(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】監視情報処理装置、監視情報処理方法及び監視情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240430BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240430BHJP
G06Q 50/163 20240101ALI20240430BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240430BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 U
G08B25/00 510M
G06Q50/163
G06T7/00 660B
(21)【出願番号】P 2020135123
(22)【出願日】2020-08-07
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 貴司
(72)【発明者】
【氏名】松本 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】児玉 知也
(72)【発明者】
【氏名】宮原 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】宇田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】根本 真一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-091395(JP,A)
【文献】特開2018-085597(JP,A)
【文献】特開2018-032994(JP,A)
【文献】特開2016-103178(JP,A)
【文献】特開昭63-070684(JP,A)
【文献】特開2009-000367(JP,A)
【文献】国際公開第2020/152851(WO,A1)
【文献】特開2020-042446(JP,A)
【文献】特開2005-025313(JP,A)
【文献】特開2015-70401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 21/02
G08B 25/00
G06T 7/00
G06Q 50/10
G06Q 50/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散配置された複数のセンサデバイスのそれぞれで取得される画像データに基づいて監視に係る情報処理を行う監視情報処理装置であって、
前記画像データに基づいて複数の人物を検知し、検知に基づいて検知日時を取得する検知部と、
前記検知部により検知された前記複数の人物のそれぞれに関する検知結果を表示部に出力する第1の出力部と、
前記複数の人物のそれぞれの指定の検知日時から2回目以降の各検知日時までの間隔が第1の時間以上であるか否かを判定し、前記第1の時間以上の間隔をあけて検知された人物を前記複数のセンサデバイスが分散配置された監視エリアにおける滞在者と判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部により前記滞在者と判定された人物に関する検知結果を前記表示部に出力する第2の出力部と、
を備え
、
前記第1の出力部は、前記検知部により検知された前記複数の人物のそれぞれに関する検知結果を前記表示部の表示画面に含まれる第1の出力領域に出力し、
前記第2の出力部は、前記滞在者と判定された人物に関する検知結果を前記表示画面に含まれる第2の出力領域に出力する、
監視情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の出力部は、前記複数の人物のそれぞれの前記指定の検知日時順に並べて前記複数の人物のそれぞれに関する検知結果を前記表示部に出力する、請求項1に記載の監視情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の人物のそれぞれの最新の検知日時から前記検知部により検知されることなく第2の時間経過した人物を前記監視エリアからの退出者と判定する第2の判定部をさらに備え、
前記第1の出力部は、前記表示部へ出力する前記検知部により検知された前記複数の人物のそれぞれに関する検知結果のうち、前記第2の判定部により前記退出者と判定された人物に関する検知結果の前記表示部への出力を停止する。
請求項1に記載の監視情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の人物のそれぞれの最新の検知日時から前記検知部により検知されることなく第2の時間経過した人物を前記監視エリアからの退出者と判定する第2の判定部をさらに備え、
前記第2の出力部は、前記表示部へ出力する前記滞在者と判定された人物に関する検知結果のうち、前記第2の判定部により前記退出者と判定された人物に関する検知結果の前記表示部への出力を停止する、
請求項1に記載の監視情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の出力部により出力される検知結果及び前記第2の出力部により出力される検知結果は、最新の検知日時の検知に関連する前記画像データに基づく検知画像を含む、請求項1に記載の監視情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の出力部は、前記第1の出力部により出力される複数の検知結果のうちユーザにより選択された検知結果について、前記ユーザの操作に基づいて、最新の検知日時の検知に関連する前記画像データに基づく検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知に関連する前記画像データに基づく検知画像を前記表示部に出力する、請求項
5に記載の監視情報処理装置。
【請求項7】
前記第2の出力部は、前記第2の出力部により出力される1以上の検知結果のうちユーザにより選択された検知結果について、前記ユーザの操作に基づいて、最新の検知日時の検知に関連する前記画像データに基づく検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知に関連する前記画像データに基づく検知画像を前記表示部に出力する、請求項
5に記載の監視情報処理装置。
【請求項8】
前記第1の出力部により出力される検知結果及び前記第2の出力部により出力される検知結果は、検知に関する履歴の情報を含む、請求項1に記載の監視情報処理装置。
【請求項9】
前記第1の出力部により出力される検知結果及び前記第2の出力部により出力される検知結果は、人物の検知のために前記画像データとの対比に用いられる登録画像データに基づく登録画像を含む、請求項1に記載の監視情報処理装置。
【請求項10】
分散配置された複数のセンサデバイスのそれぞれで取得される画像データに基づいて監視に係る情報処理を行う監視情報処理装置が実行する監視情報処理方法であって、
前記画像データに基づいて複数の人物を検知し、検知に基づいて検知日時を取得する過程と、
検知された前記複数の人物のそれぞれに関する検知結果を表示部
の表示画面に含まれる第1の出力領域に出力する過程と、
前記複数の人物のそれぞれの指定の検知日時から2回目以降の各検知日時までの間隔が第1の時間以上であるか否かを判定し、前記第1の時間以上の間隔をあけて検知された人物を前記複数のセンサデバイスが分散配置された領域における滞在者と判定する過程と、
前記滞在者と判定された人物に関する検知結果を前記表示部
