(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】車両制御装置及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/182 20200101AFI20240430BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240430BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20240430BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B60W30/182
B60W60/00
B60W50/08
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2020114803
(22)【出願日】2020-07-02
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】戸高 慶和
(72)【発明者】
【氏名】小林 こずえ
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 吉修
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴広
(72)【発明者】
【氏名】川原 宏明
(72)【発明者】
【氏名】益田 哲
【審査官】稲本 遥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/085981(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/097944(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/100539(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/082774(WO,A1)
【文献】特開2017-200786(JP,A)
【文献】特開2017-123054(JP,A)
【文献】特開2018-088119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0204826(US,A1)
【文献】特開2018-101199(JP,A)
【文献】特開2018-206249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転モードの切り替えに係る車両制御装置であって、
ドライバ毎に、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴を記憶する記憶部と、
車両のドライバを認識するための情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報に基づき、前記車両のドライバを認識するドライバ認識部と、
前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えが必要となった場合において、前記ドライバ認識部によって認識された前記ドライバに関する前記過去の対応履歴に基づいて、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えを要求する切り替え要求通知の態様を決定する通知態様決定部と、
前記通知態様決定部によって決定された前記切り替え要求通知の態様で、通知デバイスが前記切り替え要求通知を実施するように、前記通知デバイスに通知指示を出力する出力部と、を備える車両制御装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記過去の対応履歴として、前記切り替え要求通知に応じて前記ドライバから切り替え操作が入力された時点での前記切り替え要求通知の態様が、第1通知レベルであったか、又は、該第1通知レベルよりも通知の強度が高い第2通知レベルであったかを示す切り替え操作時通知レベルを記憶しており、
前記通知態様決定部は、前記切り替え操作時通知レベルに基づいて、前記切り替え要求通知の態様を決定する、請求項1記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記出力部は、
前記通知態様決定部によって前記第1通知レベルが前記切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、前記通知デバイスが、所定の第1時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで前記第1通知レベルで前記切り替え要求通知を実施すると共に、前記第1時間が経過した時点で前記切り替え操作が入力されていない場合には所定の第2時間が経過するか前記切り替え操作が入力されるまで前記第2通知レベルで前記切り替え要求通知を実施するように、前記通知デバイスに通知指示を出力し、
前記通知態様決定部によって前記第2通知レベルが前記切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、前記通知デバイスが、所定の第3時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで前記第2通知レベルで前記切り替え要求通知を実施するように、前記通知デバイスに通知指示を出力する、請求項2記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記過去の対応履歴として、前記切り替え要求通知に応じて前記ドライバから切り替え操作が入力された際の時間帯及び前記切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、
前記通知態様決定部は、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えが必要となった際の時間帯に対応する前記過去の対応履歴の時間帯に対応付けられた前記切り替え操作時通知レベルに基づいて、前記切り替え要求通知の態様を決定する、請求項2又は3記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記過去の対応履歴として、前記切り替え要求通知に応じて前記ドライバから切り替え操作が入力された際の場所及び前記切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、
