IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-通信装置 図1
  • 特許-通信装置 図2
  • 特許-通信装置 図3
  • 特許-通信装置 図4
  • 特許-通信装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/20 20090101AFI20240430BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240430BHJP
【FI】
H04W48/20
H04W48/16 110
H04W48/16 132
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020165136
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057069
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中原 正守
(72)【発明者】
【氏名】河野 正司
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-240958(JP,A)
【文献】特開2015-026881(JP,A)
【文献】特開平04-037324(JP,A)
【文献】特開2018-110436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数帯の電波を放出する複数の第1基地局のうちの1つと通信する通信部と、
前記複数の第1基地局のうちの1つと前記通信部との通信が成功したか否かを判定する通信判定部と、
前記通信判定部の判定結果に基づいて、前記通信部が送受信する電波の周波数帯を前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯に切り替える切替部と、
前記第2周波数帯の電波を放出する複数の第2基地局のうちの1つと前記通信部とが通信するように、前記通信部を制御する通信制御部と
を備え、
前記複数の第1基地局のうちの1つと前記通信部との通信が成功していないと前記通信判定部が判定する場合、前記切替部は前記通信部が送受信する電波の周波数帯を前記第1周波数帯から前記第2周波数帯に切り替え、
前記通信制御部は、前記通信部が送受信する電波の周波数帯を前記第2周波数帯に固定する固定処理を実行し、
前記固定処理は、前記通信部と通信する基地局が変更指示を送信することを禁止する処理を示し、
前記変更指示は、前記通信部が送受信する電波の周波数帯を変更させる指示を示す、通信装置。
【請求項2】
前記電波の品質を示すパラメーターに基づいて、前記複数の第2基地局のうちの1つを選択する選択部を更に備え、
前記通信制御部は、前記選択部が選択した前記第2基地局と前記通信部が通信するように、前記通信部を制御する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信判定部は、前記複数の第2基地局のうちの1つと前記通信部との通信が成功したか否かを判定し、
前記複数の第2基地局のうちの1つと前記通信部との通信が成功していないと前記通信判定部が判定する場合、前記切替部は前記通信部が送受信する電波の前記周波数帯を前記第2周波数帯と異なる周波数帯に切り替え、
前記通信制御部は、前記通信部が送受信する電波の周波数帯を前記異なる周波数帯に固定する固定処理を実行する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信制御部は所定期間の経過後に前記固定処理を解除する、請求項または請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信制御部は一定期間毎に前記固定処理の実行と前記固定処理の解除とを繰り返す、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信部が電波の送受信を可能なすべての周波数帯で前記通信部による通信が成功しない場合、前記通信制御部は、前記固定処理を実行しない、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の無線通信システムにおける通信の方法は、決定するステップと、通信するステップとを有する。決定ステップは、第1の通信チャネルと、第2の通信チャネルとのうちの少なくとも1つの通信チャネルの通信の品質の測度を決定する。通信するステップは、1つの通信チャネルの通信の品質の測度に基づいて、第1の通信チャネルまたは第2の通信チャネルのうちの1つを通じて通信する。