(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】スライド式パネルおよびドアのための衝撃吸収制動装置
(51)【国際特許分類】
E05F 5/02 20060101AFI20240430BHJP
E05F 5/00 20170101ALI20240430BHJP
E05F 1/16 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
E05F5/02 E
E05F5/00 A
E05F1/16 B
(21)【出願番号】P 2021512554
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019025253
(87)【国際公開番号】W WO2020048631
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】102018000008395
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519206287
【氏名又は名称】テルノ・スコレヴォリ・エスピーエー・ユニペルソナレ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テルノ、ジョバンニ
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108150043(CN,A)
【文献】カナダ国特許出願公開第02881038(CA,A1)
【文献】中国特許出願公開第104727680(CN,A)
【文献】特許第4368407(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00-17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド式ドア(88)またはワードローブパネルのための衝撃吸収制動装置(10)であって、長手方向に伸長するスロット(18)が設けられた下側基部を有する押出形材(16)内を摺動する車輪(14)を有するキャリッジ(12)が設けられ、前記スライド式ドアまたはワードローブパネル(88)にキャリッジ(12)を連結するピンまたはボルト(20)がスロットから突出している衝撃吸収制動装置において、対向相補的要素(28)で形成された格納シェル(24)を備え、その内部に、
2つのコイルばね(26)および2つのコイルばねの間に位置する衝撃吸収ピストン(30)が配置され、前記押出形材(16)内に伸長するアクティベータ(78)に当接するのに適した牽引フック(62)を形成する付属物を有する成形カム(56)と連携して作動し、前記成形カム(56)は、両側に、前記格納シェル(24)を形成する前記
対向相補的要素(28)の各々の内面に沿って長手方向に伸長する混合線形キャビティ(66、66’)に沿って摺動するように設計されたピン(64)が設けられ、水平に伸長する略円筒形の一体型付属物(54)を前部に有するスライダ(34)を更に備え、前記一体型付属物は、前記
成形カムに沿って形成された略半円形状を有する台座(58)において前記スライダを前記成形カム(56)に接続するように設けられ、
一方の前記コイルばね(26)の端の1つ
が前記スライダ(34)の上側(36)に接続され、他方の前記コイルばね(26)の端の1つが前記スライダ(34)の上側(36)と対向する下側(38)に接続され、および前記
衝撃吸収ピストン(30)の端の1つが
前記上側(36)と前記下側(38)との間で前記スライダ(34)に接続されていることを特徴とする衝撃吸収制動装置。
【請求項2】
前記
衝撃吸収ピストン(30)のロッド(30’)は、横方向にスロット(46)が設けられた前記スライダ(34)の後壁に沿って作られた孔に係合し、前記スロット(46)を通って弾性リング(48)が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
【請求項3】
前記スライダ(34)には対向する上側(36)および下側(38)突起部が設けられ、それらの上に複数の溝(40)が形成され、その中に、前記
コイルばね(26)の各々の前端に作られた延長フック(42)が係合し、前記
コイルばねの対向する後端には、前記格納シェル(24)を形成する前記
対向相補的要素(28)内に突出する対向突起部(28’)が内部に配置された凹部(44’)を形成する付属物(44)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
【請求項4】
前記混合線形キャビティ(66)は、ねじ(68)を用いて前記
格納シェルと前記キャリッジ(12)との間の接合要素を画定する前記格納シェル(24)のフロントヘッド(24’)の付近の最前部において、概ね90度下向きに湾曲する対向相補的要素(28)に沿って主に水平に伸長することを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
【請求項5】
アクティベータ(78)はアーム(80)を備え、その一端は、下にある支持台(82)に連結され、支持台(82)の前下部は、2つの密接した間隔の孔
(84、86)を備え、それらはそれぞれ、前記押出形材(16)内の前記アクティベータの第1の位置決めねじまたはグラブねじ(84’)および前記アクティベータを前記押出形材と密着するように押し付ける第2のねじ(86’)を受容するのに適し、同じ前記アーム(80)において、前記
