(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】フォトニック回路における光学温度測定
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20240430BHJP
G02F 1/015 20060101ALI20240430BHJP
H01S 5/026 20060101ALI20240430BHJP
G01K 11/3206 20210101ALI20240430BHJP
【FI】
G02F1/01 B
G02F1/015 502
H01S5/026 618
H01S5/026 610
G01K11/3206
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020198408
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-11-08
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522446306
【氏名又は名称】オープンライト フォトニクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OpenLight Photonics, Inc.
【住所又は居所原語表記】6868 Cortona Drive, Suite C, Goleta, California 93117 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリス・バーナード
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・パーカー
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/073506(WO,A1)
【文献】米国特許第10527784(US,B1)
【文献】特表2010-506170(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0280173(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00 - 1/125
G02F 1/21 - 7/00
H01S 5/00 - 5/50
G01K 1/00 - 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトニック集積回路(PIC)であって、
基板のデバイス層における第1の光導波路と、
前記第1の光導波路に結合されたアクティブフォトニックデバイスと、前記アクティブフォトニックデバイスは、ダイオード接合部を備え、
前記基板の前記デバイス層における第2の光導波路と、前記第2の光導波路は、前記ダイオード接合部に感知近接した光学温度センサを備える、
を備えるフォトニック集積回路。
【請求項2】
前記光学温度センサは、ブラッグ回折格子、リング共振器、または非対称マッハツェンダー干渉計のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項3】
前記アクティブフォトニックデバイスは、レーザ、光変調器、波長基準光学フィルタ、または光マルチプレクサ/デマルチプレクサのうちの1つである、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項4】
前記アクティブフォトニックデバイスは、対称または非対称マッハツェンダー干渉計、アレイ導波路回折格子、または電界吸収変調器のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のフォトニック集積回路。
【請求項5】
フォトニック集積回路(PIC)におけるフォトニックデバイスの温度を測定するための方法であって、前記方法は、
第1の光導波路を介して前記フォトニックデバイスに光を結合することと、
光学温度センサのスペクトル特性を決定するために、第2の光導波路を介して、前記フォトニックデバイスに感知近接して配置された前記光学温度センサを光学的に調査することと、
前記スペクトル特性の較正された温度依存性に基づいて、前記決定されたスペクトル特性を前記測定された温度に計算的に変換することと、
を備える、方法。
【請求項6】
前記光学温度センサを光学的に調査することは、前記PICの外部にあるレーザを使用して、前記第2の光導波路に光を結合することと、外部光検出器を使用して、前記光学温度センサにおいて反射された光または前記光学温度センサによって透過された光のうちの少なくとも1つを測定することとを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記光学温度センサを光学的に調査することは、波長範囲にわたって前記外部レーザの波長をチューニングすることと、前記波長範囲にわたって前記反射されたまたは透過された光を測定することとを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スペクトル特性の前記温度依存性を、
前記PICを、第1の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第1の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第1の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、
前記PICを、第2の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第2の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第2の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、
前記第1および第2の値ならびに前記第1および第2の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することと、
によって較正することをさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フォトニックデバイスは、ダイオード構造と、前記ダイオード構造に電圧を印加するための電気的接続とを備えるアクティブフォトニックデバイスであり、ここにおいて、前記ダイオード構造への電力は、前記温度依存性の較正中はオフであり、前記較正された温度依存性に基づいて前記フォトニックデバイスの前記温度を測定するためにはオンである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
フォトニック集積回路(PIC)におけるフォトニックデバイスの温度を測定するための方法であって、前記方法は、
第1の伝搬方向において、第1の光信号を前記フォトニックデバイスに結合することと、
前記第1の伝搬方向とは反対の第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される第2の光信号を使用して、前記フォトニックデバイスのスペクトル特性を決定するために、前記フォトニックデバイスを光学的に調査すること
、ここにおいて、前記第1の光信号と前記第2の光信号は、前記フォトニックデバイスを互いに反対方向に伝搬する、と、
前記スペクトル特性の較正された温度依存性に基づいて、前記決定されたスペクトル特性を前記測定された温度に計算的に変換することと、
を備える、方法。
【請求項11】
前記第1の光信号は、前記PICのレーザによって生成され、前記第2の光信号は、前記PICの外部にあるレーザによって生成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の光信号の透過された部分の、または前記第2の光信号の反射された部分の光パワーを測定することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の伝搬方向において、前記フォトニックデバイスの出力における光タップとモニタフォトダイオードとを使用して、前記第2の光信号の前記透過された部分の前記光パワーを測定することを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の伝搬方向において、前記フォトニックデバイスの出力における前記PICの第2のフォトニックデバイスを使用して、前記第2の光信号の前記透過された部分の前記光パワーを測定することを備え、前記第2のフォトニックデバイスは、光検出器として動作可能であり、ならびに、別個のミッションモード機能を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の光信号は、波長の範囲にわたってチューニングされ、前記第2の光信号の前記反射されたまたは透過された部分の前記光パワーは、前記波長の範囲にわたって測定される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記フォトニックデバイスは、光学フィルタであり、前記波長の範囲は、前記光学フィルタの少なくとも自由スペクトル範囲を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スペクトル特性の前記温度依存性を、