無線通信システムでは、通信の品質の測度(受信信号の強度)に基づいて選択された通信チャネルを通じて、移動端末は基地局と通信するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2002-530932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の無線通信システムでは、移動端末が有するような通信部と基地局との通信が成功しないことがある。つまり、通信の品質(受信信号の強度)が満足する基準であっても、通信部と基地局とが通信できないことがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、通信部と基地局との通信を可能とし、メータの計測結果をサーバに送信できなくなることを抑制することができる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、通信装置は、通信部と、通信判定部と、切替部と、通信制御部とを備える。前記通信部は、第1周波数帯の電波を放出する複数の第1基地局のうちの1つと通信する。前記通信判定部は、前記複数の第1基地局のうちの1つと前記通信部との通信が成功したか否かを判定する。前記切替部は、前記通信判定部の判定結果に基づいて、前記通信部が送受信する電波の周波数帯を前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯に切り替える。前記通信制御部は、前記第2周波数帯の電波を放出する複数の第2基地局のうちの1つと前記通信部とが通信するように、前記通信部を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の通信装置によれば、メータの計測結果をサーバに送信できなくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るテレメータシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る通信装置と複数の基地局とを示す図である。
図3】本実施形態に係る通信装置と複数の基地局とを示す別の図である。
図4】本実施形態に係る通信装置の制御部が実行する処理のフローチャートを示す。
図5】本実施形態に係る通信装置の制御部が実行する固定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の実施形態1に係るテレメータシステム100を説明する。図1は、テレメータシステム100の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、テレメータシステム100は、通信装置1と、メータ2と、サーバ3と、基地局Bとを備える。実施形態1において、テレメータシステム100は、複数の通信装置1と、複数のメータ2と、複数のサーバ3と、複数の基地局Bとを備える。テレメータシステム100は、メータ2の計測結果を示す情報を収集するシステムである。より具体的には、テレメータシステム100は、メータ2の計測結果を示す情報を通信装置1が基地局Bに送信して、基地局Bに計測結果を示す情報を収集させるシステムである。サーバ3と基地局Bとは、例えばセンターシステムである。
【0012】
基地局Bは、特定の周波数帯の電波を放出する。複数の基地局Bは、互いに異なる周波数帯の電波を放出する。複数の基地局Bは、基地局BAと、基地局BBと、基地局BCと、基地局BDとを含む。
【0013】
基地局BAは、第1周波数帯の電波を放出する。基地局BBは、第1周波数帯の電波を放出する。基地局BAと基地局BBとは、「第1基地局」の一例に相当する。基地局BCは、第2周波数帯の電波を放出する。基地局BDは、第2周波数帯の電波を放出する。基地局BCと基地局BDとは、「第2基地局」の一例に相当する。
【0014】
基地局Bは、通信装置1に対して情報制御を実行する。
【0015】
サーバ3は、複数の基地局Bの各々が収集した計測値を格納する。サーバ3は、例えば、データベースサーバである。サーバ3は、例えば、基地直Bと通信装置1とを介して、メータ2の計測結果を示す情報を収集する。
【0016】
サーバ3と複数の基地局Bとは、第1ネットワークN1に接続される。第1ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、および、近距離無線ネットワークを含む。第1ネットワークN1には、各種通信機器(例えば、ルーター、ブリッジ、アクセスポイント、ハブ、および、リピーター)が接続されている。
【0017】
メータ2は、資源またはエネルギーに関する計測装置である。メータ2の計測対象は、例えば、ガス、水道、または電気である。メータ2は、例えば、個人宅、会社、および各種施設のような需要家毎に設置される。すなわち、メータ2は、例えば、ガス、水道、または電気の使用量を計測し、計測結果としての計測値を出力する計測装置である。メータ2は、例えば、一定期間毎に交換される。また、メータ2に不具合が発生した場合に、メータ2は交換される。以下、本明細書において、メータ2がガスの使用量を計測するガスメータである場合を例に挙げて説明する。
