(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】圧力設定点を使用する車両サスペンションシステムの制御
(51)【国際特許分類】
B60G 17/015 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
B60G17/015 C
(21)【出願番号】P 2021516581
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2019051913
(87)【国際公開番号】W WO2020068552
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-15
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス エドレン
(72)【発明者】
【氏名】アディティア メルコート
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-078804(JP,A)
【文献】特開平05-338421(JP,A)
【文献】特開2017-128232(JP,A)
【文献】実開平03-038205(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0095023(US,A1)
【文献】特開2018-118709(JP,A)
【文献】特開2008-037186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 17/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のプロセッサを備えるサスペンション制御システムであって、前記プロセッサは、
空気ばねに関連付けられた現在の圧力を決定し、
前記空気ばねの寸法に関連付けられた目標車高を決定し、
前記現在の圧力および
前記目標車高に少なくとも一部基づいて、前記空気ばねのための
設計圧力を決定し、
前記
設計圧力および
現在の車高に少なくとも一部基づいて、
前記設計圧力とは異なる目標圧力を決定し、
前記目標圧力に近づくように前記空気ばね内の圧力を調整する
ように構成され、
前記空気ばね内の前記圧力を調整すること
は、
前記現在の車高を前記
目標車高に近づけさせる、サスペンション制御システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
車両の重心を示す位置を決定し、
前記車両の前記重心を示す前記位置に一部基づいて、前記
設計圧力を決定する
ように構成される、請求項1のサスペンション制御システム。
【請求項3】
前記1つまたは複数のプロセッサは、車両のロール
およびピッチのうちの1つまたは複数を示す信号を受信し、並びに前記車両のロール
およびピッチのうちの1つまたは複数を示す前記信号に少なくとも一部基づいて、車両の重心を示す位置を決定するように構成される、
請求項2のサスペンション制御システム。
【請求項4】
加速度計および慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数をさらに備え、前記サスペンション制御システムは、前記加速度計
および前記慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から信号を受信し、
前記車両のロール
およびピッチのうち
の1つまたは複数を決定するように構成される、
請求項3のサスペンション制御システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
車両の現在の位置に関連付けられたマップデータを受信し、
前記マップデータに少なくとも一部基づいて、前記
目標車高および前記
目標圧力のうちの1つまたは複数を決定する
ように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサスペンション制御システム。
【請求項6】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記
現在の圧力に少なくとも一部基づいて、車両の現在の荷重分散を決定し、
前記車両の前記現在の荷重分散とは異なる前記車両の目標荷重分散を決定し、
前記目標荷重分散に一部基づいて、前記
設計圧力および前記目標車高のうちの少なくとも1つを決定
する
ように構成され、
前記空気ばね内の前記圧力を調整することは、前記
現在の荷重分散を前記目標荷重分散に近づ
けさせる、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のサスペンション制御システム。
【請求項7】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記空気ばねの寸法に関連付けられた現在の車高の変化を決定し、
前記現在の車高の前記変化に一部基づいて、前記目標車高を決定
する
ように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサスペンション制御システム。
【請求項8】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記空気ばねのばね曲線に少なくとも一部基づいて前記
目標圧力を決定するように構成され、前記ばね曲線は、前記空気ばね内の圧力および前記空気ばねの寸法を相互に関連付ける、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のサスペンション制御システム。
【請求項9】
車両の車高を制御する方法であって、
車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重を決定するステップと、
前記車両の各車輪における目標車高を決定するステップと、
前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重、および前記車両の各車輪における前記目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための
設計圧力を決定するステップと、
各空気ばねのための前記
設計圧力、および前記車両の各車輪における前記目標車高に少なくとも一部基づいて、
前記設計圧力とは異なる、各空気ばねのための目標圧力を決定するステップと、
前記車両の各車輪に関連付けられた現在の車高
を前記車両の各車輪における前記目標車高に近づ
けさせるために、各空気ばねのための前記目標圧力に近づくように各空気ばね内の圧力を調整するステップと
を含む方法。
【請求項10】
前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重を決定するステップは、前記空気ばねのそれぞれと連通する圧力センサから圧力信号を受信するステップを含む、請求項
9の方法。
【請求項11】
前記車両の重心を示す位置を決定するステップをさらに含み、各空気ばねのための前記
設計圧力を決定するステップは、前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重、および前記車両の前記重心を示す前記位置に少なくとも一部基づいて前記
設計圧力を決定するステップを含む、請求項
9の方法。
【請求項12】
前記車両の前記重心を示す前記位置を決定するステップは、
前記車両のピッチ
および前記車両のロールのうちの1つまたは複数を決定するステップと、
前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重、前記車両の前記ピッチ、
および前記車両の前記ロールのうちの前記1つまたは複数に少なくとも一部基づいて前記車両の前記重心を示す前記位置を決定するステップと
を含む、請求項
11の方法。
【請求項13】
前記車両の前記ピッチ
および前記車両の前記ロールのうちの1つまたは複数を決定するステップは、
加速度計
および慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から信号を受信するステップと、
加速度計
および慣性測定ユニットのうちの前記1つまたは複数から受信された前記信号に少なくとも一部基づいて、前記車両の前記ピッチ
および前記車両の前記ロールのうちの前記1つまたは複数を決定するステップと
を含む、請求項
12の方法。
【請求項14】
各空気ばねのための前記
設計圧力を決定するステップは
、ばね曲線に少なくとも一部基づいて、各空気ばねにおける前記
目標圧力を決定するステップを含み、前記ばね曲線は、前記空気ばね内の圧力および前記空気ばねの寸法を相互に関連付ける、請求項
9の方法。
【請求項15】
前記車両の現在の位置に関連付けられたマップデータを受信するステップと、
前記マップデータに少なくとも一部基づいて、前記目標車高および前記設計圧力のうちの1つまたは複数を決定するステップと
をさらに含む、請求項9の方法。
【請求項16】
シャシーと、
第1の車輪と、
前記第1の車輪および前記シャシーに結合された第1の空気ばねと、
第2の車輪と、
前記第2の車輪および前記シャシーに結合された第2の空気ばねと、
前記第1の空気ばねおよび前記第2の空気ばねと流れ連通する空気圧システムと、
サスペンション制御システムと
を備えた車両であって、
前記サスペンション制御システムは、
前記第1の空気ばねに関連付けられる第1の現在の圧力および前記第2の空気ばねに関連付けられる第2の現在の圧力を決定することと、
前記第1の現在の圧力および前記第2の現在の圧力に少なくとも一部基づいて、前記第1の車輪に関連付けられる第1の目標車高、前記第2の車輪に関連付けられる第2の目標車高、前記第1の空気ばねの第1の設計圧力、および前記第2の空気ばねの第2の設計圧力を決定することであって、前記第1の設計圧力は、前記第1の空気ばねに関連付けられる第1の所望の圧力を含み、前記第2の設計圧力は、前記第2の空気ばねに関連付けられる第2の所望の圧力を含む、ことと、
前記第1の設計圧力を使用して決定され、前記第1の車輪に関連付けられる第1の現在の車高にて評価された第1の関数に少なくとも一部基づいて、前記第1の空気ばねに関連付けられる第1の目標圧力を決定することであって、前記第1の目標圧力は、前記第1の設計圧力とは異なる、および前記第1の関数による前記第1の設計圧力に関連付けられる圧力である、ことと、
前記第2の設計圧力を使用して決定され、前記第2の車輪に関連付けられる第2の現在の車高にて評価された第2の関数に少なくとも一部基づいて、前記第2の空気ばねに関連付けられる第2の目標圧力を決定することであって、前記第2の目標圧力は、前記第2の設計圧力とは異なる、および前記第2の関数による前記第2の設計圧力に関連付けられる圧力である、ことと、
前記第1の空気ばね内の圧力を前記第1の目標圧力に近づけるように調整し、前記第2の空気ばね内の圧力を前記第2の目標圧力に近づけるように調整することと
を実行するように構成され、
前記第1の空気ばね内の圧力を調整することは、前記第1の車輪を第1の目標車高に近づけ、前記第2の空気ばね内の圧力を調整することは、前記第2の車輪を第2の目標車高に近づける、
車両。
【請求項17】
前記サスペンション制御システムは、
前記第1の設計圧力および前記第1の目標車高に少なくとも一部基づいて、前記第1の空気ばねに関連付けられる第1のばね曲線を識別することと、
前記第2の設計圧力および前記第2の目標車高に少なくとも一部基づいて、前記第2の空気ばねに関連付けられる第2のばね曲線を識別することと、
前記第1のばね曲線および前記第2のばね曲線に少なくとも一部基づいて、前記第1の目標圧力および前記第2の目標圧力をそれぞれ決定することと
を実行するように構成される、請求項16の車両。
【請求項18】
前記サスペンション制御システムは、前記第1の現在の圧力および前記第2の現在の圧力が前記第1の目標圧力および前記第2の目標圧力の閾値圧力にそれぞれ近づいたことに応答して、前記第1の空気ばねおよび前記第2の空気ばね内の圧力を調整しなくなるように構成される、請求項16の車両。
【請求項19】
(1)前記第1の目標圧力が前記第1の設計圧力とは異なり、および/または(2)前記第2の目標圧力が前記第2の設計圧力とは異なる、請求項16の車両。
【請求項20】
前記サスペンション制御システムは、前記第1の空気ばねに関連付けられる第1のばね曲線および前記第2の空気ばねに関連付けられる第2のばね曲線にそれぞれ少なくとも一部基づいて、前記第1の空気ばねの前記第1の設計圧力および前記第2の空気ばねの前記第2の設計圧力を決定することであって、前記第1のばね曲線は、前記第1のばね曲線の圧力および前記第1の空気ばねに関連付けられる車高に関する寸法を関連付け、前記第2のばね曲線は、前記第2の空気ばねの圧力および前記第2の空気ばねに関連付けられる寸法を関連付ける、ことを実行するように構成される、請求項16の車両。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
このPCT国際特許出願は、2018年9月24日に出願された米国特許出願第16/140,002号明細書の出願日の利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