の前記表示画面に含まれる第2の出力領域に出力する過程と、
を備える監視情報処理方法。
【請求項11】
請求項1乃至
9のいずれかに記載の監視情報処理装置が具備する前記各部の処理を、前記監視情報処理装置が備えるプロセッサに実行させる監視情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、例えば監視エリアに複数台の監視カメラを分散配置したシステムで使用される監視情報処理装置、監視情報処理方法及び監視情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ショッピングモール等の大規模店舗や、オフィスビル、駅の構内等のように多くの人が利用する施設において、監視エリアに複数台の監視カメラを分散配置し、これらの監視カメラにより得られる映像情報に基づいて不審者等の監視対象者の検知または追跡を行うシステムが知られている。
【0003】
このようなシステムでは、監視対象者の情報は、監視者などが見ることができるように画面に表示される。監視対象者の情報を表示する技術として、時系列の複数の画像データに映っている人物認識結果を用いて、同一人物における所定のエリアの継続した使用実績をカウントし、カウントした結果を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載された技術は、1台のカメラで取得される時系列の複数の画像データを用いて1人の人物についてカウントした結果を表示するものである。そのため、カウントした結果が画面に表示されたとしても、情報が見落とされる可能性は低い。他方、監視エリアに複数台の監視カメラを分散配置するシステムでは、多くの監視対象者の情報を表示する必要がある。そのため、多くの監視対象者の情報を表示するだけでは、施設の監視者などは、必要な監視対象者の情報を把握することが難しい。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、監視エリアで検知された複数の人物の情報の視認性を高める技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の一態様は、分散配置された複数のセンサデバイスのそれぞれで取得される画像データに基づいて監視に係る情報処理を行う装置または方法であって、前記画像データに基づいて複数の人物を検知し、検知に基づいて検知日時を取得し、検知された前記複数の人物のそれぞれに関する検知結果を表示部に出力し、前記複数の人物のそれぞれの指定の検知日時から2回目以降の各検知日時までの間隔が第1の時間以上であるか否かを判定し、前記第1の時間以上の間隔をあけて検知された人物を前記複数のセンサデバイスが分散配置された監視エリアにおける滞在者と判定し、前記滞在者と判定された人物に関する検知結果を前記表示部に出力するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様によれば、監視エリアで検知された複数の人物の情報の視認性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る監視情報処理装置を含む監視システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係る監視情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、この発明の一実施形態に係る監視情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、Webサーバ装置により実行される出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、Webサーバ装置により実行される出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、Webサーバ装置の時系列に沿った処理例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
【0011】
[一実施形態]
この発明の一実施形態では、複数台の監視カメラのそれぞれの出力をもとに得られる映像解析結果を、パラメータ情報として設定した閾値と比較することにより、監視対象者(クエリ)の監視業務に係る処理を行う場合を例にとって説明する。ここで、監視業務には、例えば監視対象者の検知と追跡に係る処理が含まれるものとする。監視カメラは、センサデバイスの一例である。監視対象者は、人物の一例である。
【0012】
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る監視情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。
例えば、ショッピングモールや百貨店などの大規模店舗の通路や売り場には、複数台の監視カメラC1~Cnが分散配置されている。監視カメラC1~Cnは、例えば天井または壁面に取着され、それぞれの撮像範囲で取得した画像データを出力する。以下では、分散配置された複数の監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得される画像データを撮像画像データともいう。複数台の監視カメラC1~Cnが分散配置されている大規模店舗などのエリアは、監視エリアの一例である。
【0013】
監視カメラC1~Cnには、それぞれ映像解析エンジンVE1~VEnが付設されている。映像解析エンジンVE1~VEnはそれぞれ、対応する監視カメラC1~Cnで取得される撮像画像データから、監視対象者の画像特徴量と類似する画像特徴量を有する人物の画像データを抽出する。以下では、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれで撮像画像データから抽出される人物の画像データを人物画像データともいう。人物画像データは、顔(face)の画像データ及び全身(body)の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。人物画像データは、撮像画像データの一例でもある。例えば、監視対象者の画像特徴量は、監視対象者の登録画像データに基づく登録画像から得られる。登録画像データは、顔の画像データ及び全身の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。
【0014】
監視対象者の登録画像データは、監視対象者の検知のために人物画像データとの対比に用いられる画像データである。監視対象者の登録画像データは、事前に登録された監視対象者の映る画像データである。監視対象者の登録画像データは、事前に監視者または施設の管理者によってPCなどから取り込まれる撮像画像データとは異なる監視対象者の映る画像データであってよい。監視者または施設の管理者は、ユーザの一例である。監視対象者の登録画像データは、監視者または管理者によって事前に過去の撮像画像データの中から選択された監視対象者の映る画像データであってよい。なお、監視対象者の登録画像データは、監視者または管理者によってリアルタイムに取得される撮像画像データの中から選択された監視対象者の映る画像データであってよい。映像解析エンジンVE1~VEnはそれぞれ、監視対象者の画像特徴量に基づいて、登録画像データに基づく登録画像に対する人物画像データに基づく人物画像の類似度を求める。
【0015】
