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特許7480078画像処理装置、その制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】画像処理装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
H04N1/00 350
H04N1/00 912
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021022305
(22)【出願日】2021-02-16
(62)【分割の表示】P 2019080884の分割
【原出願日】2014-12-11
(65)【公開番号】P2021093740
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-03-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 健治
【合議体】
【審判長】畑中 高行
【審判官】木方 庸輔
【審判官】高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-198166(JP,A)
【文献】特開平10-79816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
操作部と、
ユーザから前記操作部を介して、ログイン処理を実行するための第1の認証情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記第1の認証情報を用いて前記ユーザのログイン処理を実行する実行手段と、
外部装置からネットワークを介して宛先と第2の認証情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしているユーザの前記第1の認証情報とが一致する否かを判定する判定手段と、
画面を表示する表示手段と、
原稿の画像を読み取り、当該画像に基づく画像データを生成する読取手段と、
前記読取手段が生成した画像データを送信する送信手段とを有し、
前記判定手段が、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている前記ユーザの前記第1の認証情報とが一致すると判定したことによって、前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した前記宛先に、前記読取手段により生成される画像データを送信するための指示を受け付け可能な画面を表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受信手段が前記第2の認証情報と前記宛先とを受信し、当該第2の認証情報に対応するユーザが前記画像処理装置にログインしていない場合、前記宛先を含む情報を実行待ち状態のジョブとして記憶する記憶手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記受信手段が前記宛先と前記第2の認証情報とを受信したタイミングで、当該第2の認証情報に対応する前記ユーザがログインしていない状態であることに基づいて、前記宛先を含む情報を前記実行待ち状態のジョブとして記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記宛先は電話番号であり、
前記送信手段は、前記画像データをファクシミリで送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した宛先に、前記読取手段により生成される前記画像データを送信するための指示を受け付け可能な画面は、前記操作部を介して前記読取手段による読み取りの設定を受け付けるための画面でもあることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の認証情報は、ユーザ名及びパスワードであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記読取手段による原稿の画像の読み取りと、前記送信手段による前記宛先への画像データの送信は、前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した宛先に、前記読取手段により生成される前記画像データを送信するための画面が表示されている状態で、前記操作部がユーザの操作を受け付けたことに基づいて実行されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
操作部を有する画像処理装置の制御方法であって、
ユーザから前記操作部を介して、ログイン処理を実行するための第1の認証情報を受け付ける受付工程と、
前記受付工程で受け付けた前記第1の認証情報を用いて前記ユーザのログイン処理を実行する実行工程と、
外部装置からネットワークを介して宛先と第2の認証情報を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した前記第2の認証情報と前記受信工程で当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしているユーザの前記第1の認証情報とが一致する否かを判定する判定工程と、
画面を表示する表示工程と、
原稿の画像を読み取り、当該画像に基づく画像データを生成する読取工程と、
前記読取工程で生成された画像データを送信する送信工程とを有し、
前記判定工程で、前記受信工程で受信した前記第2の認証情報と前記受信工程で当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている前記ユーザの前記第1の認証情報とが一致すると判定されたことによって、前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した前記宛先に、前記読取工程で生成される画像データを送信するための指示を受け付け可能な画面を表示することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントコンピュータで生成した画像データを、LAN(Local Area Network)を介してファックス装置に送信し、ファックス装置からファックス送信する機能が知られている。この場合、ファックス送信の宛先はクライアントコンピュータ側でユーザが指定することが可能であった。
