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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20240430BHJP
   B64F 1/36 20240101ALI20240430BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240430BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240430BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240430BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240430BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240430BHJP
【FI】
G08G5/00 A
B64F1/36
B64C39/02
G08G1/00 D
G06Q50/40
G16Y10/40
G16Y40/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021007296
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111695
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 公輔
(72)【発明者】
【氏名】石井 一彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 啓之
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-133704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0293898(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/117933(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107085977(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G05D 1/00- 1/87
G06Q 50/40
B64F 1/36
B64C 39/02
G16Y 10/40
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体の飛行条件を含む飛行許可情報を取得する飛行許可情報取得部と、
前記飛行許可情報に含まれる飛行条件よりも詳細な飛行条件を含む飛行計画情報を取得する飛行計画情報取得部と、
取得された前記飛行許可情報に含まれる飛行条件と、取得された前記飛行計画情報に含まれる飛行条件とが整合しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部により整合していると判断された場合には、前記飛行許可情報に含まれる飛行条件及び前記飛行計画情報の飛行条件のうち少なくとも一部の飛行条件を含む認可情報を、当該飛行体に対応する端末に送信する認可情報送信部と
を備え
前記飛行許可情報は、前記飛行体の管理者の申請に応じて生成されており、
前記飛行計画情報は、前記飛行体の操縦者の申請に応じて生成されている
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記飛行許可情報は、DIPS(Drone/UAS Information Platform System)により生成されており、
前記飛行計画情報は、FISS(Flight Information Sharing System)により生成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記端末に送信された前記認可情報を前記飛行体の飛行前に取得する認可情報取得部と、
前記認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記飛行条件が順守されていないと判定された場合には、前記飛行体の飛行の制限又は当該飛行に対する警告に関する処理を行う処理部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記処理部は、
前記認可情報に含まれる飛行条件のうち、前記飛行許可情報に含まれる飛行条件が順守されていない場合には、前記飛行体の飛行の制限に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記処理部は、
前記認可情報に含まれる飛行条件のうち、前記飛行計画情報に含まれる飛行条件が順守されていない場合には、前記飛行体の飛行に対する警告に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項又は記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記飛行体が飛行中に、前記認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かを判定し、 前記処理部は、前記判定部により前記飛行条件が順守されていないと判定された場合に
は、飛行中の前記飛行体について飛行の制限に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記認可情報には飛行体の飛行に関する複数種類の飛行条件が含まれており、
前記処理部は、前記判定部により順守されていないと判定された前記飛行条件の種類に応じて異なる飛行の制限に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記認可情報に含まれる飛行条件は、飛行体の位置、飛行体の高度、又は飛行の日時に関する飛行条件を含み、
前記処理部は、前記判定部により順守されていないと判定された前記飛行条件を満たすように、前記飛行体の飛行の制限に関する処理を行う
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記飛行許可情報に含まれる飛行条件は、飛行体を操縦する1以上の操縦者、飛行する複数の飛行体、飛行体が飛行するエリア、又は、飛行体が飛行する期間に関する情報のうち、少なくともいずれか1以上の情報を含み、
前記飛行計画情報に含まれる飛行条件は、飛行体を操縦する1人の操縦者、飛行する1台の飛行体、飛行体が飛行するエリアであって前記飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示されるエリアよりも狭いエリア、又は、飛行体が飛行する期間であって前記飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示される期間よりも短い期間に関する情報のうち、少なくともいずれか1以上の情報を含む