映像解析エンジンVE1~VEnはそれぞれ、映像解析結果を生成する。映像解析結果は、人物画像データを含む。映像解析結果は、人物画像データに映る人物の有する画像特徴量と類似する画像特徴量を有する監視対象者を識別する監視対象者IDを含む。映像解析結果は、監視カメラC1~Cnのうちの人物画像データを取得した監視カメラを識別するカメラIDを含む。映像解析結果は、登録画像データに基づく登録画像に対する人物画像データに基づく人物画像の類似度を含む。
【0016】
なお、映像解析エンジンVE1~VEnは監視カメラC1~Cnに対し一対一に配置せず、複数台のカメラに対しそれより少数の映像解析エンジンを配置して、少数の映像解析エンジンにより複数台の監視カメラの映像データを一括処理するようにしてもよい。
【0017】
一実施形態のシステムは、監視情報処理装置として使用されるWebサーバ装置SVを備える。Webサーバ装置SVは、分散配置された監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得される人物画像データに基づいて監視に係る情報処理を行う装置である。映像解析エンジンVE1~VEnは、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVとの間でデータ通信が可能である。映像解析エンジンVE1~VEnは、映像解析結果を、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVへ送信する。ネットワークNWは、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであるが、他のどのようなネットワークでもよい。
【0018】
なお、Webサーバ装置SVが、映像解析エンジンVE1~VEn又は1つの映像解析エンジンを備え、Webサーバ装置SVの映像解析エンジンVE1~VEn又は1つの映像解析エンジンが、ネットワークNWを介して、監視カメラC1~Cnからのそれぞれの映像データを受信し、受信した映像データを解析してもよい。
【0019】
一実施形態のシステムは、モニタ装置MT及び管理者端末OTを備える。モニタ装置MTは、Webサーバ装置SVに接続されている。モニタ装置MTは、Webサーバ装置SVから出力される情報を表示する装置である。モニタ装置MTは、表示部の一例である。監視者は、モニタ装置MTに表示される情報を確認する。管理者端末OTは、Webサーバ装置SVに接続されている。管理者端末OTは、管理者によるWebサーバ装置SVに対する種々の設定を入力する端末である。
【0020】
(2)Webサーバ装置SV
図2は、Webサーバ装置SVのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
Webサーバ装置SVは、制御部1と、プログラム記憶部2と、データ記憶部3と、入出力I/F(インタフェース)4と、通信I/F5とを備える。Webサーバ装置SVを構成する各要素は、バス6を介して、互いに接続されている。
【0021】
制御部1は、Webサーバ装置SVの中枢部分に相当する。制御部1は、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを有する。制御部1は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を有する。制御部1は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を有する。
【0022】
プログラム記憶部2は、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。プログラム記憶部2は、各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶する。例えば、プログラム記憶部2は、監視情報処理プログラムを記憶する。
【0023】
データ記憶部3は、記憶媒体としてHDDまたはSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。データ記憶部3は、管理データ31と、検知履歴データ32と、管理テーブル33と、検知履歴テーブル34と、カメラ情報テーブル35とを記憶する。
【0024】
管理データ31は、各監視対象者の登録画像データを含む。登録画像データは、Webサーバ装置SVだけでなく、映像解析エンジンVE1~VEnによっても利用され得る。登録画像データは、監視対象者IDと関連付けられている。監視対象者IDは、監視対象者毎に与えられるIDである。監視対象者IDは、適宜設定され得る。管理データ31は、登録画像データの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0025】
検知履歴データ32は、各監視対象者の検知画像データを含む。検知画像データは、人物画像データのうち、後述するように制御部1によって監視対象者を検知された人物画像データである。検知画像データは、監視対象者IDと関連付けられている。検知履歴データ32は、検知画像データの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0026】
管理テーブル33は、監視対象者ID、監視対象者名称、長時間滞在フラグ及びピン留めフラグなどを互いに関連付けた監視対象者ID毎のレコードを管理する。監視対象者名称は、監視対象者の氏名などの名称である。監視対象者名称は、適宜設定され得る。長時間滞在フラグは、後述するように制御部1によって監視対象者を長時間滞在者と判定されたことを示すフラグである。ピン留めフラグは、後述するように制御部1によって監視対象者についての検知結果をピン留めしたことを示すフラグである。ピン留めは、検知結果を表示画面上で見える状態に留めておくことである。管理テーブル33は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。管理テーブル33は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0027】
検知履歴テーブル34は、検知ID、監視対象者ID、検知カメラID及び検知日時などを互いに関連付けた検知ID毎のレコードを管理する。検知IDは、検知画像データ毎に与えられるIDである。検知IDは、適宜設定され得る。検知カメラIDは、検知画像データを取得した監視カメラを識別するIDである。検知カメラIDは、カメラIDに対応する。カメラIDは、監視カメラC1~Cnのそれぞれに与えられるIDである。カメラIDは、適宜設定され得る。検知日時は、後述するように制御部1によって人物画像データに基づいて監視対象者を検知された日時である。制御部1によって人物画像データに基づいて監視対象者を検知された日時は、監視カメラC1~Cnのうちの何れかの監視カメラによる人物画像データの撮像日時に対応する。検知日時は、検知毎の日時である。検知履歴テーブル34は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。検知履歴テーブル34は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0028】
カメラ情報テーブル35は、カメラID及びカメラ名称などを互いに関連付けたカメラID毎のレコードを管理する。カメラ名称は、監視カメラに関する名称である。例えば、カメラ名称は、監視カメラの設置場所などの名称である。カメラ名称は、適宜設定され得る。カメラ情報テーブル35は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。カメラ情報テーブル35は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0029】
