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特許7480038バーコリメータ、バックライトシステム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】バーコリメータ、バックライトシステム、および方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240430BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
F21S2/00 436
F21S2/00 431
G02F1/13357
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020527098
(86)(22)【出願日】2017-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 US2017062439
(87)【国際公開番号】W WO2019099041
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-07-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シュエジァン
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】中村 則夫
【審判官】北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/041073(WO,A1)
【文献】特開2001-35225(JP,A)
【文献】特開2003-98357(JP,A)
【文献】特開平11-167809(JP,A)
【文献】特開2000-11723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路であって、導波光として光を前記光導波路の長さに沿って導波するように構成された、光導波路と、
前記光導波路の長さに沿って前記光導波路の側に配置された光抽出機能部であって、前記光導波路からの導波光の一部を抽出光として散乱させ、前記抽出光をバックライトの入力部に向けて配向するように構成されている、光抽出機能部と、
前記光導波路と前記バックライト入力部との間に配置されたコリメートフィルムであって、前記抽出光をコリメート光としてコリメートするように構成されている、コリメートフィルムと
前記光導波路と前記バックライト入力部との間に配置された偏光リサイクルフィルムであって、前記偏光リサイクルフィルムは、前記バックライト入力部から受け取った光をリサイクルし、前記リサイクルされた光を前記バックライト入力部に向けて戻すように構成されている、偏光リサイクルフィルムと
を備えるバーコリメータであって、前記コリメート光は、前記バックライト入力部の長さに対応する範囲を有し、前記バックライトの照明光源として機能するように構成されている、バーコリメータと、
前記バックライトの前記入力部で前記バーコリメータから前記コリメート光を受け取り、前記受け取ったコリメート光を導波コリメート光として導波するように構成されたバックライト光導波路と、
前記バックライト光導波路の長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素におけるマルチビーム要素は、互いに異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える出射光として前記導波コリメート光の一部を前記バックライト光導波路から散乱させるように構成されている、複数のマルチビーム要素と
を備え、
前記出射光の前記複数の指向性光ビームの前記異なる主角度方向は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する、マルチビューバックライト。
【請求項2】
前記光抽出機能部が配置されている前記光導波路の側は、前記バックライトに隣接する側である、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項3】
前記光抽出機能部は、前記光導波路のバックライト隣接側と反対の前記光導波路の側に配置されている、請求項1または2に記載のマルチビューバックライト。
【請求項4】
前記光抽出機能部は、前記光導波路の側の表面の材料を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項5】
前記光抽出機能部は、前記光導波路の側の表面に取り付けられたディフューザ層を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項6】
前記コリメートフィルムは、輝度向上フィルムとして構成されたプリズムフィルムを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項7】
前記光導波路のバックライト隣接側と反対の前記光導波路の側に反射層をさらに備え、前記反射層は前記バックライト入力部に向けて光を反射するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項8】
前記光導波路の一端に配置された光源をさらに備え、前記光源は、前記光導波路によって前記導波光として導波される光を提供するように構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項9】
前記光源は、白色光を提供するように構成された多色発光ダイオードを備える、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項10】
前記光源は第1光源であり、前記第1光源が配置されている端部は前記光導波路の第1端部であり、前記バーコリメータは前記光導波路の第2端部に配置された第2光源をさらに備え、前記第2端部は前記第1端部の反対側である、請求項またはに記載のマルチビューバックライト。
【請求項11】
前記バーコリメータの前記光導波路の導波面に隣接する光結合反射層をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項12】
前記コリメート光は、前記バックライトの前記入力部の長さに沿って均一になるように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項13】
光を提供するように構成された光源と、
導波光として前記光源から受け取った光を導波するように構成された光導波路であって、前記光源は前記光導波路の一端にある、光導波路と、
前記光導波路から前記導波光の一部を抽出光として散乱させるように構成された複数の光抽出機能部であって、前記複数の光抽出機能部は前記光導波路の側に沿って配置されている、複数の光抽出機能部と
前記光導波路と前記バックライト入力部との間に配置された偏光リサイクルフィルムであって、前記偏光リサイクルフィルムは、前記バックライト入力部から受け取った光をリサイクルし、前記リサイクルされた光を前記バックライト入力部に向けて戻すように構成されている、偏光リサイクルフィルムと
を備えるバーコリメータと、
コリメーション係数を有するコリメート光として前記抽出光を受け取るように構成されたバックライトであって、前記バーコリメータは前記バックライトの入力端に隣接している、バックライトと
を備え、前記受け取ったコリメート光は、前記バックライトを照らすように構成されている、バックライトシステムであって、
前記バックライトは、
前記バーコリメータから受け取った前記コリメート光を導波コリメート光として導波するように構成されたバックライト光導波路と、
前記バックライト光導波路の長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、前記複数のマルチビーム要素におけるマルチビーム要素は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える出射光として前記導波コリメート光の一部を前記バックライト光導波路から散乱させるように構成されている、複数のマルチビーム要素と
を備えるマルチビューバックライトである、バックライトシステム。
【請求項14】
前記バーコリメータの前記複数の光抽出機能部は、前記バーコリメータの前記光導波路のバックライト隣接側に配置されている、請求項13に記載のバックライトシステム。
【請求項15】
前記バーコリメータは、前記バーコリメータの前記光導波路の別の端部に別の光源をさらに備え、前記別の光源は、前記バーコリメータの前記光導波路内の前記導波光の強度および照明均一性を高めるために、追加の光を提供するように構成されている、請求項13または14に記載のバックライトシステム。
【請求項16】
前記バーコリメータは、前記バックライトに隣接する前記バーコリメータの光導波路の側の反対側の前記バーコリメータの前記光導波路の側に反射層をさらに備え、前記反射層は、前記バックライト入力端に向けて光を反射させるように構成されている、請求項13から15のいずれか一項に記載のバックライトシステム。
【請求項17】
前記バックライト入力端の反対の前記バックライトの遠位入力端に隣接する別のバーコリメータをさらに備え、前記遠位入力端の前記別のバーコリメータは、前記バックライトをコリメート光でさらに照らすように構成されている、請求項13から16のいずれか一項に記載のバックライトシステム。
【請求項18】
前記バーコリメータの前記光導波路と前記バックライトの前記入力端との間にコリメートフィルムおよび偏光リサイクル層の一方または両方をさらに備え、前記コリメートフィルムは前記抽出光をコリメートするように構成されている、請求項13から17のいずれか一項に記載のバックライトシステム。