また、クライアントコンピュータ側で画像データを準備せず、ユーザが指定した宛先のみをファックス装置に通知し、ファックス装置側で原稿を読み取って生成した画像データを指定された宛先にファックス送信する機能も知られていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-288625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ファックス装置のスキャナ部が使用中である場合や、ファックス装置が他のクライアントコンピュータからの指示による原稿読取送信ジョブを実行中である場合には新規の原稿読取送信ジョブを受け付けない。即ち、特許文献1に記載の技術においては、他のユーザによるファックス装置の使用状況によって新規の原稿読取送信ジョブの実行可否が決定されるため使い勝手が良くないという問題があった。
また、特許文献1に記載の技術では、別々のクライアントコンピュータからほぼ同時に原稿読取送信ジョブを受信した場合、先に受信したジョブで指定されている宛先に対して原稿を読み取って生成した画像データを送信する。そのため、ユーザが意図していない宛先、即ち、他のクライアントコンピュータから指示された原稿読取送信ジョブで指定されている宛先に対して画像データが送信される可能性があり、セキュリティ上問題がある。
本発明は、複数のユーザが画像処理装置を共有で使用する場合であっても、他のユーザ
による画像処理装置の使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行する仕組みを提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的として、画像処理装置であって、操作部と、ユーザから前記操作部を介して、ログイン処理を実行するための第1の認証情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記第1の認証情報を用いて前記ユーザのログイン処理を実行する実行手段と、外部装置からネットワークを介して宛先と第2の認証情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしているユーザの前記第1の認証情報とが一致する否かを判定する判定手段と、画面を表示する表示手段と、原稿の画像を読み取り、当該画像に基づく画像データを生成する読取手段と、前記読取手段が生成した画像データを送信する送信手段とを有し、前記判定手段が、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている前記ユーザの前記第1の認証情報とが一致すると判定したことによって、前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した前記宛先に、前記読取手段により生成される画像データを送信するための指示を受け付け可能な画面を表示する画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の画像処理装置は、画像処理装置であって、操作部と、ユーザから前記操作部を介して、ログイン処理を実行するための第1の認証情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記第1の認証情報を用いて前記ユーザのログイン処理を実行する実行手段と、外部装置からネットワークを介して宛先と第2の認証情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしているユーザの前記第1の認証情報とが一致する否かを判定する判定手段と、画面を表示する表示手段と、原稿の画像を読み取り、当該画像に基づく画像データを生成する読取手段と、前記読取手段が生成した画像データを送信する送信手段とを有し、前記判定手段が、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている前記ユーザの前記第1の認証情報とが一致すると判定したことによって、前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した前記宛先に、前記読取手段により生成される画像データを送信するための指示を受け付け可能な画面を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のユーザが画像処理装置を共有で使用する場合であっても、他のユーザによる画像処理装置の使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行する仕組みを提供することができる。
また、画像処理装置であって、操作部と、ユーザから前記操作部を介して、ログイン処理を実行するための第1の認証情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記第1の認証情報を用いて前記ユーザのログイン処理を実行する実行手段と、外部装置からネットワークを介して宛先と第2の認証情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしているユーザの前記第1の認証情報とが一致する否かを判定する判定手段と、画面を表示する表示手段と、原稿の画像を読み取り、当該画像に基づく画像データを生成する読取手段と、前記読取手段が生成した画像データを送信する送信手段とを有し、前記判定手段が、前記受信手段が受信した前記第2の認証情報と前記受信手段が当該第2の認証情報を受信したときに前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている前記ユーザの前記第1の認証情報とが一致すると判定したことによって、前記ユーザが前記ログイン処理によって前記画像処理装置にログインしている状態において前記外部装置から受信した前記宛先に、前記読取手段により生成される画像データを送信するための指示を受け付け可能な画面を表示する画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】MFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】MFPのソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4】タブレット型端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その1)である。
図6】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その1)である。
図7】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その2)である。
