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特許7479918コモンレール燃料供給システムを運転するための方法及び制御装置
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  • 特許-コモンレール燃料供給システムを運転するための方法及び制御装置 図1
  • 特許-コモンレール燃料供給システムを運転するための方法及び制御装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】コモンレール燃料供給システムを運転するための方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/34 20060101AFI20240430BHJP
   F02M 55/02 20060101ALI20240430BHJP
   F02D 43/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
F02M59/34
F02M55/02 360Z
F02D43/00 301W
F02D43/00 310A
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020081251
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2020186725
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】10 2019 112 754.8
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
【氏名又は名称原語表記】MAN ENERGY SOLUTIONS SE
【住所又は居所原語表記】Stadtbachstr.1 86153 Augsburg,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マークス・ザイプト
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0226428(US,A1)
【文献】特開2018-115582(JP,A)
【文献】特開2003-193937(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0206109(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00~71/04
F02D 29/00~29/06
F02D 41/00~45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のコモンレール燃料供給システムを運転するための方法であって、
前記コモンレール燃料供給システムは、低圧領域(4)と、高圧領域(6)と、少なくとも2つの高圧ポンプ(2)を有する高圧ポンプ装置(3)と、を有しており、
前記高圧ポンプ装置を用いて、燃料が、前記コモンレール燃料供給システムの前記低圧領域(4)から、前記コモンレール燃料供給システムの前記高圧領域(6)に輸送可能であり、前記高圧ポンプ装置(3)と、シリンダに配設されたインジェクタ(1)との間における前記高圧領域(6)には、持続的に高圧下にある蓄圧システム(7)が設けられており、前記高圧ポンプ装置(3)の輸送量は、前記高圧ポンプ(2)の上流に配置された絞り弁(13)によって調整可能であり、
内燃機関の要求される動作点に依存して、一方では前記高圧ポンプ装置(3)の設定輸送量が、他方では高圧下にある前記蓄圧システム(7)に関する設定圧力が決定され、
前記高圧ポンプ装置(3)の設定輸送量に依存して、全ての前記絞り弁(13)に関して、前記絞り弁(13)それぞれの位置に関する開ループ制御分が決定され、前記開ループ制御分で、前記絞り弁(13)それぞれが作動し、
高圧下にある前記蓄圧システム(7)内での設定圧力と実圧力との差に依存して、前記絞り弁(13)それぞれの位置に関する閉ループ制御分が決定され、前記閉ループ制御分は前記開ループ制御分に重ねられ前記絞り弁(13)の第1の部分量が前記閉ループ制御分と前記開ループ制御分との合計に適用されて、前記絞り弁(13)の前記第1の部分量の前記絞り弁(13)それぞれが作動し、これに対して、前記閉ループ制御分が決定されていなければ、第2の部分量が前記開ループ制御分に適用され、前記絞り弁(13)は、専ら前記開ループ制御分で作動する
方法。
【請求項2】
