IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナイキ イノベイト シーブイの特許一覧

特許7480224回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ
<>
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図1
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図2
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図3
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図4
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図5
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図6A
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図6B
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図6C
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図7
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図8A
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図8B
  • 特許-回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ 図8C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】回転ドラム式エンコーダを有する自動紐締め履物モータ
(51)【国際特許分類】
   A43C 11/16 20060101AFI20240430BHJP
   A43B 3/44 20220101ALI20240430BHJP
   B65H 75/38 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A43C11/16
A43B3/44
B65H75/38 Q
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092880
(22)【出願日】2022-06-08
(62)【分割の表示】P 2021510902の分割
【原出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2022133288
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】62/725,733
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/773,379
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】ホリー ファイル
(72)【発明者】
【氏名】サマー エル シュナイダー
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-527544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0265593(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0172483(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0151540(US,A1)
【文献】特開2005-164588(JP,A)
【文献】特開平08-254439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 1/00-19/00
A43B 3/00-23/00
B65H 75/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動紐締めシステムにおいて、
モータシャフトを含むモータと、
プロセッサ回路と、
光学エンコーダと、
印刷回路板と、
スプールと、
を備え、
前記光学エンコーダは、
主軸を画定し、第2複数セグメント間に配置される第1複数セグメントがある表面を有する、3次元エンコーダであり、前記第1複数セグメントは、第2複数セグメントとは異なる光反射特性を有し、前記3次元エンコーダは、前記モータシャフトの回転が前記3次元エンコーダを前記主軸周りに回転させるよう前記モータシャフトに固定される、該3次元エンコーダと、
前記3次元エンコーダにおける光領域内に配置され、前記第1複数セグメント及び前記第2複数セグメントのうち検出された一方のセグメントを示している信号を前記プロセッサ回路に出力するよう構成された、光センサと、
を有し、
前記プロセッサ回路は、少なくとも部分的に前記光センサから受信する信号に基づいて前記モータを動作させるよう構成されており、
前記印刷回路板の上には、前記プロセッサ回路及び前記光センサが配置されており、
前記光センサは、前記印刷回路板の第1大表面上における第1光センサ、及び、前記印刷回路板において前記第1大表面の反対側にある第2大表面上における第2光センサを、有すし、
前記スプールは、前記モータシャフトに連結され、前記モータシャフトの回転に基づいて前記紐を巻き取りまた巻き戻すよう構成されている、電動紐締めシステム。