前記通知態様決定部は、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えが必要となった際の場所に対応する前記過去の対応履歴の場所に対応付けられた前記切り替え操作時通知レベルに基づいて、前記切り替え要求通知の態様を決定する、請求項2~4のいずれか一項記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記過去の対応履歴として、前記切り替え要求通知に応じて前記ドライバから切り替え操作が入力された際の運転時間及び前記切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、
前記通知態様決定部は、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えが必要となった際の運転時間に対応する前記過去の対応履歴の運転時間に対応付けられた前記切り替え操作時通知レベルに基づいて、前記切り替え要求通知の態様を決定する、請求項2~5のいずれか一項記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記過去の対応履歴として、前記切り替え要求通知に応じて前記ドライバから切り替え操作が入力された際の、車両の積載荷物に係る情報及び前記切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、
前記通知態様決定部は、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えが必要となった際の車両の積載荷物に係る情報に対応する前記過去の対応履歴の積載荷物に係る情報に対応付けられた前記切り替え操作時通知レベルに基づいて、前記切り替え要求通知の態様を決定する、請求項2~6のいずれか一項記載の車両制御装置。
【請求項8】
車両の運転モードの切り替えに係る車両制御装置が行う車両制御方法であって、
車両のドライバを認識するための情報を取得することと、
取得した情報に基づき、前記車両のドライバを認識することと、
自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった場合において、認識した前記ドライバに関する、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴に基づいて、前記自動運転モードから前記手動運転モードへの切り替えを要求する切り替え要求通知の態様を決定することと、
決定した前記切り替え要求通知の態様で、通知デバイスが前記切り替え要求通知を実施するように、前記通知デバイスに通知指示を出力することと、を含む車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドライバの運転操作に基づいて走行する手動運転以外に、ドライバの運転操作によらずに予め設定された経路に沿って自動的に走行する自動運転の技術の開発が進められている。自動運転モードを起動する際には、例えば、自動運転モードと比較して自動運転モードの解除が容易な遷移モードを経て手動運転モードから自動運転モードへの切り替えが行われる。また、自動運転モードを解除する際には、例えばドライバによるオーバライド操作を検出し、手動運転モードに切り替わった際の車両の安全を確保できると判定することにより自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが行われる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転モードから手動運転モードへ切り替える際には、例えば、メータ内に切り替え操作を促す表示を行うこと、ハンドルを振動させること、切り替え操作を促すブザー音を発すること等によって、ドライバに対して切り替え操作を促す、切り替え要求通知を実施する。このような切り替え要求通知は、例えば、段階的に徐々に強度が高められる。すなわち、例えば、第1段階としてメータ内の表示と小音量のブザー音のみで切り替え要求通知が実施され、第2段階として更にハンドル振動による切り替え要求通知が実施され、第3段階としてブザー音が大音量に切り替えられて切り替え要求通知が実施される。
【0005】
このような段階的な切り替え要求通知に対するドライバの切り替え操作タイミングは、ドライバによって異なる。すなわち、例えばあるドライバの場合は、毎回、上述した第1段階の切り替え要求通知に応じて早期に切り替え操作を行うのに対して、別のドライバの場合は、毎回、上述した第3段階の切り替え要求通知(強度の高い切り替え要求通知)まで切り替え操作を行わない等、ドライバによって切り替え操作タイミングは異なる。第1段階の切り替え要求通知に応じて早期に切り替え操作を行うドライバを基準に考えれば、常に第1段階の切り替え要求通知から実施されることが好ましいが、この場合には、第3段階の切り替え要求通知まで切り替え操作を行わないドライバに対して早い段階で強度の高い切り替え要求通知を行うことができず、所定の時間内に適切に手動モードへの切り替えを完了させることができないおそれがある。一方で、第3段階の切り替え要求通知まで切り替え操作を行わないドライバを基準に考えれば、最初から第3段階の切り替え要求通知が実施されることが好ましいが、この場合には、第1段階の切り替え要求通知に応じて早期に切り替え操作を行うドライバにとっては、第3段階の切り替え要求通知(強度の高い切り替え要求通知)が煩わしく感じるおそれがある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ドライバの特徴に応じて必要十分な切り替え要求通知を実施することにより、ドライバに対して過度に煩わしさを感じさせることなく、且つ、確実に手動運転モードへの切り替えを促すことができる切り替え要求通知を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の運転モードの切り替えに係る車両制御装置であって、ドライバ毎に、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴を記憶する記憶部と、車両のドライバを認識するための情報を取得する取得部と、