成形カム(56)の前記
牽引フック(62)と当接するように設計された突起部(90)が作られることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
【請求項6】
前記格納シェル(24)は、“U”断面を有する補強形材(72)内に挿入され、前記“U”断面には、前記
補強形材の垂直壁から内側へ突出し、前記格納シェル(24)の前記
対向相補的要素(28)上に作られた同数の水平ノッチ(70)に係合する複数の対向歯(74)が設けられ、2つの対向車輪(76)は、ペグ(76’)により前記補強形材(72)に連結されることを特徴とする請求項4に記載の衝撃吸収装置。
【請求項7】
前記
格納シェル(24)を形成する前記
対向相補的要素(28)の各々の内側前面に、前記
衝撃吸収ピストン(30)を受容し安定させるための半台座(32)が作られ、前記
対向相補的要素(28)は、
リベット(60)によって連結されることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
【請求項8】
遮音材料のチューブ(50)およびリング(52)が各
コイルばね(26)および前記
衝撃吸収ピストン(30)にそれぞれ装着されていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド式パネルおよびドアのための衝撃吸収制動装置に関する。
より具体的には、本発明は、スライド式ドアまたはワードローブパネルを摺動させるように特に適合され、それらが開閉時にそれぞれの端止めと激しく衝突しないことを確実にする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スライド式ドアの用途は周知であり、特に、開放状態において斜めに突出するのではなくなく壁と平行に摺動し、そこに通路の開放が生じることにより、邪魔にならず、かつ利用可能な空間を減じることなく2つの部屋の間の通路を閉鎖するために普及しており、場合によっては、これらのスライド式ドアは、開放状態において壁の厚み内に作られた専用台座に収容されることにより、引込み式である。上記スライド式ドアの動きは、従来、開口部の頂部に配置された摺動ガイドに沿って動く、一般にドアの上縁部に連結された専用キャリッジによって行われる。キャリッジの摺動ガイドは一般に、アルミニウム押出形材で構成され、その内部で、長手方向に伸長する台座がキャリッジを収容し、それらの両側における動きの範囲を定める。
【0003】
いくつかのワードローブにおいても、ドアは、ドアを1辺において支持するヒンジ上で回転する片持ち式で開放するのではなく、それぞれの区画へのアクセスを全体的または部分的に開閉するために正面に向かって摺動する。この解決策は、ドアが開放時に空間を占有しないため、障害物の軽減に役立つ。
【0004】
スライド式ドアならびにワードローブパネルに関して特に感じられる問題は、開閉時のそれらの動きに関係しており、これは、ユーザが常にそれらを端止めの所まで徐々に押すわけではなく、不都合なことに、それらにかかる推力が過剰であり、場合によってはストロークの終わりにそれらの激しい衝突をもたらすことによる。この事象は、不所望の雑音の発生に加えて、経時的にキャリッジに著しい損傷を与え、それらがスライド式ガイドから抜け落ちることによって面倒な修理作業を要することもある。考えられるこれらの欠点を回避するために、特定の装置は、開閉時にパネルまたはドアを端止めまで徐々に導くように設計されており、これらの装置は一般に、制動要素の構造を牽引フックに連結するばね、通常牽引力を備え、フックは、ドアまたはパネルを端止め位置まで引き摺ることを行う。
【0005】
例えば、EP3095941号は、スライド式ドア用の自動制動装置を明らかにし、その小型形状は、非常に限られた幅のドアの場合でも使用されることを可能にし、この装置は、様々な角度で傾斜する牽引フックまたはスライダと一体になって角変位される少なくとも1つのばねペアを備える。牽引フックまたはスライダは2つの部品で構成され、一方は衝撃吸収器または制動ピストンに連結され、他方はばねのみに連結される。
【0006】
中国特許CN104727680号は、固定部品、可動部品、トリガ装置、および戻りおよび/または減衰装置を有する、スライド式ドアのための弾性振動ローラ装置を開示する。この装置の制動システムは、車輪の回転軸に自在にヒンジ連結される。
【0007】
EP2886769号は、スライド式ドアおよび減衰装置を有するタイロッドに取付け可能なキャリッジを備える、スライド式ドア機構のための結合スライダを開示する。牽引および減衰要素は、キャリッジにヒンジ連結される。
【0008】
しかし、これらの周知の構造解決策は、特に2つの部屋を仕切るスライド式ドアに関して大きな欠点を呈しており、この欠点は、牽引フックがばねの牽引力を直接受ける点、および、ばねを解除するためには大きな力が付与されることが必要であるため、騒音が生じる点である。具体的には、ばねは、様々な角度で傾斜するフックと一体になって角変位され、発生する雑音は摺動に伝達し、その結果ドアに伝達する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、上述した欠点を克服することである。