車両は、凸凹の表面をわたって移動しカーブを通って走行するとき、車両の搭乗員の乗り心地をよくするために、または車両の性能を改善するために、サスペンションシステムを含むことがある。サスペンションシステムは、車両の各車輪に、車両が表面内の窪みをわたって、または隆起の上を移動するとき車両のシャシに伝達される力を低減するためのばねと、ばねが力の入力に反応するときばねの振動または反動を制御するためのダンパとを含むアセンブリを含むことがある。いくつかのサスペンションシステムは、車両の1つまたは複数の車輪において車高を調整することによって、車両の車高を調整するために使用されることがある。しかし、そのようなシステムは、所望の車高を達成しながら車両の各車輪において荷重を適合させる能力を提供しない。その結果、車高は所望の車高に調整され得るが、車両の車輪における等しくない荷重により、凸凹の表面の上で、および操縦中に望ましくない車両性能に至ることがある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
詳細な説明が添付図面を参照して記載されている。図面では、符号の最も左の桁は、その符号が最初に出現する図面を識別する。異なる図面内の同じ符号は、同様または同一の項目を示す。
【
図1】例示的なサスペンションシステムの一部分の概略図を含む例示的な車両の斜視図、側面図、および正面図を含む図である。
【
図2】サスペンションシステムを実装するための例示的なシステムおよび本明細書に記載の関連技術のブロック図である。
【
図3】例示的なサスペンションシステムを含む例示的な車両の概略上面図である。
【
図4A】例示的な車両が目標車高および移動のための水平な姿勢に達する例示的な水平調整シーケンスの第1の場合の側面図である。
【
図4B】目標車高および水平な姿勢を達成する前に車両がそれ自体上昇する例示的な水平調整シーケンスの第2の場合の側面図である。
【
図4C】車両が目標車高および移動のための水平な姿勢を達成するように落ち着く例示的な水平調整シーケンスの第3の場合の側面図である。
【
図5】ばね定数(ニュートン/ミリメートル)、ASAC位置(ミリメートル)、およびストラット行程(ミリメートル)の関数として例示的な空気ばねについての例示的なばね曲線を示す3次元グラフである。
【
図6】本明細書に記載されているように例示的な空気ばねにおける圧力、および車高を調整するための例示的なプロセス中のストラット力(ニュートン)およびASAC位置(ミリメートル)の関数としてストラット行程(ミリメートル)の例示的な変化を示す3次元グラフである。
【
図7】本明細書に記載されているように例示的な空気ばねにおける圧力、および車高を調整するための例示的なプロセス中の空気ばね圧力および車高の例示的な変化を示す2次元グラフである。
【
図8】空気ばねを含む例示的な車両の車高を調整するための例示的なプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示は、一般にサスペンションシステム、サスペンションシステムのコンポーネント、および関連の方法を対象とする。サスペンションシステムは、車両シャシに対する車輪の動きを制御するための、車輪を車両シャシに結合するばねとダンパのアセンブリを含み得る。ばねとダンパのアセンブリは、車輪における車両の車高が調整され得るように長さ寸法を変更するように構成された空気ばねを含み得る。本明細書では空気圧システム、およびその圧力を設定することに関して記載されているが、説明は、そのように限定することは意図されていない。特に、例えば、液圧システム内の圧力を制御することなど他のシステムと共に同様の技法が応用されてもよい。サスペンションシステムは、車輪にかかる荷重、および車輪における車両の車高を調整するために空気ばね内の圧力を調整するように構成されたサスペンション制御システムをさらに含み得る。例えば、サスペンション制御システムは、車両の各車輪にかかる荷重を決定し、車両の重心を決定し、各車輪における荷重および重心に少なくとも一部基づいて、目標荷重および車両の各車輪における車高を達成するために各空気ばねのための圧力設定点を決定するように構成され得る。圧力設定点は、空気ばね内の圧力および空気ばねの寸法の変化を相関するばね曲線から決定され得る。サスペンション制御システムは、空気ばねに関連付けられた車輪における圧力設定点および目標車高を達成するために空気ばねのそれぞれにおける圧力を動的に調整するように構成され得る。いくつかの例では、これは、各空気ばねについて同時発生的に(例えば、実質的に同時に)、また少なくともいくつかの例では連続的に実施されてよい。いくつかの例では、サスペンション制御システムは、車両の車高を水平にするように空気ばね内の圧力を調整し得る。空気ばねを調整するために圧力設定点を使用することによって、車両の各車輪における目標荷重を達成し、また一方、車両の各車輪における目標車高を達成することが単一のステップで可能になり得る。
【0005】
本開示は、第1の車輪および車両シャシに結合されるように構成された第1の空気ばねを含むシステムを対象とする。このシステムは、第1の車輪における車両の現在の第1の車高を示す第1の信号を生成するように構成された第1のセンサをも含み得る。このシステムは、第2の車輪および車両シャシに結合されるように構成された第2の空気ばねをも含み得る。このシステムは、第2の車輪における車両の現在の第2の車高を示す第2の信号を生成するように構成された第2のセンサをさらに含み得る。このシステムは、現在の第1の圧力および現在の第2の圧力を決定し、目標の第1の車高および目標の第2の車高を決定するように構成されたサスペンション制御システムをも含み得る。サスペンション制御システムはまた、現在の第1の圧力、現在の第2の圧力、目標の第1の車高、および目標の第2の車高に少なくとも一部基づいて、第1の空気ばねのための第1の圧力設定点、および第2の空気ばねのための第2の圧力設定点を決定するように構成され得る。サスペンション制御システムはまた、第1の圧力設定点、現在の第1の圧力、および現在の第1の車高に少なくとも一部基づいて、第1の目標圧力を決定するように構成され得る。サスペンション制御システムはまた、第2の圧力設定点、現在の第2の圧力、および第2の車高に少なくとも一部基づいて、第2の目標圧力を決定するように構成され得る。サスペンション制御システムはまた、第1のセンサから信号を受信し、第2のセンサから信号を受信し、第1の目標圧力および第2の目標圧力に近づくように第1の空気ばねおよび第2の空気ばね内の圧力を調整するように構成され得る。上記のいくつかの例では、第1のセンサおよび第2のセンサは、同じセンサであっても、多数のセンサを備えてもよい。いくつかの例では、サスペンション制御システムは、車両の重心を示す位置を決定し、重心を示す位置に少なくとも一部基づいて、第1の空気ばねのための第1の圧力設定点、および第2の空気ばねのための第2の圧力設定点を決定するように構成され得る。
【0006】
いくつかの例では、このシステムは、第1の空気ばねおよび第2の空気ばねと流れ連通(flow communication)する空気圧システムをさらに含み得る。サスペンション制御システムは、第1の空気ばねおよび第2の空気ばねのそれぞれにおける圧力を調整するために、空気圧システムと、第1の空気ばねおよび第2の空気ばねのそれぞれとの間に流れ連通を提供するように構成され得る。いくつかの例では、サスペンション制御システムは、車両のロールまたはピッチのうちの1つまたは複数を示す信号を受信し、車両のロールまたはピッチのうちの1つまたは複数を示す信号に少なくとも一部基づいて、重心を示す位置を決定するように構成され得る。例えば、このシステムは、加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数をさらに含み得、サスペンション制御システムは、加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から信号を受信し、加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数からの信号に少なくとも一部基づいて、車両のロールまたはピッチのうちの1つまたは複数を決定するように構成され得る。本明細書に列挙されている任意のそのような例では、そのような圧力設定点および車高は、車両を基準面(例えば、地面)に対して特定の向きにするように決定され得る。例えば、サンフランシスコの急な街路では、車高は、上り坂を移動しているかそれとも下り坂かにかかわらず搭乗員が水平なままでいるように、各車輪について異なってもよい。
【0007】
いくつかの例では、このシステムは、第1の空気ばね内の第1の圧力を示す信号を生成するように構成された第1の圧力センサと、第2の空気ばね内の第2の圧力を示す信号を生成するように構成された第2の圧力センサとをも含み得る。サスペンション制御システムは、第1の圧力を示す信号、第2の圧力を示す信号、および重心を示す位置に少なくとも一部基づいて、第1の空気ばねのための第1の圧力設定点、および第2の空気ばねのための第2の圧力設定点を決定するように構成され得る。
【0008】
いくつかの例では、このシステムは、第3の車輪および車両のシャシに結合されるように構成された第3の空気ばねと、第3の車輪における車両の現在の第3の車高を示す第3の信号を生成するように構成された第3のセンサとをさらに含み得る。サスペンション制御システムは、現在の第1の車高、現在の第2の車高、および現在の第3の車高がそれぞれ目標の第1の車高、目標の第2の車高、および目標の第3の車高に近づくにつれて、第1の圧力設定点、第2の圧力設定点、および第3の圧力設定点を達成するように第1の空気ばね、第2の空気ばね、第3の空気ばね内の圧力を動的に調整することによって車両の車高を水平にするように構成され得る。いくつかの例では、このシステムは、車両の車輪に結合されるようにそれぞれが構成された4つ以上の空気ばねを含み得、サスペンション制御システムは、車輪のそれぞれにおける現在の車高がそれぞれの目標車高に近づくにつれて、それぞれの圧力設定点を達成するように空気ばねのそれぞれにおける圧力を動的に調整するように構成され得る。いくつかの例では、サスペンション制御システムは、目標圧力および車高を達成するために圧力を同時発生的に(例えば、実質的に同時に)動的に調整するように構成され得る。
【0009】
このシステムのいくつかの例では、サスペンション制御システムは、空気ばねのうちの1つまたは複数のばね曲線に少なくとも一部基づいて圧力設定点を決定するように構成され得る。ばね曲線は、空気ばね内の圧力、および空気ばねの寸法の変化、例えば空気ばねに結合された車輪における車両の車高を調整することになる空気ばねの長さ寸法の変化を相互に関連付け得る。
【0010】
本開示は、一般に車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重を決定するステップと、車両の各車輪における目標車高を決定するステップとを含む方法を対象とする。本方法は、車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重、および車両の各車輪における目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための圧力設定点を決定するステップをさらに含み得る。本方法は、各空気ばねのための圧力設定点、および車両の各車輪における目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための目標圧力を決定するステップをさらに含み得る。本方法は、車両の各車輪に関連付けられた現在の車高が車両の各車輪における目標車高に近づくにつれて、各空気ばねのための目標圧力に近づくように各空気ばね内の圧力を調整するステップを含み得る。いくつかの例では、車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重を決定するステップは、空気ばねのそれぞれと通信する圧力センサから圧力信号を受信するステップを含み得る。いくつかの例では、本方法は、車両の重心を示す位置を決定するステップを含み得、空気ばねのそれぞれのための圧力設定点を決定するステップは、車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重、および車両の重心を示す位置に少なくとも一部基づいて圧力設定点を決定するステップを含み得る。いくつかの例では、車両の重心を示す位置を決定するステップは、車両のピッチまたは車両のロールのうちの1つまたは複数を決定するステップと、車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重、車両のピッチ、または車両のロールのうちの1つまたは複数に少なくとも一部基づいて車両の重心を示す位置を決定するステップとを含み得る。いくつかの例では、車両のピッチまたは車両のロールのうちの1つまたは複数を決定するステップは、加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から信号を受信するステップと、加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から受信された信号に少なくとも一部基づいて、車両のピッチまたは車両のロールのうちの1つまたは複数を決定するステップとを含み得る。
【0011】
本明細書に記載の技法およびシステムは、いくつかのやり方で実装されてよい。以下、図を参照して、例示的な実装が提供されている。
【0012】