【請求項2】
請求項1記載の電動紐締めシステムにおいて、前記3次元エンコーダは円筒形を形成する、電動紐締めシステム。
【請求項3】
請求項1記載の電動紐締めシステムにおいて、前記第1光センサと前記第2光センサとの間の間隔は、前記第1複数セグメントにおける隣接するセグメント間の間隔にほぼ等しい、電動紐締めシステム。
【請求項4】
請求項1記載の電動紐締めシステムにおいて、前記3次元エンコーダの前記表面は前記主軸に対面する、電動紐締めシステム。
【請求項5】
請求項1記載の電動紐締めシステムにおいて、前記3次元エンコーダの前記表面は前記主軸側とは反対側に対面する、電動紐締めシステム。
【請求項6】
電動紐締めシステムを作成する方法において、
プロセッサ回路を印刷回路板の上に配置するステップと、 モータを前記プロセッサ回路に動作可能に結合するステップであって、前記モータはモータシャフトを含む、ステップと、
3次元エンコーダを前記モータに対して配置するステップであって、前記3次元エンコーダは、主軸を画定し、第2複数セグメント間に配置される第1複数セグメントがある表面を有する、3次元エンコーダであり、前記第1複数セグメントは、第2複数セグメントとは異なる光反射特性を有し、前記3次元エンコーダは、前記モータシャフトの回転が前記3次元エンコーダを前記主軸周りに回転させるよう前記モータシャフトに固定される、ステップと、
光センサを、前記印刷回路板の上、かつ、前記3次元エンコーダにおける光領域内に、配置するステップであって、前記光センサは、前記第1複数セグメント及び前記第2複数セグメントのうち検出された一方のセグメントを示している信号を前記プロセッサ回路に出力するよう構成されている、ステップと、
を含み、
前記プロセッサ回路は、少なくとも部分的に前記光センサから受信する信号に基づいて前記モータを動作させるよう構成されており、
前記光センサは、前記印刷回路板の第1大表面上における第1光センサ、及び、前記印刷回路板において前記第1大表面の反対側にある第2大表面上における第2光センサを、有し、
前記電動紐締めシステムは、前記モータシャフトに連結され、前記モータシャフトの回転に基づいて前記紐を巻き取りまた巻き戻すよう構成されたスプールを備えている、方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、前記3次元エンコーダは円筒形を形成する、方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法において、前記第1光センサと前記第2光センサとの間の間隔は、前記第1複数セグメントにおける隣接するセグメント間の間隔にほぼ等しい、方法。
【請求項9】
請求項6記載の方法において、前記3次元エンコーダの前記表面は前記主軸に対面する、方法。
【請求項10】
請求項6記載の方法において、前記3次元エンコーダの前記表面は前記主軸側とは反対側に対面する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2018年8月31日に出願した米国仮出願第62/725,733号の優
先権の恩恵を主張し、これは参照により全体が本明細書に組み入れられるものとする。
【0002】
本明細書に開示する要旨は、概して、回転ドラムに基づく光学エンコーダを用いる自動
紐締めモータを有する履物品に関する。
【0003】
幾つかの実施形態を例として示すが、以下の添付図面の図に制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】例示的実施形態における履物品用の電動紐締めシステムのコンポーネントの分解図である。
図2】例示的実施形態における履物品用の電動紐締めシステムのコンポーネントの全体的ブロック図を示す。
図3】例示的実施形態における2次元ディスクを有する光学エンコーダの描写図である。
図4】例示的実施形態における3次元エンコーダの描写図である。
図5】例示的実施形態における3次元エンコーダを有する光学エンコーダの描写図である。
図6A】例示的実施形態における光学エンコーダの主軸に対して中心がずれている光学エンコーダの動作を示す説明図である。
図6B】例示的実施形態における光学エンコーダの主軸に対して中心がずれている光学エンコーダの動作を示す説明図である。
図6C】例示的実施形態における光学エンコーダの主軸に対して中心がずれている光学エンコーダの動作を示す説明図である。
図7】例示的実施形態における3次元エンコーダの別実施例の描写図である。
図8A】例示的実施形態における3次元エンコーダ用の製造プロセスを示す。
図8B】例示的実施形態における3次元エンコーダ用の製造プロセスを示す。
図8C】例示的実施形態における3次元エンコーダ用の製造プロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明による例示的方法及びシステムは、回転ドラムに基づく光学エンコーダを使用す
ることによる自動紐締めモータを有する履物品を企図する。実施例は、単にあり得る変形
例を代表するに過ぎない。他を明示しない限り、コンポーネント及び機能は随意的であり
、また組み合せ又は細分化することができ、また動作は、逐次変化させる、又は組み合わ
せる又は細分化することができる。説明目的としての以下の記載において、例示的実施形
態の完全な理解が得られるよう多くの細部を記述する。しかし、当業者には、本発明の要
旨がこれら特別な細部なしに実施できることは明らかであろう。
【0006】
靴のような履物品は、従来型及び非従来型双方の様々なコンポーネントを備えることが
できる。従来型コンポーネントは、アッパー、ソール、及び紐又は履物品内に装用者の足
