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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】サーマルスリーブのための回転止め配置
(51)【国際特許分類】
   G21C 13/032 20060101AFI20240430BHJP
   G21C 7/14 20060101ALI20240430BHJP
   G21C 7/12 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G21C13/032
G21C7/14 100
G21C7/12 300
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021549719
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 US2020019116
(87)【国際公開番号】W WO2020205079
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】62/810,180
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/833,006
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/853,976
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/864,857
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521219442
【氏名又は名称】ウェスティングハウス エレクトリック カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WESTINGHOUSE ELECTRIC COMPANY LLC
【住所又は居所原語表記】1000 Westinghouse Drive, Suite 141, Cranberry Township, Pennsylvania 16066 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ジェイ. マストピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】エリック エム. ベナキスタ
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-228385(JP,A)
【文献】特表2021-520491(JP,A)
【文献】米国特許第04714584(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第02689297(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 13/032
G21C 7/14
G21C 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するためのデバイスであって、
前記サーマルスリーブ上又は前記サーマルスリーブに設けられた第1の構造と、
前記ヘッド貫通部アダプタ上又は前記ヘッド貫通部アダプタに設けられた第2の構造と、
を備えており、
前記第1の構造及び前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するように動作可能に係合するように構成されており、
前記第1の構造が、前記サーマルスリーブに結合されるように構成されている第1のリングを備えており、
前記第1のリングが、前記第1のリングから延在している複数の棒部材を備えており、
前記棒部材のそれぞれが、前記第1の構造が前記サーマルスリーブに結合されているときに、前記サーマルスリーブの前記中心軸に平行な棒軸に沿って延在しており、
前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている第2のリングを備えており、
前記第2のリングが、前記第2のリングに形成されている複数の貫通穴を備えており、
前記貫通穴のそれぞれが、前記第2のリングが前記ヘッド貫通部アダプタに結合されているときに前記中心軸に平行な貫通穴軸を規定しており、
前記第1のリングの前記棒部材のそれぞれが、前記第2のリングの対応する前記貫通穴に摺動式に係合するように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記第1のリングが、ステンレス鋼材料で形成されており、
前記第2のリングが、合金から形成されている、請求項に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第2のリングが、前記ヘッド貫通部アダプタの協働式雄ねじ付き部分に係合するように構成されている雌ねじ付き部分を備えている、請求項又はに記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2のリングが、前記ヘッド貫通部アダプタの下側端部を受容するように構成されている内側段付き部分を備えている、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第2のリングが、第1のセグメント及び第2のセグメントを備えており、
前記第1のセグメントが、前記第2のリングを前記ヘッド貫通部アダプタに取り付けるように前記第2のセグメントに結合可能である、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記複数の棒部材が、2つの棒部材を備えている、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1のリングが、第1のセグメント及び第2のセグメントを備えており、
前記第1のセグメントが、前記第1のリングを前記サーマルスリーブに取り付けるように前記第2のセグメントに結合可能である、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントのそれぞれが、インターロック部を含んでおり、
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが、前記インターロック部を介して結合可能である、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1のリングが、第1のピースと、前記第1のピースとは別個の第2のピースと、を備えており、
前記第1のピースが、前記複数の棒部材のうちの1つの棒部材を含んでおり、
前記第2のピースが、前記複数の棒部材のうちの別の棒部材を含んでいる、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記棒部材のそれぞれが、非円形の断面を有しており、
前記貫通穴のそれぞれが、前記棒部材に対応して形作られた非円形の断面を有している、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するためのデバイスであって、
前記サーマルスリーブ上又は前記サーマルスリーブに設けられた第1の構造と、
前記ヘッド貫通部アダプタ上又は前記ヘッド貫通部アダプタに設けられた第2の構造と、
を備えており、
前記第1の構造及び前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するように動作可能に係合するように構成されており、
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方が、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方を前記サーマルスリーブ又は前記ヘッド貫通部アダプタに機械的に結合するように構成されているメカクランプを備えている、デバイス。
【請求項12】
原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するためのデバイスであって、
前記サーマルスリーブ上又は前記サーマルスリーブに設けられた第1の構造と、
前記ヘッド貫通部アダプタ上又は前記ヘッド貫通部アダプタに設けられた第2の構造と、
を備えており、
前記第1の構造及び前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するように動作可能に係合するように構成されており、
前記第1の構造が、前記サーマルスリーブに結合されるように構成されているスプリットクランプを備えており、
前記スプリットクランプが、複数のねじ付き締結具を介して結合されるように構成されている2つのセグメントを備えている、デバイス。
【請求項13】
前記2つのセグメントのうちの一方が、前記複数のねじ付き締結具のうちの1つの圧着部分による係合のために、前記2つのセグメントのうちの一方に形成されているポケットを含んでいる、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記2つのセグメントのうちの一方が、前記2つのセグメントのうちの一方から延在している一対の棒を備えており、
前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに形成されている軸方向のスロットを備えており、
前記棒のそれぞれが、前記ヘッド貫通部アダプタにおけるそれぞれの前記軸方向のスロットに係合するように構成されている、請求項12又は13に記載のデバイス。
【請求項15】
原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するためのデバイスであって、
前記サーマルスリーブ上又は前記サーマルスリーブに設けられた第1の構造と、
前記ヘッド貫通部アダプタ上又は前記ヘッド貫通部アダプタに設けられた第2の構造と、
を備えており、
前記第1の構造及び前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するように動作可能に係合するように構成されており、
前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている本体部分を備えており、
前記本体部分が、前記中心軸に直交して配向された複数のアパーチャを含んでおり、
前記アパーチャのそれぞれが、前記アパーチャの中に配置されている摺動可能部材を備えており、
前記第1の構造が、前記サーマルスリーブにおいて規定された複数のスロットを備えており、
前記摺動可能部材のそれぞれが、前記サーマルスリーブにおける対応する前記スロットに係合するように構成されている、デバイス。
【請求項16】
原子炉のサーマルスリーブの摩耗を低減するためのデバイスであって、
前記原子炉のガイドチューブに結合されるように構成されている基部と、
前記基部から上方向に延在している複数の突起と、
を備えており、
前記突起のそれぞれが、前記サーマルスリーブのガイドファンネルの対応する部分に係合するように構成されており、
前記基部が、概して円形のリングを備えており、
前記リングが、前記リングに規定された複数のアパーチャを備えており、
前記基部が、さらに、複数のカラーを備えており、
前記カラーのそれぞれが、前記アパーチャのうちの対応する1つの周りに配設されており、前記基部から上方向に延在している、デバイス。
【請求項17】
前記基部から延在している前記突起のそれぞれが、前記ガイドファンネルの内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面を備えている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記外方向向きの面のそれぞれが、前記ガイドファンネルの前記内側円錐面の対応する部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
原子炉のサーマルスリーブの摩耗を低減するためのデバイスであって、
前記原子炉のガイドチューブに結合されるように構成されている基部と、
前記基部から上方向に延在している複数の突起と、
を備えており、
前記突起のそれぞれが、前記サーマルスリーブのガイドファンネルの対応する部分に係合するように構成されており、
前記基部から延在している前記突起のそれぞれが、前記ガイドファンネルの内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面を備えており、
前記基部の前記突起のそれぞれの前記外方向向きの面が、前記外方向向きの面からさらに外方向に延在しているキーを備えており、
前記キーのそれぞれが、前記ガイドファンネルに画定される対応するスロットに協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている、デバイス。
【請求項20】
前記キーのそれぞれが、垂直に配向されたリッジ状要素を備えている、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記基部の前記突起のそれぞれが、前記サーマルスリーブに結合されている前記ガイドファンネルの外周の一部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている内方向向きのノッチを備えている、請求項17から20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記基部が、さらに、前記基部から下方向に延在している周方向リップを備えており、
前記周方向リップが、前記ガイドチューブの外側部分に係合するように、サイズ決定され、かつ、構成されている、請求項17から21のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2019年2月25日に出願のANTI-ROTATION ARRANGEMENT FOR THERMAL SLEEVESと題された米国仮特許出願第62/810,180号の利益を主張し、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この出願はまた、2019年4月12日に出願のWEAR REDUCING ARRANGEMENTS FOR THERMAL SLEEVESと題された米国仮特許出願第62/833,066号の利益も主張し、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この出願はまた、2019年5月29日に出願のWEAR REDUCING ARRANGEMENTS FOR THERMAL SLEEVESと題された米国仮特許出願第62/853,976号の利益も主張し、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。この出願はまた、2019年6月21日に出願のWEAR REDUCING ARRANGEMENTS FOR THERMAL SLEEVESと題された米国仮特許出願第62/864,857号の利益も主張し、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
開示されたコンセプトは、概してサーマルスリーブに関し、より詳細には、原子炉内で使用されるサーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するための配置に関する。また、開示されたコンセプトは、このような配置を提供する方法にも関する。
【0003】
多数の原子力発電所における運用経験に応じて、原子炉内で使用されるサーマルスリーブの耐用年数を延長することに対して明らかなニーズがある。サーマルスリーブのフランジが摩耗する現象が国内で初めて確認されたのは、部分長のスリーブが破損した2014年である。それ以来、複数回点検が勧告され、許容基準が策定されてきた。より最近(2017年12月)では、棒の挿入箇所におけるサーマルスリーブの破損が、さらに2件確認されている。
【0004】