【0018】
メータ2は、例えばガス管に設置される。ガス管には、メータ2の計測対象であるガスが流れる。ガスは、ガスボンベまたはガスホルダーからガス管を通じて需要家に供給される。なお、メータ2の計測対象であるガスは、LPガス(液化石油ガス)であってもよいし、都市ガスでもよい。メータ2は、ガス管を流れるガスの流量を計測することによって、ガスの使用量を計測する。なお、メータ2の種類は、特に限定されない。メータ2は、例えば、5ビットメータ、8ビットメータ、Uバスメータ、またはマイコンメータである。実施形態1において、メータ2は、5ビットメータである。
【0019】
なお、計測装置の一例としてメータ2を説明するが、計測装置が資源またはエネルギーに関する限り、計測装置は、例えばガス遮断装置が備えるオンオフセンサであってもよい。ガス遮断装置は、ガス管に設けられる。オンオフセンサは、例えば、地震を計測した場合にオンして、ガス管を遮断する。すなわち、ガス管でのガスの流通を遮断する。なお、地震が発生していないときには、オンオフセンサは、オフ状態である。オンオフセンサがオフ状態である場合には、ガスの流通が許容される。ガスの流通は、ガス管を通じてガスが流れることを示す。通信装置1は、計測結果として、オンオフセンサがオンしたことを示す情報を基地局Bに送信する。
【0020】
通信装置1は、メータ2の計測結果を示す情報を基地局Bに送信する。通信装置1は、メータ2毎に設置される。また、通信装置1は、例えば、メータ2の周辺の壁またはガス管に設置される。作業者は、メータ2の設置工事の際に、通信装置1を操作して、通信装置1がメータ2の計測結果を基地局Bに送信できるように、通信装置1を設定する。したがって、メータ2の設置工事の際に、作業者は、通信装置1と基地局Bとの通信に関する動作モードを通信装置1に開始させることができる。その結果、メータ2の計測結果を基地局Bに送信できるように、通信装置1が設定される。
【0021】
通信装置1は、メータ2と有線で通信可能に接続される。有線は、例えば、電線PLである。電線PLは、信号線およびグランド線を含む。なお、通信装置1は、メータ2と無線で通信可能に接続されてもよい。
【0022】
通信装置1と基地局Bとは、無線で通信可能に接続される。具体的には、通信装置1と基地局Bとは、例えば、LTE(Long Term Evolution)網のような広域無線網N2に接続される。そして、複数の通信装置1の各々と基地局Bとは、広域無線網N2を介して互いに無線通信を行う。
【0023】
引き続き、図1を参照して、通信装置1について説明する。図1に示すように、通信装置1は、筐体Caと、電池11とを備える。通信装置1は、制御部10と、通信部40と、接続部60とを更に備える。
【0024】
筐体Caは、電池11と、記憶部12と、制御部10と、通信部40と、接続部60とを収容する。筐体Caは、例えば中空の部材である。筐体Caは、例えば樹脂のような磁気を遮断しない物質により形成される。また、筐体Caは、例えば防水加工されている。
【0025】
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、フラッシュメモリのような半導体メモリーを含む。記憶部12は、制御部10によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。また、記憶部12は、複数の動作モードを示すプログラムを記憶する。記憶部12は、例えば、通信装置1と基地局Bとの通信のログを更に記憶してもよい。
【0026】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)およびMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーおよび記憶装置を含む。プロセッサーは、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、通信装置1の各要素を制御する。また、制御部10は、タイマー機能を有し、所定時間が経過したことを検出する。また、制御部10は、電池11に接続される。制御部10は、電池11から供給される電源電圧を内部電源電圧に変換して、通信部40に内部電源電圧を供給する。
【0027】
通信部40は、広域無線網N2に接続され、広域無線網N2を介して無線通信を行う。通信部40は、例えば、広域無線網N2の通信プロトコルに準拠した無線通信モジュールである。通信部40は、例えば、第1周波数帯の電波を放出する複数の基地局Bのうちの1つと通信する。また、通信部40は、例えば、第2周波数帯の電波を放出する複数の基地局Bのうちの1つと通信する。
【0028】