前記開ループ制御分及び前記閉ループ制御分で作動する前記絞り弁(13)の前記第1の部分量が、シリンダバンクごとに、ただ1つの絞り弁を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開ループ制御分及び前記閉ループ制御分で作動する前記絞り弁(13)それぞれが、時間制御下で切り換えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
所定の時間が経過した後に、前記開ループ制御分及び前記閉ループ制御分で作動する前記絞り弁(13)それぞれが、切り換えられることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記開ループ制御分及び前記閉ループ制御分で作動する前記絞り弁(13)それぞれが、事象制御下で切り換えられることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記開ループ制御分及び前記閉ループ制御分で作動する前記絞り弁(13)それぞれが、エンジンの始動に際して切り換えられることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
内燃機関の要求される負荷に依存して、前記設定輸送量及び前記設定圧力が決定されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
内燃機関のコモンレール燃料供給システムを運転するための制御装置であって、
前記コモンレール燃料供給システムは、低圧領域(4)と、高圧領域(6)と、少なくとも2つの高圧ポンプ(2)を有する高圧ポンプ装置(3)と、を有しており、
前記高圧ポンプ装置を用いて、燃料が、前記コモンレール燃料供給システムの前記低圧領域(4)から、前記コモンレール燃料供給システムの前記高圧領域(6)に輸送可能であり、前記高圧ポンプ装置(3)と、シリンダに配設されたインジェクタ(1)との間における前記高圧領域(6)には、持続的に高圧下にある蓄圧システム(7)が設けられており、前記高圧ポンプ装置(3)の輸送量は、前記高圧ポンプ(2)の上流に配置された絞り弁(13)によって調整可能であり、
前記制御装置は、内燃機関の要求される動作点に依存して、一方では前記高圧ポンプ装置(3)の設定輸送量を、他方では高圧下にある前記蓄圧システム(7)に関する設定圧力を決定し、
前記制御装置は、前記高圧ポンプ装置(3)の設定輸送量に依存して、前記絞り弁(13)それぞれに関して、前記絞り弁(13)それぞれの位置に関する開ループ制御分を決定し、前記開ループ制御分で、前記制御装置は、前記絞り弁(13)それぞれを作動させ、
前記制御装置は、高圧下にある前記蓄圧システム(7)内での設定圧力と実圧力との差に依存して、前記絞り弁(13)それぞれの位置に関する閉ループ制御分を決定し、前記閉ループ制御分は前記開ループ制御分に重ねられ、前記絞り弁(13)の第1の部分量が前記閉ループ制御分と前記開ループ制御分の合計に適用され、前記絞り弁(13)の前記第1の部分量の前記絞り弁(13)それぞれが作動し、これに対して、前記閉ループ制御分が決定されていなければ、第2の部分量が前記開ループ制御分に適用され、前記制御装置は、前記絞り弁(13)の第2の部分量の前記絞り弁(13)を、専ら前記開ループ制御分で作動させる
制御装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コモンレール燃料供給システムを運転するための方法と制御装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、先行技術から知られた内燃機関、すなわち重油で動作する船舶用ディーゼル内燃機関のコモンレール燃料供給システムの基本的な構造を示している。当該構造は、特許文献1から知られている。図1に係るコモンレール燃料供給システムは、シリンダごとにそれぞれ少なくとも1つのインジェクタ1を含んでいる。インジェクタ1を通じて、内燃機関のシリンダそれぞれに、燃料が噴射可能である。コモンレール燃料供給システムは、さらに、コモンレール燃料供給システムの低圧領域4から、コモンレール燃料供給システムの高圧領域6に燃料を輸送するために、少なくとも1つの低圧ポンプ5と、複数の高圧ポンプ2及び1つの高圧ポンプ貯蔵装置8を有する高圧ポンプ装置3と、を含んでおり、高圧ポンプ装置3とインジェクタ1との間の高圧領域6には、持続的に高圧下にある蓄圧システム7が設けられている。コモンレールとも呼ばれる、持続的に高圧下にある蓄圧システム7は、複数の分配ユニット9を有している。分配ユニット9は、持続的に高圧下にある高圧導管10を通じて、高圧ポンプ装置3と、及び、互いに接続されている。蓄圧システム7、すなわち分配ユニット9は、さらに、噴射サイクルに依存して一時的に高圧下にある高圧導管11を通じて、インジェクタ1と接続されている。インジェクタ1を分配ユニット9と接続する、噴射サイクルに依存して一時的に高圧下にある高圧導管11には、切り替え弁12が配設されており、切り替え弁12は、噴射サイクルに依存して、インジェクタに燃料を供給する。
