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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】コンテンツ作成システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/20 20110101AFI20240430BHJP
【FI】
G06T13/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021012497
(22)【出願日】2021-01-28
(65)【公開番号】P2022115747
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 貴之
(72)【発明者】
【氏名】菊地 克朗
(72)【発明者】
【氏名】勝又 大介
(72)【発明者】
【氏名】加畑 亮一
(72)【発明者】
【氏名】成田 賀仁
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-167771(JP,A)
【文献】特開2013-145497(JP,A)
【文献】藤原 貴之 他3名,3次元CGを活用した保守作業技術学習コンテンツ編集支援ツール,情報処理学会 論文誌(ジャーナル)[online],第61巻 第4号,日本,情報処理学会,2020年04月15日,996~1005
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品から構成された機器に関わる物品を表す物品オブジェクトと物品の3DCG画像を表す3DCGデータセットとの関連付けを表す物品管理情報と、オブジェクトと移動パターンとの関連付けを表す移動パターン管理情報と、GUI(Graphical User Interface)に対する操作に従い入力又は配置された複数のオブジェクトとを基に、一つ又は複数の物品の各々の物品オブジェクトに関連付けられている3DCGデータセットと、当該一つ又は複数の物品のうちの一つ以上の物品の各々の移動パターンとを特定することを含む解析である操作解析を行う操作解析部と、
前記一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンに従う移動を決定し、前記一つ又は複数の物品の各々の3DCG画像と、前記一つ以上の物品の各々について前記決定された移動とを含むアニメーションを生成するアニメーション生成部と
を備えるコンテンツ作成システム。
【請求項2】
前記一つ以上の物品の各々について、
特定された移動パターンは、移動方向を含み、
特定された移動パターンに従う移動の決定は、当該物品に対応した3DCG画像の種別が複数の種別のうちのいずれに該当するかに応じて移動量を決定することであり、
前記複数の種別は、機器部品を含む、
請求項1に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項3】
前記一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンは、直線移動、回転移動、又は、直線移動と回転移動との組合せを含み、
直線移動についての移動パターンは、直線移動方向を含み、
回転移動についての移動パターンは、回転移動方向及び回転中心座標のうちの少なくとも回転軸方向を含む、
請求項1に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項4】
前記操作解析の結果を表すデータであり、前記一つ又は複数の物品の各々について特定された3DCGデータセットと、前記一つ以上の物品について特定された移動パターンとを表すデータである簡易動作定義データを出力する解析結果出力部と、
前記簡易動作定義データを入力し、当該簡易動作定義データの解析であり、前記一つ又は複数の物品の各々についての3DCGデータセットと、前記一つ以上の物品について特定された移動パターンとを特定することを含む解析である簡易動作定義解析を行う解析結果入力部と
を更に備える請求項1に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項5】
前記操作解析部と前記解析結果出力部が、第1の計算機に備えられ、
前記解析結果入力部と前記アニメーション生成部が、前記第1の計算機と通信可能な第2の計算機に備えられる、
請求項4に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項6】
前記GUIは、所定の汎用ソフトウェアが提供するGUIであり、
前記所定の汎用ソフトウェアは、文書作成ソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト及び作図ソフトのうちのいずれかのソフトウェアであり、
前記複数のオブジェクトのうち、移動パターンに関連付けられたオブジェクトは、前記所定の汎用ソフトウェアが提供する選択肢としてのオブジェクトから選択されたオブジェクトである、
請求項1に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項7】
前記物品管理情報及び前記移動パターン管理情報の少なくとも一部の情報において、少なくとも一つの物品に、取り得る一つ以上の移動パターンが関連付けられており、
前記操作解析部が、前記少なくとも一部の情報を基に、前記GUIに入力又は配置され指定されたオブジェクトが、取り得る一つ以上の移動パターンが関連付けられている物品の物品オブジェクトであることを特定した場合、当該取り得る一つ以上の移動パターンのうちのいずれかの選択を受け付ける、又は、当該取り得る一つ以上の移動パターンのうちの一つの移動パターンを表すオブジェクトを表示する、