図1は、例示的な車両102が移動している例示的な環境100を示す。例示的な車両102は、運転者(または乗員)がいつでも車両を制御することを期待されることなく、走行過程全体の間、全ての安全上重要な機能を実施することができる車両について記載している、米国運輸省道路交通安全局によって発行されたレベル5分類に従って動作するように構成された自律車両など無人運転車両であってよい。そのような例では、車両102は、全ての駐車機能を含めて走行過程の開始から完了まで全ての機能を制御するように構成され得るので、運転者並びに/またはステアリングホイール、アクセルペダル、および/もしくはブレーキペダルなど車両102を運転するためのコントロールを含まなくてもよい。これは例にすぎず、本明細書に記載のシステムおよび方法は、常時運転者によって手動制御されることを必要とする車両から部分的または完全に自律制御されるものに及ぶものを含めて、任意の陸上、航空、または水上の乗り物に組み込まれ得る。
【0013】
例示的な車両102は、例えば、バン、スポーツユーティリティ車両、クロスオーバ車両、貨物自動車、バス、農業車両および工事車両など、車両の任意の構成であってよい。車両102は、1つまたは複数の内燃機関、1つまたは複数の電気モータ、水素電力、それらの任意の組合せ、および/または任意の他の好適な動力源によって電力を与えられてよい。例示的な車両102は4つの車輪104を有するが、本明細書に記載のシステムおよび方法は、より少ない、またはより多数の車輪、タイヤ、および/またはトラックを有する車両に組み込まれてもよい。いくつかの例では、車両102は、双方向車両であってもよい。例えば、車両102は、4輪ステアリングを有してもよく、一般に、
図1に示されているように、第1の方向108に移動しているとき車両102の第1の端部106が車両102の前端であるように、また反対の第2の方向110に移動しているとき第1の端部106が車両102の後端になるように、全ての方向において等しい性能特性で動作してもよい。同様に、車両102の第2の端部112は、第2の方向110に移動しているとき車両102の前端であり、第2の端部112は、反対の第1の方向108に移動しているとき車両102の後端になる。これらの例示的な特性は、例えば、駐車場および都市部など小空間または混在する環境において、より大きな操縦性を容易にし得る。
【0014】
車両102は、環境100内のオブジェクトを示すセンサデータに少なくとも一部依拠して環境100の中を移動し得る。そのようなセンサデータは、例えば、少なくとも車両102の軌道を決定する、車両102の位置を決定する、並びに/または車両102の位置および/もしくは向きのうちの1つもしくは複数を(体勢と共に)決定するために使用され得る。例えば、車両102が環境100の中を移動するとき、1つまたは複数の撮影デバイス114、光検出および測距(LIDAR)センサ116、および/または他のタイプのセンサが、検出されたオブジェクト(例えば、車両、歩行者、建物、障害物、車両102が移動する表面内の凸凹のなど)に関連付けられたデータを取り込む。いくつかの例では、撮影デバイス114は、例えば、RGBカメラ、白黒カメラ、強度(グレースケール)カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ、深度カメラ、ステレオカメラなどを含み得る。他のタイプのセンサは、例えば、無線検出および測距(RADAR)センサ、音声ナビゲーションおよび測距(SONAR)センサなど1つまたは複数の超音波トランスデューサ、または他の知られているセンサタイプを含み得る。取り込まれたデータは、例えば、車両102のための軌道を決定するための、および/または他の目的(例えば、体勢を決定する、位置特定など)のための入力として使用され得る。
【0015】
図1に概略的に示されているように、車両102は、例えば、任意の道路表面(例えば、タールマック、アスファルト、砂利など)など表面118上を移動し得る。車両102が表面118の凸凹の領域をわたって移動するとき、表面118は、1つまたは複数の車輪104に力を加え、その力は、車輪104を通って、車輪104を車両シャシ120に結合するサスペンションシステム122を介して車両102の車両シャシ120に伝えられる。
【0016】
図1に示されているように、サスペンションシステム122は、例えば、本明細書に記載されているように、サスペンションシステム122の1つまたは複数のコンポーネントを制御するように構成されたサスペンション制御システム124を含み得る。いくつかの例では、車輪104のうちの1つまたは複数(例えば、それぞれ)は、車両シャシ120に対して車輪104が動くようにそれぞれの車輪104を車両シャシ120に結合するばねとダンパのアセンブリ126によって車両シャシ120に結合され得る。ばねとダンパのアセンブリ126は、ダンパ部材130に結合された空気ばね128を含み得る。いくつかの例では、空気ばね128は、表面118によって加えられる力を吸収するように変形することが可能であり得る。
【0017】
いくつかの例では、例えば、
図1に示されているように、空気ばね128は、その長さ寸法を変化させるように構成され、車輪104を車両シャシ120に結合するばねとダンパのアセンブリ126の空気ばね128によって車両シャシ120に結合された車輪104における車両102の車高RHを変化させる。例えば、
図1に示されているように、サスペンションシステム122は、空気ばね128と選択的に流れ連通し、空気ばね128内の圧力を増大させるように、および/もしくはその長さ寸法を増大させるように、圧力下で空気ばねに空気(例えば、空気または同様のガスを含む)を選択的に供給し、または空気ばね128内の圧力を減少させるように、および/もしくはその長さ寸法を減少させるように、空気ばね128から圧力を解放するように構成された空気圧システム132を含む。例えば、空気圧システム132は、加圧空気源、例えば加圧空気を供給するように構成されたポンプおよび/もしくはコンプレッサ、並びに/または圧縮空気を貯蔵する空気タンクを含み得る。他の加圧空気源が企図されており、本明細書で使用されるとき、「空気」は、空気ばね128の動作および本明細書に記載の関連の方法と一貫しているように、加圧ガスとして働くことができる任意のガスまたはガスの組合せを含んでよい。
【0018】
図1に概略的に示されているように、サスペンションシステム122は、空気圧システム132と空気ばね128との間に流れ連通を提供するライン134を含み得る。示されている例では、空気圧システム132と空気ばね128との間に選択的な流れ連通を提供するように、弁136がライン134内に設けられる。弁136は、空気ばね128への流れ連通を提供するように開き、空気ばね128への流れ連通を妨げるように閉じ、いくつかの例では、空気ばね128から圧力を解放するように構成され得る。サスペンションシステム122のいくつかの例は、空気ばね128から圧力を解放するためにライン134内の弁136とは独立の追加の弁を含んでもよい。さらに、いくつかの例では、サスペンションシステム122は、空気ばね128内の圧力を示す信号を生成するように構成されたセンサ138をも含み得、これは、本明細書に記載されているように使用され得る。任意の好適な、知られているタイプの圧力センサの使用が企図されている。
【0019】
図1に概略的に示されているように、サスペンション制御システム124は、空気ばね128を使用して車両102の1つまたは複数の車輪104の位置における(例えば、車輪104のそれぞれにおける)車両102の車高RHを変えるために使用され得る(例えば、RHは、全ての車輪について同じであってもよく、各車輪が独立のRHを有してもよい)。例えば、弁136の動作は、空気ばね128の長さ寸法を増大させ、空気ばね128が結合されている車輪104における車高RHを増大させるために弁136を開くように制御され得る。さらに、弁136または追加の弁の動作は、空気ばね128の長さ寸法を減少させ、空気ばね128が結合されている車輪104における車高RHを減少させるために、空気ばね128から圧力を解放するように制御され得る。いくつかの例では、車輪104のうちの1つまたは複数(例えば、それぞれ)における空気ばね128は、互いに独立に制御されてもよい。そのような例では、車両102のピッチまたはロールのうちの1つまたは複数が達成されてもよい。
図1に示されているように、サスペンションシステム122は、ばねとダンパのアセンブリ126に結合された車輪104における車両102の車高RHを示す信号を生成するように構成されたセンサ140をも含み得る。センサ140は、例えば、近接センサ、または上記のセンサのうちの任意の1つもしくは複数など、車輪104における車高RHを示す信号を生成するように構成された任意のセンサを含んでよい。
【0020】
図1に示されているように、例示的なサスペンション制御システム124は、本明細書で述べられているように、車両102の車高RHを水平にするように構成された水平調整コントローラ142を含む。いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、車両102の1つまたは複数の車輪104に関連付けられたセンサ138および140のうちの1つまたは複数によって生成される1つまたは複数の信号を受信するように構成され得、これらの信号に少なくとも一部基づいて、いくつかの例では車両102の他のセンサおよび/またはシステムから受信される信号に一部基づいて、水平調整コントローラ142は、車両102を実質的に水平にするように1つまたは複数の車輪104における車高RHを調整するために、車両102の車輪104のうちの1つまたは複数に結合された空気ばね128のうちの1つまたは複数をサスペンションシステム122に動作させるように構成され得る。例えば、水平調整コントローラ142は、車両102の車高RHが実質的に水平になるように、いくつかの例では車輪104のそれぞれにかかる荷重が実質的に同じになるように車両102のピッチPおよび/またはロールRを調整するために、空気ばね128のうちの1つまたは複数の長さ寸法を変えるように構成され得る。
【0021】
いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、車両102の車高が実質的に水平にならないように車輪のうちの1つまたは複数における車高RHを調整するように構成されてもよい。例えば、水平調整コントローラ142は、車輪104のそれぞれにおけるRHの調整が設計パラメータに従って設定されることを可能にするように構成されてもよく、これにより、いくつかの例では、車輪104のうちの1つまたは複数における車高RHが互いに異なることになってもよい。例えば、前輪104における車高RHは、後輪104における車高RHより相対的に高くなるように意図的に設定されてもよく、これは、(例えば、相対的に小さい空力抵抗を提供するために)空力的特性を改善し得る。いくつかの例では、後輪104における車高RHは、前輪104における車高RHより相対的に高くなるように意図的に設定されてもよく、これは(例えば、相対的により多くの空力的ダウンフォースを提供し、コーナリング性能を改善するために)空力的特性を改善し得る。いくつかの例では、例えば、横方向傾斜を有する道路上を移動するロール効果に対抗するために、右側の車輪104における車高RHは、左側の車輪104における車高RHより相対的に高くなるように設定されてもよく、または左側の車輪104における車高RHは、右側の車輪104における車高RHより相対的に高くなるように設定されてもよい。いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、例えば、車両102の重心を上昇させるために、全ての車輪104における車高RHを増大するように構成されてもよい。いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、例えば、車両102の重心を下げるために、全ての車輪104における車高RHを減少させるように構成されてもよい。いくつかの例では、サスペンション制御システム124は、(例えば、本明細書で
図2を参照して記載されているように)車両102の現在の位置および/または向きに関連付けられたマップデータおよび/または体勢情報を受信するように構成され得る。マップデータおよび/または体勢情報に少なくとも一部基づいて、サスペンション制御システム124は、表面118における上り勾配、表面118における下り勾配、表面118の横方向傾斜、および/または凸凹の表面に対処するために車両102の車輪104のうちの1つまたは複数における車高RHを設定するように構成され得る。
【0022】
いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、車輪104のそれぞれにおける荷重の調整が設計プレファレンスに従って設定されることを可能にするように構成されてもよく、これにより、いくつかの例では、車輪104のうちの1つまたは複数における荷重が互いに異なることになってもよい。例えば、前輪104における荷重は、例えばブレーキング走行中、ブレーキング性能を改善するために、後輪104における荷重より相対的に高くなるように意図的に設定されてもよい。いくつかの例では、後輪104における荷重は、例えば加速中、トラクションおよび加速を改善するために、前輪104における荷重より相対的に高くなるように意図的に設定されてもよい。いくつかの例では、右側の車輪104における荷重は、例えば車両102が左に旋回しているとき、コーナリング性能を改善するために、左側の車輪104における荷重より相対的に高くなるように設定されてもよい。同様に、いくつかの例では、左側の車輪104における荷重は、例えば車両102が右に旋回しているとき、コーナリング性能を改善するために、右側の車輪104における荷重より相対的に高くなるように設定されてもよい。
【0023】
図2は、本明細書に記載の技法を実装するための例示的なシステム200のブロック図を示す。少なくともいくつかの例では、システム200は、