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行条件に従って飛行体を飛行させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンと呼ばれる無人の飛行体の普及に伴い、ドローンの飛行を管理する仕組みが種々提案されている。例えば特許文献1には、飛行ルートデータファイルを受け付けた飛行認証サーバが、飛行安全区域データベースにアクセスすることで、設定された飛行ルートが安全区域内にあるかどうか、また、機体管理データベースにアクセスすることで、既に申請・許可済みの他の無人飛行体の飛行ルートと交差することなく安全に飛行することができるか、申請に係る機体の定期検査がきちんと実施されているかどうか等の判断を行う、といった仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-105591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、日本においては、ドローンを飛行させるときに、多くの場合、その飛行条件についてドローンの管理者が事前に国土交通省の許可を得ておかなければならない。しかしながら、実際にドローンを飛行させる現場においては、許可された飛行条件どおりにドローンが飛行しているか否かを確認する手段がない。このような問題は、日本以外の国や地域においても起こり得る。
【0005】
そこで、本発明は、事前に許可を得た飛行条件に従って飛行体が飛行するような仕組みを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、飛行体の飛行条件を含む飛行許可情報を取得する飛行許可情報取得部と、前記飛行許可情報に含まれる飛行条件よりも詳細な飛行条件を含む飛行計画情報を取得する飛行計画情報取得部と、取得された前記飛行許可情報に含まれる飛行条件と、取得された前記飛行計画情報に含まれる飛行条件とが整合しているか否かを判断する判断部と、前記判断部により整合していると判断された場合には、前記飛行許可情報に含まれる飛行条件及び前記飛行計画情報の飛行条件のうち少なくとも一部の飛行条件を含む認可情報を、当該飛行体に対応する端末に送信する認可情報送信部とを備え、前記飛行許可情報は、前記飛行体の管理者の申請に応じて生成されており、前記飛行計画情報は、前記飛行体の操縦者の申請に応じて生成されている情報処理システムを提供する。
【0007】
前記端末に送信された前記認可情報を前記飛行体の飛行前に取得する認可情報取得部と、前記認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記飛行条件が順守されていないと判定された場合には、前記飛行体の飛行の制限又は当該飛行に対する警告に関する処理を行う処理部とを備えるようにしてもよい。
【0008】
前記処理部は、前記認可情報に含まれる飛行条件のうち、前記飛行許可情報に含まれる飛行条件が順守されていない場合には、前記飛行体の飛行の制限に関する処理を行うようにしてもよい。
【0009】
前記処理部は、前記認可情報に含まれる飛行条件のうち、前記飛行計画情報に含まれる飛行条件が順守されていない場合には、前記飛行体の飛行に対する警告に関する処理を行うようにしてもよい。
【0010】
前記判定部は、前記飛行体が飛行中に、前記認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かを判定し、前記処理部は、前記判定部により前記飛行条件が順守されていないと判定された場合には、飛行中の前記飛行体について飛行の制限に関する処理を行うようにしてもよい。
【0011】
前記認可情報には飛行体の飛行に関する複数種類の飛行条件が含まれており、前記処理部は、前記判定部により順守されていないと判定された前記飛行条件の種類に応じて異なる飛行の制限に関する処理を行うようにしてもよい。
【0012】
前記認可情報に含まれる飛行条件は、飛行体の位置、飛行体の高度、又は飛行の日時に関する飛行条件を含み、前記処理部は、前記判定部により順守されていないと判定された前記飛行条件を満たすように、前記飛行体の飛行の制限に関する処理を行うようにしてもよい。
【0013】
前記飛行許可情報に含まれる飛行条件は、飛行体を操縦する1以上の操縦者、飛行する複数の飛行体、飛行体が飛行するエリア、又は、飛行体が飛行する期間に関する情報のうち、少なくともいずれか1以上の情報を含み、前記飛行計画情報に含まれる飛行条件は、飛行体を操縦する1人の操縦者、飛行する1台の飛行体、飛行体が飛行するエリアであって前記飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示されるエリアよりも狭いエリア、又は、飛行体が飛行する期間であって前記飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示される期間よりも短い期間に関する情報のうち、少なくともいずれか1以上の情報を含むようにしてもよい。
【0015】
前記飛行許可情報は、DIPS(Drone/UAS Information Platform System)により生成されており、前記飛行計画情報は、FISS(Flight Information Sharing System)により生成されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、事前に許可を得た飛行条件に従って飛行体が飛行するような仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るドローン管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係るユーザ端末30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係るユーザ端末31のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】同実施形態に係るサーバ装置50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】同実施形態に係るユーザ端末30~32及びサーバ装置50の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】同実施形態に係る飛行許可情報を例示する図である。
図7】同実施形態に係る飛行計画情報を例示する図である。
図8】同実施形態に係る認可情報生成処理の手順を例示するフローチャートである。
図9】同実施形態に係る飛行前確認処理の手順を例示するフローチャートである。
図10】同実施形態に係る飛行中確認処理の手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成]