図1Aは、従来の原子炉2の上側部分の概略断面図であって、制御棒駆動機構(CRDM)ハウジング8から下方向に延在している複数のヘッド貫通部アダプタ6により貫通された炉容器4の一部分を例示する、概略断面図である。図1Bの断面図に加え、図1Aの参照を続けると、ガイドファンネル12を含むサーマルスリーブ10は、各CRDMハウジング8の下方において各ヘッド貫通部アダプタ6内に配置される。それにより、各ガイドファンネル12が、炉容器4内の上側支持プレート16から延在している、対応するガイドチューブ14の真上に配置され、当該ガイドチューブ14から距離を取って配置される。サーマルスリーブ10は、サーマルスリーブ10が炉冷却材に晒される領域15(図1B)内を除き、炉容器4内のヘッド貫通部アダプタ6内に収容されている。
【0005】
現在の考えとして、図1A及び図1Bに例示される領域13内におけるサーマルスリーブ10及びヘッド貫通部アダプタ6の摩耗は、ヘッド貫通部アダプタ6内のサーマルスリーブ10の中心軸18周りにおける回転から生じている。炉容器4内を流れる炉冷却材における渦が、サーマルスリーブ10(即ち、領域15内の)に接触して、サーマルスリーブ10を、その中心軸18の周りで、ヘッド貫通部アダプタ6を基準として回転させると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開示された概念の実施形態により、ヘッド貫通部アダプタ内におけるサーマルスリーブの回転から生じる、このようなスリーブ及び関連するコンポーネントの摩耗を低減することにより、原子炉内で用いられるサーマルスリーブの耐用年数は延長される。一般に、本発明の実施形態は、サーマルスリーブの取付中、又は、取り付けられたサーマルスリーブへの後付けのいずれかにおいて容易に取り付けることが可能な構造を利用している。当該構造は、サーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するものの、熱膨張/熱収縮により、及び/又は、必要時に炉冷却材の通過を可能にするために、といったことにより、スリーブの軸方向の動きを引き続き可能にする。換言すると、サーマルスリーブ及び/又はヘッド貫通部アダプタに取り付け可能な当該構造は、サーマルスリーブに接触し、炉内の冷却材の流れの渦により生じ得るサーマルスリーブの回転を阻止するように構成されている。
【0007】
開示されるコンセプトの一態様において、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転、及び/又は、歳差運動を阻止、低減、及び/又は、防止するための配置が提供される。当該配置は、前記サーマルスリーブ上又は前記サーマルスリーブに設けられた第1の構造と、前記ヘッド貫通部アダプタ上又は前記ヘッド貫通部アダプタに設けられた第2の構造と、を備えており、前記第1の構造及び前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように動作可能に係合するように構成されている
【0008】
前記第1の構造が、前記サーマルスリーブ又は前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている第1のリングを備えていてもよく、前記第1のリングが、前記第1のリングから延在している複数の棒部材を備えており、前記棒部材のそれぞれが、前記第1の構造が前記サーマルスリーブに結合されているときに、前記サーマルスリーブの前記中心軸に平行な棒軸に沿って延在しており、前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている第2のリングを備えており、前記第2のリングが、前記第2のリングに形成されている複数の貫通穴を備えており、前記貫通穴のそれぞれが、前記第2のリングが前記ヘッド貫通部アダプタに結合されているときに前記中心軸に平行な貫通穴軸を規定しており、前記第1のリングの前記棒部材のそれぞれが、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記サーマルスリーブの前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように、前記第2のリングの対応する前記貫通穴に摺動式に係合するように構成されている。
【0009】
前記第1のリングが、ステンレス鋼材料で形成されていてもよいし、前記第2のリングが、合金から形成されていてもよい。
【0010】
前記第2のリングが、前記ヘッド貫通部アダプタの協働式雄ねじ付き部分に係合するように構成されている雌ねじ付き部分を備えていてもよい。
【0011】
前記第2のリングが、前記ヘッド貫通部アダプタの下側端部を受容するように構成されている内側段付き部分を備えていてもよい。
【0012】
前記第2のリングが、第1のセグメントと、選択的に第1のセグメントに結合可能な第2のセグメントと、を備えていてもよい。
【0013】
前記複数の棒部材が、2つの棒部材を備えていてもよい。
【0014】
前記第1のリングが、第1のセグメントと第2のセグメントとに分割されていてもよい。
【0015】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントのそれぞれが、インターロック部を含んでいてもよい。前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが、前記インターロック部を介して結合可能である。
【0016】
前記第1のリングが、第1のピースと、前記第1のピースとは別個の第2のピースと、を備えていてもよく、前記第1のピースが、前記複数の棒部材のうちの1つの棒部材を含んでいてもよく、前記第2のピースが、前記複数の棒部材のうちの別の棒部材を含んでいてもよい。
【0017】
前記棒部材のそれぞれが、非円形の断面を有していてもよく、前記貫通穴のそれぞれが、前記棒部材に対応して形作られた非円形の断面を有していてもよい。
【0018】
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方が、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方を前記サーマルスリーブ又は前記ヘッド貫通部アダプタに機械的に結合するように構成されているメカクランプを備えていてもよい。
【0019】
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方が、前記サーマルスリーブに結合されるように構成されているスプリットクランプを備えていてもよく、前記スプリットクランプが、複数のねじ付き締結具を介して、選択的に結合されるように構成されている2つのセグメントから形成されていてもよい。
【0020】
前記2つのセグメントのうちの一方が、前記複数のねじ付き締結具のうちの1つの圧着部分による係合のために、前記2つのセグメントのうちの一方に形成されているポケットを含んでいてもよい。
【0021】
前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方が、さらに、複数の棒を備えていてもよく、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの他方が、前記ヘッド貫通部アダプタに形成されている軸方向のスロットを備えていてもよく、前記棒のそれぞれが、前記ヘッド貫通部アダプタにおけるそれぞれの前記軸方向のスロットに係合するように構成されていてもよい。
【0022】
前記第1の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている本体部分を備えていてもよく、前記本体部分が、前記中心軸に直交して配向された複数のアパーチャであって、その中に摺動部材を有する複数のアパーチャを備えていてもよく、前記第2の構造が、前記サーマルスリーブにおいて規定された複数のスロットを備えていてもよく、前記摺動可能部材のそれぞれが、対応する前記スロットに係合するように構成されていてもよい。
【0023】
開示されるコンセプトの他の態様では、サーマルスリーブの摩耗を阻止、低減、及び/又は、防止するためのデバイスが提供される。当該デバイスは、原子炉のガイドチューブに結合されるように構成されている基部と、前記基部から上方向に延在している複数の突起要素又は突起部材と、を備えている。前記突起のそれぞれが、前記サーマルスリーブのガイドファンネルの対応する部分に係合するように構成されている。
【0024】
前記基部が、概して円形のリングを備えていてもよい。
【0025】
前記リングが、前記リングに規定された複数のアパーチャを備えていてもよい。
【0026】
前記基部が、さらに、前記基部から下方向に延在している周方向リップを備えていてもよく、前記周方向リップが、前記ガイドチューブの外側部分に係合するように、サイズ決定され、かつ、構成されている。
【0027】
前記基部が、さらに、複数のカラーを備えていてもよく、前記カラーのそれぞれが、前記アパーチャのうちの対応する1つの周りに配設されており、前記基部から上方向に延在している。
【0028】
前記突起部材のそれぞれが、前記ガイドファンネルの内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面を備えていてもよい。
【0029】
前記外方向向きの面のそれぞれが、前記ガイドファンネルの前記内側円錐面の対応する部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されていてもよい。
【0030】
前記突起部材のそれぞれの前記外方向向きの面が、前記外方向向きの面からさらに外方向に延在しているキーを備えており、前記キーのそれぞれが、前記ガイドファンネルに画定される対応するスロットに協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されていてもよい。
【0031】
前記キーのそれぞれが、垂直に配向されたリッジ状部材を備えていてもよい。
【0032】
前記突起部材のそれぞれが、前記サーマルスリーブに結合されている前記ガイドファンネルの外周の一部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている内方向向きのノッチを備えていてもよい。
【0033】
開示されたコンセプトのさらに別の態様として、前述の構成、及び/又は、デバイスのいずれかを取り付ける方法が提供される。
【0034】
本明細書に記載される実施形態の様々な特徴は、その利点と共に、以下のような添付の図面と一緒に読まれる以下の説明に従って理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】従来の原子炉の上側部分の概略断面図である。
【0036】
図1B】従来の炉容器ヘッド貫通部の概略断面図であって、CRDMハウジング、ヘッド貫通部アダプタ、及び、サーマルスリーブを例示する概略断面図である。
【0037】
図2】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するためのデバイスの斜視図である。
【0038】
図3図2のデバイスの分解組立図である。
【0039】
図4】ヘッド貫通部アダプタの下側部分に結合されている図2のデバイスの一部分の斜視図である。
【0040】
図5】溶接部を介してヘッド貫通部アダプタの下側部分に結合されている図2のデバイスの一部分の斜視図である。
【0041】
図6】ヘッド貫通部アダプタの下側部分上に配置されている図2のデバイスの第1の部分の側面斜視図であって、図2のデバイスの第2の部分が、サーマルスリーブの下側部分上に緩く配置されている側面斜視図である。
【0042】
図7】サーマルスリーブに保定されており、ヘッド貫通部アダプタの下側部分上において図2のデバイスの第1の部分に係合している図2のデバイスの第2の部分を例示する側面斜視図である。
【0043】
図8】本開示の少なくとも1つの態様に従った、図2及び図3の配置において用いられ得る代替的リングを例示する斜視図である。
【0044】
図9】溶接部を介してヘッド貫通部アダプタの端部部分に保定されている、図8のリングの斜視図である。
【0045】
図10】本開示の少なくとも1つの態様に従った、図2及び図3の配置において用いられ得る、組み付けられていない状態のマルチピースリングを例示する上面斜視図である。
【0046】
図11】組み付けられた状態の図10のマルチピースリングの上面斜視図である。
【0047】
図12】ヘッド貫通部アダプタの下側端部上に配置されている図10及び図11のマルチピースリングの斜視図である。
【0048】
図13】溶接部を介してヘッド貫通部アダプタの下側端部に保定されている図10及び図11のマルチピースリングの斜視図である。
【0049】
図14】本開示の少なくとも1つの態様に従った、溶接部を介してサーマルスリーブに結合されており、ヘッド貫通部アダプタの下側端部に結合された図10及び図11のマルチピースリングに係合されているマルチピース第1リングを例示する底面斜視図である。
【0050】
図15】ヘッド貫通部アダプタ及びサーマルスリーブ上における配置の構造の装備を可能にするために、サーマルスリーブが切断且つ溶接された箇所をさらに例示する図14の配置の側面斜視図である。
【0051】
図16】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するための別のデバイスの斜視図である。
【0052】
図17図16のデバイスであって、第1の構造及び第2の構造のそれぞれが、ヘッド貫通部アダプタ及びサーマルスリーブの下側部分に結合された状態で示されている斜視図である。
【0053】
図18】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するためのさらなる別のデバイスの斜視図である。
【0054】
図19図18のデバイスであって、その第1の構造及び第2の構造のそれぞれが、ヘッド貫通部アダプタ及びサーマルスリーブの下側部分に結合された状態で示されている斜視図である。
【0055】
図20図18のデバイスの線20-20に沿って得られた斜視断面図である。
【0056】
図21図18のデバイスの線21-21に沿って得られた側面断面図である。
【0057】
図22】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するための配置において使用するためのスプリットクランプの形のデバイスの透視図である。
【0058】
図23図22のデバイスと共に使用するための締結具の斜視図である。
【0059】
図24図22のデバイスの一部分の拡大図であって、図23の締結具の圧着部分による係合のためにそこに形成されているポケットを例示する拡大図である。
【0060】
図25】ヘッド貫通部アダプタの下側端部の近傍、及び、ヘッド貫通部アダプタにおいて形成されている軸方向のスロットに係合して、サーマルスリーブに結合されている図22のデバイスの斜視図である。
【0061】
図26】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタを基準とした、サーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するためのデバイスの斜視図である。
【0062】
図27図26のデバイスであって、その第1の構造及び第2の構造が、ヘッド貫通部アダプタ及びサーマルスリーブの下側部分にそれぞれ結合された状態で示されているデバイスの斜視図である。
【0063】
図28】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタを基準とした、サーマルスリーブの回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されている別のデバイスの斜視図である。
【0064】
図29】溶接部を介してヘッド貫通部アダプタの底部部分に保定されている図28のデバイスの斜視図である。
【0065】
図30図28のデバイスと共に使用するための軸方向の切り抜き部を含んでいるサーマルスリーブの一部分の斜視図である。
【0066】
図31図29の線31-31に沿って得られた断面図である。
【0067】
図32】本開示の少なくとも1つの態様に従った、原子炉のガイドチューブの配置の斜視図であって、当該ガイドチューブのうちの1つに対する改変を例示する斜視図である。
【0068】
図33】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0069】