図1に示されている例示的な車両102に対応し得る車両202を含み得る。車両202は、車両コンピューティングデバイス204と、1つまたは複数のセンサシステム206と、1つまたは複数のエミッタ208と、1つまたは複数の通信接続部210と、少なくとも1つの直接接続部212と、1つまたは複数の駆動モジュール214とを含み得る。
【0024】
車両コンピューティングデバイス204は、1つまたは複数のプロセッサ216と、1つまたは複数のプロセッサ216と通信可能に結合されたメモリ218とを含み得る。図の例では、車両202は自律車両である。しかし、車両202は、任意の他のタイプの車両であってもよい。図の例では、車両コンピューティングデバイス204のメモリ218は、位置特定コンポーネント220と、知覚コンポーネント222と、プランニングコンポーネント224と、1つまたは複数のシステムコントローラ226と、1つまたは複数のマップ228と、例示的な水平調整コントローラ142を含む例示的なサスペンション制御システム124とを記憶する。
図2には、例示のためにメモリ218内にあるものとして示されているが、位置特定コンポーネント220、知覚コンポーネント222、プランニングコンポーネント224、1つまたは複数のシステムコントローラ226、1つまたは複数のマップ228、およびサスペンション制御システム124は、追加としてまたは代替として、車両202からアクセス可能(例えば、車両202から遠隔のメモリ上に記憶され、または他の方法でアクセス可能)であってもよいことが企図されている。
【0025】
少なくとも1つの例では、位置特定コンポーネント220は、車両202の位置および/または向き(例えば、x位置、y位置、z位置、ロール、ピッチ、またはヨー(yaw)のうちの1つまたは複数)を決定するためにセンサシステム206からデータを受信するように構成され得る。いくつかの例では、そのような位置/向きは、各車輪のための車高が決定され得るように、下記に記載のマップに対して決定され得る。例えば、位置特定コンポーネント220は、環境のマップを含み、および/または要求/受信し得、マップ内の自律車両の位置および/または向きを連続的に決定し得る。いくつかの例では、位置特定コンポーネント220は、画像データ、LIDARセンサデータ、RADARデータ、IMUデータ、GPSデータ、車輪エンコーダデータなどを受信し、自律車両の位置を正確に決定するために、SLAM(同時位置特定およびマッピング)、CLAMS(同時に較正、位置特定、およびマッピング)、相対SLAM、バンドルアジャストメント(bundle adjustment)、非線形最小二乗最適化などを利用し得る。いくつかの例では、位置特定コンポーネント220は、本明細書で論じられているように、候補軌道を生成するための自律車両の初期位置を決定するために、車両202の様々なコンポーネントにデータを提供し得る。
【0026】
いくつかの例では、知覚コンポーネント222は、オブジェクト検出、セグメンテーション、および/または分類を実施するように構成され得る。いくつかの例では、知覚コンポーネント222は、車両202に近接するエンティティの存在、および/またはエンティティタイプ(例えば、車、歩行者、自転車に乗る人、動物、建物、木、道路表面、縁石、歩道、未知のものなど)としてエンティティの分類を示す処理済みセンサデータを提供し得る。追加および/または代替の例では、知覚コンポーネント222は、検出されたエンティティおよび/またはそのエンティティが配置される環境に関連付けられた1つまたは複数の特性を示す処理済みセンサデータを提供し得る。いくつかの例では、エンティティに関連付けられた特性は、それだけには限らないが、X位置(グローバル位置)、Y位置(グローバル位置)、Z位置(グローバル位置)、向き(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)、エンティティタイプ(例えば、分類)エンティティの速度、エンティティの加速度、エンティティの範囲(サイズ)などを含み得る。環境に関連付けられた特性は、それだけには限らないが、環境内の別のエンティティの存在、環境内の別のエンティティの状態、時刻、曜日、季節、天候状態、暗さ/光のインジケーションなどを含み得る。
【0027】
一般に、プランニングコンポーネント224は、環境の中を横断するために車両202が従うための経路を決定し得る。例えば、プランニングコンポーネント224は、様々なルートおよび軌道並びに様々なレベルの詳細を決定し得る。例えば、プランニングコンポーネント224は、第1の位置(例えば、現在の位置)から第2の位置(例えば、目標位置)へ移動するためのルートを決定し得る。この考察の目的として、ルートは、2つの位置間を移動するためのウェイポイントのシーケンスであってよい。非限定的な例として、ウェイポイントは、街路、交差点、全地球測位システム(GPS)座標などを含む。さらに、プランニングコンポーネント224は、第1の位置から第2の位置へのルートの少なくとも一部分に沿って自律車両を案内するための命令を生成し得る。少なくとも1つの例では、プランニングコンポーネント224は、ウェイポイントのシーケンス内の第1のウェイポイントからウェイポイントのシーケンス内の第2のウェイポイントへ自律車両をどのように案内するか決定し得る。いくつかの例では、この命令は、軌道または軌道の一部分であってよい。いくつかの例では、レシーディングホライズン技法(receding horizon technique)に従って、多数の軌道が実質的に同時に(例えば、技術的許容差内で)生成され得、多数の軌道の1つが、車両202がナビゲートするために選択される。
【0028】
少なくとも1つの例では、プランニングコンポーネント224は、例えば、画像ベースの特徴を用いるバッグオブバイナリワード(bags of binary words)、人工ニューラルネットワークなどを使用して、ユーザから受け入れられた環境の画像データに基づいてユーザの位置を決定し得る。さらに、プランニングコンポーネント224は、位置に関連付けられたピックアップ位置を決定し得る。ピックアップ位置は、車両202が搭乗員を拾い上げるために停止し得る閾値距離位置(例えば、派遣要求に関連付けられた住所または位置)内の特定の位置(例えば、駐車スペース、荷重ゾーン、地表の一部分など)であってよい。少なくとも1つの例では、プランニングコンポーネント224は、(例えば、本明細書で論じられているように、画像認識を介して決定される、またはユーザデバイスからインジケーションとして受信される)ユーザの身元を決定することに少なくとも一部基づいてピックアップ位置を決定し得る。
【0029】
少なくとも1つの例では、車両コンピューティングデバイス204は、ステアリング、推進力、ブレーキング、安全、エミッタ、通信および車両202の他のシステムを制御するように構成される1つまたは複数のシステムコントローラ226を含み得る。これらのシステムコントローラ226は、駆動モジュール214の対応するシステム、および/または車両202の他のコンポーネントと通信する、および/またはそれらを制御し得る。
【0030】
メモリ218は、環境内でナビゲートするために車両202によって使用され得る1つまたは複数のマップ228をさらに含み得る。この考察の目的として、マップは、それだけには限らないがトポロジ(交差点など)、街路、山脈、道路、地形および環境一般など環境についての情報を提供することが可能な、2次元、3次元、またはN次元でモデル化された任意の数のデータ構造であってよい。いくつかの例では、マップは、それだけには限らないがテクスチャ情報(例えば、色情報(例えば、RGB色情報、Lab色情報、HSV/HSL色情報)など)、強度情報(例えば、LIDAR情報、RADAR情報など)、空間情報(例えば、メッシュ上に投影された画像データ、個々の「サーフェル」(例えば、個々の色および/または強度に関連付けられたポリゴン))、反射率情報(例えば、鏡面性情報、再帰反射率情報、BRDF情報、BSSRDF情報など)を含み得る。一例では、マップは、環境の3次元メッシュを含み得る。いくつかの例では、マップは、マップの個々のタイルが環境の離散的な部分を表し、必要に応じてワーキングメモリ内にロードされ得るように、タイルフォーマットで記憶され得る。少なくとも1つの例では、1つまたは複数のマップ228は、少なくとも1つのマップ(例えば、画像および/またはメッシュ)を含み得る。いくつかの例では、車両202は、マップ228に少なくとも一部基づいて制御され得る。すなわち、マップ228は、車両202の位置を決定し、環境内のオブジェクトを識別し、並びに/または環境内でナビゲートするためのルートおよび/もしくは軌道生成するために、位置特定コンポーネント220、知覚コンポーネント222、および/またはプランニングコンポーネント224に関連して使用され得る。
【0031】
いくつかの例では、1つまたは複数のマップ228は、ネットワーク230を介してアクセス可能な遠隔コンピューティングデバイス(コンピューティングデバイス232など)上に記憶され得る。いくつかの例では、多数のマップ228は、例えば、特性(例えば、エンティティのタイプ、時刻、曜日、その年の季節など)に基づいて記憶され得る。複数のマップ228を記憶することは、同様のメモリ要件を有し得るが、マップ内のデータがアクセスされ得る速さを増大させ得る。
【0032】
図2に示されているように、いくつかの例では、サスペンション制御システム124は、車両202のコンピューティングデバイス204のメモリ218内に記憶されても、コンピューティングデバイス232のメモリ236内で車両202から遠隔であってもよい。いくつかの例では、サスペンション制御システム124のいくつかの部分は、車両202のコンピューティングデバイス204のメモリ218内に記憶されてもよく、サスペンション制御システム124の他の部分は、コンピューティングデバイス232のメモリ236内で遠隔に記憶されてもよく、サスペンション制御システム124のこれらの別々に位置する部分は、共に調和して動作し得る。
【0033】
いくつかの例では、本明細書で論じられているコンポーネントのうちのいくつかまたは全ての態様は、任意のモデル、アルゴリズム、および/または機械学習アルゴリズムを含み得る。例えば、いくつかの例では、メモリ218および/またはメモリ236内のコンポーネントは、ニューラルネットワークとして実装されていてもよい。
【0034】
本明細書に記載されているように、例示的なニューラルネットワークは、入力データを一連の接続されたレイヤに通し、出力を生成する、生物学的な示唆を受けたアルゴリズムである。ニューラルネットワーク内の各レイヤは、別のニューラルネットワークをも含んでも、任意の数のレイヤ(畳み込みか否かにかかわらず)を含んでもよい。本開示の文脈において理解され得るように、ニューラルネットワークは、学習されたパラメータに基づいて出力が生成される多種のアルゴリズムを指し得る機械学習を利用し得る。
【0035】
ニューラルネットワークの文脈で論じられているが、本開示と一貫して、任意のタイプの機械学習が使用されてよい。例えば、機械学習アルゴリズムは、それだけには限らないが回帰アルゴリズム(例えば、通常最小二乗回帰(OLSR)、線形回帰、ロジスティック回帰、ステップワイズ回帰、多変量適応回帰スプライン(MARS)、局所推定スキャッタープロット平滑化(locally estimated scatterplot smoothing)(LOESS))、インスタンスベースのアルゴリズム(例えば、リッジ回帰、ラッソ回帰(least absolute shrinkage and selection operator)(LASSO)、エラスティックネット、最小角回帰(LARS))、判断木アルゴリズム(例えば、分類および回帰木(CART)、反復二分法3(iterative dichotomiser 3)(ID3)、カイ二乗による相互作用の自動検出(CHAID)、決定株(decision stump)、条件判断木)ベイズアルゴリズム(例えば、ナイーブベイズ、ガウシアンナイーブベイズ、多項ナイーブベイズ、平均1依存性推定値(average one-dependence estimators)(AODE)、ベイズビリーフネットワーク(BNN)、ベイズネットワーク)、クラスタリングアルゴリズム(例えば、k平均、kメジアン、期待値最大化(EM)、階層クラスタリング)、相関ルール学習アルゴリズム(例えば、パーセプトロン、バックプロパゲーション、ホップフィールドネットワーク、射状基底関数ネットワーク(RBFN))、ディープラーニングアルゴリズム(例えば、ディープボルツマンマシン(DBM)、ディープビリーフネットワーク(DBN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、積層オートエンコーダ)、次元削減アルゴリズム(例えば、主成分分析(PCA)、主成分回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLSR)、サモンマッピング、多次元スケーリング(MDS)、射影追跡、線形判別分析(LDA)、混合判別分析(MDA)、二次判別分析(QDA)、フレキシブル判別分析(FDA))、アンサンブルアルゴリズム(例えば、ブースティング、ブートストラップアグリゲーション(Bootstrapped Aggregation)(バギング(Bagging))、アダブースト(AdaBoost)、スタック汎化(Stacked Generalization)(ブレンディング)、勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースト回帰木(GBRT)、ランダムフォレスト)、SVM(サポートベクトルマシン)、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習などを含んでよい。