図1は、本発明の情報処理システムの一実施形態に係るドローン管理システム1の構成の一例を示す図である。ドローン管理システム1は、ドローン10と、ドローンを操縦する操縦者(ユーザ)によって利用されるユーザ端末30,31,32と、無線通信網40と、無線通信網40に接続され、本発明の情報処理装置の一例として機能するサーバ装置50と、サーバ装置50に接続されたドローン情報基盤システム60とを備える。なお、図1においては、ドローン10、ユーザ端末30~32、無線通信網40、及びサーバ装置50を1つずつ図示しているが、これらはそれぞれ複数あってもよい。
【0019】
ドローン10は、空中を飛行する無人の飛行体である。ドローン10は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び補助記憶装置からなるコンピュータと、そのコンピュータの制御下でユーザ端末30と無線通信を行う通信装置と、測位手段、高度測定手段、姿勢測定手段などを実現する各種センサと、モータや回転翼等を含む駆動機構などを備える。測位手段は例えばGPS(1Global Positioning System)等によって実現され、高度測定手段は例えば地表面に対する測距カメラにより実現され、姿勢測定手段は例えばジャイロセンサや方位センサにより実現される。
【0020】
ユーザ端末30は、ドローン10に対応する端末であり、例えば汎用的なスマートフォンやタブレット等の無線通信可能なコンピュータであってもよいし、ドローン管理システム1専用の無線通信可能なコンピュータであってもよい。本実施形態において、ユーザ端末30はスマートフォンであり、操縦者たるユーザが無線通信網40経由でサーバ装置50にアクセスするための通信端末として機能する。
【0021】
ユーザ端末31は、ドローン10に対応する端末であり、例えば汎用的なスマートフォンやタブレット等の無線通信可能なコンピュータであってもよいし、ドローン管理システム1専用の無線通信可能なコンピュータであってもよい。本実施形態において、ユーザ端末31はタブレットであり、操縦者たるユーザがドローン10を無線通信で操縦するための操縦端末として機能する。
【0022】
ユーザ端末32は、例えば汎用的なコンピュータであってもよいし、ドローン管理システム1専用の通信可能なコンピュータであってもよい。本実施形態において、ユーザ端末32はパーソナルコンピュータであり、操縦者たるユーザがドローン10の飛行計画を作成するための処理を行い処理端末として機能する。
【0023】
無線通信網40は、例えば第4世代移動通信システムに準拠する設備であってもよいし、第5世代移動通信システムに準拠する設備であってもよい。ユーザ端末30がドローン10を操縦するときの無線通信は、無線通信網40経由で実現されるものであってもよいし、無線通信網40を経由せずにユーザ端末30及びドローン10間で実現されるものであってもよい。
【0024】
日本において、ドローンの管理者(例えば1以上のドローンを所有してドローンを用いたサービスを提供する主体)は、ドローンを飛行禁止区域で飛行させる場合や、夜間飛行又は目視外飛行等の方法により飛行させる場合は、事前に所定の窓口に申請書を提出し、国土交通大臣による許可(または承認)を受ける必要がある。ドローン情報基盤システム60は、日本においてはDIPS(Drone/UAS Information Platform System)と呼ばれる国土交通省管轄の機関乃至システムであり、例えば無人の飛行体の飛行に関する許可、飛行体の飛行実績の報告、飛行体による事故等の情報提供を行う。
【0025】
日本のDIPSには、FISS(Flight Information Sharing System)という機関乃至システムが含まれている、このFISSは、有人のヘリコプターなどの飛行体とドローンなどの無人の飛行体とのニアミス乃至衝突の可能性があることを踏まえ、各々の飛行体の操縦者が互いの飛行計画を共有するために設けられている。各飛行体の操縦者は飛行前に、飛行日時、飛行経路及び飛行高度等の飛行計画情報をFISSに登録することで、互いの飛行計画情報を共有する。これにより、各操縦者は、例えば自身が操縦する飛行体の飛行エリアで、他の有人飛行体やドローンの飛行計画がないか確認することができるとともに、自身が操縦する飛行体の飛行計画を他の飛行体の操縦者に知らせることができる。
【0026】
図2は、通信端末として機能するユーザ端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末30のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0027】
ユーザ端末30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0028】
プロセッサ3001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ3001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ3001によって実現されてもよい。
【0029】
プロセッサ3001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ3003及び通信装置3004の少なくとも一方からメモリ3002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。ユーザ端末30の機能ブロックは、メモリ3002に格納され、プロセッサ3001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ3001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ3001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ3001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワーク2からユーザ端末30に送信されてもよい。
【0030】
メモリ3002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAMなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ3002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ3002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0031】
ストレージ3003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ3003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。ストレージ3003は、各種のプログラムやデータ群を記憶する。ストレージ3003は、少なくとも、無線通信網40経由でサーバ装置50と通信を行うためのプログラム及びデータ群と、ドローン10を無線通信で操縦するためのプログラム及びデータ群を記憶している。