を包囲及び固定するための他の固定機構を備えることができる。としては、紐を引締める
及び/又は緩めるよう電動紐締めシステムが紐に係合することができる。付加的又は代替
的電子機器は、履物品に対して、モータを動作及び駆動させる、履物品の性質に関する情
報を感知する、ディスプレイを光らせる及び/又は他の知覚に関する刺激を与える等々を
含む種々の機能性を付与することができる。
【0007】
概して、とくに、運動アクティビティの性能に指向性を持たせた履物品に関しては、サ
イズ、形状、堅牢性、履物品の重量のような特性がとくに重要であり得る。履物品のコン
ポーネントが、例えば、比較的に丈の高い、重さのある及び/又は脆弱な履物品にしがち
である場合、運動アクティビティの性能に効果的であるべき履物品の能力を減殺するおそ
れがある。
【0008】
電動紐締めシステム内に含んでいる履物品の電子機器の文脈で利用できるコンポーネン
トの1つのタイプは光学エンコーダである。光学エンコーダは、モータ及び/又は、例え
ば、モータに連結したスプールであって、紐を巻き取りまた巻き戻すスプールの回転運動
を追跡するのに利用することができる。モータ及び/又はスプールの回転を追跡すること
によって、コントローラは、紐の望ましい形態を得るためにモータ及び/又はスプールを
どのくらいより多く回転させられるかに関する情報を得ることができる。しかし、従来型
の光学エンコーダは、比較的積み上がっていく、また比較的脆弱になっていくことを含め
て、上述したような履物品の問題を生ずるおそれがある。
【0009】
従来型の光学エンコーダは、平面状、例えば、円形の場合があり得る。光学エンコーダ
は、円の軸線の周りにスピンし、また円形の上方又は下方に位置決めされる光センサがエ
ンコーダの部分に対する通過を感知することができる。全体的形状がドラム又はシリンダ
である3次元光学エンコーダが開発された。以下に詳細に説明するように、3次元光学エ
ンコーダは、製造並びに実装の双方が容易であり、この実装は、コンパクト性及び堅牢性
の双方ともに従来型の2次元光学エンコーダよりも高いものである。
【0010】
図1は、例示的実施形態における履物品用の電動紐締めシステムのコンポーネントの分
解説明図である。このシステムは履物品に関して説明するが、履物品に関して説明する原
理は、多様な装用可能な任意の物品にも等しく適用されると認識及び理解すべきである。
図1に示す電動紐締めシステム100は、ハウジング構造103を有する紐締めエンジン
102、蓋104,アクチュエータ106、ミッドソールプレート108、ミッドソール
110、及びアウトソール112を備える。図1は、自動紐締め履物品プラットフォーム
のコンポーネントの基本的組立てシーケンスを示す。電動紐締めシステム100は、ミッ
ドソールプレート108をミッドソール内に固定することから開始する。次に、アウトソ
ール112に埋設することができるインタフェースボタンに対向するミッドソールプレー
トの側面における開口内にアクチュエータ106を挿入する。次に、紐締めエンジン10
2をミッドソールプレート108内に落とし込む。実施例において、紐締めシステム10
0は紐締めケーブルの連続ループの下に挿入され、また紐締めケーブルは紐締めエンジン
102内のスプールに整列する(以下に説明する)。最終的に、蓋104をミッドソール
プレート108における溝内に挿入し、閉鎖した状態に固定し、またミッドソールプレー
ト108における窪み内に係止する。蓋104は、紐締めエンジン102を捕捉し、また
動作中における紐締めケーブルの整列維持を支援することができる。
【0011】
図2は、例示的実施形態における電動紐締めシステム100のコンポーネントの全体的
ブロック図を示す。システム100は、電動紐締めシステムにおける幾つかの、ただし必
ずしもすべてである必要はないコンポーネント、例えば、インタフェースボタン200、
足存在センサ202、プロセッサ回路204を有する印刷回路板アセンブリ(PCA)を
包囲する紐締めエンジンハウジング102、バッテリー206、受信コイル208、光学
エンコーダ210、モーションセンサ212、及び駆動機構214を備える。光学エンコ
ーダ210は、光センサと、この光センサによって独立して検出可能なはっきりと区別で
きる部分を有するエンコーダとを有する。駆動機構214は、とりわけ、モータ216、
トランスミッション218、及び紐スプール220を有することができる。モーションセ
ンサ212は、とりわけ、単一軸線又は多重軸線加速度計、磁力計、ジャイロメーター、
又はハウジング構造102の若しくはハウジング構造102内あるいはそれに結合される
1つ又はそれ以上のコンポーネントの動きを感知するよう構成された他のセンサ又はデバ
イスを有することができる。一実施例において、電動紐締めシステム100は、プロセッ
サ回路204に接続される磁力計222を備える。
【0012】
図2の実施例において、プロセッサ回路204は、インタフェースボタン200、足存
在センサ202、バッテリー206、受信コイル208、及び駆動機構214のうち1つ
又はそれ以上とデータ又は電力の信号を通信する。トランスミッション218はモータ2
16をスプールに連結して、駆動機構214を形成する。図2の実施例において、ボタン
200、足存在センサ202、及び環境センサ224は、紐締めエンジン102の外側又
は部分的に外側に示す。一実施例において受信コイル208は、紐締めエンジン102の
ハウジング103上又はその内部に位置決めする。
【0013】
種々の実施例において、受信コイル208は、ハウジング103の外側大表面、例えば
、頂部又は底部の表面上に位置決めし、また特別な実施例においては底部表面に位置決め
する。種々の実施例において、受信コイル208はチー(qi)充電コイルであるが、任