取得部によって取得された情報に基づき、車両のドライバを認識するドライバ認識部と、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった場合において、ドライバ認識部によって認識されたドライバに関する過去の対応履歴に基づいて、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを要求する切り替え要求通知の態様を決定する通知態様決定部と、通知態様決定部によって決定された切り替え要求通知の態様で、通知デバイスが切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力する出力部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る車両制御装置では、認識された車両のドライバに関する、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴に基づいて、切り替え要求通知の態様が決定され、決定された態様で切り替え要求通知が実施されるように通知デバイスに通知指示が出力される。これによって、通知デバイスからは、認識されたドライバの過去の対応履歴(自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴)を考慮して決定された態様の切り替え要求通知が実施されることとなる。このような車両制御装置では、例えば、切り替え時において引き渡し拒否の頻度が高いドライバに対しては最初から最大レベル(強度が高い通知レベル)の切り替え要求通知を実施し、引き渡し拒否の頻度が低いドライバに対しては低いレベルの切り替え要求通知を実施する等が可能になる。このことで、ドライバの特徴に応じて必要十分な切り替え要求通知が実施され、ドライバに対して過度に煩わしさを感じさせることなく、且つ、確実に手動運転モードへの切り替えを促すことができる切り替え要求通知を行うことができる。
【0009】
記憶部は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された時点での切り替え要求通知の態様が、第1通知レベルであったか、又は、該第1通知レベルよりも通知の強度が高い第2通知レベルであったかを示す切り替え操作時通知レベルを記憶しており、通知態様決定部は、切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。これにより、認識されたドライバについての、過去の切り替え操作入力時の通知レベルが考慮されて、切り替え要求通知の態様が決定される。このことで、より当該ドライバに合った切り替え要求通知を実施することができる。
【0010】
出力部は、通知態様決定部によって第1通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、通知デバイスが、所定の第1時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで第1通知レベルで切り替え要求通知を実施すると共に、第1時間が経過した時点で切り替え操作が入力されていない場合には所定の第2時間が経過するか切り替え操作が入力されるまで第2通知レベルで切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力し、通知態様決定部によって第2通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、通知デバイスが、所定の第3時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで第2通知レベルで切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力してもよい。このような構成によれば、ドライバの過去の対応履歴に基づき、比較的通知の強度が低い第1通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定された場合には、まず、第1通知レベルで切り替え要求通知が実施されドライバの切り替え操作が入力されない場合には比較的強度が高い第2通知レベルに変更して切り替え要求通知が実施される。また、ドライバの過去の対応履歴に基づき、第2通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定された場合には、第1通知レベルの切り替え要求通知を経ずに、いきなり、第2通知レベルで切り替え要求通知が実施される。これにより、ドライバの過去の対応履歴から引き渡し拒否の頻度が低いドライバに対しては、いきなり強度が高い切り替え要求通知を行うことなく、切り替え操作が入力されない場合に限り強度が高い切り替え要求通知を行うことにより、ドライバに過度に煩わしさを感じさせることなく切り替え要求通知を行うことができる。また、ドライバの過去の対応履歴から引き渡し拒否の頻度が高いドライバに対しては、いきなり強度が高い切り替え要求通知を行うことにより、確実に手動運転モードへの切り替えを促すことができる切り替え要求通知を行うことができる。
【0011】
記憶部は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の時間帯及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の時間帯に対応する過去の対応履歴の時間帯に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において時間帯毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の時間帯に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば時間帯毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、時間帯を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0012】
