(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】見守りエレベータ、エレベータによる安否確認方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B66B 3/00 20060101AFI20240430BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240430BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240430BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
B66B3/00 L
G08B21/02
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
(21)【出願番号】P 2022182626
(22)【出願日】2022-11-15
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】菅野 豊明
(72)【発明者】
【氏名】西田 岳人
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-034247(JP,A)
【文献】特開2018-169942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00
G08B 21/02
G08B 25/00
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかご内において、利用者の顔を認識できる位置に設置され、乗車する利用者の顔を撮像して顔画像を得るかご内カメラと、
前記エレベータを利用する特定利用者の顔画像が予め登録された利用者画像記憶部と、
前記エレベータを利用する際に前記かご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、前記利用者画像記憶部に記憶された顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析する解析部と、
前記解析部によって当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知する通知部と、
前記作成された利用情報を記憶する利用情報記憶部と、を備え、
前記連絡先として設定されている情報端末は、予め設定されている予定時間が経過しても前記連絡情報を受信できない場合には、前記利用情報記憶部に記憶されている利用情報を前記連絡先の情報端末から検索可能に構成される、見守りエレベータ。
【請求項2】
エレベータのかご内において、利用者の顔を認識できる位置に設置され、乗車する利用者の顔を撮像して顔画像を得るかご内カメラと、
前記エレベータを利用する特定利用者の顔画像が予め登録された利用者画像記憶部と、
前記エレベータを利用する際に前記かご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、前記利用者画像記憶部に記憶された顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析する解析部と、
前記解析部によって当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知する通知部と、
前記作成された利用情報を記憶する利用情報記憶部と、を備え、
前記かご内で撮像された画像からは特定利用者の顔画像が認識できない場合には、不特定利用者の画像として前記利用情報記憶部に記憶される、見守りエレベータ。
【請求項3】
エレベータのかご内において、利用者の顔を認識できる位置に設置され、乗車する利用者の顔を撮像して顔画像を得るかご内カメラと、
前記エレベータを利用する特定利用者の顔画像が予め登録された利用者画像記憶部と、
前記エレベータを利用する際に前記かご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、前記利用者画像記憶部に記憶された顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析する解析部と、
前記解析部によって当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知する通知部と、を備え、
前記通知部は、前記連絡情報を受信した前記情報端末からの応答が無い場合には、前記連絡情報を一定間隔で再度通知し、前記連絡情報を受信した前記情報端末からの応答が有った場合には、その後の連絡情報の通知は行わない、見守りエレベータ。
【請求項4】