請求項1に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項8】
前記操作解析部が、前記GUIに入力又は配置された物品オブジェクトについて移動パターンの指定を受けた場合、当該移動パターンを表すオブジェクトを前記移動パターン管理情報から特定し、当該特定されたオブジェクトを前記GUIに表示し、当該オブジェクトと当該物品オブジェクトとをグループ化し、
移動パターンが適用される3DCG画像は、当該移動パターンを表すオブジェクトと同グループにある物品オブジェクトに対応した3DCG画像である、
請求項1に記載のコンテンツ作成システム。
【請求項9】
コンピュータが、複数の部品から構成された機器に関わる物品を表す物品オブジェクトと物品の3DCG画像を表す3DCGデータセットとの関連付けを表す物品管理情報と、オブジェクトと移動パターンとの関連付けを表す移動パターン管理情報と、GUI(Graphical User Interface)に対する操作に従い入力又は配置された複数のオブジェクトとを基に、一つ又は複数の物品の各々の物品オブジェクトに関連付けられている3DCGデータセットと、当該一つ又は複数の物品のうちの一つ以上の物品の各々の移動パターンとを特定することとを含む解析である操作解析を行い、
コンピュータが、前記一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンに従う移動を決定し、前記一つ又は複数の物品の各々の3DCG画像と、前記一つ以上の物品の各々について前記決定された移動とを含むアニメーションを生成する、
コンテンツ作成方法。
【請求項10】
複数の部品から構成された機器に関わる物品を表す物品オブジェクトと物品の3DCG画像を表す3DCGデータセットとの関連付けを表す物品管理情報と、オブジェクトと移動パターンとの関連付けを表す移動パターン管理情報と、GUI(Graphical User Interface)に対する操作に従い入力又は配置された複数のオブジェクトとを基に、一つ又は複数の物品の各々の物品オブジェクトに関連付けられている3DCGデータセットと、当該一つ又は複数の物品のうちの一つ以上の物品の各々の移動パターンとを特定することを含む解析である操作解析を行う操作解析部と、
前記一つ又は複数の物品の各々の3DCG画像と前記一つ以上の物品の各々について決定された移動とを含むアニメーションを生成することに利用される、前記操作解析の結果を、出力する解析結果出力部と
を備えるコンテンツ作成支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、アニメーションとしてのコンテンツの作成に関し、例えば、保守対象の機器に関する保守作業向け訓練コンテンツの作成に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、3DCG(3-Dimentional Computer Graphics)を用いたコンテンツを作成(「編集」を含む)する場合、ユーザは、専用のソフトウェアを用いて、3DCGで表現される画像(以下、便宜上「3DCG部品」と言う)がどのタイミングでどのように動くかということを定義していく。多数の3DCG部品がある場合、3DCG部品毎に動きとタイミングを定義する作業が発生し、故に、多くの工数がかかる。
【0003】
これに関連して、ストーリーボードを使用する方法がある。ストーリーボードには、図形、イラスト、2次元画像(例えば、汎用的なカメラで撮影された画像)、及びテキストなどを使用して、コンテンツ進行の流れ(例えば、表現方法、場面転換時の注意事項などを含む)が記されている。ストーリーボードを使用することで、3DCGを使わなくても、コンテンツに関する漠然としたイメージを関係者間で合意しやすくなる。
【0004】
このようなストーリーボードに書いた2次元的な人物の線画から仮想人物の3次元姿勢を推定し、3次元アニメーションを自動生成する技術が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4812063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、工業製品を構成する複数の部品の各々を3DCG部品で表示し、分解工程及び組立工程を3DCGのアニメーションで示すことで、工業製品向け保守作業の事前訓練に使用する例がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、ストーリーボードに人物の骨格がわかる姿勢が書いてあることが前提であるため、この技術を、機器の少なくとも一部に関する3DCGのアニメーションの生成には適用できない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
システムが、操作解析を行う。操作解析は、複数の部品から構成された機器に関わる物品を表す物品オブジェクトと物品の3DCG画像を表す3DCGデータセットとの関連付けを表す物品管理情報と、オブジェクトと移動パターンとの関連付けを表す移動パターン管理情報と、GUI(Graphical User Interface)に対する操作に従い入力又は配置された複数のオブジェクトとを基に、一つ又は複数の物品の各々の物品オブジェクトに関連付けられている3DCGデータセットと、当該一つ又は複数の物品のうちの一つ以上の物品の移動パターンとを特定することを含む解析である。システムが、一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンに従う移動を決定し、一つ又は複数の物品の各々の3DCG画像と、一つ以上の物品の各々について決定された移動とを含むアニメーションを生成する。なお、「機器に関わる物品」は、典型的には、機器それ自体又は機器の部品であるが、部品の取付け又は取外しに使用される物品(例えば、工具又はそれに類する装置)も「機器に関わる物品」に該当してよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、機器の少なくとも一部に関する3DCGのアニメーション生成の作業負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