記憶部は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の場所及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の場所に対応する過去の対応履歴の場所に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において場所毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の場所に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば場所(一般道であるか高速道であるか)毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、場所を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0013】
記憶部は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の運転時間及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の運転時間に対応する過去の対応履歴の運転時間に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において運転時間毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の運転時間に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば運転時間(長時間運転であるか短時間運転であるか)毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、運転時間を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0014】
記憶部は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の、車両の積載荷物に係る情報及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の車両の積載荷物に係る情報に対応する過去の対応履歴の積載荷物に係る情報に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において車両の積載荷物に係る情報毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の車両の積載荷物に係る情報に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば車両の積載荷物に係る情報(積載荷物の有無)毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、積載荷物に係る情報を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0015】
本発明の一態様に係る車両制御方法は、車両の運転モードの切り替えに係る車両制御装置が行う車両制御方法であって、車両のドライバを認識するための情報を取得することと、取得した情報に基づき、車両のドライバを認識することと、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった場合において、認識したドライバに関する、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴に基づいて、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを要求する切り替え要求通知の態様を決定することと、決定した切り替え要求通知の態様で、通知デバイスが切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力することと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ドライバの特徴に応じて必要十分な切り替え要求通知を実施することにより、ドライバに対して過度に煩わしさを感じさせることなく、且つ、確実に手動運転モードへの切り替えを促すことができる切り替え要求通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る車両制御システムの機能を説明する図である。
【
図2】通知レベル毎の切り替え要求通知の内容を示す表である。
【
図3】ドライバ毎の過去の対応履歴を示す表である。
【
図4】切り替え要求通知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととし、同一又は相当の部分に対する重複した説明は省略する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る車両制御システム1の機能を説明する図である。車両制御システム1は、自動運転モード及び手動運転モードそれぞれにおける車両の制御に係るシステムである。本実施形態では、主に、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えに係る車両制御システム1の機能を説明する。車両制御システム1は、車両制御装置10と、カメラ20と、測位部30と、オーディオ・スピーカー40(通知デバイス)と、表示部50(通知デバイス)と、ハンドル制御部60(通知デバイス)と、を含んで構成されている。車両制御システム1の各構成のうち、車両制御装置10以外の構成は、車両に備え付けられている。車両制御装置10は、車両に備え付けられていてもよいし、車両に備え付けられていなくてもよい。本実施形態では、車両制御装置10が、複数の車両の運転モードの切り替えに係るサーバ装置(車両に備え付けられていない装置)であるとして説明する。
【0020】
カメラ20は、車両のドライバを撮像可能な位置に設けられており、ドライバを撮像する撮像装置である。カメラ20は、撮像結果(ドライバ画像)を車両制御装置10に送信する。測位部30は、車両の測位を行う機能である。測位部30は、例えば、GNSS衛星からのGNSS信号を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度、及び高度を含む位置情報を取得する。測位部30は、測位結果を車両制御装置10に送信する。オーディオ・スピーカー40は、車両の搭乗者(ドライバ等)に対して聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置である。オーディオ・スピーカー40は、車両制御装置10からの通知指示に応じて、例えば所定のブザー音を出力する。表示部50は、車両の搭乗者(ドライバ等)に対して視覚的に情報を通知することが可能な出力装置である。表示部50は、車両制御装置10からの通知指示に応じて、例えばメータ内に所定の画像を表示する。ハンドル制御部60は、車両制御装置10からの通知指示に応じて、例えばハンドルを振動させる。
