(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】電極パッチ
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240430BHJP
A61N 1/04 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
(21)【出願番号】P 2020538104
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 IL2019050045
(87)【国際公開番号】W WO2019138407
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2022-01-07
(32)【優先日】2018-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519416716
【氏名又は名称】セラニカ バイオ-エレクトロニクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ローネン ジャシェック
(72)【発明者】
【氏名】アロン イロニ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ジマーマン
(72)【発明者】
【氏名】オファー リフキンド
(72)【発明者】
【氏名】ロスティスラフ バラバシ
(72)【発明者】
【氏名】アリー ラビッド
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-521889(JP,A)
【文献】特開2001-095928(JP,A)
【文献】米国特許第06377848(US,B1)
【文献】特表2017-519552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0335877(US,A1)
【文献】特表2017-522127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0340884(US,A1)
【文献】特開2005-224387(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0134135(US,A1)
【文献】特表2005-507276(JP,A)
【文献】特開2000-024123(JP,A)
【文献】特表2012-513876(JP,A)
【文献】特表2005-501641(JP,A)
【文献】特表2007-507273(JP,A)
【文献】特開2016-106914(JP,A)
【文献】特開2008-272023(JP,A)
【文献】特表2008-517692(JP,A)
【文献】特表2017-510330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の極及び第2の極(78,70)を備える電池(48)と、
電子回路(53)を備える回路基板(50)であって、前記電池(48)の前記第2の極(70)が前記電子回路(53)に電気的に結合された、回路基板(50)と、
前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間で取り外し可能となるように配置された電池絶縁タブ(42,142)であって、
前記電池絶縁タブ(42,142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記第1の極(78)を前記電子回路(53)から電気的に絶縁するように構成された非導電基板(90)と、
前記非導電基板(90)の上に配置された導電層(92)であって、前記導電層(92)は、前記電池絶縁タブ(42,142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記電池(48)の前記第1の極(78)に電気的に結合されるとともに前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合する手助けをするように構成された、導電層(92)と、
を備える電池絶縁タブ(42,142)と、
を備える装置(20)であって、
前記電池絶縁タブ(42,142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間から永久的に取り外されると前記電池(48)の前記第1の極(78)が前記回路基板(50)の前記電子回路(53)に電気的に接触するように構成され、
被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極(22)と、
前記皮膚接触電極(22)の下のヒドロゲル層(60)であって、前記ヒドロゲル層(60)は、前記装置(20)を前記被験者の皮膚に付着するように構成された、ヒドロゲル層(60)と、
前記ヒドロゲル層(60)をカバーする裏地(62)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流出力電極(72)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流受取電極(74)と、
を更に備え、
前記電子回路(53)は、前記皮膚接触電極(22)を駆動するように構成され、
前記電子回路(53)は、前記裏地(62)
を前記ヒドロゲル層(60)
から取り外す前に、前記電流出力電極(72)を介してテスト電流を前記皮膚接触電極(22)に印加するとともに出力電流が前記電流受取電極(74)によって受け取られたことを検出することによって
、電流を前記ヒドロゲル層(60)に印加することなく前記皮膚接触電極(22)の接続性をテストするように構成された装置(20)。
【請求項2】
前記電池絶縁タブ(42)の前記導電層(92)を前記電子回路(53)に電気的に結合し、これによって、前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子(94)を更に備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電池絶縁タブ(42)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されていない間に、前記電子回路(53)に対する電気的接続(96)を介して前記電池(48)の前記第1の極(78)が前記回路基板(50)の前記電子回路(53)に電気的に接触するように構成され、
前記電気的な接続素子(94)は、前記電池絶縁タブ(42)の前記導電層(92)を前記電子回路(53)のテストポイント(84)に電気的に結合するように構成され、前記テストポイント(84)は、前記電気的接続に電気的に結合された請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記導電層(92)は、前記非導電基板(90)の上面(145)の少なくとも一部の上に配置された上側導電層(92)であり、
前記電池絶縁タブ(142)は、前記非導電基板(90)の底面(147)の少なくとも一部に配置された下側導電層(98)を更に備え、前記非導電基板(90)は、前記上側導電層(92)及び前記下側導電層(98)を互いに電気的に絶縁し、
前記下側導電層(98)は、前記電池絶縁タブ(142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記電子回路(53)に電気的に結合され、
前記上側導電層及び前記下側導電層(92,98)は、前記電池絶縁タブ(142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合する手助けをするように共に構成された請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記上側導電層(92)を前記下側導電層(98)に電気的に結合し、これによって、前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子(194)を更に備える請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記導電層(92)は、前記非導電基板(90)の上にプリントされたプリント導電層を備える請求項1又は2に記載の装置。
【請求項7】
前記電池(48)の前記第2の極(79)が前記電子回路(53)の少なくとも一部に接触するために前記電池(48)を収容するように構成された電池収容部(52)を更に備え、前記電池収容部(52)は、
前記電池収容部(52)を前記電子回路(50)に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタ(80)と、
前記電池(48)の前記第2の極(79)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタ(82)と、を備え、
前記電池収容部(52)の前記機械的なコネクタ(80)及び前記電気的なコネクタ(82)は、前記電池収容部(52)を前記回路基板(50)に接続する前記機械的なコネクタ(80)によって前記電気的なコネクタ(82)が前記電池(48)の前記第2の極(79)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように互いに結合される請求項1又は2に記載の装置。
【請求項8】
前記回路基板(50)は、スロットを画定するように形成され、前記機械的なコネクタ(80)は、前記回路基板(50)の各スロットに収まるように構成された突起を備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電池(48)の前記第2の極(70)は、前記電気的なコネクタ(82)以外の電気的な結合素子を用いて前記電子回路(53)に電気的に結合されない請求項7に記載の装置。
【請求項10】
装置(20)を製造する方法であって、
第1の極及び第2の極(78,70)を有する電池(48)を、電子回路(53)を備える回路基板(50)と共に組み立てることであって、(a)前記電池(48)の前記第2の極(70)が前記電子回路(53)に電気的に結合され、(b)電池絶縁タブ(42,142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間で取り外し可能となるように配置され、前記電池絶縁タブ(42,142)の非導電基板(90)が前記第1の極(78)を前記電子回路(53)から電気的に絶縁することと、
前記電池絶縁タブ(42,142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、(a)前記電池絶縁タブ(42,142)の前記非導電基板(90)の上に配置されるとともに(b)前記電池(48)の前記第1の極(78)に電気的に結合された導電層(92)を介して、前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に一時的に電気的に結合することと、
前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に一時的に電気的に結合する間に、前記電子回路(53)の機能をテストすることと、
を備え、
前記装置(20)は、前記装置(20)の製造後に前記電池絶縁タブ(42,142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間から取り外されると前記電池(48)の前記第1の極(78)が前記回路基板(50)の前記電子回路(53)に電気的に接触するように構成され、
前記装置(20)は、
被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極(22)と、
前記皮膚接触電極(22)の下のヒドロゲル層(60)であって、前記ヒドロゲル層(60)は、前記装置(20)を前記被験者の皮膚に付着するように構成された、ヒドロゲル層(60)と、
前記ヒドロゲル層(60)をカバーする裏地(62)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流出力電極(72)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流受取電極(74)と、
を更に備え、
前記電子回路(53)は、前記皮膚接触電極(22)を駆動するように構成され、
前記電子回路(53)の機能のテスト中に、前記電子回路(53)により、前記電流出力電極(72)を介してテスト電流を前記皮膚接触電極(22)に印加するとともに出力電流が前記電流受取電極(74)によって受け取られたことを検出することによって
、電流を前記ヒドロゲル層(60)に印加することなく前記皮膚接触電極(22)の接続性をテストすることを更に備える方法。
【請求項11】
前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路
(53)に電気的に結合することは、前記電池絶縁タブ(42)の前記導電層(92)を前記電子回路(53)に電気的に結合し、これによって、前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子(94)を用いることを備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記装置(20)は、前記電池絶縁タブ(42)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されていない間に、前記電子回路(53)に対する電気的接続(96)を介して前記電池(48)の前記第1の極(78)が前記回路基板(50)の前記電子回路(53)に電気的に接触するように構成され、
前記電池絶縁タブ(42)の前記導電層(92)を前記電子回路(53)に電気的に結合する前記電気的な接続素子(94)を用いることは、前記電池絶縁タブ(42)の前記導電層(92)を前記電子回路(53)のテストポイント(84)に電気的に結合する前記電気的な接続素子(94)を用いることを備え、前記テストポイント(84)は、前記電気的接続(96)に電気的に結合された請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記導電層(92)は、前記非導電基板(90)の上面(145)の少なくとも一部の上に配置された上側導電層(92)であり、
前記電池絶縁タブ(142)は、前記非導電基板(90)の底面(147)の少なくとも一部に配置された下側導電層(98)を更に備え、前記非導電基板(90)は、前記上側導電層(92)及び前記下側導電層(98)を互いに電気的に絶縁し、
前記下側導電層(98)は、前記電池絶縁タブ(142)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記電子回路(53)に電気的に結合され、
前記電池(48)の前記第1の極(53)を前記電子回路(53)に一時的に電気的に結合することは、前記上側導電層及び前記下側導電層(92,98)を介して前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に一時的に電気的に結合することを備える請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合することは、前記上側導電層(92)を前記下側導電層(98)に電気的に結合し、これによって、前記電池(48)の前記第1の極(78)を前記電子回路(53)に電気的に結合する電気的な接続素子(194)を用いることを備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記導電層(92)は、前記非導電基板(90)の上にプリントされたプリント導電層を備える請求項10又は11に記載の方法。
【請求項16】
前記装置(20)は、前記電池(48)を収容するように構成された電池収容部(52)を更に有し、前記電池(48)の前記第2の極(79)は、前記電子回路(53)の少なくとも一部に接触し、前記電池収容部(52)は、
前記電池収容部(52)を前記電子回路(50)に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタ(80)と、