【請求項19】
光導波路内の光を導波光として導波するステップであって、前記光は前記光導波路の一端の光源から受け取られる、導波するステップと、
抽出光を提供するために前記光導波路の側の光抽出機能部を使用して前記光導波路から前記導波光の一部を散乱させるステップであって、前記抽出光はバックライトの入力部に向けて配向されている、散乱させるステップと、
コリメート光を提供するためにコリメートフィルムを使用して前記抽出光をコリメートするステップであって、前記コリメートフィルムは前記光導波路と前記バックライトとの間に配置されている、コリメートするステップと
前記光導波路と前記バックライト入力部との間に配置された偏光リサイクルフィルムを使用して、前記バックライト入力部から受け取った光をリサイクルし、前記リサイクルされた光を前記バックライト入力部に向けて戻すステップとを含み、
前記コリメート光は、前記バックライトによって受け取られ、前記バックライトを照らし、前記コリメート光は、前記バックライトの入力部の長さに対応する範囲を有する、光をコリメートする方法であって、
前記バックライトのバックライト光導波路内で前記コリメート光を導波するステップであって、前記コリメート光は、前記バックライト入力部で前記バックライト光導波路によって受け取られる、導波するステップと、
前記バックライトのマルチビーム要素を使用して前記導波コリメート光の一部を散乱させることによって、複数の指向性光ビームを備える出射光を提供するステップであって、前記複数の指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する、提供するステップとをさらに含み、
前記バックライトはマルチビューバックライトである、方法。
【請求項20】
前記光抽出機能部が配置されている前記光導波路の側は、前記バックライトに隣接する側である、請求項19に記載の光をコリメートする方法。
【請求項21】
前記光導波路のバックライト隣接側と反対の前記光導波路の側の反射層を使用してバックライトから離れる方向に散乱された光を反射するステップであって、前記反射層は前記バックライト入力部に向けて前記光を反射する、反射するステップをさらに含む、請求項19または20に記載の光をコリメートする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
非該当
【0002】
連邦政府資金による研究開発の記載
非該当
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、様々なデバイスおよび製品のユーザに情報を通信するための、ほぼユビキタスな媒体である。最も一般的に採用される電子ディスプレイは、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)およびアクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、並びに電気機械または電気流体光変調(たとえば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)を採用する様々なディスプレイを含む。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を放出するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(すなわち、光源によって提供された光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類され得る。アクティブディスプレイの最も明白な例には、CRT、PDP、およびOLED/AMOLEDがある。出射光を考慮したときに通常パッシブに分類されるディスプレイは、LCDおよびEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低い消費電力を含むがこれに限定されない魅力的な性能特性を呈することが多いが、発光する能力がなければ多くの実践的な用途での使用はある程度限定される場合がある。
【0004】
出射光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイは外部光源に結合されている。結合された光源は、これらの普通ならパッシブであるディスプレイが発光して実質的にアクティブディスプレイとして機能することを可能にし得る。このような結合された光源の例は、バックライトである。バックライトは、パッシブディスプレイを照らすために普通ならパッシブであるディスプレイの後ろに配置された光源(多くの場合、パネルバックライト)として機能し得る。たとえば、バックライトは、LCDまたはEPディスプレイに結合されてもよい。バックライトは、LCDまたはEPディスプレイを通過する光を出射する。出射した光はLCDまたはEPディスプレイによって変調され、変調された光はその後、同様にLCDまたはEPディスプレイから出射される。多くの場合、バックライトは白色光を出射するように構成されている。次いで、白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換するために、カラーフィルタが使用される。カラーフィルタは、たとえばLCDまたはEPディスプレイの出力に(あまり一般的ではない)、またはバックライトとLCDまたはEPディスプレイとの間に配置され得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、以下の[1]から[25]を含む。
[1]光導波路であって、導波光として光を上記光導波路の長さに沿って導波するように構成された、光導波路と、
上記光導波路の長さに沿って上記光導波路の側に配置された光抽出機能部であって、上記光導波路からの導波光の一部を抽出光として散乱させ、上記抽出光をバックライトの入力部に向けて配向するように構成されている、光抽出機能部と、
上記光導波路と上記バックライト入力部との間のコリメートフィルムであって、上記抽出光をコリメート光としてコリメートするように構成されている、コリメートフィルムと
を備え、
上記コリメート光は、上記バックライト入力部の長さに対応する範囲を有し、上記バックライトの照明光源として機能するように構成されている、バーコリメータ。
[2]上記光抽出機能部が配置されている上記光導波路の側は、上記バックライトに隣接する側である、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[3]上記光抽出機能部は、上記光導波路のバックライト隣接側と反対の上記光導波路の側に配置されている、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[4]上記光抽出機能部は、上記光導波路の側の表面の材料を備える、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[5]上記光抽出機能部は、上記光導波路の側の表面に取り付けられたディフューザ層を備える、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[6]上記コリメートフィルムは、輝度向上フィルムとして構成されたプリズムフィルムを備える、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[7]上記光導波路のバックライト隣接側と反対の上記光導波路の側に反射層をさらに備え、上記反射層は上記バックライト入力部に向けて光を反射するように構成されている、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[8]上記光導波路と上記バックライト入力部との間に偏光リサイクルフィルムをさらに備え、上記偏光リサイクルフィルムは、上記バックライト入力部から受け取った光をリサイクルし、上記リサイクルされた光を上記バックライト入力部に向けて戻すように構成されている、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[9]上記光導波路の一端に配置された光源をさらに備え、上記光源は、上記光導波路によって上記導波光として導波される光を提供するように構成されている、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[10]上記光源は、白色光を提供するように構成された多色発光ダイオードを備える、上記[9]に記載のバーコリメータ。
[11]上記光源は第1光源であり、上記第1光源が配置されている端部は上記光導波路の第1端部であり、上記バーコリメータは上記光導波路の第2端部に配置された第2光源をさらに備え、上記第2端部は上記第1端部の反対側である、上記[9]に記載のバーコリメータ。
[12]上記バーコリメータの上記光導波路の導波面に隣接する光結合反射層をさらに備える、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[13]上記コリメート光は、上記バックライトの上記入力部の長さに沿って均一になるように構成されている、上記[1]に記載のバーコリメータ。
[14]上記[1]に記載のバーコリメータを備えるマルチビューバックライトであって、
上記バックライトの上記入力部で上記バーコリメータから上記コリメート光を受け取り、上記受け取ったコリメート光を導波コリメート光として導波するように構成されたバックライト光導波路と、