【0032】
通信装置3004は、無線通信によってコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置3004は、例えば第4世代移動通信システムや第5世代移動通信システムの無線通信網40の基地局と無線通信を行う装置と、ユーザ端末31と赤外線やブルートゥース(登録商標)等の無線通信を行う装置とを含んでいる。通信装置3004は、周波数分割複信及び時間分割複信を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されている。送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどは、通信装置3004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0033】
入力装置3005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイスであり、例えばキーやスイッチ、マイクなどを含む。出力装置3006は、外部への出力を実施する出力デバイスであり、例えば液晶ディスプレイのような表示装置や、スピーカなどを含む。なお、入力装置3005及び出力装置3006は、一体となった構成であってもよい。
【0034】
プロセッサ3001、メモリ3002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。本実施形態において、プロセッサ3001及びその周辺装置は、ドローン10の位置を測位して、そのドローン10の位置に基づいてユーザ端末30の通信方式を選択する、本発明に係る制御装置として機能する。
【0035】
また、ユーザ端末30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ3001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0036】
図3は、操縦端末として機能するユーザ端末31のハードウェア構成を示す図である。ユーザ端末31のハードウェア構成は、図4に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置50を構成してもよい。
【0037】
ユーザ端末31は、物理的には、プロセッサ3101、メモリ3102、ストレージ3103、通信装置3104、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。ユーザ端末31における各機能は、プロセッサ3101、メモリ3102などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3101が演算を行い、通信装置3104による通信を制御したり、メモリ3102及びストレージ3103におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。プロセッサ3101、メモリ3102、ストレージ3103、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末30について説明したプロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。通信装置3104は、ユーザ端末30と赤外線やブルートゥース(登録商標)等の無線通信を行う装置である。
【0038】
処理端末として機能するユーザ端末32は、ユーザ端末30,31と同様に、物理的には、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。ユーザ端末32における各機能は、プロセッサ、メモリなどのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサが演算を行い、通信装置による通信を制御したり、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。
【0039】
図4は、サーバ装置50のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置50のハードウェア構成は、図4に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置50を構成してもよい。
【0040】
サーバ装置50は、物理的には、プロセッサ5001、メモリ5002、ストレージ5003、通信装置5004、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。サーバ装置50における各機能は、プロセッサ5001、メモリ5002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ5001が演算を行い、通信装置5004による通信を制御したり、メモリ5002及びストレージ5003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ装置50のハードウェア構成は、図2に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置50を構成してもよい。
【0041】
プロセッサ5001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ5001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ5001によって実現されてもよい。
【0042】
プロセッサ5001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ5003及び通信装置5004の少なくとも一方からメモリ5002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。サーバ装置50の機能ブロックは、メモリ5002に格納され、プロセッサ5001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ5001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ5001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ5001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワーク2からサーバ装置50に送信されてもよい。
【0043】
メモリ5002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、RAMなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ5002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ5002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0044】