前記電池(48)の前記第2の極(79)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタ(82)と、を備え、
前記電池(48)を前記回路基板(50)と共に組み立てることは、前記電池収容部(52)の前記機械的なコネクタ(80)及び前記電気的なコネクタ(82)を、前記電池収容部(52)を前記回路基板(50)に接続する前記機械的なコネクタ(80)によって前記電気的なコネクタ(82)が前記電池(48)の前記第2の極(79)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように互いに結合することを備える請求項10又は11に記載の方法。
【請求項17】
前記回路基板(50)は、スロットを画定するように形成され、前記機械的なコネクタ(80)は、突起を備え、前記電池(48)を前記回路基板(50)と共に組み立てることは、前記突起を前記回路基板(50)の各スロットに収めることを備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電池(48)を前記回路基板(50)と共に組み立てることは、前記電気的なコネクタ(82)以外の電気的な結合素子を用いて前記電池(48)の前記第2の極(70)を前記電子回路(53)に電気的に結合することを備えない請求項16に記載の方法。
【請求項19】
電源(299)と共に用いる装置であって、前記装置は、
第1の極及び第2の極(78,79)を備える電池(48)と、
電子回路(53)を備える回路基板(150)であって、前記電池(48)の前記第2の極(79)が前記電子回路(53)に電気的に結合された、回路基板(150)と、
前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間で取り外し可能となるように配置された電池絶縁タブ(242)であって、
前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記第1の極(78)を前記電子回路(53)から電気的に絶縁するように構成された非導電基板(90)と、
前記非導電基板(90)の上に配置された第1の導電層(292)であって、前記第1の導電層(292)は、前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記前記電子回路(53)に電気的に結合する、第1の導電層(292)と、
前記非導電基板(90)の上に配置された第2の導電層(298)であって、前記第2の導電層(298)は、前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、前記電池(48)の前記第2の極(79)に電気的に結合する、第2の導電層と、
を備える電池絶縁タブ(242)と、
を備え、
前記第1の導電層及び前記第2の導電層(292,298)は、前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、互いに電気的に絶縁されるとともに前記電源(299)を前記電子回路(53)に電気的に結合する手助けをするように構成され、
前記装置は、前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間から永久的に取り外されると前記電池(48)の前記第1の極(78)が前記回路基板(150)の前記電子回路(48)に電気的に接触するように構成され、
被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極(22)と、
前記皮膚接触電極(22)の下のヒドロゲル層(60)であって、前記ヒドロゲル層(60)は、前記装置を前記被験者の皮膚に付着するように構成された、ヒドロゲル層(60)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流出力電極(72)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流受取電極(74)と、
を更に備え、
前記電子回路(53)は、前記皮膚接触電極(22)を駆動するように構成され、
前記電子回路(53)は、前記電流出力電極(72)を介してテスト電流を前記皮膚接触電極(22)に印加するとともに出力電流が前記電流受取電極(74)によって受け取られたことを検出することによって
、電流を前記ヒドロゲル層(60)に印加することなく前記皮膚接触電極(22)の接続性をテストするように構成された装置。
【請求項20】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層(292,298)を前記電源(299)の各極に電気的に結合し、これによって、前記電源(299)を前記電子回路(53)に電気的に結合するように構成された第1のリード線及び第2のリード線(294A,294B)を更に備える請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層(292,298)は、前記非導電基板(90)の上にプリントされたプリント導電層を備える請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
装置を製造する方法であって、
第1の極及び第2の極(78,79)を有する電池(48)を、電子回路(53)を備える回路基板(150)と共に組み立てることであって、(a)前記電池(48)の前記第2の極(79)が前記電子回路(53)に電気的に結合され、(b)電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間で取り外し可能となるように配置され、前記電池絶縁タブ(242)の非導電基板(90)が前記第1の極(78)を前記電子回路(53)から電気的に絶縁することと、
前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間に配置されている間に、(a)前記電子回路(53)に電気的に結合された、前記非導電基板(90)の上に配置された第1の導電層(292)及び(b)前記電池(48)の第2の極(79)に電気的に結合された、前記非導電基板(90)の上に配置された第2の導電層(298)を介して、前記電池(48)から分離された電源(299)を前記電子回路(53)に一時的に電気的に結合することであって、前記第1の導電層及び前記第2の導電層(292,298)は、互いに電気的に絶縁されていることと、
前記電源(299)を前記電子回路(53)に一時的に電気的に結合する間に、前記電子回路(53)の機能をテストすることと、
を備え、
前記装置は、前記装置の製造後に前記電池絶縁タブ(242)が前記第1の極(78)と前記電子回路(53)の間から取り外されると前記電池(48)の前記第1の極(78)が前記回路基板の前記電子回路(53)に電気的に接触するように構成され、
前記装置は、
被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極(22)と、
前記皮膚接触電極(22)の下のヒドロゲル層(60)であって、前記ヒドロゲル層(60)は、前記装置を前記被験者の皮膚に付着するように構成された、ヒドロゲル層(60)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流出力電極(72)と、
前記回路基板(
50)と前記皮膚接触電極(22)の間に配置された電流受取電極(74)と、
を更に備え、
前記電子回路(53)は、前記皮膚接触電極(22)を駆動するように構成され、
前記電子回路(53)の機能のテスト中に、前記電子回路(53)により、前記電流出力電極(72)を介してテスト電流を前記皮膚接触電極(22)に印加するとともに出力電流が前記電流受取電極(74)によって受け取られたことを検出することによって
、電流を前記ヒドロゲル層(60)に印加することなく前記皮膚接触電極(22)の接続性をテストすることを更に備える方法。
【請求項23】
前記電源(299)を前記電子回路(53)に電気的に結合することは、前記第1の導電層及び前記第2の導電層(292,298)を前記電源(299)の各極に電気的に結合し、これによって、前記電源(299)を前記電子回路(53)に電気的に結合する第1のリード線及び第2のリード線(294A,294B)を用いることを備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の導電層及び前記第2の導電層(292,298)は、前記非導電基板(90)の上にプリントされたプリント導電層を備える請求項22又は23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、(a)2018年1月11日に出願されたジャシェック等の米国仮出願第62/616,029号明細書及び(b)2018年2月28日に出願されたジャシェック等の米国仮出願第62/636,306号明細書の優先権を主張し、その両方は、本願の譲受人に譲渡されるとともに参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明の一部の応用は、一般的には、医療装置及び方法に関する。具体的には、本発明の一部の応用は、被験者の身体の電気刺激のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気神経刺激は、頭痛を含む激痛の緩和のための可能な治療として用いられてきた。臨床研究では、二つの範囲のパルス周波数(高周波及び低周波)が疼痛の緩和に特に効果的であることを示した。ニューロモデュレーションは、疼痛の緩和のために電気的神経刺激を適用する場合に用いられる用語である。一部のニューロモデュレーション技術は、疼痛を緩和するための侵襲性の埋め込み可能な電気刺激に依存し、他のニューロモデュレーション技術は、皮膚を介した侵襲性の刺激を適用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筋電図検査(EMG)は、骨格筋の神経電気活動を記録するのに用いられる既知の方法である。表面EMG(sEMG)は、関心がある筋肉の上の皮膚の電位が記録される間に当該皮膚に取り付けられる電極パッチを用いる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一部の応用によれば、第1の極及び第2の極を備える電池と、電子回路を備える回路基板と、を備える電極パッチを提供する。一部の応用によれば、電池の第2の極が電子回路に電気的に結合され、電池絶縁タブは、第1の極と電子回路の間で取り外し可能となるように配置される。電池絶縁タブは、パッチの使用前に電池を消耗しないように電池を電子回路から分離する。
【0006】
電池絶縁タブは、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に第1の極を電子回路から電気的に絶縁するように構成された非導電基板と、非導電基板の上に配置された導電層と、を備える。典型的には、導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に電池の第1の極に電気的に結合されるとともに第1の極を電子回路に電気的に結合する手助けをするように構成される。例えば、電極パッチの製造中に、電子回路の機能又はパッチの別の部分(例えば、パッチの電極の接続性)をテストするために、電気的な接続素子を、電池絶縁タブの導電層を電子回路に電気的に結合するために用いてもよい。その後、電気的な接続素子は、パッチの使用の準備ができるまで、電池の第1の極が電子回路から再び絶縁されるように取り外される。その後、パッチが患者によって用いられる準備ができたとき、電池絶縁タブは、電池の第1の極が電子回路に直接接続されるように永久的に取り外される。
【0007】
一部の応用について、パッチは、電池の第2の極が電子回路の少なくとも一部に接触するために電池を収容するように構成された電池収容部を備える。典型的には、電池収容部は、電池収容部を電子回路に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタと、電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタと、を備える。一部の応用について、電池収容部の機械的なコネクタ及び電気的なコネクタは、電池収容部を回路基板に接続する機械的なコネクタによって電気的なコネクタが電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように互いに結合される。
【0008】
典型的には、パッチは、被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極と、皮膚接触電極の下のヒドロゲル層と、を備え、ヒドロゲル層は、パッチを被験者の皮膚に付着するように構成される。一部の応用について、パッチは、回路基板と皮膚接触電極の間に配置された電流出力電極のセットと、回路基板と皮膚接触電極の間に配置された電流受取電極と、を備える。回路基板は、電流出力電極を介してテスト電流を皮膚接触電極に印加するとともに出力電流が電流受取電極によって受け取られたことを検出することによって電流をヒドロゲル層に印加することなく皮膚接触電極の接続性をテストするように構成される。このようにして、皮膚接触電極の接続性は、ヒドロゲル層に対する干渉(例えば、汚すこと、孔を開けること又は他の損傷)なくテストされる。
【0009】
一部の応用について、ここで説明する装置及び方法は、例えば、一般的には、参照によりここに組み込まれるイロニ等による米国特許出願公開第2017/0368344号明細書に記載された技術に従って、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛を治療するのに用いられる。典型的には、第1の解剖領域に(片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛のような)疼痛を感じる被験者に応じて、電極が、被験者の身体の(第1の解剖領域と異なる)第2の解剖領域に配置される。電気エネルギーは、電気パルスを第2の解剖領域に印加することによって第2の解剖領域に付与される。一部の応用について、電極は、被験者が疼痛を感じる位置から25cmを超える距離の位置に配置され、電気エネルギーは、電極が配置された位置に付与される。典型的には、第2の解剖領域に電気エネルギーを付与することによって、第2の解剖領域の疼痛は、調整された痛覚の調整機構を介して軽減される。
【0010】
本発明の一部の応用によれば、以下のシミュレーションプロトコルに従って、電流が、第1の電極及び第2の電極を介して被験者の身体の一部に印加される。電流が、複数の交流電流サイクルの間に被験者の身体の一部に印加され、電流サイクルの各々は、正の部分及び負の部分を有し、電流サイクルが第1の電極と第2の電極の間に印加される向きが逆にされる。典型的には、Nは、1と10の間の整数である。換言すれば、Nサイクルごとに、電流サイクルの正の部分及び負の部分が印加される順序が逆になる。
【0011】
したがって、本発明の発明概念1によれば、
第1の極及び第2の極を有する電池と、
電子回路を有する回路基板であって、電池の第2の極が電子回路に電気的に結合された、回路基板と、
第1の極と電子回路の間で取り外し可能となるように配置された電池絶縁タブであって、
電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、第1の極を電子回路から電気的に絶縁するように構成された非導電基板と、
非導電基板の上に配置された導電層であって、導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、電池の第1の極に電気的に結合されるとともに第1の極を電子回路に電気的に結合する手助けをするように構成された、導電層と、
を有する電池絶縁タブと、
を有し、
電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されていない間に、電池の第1の極が回路基板の前子回路に電気的に接触するように構成された装置を提供する。
【0012】