前記かご内カメラは、かご内操作盤に設置された操作盤カメラであり、利用者がかごに乗った際に前記操作盤カメラで顔画像を撮像する旨を音声案内により報知する、
請求項1~3の何れか1項に記載の見守りエレベータ。
【請求項5】
前記利用者画像記憶部、解析部、および通知部は、前記エレベータを制御するエレベータ制御装置と通信回線で接続された安否確認サーバ、または前記エレベータが設置された建物を管理する管理室の管理サーバに設定されている、
請求項1~3の何れか1項に記載の見守りエレベータ。
【請求項6】
前記利用情報記憶部に記憶される利用情報は、所定時間経過後に削除される、
請求項1または2に記載の見守りエレベータ。
【請求項7】
安否確認サーバを備えたエレベータによる安否確認方法であって、
前記安否確認サーバは、
エレベータのかご内において、乗車する利用者の顔を撮像して得られた顔画像を取得し、
前記エレベータを利用する際にかご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、利用者画像記憶部に予め記憶された特定利用者の顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析し、
当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知し、
前記連絡情報を受信した前記情報端末からの応答が無い場合には、前記連絡情報を一定間隔で再度通知し、前記連絡情報を受信した前記情報端末からの応答が有った場合には、その後の連絡情報の通知は行わない、エレベータによる安否確認方法。
【請求項8】
請求項
7に記載のエレベータによる安否確認方法をコンピュータで構成される前記安否確認サーバに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、見守りエレベータ、エレベータによる安否確認方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マンション等の高層建築では、住人にとってエレベータが不可欠の移動手段となる。住人は、日々エレベータを移動手段として使うだけであり、その行動も、ある程度パターン化されている。
【0003】
近年、各種データの利活用が新たなビジネスとして捉えられている。その一つに、ホームエレベータの利用状況から独居世帯人の安否を確認するものがある。所定時間内での利用がない場合や乗場呼びの後かご呼びが設定されない、かご内荷重が設定範囲とは異なるなどで親族や福祉センタへ通知がなされるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-77652号公報
【文献】特開2020-71586号公報
【文献】特開2010-208710号公報
【文献】特開2002-65465号公報
【文献】特開2009-298495号公報
【文献】特開2017-39574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来例では、利用者が一人という条件下で成立しており、エレベータを利用する住人に対する安否確認はできない。
【0006】
そこで、マンションのように複数のエレベータ利用者が固定されている場合、エレベータの日々の利用状況によって、遠隔地に住む利用者親族等の関係者に、利用者の安否確認を行うことができる見守りエレベータ、エレベータによる安否確認方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための形態は、かご内カメラと、利用者画像記憶部と、解析部と、通知部とを備える見守りエレベータである。
【0008】
かご内カメラは、エレベータのかご内において、利用者の顔を認識できる位置に設置され、乗車する利用者の顔を撮像して顔画像を得る。利用者画像記憶部は、前記エレベータを利用する特定利用者の顔画像が予め登録する。解析部は、前記エレベータを利用する際に前記かご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、前記利用者画像記憶部に記憶された顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析する。通知部は、前記解析部によって当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知する。
【0009】
また、他の形態は、安否確認サーバを備えたエレベータによる安否確認方法である。
【0010】
前記安否確認サーバは、エレベータのかご内において、乗車する利用者の顔を撮像して得られた顔画像を取得する。次いで、前記エレベータを利用する際に前記かご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、前記利用者画像記憶部に記憶された顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析する。そして、当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知する。