【0003】
図1は、さらに、絞り弁13を示しており、絞り弁13は、高圧ポンプ装置3の高圧ポンプ2の上流に配置されている。絞り弁13を通じて、高圧ポンプ2の輸送量と、それに伴って高圧ポンプ装置3の輸送量とが調整され得る。図1は、さらに、空気抜き弁14と、安全弁15とを示している。図1に示されたコモンレール燃料供給システムの構造とは異なり、燃料は、高圧燃料ポンプ2から直接にも、すなわちポンプ貯蔵装置8を介在させずに、複数の分配ユニット9を有する蓄圧システム7に輸送され得るということが指摘される。
【0004】
上述のように、高圧ポンプ2の輸送量は、絞り弁13を用いて調整され得る。その際、実践によると、全ての絞り弁13は、閉ループ制御下で動作する。全ての絞り弁13を閉ループ制御する結果、絞り弁13の位置は、動作中、持続的に変化する。その際、絞り弁13は摩耗する。これによって、絞り弁13の寿命が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許発明第10157135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような事情に鑑み、本発明の課題は、コモンレール燃料供給システムを運転するための新しい方法であって、絞り弁の寿命を延ばすことができるような方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、請求項1に記載の、内燃機関のコモンレール燃料供給システムを運転するための方法によって解決される。
【0008】
本発明によると、内燃機関の要求される動作点に依存して、一方では高圧ポンプ装置の設定輸送量が、他方では高圧下にある蓄圧システムの設定圧力が決定される。
【0009】
高圧ポンプ装置の設定輸送量に依存して、全ての絞り弁に関して、各絞り弁の位置に関する開ループ制御分が決定され、当該開ループ制御分で、各絞り弁が作動する。
【0010】
高圧下にある蓄圧システムにおける設定圧力と実圧力との差に依存して、絞り弁の第1の部分量に関して、各絞り弁の位置に関する閉ループ制御分が決定され、当該閉ループ制御分で、開ループ制御分に加えて、絞り弁の第1の部分量の各絞り弁が、各絞り弁の可変的な位置を供給しながら作動するのみであるが、これに対して、絞り弁の第2の部分量の1つ又は各絞り弁は、専ら開ループ制御分で、各絞り弁の可変的ではない位置を供給しながら作動する。
【0011】
従って、本発明では、絞り弁の第1の部分量のみを、各動作点において、閉ループ制御下で動作させ、それに対して、第2の部分量の別の絞り弁を、各動作点に関して固定された開ループ制御分で作動することが重要である。これによって、特に、各動作点において閉ループ制御下で動作する絞り弁の部分量の1つ又は各絞り弁が、内燃機関の運転時間にわたって変更、又は、交換される場合、すなわち第2の部分量の各絞り弁と交換される場合に、絞り弁の寿命が延長され得る。
【0012】
本発明の有利なさらなる発展形態によると、開ループ制御分と閉ループ制御分とで作動する絞り弁の第1の部分量は、シリンダバンクごとに、ただ1つの絞り弁を含んでいる。これによって、絞り弁の寿命が、特に有利に延長され得る。
【0013】
本発明の有利なさらなる発展形態によると、時間制御下及び/又は事象制御下で、開ループ制御分と閉ループ制御分とで作動する絞り弁の第1の部分量の1つ又は各絞り弁は、変更又は交換される。これもまた、有利なことに、絞り弁の寿命の延長に資するものである。
【0014】
コモンレール燃料供給システムを運転するための制御装置は、請求項8に規定されている。
【0015】
本発明の好ましいさらなる発展形態は、従属請求項及び以下の説明から明らかになる。本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】先行技術から知られた燃料供給システムの概略図である。