意の好適なコイル、例えば、A4WP充電コイルを代わりに利用することができる。
【0014】
一実施例において、プロセッサ回路204は駆動機構214の1つ又はそれ以上の局面
を制御する。例えば、プロセッサ回路204は、ボタン200からの、及び/又は足存在
センサ202からの、及び/又はモーションセンサ212からの情報を受け取り、またこ
れに応答して駆動機構214を制御する、例えば、足の周りに履物を引締める又は緩める
よう構成することができる。一実施例において、プロセッサ回路204は、付加的又は代
替的に、その他の機能のうち足存在センサ202又は他のセンサからのセンサ情報を取得
又は記録するコマンドを発生するよう構成される。一実施例において、プロセッサ回路2
04は、(1) 足存在センサ202を用いて足の存在を検出する、及び(2) モーションセン
サ212を用いて特別な仕草を検出することで、駆動機構214の動作を調節する。
【0015】
環境センサ224からの情報を用いて、足存在センサ202のベースライン又は基準値
をアップデート又は調整することができる。以下にさらに説明するように、容量性足存在
センサによって測定されたキャパシタンス値は、時間の経過にわたり、例えば、センサ近
傍の周囲条件に応じて変動し得る。環境センサ224からの情報を用いてプロセッサ回路
204及び/又は足存在センサ202は、測定又は感知したキャパシタンス値をアップデ
ート又は調整することができる。
【0016】
図3は、例示的実施形態における2次元ディスク302を有する光学エンコーダ300
の描写図である。光学エンコーダ300は、図2のブロック図における光学エンコーダ2
10として動作することができる。2次元ディスク302は、大表面304がモータ21
6のシャフト306を有するモータ216に向かって対面する状態で位置決めし、シャフ
ト06は、ディスク302のほぼ中心308に貫通するトランスミッション218に係合
する。ディスク302はシャフト306に固定し、この固定は、シャフト306が回転す
るとき、ディスク302も回転するように行う。ディスク302は、複数の交互の暗セグ
メント310及び反射セグメント312を有する。光センサ314は印刷回路板(PCB
)316上に位置決めする。印刷回路板316は、ディスク302に対する光センサ31
4の向きに基づいて、プロセッサ回路204及び他のコンポーネントが位置決めされるP
CBとは異なるPCBとすることができる。
【0017】
モータ216がシャフト306を回転するとき、ディスク302も同様に回転して、暗
セグメント及び反射セグメント310、312が光センサ314を通過するようにさせる
。光センサ314は、各セグメント310、312プロセッサ回路204を通過すること
を示す信号を出力する。プロセッサ回路204は各セグメント310、312の通過に同
調して、シャフト306がどのくらい多く回転したか、及びひいてはスプール220がど
のくらい多く回転したかを認識することができる。
【0018】
しかし、2次元ディスク302を有する光学エンコーダ210は、本明細書で開示する
ように、3次元ディスク302と比較すると幾つかの欠点があり得る。とくに、ディスク
302を精密に製造する課題は、コストを上昇させ、また信頼性を低下させるおそれがあ
る。セグメント310、312間の不明確又は「ファジー」なエッジは、セグメント31
0、312が光センサ314の視界内で移行するときに各セグメント310、312を識
別する光センサ314の信頼性を損なうおそれがある。
【0019】
図4は、例示的実施形態における3次元エンコーダ400の描写図である。3次元エン
コーダ400はドラム式エンコーダであり、ドラム部分402と、この円筒形部分に結合
し、また例えば、モータシャフト306に3次元エンコーダ400を固定するよう構成さ
れた固定部分404とを有する。固定部分は、中実とすることができる、又はドラム部分
402とシャフト306との間に延在する個別部分、例えば、スポーク等とすることがで
きる。
【0020】
図示のように、ドラム部分402は円筒状でありかつ円形断面を有するが、円錐状、八
角形状、等々の種々の適当なジオメトリのうち任意なものが考えられる。2次元ディスク
300におけるように、ドラム400は、第2複数セグメント408、例えば、反射セグ
メント間に交互に位置決めされる第1複数セグメント406、例えば、暗セグメントを有
する。第1及び第2の複数セグメント406、408は、ドラム部分402の外面410
に位置決めされる。
【0021】
図5は、例示的実施形態における3次元エンコーダ400を有する光学エンコーダ50
0の描写図である。光学エンコーダ500は図2のブロック図における光学エンコーダ2
10のように動作することができる。3次元エンコーダ400に加えて、光学エンコーダ
500は、第1光センサ504及び第2光センサ506を含む光センサ502を有し、こ
れら第1及び第2の光センサそれぞれは、3次元エンコーダ400の光領域508内にあ
り、この光領域508は、第1及び第2の光センサ504、506が第1及び第2の複数
セグメント406、408間の相違を識別できる距離である。このように光領域508は
、第1及び第2の光センサ504、506の異なるタイプ間で異なる。外観設計要件が光
センサ502と3次元エンコーダ400との間の特定距離を必要とする場合、第1及び第
2の光センサ504、506は、少なくともその距離と同程度の長さの光領域508を有
するよう選択することができる。
【0022】
第1光センサ504はPCB316の第1大表面510上に位置決めするとともに、第
2光センサ506はPCB316の第2大表面512上に位置決めする。図示の実施形態