発明概念2。電池絶縁タブ導電層を電子回路に電気的に結合し、これによって、電池の第1の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子を更に有する発明概念1に記載の装置。
【0013】
発明概念3。電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されていない間に、電子回路に対する電気的接続を介して電池の第1の極が回路基板の電子回路に電気的に接触するように構成され、
電気的な接続素子は、電池絶縁タブの導電層を電子回路のテストポイントに電気的に結合するように構成され、テストポイントは、電気的接続に電気的に結合された発明概念2に記載の装置。
【0014】
発明概念4。導電層は、非導電基板の上面の少なくとも一部の上に配置された上側導電層であり、
電池絶縁タブは、非導電基板の底面の少なくとも一部に配置された下側導電層を更に有し、非導電基板は、上側導電層及び下側導電層を互いに電気的に絶縁し、
下側導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、電子回路に電気的に結合され、
上側導電層及び下側導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、第1の極を電子回路に電気的に結合する手助けをするように共に構成された発明概念1に記載の装置。
【0015】
発明概念5。上側導電層を下側導電層に電気的に結合し、これによって、電池の第1の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子を更に有する発明概念4に記載の装置。
【0016】
発明概念6。導電層は、非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を有する発明概念1又は2に記載の装置。
【0017】
発明概念7。被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に有し、電子回路は、電流を被験者の皮膚に印加するために電極を駆動するように構成された発明概念1又は2に記載の装置。
【0018】
発明概念8。電池の第2の極が電子回路の少なくとも一部に接触するために電池を収容するように構成された電池収容部を更に有し、電池収容部は、
電池収容部を電子回路に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタと、
電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタと、を有し、
電池収容部の機械的なコネクタ及び電気的なコネクタは、電池収容部を回路基板に接続する機械的なコネクタによって電気的なコネクタが電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように互いに結合される発明概念1又は2に記載の装置。
【0019】
発明概念9。回路基板は、スロットを画定するように形成され、機械的なコネクタは、回路基板の各スロットに収まるように構成された突起を有する発明概念8に記載の装置。
【0020】
発明概念10。電池の第2の極は、電気的なコネクタ以外の電気的な結合素子を用いて電子回路に電気的に結合されない発明概念8に記載の装置。
【0021】
さらに、本発明の発明概念11によれば、
装置を製造する方法であって、
第1の極及び第2の極を有する電池を、電子回路を有する回路基板と共に組み立てることであって、(a)電池の第2の極が電子回路に電気的に結合され、(b)電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間で取り外し可能となるように配置され、電池絶縁タブの非導電基板が第1の極を電子回路から電気的に絶縁することと、
電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、(a)電池絶縁タブの非導電基板の上に配置されるとともに(b)電池の第1の極に電気的に結合された導電層を介して、電池の第1の極を電子回路に一時的に電気的に結合することと、
電池の第1の極を電子回路に一時的に電気的に結合する間に、電子回路の機能をテストすることと、
を有し、
装置は、装置の製造後に電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間から取り外されると電池の第1の極が回路基板の電子回路に電気的に接触するように構成された方法を提供する。
【0022】
発明概念12。電池の第1の極を電子回路に電気的に結合することは、電池絶縁タブの導電層を前子回路に電気的に結合し、これによって、電池の第1の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子を用いることを有する発明概念11に記載の方法。
【0023】
発明概念13。装置は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されていない間に、電子回路に対する電気的接続を介して電池の第1の極が回路基板の電子回路に電気的に接触するように構成され、
電池絶縁タブの導電層を電子回路に電気的に結合する電気的な接続素子を用いることは、電池絶縁タブの導電層を電子回路のテストポイントに電気的に結合する電気的な接続素子を用いることを有し、テストポイントは、電気的接続に電気的に結合された発明概念12に記載の方法。
【0024】
発明概念14。導電層は、非導電基板の上面の少なくとも一部の上に配置された上側導電層であり、
電池絶縁タブは、非導電基板の底面の少なくとも一部に配置された下側導電層を更に有し、非導電基板は、上側導電層及び下側導電層を互いに電気的に絶縁し、
下側導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、電子回路に電気的に結合され、
電池の第1の極を電子回路に一時的に電気的に結合することは、上側導電層及び下側導電層を介して電池の第1の極を電子回路に一時的に電気的に結合することを有する発明概念11に記載の方法。
【0025】
発明概念15。電池の第1の極を電子回路に電気的に結合することは、上側導電層を下側導電層に電気的に結合し、これによって、電池の第1の極を電子回路に電気的に結合する電気的な接続素子を用いることを有する発明概念14に記載の方法。
【0026】
発明概念16。導電層は、非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を有する発明概念11又は12に記載の方法。
【0027】
発明概念17。装置は、被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に有し、電子回路は、被験者の皮膚に電流を印加するように電極を駆動するように構成された発明概念11又は12に記載の方法。
【0028】
発明概念18。装置は、電池を収容するように構成された電池収容部を更に有し、電池の第2の極は、電子回路の少なくとも一部に接触し、電池収容部は、
電池収容部を電子回路に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタと、
電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタと、を有し、
電池を回路基板と共に組み立てることは、電池収容部の機械的なコネクタ及び電気的なコネクタを、電池収容部を回路基板に接続する機械的なコネクタによって電気的なコネクタが電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように互いに結合することを有する発明概念11又は12に記載の方法。
【0029】
発明概念19。回路基板は、スロットを画定するように形成され、機械的なコネクタは、突起を有し、電池を回路基板と共に組み立てることは、突起を回路基板の各スロットに収めることを有する発明概念18に記載の方法。
【0030】
発明概念20。電池を回路基板と共に組み立てることは、電気的なコネクタ以外の電気的な結合素子を用いて電池の第2の極を電子回路に電気的に結合することを有しない発明概念18に記載の方法。
【0031】
さらに、本発明の発明概念21によれば、電源と共に用いる装置であって、装置を有し、装置は、
第1の極及び第2の極を有する電池と、
電子回路を有する回路基板であって、電池の第2の極が電子回路に電気的に結合された、回路基板と、
第1の極と電子回路の間で取り外し可能となるように配置された電池絶縁タブであって、
電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、第1の極を電子回路から電気的に絶縁するように構成された非導電基板と、
非導電基板の上に配置された第1の導電層であって、第1の導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、電子回路に電気的に結合する、第1の導電層と、
非導電基板の上に配置された第2の導電層であって、第2の導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、電池の第2の極に電気的に結合する、第2の導電層と、
を有する電池絶縁タブと、
を有し、
第1の導電層及び第2の導電層は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、互いに電気的に絶縁されるとともに電源を電子回路に電気的に結合する手助けをするように構成され、
装置は、電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されていない間に、電池の第1の極が回路基板の電子回路に電気的に接触するように構成された、装置を提供する。
【0032】
発明概念22。第1の導電層及び第2の導電層を電源の各極に電気的に結合し、これによって、電源を電子回路に電気的に結合するように構成された第1のリード線及び第2のリード線を更に有する発明概念21に記載の装置。
【0033】
発明概念23。第1の導電層及び第2の導電層は、非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を備有する発明概念21又は22に記載の装置。
【0034】
発明概念24。装置は、被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に有し、電子回路は、被験者の皮膚に電流を印加するために電極を駆動するように構成された発明概念21又は22に記載の装置。
【0035】
さらに、本発明の発明概念25によれば、装置を製造する方法であって、
第1の極及び第2の極を有する電池を、電子回路を有する回路基板と共に組み立てることであって、(a)電池の第2の極が電子回路に電気的に結合され、(b)電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間で取り外し可能となるように配置され、電池絶縁タブの非導電基板が第1の極を電子回路から電気的に絶縁することと、
電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間に配置されている間に、(a)電子回路に電気的に結合された、非導電基板の上に配置された第1の導電層及び(b)電池の第2の極に電気的に結合された、非導電基板の上に配置された第2の導電層を介して、電池から分離された電源を電子回路に一時的に電気的に結合することであって、第1の導電層及び第2の導電層は、互いに電気的に絶縁されていることと、
電源を電子回路に一時的に電気的に結合する間に、電子回路の機能をテストすることと、
を有し、
装置は、装置の製造後に電池絶縁タブが第1の極と電子回路の間から取り外されると電池の第1の極が回路基板の電子回路に電気的に接触するように構成された方法を提供する。
【0036】
発明概念26。電源を電子回路に電気的に結合することは、第1の導電層及び第2の導電層を電源の各極に電気的に結合し、これによって、電源を電子回路に電気的に結合する第1のリード線及び第2のリード線を用いることを有する発明概念25に記載の方法。
【0037】
発明概念27。第1の導電層及び第2の導電層は、非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を有する発明概念25又は26に記載の方法。
【0038】
発明概念28。装置は、被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に有し、電子回路は、被験者の皮膚に電流を印加するように電極を駆動するように構成された発明概念25又は26に記載の方法。
【0039】
さらに、本発明の発明概念29によれば、被験者の体の一部に電気的に接触して配置されるように構成される第1の電極及び第2の電極のセットと、
複数の交流電流サイクルを被験者の身体の一部に印加し、電流サイクルの各々が正の部分及び負の部分を有することと、
Nサイクルごとに、電流サイクルが第1の電極と第2の電極の間に印加される向きを逆にし、Nは整数であることと、によって、
電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために電極を駆動するように構成された少なくとも一つのコンピュータプロセッサと、
を有する装置を提供する。
【0040】
発明概念30。Nは、1と10の間の整数である発明概念29に記載の装置。
【0041】
発明概念31。コンピュータプロセッサは、サイクルの各々の正の部分の間に送られる正電荷の量がサイクルの各々の負の部分の間に送られる負電荷の量と略同等となるように電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために電極を駆動するように構成された発明概念29~30のいずれか一つに記載の装置。
【0042】
発明概念32。コンピュータプロセッサは、電流サイクルの少なくとも一部の各々の正の部分の間に複数のパルスを被験者の身体の一部に印加するとともに電流サイクルの少なくとも一部の各々の負の部分の間に複数のパルスを被験者の身体の一部に印加するように構成された発明概念29~30のいずれか一つに記載の装置。
【0043】
さらに、本発明の発明概念33によれば、被験者の体の一部に電気的に接触して配置されるように構成される第1の電極及び第2の電極のセットと、
複数の交流電流サイクルを被験者の身体の一部に印加し、電流サイクルの各々が正の部分及び負の部分を有することと、
電流サイクルが第1の電極と第2の電極の間に印加される向きを度々逆にすることと、によって、
電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために電極を駆動するように構成された少なくとも一つのコンピュータプロセッサと、
を有する装置を提供する。
【0044】
発明概念34。少なくとも一つのコンピュータプロセッサは、電流サイクルで測定された繰り返し周期で電流サイクルを印加する向きを度々逆にするように構成された発明概念33に記載の装置。
【0045】
発明概念35。少なくとも一つのコンピュータプロセッサは、時間単位で測定された繰り返し周期で電流サイクルを印加する向きを度々逆にするように構成された発明概念33に記載の装置。
【0046】
発明概念36。コンピュータプロセッサは、サイクルの各々の正の部分の間に送られる正電荷の量がサイクルの各々の負の部分の間に送られる負電荷の量と略同等となるように電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために電極を駆動するように構成された発明概念33~35のいずれか一つに記載の装置。
【0047】
さらに、本発明の発明概念37によれば、電子回路を有する回路基板と、
第1の極及び第2の極を有する電池と、
電池の第2の極が電子回路の少なくとも一部に接触するために電池を収容するように構成された電池収容部と、
を有し、電池収容部は、
電池収容部を電子回路に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタと、
電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタと、を有し、