前記PICを、第1の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第1の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第1の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、
前記PICを、第2の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第2の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第2の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、
前記第1および第2の値ならびに前記第1および第2の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することと、
によって較正することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記フォトニックデバイスは、光学フィルタであり、前記フォトニックデバイスは、前記光学フィルタの少なくとも1つの自由スペクトル範囲を備える波長の範囲にわたって調査され、前記第1および第2の温度間の前記スペクトル特性に関連付けられたスペクトルシフトは、前記自由スペクトル範囲より少ない、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記PICに関連付けられたメモリに前記スペクトル特性の前記温度依存性を記憶することをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記PICは、較正中に低電力モードで動作される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、フォトニック集積回路(PIC)における温度測定のための方法およびセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]例えば、レーザおよび光変調器などを含む、多くのフォトニック回路構成部品は、それらの性能が非常に温度に対して敏感である。したがって、フォトニック回路の設計の1つの重要な側面が、PICの熱設計であり、これは、PICが確実に動作するであろう周囲温度範囲を最適化することを目標として、熱源(発熱フォトニックデバイスを含む)ならびにヒートスプレッダおよびヒートシンクのレイアウトを指定する。熱設計および妥当性検査(validation)は、正確な温度測定に依拠する。しかしながら、温度は、PICにわたって大きなばらつきがあり得るので、PIC全体としての温度測定は、多くの場合、不十分である。一方、個々のPIC素子の温度測定は、熱設計の目的のためには望ましいが、多くの場合、関連するフォトニック構成部品の近くへの熱センサの配置が、空間制約および/または熱センサ(例えば、抵抗温度センサ(RTD)など)のフォトニック構成部品との電気的干渉の可能性によって妨げられるので、困難であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】[0003]
図1は、様々な実施形態による、集積光学フィルタを用いた(with)温度測定を可能にするように構成された、例となるフォトニックトランシーバの概略ブロック図である。
【
図2】[0004]
図2は、様々な実施形態による、集積マルチプレクサを用いた光学温度測定を可能にするように構成された、例となるフォトニックトランシーバの概略ブロック図である。
【
図3A】[0005]
図3Aは、様々な実施形態による、35℃の受信機ケース温度(receiver case temperatures)で2つのスペクトル範囲にわたって測定された、低電力モードで動作される
図2のトランシーバのマルチプレクサの例となるスペクトル応答のグラフを示す。
【
図3B】
図3Bは、様々な実施形態による、70℃の受信機ケース温度で2つのスペクトル範囲にわたって測定された、低電力モードで動作される
図2のトランシーバのマルチプレクサの例となるスペクトル応答のグラフを示す。
【
図3C】
図3Cは、様々な実施形態による、80℃の受信機ケース温度で2つのスペクトル範囲にわたって測定された、低電力モードで動作される
図2のトランシーバのマルチプレクサの例となるスペクトル応答のグラフを示す。
【
図3D】[0006]
図3Dは、様々な実施形態による、70℃の受信機ケース温度で測定された、高電力モードで動作される
図2のトランシーバのマルチプレクサの例となるスペクトル応答のグラフを示す。
【
図4】[0007]
図4は、様々な実施形態による、光学温度測定のために、別個のミッションモード機能(mission-mode function)を有するフォトニックデバイスを較正および動作させる方法のフローチャートである。
【
図5】[0008]
図5は、様々な実施形態による、レーザと変調器の近くに追加された光学温度センサを装備した、例となるフォトニックトランシーバの概略ブロック図である。
【
図6A】[0009]
図6Aは、様々な実施形態による、PICの化合物半導体レーザに隣接して配置されたブラッグ回折格子ベースの光学温度センサの上面図である。
【
図6B】
図6Bは、様々な実施形態による、PICの化合物半導体レーザに隣接して配置されたブラッグ回折格子ベースの光学温度センサの断面側面図である。
【
図7】[0010]
図7は、様々な実施形態による、フォトニックデバイスの温度測定のために、ミッションモード機能なしの専用光学温度センサを較正および使用する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[0011]本明細書には、フォトニック回路構成部品の温度を、RTDまたは他の従来の電子温度センサを使用してではなく、光学的に測定するための様々なアプローチが開示される。いくつかの実施形態では、例えば、光を多重化/逆多重化するまたは変調するなどの、様々なミッションモード機能を果たすフォトニックデバイスは、温度センサとしての機能をも果たすように、使用中に較正および選択的に動作される。例えば、マッハツェンダー干渉計(MZI)もしくは非対称MZI(AMZI)などの光学フィルタ、アレイ導波路回折格子(AWG)、または電界吸収変調器(EAM)における温度依存のスペクトルシフトが、これらの構成部品の温度を測定するために利用され得る。他の実施形態では、PICは、ミッションモード機能を有していない、それらの光学(例えば、スペクトル)特性における温度依存の変化に基づいて温度を決定するようにのみ機能する光学部品で拡張される。有益には、このような光学温度センサは、電気的に干渉することなく、レーザ、変調器、光検出器などにおけるダイオード接合部(diode junctions)に非常に近接して配置され得る。さらに、導波路および他の光学的にパッシブな構成部品を含むシリコンデバイス層上で化合物半導体(例えば、III-V族)アクティブデバイスを使用するハイブリッドプラットフォームでは、光学温度センサは、その温度が測定されるべきアクティブデバイスの下にあるシリコンデバイス層において実装され得、化合物半導体層において存在する空間制約を回避する。
【0005】
[0012]全体としてのフォトニック回路の温度ではなく、個々のフォトニック構成部品の温度を測定することによって得られる利益を理解するために、例えば、4つのレーザを含む光トランシーバを考慮する。これらレーザにわたる温度が、例えば、PIC内の光学部品または隣接する電子集積回路(EIC)内の電子部品などの、他の近くの熱源からの熱クロストークに起因して、最大動作電流において20度ずつ(by twenty degrees)異なると仮定する。これらレーザのうちの最も高温なものは、これらレーザのうちの最も低温なものよりも著しく(例えば、3倍も)短い動作寿命を有し得、そしてさらに、(例えば、モードホッピングをもたらす)不安定性を被り、より低い光パワー(optical power)を出力し得る。しかしながら、レーザの不安定性および低減された出力パワーは、必ずしも熱点(hotspot)を示すとは限らず、それらはまた、PICの製造または組み立て中に生じたレーザの損傷によるものであるか、あるいは光学設計における欠陥によるものであり得る。したがって、レーザの損傷および/または光学設計の問題からの温度影響を区別することが重要である。本明細書で説明されるような光学温度測定を使用すると、4つ全てのレーザの接合部における温度は、個々に、および電子温度測定を使用するよりも正確に測定され得、これは、熱点を識別し、次いで、熱点の温度を低減させるために熱設計(例えば、ヒートスプレッダ、PICダイ内のまたはPICダイに隣接する構成部品の間隔などを含む)を修正することを促進する。