図8】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その2)である。
図9】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その3)である。
図10】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その3)である。
図11】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
図12】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
図13】MFPの表示画面の一例を示す図(その1)である。
図14】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その4)である。
図15】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
図16】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その4)である。
図17】MFPの表示画面の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<実施形態1>
本発明の実施形態1について説明する。図1は、本実施形態における画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。情報処理装置の一例であるタブレット型端末101は、無線ネットワークルーター(無線アクセスポイント)102を介してMFP103と通信する。MFP103は、画像処理装置の一例である。タブレット型端末101と無線ネットワークルーター102とは無線LAN(Local Area Network)で接続されている。MFP103と無線ネットワークルーター102とは有線LANで接続されている。また、MFP103は、公衆回線網(PSTN)にも接続されている。なお、タブレット型端末101とMFP103との通信経路は上述したものに限らない。例えば、タブレット型端末101と無線ネットワークルーター102とが有線LANで接続されていても良い。また、MFP103と無線ネットワークルーター102とが無線LANで接続されていても良い。更に、タブレット型端末101とMFP103とが同一ネットワークに接続されていても良い。即ち、タブレット型端末101とMFP103とがネットワークを介して通信可能な構成であればどのような構成であっても良い。
【0009】
図2は、MFP103のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU211を含む制御部210は、MFP103全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して、読取/印刷/通信等の各種制御を行う。より具体的に説明すると、CPU211は、ROM212等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述するMFP103のソフトウェア構成、シーケンス図におけるMFP103の処理及びフローチャートに示す各処理を実現する。
RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、MFP103は1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213又はHDD214)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のRAM又はHDDを協働させてフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
HDD214は、画像データや各種プログラムを記憶する。また、HDD214は、MFP103の各種設定データの記憶領域としても使用される。操作部I/F215は、操作部220と制御部210とを接続する。操作部220には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボード等が備えられており、ユーザによる操作、入力、指示を受け付ける受付部としての役割を担う。
【0010】
プリンタI/F216は、プリンタ221と制御部210とを接続する。プリンタ221で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ221により記録媒体上に印刷される。
スキャナI/F217は、スキャナ222と制御部210とを接続する。スキャナ222は、原稿を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。
モデムI/F218は、モデム223と制御部210とを接続する。モデム223は、PSTNに接続され、外部のファックス装置(図示せず)との間における画像データのファックス通信を実行する。ネットワークI/F219は、制御部210(MFP103)を有線LANに接続する。MFP103は、ネットワークI/F219を用いて外部装置と通信し、画像データや各種情報を送受信することができる。
【0011】
図3は、MFP103のソフトウェア構成の一例を示す図である。図3において実線で示した各部は、CPU211がROM212又はHDD214に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるソフトウェアモジュールである。UI(User Interface)部301は、操作部220を介して各種情報をユーザに提供するとともに、ユーザからの各種指示を受け付ける。Job Controller部302は、コピーやプリント、ファックス等のジョブを受け付け、受け付けたジョブの実行を制御する。Protocol Stack部304は、TCP/IPやHTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の各種ネットワークプロトコルを保持する。
本実施形態において、タブレット型端末101から送信される画像データは、Protocol Stack部304に保持されたネットワークプロトコルに従い、ネットワークI/F219を介して受信される。受信した画像データは、Image File部303によって格納される。Image File部303は、RAM213やHDD214に格納された画像データを管理するソフトウェアモジュールである。
【0012】