図34図33の摩耗緩和デバイスの別の斜視図である。
【0070】
図35】本開示の少なくとも1つの態様に従った、サーマルスリーブの下側部分上に装備されるように構成されているガイドファンネルの斜視図である。
【0071】
図36A図32に類似するガイドチューブの配置の斜視図であって、ガイドチューブのうちの1つの上に装備されている図33及び図34の摩耗緩和デバイスと、第1の配置において摩耗緩和デバイスに係合されている図35のガイドファンネルと、を例示する斜視図である。
【0072】
図36B図32に類似するガイドチューブの配置の透視図であって、ガイドチューブのうちの1つの上に装備されている図33及び図34の摩耗緩和デバイスと、図36Aに示される第1の配置とは異なる第2の配置において摩耗緩和デバイスに係合されている図35のガイドファンネルと、を例示する透視図である。
【0073】
図37図36Aの拡大図であって、本開示の少なくとも1つの態様に従った、図34の摩耗緩和デバイスをガイドチューブに保定するための締結機構の相互作用を例示し、締結機構の望まない回転を抑止するための摩耗緩和デバイスの圧着カラーをさらに例示する拡大図である。
【0074】
図38】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの上方斜視図である。
【0075】
図39図32に類似するガイドチューブの配置の透視図であって、図38の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に装備されており、且つ、サーマルスリーブの下側部分に取り付けられているガイドファンネルが摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている配置の斜視図である。
【0076】
図40】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0077】
図41図32に類似する、ガイドチューブの配置の斜視図であって、図40の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に装備されており、かつ、サーマルスリーブの下側部分に取り付けられているガイドファンネルが摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている配置の斜視図である。
【0078】
図42】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0079】
図43図42の摩耗緩和デバイスの一部分の拡大斜視図である。
【0080】
図44図32に類似するガイドチューブの配置の斜視図であって、図42の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に取り付けられており、図35のガイドファンネルが摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている、配置の斜視図である。
【0081】
図45図44の配置の上面図である。
【0082】
図46】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0083】
図47】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0084】
図48】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0085】
図49図48の摩耗緩和デバイスの一部分の拡大斜視図である。
【0086】
図50図48の摩耗緩和デバイスの側面図である。
【0087】
図51図48の摩耗緩和デバイスの一部分の断面図である。
【0088】
図52A図48の摩耗緩和デバイスと共に使用するための圧着カップの斜視図である。
【0089】
図52B図48の摩耗緩和デバイスのアーム部材の斜視図である。
【0090】
図52C図48の摩耗緩和デバイスのクランプくさびの斜視図である。
【0091】
図53図32に類似するガイドチューブの配置の斜視図であって、図48の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に装備されており、図35に示されているガイドファンネルが摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている、配置の斜視図である。
【0092】
図54図53の配置の上面図である。
【0093】
図55A図32に類似するガイドチューブの配置の斜視図であって、図48の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に取り付けられており、図35に示されているガイドファンネルが第1の配置において摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている、配置の斜視図である。
【0094】
図55B図32に類似するガイドチューブの配置の斜視図であって、図48の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に取り付けられており、図35に示されているガイドファンネルが、図55Aに示される第1の配置とは異なる第2の配置において摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている、配置の斜視図である。
【0095】
図56】ガイドファンネルと摩耗緩和デバイスとの間の相互作用をより良好に例示するために、陰線を用いてガイドファンネルが示された図55Bの配置の側面図である。
【0096】
図57】本開示の少なくとも1つの態様に従った、図39に示されたガイドファンネルに組み付けられている摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0097】
図58図57の摩耗緩和デバイス及びガイドファンネルの別の斜視図である。
【0098】
図59図57の摩耗緩和デバイス及びガイドファンネルの側面図である。
【0099】
図60図57の摩耗緩和デバイス及びガイドファンネルの上面図である。
【0100】
図61図57の摩耗緩和デバイス及びガイドファンネルの底面図である。
【0101】
図62】本開示の少なくとも1つの態様に従った、図39に示されたガイドファンネルに組み付けられている摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0102】
図63図62の摩耗緩和デバイス及びガイドファンネルの上面図である。
【0103】
図64】本開示の少なくとも1つの態様に従った、摩耗緩和デバイスの斜視図である。
【0104】
図65】本開示の少なくとも1つの態様に従った、サーマルスリーブの下側部分上に装備されている別のガイドファンネルの斜視図である。
【0105】
図66図32に類似するガイドチューブの配置の透視図であって、図64の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に装備されており、図65のガイドファンネルが摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている配置の斜視図である。
図67図32に類似するガイドチューブの配置の斜視図であって、図64の摩耗緩和デバイスがガイドチューブのうちの1つの上に装備されており、図65のガイドファンネルが摩耗緩和デバイスに係合されている状態で示されている配置の斜視図である。
【0106】
図68図66及び図67の摩耗緩和デバイス及びガイドファンネルの断面図である。
【0107】
対応する参照文字は、いくつかの図の全体を通して対応する部品を示す。本明細書に詳述される例示は、この発明の様々な実施形態を1つの形態で例示しており、このような例示は、いかなる様式であっても、この発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0108】
(詳細な説明)
サーマルスリーブが、サーマルスリーブ上の上側頭部とヘッド貫通部アダプタとの間で摩耗していることが観測されてきた。この摩耗は、レーザ計測学に基づく測定を行って、特定のサーマルスリーブがヘッド貫通部アダプタを基準として「降下した」量を割り出すことにより観測される。イノベーションプログラムの一部として、摩耗したサーマルスリーブを撤去し、それらを一時的な「圧縮可能サーマルスリーブ」に交換するための方法が策定されている。この方法は、炉ヘッドの頂部側からのCRDMモータアセンブリの撤去を必要としない。このような方法及びサーマルスリーブ交換品については、2019年1月30日に出願のTHERMAL SLEEVEと題された係属中の米国特許出願第16/262,037号に記載されており、この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。しかしながら、破損した機構(即ち、サーマルスリーブ及びヘッド貫通部アダプタの摩耗)については対処されておらず、圧縮可能サーマルスリーブは、交換された、摩耗したサーマルスリーブに類似する様式で、ヘッド貫通部アダプタと共に摩耗し続ける可能性が最も高い。
【0109】
サーマルスリーブに取り付けられている第2のデバイスのための界面(interface)を生成するデバイスをヘッド貫通部アダプタ上に取り付けることが、このような摩耗を低減及び/又は防止する解決策である。2つのデバイスが一旦定位置に配置されて互いに接続されると、サーマルスリーブの自由度が限定され、サーマルスリーブの中心線軸の周りにおける回転が除去される。この概念の実施形態は、概して、ヘッド貫通部アダプタの設計に依存して、様々な方法によりヘッド貫通部アダプタに取り付けられるリング又は類似する構造を利用している。このデバイスは、ヘッド貫通部アダプタのねじに取り付けられてもよいし、ヘッド貫通部アダプタの外径に接続されてもよい。デバイスは、以下のものに限定されないが、溶接、クランプ、ピン留め、ねじ留め等、及び/又は、それらの組み合わせといった任意の好適な機械的手段により、固定及び保持される。少なくとも1つの実施形態において、デバイスは、ヘッド貫通部アダプタと一体化している。デバイスは、サーマルスリーブに取り付けられた噛み合いデバイスによって係合される穴、スロット、スプライン、又は、キー溝といった特徴を含んでいる。サーマルスリーブに取り付けられるデバイスは、溶接、クランプ、ピン留め、ねじ留め等といった任意の好適な機械的手段により、取り付けることが可能である。少なくとも1つの実施形態において、サーマルスリーブに取り付けられるデバイスは、サーマルスリーブ設計と一体化している。スプライン又はキーの係合により、サーマルスリーブ及びヘッド貫通部アダプタの相対回転運動の大部分が防止される。この運動は、サーマルスリーブの破損を招く摩耗の元凶である。この運動を制限することにより、サーマルスリーブの機能寿命が大いに延長される。少なくとも1つの実施形態において、1つ以上のデバイスは、ヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブの何らかの軸方向の動きを可能にしつつ、ヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブの回転運動を阻止、低減、及び/又は、防止する。
【0110】
このような解決策について、概して、2つの用途が存在している。第1の用途は、当該デバイスを、圧縮可能サーマルスリーブ交換品に組み込んでいる。第2の用途は、当該デバイスを、許容限度内の何らかの摩耗を示す既存のサーマルスリーブに組み込んでいる。
【0111】
代替的設計には、例えば、サーマルスリーブに機械加工される特徴であって、回転及び/又は並進運動(一方又は両方)を阻止、低減、及び/又は、防止する設計意図に見合う特徴と結びつくデバイスを、ヘッド貫通部アダプタに取り付けることが含まれる。
【0112】
本開示の様々な態様を詳細に解説する前に、留意されるべきこととして、例示は、添付の図面及び説明に例示される部品の構築及び配置の詳細に、用途又は使用の点で限定されない。例示は、他の態様、変形物、及び改変物に実装されるか、又は組み込まれてよく、様々な方式で実施又は施行されてもよい。さらに、特段示される場合を除き、本明細書において用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な例を説明する目的で選択されており、それらを限定する目的で選択されていない。また、認識されるであろうこととして、以下に記載する態様、態様の表現、及び/又は、例のうちの1つ以上を、以下に記載する他の態様、態様の表現、及び/又は、例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることが可能である。
【0113】
図2図7は、原子炉内において、サーマルスリーブ10の中心軸CAの周りにおけるヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されているデバイス2000を描いている。図2は、ヘッド貫通部アダプタ6及びサーマルスリーブ10の一部の上に取り付けられているデバイス2000を例示している。この配置は、第1の構造又は第1のリング2010を含んでおり、第1のリング2010は、サーマルスリーブ10に(例えば、溶接部2012を介して)結合されている。本開示の多数の実施形態においては、様々な溶接部が隅肉溶接部として描かれている。しかしながら、これは限定として解釈されるべきではない。本開示の実施形態と共に使用するのに好適な他の溶接部が企図される。第1のリング2010は、そこから延在している複数の棒部材2014を含んでいる。より具体的に、各棒部材2014は、第1のリング2010がサーマルスリーブ10に結合されているときに、第1のリング2010から、中心軸CAに平行な棒軸RAに沿って延在している。例示される実施形態において、棒部材2014は、中心軸CAに対して対称であるが、棒部材2014が対称ではない他の実施形態が構想される。ある特定の実施形態においては、棒部材2014のうちの1つ以上が、中心軸CAに平行ではないそれぞれの棒軸に沿って延在している。少なくとも1つの実施形態において、第1のリング2010は、ステンレス鋼材料から形成されている。
【0114】
主に図2及び図3を参照すると、デバイス2000は、さらに、ヘッド貫通部アダプタ6に結合されている第2の構造又は第2のリング2020を含んでいる。第2のリング2020は、ねじ付き部分2022を含む内径を備えており、ねじ付き部分2022は、ヘッド貫通部アダプタ6の外径上の協働的なねじ付き部分に係合する。ある特定のタイプの炉についてのヘッド貫通部アダプタは、それらの底部端部の外径上にねじ付き部分を備えている。このようなねじ付き部分を有していないヘッド貫通部アダプタについては、このヘッド貫通部アダプタを、任意の好適な手段を介して機械加工して、例えば、第2のリング2020のねじ付き部分2022を受容するためのねじ付き部分が作成されてもよい。第2のリング2020は、そこに形成されている複数の貫通穴2024を含んでおり、各貫通穴2024は、貫通穴軸THAを規定する。例示される実施形態において、貫通穴2024は、中心軸CAの周りに約90度に均等に間隔を取って配置されているが、貫通穴2024が均等に間隔を取って配置されていない他の実施形態が構想される。少なくとも1つの実施形態において、第2のリング2020は、合金から形成されている。第1のリング2010の各棒部材2014は、第2のリング2020の対応する貫通穴2024に係合して、ヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の軸方向の動きを可能にしつつ、サーマルスリーブ10の中心軸CAの周りにおけるヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されている。例えば、ヘッド貫通部アダプタに対するサーマルスリーブ10の軸方向の動きは、サーマルスリーブ10の熱膨張/熱収縮により引き起こされ得、及び/又は、炉冷却材の流れが通過することを可能にするために必要であってもよい。図4及び図5は、ヘッド貫通部アダプタ6の下側部分に結合されている第2のリング2020のさらなる図を例示する。図5に示されるように、第2のリング2020は、先に論じたねじ付き接続に加え、複数の溶接部2026により、ヘッド貫通部アダプタにさらに保定されている。