【0006】
[0013]PICにおける光学温度測定のためのデバイス、システム、および方法の様々な例となる実施形態が、以下で添付の図面を参照して説明される。
【0007】
[0014]
図1は、様々な実施形態による、集積光学フィルタ102を用いた光学温度測定を可能にするように構成された、例となるフォトニックトランシーバ100の概略ブロック図である。フォトニックトランシーバ100は、送信機経路104に沿って、光搬送波信号を生成するためのレーザ106と、振幅変調を介して光搬送波信号上にデータを付与する(impart)ための光変調器108と、レーザ106のための波長基準として機能する光学フィルタ102とを含む。さらに、フォトニックトランシーバ100は、光受信機として機能する光検出器110および関連する受信機経路111を含む。加えて、光学フィルタ102での温度測定を促進するために、トランシーバ100は、光学フィルタ102を取り囲む(bracketing)光タップ112、114を含み、各々が、固定された割合の光(例えば、5%)を分離させ、かつ、分離した光を、送信機経路104におけるどちらの方向の光伝搬においても光学フィルタ102に入っていくおよびそれから出てくる光パワーを測定することを可能にする2つのそれぞれのモニタフォトダイオード116、117および118、119に導く2つの出力を有する。フォトニックトランシーバ100は、例えば、(例えば、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板の)シリコンデバイス層において形成された導波路(例えば、送信機経路104および受信機経路111を実装する)および他のパッシブデバイスまたはデバイス構成部品に結合された、レーザ106と、変調器108と、受信機光検出器110と、モニタフォトダイオード116、117、118、119との化合物半導体(例えば、III-V族)アクティブデバイス構成部品を備えるハイブリッド材料プラットフォームにおいて、実装され得る。
【0008】
[0015]光学フィルタ102は、例えば、AMZIとして実装され得、これは、強度が光の周波数(the frequency of the light)とともに周期的に変化する干渉信号を生成する、2つの干渉計アーム間の光路長差によって特徴付けられる。この変化の周期(period of that variation)は、フィルタ102の自由スペクトル範囲(FSR:free spectral range)である。AMZI(または他の光学フィルタ102)は、指摘された基準波長において、出力光パワーと入力光パワーの比率として測定される、指定された透過(transmission)を達成するために較正される。レーザ106の波長が基準波長から外れたとき、この偏差は、(それぞれ、フォトダイオード118、116によって測定される入力および出力光パワーから決定されるような)フィルタ102の透過率の変化として現れることになり、レーザ106を基準波長にチューニングするためのフィードバックを提供する(providing for)。しかしながら、フィルタ102の透過スペクトルは、一般に温度依存であり、フィルタ102の温度は、例えば、レーザ106から発せられる熱により、ミッションモード使用において異なり得る。任意のこのような加熱を最小限にするように、フォトニック回路を設計することが望ましい。たとえフィルタ102の温度が使用中にモニタされ、波長基準としてのフィルタの較正時における温度からのずれが、例えば、集積加熱器または熱電冷却器(thermo-electric cooler)を使用して、アクティブに補償されたとしても、このようなアクティブな熱調節の所要電力を最小限にすることが望ましい。
【0009】
[0016]様々な実施形態によれば、光学フィルタ102は、トランシーバ100の熱設計中に、それ自体の温度センサとして使用される。この目的のために、外部レーザ120は、例えば、送信機出力ポート122(これは、ミッションモードでは、変調された光信号を送信する役割を果たす)を介して、光を光学フィルタ102に結合し、(外部レーザ120から到来する光の伝搬方向における)フィルタ102の透過率および/または出力光パワーが測定される。いくつかの実施形態では、外部レーザ120は、フィルタ102に後続するモニタフォトダイオード119における相対的な光出力パワーの測定を介して、透過がピーク(最大)またはヌル(最小)に達する波長を識別するために、例えば、フィルタ102の1つまたは複数のFSRを含む、波長の範囲にわたって段階付けられる(stepped over)チューナブルレーザ光源である。較正によって決定されるピークまたはヌル波長の既知の温度依存性に基づいて、測定されたピークまたはヌル波長は、次いで、光学フィルタ102の測定された温度に変換され得る。代替の実施形態では、外部レーザ120は、単一の指定された波長で動作され、その波長での光学フィルタ102の透過率は、フィルタ102に先行および後続するモニタフォトダイオード117、119を使用して測定される。外部レーザ120の選択された波長でのフィルタ透過率の既知の温度依存性に基づいて、フィルタ102の温度は、次いで、測定された透過率から計算され得る。
【0010】
[0017]光学フィルタ102の温度に対する他のトランシーバ構成部品の影響を調査するために、熱設計は、トランシーバレーザ106がフルミッションモード電力にある状態で、ミッションモードでトランシーバ100を動作させることを伴う。したがって、光学フィルタ102が外部レーザ120からの光信号によって光学的に調査される(optically interrogated)とともに、それは、トランシーバレーザ106からの光信号を同時に受信する。これら2つの光信号は、外部レーザ信号の透過された部分の測定が、トランシーバレーザ106からの信号によって影響を受けないように、反対方向に伝搬する。外部レーザ120は、トランシーバレーザ106から受信された光による損傷を防止する光アイソレータを含み得る。逆に、トランシーバレーザ106に到達する外部レーザ120からの光は、フィルタ温度の測定中にトランシーバレーザ106の光学性能を幾分か劣化させ得るが、これは、一般に、設計フェーズ中の問題ではない。トランシーバ100への好適な拡張(例えば、変調器108およびレーザ106を、外部レーザ120によって送信機経路104へと注入される光から保護するアイソレータ)で、またはトランシーバ動作波長から遠離調された(far detuned)外部レーザ波長を使用することによって、原理上は、光学フィルタ102を、トランシーバの寿命を通じて通常のミッションモード中にそれ自体の温度をモニタするために使用することもまた可能であることに留意されたい。
【0011】
[0018]
図1がフォトニックトランシーバ100の単一のレーンのみを示す一方で、マルチレーントランシーバが、送信機構成部品および受信機構成部品を複製することによって実装され得ることが、当業者には容易に明らかとなるであろう。この場合、各レーンにおける光学フィルタ102の温度は、上記で説明されたのと同じように測定され得、外部レーザ120を順次に(または、複数の外部レーザを同時に)様々な送信機経路へと結合する。
【0012】
[0019]別個のミッションモード機能を持つフォトニックデバイスを用いた温度測定の別の例を提供するために、
図2は、様々な実施形態による、集積マルチプレクサを用いた光学温度測定を可能にするように構成された、例となるフォトニックトランシーバ200の概略ブロック図である。トランシーバ200は、4つのレーンを含み、各々がレーザ202と、光搬送波信号上にデータを付与するための関連するEAM204とを含む。レーザ202は、4つの異なる波長λ
0、λ
1、λ
2、およびλ
3で光を放射し、4つの波長での変調された光信号は、組み合わされた光トランシーバ出力信号へと2つのステージにおいて多重化される。レーザ波長は、例えば、λ
0≒1295nm、λ
1≒1300nm、λ
2≒1305nm、およびλ
3≒1310nmにおいて、等間隔であり得る。この例では、その温度が測定されるべき構成部品は、第1のステージにおけるマルチプレクサ206であり、これらは、それぞれλ
0、λ
1およびλ
2、λ