接続部60には、メータ2に接続された電線PLが接続される。すなわち、接続部60は、電線PLによってメータ2と有線接続される。制御部10は、電線PLおよび接続部60を介して、メータ2の計測結果を示す情報を取得する。実施形態1において、接続部60に接続可能なメータ2の種類は、例えば、5ビットメータ、Uバスメータ、または、マイコンメータである。実施形態1において、メータ2の種類は5ビットメータである。したがって、メータ2に接続された電線PLは、接続部60に接続されている。
【0029】
引き続き、図1を参照して、通信装置1の制御部10が実行する処理を説明する。図1に示すように、制御部10は、選択部13と、通信判定部14と、通信制御部15と、切替部16とを有する。
【0030】
通信制御部15は、通信部40を制御する。例えば、通信制御部15は、所定期間毎に通信部40が複数の基地局Bのそれぞれから報知情報を受信するように、通信部40を制御する。報知情報は、例えば、電気通信事業者の識別情報と周波数帯を示す情報とを含む。報知情報は、例えば、基地局Bから通信装置1に送信され続けている。
【0031】
通信判定部14は、複数の基地局Bのうちの1つの第1基地局Bと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。例えば、通信部40が送受信する電波の周波数帯が第1周波数帯の場合、通信判定部14は基地局BAと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。また、例えば、通信部40が送受信する電波の周波数帯が第2周波数帯の場合、通信判定部14は基地局BCと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。
【0032】
切替部16は、通信判定部14の判定結果に基づいて、通信部40が送受信する電波の周波数帯を第1周波数帯と異なる第2周波数帯に切り替える。例えば、通信部40が送受信する電波の周波数帯が第1周波数帯の場合、切替部16は、通信部40が送受信する電波の周波数帯を第1周波数帯から第2周波数帯に切り替える。
【0033】
そして、通信制御部15は、第2周波数帯の電波を放出する複数の基地局Bのうちの1つと通信部40とが通信するように、通信部40を制御する。この結果、基地局Bと通信部40との通信を可能とし、メータ2の計測結果をサーバ3に送信できなくなることを抑制できる。
【0034】
本実施形態の制御部10は、報知情報に基づいて、電波の品質を測定する。具体的には、制御部10は、報知情報に基づいて、基地局Bから放出される電波の品質を示すパラメーターを取得し、測定する。電波の品質は、例えば、電界強度と、通信品質とのうちの少なくとも1つで表される。通信品質は、RS(Reference Signal)の受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)と、RSの受信品質(例えば、RSRQ:Reference Signal Received Quality)とを含む。
【0035】
選択部13は、通信部40が通信する基地局Bを選択する。具体的には、電波の品質を示すパラメーターに基づいて、選択部13は、同一の周波数帯の電波を放出する複数の基地局Bのうちから通信部40が通信する基地局Bを1つ選択する。
【0036】
例えば、通信部40が通信する電波の周波数帯が第1周波数帯である場合、基地局BAから放出される電波の品質を制御部10が測定する。そして、基地局BAの電波の品質を示すパラメーターと基地局BBの電波の品質を示すパラメーターとに基づいて、選択部13は複数の基地局Bのうちから通信部40が通信する基地局Bを1つ選択する。
【0037】
また、例えば、通信部40が通信する電波の周波数帯が第2周波数帯である場合、基地局BCから放出される電波の品質を制御部10が測定する。そして、基地局BCの電波の品質を示すパラメーターと基地局BDの電波の品質を示すパラメーターとに基づいて、選択部13は複数の基地局Bのうちから通信部40が通信する基地局Bを1つ選択する。
【0038】
そして、通信制御部15は、選択部13が選択した基地局Bと通信部40とが通信するように、通信部40を制御する。この結果、電波品質のよい基地局Bと通信することができる。
【0039】
なお、選択部13が選択した基地局BAの電波の品質を示すパラメーターが劣化した場合、選択部13は第1周波数帯の電波を放出する基地局BA以外の基地局Bを選択することもある。
【0040】
次に、図1図3を参照して、本実施形態の制御部10の処理を詳しく説明する。図2は、通信装置1と複数の基地局Bとを示す図である。図3は、通信装置1と複数の基地局Bとを示す別の図である。図2図3とでは、発明の理解を容易にするため、通信装置1が基地局BAまたは基地局BCと通信する例を説明する。
【0041】