【0021】
通知デバイスである、オーディオ・スピーカー40、表示部50、及びハンドル制御部60は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時において、車両制御装置10からの指示に応じた態様で、切り替え要求通知を実施する。切り替え要求通知とは、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時において、ドライバに、切り替え操作入力(引き渡し処理)を促す通知である。切り替え要求通知の態様として、例えば、通知の強度別に、最も通知の強度が低いレベル1(第1通知レベル)と、レベル1よりも通知の強度が高いレベル2(第2通知レベル)と、レベル2よりも通知の強度が高いレベル3(第2通知レベル)と、レベル3よりも通知の強度が高いレベル4(第2通知レベル)とがある。通知の強度が高いとは、ドライバに切り替え操作が必要であることを意識させて切り替え操作入力を促す効力が高いことを意味している。
【0022】
図2は、通知レベル毎の切り替え要求通知の内容を示す表である。
図2に示される例では、レベル1においては、表示部50によって、メータ内に切り替え操作を促す青色の文字(画像)が表示されると共に、オーディオ・スピーカー40によって、切り替え操作を促す小さなブザー音が出力される。また、レベル2においては、表示部50によって、メータ内に切り替え操作を促す赤色の文字(画像)が表示されると共に、オーディオ・スピーカー40によって、切り替え操作を促す小さなブザー音が出力される。また、レベル3においては、表示部50によって、メータ内に切り替え操作を促す赤色の文字(画像)が表示されると共に、ハンドル制御部60によってハンドルが振動させられ、さらに、オーディオ・スピーカー40によって、切り替え操作を促す小さなブザー音が出力される。また、レベル4においては、表示部50によって、メータ内に切り替え操作を促す赤色の文字(画像)が表示されると共に、ハンドル制御部60によってハンドルが振動させられ、さらに、オーディオ・スピーカー40によって、切り替え操作を促す大きなブザー音が出力される。
【0023】
車両制御装置10は、車両の運転モードの切り替えに係る車両制御装置である。車両制御装置10は、
図1に示されるように、取得部11と、ドライバ認識部12と、記憶部13と、通知態様決定部14と、出力部15と、を備えている。
【0024】
取得部11は、車両のドライバを認識するための情報を取得する。具体的には、取得部11は、カメラ20から撮像結果(ドライバ画像)を取得する。当該ドライバ画像は、車両のドライバを認識するための情報である。また、取得部11は、切り替え要求通知の態様を決定するための情報として、測位部30から測位結果(車両の位置情報)を取得する。取得部11は、取得した情報を記憶部13に格納する。
【0025】
記憶部13は、ドライバ毎に、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴を記憶している。過去の対応履歴とは、切り替え要求通知に対してドライバから切り替え操作が入力された際の通知レベル等を示す情報である。
図3は、ドライバ毎の過去の対応履歴の一例を示す表である。
図3に示されるように、対応履歴においては、例えば、ドライバと、時間帯と、場所(位置情報)と、運転時間と、荷物有無と、通知レベル(切り替え操作時通知レベル)とが対応付けられている。ドライバとは、後述するドライバ認識部12によって認識されたドライバを示す情報である。時間帯とは、切り替え操作が入力された時間帯(例えば、午前又は午後等)を示す情報である。場所とは、切り替え操作が入力された際の場所(例えば、一般道又は高速道等)を示す情報である。運転時間とは、切り替え操作が入力された際において運転開始からの経過時間(例えば、1時間以内等)である。荷物有無とは、切り替え操作が入力された際における車両の積載荷物の有無を示す情報である。通知レベルとは、切り替え操作が入力された時点での切り替え要求通知の強度(例えばレベル1~レベル4)を示す情報である。例えば、
図3に示される対応履歴の1番上の行には、ドライバ「A」が、「午前中」に、「一般道」で、「3時間以内」の運転時間で、積載荷物「なし」の状態において、通知レベル「2」の切り替え要求通知に対して切り替え操作を入力した、ことが示されている。このような対応履歴は、切り替え操作が入力される度に記憶されるものであり、同じドライバに対しても複数記憶されうる。このような対応履歴が記憶されていることにより、各ドライバのシチュエーション(時間帯等)毎に、適切な通知レベルを決定することができる。
【0026】
また、記憶部13は、取得部11によって取得された各種情報を記憶している。すなわち、記憶部13は、カメラ20において撮像されたドライバ画像、及び、測位部30による測位結果である車両の位置情報を記憶する。
【0027】
ドライバ認識部12は、取得部11によって取得された情報に基づき車両のドライバを認識する。具体的には、ドライバ認識部12は、取得部11によって取得されたドライバ画像について、従来から周知の画像認識技術を行うことにより、ドライバを認識(特定)する。
【0028】
通知態様決定部14は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった場合において、ドライバ認識部12によって認識されたドライバに関する過去の対応履歴に基づいて、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを要求する切り替え要求通知の態様を決定する。通知態様決定部14は、記憶部13に記憶されている当該ドライバの過去の対応履歴の、切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定する。例えば、
図3に示されるドライバBが、認識されたドライバであるとする。この場合、通知態様決定部14は、