【0115】
主に図6を参照すると、第1のリング2010は、まず、新たに装備されたサーマルスリーブ交換品10の上に取り付けられてもよい。第1のリング2010の内径とサーマルスリーブ10の外径との間に間隙が設けられているために、第1のリング2010が、所望の位置まで、サーマルスリーブ10に沿って摺動、及び/又は、サーマルスリーブ10の周りにおいて回転することができる。上述したように、第2のリング2020は、ヘッド貫通部アダプタ6の底部部分に結合される。第1のリング2010は、次に、摺動されて第2のリング2020に係合し(図7)、次に、所望の位置においてサーマルスリーブ10に(例えば、溶接又は任意の好適な取付方法を介して)好適に結合される。
【0116】
図8及び図9は、第1のリング2010と共に使用するための第2のリング2020に代わる第2のリング2020’を描いている。第2のリング2020’は、ヘッド貫通部アダプタ6の下側端部を受容するための内側段付き部分2022’と、第1のリング2010の棒部材2014を接続するための貫通穴2024’と、を備えている。例示される実施形態において、第2のリング2020’は、溶接部2028’を介して、ヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられている。しかしながら、第2のリング2020’をヘッド貫通部アダプタ6の底部部分に取り付けるために、任意の好適な取付方法が利用されてよい。
【0117】
図10及び図11は、第1のリング2010と共に使用するための第2のリング2020に代わる別の第2のリング2020’’を描いている。第2のリング2020’’は、第1の円弧状部分2022’’と第2の円弧状部分2024’’とを備えており、これらは、ヘッド貫通部アダプタ6の底部端部といった部分の周囲において共に噛み合わされて円形のリングを形成するように構成されている。第1の部分2022’’及び第2の部分2024’’のそれぞれは、第1の部分2022’’及び第2の部分2024’’が共に噛み合わされるときにヘッド貫通部アダプタ6の底部端部を受容するための段付き部分2026’’を備えている。さらに、第1の部分2022’’及び第2の部分2024’’のそれぞれは、複数の貫通穴2025’’を備えている。貫通穴2025’’は、先に記載した貫通穴2024(図3参照)に類似する。第1の部分2022’’は、両端部において雌インターロック部2028’’を備えており、第2の部分2024’’は、両端部において雄インターロック部2030’’を備えている。雌インターロック部2028’’は、雄インターロック部2030’’を受容して第2のリング2020’’を形成するように構成されている。第2のリング2020’’は、一旦、貫通部アダプタ6の底部端部の周囲において共に噛み合わされると、稼働中における第2のリング2020’’の分離を防止するために、雌インターロック部2028’’及び雄インターロック部2030’’において溶接することができる。他の実施形態において、第1の部分2022’’及び第2の部分2024’’のそれぞれは、その一方の端部上に1つの雌インターロック部と、他方の端部上に1つの雄インターロック部と、を含むように改変される。
【0118】
少なくとも1つの実施形態において、第2のリング2020’’は、既に取り付けられたサーマルスリーブ10上に後付けすることが可能である。図12及び図13に例示されるように、第1の部分2022’’及び第2の部分2024’’は、ヘッド貫通部アダプタ6の周囲に配置され、共に噛み合わされて、第2のリング2020’’を形成している。第2のリング2020’’が一旦所望の位置に配置されると、第2のリング2020’’は、図13に示されるように、溶接部2032’’を介してヘッド貫通部アダプタ6に保定させることができる。少なくとも1つの実施形態において、第2のリング2020’’は、例えば、図2図3図6、及び、図7に関して上に記載した様式で、第1のリング2010と一緒に使用することができる。しかしながら、より詳細に以下に論じるように、第2のリング2020’’と共に使用するために、他の実施形態が企図される。
【0119】
図14及び図15は、サーマルスリーブ10に取り付けられ、上で論じたように、ヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられた第2のリング2020’’に噛み合うように構成されている第1のリング2010’’を描いている。第1のリング2010’’は、第1の部分2012’’と第2の部分2014’’とを備えている。第1の部分2012’’は、第2のリング2020’’における複数の貫通穴2025’’のうちの1つに受容されるように構成されている第1の直立棒部材2013’’を備えている。第2の部分2014’’は、第2のリング2020’’における複数の貫通穴2025’’のうちの別の1つに受容されるように構成されている第2の直立棒部材2015’’を備えている。第1の部分2012’’及び第2の部分2014’’が一旦所望の位置に配置されると、溶接部2016’’が形成れて、第1の部分2012’’及び第2の部分2014’’がサーマルスリーブ10に保定される。図14において視認できるように、第1の部分2012’’及び第2の部分2014’’のそれぞれは、全周の半分未満を成している。第1の部分2012’’及び第2の部分2014’’は、この様式でサイズ決定されて、取付位置及び/又は溶接箇所の変動性を容認する。
【0120】
上記に加えて、図15は、さらに、サーマルスリーブ10が切断され得るサーマルスリーブ10上の切断箇所17を例示している。当該切断は、本明細書において論じたデバイスのヘッド貫通部アダプタ6上への取付、及び/又は、サーマルスリーブ10の残存部分上への取付を可能にするために行われる。組み付けが一旦完了すると、サーマルスリーブ10は、再び共に溶接される。
【0121】
図16及び図17は、ヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の軸の周りにおける回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されているデバイス3000を描いている。デバイス3000は、サーマルスリーブ10に取り付けられるように構成されている第1のリング3100と、ヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられるように構成されている第2のリング3200と、を備えている。第1のリング3100及び第2のリング3200は、より詳細に以下に論じるように、ヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するための動作可能な係合のために構成されている。
【0122】
第1のリング3100は、本体3110と、リング本体3110から延在している2つの直立棒部材3112と、を備えている。リング本体3110は、第1のリング3100がサーマルスリーブ10上を摺動することが可能であるようにサイズ決定された開口部3114を備えている。例示される実施形態において、直立棒部材3112は、非円形の楕円断面を備えている。しかしながら、直立棒部材3112が図2に例示された棒部材2014といった円柱形状を備えている他の実施形態が構想される。いずれにせよ、第2のリング3200は、そこから横方向に延在している2つのラグ部材3212を含んだリング本体3210を備えている。リング本体3210には、開口部3214及び切り抜き部領域3216が規定されている。開口部3214は、第2のリング3200のサーマルスリーブ10に沿った摺動と、第2のリング3200のヘッド貫通部アダプタ6の底部端部に対する当接と、が可能になるようにサイズ決定されている。より具体的に、第2のリング3200の本体3210に設けられた切り抜き部領域3216は、ヘッド貫通部アダプタ6の底部端部を受容する。図17に例示されるように、ラグ部材3212は、第1のリング3100と第2のリング3200とが組み付けられたときに、直立棒部材3112を受容するようにサイズ決定され、形作られた開口部3218を、備えている。
【0123】
使用時において、第2のリング3200は、本明細書に記載されるように、サーマルスリーブ交換品10に既に取り付けられていること、又は、既存のサーマルスリーブに後付けされることが可能である。第2のリング3200は、第2のリング3200の切り抜き部領域3216内にヘッド貫通部アダプタ6の底部端部が受容されるまで、サーマルスリーブ10に沿って摺動される。上述したように、既に取付られたサーマルスリーブ10は、第2のリング3200を受容するために切断されてもよい。第2のリング3200は、次に、溶接部3213を介してヘッド貫通部アダプタ6に溶接される。次に、第1のリング3100が、サーマルスリーブ10上に取り付けられ、直立棒部材3112が、第2のリング3200におけるそれらのそれぞれの開口部3218内に受容されるまで、サーマルスリーブ10に沿って摺動される。第1のリング3100が一旦所望の位置に配置されると、第1のリング3100は、サーマルスリーブ10に溶接される。第1のリング3100は、第2のリング3200に係合され、サーマルスリーブ10がその軸の周りにおいて回転することが阻止、低減、及び/又は、防止される。しかしながら、サーマルスリーブ10は、直立棒部材3112と開口部3218との間の関係により、軸方向の並進運動をすることができる。
【0124】
図18図21は、サーマルスリーブ10の軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されているデバイス4000を描いている。デバイス4000は、サーマルスリーブ10と、図16及び図17に関して上で論じた、ヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられるように構成されている第2のリング3200と、に取り付けられるように構成されている第1のリング4100を備えている。第1のリング4100及び第2のリング3200は、より詳細に以下に論じるように、ヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するための動作可能な係合のために構成されている。
【0125】
第1のリング4100は、リング本体4110と、リング本体4110から延在している2つの直立棒部材4112と、を備えている。リング本体4110は、第1のリング4100がサーマルスリーブ10に沿った摺動が可能になるようにサイズ決定されている開口部4114を備えている。例示される実施形態において、直立棒部材4112は、非円形の楕円断面を備えている。しかしながら、直立部材4112が図2に例示された棒部材2014といった円柱形状を備えている他の実施形態が構想される。
【0126】
上記に加えてリング本体4110は、さらに、リング本体4110から延在しているメカクランプ4120を備えている。メカクランプ4120は、第1のリング4100のリング本体4110から延在している内側ハウジング4130と、内側ハウジング4130の周囲において配置可能な外側ハウジング4140と、を備えている。外側ハウジング4140は、内ねじ4148を備えており、内側ハウジング4130は、協働的な外ねじ4138を備えている。よって、内側ハウジング4130と外側ハウジング4140とが組み付けられると、外側ハウジング4140のねじ4148は、内側ハウジング4130のねじ4138に係合される。これにより、外側ハウジング4140が回転するにつれ、外側ハウジング4140が内側ハウジング4130に対して並進運動する。
【0127】
上記に加えて、内側ハウジング4130は、さらに、複数のフィンガー4134を含んだコレット4132を備えている。コレット4132のフィンガー4134は、外力がコレット4132に印加されると内方向に撓むように構成されている。例示において、コレット4132のフィンガー4134は、外側ハウジング4140が内側ハウジング4130に螺合可能に係合されると、外側ハウジング4140のテーパされた内側面4142にアライメントされるテーパされた外側面4136を備えている。例えば、外側ハウジング4140を反時計回り方向DCCWに回転させると、外側ハウジング4140は、方向D1に並進運動し、外側ハウジング4140のテーパされた内側面4142は、内側ハウジング4130のテーパされた外側面4136に係合して、フィンガー4134を内方向に歪ませる。外側ハウジング4140が時計回り方向に回転可能であって、外側ハウジング4140を方向D1に並進運動させる他の実施形態が構想される。
【0128】
使用時において、第2のリング3200は、第2のリング3200の切り抜き部領域3216内にヘッド貫通部アダプタ6の底部端部が受容されるまで、サーマルスリーブ10に沿って摺動される。既に取り付けられているサーマルスリーブ10は、上で論じたように、第2のリング3200を受容するために切断されてもよい。次に、第2のリング3200は、ヘッド貫通部アダプタ6に溶接される。次に、第1のリング4100が、サーマルスリーブ10上に取り付けられ、直立棒部材4112が第2のリング3200におけるそれらのそれぞれの開口部3218内に受容されるまで、サーマルスリーブ10に沿って摺動される。第1のリング4100が一旦所望の位置に配置されると、メカクランプ4120を作動させて、第1のリング4100をサーマルスリーブ10に保定させることができる。より具体的には、上述したように、メカクランプ4120の外側ハウジング4140を回転させて、内側ハウジング4130をサーマルスリーブ10上にクランプさせることができる。メカクランプ4120の外側ハウジング4140における開口部4144は、外側ハウジング4140の回転を促進させて第1のリング4100をサーマルスリーブ10に保定するために利用されてもよい。少なくとも1つの実施形態において、開口部4144に、ユーザが内側ハウジング4130に対して外側ハウジング4140を回転させることを補助する、レンチ又は任意の好適なツールを係合させてもよい。
【0129】
上記に加えて、外側ハウジング4140は、さらに、圧着リング部分4146を備えている。圧着リング部分4146は、内側ハウジング4130がサーマルスリーブ10にクランプされた後に、第1のリング4100の内側ハウジング4130の外径において規定された対応するスロット4131内へ変形するように構成されている。スロット4131は、内側ハウジング4130の外径の周囲において径方向に配置されている。圧着リング部分4146は、スロット4131内へ曲げられて及び/又は歪ませて、外側ハウジング4140が内側ハウジング4130から係合解除されることを防止する(即ち、稼働中に外側ハウジング4140が内側ハウジング4130から螺合解除することを防止する)ように構成されている。
【0130】
上記に加えて、さらに、第1のリング4100がサーマルスリーブ10に取り付けられ、第2のリング3200がヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられ、第1のリング4100及び第2のリング3200が動作可能に係合されると、デバイス4000は、サーマルスリーブ10がその軸の周りにおいて回転することを阻止、低減、及び/又は、防止する。しかしながら、サーマルスリーブ10は、直立棒部材4112と開口部3218との間の関係により、軸方向の並進運動が容認される。
【0131】
図22図25は、サーマルスリーブ10の軸の周りにおける改変されたヘッド貫通部アダプタ6’に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されているスプリットクランプアセンブリ5000を描いている。スプリットクランプアセンブリ5000は、締結具5300を介して結合されるように構成されている第1のクランプ部分5100及び第2のクランプ部分5200を備えている。第1のクランプ部分5100は、本体5110であって、本体5110から延在している2つのラグ部分5112を含んだ円弧状の本体5110を備えている。ラグ部分5112の各々は、ねじ付き穴を備えている。ラグ部分5112から、一対の直立部材5114が延在している。例示される実施形態において、直立部材5114は、丸められた縁を有する矩形の断面を備えている。しかしながら、直立部材5114が、改変されたヘッド貫通部アダプタに係合するために、円柱形状又は他の好適な形状を備えている他の実施形態が構想される。いずれにせよ、第2のクランプ部分5200は、本体5210であって、本体5210から延在している2つのラグ部分5212を含んだ円弧状の本体5210を備えている。第1のクランプ部分5100の円弧状の本体5110及び第2のクランプ部分5200の円弧状の本体5210は、第1のクランプ部分5100及び第2のクランプ部分5200が結合されると、それらの間に開口部5400を形成する。開口部5400は、サーマルスリーブ10を受容するように、サイズ決定され、形作られている。例示される実施形態において、開口部5400は、実質的に円形である。しかしながら、他の実施形態において、開口部5400は、例えば、長円形状といった、サーマルスリーブ10を受容するのに好適な異なる形状を備えていることができる。