【0036】
アーキテクチャの追加の例は、例えば、ResNet70、ResNet101、VGG、DenseNet、PointNetなどニューラルネットワークを含む。
【0037】
少なくとも1つの例では、センサシステム206は、LIDARセンサ、RADARセンサ、超音波トランスデューサ、ソナーセンサ、位置センサ(例えば、GPS、コンパスなど)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープなど)、カメラ(例えば、RGB、IR、強度、深度、飛行時間(time-of-flight)(TOF)など)、マイクロフォン、車輪エンコーダ、環境センサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサなど)などを含んでよい。センサシステム206は、これらまたは他のタイプのセンサのそれぞれの多数の例を含んでもよい。例えば、LIDARセンサは、車両202の隅部、前部、後部、側部、および/または上部に位置する個々のLIDARセンサを含んでもよい。別の例として、カメラセンサは、車両202の外部および/または内部周りの様々な位置に配置された多数のカメラを含んでもよい。センサシステム206は、車両コンピューティングデバイス204に入力を提供し得る。追加としてまたは代替として、センサシステム206は、1つまたは複数のネットワーク230を介して、特定の周波数で、所定の期間の経過後、近リアルタイムでなどで1つまたは複数のコンピューティングデバイスにセンサデータを送ってもよい。
【0038】
車両202は、上記のように、光および/または音を発するための1つまたは複数のエミッタ208を含み得る。この例におけるエミッタ208は、車両202の搭乗員とコミュニケーションするために内部オーディオビジュアルエミッタを含む。限定ではなく例として、内部エミッタは、スピーカ、ライト、サイン、ディスプレイ画面、タッチスクリーン、ハプティックエミッタ(例えば、振動および/または力フィードバック)、機械アクチュエータ(例えば、シートベルトテンショナ、シートポジショナ、ヘッドレストポジショナなど)などを含んでもよい。この例におけるエミッタ208は、外部エミッタをも含む。限定ではなく例として、この例における外部エミッタは、移動の方向をシグナリングするためのライトまたは車両アクションの他のインジケータ(例えば、インジケータライト、サイン、ライトアレイなど)、および、それらのうちの1つまたは複数が音響ビームステアリング技術を含む、歩行者または他の近くの車両と可聴的にコミュニケーションするための1つまたは複数のオーディオエミッタ(例えば、スピーカ、スピーカアレイ、ホーンなど)を含む。
【0039】
車両202は、車両202と1つまたは複数の他のローカルまたは遠隔コンピューティングデバイスとの間で通信を可能にする1つまたは複数の通信接続部210を含み得る。例えば、通信接続部210は、車両202上の他のローカルコンピューティングデバイスおよび/または駆動モジュール214との通信を容易にし得る。通信接続部210は、車両202が他の近くのコンピューティングデバイス(例えば、他の近くの車両、交通信号など)と通信することを可能にし得る。通信接続部210は、車両202が遠隔テレオペレーションコンピューティングデバイスまたは他の遠隔サービスと通信することをも可能にする。
【0040】
通信接続部210は、車両コンピューティングデバイス204を別のコンピューティングデバイス、またはネットワーク230などネットワークに接続するための物理インターフェースおよび/または論理インターフェースを含み得る。例えば、通信接続部210は、IEEE80211標準によって定義される周波数を介してなどWi-Fiベースの通信、Bluetooth(登録商標)など短距離ワイヤレス周波数、セルラ通信(例えば、2G、3G、4G、4G LTE、5Gなど)、または、それぞれのコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースすることを可能にする任意の好適な有線もしくはワイヤレス通信プロトコルを可能にし得る。
【0041】
少なくとも1つの例では、車両202は、1つまたは複数の駆動モジュール214を含み得る。いくつかの例では、車両202は、単一の駆動モジュール214を有してもよい。少なくとも1つの例では、車両202が多数の駆動モジュール214を有する場合、個々の駆動モジュール214は、車両202の両端(例えば、前部および後方など)に配置されてもよい。少なくとも1つの例では、駆動モジュール214は、駆動モジュール214および/または車両202の周囲の状態を検出するために1つまたは複数のセンサシステムを含んでもよい。限定ではなく例として、センサシステム206は、車両202の車輪(例えば、
図1における車輪104))の回転を感知するための1つまたは複数の車輪エンコーダ(例えば、回転エンコーダ)、駆動モジュールの向きおよび加速度を測定するための慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計など)、カメラまたは他の画像センサ、駆動モジュールの周囲にあるオブジェクトを音響的に検出するための超音波センサ、LIDARセンサ、レーダセンサなどを含み得る。車輪エンコーダなどいくつかのセンサは、駆動モジュール214に独特のものであってよい。場合によっては、駆動モジュール214上のセンサシステムは、車両202の対応するシステム(例えば、センサシステム206)に重なっても補ってもよい。
【0042】
駆動モジュール214は、高電圧バッテリ、車両を推進するためのモータ、他の車両システムによって使用するためにバッテリからの直流を交流に変換するためのインバータ、ステアリングモータおよびステアリングラック(電動であってよい)を含むステアリングシステム、液圧アクチュエータまたは電気アクチュエータを含むブレーキングシステム、液圧コンポーネントおよび/または空気圧コンポーネントを含むサスペンションシステム、トラクションの不足を軽減し制御を維持するためにブレーキ力を分配するための安定性制御システム、HVACシステム、ライティング(例えば、車両の外部周囲を照明するためのヘッドライト/テールライトなどライティング)、および1つまたは複数の他のシステム(例えば、冷却システム、安全システム、車載充電システム、DC/DCコンバータ、高電圧接合部、高電圧ケーブル、充電システム、充電ポートなど他の電気コンポーネントなど)を含む、多数の車両システムを含み得る。さらに、駆動モジュール214は、様々な車両システムの動作を制御するためにセンサシステムからデータを受信し処理し得る駆動モジュールコントローラを含み得る。いくつかの例では、駆動モジュールコントローラは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサと通信可能に結合されたメモリとを含み得る。メモリは、駆動モジュール214の様々な機能を実施するための1つまたは複数のモジュールを記憶し得る。さらに、駆動モジュール214は、それぞれの駆動モジュールによる1つまたは複数の他のローカルまたは遠隔コンピューティングデバイスとの通信を可能にする1つまたは複数の通信接続部をも含む。
【0043】
少なくとも1つの例では、直接接続部212は、1つまたは複数の駆動モジュール214を車両202のボディに結合するための物理インターフェースを提供し得る。例えば、直接接続部212は、駆動モジュール214と車両202との間でエネルギー、流体、空気、データなどの伝達を可能にし得る。いくつかの例では、直接接続部212は、さらに駆動モジュール214を車両202のボディに解放可能に固定し得る。
【0044】
少なくとも1つの例では、位置特定コンポーネント220、知覚コンポーネント222、プランニングコンポーネント224、および/またはサスペンション制御システム124は、上記のようにセンサデータを処理し得、それらのそれぞれの出力を1つまたは複数のネットワーク230の上で、1つまたは複数のコンピューティングデバイス232に送り得る。少なくとも1つの例では、位置特定コンポーネント220、知覚コンポーネント222、プランニングコンポーネント224、および/またはサスペンション制御システム124は、それらのそれぞれの出力を特定の周波数で、所定の期間の経過後、近リアルタイムなどで1つまたは複数のコンピューティングデバイス232に送ってもよい。
【0045】
車両202のプロセッサ216、および/またはコンピューティングデバイス232のプロセッサ234は、データを処理し、本明細書に記載の動作を実施するために命令を実行することが可能な任意の好適なプロセッサであってよい。限定ではなく例として、プロセッサ216および234は、1つもしくは複数の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)または電子データを処理し、その電子データを、レジスタおよび/もしくはメモリ内に記憶され得る他の電子データに変換する任意の他のデバイスもしくはデバイスの一部分を含み得る。いくつかの例では、集積回路(例えば、ASICなど)、ゲートアレイ(例えば、FPGAなど)、および他のハードウェアデバイスもまた、符号化された命令を実装するように構成されている限り、プロセッサと考えてよい。
【0046】
メモリ218および236は、非一時的なコンピュータ可読媒体の例である。メモリ218および236は、オペレーティングシステム、および1つまたは複数のソフトウェアアプリケーション、命令、プログラムおよび/または本明細書に記載の方法および様々なシステムに帰する機能を実装するためのデータを記憶し得る。様々な実装では、メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュタイプメモリ、または情報を記憶することが可能な任意の他のタイプのメモリなど、任意の好適なメモリ技術を使用して実装され得る。本明細書に記載のアーキテクチャ、システム、および個々の要素は、多数の他の論理コンポーネント、プログラムコンポーネント、および物理コンポーネントを含み得、それらのうち、添付の図に示されているものは、本明細書の考察に関連する例にすぎない。
【0047】
図2は分散システムとして示されているが、代替例では、車両202のコンポーネントは、コンピューティングデバイス232に関連付けられても、および/またはコンピューティングデバイス232のコンポーネントが車両202に関連付けられてもよいことに留意されたい。すなわち、車両202は、コンピューティングデバイス232に関連付けられた機能のうちの1つまたは複数を実施してもよく、その逆でもよい。
【0048】
図3は、
図1に示されている例示的な車両102に対応し得る例示的な車両300の概略上面図である。例示的な車両300は、
図3に示されている例示的なサスペンションシステム122を含んでもよい。例示的な車両300は、概して車両シャシ120の4つのそれぞれの隅部に位置する4つの車輪104を含む。車輪104のそれぞれは、それぞれのばねとダンパのアセンブリ126を介して車両シャシ120に結合され得る。例えば、ばねとダンパのアセンブリ126は、
図3に概略的に示されているサスペンション制御アーム302を介してそれぞれの車輪104に結合され得る。本明細書で述べられているように、いくつかの例では、ばねとダンパのアセンブリ126の1つまたは複数(例えば、それぞれ)は、それぞれの制御アーム302に結合された空気ばね128(
図1参照)を含み得、空気ばね128は、例えば、本明細書に記載されているように、空気ばね128の長さ寸法を増大および/または減少させることによってそれぞれの車輪104における車両300の車高RHを変えるように構成され得る。いくつかの例では、サスペンションシステム122は、車両300を操縦するためにステアリング角を生み出すように、車輪104の2つまたは4つが枢動するように構成され得る。
【0049】
図3に示されているように、例示的な車両300は、いくつかの例では、例えば、本明細書に記載されているように、車両300の車高RHを水平にするように構成された水平調整コントローラ142を含むサスペンション制御システム124をも含む。例示的な車両300は、例えば、本明細書に記載されているように、車両300の車輪104のうちの1つまたは複数における車両300の車高RHを調整するために使用され得る加圧空気源304(例えば、ポンプ、コンプレッサ、および/または圧縮空気のタンク)を含む空気圧システム132をも含む。
【0050】
図3に示されているように、サスペンションシステム122は、空気圧システム132の加圧空気源304と、ばねとダンパのアセンブリ126の空気ばね128との間に流れ連通を提供するライン134を含み得る(
図1)。示されている例では、加圧空気源304と、ばねとダンパのアセンブリ126のそれぞれの空気ばね128のそれぞれとの間に選択的に流れ連通を提供するために、弁136がライン134内に設けられる。弁136は、それぞれの空気ばね128への流れ連通を提供するように開き、それぞれの空気ばね128への流れ連通を妨げるように閉じ、いくつかの例では、それぞれの空気ばね128から圧力を解放するように構成され得る。サスペンションシステム122のいくつかの例は、それぞれの空気ばねから圧力を解放するためにライン134内の弁136とは独立の1つまたは複数の追加の弁を含んでもよい。
図3に示されている例もまた、それぞれの空気ばね128内の圧力を示すそれぞれの信号を生成するように構成されたセンサ138を含み、これは、本明細書に記載されているように使用され得る。