ストレージ5003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROMなどの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ5003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。ストレージ5003は、少なくとも、後述するような各種処理を実行するためのプログラム及びデータ群を記憶している。
【0045】
通信装置5004は、無線通信網40を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0046】
プロセッサ5001、メモリ5002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0047】
サーバ装置50は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ASIC、PLD、FPGAなどのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ5001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0048】
図5は、ユーザ端末30~32及びサーバ装置50の機能構成の一例を示す図である。ユーザ端末32においては、飛行計画作成部321という機能が実現される。サーバ装置50においては、飛行許可情報取得部51、飛行計画情報取得部52、判断部53、認可情報生成部54、及び認可情報送信部55という機能が実現される。ユーザ端末30においては、受信部301、ユーザ認証部302及び送信部303という機能が実現される。ユーザ端末31においては、認可情報取得部311、判定部312、処理部313及びドローン制御部314という機能が実現される。
【0049】
前述したように、ドローン10の管理者は、例えば図示せぬパーソナルコンピュータなどを用いて、ドローン10の飛行条件を含む飛行申請をドローン情報基盤システム60に対して行う。この飛行申請は、ドローン情報基盤システム60による許可に要する期間も考慮して、飛行予定時期の相当期間前の段階で行われる。飛行申請には、例えば、ドローンを操縦する候補となる1以上の操縦者、飛行する候補となる1以上のドローン、飛行する候補となるドローンが飛行するエリア、及び、飛行する候補となるドローンが飛行する期間に関する情報が含まれる。ドローン情報基盤システム60においては、国土交通省の権限で許可した飛行申請に基づいて、飛行許可情報が生成される。この飛行許可情報は、飛行申請に含まれる上記の飛行条件が含まれる。サーバ装置50において、飛行許可情報取得部51は、例えば定期的に、任意のタイミングで又は飛行許可情報が生成される都度、ドローン情報基盤システム60から飛行許可情報を取得して記憶する。
【0050】
図6は、飛行許可情報取得部51によって取得された飛行許可情報を例示する図である。飛行許可情報は、例えば各々の飛行許可情報を識別する許可ID、その飛行申請を行ったドローンの管理者の識別情報であるドローン管理者ID、許可された操縦者の識別情報である許可操縦者ID、許可された飛行期間である許可期間、許可された飛行エリアである許可エリア、及び、許可された飛行に関する詳細情報である許可情報を含む。つまり、飛行許可情報は、飛行申請に含まれていたドローンを操縦する候補となる1以上の操縦者、飛行する候補となる1以上のドローン、飛行する候補となるドローンが飛行するエリア、及び、飛行する候補となるドローンが飛行する期間、に関する情報を含んでいる。
【0051】
図5の説明に戻り、ユーザ端末32において、飛行計画作成部321は、ドローン10の操縦者によるユーザ端末30の操作に従い、飛行計画情報を生成する。ドローン10の操縦者による飛行計画の作成は、前述した飛行申請及びその許可がなされた時点よりも後で、且つ、ドローン10の飛行よりも前の時点にて行われる。飛行計画情報は、飛行許可情報に含まれる飛行条件よりも詳細な飛行条件を含む。より具体的には、飛行計画情報に含まれる飛行条件は、ドローンを操縦する1人の操縦者、飛行する1台のドローン、ドローンが飛行するエリアであって飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示されるエリアよりも狭いエリア、及び、ドローンが飛行する期間であって飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示される期間よりも短い期間に関する情報を含む。ユーザ端末30において飛行計画情報が生成されると、サーバ装置50の飛行計画情報取得部52は、ユーザ端末32から無線通信網40経由で飛行計画情報を取得して記憶する。
【0052】
図7は、飛行計画情報取得部52によって取得された飛行計画情報を例示する図である。飛行計画情報は、例えば各々の飛行計画情報を識別する飛行計画ID、その飛行計画に対応する飛行許可情報の許可ID、操縦者の識別情報である操縦者ID、ドローン10の飛行期間、及びドローン10の飛行エリアを含む。このように、飛行計画情報は、飛行許可情報に含まれる飛行条件よりも詳細な飛行条件、又は飛行許可情報に含まれる飛行条件をさらに限定した飛行条件を含んでいる。
【0053】
図5の説明に戻り、サーバ装置50において、判断部53は、飛行許可情報取得部51により取得された飛行許可情報に含まれる飛行条件と、飛行計画情報取得部52により取得された飛行計画情報に含まれる飛行条件とが整合しているか否かを判断する。具体的には、判断部53は、許可IDをキーにして、対応する飛行計画情報及び飛行計画情報を特定し、その飛行計画情報に含まれる飛行条件がその飛行許可情報に含まれる飛行条件の範囲内であれば、両者は整合していると判断し、その飛行計画情報に含まれる飛行条件の少なくとも一部がその飛行許可情報に含まれる飛行条件の範囲外であれば、両者は整合していないと判断する。
【0054】
認可情報生成部54は、判断部53により整合していると判断された場合には、飛行許可情報に含まれる飛行条件及び飛行計画情報の飛行条件のうち少なくとも一部の飛行条件を含む認可情報を生成する。本実施形態では、認可情報生成部54は、図5に例示した或る許可IDに対応する飛行許可情報に含まれる飛行条件、及び、図6に例示した同じ許可IDに対応する飛行計画情報の飛行条件を全て含む認可情報を生成する。さらに、認可情報生成部54は、この認可情報に電子署名を施すことで、第3社による改ざんを困難にする。
【0055】
認可情報送信部55は、認可情報生成部54により生成された認可情報を、その認可情報に対応するユーザ端末30に送信する。これにより、飛行許可情報と飛行計画情報とが整合している場合にのみ、認可情報が操縦者に提供されることになる。