【0132】
上記に加えて、第2のクランプ部分5200は、さらに、ラグ部分5212のそれぞれから延在している突起5214を備えている。突起5214のそれぞれは、段5217において終端をなす開口部5216を備えている。第2のクランプ部分5200の各側において、突起5214の残りの部分と、ラグ部分5212と、を経由して、ねじ付き穴5219が延在している。ねじ付き穴5219は、第1のクランプ部分5100及び第2のクランプ部分5200が結合されると、第1のクランプ部分5100において規定されたねじ付き穴にアライメントするように配置されている。開口部5216のそれぞれは、その側壁において、複数の切り抜き部又はポケット5218を備えている。少なくとも1つの実施形態において、各開口部5216は、開口部5216の内径内に均等に径方向に間隔を取って配置された4つのポケット5218を備えている。しかしながら、開口部5216の内径内に、均等に又は不均等に径方向に間隔を取って配置される4つよりも多い又は少ないポケット5218を有している他の実施形態が構想される。
【0133】
使用時において、第1のクランプ部分5100は、サーマルスリーブ10の1つの側に配置され、第2のクランプ部分5200は、サーマルスリーブ10の別の側に配置される。第1のクランプ部分5100及び第2のクランプ部分5200が、改変されたヘッド貫通部アダプタ6’に対して、一旦所望の位置に配置されると、スプリットクランプアセンブリ5000は、締結具5300が取り付けられることにより、サーマルスリーブ10の周囲にクランプすることができる。スプリットクランプアセンブリ5000は、スプリットクランプアセンブリ5000の直立部材5114が、改変されたヘッド貫通部アダプタ6’において規定された軸方向のスロット7’内に受容されるように、改変されたヘッド貫通部アダプタ6’に対して配置することできる。少なくとも1つの実施形態において、軸方向のスロット7’は、例えば、ヘッド貫通部アダプタ6の底部端部内へ画定されて、改変されたヘッド貫通部アダプタ6’を生成する。
【0134】
上記に加えて、締結具5300は、さらに、第2のクランプ部分5200におけるねじ付き穴5219に螺合可能に係合し、第1のクランプ部分5100におけるねじ付き穴内へ延在するように構成されている。締結具が締められるにつれて、開口部5400はそのサイズが縮小し、スプリットクランプアセンブリ5000がサーマルスリーブ10の周囲で絞られる。締結具5300が取り付けられると、各締結具の頭部5310は、各開口部5216内において、最終的に、段5217に達し得る。各締結具5300は、締結具5300がスプリットクランプアセンブリ5000内へ一旦取り付けられると変形することが可能な圧着部分5312を備えている。より具体的には、圧着部分5312を、開口部5216の側壁内のポケット5218内へ歪ませて、締結具5300をスプリットクランプアセンブリ5000内に保持することができる。締結具は、圧着部分5312を圧着することにより、回転が防止され、かつ、締結具5300が稼働中に破損した場合に脱落部品になることが防止される。少なくとも1つの実施形態において、スプリットクランプアセンブリ5000をサーマルスリーブ10にクランプした後に、スプリットクランプアセンブリ5000は、サーマルスリーブ10に溶接されることができる。
【0135】
上記に加えて、さらに、直立部材5114とヘッド貫通部アダプタ6’における軸方向のスロット7’との間の関係により、ヘッド貫通部アダプタ6’に対するサーマルスリーブ10の軸方向の動きを容認しつつ、サーマルスリーブ10の回転は、阻止、低減、及び/又は、防止される。
【0136】
図26及び図27は、サーマルスリーブ10の軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されているデバイス6000を描いている。デバイス6000は、サーマルスリーブ10に取り付けられるように構成されているスプリットクランプアセンブリ5000’と、ヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられるように構成されている第2のリング3200(図16及び図18参照)と、を備えている。スプリットクランプアセンブリ5000’及び第2のリング3200は、より詳細に以下に論じるように、ヘッド貫通部アダプタ6に対するサーマルスリーブ10の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように動作可能な係合のために構成されている。
【0137】
スプリットクランプアセンブリ5000’は、スプリットクランプアセンブリ5000に類似しているが、スプリットクランプアセンブリ5000’が非円形の楕円断面を備えている直立部材5114’を備えている点において異なる。しかしながら、直立部材5114’が、図2に例示された棒部材2014といった円柱形状を備えている他の実施形態が構想される。
【0138】
使用時において、第2のリング3200は、図17及び図19に関して先に論じたように、ヘッド貫通部アダプタ6に取り付けられる(例えば、溶接される)。次に、スプリットクランプアセンブリ5000’は、スプリットクランプアセンブリ5000に関して上で論じたように、サーマルスリーブ10の周囲に配置される。スプリットクランプアセンブリ5000’は、次に、直立棒部材5114’が第2のリング3200の開口部3218内に受容されるまで、ヘッド貫通部アダプタ6に向けて摺動される。所望の配置が一旦達成されると、スプリットクランプアセンブリ5000’は、先に論じたように、締結具5300を締めることにより、サーマルスリーブ10にクランプされることができる。少なくとも1つの実施形態において、スプリットクランプアセンブリ5000’をサーマルスリーブ10にクランプした後に、スプリットクランプアセンブリ5000’は、サーマルスリーブ10に溶接されることができる。
【0139】
図28図31は、改変されたサーマルスリーブ10’の軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタ6に対する改変されたサーマルスリーブ10’の回転を阻止、低減、及び/又は、防止するように構成されているデバイス7000を描いている。デバイス7000は、貫通穴7112を有する円柱状の本体部分7100を備えている。貫通穴7112は、中心軸CAを規定しており、サーマルスリーブ10’を受容するように構成されている。本体部分7100は、さらに、ヘッド貫通部アダプタ6の底部端部を受容するように構成されている段付き部分7110を備えている。図31に例示されるように、本体部分7100は、さらに、中心軸CAの両側に間隔を取って配置された一対の貫通穴7114を備えている。貫通穴7114は、中心軸CAに直角をなす軸を規定している。貫通穴7114のそれぞれは、本体部分7100の外径において規定されたカウンタボア7116まで拡大している。デバイス7000は、さらに、頭部部分7220を含んだ摺動可能部材7200を備えている。摺動可能部材7200は、貫通穴7114内において摺動するように構成されている。摺動可能部材7200の頭部部分7220は、デバイス7000の本体部分7100のカウンタボア7116内に受容されるように構成されている。
【0140】
上記に加えて、さらに、改変されたサーマルスリーブ10’によって規定されたシャフト軸SAの両側に軸方向のスロット11’が規定されている。少なくとも1つの実施形態において、軸方向のスロット11’は、既存のサーマルスリーブ10内に機械加工され、改変されたサーマルスリーブ10’が生成される。軸方向のスロット11’は、改変されたサーマルスリーブ10’のシャフト軸SAの両側に配置されている。改変されたサーマルスリーブ10’のシャフト軸SAは、より詳細に以下に論じるように、デバイス7000がヘッド貫通部アダプタ6及び改変されたサーマルスリーブ10’に組み付けられると、デバイス7000の中心軸に一致する。
【0141】
使用時において、デバイス7000は、改変されたサーマルスリーブ10’上に摺動され、デバイス7000の段付き部分7110がヘッド貫通部アダプタ6の底部端部に係合するまでヘッド貫通部アダプタ6に向けて並進運動される。次に、デバイス7000は、改変されたサーマルスリーブ10’における軸方向のスロット11’に摺動可能部材7200がアライメントされるまで回転される。次に、図31に例示されるように、デバイス7000の本体部分7100は、ヘッド貫通部アダプタ6に溶接される。次に、摺動可能部材7200は、改変されたサーマルスリーブ10’の軸方向のスロット11’内へ摺動させることができ、次に、摺動可能部材7200の頭部部分7220は、デバイス7000の本体部分7100に溶接される。摺動可能部材7200及び軸方向のスロット11’は、摺動可能部材7200が軸方向のスロット11’内に受容されると、ヘッド貫通部アダプタ6に対する改変されたサーマルスリーブ10’のシャフト軸SAに沿った軸方向の並進運動は容認しつつ、改変されたサーマルスリーブ10’のシャフト軸SAの周りにおける回転の動きが制限されるように、サイズ決定され、かつ、形成されている。
【0142】
上記に加えて、さらに、少なくとも1つの代替的実施形態において、摺動可能部材7200は、デバイス7000の貫通穴7114内に規定された内ねじに噛み合う外ねじを備えている。このような配置において、摺動可能部材7200は、デバイスの本体部分7100に螺合可能に係合され、また、回転されて、摺動可能部材7200を、改変されたサーマルスリーブ10’の軸方向のスロット11’内へ並進運動させることが可能である。さらに、摺動可能部材7200が取り付けられた後に、摺動可能部材7200の頭部部分7220に溶接部が適用されてもよい。
【0143】
よって、前述の例示的な実施形態から認識されるべきこととして、開示された概念のいくつかの新規の特徴は、この設計が、既存のサーマルスリーブ及び圧縮可能サーマルスリーブ交換品の両方の上に実装することが可能であるという点である。このような配置において利用される部品は、異なる材料から成る静止コンポーネントと可動コンポーネントとの間を接続するように設計されている。この概念の実施形態は、浸漬状態において、高温であり、かつ、極めて乱流性の環境内で機能しなければならない。このデバイスの新規性の大部分は、乱流性直交流により誘発される運動を制限しつつ、スリーブの軸方向の動きを、頭部の取付中に可能にすることである。スプライン/キー溝の設計により、軸方向の運動を容認し、一方で、他の5自由度(サーマルスリーブ軸に直角をなす並進運動及び全ての回転)を抑えている。認識されるべきこととして、本明細書において提供される配置は、本開示の範囲から逸脱することなく、概して逆にされてもよい(即ち、ヘッド貫通部アダプタ/サーマルスリーブの代替物に結合される)。
【0144】
また、開示された概念は、先に論じた、サーマルスリーブ及び貫通部アダプタに結合された相互作用する要素を利用することによって、サーマルスリーブの回転を抑止することにより、サーマルスリーブ及び/又は関連付けられたヘッド貫通部アダプタの一方又は両方に対する摩耗を最小化/解消する実施形態の代替物として、サーマルスリーブのガイドファンネルと、下方の対応するガイドチューブに結合されている1つ以上の要素との間の相互作用を利用する実施形態も提供する。図32には、複数のガイドチューブ100の配置であって、そのうちのガイドチューブ100’が、開示された概念の少なくとも1つの実施形態に従って改変されている配置が示されている。より詳しくは、改変されたガイドチューブ100’は、その頂部において形成されている複数のねじ付き止まり穴102(2つが示されている)を含むように改変されている。少なくとも1つの実施形態において、ねじ付き止まり穴102は、EDMを介して止まり穴を最初に形成し、次に、そのタッピングを、遠隔操作される従来のタップを使用して施行することによって形成されていた。しかしながら、認識されるべきこととして、ねじ付き止まり穴102は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の他の好適な方法を介して形成されてもよい。また、認識されるべきこととして、ねじ付き止まり穴102の総数は、本開示の範囲から逸脱することなく変動させてもよい。
【0145】
ここで、図33及び図34を参照すると、摩耗緩和デバイス110が描かれている。摩耗緩和デバイス110は、さらに詳細に以下に論じるように、円形のリングとして形成されており、ガイドチューブ100’に結合されるように構成されている基部112と、各々が基部112から上方向に延在しており、サーマルスリーブのガイドファンネルに係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている複数の突出要素又は突出部材114と、を含んでいる。図において示されている摩耗緩和デバイス110は、4つの突出部材114を含んでいるが、認識されるべきこととして、突出部材114の総数は、本開示の範囲から逸脱することなく変動させてもよい。
【0146】
基部112の改変されたガイドチューブ100’への結合を促進するために、基部112は、それを経由して規定された複数のアパーチャ116を含んでいる。各アパーチャ116は、改変されたガイドチューブ100’の複数のねじ付き止まり穴102のうちの対応する1つにアライメントするように、対応するねじ付き止まり穴102に螺合式に係合する図36A及び図36Bに示されたものといったねじ付きボルト118を、それを経由して受容するように、配置されている。基部112は、さらに、各ねじ付きボルト118が緩むことを防止するために、複数のカラー120を含んでいる。各カラー120は、図37に示されるように、アパーチャ116のうちの対応する1つの周りに配設されており、基部112から上方向に延在している。各カラー120は、圧着ツール又は他の好適な機構を介して、各ねじ付きボルト118の頭部部分に向けて内方向に変形可能であり、カラー120がボルト118の頭部部分に対して変形されてもよく、これにより、ボルト118の回転を防止するような様式のものである。付加的に、カラー120は、ボルト118の頭部部分がボルト118の残りの部分から分離する万一の場合に、脱落部品が炉内に入り込むことを防止する。基部112をガイドチューブ100’に適正にアライメントするために、基部112は、そこから下方向に延在しており、改変されたガイドチューブ100’に基部112をアライメントする様式で、改変されたガイドチューブ100’の一部分に協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている周方向リップ122(図33)を含んでいてもよい。
【0147】
図35図36A、及び、図36Bだけでなく、再び、図33及び図34を参照すると、突出部材114のそれぞれは、サーマルスリーブ10のガイドファンネル12’の対応する部分に係合するように構成されている部分130を含んでいる。図33図34図36A、及び、図36Bの例において、部分130は、ガイドファンネル12’の内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面132を含んでいる。部分130は、さらに、面132からさらに外方向に延在しているキー134を含んでいる。例示される実施形態において、キー134は、ガイドファンネル12’において規定された対応するスロット136(例えば、EDM機械加工又は他の好適な方法を介して形成)に協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている垂直に配向されたリッジ状要素の形状を有する。各キー134と、対応するスロット136と、の間の係合により、サーマルスリーブ10の回転が阻止、低減、及び/又は、防止され、よって、回転から生じる摩耗が低減される。図36Aは、摩耗緩和デバイス110上のガイドファンネル12’の潜在的に当初の「引き上げられた」配向の一例を示している。サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12’は、スロット136がキー134にアライメントし、よって、ガイドファンネル12’及びサーマルスリーブ10を、図36Bに示されたものといった「固定」位置へ降下させるように配向されるまで、冷却材の流れの結果として回転する。