図2】作成支援装置の概略構成を示す図である。
図3】コンテンツ作成装置の概略構成を示す図である。
図4】移動パターンとして直線移動が関連付けられたストーリーボードの一例を示す図である。
図5】洗濯機の3DCG画像の配置イメージ例を示す図である。
図6】動作設定メニューの一例を示す図である。
図7】作成支援装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】物品管理テーブルの一例を示す図である。
図9】移動パターン管理テーブルの一例を示す図である。
図10】コンテンツ作成装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図11】3DCG部品管理テーブルの一例を示す図である。
図12】部品属性管理テーブルの一例を示す図である。
図13】移動パターンとして回転移動が関連付けられたストーリーボードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、「インターフェース装置」は、一つ以上のインターフェースデバイスでよい。当該一つ以上のインターフェースデバイスは、下記のうちの少なくとも一つでよい。
・一つ以上のI/O(Input/Output)インターフェースデバイス。I/O(Input/Output)インターフェースデバイスは、I/Oデバイスと遠隔の表示用計算機とのうちの少なくとも一つに対するインターフェースデバイスである。表示用計算機に対するI/Oインターフェースデバイスは、通信インターフェースデバイスでよい。少なくとも一つのI/Oデバイスは、ユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード及びポインティングデバイスのような入力デバイスと、表示デバイスのような出力デバイスとのうちのいずれでもよい。
・一つ以上の通信インターフェースデバイス。一つ以上の通信インターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば一つ以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。
【0012】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0013】
また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の永続記憶デバイスである。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)であり、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)である。
【0014】
また、以下の説明では、「記憶装置」は、メモリと永続記憶装置の少なくともメモリでよい。
【0015】
また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスである。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0016】
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現にて、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、当該情報は、どのような構造のデータでもよいし(例えば、構造化データでもよいし非構造化データでもよいし)、入力に対する出力を発生するニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムやランダムフォレストに代表されるような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、一つのテーブルは、二つ以上のテーブルに分割されてもよいし、二つ以上のテーブルの全部又は一部が一つのテーブルであってもよい。
【0017】
また、以下の説明では、「yyyプログラム」を主語に処理を説明することがあるが、「yyyプログラム」が記憶装置からプロセッサに読み込まれて実行されることで「yyy部」という機能が実現可能である。機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。プログラムがプロセッサによって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置等を用いながら行われるため、機能はプロセッサの少なくとも一部とされてもよい。プログラムを主語として説明された処理は、プロセッサ或いはそのプロセッサを有する装置が行う処理としてもよい。プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機又は計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の一実施形態の説明で使用する「ストーリーボード」は、作成対象のコンテンツのストーリーを表す。「ストーリーボード」は、編集エリア(例えば、スライド、シート、又はページ)に入力又は配置された複数のオブジェクトとそれら複数のオブジェクトの各々の属性(例えば、後述のXYZ座標系における位置及び向きと、当該オブジェクトが物品オブジェクトであるか否か)とに従う。