【0056】
ユーザ端末30において、受信部301は、認可情報送信部55から送信された認可情報を無線通信網40経由で受信する。この認可情報はユーザ端末30により記憶される。ユーザ端末30において、ユーザ認証部302は、操縦者を認証するユーザ認証処理を行う。ユーザ端末30において、送信部303は、ドローン10の飛行直前に、ユーザの操作に従い、認可情報をユーザ端末31に送信する。なお、この送信部303による認可情報の送信は、赤外線やブルートゥース(登録商標)等の無線通信に限らず、無線通信網40のような通信網や、NFC(Near Field Communication)のような非接触IDチップ、或いはQRコード(登録商標)のようなコード情報を用いた通信で実現されてもよい。
【0057】
ユーザ端末31において認可情報取得部311は、ユーザ端末30から送信された認可情報を取得する。ユーザ端末31において、判定部312は、ドローンの飛行前の時点で、認可情報取得部3116により取得された認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かを判定する。具体的には、ユーザ端末31のドローン制御部314は、ドローン10と無線通信を行うことにより、そのドローン10の測位手段及び高度測定手段により測定されたドローン10の位置情報及び高度情報を、そのドローンのドローンIDとともに取得する。判定部312は、ユーザ端末30から取得した位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報と、認可情報に含まれる飛行条件とを照合して確認する。この飛行前の確認処理については、後の動作説明において詳述する。また、判定部312は、ドローン10が飛行中の時点においても、認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かを判定する。具体的には、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報と、認可情報に含まれる飛行条件とを照合して確認する。この飛行中の確認処理についても、後の動作説明において詳述する。
【0058】
ユーザ端末31において、処理部313は、ドローン10の飛行前の時点で、判定部132により飛行条件が順守されていないと判定された場合には、ドローン10の飛行の制限又は当該飛行に対する警告に関する処理を行う。また、処理部313は、ドローン10の飛行中の時点において、判定部312により飛行条件が順守されていないと判定された場合には、飛行中のドローン10について飛行の制限に関する処理を行う。
【0059】
[動作]
次に本実施形態の動作を説明する。
[飛行前の認可情報生成処理]
まず、図8に示すフローチャートを参照して、サーバ装置50の認可情報生成処理の手順について説明する。図8において、前述したように、ドローン10の飛行の相当期間前の時点において、サーバ装置50の飛行許可情報取得部51がドローン情報基盤システム60から飛行許可情報を取得し、そののちの時点において、飛行計画情報取得部52がユーザ端末32から飛行計画情報を取得する(ステップS11)。これら飛行許可情報及び飛行計画情報はサーバ装置50により記憶される。
【0060】
次に、判断部53は、飛行許可情報取得部51により取得された飛行許可情報に含まれる飛行条件と、飛行計画情報取得部52により取得された飛行計画情報に含まれる飛行条件とが整合しているか否かを判断する(ステップS12)。判断部53により両者が整合していないと判断された場合には(ステップS12;NO)、判断部53は、その不整合の旨をユーザ端末30に通知するなどの、所定のエラー処理を行う(ステップS13)。
【0061】
一方、判断部53により両者が整合していると判断された場合(ステップS12;YES)、認可情報生成部54は、図6に例示した或る許可ID(例えば「P0001」とする)に対応する飛行許可情報に含まれる飛行条件、及び、図7に例示した同じ許可ID「P0001」に対応する飛行計画情報の飛行条件を全て含み、これらに電子署名を施した認可情報を生成する(ステップS14)。
【0062】
そして、認可情報送信部55は、認可情報生成部54により生成された認可情報を、その認可情報に対応するユーザ端末30に送信する(ステップS15)。認可情報に対応するユーザ端末30とは、ステップS11にて飛行計画情報をサーバ装置50に送信してきたユーザが利用するユーザ端末30であり、ここでは許可ID「P0001」に対応する操縦者ID「U001」が利用するユーザ端末30である。このようにして、認可情報が操縦者に提供され、操縦者はその認可情報を参照することができる。
【0063】
[飛行前の確認処理]
次に、図9に示すフローチャートを参照して、飛行前確認処理の手順について説明する。まず、ドローン10の飛行前において、ドローン10の駆動機構はロックされて動作できず、ドローン10は飛行できないようになっている。このロックは、操縦端末たるユーザ端末31のドローン制御部314によって解除可能である。
【0064】
図9において、まずユーザ端末30の送信部303は、ドローン10の飛行直前に、ユーザの操作に従い、認可情報をユーザ端末31に送信する。ユーザ端末31の認可情報取得部311は、ユーザ端末30から送信された認可情報を取得する(ステップS21)。
【0065】
次に、ユーザ端末30のユーザ認証部302は操縦者を認証する(ステップS22)。この認証の方法は、例えばユーザ端末30に対する操縦者IDの入力によるものなどがある。ユーザ認証部302は、ステップS21にて取得された認可情報に含まれる操縦者ID、ユーザ端末30に入力された情報とを照合して、操縦者が事前に許可を受けている操縦者であるか否かを判定する。
【0066】
次に、ユーザ端末31において判定部312は、上記認可情報等に施された電子署名に基づいて改ざんが無いことを確認してから(ステップS23;OK)、認可情報に含まれる飛行条件が順守されているか否かの確認を行う。この確認は、具体的には、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報と、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件とを照合する第1段階の確認(ステップS24)と、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報と、認可情報に含まれる飛行計画情報に対応する飛行条件とを照合する第2段階の確認(ステップS25)からなる。
【0067】
第1段階の確認において、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内でなければ(ステップS24;NG)、処理部313は、ドローン10の駆動機構のロックを維持したままとする(ステップS26)。なお、上述した電子署名による確認ができない場合も(ステップS23;NG)、処理部313は、ドローン10の駆動機構のロックを維持したままとする(ステップS26)。