入出力I/F4は、モニタ装置MT及び管理者端末OTと接続するインタフェースで構成される。
通信I/F5は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、映像解析エンジンVE1~VEnとの間でデータを伝送する。例えば、通信I/F5は、有線LANまたは無線LANに対応するインタフェースにより構成される。
【0030】
図3は、Webサーバ装置SVのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御部1は、検知部11と、第1の出力部12と、第1の判定部13と、第2の出力部14と、第2の判定部15と、取得部16と、第3の出力部17とを備える。各部は、何れもプログラム記憶部2に格納された監視情報処理プログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。各部は、ハードウェアプロセッサが備えるということもできる。各部は、各機能ということもできる。なお、下記で説明する各部は、制御部1またはハードウェアプロセッサと読み替え可能である。
【0031】
検知部11は、人物画像データに基づいて複数の監視対象者を検知する。検知部11は、同一の監視対象者を1回のみ検知することもある。検知部11は、同一の監視対象者を異なるタイミングで複数回検知することもある。検知部11は、検知に基づいて検知日時を取得する。以下では、検知部11が監視対象者について最初に検知した日時は、初回検知日時または最初の検知日時ともいう。検知部11が監視対象者について最初に検知した日時は、指定の検知日時の一例である。検知部11が同一の監視対象者について最後に検知した日時は、最新の検知日時ともいう。
【0032】
第1の出力部12は、検知部11により検知された複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果をモニタ装置MTに出力する。第1の出力部12は、複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果をモニタ装置MTの表示画面に含まれる検知アラート出力領域に出力する。検知結果は、検知に関する情報である。検知アラート出力領域は、第1の領域の一例である。第1の出力部12は、監視対象者の最初の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を新たに検知アラート出力領域に出力する。第1の出力部12は、同一の監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して検知アラート出力領域に出力する。第1の出力部12により出力される検知結果は、検知アラートということもある。
【0033】
第1の判定部13は、複数の監視対象者のそれぞれの最初の検知日時から2回目以降の各検知日時までの間隔が長時間判定基準時間以上であるか否かを判定する。長時間判定基準時間は、長時間の滞在を判定するための基準時間である。例えば、長時間判定基準時間は、20分などであるが、これに限定されない。長時間判定基準時間は、第1の時間の一例である。第1の判定部13は、長時間判定基準時間以上の間隔をあけて検知された監視対象者を監視エリアにおける長時間滞在者と判定する。長時間滞在者は、滞在者の一例である。
【0034】
第2の出力部14は、第1の判定部13により長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果をモニタ装置MTに出力する。第2の出力部14は、長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果をモニタ装置MTの表示画面に含まれる長時間滞在アラート出力領域に出力する。長時間滞在アラート出力領域は、検知アラート出力領域を含む表示画面に含まれる。長時間滞在アラート出力領域及び検知アラート出力領域は、同じ一画面に含まれる。長時間滞在アラート出力領域は、第2の領域の一例である。第2の出力部14は、監視対象者が長時間滞在者と判定された後に検知部11によりこの監視対象者を検知されたこと基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して長時間滞在アラート出力領域に出力する。第2の出力部14により出力される検知結果は、長時間滞在アラートということもある。
【0035】
第2の判定部15は、複数の監視対象者のそれぞれの最新の検知日時から検知部11により検知されることなく退出判定基準時間経過した監視対象者を監視エリアからの退出者と判定する。退出判定基準時間は、監視対象者の監視エリアからの退出を判定するための基準時間である。例えば、退出判定基準時間は、3時間などであるが、これに限定されない。退出判定基準時間は、第2の時間の一例である。
【0036】
取得部16は、ピン留め指示を取得する。ピン留め対象の検知結果は、検知アラート出力領域に出力された複数の検知結果の中から選択されてよい。ピン留め対象の検知結果は、長時間滞在アラート出力領域に出力された1以上の検知結果の中から選択されてよい。
【0037】
第3の出力部17は、取得部16により取得されたピン留め指示に基づいてピン留め指示の対象となる検知結果をモニタ装置MTの表示画面に含まれるピン留め出力領域に出力する。ピン留め出力領域は、第3の領域の一例である。第3の出力部17は、検知部11によりピン留めされた検知結果に関する監視対象者を検知されたことに基づいて、ピン留めされた検知結果を更新してピン留め出力領域に出力する。
【0038】
(動作例)
次に、以上のように構成されたWebサーバ装置SVの動作例を説明する。
図4は、Webサーバ装置SVにより実行される出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図4のフローチャートは、説明の簡略化のため、退出者と判定された監視対象者に関する検知結果の出力を停止するまでを示すが、実際には、
図4に示す処理は繰り返される。
【0039】
検知部11は、人物画像データに基づいて複数の監視対象者を検知する(ステップS1)。ステップS1では、例えば、検知部11は、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれから映像解析結果を取得する。検知部11は、映像解析結果に含まれる類似度を閾値と比較する。閾値は、人物画像データに映る人物を監視対象者とみなすか否かを判定するための基準値である。閾値は、適宜設定可能である。類似度が閾値以上である場合、検知部11は、人物画像データに映る人物を監視対象者として検知する。
【0040】
検知部11は、監視対象者の映る人物画像データを検知画像データとして、映像解析結果に含まれる監視対象者IDに関連付けてデータ記憶部3に保存する。検知部11は、監視対象者を検知する毎に、検知画像データを監視対象者IDに関連付けてデータ記憶部3に保存する。検知部11は、検知に基づいて検知日時を取得する。検知部11は、監視対象者の検知に基づいて、検知ID、監視対象者ID、検知カメラID及び検知日時を互いに関連付けたレコードを検知履歴テーブル34に追加する。検知部11は、映像解析結果に含まれる監視対象者IDを用いる。検知部11は、映像解析結果に含まれるカメラIDを検知カメラIDとして用いる。検知部11は、取得した検知日時を用いる。検知部11は、監視対象者を検知する毎に、レコードを検知履歴テーブル34に追加する。
【0041】