図3の対応履歴に基づき、ドライバBの過去の切り替え操作時通知レベルが「4」であることを特定し、切り替え要求通知を、通知レベル「4」で行う旨決定する。
【0029】
通知態様決定部14は、さらに、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要になった際の時間帯に対応する過去の対応履歴の時間帯に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。例えば、
図3に示されるドライバAが認識されたドライバであるとする。この場合、通知態様決定部14は、例えば、切り替えが必要になった際の時間帯が午前であるとすると、
図3の対応履歴のうち、ドライバがAで且つ時間帯が午前である対応履歴の切り替え操作時通知レベル「2」を、切り替え要求通知の態様として決定し、切り替え要求通知を通知レベル「2」で行う旨決定する。
【0030】
通知態様決定部14は、さらに、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要になった際の場所に対応する過去の対応履歴の場所に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。例えば、
図3に示されるドライバAが認識されたドライバであるとする。この場合、通知態様決定部14は、例えば、切り替えが必要になった際の場所が一般道であるとすると、
図3の対応履歴のうち、ドライバがAで且つ場所が一般道である対応履歴の切り替え操作時通知レベル「2」を、切り替え要求通知の態様として決定し、切り替え要求通知を通知レベル「2」で行う旨決定する。
【0031】
通知態様決定部14は、さらに、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要になった際の運転時間に対応する過去の対応履歴の運転時間に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。例えば、
図3に示されるドライバAが認識されたドライバであるとする。この場合、通知態様決定部14は、例えば、切り替えが必要になった時点での運転時間が3時間以内であるとすると、
図3の対応履歴のうち、ドライバがAで且つ運転時間が3時間以内である対応履歴の切り替え操作時通知レベル「2」を、切り替え要求通知の態様として決定し、切り替え要求通知を通知レベル「2」で行う旨決定する。
【0032】
通知態様決定部14は、さらに、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要になった際の車両の積載荷物に係る情報に対応する過去の対応履歴の積載荷物に係る情報に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。例えば、
図3に示されるドライバAが認識されたドライバであるとする。この場合、通知態様決定部14は、例えば、切り替えが必要になった際に車両において積載荷物なしであったとすると、
図3の対応履歴のうち、ドライバがAで且つ積載荷物がなしである対応履歴の切り替え操作時通知レベル「2」を、切り替え要求通知の態様として決定し、切り替え要求通知を通知レベル「2」で行う旨決定する。
【0033】
通知態様決定部14は、上述した各種の情報を複数組み合わせて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。すなわち、通知態様決定部14は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要になった際の時間帯、場所、運転時間、及び積載荷物に係る情報の少なくとも2つ以上が一致(又は近似)する過去の対応履歴を特定し、特定した対応履歴の通知レベルに基づき、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。
【0034】
出力部15は、通知態様決定部14によって決定された切り替え要求通知の態様で、通知デバイスである、オーディオ・スピーカー40、表示部50、及びハンドル制御部60が切り替え要求通知を実施するように、これらの通知デバイスに通知指示を出力する。いま、例えば
図2に示されるように、各通知レベル(レベル1~レベル4)毎の切り替え要求通知の内容が決まっているとする。この場合、出力部15は、例えば切り替え要求通知が通知レベル1で行う旨決定されている場合には、表示部50に対して青色のメータ内表示を行うように通知指示を行うと共に、オーディオ・スピーカー40に対して小さなブザー音を出力するように通知指示を行う。また、出力部15は、例えば切り替え要求通知が通知レベル2で行う旨決定されている場合には、表示部50に対して赤色のメータ内表示を行うように通知指示を行うと共に、オーディオ・スピーカー40に対して小さなブザー音を出力するように通知指示を行う。また、出力部15は、例えば切り替え要求通知が通知レベル3で行う旨決定されている場合には、表示部50に対して赤色のメータ内表示を行うように通知指示を行い、ハンドル制御部60に対してハンドルを振動させるように通知指示を行い、オーディオ・スピーカー40に対して小さなブザー音を出力するように通知指示を行う。また、出力部15は、例えば切り替え要求通知が通知レベル4で行う旨決定されている場合には、表示部50に対して赤色のメータ内表示を行うように通知指示を行い、ハンドル制御部60に対してハンドルを振動させるように通知指示を行い、オーディオ・スピーカー40に対して大きなブザー音を出力するように通知指示を行う。
【0035】