3を、第2のステージのマルチプレクサ208への入力として供給される2つの部分的に多重化された信号に多重化する。マルチプレクサ206(ならびに208)は、例えば、各々が、(トランシーバレーザ202からの光の伝搬方向において)2つの入力ポート209と1つの共通の出力ポートとを有するAMZIとして実装され得る。
【0013】
[0020]第1のステージのマルチプレクサ206の温度を測定するために、それらは、送信機出力ポートと、第2のステージのマルチプレクサ208(ここで、このマルチプレクサの出力ポートも、送信機出力ポートを構成し得る)とを介して、トランシーバへと結合され、かつ、トランシーバレーザ202によって放射される光信号のものとは反対の方向に伝搬する、外部チューナブルレーザ(図示せず)で調査される。外部レーザは、マルチプレクサ206の、一方または両方の入力ポート209(外部レーザ信号の伝搬方向では、出力ポートに対応する)において出力された光のスペクトル透過ピークを決定するために、波長範囲にわたって掃引される。マルチプレクサ206がそれらのターゲット動作温度にある場合、これらの透過ピークは、λ
0、λ
1、λ
2、およびλ
3において生じることになる。ターゲット動作温度からの任意の偏差は、概して、(温度がターゲット動作温度より高いかまたはそれより低いかに依存して)より短いまたはより長い波長へのピークのシフトを引き起こすことになる。トランシーバ200は、トランシーバレーザ202、EAM204、およびマルチプレクサ206、208の間の様々な入力および出力において、タップ210と、関連するモニタフォトダイオード212とを含むが、それらのタップ210は、トランシーバレーザ202から送信機出力ポートへの方向に進む光を測定するようにのみ構成され、したがって、外部レーザ信号の、マルチプレクサ206において透過された部分を測定するために使用されることができないことに留意されたい。回路において外部レーザからの光を測定するために、タップ210を構成し、モニタフォトダイオード212を追加する代わりに、
図1のトランシーバ100で行われ、かつ、原理上は、トランシーバ200においても同様に実装され得るように、図示される実施形態は、マルチプレクサ206によって透過された外部レーザ信号の光パワーを測定するために、EAM204を使用する。EAM204は、高電圧バイアスで動作され、これは、高光吸収をもたらし、EAMによって生成される光電流は、測定された信号の光パワーに比例する。
【0014】
[0021]
図3A~
図3Cは、様々な実施形態による、それぞれ、35℃、70℃、および80℃の受信機ケース温度で2つのスペクトル範囲にわたって測定された、低電力モード(「LPM」)で動作される
図2のトランシーバ200のマルチプレクサの例となるスペクトル応答のグラフを示す。低電力モードでは、電力は、EAM204を動作させおよび読み取る(read)のに十分であるが、トランシーバレーザ202および他の構成部品はオフにされている。低電力モードでのトランシーバ200の自己発熱はごくわずかであり、かつ、トランシーバ200は、マルチプレクサ温度が受信機ケース温度に近くなるように、平衡化する時間があったと仮定する。各図における4つのグラフは、マルチプレクサ206の入力ポート209における光パワー出力の測定から生じるEAM204での光電流(「IPh」)を示す。見て分かるように、光電流において反映されているように、4つの光信号の透過ピークおよびヌルは、FSRにわたってほぼ均等に分散されている(予想どおりに(as is to be expected)、トランシーバレーザ202のレーザ波長の均一な間隔をミラーリングしている)。35℃(
図3A)、70℃(
図3B)、および80℃(
図3C)におけるグラフを比較すると、より長い波長へのスペクトル応答のシフトが観察され得る。例えば、λ
2に関連付けられたマルチプレクサの入力ポート209において測定された信号の透過最小値(transmission minimum)は、35℃での約1297.5nmから、70℃で約1300nmに、および80℃でほぼ1301nmにシフトする。
【0015】
[0022]
図3Dは、様々な実施形態による、70℃の受信機ケース温度で測定された、高電力モード(「HPM」)で動作される
図2のトランシーバ200のマルチプレクサの例となるスペクトル応答のグラフを示す。高電力モードでは、トランシーバレーザ202は、オンにされ、マルチプレクサ206を含む、他のトランシーバ構成部品を加熱する傾向にある。したがって、マルチプレクサ206の局所温度は、周囲温度より高いことが予期される。実際、高電力モードでλ
2に関連付けられたマルチプレクサの入力ポート209において測定された信号を、70℃(
図3B)の同じ受信機ケース温度において、低電力モードで測定されたものと比較すると、透過最小値が、ほぼ1301nmにシフトしたことが分かり、マルチプレクサ206の温度が約80℃であることを示している。
【0016】
[0023]波長基準およびデマルチプレクサの例とともに上記で例示された、フォトニックデバイスのそれら同じデバイスをセンサとして使用する光学温度測定への説明されたアプローチは、一般に、何らかの温度依存のスペクトル特性を特徴とする任意のフォトニックデバイスに適用可能であり、かつ、何らかの温度依存のスペクトル特性の測定に適している。このような特性は、例えば、光の透過、反射、または吸収スペクトルのピークおよびヌルの波長または振幅のようなスペクトル特性、ならびに所与の波長での透過、反射、または吸収レベルを含み得る。温度測定のための光学調査に適しているフォトニックデバイスは、例えば、光学フィルタ、マルチプレクサ/デマルチプレクサ、または変調器のミッションモード機能を果たし得るような、例えば、対称もしくは非対称MZI、AWG、またはEAMに基づくデバイスを含む。
【0017】
[0024]上記アプローチへの様々な修正が行われ得る。例えば、対象となるフォトニックデバイスの調査は、実際、多くの場合には、PICの外部にあるレーザを利用する一方で、原理上は、内部レーザを使用することも可能である(例えば、その出力信号が、フォトニックデバイスのミッションモード機能のために使用される光とは反対方向に伝搬するようにルーティングされる)。内部レーザが温度モニタリングに好適であるためには、自己発熱を防止するために低電力であり得、光スペクトラムアナライザ(OSA)などの外部波長モニタを使用して、2つ以上の温度で較正され得る。代替として、内部レーザは、PICの比較的温度が安定した部分(temperature-stable portion)(例えば、低パワー密度の領域)に配置され得るとともに、それは、PICの反対側(the other side)にある(例えば、高パワー密度の領域における)熱点をモニタする。さらに、上述の例となる実施形態がPICに統合された光検出器を使用する一方で、温度決定目的のために測定されることになる光信号を、外部光検出器による検出のためにオフチップにルーティングすることも可能である。外部光検出器は、例えば、フォトニックデバイスのスペクトル特性が、透過モードではなく反射で測定されるときに、使用され得る。
【0018】
[0025]
図4は、様々な実施形態による、光学温度測定のために、別個のミッションモード機能を有するフォトニックデバイスを較正および動作させる方法400のフローチャートである。較正フェーズ402中、フォトニックデバイスを含むPIC(例えば、フォトニックトランシーバPIC)は、初期温度に設定された、温度制御された環境(例えば、オーブンなど)に置かれ、例えば、約1時間のあいだ、熱平衡化させる(動作404)。十分な時間が経過した後、対象となるフォトニックデバイスを含むPIC全体が、実質的に設定温度にある(例えば、数ケルビン以内、または、一般に、平衡時間に影響を及ぼすことになる、所与の用途についての偏差の何らかの許容可能なマージン内)と仮定され得る。集積光検出器が、較正のために使用されることになる場合には、PICは、オンにされ、集積光検出器を使用するのに十分な低電力モードで動作されるが、加熱を最小限にするために、他の電力消費を回避する(動作406)。この状態において、フォトニックデバイスは、フォトニックデバイスのスペクトル特性を決定するために、光学的に調査される(動作408)。通常(必ずしもではないが)、この目的のための光は、外部レーザ光源からフォトニックデバイスに結合される。例えば、フォトニックトランシーバの送信機経路において、光変調器、マルチプレクサ、または波長基準の透過スペクトルを測定するために、外部レーザからの光信号が、PICレーザからのミッションモード光信号の伝搬方向とは反対の伝搬方向において、送信機経路を介してフォトニックデバイスに結合され得る。外部レーザの波長は、典型的に、フォトニックデバイスの1つまたは複数のFSRを含む、波長範囲にわたって段階付けられ得、このようにして(thus)測定されたスペクトル応答のヌルおよび/またはピークでの波長が記録される。