において、第1及び第2の光センサ504、506は、第1及び第2の複数セグメント4
06、408の各個における高さ516にほぼ等しい垂直方向間隔514を有する、例え
ば、高さ516の約5%の範囲内にある。このように、第1及び第2の光センサ504、
506各々は、同一タイプのセグメント双方を検出する、すなわち、暗セグメント又は反
射セグメントの双方を検出する。第1及び第2の光センサ504、506各々が同一タイ
プのセグメントを検出しない場合、例えば、第1光センサ504が第1複数セグメント4
06のうち1つを検出し、また第2光センサ506が第2複数セグメント408のうち1
つを検出する(又はその逆で検出する)場合、この不一致は、即座に第1及び第2の光セ
ンサ504、506の双方が同一タイプのセグメント406、408を検出するよう解決
することが期待され得る。
【0023】
光センサ502の特別な形態を説明したが、光センサの数及び向きは異なる実施形態間
で変化し得ることを付記及び強調する。したがって、光センサ502の他の実施例では単
に1個の個別光センサを有することができるとともに、光センサ502のさらに3つ又は
それ以上の個別光センサを有することができる。しかし、種々の実施例において、各光セ
ンサはPCB316の大表面510、512のうち一方に位置決めする。
【0024】
図6A~6Cは、例示的実施形態における光学エンコーダ500の主軸600に対して
中心がずれている光学エンコーダ500の動作を示す。図6Aにおいて、モータシャフト
306(図示せず)が貫通する固定部分404における開口部604の中心602は、主
軸600に対して或る距離オフセットしている。図6Bにおいて開口部604がシャフト
306(図示せず)の周りに固着された状態で、外表面410及びひいては第1及び第2
の複数セグメント406、408は、光センサ502の第1距離606の範囲内にある。
図6Cにおいては、光学エンコーダ500が図6Bの状態に対して半回転を完了しており
、外表面410が光センサ502の第2距離608の範囲内にあり、この第2距離608
は、中心がずれた開口部604がモータシャフト306の周りに固着されていることに起
因して、第1距離よりも大きい。
【0025】
主軸600と開口部の中心との間におけるオフセットは、製造プロセスにおける予期せ
ぬ結果であり得る。しかし、光センサ500の特性に起因して、第1及び第2の複数セグ
メント406、408それぞれの見掛けの高さ516(図5参照)は同一のままに留まる
が、これに反して2次元光センサ300のディスク302(図3参照)のセグメント31
0、312の見かけのサイズは、同様のオフセットがある場合に変化する。この結果とし
て、このような不一致の問題は、単に光センサ502の焦点距離の相違を生ずる結果とな
る。焦点距離の相違は、光センサ502を光センサ502の光領域508の範囲内にする
ことによって解消することができる。このようにして、光学エンコーダ500は製造プロ
セスでの差異を、光学エンコーダ300の製造プロセスで許容できる差異よりも大きく許
容することができ、並びに使用中における通常の摩耗及び破損に対する堅牢性をより高く
することができる。
【0026】
図7は、例示的実施形態における3次元エンコーダ700の別実施例の描写図である。
3次元エンコーダ700は、それ以外は3次元エンコーダ400と同一特性を有すること
ができる。すなわち、第1及び第2の複数セグメント406、408をドラム部分402
の外表面に有するのではなく、3次元エンコーダ700は、第1及び第2の複数セグメン
ト406、408を内表面702に有している。3次元エンコーダ700は、それ以外は
光センサ500と類似する構成にして利用することができ、光センサ502は内表面70
2を感知するよう位置決めされる。
【0027】
図8A~8Cは、例示的実施形態における3次元エンコーダ500、700用の製造プ
ロセスを示す。
【0028】
図8Aにおいて、細長い第1及び第2の複数セグメント406、408のシート800
を個別の細条802に切断する。シート800は、任意の適当な材料、例えばマイラー(
登録商標)で作成し、また暗セグメント、例えば第1複数セグメント406をシート80
0の大表面804上に印刷する。反射セグメント、例えば第2複数セグメント408は、
マイラーを未処理又はほとんど未処理にしておく。
【0029】
図8Bにおいて、細条802を折り曲げ、大表面804、すなわち印刷側が所望に応じ
て外表面508又は内表面702のいずれかにあるようにする。第1端部806を第2端
部808に固定してループを作成する。
【0030】
図8Cにおいて、細条802を所望に応じて3次元エンコーダ500、700を形成す
るようフレーム810に結合する。フレーム810は、固定部分404及びドラム812
を有し、ドラム812に細条802を固着してドラム部分4402を形成する。
【実施例
【0031】
実施例1において、履物品は、ミッドソールと、ミッドソールに対して固定されるアッ
パーと、ミッドソール内に位置決めされる電動紐締めシステムであって、紐の張力を増減
するため紐に係合するよう構成される、該電動紐締めシステムとを備え、電動紐締めシス
テムは、モータシャフトを含むモータ、モータシャフトに連結され、モータシャフトの回
転に基づいて紐を巻き取りまた巻き戻すよう構成されたスプール、プロセッサ回路、及び
光学エンコーダを有し、この光学エンコーダは、主軸を画定し、また第2複数セグメント
間に位置決めされる第1複数セグメントがある表面を有する3次元エンコーダであって、
第1複数セグメントは、第2複数セグメントとは異なる光反射特性を有し、モータシャフ
トの回転が3次元エンコーダを主軸周りに回転させるようモータシャフトに固定される、