より具体的には、本発明の目的は、開閉の両方において、制限された力を付与することによって騒音が防止される上記ドアの動きを可能にする機能を持つ、ドアまたはパネル用の衝撃吸収制動装置を提供することである。
【0010】
本発明の追加および関連の目的は、一般にコイルバネで構成された弾性手段の角変位の必要性が一切除外された、掛止および引張と解放との両方のために提供された手段を静かに結合することを可能にするために適した、上記で定義したような衝撃吸収装置を提供することである。本発明の追加の同様に重要な目的は、発生する様々な状況において、上記ドアの部分的または制限された動きの場合においても、ユーザが静かにかつ容易にドアを動かすことを可能にする機能を持つ衝撃吸収装置を提供することである。
【0011】
本発明の追加の目的は、たとえば容易かつ経済的に作られることに加えて、経時的に高いレベルの耐久性および信頼性を確実にするために適した衝撃吸収制動装置をユーザが利用できるようにすることである。
これらの目的および他の目的は、主クレームに係る本発明の衝撃吸収制動装置によって実現される。
本発明の衝撃吸収制動装置の構造および機能特徴は、好適な実施形態を示す添付図面が参照される以下の詳細な説明から、より明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の衝撃吸収制動装置を概略的に示す投影図。
【
図2】
図2は、同じ装置を概略的に示す分解図であり、
図2Aは
図2の拡大した細部を概略的に示し、
図2Bは、
図2のさらに拡大した細部を概略的に示す。
【
図3】
図3は、スライド式ドアに適用された本発明の装置の部分断面を概略的に示す側面図。
【
図5】
図5は、本発明の装置を概略的に示す側面図。
【
図6】
図6は、本発明に係る装置を概略的に示す更なる側面図。
【
図7】
図7は、本発明の装置のカムの作動中における多数の位置を概略的に示す。
【
図8】
図8は、本発明の装置のカムの作動中における多数の位置を概略的に示す。
【
図9】
図9は、本発明の装置のカムの作動中における多数の位置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
最初に
図1を参照すると、全体的に参照番号10で示された本発明の衝撃吸収制動装置は、アルミニウムまたは他の適当な材料で作られた押出形材16内を摺動するのに適した車輪または軸受14を備えた既知の種類のキャリッジ12と組み合わせられる。形材16は、略四角形の断面を画定し、下側基部には、ピンまたはボルト20の通路のために長手方向に伸長するスロット18が設けられ、ピンまたはボルト20はキャリッジ12の下に突出し、キャリッジ12をドアまたはパネルに連結する。スロット18は、側方対向リップ22が残るように押出形材16の中心に伸長し、側方対向リップ22に沿って、キャリッジ12の車輪または軸受14が載置され、摺動する。キャリッジ12は、格納シェル24に連結され、格納シェル24は、特に
図2において明示される、少なくとも1つのコイルばね26、好適にはコイルばね26のペア、およびガスまたは他の適当な種類の衝撃吸収ピストン30を備える衝撃吸収ユニットを収容する。格納シェル24は、対向する相補的要素28で構成され、それらの各々は、内側正面に、ピストン30を受容し安定させるためのそれぞれの半台座32が設けられる。
【0014】
本発明によると、衝撃吸収制動装置10はスライダ34を有し、スライダ34に、コイルばね26およびピストン30の端部の1つが連結される。具体的には、スライダ34には対向する上側36および下側38突起部が設けられ、そこに同数の溝40が形成され、ばね26の各々の前端に作られた延長フック42は、上記溝内に係合する。ばね26の対向端部は、リベット60または同等の保持手段によって互いに連結されると格納シェル24を形成する要素28の内部に突出する対向突起部28’(
図2)において、凹部44’を有する後部付属物44によって安定する。ピストンロッド30の露出端30’は、スライダ34の後壁に沿って作られた孔に係合され、上記スライダは横方向スロット46を有し、それを通って、ピストン30とスライダ34との連結をもたらす弾性リング48が挿入される。好適には、各ばね26にチューブ50が取り付けられ、ピストン30に、雑音を低減するために適した材料のリング52が取り付けられる。
【0015】
スライダ34は、正面に、上記スライダを成形カム56と連結するための略円筒形かつ水平に伸長する一体型付属物54が設けられ、カム56は、スライダ34の付属物54が配置される略半円形状を有する台座58を備える。カム56は、以下に記述する理由により、全体として、上記付属物54に対し少なくとも部分的に回転してよい。台座58に対する対向位置において、後述するアクティベータに当接するのに適した牽引ヘッドまたはフック62がカム56から突出し、一方、上記カムの対向側から、格納シェル24を形成する要素28の各々の内面に沿って長手方向に伸長する混合線形キャビティ66に沿って摺動するのに適したそれぞれのピン64が突出し、混合線形キャビティ66の1つおよびピン64の1つが
図2に明示される。上記キャビティは、主に水平に伸長し、24’と示された格納シェル24のフロントヘッドの付近で、最前部が下向きに湾曲し、概ね90度の湾曲部66’を形成する。特に