【0019】
[0026]次いで、温度制御された環境は、第2の温度に変更され(動作410)、PICは、第2の温度で熱平衡化させられ(動作404)、低電力モード中のスペクトル特性を測定するためのフォトニックデバイスの調査は、第2の温度で繰り返される(動作408)。オプションで、スペクトル特性は、熱特性評価(thermal characterization)の所望の精度、ならびにコストと時間の考慮事項に依存して、1つまたは複数の追加の温度で測定される。例えば、いくつかの実施形態では、較正(フェーズ402)は、1つの部分に対して一度だけ行われ、その後、多くの部分に適用され、このケースでは、数個または数十個の温度で測定することが実現可能であり得る。一方、較正が部分ごとに行われる場合、それは、例えば、FSRより少ないスペクトル特性における相対シフトを引き起こす2つの温度において取得された、わずか2つの測定値に依拠し得る。
【0020】
[0027]次いで、2つ以上の温度でのスペクトル特性の決定された値は、連続した温度範囲にわたるスペクトル特性の温度依存性を決定するために使用され、これは、測定が行われた温度間を補間すること、および/またはそれら温度を超えて補外することを伴い得る(動作412)。例えば、2つのそれぞれの温度T1およびT2での透過ピークまたはヌル波長λ1およびλ2の測定値に基づいて、温度依存の波長シフトが、dλ/dT=(λ2-λ1)/(T2-T1)として計算され得る。決定された温度依存性は、後の使用のためにメモリに記憶される。いくつかの実施形態では、温度依存性は、PICに関連付けられたEICのメモリに記憶され、例えば、EICは、トランシーバPICのために制御信号およびデータ読み出しを提供し、ここで、対象となるトランシーバ構成部品の温度依存性は、ターゲットバイアスおよび変調設定などのような、他の較正データと共に記憶され得る。しかしながら、スペクトル特性の較正された温度依存性の記憶もまた可能である。
【0021】
[0028]一旦較正フェーズ402が完了すると、較正データは、フェーズ414でのPICのミッションモード熱性能を特性評価することの一部として、フォトニックデバイスの温度を測定するために使用され得る。ここでPICは、ミッションモードで動作され、すなわち、ミッションモード(これは、一般に高電力モードである)でのように電源オンにされ、例えば、内部PICレーザ(トランシーバレーザなど)からの、ミッションモード光信号が、一方向においてフォトニックデバイスに結合される(動作416)。フォトニックデバイスのスペクトル特性を測定するために、デバイスは、例えば、外部レーザによってPICに結合される、逆方向に伝搬する調査信号で調査される(動作418)。記憶された、スペクトル特性の較正された温度依存性を使用することで、測定されたスペクトル特性は、次いで、デバイスの温度に変換され得る(動作420)。透過波長測定の上記の例を続けると、ミッションモード中に測定されたlの透過ピークまたはヌル波長が、T=T1+(λ-λ1)/(dλ/dT)に従って、フォトニックデバイスの温度に変換され得る。
【0022】
[0029]前述の例は全て、その温度が測定されるべきフォトニックデバイスが、それ自体の温度センサとしての機能をも果たす実施形態を例示している。様々な代替の実施形態では、PICは、代わりに、1つまたは複数の専用光学温度センサ、すなわち、いかなる独立したミッションモード機能も果たさない追加された構成部品を含む。各このような専用温度センサは、その温度がモニタされるべきフォトニックデバイスに「感知近接(sensing proximity)」して配置され、つまり、温度センサが、実質的に同じ温度(例えば、数K以内)であるように、そこの温度が対象となる、フォトニックデバイスにおけるロケーションに物理的に十分近いことを意味する。様々な実施形態では、モニタすべきフォトニックデバイスは、ダイオード接合部を含む光学的にアクティブなデバイスであり、その接合部における温度が測定されることになる。いくつかの実施形態では、温度センサは、それがアクティブフォトニックデバイスにおけるダイオード接合部などの対象となるロケーションから10μm未満、好ましくは3μm未満離れている場合、そのロケーションから感知近接内にある。
【0023】
[0030]
図5は、様々な実施形態による、レーザ506と変調器508の近くに追加された光学温度センサ502、504を装備した、例となるフォトニックトランシーバ500の概略ブロック図である。ここで、レーザ506および変調器508は、第1の光導波路510に結合され、これは、伝送路を実装する一方で、光学温度センサ502、504は、第1の導波路510とは別個のそれぞれの第2および第3の光導波路512、514内に配置されるか、またはそれらに結合される。受信機の光検出器516は、第4の光導波路518に結合され、これは、(通常どおり)受信機経路を実装する。4つ全ての導波路510、512、514、518が、それら自体のそれぞれの入力/出力ポートを有する。
【0024】
[0031]
図1のトランシーバ100と同様に、送信機のレーザ506および変調器508、ならびに受信機の光検出器516は、シリコンデバイス層における導波路が、その上の化合物半導体(例えば、III-V族)層において形成された光学的にアクティブな領域に結合されている状態で、化合物半導体オンシリコンハイブリッドプラットフォーム(compound-semiconductor-on-silicon hybrid platform)において実装され得る。アクティブフォトニックデバイスは、例えば、ダイオード構造に電圧を印加するための、p型およびn型層への電気的接続を有するIII-V族p-i-nダイオード構造であるか、またはそれを含み得、当該技術分野で知られているように、真性アクティブ層(intrinsic, active layer)においてダイオード接合部を形成する。このダイオード接合部の温度は、それぞれのデバイスの光学性能に著しい影響を及ぼし、したがって、モニタすることが重要である。電子温度センサの実装では、センサの配置をダイオード接合部に近づけ過ぎることは、電気的干渉を引き起こすリスクがある。一方、光学温度センサ502、504は、この問題を提起せず、したがって、格段により近くに配置され得、より正確な温度測定を促進する。例えば、いくつかの実施形態では、光学センサ502、504は、ダイオード接合部から約1μmほどの近さにある。
【0025】
[0032]温度センサとしての機能をも果たす、ミッションモード機能を有するフォトニックデバイスと同様に、光学温度センサ502、504は、一般に、指定された波長での透過または反射レベル、あるいは透過または反射ピークまたはヌルなどの、温度依存のスペクトル特性を温度測定のために利用する。温度センサ502、504として有用なフォトニックデバイスの例は、ブラッグ回折格子、リング共振器、およびAMZIを含み、これらは全て、電気的接続のいかなる必要性もなしに、パッシブ光学部品として実装され得る。光学温度センサ502、504は、外部レーザ520および外部光検出器522または集積光検出器を使用してイタロゲートされ得る。例えば、示されるように、外部レーザ520によって生成される調査信号は、光導波路512の入力/出力ポート521において光導波路512へと結合されて、トランシーバ500の変調器508に関連付けられた光学温度センサ504へと伝搬し得、および、温度センサ504によって反射された光は、導波路512の入力/出力ポート521に戻り、外部光検出器522に結合され得る。3ポート光サーキュレータ524が、第1のサーキュレータポート526において受信される光を、第2のサーキュレータポート527を介して導波路512に導くように、および第2のサーキュレータポート527において受信される反射された光を、第3のサーキュレータポート528を介して光検出器522に導くように機能し得る。容易に理解されるように、外部レーザ520、サーキュレータ524、および外部光検出器522によって集合的に形成される調査装置は、トランシーバレーザ506における光学温度センサ502に関連付けられた光導波路512の入力/出力ポート530に移動され得、この場合、その温度センサ502が、同様に調査され得る。
【0026】
[0033]調査信号の反射された部分を測定する代わりに、透過された部分を測定することも可能である。このケースでは、トランシーバ500は、導波路512(または514)を、温度センサ504(または502)を通り越して、集積光検出器まで、または、光を外部光検出器で測定するために、導波路512(または514)の第2の入力/出力ポートまで延在させるように修正され得る。外部光検出器が使用されるか、あるいは集積光検出器が使用されるかは、一般に、特定の用途における実施上の考慮事項に依存することになる。集積光検出器の使用は、それが、調査装置を単に外部レーザのみに変え(reduces)、同様にセンサのための較正データを記憶するメモリを含み得る、PICに関連付けられたEICにおける温度センサの読出しを統合することによって、温度測定の合理化を促進するという点で有益である。しかしながら、これらの利点は、温度センサに関連付けられた増大された製造の複雑さとチップ面積という代償を払って成り立つ。