【0148】
図38及び図39は、摩耗緩和デバイス210を描いている。摩耗緩和デバイス210は、先に論じたデバイス110に類似している。摩耗緩和デバイス210は、以下により詳細に論じるように、ガイドチューブ100’に結合されるように構成された円形のリングとして形成されている基部212と、各々が基部212から上方向に延在しており、サーマルスリーブ10のガイドファンネル12に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている複数の突出部材214と、を備えている。
【0149】
デバイス210の各突出部材214の一部分230は、サーマルスリーブ10のガイドファンネル12の対応する部分に係合するように構成されており、ガイドファンネル12の内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面232を含んでいる。デバイス210が、デバイス110のキー134といったいかなるキーも含んでいないため、デバイス210は、サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12に付加的な支持面を提供するように構成されている。このことは、(例えば、面接触面積の増大による摩擦力の増大を介して)サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12の回転を阻止、低減、及び/又は、防止しつつ、サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12に対する摩耗の低減と、サーマルスリーブ10が降下する速度の低減と、を補助する。
【0150】
図40及び図41は、摩耗緩和デバイス310を描いている。摩耗緩和デバイス310は、摩耗緩和デバイス110及び210に類似している。摩耗緩和デバイス310は、円形のリングとして形成されており、ガイドチューブ100’に結合されるように構成されている基部312と、基部312から上方向に延在している複数の突出部材314と、を含んでいる。デバイス310の突出部材314のそれぞれの一部分330は、サーマルスリーブ10のガイドファンネル12の対応する部分に係合するように構成されている。各部分330は、ガイドファンネル12の外周の一部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている内方向向きのノッチ332を備えている。デバイス310が、デバイス110のキー134といったいかなるキーも含んでいないため、デバイス310は、デバイス210に類似して、サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12に付加的な支持面を提供するように構成されている。このことは、(例えば、面接触面積の増大による摩擦力の増大を介して)サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12の回転を阻止、低減、及び/又は、防止しつつ、サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12に対する摩耗の低減と、サーマルスリーブ10が降下する速度の低減と、を補助する。
【0151】
改変されたガイドチューブ100’にボルト留めされた基部112、212、及び、312を利用していた従前のデバイス110、210、及び310の代替物として、むしろ、改変していないガイドチューブ100上にクランプするいくつかの例示的な実施形態について、以下により詳細に論じる。
【0152】
図42図45は、摩耗緩和デバイス410を描いている。摩耗緩和デバイス410は、摩耗緩和デバイス110、210、及び、310に類似している。例えば、この摩耗緩和デバイスは、先に論じた、デバイス110、210、及び、310に幾分類似する基部412を含んでいるが、より詳細に以下に論じるように、基部412は、ガイドチューブ100にボルト留めされるように構成されておらず、むしろ、そこにクランプされるように構成されている点において異なる。
【0153】
摩耗緩和デバイス410は、基部412から上方向に延在しており、上述した摩耗緩和デバイス110の複数の突出部材114(図33及び図34を参照)と同じ複数の突出部材414を含んでいる。基部412は、ガイドチューブ100の頂部部分を概して取り囲むように構成されている底部部分422を含んでいる。底部部分422は、ガイドチューブ100の一部分の周囲において、底部部分422の一部分422Aから遠位端部450Aに第1の方向に周方向に延在している第1の円弧状のアーム部材450と、ガイドチューブ100の別の部分の周囲において、底部部分422の一部分422Aから、第1のアーム部材450の遠位端部450Aの近傍に配設されているものの遠位端部450Aから離れている遠位端部452Aに(第1の方向とは反対の)第2の方向に周方向に延在している第2の円弧状のアーム部材452と、を含んでいる。アーム部材450、452のそれぞれは、基部412を、よって摩耗緩和デバイス410を、ガイドチューブ100にクランプする様式で、その遠位端部450A及び452Aが共に圧縮されることが可能であるように、弾性的に変形可能である。例示される実施形態において、遠位端部450Aは、ねじ付きボルト118の一部分が遠位端部450Aを通過できるように構成されているアパーチャ454(図43)を含んでいる。遠位端部450Aは、さらに、アパーチャ454の周りに配置されており、先に論じたカラー120に類似する様式で機能するように構成されている圧着可能カラー420を備えている。遠位端部452Aは、ねじ付きボルト118により螺合式に係合されるように構成されているねじ付きアパーチャ456(図43)を含んでいる。認識されるべきこととして、本開示の範囲から逸脱することなく、アーム部材450及び452を締める(又は緩める)ための他の好適な配置が用いられてもよい。
【0154】
図46は、摩耗緩和デバイス410に類似する摩耗緩和デバイス510を描いている。例えば、摩耗緩和デバイス510は、デバイス410のものに類似する基部512を含んでいるが、基部512が、基部512の向かい合った両側に摩耗緩和デバイス510をガイドチューブ100にクランプするように構成されている2つの別個のクランプ箇所を備えている点において異なる。より具体的に、基部512は、第1のセットの第1の円弧状のアーム部材550及び第2の円弧状のアーム部材552と、第2のセットの第1の円弧状のアーム部材550及び第2の円弧状のアーム部材552と、を含んでいる。各セットは、より詳細に以下に論じるように、デバイス410の第1の円弧状のアーム部材450及び第2の円弧状のアーム部材452の配置に類似して機能する。
【0155】
摩耗緩和デバイス510は、基部512から上方向に延在しており、上述した摩耗緩和デバイス110の複数の突出部材114(図33及び図34を参照)と同じ複数の突出部材514を含んでいる。基部512は、ガイドチューブ100の頂部部分を概して取り囲むように構成されている底部部分522を含んでいる。底部部分522は、ガイドチューブ100の第1の部分の周囲において、底部部分522の一部分522Aから周方向に延在している一対の第1の円弧状のアーム部材550を含んでいる。円弧状のアーム部材550のそれぞれは、遠位端部550Aにおいて終端をなす。底部部分522は、さらに、ガイドチューブ100の(第1の部分とは反対の)第2の部分の周囲において、底部部分522の一部分522Bから周方向に延在している一対の第2の円弧状のアーム部材552を備えている。第2の円弧状のアーム部材552のそれぞれは、第1のアーム部材550の各々の対応する遠位端部550Aの近傍に配設されているものの遠位端部550Aから離れている遠位端部552Aにおいて、終端をなす。アーム部材550及び552のそれぞれは、基部512を、よって摩耗緩和デバイス510を、ガイドチューブ100にクランプする様式で、それらのそれぞれの遠位端部550A及び552Aが共に圧縮されることが可能であるように、弾性的に変形可能である。
【0156】
上記に加えて、遠位端部550Aは、さらに、アパーチャ454(図43)に類似し、ねじ付きボルト118の一部分が遠位端部552Aを通過できるように構成されているアパーチャを含んでいる。遠位端部550Aは、さらに、各アパーチャの周りに配置されており、先に論じたカラー120に類似する様式で機能するように構成されている圧着可能カラー520を備えている。さらに、遠位端部552Aは、ねじ付きアパーチャ456(図43)に類似しており、ねじ付きボルト118により螺合式に係合されるように構成されているねじ付きアパーチャを含んでいる。認識されるべきこととして、本開示の範囲から逸脱することなく、アーム部材550及び552を締める(又は緩める)ための他の好適な配置が用いられてもよい。
【0157】
図47は、さらなる別の実施形態に従った、別の摩耗緩和デバイス610を例示しており、当該デバイス610は、先に論じたデバイス410及び510に類似しているが、デバイス610の基部が、デバイス610をガイドチューブ100に保定するためにいかなるアーム部材も利用していない点において異なる。より具体的に、基部は、好適な調節可能な締結機構660を介して結合される2つの別個の部分612A及び612Bとして形成されている。例示される例において、締結機構660は、先に論じたデバイス410及び510の遠位端部550A及び552Aを締めるために使用された配置に類似しているが、認識されるべきこととして、本開示の範囲から逸脱することなく、他の好適な締結配置が用いられてよい。
【0158】
図48図54は、デバイス510及び610(図46及び図47)に類似する摩耗緩和デバイス710を描いている。例えば、摩耗緩和デバイス710は、デバイス510及び610に類似する第1の円弧状のアーム部材750及び第2の円弧状のアーム部材752の遠位端部750A及び752Aを備えている。さらに、摩耗緩和デバイス710は、先に論じたように、外方向向きの面132と、キー134と、を含む突出部材114を備えている。摩耗緩和デバイス710は、より詳細に以下に論じるように、第1の円弧状のアーム部材750及び第2の円弧状のアーム部材752の遠位端部750A及び752Aを結合するように構成されている垂直結合配置760を備えている。
【0159】
各垂直結合配置760は、クランプくさび762と、圧着カップ720と、保持プレート763と、ねじ付きボルト118と、を含んでいる。主に図52Cを参照すると、クランプくさび762は、基部764と、基部764から上方向に延在している一対の垂直延在部材766と、を含んだ概してU字形状の部材として形成されている。垂直延在部材766のそれぞれは、内方向向きの面768を含んでおり、内方向向きの面768は、内方向向きの面768間において概してV字形状の溝770が規定されるように、外方向に向かう角度で配設されている。例示において、内方向向きの面768の各々は、円柱の一部分として形作られているが、認識されるべきこととして、本開示の範囲から逸脱することなく、他の配置が用いられてもよい。基部764は、基部764に規定されており、ボルト118のねじ付き部分により螺合式に係合されるようにサイズ決定され、かつ、構成されている垂直配向ねじ付き穴772を含んでいる。
【0160】
主に図52Bを参照すると、円弧状のアーム部材750及び752の遠位端部750A及び752Aのそれぞれは、クランプくさび762の内方向向きの面768のうちの対応する1つに係合するように対応して形作られ、かつ、配置されている係合面778を含んでいる。また、遠位端部750A及び752Aのそれぞれは、圧着カップ720の底面から延在して協働式に形作られた突起782(図52A)により係合されるスロット780も含んでいる。遠位端部750A及び752Aのそれぞれは、組み付けられると、係合面778が内方向向きの面768に係合されるように、クランプくさび762のV字形状の溝770内に配置される。保持プレート763におけるアパーチャは、クランプくさび762の垂直延在部材766の上方に延在している突起785にアライメントされる。次に、保持プレート763は、V字形状の溝770内に遠位端部750A及び752Aを捕捉するために、クランプくさび762の垂直延在部材766の頂部に(例えば、プラグ溶接部784を介して)結合される。次に、ボルト118を、圧着カップ720を経由して挿入し、遠位端部750Aと遠位端部752Aとの間を通過させ、クランプくさび762の基部764におけるねじ付き穴772内に入れる。
【0161】
使用時には、摩耗緩和デバイス710の基部がガイドチューブ100の周囲に置かれ、次に、ボルトが締められて、摩耗緩和デバイス710をガイドチューブ100にクランプする。より具体的には、ボルト118が例えば時計回り方向に回転されると、クランプくさび762は、上方向に(即ち、ボルト118の圧着カップ720に向けて)動く。クランプくさび762が上方向に動くにつれて、クランプくさび762の内方向向きの面768は、遠位端部750A及び752Aの係合面778に係合する。よって、遠位端部750A及び752Aがクランプされ、よって、摩耗緩和デバイス710は、ボルト118が時計回り方向に回転されると、ガイドチューブ100の周囲においてクランプされる。ボルト118が反時計回り方向に回転されて、摩耗緩和デバイスをガイドチューブ100にクランプする他の実施形態が構想される。
【0162】
認識されるべきこととして、各垂直結合配置760は、完全に締められた配置(即ち、第1の円弧状のアーム部材750及び第2の円弧状のアーム部材752がガイドチューブ100に対して締められているとき(即ち、図53に示されるように))だけではなく、完全に緩められた配置(即ち、第1の円弧状のアーム部材750及び第2の円弧状のアーム部材752がガイドチューブ100上に取り付けられる前にすっかり締め付け解除された配置にあるとき)の両方において、完全に組み付けられるように設計されており(即ち、図48図51に示されるように)、摩耗緩和デバイス710の取付中及び/又はガイドチューブ100からの撤去中に、容易にアクセスすることが可能な垂直に配置されたボルト118をもたらす。
【0163】
図36Aの配置に類似して、図55Aは、摩耗緩和デバイス710上のガイドファンネル12’の、潜在的に当初の「引き上げられた」配向の一例を示している。サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12’は、スロット136がキー134にアライメントされ、よって、ガイドファンネル12’及びサーマルスリーブ10を、図55Bに示される「固定」位置へ降下させるように配向されるまで、冷却材の流れの結果として回転する。しかしながら、デバイス110の外方向向きの面132がガイドファンネル12’の内方向向きの円錐面13’に接触していた図36Bの配置とは違い、デバイス710の突出部材114は、ガイドファンネル12’が図55B及び図56において示されるように「固定」位置にあるときに、その外方向向きの面132が、ガイドファンネル12’の内方向向きの円錐面13’から間隔を取って配置されるように、サイズ決定され、かつ、構成されている。認識されるべきこととして、デバイス710のこのような配置は、ガイドファンネル12’及びサーマルスリーブ10の軸方向及び横方向(或る程度の)の動きを防止しない一方で、サーマルスリーブ10及びそのガイドファンネル12’の回転を阻止、及び/又は低減、及び/又は防止するように働く。このような配置により、サーマルスリーブ10のフランジ付き頂部がヘッド貫通部アダプタ6に接触したままであり、よって、CRDMラッチアセンブリ内部の水との熱導通を防止することが保証される。