Image File部303は、ネットワークI/F219を介して受信した画像データだけでなく、スキャナ222によって生成された画像データも格納する。スキャナ222による画像データの生成は、Scan部306によって制御される。Fax部305は、モデム223を介したファックス通信を制御する。MFP103からのファックス送信を行う場合は、Fax部305が、Image File部303に格納されている画像データを読み出して送信する。
OS(Operating System)部308は、各モジュールやタスクを調整し、MFP103のソフトウェア全体を管理する。OS部308には、Device Driver部307が組み合わされている。Device Driver部307は、スキャナ222やモデム223等のハードウェアデバイスを制御する。
Authentication部309は、ユーザ認証を制御するモジュールである。MFP103においてユーザ認証が有効にされている場合、ユーザは、操作部220を介してユーザ名及びパスワードから成る認証情報を入力するログイン操作を行う必要がある。Authentication部309は、入力された認証情報を予め登録された認証情報と照合して認証の可否を判定し、認証可となった場合に、ユーザはMFP103を使用することができる。なお、MFP103において、ユーザ認証が無効になっている場合、ログイン操作及びAuthentication部309による認証無しに、ユーザはMFP103を使用することができる。
【0013】
図4は、タブレット型端末101のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU411を含む制御部410は、タブレット型端末101全体の動作を制御する。CPU411は、メモリ412に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御を行う。より具体的に説明すると、CPU411は、メモリ412等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、タブレット型端末101の機能及び後述するシーケンス図におけるタブレット型端末101の処理を実現する。また、メモリ412は、CPU411の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域としても用いられる。なお、タブレット型端末101は1つのCPU411が1つのメモリ412を用いて各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のメモリを協働させて各処理を実行するようにすることもできる。
操作部I/F413は、操作部420と制御部410とを接続する。操作部420には、タッチパネル機能を有する液晶表示部が備えられており、ユーザによる操作、入力、指示等を受け付ける受付部としての役割を担う。ネットワークI/F414は、制御部410(タブレット型端末101)を無線LANに接続する。タブレット型端末101は、ネットワークI/F414を用いて外部装置に画像データや情報を送信したり、各種情報を受信したりすることができる。
【0014】
図5は、タブレット型端末101に表示されるファックス送信アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。ファックス送信アプリケーションは、インターネット上のサーバからダウンロードしてタブレット型端末101に追加インストールすることが可能なアプリケーションであり、タブレット型端末101のOS部上で操作するソフトウェアである。ファックス送信アプリケーションを用いることにより、MFP103にファックス送信を行わせるための設定をタブレット型端末101側で行うことができる。後述するタブレット型端末101の動作はファックス送信アプリケーションからの指示に基づいて実行される。
タブレット型端末101でファックス送信アプリケーションを起動すると、図5に示す操作画面が表示される。設定欄501は、ファックス送信を実行させるMFPを選択設定する欄である。設定欄501にタッチすると、タブレット型端末101が周囲にあるMFPを検索し、見つかったMFPが一覧表示される。ユーザは、表示されたMFPからファックス送信を実行させるMFPを選択することができる。
設定欄502は、ファックス送信の宛先となる電話番号(ファックス番号)を設定する欄である。ユーザは、タブレット型端末101に表示されるソフトキーボードを用いて電話番号を入力しても良いし、タブレット型端末101に記憶されているアドレス帳を参照して電話番号を選択しても良い。
設定欄503は、MFP103のスキャナ222を用いて実行するスキャン処理(読取処理)の詳細設定を行う欄である。設定欄503をタッチすると、解像度や画質、原稿サイズ等の読取パラメータを指定するための画面が表示され、この画面を介してユーザからスキャン設定を受け付ける。なお、設定欄503により設定されたスキャン処理の詳細設定は、スキャン処理開始前であればMFP103の操作部220によりユーザが変更することができる。
ファックス送信キー504は、MFP103に対してファックス送信の実行を指示するためのキーである。設定欄501乃至503の設定が済んだ後にファックス送信キー504が押下されると、タブレット型端末101とMFP103との通信が開始される。
【0015】
図6及び図7を用いてタブレット型端末101とMFP103とにおける処理のシーケンスを説明する。
図6は、タブレット型端末101からMFP103に対してファックス送信の実行が指示された後で、MFP103にユーザがログインする場合の処理の一例を示すシーケンス図である。即ち、タブレット型端末101からの原稿読取送信ジョブの受信後にMFP103にユーザがログインする場合の処理について説明する。なお、原稿読取送信ジョブとは、スキャンコマンドを含むファックス送信ジョブのことである。S601では、タブレット型端末101が、図5のタブレット型端末101の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。S602では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。このコマンドには、タブレット型端末101を操作しているユーザの認証情報が付加されているものとする。このコマンドを受けたMFP103は、S603でOKをタブレット型端末101に応答する。