【0068】
第1段階の確認において、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内であれば(ステップS24;OK)、判定部312は、第2段階の確認、つまり、ドローンの位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報と、認可情報に含まれる飛行計画情報に対応する飛行条件とを照合する(ステップS25)。
【0069】
第2段階の確認において、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報が、認可情報に含まれる飛行計画情報に対応する飛行条件の範囲内でなければ(ステップS25;NG)、処理部313は、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報が、認可情報に含まれる飛行計画情報に対応する飛行条件の範囲内でないことを意味する警告処理を操縦者に対して行う(ステップS27)。つまり、処理部313は、その警告を行うための情報をユーザ端末30において出力する。さらにこのとき、処理部313は、ドローン10の駆動機構のロックを解除する。これにより、ドローン10の駆動機構のロックが解除され、以降、操縦者はユーザ端末31を操作してドローン10を操縦可能である。しかし、操縦者は上記のような警告を受けているので、その警告に従おうという意思が働くことになる。ここで、第2段階の確認において、飛行計画情報に対応する飛行条件の範囲内でないにも関わらず、ドローン10の駆動機構のロックを解除しているのは、より厳格な飛行許可情報の範囲内の飛行であるから、その飛行を許容するという考え方によるものである。
【0070】
第2段階の確認において、ドローン10の位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報が、認可情報に含まれる飛行計画情報に対応する飛行条件の範囲内であれば(ステップS25;OK)、処理部313は、ドローン10の駆動機構のロックを解除する(ステップS28)。これにより、ドローン10の駆動機構のロックが解除され、以降、操縦者はユーザ端末31を操作してドローン10を自由に操縦することが可能となる。
【0071】
以上のように、認可情報に含まれる飛行条件のうち、飛行許可情報に含まれる飛行条件が順守されていない場合には、ドローン10の飛行の制限に関する処理が行われる。つまり、飛行許可に対する違反(DIPSに対する違反)に対しては飛行制限が行われるようになっている。一方、認可情報に含まれる飛行条件のうち、飛行計画情報に含まれる飛行条件が順守されていない場合には、ドローン10の飛行に対する警告に関する処理が行われる。つまり、飛行計画に対する違反(FISSに対する違反)に対しては操縦者に対する警告が行われるようになっている。
【0072】
[飛行中の確認処理]
図10に示すフローチャートを参照して、ドローン10の飛行中確認処理の手順について説明する。ドローン10の飛行中、ユーザ端末31の判定部312は、ドローン制御部314によって位置情報、高度情報、ドローンID及び日時情報を取得する(ステップS31)。
【0073】
次に、ユーザ端末31の判定部312は、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件が順守されているか否かの確認を行う。具体的には、判定部312は、ドローン10の位置情報が、飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内か否かの確認を行う(ステップS32)。その位置情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内でなければ(ステップS32;NG)、処理部313は、ドローン10をそのときの飛行位置でホバリングしたまま停止させるよう、ドローン制御部314に指示する(ステップS33)。
【0074】
ドローン10の位置情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内であれば(ステップS32;OK)、判定部312は、ドローン10の高度情報が、飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内か否かの確認を行う(ステップS34)。その高度情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内でなければ(ステップS34;NG)、処理部313は、ドローン10をそのときの飛行位置でホバリングしたまま停止させるよう、又は、その飛行高度よりも上昇を禁止するよう、ドローン制御部314に指示する(ステップS35)。
【0075】
ドローン10の高度情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内であれば(ステップS34;OK)、判定部312は、日時情報が、飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内か否かの確認を行う(ステップS36)。日時情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内でなければ(ステップS36;NG)、処理部313は、ドローン10を所定の位置(例えば飛行開始位置)に帰還させるよう、ドローン制御部314に指示する(ステップS37)。
【0076】
日時情報が、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内であれば(ステップS36;OK)、操縦者はドローン10の操縦を継続する。このように、認可情報に含まれる飛行許可情報に対応する飛行条件が順守されている限り、操縦者はドローン10を自由に操縦可能である。
【0077】
以上のように、認可情報にはドローン10の飛行に関する複数種類の飛行条件が含まれており、処理部313は、判定部312により順守されていないと判定された飛行条件の種類に応じて異なる飛行の制限に関する処理を行う。具体的には、認可情報に含まれる飛行条件は、ドローン10の位置、ドローン10の高度、又は飛行の日時に関する飛行条件を含み、処理部313は、判定部312により順守されていないと判定された飛行条件を満たすように、ドローン10の飛行の制限に関する処理を行う。なお、ドローンがそのときの飛行位置でホバリングしたまま停止させられた場合、所定の操作を行って飛行許可情報に対応する飛行条件の範囲内になるようにすれば、操縦者によるドローン10の操縦を再開させられるようにする。
【0078】
以上説明した実施形態によれば、ドローン10の飛行開始前には、認可情報に基づく飛行の制限又は警告が行われる。また、ドローン10の飛行中においては、飛行条件ごとに異なる飛行制限が行われる。これにより、事前に許可を得ていない飛行条件の飛行が制限されることになり、この結果、事前に許可を得ている飛行条件に従ってドローン10が飛行するような仕組みが構築されることになる。