電池収容部の機械的なコネクタ及び電気的なコネクタは、電池収容部を回路基板に接続する機械的なコネクタによって電気的なコネクタが電池の第2の極を電子回路に電気的に結合するように互いに結合される装置を提供する。
【0048】
発明概念38。回路基板は、スロットを画定するように形成され、機械的なコネクタは、回路基板の各スロットに収まるように構成された突起を有する発明概念37に記載の装置。
【0049】
発明概念39。電池の第2の極は、電気的なコネクタ以外の電気的な結合素子を用いて電子回路に電気的に結合されない発明概念37又は38に記載の装置。
【0050】
さらに、本発明の発明概念40によれば、パッチを有し、パッチは、
電子回路を有する回路基板と、
被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極と、
皮膚接触電極の下のヒドロゲル層であって、ヒドロゲル層は、パッチを被験者の皮膚に付着するように構成されたヒドロゲル層と、
回路基板と皮膚接触電極の間に配置された電流出力電極のセットと、
回路基板と皮膚接触電極の間に配置された電流受取電極のセットと、
を有し、
回路基板は、電流出力電極を介してテスト電流を皮膚接触電極に印加するとともに出力電流が電流受取電極によって受け取られたことを検出することによって電流をヒドロゲル層に印加することなく皮膚接触電極の接続性をテストするように構成された装置を提供する。
【0051】
さらに、本発明の発明概念41によれば、パッチの皮膚接触電極の接続性をテストすることを有し、
パッチは、
電子回路を有する回路基板と、
被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された皮膚接触電極と、
皮膚接触電極の下のヒドロゲル層であって、ヒドロゲル層は、パッチを被験者の皮膚に付着するように構成されたヒドロゲル層と、
回路基板と皮膚接触電極の間に配置された電流出力電極のセットと、
回路基板と皮膚接触電極の間に配置された電流受取電極のセットと、
を有し、テストすることは、電流出力電極を介してテスト電流を皮膚接触電極に印加するとともに出力電流が電流受取電極によって受け取られたことを検出することによって電流をヒドロゲル層に印加することなく皮膚接触電極の接続性をテストすることを有する方法を提供する。
【0052】
さらに、本発明の発明概念42によれば、被験者の皮膚に電気的に接触して配置されるように構成された第1の電極及び第2の電極のセットと、
待機モードでパッチを操作し、
電極が被験者の皮膚に接触していることを検出し、
電極が被験者の皮膚に接触していることの検出に応答してパッチを待機モードから電気刺激モードに自動的に切り替え、電極は、電気刺激モードであるときに電流を被験者の皮膚に印加するように構成された電子回路と、
を有する装置を提供する。
【0053】
発明概念43。電子回路は、電極の間のインピーダンス、電極の間の抵抗及び電極の間の容量からなる群から選択したパラメータの変化を検出することによって電極が被験者の皮膚に接触したことを検出するように構成された発明概念42に記載の装置。
【0054】
本発明は、図面と共に実施の形態の以下の詳細な説明から更に十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】本発明の一部の応用による、電気信号を被験者に印加する電極パッチ、コンピュータプロセッサ及びユーザインタフェースの略図である。
【
図2A】本発明の一部の応用による
図1のパッチの外観の略図である。
【
図2B】本発明の一部の応用による
図1のパッチの外観の略図である。
【
図2C】本発明の一部の応用による
図1のパッチの外観の略図である。
【
図3】本発明の一部の応用による
図1のパッチの立体分解図である。
【
図4A】本発明の一部の応用による、プリントされた導電材料のパターンを有する上側プリント層の略図である。
【
図4B】本発明の一部の応用による、プリントされた導電材料のパターンを有する下側プリント層の略図である。
【
図5A】本発明の一部の応用による
図1のパッチの各素子の略図である。
【
図5B】本発明の一部の応用による
図1のパッチの各素子の略図である。
【
図5C】本発明の一部の応用による
図1のパッチの各素子の略図である。
【
図5D】本発明の一部の応用による
図1のパッチの各素子の略図である。
【
図5E】本発明の一部の応用による他の電池絶縁タブの略図である。
【
図5F】本発明の一部の応用による他の電池絶縁タブの略図である。
【
図5G】本発明の一部の応用による更に別の電池絶縁タブの略図である。
【
図5H】本発明の一部の応用による更に別の電池絶縁タブの略図である。
【
図5I】本発明の一部の応用による回路基板並びに
図5G及び
図5Hの電池絶縁タブの略図である。
【
図6】本発明の一部の応用による、電気信号を被験者に印加するための他のパッチの略図である。
【
図7A】一部の従来技術で用いられる電気刺激プロトコルを示すグラフである。
【
図7B】
図7Aに示す従来の刺激プロトコルを不完全な現実の条件(real-life conditions)で被験者の皮膚にどのように適用されるかを示すグラフである。
【
図7C】本発明の一部の応用による被験者に適用される刺激プロトコルを示すグラフである。
【
図7D】本発明の一部の応用による被験者に適用される刺激プロトコルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明の一部の応用による被験者の腕に配置される電極パッチ20、コンピュータプロセッサ24及びユーザインタフェース16の略図である
図1を参照する。
図1に示すようなパッチ20を被験者の腕に配置されているとしても、本願の範囲は、被験者の腕、上腕、脚、太もも、手、足、腹部、下腹部、くるぶし、胴、背中、首、頭、顔等を含むがそれに限定されない被験者の身体のあらゆる部分に配置されるように構成される。パッチ20は、典型的には、被験者の皮膚に電気的に接触するように構成された電極を備える。各応用によれば、電極は、被験者の皮膚に電流を印加する及び/又は電気信号(例えば、EMG信号)を被験者の皮膚から受信するように構成される。
【0057】
本発明の一部の応用による
図1のパッチの外観のそれぞれの略図である
図2A、
図2B及び
図2Cを参照する。後に説明するように、パッチの中央部40がパッチの電子素子の多くを含むので、パッチの中央部40は、図示したように、典型的には、隆起している。典型的には、中央部を包囲するパッチの領域におけるパッチの厚さは、0.5mmを超える及び/又は5mm未満である、例えば、0.5mmと5mmの間である。更に典型的には、中央部におけるパッチの厚さは、6mmを超える及び/又は15mm未満である、例えば、6mmと15mmの間である。一部の応用について、パッチの長さLは、5cmを超える(例えば、10cmを超える)及び/又は20cm未満である(例えば、15cm未満である)、例えば、5cmと20cmの間である又は10cmと15cmの間である。一部の応用について、パッチの幅Wは、3cmを超える(例えば、5cmを超える)及び/又は9cm未満である(例えば、7cm未満である、例えば、3cmと9cmの間である又は5cmと7cmの間である。
図2A及び
図2Bに示すように、典型的には、パッチは、パッチ内に配置される電池絶縁タブ42と共にパッケージ化され、電池絶縁タブを、後に更に詳しく説明する。
【0058】
本発明の一部の応用によるパッチ20の立体分解図である
図3を参照する。
図3に示すように、パッチ20は、典型的には複数の層から組み立てられる。一部の応用について、パッチは、第1の上側保護層44と、第2の保護層46と、を備える。第1の層及び第2の層は、保護層の下にあるパッチの内側層を保護するように構成される。特許請求の範囲を含む本願で用いられる「下にある」は、更に低いこと、すなわち、第1の上側保護層から更に遠くなるとともに後に説明するようにパッチを被験者の皮膚に付着するように構成されたヒドロゲル層60に更に近接することを意味する。一部の応用について、第1の上側保護層は、ポリ塩化ビニルのようなポリマーから構成され、第2の保護層は、ポリエチレン及び/又はポリウレタンのようなポリマーから構成された泡層である。典型的には、パッチは、(典型的には、図示したようなコイン電池である)電池48と、(
図5Bに符号を付した)電子回路53を有する回路基板50(例えば、プリント回路基板)と、電池を収容するとともに後に説明するように電池と回路基板の電子回路の間の電気接触を行うように構成された電池収容部52と、を備える。例えば、電池48は、図示したようなコイン電池であってもよい又は他のタイプの一次電池(例えば、塩化チオニルリチウム(Lithium-thionyl chloride)[Li-SOCl
2]、二酸化マンガンリチウム(Lithium Manganese Dioxide)[Li/MnO
2]等)であってもよい。上述したように、パッチは、典型的には、パッチに配置された電池絶縁タブ42と共にユーザに供給される。電池絶縁タブは、電池がパッチの使用前に消耗しないように電池を回路基板の電子回路から分離するように構成される。後に説明するように、電池絶縁タブは、例えば、回路基板の電子回路の機能をパッチの製造のテスト段階中のようなパッチの製造中にテストするように一時的に電池を回路基板の電子回路に電気的に結合する手助けをするように構成される。従来知られているように、パッチのような医療機器を製造することは、パッチの素子の組立前、組立中及び/又は組立後に、典型的には、パッチの最終的なパッケージングの前にパッチの素子をテストすることを有する。
【0059】
典型的には、パッチは、上側プリント層56と、下側プリント層58と、を備え、プリント層の各々は、後に更に詳しく説明するように、プリントされた導電材料のパターンを有する。上側プリント層及び下側プリント層の両方は、典型的には、プリント回路基板の下に配置される。一部の応用について、上側プリント層は、スペーシング素子54を愛してプリント回路基板から分離されている。典型的には、スペーシング素子は、導電材料(例えば、金属)から構成され、回路基板と上側プリント層の間の電気的な結合を行うように構成される。次に、上側プリント層は、典型的には、下側プリント層に電気的に結合される。下側プリント層は、電気刺激を被験者に加える電極22を画定する。一部の応用について、電極22は、被験者の電気信号を検知するのに用いられる。
【0060】
典型的には、ヒドロゲル層60は、下側プリント層58の下に配置され、ヒドロゲル層は、(a)パッチを被験者の皮膚に付着するとともに(b)下側プリント層を被験者の皮膚に電気的に結合するように構成される。一部の応用について、電極22及びヒドロゲル層のようなパッチ20の一部は、UltraStim(登録商標) Snap電極(例えば、部品番号SN2020)又はUltraStim(登録商標) Garment電極(例えば、部品番号US2020)のようなAxelgaard Manufacturing Co.Ltd.(米国カリフォルニア州フォールブルック)により製造された電極を備える。典型的には、パッチを被験者の皮膚に設ける前に、パッチを、ヒドロゲル層をカバーする裏地62と共にユーザに供給する。裏地は、典型的には、取り外し可能である。一部の応用について、裏地は、ヒドロゲルからの裏地の取外しを手助けするためにポリエステルフィルムを備える。
【0061】
本発明の一部の応用による、パッチ20の上側プリント層56及び下側プリント層58の略図である
図4A及び
図4Bを参照する。一部の応用について、上側プリント層及び下側プリント層は、(ポリエステル(PET,PEN)、ポリカーボネート(PC)、紙、ポリイミド(PI)及び/又はポリエーテルイミド(PEI)のような)基板の上にプリントされた(典型的には、銀、銀/塩化銀、炭素、グラフェン、ニッケル、鉄、タングステン、ビスマス、亜鉛、PEDOT、及び/又は、白金炭素のような混合を含む)導電層から構成される。典型的には、導電材料のパターンは、層の各々の両側にプリントされる。一部の応用について、下側層の導電材料は、複数のグリッド76(例えば、図示したような二つのグリッド76)となるように形成され、グリッドの各々は、電気信号を被験者に印加する及び/又は電気信号を被験者から受信する電極22としての役割を果たす中心(central focal point)を画定する。
【0062】
一部の応用について、上側プリント層は、パッチの組立中に上側プリント層をプリント回路基板に整列させるのを手助けするように構成された整列マーカ70を備える。典型的には、上側プリント層の導電材料は、電流を下側プリント層の導電材料に印加するように構成された複数の電力出力電極72を画定する。一部の応用について、上側プリント層の導電材料は、下側プリント層の導電材料からの電流を受け取るように構成された複数の電流受取電極74を更に画定する。一部の応用について、(下側プリント層によって画定された)電極22の接続性は、パッチ20の製造のテスト段階のようなパッチ20の製造中に、パッチの上側プリント層の電流出力電極72及び電流受取電極74を用いてテストされる。このようにして、電極22の接続性は、ヒドロゲル層60を介して電流を印加する必要なく回路基板50によってテストされる。したがって、電極22の接続性を、裏地62を除去する必要なく、かつ、ヒドロゲル層の未使用かつ無菌の状態(unused and sterile state)を維持しながらテストすることができる。典型的には、電極の接続性をテストするために、回路基板内の電子回路53は、テスト電流を、電流出力電極72を介して電極22に印加する。出力電流が(典型的には下側導電層のグリッド76に電気的に結合された)電流受取電極74によって受け取られたことを検出したことに応答して、回路は、電極が適切に接続されていると判断する。
【0063】
本発明の一部の応用による、電気信号を被験者に印加するパッチ20の各素子の略図である
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dを参照する。
図5Aは、コイン電池48、回路基板50及び電池収容部52を示す。典型的には、回路基板は、電流を被験者の皮膚に印加するために電極22を駆動するように構成された又は電気信号を被験者の皮膚から受信するように構成された電子回路53を有するプリント回路基板である。一部の応用について、電池収容部は、(電池の下側の底部として
図3に符号を付した)電池の第1の極78(例えば、負の極)が(少なくとも電池絶縁タブが一度取り外されると)回路基板の電子回路の一部に電気的に接触する(例えば、直接電気的に接触する)ために電池を収容するように構成される(代替的には、第1の極78を電池の正の極としてもよい。)。一部の応用について、収容部52は、電池収容部をプリント回路基板に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタ80を備える。例えば、機械的なコネクタは、プリント回路基板によって画定されたスロットに収まるように構成された突起を備えてもよい。
【0064】
一部の応用について、電池収容部は、(電池の最上側として
図3に符号を付した)電池の第2の極79(例えば、正の極)を回路基板の電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタ82を更に備える(代替的には、第2の極79を電池の負の極としてもよい。)。典型的には、電池収容部の機械的なコネクタ80及び電気的なコネクタ82は、電池収容部を回路基板に接続する機械的なコネクタによって電気的なコネクタが電池の第2の極79を回路基板の電子回路に電気的に結合するように互いに結合される。典型的には、電気的なコネクタは、回路基板の電子回路に更に結合する必要がない。例えば、電気的なコネクタは、典型的には、プリント回路基板にはんだ付けされる必要がない。
【0065】
図5Bは、本発明の一部の応用による、導電スペーシング素子54が結合された回路基板54の下を示す。典型的には、導電スペーシング素子54は、回路基板を下側プリント層56の電流出力電極72及び電流受取電極74の各電極に電気的に結合するように構成される。
【0066】