図3に示されているサスペンションシステム122もまた、それぞれのばねとダンパのアセンブリ126に結合されたそれぞれの車輪104における車両300のそれぞれの車高RHを示すそれぞれの信号を生成するように構成されたそれぞれのセンサ140を含む。
【0051】
水平調整コントローラ142は、本明細書で述べられているように、車両300の車高RHを水平にするように構成され得る。いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、車両300のそれぞれの車輪104に関連付けられたセンサ138および/または140のうちの1つまたは複数によって生成される1つまたは複数の信号を受信するように構成され得、これらの信号に少なくとも一部基づいて、水平調整コントローラ142は、例えば、本明細書に記載されているように、車両102を実質的に水平にするようにそれぞれの車輪104における車高RHを調整するために、車両300の車輪104のうちの1つまたは複数に結合されたばねとダンパのアセンブリ126の空気ばね128のうちの1つまたは複数をサスペンションシステム122に動作させるように構成され得る。例えば、水平調整コントローラ142は、車両300の車高RHが実質的に水平になるように、いくつかの例では、車輪104のそれぞれにかかる荷重が実質的に同じになるように車両300のピッチPおよび/またはロールRを調整するために、空気ばね128のうちの1つまたは複数の長さ寸法を変えるように構成され得る。いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、車両300の他のセンサおよび/またはシステムから信号を受信し、これらの信号に少なくとも一部基づいて、車両102を実質的に水平にするようにそれぞれの車輪104における車高RHを調整するために、車両300の車輪104のうちの1つまたは複数に結合されたばねとダンパのアセンブリ126の空気ばね128のうちの1つまたは複数をサスペンションシステム122に動作させるように構成され得る。例えば、水平調整コントローラ142は、センサシステム206のうちの1つまたは複数から(例えば、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数の慣性測定ユニット、位置特定コンポーネント220、知覚コンポーネント222、プランニングコンポーネント224などから)1つまたは複数の信号を受信し、そのような信号に少なくとも一部基づいて、例えば、車両102を実質的に水平にするように、空気ばね128のうちの1つまたは複数にそれぞれの車輪104における車高RHを調整させ得る。
【0052】
図4A、
図4Bおよび
図4Cは、例示的な車両102が目標車高および移動のための水平な姿勢に達する例示的な水平調整シーケンスの側面図であり、
図4D、
図4Eおよび
図4Fは、正面図である。例えば、サスペンション制御システム124は、実質的に水平な姿勢および目標車高RHを達成するために車輪104のそれぞれにおける車高RHが調整されるように、空気ばね128の1つまたは複数(例えば、4つ)を少なくとも一部使用して、車両102の姿勢および/または車高を制御するように構成された水平調整コントローラ142(
図1~
図3)を含み得る。
図4A~
図4Fに示されている車両102は、4つの車輪104を含み、いくつかの例では、空気ばね128が4つの車輪104のそれぞれに設けられてもよい。車両102は、より少ない、またはより多数の車輪104、および対応する数の空気ばね128を有してもよいことが企図されている。
【0053】
いくつかの例では、サスペンション制御システム124は、例えば、車両102が活性化されたとき、並びに/または荷重(例えば、搭乗員)が変化した、および/もしくは車両シャシ120に対して移動したとき(例えば、車両102の荷重および/もしくは重心が変わったとき)、水平な姿勢および/または車高をリセットするように構成されてもよい。いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、1つまたは複数の車輪104のそれぞれにかかる荷重を実質的に等化し、目標車高を達成し、車両シャシ120の所望の姿勢(例えば、実質的に水平な姿勢)を達成するように構成されてもよく、おそらくは本明細書に記載されているように修正される。
【0054】
図4Aおよび
図4Dに示されているように、例示的な車両102は、車両シャシ120の姿勢が実質的に水平にならないような位置にある。例えば、
図4Aに示されているように、車両102の後方112における車高RHは、車両102の前部106における車高RHより低い。したがって、車両102を水平にするために、車両102の前部106および後部112に対して車両102を水平にするように、ピッチPを変えなければならない。さらに、
図4Aに示されている側面図に対応する正面図である
図4Dに示されているように、車両102の右側400における車高RH(すなわち、示されている車両102の前部106を見る視点から)は、車両102の左側402における車高RHより低い。したがって、車両102を水平にするために、車両102の右側400および左側402に対して車両102を水平にするように、ロールRを変えなければならない。この例は、車両102の右側後方において車両102に搭乗員が乗車する場合に対応する可能性があり、これは、車両102の右側後方における車高RHを車両102の残りの部分に対して減少させることが期待されることになる。示されている例では、車高H
1もまた、相対的に減少されたレベルにある。しかし、場合によっては、車両102はまた、必ずしも減少された車高を有していなくてもよい。いくつかの例では、水平調整シーケンスの開始時に、水平調整コントローラ142は、車両102の車高RHが最低地上高RHに減少されるように、空気ばね128にそれぞれの長さ寸法を減少させてもよい。その後、水平調整コントローラ142は、水平調整シーケンスを引き続き実施してよい。
【0055】
いくつかの例では、本明細書で述べられ、
図4B、および
図4Bに対応する正面図である
図4Eに概略的に示されているように、水平調整コントローラ142が活性化したとき、水平調整コントローラ142は、車両102を実質的に水平にするために空気ばね128のうちの1つまたは複数にそれぞれの長さ寸法を増大させてもよい(また、いくつかの例では、車高RHを例えばH
2に上昇(または下降)し、これは、H
1より相対的に高く、一方、依然として車両シャシ120を実質的に水平にする。その後、いくつかの例では、
図4C、および
図4Cに対応する正面図である
図4Fに示されているように、水平調整コントローラ142は、車両シャシ120が実質的に水平な姿勢にある状態で、示されている例ではH
1より大きくH
2未満である目標車高H
3を車両102が達成するように、空気ばね128のうちの1つまたは複数を部分的に短縮させてもよい。いくつかの例では、本明細書に記載されているように、この例のようにして、水平調整コントローラ142は、1つまたは複数の(例えば、4つの)車輪104のそれぞれにかかる荷重を実質的に等化し、目標車高を達成し、および/または車両シャシ120の所望の姿勢を達成してもよい。いくつかの例では、この例示的な姿勢水平調整および/または車高調整手順は、本明細書で論じられている方策のうちの1つまたは複数に従って実施されてよい。
【0056】
例えば、水平調整コントローラ142は、各車輪104にかかる目標荷重、各車輪104における目標車高RH、目標車高に対応する空気ばね128のうちの1つもしくは複数の長さ寸法の調整、および/または各車輪104にかかる目標荷重および各車輪104における目標車高RHに対応する空気ばね128の圧力を決定するために、以下の例示的なプロセスを使用するように構成されてもよい。例えば、水平調整コントローラ142は、水平調整前の4つの空気ばね128(例えば、4つの車輪104を有する車両102の場合)のそれぞれにかかる荷重、水平調整前の車両シャシ120のピッチ角P、および/または水平調整前の車両シャシ120のロール角Rのうちの1つまたは複数に少なくとも一部基づいて、車両102の重心を決定するように構成されてもよい。4つの空気ばね128にかかる荷重は、例えば、空気ばね128のそれぞれの圧力に基づいて、および/または知られている方法に従って決定され得、ロール角および/またはピッチ角は、加速度計、慣性測定ユニット、傾斜計を介して、および/またはセンサシステム206(
図2)から受信される1つまたは複数の信号に基づいて決定され得る。その後、水平調整コントローラ142は、重心および/または車両102の移動の方向に少なくとも一部基づいて4つの空気ばね128のそれぞれについての目標荷重および圧力設定点(例えば、4つの空気ばね128のそれぞれについての目標荷重分散)を決定するように構成されてもよい。その後、水平調整コントローラ142は、空気圧システム132の動作を、弁136のうちの1つもしくは複数、および/またはセンサ138もしくはセンサ140のうちの1つもしくは複数からの1つもしくは複数の信号を使用して制御し、4つの空気ばね128それぞれの圧力を動的に調整し、車両102の車輪104のそれぞれにおける車高RHが所望の車高または目標車高RHに向かって調整されるにつれて4つの空気ばね132のそれぞれにおける圧力設定点を達成するように、4つの空気ばね128の長さ寸法および/または圧力を調整するように構成されてもよい。
【0057】
いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、空気ばね128のそれぞれにおける力を計算するために、以下の式を使用し得る。
【0058】
【0059】
F(x)は、ばね力(N/m)であり、a1は、空気ばね面積(m2)であり、p0は、公称圧力(Pa)であり、v0は、公称体積(m3)であり、xは、変位(m)であり、kは、ポリトロープ膨張値である。より一般的には、例えば、補助ばねが使用される例では、力/ばねは、以下のように記述され得る。
【0060】
【0061】
f0は、補助ばねの予荷重力であり、ksは、補助ばねのばね定数であり、ASACposは、ASAC位置であり、a2は、補助ばねの断面積である。補助ばねが使用されない本明細書に記載されている例では、f0、ks、ASAC、およびa2は、所望の圧力および目標圧力を計算するために、全て0に等しく設定されてよい。
【0062】
各ばねに対する力を計算するための上記の例示的な式は、1つまたは複数のばね曲線によってグラフで示され得る。例えば、
図5は、ばね定数(ニュートン/ミリメートル)、ASAC位置(ミリメートル)、およびストラット行程(ミリメートル)の関数として例示的な空気ばねについての例示的なばね曲線を示す3次元グラフである。
図5に示されている3次元表面のそれぞれは、ばね定数、ASAC位置、およびストラット行程の関数として所与の空気ばねについての一定の圧力(例えば、設計圧力)をグラフで表す。補助ばねを有していない例では、ASACはゼロに設定され得、これにより、下記により詳細に述べられているように、例えば、
図7に示されている例など2次元ばね曲線になる。
【0063】
図6は、本明細書に記載されているように例示的な空気ばねにおける圧力、および車高を調整するための例示的なプロセス中のストラット力(ニュートン)およびASAC位置(ミリメートル)の関数としてストラット行程(ミリメートル)の例示的な変化を示す3次元グラフである。
図6に示されている表面AおよびBは、一定の圧力(例えば、それぞれ17.5934バールおよび18.8483バール)を表し、点C、D、E、F、および関連付けられた矢印は、ストラット力、ストラット行程(車高に相関する)、およびASAC位置の、これらのパラメータが点Cから点Dへ、点Dから点Eへ、そして最後に点Eから、設計圧力および目標車高が達成される点Fへ移動するにつれての変化によって示される、設計圧力および目標車高を達成するように例示的な空気ばね内の圧力を増大するための例示的なプロセスをグラフで示す。
図6の差し込み図は、空気ばね内の圧力が表面の圧力Aから表面の圧力Bに増大することを示し、これは下記の説明に相関する。
【0064】
いくつかの例では、水平調整コントローラ142は、計算された設計荷重(例えば、圧力p0)、および調整プロセス中に(例えば、車輪104のそれぞれにおいて)測定された車高RHの関数として、設定点圧力を動的に計算する。いくつかのそのような例では、調整は、目標圧力データが空気ばね128の運動に従うため車両シャシ120が乱されたときでさえ、実施され得る。いくつかの例では、調整は、凸凹の表面上で実施され得る。いくつかの例では、目標圧力に達するために、単一の調整サイクルだけが実施され得る。いくつかの例では、それぞれの目標圧力を達成するために、4つ全ての空気ばね128が同時発生的に(例えば、実質的に同時に)調整され得る。
【0065】
圧力および/または車両にかかる荷重が決定された後で、目標初期圧力を
【0066】
【0067】
として決定することができ、ここで、Fdesは、目標荷重分散(力)であり、xdesは、目標ばね変位である。
【0068】
補助空気ばねを使用する例では、ばねは、初期位置(ASACpos_0)まで空気を抜かれることが可能である。設定された後で、各ばねについての目標圧力は、
【0069】
【0070】
として計算することができ、ここで、xactualは、車両102の決定された車高RH(または実際の車高)(各空気ばね128のための目標長さ寸法に従って各空気ばね128について決定される)である。各空気ばね128内の圧力を目標圧力に設定することにより、車両102は、目標車高RHおよび/または姿勢に設定される。設定された後、補助ばねを使用する例では、補助ばね位置を目標位置(ASACpos_des)に調整することができる。