【0027】
[0034]
図6Aおよび
図6Bは、それぞれ、様々な実施形態による、PICのアクティブ化合物半導体フォトニックデバイス602に隣接して配置されたブラッグ回折格子ベースの光学温度センサ600の断面上面図および側面図である。アクティブデバイス602は、例えば、(例えば、トランシーバPIC上の)レーザ、変調器、または光検出器であり得る。それは、SOI基板608のシリコンデバイス層606において形成されたシリコン導波路604の上に形成され、かつ、シリコン導波路604に光学的に結合された、III-V族(または他の化合物半導体)材料のダイオード構造を含む。
図6Bに示されるように、ダイオード構造は、例えば、n型最下層610と、n型最下層610の上に配設された、真性の、またはアクティブな層612を含むダイオードメサと、p型最上層614とを含み得る。使用中、シリコン導波路604において誘導される光は、(光学モード616、617によって示されるように)アクティブ層612へと垂直に結合する。ダイオード構造への電圧または電流の印加を可能にするために、デバイス602は、n型最下層およびp型最上層610、614への電気的接続を含む。電気的接続は、(例えば、ダイオードメサの両側にまたはダイオードメサを取り囲んで)n型最下層610の上に配設された接触金属層618と、p型最上層614の上に配設されたp型接触金属層619と、ドライバー回路の電気端子にn型およびp型接触金属層618、619を電気的に接続している垂直ビア620、622とを含む。ダイオード構造は、誘電体クラッディング(dielectric cladding)624で囲まれている(enclosed in)。
【0028】
[0035]温度センサ600は、第2のシリコン導波路630における周期的な屈折率変化によって形成されるブラッグ回折格子である。この第2のシリコン導波路630において伝搬する光は、有効屈折率によって乗算された回折格子周期の2倍の波長において強い反射を受ける。回折格子周期は、熱膨張または熱収縮により、温度とともにわずかに変化するので、反射がピークとなる波長は、センサ温度の良い指標である。
図6Aに示されるように、第2のシリコン導波路630は、第1のシリコン導波路604(これは、アクティブフォトニックデバイス602に結合されている)と平行に延びており、かつ、アクティブデバイス602のダイオード構造のn型最下層610の下にあり得る。したがって、光学モード632によって示される、第2のシリコン導波路630において誘導されかつブラッグ回折格子において反射される光は、フォトニックデバイスのアクティブ領域612に非常に近いところまでくる。
【0029】
[0036]
図7は、様々な実施形態による、フォトニックデバイスの温度測定のために、ミッションモード機能なしの専用光学温度センサを較正および使用する方法700のフローチャートである。温度センサおよびフォトニックデバイスは、例えば、
図5のフォトニックトランシーバ500の、レーザ506に隣接したセンサ502に、または光変調器508に隣接したセンサ504に対応し得る。較正フェーズ702中、(例えば、フォトニックトランシーバ500を実装する)PICは、初期温度に設定された、温度制御された環境(例えば、オーブンなど)に置かれ、(1つまたは複数の)温度センサおよび(1つまたは複数の)フォトニックデバイスが全て、(許容可能なマージン内で)設定温度に達するように、実質的に熱平衡化させられる(動作704)。外部レーザ(例えば、510)および外部光検出器(例えば、528)が較正のために使用される場合、PICへの電力は、ゼロに設定される(動作706)。(さもなければ、集積光検出器が使用されている場合、PICは、低電力モードで動作される。)光学温度センサは、例えば、外部レーザからの光をこのセンサに関連付けられた光導波路に結合し、外部(または集積)光検出器を用いて光の反射されたまたは透過された部分を測定することよって、調査される(動作708)。いくつかの実施形態では、外部レーザの波長は、例えば、光学温度センサの1つまたは複数のFSRを含む、波長範囲にわたって段階付けられ、測定されたスペクトル応答のヌル(例えば、温度センサを実装しているAMZIまたはオールパスリング(all-pass ring)の場合)および/またはピーク(例えば、ブラッグ反射器またはアドドロップリング(add-drop ring)の場合)での波長が記録され得る。
【0030】
[0037]次いで、温度制御された環境は、第2の温度に変更され(動作710)、PICは、第2の温度で熱平衡化させられ(動作704)、スペクトル特性を測定するための光学温度センサの調査は、第2の温度で繰り返される(動作708)。オプションで、スペクトル特性は、熱特性評価の所望の精度、ならびにコストと時間の考慮事項に依存して、1つまたは複数の追加の温度で測定される。次いで、2つ以上の温度でのスペクトル特性の決定された値は、連続した温度範囲にわたるスペクトル特性の温度依存性を決定するために使用され、これは、測定が行われた温度間を補間すること、および/またはそれら温度を超えて補外することを伴い得る(動作712)。例えば、2つのそれぞれの温度T1およびT2での反射ピーク波長λ1およびλ2の測定値に基づいて、温度依存の波長シフトが、dλ/dT=(λ2-λ1)/(T2-T1)として計算され得る。決定された温度依存性は、後の使用のためにメモリ(例えば、PICに関連付けられたEICのものまたは外部メモリ)に記憶される。
【0031】
[0038]温度センサの較正時に、センサは、フェーズ714でのPICのミッションモード熱性能を特性評価することの一部として、隣接するフォトニックデバイスの温度を測定するために、較正データと併せて使用され得る。ここでPICは、ミッションモードで動作され、すなわち、ミッションモード(これは、一般に高電力モードである)でのように電源オンにされ、例えば、内部PICレーザ(トランシーバレーザなど)からの、ミッションモード光信号が、関連する第1の導波路を介してフォトニックデバイスに結合される(動作716)。同時に、温度センサは、例えば、外部レーザによって、PICに結合される調査信号で、その関連する導波路(これは、モニタすべきフォトニックデバイスの導波路とは別個である)を介して調査される(動作718)。光学温度センサの記憶された、スペクトル特性の較正された温度依存性を使用することで、測定されたスペクトル特性は、次いで、温度センサの温度、および、ひいては、その近接さにより、フォトニックデバイスの温度に変換され得る(動作720)。例えば、測定された反射ピーク波長は、T=T1+(λ-λ1)/(dλ/dT)に従って、温度センサおよびフォトニックデバイスの温度に変換され得る。
【0032】
[0039]以下の番号付けされた実施例は、様々な例示的な実施形態をさらに定義する。
【0033】
[0040] 1.フォトニック集積回路(PIC)であって、基板のデバイス層における第1の光導波路と、前記第1の光導波路に結合されたアクティブフォトニックデバイスと、前記アクティブフォトニックデバイスは、ダイオード接合部を備え、前記基板の前記デバイス層における第2の光導波路と、前記第2の光導波路は、前記ダイオード接合部に感知近接した光学温度センサを備える、を備えるフォトニック集積回路。
【0034】
[0041] 2.前記光学温度センサは、ブラッグ回折格子、リング共振器、または非対称マッハツェンダー干渉計のうちの少なくとも1つを備える、実施例1に記載のフォトニック集積回路。
【0035】
[0042] 3.前記アクティブフォトニックデバイスは、前記第1の光導波路の上に配設されかつ前記ダイオード接合部を備える化合物半導体ダイオード構造と、前記ダイオード構造に電圧を印加するための電気的接続とを備える、実施例1または実施例2に記載のフォトニック集積回路。
【0036】
[0043] 4.前記アクティブフォトニックデバイスは、レーザ、光変調器、波長基準光学フィルタ、または光マルチプレクサ/デマルチプレクサのうちの1つである、実施例1~3のいずれかに記載のフォトニック集積回路。
【0037】
[0044] 5.前記アクティブフォトニックデバイスは、対称または非対称マッハツェンダー干渉計、アレイ導波路回折格子、または電界吸収変調器のうちの少なくとも1つを備える、実施例1~4のいずれかに記載のフォトニック集積回路。
【0038】