図5Cは、本発明の一部の応用による電池絶縁タブ52を示す。一部の応用について、電池絶縁タブは、(ポリエステル(PET,PEN)、ポリカーボネート(PC)、紙、ポリイミド(PI)及び/又はポリエーテルイミド(PEI)のような)非導電基板を備え、(典型的には、銀、銀/塩化銀、炭素、グラフェン、ニッケル、鉄、タングステン、ビスマス、亜鉛、PEDOT、及び/又は、白金炭素のような混合を含む)導電層92が非導電基板90の一方の側の少なくとも一部の上に配置(例えば、プリント)される。
【0067】
典型的には、パッチを製造するときに(典型的には、電池を回路基板と共に組み立てる間に)、電池絶縁タブ42は、電池の極の一方(例えば、上述したように負の極であってもよい第1の極78)と回路基板の電子回路の(
図3に符号を付した)対応する電気的接続96の間に配置される。典型的には、電池絶縁タブは、電池がパッチの使用前に消耗しないように電池を回路基板の電子回路から電気的に分離する。一部の応用について、導電層92は、例えば、回路基板の電子回路の機能をパッチの製造のテスト段階の間のようなパッチ20の製造中にテストできるようにするために回路基板の電子回路に対する電池の電気的な結合を一時的に手助けするように構成される。例えば、回路基板を、ブルートゥース(登録商標)のような無線プロトコルを用いて無線でテストしてもよい。
【0068】
図5Dは、組立中のコイン電池48、回路基板50及び電池収容部52を示すとともに追加した専用のテスト治具97を図式的に示す。典型的には、パッチ20の製造中に回路基板50の電子回路53の機能をテストするために、電池絶縁タブ42が挿入して配置される。電気的な接続素子94(例えば、選択的に(例えば、一つ以上のポゴピンを備える)(図示したような)テスト治具97の素子又は(図示しない)専用のテストヘッドとすることができるリード線)は、電池絶縁タブ42の導電層92及び回路基板の電子回路の(
図5Aに示す)テストピン84に電気的に結合される。テストポイント84は、(
図3に符号を付した)電気的接続96に電気的に結合される。このようにして、回路基板50の電子回路53から絶縁された電池の極(例えば、第1の極78)は、導電層92、電気的な接続素子94及びテストポイント84を介して、回路基板の電子回路に一時的に電気的に結合される。上述したように、電池の第2の極79は、電池収容部52を介して、回路基板の電子回路に電気的に結合される。したがって、回路基板の電子回路は、電池の正の極又は負の極に電気的に接続され、回路基板の機能を、パッチ20の製造中にテストすることができる。例えば、回路基板を、ブルートゥース(登録商標)のような無線プロトコルを用いて無線でテストしてもよい。
【0069】
その後、電気的な接続素子94は、パッチの使用の準備ができるまで、電池の極(例えば、第1の極78)が回路基板50の電子回路53から再び絶縁されるように取り外される。その後、パッチが患者によって用いられる準備ができたとき、電池絶縁タブ42は、電池の極(例えば、第1の極78)が回路基板の電子回路に直接接続されるように永久的に取り外される。
【0070】
本発明の一部の応用による電池絶縁タブ142の略図である
図5E及び
図5Fを参照する。
図5Eは、タブの最上側164Aを示し、
図5Fは、タブの底(下)側164Bを示す。
図5Eは、専用のテスト治具197を更に示す。後に説明するものを除いて、電池絶縁タブ142は、
図2A~5Dを参照しながら上述した電池絶縁タブ42と同一であり、電池絶縁タブ42の形態のいずれかを実現することができ、上述したように用いることができる。
図2A~2Cに示すようなパッチ20の組立の完了後でも
図5E及び
図5Fを参照しながら説明する技術を
用いるテストを選択的に実行してもよいことに留意されたい。
【0071】
図5Cを参照しながら説明した、非導電基板90と、非導電基板90の最上面145の少なくとも一部の上の上側導電層としての導電層92と、を備えるのに加えて、電池絶縁タブ142は、非導電基板90の底(下)面147の少なくとも一部の上の下側導電層98を更に備える(典型的には、電池絶縁タブが第1の極と電子回路53の間に配置されている間に、第1の極78は上側導電層に電気的に接触する。)。電池絶縁タブ142が(典型的には、パッチの製造中に)電池の極の一方(例えば、第1の極78)と対応する電気的接続96の間に配置されるときに、例えば、電池絶縁タブ42について上述したように電池がパッチの使用前に消耗しないようにするために、電池絶縁タブ142が電池を回路基板50の電子回路53から電気的に分離するように構成され、非導電基板90は、上側導電層92及び下側導電層98を互いに電気的に絶縁する。
【0072】
典型的には、パッチ20の製造中に回路基板50の電子回路53の機能をテストするために、電池絶縁タブ42が挿入して配置される。電気的な接続素子194(例えば、選択的に(図示したような)テスト治具197の素子又は(図示しない)専用のテストヘッドとすることができるリード線)は、電池絶縁タブ142の上側導電層92と下側導電層98の両方に電気的に結合される。このようにして、回路基板の電子回路から絶縁された電池の極(例えば、第1の極78)は、上側導電層92、電気的な接続素子194、下側導電層98及び電気的接続96を介して、回路基板の電子回路に一時的に電気的に結合される。上述したように、電池の第2の極79は、電池収容部52を介して、回路基板の電子回路に電気的に結合される。したがって、回路基板の電子回路は、電池の正の極又は負の極に電気的に接続され、回路基板の機能を、パッチ20の製造中にテストすることができる。例えば、回路基板を、ブルートゥース(登録商標)のような無線プロトコルを用いて無線でテストしてもよい。
【0073】
その後、電気的な接続素子194は、パッチの使用の準備ができるまで、電池の極(例えば、第1の極78)が回路基板50の電子回路53から再び絶縁されるように取り外される。その後、パッチが患者によって用いられる準備ができたとき、電池絶縁タブ142は、電池の極(例えば、第1の極78)が回路基板の電子回路に直接接続されるように永久的に取り外される。
【0074】
本発明の一部の応用による電池絶縁タブ242の略図である
図5G及び
図5Hを参照する。
図5Gは、タブの最上側264Aを示し、
図5Hは、タブの底(下)側264Bを示す。
【0075】
本発明の一部の応用による、回路基板150及び電池絶縁タブ142の略図である
図5Iを参照する。後に説明するものを除いて、回路基板150は、
図3を参照しながら上述した回路基板50と同一である。
【0076】
図5H及び
図5Iは、(電池48から分離した)電源299並びに第1のリード線294A及び第2のリード線294Bを備える専用のテスト治具297を更に図式的に示す。電源299は、電池48と同一タイプの電力、例えば、電池と同一の電圧及び振幅の直流電力を供給するように構成される。後に説明するものを除いて、電池絶縁タブ242は、
図2A~5Dを参照しながら上述した電池絶縁タブ42と同一であり、電池絶縁タブ42の形態のいずれかを実現することができ、上述したように用いることができる。
図2A~2Cに示すようなパッチ20の組立の完了後でも
図5G及び
図5Hを参照しながら説明する技術を
用いるテストを選択的に実行してもよいことに留意されたい(実際には、タブがパッチの他の素子に接続されていない間に、テスト治具297が電池絶縁タブ42で用いられることに留意されたい。それにもかかわらず、テスト治具とタブの間の接点の図を明瞭にするためにテスト治具を
図5Hに示す。)。
【0077】
電池絶縁タブ242は、非導電基板90と、非導電基板90の底面247の第1の部分の上の第1の導電層292と、非導電基板90の底面247の第2の部分の上の第2の導電層298と、を備える。第1の導電層292及び第2の導電層298は、互いに電気的に絶縁される。
【0078】
電池絶縁タブ242が(典型的には、パッチの製造中に)電池の極の一方(例えば、第1の極78)と対応する電気的接続96の間に配置されるとき、
・電池絶縁タブ242の非導電基板90は、電池絶縁タブ42について上述したように電池がパッチの使用前に消耗しないようにするために、電池を回路基板150の電子回路53から電気的に分離するように構成され、
・第1の導電層292は、例えば、回路基板150の電気的接続96を介して、電子回路53に電気的に結合され、
・第2の導電層298は、例えば、回路基板150の第2の電気的接続251を介して、電池の第2の極79に接触し、第2の電気的接続251は、例えば、
図5A及び
図5Bを参照しながら上述した電気的なコネクタ82を介して、電池の第2の極79に結合される。
【0079】
典型的には、パッチ20の製造中に回路基板150の電子回路53の機能をテストするために、電池絶縁タブ242が挿入して配置される。テスト治具297の第1のリード線294A及び第2のリード線294Bはそれぞれ、第1の導電層292及び第2の導電層298にそれぞれ結合される。したがって、回路基板150の電子回路53は、テスト治具297の電源299の正の極及び負の極に電気的に接続される(第1のリード線294Aは、第1の導電層292に結合され、第1の導電層292は、例えば、回路基板150の電気的接続96を介して、電子回路53に結合される。第2のリード線294Bは、第2の導電層294に結合され、第2の導電層294は、例えば、回路基板150の第2の電気的接続251を介して、電池の第2の極79に結合される。
図5A~5Dを参照して上述したように、電池の第2の極79は、例えば、電気的なコネクタ82を介して、電子回路53に結合される。電源299が電池の第2の極79に電気的に結合されているとしても、電池の第1の極78が電子回路53から切り離されるとともに非導電タブ層90により294Aに接続された電源の各極から切り離されている(電池の第2の極79のみが電子回路53に接続されている)ので、電流が電池を流れない又は電池から流れないことに留意されたい。)。したがって、電子回路53の機能を、パッチ20の製造中にテストすることができる。例えば、回路基板を、ブルートゥース(登録商標)のような無線プロトコルを用いて無線でテストしてもよい。この形態において、電池48は、テスト手順の始めから終わりまで回路基板150の電子回路53から電気的に絶縁されたままである。
【0080】
その後、電気的な接続素子294Aお曜日294Bが取り外される。電池の極(例えば、第1の極78)は、パッチの使用の準備ができるまで、回路基板の電子回路から絶縁されたままである。その後、パッチが患者によって用いられる準備ができたとき、電池絶縁タブ242は、電池の極(例えば、第1の極78)が回路基板の電子回路に直接接続されるように永久的に取り外される。
【0081】
図5A~5Iを参照する。一部の応用について、電池絶縁タブ42が取り外された後でも、回路基板の電子回路は、待機モードでパッチを動作させるように構成され、パッチによる消費電力は、比較的少なくなる。一部の応用について、制御回路は、電極22が被験者の皮膚に接触したのを検出したことに応答して、パッチを待機モードから電気刺激モードに自動的に切り替えるように構成される。典型的には、電気刺激モードにおいて、パッチは、例えば、ここで説明する技術及び/又は特許出願及び/又は後に参照により組み込まれる刊行物に従って、ユーザインタフェースと通信を行うとともに電気刺激を被験者に印加する。したがって、パッチが電気刺激モードであるときのパッチによる電力消費は、パッチが待機モードのときより多くなる。例えば、生後回路を、電極22の間のインピーダンス及び/又は抵抗及び/又は容量が変化したのを検出したことに応答して、パッチを待機モードから電気刺激モードに自動的に切り替えるように構成されてもよい。
【0082】
図5A~5Iを参照して説明した技術をパッチ20について説明したが、これらの技術を、必ずしも電極22又はパッチ20の他の素子を備えない他の電子装置で用いてもよい。
【0083】
本発明の一部の応用によるパッチ120の略図である
図6を参照する。
図6に示すパッチ120は、後に説明する違いを除いて、
図1~5Dを参照して上述したパッチ20と一般的に同様である。一部の応用について、パッチは、一般的には、図示したように矩形形状を画定する。典型的には、パッチの大きさは、上述して説明したものと一般的に同様であり、変更すべきところは変更する。一部の応用について、パッチ120は、上述した層44及び46の機能を組み合わせた単一の保護層を備える。保護層の下において、パッチ120は、回路基板、例えば、電子回路を有するプリント回路基板を備える。一部の応用について、膜51、例えば、カプトン膜は、回路基板に結合され、電極22を回路基板の電子回路に電気的に結合するように構成される。例えば、電流出力電極72及び電流受取電極74をカプトン膜に配置してもよい。コイン電池48は、典型的には、電池収容部52に収容される。典型的には、電池収容部は、
図2A~5Dを参照して上述した収容部52と一般的に同様である。(
図6に示さない)一部の応用について、パッチ120は、電池絶縁タブ、例えば、
図3~5D、
図5E~5F及び
図5G~5Iを参照してパッチ20について上述した電池絶縁タブ42,142,144を備える。電極の下において、パッチは、典型的には、ヒドロゲル層60と、取り外し可能の裏地62と、を備える。一部の応用について、パッチ120は、プリント回路基板とヒドロゲル層の間の絶縁層58を更に備える。
【0084】
再び
図1を参照すると、一部の応用について、ここで説明するパッチ20は、例えば、一般的には、参照によりここに組み込まれるイロニ等による米国特許出願公開第2017/0368344号明細書及び/又は(イロニ等による国際特許出願公開第2018/060997号明細書として発行された)国際特許出願第PCT/IL2017/051087号明細書に記載された技術に従って、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛を治療するのに用いられる。
【0085】
典型的には、第1の解剖領域に(片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛のような)疼痛を感じる被験者に応じて、パッチが、被験者の身体の(第1の解剖領域と異なる)第2の解剖領域に配置される。典型的には、電気エネルギーは、パッチ20の電極22を介して電気パルスを第2の解剖領域に印加することによって第2の解剖領域に付与される。一部の応用について、電極は、被験者が疼痛を感じる位置から25cmを超える距離の位置に配置され、電気エネルギーは、電極が配置された位置に付与される。典型的には、第2の解剖領域に電気エネルギーを付与することによって、第2の解剖領域の疼痛は、調整された痛覚の調整機構を介して軽減される。
【0086】
本発明の一部の応用を、パッチ20に配置された電極22を用いて実施するものとして説明したが、本願の範囲は、ここで説明した電極と異なるタイプの電極を介してここで説明した信号特性を有する電気刺激信号を被験者に印加することを含む。例えば、刺激を、埋め込み電極、皮下電極(subcutaneous electrodes)及び/又は被験者を電気的に刺激するように構成された他のタイプの電極を介して与えてもよい。
【0087】
一部の応用について、経皮電気エネルギーを、パッチ20に配置された電極を用いて被験者の首の末端に印加する。一部の応用について、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛を感じたことに応答して、被験者は、
図1に示す被験者の上腕のような被験者の身体の一部にパッチ20を配置する。一部の応用について、電極は、(例えば、月経困難症、月経前症候群及び/又は月経痙攣のような被験者の月経痛を治療するために)被験者の腕の異なる位置、被験者の手、脚、足及び/又は下腹部のような被験者の身体の種々の部分に配置される。典型的には、電極は、被験者の皮膚に電気的に接触して配置される。更に典型的には、回路基板50の電子回路は、典型的にはコンピュータプロセッサから無線で受信する制御信号に応答して電極を制御する。
【0088】