上記バックライト光導波路の長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、上記複数のマルチビーム要素におけるマルチビーム要素は、互いに異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える出射光として上記導波コリメート光の一部を上記バックライト光導波路から散乱させるように構成されている、複数のマルチビーム要素と
をさらに備え、
上記出射光の上記複数の指向性光ビームの上記異なる主角度方向は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する、マルチビューバックライト。
[15]光を提供するように構成された光源と、
導波光として上記光源から受け取った光を導波するように構成された光導波路であって、上記光源は上記光導波路の一端にある、光導波路と、
上記光導波路から上記導波光の一部を抽出光として散乱させるように構成された複数の光抽出機能部であって、上記複数の光抽出機能部は上記光導波路の側に沿って配置されている、複数の光抽出機能部と
を備えるバーコリメータと、
コリメーション係数を有するコリメート光として上記抽出光を受け取るように構成されたバックライトであって、上記バーコリメータは上記バックライトの入力端に隣接している、バックライトと
を備え、上記受け取ったコリメート光は、上記バックライトを照らすように構成されている、バックライトシステム。
[16]上記バーコリメータの上記複数の光抽出機能部は、上記バーコリメータの上記光導波路のバックライト隣接側に配置されている、上記[15]に記載のバックライトシステム。
[17]上記バーコリメータは、上記バーコリメータの上記光導波路の別の端部に別の光源をさらに備え、上記別の光源は、上記バーコリメータの上記光導波路内の上記導波光の強度および照明均一性を高めるために、追加の光を提供するように構成されている、上記[15]に記載のバックライトシステム。
[18]上記バーコリメータは、上記バックライトに隣接する上記バーコリメータの光導波路の側の反対側の上記バーコリメータの上記光導波路の側に反射層をさらに備え、上記反射層は、上記バックライト入力端に向けて光を反射させるように構成されている、上記[15]に記載のバックライトシステム。
[19]上記バックライト入力端の反対の上記バックライトの遠位入力端に隣接する別のバーコリメータをさらに備え、上記遠位入力端の上記別のバーコリメータは、上記バックライトをコリメート光でさらに照らすように構成されている、上記[15]に記載のバックライトシステム。
[20]上記バーコリメータの上記光導波路と上記バックライトの上記入力端との間にコリメートフィルムおよび偏光リサイクル層の一方または両方をさらに備え、上記コリメートフィルムは上記抽出光をコリメートするように構成されている、上記[15]に記載のバックライトシステム。
[21]上記バックライトは、
上記バーコリメータから受け取った上記コリメート光を導波コリメート光として導波するように構成されたバックライト光導波路と、
上記バックライト光導波路の長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素であって、上記複数のマルチビーム要素におけるマルチビーム要素は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームを備える出射光として上記導波コリメート光の一部を上記バックライト光導波路から散乱させるように構成されている、複数のマルチビーム要素と
を備えるマルチビューバックライトである、上記[15]に記載のバックライトシステム。
[22]光をコリメートする方法であって、
光導波路内の光を導波光として導波することであって、上記光は上記光導波路の一端の光源から受け取られる、導波するステップと、
抽出光を提供するために上記光導波路の側の光抽出機能部を使用して上記光導波路から上記導波光の一部を散乱させるステップであって、上記抽出光はバックライトの入力部に向けて配向されている、散乱させるステップと、
コリメート光を提供するためにコリメートフィルムを使用して上記抽出光をコリメートするステップであって、上記コリメートフィルムは上記光導波路と上記バックライトとの間に配置されている、コリメートするステップと
を含み、
上記コリメート光は、上記バックライトによって受け取られ、上記バックライトを照らし、上記コリメート光は、上記バックライトの入力部の長さに対応する範囲を有する、方法。
[23]上記光抽出機能部が配置されている上記光導波路の側は、上記バックライトに隣接する側である、上記[22]に記載の光をコリメートする方法。
[24]上記光導波路のバックライト隣接側と反対の上記光導波路の側の反射層を使用してバックライトから離れる方向に散乱された光を反射するステップであって、上記反射層は上記バックライト入力部に向けて上記光を反射する、反射するステップをさらに含む、上記[22]に記載の光をコリメートする方法。
[25]上記バックライトのバックライト光導波路内で上記コリメート光を導波するステップであって、上記コリメート光は、上記バックライト入力部で上記バックライト光導波路によって受け取られる、導波するステップと、
上記バックライトのマルチビーム要素を使用して上記導波コリメート光の一部を散乱させることによって、複数の指向性光ビームを備える出射光を提供するステップであって、上記複数の指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する、提供するステップと
をさらに含み、
上記バックライトはマルチビューバックライトである、
上記[22]に記載の光をコリメートする方法。
本明細書に記載される原理による例および実施形態の様々な特徴は、類似の参照番号が類似の構造要素を指定する以下の添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することで、より容易に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータ(bar collimator)の側面図を示す。
【0007】
図1B】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータの平面図を示す。
【0008】
図1C】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータの分解斜視図を示す。
【0009】
図1D】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータの表面の一部の拡大図を示す。
【0010】
図2A】本明細書に記載される原理と一致する別の実施形態による、一例におけるバーコリメータ100の側面図を示す。
【0011】
図2B】本明細書に記載される原理と一致する別の実施形態による、一例における図2Aのバーコリメータの平面図を示す。
【0012】
図3A】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における光結合反射層を含むバーコリメータの側面図を示す。
【0013】
図3B】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における光結合反射層を含むバーコリメータの平面図を示す。
【0014】
図4A】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバックライトシステムの側面図を示す。
【0015】
図4B】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバックライトシステムの平面図を示す。
【0016】
図5A】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトを備えるバックライトシステムの側面図を示す。
【0017】
図5B】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における図5Aのバックライトシステムの斜視図を示す。
【0018】
図6】本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における光をコリメートする方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の例および実施形態は、上記で参照された図に示される特徴に追加されるかまたはこれに代わる、別の特徴を有する。これらおよびその他の特徴は、上記で参照された図を参照して、以下で詳述される。
【0020】
本明細書に記載される原理による実施形態は、コリメートされた照明光源をバックライトに提供するように構成された、バーコリメータおよびバックライトシステムを提供する。具体的には、光導波路の一端で光を受け取り、受け取った光を導波光として光導波路の長さに沿って導波するように構成された、光導波路を含むバーコリメータが提供される。バーコリメータは、光導波路の長さに沿って光導波路の側に配置された光抽出機能部(light extraction feature)を、さらに含む。様々な実施形態によれば、光抽出機能部は、光導波路からの導波光の一部を抽出光として散乱させ、抽出光をバックライトの入力部(input)に向けて配向するように構成されている。バーコリメータは、光導波路とバックライト入力部との間にコリメートフィルム(collimation film)をさらに含む。様々な実施形態によれば、コリメートフィルムは、抽出光をコリメート光(collimated light)としてさらにコリメートするように構成されている。コリメート光は、バックライト入力部の長さに対応する範囲を有する。いくつかの実施形態によれば、コリメート光は、バックライトの照明光源を提供し得る。