【0164】
図57図61は、円形のリングとして形成されており、かつ、改変されたガイドチューブ100’(先に論じたような、例えば、図32参照)に結合されるように構成されている基部812を有する基部部分811を備えている摩耗緩和デバイス810を描いている。摩耗緩和デバイス810は、さらに、複数の内側突出部材814と、複数の外側突出部材815と、を備えている。内側突出部材814のそれぞれは、基部812の径方向内側部分から概して上方向及び内方向に延在しており、サーマルスリーブ10のガイドファンネル12の内側円錐面に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている。例示される実施形態において、摩耗緩和デバイス810は、4つの内側突出部材814を含んでいるが、認識されるべきこととして、突出部材814の総数は、この開示の範囲から逸脱することなく変動させてもよい。外側突出部材815のそれぞれは、基部812の径方向外方向部分から概して上方向に延在しており、外方向に及び僅かに上方向に向いたリッジ840を含んでいる。摩耗緩和デバイス810は、2つの外側突出部材815を含んでいるが、認識されるべきこととして、外側突出部材815の総数は、本開示の範囲から逸脱することなく変動させてもよい。
【0165】
基部812は、改変されたガイドチューブ100’に基部812を結合するために、基部812を通過する複数のアパーチャ816を含んでいる。各アパーチャ816は、(先に論じた)改変されたガイドチューブ100’の複数のねじ付き止まり穴102のうちの対応する1つにアライメントするように、かつ、(図36A及び図36Bのねじ付きボルト118といった)ねじ付きボルトであって、対応するねじ付き止まり穴102(例えば、図36A及び図36Bに示される配置に類似)に螺合式に係合するねじ付きボルトを受容するように、配置されている。例示される実施形態において、各アパーチャは、基部812におけるカウンタボア826により取り囲まれて、ねじ付きボルトの頭部を据え付ける。しかしながら、各アパーチャが、先に論じたように、ねじ付きボルトが稼働中に緩むことを防止するように圧着可能であるカラーにより取り囲まれている他の実施形態が構想される。基部812をガイドチューブ100’に適正にアライメントするために、基部812は、そこから下方向に延在している周方向リップ822を含んでもよく、周方向リップ822は、改変されたガイドチューブ100’に基部812をアライメントする様式で、改変されたガイドチューブ100’の一部分に協働式に係合するように、サイズ決定され、かつ、構成されている。
【0166】
図57図61の参照を続けると、摩耗緩和デバイス810は、さらに、ガイドファンネル12に、その円錐部分の直上において概して結合され、ガイドファンネル12の回転を抑止する様式で基部部分811に係合するように構成されているケージ842を含んでいる。より具体的に、ケージ842は、上側カラー844と、下側リング846と、上側カラー844と下側リング846との間に架け渡されて、上側カラー844及び下側リング846を接続する複数の接続部材848と、を含んでいる。下側リング846は、下側リング846において規定され、かつ、周方向に間隔を取って配置された複数のノッチ部分850を含んでいる。各ノッチ部分850は、ガイドファンネル12の回転を抑止する様式で、基部部分811の、対応して配置された外側突出部材815のうちの1つに係合するように構成されている。図57図61に例示される実施形態においては、2つのノッチ部分850のみが、基部部分811の外側突出部材815により係合されている。しかしながら、2つよりも多いか又は少ないノッチ部分850が2つよりも多いか又は少ない外側突出部材815により係合されている(即ち、2つよりも多いか又は少ない外側突出部材815が設けられ得る)他の実施形態が構想される。
【0167】
上記に加えて、ケージ842は、さらに、ねじ付きボルト818を介して共に結合される2つの別個の部分842A及び842Bとして形成されている。例示される実施形態において、ボルトは、ケージ842の頂部及び底部において、並びに、ケージ842の両側に、配置されている(即ち、全部で4つのボルト818が設けられている)。例えば、4つよりも多いか又は少ないボルトを有している他の実施形態が構想される。ケージ842は、さらに、先に論じたものと同じ様式で機能し、ケージ842の部分842Aから延在している圧着可能カラー820を備えている。カラー820は、ボルト818がケージ842に組み付けられると、各ボルト818の頭部部分を取り囲む。認識されるべきこととして、ケージ842は、2つの部分842A及び842Bへと分離可能であることにより、取り付けられているサーマルスリーブ10上のガイドファンネル12に、容易に後付けされ得る。また認識されるべきこととして、ケージ842は、本開示の範囲から逸脱することなく、単一の単体の部材として、又は、共に結合され得る2つよりも多い部分で、形成されていてよい。
【0168】
図62及び図63は、円形のリングとして形成されており、改変されたガイドチューブ100’(先に論じたものといった、例えば、図32参照)に結合されるように構成されている基部912を有する基部部分911を備えている摩耗緩和デバイス910を描いている。摩耗緩和デバイス910は、さらに、図57図61の配置に類似しており、ガイドファンネルの内側円錐面がその上に据え付けられるように構成されている複数の内側突出部材を備えている。デバイス910は、さらに、ガイドファンネル12に向けて基部部分911から上方向に突出する複数の突出部材915を備えている。突出部材915の各々は、平坦な頂面940を含んでいる。例示される実施形態において、摩耗緩和デバイス910は2つの突出部材915を含んでいるが、認識されるべきこととして、突出部材915の総数は、本開示の範囲から逸脱することなく変動させてもよい。
【0169】
基部912は、改変されたガイドチューブ100’に基部912を結合するために、基部912を通過する複数のアパーチャ916を含んでいる。各アパーチャ916は、(先に論じた)改変されたガイドチューブ100’の複数のねじ付き止まり穴102のうちの対応する1つにアライメントするように、かつ、(図36A及び図36Bのねじ付きボルト118といった)ねじ付きボルトであって、対応するねじ付き止まり穴102(例えば、図36A及び図36Bに示される配置に類似)に螺合式に係合するねじ付きボルトを受容するように、配置されている。各ねじ付きボルトが緩むことを防止するために、基部912は、さらに、複数のカラー920を含んでおり、各カラー920は、アパーチャ916のうちの対応する1つの周りにおいて配設されており、基部912から上方向に延在している。各カラー920は、圧着ツール(図示せず)又は他の好適な機構を介して、各ねじ付きボルトの頭部部分に向けて内方向に変形可能であり、この変形は、カラー920が頭部部分に対して変形され得るためにカラー920によって係合されたねじ付きボルトの回転を防止するような様式のものである。付加的に、カラー920は、頭部部分がねじ付きボルトの残りの部分から分離する万一の場合に、脱落部品を防止する。基部912をガイドチューブ100’に適正にアライメントするために、基部912は、基部912から下方向に延在しており、かつ、改変されたガイドチューブ100’に基部912をアライメントする様式で、改変されたガイドチューブ100’の一部分に協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている、周方向リップ922を含んでいてもよい。
【0170】
図62及び図63の参照を続けると、摩耗緩和デバイス910は、さらに、ガイドファンネル12に、その円錐部分の直上において概して結合され、ガイドファンネル12の回転を抑止する様式で基部部分911に係合するように構成されているケージ942を含んでいる。より詳しくは、ケージ942は、上側カラー944と、下側リング946と、上側カラー944と下側リング946との間に架け渡されて、上側カラー944及び下側リング946を接続する複数の接続部材948と、を含んでいる。下側リング946は、下側リング946から径方向に外方向に向けて配設され、周方向に間隔を空けて配置された複数のノッチ又は窪み部分950を含んでいる。各窪み部分950は、ガイドファンネル12の軸方向の動きを可能にしつつ、ガイドファンネル12の中心軸の周りにおけるガイドファンネル12の回転を抑止する様式で、基部部分911の、対応して配置された突出部材915に係合するように構成されている。図62及び図63の例示的な実施形態においては、2つの窪み部分950のみが、基部部分911の突出部材915により係合されている。しかしながら、2つよりも多いか又は少ない窪み部分950が突出部材915に係合されている(即ち、2つよりも多いか又は少ない突出部材915が設けられ得る)他の実施形態が構想される。
【0171】
図62及び図63に例示されるように、ケージ942は、ねじ付きボルト918を介して共に結合される2つの別個の部分942A及び942Bとして形成されている。ケージ942は、さらに、先に論じたものと同じ様式で機能し、ケージ942の部分942Aから延在している圧着可能カラー920を備えている。カラー920は、ボルト918がケージ942に組み付けられると、各ボルト918の頭部部分を取り囲む。認識されるべきこととして、ケージ942は、2つの部分942A及び942Bへと分離可能であることにより、取り付けられているサーマルスリーブ10上のガイドファンネル12に容易に後付けされ得る。また認識されるべきこととして、ケージ942は、本開示の範囲から逸脱することなく、単一の単体の部材として、又は、共に結合され得る2つよりも多い部分で、形成されていてもよい。
【0172】
図64は、図34に関して先に論じた基部112に類似する基部1012と、複数の突出部材1014と、を備えている摩耗緩和デバイス1010を描いている。突出部材1014のそれぞれは、基部1012から上方向に延在しており、図65に示されるサーマルスリーブ10のガイドファンネル12’’に係合するように、サイズ決定され、かつ、構成されている。例示される実施形態において、摩耗緩和デバイス1010は、4つの突出部材1014を含んでいるが、認識されるべきこととして、突出部材1014の総数は、本開示の範囲から逸脱することなく変動させてもよい。
【0173】
基部1012は、改変されたガイドチューブ100’に基部1012を結合するために、基部1012を通過する複数のアパーチャ1016を含んでいる。各アパーチャ1016は、改変されたガイドチューブ100’の複数のねじ付き止まり穴102のうちの対応する1つにアライメントするように、かつ、対応するねじ付き止まり穴102に螺合式に係合する図66及び図67に示されるねじ付きボルト118を受容するように、配置されている。各ねじ付きボルト118が緩むことを防止するために、基部1012は、さらに、複数のカラー1020を含んでおり、各カラー1020は、アパーチャ1016のうちの対応する1つの周りにおいて配設されており、基部1012から上方向に延在している。各カラー1020は、圧着ツール(図示せず)又は他の好適な機構を介して、各ねじ付きボルト118の頭部部分に向けて内方向に変形可能であり、この変形は、カラー1020が頭部部分に対して変形され得るためにカラー1020により係合されたねじ付きボルト118の回転を防止するような様式のものである。付加的に、カラー1020は、頭部部分がねじ付きボルト118の残りの部分から分離する万一の場合に、脱落部品を防止する。基部1012をガイドチューブ100’に適正にアライメントするために、基部1012は、基部1012から下方向に突出しており、改変されたガイドチューブ100’に基部1012をアライメントする様式で、改変されたガイドチューブ100’の一部分に協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている周方向リップ1022を含んでいてもよい。
【0174】
各延在部材1014は、サーマルスリーブ10のガイドファンネル12’’の対応する部分に係合するように構成されている部分1030を含んでいる。各部分1030は、ガイドファンネル12’’の内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面1032を含んでいる。部分1030のうちの2つは、さらに、外方向向きの面1032からさらに外方向に延在している概して三角形状のキー1034を含んでいる。三角形状のキー1034は、ガイドファンネル12’’において規定された、対応する三角形状の凹み又はノッチ1036(例えば、EDM機械加工又は他の好適な方法を介して形成)に協働式に係合するように、サイズ決定され、かつ、構成されている。各三角形状のキー1034と、対応するノッチ1036と、の間の係合により、サーマルスリーブ10の回転が阻止、低減、及び/又は、防止され、よって、回転から生じる摩耗が低減される。
【0175】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の実施例に示されている。
【0176】
(例1)原子炉内において、サーマルスリーブの中心軸の周りにおけるヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するためのデバイスであって、前記サーマルスリーブ上又は前記サーマルスリーブに設けられた第1の構造と、前記ヘッド貫通部アダプタ上又は前記ヘッド貫通部アダプタに設けられた第2の構造と、を備えているデバイス。前記第1の構造及び前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの軸方向の動きを可能にしつつ、前記中心軸の周りにおける前記ヘッド貫通部アダプタに対する前記サーマルスリーブの回転を阻止するように動作可能に係合するように構成されている。
【0177】
(例2)前記第1の構造が、前記サーマルスリーブに結合されるように構成されている第1のリングを備えており、前記第1のリングが、前記第1のリングから延在している複数の棒部材を備えており、前記棒部材のそれぞれが、前記第1の構造が前記サーマルスリーブに結合されているときに、前記サーマルスリーブの前記中心軸に平行な棒軸に沿って延在しており、前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている第2のリングを備えており、前記第2のリングが、前記第2のリングに形成されている複数の貫通穴を備えており、前記貫通穴のそれぞれが、前記第2のリングが前記ヘッド貫通部アダプタに結合されているときに前記中心軸に平行な貫通穴軸を規定しており、前記第1のリングの前記棒部材のそれぞれが、前記第2のリングの対応する前記貫通穴に摺動式に係合するように構成されている、例1に記載のデバイス。
【0178】
(例3)前記第1のリングが、ステンレス鋼材料で形成されており、前記第2のリングが、合金から形成されている、例2に記載のデバイス。
【0179】
(例4)前記第2のリングが、前記ヘッド貫通部アダプタの協働式雄ねじ付き部分に係合するように構成されている雌ねじ付き部分を備えている、例2又は3に記載のデバイス。
【0180】
(例5)前記第2のリングが、前記ヘッド貫通部アダプタの下側端部を受容するように構成されている内側段付き部分を備えている、例2から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【0181】
(例6)前記第2のリングが、第1のセグメント及び第2のセグメントを備えており、前記第1のセグメントが、前記第2のリングを前記ヘッド貫通部アダプタに取り付けるように前記第2のセグメントに結合可能である、例2から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【0182】
(例7)前記複数の棒部材が、2つの棒部材を備えている、例2から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【0183】
(例8)前記第1のリングが、第1のセグメント及び第2のセグメントを備えており、前記第1のセグメントが、前記第1のリングを前記サーマルスリーブに取り付けるように前記第2のセグメントに結合可能である、例2から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【0184】