S604では、タブレット型端末101が、MFP103にスキャンの実行を指示するスキャンコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S605でOKをタブレット型端末101に応答する。S606では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S607でOKをタブレット型端末101に応答する。MFP103は、S608でS602乃至S607で受信したジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存し、操作部220からユーザのログイン操作があるまで待機する。
【0016】
S609でユーザのログイン操作を受け付けると、MFP103は、S610で当該ログインユーザと認証情報が一致する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブがあるか否か
を判定する。ここで、認証情報が一致する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブがある場合、S611でMFP103は、操作部220の表示部に当該原稿スキャン待ちファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの操作があるまで待機する。なお、S611における処理は、設定画面表示処理の一例である。S612でユーザによるスキャン実行指示があると、S613でMFP103は、スキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。スキャン処理は、図5の設定欄503に設定された内容に従うが、S611で表示するスキャン設定画面で設定内容が変更された場合は変更後の設定に従うものとする。S614でMFP103は、S613で実行したスキャンによって得られた画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、図5の設定欄502に設定された電話番号である。なお、S613及びS614における処理は、スキャン設定画面を介して受け付けた指示に応じてジョブを処理する実行処理の一例である。
S610において認証情報が一致する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが無い場合、S615でMFP103は、操作部420の表示部にMFP103のデフォルトの待機画面(例えばコピー機能画面)を表示する。なお、S615における処理は、待機画面表示処理の一例である。
【0017】
図7は、タブレット型端末101からMFP103に対してファックス送信の実行が指示される前に、既にMFP103にユーザがログインしている場合の処理の一例を示すシーケンス図である。即ち、タブレット型端末101からの原稿読取送信ジョブの受信前にMFP103にユーザがログインする場合の処理について説明する。MFP103は、S701でユーザのログイン操作を受け付けると、S702で操作部220の表示部にMFP103のデフォルトの待機画面を表示する。S703乃至S709ではタブレット型端末101からMFP103に対してスキャンコマンドを含むファックス送信の指示を行うが、図6のS601乃至S607で説明したシーケンスと同様であるため説明は省略する。
S710では、MFP103が、MFP103のログインユーザの認証情報と前記指示されたファックス送信ジョブの認証情報とが一致するか否かを判定する。ここで、認証情報が一致する場合、S711でMFP103は、スキャナ222が使用可能になるのを待って、操作部220の表示部に前記ファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの操作があるまで待機する。S712でユーザによるスキャン実行指示があると、S713乃至S714でMFP103は、原稿のスキャン及びファックス送信を実行するが、図6のS613乃至S614と同様の動作となるため説明は省略する。
【0018】
S710で認証情報が一致しなかった場合、S715でMFP103は、S703乃至S709で受信したジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。なお、S715における処理は、S703乃至S709で受信したジョブを実行待ち状態として保持する保持処理の一例である。
以上のようにして、タブレット型端末101からスキャンコマンドを含むファックス送信ジョブが指示されると、当該ファックス送信ジョブの認証情報とMFP103のログインユーザの認証情報とが一致する場合に、MFP103の操作部220にスキャン設定画面が表示され、ユーザのスキャン実行指示に従って、MFP103で原稿をスキャンし、得られた画像データをファックス送信する処理が行われる。以下、MFP103で原稿をスキャンし、得られた画像データをファックス送信する処理を第1の送信処理と称する。第1の送信処理では、MFP103によるスキャンで得られた画像データをファックス送信する。これに対し、タブレット型端末101側で用意した画像データをMFP103からファックス送信する第2の送信処理を次に説明する。
【0019】
図8は、タブレット型端末101に表示されるデータ管理アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。タブレット型端末101には、ネットワーク上からダウンロードした画像データやタブレット型端末101に備えられたカメラ機能を用いて撮影した画像
データが記憶されている。これらの画像データは、タブレット型端末101にインストールされたデータ管理アプリケーションを用いて順次切り替えて表示することが可能であり、図8の操作画面は記憶されている画像データの一つが表示された様子を示している。
図8の操作画面において、ユーザが操作キー801を押下すると、現在表示されている画像データに対して実行する機能を選択する画面が表示される。この画面には、メール送信アプリケーションや印刷アプリケーション等の他に、上述したファックス送信アプリケーションが選択候補として表示される。ユーザがファックス送信アプリケーションを選択すると、図9の操作画面に切り替わる。
図9は、タブレット型端末101に表示されるファックス送信アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。設定欄901、902、903は、それぞれ図5で説明した設定欄501、502、504と同様である。
【0020】