図2】コモンレール燃料供給システムを運転するための方法を明確に示すためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、特に大型ディーゼル内燃機関又は船舶用ディーゼル内燃機関として構成された内燃機関のコモンレール燃料供給システムを運転するための方法及び制御装置に関する。コモンレール燃料供給システムの基本的な構造は、関係する当業者にはよく知られており、すでに図1に関連して記載されている。本発明は、コモンレール燃料供給システムを運転するための方法及び制御装置に関するものであり、当該方法及び制御装置は、高圧ポンプ2の燃料輸送量の開ループ制御及び/又は閉ループ制御に用いられる絞り弁13の寿命を延長することができる。
【0018】
内燃機関の要求される動作点に依存して、特に内燃機関の要求される負荷に依存して、一方では高圧ポンプ装置3の設定輸送量が、他方では高圧下にある蓄圧システム7に関する設定圧力が決定される。
【0019】
高圧ポンプ装置3の設定輸送量に依存して、全ての絞り弁13に関して、又は、各絞り弁13に関して、各絞り弁13の位置に関する開ループ制御分が決定され、当該開ループ制御分で、各絞り弁13は、パイロット制御の意味で作動する。
【0020】
高圧下にある蓄圧システム7における設定圧力と実圧力との差に依存して、第1の部分量と呼ばれる絞り弁13の部分量に関して、開ループ制御分に加えて、各絞り弁13の位置に関する閉ループ制御分が決定され、当該閉ループ制御分で、開ループ制御分に加えて、絞り弁13の第1の部分量の各絞り弁13が、各動作点において可変的な各絞り弁の位置を供給しながら作動するのみである。閉ループ制御分は、閉ループ制御器分とも呼ばれる。絞り弁13の第1の部分量の絞り弁13のために、開ループ制御分は、いわゆるパイロット制御分を供給する。残された1つ又は各絞り弁13、すなわち絞り弁13の第2の部分量の1つ又は各絞り弁は、専ら開ループ制御分で、各動作点において可変的ではない各絞り弁13の位置を供給しながら作動する。
【0021】
つまり、図1に示された実施例では、両方の絞り弁13に関して、各動作点において、それぞれ開ループ制御分が算出されるが、これらの絞り弁13の内の1つに関してのみは、各動作点において、付加的に閉ループ制御分が算出され、当該閉ループ制御分は、開ループ制御分に重ねられる。
【0022】
開ループ制御分のみで作動する絞り弁13の位置は、要求される動作点に依存しては変化せず、むしろ一定である。別の絞り弁13のみが、蓄圧システム7における実圧力を設定圧力に適合させるために、各動作点において、閉ループ制御下で動作する。
【0023】
さらなる詳細は、以下において、図2に関連して記載される。図2は、コモンレール燃料供給システム、つまりコモンレール燃料供給システムの絞り弁13を動作させるための開ループ制御構造及び閉ループ制御構造のブロック図を示している。
【0024】
ブロック17では、内燃機関の要求される動作点に依存して、高圧ポンプ装置3の設定輸送量が決定され、ブロック18では、高圧ポンプ装置3の設定輸送量に依存して、各絞り弁13に関して、各絞り弁13の位置に関する開ループ制御分が決定される。
【0025】
ブロック19では、内燃機関の要求される動作点に依存して、高圧下にある蓄圧システム7に関する設定圧力が決定される。ブロック20では、蓄圧システム7の実圧力が、好ましくは少なくとも1つの圧力センサを用いて決定される。
【0026】
ブロック19の設定圧力及びブロック20の実圧力に依存して、閉ループ制御偏差21、22が決定され、閉ループ制御器23に、入力変数として供給される。閉ループ制御偏差21は、ブロック19の設定圧力と、ブロック20の遅延していない実圧力との間における閉ループ制御偏差である。閉ループ制御偏差22は、ブロック19の設定圧力と、ブロック33において時間的に遅延しているブロック20の実圧力との間における閉ループ制御偏差である。
【0027】
図2に示された実施例では、閉ループ制御器23は、P部分23a、I部分23b、及び、D部分23cを有している。閉ループ制御器23のP部分23aに関する比例定数は、ブロック24において、内燃機関の回転速度、及び/又は、内燃機関の負荷、及び/又は、閉ループ制御偏差21に依存して決定される。ブロック25では、閉ループ制御器23のI部分23bに関するI定数が、同様に、内燃機関の回転速度、及び/又は、内燃機関の負荷、及び/又は、閉ループ制御偏差21に依存して決定される。ブロック26では、閉ループ制御器23のD部分23cに関するD定数が、内燃機関の回転速度、及び/又は、内燃機関の負荷に依存して決定される。
【0028】
閉ループ制御器23のP部分23a、I部分23b及びD部分23cの出力変数は、閉ループ制御器23の出力変数27を供給するために重ねられ、図示された実施例では、I部分23bの出力は、リミッター28で制限される。