「編集エリア」は、GUI(Graphical User Interface)におけるエリアでありオブジェクトが入力(例えば、ユーザにより手動入力)又は配置(例えば、一覧からの選択により配置)されるエリアである。GUIは、デスクトップ型又はラップトップ型のPC(Personal Computer)やタブレットなどで汎用的に使用されるプレゼンテーションソフト、表計算ソフト、文書作成ソフト、作図ソフトなどといった汎用ソフトウェアが提供するGUIでよい。また、本発明の一実施形態の説明で使用する「3DCG部品」とは、3DCGの技術を用いて表現された3次元画像である。また、「2D画像」とは、2次元画像であり、例えば、汎用的なデジタルカメラ、一眼レフカメラ、スマートフォン内蔵のカメラなどで撮影された画像である。本実施形態では、図形、2D画像及びテキスト(例えば文字列)のうちのいずれかに該当する「オブジェクト」が編集エリアに入力又は配置されることで、ストーリーボードが編集される。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【0020】
本実施形態に係るコンテンツ作成システム10は、作成支援装置1(第1の計算機の一例))と、コンテンツ作成装置2(第2の計算機の一例)とを備えている。それらの装置1及び2は、通信ネットワーク3を介して接続されている。作成支援装置1は、コンテンツ作成装置2と直接接続されて使用されてもよい。
【0021】
作成支援装置1が、操作解析プログラム162を実行し、物品管理テーブル171及び移動パターン管理テーブル172を有する。コンテンツ作成装置2が、アニメーション生成プログラム263を実行する。
【0022】
操作解析プログラム162が、操作解析を実行する。操作解析は、複数の部品から構成された機器に関わる物品を表す物品オブジェクトと物品の3DCG部品を表す3DCGデータセットとの関連付けを表す物品管理テーブル171と、オブジェクトと移動パターンとの関連付けを表す移動パターン管理テーブル172と、GUI(Graphical User Interface)に対する操作に従い入力又は配置された複数のオブジェクトとを基に、一つ又は複数の物品の各々の物品オブジェクトに関連付けられている3DCGデータセットと、当該一つ又は複数の物品のうちの一つ以上の物品の移動パターンとを特定することを含む解析である。アニメーション生成プログラム263は、一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンに従う移動を決定し、一つ又は複数の物品の各々の3DCG部品と、一つ以上の物品の各々3DCG部品について決定された移動とを含むアニメーションを生成する。これにより、機器の少なくとも一部(例えば、機器全体、又は、機器の一部における一つ以上の部品)に関する3DCGのアニメーション生成の作業負担を低減することができる。なお、作成支援装置1の主要なプログラムやテーブル(例えば、少なくとも図1に例示のプログラム162、テーブル171及び172)をコンテンツ作成装置2が内包し、1つの装置2の中で一連の処理が実行されてもよいし、コンテンツ作成装置2の主要なプログラムやテーブルを作成支援装置1が内包し、1つの装置1の中で一連の処理が実行されてもよい。また、装置1及び2のうちの少なくとも一つが、複数種類の物理的な計算リソース(例えばクラウド基盤)上に実現される仮想的な装置(例えば、VM(Virtual Machine)又はコンテナ)でもよい。
【0023】
本発明は、3DCGで表現できる機器に関するコンテンツ全般に適用可能であるが、本実施形態では、工業製品が機器の例として採用され、工業製品の保守作業の分解工程及び組立工程の少なくとも一つを示すコンテンツが作成対象(編集対象)のコンテンツの例として採用される。工業製品の例としては、フィットネスバイク、業務用洗濯機、業務用冷蔵庫、業務用空調機などが挙げられる。
【0024】
作成支援装置1は、ユーザからの操作に応答して、コンテンツの仕様を表すストーリーボードを作成し、ストーリーボードを解析して後述の簡易動作定義ファイルを出力する。具体的には、例えば、作成支援装置1は、PCやタブレット端末などの計算機でよく、液晶ディスプレイ、キーボード、マウス及びタッチパネルなどの入出力デバイスを備えている。
【0025】
図2は、作成支援装置1の概略構成を示す図である。
【0026】
図2に示すように、作成支援装置1は、表示デバイス11、CPU12、入力デバイス14、I/F15、メモリ16、及びドライブ17を備えており、これらが接続ライン(例えばバス)18により接続されている。
【0027】
表示デバイス11は、液晶ディスプレイなどでよく、編集エリアを表示する。
【0028】
CPU12は、プロセッサの一例であり、メモリ16に記憶された各種プログラムを実行する。
【0029】
入力デバイス14は、キーボード、マウス及びタッチペンなどよい。表示デバイス11と入力デバイス14が一体となったデバイス(例えば、タッチパネル)が採用されてもよい。
【0030】
I/F15は、インターフェース装置の一例であり、通信ネットワーク3を介してコンテンツ作成装置2と通信を行う処理を実行する。
【0031】