図10は、第2の送信処理を実行する場合の処理の一例を示すシーケンス図である。S1001では、タブレット型端末101が、図8の操作画面を介してユーザからの画像選択を受け付ける。続くS1002では、タブレット型端末101が、図9の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。S1003では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S1004でOKをタブレット型端末101に応答する。
S1005では、タブレット型端末101が、MFP103に画像コマンドを送信する。画像コマンドには、MFP103からファックス送信すべき画像データが含まれる。この画像データは、図8の操作画面に表示されていたものである。画像コマンドを受けたMFP103は、S1006でOKをタブレット型端末101に応答する。S1007では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S1008でOKをタブレット型端末101に応答する。S1009では、MFP103が、タブレット型端末101から受信した画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、設定欄902に設定された電話番号である。
以上のようにして、タブレット型端末101で設定された内容に従って、タブレット型端末101からMFP103に送信した画像データを、MFP103からファックス送信する処理(第2の送信処理)が行われる。第2の送信処理では、MFP103側でのスキャン処理が実行されない。このため、第1の送信処理とは異なり、ユーザによるMFP103の操作を待つ必要はなく、MFP103に対するユーザログインの有無に関わらずファックス送信処理が実行される。
【0021】
図11及び図12は、MFP103の処理の一例を示すフローチャートである。図11及び図12のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
図11は、MFP103がタブレット型端末101からファックス送信ジョブを受信した際の処理の一例を示すフローチャートである。Job Controller部302は、S1101でファックス送信ジョブを受信すると、S1102で当該ファックス送信ジョブにおける指示内容を判定する。より具体的に説明すると、Job Controller部302は、画像コマンドを受信している場合は、タブレット型端末101から送信された画像データをファックス送信すること(第2の送信処理)が指示されたと判定し、S1109へ進む。そして、FAX部305が、タブレット型端末101から送信された画像データをファックス送信する。
一方、Job Controller部302は、スキャンコマンドを受信している場合は、MFP103によるスキャンで得られた画像データをファックス送信すること(第1の送信処理)が指示されたと判定し、S1103に進む。
【0022】
S1103では、Authentication部309が、MFP103にユーザが
ログインしているか否かを判定する。ここで、MFP103がユーザログイン状態である場合は、S1104へ進み、そうでない場合は、S1110へ進む。S1104では、Job Controller部302が、MFP103のログインユーザの認証情報と当該ファックス送信ジョブの認証情報とが一致するか否かを判定する。ここで、認証情報が一致する場合は、S1105へ進み、そうでない場合は、S1110へ進む。S1105では、スキャナ222が使用可能になるまで待機する。S1110では、Job Controller部302が、当該ファックス送信ジョブをスキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。
S1105でスキャナ222が使用可能になると、UI部301は、S1106で操作部220の表示部に当該ファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、S1107でユーザの操作があるまで待機する。ここで、ユーザによるスキャン実行指示があると、Scan部306は、S1108でスキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。S1109では、Fax部305が、S1108で実行されたスキャンによって得られた画像データをファックス送信する。
【0023】
図12は、MFP103にユーザがログインした際の処理の一例を示すフローチャートである。S1201では、UI部301が、操作部220を介してユーザのログイン操作を受け付ける。次にS1202では、Job Controller部302が、スキャン待ちファックス送信ジョブの有無を判定し、スキャン待ちファックス送信ジョブがあると判定した場合は、S1203へ進み、そうでない場合はS1208へ進む。S1203では、Job Controller部302が、スキャン待ちファックス送信ジョブの内、MFP103のログインユーザと認証情報が一致するものがあるか否かを判定する。ここで、認証情報が一致するスキャン待ちファックス送信ジョブがある場合は、S1204へ進み、そうでない場合は、S1208へ進む。S1208では、UI部301が、MFP103のデフォルトの待機画面を表示する。
S1204では、UI部301が、MFP103のログインユーザと認証情報が一致するスキャン待ちファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を操作部220の表示部に表示し、S1205でユーザの操作があるまで待機する。ここで、ユーザによるスキャン実行指示があると、Scan部306は、S1206でスキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。S1207では、Fax部305が、S1206で実行されたスキャンによって得られた画像データをファックス送信する。
【0024】
図13は、MFP103の操作部220に表示される画面の一例を示す図である。同図において、画面1301は、MFP103のログイン画面である。ユーザは、MFP103を使用する際に、画面1301よりユーザID及びパスワードを入力することによるログイン操作(ユーザ認証)を行う。ここで、ユーザによるログイン操作が行われる前にスキャンコマンドを含むファックス送信ジョブをMFP103が受信した場合、当該ジョブはスキャン待ちファックス送信ジョブとして保存され、表示画面は画面1301から遷移しない。画面1301でユーザによるログイン操作が行われると、表示画面は、画面1302又は画面1303へ遷移する。画面1302は、MFP103のログインユーザと認証情報が一致するスキャン待ちファックス送信ジョブがない場合に表示されるMFP103のデフォルト待機画面である。