[0045] 6.フォトニック集積回路(PIC)におけるフォトニックデバイスの温度を測定するための方法であって、前記方法は、第1の光導波路を介して前記フォトニックデバイスに光を結合することと、光学温度センサのスペクトル特性を決定するために、第2の光導波路を介して、前記フォトニックデバイスに感知近接して配置された前記光学温度センサを光学的に調査することと、前記スペクトル特性の較正された温度依存性に基づいて、前記決定されたスペクトル特性を前記測定された温度に計算的に変換することと、を備える、方法。
【0039】
[0046] 7.前記光学温度センサを光学的に調査することは、前記PICの外部にあるレーザを使用して、前記第2の光導波路に光を結合することと、外部光検出器を使用して、前記光学温度センサにおいて反射された光または前記光学温度センサによって透過された光のうちの少なくとも1つを測定することとを備える、実施例6に記載の方法。
【0040】
[0047] 8.前記光学温度センサを光学的に調査することは、波長範囲にわたって前記外部レーザの波長をチューニングすることと、前記波長範囲にわたって前記反射されたまたは透過された光を測定することとを備える、実施例7に記載の方法。
【0041】
[0048] 9.前記スペクトル特性の前記温度依存性を、前記PICを、第1の温度で温度制御された環境に置くことと、前記第1の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第1の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、前記PICを、第2の温度で温度制御された環境に置くことと、前記第2の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第2の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、前記第1および第2の値ならびに前記第1および第2の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することと、によって較正することをさらに備える、実施例6~8のいずれかに記載の方法。
【0042】
[0049] 10.前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することは、前記第1および第2の温度間で前記スペクトル特性を補間すること、または前記第1または第2の温度を超えて前記スペクトル特性を補外することのうちの少なくとも1つを備える、実施例9に記載の方法。
【0043】
[0050] 11.前記温度依存性を較正することは、前記PICを、第3の温度で温度制御された環境に置くことと、前記第3の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第3の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、ここにおいて、前記温度依存性は、前記第3の値および前記第3の温度にさらに基づく、をさらに備える、実施例9または実施例10に記載の方法。
【0044】
[0051] 12.前記フォトニックデバイスは、ダイオード構造と、前記ダイオード構造に電圧を印加するための電気的接続とを備えるアクティブフォトニックデバイスであり、ここにおいて、前記ダイオード構造への電力は、前記温度依存性の較正中はオフであり、前記較正された温度依存性に基づいて前記フォトニックデバイスの前記温度を測定するためにはオンである、実施例9~11のいずれかに記載の方法。
【0045】
[0052] 13. フォトニック集積回路(PIC)におけるフォトニックデバイスの温度を測定するための方法であって、前記方法は、第1の伝搬方向において、第1の光信号を前記フォトニックデバイスに結合することと、前記第1の伝搬方向とは反対の第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される第2の光信号を使用して、前記フォトニックデバイスのスペクトル特性を決定するために、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、前記スペクトル特性の較正された温度依存性に基づいて、前記決定されたスペクトル特性を前記測定された温度に計算的に変換することと、を備える、方法。
【0046】
[0053] 14.前記第1の光信号は、前記PICのレーザによって生成され、前記第2の光信号は、前記PICの外部にあるレーザによって生成される、実施例13に記載の方法。
【0047】
[0054] 15.前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の光信号の透過された部分の、または前記第2の光信号の反射された部分の光パワーを測定することを備える、実施例13または実施例14に記載の方法。
【0048】
[0055] 16.前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の伝搬方向において、前記フォトニックデバイスの出力における光タップとモニタフォトダイオードとを使用して、前記第2の光信号の前記透過された部分の前記光パワーを測定することを備える、実施例15に記載の方法。
【0049】
[0056] 17.前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の伝搬方向において、前記フォトニックデバイスの出力における前記PICの第2のフォトニックデバイスを使用して、前記第2の光信号の前記透過された部分の前記光パワーを測定することを備え、前記第2のフォトニックデバイスは、光検出器として動作可能であり、ならびに、別個のミッションモード機能を有する、実施例15に記載の方法。
【0050】
[0057] 18.前記フォトニックデバイスは、マルチプレクサ/デマルチプレクサであり、前記第2のフォトニックデバイスは、電界吸収変調器である、実施例17に記載の方法。
【0051】
[0058] 19.前記第2の光信号は、波長の範囲にわたってチューニングされ、前記第2の光信号の前記反射されたまたは透過された部分の前記光パワーは、前記波長の範囲にわたって測定される、実施例15~18のいずれかに記載の方法。
【0052】
[0059] 20.前記フォトニックデバイスは、光学フィルタであり、前記波長の範囲は、前記光学フィルタの少なくとも自由スペクトル範囲を備える、実例的19に記載の方法。
【0053】
[0060] 21.前記スペクトル特性は、前記光学フィルタのヌルまたはピークを備える、実施例20に記載の方法。
【0054】
[0061] 22.前記スペクトル特性の前記温度依存性を、前記PICを、第1の温度で温度制御された環境に置くことと、前記第1の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第1の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、前記PICを、第2の温度で温度制御された環境に置くことと、前記第2の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第2の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、前記第1および第2の値ならびに前記第1および第2の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することと、によって較正することをさらに備える、実施例13~21のいずれかに記載の方法。
【0055】
[0062] 23.前記フォトニックデバイスは、光学フィルタであり、前記フォトニックデバイスは、前記光学フィルタの少なくとも1つの自由スペクトル範囲を備える波長の範囲にわたって調査され、前記第1および第2の温度間の前記スペクトル特性に関連付けられたスペクトルシフトは、前記自由スペクトル範囲より少ない、実施例22に記載の方法。
【0056】
[0063] 24.前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することは、前記第1および第2の温度間で前記スペクトル特性を補間すること、または前記第1または第2の温度を超えて前記スペクトル特性を補外することを備える、実施例22または実施例23に記載の方法。
【0057】
[0064] 25.前記温度依存性を較正することは、前記PICを、第3の温度で温度制御された環境に置くことと、前記第3の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第3の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、をさらに備え、ここにおいて、前記温度依存性は、前記第3の値および前記第3の温度にさらに基づく、実施例22~24のいずれかに記載の方法。