メモリ16は、操作解析プログラム162及び解析結果出力プログラム163といったプログラムを記憶する。また、メモリ16は、汎用ソフトウェア164を記憶する。これらのプログラム162~164は、CPU12により実行されることにより、それぞれの機能が実現される。汎用ソフトウェア164は、プログラム162及び163とは別に存在するソフトウェア(例えば既存のソフトウェア)であり、例えば、上述したように、プレゼンテーションソフト、表計算ソフト、文書作成ソフト及び作図ソフトのいずれかでよい。このため、汎用ソフトウェア164が提供するGUIが表す編集エリアに入力又は配置可能な「オブジェクト」は、3DCG部品と異なるオブジェクトであり、テキスト(例えば文字列)、図形、2D画像等でよい。このように、ユーザの操作対象のGUIは、汎用ソフトウェア164が提供するGUIであるため、ストーリーボードの作成作業の負担は小さい。操作解析プログラム162及び解析結果出力プログラム163は、汎用ソフトウェア164に追加されたプログラムでもよいし、汎用ソフトウェア164との連携を行うプログラムでもよい。
【0032】
ドライブ17は、永続記憶装置の一例であり、物品管理テーブル171及び移動パターン管理テーブル172を記憶する。
【0033】
接続ライン18は、作成支援装置1の各要素が相互に信号を伝送するための伝送路である。
【0034】
図3は、コンテンツ作成装置2の概略構成を示す図である。
【0035】
図3に示すように、コンテンツ作成装置2は、表示デバイス21、CPU22、入力デバイス24、I/F25、メモリ26、及びドライブ27を備えており、これらが接続ライン(例えばバス)28により接続されている。表示デバイス21、CPU22、入力デバイス24、I/F25及び接続ライン28は、それぞれ表示デバイス11、CPU12、入力デバイス14、I/F15及び接続ライン18と同様のため説明を省略する。
【0036】
メモリ26は、解析結果入力プログラム262及びアニメーション生成プログラム263といったプログラムを記憶する。
【0037】
ドライブ27は、3DCG部品に関する情報を保持する3DCG部品管理テーブル271と、3DCG部品の属性に関する情報を保持する部品属性管理テーブル272とを記憶する。
【0038】
以下、本実施形態では、汎用ソフトウェア164として、プレゼンテーションソフトが採用され、機器として、洗濯機が採用されるとする。
【0039】
図4は、編集エリア100に描かれたストーリーボードの一例を示す図である。
【0040】
編集エリア100は、汎用ソフトウェア164が提供するGUIにおけるエリアでありオブジェクトが入力又は配置されるエリアである。GUIに対してユーザが行った操作に応答して、編集エリア100には、例えば、前面パネルの2D画像101、移動方向を示す矢印図形102、及び洗濯機本体の2D画像104といったオブジェクトが配置されている。前面パネルの2D画像101は、前面パネルの2D画像101の前面に配置される。前面パネルの2D画像101と矢印図形102とが、点線枠103で示すようにグループ化されている。また、編集エリア100の座標系は、XYZ座標系(3次元座標系の一例)であり、XYZ座標系であることを表す座標系マーク105が編集エリア100上に表示されてよい。
【0041】
前面パネルの2D画像101、及び洗濯機の2D画像104は、それぞれ、例えば、拡張子がjpg、png、bmp、gifなどで構成される2D画像ファイルが表す画像である。矢印図形102は、汎用ソフトウェア164に標準で準備されている図形リスト(選択肢としての複数の図形)から選択された図形の一例である。点線枠103は、前面パネルの2D画像101と矢印図形102とを1つのグループとすることを表すオブジェクトである。汎用ソフトウェア164がグループを識別していれば、点線枠103といったオブジェクト(グループを表すオブジェクトの一例)は無くてもよいし、或いは、当該オブジェクトの表示が透明であってもよい。座標系マーク105は、編集エリア100のユーザのための目印である。XYZ座標系について、図5を用いて説明する。図5は、洗濯機の3DCG画像の配置イメージ例を示す図である。XZ軸が構成する平面がグリッドの平面で表現されており、洗濯機の3DCG画像はXZ平面と平行に配置されている。すなわち、洗濯機の長軸方向がY軸と一致している。このように、あらかじめ矢印図形102の向きを決めておくことで、編集エリア100にて移動方向を定義することが可能になる。
【0042】
なお、図4では、矢印の中に“Z”という文字が入っていることでZ軸方向(直線方向の一例)の直線移動が定義されているが、移動方向の定義はこれに限定されない。例えば、X軸が赤、Y軸が緑、Z軸が青のように定義されて、青色の矢印図形の配置が、Z軸方向の直線移動の指定でもよい。或いは、矢印図形102の代わりに「Z軸方向に移動させる」というテキストが配置されてもよい。
【0043】
また、図4の矢印図形102は、上述したように、汎用ソフトウェア164に標準で準備されている図形である。矢印図形102は、標準機能から呼び出して使用されることに代えて、マウス操作での右クリック又はタッチパネルでのタッチ操作などにより表示される動作設定メニューから呼び出されてもよい。
【0044】
図6は、編集エリア100で2D画像101が選択されることで動作設定メニューが表示される例を示す図である。
【0045】
動作設定メニュー106は、ユーザが選択可能な移動パターンのメニューである。移動パターンとして、例えば、「直線移動させる」、「フィッティングさせる」、「回転+直線移動させる」及び「特定位置中心に回転させる」がある。例えば、「直線移動させる」選択されると(例えば、「直線移動させる」がクリック又はタッチされると)、動作設定メニュー106が消えて、図4が示す矢印図形102が表示され、前面パネルの2D画像101と矢印図形102のグループを表す点線枠103が表示される。このような仕組みの場合、標準機能で矢印図形102を編集エリア100に展開し、2D画像101のそばに当該矢印図形102を配置し、2D画像101と矢印図形102とをグループ化するという作業が不要になる。つまり、汎用ソフトウェア164が提供するGUIに対する操作でストーリーボードの作成が可能であるため、ストーリーボードの作成作業の負担が減り、直感的にストーリーボードを作成できる効果がある。