画面1303は、MFP103のログインユーザと認証情報が一致するスキャン待ちファックス送信ジョブがある場合に表示されるスキャン設定画面であり、当該ファックス送信ジョブに係るスキャン設定の設定変更を行うことができる。画面1303が表示されている状態で、ユーザによりスキャン実行指示(例えば、操作部220のスタートキー押下)があると、MFP103は、スキャナ222を用いて原稿をスキャンし、得られた画像データをファックス送信する。なお、ユーザがMFP103にログインした後で、スキャンコマンドを含むファックス送信ジョブをMFP103が受信した場合、当該ジョブの認証情報がMFP103のログインユーザの認証情報と一致していれば、表示画面は画面1302から画面1303へ遷移し、同様にユーザによるスキャン実行指示が行える。
【0025】
以上説明した通り、実施形態1においては、MFP103によるスキャンで得られた画像データをファックス送信すること(第1の送信処理)がタブレット型端末101から指示され、かつ、MFP103のログインユーザの認証情報と当該ファックス送信ジョブの認証情報とが一致する場合に限り、操作部220の表示部に当該ファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面が表示され、ユーザの指示により原稿のスキャン及びスキャンにより得られた画像データのファックス送信を実行する。
これにより、複数のユーザが画像処理装置を共有で使用する場合であっても、他のユーザによる画像処理システムの使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行でき、かつ、ほぼ同時の複数のジョブ投入に起因する原稿の誤送信を防止できる。
【0026】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。上述した実施形態1では、MFP103においてユーザ認証が有効になっている場合の実施形態について説明した。実施形態2では、MFP103においてユーザ認証が無効になっている、もしくは、MFP103がユーザ認証機能を有していない場合の実施形態について説明する。
図14は、実施形態2のタブレット型端末101とMFP103とにおける処理の一例を示すシーケンス図である。S1401乃至S1407ではタブレット型端末101からMFP103に対してスキャンコマンドを含むファックス送信の指示を行うが、上述した実施形態1の図6のS601乃至S607で説明したシーケンスと同様であるため説明は省略する。
S1408でMFP103は、スキャナ222が使用可能になるのを待って、操作部220の表示部に当該ファックス送信ジョブに係る原稿のスキャン処理を直ちに実行するか否かをユーザが選択するスキャン確認画面(選択画面)を表示する。そして、ユーザの操作があるまで待機する。なお、S1408における処理は、選択画面表示処理の一例である。ここで、S1409でユーザによる指示があると、スキャン処理を直ちに実行する旨が指示された場合、S1410でMFP103は、操作部220の表示部に前記ファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの操作があるまで待機する。
【0027】
S1411でユーザによるスキャン実行指示があると、MFP103は、S1412でスキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。この処理は、図5の設定欄503に設定された内容に従うが、S1410で表示するスキャン設定画面で設定内容が変更された場合は変更後の設定に従うものとする。S1413でMFP103は、S1412で実行したスキャンによって得られた画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、図5の設定欄502に設定された電話番号である。S1409において、ユーザによりスキャン処理を直ちに実行しない(後で処理する)旨が指示された場合、S1414でMFP103は、S1401乃至S1407で受信したジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。
以上のようにして、タブレット型端末101からユーザ認証機能が導入されていないMFP103に対してスキャンコマンドを含むファックス送信ジョブが指示されると、MFP103の操作部220に当該ファックス送信ジョブに係る原稿のスキャン処理を直ちに実行するか否かを選択するスキャン確認画面が表示される。そして、ユーザが直ちにスキャン処理を実行する旨を選択指示した場合に限って、MFP103で原稿をスキャンし、得られた画像データをファックス送信する処理が行われる。
実施形態2においても、タブレット型端末101側で用意した画像データをMFP103からファックス送信する第2の送信処理の実行が可能である。実施形態1で説明した通り、第2の送信処理では、ユーザによるMFP103の操作を必要とせずにファックス送信処理が実行され、タブレット型端末101とMFP103とにおける処理のシーケンスは実施形態1と同様となるため説明は省略する。
【0028】
図15は、実施形態2におけるMFP103の処理の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
Job Controller部302は、S1501でファックス送信ジョブを受信すると、S1502で当該ファックス送信ジョブにおける指示内容を判定する。より具体的に説明すると、Job Controller部302は、画像コマンドを受信している場合は、タブレット型端末101から送信された画像データをファックス送信すること(第2の送信処理)が指示されたと判定し、S1510へ進む。そして、FAX部305が、タブレット型端末101から送信された画像データをファックス送信する。一方、Job Controller部302は、スキャンコマンドを受信している場合は、MFP103によるスキャンで得られた画像データをファックス送信すること(第1の送信処理)が指示されたと判定し、S1503に進む。
S1503では、スキャナ222が使用可能になるまで待機する。そして、UI部301は、スキャナ222が使用可能になるとS1504でMFP103の操作部220に当該ファックス送信ジョブに係る原稿のスキャン処理を直ちに実行するか否かを選択するスキャン確認画面を表示し、S1505でユーザの操作があるまで待機する。ここで、ユーザによる処理選択があると、S1506で前記選択指示内容を確認し、スキャン処理を直ちに実行する旨が指示された場合、S1507へ進み、スキャン処理を直ちに実行しない(後で処理する)旨が指示された場合、S1511へ進む。