該3次元エンコーダと、及び円筒形のエンコーダにおける光領域内に位置決めされ、第1
複数セグメント及び第2複数セグメントのうち検出された一方のセグメントを示している
信号をプロセッサ回路に出力するよう構成された光センサと、を備え、プロセッサ回路は
、少なくとも部分的に光センサから受信する信号に基づいてモータを動作させるよう構成
されている。
【0032】
実施例2において、実施例1の履物品は、随意的に、さらに、前記3次元エンコーダは
円筒形をなす。
【0033】
実施例3において、実施例1及び2のうち任意な1つ又はそれ以上における履物品は、
随意的に、さらに、前記電動紐締めシステムが印刷回路板(PCB)を備え、前記PCB
上に前記プロセッサ回路及び前記光センサを位置決めする。
【0034】
実施例4において、実施例1~3のうち任意な1つ又はそれ以上における履物品は、随
意的に、さらに、前記光センサは、前記PCBの第1大表面上における第1光センサ、及
び前記PCBの第2大表面上における第2光センサを有する。
【0035】
実施例5において、実施例1~4のうち任意な1つ又はそれ以上における履物品は、随
意的に、さらに、前記第1光センサと前記第2光センサとの間の間隔が、前記第1複数セ
グメントにおける隣接するセグメント間の間隔にほぼ等しい。
【0036】
実施例6において、実施例1~5のうち任意な1つ又はそれ以上における履物品は、随
意的に、さらに、前記3次元エンコーダの表面が前記主軸に対面する。
【0037】
実施例7において、実施例1~6のうち任意な1つ又はそれ以上における履物品は、随
意的に、さらに、前記3次元エンコーダの表面が前記主軸側とは反対側に対面する。
【0038】
実施例8において、履物品を作成する方法は、ミッドソールをアッパーに固定するステ
ップと、紐をアッパーに通すステップと、及び前記紐の張力を増減するため紐に係合する
よう構成される電動紐締めシステムをミッドソール内に位置決めするステップとを備え、
前記電動紐締めシステムは、モータシャフトを含むモータ、モータシャフトに連結され、
モータシャフトの回転に基づいて紐を巻き取りまた巻き戻すよう構成されたスプール、プ
ロセッサ回路、及び光学エンコーダを有し、この光学エンコーダは、主軸を画定し、また
第2複数セグメント間に位置決めされる第1複数セグメントがある表面を有する3次元エ
ンコーダであって、前記第1複数セグメントは、前記第2複数セグメントとは異なる光反
射特性を有し、前記モータシャフトの回転が前記3次元エンコーダを主軸周りに回転させ
るようモータシャフトに固定される、該3次元エンコーダと、及び前記円筒形のエンコー
ダにおける光領域内に位置決めされ、第1複数セグメント及び第2複数セグメントのうち
検出された一方のセグメントを示している信号をプロセッサ回路に出力するよう構成され
た光センサと、を備え、前記プロセッサ回路は、少なくとも部分的に前記光センサから受
信する信号に基づいてモータを動作させるよう構成されている。
【0039】
実施例9において、実施例8の方法は、随意的にさらに、前記3次元エンコーダは円筒
形をなす。
【0040】
実施例10において、実施例8及び9のうち任意な1つ又はそれ以上における方法は、
随意的に、さらに、前記電動紐締めシステムが印刷回路板(PCB)を備え、このPCB
上に前記プロセッサ回路及び前記光センサを位置決めする。
【0041】
実施例11において、実施例8~10のうち任意な1つ又はそれ以上における方法は、
随意的に、さらに、前記光センサが前記PCBの第1大表面上における第1光センサ、及
び前記PCBの第2大表面上における第2光センサを有する。
【0042】
実施例12において、実施例8~11のうち任意な1つ又はそれ以上における方法は、
随意的に、さらに、前記第1光センサと前記第2光センサとの間の間隔が、前記第1複数
セグメントにおける隣接するセグメント間の間隔にほぼ等しい。
【0043】
実施例13において、実施例8~12のうち任意な1つ又はそれ以上における方法は、
随意的に、さらに、前記3次元エンコーダの表面が前記主軸に対面する。
【0044】
実施例14において、実施例8~13のうち任意な1つ又はそれ以上における方法は、
随意的に、さらに、前記3次元エンコーダの表面が前記主軸側とは反対側に対面する。
【0045】
実施例15において、電動紐締めシステムは、モータシャフトを含むモータ、モータシ
ャフトに連結され、モータシャフトの回転に基づいて紐を巻き取りまた巻き戻すよう構成
されたスプール、プロセッサ回路、及び光学エンコーダを有し、この光学エンコーダは、
主軸を画定し、また第2複数セグメント間に位置決めされる第1複数セグメントがある表
面を有する3次元エンコーダであって、第1複数セグメントは、第2複数セグメントとは
異なる光反射特性を有し、モータシャフトの回転が3次元エンコーダを主軸周りに回転さ
せるようモータシャフトに固定される、該3次元エンコーダと、及び前記円筒形のエンコ
ーダにおける光領域内に位置決めされ、第1複数セグメント及び第2複数セグメントのう
ち検出された一方のセグメントを示している信号をプロセッサ回路に出力するよう構成さ
れた光センサと、を備え、プロセッサ回路は、少なくとも部分的に光センサから受信する
信号に基づいてモータを動作させるよう構成されている。
【0046】
実施例16において、実施例15の電動紐締めシステムは、随意的にさらに、前記3次
元エンコーダが円筒形をなす。
【0047】
実施例17において、実施例15及び16のうち任意な1つ又はそれ以上における電動
紐締めシステムは、随意的に、さらに、前記電動紐締めシステムが印刷回路板(PCB)
を備え、前記PCB上に前記プロセッサ回路及び前記光センサを位置決めする。