【0029】
上述したように、ブロック18の開ループ制御分が、全ての絞り弁13に関して算出される。しかしながら、絞り弁13の第1の部分量に関してのみは、閉ループ制御器23によって、各絞り弁13の位置に関する閉ループ制御分が決定され、当該閉ループ制御分は、図2によると、絞り弁の第1の部分量の各絞り弁13の作動に関する制御変数29を得るために、開ループ制御分と重ねられる。絞り弁13の第1の部分量に属していない、残された1つ又は各絞り弁13、すなわち絞り弁13の第2の部分量は、専らブロック18の開ループ制御分で作動するので、内燃機関の運転の間、各動作点において、ブロック18の開ループ制御分及び閉ループ制御器23の閉ループ制御分27で作動する1つ又は各絞り弁13では、各絞り弁13の可変的な位置が生じるが、これに対して、専らブロック18の開ループ制御分で作動する別の1つ又は各絞り弁13の位置は、各動作点において可変的ではない。
【0030】
図2において、ブロック30は、絞り弁の第1の部分量を可視化しており、第1の部分量は、ブロック18の開ループ制御分でも、閉ループ制御器23の閉ループ制御分27でも作動する。ブロック31は、残された1つ又は各絞り弁13、又は、専らブロック18の開ループ制御分で作動する絞り弁の第2の部分量を可視化している。
【0031】
図2の両矢印32によって、開ループ制御分及び閉ループ制御分で作動する、絞り弁13の第1の部分量30の1つ又は各絞り弁が、つねに同じ絞り弁13をその位置において閉ループ制御するのではなく、閉ループ制御下で動作する絞り弁13を交換するために、変更又は交換されることが可視化されている。その際、第1の部分量30の絞り弁13が、第2の部分量31の絞り弁13と交換又は取り替えられる。
【0032】
その際、開ループ制御分及び閉ループ制御分で作動する、第1の部分量30の1つ又は各絞り弁13の変更又は交換は、時間制御下及び/又は事象制御下で、変更又は交換され得る。
【0033】
各絞り弁13の時間制御下での変更又は交換の場合、第1の部分量30の各絞り弁13の、第2の部分量31の絞り弁13との交換又は変更は、所定の時間の後、又は、内燃機関の運転時間の後で行われる。
【0034】
各絞り弁13の事象制御下での変更又は交換の場合、第1の部分量30の各絞り弁13の、第2の部分量31の絞り弁13との交換又は変更は、好ましくは内燃機関のエンジンの始動ごとに行われる。
【0035】
本発明は、さらに、本発明に係る方法を実施するための制御装置に関する。制御装置は、内燃機関の要求される動作点に依存して、高圧ポンプ装置の設定輸送量と、蓄圧システム7に関する設定圧力とを決定する。
【0036】
制御装置は、高圧ポンプ装置の設定輸送量に依存して、各絞り弁に関して、各絞り弁の位置に関する開ループ制御分を決定し、当該開ループ制御分で、制御装置は、各絞り弁13を作動させる。
【0037】
制御装置は、高圧下にある蓄圧システム7における設定圧力と実圧力との差に依存して、絞り弁13の第1の部分量に関して、各絞り弁13の位置に関する閉ループ制御分を決定し、当該閉ループ制御分で、制御装置は、開ループ制御分に加えて、絞り弁13の第1の部分量の各絞り弁13を、内燃機関の各動作点における、各絞り弁13の可変的な位置を供給しながら作動させるのみであるが、これに対して、制御装置は、絞り弁13の第2の部分量の1つ又は各絞り弁13を、専ら開ループ制御分で、内燃機関の各動作点における、各絞り弁13の可変的ではない位置を供給しながら作動させる。
【0038】
本発明は、コモンレール燃料供給システムの絞り弁13を、少ない摩耗で動作させ、結果として、その寿命を延長することを可能とする。
【符号の説明】
【0039】
1 インジェクタ
2 高圧ポンプ
3 高圧ポンプ装置
4 低圧領域
5 低圧ポンプ
6 高圧領域
7 蓄圧システム
8 高圧ポンプ貯蔵装置
9 分配ユニット
10 高圧導管
11 高圧導管
12 切り替え弁
13 絞り弁
14 空気抜き弁
15 安全弁
17 設定輸送量決定ブロック
18 開ループ制御分ブロック
19 設定圧力決定ブロック
20 実圧力決定ブロック
21 閉ループ制御偏差
22 閉ループ制御偏差
23 閉ループ制御器
23a P部分
23b I部分
23c D部分
24 P閉ループ制御定数決定ブロック
25 I閉ループ制御定数決定ブロック
26 D閉ループ制御定数決定ブロック
27 閉ループ制御分
28 リミッター
29 制御変数
30 絞り弁の第1の部分量
31 絞り弁の第2の部分量
32 絞り弁の変更、交換
図1
図2