【0046】
続いて、図7を用いて、ストーリーボードから簡易動作定義ファイルを自動生成する処理について説明する。
【0047】
初めに、操作解析プログラム162が、作成されたストーリーボードを解析する(S10)。ストーリーボードの解析により、オブジェクト及びその属性と、オブジェクト間の関係(例えば、いずれのオブジェクト間でグループが構成されているか)とが特定される。図4が示す例によれば、矢印図形102とグループになっている画像は前面パネルの2D画像101のみである。
【0048】
続いて、操作解析プログラム162は、直線移動を意味する矢印図形102とグループになっている前面パネルの2D画像101の2D画像ファイル名を取得し、当該画像ファイル名を物品管理テーブル171に登録する(S11)。図8は、物品管理テーブル171の一例を示す図である。画像ファイル名が追加されると、「3DCG部品格納フォルダ名」に拡張子以外の名称がフォルダ名として登録される。なお、3DCG部品を表す3DCGファイルは、拡張子がobj、fbx、gltf、glb、daeなどであるファイルである。これらは色等のリアリティを出すために拡張子がmtl、mat、jpg、pngなどのファイルも一緒に使用されることがあるため、3DCG部品毎に、3DCG部品を表す一つ以上のファイル(3DCGデータセットの一例)がフォルダに格納される。ストーリーボードにおける物品オブジェクト(例えば2D画像)毎に、物品管理テーブル171から、当該物品オブジェクトに関連付けられた3DCG部品が特定される。つまり、移動パターンが関連付けられているオブジェクト(図4の例では矢印図形102)と同グループに属する物品オブジェクトについても、移動パターンが関連付けられているオブジェクトとグループ化されていない単独の物品オブジェクトについても、対応した3DCG部品が特定される。なお、3DCG部品格納フォルダ名は、3DCG部品のID(例えば名称)の一例でよい。物品管理テーブル171には、予め、画像ファイル名と3DCG部品格納フォルダ名とが関連付けられていてよい。3DCG部品格納フォルダ名の一部の文字列(例えば“model”)が、3DCG部品が表す物品の種類(例えば、機器それ自体、機器の部品、工具等)を表していてよい。或いは、3DCG部品毎に、当該3DCG部品に対応した物品の種類を表す情報が関連付けられていてよい。
【0049】
次に、操作解析プログラム162は、移動パターン管理テーブル172を基に、矢印図形102が直線移動を表すと判断し、矢印図形102についた“X”、“Y”及び“Z”のうちの少なくとも一つの文字から移動方向を特定する(S12)。図9は、移動パターン管理テーブル172の一例を示す図である。ストーリーボード上の表現に対して、コンテンツ作成装置2に渡すための呼び出し処理名が記載されている。例えば、矢印図形102についた文字が“Z”のみであれば、直線方向はZ軸と平行な方向であり、矢印図形102についた文字が“X”及び“Z”であれば、直線方向はXZ平面と平行な斜め直線方向である。
【0050】
続いて、解析結果出力プログラム163は、特定された3DCG部品毎に、3DCG部品格納フォルダ名と移動パターン(例えば、移動方向)とを記載したファイル(例えばJSON形式のファイル)である簡易動作定義ファイル(解析結果を表すデータの一例)を生成し出力する(S13)。「簡易動作定義ファイル」の「簡易」とは、移動パターンが記述されるが、移動パターンが移動量を含まない(移動量は後の処理で決定される)ことを意味する。なお、図1が示す例によれば、簡易動作定義ファイルの入出力は、作成支援装置1とコンテンツ作成装置2間で行われるが、装置間1及び2間での入出力に限らない。例えば、単一の装置1又は2において一連の処理が実行される別の実施形態では、内部的にプログラム間(機能間)での入出力が行われてよい。
【0051】
続いて、図10を用いて、S13で生成及び出力された簡易動作定義ファイルを用いてコンテンツ作成装置2がアニメーションを自動生成する処理について説明する。
【0052】
解析結果入力プログラム262が、簡易動作定義ファイルを入力する。アニメーション生成プログラム263は、簡易動作定義ファイルを解析することで、簡易動作定義ファイルから、3DCG部品格納フォルダ名を取得する(S20)。次に、アニメーション生成プログラム263は、3DCG部品管理テーブル271を参照し、取得した全ての3DCG部品格納フォルダ名の各々について、当該3DCG部品格納フォルダ名に一致する3DCG部品格納フォルダ名が存在するかを判定する(S21)。少なくとも一つの3DCG部品についてS21の判定結果が偽の場合(S21:No)、処理が終了する。図11は、3DCG部品管理テーブル271の一例を示す図である。コンテンツ作成装置2が有する3DCG部品格納フォルダ毎に、当該フォルダのフォルダ名が登録されている。
【0053】
全ての3DCG部品格納フォルダ名についてS21の判定結果が真の場合(S21:Yes)、アニメーション生成プログラム263は、簡易動作定義ファイルが表す移動パターン毎に、当該移動パターンを、当該移動パターンに対応した3DCG格納フォルダ名から特定される3DCG部品種別に対応した部品属性管理テーブル272の該当箇所に登録する(S22)。図12は、部品属性管理テーブル272の一例を示す図である。部品属性管理テーブル272は、例えば、3DCG部品の種別毎に存在する。3DCG部品の種別は、本実施形態では機器部品と非機器部品とに大別されているが、三つ以上の種別(例えば、機器部品、工具、…)が存在してもよい。図12が例示のテーブル272は、機器部品に対応したテーブルであり、当該テーブル272には、移動方向“Z”が登録される。