一部の応用について、一般的には、イロニ等による米国特許出願公開第2017/0368344号明細書及び/又は(イロニ等による国際特許出願公開第2018/060997号明細書として発行された)国際特許出願第PCT/IL2017/051087号明細書に記載された技術に従って、片頭痛、頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛を治療するために、電気刺激パルスが被験者の皮膚に印加される。一部の応用について、コンピュータプロセッサ24は、電気刺激パルスを被験者に印加するために電極を駆動し、実質的に神経刺激を加える間(例えば、神経刺激が加えられる時間の90%より多い間)に、印加される信号は、高周波成分と低周波成分の両方を有する。典型的には、印加される信号は、搬送波としての役割を果たす高周波成分及び搬送波を変調する変調波としての役割を果たす低周波成分を有する振幅偏移変調信号である。
【0089】
一部の応用について、高周波成分は、80Hzを超える(例えば、90Hzを超える)及び/又は120Hzより低い(例えば、110Hzより低い)周波数、例えば、80Hzと120Hzの間の周波数又は90Hzと110Hzの間の周波数を有する。一部の応用について、低周波成分は、1Hzを超える(例えば、1.5Hzを超える)及び/又は8Hzより低い(例えば、4Hzより低い)周波数、例えば、1Hzと8Hzの間の周波数又は1.5Hzと4Hzの間の周波数を有する。電気刺激の高周波成分及び低周波成分は、典型的には、下降する鎮痛メカニズム(descending analgesic mechanisms)を刺激する。一部の応用について、低周波成分は、主に、エンドルフィン放出を刺激し、それに対し、高周波成分は、主に、セロトニン及び/又はノルアドレナリン放出を刺激する。
【0090】
典型的には、高周波成分は、搬送波としての役割を果たし、低周波成分は、搬送波を変調する変調波の役割を果たす。変調率は、低周波信号のデューティーサイクルの非アクティブ段階(inactive phase)の間に低周波が高周波を変調する率である。換言すれば、低周波信号のパルスがアクティブであるとき、振幅偏移変調信号の全体の電流は、振幅偏移変調信号の公称最大値(nominal maximum)と公称最小値(nominal minimum)の間で交番する(alternate)。低周波信号のパルスが非アクティブであるとき、振幅偏移変調信号の全体の電流は、振幅偏移変調信号の公称最大値から変調率を減算したものと公称最小値から変調率を減算したものの間で交番する。変調率が小さい(すなわち、0に近い)場合、変調波の影響は小さく、(逆も同様)変調率が大きい(すなわち、1に近い)場合、変調波の影響は大きくなる。典型的には、変調率が0.3より大きい(例えば、0.4より大きい)及び/又は0.8より小さい(例えば、0.7より小さい)、例えば、0.3と0.8の間である又は0.4と0.7の間である。
【0091】
一部の応用について、信号の高周波成分は、基本周波数より10~20%低い値と基本はより10~20%高い値の間でドリフトする。例えば、基本周波数から開始して、信号の高周波成分の周波数は、基本周波数より10~20%だけ高くなるまで1分ごとに2Hz増大する。信号の高周波成分の周波数は、基本周波数より10~20%だけ低くなるまで1分ごとに2Hz減少する。代替的又は追加的には、周波数は、4~5分ごとに約10Hz増大又は減少する。一部の応用について、高周波成分の周波数をドリフトさせることによって、刺激に対する被験者の調整又は慣れが減少する。すなわち、これによる一定の刺激に対する知覚される脳の受容が経時的に低下する現象の影響が減少する。
【0092】
典型的には、第2の解剖領域に印加される電気刺激パルスは、例えば、Aδ繊維、C繊維又は運動神経線維のいずれかより強くAβ繊維が刺激されるように構成される。更に典型的には、50%を超える(例えば、80%を超える)印加される電気エネルギーがAβ繊維を刺激し、20%未満の(例えば、10%未満の)印加される電気エネルギーがAδ繊維、C繊維又は運動神経線維のいずれか一つを刺激する。すなわち、神経線維のAδ、C及び運動カテゴリーの各々は、20%未満の(例えば、10%未満又は5%未満の)印加されるエネルギーによって刺激される。典型的には、(非侵害(non-nociceptive)である)Aβ繊維をAδ繊維又はC繊維より強く刺激することによって、電気パルスは、調整された疼痛変調メカニズムをアクティブにし、これによって、第1の刺激領域の疼痛が減少するが、第2の解剖領域の局所的な疼痛がほとんど生じない(場合によっては、全く生じない)。非侵害であるにもかかわらず、Aβ繊維の知冪は、調整された疼痛変調機構のアクティブ化に有効である。Aδ繊維及びC繊維の刺激を制限することによって、Aδ繊維及び/又はC繊維の刺激によって生じる局所的な疼痛が制限される。さらに、Aβ繊維の刺激は、刺激されたAδ繊維及びC繊維により生じた局所的な疼痛を抑制するように、Aδ繊維及びC繊維の発火(firing)を抑制する。運動繊維の刺激を制限することによって、これらの繊維の電気刺激によって生じる被験者の筋肉の不随意運動が制限され、これによって、被験者の不快感を減少させる。
【0093】
典型的には、第2の解剖領域に印加される電気パルスは、例えば、パルスのパルス幅及び電流の強度がAβ繊維のしきい値レベルよる上であるがAδ繊維、C繊維及び運動繊維のしきい値レベルより下に設定されるように電気パルスの電流の強度及び持続時間を構成することによってAδ繊維、C繊維又は運動繊維のいずれかより強くAβ繊維を刺激するように構成される。
【0094】
一部の応用について、パルス幅は、80マイクロ秒より長く設定される(例えば、120マイクロ秒より長く設定される)及び/又は300マイクロ秒より短く設定される(例えば、200マイクロ秒より短く設定される)、例えば、80~300マイクロ秒に設定される又は120~300マイクロ秒に設定される。一部の応用について、電流の強度は、20mAより大きく設定される(例えば、40mAより大きく設定される)及び/又は80mAより小さく設定される(例えば、70mAより小さく設定される)、例えば、20~80mAに設定される又は40~70mAに設定される。電気パルスに上述したパラメータを用いることによって、Aδ繊維、C繊維及び/又は運動神経繊維のある程度の刺激があることに留意されたい。しかしながら、上述したように、典型的には、50%を超える(例えば、80%を超える)印加されるエネルギーがAβ繊維を刺激し、20%未満の(例えば、10%未満の)印加されるエネルギーがAδ繊維、C繊維及び運動神経繊維のいずれか一つを刺激する。
【0095】
一部の応用について、所定のユーザに対する適切な刺激パラメータは、ユーザ又はユーザの介護人によってインタラクティブに決定される。例えば、ユーザ又は介護人は、(ユーザインタフェースを介した)刺激強度が(例えば、筋肉の活動を見る又は感じることによって)運動しきい値に到達するまで徐々に強度を増大してもよい。ユーザ又は介護人は、その後に刺激強度を僅かに減少させてもよい。典型的には、運動神経刺激に対する電流強度しきい値は、Aβのしきい値より上であるが、Aδ又はCのしきい値より下である。したがって、電流強度を運動神経刺激しきい値より僅かに下に減少させることによって、Aδ神経が刺激されるが、運動神経、Aδ神経及びC神経はほとんど刺激されない。
【0096】
一部の応用について、ユーザインタフェース26は、スマートフォン30、タブレットデバイス32及び/又はパーソナルコンピュータ34のような一つ以上の装置のユーザインタフェース素子を備える。典型的には、そのような応用について、コンピュータプロセッサ24は、装置のコンピュータプロセッサである。
図1がユーザインタフェース及びプロセッサとしてスマートフォンを用いるユーザを示すが、本発明の範囲がこのために他の装置、例えば、タブレット装置32又はパーソナルコンピュータ34の使用も含むことに留意されたい。一部の応用について、回路基板50の電子回路は、ここで説明するコンピュータプロセッサ機能の一部を実行する。代替的又は追加的には、回路基板の電子回路は、典型的には、WiFi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は任意の近距離無線通信(NFC)プロトコルのような既知のプロトコルを用いて(スマートフォン30、タブレット装置32及び/又はパーソナルコンピュータ34のような)外部装置のコンピュータプロセッサと電極の間の通信を手助けするのに用いられる。
【0097】
回路基板は、典型的には、電極を制御するマイクロコードでプログラムされた中央処理装置(CPU)と、刺激中に刺激シーケンスを記憶する一つ以上の記憶部と、インパルス生成器と、無線通信の素子と、を備える。一部の応用について、回路基板は、集積システムオンチップ(SoC)である。回路基板は、典型的には、例示としてダイオード、抵抗、コンデンサ等のような素子を備えてもよい電子回路を備える。
【0098】
一部の応用について、コンピュータプロセッサは、コンピュータプロセッサ上で実行されるプログラム又はアプリケーション(例えば、スマートフォン30、タブレット装置32及び/又はパーソナルコンピュータ34上で実行されるプログラム又はアプリケーション)を介して、を感じることを示す被験者からの入力を受け取る。入力に応答して、コンピュータプロセッサは、制御信号を回路基板の電子回路に送信する。典型的には、制御信号の受信に応答して、回路基板の電子回路は、電気刺激パルスを被験者(例えば、
図1に示すように、被験者の上腕)に印加するために電極を駆動する。一部の応用について、コンピュータプロセッサは、特定の治療プログラムを示す被験者からの入力及び/又は供給される(刺激の強度のような)制御刺激パラメータを受け取る。
【0099】
一部の応用について、コンピュータプロセッサは、イベントが被験者によって検知される前に頭痛、片頭痛、線維筋痛、月経困難症、外傷後頭痛、月経前症候群、月経痛及び/又は他の疼痛の発現を回避するように被験者に刺激を与えるために電極を駆動するように構成される。例えば、ここで説明する刺激治療は、規則的な間隔で、例えば、毎日提供されてもよい。各応用によれば、(実行されるプログラム又はアプリケーションを介した)コンピュータプロセッサは、治療スケジュールの順守を手助けするために、そのような治療を手助けしてもよい及び/又は必要なときに被験者に自動的に注意喚起してもよい。
【0100】
一部の応用について、電極22は、皮膚の単位領域ごとの電流の強度が3.75mA/cm2となるようにパッチ20に配置される。このようにして、パッチを介して印加される電気エネルギーは、ユーザに対する触覚を生成するが、パッチが被験者の皮膚に配置される位置の局所的な疼痛をほとんど生成しない。
【0101】
(イロニ等による国際特許出願公開第2018/060997号明細書として発行された)国際特許出願第PCT/IL2017/051087号明細書に記載されているように、例えば、20分から1時間の範囲の治療期間中、被験者は、位置を変えてもよい。さらに、被験者は、電極22が配置されている身体の部分(例えば、四肢)を動かすことを所望してもよい。例えば、
図1に示す応用について、被験者は、治療期間中に腕を動かすことを所望してもよい。しかしながら、鎮痛治療に対して加えられる刺激量は、脳から上腕の運動神経又は上腕から手に向かう運動神経に送られる内因性神経刺激に対する妨害に関して十分大きいことがある。そのような妨害によって必要な動きを行うのが困難になることがある及び/又は不快感が生じることがある。
【0102】
一般的には、被験者の不快感を減少させるために、電気刺激量を、運動活性化しきい値より低くする必要があり、それは、被験者ごとに異なり、特定の被験者については、複数の内部要因及び閑居要因に応じて変化することがある。
【0103】
したがって、一部の応用について、電極22は、被験者の皮膚に電流を印加することによって被験者を電気的に刺激するように構成された刺激電極と、被験者の電気パラメータを検知するように構成された検知電極と、を備える。検知電極は、典型的には、表面EMG電極であり、刺激電極の周辺に配置された筋肉をエネベートする(enervate)運動神経から生成されたEMG信号を検知するように構成される。一部の応用について、検知電極は、刺激電極の周辺の位置を横切るが他の位置に配置された筋肉をエネベートする運動神経(例えば、上腕を通じて手に向かう運動神経)によって生成されたEMG信号を検知するように構成される。
【0104】
典型的には、検知電極によって検知された信号に応答して、コンピュータプロセッサ(又は回路基板の電子回路)は、上述した運動神経のEMGのエネルギーの変化を判断する。例えば、電極が配置された四肢の動きを開始する又は試みる被験者に応答して、コンピュータプロセッサ(又は回路基板の電子回路)は、EMG信号の増大を検出する。それに応答して、コンピュータプロセッサ(又は回路基板の電子回路)は、刺激電極を介して供給される電気刺激の刺激量を減少させる(その理由は、EMG信号の増大が被験者により四肢を動かすこと又は四肢を動かすのを試みることを表すとともに電気刺激信号が動き又は試みられる動きを妨害することを表すからである。)。その後、EMGエネルギーが所定の期間に亘って所定のレベルまで減少したことの検出に応答して、コンピュータプロセッサ(又は回路基板の電子回路)は、電気刺激の刺激量を自動的に増大する(その理由は、EMG信号の増大が被験者により四肢を動かすのを止めること又は四肢を動かすことの試みを止めることを表すからである。)。
【0105】
一部の応用について、
EEMG=コンピュータプロセッサによって測定及び計算されたEMGの瞬時のエネルギー、
ETH=コンピュータプロセッサが四肢の動き又は試みた動きの表示として解釈するように構成されたEMGエネルギーのしきい値レベル(すなわち、動きのしきい値レベル)、
EHYS=四肢が動作状態から非動作状態に変わったときにコンピュータプロセッサがヒステリシスと解釈するように構成されたEMGエネルギーの差、
DBASE=四肢の動きがないときのすなわち量を減少させる必要がないときの通常の刺激量、及び
DMOTION=四肢の動きを検出した場合にシステムが調整する減少した刺激量の表記を用いる場合、コンピュータプロセッサは、以下のアルゴリズムを適用する。
EEMG<ETHである場合、D=DBASE(すなわち、動きがないときには通常の動作)。
EEMG≧ETHである場合、D=DMOTION(動きを検出した場合、刺激量を減少させる)。
量を減少させた後に、
EEMG<(ETH-EHYS)である場合、D=DBASE(すなわち、動いた後、刺激量を、動きしきい値レベルからヒステリシス曲線に従って経時的に変化するエネルギー量だけ減少した値より下にEMG信号が降下した場合にのみ再び減少させる。)。
【0106】
一部の応用について、ETH及びEHYSの値は、被験者ごとに個別に決定される。例えば、先ず、被験者は、以下の技術を用いて、較正段階中にコンピュータプロセッサを較正してもよい。刺激量を、被験者が刺激を感じることができるようになるまで手動で調整するが、刺激は疼痛を感じない。その後、被験者は、静止状態から動作状態への変化及び動作状態から静止状態への変化の間に被験者が経験するEMGエネルギーの変化をコンピュータプロセッサに記録させるために、四肢の数回の動きを意図的に行う。
【0107】
上述したように、一部の応用について、動きの終了後、刺激量を、動きしきい値レベルからヒステリシス曲線に従って経時的に変化するエネルギー量だけ減少した値より下にEMG信号が降下した場合にのみ再び減少させる。ヒステリシス曲線に従って変化する値だけ減算する理由は、検出したEMGが動きしきい値より上になるとき及び下になるときにコンピュータプロセッサが通常の刺激量と減少した刺激量の間のジャンピングを行うのを防止するためである。この理由は、コンピュータプロセッサが通常の刺激量と減少した刺激量の間のジャンピングを行う結果として被験者に不快感を与えるおそれがあるからである。
【0108】
一部の応用について、DBASEの値は、上述したように、被験者が較正段階中に選択する刺激パラメータに基づいて決定される。DMOTIONの値は、典型的には、DBASEの所定の%、例えば、DBASEの50~90%又は60~80%である。
【0109】
一部の応用について、DBASEは、先ず、(DMOTOR-ε)に設定され、DMOTORは、運動神経活性化のしきい値であり、εは、運動活性化が回避されるのを保証するのに用いられるマージンである。典型的には、量調整(例えば、四肢が動く間の電気刺激量の減少)は、意図的な調整によって行われる。一部の応用について、パルス幅及び/又はパルス周波数が調整される。一部の応用について、コンピュータプロセッサは、最初にパラメータの各々を調整するとともにいずれのパラメータを調整することによって運動活性化に要求される最小量を引き起こすかを決定することによって、量調整を行うためにどのパラメータを調整すべきかを決定する。コンピュータプロセッサは、これを、被験者の神経系が最大感度を有するパラメータを表すものと解釈し、このパラメータを調整することによって量を変える。
