように、前身頃部22から胸当て部21を切り離さなくても、胸当て部21を前身頃部22の裏面22f側に折り畳むことにより、サロンエプロンの構成とすることができる。この際、閉じたループ形状の係合部40に首ひも3を係合させることができる。胸当て部21を前身頃部22の裏面22f側に折り畳んだ状態でエプロン1を着用しても、首ひも3が係合部40よりも下方に移動しないため、着用中に前身頃部22の裏面22f側で胸当て部21が下方に垂れてしまうおそれを低減できる。
【0019】
図6に示されるように、首ひも3と胸当て部21の上縁21aとによって構成されたループの中に着用者10の首11が通るようにして、エプロン本体部2を着用者10の正面に位置させる。前身頃部22に一端が固定された一対の腰ひも4,4がそれぞれ着用者の背側を互いに反対方向に横切るようにして、前身頃部22に固定された側とは反対側から一対の腰ひも4,4の他端をそれぞれ着用者10の正面側に位置させ、各他端をループ部材24に通した状態で、前身頃部22の表面22e上で一対の腰ひも4,4を結ぶ。これにより、着用者10はエプロン1を着用した状態となる。尚、腰ひも4がループ部材24を通っているので、互いに結ばれた状態の腰ひも4,4が下方にずれるおそれを低減できる。
【0020】
図7に示されるように、着用者10の背側で一端が首ひも3にサスペンダー5が連結されているが、サスペンダー5の他端に設けられたクリップ52を、着用者10の背側で横切る一対の腰ひも4,4の両方又は一方に連結する。これにより、サスペンダー5は、首ひも3と腰ひも4とを連結した状態となる。このため、ドット釦51及びクリップ52はそれぞれ、サスペンダー5の一端及び他端をそれぞれ首ひも3及び腰ひも4に取付けるための取付部材を構成する。尚、この取付部材はドット釦やクリップに限定するものではなく、その他の任意のボタンやホック等であってもよい。また、連結部材は、両端に取付部材を有さない単なるひも状の部材でもよく、この場合には、ひも状部材の両端をそれぞれ首ひも3及び腰ひも4に結びつければよい。
【0021】
例えば、着用者10がエプロン1を着用した状態でポケット25(図6参照)に重い物を入れると、その重みでエプロン1全体が下方にずれてしまい、その重みが首ひも3を介して着用者10の首11にかかってしまう。しかし、エプロン1では、サスペンダー5が首ひも3と腰ひも4とを連結しているので、エプロン1全体が下方にずれようとすると、サスペンダー5が首ひも3を着用者10の背側で下方にひっぱる。このため、首ひも3を介して着用者10の首11にかかる重みが低減される、すなわち、エプロン1全体を下方にずらす力が着用者10の首11の後ろにかかりにくくなるので、着用者10の首11や肩にかかる負担を軽減することができる。
【0022】
また、前身頃部22には、腰ひも4,4のそれぞれの一端が固定される部分から上縁22aに沿うようにして左右方向に伸縮可能な伸縮部材23が設けられているので、腰ひも4,4をそれぞれ引っ張ることで伸縮部材23が弾性的に伸び、伸縮部材23の弾性力が着用者10の腰回りに与えられ、着用者10とエプロン本体部2との固定が強化される。これにより、エプロン1全体が下方にずれにくくなるので、着用者10の首11や肩にかかる負担をさらに軽減することができる。
【0023】
サスペンダー5はアジャスター53によって長さを調整することができるので、着用者10の身長に合わせてサスペンダー5の長さを調整でき、様々な身長の着用者10に同等の上記作用効果を与えることができる。また、着用者10の首11や肩にかかる負担を軽減する必要がないときは、サスペンダー5を首ひも3及び腰ひも4から取外して従来のエプロンとして使用することもできる。
【0024】
エプロン1においてエプロン本体部2は、胸当て部21と前身頃部22とが切り離し可能に構成されていたが、両者が切り離しできない構成、すなわち全体が一体の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 エプロン1 エプロン本体部、3 首ひも、4 腰ひも、5 サスペンダー(連結部材)、10 着用者、11 首、21 胸当て部、22 前身頃部、22e (前身頃部の)表面、22f (前身頃部の)裏面、23 伸縮部材、24 ループ部材、30 接続部、31 釦(第1部材)、32 釦穴(第2部材)、40 係合部、51 ドット釦(取付部材)、52 クリップ(取付部材)、53 アジャスター(長さ調整部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7