【0021】
様々な実施形態によれば、光源(たとえば、複数のLED)からの光は、コリメーションのためにバーコリメータに結合されてもよい。いくつかの実施形態によれば、バーコリメータからのコリメート光は、電子ディスプレイで使用されるバックライトの光導波路に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、電子ディスプレイは、三次元(3D)情報を、たとえば3Dまたはマルチビュー画像として表示するために使用される、3Dまたはマルチビュー電子ディスプレイであってもよい。たとえば、電子ディスプレイは、自動立体的または「眼鏡不要」のマルチビューまたは3D電子ディスプレイであってもよい。
【0022】
特に、マルチビューディスプレイは、マルチビューディスプレイによって表示されているマルチビュー画像の照明を提供するために、バックライトを採用し得る。たとえば、バックライトは、マルチビューディスプレイの(または同等にマルチビュー画像の)ピクセルに対応する指向性光ビームを提供するように構成された、複数のマルチビーム要素(multibeam elements)を備えてもよい。様々な実施形態では、指向性光ビームは、互いに異なる主角度方向(different principal angular directions)を有し得る(「異なる配向の光ビーム(differently directed light beams)」とも呼ばれる)。いくつかの実施形態によれば、バックライトによって生成されたこれらの異なる配向の光ビームは、変調され、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応するマルチビューピクセルとして機能し得る。これらの実施形態では、バックライト内で実質的に均一な(すなわち、縞模様のない)コリメート光を生成するために、バーコリメータによって提供される光コリメーションが使用され得る。
【0023】
本明細書では、「二次元ディスプレイ」または「2Dディスプレイ」は、画像が見られる(すなわち、2Dディスプレイの所定の視野角または範囲内の)方向にかかわらず実質的に同じである画像のビューを提供するように構成されたディスプレイとして定義される。多くのスマートフォンおよびコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。本明細書では対照的に、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向の、または異なるビュー方向からのマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。特に、異なるビューは、マルチビュー画像の場面または物体の異なる斜視図を表し得る。
【0024】
本明細書では、「光導波路」は、全内反射を使用して構造内の光を導波する構造として定義される。具体的には、光導波路は、光導波路の動作波長で実質的に透明なコアを含み得る。様々な例では、用語「光導波路」は一般に、光導波路の誘電体材料とこの光導波路を包囲する材料または媒体との間の界面で光を導波するために全内反射を利用する、誘電体光導波管を指す。定義では、全内反射の条件は、光導波路の屈折率が、光導波路材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率よりも高いことである。いくつかの実施形態では、光導波路は、全内反射をさらに促進するために、上述の屈折率の差に加えて、またはその代わりに、コーティングを含んでもよい。コーティングは、たとえば反射コーティングであってもよい。
【0025】
さらに、本明細書では、「バー形状光導波路」のように光導波路に適用されるときの、および「バーコリメータ」にあるような拡張による、用語「バー」は、三次元の直線的な柱として定義され、これは「バー」ガイドと呼ばれることもある。したがって、「バー形状」光導波路および「バーコリメータ」も、定義によれば、全体的に三次元柱状形状を有する。特に、バー形状光導波路は、2つの実質的に直交する方向に整列した2対の対向する面(たとえば、光導波路の上面と底面、および2つの側面)によって区切られた長さに沿って光を導波するように構成された光導波路として定義される。さらに、2対の対向する側面のいずれかの長さに直交する寸法(たとえば、幅または高さ)は、定義により、光導波路の長さよりも短い。様々な実施形態によれば、バー形状光導波路の第1の対の対向する面(たとえば、上面および底面)は、少なくとも微分的な意味で互いに実質的に平行である。同様に、様々な実施形態によれば、他の2つの全体的に対向する側面(たとえば、対向側面)もまた、少なくとも微分的な意味で互いに実質的に平行である。つまり、バー形状光導波路のあらゆる微分的に小さい領域または長さの範囲内で、対抗する面(たとえば、上面および底面、1対の側面など)は、互いに実質的に平行である。したがって、バーコリメータは、その長さに沿って上面と底面とが互いに実質的に平行であり、2つの側面もまた互いに実質的に平行となる長さを有する実質的に長方形の柱として特徴付けられてもよく、この長さは、上記で論じられたように、上面と底面の幅または2つの側面の高さよりも長い。
【0026】
本明細書に記載される様々な実施形態によれば、光導波路の長さに沿って光導波路の側に配置された光抽出機能部は、抽出光または抽出光ビームとして光導波路(たとえば、バーコリメータ)から出てくる光を散乱または結合するために採用され得る。本明細書では、光抽出機能部は、一般に、光導波路から光を抽出するように構成された複数の機能部として定義される。たとえば、光導波路の裏側面に印刷された拡散白点が使用されてもよい。光抽出機能部の追加の例は、均一であってもチャープであってもよい、前側面または裏側面の回折格子を含む。間隔または格子ピッチは、サブ波長(すなわち、導波光の波長未満)であり得る。格子は、光導波路の側面(前または後)の溝、または側面(前または後)の隆起を備えてもよい。光抽出機能部のさらなる例は、(1つまたは複数の)側面の中または上の、プリズム型空洞、プリズム型散乱体、および半球状要素などのマイクロ反射要素を含むが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書では、「光源」は、作動されると発光する光源(たとえば、装置またはデバイス)として定義される。本明細書での光源は、発光ダイオード(LED)、レーザー、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、蛍光灯、白熱灯、および事実上その他いずれかの光源のうちの1つまたはそれ以上を含むがこれらに限定されない、実質的に任意の光源または光エミッタであり得る。光源によって生成された光は、色を有してもよく、または光の特定の波長を含んでもよい。したがって、「異なる色の複数の光源」は、本明細書では、光源のうちの少なくとも1つが、複数の光源の少なくとも1つの別の光源によって生成される光の色または波長とは異なる色または同等に波長を有する光を生成する光源のセットまたはグループとして明確に定義される。また、「異なる色の複数の光源」は、複数の光源のうちの少なくとも2つの光源が異なる色の光源である限り(すなわち、少なくとも2つの光源の間で異なる色の光を生成する限り)、同じかまたは実質的に類似の色の2つ以上の光源を含んでもよい。したがって、本明細書の定義では、異なる色の複数の光源は、第1の色の光を生成する第1光源と、第2の色の光を生成する第2光源とを含むことができ、第2の色は第1の色とは異なっている。いくつかの実施形態では、光源は、白色光を提供するように構成された多色発光ダイオードを備える。
【0028】
本明細書の定義では、「マルチビーム要素」は、複数の指向性光ビームを含む光を生成するバックライトまたはディスプレイの構造または要素である。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、光導波路内で導波された光の一部を結合することによって光ビームを提供するために、バックライトの光導波路に光学的に結合されてもよい。さらに、マルチビーム要素によって生成された複数の光ビームのうちの光ビームは、本明細書の定義では、互いに異なる主角度方向を有する。具体的には、定義では、複数のうちの光ビームは、複数の光ビームの別の光ビームとは異なる所定の主角度方向を有する。さらに、複数の光ビームは、明視野を表してもよい。たとえば、複数の光ビームは、空間の実質的に円錐形の領域に閉じ込められるか、または複数の光ビームにおいて異なる主角度方向の光ビームを含む所定の角度広がりを有してもよい。したがって、所定の角度広がりの光ビームの組み合わせ(すなわち、複数の光ビーム)は、明視野を表すことができる。様々な実施形態によれば、様々な光ビームの異なる主角度方向は、マルチビーム要素のサイズ(たとえば、長さ、幅、面積など)を含むがこれらに限定されない特性によって決定される。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、本明細書の定義では、「拡張点源」、すなわち、マルチビーム要素の範囲全体に分布する複数の点光源と見なされてもよい。
【0029】
本明細書では、「サイズ」は、長さ、幅、または面積を含むがこれらに限定されないような様々な方法のいずれかで定義され得る。たとえば、マルチビーム要素のサイズは、マルチビーム要素の長さであってもよい。別の例では、サイズは、マルチビーム要素の面積を指してもよい。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、複数の指向性光ビームの指向性光ビームを変調するために使用されるライトバルブのサイズに相当する。したがって、マルチビーム要素サイズがライトバルブサイズの約50パーセント(50%)から約200パーセント(200%)であるとき、マルチビーム要素サイズはライトバルブサイズに相当し得る。たとえば、マルチビーム要素サイズが「s」で示され、ライトバルブサイズが「S」で示される場合には、マルチビーム要素サイズは式(1)によって与えられる。