【0110】
一部の応用について、代替的又は追加的には、コンピュータプロセッサは、被験者が電極を配置した四肢を動かす又は動かすことを試みることを自動的に決定し、被験者は、被験者が四肢を動かす又は動かすことを試みることを表す入力をコンピュータプロセッサに供給してもよい。同様に、代替的又は追加的には、コンピュータプロセッサは、被験者が動かす又は動かすことを試みるのを終了したことを自動的に決定し、被験者は、被験者が動かす又は動かすことを試みるのを終了したことを表す入力をコンピュータプロセッサに供給してもよい。
【0111】
本発明の一部の応用は、パッチ20の電極22のような電極を用いて被験者に供給される電気刺激プロトコルに関する。刺激プロトコルを、
図7C及び
図7Dを参照しながら後に説明する。一部の応用について、
図7C及び
図7Dを参照しながら後に説明する刺激プロトコルを用いることによって、経皮電気刺激によって時々生じる皮膚の炎症及び/又は赤化を減少又は除去する。一部の応用について、
図7C及び
図7Dを参照しながら後に説明する刺激プロトコルは、代替的又は追加的な理由で用いられる。
【0112】
一部の従来技術で用いられる電気刺激プロトコルを示すグラフである
図7Aを参照する。神経刺激及び/又は変調装置は、病状に対処するための電気エネルギーの利用に基づく。例えば、経皮電気神経刺激(TENS)を、局所的な腰痛のような局所的な疼痛を治療するのに用いられる。典型的には、そのような技術において、電気波形が、典型的には1(又はそれより多い)対の電極のセットを介して被験者の皮膚に印加される。更に典型的には、そのような電気波形は、電気パルスのセットを繰り返すサイクルから構成され、各サイクルは、
図7Aに示すように、陽性相及び陰性相を有する。
【0113】
そのような波形の第1の相(例えば、陰性相)は、神経調節応答を引き出すために用いられ、それに対し、第2の相(例えば、陽性相)は、荷電平衡(charge balancing)のために設けられる。理論的には、荷電平衡は、各サイクルの(Qpを付した)陽性相の間に被験者の皮膚に供給される正電荷が各サイクルの(Qnを付した)陰性相の間に被験者の皮膚に供給される負電荷に等しくなるように刺激プロトコルを設定することによって実現される。したがって、理論的には、各サイクルの全体に亘って及び刺激時間が経過する間に、被験者の皮膚に供給される正電荷の総量は、被験者の皮膚に供給される負電荷の総量に等しくなり、すなわち、残留電荷が被験者の皮膚に存在しない(
図7A~7Cの説明との関連において、用語「正電荷」及び「負電荷」が電子及び陽子を意味しないことに留意されたい。)。正確には、正電荷の蓄積は、電極の第1の電極(例えば、駆動電極)における電荷の蓄積を意味し、それに対し、負電荷の蓄積は、第2の電極(例えば、受動電極)における電荷の蓄積を意味し、逆も同様である。荷電平衡は、いずれの電極にも電荷の蓄積がないことを意味する。
【0114】
図7Aに示す従来の刺激プロトコルを不完全な現実の条件で被験者の皮膚にどのように適用されるかを示すグラフである
図7Bを参照する。現実の条件において、被験者の皮膚に適用される刺激曲線の形状が理論的な形状に従わないことが典型的なケースである。例えば、これは、互いに異なる被験者の皮膚に対する各電極の結合の度合いの結果である。
図7Bに示す例において、不完全な現実の条件のために、各刺激サイクルの曲線の(正電荷Qpに対応する)正の部分の領域は、各刺激サイクルの曲線の(負電荷Qnに対応する)負の部分の領域より大きい。そのような場合、被験者の皮膚に電荷が徐々に蓄積される。一部のケースにおいて、これによって、被験者の皮膚の炎症、被験者の皮膚の痕及び/又は他の不所望な影響が引き起こされることがある。そのような不所望な影響が
図7Aに示す特定の刺激プロトコル又は
図7Bに示す特定の現実の刺激曲線に限定されないことに留意されたい。例えば、一部のケースにおいて、そのような影響は、刺激プロトコルが
図7Aに示す方形波曲線ではなく正弦波曲線である場合でも生じる。同様に、そのような影響は、被験者の皮膚に負電荷が蓄積されるように曲線の負の部分の領域を曲線の正の部分の領域より大きくした場合でも生じる。
【0115】
本発明の一部の応用による被験者に適用される刺激プロトコルを示すグラフである
図7C及び
図7Dを参照する。
図7Cは、電気刺激プロトコルを示し、
図7Dは、
図7Bに示す従来の刺激プロトコルに関連して上述したように
図7Cに示す刺激プロトコルを不完全な現実の条件で被験者の皮膚にどのように適用されるかを示す。上述したように、電気刺激は、サイクル中に少なくとも一つのコンピュータプロセッサによって与えられ、各サイクルは、皮下信号を供給する第1の相(例えば、陽性相)と、荷電平衡を行うために与えられる第2の相(例えば、陰性相)と、を有する。典型的には、Nサイクル(Nは整数)の各セットの後、電気刺激を与える電極対に属する電極の役割が、駆動電極が受動電極となるように切り替えられ、その逆も同様である。換言すれば、Nサイクルごとに、電流サイクル(すなわち、電流)が第1の電極と第2の電極の間で印加される向きを、少なくとも一つのプロセッサによって逆にし、Nは整数である。換言すれば、Nサイクルの各セットの後、サイクルの陽性相及び陰性相が印加される順番を逆にする(
図7C及び
図7Dに示す相の極性を第1の電極について測定する)。例えば、
図7C及び
図7Dに示すように、各サイクルの後に電極の役割が上述したように切り替わるようにNを1とし、例えば、第1のサイクルにおいて、陽性相が、印加される陰性相の前に印加され、第2のサイクルにおいて、陰性相が、印加される陽性相の前に印加される。一部の応用について、Nは、1と10の間の整数である又は1と1000の間の整数である。
【0116】
したがって、少なくとも一つのコンピュータプロセッサは、電流サイクル(すなわち、電流)が第1の電極と第2の電極の間で印加される向きを繰り返し逆にするように構成される。一部の応用について、上述したように電流サイクルの繰り返し周波数を測定する代わりに、少なくとも一つのコンピュータプロセッサは、時間単位で測定された繰り返し周期で電流サイクルが印加される向きを繰り返し逆にするように構成される。
【0117】
一部の応用について、電流サイクルの少なくとも幾つか(例えば、電流サイクルの各々)の各陽性相(すなわち、部分)は、複数のパルス(例えば、2~10、例えば、2~5のような2~100のパルス)を有する、及び/又は、電流サイクルの(例えば、電流サイクルの各々)の各陰性相(すなわち、部分)は、複数のパルス(例えば、2~10、例えば、2~5のような2~100のパルス)を有する(
図7A~7Dに示さない形態)。一部の応用について、パルスの各々の間隔は、陽性相の正パルスの最後と同一サイクルの続く陰性相のパルスの最初の間の間隔と等しくてもよい(逆方向のパルスに対して、陰性相の負パルスの最後と同一サイクルの続く陽性相のパルスの最初の間の間隔と等しくてもよい。)。代替的には、一部の応用について、パルスの各々の間隔は、陽性相の正パルスの最後と同一サイクルの続く陰性相のパルスの最初の間の間隔より小さくてもよい(逆方向のパルスに対して、陰性相の負パルスの最後と同一サイクルの続く陽性相のパルスの最初の間の間隔より小さくてもよい。)。
【0118】
本願の発明者は、
図7C及び
図7Dを参照しながら説明した方法で電気刺激を与えた結果として被験者の皮膚に生じる炎症、被験者の皮膚の痕及び/又は他の不所望な影響がないことを見いだした。この理由は、上述した方法で電気刺激を与えることによって、例えば、駆動電極に電荷が蓄積された場合でも一度電極を反転させるとこの電荷が除去されるからであると仮定される。
【0119】
一部の応用について、
図7C及び
図7Dを参照しながら説明した刺激プロトコルは、ここで説明する他のシミュレーションパラメータ及び/又は技術と組み合わせて適用される。
【0120】
本発明の一部の応用を、パッチ20に配置された電極22を用いて実施するものとして説明したが、本願の範囲は、ここで説明した電極と異なるタイプの電極を介してここで説明した信号特性を有する電気刺激信号を被験者に印加することも含む。例えば、刺激を、埋め込み電極、皮下電極及び/又は被験者を電気的に刺激するように構成された他のタイプの電極を介して与えてもよい。
【0121】
ここで説明した発明の応用は、コンピュータ又はコンピュータプロセッサ24のような任意の命令実行システムによって又はそれに関連して用いられるプログラムコードを設けるコンピュータ可使用又はコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体)からアクセス可能なコンピュータプロブラム製品の形態をとってもよい。この記載のために、コンピュータ可使用又はコンピュータ可読媒体を、命令実行システム、装置又はデバイスにより又はそれに関連して用いられるプログラムを具備、記憶、送信、伝搬又は転送することができる任意の装置とすることができる。媒体は、電子、磁気、光、電磁、赤外線、又は、半導体システム(又は装置又はデバイス)、又は、伝搬媒体であってもよい。典型的には、コンピュータ可使用又はコンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可使用又はコンピュータ可読媒体である。
【0122】
コンピュータ可読媒体の例は、半導体固体メモリ、磁気テープ、取り外し自在のコンピュータディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、硬質磁気ディスク及び光ディスクを含む。光ディスクの現在の例は、コンパクトディスク-リードオンリーメモリ(ROM)、コンパクトディスク-読取り/書込み(CD-R/W)及びDVDを含む。一部の応用について、クラウドストレージ及び/又はリモートサーバのストレージを用いる。
【0123】
プログラムコードの記憶及び/又は実行に適切なデータ処理システムは、直接的に又はシステムバスを介して間接的に記憶素子に結合された少なくとも一つのプロセッサ(例えば、コンピュータプロセッサ24)を有する。記憶素子は、プログラムコードを実際に実行する間に用いられるローカルメモリと、大容量記憶装置と、実行中に大容量記憶装置からコードを検索する必要がある回数を減少させるために少なくとも一部のプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリと、を備える。システムは、プログラム記憶装置の本発明による命令を読み出すとともに本発明の実施の形態の方法を実行するために命令に従うことができる。
【0124】
ネットワークアダプタを、プロセッサが介在プライベートネットワーク又はパブリックネットワークを介して他のプロセッサ、リモートプリンタ又は記憶装置に結合できるようにするためにプロセッサに結合してもよい。モデム、ケーブルモデム及びイーサネット(登録商標)カードは、現在利用できるタイプのネットワークアダプタの一部である。
【0125】
本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードを、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、C++(登録商標)等のようなオブジェクト指向プログラミング言語及びCプログラミング言語又は同様なプログラミング言語のような通常の手続き型プログラミング言語を含む一つ以上のプログラミング言語の任意の組合せによって書き込んでもよい。
【0126】
ここで説明した方法をコンピュータプログラム命令によって実現できることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ(例えば、コンピュータプロセッサ24)を介して実行される命令が本願で説明した方法で特定される機能/動作を実現する手段を形成するようにマシンを製造するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供してもよい。これらのコンピュータプログラム命令を、特定の方法で機能するようにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を指示することができるコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体)に記憶してもよく、コンピュータ可読媒体に記憶された命令は、本願に記載された方法で特定される命令/動作を実現する命令手段を含む製品を製造する。コンピュータプログラム命令を、一連の操作ステップをコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置で実行させるためにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードして、コンピュータ実現プロセスを生成してもよく、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置で実行される命令は、本願で説明した方法で特定される機能/動作を実現するプロセスを提供する。
【0127】
コンピュータプロセッサ24及びここで説明した他のコンピュータプロセッサは、典型的には、汎用コンピュータを製造するためにコンピュータプログラム命令によってプログラムされたハードウェア装置である。例えば、ここで説明した方法を実行するようにプログラムされたとき、コンピュータプロセッサは、典型的には、専用電気刺激コンピュータプロセッサとして動作する。典型的には、コンピュータプロセッサによって実行されるここで説明した動作は、用いられる技術に応じて異なる磁極性、電荷等を有する実際の物理的な製品であるメモリの物理的な状態を変換する。
【0128】
一実施の形態において、本願の譲受人に譲り受けられるとともに参照によりここに組み込まれる以下の特許出願の一つ以上に記載された技術及び装置を、ここで説明した技術及び装置に組み合わせる。イロニ等による米国特許出願公開第2017/0368344号明細書、ハーパク等による国際特許出願公開第2017/122195号明細書、イロニ等による米国特許出願公開第2018/0345020号明細書、イロニ等による国際特許出願公開第2018/060997号明細書、イロニ等による国際特許出願公開第2018/215879号明細書、2016年9月29日に出願された米国仮出願第62/401,380号明細書、2016年9月29日に出願された米国仮出願第62/401,392号明細書、2016年9月26日に出願された米国仮出願第62/412,981号明細書、2018年1月8日に出願された米国仮出願第62/614,613号明細書、2018年1月11日に出願された米国仮出願第62/616,029号明細書及び2018年2月28日に出願された米国仮出願第62/636,306号明細書。
【0129】
本発明が特に示すとともに上述したものに限定されないことは当業者によって理解される。それどころか、本発明の範囲は、上述した種々の特徴の組合せとサブコンビネーションの両方と、当業者が上述した説明を読んだときに生じる、従来技術でないこれらの組合せ及びサブコンビネーションの変更及び変形と、を含む。
本明細書に開示される発明は以下を含む。
[態様1]
第1の極及び第2の極を備える電池と、
電子回路を備える回路基板であって、前記電池の前記第2の極が前記電子回路に電気的に結合された、回路基板と、
前記第1の極と前記電子回路の間で取り外し可能となるように配置された電池絶縁タブであって、
前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記第1の極を前記電子回路から電気的に絶縁するように構成された非導電基板と、
前記非導電基板の上に配置された導電層であって、前記導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記電池の前記第1の極に電気的に結合されるとともに前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合する手助けをするように構成された、導電層と、