なお、テーブル272が有する情報項目として、部品の種別、ワールド座標、回転中心座標、直線移動方向及び回転移動方向があるが、部品の種別及びワールド座標についてはデフォルトで値が設定されていて(例えば、3DCG部品が用意され当該3DCG部品に対して組付け作業が別途行われたときに値が設定されて)、回転中心座標、直線移動方向及び回転移動方向については、簡易動作定義ファイルから特定された値が設定される。また、部品属性管理テーブル272は、3DCG部品の種別毎に代えて、3DCG部品毎に存在してよい。簡易動作定義ファイルにおいて、移動パターンが対応付けられていない3DCG部品については、移動パターンがブランクの部品属性管理テーブル272が存在してよい。また、機器には、複数の同一部品(例えば、複数の同一ネジ)が存在することがあるが、同一部品毎に、3DCG部品に対応した部品属性テーブルが存在してもよい。また、3DCG部品格納フォルダは、複数の同一部品について共通でもよいし、個々の部品毎に用意されてもよい。また、回転移動方向は、回転軸方向と回転方向のうちの少なくとも一つにより表現されてよい。
【0054】
続いて、アニメーション生成プログラム263は、簡易動作定義ファイルが表す移動パターン毎に、当該移動パターンが登録された部品属性管理テーブル272に対応した3DCG部品種別が機器部品であるか否かを判定する(S23)。例えば、洗濯機の分解工程を示すコンテンツの場合、前面パネル、モータ、制御基盤などの機器部品の他、ネジ、トルクレンチなどの工具や取り付け部品といった非機器部品も存在する。
【0055】
3DCG部品種別が機器部品(“machine-parts”)である移動パターンについて(S23:Yes)、アニメーション生成プログラム263は、機器部品に対応した移動量を設定する(S24)。3DCG部品の種別が非機器部品である移動パターンについて(S23:No)、アニメーション生成プログラム263は、非機器部品に対応した移動量を設定する(S25)。「移動量」としての値の大きさは、3DCG部品の種別に加えて、移動パターン(例えば、移動パターンが直線移動、回転移動、又は、直線移動と回転移動との組合せのいずれであるか)によって異なる。例えば、下記のうちの少なくとも一つが採用されてよい。
・移動パターンが直線移動の場合、移動量は、当該移動パターンに対応した3DCG部品のワールド座標(座標の初期値の一例)からの距離である。設定(決定)される移動量は、非機器部品に比べて機器部品の方が大きい。
・移動パターンが回転移動の場合、移動量は、当該移動パターンに対応した3DCG部品の回転移動方向及び回転中心座標に基づく回転の回転量(例えば、0度より大きい角度)である。例えば、移動量(回転量)“720度”は、3回転することを意味する。設定(決定)される回転量は、非機器部品に比べて機器部品の方が小さい。
【0056】
アニメーション生成プログラム263は、簡易動作定義ファイルから特定された各3DCG部品についての部品属性管理テーブル272の登録内容(例えば、移動パターンが対応付けられている3DCG部品毎のワールド座標、回転中心座標、直線移動方向及び回転移動方向)と、S24及び/又はS25で設定された移動量とから、簡易動作定義ファイルから特定された全3DCG部品を含むコンテンツのアニメーション(各3DCG部品と、移動パターンが対応付けられた3DCG部品の移動とを含んだアニメーション)を生成する(S26)。ワールド座標が、例えば移動の開始座標である。
【0057】
本実施形態によると、2D画像、テキスト又は図形といった汎用のオブジェクトを基に3DCG部品の移動が表現されたストーリーボードから、アニメーションを自動生成することができる。また、ストーリーボードに従う簡易動作定義ファイルには、移動についての詳細(例えば、開始座標及び移動量)の記述は不要のため、ユーザが、3DCGに不慣れでも、簡単な画像と図形等の入力又は配置で3DCGのアニメーションを生成することができる。これにより、コンテンツのアニメーションの作成のための工数を削減することが期待できる。
【0058】
なお、図4では、移動パターンの例が直線移動であるが、上述したように、2D画像のような物品オブジェクトに対して、ユーザは、移動パターンとして、直線移動に代えて又は加えて、上述したように回転移動を関連付けることができる。
【0059】
例えば、図13によれば、洗濯機のドアが回転運動するアニメーションのためのストーリーボードが作成される。すなわち、編集エリア100に、洗濯機ドアの2D画像301が、洗濯機本体の2D画像104の前面に配置される。洗濯機ドアの2D画像301について、回転方向を示す矢印図形302と回転中心を示す円図形303といったオブジェクト(移動パターンとしての回転移動に関わるオブジェクト)が配置され、洗濯機ドアの2D画像301と、矢印図形302及び円図形303とが、点線枠304が示す通りグループ化される。洗濯機ドアの2D画像301は、例えば拡張子がjpg、png、bmp、gifなどで構成される2D画像ファイルが表す画像である。矢印図形302及び円図形303は、汎用ソフトウェア164に標準で準備されている図形である。
【0060】
図13が例示するストーリーボードに従う簡易動作定義ファイルが生成及び出力され、当該簡易動作定義ファイルを基に、図10が示す処理では、例えば次の処理が行われる。すなわち、S22で、アニメーション生成プログラム263は、簡易動作定義ファイルから回転中心座標及び回転移動方向を特定し、特定した回転中心座標及び回転移動方向を、部品属性管理テーブル272に登録する。S24又はS25で、アニメーション生成プログラム263は、3DCG部品種別に対応した回転量を設定(決定)する。S26で、アニメーション生成プログラム263は、3DCG部品の回転移動を含むアニメーションを生成する。なお、例えば、「回転中心座標」とは、3DCGの分野では一般的にローカル座標の原点である。一般に、3DCGの分野では、CG空間の原点を基準とする座標系をワールド座標系と呼ぶ。例えば、洗濯機を構成する3DCG部品をどこに配置するかは、ワールド座標系の座標で管理される。一方、ワールド座標系にある任意の座標を基準とする座標系をローカル座標系と呼ぶ。このローカル座標系の原点はワールド座標系から見て任意の位置に指定することが可能であり、ローカル座標系の原点が回転アニメーションにおける回転中心座標とされてよい。