【0058】
[0065] 26.前記PICに関連付けられたメモリに前記スペクトル特性の前記温度依存性を記憶することをさらに備える、実施例22~25のいずれかに記載の方法。
【0059】
[0066] 27.前記PICは、較正中に低電力モードで動作される、実施例22~26のいずれかに記載の方法。
【0060】
[0067]本発明の主題は、特定の例となる実施形態を参照して説明されてきたが、様々な修正および変更が、本発明の主題のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して行われ得ることが明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきである。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
フォトニック集積回路(PIC)であって、
基板のデバイス層における第1の光導波路と、
前記第1の光導波路に結合されたアクティブフォトニックデバイスと、前記アクティブフォトニックデバイスは、ダイオード接合部を備え、
前記基板の前記デバイス層における第2の光導波路と、前記第2の光導波路は、前記ダイオード接合部に感知近接した光学温度センサを備える、
を備えるフォトニック集積回路。
[C2]
前記光学温度センサは、ブラッグ回折格子、リング共振器、または非対称マッハツェンダー干渉計のうちの少なくとも1つを備える、C1に記載のフォトニック集積回路。
[C3]
前記アクティブフォトニックデバイスは、レーザ、光変調器、波長基準光学フィルタ、または光マルチプレクサ/デマルチプレクサのうちの1つである、C1に記載のフォトニック集積回路。
[C4]
前記アクティブフォトニックデバイスは、対称または非対称マッハツェンダー干渉計、アレイ導波路回折格子、または電界吸収変調器のうちの少なくとも1つを備える、C1に記載のフォトニック集積回路。
[C5]
フォトニック集積回路(PIC)におけるフォトニックデバイスの温度を測定するための方法であって、前記方法は、
第1の光導波路を介して前記フォトニックデバイスに光を結合することと、
光学温度センサのスペクトル特性を決定するために、第2の光導波路を介して、前記フォトニックデバイスに感知近接して配置された前記光学温度センサを光学的に調査することと、
前記スペクトル特性の較正された温度依存性に基づいて、前記決定されたスペクトル特性を前記測定された温度に計算的に変換することと、
を備える、方法。
[C6]
前記光学温度センサを光学的に調査することは、前記PICの外部にあるレーザを使用して、前記第2の光導波路に光を結合することと、外部光検出器を使用して、前記光学温度センサにおいて反射された光または前記光学温度センサによって透過された光のうちの少なくとも1つを測定することとを備える、C5に記載の方法。
[C7]
前記光学温度センサを光学的に調査することは、波長範囲にわたって前記外部レーザの波長をチューニングすることと、前記波長範囲にわたって前記反射されたまたは透過された光を測定することとを備える、C6に記載の方法。
[C8]
前記スペクトル特性の前記温度依存性を、
前記PICを、第1の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第1の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第1の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、
前記PICを、第2の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第2の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記スペクトル特性の第2の値を決定するために、前記第2の光導波路を介して前記光学温度センサを光学的に調査することと、
前記第1および第2の値ならびに前記第1および第2の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することと、
によって較正することをさらに備える、C7に記載の方法。
[C9]
前記フォトニックデバイスは、ダイオード構造と、前記ダイオード構造に電圧を印加するための電気的接続とを備えるアクティブフォトニックデバイスであり、ここにおいて、前記ダイオード構造への電力は、前記温度依存性の較正中はオフであり、前記較正された温度依存性に基づいて前記フォトニックデバイスの前記温度を測定するためにはオンである、C6に記載の方法。
[C10]
フォトニック集積回路(PIC)におけるフォトニックデバイスの温度を測定するための方法であって、前記方法は、
第1の伝搬方向において、第1の光信号を前記フォトニックデバイスに結合することと、
前記第1の伝搬方向とは反対の第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される第2の光信号を使用して、前記フォトニックデバイスのスペクトル特性を決定するために、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、
前記スペクトル特性の較正された温度依存性に基づいて、前記決定されたスペクトル特性を前記測定された温度に計算的に変換することと、
を備える、方法。
[C11]
前記第1の光信号は、前記PICのレーザによって生成され、前記第2の光信号は、前記PICの外部にあるレーザによって生成される、C10に記載の方法。
[C12]
前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の光信号の透過された部分の、または前記第2の光信号の反射された部分の光パワーを測定することを備える、C10に記載の方法。
[C13]
前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の伝搬方向において、前記フォトニックデバイスの出力における光タップとモニタフォトダイオードとを使用して、前記第2の光信号の前記透過された部分の前記光パワーを測定することを備える、C12に記載の方法。
[C14]
前記フォトニックデバイスを光学的に調査することは、前記第2の伝搬方向において、前記フォトニックデバイスの出力における前記PICの第2のフォトニックデバイスを使用して、前記第2の光信号の前記透過された部分の前記光パワーを測定することを備え、前記第2のフォトニックデバイスは、光検出器として動作可能であり、ならびに、別個のミッションモード機能を有する、C12に記載の方法。
[C15]
前記第2の光信号は、波長の範囲にわたってチューニングされ、前記第2の光信号の前記反射されたまたは透過された部分の前記光パワーは、前記波長の範囲にわたって測定される、C12に記載の方法。
[C16]
前記フォトニックデバイスは、光学フィルタであり、前記波長の範囲は、前記光学フィルタの少なくとも自由スペクトル範囲を備える、C15に記載の方法。
[C17]
前記スペクトル特性の前記温度依存性を、
前記PICを、第1の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第1の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第1の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、
前記PICを、第2の温度で温度制御された環境に置くことと、
前記第2の温度での実質的な熱平衡化に続いて、前記フォトニックデバイスの前記スペクトル特性の第2の値を決定するために、前記第2の伝搬方向において前記フォトニックデバイスに結合される光信号を使用して、前記フォトニックデバイスを光学的に調査することと、
前記第1および第2の値ならびに前記第1および第2の温度に少なくとも部分的に基づいて、前記スペクトル特性の前記温度依存性を決定することと、
によって較正することをさらに備える、C10に記載の方法。
[C18]
前記フォトニックデバイスは、光学フィルタであり、前記フォトニックデバイスは、前記光学フィルタの少なくとも1つの自由スペクトル範囲を備える波長の範囲にわたって調査され、前記第1および第2の温度間の前記スペクトル特性に関連付けられたスペクトルシフトは、前記自由スペクトル範囲より少ない、C17に記載の方法。
[C19]
前記PICに関連付けられたメモリに前記スペクトル特性の前記温度依存性を記憶することをさらに備える、C17に記載の方法。
[C20]
前記PICは、較正中に低電力モードで動作される、C17に記載の方法。