を備える電池絶縁タブと、
を備え、
前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されていない間に、前記電池の前記第1の極が前記回路基板の前記電子回路に電気的に接触するように構成された装置。
[態様2]
前記電池絶縁タブの前記導電層を前記電子回路に電気的に結合し、これによって、前記電池の前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子を更に備える態様1に記載の装置。
[態様3]
前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されていない間に、前記電子回路に対する電気的接続を介して前記電池の前記第1の極が前記回路基板の前記電子回路に電気的に接触するように構成され、
前記電気的な接続素子は、前記電池絶縁タブの前記導電層を前記電子回路のテストポイントに電気的に結合するように構成され、前記テストポイントは、前記電気的接続に電気的に結合された態様2に記載の装置。
[態様4]
前記導電層は、前記非導電基板の上面の少なくとも一部の上に配置された上側導電層であり、
前記電池絶縁タブは、前記非導電基板の底面の少なくとも一部に配置された下側導電層を更に備え、前記非導電基板は、前記上側導電層及び前記下側導電層を互いに電気的に絶縁し、
前記下側導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記電子回路に電気的に結合され、
前記上側導電層及び前記下側導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合する手助けをするように共に構成された態様1に記載の装置。
[態様5]
前記上側導電層を前記下側導電層に電気的に結合し、これによって、前記電池の前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子を更に備える態様4に記載の装置。
[態様6]
前記導電層は、前記非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を備える態様1又は2に記載の装置。
[態様7]
被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に備え、前記電子回路は、電流を被験者の皮膚に印加するために前記電極を駆動するように構成された態様1又は2に記載の装置。
[態様8]
前記電池の前記第2の極が前記電子回路の少なくとも一部に接触するために前記電池を収容するように構成された電池収容部を更に備え、前記電池収容部は、
前記電池収容部を前記電子回路に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタと、
前記電池の前記第2の極を前記電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタと、を備え、
前記電池収容部の前記機械的なコネクタ及び前記電気的なコネクタは、前記電池収容部を前記回路基板に接続する前記機械的なコネクタによって前記電気的なコネクタが前記電池の前記第2の極を前記電子回路に電気的に結合するように互いに結合される態様1又は2に記載の装置。
[態様9]
前記回路基板は、スロットを画定するように形成され、前記機械的なコネクタは、前記回路基板の各スロットに収まるように構成された突起を備える態様8に記載の装置。
[態様10]
前記電池の前記第2の極は、前記電気的なコネクタ以外の電気的な結合素子を用いて前記電子回路に電気的に結合されない態様8に記載の装置。
[態様11]
装置を製造する方法であって、
第1の極及び第2の極を有する電池を、電子回路を備える回路基板と共に組み立てることであって、(a)前記電池の前記第2の極が前記電子回路に電気的に結合され、(b)電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間で取り外し可能となるように配置され、前記電池絶縁タブの非導電基板が前記第1の極を前記電子回路から電気的に絶縁することと、
前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、(a)前記電池絶縁タブの前記非導電基板の上に配置されるとともに(b)前記電池の前記第1の極に電気的に結合された導電層を介して、前記電池の前記第1の極を前記電子回路に一時的に電気的に結合することと、
前記電池の前記第1の極を前記電子回路に一時的に電気的に結合する間に、前記電子回路の機能をテストすることと、
を備え、
前記装置は、前記装置の製造後に前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間から取り外されると前記電池の前記第1の極が前記回路基板の前記電子回路に電気的に接触するように構成された方法。
[態様12]
前記電池の前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合することは、前記電池絶縁タブの前記導電層を前記電子回路に電気的に結合し、これによって、前記電池の前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合するように構成された電気的な接続素子を用いることを備える態様11に記載の方法。
[態様13]
前記装置は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されていない間に、前記電子回路に対する電気的接続を介して前記電池の前記第1の極が前記回路基板の前記電子回路に電気的に接触するように構成され、
前記電池絶縁タブの前記導電層を前記電子回路に電気的に結合する前記電気的な接続素子を用いることは、前記電池絶縁タブの前記導電層を前記電子回路のテストポイントに電気的に結合する前記電気的な接続素子を用いることを備え、前記テストポイントは、前記電気的接続に電気的に結合された態様12に記載の方法。
[態様14]
前記導電層は、前記非導電基板の上面の少なくとも一部の上に配置された上側導電層であり、
前記電池絶縁タブは、前記非導電基板の底面の少なくとも一部に配置された下側導電層を更に備え、前記非導電基板は、前記上側導電層及び前記下側導電層を互いに電気的に絶縁し、
前記下側導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記電子回路に電気的に結合され、
前記電池の前記第1の極を前記電子回路に一時的に電気的に結合することは、前記上側導電層及び前記下側導電層を介して前記電池の前記第1の極を前記電子回路に一時的に電気的に結合することを備える態様11に記載の方法。
[態様15]
前記電池の前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合することは、前記上側導電層を前記下側導電層に電気的に結合し、これによって、前記電池の前記第1の極を前記電子回路に電気的に結合する電気的な接続素子を用いることを備える態様14に記載の方法。
[態様16]
前記導電層は、前記非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を備える態様11又は12に記載の方法。
[態様17]
前記装置は、被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に備え、前記電子回路は、被験者の皮膚に電流を印加するように前記電極を駆動するように構成された態様11又は12に記載の方法。
[態様18]
前記装置は、前記電池を収容するように構成された電池収容部を更に有し、前記電池の前記第2の極は、前記電子回路の少なくとも一部に接触し、前記電池収容部は、
前記電池収容部を前記電子回路に機械的に接続するように構成された機械的なコネクタと、
前記電池の前記第2の極を前記電子回路に電気的に結合するように構成された電気的なコネクタと、を備え、
前記電池を前記回路基板と共に組み立てることは、前記電池収容部の前記機械的なコネクタ及び前記電気的なコネクタを、前記電池収容部を前記回路基板に接続する前記機械的なコネクタによって前記電気的なコネクタが前記電池の前記第2の極を前記電子回路に電気的に結合するように互いに結合することを備える態様11又は12に記載の方法。
[態様19]
前記回路基板は、スロットを画定するように形成され、前記機械的なコネクタは、突起を備え、前記電池を前記回路基板と共に組み立てることは、前記突起を前記回路基板の各スロットに収めることを備える態様18に記載の方法。
[態様20]
前記電池を前記回路基板と共に組み立てることは、前記電気的なコネクタ以外の電気的な結合素子を用いて前記電池の前記第2の極を前記電子回路に電気的に結合することを備えない態様18に記載の方法。
[態様21]
電源と共に用いる装置であって、装置を備え、前記装置は、
第1の極及び第2の極を備える電池と、
電子回路を備える回路基板であって、前記電池の前記第2の極が前記電子回路に電気的に結合された、回路基板と、
前記第1の極と前記電子回路の間で取り外し可能となるように配置された電池絶縁タブであって、
前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記第1の極を前記電子回路から電気的に絶縁するように構成された非導電基板と、
前記非導電基板の上に配置された第1の導電層であって、前記第1の導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記前記電子回路に電気的に結合する、第1の導電層と、
前記非導電基板の上に配置された第2の導電層であって、前記第2の導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、前記電池の前記第2の極に電気的に結合する、第2の導電層と、
を備える電池絶縁タブと、
を備え、
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、互いに電気的に絶縁されるとともに前記電源を前記電子回路に電気的に結合する手助けをするように構成され、
前記装置は、前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されていない間に、前記電池の前記第1の極が前記回路基板の前記電子回路に電気的に接触するように構成された装置。
[態様22]
前記第1の導電層及び前記第2の導電層を前記電源の各極に電気的に結合し、これによって、前記電源を前記電子回路に電気的に結合するように構成された第1のリード線及び第2のリード線を更に備える態様21に記載の装置。
[態様23]
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、前記非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を備える態様21又は22に記載の装置。
[態様24]
前記装置は、被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に備え、前記電子回路は、被験者の皮膚に電流を印加するために前記電極を駆動するように構成された態様21又は22に記載の装置。
[態様25]
装置を製造する方法であって、
第1の極及び第2の極を有する電池を、電子回路を備える回路基板と共に組み立てることであって、(a)前記電池の前記第2の極が前記電子回路に電気的に結合され、(b)電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間で取り外し可能となるように配置され、前記電池絶縁タブの非導電基板が前記第1の極を前記電子回路から電気的に絶縁することと、
前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間に配置されている間に、(a)前記電子回路に電気的に結合された、前記非導電基板の上に配置された第1の導電層及び(b)前記電池の第2の極に電気的に結合された、前記非導電基板の上に配置された第2の導電層を介して、前記電池から分離された電源を前記電子回路に一時的に電気的に結合することであって、前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、互いに電気的に絶縁されていることと、
前記電源を前記電子回路に一時的に電気的に結合する間に、前記電子回路の機能をテストすることと、
を備え、
前記装置は、前記装置の製造後に前記電池絶縁タブが前記第1の極と前記電子回路の間から取り外されると前記電池の前記第1の極が前記回路基板の前記電子回路に電気的に接触するように構成された方法。
[態様26]
前記電源を前記電子回路に電気的に結合することは、前記第1の導電層及び前記第2の導電層を前記電源の各極に電気的に結合し、これによって、前記電源を前記電子回路に電気的に結合する第1のリード線及び第2のリード線を用いることを備える態様25に記載の方法。
[態様27]
前記第1の導電層及び前記第2の導電層は、前記非導電基板の上にプリントされたプリント導電層を備える態様25又は26に記載の方法。
[態様28]
前記装置は、被験者の皮膚に付着するように構成された電極を更に備え、前記電子回路は、被験者の皮膚に電流を印加するように前記電極を駆動するように構成された態様25又は26に記載の方法。
[態様29]
被験者の体の一部に電気的に接触して配置されるように構成される第1の電極及び第2の電極のセットと、
複数の交流電流サイクルを被験者の身体の一部に印加し、前記電流サイクルの各々が正の部分及び負の部分を有することと、
Nサイクルごとに、前記電流サイクルが前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加される向きを逆にし、Nは整数であることと、によって、
電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために前記電極を駆動するように構成された少なくとも一つのコンピュータプロセッサと、
を備える装置。
[態様30]
Nは、1と10の間の整数である態様29に記載の装置。
[態様31]
前記コンピュータプロセッサは、前記サイクルの各々の前記正の部分の間に送られる正電荷の量がサイクルの各々の前記負の部分の間に送られる負電荷の量と略同等となるように前記電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために前記電極を駆動するように構成された態様29~30のいずれか一つに記載の装置。
[態様32]
前記コンピュータプロセッサは、前記電流サイクルの少なくとも一部の各々の前記正の部分の間に複数のパルスを被験者の身体の一部に印加するとともに前記電流サイクルの少なくとも一部の各々の前記負の部分の間に複数のパルスを被験者の身体の一部に印加するように構成された態様29~30のいずれか一つに記載の装置。
[態様33]
被験者の体の一部に電気的に接触して配置されるように構成される第1の電極及び第2の電極のセットと、
複数の交流電流サイクルを被験者の身体の一部に印加し、前記電流サイクルの各々が正の部分及び負の部分を有することと、
前記電流サイクルが前記第1の電極と前記第2の電極の間に印加される向きを度々逆にすることと、によって、
電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために前記電極を駆動するように構成された少なくとも一つのコンピュータプロセッサと、
を備える装置。
[態様34]
前記少なくとも一つのコンピュータプロセッサは、前記電流サイクルで測定された繰り返し周期で前記電流サイクルを印加する向きを度々逆にするように構成された態様33に記載の装置。
[態様35]
前記少なくとも一つのコンピュータプロセッサは、時間単位で測定された繰り返し周期で前記電流サイクルを印加する向きを度々逆にするように構成された態様33に記載の装置。
[態様36]
前記コンピュータプロセッサは、前記サイクルの各々の前記正の部分の間に送られる正電荷の量がサイクルの各々の前記負の部分の間に送られる負電荷の量と略同等となるように前記電気刺激信号を被験者の身体の一部に印加するために前記電極を駆動するように構成された態様33~35のいずれか一つに記載の装置。