検知部11は、監視対象者の検知毎に、検知アラートの出力指示を第1の出力部12へ送る。検知部11は、同一の監視対象者の2回目以降の検知毎に、この監視対象者の監視対象者IDに関連付けられた最初の検知日時を検知履歴テーブル34から取得する。検知部11は、同一の監視対象者の2回目以降の検知毎に、監視対象者ID、最初の検知日時及び最新の検知日時を第1の判定部13及び第2の判定部15へ送る。検知部11は、最初の検知日時を第2の判定部15へ送らなくてもよい。
【0042】
第1の出力部12は、検知部11により検知された複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果をモニタ装置MTに出力する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、第1の出力部12は、検知部11から検知アラートの出力指示を受ける。第1の出力部12は、検知アラートの出力指示を受けたことに基づいて、検知部11により検知された監視対象者に関する検知結果を検知アラート出力領域に出力する。Webサーバ装置SVは、監視対象者に関する検知結果を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の情報をリアルタイムに提供することができる。
【0043】
検知結果に含まれる情報の例について説明する。
検知結果は、監視対象者IDを含んでいてよい。第1の出力部12は、監視対象者IDを検知部11から取得し得る。検知結果は、監視対象者名称を含んでいてよい。第1の出力部12は、監視対象者IDに基づいて、監視対象者名称を管理テーブル33から取得し得る。検知結果は、登録画像データに基づく登録画像を含んでいてよい。第1の出力部12は、監視対象者IDに基づいて、登録画像データを管理データ31から取得し得る。Webサーバ装置SVは、監視対象者ID、監視対象者名称または登録画像を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の情報を提供することができる。
【0044】
検知結果は、最新の検知日時の検知に関連する検知画像データに基づく検知画像を含んでいてよい。以下では、最新の検知日時の検知に関連する検知画像データに基づく検知画像は、最新の検知日時の検知画像ともいう。第1の出力部12は、最新の検知日時の検知に関連する検知画像データを検知部11から取得し得る。Webサーバ装置SVは、最新の検知日時の検知画像を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の最新の情報をリアルタイムに提供することができる。
【0045】
検知結果は、類似度を含んでいてよい。第1の出力部12は、類似度を検知部11から取得し得る。Webサーバ装置SVは、類似度を出力することで、監視対象者の検知の根拠を提供することができる。
【0046】
検知結果は、検知に関する履歴の情報を含んでいてよい。検知の履歴に関する情報は、最初の検知日時の検知に関する情報を含んでいてもよい。最初の検知日時の検知に関する情報は、最初の検知日時及び最初の検知日時の検知に関連する検知画像データを取得した監視カメラのカメラ名称を含む。第1の出力部12は、監視対象者IDに基づいて、最初の検知日時を検知履歴テーブル34から取得し得る。第1の出力部12は、監視対象者IDに基づいて、最初の検知日時の検知に関連する検知画像データを取得した監視カメラの検知カメラIDを検知履歴テーブル34から取得し得る。第1の出力部12は、検知カメラIDに基づいて、最初の検知日時の検知に関連する検知画像データを取得した監視カメラのカメラ名称をカメラ情報テーブル35から取得し得る。検知の履歴に関する情報は、最新の検知日時の検知に関する情報を含んでいてよい。最新の検知日時の検知に関する情報は、最新の検知日時及び最新の検知日時の検知に関連する検知画像データを取得した監視カメラのカメラ名称を含む。第1の出力部12は、最新の検知日時を検知部11から取得し得る。第1の出力部12は、検知部11から映像解析結果に含まれるカメラIDを取得する。第1の出力部12は、カメラIDに基づいて、最新の検知日時の検知に関連する検知画像データを取得した監視カメラのカメラ名称をカメラ情報テーブル35から取得し得る。検知の履歴に関する情報は、最初の検知日時から最新の検知日時までの間の一部または全部の検知日時に関する情報を含んでいてよい。Webサーバ装置SVは、検知に関する履歴の情報を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の検知状況の経緯を提供することができる。Webサーバ装置SVは、最新の検知日時の検知に関する情報を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の最新の情報をリアルタイムに提供することができる。
【0047】
検知結果は、検知回数を含んでいてよい。第1の出力部12は、検知履歴テーブル34における同一の監視対象者IDに関連付けられたレコード数に基づいて、検知回数を取得し得る。Webサーバ装置SVは、検知回数を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の検知状況を提供することができる。
【0048】
第1の出力部12は、複数の監視対象者のそれぞれの最初の検知日時順に並べて複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果をモニタ装置MTに出力する。例えば、第1の出力部12は、検知アラート出力領域において、最初の検知日時順に複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果を縦に並べて出力する。第1の出力部12は、ある監視対象者の1回目の検知に基づいて、この監視対象者に関する検知結果を検知アラート出力領域の最上部に出力してよい。Webサーバ装置SVは、最初の検知日時順に検知結果を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の検知順序を反映した情報をリアルタイムに提供することができる。
【0049】
第1の出力部12は、同一の監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して検知アラート出力領域に出力する。一例では、第1の出力部12は、最新の検知日時の検知画像を更新した検知結果を検知アラート出力領域に出力し得る。例えば、第1の出力部12は、同一の監視対象者の2回目の検知に基づいて、最初の検知日時の検知画像を、2回目の検知日時の検知画像に更新した検知結果を検知アラート出力領域に出力し得る。最初の検知日時の検知画像は、最初の検知日時の検知に関連する検知画像データに基づく検知画像である。2回目の検知日時の検知画像は、2回目の検知日時の検知に関連する検知画像データに基づく検知画像である。別の例では、第1の出力部12は、検知回数を更新した検知結果を検知アラート出力領域に出力し得る。さらに別の例では、第1の出力部12は、検知に関する履歴の情報を更新した検知結果を検知アラート出力領域に出力し得る。Webサーバ装置SVは、更新した検知結果を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の最新の情報をリアルタイムに提供することができる。
【0050】