【0071】
図7は、本明細書に記載されているように例示的な空気ばねにおける圧力、および車高を調整するための例示的なプロセス中の空気ばね圧力および車高の例示的な変化を示す2次元グラフである。本明細書に記載されているように、補助ばねを有していない(または一定の変更されないオフセットを有する)例では、ASACは、ゼロ(またはそれぞれの一定のオフセット)に設定されてもよく、これにより、例えば、
図7に示されている例など2次元ばね曲線になる。
図7は、
図7における点Aによって示されているように、空気ばねの設計圧力、および空気ばねに関連付けられた車両の車輪の目標車高を達成するように例示的な空気ばね内の圧力を調整するための例示的なプロセスをグラフで示す。空気ばねの初期(現在)状態がラインBに沿った三角形によって示されており、現在測定されている車高は、点Aにおいて示されている目標車高より低く(すなわち、目標車高の右)、空気ばね内の圧力は、点Aにおいて示されている設計圧力より低いことを示す。したがって、示されている例では、空気ばね内の圧力は、空気ばねが設計圧力および/または目標車高に近づき(場合によっては達成し)、点Bにおける状態から点Aにおける状態に変化するように調整されることになる。
【0072】
図7に示されているように、設計圧力が決定される。例えば、各空気ばねについての設計圧力が決定され得るように全ての車両重量および所望の荷重分散が決定され得る。先に本明細書に記載されているように、所望の荷重分散は、例えば、本明細書に記載されている考慮点に基づいて、車輪のそれぞれが実質的に同じ重量を支持するように、または車輪のうちの1つまたは複数が他の車輪のうちの1つまたは複数より相対的により多くの重量を支持するように設定されてよい。さらに、車輪のそれぞれにおける目標車高が決定され得る。目標車高は、例えば、車両が移動することになる地形、車両所望のハンドリング特性、所望の空力的特性(例えば、車両の迎え角)などのうちの1つまたは複数など、いくつかの要因に基づいて決定され得る。
【0073】
設計圧力および目標車高が決定された後で、例えば、空気ばねに関連付けられた車両車輪のための設計圧力および目標車高に基づいて、目標ばね曲線が空気ばねについて決定され得る。
図7に示されているように、空気ばねについてのばね曲線は、ばね圧縮量と一定のばね圧力におけるばね圧力または力との間の相関を示す曲線である。目標ばね曲線は、設計圧力と目標車高とが一致するばね曲線、例えば、
図7における線Aの三角形を通過する実線である。目標ばね曲線が決定された後で、目標圧力が目標ばね曲線から決定され得る。この目標圧力は、現在の車高の目標ばね曲線との交点として決定される。示されている例では、目標圧力は、線Bと交差する十字として示されている。空気ばね内の圧力は、目標圧力に達するように調整(例えば、示されているように増大)され得る。圧力が目標圧力に向かって増大されるにつれて、車高が測定され得、示されている例では、車高は、線Aにおける目標車高に向かって増大している。いくつかの例では、車高が線Aにおける目標車高に向かって増大するにつれて、目標圧力は、目標ばね曲線上の線Cと交差する三角形によって示されている測定された車高に対応する目標ばね曲線上の圧力を識別することによって更新(例えば、再計算)されてもよい。更新された目標圧力および測定された車高に基づいて、設計圧力に近づき(または帯域幅内で達成され)、場合によっては、目標車高に近づく(または帯域幅内で達成される)まで、空気ばねにおける圧力が調整(例えば、増大)される。いくつかの例では、これは、例えば、
図7に示されているように線Aの三角形と十字の重なりによって示されているように、設計圧力と目標車高が目標ばね曲線上で一致する点と一致し得る。
【0074】
図7に示されているように、線Dは、初期圧力が設計圧力より大きく、測定された車高が目標車高より大きい初期空気ばね状態を示す。いくつかの例では、このプロセスは、点B、C、Aに関して上記されているプロセスと同様にして圧力を減少させるように空気ばね内の圧力を調整してもよく、例えば、
図7にグラフで示されているように、設計圧力に近づき(または帯域幅内で達成され)、場合によっては、目標車高に近づく(または帯域幅内で達成される)まで、圧力を下方に調整するだけである。
【0075】
別の例では、点Eは、空気ばねに関連付けられた車両車輪が、車両車輪が支持されている表面内の窪みまたはポットホール内にある空気ばねの初期状態を示す。そのような場合では、空気ばね内の圧力は、設計圧力に近づき(または帯域幅内で達成され)、場合によっては、目標車高に近づく(または帯域幅内で達成される)まで、調整(例えば、増大)されてよい。いくつかの例では、設計圧力および目標車高が実質的に達成され得る。
【0076】
図7に関して上述されている例のいずれかにおいて、全ての加圧は、振動、フィードバックなどなしに、連続的に実施され、最終的な/所望の車高に落ち着いてもよい。
【0077】
様々な実装では、本明細書に示されているパラメータ値および他のデータは、1つまたは複数のデータストア内に含まれてもよく、記載されていない他の情報と組み合わされても、より多数の、より少ない、または異なるデータ構造内に異なるように区分されてもよい。いくつかの実装では、データストアは、1つのメモリ内に物理的に位置しても、2つ以上のメモリの間で分散されてもよい。
【0078】
図8は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実装することができる動作のシーケンスを表す論理フローグラフ内のブロックの集まりとして示されている例示的なプロセスのフロー図である。ソフトウェアの文脈では、これらのブロックは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき記載されている動作を実施する、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実施する、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。これらの動作が記載されている順番は、限定するものと解釈されることは意図されておらず、プロセスを実装するために、任意の数の記載されているブロックを任意の順番で、および/または並行して組み合わせることができる。
【0079】
図8は、空気ばねを含む車両の車高RHを調整するための例示的なプロセス800のフロー図であり、空気ばねのそれぞれにおける荷重を調整することを含む。
【0080】
802では、例示的なプロセス800は、車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重を決定することを含み得る。いくつかの例では、サスペンション制御システムは、各車輪に、それぞれの車輪にかかる荷重を示す1つまたは複数の信号を生成するように構成されたセンサを含み得、サスペンション制御システムは、1つまたは複数の信号を受信し、1つまたは複数の信号に少なくとも一部基づいて、各それぞれの車輪における空気ばねにかかる荷重を決定し得る。いくつかの例では、1つまたは複数のセンサは、例えば、
図1および
図3を参照して本明細書に記載されているように、それぞれの空気ばねと流れ連通する圧力センサを含み得る。いくつかの例では、プロセス800は、車両の重心を示す位置を決定することを含み得る。重心を示す位置は、例えば重量、並びに搭乗員および/または荷物による車両の占有位置に応じて変化し得る。いくつかの例では、重心を示す位置は、例えば、車両の各車輪にかかる荷重、および車両のピッチまたはロールのうちの1つまたは複数に少なくとも一部基づいて決定され得る。いくつかの例では、車両のピッチまたはロールは、例えば、1つまたは複数の信号、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数の慣性測定ユニット、および/または本明細書に記載されている、もしくは他の形で車両の向きを提供することが知られている他のセンサのいずれかのうちのいずれか1つもしくは複数に基づいて、本明細書に概説されているように決定されてよい。
【0081】
804では、例示的なプロセス800は、車両の各車輪における目標車高を決定することをさらに含み得る。この決定は、例えば、本明細書に記載されているものなど、様々な要因に基づいてよい。
【0082】
プロセス800のいくつかの例では、806で、プロセス800は、各空気ばねにかかる荷重、および車両の各車輪における目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための圧力設定点(例えば、設計圧力)を決定することを含み得る。これは、例えば、本明細書に記載されているように実施され得る。いくつかの例では、各空気ばねについての圧力設定点を決定することは、重心を示す位置に基づいてもよい。いくつかの例では、これは、車両の車輪のそれぞれにかかる荷重を、例えば車両内の荷重の分布にかかわらず、実質的に互いに等しく設定することを可能にし得る。例えば、不均一な荷重分散により、空気ばねのうちの1つまたは複数は、例えば、不均一な荷重分散があるように人および/または荷物が車両内に配置されたとき、他の空気ばねのうちの1つまたは複数より相対的に大きい荷重を担持し得る。これは、荷重とは独立して車輪のそれぞれにおける車高を設定することを妨げ得、これは、例えば、車両の1つまたは複数の車輪にかかる荷重が他の車輪のうちの1つまたは複数にかかる荷重とは著しく異なる場合、性能問題を生み出し得る。少なくともいくつかの例では、そのような決定は、車両の現在位置に関連付けられたマップデータを受信すること、並びにマップデータに対して車両の所望の向きを決定することをも含み得る。
【0083】
808では、例示的なプロセス800は、各空気ばねのための圧力設定点、および車両の各車輪における目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための目標圧力を決定することを含み得る。いくつかの例では、これは、本明細書で先に記載されている例示的な手順のうちの1つまたは複数に従って決定されてよい。
【0084】
810では、例示的なプロセス800は、目標圧力、および車両の各車輪における目標車高に近づくように、各空気ばね内の圧力を動的に調整することをさらに含み得る。いくつかの例では、水平調整コントローラは、目標圧力、および車両の車輪のそれぞれにおける目標車高を達成するように、空気圧システムに、空気ばねのそれぞれにおける圧力を増大および/または解放させ得る。いくつかの例では、加圧空気源、および加圧空気源の間のライン内の弁は、例えば、本明細書に記載されているように、目標圧力および目標車高を達成するために、それぞれの空気ばね内の圧力を増大および/または解放するように動作され得る。
【0085】
812では、例示的なプロセス800は、それぞれの空気ばねのそれぞれにおける圧力がそれぞれの目標圧力に達したかどうか決定することを含み得る。達していない場合、プロセス800は810に戻り、空気ばねのそれぞれにおける圧力を引き続き調整する。これは、いくつかの例では、例えば、本明細書に記載されているように、空気ばねのそれぞれにおける圧力を示す1つまたは複数の信号を受信し得る、サスペンション制御システムの水平調整コントローラによって実施され得る。いくつかの例に関して本明細書に記載されているように、空気ばねのそれぞれにおいて目標圧力に達するにつれて、目標車高が近づくことになる。いくつかの例では、車輪のそれぞれにおいて目標車高が近づくにつれて目標圧力決定を引き続き更新することは、目標車高が、例えば、目標車高の所定の帯域幅内に達するまで続けられてよい。
【0086】
812で、車両の車輪のそれぞれにおいて目標圧力に達し、場合によっては目標車高に近づいた、または達した場合、プロセス800は、814の終了となってよい。いくつかの例では、プロセス800は、例えば、車両における荷重の位置および/または大きさが変化したとき、再開始されてもよい。例えば、車両内の搭乗員/荷物が車両内で異なる位置に移動した場合、搭乗員が下車した/荷物が車両から除去された場合、および/または搭乗員が乗車した/荷物が車両に置かれた場合、プロセス800は、目標荷重、および車両の各車輪における車高を達成するために再開始されてもよい。
【0087】
本明細書に記載されているシステム、コンポーネント、方法は、ソフトウェア要素またはハードウェア要素の任意の組合せを使用して実施されてよい。本明細書に記載されているシステム、コンポーネント、方法は、単独で、または互いに組合せで動作する1つまたは複数の仮想マシンを使用して実施されてもよい。物理コンピューティングマシンプラットフォームをハードウェアコンピューティングプラットフォームまたはホスト上で動作する仮想化ソフトウェアの制御下で実行される仮想マシンにカプセル化するために、任意の適用可能な仮想化解決策が使用されてよい。仮想マシンは、仮想システムハードウェアおよびゲストオペレーティングシステムソフトウェアを共に有してよい。
【0088】
本明細書に記載されているシステムおよび方法は、データサーバなどバックエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム、またはアプリケーションサーバもしくはインターネットサーバなどミドルウェアコンポーネントを含むコンピュータシステム、またはグラフィカルユーザインターフェースまたはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータなどフロントエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム、またはそれらの任意の組合せで実装されてよい。システムのコンポーネントは、通信ネットワークなどデジタルデータ通信の任意の形態または媒体によって接続されてよい。通信ネットワークの例は、例えば、LAN、WAN、およびインターネットを形成するコンピュータおよびネットワークを含む。