出力部15は、時間の経過と共に通知レベルが徐々に高くなるように、通知デバイスに通知指示を出力してもよい。すなわち、出力部15は、通知態様決定部14によって、例えば通知レベル1(第1通知レベル)が切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、所定の第1時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで通知レベル1で切り替え要求通知が実施されるように通知デバイスに通知指示を出力する。そして、出力部15は、上記第1時間が経過した時点で切り替え操作が入力されていない場合には、所定の第2時間が経過するか切り替え操作が入力されるまで通知レベル1よりも通知の強度が高い通知レベル2、3、又は4(第2通知レベル)で切り替え要求通知が実施されるように通知デバイスに通知指示を出力する。出力部15は、時間の経過と共に通知レベルが高くなる制御を、三段階以上(例えば、最初は通知レベル1、次に通知レベル2、次に通知レベル3等)で実施してもよい。また、出力部15は、通知態様決定部14によって、例えば最高強度の通知レベル(通知レベル4)が切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、所定の第3時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで通知レベル4で切り替え要求通知が実施されるように通知デバイスに通知指示を出力してもよい。すなわち、出力部15は、決定された通知レベルの強度が高い場合には、最初から強度が高い通知レベルで切り替え要求通知が実施されるように通知デバイスに通知指示を出力してもよい。
【0036】
次に、本実施形態に係る切り替え要求通知処理について、
図4を参照して説明する。
図4は、切り替え要求通知処理を示すフローチャートである。
図4に示されるように、車両制御システム1の車両制御装置10では、カメラ20から撮像結果(ドライバ画像)が定期的に取得される(ステップS1)。そして、自動運転中において、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え要求があった場合には、車両制御装置10は、ドライバ画像に基づいて車両のドライバを認識(特定)する(ステップS2)。
【0037】
つづいて、車両制御装置10は、認識したドライバの過去の対応履歴に基づき、切り替え要求通知の態様を決定する(ステップS3)。具体的には、車両制御装置10は、例えば、認識したドライバの過去の対応履歴の切り替え操作時通知レベルを、今回通知する切り替え要求通知の通知レベルに決定する。車両制御装置10は、同一のドライバについて複数の対応履歴が記憶されている場合には、時間帯、場所、運転時間、及び積載荷物に係る情報等の一致を考慮して、採用する通知レベルを決定してもよい。
【0038】
最後に、車両制御装置10は、決定した切り替え要求通知の態様(すなわち、通知レベル)で切り替え要求通知が実施されるように、通知デバイスに通知指示を出力する(ステップS4)。切り替え要求通知が実施された後において、所定の時間内にドライバから切り替え操作が入力されない場合には、通知レベルを高くして切り替え要求通知が実施される。そして、最終的にドライバから切り替え操作が入力されると、ドライバ、切り替え操作が入力された時点の時間帯、場所、運転時間、荷物有無、及び通知レベルが対応付けられて、対応履歴として記憶され、該対応履歴が次回以降の切り替え要求通知の態様決定に用いられる。
【0039】
次に、本実施形態に係る車両制御装置10の作用効果について説明する。
【0040】
本実施形態に係る車両制御装置10は、車両の運転モードの切り替えに係る車両制御装置であって、ドライバ毎に、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴を記憶する記憶部13と、車両のドライバを認識するための情報を取得する取得部11と、取得部11によって取得された情報に基づき、車両のドライバを認識するドライバ認識部12と、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった場合において、ドライバ認識部12によって認識されたドライバに関する過去の対応履歴に基づいて、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを要求する切り替え要求通知の態様を決定する通知態様決定部14と、通知態様決定部14によって決定された切り替え要求通知の態様で、通知デバイスが切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力する出力部15と、を備える。
【0041】
本実施形態に係る車両制御装置10では、認識された車両のドライバに関する、自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴に基づいて、切り替え要求通知の態様が決定され、決定された態様で切り替え要求通知が実施されるように通知デバイスに通知指示が出力される。これによって、通知デバイスからは、認識されたドライバの過去の対応履歴(自動運転モードから手動運転モードへの切り替え時の過去の対応履歴)を考慮して決定された態様の切り替え要求通知が実施されることとなる。このような車両制御装置10では、例えば、切り替え時において引き渡し拒否の頻度が高いドライバに対しては最初から最大レベル(強度が高い通知レベル)の切り替え要求通知を実施し、引き渡し拒否の頻度が低いドライバに対しては低いレベルの切り替え要求通知を実施する等が可能になる。このことで、ドライバの特徴に応じて必要十分な切り替え要求通知が実施され、ドライバに対して過度に煩わしさを感じさせることなく、且つ、確実に手動運転モードへの切り替えを促すことができる切り替え要求通知を行うことができる。
【0042】
記憶部13は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された時点での切り替え要求通知の態様が、第1通知レベルであったか、又は、該第1通知レベルよりも通知の強度が高い第2通知レベルであったかを示す切り替え操作時通知レベルを記憶しており、通知態様決定部14は、切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。これにより、認識されたドライバについての、過去の切り替え操作入力時の通知レベルが考慮されて、切り替え要求通知の態様が決定される。このことで、より当該ドライバに合った切り替え要求通知を実施することができる。
【0043】