【0079】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
飛行許可情報に含まれる飛行条件は、ドローン10を操縦する1以上の操縦者、飛行する1以上のドローン10、ドローン10が飛行するエリア、又は、ドローン10が飛行する期間に関する情報のうち、少なくともいずれか1以上の情報を含んでいればよい。
【0080】
また、飛行計画情報に含まれる飛行条件は、ドローン10を操縦する1人の操縦者、飛行する1台のドローン10、ドローン10が飛行するエリアであって飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示されるエリアよりも狭いエリア、又は、ドローン10が飛行する期間であって飛行許可情報に含まれる飛行条件によって示される期間よりも短い期間に関する情報のうち、少なくともいずれか1以上の情報を含んでいればよい。
【0081】
[変形例2]
処理部313が行うドローン10の飛行制限は、実施形態に例示した飛行の停止、上昇不可、帰還に限定されない。処理部313は、判定部312により順守されていないと判定された飛行条件を満たすように、ドローン10の飛行の制限に関する処理を行えばよい。
【0082】
[変形例3]
上記実施形態では、ドローン10の飛行条件を含む情報を飛行許可情報と呼び、飛行許可情報に含まれる飛行条件よりも詳細な飛行条件を含む情報を飛行計画情報と呼んでいたが、その呼称は実施形態の例示に限定されない。
【0083】
[変形例4]
上記実施形態では、本発明を日本において適用した例について説明した。本発明は、日本のDIPS(Drone/UAS Information Platform System)に相当する機関乃至システムと、日本のFISS(Flight Information Sharing System)に相当する機関乃至システムが存在する国や地域において適用し得る。
【0084】
[変形例5]
飛行体は、ドローンと呼ばれるものに限らず、無人の飛行体であればどのような構造や形態のものであってもよい。
【0085】
[そのほかの変形例]
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。例えば、実施形態で例示したユーザ端末30~32の機能を1つのコンピュータが備えていてもよい。要するに、図5に例示した各機能は、情報処理システムとしてのドローン管理システム1を構成する装置のいずれかが備えていればよい。例えば、サーバ装置50がドローン10に対して直接制御可能な場合は、サーバ装置50が処理部313に相当する機能を備え、ドローン10に対して直接、その飛行を制限するようにしてもよい。
【0086】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0087】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0088】
本明細書で説明した情報又はパラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0089】
本明細書で使用する「判定(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判定」、「「決定」は、例えば、判断(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判定」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判定」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判定」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判定」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判定」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判定」「決定」は、何らかの動作を「判定」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0090】
本発明は、ユーザ端末30又はサーバ装置50において行われる処理のステップを備える情報処理方法として提供されてもよい。また、本発明は、ユーザ端末30又はサーバ装置50において実行されるプログラムとして提供されてもよい。かかるプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されたりすることが可能である。
【0091】
ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0092】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0093】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0094】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0095】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書或いは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書或いは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0096】
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an、及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0097】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0098】
1:ドローン管理システム、10:ドローン、30,31,32:ユーザ端末、301:受信部、302:ユーザ認証部、303:送信部、311:認可情報取得部、312:判定部、313:処理部、314:ドローン制御部、321:飛行計画作成部、3001:プロセッサ、3002:メモリ、3003:ストレージ、3004:通信装置、3005:入力装置、3006:出力装置、3101:プロセッサ、3102:メモリ、3103:ストレージ、3104:通信装置、3105:入力装置、3106:出力装置、40:ネットワーク、50:サーバ装置、5001:プロセッサ、5002:メモリ、5003:ストレージ、5004:通信装置、51:飛行許可情報取得部、52:飛行計画情報生成部、53:判断部、54:認可情報生成部、60:ドローン情報基盤システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10