(例9)前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントのそれぞれが、インターロック部を含んでおり、前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが、前記インターロック部を介して結合可能である、例8に記載のデバイス。
【0185】
(例10)前記第1のリングが、第1のピースと、前記第1のピースとは別個の第2のピースと、を備えており、前記第1のピースが、前記複数の棒部材のうちの1つの棒部材を含んでおり、前記第2のピースが、前記複数の棒部材のうちの別の棒部材を含んでいる、例2に記載のデバイス。
【0186】
(例11)前記棒部材のそれぞれが、非円形の断面を有しており、前記貫通穴のそれぞれが、前記棒部材に対応して形作られた非円形の断面を有している、例2又は10に記載のデバイス。
【0187】
(例12)前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方が、前記第1の構造及び前記第2の構造のうちの一方を前記サーマルスリーブ又は前記ヘッド貫通部アダプタに機械的に結合するように構成されているメカクランプを備えている、例1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【0188】
(例13)前記第1の構造が、前記サーマルスリーブに結合されるように構成されているスプリットクランプを備えており、前記スプリットクランプが、複数のねじ付き締結具を介して結合されるように構成されている2つのセグメントを備えている、例1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【0189】
(例14)前記2つのセグメントのうちの一方が、前記複数のねじ付き締結具のうちの1つの圧着部分による係合のために、前記2つのセグメントのうちの一方に形成されているポケットを含んでいる、例13に記載のデバイス。
【0190】
(例15)前記2つのセグメントのうちの一方が、前記2つのセグメントのうちの一方から延在している一対の棒を備えており、前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに形成されている軸方向のスロットを備えており、記棒のそれぞれが、前記ヘッド貫通部アダプタにおけるそれぞれの前記軸方向のスロットに係合するように構成されている、例13又は14に記載のデバイス。
【0191】
(例16)前記第2の構造が、前記ヘッド貫通部アダプタに結合されるように構成されている本体部分を備えており、前記本体部分が、前記中心軸に直交して配向された複数のアパーチャを含んでおり、前記アパーチャのそれぞれが、前記アパーチャの中に配置されている摺動可能部材を備えており、前記第1の構造が、前記サーマルスリーブにおいて規定された複数のスロットを備えており、前記摺動可能部材のそれぞれが、前記サーマルスリーブにおける対応する前記スロットに係合するように構成されている、例1に記載のデバイス。
【0192】
(例17)原子炉のサーマルスリーブの摩耗を低減するためのデバイスであって、前記原子炉のガイドチューブに結合されるように構成されている基部と、前記基部から上方向に延在している複数の突起と、を備えているデバイス。前記突起のそれぞれが、前記サーマルスリーブのガイドファンネルの対応する部分に係合するように構成されている。
【0193】
(例18)前記基部が、概して円形のリングを備えている、例17に記載のデバイス。
【0194】
(例19)前記リングが、前記リングに規定された複数のアパーチャを備えている、例18に記載のデバイス。
【0195】
(例20)前記基部が、さらに、前記基部から下方向に延在している周方向リップを備えており、前記周方向リップが、前記ガイドチューブの外側部分に係合するように、サイズ決定され、かつ、構成されている、例17から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【0196】
(例21)前記基部が、さらに、複数のカラーを備えており、
前記カラーのそれぞれが、前記アパーチャのうちの対応する1つの周りに配設されており、前記基部から上方向に延在している、例17から20のいずれか一項に記載のデバイス。
【0197】
(例22)前記基部から延在している前記突起のそれぞれが、前記ガイドファンネルの内側円錐面の角度に対応する角度で配設されている外方向向きの面を備えている、例17から21のいずれか一項に記載のデバイス。
【0198】
(例23)前記外方向向きの面のそれぞれが、前記ガイドファンネルの前記内側円錐面の対応する部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている、例22に記載のデバイス。
【0199】
(例24)前記基部の前記突起のそれぞれの前記外方向向きの面が、前記外方向向きの面からさらに外方向に延在しているキーを備えており、前記キーのそれぞれが、前記ガイドファンネルに画定される対応するスロットに協働式に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている、例22又は23に記載のデバイス。
【0200】
(例25)前記キーのそれぞれが、垂直に配向されたリッジ状要素を備えている、例24に記載のデバイス。
【0201】
(例26)前記基部の前記突起のそれぞれが、前記サーマルスリーブに結合されている前記ガイドファンネルの外周の一部分に係合するようにサイズ決定され、かつ、構成されている内方向向きのノッチを備えている、例17から25のいずれか一項に記載のデバイス。
【0202】
この発明の具体的な実施形態について詳細に説明してきたが、当業者により認識されるであろうこととして、この開示の全体的な教示内容に照らして、これらの詳細に対する様々な改変物及び代替物が策定されてよく、且つ、例示的な実施形態のうちの1つ以上の選択された要素は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の実施形態からの1つ以上の要素と組み合わされてよい。したがって、開示された特定の実施形態は、例示的であることのみを意味しており、添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる全ての均等物の全容に与えられ得るこの発明の範囲に関して、限定であることを意味しない。
【0203】
当業者が認識するであろうこととして、一般に、本明細書で使用され、特に、添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図される(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「~を含んでいるが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は、「~を少なくとも有している(having at least)」と解釈されるべきであり、「含んでいる(includes)」という用語は、「~を含んでいるが、それらに限定されない(includes but not limited to)」と解釈されるべきである、等)。当業者によってさらに理解されるであろうこととして、導入された請求項記載事項において具体的な数が意図される場合、このような意図は、請求項内に明示的に記載され、このような記載事項がない場合は、このような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句の用法を、請求項記載事項を導入するために包含していることがある。しかしながら、このような句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞により請求項記載事項を導入した場合に、たとえ同じ請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」という導入句及び「a」又は「an」といった不定冠詞が含まれている場合であっても、このような導入された請求項記載事項を包含するいかなる特定の請求項も、このような記載事項を1つのみ包含する請求項に限定することを示唆するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。同じことが、請求項記載事項を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。
【0204】
加えて、導入された請求項記載事項において具体的な数が明示的に記載されている場合でも、当業者が認識するであろうこととして、このような記載事項は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきである(例えば、他に修飾語を有さない、「2つの記載事項(two recitations)」という無修飾の記載事項の場合、典型的には、少なくとも2つの記載事項、又は、2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B、及びC等のうちの少なくとも1つ(at least one of A, B, and C, etc.)」に近似する表記が使用される例では、一般に、このような構文は、当業者がこの表記を理解するであろう意味合いで意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有しているシステム(a system having at least one of A, B, and C)」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方、並びに/又は、A、B、及びCの全て、等を有するシステムを含むが、それらに限定されない)。「A、B、又はC等のうちの少なくとも1つ(at least one of A, B, or C, etc.)」に近似する表記が使用される例では、一般に、このような構文は、当業者がこの表記を理解するであろう意味合いで意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有しているシステム(a system having at least one of A, B, or C)」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方、並びに/又は、A、B、及びCの全て、等を有するシステムを含むが、それらに限定されない)。さらに、当業者によって理解されるであろうこととして、典型的には、いずれかを選ぶべき2つ以上の用語を提示している選言的な語及び/又は句は、文脈上特段求められる場合を除き、説明の中であっても、特許請求の範囲の中であっても、又は、図面の中であっても、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又は、それらの用語の両方、を含む可能性を企図すると理解されるべきである。例えば、「A又はB(A or B)」という句は、典型的には、「A」か、「B」か、又は、「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0205】
添付の特許請求の範囲について、当業者が認識するであろうこととして、本明細書における記載された動作は、概して、任意の順序で実施されてよい。また、様々な動作フロー図がシーケンスで提示されているが、理解されるべきこととして、様々な動作は、例示された以外の順序で実施されてよく、又は、並行して実施されてよい。このような代替の順序付けの例には、文脈上特段求められる場合を除き、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、漸進的、予備的、補足的、同時、逆、又は、他の変形例の順序付けが含まれ得る。さらに、「~に応答する(responsive to)」、「~に関連する(related to)」等の用語、又は、他の過去時制の形容詞は、概して、文脈上特段求められる場合を除き、このような変形例を除外することが意図されるものではない。
【0206】
留意する価値のあることとして、「1つの態様(one aspect)」、「一態様(an aspect)」、「一例示(an exemplification)」、「1つの例示(one exemplification)」等についての言及はいずれも、その態様に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれていることを意味する。よって、この明細書全体にわたり、様々な場所に出現する「1つの態様において(in one aspect)」、「一態様において(in an aspect)」、「一例示において(in an exemplification)」、及び「1つの例示において(in one exemplification)」という句は、必ずしも全てが同じ態様について言及している訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、任意の好適な様式で1つ以上の態様に組み合わされてよい。
【0207】
この明細書において参照された、及び/又は、任意の出願データシートに列挙された、特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示材料はいずれも、組み込まれた材料が本明細書と矛盾しない程度で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また、必要な程度で、本明細書に明示的に記述された開示は、参照により本明細書に組み込まれる、相克するあらゆる材料に優先する。参照により本明細書に組み込まれるとされているものの、本明細書に記述される、既存の定義、言明、又は他の開示材料と相克する、あらゆる材料又はその部分は、組み込まれた材料と既存の開示材料との間に相克が生じない程度においてのみ、組み込まれる。
【0208】
「備えている(comprise)」(また、任意の形のcomprise、例として、「備えている(comprises)」と「備えている(comprising)」)、「有している(have)」(また、任意の形のhave、例として、「有している(has)」と「有している(having)」)、「含んでいる(include)」(また、任意の形のinclude、例として、「含んでいる(includes)」と「含んでいる(including)」)、及び、「包含している(contain)」(また、任意の形のcontain、例として、「包含している(contains)」と「包含している(containing)」)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。その結果、1つ以上の要素を「備えている」か、「有している」か、「含んでいる」か、又は「包含している」システムは、それら1つ以上の要素を所有しているものの、それら1つ以上の要素のみを所有していることに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備えている」か、「有している」か、「含んでいる」か、又は「包含している」システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ以上の特徴を所有しているものの、それら1つ以上の特徴のみを所有していることに限定されない。
【0209】
要約すると、本明細書に記載した概念を用いる結果として生じる、数々の利益が記載されてきた。1つ以上の形の前述の記載は、例示及び説明を目的として提示されている。この記載は、網羅的であることも、開示された厳密な形に限定することも、意図されていない。上記の教示内容に照らして、改変又は変形が可能である。1つ以上の形が選択され記載されているが、その目的は、原理及び実際の用途について例示し、それによって、様々な形を様々な改変例と共に、企図される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするためである。本明細書と共に提出される特許請求の範囲が、全体的な範囲を定義することが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
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