図2に示すように、例えば、通信装置1の通信部40(図1参照)は、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信するように設定されている。例えば、通信判定部14は、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。例えば、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40との通信が成功した場合、切替部16は通信部40が送受信する電波の周波数帯を第2周波数帯に切り替えない。つまり、通信制御部15は、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40とが通信するように、通信部40を制御する。
【0042】
また、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信する場合、制御部10は、電波の品質を示すパラメーターを取得する。例えば、図1に示すように、基地局BAから放出される電波を制御部10が測定し、基地局BAの電波の品質を示すパラメーターを制御部10は取得する。例えば、図1に示すように、基地局BBから放出される電波を制御部10が測定し、基地局BBの電波の品質を示すパラメーターを制御部10は取得する。
【0043】
そして、例えば、基地局BAの電波の品質を示すパラメーターと、基地局BBの電波の品質を示すパラメーターとに基づいて、選択部13は基地局BAまたは基地局BBを選択する。
【0044】
例えば、選択部13が基地局BAを選択した場合、通信制御部15は基地局BAと通信部40とが通信するように、通信部40を制御する。また、図1図2とに示すように、サーバ3からポーリング信号を受信した基地局BAは、page情報を通信装置1に送信する。
【0045】
基地局BAからpage情報を受信した通信装置1の通信部40は、第1メッセージM1を基地局BAに送信する。第1メッセージM1は、接続要求(「RRC Connection Request」(Radio Resource Control Connection Request))である。
【0046】
基地局BAが第1メッセージM1を受信できる場合、第1メッセージM1に対する応答として、基地局BAは通信装置1に第2メッセージM2を送信する。第2メッセージM2は、「RRC Connection Setup」である。
【0047】
第2メッセージM2を受信した通信装置1は、基地局BAに第3メッセージM3を送信する。第3メッセージM3は、「RRC Connection Setup Complete」である。第3メッセージM3が通信装置1から基地局BAに送信され、通信装置1と基地局BAとの通信は成功した状態となる。
【0048】
なお、基地局Bは、負荷分散と通信速度の遅延低減とを目的に通信装置1に変更指示を送信することがある。変更指示は、通信部40が送受信する電波の周波数帯を変更させる指示を示す。例えば、変更指示は、通信部40が送受信する電波の周波数帯を第1周波数帯から第2周波数帯に変更する指示を示す。
【0049】
また、図3に示すように、基地局BAが第1メッセージM1を受信できないことがある。基地局BAが第1メッセージM1を受信できない場合、基地局BAから第2メッセージM2が通信装置1に送信されない。つまり、通信が失敗している。具体的には、基地局BAの電波を通信装置1が受信しているにもかかわらず、基地局BAと通信装置1とが通信できない状態となっている。換言すると、通信装置1と基地局BAとの通信は成功していない状態である。
【0050】
しかし、例えば、本実施形態の通信制御部15は、基地局BAと通信部40との通信が成功しない場合、切替部16は通信部40が送受信する電波の周波数帯を第1周波数帯と異なる第2周波数帯に切り替える。つまり、図3に示すように、通信制御部15は、第2周波数帯の電波を放出する基地局BCと通信部40とが通信するように、通信部40を制御する。したがって、通信できない基地局Bに対して通信部40が通信しようと試みることを抑制できる。この結果、メータ2の計測結果をサーバ3に送信できなくなることを抑制できる。
【0051】
また、図1図3とに示すように、通信制御部15は固定処理を実行する。固定処理は、通信部40と通信する基地局Bが変更指示を送信することを禁止する処理を示す。つまり、変更指示によって通信できない基地局Bが放出する電波の周波数帯に切り替えられない。したがって、通信可能な基地局Bとだけ通信部40が通信できる。この結果、メータ2の計測結果をサーバ3に送信できなくなることを更に抑制できる。
【0052】
例えば、図1図3とに示すように、基地局BAと通信部40との通信が成功していないことを示す判定結果に基づいて、切替部16は通信部40が送受信する電波の周波数帯を第1周波数帯と異なる第2周波数帯に切り替える。そして、図1に示すように、通信制御部15は基地局BCまたは基地局BDと通信部40とが通信するように、通信部40を制御する。
【0053】