【0011】
さらに、他の形態は、エレベータによる安否確認方法をコンピュータで構成される前記安否確認サーバに実現させるコンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の見守りエレベータの構成を示すブロック図。
【
図4】第1実施形態の見守りエレベータの処理手順を示すフローチャート。
【
図5】第2実施形態の見守りエレベータの構成を示すブロック図。
【
図6】第2実施形態の見守りエレベータの処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
《第1実施形態の構成》
図1は第1実施形態の見守りエレベータの構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、第1実施形態の見守りエレベータは、かご1と、かご内操作盤2と、かご内カメラとしての操作盤カメラ3、防犯カメラ4、およびドアカメラ5を備えている。また、乗場には、乗場操作盤6と、乗場カメラ7とが設置されている。また、エレベータを統括制御するエレベータ制御装置10と、エレベータ制御装置10と通信回線で接続された安否確認サーバ20とを備えている。
【0015】
かご内操作盤2は利用者の行先階をかご呼びとして登録する。
【0016】
操作盤カメラ3は、かご内操作盤2に設置され、かごに乗り込む際に利用者の顔画像を撮像する。
【0017】
防犯カメラ4は、例えばかご室内奥の天井付近に設置され、走行中は常時、かご内を撮像してかご内を監視する。
【0018】
ドアカメラ5は、ドア上に設置され、乗場を含めて利用者を撮像する。なお、これら操作盤カメラ3、防犯カメラ4、およびドアカメラ5は、利用者の顔を認識できる位置であれば設置場所は限定されない。
【0019】
乗場操作盤6は、乗場に設置され、乗場に居る利用者の操作により乗場呼びを受け付ける。
【0020】
乗場カメラ7は、例えば、乗場操作盤6に設置され、エレベータ利用者が乗場呼びを登録する際に、利用者の顔画像を撮像する。
【0021】
エレベータ制御装置10は、呼び登録部11と、カメラ画像入力部12と、走行制御部13と、利用者情報出力部14とを備えている。
【0022】
呼び登録部11は、利用者がかご内操作盤2で入力したかご呼びを登録する。
【0023】
カメラ画像入力部12は、操作盤カメラ3、防犯カメラ4、ドアカメラ5で撮像された利用者の画像を入力する。
【0024】
走行制御部13は、呼び登録部11で登録された呼びに基づいて巻上機を駆動制御してかご1の走行を制御する。
【0025】
利用者情報出力部14は、カメラ画像入力部12で得られた利用者の顔画像を安否確認サーバ20に出力する。
【0026】
安否確認サーバ20は、解析部21と、利用者画像記憶部22と、通知部23とを備えており、見守り対象者である特定利用者Aとこの特定利用者Aを見守る連絡先関係者Bとがサービス利用者として予め登録されている。ここで、「特定利用者」とは、マンションのように複数のエレベータ利用者が固定されている場合等であって、マンションに居住するエレベータ利用者等の予め見守りエレベータによる安否確認システムに登録された利用者を指す。
【0027】
解析部21は、特定利用者Aがエレベータを利用する際にかご内カメラで撮像された顔画像と、利用者画像記憶部22に記憶された顔画像とを比較して、特定利用者Aが当該エレベータが設置されている建物の居住者であるか否かを解析する。
【0028】
利用者画像記憶部22は、特定利用者の顔画像を記憶する。
【0029】
図2は、利用者画像記憶部22に登録される登録情報の一例を示している。例えば、氏名、居住階床、性別、年齢、顔画像として、正面、背面、両側面、斜め上から見た正面、連絡先(複数登録可能)、通知回数等の各情報である。
【0030】
通知部23は、解析部21によって当該建物の居住者であると認識された場合には、エレベータの利用時間を含む利用情報(
図2参照)を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先関係者Bが所持する情報端末(携帯端末30)へ通知する。
【0031】
図3は、通知部23で作成される連絡情報の一例を示している。
【0032】
連絡情報は連絡項目と連絡内容とから構成されている。例えば、連絡項目とし利用者、利用時間、エレベータ利用階や建屋名等の情報である。連絡内容は連絡項目の具体的な内容を示している。なお、連絡情報としてはテキスト文だけでなく、乗り込み時に撮像された画像または予め登録されている画像を添付したり、安否確認サーバ20内に保存することもできる。例えば、一人の親が複数の子供と両親を登録していた場合、画像があると分かりやすく、安否が確実に伝わるという効果がある。