【0048】
実施例18において、実施例15~17のうち任意な1つ又はそれ以上における電動紐
締めシステムは、随意的に、さらに、前記光センサが前記PCBの第1大表面上における
第1光センサ、及び前記PCBの第2大表面上における第2光センサを有する。
【0049】
実施例19において、実施例15~18のうち任意な1つ又はそれ以上における電動紐
締めシステムは、随意的に、さらに、前記第1光センサと前記第2光センサとの間の間隔
が、前記第1複数セグメントにおける隣接するセグメント間の間隔にほぼ等しい。
【0050】
実施例20において、実施例15~19のうち任意な1つ又はそれ以上における電動紐
締めシステムは、随意的に、さらに、前記3次元エンコーダの前記表面が前記主軸に対面
する。
【0051】
実施例21において、実施例51~20のうち任意な1つ又はそれ以上における電動紐
締めシステムは、随意的に、さらに、前記3次元エンコーダの前記表面が前記主軸側とは
反対側に対面する。
【0052】
本明細書全体にわたり、複数事例は、単数事例として説明されるコンポーネント、動作
、又は構造を実装することができる。1つ又はそれ以上の方法における個別動作は別個の
動作として説明及び記載されるが、1つ又はそれ以上の個別動作は同時に実施することが
でき、またこれら動作は説明した順序で実施すべきものである必要はない。例示的形態に
おける別個のコンポーネントとして提示された構造及機能性は、組合せの構造又はコンポ
ーネントとして実装することができる。同様に、単一コンポーネントとして提示された構
造及び機能性は別個のコンポーネントとして実装することができる。これら及び他の改変
、変更、追加、及び改良は、本発明要旨の範囲内にある。
【0053】
若干の実施形態は、論理又は多数のコンポーネント、モジュール又は機構を含むものと
して記載される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、マシン可読媒体上若
しくは伝送信号内に埋め込まれたコード)又はハードウェアモジュールのいずれかを構成
することができる。「ハードウェアモジュール」は、若干の動作を実施することができる
有形ユニットであり、また若干の物理的様態で構成又は配備することができる。種々の例
示的実施形態において、1つ又はそれ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドア
ロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、若しくはサーバーコン
ピュータシステム)又はコンピュータシステムにおける1つ又はそれ以上のハードウェア
モジュール(例えば、プロセッサ若しくはプロセッサのグループ)は、ソフトウェア(例
えば、アプリケーション若しくはアプリケーション部分)によって、本明細書記載の若干
の動作を実施するよう動作するソフトウェアモジュールとして構成することができる。
【0054】
幾つかの実施形態において、ハードウェアモジュールは、機械的に、電子的に又はそれ
らの任意な適切組合せで実装することができる。例えば、ハードウェアモジュールは、若
干の動作を実施するよう不変に構成された専用回路又は論理回路を有することができる。
例えば、ハードウェアモジュールは、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・ア
レイ(FPGA)又はASICのような専用プロセッサとすることができる。ハードウェ
アモジュールは、さらに、若干の動作を実施するようソフトウェアによって一時的に構成
されたプログラマブル論理又は回路とすることもできる。例えば、ハードウェアモジュー
ルは、汎用プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるソフトウェアを
有することができる。当然のことながら、機械的に専用化及び不変に構成された回路とし
て、又は一時的に構成された回路(ソフトウェアによって構成された)としてハードウェ
アモジュールを実装する決断は、コスト及び時間を考慮してなされ得る。
【0055】
したがって、語句「ハードウェアモジュール」は、或る様態で動作するよう又は本明細
書記載の若干の動作を実施するように、物理的に構築された、不変に構成された(例えば
、配線で接続された)又は一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実体である
、有体物を包含すると理解すべきである。本明細書で使用されるように、「ハードウェア
実装モジュール(hardware-implemented module)」はハードウェアモジュールに言及す
るものである。ハードウェアモジュールが一時的に構成された(例えば、プログラムされ
た)実施形態を考慮すると、各ハードウェアモジュールは、常時構成されている又はイン
スタンス化されている必要はない。例えば、ハードウェアモジュールがソフトウェアによ
って専用プロセッサとなるよう構成される汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは
、異なる時点でそれぞれ異なる専用プロセッサ(例えば、異なるハードウェアモジュール
を有する)として構成することができる。したがって、ソフトウェアは、例えば、一時点
で特定ハードウェアモジュールを構築するよう、また異なる時点で異なるハードウェアモ
ジュールを構築するようプロセッサを構成することができる。
【0056】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに対して情報を供給及び受け
取ることができる。したがって、本明細書に記載のハードウェアモジュールは、通信によ