なお、第1の出力部12は、第1の出力部12により出力される複数の検知結果のうち管理者により選択された検知結果について、更新した検知結果をモニタ装置MTに出力してよい。例えば、第1の出力部12は、選択された検知結果について、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時の検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を出力する。最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像は、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知に関連する検知画像データに基づく検知画像である。この例では、管理者は、管理者端末OTを用いて、検知アラート出力領域に表示されている複数の検知結果のうちから1つの検知結果を選択する。管理者は、管理者端末OTを用いて、選択した検知結果に含まれる検知画像を選択する。第1の出力部12は、選択された検知結果について、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を出力する。第1の出力部12は、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を検知日時順に過去に遡って順に出力してよい。Webサーバ装置SVは、管理者の操作に基づいて過去の検知画像を出力することで、監視エリアにいる監視対象者の最新の情報だけでなく過去の情報も提供することができる。
【0051】
第1の判定部13は、複数の監視対象者のそれぞれの最初の検知日時から2回目以降の各検知日時までの間隔が長時間判定基準時間以上であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3では、例えば、第1の判定部13は、監視対象者ID、最初の検知日時及び最新の検知日時を検知部11から受ける。第1の判定部13は、監視対象者ID、最初の検知日時及び最新の検知日時を受けたことに基づいて、最初の検知日時から最新の検知日時までの第1の経過時間を求める。第1の判定部13は、第1の経過時間が長時間判定基準時間以上であるか否かを判定する。第1の経過時間が長時間判定基準時間以上である場合、第1の判定部13は、長時間判定基準時間以上の間隔をあけて検知された監視対象者を長時間滞在者と判定する。第1の経過時間が長時間判定基準時間以上である場合、第1の判定部13は、長時間滞在アラートの出力指示を第2の出力部14へ送る。第1の経過時間が長時間判定基準時間未満である場合、第1の判定部13は、長時間滞在アラートの出力指示を発しない。第2の判定部15は、管理テーブル33において、長時間滞在者と判定した監視対象者の監視対象者IDに関連付けられた長時間滞在フラグを立てる。Webサーバ装置SVは、長時間判定基準時間を用いることで、監視エリアに長時間滞在する監視対象者をリアルタイムに検知することができる。
【0052】
第2の出力部14は、第1の判定部13により長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果をモニタ装置MTに出力する(ステップS4)。ステップS4では、例えば、第2の出力部14は、第1の判定部13から長時間滞在アラートの出力指示を受ける。第2の出力部14は、長時間滞在アラートの出力指示を受けたことに基づいて、長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力する。第2の出力部14により出力される検知結果は、第1の出力部12により検知アラート出力領域に出力されていた検知結果である。第2の出力部14により出力される検知結果は、上述の第1の出力部12により出力される検知結果と同様である。Webサーバ装置SVは、長時間滞在者の判定により、監視エリアに長時間滞在する監視対象者の情報をリアルタイムに提供することができる。Webサーバ装置SVは、検知アラート出力領域と長時間滞在アラート出力領域とを同じ画面で構成することで、状況の異なる監視対象者の情報を一画面に出力することができる。
【0053】
第2の出力部14は、最初の検知日時順に並べて複数の長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果をモニタ装置MTに出力してよい。例えば、第2の出力部14は、長時間滞在アラート出力領域において、最初の検知日時順に複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果を縦に並べて出力する。Webサーバ装置SVは、最初の検知日時順に検知結果を出力することで、監視エリアに長時間滞在する監視対象者の検知順序を反映した情報をリアルタイムに提供することができる。
【0054】
第2の出力部14は、同一の監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して長時間滞在アラート出力領域に出力する。一例では、第2の出力部14は、最新の検知日時の検知画像を更新した検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力し得る。例えば、第2の出力部14は、同一の監視対象者の3回目の検知に基づいて、2回目の検知日時の検知画像を、3回目の検知日時の検知画像に更新した検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力し得る。別の例では、第2の出力部14は、検知回数を更新した検知結果を検知アラート出力領域に出力し得る。さらに別の例では、第2の出力部14は、検知に関する履歴の情報を更新した検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力し得る。Webサーバ装置SVは、更新した検知結果を出力することで、監視エリアに長時間滞在する監視対象者の最新の情報をリアルタイムに提供することができる。
【0055】
なお、第2の出力部14は、第2の出力部14により出力される1以上の検知結果のうち管理者により選択された検知結果について、更新した検知結果をモニタ装置MTに出力してよい。例えば、第2の出力部14は、選択された検知結果について、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時の検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を出力する。この例では、管理者は、管理者端末OTを用いて、長時間滞在アラート出力領域に表示されている複数の検知結果のうちから1つの検知結果を選択する。管理者は、管理者端末OTを用いて、選択した検知結果に含まれる検知画像を選択する。第2の出力部14は、選択された検知結果について、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を出力する。第2の出力部14は、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を検知日時順に過去に遡って順に出力してよい。Webサーバ装置SVは、管理者の操作に基づいて過去の検知画像を出力することで、監視エリアに長時間滞在する監視対象者の最新の情報だけでなく過去の情報も提供することができる。
【0056】
第2の判定部15は、複数の監視対象者のそれぞれの最新の検知日時から検知部11により検知されることなく退出判定基準時間経過した監視対象者を退出者と判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、第2の判定部15は、監視対象者ID、最初の検知日時及び最新の検知日時を検知部11から受ける。第2の判定部15は、監視対象者ID、最初の検知日時及び最新の検知日時を受けたことに基づいて、最新の検知日時から検知部11による非検知の継続する現在日時までの第2の経過時間を求める。第2の判定部15は、第2の経過時間が退出判定基準時間を経過したか否かを判定する。第2の経過時間が退出判定基準時間を経過した場合、第2の判定部15は、検知部11により検知されることなく退出判定基準時間経過した監視対象者を退出者と判定する。第2の経過時間が退出判定基準時間を経過した場合、第2の判定部15は、アラート削除指示を第1の出力部12及び第2の出力部14へ送る。第2の経過時間が退出判定基準時間を経過していない場合、第2の判定部15は、アラート削除指示を発しない。Webサーバ装置SVは、退出判定基準時間を用いることで、退出者をリアルタイムに検知することができる。