【0061】
以上、一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【0062】
上述の説明を、例えば以下のように総括することができる。なお、以下の総括の説明は、上述の説明に無い説明(例えば、上述の説明の補足説明や、実施形態の変形例の説明)を含んでもよい。
【0063】
機器に関わる一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンは、移動方向を含み、特定された移動パターンに従う移動の決定は、当該物品に対応した3DCG部品の種別が複数の種別のうちのいずれに該当するかに応じて移動量を決定することでよい。機器に関し、物品に対応した3DCG部品の移動量は、3DCG部品種別(物品種別)に応じて適切な量があり、本実施形態では、移動量が、3DCG部品種別に応じて自動で決まるため、3DCGのアニメーション生成の作業負担を低減することができる。なお、自動で決まった移動量は、ユーザにより調整可能でよい。
【0064】
機器に関わる一つ以上の物品の各々について、特定された移動パターンは、直線移動、回転移動、又は、直線移動と回転移動との組合せを含んでよい。直線移動についての移動パターンは、直線移動方向を含んでよい。回転移動についての移動パターンは、回転移動方向及び回転中心座標のうちの少なくとも回転軸方向を含んでよい。このように、移動パターンは、移動量といった移動詳細を含まず、移動の種別と移動の方向といった移動概要(フレーム)を含む。このため、3DCGのアニメーション生成の作業負担を低減することができる。
【0065】
簡易動作定義ファイル(簡易動作定義データの一例)を出力する解析結果出力プログラム163と、簡易動作定義ファイルを入力し解析する解析結果入力プログラム262とが備えられてよい。簡易動作定義ファイルは、操作解析(GUIに入力又は配置された物品オブジェクトに関連付けられている3DCG部品格納フォルダと、物品の移動パターンとを特定することを含む解析)の結果を表すファイルであり、各物品について特定された3DCG部品格納フォルダ名と、物品について特定された移動パターンとを表すファイルでよい。簡易動作定義ファイルの解析は、各物品についての3DCG部品格納フォルダ名と物品について特定された移動パターンとを特定することを含む解析でよい。このように、簡易動作定義ファイルの入出力により、アニメーションの生成支援のための機能とアニメーションの生成のための機能との連携が可能となる。結果、例えば、操作解析プログラム162及び解析結果出力プログラム163が、作成支援装置1(第1の計算機の一例)に備えられ解析結果入力プログラム262アニメーション生成プログラム263が、コンテンツ作成装置2(第1の計算機と通信可能な第2の計算機の一例)に備えられてよい。
【0066】
物品管理テーブル171及び移動パターン管理テーブル172の少なくとも一部の情報において、少なくとも一つの物品(例えば、物品の3DCG部品、又は、3DCG部品種別)に、取り得る一つ以上の移動パターンが関連付けられてよい。例えば、3DCG部品格納フォルダ名に、取り得る一つ以上の移動パターン(例えば、移動パターンの処理名)が関連付けられていてもよいし、移動パターンの処理名に、当該移動パターンを取り得る物品に対応した3DCG部品格納フォルダ名が関連付けられていてもよい。操作解析プログラム162は、上述の少なくとも一部の情報を基に、GUIに入力又は配置され指定されたオブジェクトが、取り得る一つ以上の移動パターンが関連付けられている物品の物品オブジェクトであることを特定した場合、当該取り得る一つ以上の移動パターンのうちのいずれかの選択を受け付ける、又は、当該取り得る一つ以上の移動パターンのうちの一つの移動パターンを表すオブジェクトを表示してよい。機器に関わる物品が取り得る移動パターンは一般に決まっているため、予め、取り得る移動パターンが定義されていることで、ユーザが編集可能な範囲を適切な範囲に制限することができ、以って、3DCGのアニメーション生成の作業負担を低減することができる。また、例えば、取り得る移動パターンが一つだけである物品については、当該移動パターンを表すオブジェクトが自動で表示されることで、物品の移動パターンをユーザが直感的に理解し易い。
【0067】
操作解析プログラム162が、GUIに入力又は配置された物品オブジェクト(例えば2D画像)について移動パターンの指定を受けた場合、当該移動パターンを表すオブジェクトを移動パターン管理テーブル172から特定し、特定したオブジェクトをGUIの編集エリア100に表示し、当該オブジェクトと当該物品オブジェクトとをグループ化してよい。移動パターンが適用される3DCG部品は、当該移動パターンを表すオブジェクトと同グループにある物品オブジェクトに対応した3DCG部品でよい。このように、移動パターンと当該移動パターンが適用される3DCG部品との関係を明確にすることができる。
【符号の説明】
【0068】
1:作成支援装置
2 コンテンツ作成装置
10 コンテンツ作成システム
162 操作解析プログラム
171 物品管理テーブル
172 移動パターン管理テーブル
263 アニメーション生成プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13