【数1】
【0030】
別の例では、マルチビーム要素サイズは、ライトバルブサイズの約60パーセント(60%)超、またはライトバルブサイズの約70パーセント(70%)超、またはライトバルブサイズの約80パーセント(80%)超、またはライトバルブサイズの約90パーセント(90%)超であり、マルチビーム要素は、ライトバルブサイズの約180パーセント(180%)未満、またはライトバルブサイズの約160パーセント(160%)未満、またはライトバルブサイズの約140パーセント(140%)未満、またはライトバルブサイズの約120パーセント(120%)未満である。たとえば、マルチビーム要素は、マルチビーム要素サイズがライトバルブサイズの約75パーセント(75%)から約150(150%)であるときにライトバルブサイズに相当するサイズであり得る。別の例では、マルチビーム要素およびライトバルブは、マルチビーム要素サイズがライトバルブサイズの約125パーセント(125%)から約85パーセント(85%)であるときに相当するサイズであり得る。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム要素420およびライトバルブ406’の相当するサイズは、同時にマルチビューディスプレイのビュー間の重複を低減、またはいくつかの例では最小限に抑えながら、マルチビューディスプレイのビュー間の暗いゾーンを低減、またはいくつかの例では最小限に抑えるように、選択され得る。
【0031】
さらに、本明細書で使用される際に、冠詞「1つの(a)」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つまたはそれ以上」を有するように意図される。たとえば、「1つの光抽出機能部」は1つ以上の光抽出機能部を意味し、したがって「その(the)光抽出機能部」は、本明細書では「(1つまたはそれ以上の)光抽出機能部」を意味する。また、本明細書における「上」、「底」、「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、「前」、「後」、「第1」、「第2」、「左」、または「右」のあらゆる言及は、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、ある値に適用されるときの用語「約」は一般に、その値を生成するために使用された機器の公差範囲内を意味し、または別途明確に指定されない限り、プラスマイナス10%、またはプラスマイナス5%、またはプラスマイナス1%を意味し得る。さらに、本明細書で使用される用語「実質的に」および「約」は、大部分、またはほぼ全て、または全て、または約51%から約100%までの範囲内の量を意味する。また、本明細書の例は、説明のみを意図しており、限定ではなく議論の目的で提示されている。
【0032】
本明細書に開示される原理によれば、バーコリメータが提供される。図1Aは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータ100の側面図を示す。図1Bは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータ100の平面図を示す。図1Cは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータ100の分解斜視図を示す。図1Dは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバーコリメータ100の表面の一部の拡大図を示す。特に、図1C図1Aおよび図1Bに示されるバーコリメータ100の分解斜視図を表し、図1D図1Aおよび図1Bに示されるバーコリメータ100の右側の表面の一部の拡大図を表す。
【0033】
様々な実施形態によれば、図1Aから図1Dに示されるバーコリメータ100は、バックライト102の照明光源として機能するように構成されている。特に、バーコリメータ100は、バックライト102の入力部102aにコリメート光104を提供するように構成されている。さらに、提供されたコリメート光104は、様々な実施形態によれば、バックライト入力部102aの長さに対応する範囲を有する。たとえば、バーコリメータ100の長さL(コリメート光104を出射する少なくとも一部)は、バックライト入力部102aの長さと実質的に類似であり得る。いくつかの実施形態では、提供されたコリメート光104は、バックライト入力部102aの長さに沿って強度が均一または少なくとも実質的に均一となるように構成されている。別の実施形態では、提供されたコリメート光104は、バックライト入力部102aの長さに沿って変化する強度プロファイル(すなわち、不均一な強度プロファイル)を有し得る。たとえば、強度プロファイルは、バックライト102の非理想的な伝搬または発光特性を補償するように構成され得る。
【0034】
図1Aから図1Dに示されるように、バーコリメータ100は、光導波路110を備える。光導波路110は、導波光112として光導波路110の長さに沿って光を導波するように構成されている。様々な実施形態によれば、光導波路110は、全内反射を使用して導波光112を導波するように構成されている。たとえば、光導波路110は、光導波管として構成された光学的に透明な誘電体材料を含んでもよく、誘電体材料は、光導波管の周りの媒体の屈折率よりも高い屈折率を有する。誘電体材料と周囲の媒体との屈折率の差は、その1つまたはそれ以上の導波モードに応じて、バーコリメータ100内の導波光112の全内反射を容易にするように構成されている。さらに、光導波路110内の導波光112の非ゼロ伝播角度は、様々な例によれば、全内反射の臨界角よりも小さい角度に対応し得る。図1Bでは、導波光112の伝播は、y方向に沿って指し、光導波路110内の伝搬光ビームを表す矢印として示されている。
【0035】
様々な実施形態では、光導波路110は、たとえば図1Aから図1Cに示されるように、バー形状の柱状光導波路であるか、またはこれを備える。特に、図1Aから図1Cに示されるように、光導波路110は、x方向の幅Wおよびz方向の高さHの両方よりも大きいy方向の長さLを有するバー形状を有する(すなわち、L>WおよびL>H)。様々な実施形態によれば、光導波路110は、様々なタイプのガラス(たとえば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)の1つまたはそれ以上、および実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(たとえば、ポリ(メタクリル酸メチル)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のいずれかを含むかまたはこれらにより構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光導波路110は、光導波路110の表面(たとえば、上面および/または底面)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)をさらに含んでもよい。クラッド層は、たとえば、全内反射をさらに促進するために使用され得る。
【0036】
図1Aから図1Dに示されるバーコリメータ100は、光抽出機能部120をさらに備える。光抽出機能部120は、図示されるように、光導波路の長さLに沿って光導波路110の側に設けられている。光抽出機能部120は、導波光112の一部を抽出光106として光導波路110から散乱させるように構成されている。図1Dは、抽出光106を提供するために、光抽出機能部120と相互作用し、これによって散乱される、導波光112を示している。光抽出機能部120は、抽出光106をバックライト102の入力部102aに向けて配向するように、さらに構成されている。図1Dでは、抽出光106は光抽出機能部120を出る矢印として示されており、導波光112は光抽出機能部120に入射する矢印として示されている。いくつかの実施形態では、コリメート光104は抽出光106を備えてもよく、たとえば抽出光106はコリメートされてもよく、または部分的にコリメートされてもよい。
【0037】