【0089】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのまたはプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む他のコンピュータシステム構成と共に実施されてよい。本明細書に記載されているシステムおよび方法は、ネットワークを通じてリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが実施される分散コンピューティング環境内で実施されてもよい。
【0090】
本明細書で提示されている主題は、コンピュータプロセス、コンピュータによって制御される装置、コンピューティングシステム、またはコンピュータ可読記憶媒体など製造品として実施され得ることを理解されたい。本明細書に記載されている主題は1つまたは複数のコンピューティングデバイス上で実行されるプログラムコンポーネントの一般的な文脈で提示されているが、当業者なら他のタイプのプログラムコンポーネントとの組合せで他の実装が実施され得ることを理解するであろう。一般に、プログラムコンポーネントは、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、および特定のタスクを実施する、または特定の抽象データ型を実装する他のタイプの構造を含む。
【0091】
当業者なら、本明細書に記載されている主題の態様は、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのまたはプログラム可能な家電、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイル電話デバイス、タブレットコンピューティングデバイス、専用ハードウェアデバイス、ネットワーク機器などを含む、本明細書に記載されているものを超えた他のコンピュータシステム構成上で、またはそれらと共に実施され得ることをも理解するであろう。
【0092】
前述に基づいて、本システムを動作させ、プロセスを実装するための技術が本明細書で提示されていることを理解されたい。さらに、本明細書で提示されている主題は、コンピュータの構造的特徴、方法動作、およびコンピュータ可読媒体に特有の言葉で記載されているが、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明は、本明細書に記載されている特定の特徴、動作、または媒体に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴、動作、および媒体は、特許請求の範囲に記載されている主題を実装する例示的な形態として開示されている。
【0093】
上述されている主題は、例として提供されているにすぎず、限定するものと解釈されるべきでない。さらに、特許請求されている主題は、本開示の何らかの部分に記載の欠点のいずれかまたは全てを解決する実装に限定されない。示され記載されている例および応用例に従うことなく、また以下の特許請求の範囲に述べられている本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が、本明細書に記載されている主題に対してなされ得る。
【0094】
例示的な条項
A.例示的な車両であって、
シャシと、
第1の車輪と、
前記第1の車輪および前記シャシに結合された第1の空気ばねと、
前記第1の車輪における前記車両の現在の第1の車高を示す第1の信号を生成するように構成された第1のセンサと、
第2の車輪と、
前記第2の車輪および前記シャシに結合された第2の空気ばねと、
前記第2の車輪における前記車両の現在の第2の車高を示す第2の信号を生成するように構成された第2のセンサと、
前記第1の空気ばねおよび前記第2の空気ばねと流れ連通する空気圧システムと、
サスペンション制御システムとを備え、前記サスペンション制御システムは、
現在の第1の圧力および現在の第2の圧力を決定し、
目標の第1の車高および目標の第2の車高を決定し、
前記現在の第1の圧力、前記現在の第2の圧力、前記目標の第1の車高、および前記目標の第2の車高に少なくとも一部基づいて、前記第1の空気ばねのための第1の圧力設定点、および前記第2の空気ばねのための第2の圧力設定点を決定し、
前記第1の圧力設定点、前記現在の第1の圧力、および現在の第1の車高に少なくとも一部基づいて、第1の目標圧力を決定し、
前記第2の圧力設定点、前記現在の第2の圧力、および第2の現在の車高に少なくとも一部基づいて、第2の目標圧力を決定し、
前記第1のセンサから信号を受信し、前記第2のセンサから信号を受信し、
前記第1の目標圧力および前記第2の目標圧力に近づくように、前記第1の空気ばねおよび前記第2の空気ばね内の圧力を調整するように構成される、車両。
【0095】
B.前記サスペンション制御システムは、
前記現在の第1の圧力、前記現在の第2の圧力、前記目標の第1の車高、および前記目標の第2の車高に少なくとも一部基づいて、前記第1の空気ばねに関連付けられた第1のばね曲線、および前記第2の空気ばねに関連付けられた第2のばね曲線を識別し、
前記第1のばね曲線および前記第2のばね曲線に少なくとも一部基づいて、それぞれ前記第1の目標圧力および前記第2の目標圧力を決定するように構成される、例Aに記載の車両。
【0096】
C.前記サスペンション制御システムは、前記第1の現在の圧力および前記第2の現在の圧力がそれぞれ前記第1の目標圧力および前記第2の目標圧力に近づいたとき、前記第1の空気ばねおよび前記第2の空気ばね内の圧力を調整しなくなるように構成される、例Aまたは例Bに記載の車両。
【0097】
D.(1)前記第1の目標圧力は前記第1の圧力設定点とは異なる、または(2)前記第2の目標圧力は前記第2の圧力設定点とは異なるうちの1つまたは複数である、例A乃至例Cのいずれか一項に記載の車両。
【0098】
E.前記サスペンション制御システムは、それぞれ前記第1の空気ばねに関連付けられた第1のばね曲線、および前記第2の空気ばねに関連付けられた第2のばね曲線に少なくとも一部基づいて、前記第1の空気ばねのための前記第1の圧力設定点、および前記第2の空気ばねのための前記第2の圧力設定点を決定するように構成され、前記第1のばね曲線は、前記第1の空気ばね内の圧力および前記第1の空気ばねに関連付けられた車高に関連する寸法を相互に関連付け、前記第2のばね曲線は、前記第2の空気ばね内の圧力および前記第2の空気ばねに関連付けられた寸法を相互に関連付ける、例A乃至例Dのいずれか一項に記載の車両。
【0099】
F.1つまたは複数のプロセッサを備える例示的なサスペンション制御システムであって、前記プロセッサは、
空気ばねに関連付けられた現在の圧力を決定し、
前記空気ばねの寸法に関連付けられた目標車高を決定し、
前記現在の圧力および目標の第1の車高に少なくとも一部基づいて、前記空気ばねのための圧力設定点を決定し、
前記圧力設定点および前記現在の圧力に少なくとも一部基づいて、目標圧力を決定し、
前記第1の目標圧力に近づくように前記空気ばね内の圧力を調整するように構成され、
前記空気ばね内の前記圧力を調整することにより、現在の第1の車高を前記目標の第1の車高に近づけさせる、システム。
【0100】
G.前記1つまたは複数のプロセッサは、
車両の重心を示す位置を決定し、
前記車両の前記重心を示す前記位置に一部基づいて、前記目標圧力を決定するように構成される、例Fに記載のシステム。
【0101】
H.前記1つまたは複数のプロセッサは、前記車両のロールまたはピッチのうちの1つまたは複数を示す信号を受信し、前記車両の前記ロールまたはピッチのうちの前記1つまたは複数を示す前記信号に少なくとも一部基づいて、前記重心を示す前記位置を決定するように構成される、例Fまたは例Gに記載のシステム。
【0102】
I.加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数をさらに備え、前記サスペンション制御システムは、前記加速度計または前記慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から信号を受信し、前記車両の前記ロールまたはピッチのうちの前記1つまたは複数を決定するように構成される、例F乃至例Hのいずれか一項に記載のシステム。
【0103】
J.前記1つまたは複数のプロセッサは、
車両の現在の位置に関連付けられたマップデータを受信し、
前記マップデータに少なくとも一部基づいて、前記目標の第1の車高または前記第1の目標圧力のうちの1つまたは複数を決定するように構成される、例F乃至例Iのいずれか一項に記載のシステム。
【0104】
K.前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記現在の第1の圧力に少なくとも一部基づいて、車両の現在の荷重分散を決定し、
前記車両の前記現在の荷重分散とは異なる前記車両の目標荷重分散を決定し、
前記目標荷重分散に一部基づいて、前記目標圧力を決定し、
前記目標圧力および前記目標荷重分散に近づくように前記空気ばね内の前記圧力を調整するように構成される、例F乃至例Jのいずれか一項に記載のシステム。
【0105】
L.前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記空気ばねの寸法に関連付けられた現在の車高の変化を決定し、
前記現在の車高の前記変化に一部基づいて、前記目標車高を決定し、
前記現在の車高が前記目標車高に近づくように、前記空気ばね内の前記圧力を調整して前記目標圧力に近づけるように構成される、例F乃至例Kのいずれか一項に記載のシステム。
【0106】
M.前記1つまたは複数のプロセッサは、前記空気ばねのばね曲線に少なくとも一部基づいて前記圧力設定点を決定し、前記ばね曲線は、前記空気ばね内の圧力および前記空気ばねの寸法を相互に関連付ける、例F乃至例Lのいずれか一項に記載のシステム。
【0107】
N.車両の車高を制御するための例示的な方法であって、
車両の各車輪における空気ばねにかかる荷重を決定するステップと、
前記車両の各車輪における目標車高を決定するステップと、
前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重、および前記車両の各車輪における前記目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための圧力設定点を決定するステップと、
各空気ばねのための前記圧力設定点、および前記車両の各車輪における前記目標車高に少なくとも一部基づいて、各空気ばねのための目標圧力を決定するステップと、
前記車両の各車輪に関連付けられた現在の車高が前記車両の各車輪における前記目標車高に近づくにつれて、各空気ばねのための前記目標圧力に近づくように各空気ばね内の圧力を調整するステップとを含む方法。
【0108】
O.前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重を決定するステップは、前記空気ばねのそれぞれと連通する(in communication with)圧力センサから圧力信号を受信するステップを含む、例Nに記載の方法。
【0109】
P.前記車両の重心を示す位置を決定するステップをさらに含み、前記空気ばねのそれぞれのための前記圧力設定点を決定するステップは、前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重、および前記車両の前記重心を示す前記位置に少なくとも一部基づいて前記圧力設定点を決定するステップを含む、例Nまたは例Oに記載の方法。
【0110】
Q.前記車両の前記重心を示す前記位置を決定するステップは、
前記車両のピッチまたは前記車両のロールのうちの1つまたは複数を決定するステップと、
前記車両の各車輪における前記空気ばねにかかる前記荷重、前記車両の前記ピッチ、または前記車両の前記ロールのうちの前記1つまたは複数に少なくとも一部基づいて前記車両の前記重心を示す前記位置を決定するステップとを含む、例N乃至例Pのいずれか一項に記載の方法。
【0111】
R.前記車両の前記ピッチまたは前記車両の前記ロールのうちの1つまたは複数を決定するステップは、
加速度計または慣性測定ユニットのうちの1つまたは複数から信号を受信するステップと、
加速度計または慣性測定ユニットのうちの前記1つまたは複数から受信された前記信号に少なくとも一部基づいて、前記車両の前記ピッチまたは前記車両の前記ロールのうちの前記1つまたは複数を決定するステップとを含む、例N乃至例Qのいずれか一項に記載の方法。
【0112】
S.各空気ばねのための前記圧力設定点を決定するステップは、前記空気ばねのうちの1つまたは複数のばね曲線に少なくとも一部基づいて、各空気ばねにおける前記圧力設定点を決定するステップを含み、前記ばね曲線は、前記空気ばね内の圧力および前記空気ばねの寸法を相互に関連付ける、例N乃至例Rのいずれか一項に記載の方法。
【0113】
T.前記車両の現在の位置に関連付けられたマップデータを受信するステップと、
前記マップデータに少なくとも一部基づいて、前記目標車高または前記目標圧力のうちの1つまたは複数を決定するステップと
をさらに含む、例N乃至例Sのいずれか一項に記載の方法。