図1から分かるように、上記フロントヘッド24’は、ねじ68を用いて格納シェル24およびキャリッジ12を連結するのに適した要素を画定する。
【0016】
格納シェル24は、“U”断面(
図2に示すように)を有する補強形材72内に挿入され、そこに、上記形材の垂直壁から内側へ突出する複数の対向歯74が設けられ、並行して、格納シェル24の要素28は複数の水平ノッチ70を有し、その中に、上述した(
図2Bに示すような)歯74が嵌合することにより、上記シェル24と形材72との連結がもたらされる。
【0017】
2つの対向する車輪76は、押出形材16の内部で衝撃吸収制動装置10を全体として支持および位置合わせするために、格納シェル24のヘッド24’に対向する位置で、ペグ76’を用いて補強形材72と有利に結合される。
【0018】
上記装置10は更に、カム56と、より具体的にはカムヘッドまたは牽引フック62と連携して作動するのに適したアクティベータまたはアクチュエーティング要素78を備える。アクティベータ78は、適当な伸長のアーム80を備え、その一端は、既知の方法で下にある支持台82に連結され、上記支持台の前下部には、
図1および
図3Aに示すように、それぞれ第1のねじまたはグラブねじ84’および第2のねじ86’のための2つの密接した間隔の孔84、86が設けられ、第1のねじまたはグラブねじ84は、押出形材16内でアクティベータ78を位置決めする機能を有し、第2のねじ86は、上記アクティベータを上記形材と密着するように押し付ける。
図3Aは、キャリッジ12に関連してアクティベータ78の配置を示し、ここで、キャリッジ12は、上述したピンまたはボルト20によって、88として概略的に示された下にあるドアまたはパネルに既知の方法で固定される。アクティベータ78の支持台82は、たとえば、押出形材16の口部に配置および固定され、好適には、ドアまたはパネル88の開閉両方における衝撃吸収制動装置10の介入のために、各押出形材16に対向するアクティベータ78が配置される。
【0019】
アクティベータ78のアーム80は、支持台82に対向する端部において、カム56の牽引ヘッドまたはフック62に当接するように定められた下側突起部90が設けられ、この当接は、ドアまたはパネル88が開閉時に動くと生じ、この動きは、いかなる場合も制限された力の付与を伴う。同じアーム80において、押出形材16に面した上部に、突起部90と牽引フック62との係合段階における振動およびそれに伴う雑音を低減するのに適した少なくとも1つの弾性要素78が有利に固定される。
図5は、カム56の位置が、ピン64がキャビティ66の直線部分に沿って摺動する、完全な開放と閉鎖との間の部分に配置されたドア88の位置に対応する状態を示し、したがって、上記カムは完全に上昇している。代わりに、
図6は、破線によって示された領域内に描かれた以前の状態から始まり、キャビティ66の66’湾曲部をピンが通過した後に生じるカム56の部分的な下向きの回転によってもたらされる運動を示しており、斜めに回転されるカム56がどのように完全開位置に到達するかに留意すべきであり、コイルばね26は延伸し、ピストン30のロッド30’の露出端によって、そこへ連結されたスライダ34およびカム56の前進がもたらされる。ねじ68によってシェル24のヘッド24’に連結されたキャリッジ12は、同時に、ドアまたはパネルを完全に開放させる。
図7、
図8、および
図9は、ユーザによって行われた手動の介入の結果、上昇し、ピン64がキャビティ66の湾曲部66’を離れキャビティ66の水平部へ戻ると元の位置へ徐々に戻るカム56の漸進的な逆動を示し、ばね26は収縮し、スライダ34に連結されたカム56とともにスライダ34を引き込み、その間、ロッド30’はピストン30の構造内へ引き返し、端止めに導かれたドアまたはパネル88の制動を行う。したがってキャリッジ12は、押出形材16内の対向位置に位置するアクチュエータ78を有する他方の衝撃吸収制動装置10にパネル88が当接するまで、パネル88を閉位置へ向かって摺動するように動かす。基部への、すなわち押出形材16の対向位置におけるパネル88の摺動は、たとえば
図4に示すように床から突出し上記ドアの切込みに係合するピン92を用いて、既知の方法で行われる。
【0020】
上記から分かるように、本発明が実現する利点は明らかである。
スライド式ドアに特に適しているがワードローブパネルにも使用可能である本発明の衝撃吸収制動装置において、スライダ34が存在しており、そこに、この例では2つのばね26である弾性要素が連結されるため、牽引力は、弾性要素によって決定される動きの影響を直接受けず、角変位の影響も受けず、雑音を発生させない。また、ばねを解放するために、推力または牽引力において制限された力を付与することが必要であり、この点に関しても、パネル88に伝達する雑音は極めて制限される。パネル88は、開閉時にそれぞれの端止めへ徐々に移動して動かされ、衝突または激しく耳障りな当接に関連するあらゆるリスクから保護される。
【0021】
一例として上記の1つの実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態は単に非限定的な例として与えられたものであり、本発明を限定するものではない。上記説明の観点から、当業者には、数々の修正および変形例が明らかになる。したがって、本発明は、以下に示す特許請求の範囲の領域および範囲に収まる全ての修正および変形例を包括することを提示する。