具体的には、第2周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信する場合、制御部10は、電波の品質を示すパラメーターを取得する。例えば、図1に示すように、基地局BCから放出される電波を制御部10が測定し、基地局BCの電波の品質を示すパラメーターを制御部10は取得する。例えば、図1に示すように、基地局BDから放出される電波を制御部10が測定し、基地局BDの電波の品質を示すパラメーターを制御部10は取得する。
【0054】
そして、例えば、基地局BCの電波の品質を示すパラメーターと、基地局BDの電波の品質を示すパラメーターとに基づいて、選択部13は基地局BCまたは基地局BDを選択する。例えば、通信制御部15は、基地局BCと通信部40との間で第1メッセージM1~第3メッセージM3の送受信がされる。そして、基地局BCと通信部40との通信が開始される。
【0055】
更に、通信制御部15は、固定処理を実行する。したがって、例えば、基地局BCから変更指示が送信されない。つまり、基地局BCと通信部40との通信は維持される。この結果、通信できない基地局Bの放出する電波の周波数帯に、通信部40が送受信する電波の周波数帯を変更するように強要されず、通信可能な基地局Bと通信部40は通信して、メータ2の計測結果をサーバ3に送信できる。なお、固定処理は、選択部13が基地局Bを選択するときに、同時に行われてもよい。
【0056】
また、図1に示すように、本実施形態の通信判定部14は、複数の第2基地局Bのうち1つと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。例えば、基地局BCと通信部40との通信が成功していないと通信判定部14が判定する場合、切替部16は通信部40が送受信する電波の周波数帯を第2周波数帯と異なる周波数帯に切り替える。そして、通信制御部15は通信部40が送受信する電波の周波数帯を第2周波数帯と異なる周波数帯に固定する固定処理を実行する。つまり、第2周波数帯の電波を放出する基地局Bに変更しても、基地局Bと通信部40とが通信できない場合、切替部16は通信部40が送受信する電波の周波数帯を第2周波数帯の電波と異なる周波数帯の電波に変更する。そして、通信制御部15は固定処理を実行する。この結果、通信可能な基地局Bを探しつつ、メータ2の計測結果をサーバ3に送信できなくなることを抑制できる。
【0057】
また、通信制御部15は、所定期間の経過後に固定処理を解除する。所定期間の経過後に、通信部40が送受信する電波の周波数帯で通信している基地局Bとは別の周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信可能となる場合がある。所定期間は、例えば、10日である。よって、通信装置1は基地局Bの変更指示を受け付けて、基地局Bの分散処理が働く状態とすることができる。つまり、基地局Bの負荷分散と通信速度の遅延低減との目的を達成できるように、通信装置1は基地局Bの変更指示を受け付ける。この結果、基地局Bの分散処理が働く状態にしつつ、メータ2の計測結果をサーバ3に送信できる。
【0058】
通信制御部15は一定期間毎に固定処理の実行と固定処理の解除とを繰り返す。また、所定期間が経過しても、ある周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40とは通信できない場合がある。したがって、固定処理の実行と固定処理の解除とを繰り返すことで基地局Bの分散処理が働く状態としつつ、通信可能な基地局Bと通信部40とが通信できる。この結果、基地局Bの分散処理が働く状態にしつつ、通信ができない基地局Bと通信部40とが通信を試みることを抑制できる。
【0059】
通信部40が電波の送受信を可能な全ての周波数帯で通信部40による通信が成功しない場合、通信制御部15は、固定処理を実行しない。したがって、いずれかの周波数帯の電波を放出する基地局Bが通信可能な状態となるまで、通信制御部15は通信部40が基地局Bと通信を試みることを待機させる。この結果、通信可能となったタイミングで基地局Bと通信部40とが通信できる。
【0060】
次に、図4図5とを参照して、制御部10が実行する処理を説明する。図4は、制御部10が実行する処理のフローチャートを示す。図4に示すように、制御部10が実行する処理は、ステップS11~ステップS17を含む。
【0061】
ステップS11において、通信制御部15は、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40が通信するように、通信部40を制御する。処理は、ステップS12に進む。
【0062】
ステップS12において、通信判定部14は、第1周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。基地局Bと通信部40との通信が成功していない場合(ステップS12において、No)、処理はステップS16に進む。基地局Bと通信部40との通信が成功した場合(ステップS12において、Yes)、処理は終了する。