【0029】
S1507では、UI部301が、操作部220の表示部に当該ファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、S1508でユーザの操作があるまで待機する。ここで、ユーザによるスキャン実行指示があると、Scan部306は、S1509でスキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。S1510では、Fax部305が、S1509で実行されたスキャンによって得られた画像データをファックス送信する。
S1511では、Job Controller部302が、当該ファックス送信ジョブをスキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。S1512では、UI部301が、当該ジョブに係るスキャン確認画面の再表示タイマーを開始する。以降、UI部301は、この再表示タイマーのタイムアップを契機に当該ジョブに係るスキャン確認画面を再表示する。即ち、スキャン確認画面を介してスキャン処理を直ちに実行しない(後で処理する)旨が指示されてからの経過時間を再表示タイマーを用いて計測し、所定時間経過した場合に、再度、スキャン確認画面を表示する。
【0030】
図16は、図15のS1511で保存したスキャン待ちファックス送信ジョブに係る処理の一例を示すフローチャートである。図16のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
まず、S1601では、Job Controller部302が、スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存されたジョブがあるか否かを判定し、スキャン待ちファックス送信ジョブがある場合は、S1602へ進み、そうでない場合は、S1601へ戻る。S1602では、Job Controller部302が、当該スキャン待ちファックス送信ジョブに係るスキャン確認画面の再表示タイマーがタイムアップ(所定時間経過)しているか否かを判定する。ここで、再表示タイマーがタイムアップしていた場合は、S1603へ進み、そうでない場合は、S1601へ戻る。
【0031】
S1603では、スキャナ222が使用可能になるまで待機する。そして、UI部301は、スキャナ222が使用可能になるとS1604でMFP103の操作部220に当該ジョブに係る原稿のスキャン処理を直ちに実行するか否かを選択するスキャン確認画面を再表示し、S1605でユーザの操作があるまで待機する。ここで、ユーザによる処理選択があると、S1606で前記選択指示内容を確認し、スキャン処理を直ちに実行する旨が指示された場合、S1607へ進み、スキャン処理を直ちに実行しない(後で処理する)旨が指示された場合、S1611へ進む。
S1607乃至S1610では、ユーザの操作に従い当該ジョブに係る原稿のスキャン処理及びファックス送信処理が実行されるが、図15のフローチャートを用いて説明したS1507乃至S1510と同様の処理となるため説明は省略する。
S1611では、UI部301が、再び当該ジョブに係るスキャン確認画面の再表示タイマーを開始し、S1601へ戻る。
【0032】
図17は、実施形態2におけるMFP103の操作部220に表示される画面の一例を示す図である。同図において、画面1701は、MFP103のデフォルト待機画面である。画面1701が表示されている状態でスキャンコマンドを含むファックス送信ジョブをMFP103が受信した場合、表示画面は画面1702へ遷移する。画面1702は、当該ファックス送信ジョブに係る原稿のスキャン処理を直ちに実行するか否かを選択するスキャン確認画面である。画面1702でユーザによりスキャン処理を直ちに実行する旨が指示された場合、表示画面は画面1703へ遷移し、スキャン処理を直ちに実行しない(後で処理する)旨が指示された場合、表示画面は画面1704へ遷移する。
ここで、画面1703はスキャン設定画面であり、当該ファックス送信ジョブに係るスキャン設定の設定変更を行うことができる。画面1703が表示されている状態で、ユーザによりスキャン実行指示(例えば、操作部220のスタートキー押下)があると、MFP103は、スキャナ222を用いて原稿をスキャンし、得られた画像データをファックス送信する。画面1704は画面1702を表示する直前に表示していた画面である。なお、画面1702でユーザによりスキャン処理を直ちに実行しない(後で処理する)旨が指示され、表示画面が画面1704へ遷移した場合、図16のフローチャートを用いて説明した通り、再表示タイマーのタイムアップを契機に表示画面は画面1702へ再び遷移し、同様の処理を繰り返す。
【0033】
以上説明した通り、実施形態2においては、MFP103によるスキャンで得られた画像データをファックス送信すること(第1の送信処理)がタブレット型端末101から指示された場合、当該ファックス送信ジョブに係る原稿のスキャン処理を直ちに実行するか否かを選択するスキャン確認画面(選択画面)を表示する。そして、ユーザにより直ちに実行する旨が指示された場合に限り、操作部220の表示部に当該ファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの指示により原稿のスキャン及びスキャンにより得られた画像データのファックス送信を実行する。これらの構成により、MFP103においてユーザ認証が有効になっていない場合であっても、他のユーザによるMFP103の使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行でき、ユーザの使い勝手が向上する。
【0034】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0035】
以上、上述した各実施形態によれば、複数のユーザが画像処理装置を共有で使用する場合であっても、他のユーザによる画像処理装置の使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行する仕組みを提供することができる。
【0036】
以上、本発明の好ましい形態について詳述したが、本実施形態は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
101 タブレット型端末、102 無線ネットワークルーター、103 MFP、210 制御部、211 CPU、212 ROM、213 RAM、214 HDD
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17