り結合されていると見なすことができる。多重ハードウェアモジュールが同時に存在する
場合、通信は、2つ又はそれ以上のハードウェアモジュール間で信号伝送(例えば、適切
な回路及びバス上)により達成することができる。多重ハードウェアモジュールが異なる
時点で構成又はインスタンス化されている実施形態において、このようなハードウェアモ
ジュール間における通信は、例えば、多重ハードウェアモジュールがアクセスするメモリ
構造における情報を記憶及び回収することにより達成することができる。例えば、1つの
ハードウェアモジュールは、1つの動作を実施し、また通信可能に結合されたメモリデバ
イスにその動作の出力を記憶することができる。この後、他のハードウェアモジュールが
後の時点でメモリデバイスにアクセスして、記憶した出力を回収して処理することができ
る。ハードウェアモジュールは、さらに、入力又は出力デバイスとの通信を開始し、また
リソース上で動作する(例えば、情報収集)ことができる。
【0057】
本明細書記載の例示的方法における種々の動作は、関連動作を実施するよう一時的に構
成された(例えば、ソフトウェアによって)又は不変に構成された1つ又はそれ以上のプ
ロセッサによって、少なくとも部分的に実施することができる。一時的又は不変に構成さ
れたか否かに係わらず、このようなプロセッサは、本明細書記載の1つ又はそれ以上の動
作又は機能を実施するよう動作するプロセッサ実装モジュールを構築することができる。
本明細書で使用される「プロセッサ実装モジュール(processor-implemented module)」
は、1つ又はそれ以上のプロセッサを使用して実装されるハードウェアモジュールに言及
する。
【0058】
同様に、本明細書記載の方法は、少なくとも部分的にプロセッサ実装された、ハードウ
ェアの一例であるプロセッサとすることができる。例えば、方法における少なくとも幾つ
かの動作は、1つ又はそれ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールによって実施
することができる。さらに、1つ又はそれ以上のプロセッサは、「クラウドコンピューテ
ィング」環境における、又は「ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)」として
の関連動作の実施を支援するよう動作することもできる。例えば、少なくとも幾つかの動
作は、一群のコンピュータ(例えば、プロセッサを含むマシン)によって実施することが
でき、これら動作は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、又は1つ又は
それ以上の適切なインタフェース(例えば、アプリケーション・プログラム・インタフェ
ース(API))を介してアクセス可能である。
【0059】
若干の動作パフォーマンスは、1つ又はそれ以上のプロセッサに分散させることができ
、これは単一マシン内に存在するだけでなく、多数のマシンにわたり展開させることがで
きる。幾つかの例示的実施形態において、1つ又はそれ以上のプロセッサ又はプロセッサ
実装モジュールは、単一の地理的場所(例えば、家庭環境、オフィス環境、又はサーバー
ファーム)に設置することができる。他の例示的実施形態において、1つ又はそれ以上の
プロセッサ又はプロセッサ実装モジュールは、多数の地理的場所にわたり分散させること
ができる。
【0060】
本明細書の幾つかの部分は、マシンメモリ(例えば、コンピュータメモリ)内にビット
又は二進デジタル信号として記憶したデータにおける動作のアルゴリズム又は象徴の観点
から表現される。これらアルゴリズム又は象徴は、データ処理における当業者が使用する
技術の例であり、その作業の本質は当業者に伝わるであろう。本明細書で使用される「ア
ルゴリズム」は、所望結果に至る自己無撞着動作シーケンス又は同様の処理である。この
文脈において、アルゴリズム及び動作は、物理量の物理的取り扱い操作を含む。一般的に
、必ずしもではないが、このような量は、マシンが記憶、アクセス、転送、組み合わせ、
比較、又は他の取り扱い操作できる電気的、磁気的又は光学的な信号の形態をとることが
できる。時には主に共通の使用理由として、例えば、「データ」、「コンテンツ」、「ビ
ット」、「値」、「要素」、「シンボル」、「文字」、「用語」、「番号」、「数字」等
々のようなワードを使用してこのような信号に言及するのは都合がよい。しかし、これら
ワードは単に都合のよい標識であり、適切な物理量に関連付けられるべきものである。
【0061】
他に特別に明示しない限り、「プロセッシングする」、「コンピューティングする」、
「計算する」、「決定する」、「提示する」、「表示する」等々のワードを使用しての本
明細書における詳述は、1つ又はそれ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メ
モリ、若しくはそれらの任意の適当な組合せ)、レジスタ、又は情報を受け取り、記憶し
、伝送し、又は表示する他のマシンコンポーネント内における物理的(電子的、磁気的、
又は光学的)な量として表現されるデータを取り扱い操作又は変換するマシン(例えば、
コンピュータ)のアクション又はプロセスに言及することができる。さらに、他に特別に
明示しない限り、本明細書中、特許文献で共通に使用される用語「a」、「an」は、1つ
若しくは1つより多い場合を含むものとする。最後に、本明細書使用される接続詞「又は
/若しくは(or)」は、他に特別に明示しない限り、非排他的「又は/若しくは(or)」
であることに言及する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C