様々な実施形態によれば、光抽出機能部120は、光導波路110の側の表面で光導波路110に光学的に結合された様々な異なる散乱構造のいずれかを含み得る。特に、光抽出機能部120は、回折格子、マイクロプリズム、マイクロレンズ、およびディフューザ拡散構造のうちの1つまたはそれ以上を含み得るが、これらに限定されない。たとえば、光抽出機能部120は、光導波路110の側面にディフューザを備え得る。別の例では、光抽出機能部120は、光導波路110の側の表面に回折格子を備え得る。別の例では、光抽出機能部120は、限定ではなく例として図1Aから図1Bおよび図1Dに示されるように、光導波路の側面に配置された複数のマイクロプリズムを備え得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、光抽出機能部120は、光導波路110の側の表面の材料を備え得る。たとえば、図1Dに示される複数のマイクロプリズムは、光導波路の側面の材料を備える。別の例では、光抽出機能部120として機能する回折格子が、光導波路の側面に形成された複数の溝によって提供され得る。したがって、回折格子は、この例において光導波路の側面の材料を備える。別の実施形態では、光抽出機能部120は、光導波路110の側に取り付けられるかまたはその他の方法で適用される層またはフィルムを備え得る。たとえば、光抽出機能部120は、光導波路の側面に(たとえば光学接着剤を使用して)取り付けられた、ディフューザ層またはフィルムを備え得る。プリズム層または複数のマイクロプリズムを備える光抽出機能部120、並びに拡散格子を備える光抽出機能部120はまた、光導波路110の側に取り付けられた層またはフィルムとして提供されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、光抽出機能部120は、バックライト102に隣接する光導波路110の側に配置されてもよい。たとえば、光抽出機能部120は、限定ではなく例として、図1Aから図1Dにおいて光導波路110のバックライト隣接側に配置されるように示されている。バックライト隣接側にあるとき、光導波路110内の導波光112は光抽出機能部120と相互作用し得、光抽出機能部120を通じて光導波路110から導波光部分を散乱させ得る。図1Dでは、矢印は、抽出光106を提供するための光抽出機能部120による光抽出を示す。なお、光抽出機能部120は、図示されるように、バックライト隣接側に配置されているとき、透過性散乱機能部と呼ばれてもよいことに留意されたい。
【0040】
別の実施形態では、光抽出機能部120は、光導波路110のバックライト隣接側と反対の光導波路110の側に配置され得る。図2Aは、本明細書に記載される原理と一致する別の実施形態による、一例におけるバーコリメータ100の側面図を示す。図2Bは、本明細書に記載される原理と一致する別の実施形態による、一例における図2Aのバーコリメータ100の平面図を示す。図2Aから図2Bに示されるように、バーコリメータは、光導波路110および光抽出機能部120を備える。しかしながら、光抽出機能部120は、図2Aから図2Bにおいて、光導波路110のバックライト隣接側と反対の光導波路110の側に位置しているように示されている。光導波路110のバックライト隣接側の反対側にあるとき、光導波路110内の導波光112は光抽出機能部120と相互作用し得、抽出光106を提供するために光抽出機能部120から離れてバックライト隣接側に向かって光導波路110から導波光部分を散乱させ得る。図2Bの矢印は、バックライト102に向けて配向された抽出光106を提供するための、光抽出機能部120による光抽出を示す。なお、図2Aから図2Bに示されるようにバックライト隣接側と反対の側に配置された光抽出機能部120は、反射散乱機能部と呼ばれてもよいことに留意されたい。
【0041】
様々な実施形態によれば、バーコリメータ100は、図1Aから図1Cおよび図2Aから図2Bに示されるように、光導波路110とバックライト入力部102aとの間に配置されたコリメートフィルム130をさらに備える。コリメートフィルム130は、抽出光106をコリメート光104としてコリメートする(またはさらにコリメートする)ように構成されている。抽出光106からコリメートフィルム130によって提供されたコリメート光104は、その後、図示されるように、バーコリメータ100によってバックライト102に提供され得る。いくつかの実施形態では、コリメートフィルム130は、輝度向上フィルムとして構成されたプリズムフィルムを備え得る。輝度向上フィルム(BEF)は、たとえば、ミネソタ州セントポールの3M Optical Systems DivisionからVikuiti(商標)BEF IIとして入手可能であり、最大60%の輝度利得を提供するためにプリズム構造を利用するマイクロ複製向上フィルムである。
【0042】
いくつかの実施形態では、バーコリメータ100は、バックライト隣接側の反対の光導波路110の側面110bに、またはこれに隣接して、反射層140をさらに備え得る。反射層140は、様々な実施形態によれば、バックライト102およびバックライト入力部102aに向けて光を反射するように構成されている。反射層140の例は、図1Bおよび図2Aから図2Bに示されている。図示されるように、反射層140は、光導波路110のいずれかの側に配置された光抽出機能部120とともに使用され得る。しかしながら、反射層140は反射散乱を直接増強するように機能し得るので、反射層140は、光抽出機能部120が反射散乱機能部として構成されているときに特に有用であり得る。反射層140は、たとえば、バックライト隣接側の反対の光導波路110の側に設けられた金属フィルムまたは類似の反射材料層を備え得る。別の例では、反射層140は、光導波路側に適用される強化鏡面反射(ESR)フィルムなどの、ただしこれに限定されない反射フィルムを備え得る。ESRフィルムの例は、ミネソタ州セントポールの3M Optical Systems Divisionから入手可能なVikuiti(商標)強化鏡面反射フィルムを含むが、これに限定されない。
【0043】
いくつかの実施形態では、バーコリメータ100は、偏光リサイクル層150をさらに備え得る。偏光リサイクル層150は、たとえば、光導波路110とバックライト102との間に配置され得る。図1Aから図1Bでは、偏光リサイクル層150は、限定ではなく例として、バックライト入力部102aとコリメートフィルム130との間に示されている。偏光リサイクル層150は、バックライト入力部102aから受け取った光をリサイクルし、リサイクルされた光をバックライト102に向けて戻すように構成されている。リサイクルされた光は、様々な実施形態によれば、追加の照明を提供するために、またはバックライト102内の有効照明輝度を向上させるために、使用され得る。偏光リサイクル層150は、たとえば、反射偏光フィルム、またはデュアル輝度向上フィルム(DBEF)を備え得る。DBEFフィルムの例は、ミネソタ州セントポールの3M Optical Systems Divisionから入手可能な3M Vikuiti(商標)デュアル輝度向上フィルムを含むが、これに限定されない。別の例では、高度な偏光変換フィルム(APCF)または輝度向上フィルムとAPCFフィルムとの組み合わせが、偏光リサイクル層150として採用され得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、バーコリメータ100は、光源160をさらに備え得る。光源160は、光導波路110によって導波光112として導波される光を提供するように構成されている。図1Bは、バーコリメータ100の光導波路110の一端の光源160を示す。様々な実施形態によれば、光源160は光エミッタを備える。光エミッタは、発光ダイオード(LED)を含むが、これに限定されない。たとえば、LEDは、白色光を提供するように構成された多色LEDであってもよい。別の実施形態では、光源160は、1つの単色LEDまたは複数の単色LEDを含み得る。いくつかの実施形態では、白色光を提供するために、異なる色の単色LED(たとえば、赤色LED、青色LED、および緑色LED)の組み合わせが組み合わせられてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、バーコリメータ100は、たとえば図1Bに示されるように、単一の光源160を含み得る。別の実施形態では、バーコリメータ100は、バーコリメータ100の光導波路110の両端に配置された1対の光源160を備え得る。特に、バーコリメータ100は第1光源160を備えてもよく、第1光源160が配置される端部は光導波路110の第1端部であり得る。バーコリメータ100は、光導波路110の第2端部に配置された第2光源160’をさらに備えてもよく、第2端部は第1端部の反対側にある。図2Bは、第1光源160および第2光源160’の両方を備えるバーコリメータ100を示す。第2光源160’は、いくつかの実施形態では、光導波路110内の導波光112の均一性を高め、バーコリメータ100の出力において抽出光106のより均一な分布を提供し得る。さらに、第2光源160’を含むことで、たとえば第1光源160のみを含む実施形態と比較したときに、抽出光106の強度の全体的な向上を提供し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、バーコリメータ100は、バーコリメータ100からバックライト102への光との結合を促進するように構成された光結合反射層をさらに備え得る。光結合反射層は、様々な実施形態によれば、バーコリメータ100および関連するバックライト102の1つまたはそれ以上の表面からの光の漏れを防止するかまたは少なくとも実質的に減少させるために使用され得る。具体的には、光結合反射層は、バーコリメータ100およびバックライト102の1つまたは複数のガイド面で使用され得る。したがって、いくつかの実施形態によれば、光結合反射層は、導波光112、コリメート光104、および抽出光106のうちの1つまたはそれ以上の一般的な伝播方向に平行な導波面に隣接し得る。
【0047】
図3Aは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における光結合反射層170を含むバーコリメータ100の側面図を示す。図3Bは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における光結合反射層170を含むバーコリメータ100の平面図を示す。図示されるように、バーコリメータ100は、バーコリメータ100の光導波路110の1対の対向する導波面(たとえば、上面と底面)の各々に隣接する光結合反射層170を含む。さらに、光結合反射層170は、図示されるように、バーコリメータ100からバックライト102の導波面の上に延在する。