【0057】
第1の出力部12は、モニタ装置MTへ出力する複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果のうち、第2の判定部15により退出者と判定された監視対象者に関する検知結果のモニタ装置MTへの出力を停止する(ステップS6)。ステップS6では、例えば、第1の出力部12は、アラート削除指示を第2の判定部15から受ける。第1の出力部12は、アラート削除指示を受けたことに基づいて、第2の判定部15により退出者と判定された監視対象者に関する検知結果のモニタ装置MTへの出力を停止する。例えば、第1の出力部12は、検知アラート出力領域において、退出者と判定された監視対象者に関する検知結果の出力を停止する。出力を停止することは、非表示すること、表示を除くこと、表示を消すことを含む。Webサーバ装置SVは、退出者の情報を消すことで、検知アラート出力領域において監視エリアの状況をリアルタイムに反映することができる。
【0058】
さらに、ステップS6では、第2の出力部14は、モニタ装置MTへ出力する長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果のうち、第2の判定部15により退出者と判定された監視対象者に関する検知結果のモニタ装置MTへの出力を停止する。例えば、第2の出力部14は、アラート削除指示を第2の判定部15から受ける。第2の出力部14は、アラート削除指示を受けたことに基づいて、第2の判定部15により退出者と判定された監視対象者に関する検知結果のモニタ装置MTへの出力を停止する。例えば、第1の出力部12は、長時間滞在アラート出力領域において、退出者と判定された監視対象者に関する検知結果の出力を停止する。Webサーバ装置SVは、退出者の情報を消すことで、長時間滞在アラート出力領域において監視エリアの状況をリアルタイムに反映することができる。
【0059】
図5は、Webサーバ装置SVにより実行される出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
取得部16は、ピン留め指示を取得する(ステップS11)。ステップS11では、例えば、取得部16は、管理者の操作に基づいて、ピン留め指示を取得する。ピン留め指示は、ピン留め対象の検知結果の指定を含む。この例では、管理者は、管理者端末OTを用いて、検知アラート出力領域に表示されている複数の検知結果のうちからピン留め対象の1以上の検知結果を選択し得る。管理者は、管理者端末OTを用いて、長時間滞在アラート出力領域に表示されている1以上の検知結果のうちから1以上のピン留め対象の検知結果を選択し得る。取得部16は、管理者の選択操作に基づいて、ピン留め指示を取得する。
【0060】
第3の出力部17は、取得部16により取得されたピン留め指示に基づいてピン留め対象の検知結果をモニタ装置MTに出力する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、第3の出力部17は、ピン留め指示に基づいてピン留め対象の検知結果を特定する。第3の出力部17は、検知アラート出力領域または長時間滞在アラート出力領域に出力されているピン留め対象の検知結果を表示画面に含まれるピン留め出力領域に出力する。第3の出力部17は、管理テーブル33において、ピン留め対象の検知結果に対応する監視対象者IDに関連付けられたピン留めフラグを立てる。
【0061】
Webサーバ装置SVは、ピン留め対象の検知結果を出力することで、必要な情報が他の情報に埋もれるなどの視認性の悪化を防ぐことができる。Webサーバ装置SVは、検知アラート出力領域と長時間滞在アラート出力領域とピン留め出力領域とを同じ画面で構成することで、ピン留め対象の監視対象者の情報を、検知状況の異なる監視対象者の情報と対比可能に出力することができる。
【0062】
第3の出力部17は、同一の監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新してピン留め出力領域に出力する。一例では、第3の出力部17は、最新の検知日時の検知画像を更新した検知結果をピン留め出力領域に出力し得る。例えば、第3の出力部17は、同一の監視対象者の3回目の検知に基づいて、2回目の検知日時の検知画像を、3回目の検知日時の検知画像に更新した検知結果をピン留め出力領域に出力し得る。別の例では、第3の出力部17は、検知回数を更新した検知結果をピン留め出力領域に出力し得る。さらに別の例では、第3の出力部17は、検知に関する履歴の情報を更新した検知結果をピン留め出力領域に出力し得る。Webサーバ装置SVは、更新した検知結果を出力することで、ピン留め対象の監視対象者の最新の情報をリアルタイムに提供することができる。
【0063】
(表示画面例)
図6は、モニタ装置MTに表示される表示画面7の一例を示す図である。
表示画面7は、検知アラート出力領域71、長時間滞在アラート出力領域72及びピン留め出力領域73を含む。検知アラート出力領域71、長時間滞在アラート出力領域72及びピン留め出力領域73は、一画面に表示される。
【0064】
検知アラート出力領域71は、検知部11により検知された複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果を最初の検知日時順に並べて表示する。検知アラート出力領域71は、各検知結果を検知結果領域711に表示する。例えば、検知結果領域711は、上部に監視対象者IDを表示する。検知結果領域711は、最新の検知日時の検知画像及び登録画像データに基づく登録画像を並べて表示する。検知結果領域711は、最新の検知日時の検知画像の下に類似度を表示する。検知結果領域711は、検知に関する履歴の情報を表示する。検知結果領域711に表示される検知結果の表示内容及び表示態様は、これに限定されない。
【0065】
例えば、検知アラート出力領域71は、検知部11によるある監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して表示する。例えば、検知アラート出力領域71は、選択された検知結果について、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時の検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を表示する。
【0066】
長時間滞在アラート出力領域72は、第1の判定部13により長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果を表示する。長時間滞在アラート出力領域72は、複数の長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果を最初の検知日時順に並べて表示してもよい。長時間滞在アラート出力領域72は、各検知結果を検知結果領域721に表示する。例えば、検知結果領域721は、上部に監視対象者IDを表示する。検知結果領域721は、最新の検知日時の検知画像及び登録画像データに基づく登録画像を並べて表示する。検知結果領域721は、最新の検知日時の検知画像の下に類似度を表示する。検知結果領域721は、検知に関する履歴の情報を表示する。検知結果領域721に表示される検知結果の表示内容及び表示態様は、これに限定されない。