【0063】
ステップS12でYesの場合、ステップS13において、制御部10は、基地局Bが放出する電波の品質が良好か否かを判定する。基地局Bが放出する電波の品質が良好でない場合(ステップS13において、No)、処理はステップS16に進む。基地局Bが放出する電波の品質が良好な場合(ステップS12において、Yes)、処理はステップS14に進む。
【0064】
ステップS14において、通信制御部15は、通信部40と基地局Bとの通信を継続するように、通信部40を制御する。処理は終了する。
【0065】
ステップS12でNoの場合、ステップS15において、通信制御部15は、固定処理を実行する。固定処理については、図5を参照して後述する。処理はステップS11に戻る。
【0066】
ステップS13でNoの場合、ステップS16において、選択部13は、同じ周波数帯の電波を放出する複数の基地局Bのうちから通信部40が通信する基地局Bを1つ選択する。処理はステップS17に進む。
【0067】
ステップS17において、通信制御部15は、基地局Bと通信部40が通信するように、通信部40を制御する。処理は終了する。
【0068】
次に、図5を参照して、制御部10が実行する固定処理を詳しく説明する。図5は、制御部10が実行する固定処理を示すフローチャートである。図5に示すように、制御部10が実行する固定処理は、ステップS161~ステップS167を含む。
【0069】
ステップS161において、切替部16は、通信判定部14の判定結果に基づいて、通信部40が送受信する電波の周波数帯を第1周波数帯と異なる第2周波数帯に切り替える。そして、通信制御部15は、固定処理を実行する。処理はステップS162に戻る。
【0070】
ステップS162において、通信制御部15は、第2周波数帯の電波を放出する基地局Bと通信部40との通信が成功したか否かを判定する。基地局Bと通信部40との通信が成功していない場合(ステップS162において、No)、処理はステップS166に進む。基地局Bと通信部40との通信が成功した場合(ステップS162において、Yes)、処理はステップS163に進む。
【0071】
ステップS162でYesの場合、ステップS163において、通信制御部15は、固定処理を実行してから所定期間が経過したか否かを判定する。固定処理を実行してから所定期間が経過しない場合(ステップS163において、No)、処理はステップS163を繰り返す。固定処理を実行してから所定期間が経過する場合(ステップS163において、Yes)、処理はステップS164に進む。
【0072】
ステップS163でYesの場合、ステップS164において、通信制御部15は、固定処理を解除する。処理は図4に示すフローチャートに戻る。
【0073】
なお、ステップS164において、固定処理を解除した後に、通信制御部15は、固定処理を解除してから所定期間が経過したか否かを更に判定してもよいそして、固定処理を解除してから所定期間が経過する場合、処理はステップS161に戻ってもよい。つまり、通信制御部15は、一定期間毎に固定処理の実行と固定処理の解除とを繰り返す。
【0074】
ステップS162でNoの場合、ステップS166において、制御部10は、通信部40が電波の送受信を可能な全ての周波数帯で通信部40による通信が失敗したか否かを判定する。全ての周波数帯で通信部40による通信が失敗した場合(ステップS166において、Yes)、処理はステップS168に進む。換言すると、通信部40が電波の送受信を可能な全ての周波数帯で通信部40による通信が成功しない場合、通信制御部15は固定処理を実行せず、処理はステップS168に進む。全ての周波数帯で通信部40による通信が失敗しない場合(ステップS166において、No)、処理はステップS167に進む。
【0075】
ステップS166でNoの場合、切替部16は、制御部10の判定結果に基づいて、通信部40が送受信する電波の周波数帯を第2周波数帯と異なる周波数帯に切り替える。そして、通信制御部15は、固定処理を実行する。処理はステップS162に戻る。
【0076】
ステップS166でYesの場合、ステップS168において、通信制御部15は、固定処理を解除する。処理は図4に示すフローチャートに戻る。
【0077】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、通信装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0079】
1 :通信装置
2 :メータ
10 :制御部
13 :選択部
14 :通信判定部
15 :通信制御部
16 :切替部
40 :通信部
B :基地局
BA :基地局
BB :基地局
BC :基地局
BD :基地局
図1
図2
図3
図4
図5