【0048】
様々な実施形態によれば、光結合反射層170は、(1つまたは複数の)導波面に適用された反射金属のフィルムまたは強化鏡面反射(ESR)フィルムを含むがこれらに限定されない、様々な反射フィルムのいずれかを備え得る。ESRフィルムの例は、ミネソタ州セントポールの3M Optical Systems Divisionから入手可能なVikuiti(商標)強化鏡面反射フィルムを含むが、これに限定されない。図3Aから図3Bは、限定ではなく例として、バーコリメータ100の光抽出機能部120、コリメートフィルム130、反射層140、および偏光リサイクル層150、並びに1対の光源160、160’も示している。
【0049】
本明細書に記載される原理の他の実施形態によれば、バックライトシステム200が提供される。図4Aは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバックライトシステム200の側面図を示す。図4Bは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるバックライトシステム200の平面図を示す。バックライトシステム200は、様々なディスプレイ用途で有用な出射光202の形態の照明を提供するように構成され得る。たとえば、バックライトシステム200は、広視野角を有する画像(たとえば、2D画像)の表示と一致し得る出射光202として、拡散照明を提供し得る。特に、表示された画像は、実質的に広視野角内のどこでも視聴者に対して表示された画像の同じビューを提供するように構成され得る。別の例では、バックライトシステム200は、出射光202として指向性照明(たとえば、明視野)を提供するように構成され得る。指向性照明を表す出射光202は、たとえば、マルチビュー画像の表示と一致し得る。これらの例では、出射光202は、表示されたマルチビュー画像に関連する異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームを備え得る。
【0050】
図4Aおよび図4Bに示されるように、バックライトシステム200はバーコリメータ210を備える。バーコリメータ210は、光を提供するように構成された光源212を備える。バーコリメータ210は、導波光として光源212から受け取った光を導波するように構成された光導波路214をさらに備える。様々な実施形態によれば、光導波路214は、たとえば、図示されるように、バー形状光導波路である。バーコリメータ210は、複数の光抽出機能部216をさらに備える。複数の光抽出機能部216は、光導波路214から導波光の一部を抽出光として散乱させるように構成されている。矢印は、図4Aから図4Bにおいて抽出光を示している。様々な実施形態によれば、抽出光は、バーコリメータ210から抽出されることにより、コリメートされるか、または少なくとも部分的にコリメートされ、たとえば抽出光はコリメート光であり得る。
【0051】
図4Aから図4Bに示されるバックライトシステム200は、バックライト220をさらに備える。バックライト220は、バーコリメータ210からの抽出光を受け取るように構成されている。具体的には、抽出光はコリメート光206として受け取られる。様々な実施形態によれば、受け取ったコリメート光206は、バーコリメータ210によって予め定められたコリメーション係数σを有する。さらに、バーコリメータ210からバックライト220によって受け取られたコリメート光206は、バックライト220を照らすように構成されている。そして、照らされたバックライト220は、受け取ったコリメート光206を使用して出射光202を提供するように構成されている。様々な実施形態によれば、バーコリメータ210は、バックライト220の入力端220aに隣接している。
【0052】
いくつかの実施形態では、バーコリメータ210は、上記のバーコリメータ100と実質的に類似であり得る。特に、バーコリメータ210の光源212は、上記のバーコリメータ100の光源160と実質的に類似であり得る。いくつかの実施形態では、光導波路214は、光導波路110と実質的に類似であり得る。同様に、いくつかの実施形態では、複数の光抽出機能部のうちの光抽出機能部216は、上記のように、バーコリメータ100の光抽出機能部120と実質的に類似であり得る。
【0053】
たとえば、光源212は、図示されるように、バー形状光導波路214の一端(たとえば、第1端部)に配置され得る。いくつかの実施形態では、バーコリメータ210は、別の光源212’をさらに備え得る。別の光源212’は、たとえば、光源212が配置されている端部と反対の光導波路214の別の端部(たとえば、第2端部)に配置され得る。別の光源212’は、いくつかの実施形態によれば、バーコリメータ210の光導波路214内の導波光の強度および照明均一性を高めるために、追加の光を提供するように構成され得る。図4Bは、光導波路214の両端に配置された1対の光源212、212’を備えるバーコリメータ210を示す。
【0054】
さらに、たとえば、複数の光抽出機能部216は、(たとえば、図示されるように)回折格子およびマイクロプリズムまたはプリズム層を含むがこれらに限定されない、光抽出機能部120に関して上記の様々な光抽出機能部の1つまたはそれ以上を備え得る。いくつかの実施形態では、複数の光抽出機能部216は、バーコリメータ210の光導波路214のバックライト隣接側に配置され得る。たとえば、図4Aから図4Bのバックライト220の左側に示されているバーコリメータ210は、限定ではなく例として、バックライト隣接側に複数の光抽出機能部216を有する。別の実施形態では、複数の光抽出機能部216は、やはり限定ではなく例として、たとえば図4Aから図4Bのバックライト220の右側に示されるように、バックライト隣接側と反対の光導波路214の側に配置され得る。特に、様々な実施形態によれば、複数の光抽出機能部216は、バックライト隣接側またはバックライト隣接側の反対側、または両側にさえあり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、バックライトシステム200は、1対のバーコリメータ210を備え得る。特に、バックライトシステム200は、バックライト220の入力端220aの反対または遠位にあるバックライト220の入力端220bに隣接する別のバーコリメータ210を備え得る。遠位入力端220bの別のバーコリメータ210は、バックライト220を抽出光でさらに照らすように構成されている。図4Aから図4Bは、限定ではなく例として、バーコリメータ対の別のバーコリメータ210を示している。
【0056】
いくつかの実施形態では、バックライトシステム200のバーコリメータ210は、バックライト220に隣接するバーコリメータ210の側と反対の光導波路214の側に、反射層218をさらに備える。様々な実施形態によれば、反射層218は、バックライト220の入力端220a、220bに向けて光を反射するように構成されている。反射された光は、たとえば抽出光の強度を高めることができる。いくつかの実施形態では、反射層218は、上記のバーコリメータ100の反射層140と実質的に類似であり得る。たとえば、反射層140は、光導波路側に適用された反射金属の層またはESRフィルムを備えてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、バックライトシステム200、または代わりにバーコリメータ210自体は、バーコリメータ210の光導波路214とバックライト220の入力端220a、220bとの間に配置されたコリメートフィルム230および偏光リサイクル層240の一方または両方をさらに備える。いくつかの実施形態では、コリメートフィルム230は、バーコリメータ100に関して上記のコリメートフィルム130と実質的に類似であり得る。具体的には、コリメートフィルム230は、抽出光(または下記のようにコリメート光206)がバックライト220によって受け取られる前に、抽出光をコリメート、またはさらにコリメートするように構成されている。同様に、いくつかの実施形態では、偏光リサイクル層240は、実装および動作の両方において、上記のバーコリメータ100の偏光リサイクル層150と実質的に類似であり得る。
【0058】
いくつかの実施形態(図示せず)では、バックライト220は、拡散または実質的に非指向性の出射光202を提供するように構成された散乱機能部(図示せず)を備える。特に、散乱機能部は、バックライト220の表面にわたって互いに離間した複数の散乱要素(scattering elements)を備え得る。散乱要素は、たとえば、拡散または実質的に非指向性の出射光202として光導波路から光を散乱させるために、バックライト220の光導波路に光学的に結合され得る。いくつかの実施形態では、複数の散乱要素における散乱要素のサイズは、照明の光源としてバックライト220を採用するディスプレイのライトバルブアレイのライトバルブのサイズ以下であり得る。拡散または実質的に非指向性の出射光202は、たとえば、広視野角(たとえば、2D画像)を有する画像の表示と一致する角度広がりまたはビーム幅を有し得る。
【0059】