【0067】
例えば、長時間滞在アラート出力領域72は、検知部11によるある監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して表示する。例えば、長時間滞在アラート出力領域72は、選択された検知結果について、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時の検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を表示する。
【0068】
ピン留め出力領域73は、ピン留め対象となる検知結果を表示する。
【0069】
ピン留め出力領域73は、ピン留め対象の検知結果を表示する。ピン留め出力領域73は、複数のピン留め対象の検知結果を最初の検知日時順に並べて表示してもよい。ピン留め出力領域73は、各検知結果を検知結果領域731に表示する。例えば、検知結果領域731は、上部に監視対象者IDを表示する。検知結果領域731は、最新の検知日時の検知画像及び登録画像データに基づく登録画像を並べて表示する。検知結果領域731は、最新の検知日時の検知画像の下に類似度を表示する。検知結果領域731は、検知に関する履歴の情報を表示する。検知結果領域731に表示される検知結果の表示内容及び表示態様は、これに限定されない。ピン留め対象の検知結果は、ピン留め出力領域73だけでなく、検知アラート出力領域71または長時間滞在アラート出力領域72にも表示される。
【0070】
例えば、ピン留め出力領域73は、検知部11によるある監視対象者の複数回目以降の検知に基づいて、この監視対象者に関連する検知結果を更新して表示する。例えば、ピン留め出力領域73は、選択された検知結果について、管理者の操作に基づいて、最新の検知日時の検知画像に代えて、最新の検知日時とは異なる検知日時の検知画像を表示する。
【0071】
(時系列に沿った処理例)
図7は、Webサーバ装置の時系列に沿った処理例を示す概略図である。
ここでは、監視対象者Aを例にして説明する。
【0072】
検知部11は、人物画像データに基づいて監視対象者Aを4回検知したものとする。
最初の検知日時における処理について説明する。第1の出力部12は、検知部11による監視対象者Aの最初の検知に基づいて、監視対象者Aに関する検知結果を検知アラート出力領域に出力する。第2の判定部15は、最初の検知日時以後継続的に、監視対象者Aの最新の検知日時から検知部11による非検知の継続する現在日時までの第2の経過時間が退出判定基準時間を経過したか否かを判定する。ここでは、最初の検知日時から2回目の検知日時までの時間は、退出判定基準時間よりも短いものとする。2回目の検知日時から3回目の検知日時までの時間は、退出判定基準時間よりも短いものとする。3回目の検知日時から4回目の検知日時までの時間は、退出判定基準時間よりも短いものとする。
【0073】
2回目の検知日時における処理について説明する。第1の判定部13は、監視対象者Aの最初の検知日時から2回目の検知日時までの第1の経過時間が長時間判定基準時間以上であるか否かを判定する。第1の判定部13は、第1の経過時間が長時間判定基準時間以上ではないと判定したものとする。第1の出力部12は、監視対象者Aの2回目の検知に基づいて、監視対象者Aに関連する検知結果を更新して検知アラート出力領域に出力する。例えば、第1の出力部12は、最初の検知日時の検知画像を2回目の検知日時の検知画像に更新した検知結果を検知アラート出力領域に出力する。
【0074】
3回目の検知日時における処理について説明する。第1の判定部13は、監視対象者Aの最初の検知日時から3回目の検知日時までの第1の経過時間が長時間判定基準時間以上であるか否かを判定する。第1の判定部13は、第1の経過時間が長時間判定基準時間以上であると判定したものとする。第2の出力部14は、監視対象者Aの3回目の検知に基づいて、監視対象者Aに関連する検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力する。例えば、第2の出力部14は、3回目の検知日時の検知画像を含む検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力する。
【0075】
4回目の検知日時における処理について説明する。4回目の検知日時は最後の検知日時であるものとする。第2の出力部14は、監視対象者Aの4回目の検知に基づいて、監視対象者Aに関連する検知結果を更新して長時間滞在アラート出力領域に出力する。例えば、第2の出力部14は、3回目の検知日時の検知画像を4回目の検知日時の検知画像に更新した検知結果を長時間滞在アラート出力領域に出力する。
【0076】
4回目の検知日時以後における処理について説明する。第2の判定部15は、監視対象者Aの4回目の検知日時から検知部11による非検知の継続する現在日時までの第2の経過時間を求める。第2の経過時間が退出判定基準時間を経過した場合、第2の判定部15は、監視対象者Aを退出者と判定する。第1の出力部12は、検知アラート出力領域において、第2の判定部15により退出者と判定された監視対象者Aに関する検知結果の出力を停止する。第2の出力部14は、長時間滞在アラート出力領域において、第2の判定部15により退出者と判定された監視対象者に関する検知結果の出力を停止する。
【0077】
一実施形態によれば、Webサーバ装置SVは、検知された複数の監視対象者のそれぞれに関する検知結果及び長時間滞在者と判定された監視対象者に関する検知結果をリアルタイムに出力する。これにより、Webサーバ装置SVは、監視エリアで検知された複数の監視対象者の情報の視認性を高めることが可能となる。例えば、顧客が長時間滞在している場合、管理者は、購入可能性の高い優良顧客として販売員に通知することができる。管理者は、効果的な営業を促すことができる。例えば、不審者が長時間滞在している場合、管理者は、警備員に対して声掛けを促すことができる。管理者は、不法行為を未然に防ぐことができる。
【0078】
監視情報処理装置は、上記の例で説明したように1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0079】
プログラムは、装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0080】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0081】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0082】
SV…Webサーバ装置
OT…管理者端末
MT…モニタ装置
NW…ネットワーク
C1~Cn…監視カメラ
VE1~VEn…映像解析エンジン
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…入出力I/F
5…通信I/F
6…バス
7…表示画面
11…検知部
12…第1の出力部
13…第1の判定部
14…第2の出力部
15…第2の判定部
16…取得部
17…第3の出力部
31…管理データ
32…検知履歴データ
33…管理テーブル
34…検知履歴テーブル
35…カメラ情報テーブル
71…検知アラート出力領域
72…長時間滞在アラート出力領域
73…ピン留め出力領域
711…検知結果領域
721…検知結果領域
731…検知結果領域