【0033】
《第1実施形態の処理手順》
図4は、第1実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
図4において、利用者により呼び登録が有ると(ステップS1YES)、呼び登録情報はエレベータ制御装置10の呼び登録部11で入力される。利用者がかご内に乗り込むと、操作盤カメラ3で顔画像を撮像することを音声案内により報知する。これに応答して利用者が操作盤カメラ3で撮像されると、そのカメラ画像はエレベータ制御装置10のカメラ画像入力部12で入力される(ステップS2)。エレベータ制御装置10は、利用者画像と呼び登録情報とを利用者情報として安否確認サーバ20に送信される(ステップS3)。
【0035】
なお、子供のように背の低い利用者の場合、操作盤カメラ3で撮影できない場合がある。このときは、ドア上にあるドアカメラ5が有効であり、戸開した後、顔画像を撮ることをかご内スピーカから音声案内するようにしてもよい。また、操作盤カメラ3は広範囲を撮像できる魚眼カメラであってもよい。
【0036】
安否確認サーバ20では、利用者情報の入力を監視している。解析部21に利用者情報の入力が有ると(ステップS11YES)、利用者の顔画像と、利用者画像記憶部22に記憶された顔画像とが照合され、利用者が特定利用者Aであるか否かが解析される(ステップS12)。
【0037】
操作盤カメラ3で顔画像が取れなかった場合、例えば、操作盤前にいるがうまく撮像できなかった、かご呼びが既に登録されていてかご内操作盤2の前に立たなかった場合等では、かご内アナウンスでカメラ前に行くことを促す。
【0038】
2つの顔画像が一致した場合には(ステップS13YES)、エレベータ利用時間を含む連絡情報が作成される(ステップS14)。利用者画像記憶部22に予め複数の画像が記憶されている場合には、何れかの画像を使って特定するための解析を行う。両顔画像が一致せず、特定利用者として認識できない場合は(ステップS13NO)、不特定者として解析部21に一時記憶される(ステップS15)。
【0039】
ステップS14で作成された連絡情報は通知部23から連絡先関係者Bの携帯端末(またはパソコン等の情報端末)30に送信される(ステップS16)。
【0040】
通知部23は、連絡情報を連絡先関係者Bに通知後、一定時間内に応答があるか否かが判定される(ステップS17)。例えば、特定利用者が子供であり、連絡先関係者Bである親からの応答が5~10分以内に有れば、今回の安否情報通知はクローズされる。親からの応答が無い場合は、例えば、5分間隔で再度通知がされる。
【0041】
なお、かご1に3人以上が乗り込んできた場合には、運転効率を優先させ、安否確認サービスは行わない設定もできる。この場合は、安否確認サーバ20内に連絡先からのアクセスが可能な不特定利用者として保存していくようにする。
【0042】
このように、第1実施形態では、特定利用者Aが独居老人であり、連絡先関係者Bが遠隔地に住む親族である場合等であっても、独居老人の毎日の行動に照らして、エレベータ利用による安否確認をすることができる。また、特定利用者Aが子供である場合、連絡先関係者Bである親は子供の安否、行動をエレベータの利用を通して確認することができる。
【0043】
<第2実施形態>
図5は第2実施形態の見守りエレベータの構成を示すブロック図である。
【0044】
図5に示すように、第2実施形態の見守りエレベータは、安否確認サーバ20内に利用情報記憶部24を備えている。なお、他の構成は
図1に示した第1実施形態と同様であるため、同一番号を付してその説明は省略する。
【0045】
利用情報記憶部24は、エレベータ制御装置10から送信される画像が顔画像として認識できず、利用者画像記憶部22に記憶された顔画像との照合ができない場合に、不特定利用者の画像として記憶し蓄積する。また、この利用情報記憶部24は、連絡先関係者Bの携帯端末(情報端末)30からアクセス可能に構成されている。
【0046】
図6は、第2実施形態の処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS1~S3に示すエレベータ制御装置10の処理手順、ステップS11~S17に示す安否確認サーバ20の処理手順は第1実施形態と同様であるため、連絡先関係者Bが所持する情報端末30の処理手順についてのみ説明する。
【0047】
連絡先関係者Bが親であり、子供の通学時間や予定の帰宅時間にエレベータに乗ったか否か、見守り対象者である独居老人がいつもの時間にエレベータを利用したか否かを知りたい場合がある。
【0048】