出力部15は、通知態様決定部14によって第1通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、通知デバイスが、所定の第1時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで第1通知レベルで切り替え要求通知を実施すると共に、第1時間が経過した時点で切り替え操作が入力されていない場合には所定の第2時間が経過するか切り替え操作が入力されるまで第2通知レベルで切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力し、通知態様決定部14によって第2通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定されている場合には、通知デバイスが、所定の第3時間が経過するかドライバの切り替え操作が入力されるまで第2通知レベルで切り替え要求通知を実施するように、通知デバイスに通知指示を出力してもよい。このような構成によれば、ドライバの過去の対応履歴に基づき、比較的通知の強度が低い第1通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定された場合には、まず、第1通知レベルで切り替え要求通知が実施されドライバの切り替え操作が入力されない場合には比較的強度が高い第2通知レベルに変更して切り替え要求通知が実施される。また、ドライバの過去の対応履歴に基づき、第2通知レベルが切り替え要求通知の態様として決定された場合には、第1通知レベルの切り替え要求通知を経ずに、いきなり、第2通知レベルで切り替え要求通知が実施される。これにより、ドライバの過去の対応履歴から引き渡し拒否の頻度が低いドライバに対しては、いきなり強度が高い切り替え要求通知を行うことなく、切り替え操作が入力されない場合に限り強度が高い切り替え要求通知を行うことにより、ドライバに過度に煩わしさを感じさせることなく切り替え要求通知を行うことができる。また、ドライバの過去の対応履歴から引き渡し拒否の頻度が高いドライバに対しては、いきなり強度が高い切り替え要求通知を行うことにより、確実に手動運転モードへの切り替えを促すことができる切り替え要求通知を行うことができる。
【0044】
記憶部13は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の時間帯及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部14は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の時間帯に対応する過去の対応履歴の時間帯に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において時間帯毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の時間帯に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば時間帯毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、時間帯を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0045】
記憶部13は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の場所及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部14は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の場所に対応する過去の対応履歴の場所に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において場所毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の場所に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば場所(一般道であるか高速道であるか)毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、場所を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0046】
記憶部13は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の運転時間及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部14は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の運転時間に対応する過去の対応履歴の運転時間に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において運転時間毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の運転時間に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば運転時間(長時間運転であるか短時間運転であるか)毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、運転時間を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【0047】
記憶部13は、過去の対応履歴として、切り替え要求通知に応じてドライバから切り替え操作が入力された際の、車両の積載荷物に係る情報及び切り替え操作時通知レベルを対応付けて記憶しており、通知態様決定部14は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えが必要となった際の車両の積載荷物に係る情報に対応する過去の対応履歴の積載荷物に係る情報に対応付けられた切り替え操作時通知レベルに基づいて、切り替え要求通知の態様を決定してもよい。このように、過去の対応履歴において車両の積載荷物に係る情報毎に切り替え操作時通知レベルが記憶されており、切り替えが必要となった際の車両の積載荷物に係る情報に対応する対応履歴の切り替え操作値通知レベルに基づいて切り替え要求通知の態様が決定されることにより、例えば車両の積載荷物に係る情報(積載荷物の有無)毎に切り替え要求通知に対するドライバの反応が異なるような場合においても、積載荷物に係る情報を考慮して、ドライバに対して必要十分な切り替え要求通知を実施することができる。
【符号の説明】
【0048】
10…車両制御装置、11…取得部、12…ドライバ認識部、13…記憶部、14…通知態様決定部、15…出力部。