別の実施形態では、バックライトシステム200のバックライト220は、マルチビューバックライト220’であり得るかまたはこれを備え得る。マルチビューバックライト220’は、指向性出射光202を提供するように構成されている。具体的には、指向性出射光202は、互いに異なる主角度方向を有する指向性光ビームを備える。さらに、指向性光ビームの異なる主角度方向は、マルチビューディスプレイの、または同等にマルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像の、それぞれの異なるビュー方向に対応する。図5Aは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト220’を備えるバックライトシステム200の側面図を示す。図5Bは、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における図5Aのバックライトシステム200の斜視図を示す。
【0060】
図5Aから図5Bに示されるように、バックライトシステム200は、バーコリメータ210、コリメートフィルム230、およびマルチビューバックライト220’を備える。バーコリメータ210およびコリメートフィルム230は、上記で説明されている。バーコリメータ210はコリメートフィルム230とともに、マルチビューバックライト220’の入力端220aにコリメート光206を提供するように構成されている。なお、単一のバーコリメータ210のみが示されているが、たとえば上記のように、いくつかの実施形態ではマルチビューバックライト220’の両端の1対のバーコリメータ210が採用され得ることに留意されたい。
【0061】
図5Aから図5Bに示されたマルチビューバックライト220’は、バックライト光導波路222を備える。バックライト光導波路222は、コリメート光206として抽出光を受け取り、受け取ったコリメート光206を導波コリメート光208として導波するように構成されている。図5Aは、太い矢印を使用して導波コリメート光208の一般的な伝播方向209を示している。加えて、導波コリメート光208は、図示されるように、コリメーション係数σを有する。
【0062】
図5Aから図5Bに示されるように、マルチビューバックライト220’は、バックライト光導波路222の長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム要素224をさらに備える。複数のマルチビーム要素224におけるマルチビーム要素224は、バックライト光導波路222から、複数の指向性光ビームを備える出射光202として導波コリメート光208の一部を散乱させるように構成されている。図5Aから図5Bの発散する矢印で表される出射光202の指向性光ビームは、互いに異なる主角度方向を有する。また、様々な実施形態によれば、複数の指向性光ビームの異なる主角度方向は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する。
【0063】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素224のサイズは、照明の光源としてマルチビューバックライト220’を採用するマルチビューディスプレイのライトバルブ226のサイズSの約50パーセントから約200パーセントの間である。図5Aから図5Bは、ライトバルブ226の例示的なアレイを示す。図示されるように、各マルチビーム要素224は、ライトバルブ226の唯一のセット226’に出射光202の指向性光ビームを提供するように構成されており、各セット226’はマルチビューピクセルに対応している。具体的には、マルチビーム要素224の所与のものについて、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応する異なる主角度方向を有する指向性光ビームは、たとえば図4に示されるように、単一の対応するマルチビューピクセルに、または同等にマルチビーム要素224に対応するライトバルブ226の単一のセットに、実質的に閉じ込められる。したがって、マルチビューバックライト220’の各マルチビーム要素224は、マルチビューディスプレイの異なるビューに対応する異なる主角度方向のセットを有する出射光202の指向性光ビームの対応するセットを提供する(すなわち、指向性光ビームのセットは、異なるビュー方向の各々に対応する方向を有する光ビームを含む)。
【0064】
様々な実施形態によれば、複数のマルチビーム要素におけるマルチビーム要素224は、導波コリメート光208の一部を結合するように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを備え得る。異なる構造は、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、またはこれらの様々な組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、回折格子を備えるマルチビーム要素224は、異なる主角度方向を有する出射光202の複数の指向性光ビームとして導波光部分を回折により結合するように構成されている。別の実施形態では、マイクロ反射要素を備えるマルチビーム要素224は、複数の指向性光ビームとして導波光部分を反射により結合するように構成され、またはマイクロ屈折要素を備えるマルチビーム要素224は、屈折によって、または屈折を使用して、出射光202の複数の指向性光ビームとして導波光部分を結合するように構成されている(すなわち、屈折により導波光部分を結合する)。
【0065】
本明細書に記載される原理の他の実施形態によれば、光をコリメートする方法が提供される。図6は、本明細書に記載される原理と一致する一実施形態による、一例における光をコリメートする方法300のフローチャートを示す。図示されるように、光をコリメートする方法300は、光導波路内の光を導波光として導波するステップ310を備える。様々な実施形態によれば、導波される(310)光は、光導波路の一端の光源から受け取られる。いくつかの実施形態によれば、導波ステップ310に使用される光導波路は、上記のバーコリメータ100の光導波路110と実質的に類似であり得る。たとえば、光導波路はバー形状光導波路であってもよい。同様に、受け取った光を提供する光源は、上記の光源160と実質的に類似であり得る。たとえば、光源は、単色光および多色光、たとえば白色光の、一方または両方を提供し得る。さらに、様々な実施形態によれば、光は、光導波路の端部の単一の光源から、または両端の光源から、受け取られてもよい。
【0066】
様々な実施形態によれば、光をコリメートする方法300は、抽出光を提供するために光導波路の側の光抽出機能部を使用して光導波路から導波光の一部を散乱させるステップ320をさらに備える。さらに、抽出光は、導波光部分の散乱ステップ320によってバックライトの入力部に向けて配向される。いくつかの実施形態では、散乱ステップ320で使用される光抽出機能部は、上記のバーコリメータ100の光抽出機能部120と実質的に類似であり得る。たとえば、光抽出機能部は、バックライトに隣接している側、および光導波路のバックライト隣接側と反対の側の一方または両方に配置され得る。さらに、いくつかの実施形態では、抽出光はコリメート光であるか、または少なくとも部分的にコリメートされた光であり得る。
【0067】
図6に示される光をコリメートする方法300は、コリメート光を提供するためのコリメートフィルムを使用してコリメート光を提供するために抽出光をコリメートするステップ330をさらに含む。コリメートステップ330で使用されるコリメートフィルムは、光導波路とバックライトとの間に配置される。コリメート光は、バックライトによって受け取られ、バックライトを照らす。さらに、コリメート光は、バックライトの入力部の長さに対応する範囲を有する。いくつかの実施形態では、コリメートフィルムは、バーコリメータ100に関して上記のコリメートフィルム130と実質的に類似であり得る。たとえば、コリメートフィルムは、輝度向上フィルムとして構成されたプリズムフィルムを備え得る。いくつかの実施形態では、抽出光をコリメートするステップ330は、抽出光をさらにコリメートする。
【0068】
いくつかの実施形態(図示せず)では、光をコリメートする方法300は、光導波路のバックライト隣接側と反対の光導波路の側の反射層を使用してバックライトから離れる方向に散乱された光を反射するステップをさらに含み、反射層はバックライト入力部に向けて光を反射する。いくつかの実施形態では、反射層は、上記のバーコリメータ100の反射層140と実質的に類似であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、バックライトはマルチビューバックライトである。これらの実施形態(図示せず)では、光をコリメートする方法300は、バックライトの光導波路内でコリメート光を導波するステップをさらに含み、コリメート光は、バックライト入力部でバックライト光導波路によって受け取られる。さらに、これらの実施形態(図示せず)では、光をコリメートする方法300は、マルチビューバックライトのマルチビーム要素を使用して導波コリメート光の一部を散乱させることによって、複数の指向性光ビームを備える出射光を提供することをさらに含む。様々な実施形態によれば、複数の指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角度方向を有する。
【0070】
このように、バックライトの入力部にコリメート光を提供するために光導波路の側に光抽出機能部を備える、バーコリメータ、バーコリメータを含むバックライトシステム、および光をコリメートする方法の例および実施形態が記載されてきた。上記の例が、単に本明細書に記載される原理を表す多くの具体例のいくつかを例証するに過ぎないことは、理解されるべきである。明らかに、当業者は、以下の請求項で定義される範囲を逸脱することなく、他多くの構成を容易に考案することができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6