そこで、連絡先関係者Bが所持する情報端末30は、予定の時間に連絡情報を受信したか否かを監視する。予定時間が経過しても連絡情報を受信しない場合には、安否確認サーバ20と接続して利用情報を検索する(ステップS23)。利用情報記憶部24には、顔画像として認識されていないが、利用者の全体画像がエレベータ利用日時とともに記憶されている。関係者である親は、その画像から自分の子供が正しくエレベータに乗車したか否かを確認することができる。見守り対象者が独居老人である場合も同様、いつもの時間にエレベータに乗車したか否かを確認することができる。なお、画像の検索等は、セキュリティ上、許可された連絡先関係者Bのみが可能である。
【0049】
エレベータの利用状況から安否が確認されると、確認処理は終了する(ステップS24)。
【0050】
第2実施形態では、特定利用者Aが子供の場合、以下に示すように有効に機能する。
【0051】
子供のエレベータ利用時間(乗り込み時と降車時)と、乗り込み階床と降車階床を親(遠隔地にいることを想定)の携帯端末やPCなどの情報端末30のメールアドレスまたはソーシャル・ネットワーク・サービスSNSのメッセンジャー機能を通して連絡する。親はその通知をみて、既読またはテキスト文を入力して安否確認サーバ20へ送信する。
【0052】
親からの応答が安否確認サーバ20に送信されたことが安否確認サーバ20で確認されると、今回の安否情報通知はクローズする。親からの送信データが来ない場合は、例えば、5分間隔で再度通知がされる。
【0053】
親と安否確認サーバ20とのやり取りは子供の携帯端末へ通知しても良い。安否情報通知がクローズする前に、子供が再度エレベータを利用した場合は、前の未確認の通知とは別に通知される。
【0054】
なお、利用情報記憶部24に記憶される利用情報は、セキュリティ上、所定時間経過後に削除されるようにしてもよい。
【0055】
このように第2実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、情報端末30側から安否確認サーバ20を検索することができるので、連絡先関係者Bは、より一層、安心感を持つことができる。
【0056】
<変形例>
以上の各実施形態に加えて、以下のような変形例がある。
【0057】
例えば、エレベータ利用時全ての通知ではなく、1日の連絡回数上限や特定時間帯での利用時だけという設定ができる。
【0058】
例えば、特定利用者によるエレベータの利用が一定時間、例えば12時間以上無かった場合も連絡先に連絡するようにしてもよい。
【0059】
連絡先関係者Bは遠隔地ではなく、特定利用者Aの同居人であってもよい。
【0060】
利用者個人の特定は、顔画像ではなく、IDカード(エレベータ側にも認識装置を設置する)や個人所有の携帯端末、音声、虹彩、静脈の生体情報でも良い。
【0061】
カメラ3,4,5とエレベータ制御装置10との通信、エレベータ制御装置10と安否確認サーバ20との通信は有線であっても無線であってもよい。また、安否確認サーバ20はエレベータを遠隔監視するシステムである遠隔監視センタ内に設置されても、建屋側システムである防災センタ等に設置されてもどちらでもよい。
【0062】
本安否情報通知サービスは保守契約を結んでいる建屋オーナのみに提供される。契約解除時はかご内カメラと制御盤内のソフトウェアを削除し、安否確認サーバ20の通信ができないようになる。
【0063】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1…かご、2…かご内操作盤、3…操作盤カメラ、4…防犯カメラ、5…ドアカメラ、6…乗場操作盤、7…乗場カメラ、10…エレベータ制御装置、11…呼び登録部、12…カメラ画像入力部、13…走行制御部、14…利用者情報出力部、20…安否確認サーバ、21…解析部、22…利用者画像記憶部、23…通知部、24…利用情報記憶部、30…携帯端末(情報端末)、A…特定利用者、B…連絡先関係者
【要約】
【課題】エレベータの日々の利用状況によって、遠隔地等に住む利用者親族等の関係者に、利用者の安否確認を行うことができるようにする。
【解決手段】かご内カメラと、利用者画像記憶部と、解析部と、通知部とを備える見守りエレベータである。かご内カメラは、エレベータのかご内において、利用者の顔を認識できる位置に設置され、乗車する利用者の顔を撮像して顔画像を得る。利用者画像記憶部は、前記エレベータを利用する特定利用者の顔画像が予め登録する。解析部は、前記エレベータを利用する際に前記かご内カメラで撮像された利用者の顔画像と、前記利用者画像記憶部に記憶された顔画像とを比較して、当該利用者が前記特定利用者であるか否かを解析する。通知部は、前記解析部によって当該利用者が特定利用者であると認識された場合には、前記エレベータの利用時間を含む利用情報を作成し、作成された利用情報を連絡情報として予め登録されている連絡先の情報端末へ通知する。
【選択図】
図1