(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】電池ケース、電池セル、電池、電池ケースの製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20240430BHJP
H01M 50/133 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/477 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/30 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240430BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240430BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/133
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/474
H01M50/477
H01M50/30
H01M50/505
H01M50/209
(21)【出願番号】P 2022547738
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 CN2020101446
(87)【国際公開番号】W WO2022006901
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 毓群
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲劍▼雄
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 志君
(72)【発明者】
【氏名】李 全坤
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 占宇
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-206814(JP,A)
【文献】特開2004-111155(JP,A)
【文献】特開2008-251438(JP,A)
【文献】特開2006-351234(JP,A)
【文献】特開2005-317324(JP,A)
【文献】特開2001-257004(JP,A)
【文献】特開2018-092726(JP,A)
【文献】特開2013-125737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
H01M 50/10-50/198
H01M 50/40-50/497
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ケースであって、圧力放出領域を備え、前記圧力放出領域は前記電池ケースの内面に設けられる第1凹溝、及び前記電池ケースの外面に設けられる第2凹溝を備え、前記第1凹溝と前記第2凹溝は対向して設けられ、
前記第1凹溝及び/又は前記第2凹溝は環状凹溝であり、前記第2凹溝の底壁に環状の第4凹溝が設けられ、第3凹溝は前記第4凹溝の底壁に設けられ、前記圧力放出領域は前記電池ケースの内部圧力が閾値に達すると前記第3凹溝で破裂して前記内部圧力を放出するように構成され
、
前記第1凹溝及び前記第2凹溝の中心領域にいずれも突出構造が設けられ、前記突出構造はそれぞれ前記第1凹溝の底壁及び第4凹溝の底壁から突出される電池ケース。
【請求項2】
前記圧力放出領域の前記第3凹溝での厚さは0.16mm~0.25mmである、請求項
1に記載の電池ケース。
【請求項3】
前記第1凹溝の底壁に垂直な軸線と前記第2凹溝の底壁に垂直な軸線は同じである、請求項1
又は2に記載の電池ケース。
【請求項4】
前記電池ケースの外面に突起があり、且つ前記第2凹溝を取り囲む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の電池ケース。
【請求項5】
前記突起が前記電池ケースの外面に対して突出する高さは0.25mm~1mmである、請求項
4に記載の電池ケース。
【請求項6】
前記第1凹溝の底壁の面積は400mm
2~1000mm
2であり、及び/又は、前記第2凹溝の底壁の面積は600mm
2~1200mm
2である、請求項
1~5のいずれか一項に記載の電池ケース。
【請求項7】
前記電池ケースの内面に対する前記第1凹溝の深さは1mm~2mmであり、及び/又は、前記電池ケースの外面に対する前記第2凹溝の深さは0.3mm~0.6mmである、請求項
1~6のいずれか一項に記載の電池ケース。
【請求項8】
前記第4凹溝の底壁の面積は200mm
2~800mm
2である、請求項
1~7のいずれか一項に記載の電池ケース。
【請求項9】
前記圧力放出領域を保護することに用いられ、前記電池ケースの外面に設けられ且つ前記第2凹溝を覆う保護シートをさらに備える、請求項1~
8のいずれか一項に記載の電池ケース。
【請求項10】
前記保護シートの厚さは0.1mm~0.2mmである、請求項
9に記載の電池ケース。
【請求項11】
中空の直方体であり且つ一端に開口を有するハウジングと、
前記ハウジングの開口を蓋合するカバープレートと、
を備える、請求項1~
10のいずれか一項に記載の電池ケース。
【請求項12】
前記圧力放出領域は前記ハウジングの底壁に位置し、前記ハウジングの底壁は前記ハウジングの開口と対向する壁である、請求項
11に記載の電池ケース。
【請求項13】
前記ハウジングの底壁の厚さは1.2mm~2mmである、請求項
12に記載の電池ケース。
【請求項14】
電池セルであって、
請求項
1~13のいずれか一項に記載の電池ケースと、
前記電池ケース内に設けられる電極組立体と、
を備え、
前記電池ケースは、
中空の直方体であり且つ一端に開口を有するハウジングと、
前記ハウジングの開口を蓋合するカバープレートと、を備え、
前記電池セルは、
前記電極組立体と前記ハウジングの底壁との間に位置するバッキングプレートをさらに備え、前記ハウジングの底壁は前記ハウジングの前記ハウジングの開口と対向する壁である、電池セル。
【請求項15】
前記圧力放出領域は前記ハウジングの底壁に位置し、前記バッキングプレートには前記圧力放出領域に対応する貫通孔が設けられることで、前記バッキングプレートは前記圧力放出領域を遮蔽しない、請求項
14に記載の電池セル。
【請求項16】
電池であって、
少なくとも1つの請求項
14又は
15に記載の電池セルを含む複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの電気的接続を実現することに用いられるバスバー部材と、
前記複数の電池セル及び前記バスバー部材を収容することに用いられる筐体と、
を備える、電池。
【請求項17】
請求項
16に記載の電池を備える、電力消費機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はエネルギー貯蔵デバイスの分野に関し、具体的には電池ケース、電池セル、電池、電池ケースの製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、体積が小さく、エネルギー密度が高く、サイクル寿命が長く、保管期間が長いなどの利点を持ち、いくつかの電子機器、電動交通機関及び電動玩具などの分野で広く使用されており、例えば、携帯電話、ノートパソコン、電動自転車、電気自動車、電動飛行機、電動船、電動玩具自動車、電動玩具船、電動玩具飛行機及び電動工具などに広く使用されている。
【0003】
リチウムイオン電池技術の継続的な発展に伴って、リチウムイオン電池の安全性の要件は高まっている。リチウムイオン電池の圧力放出機構はリチウムイオン電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、リチウムイオン電池に短絡、過充電などの現象が発生すると、リチウムイオン電池の内部に熱暴走が発生し、さらに内部気圧が急激に上昇する可能性があり、このとき、圧力放出機構は作動して内部気圧を外へ放出する必要があり、それによりリチウムイオン電池の爆発が防止される。従って、圧力放出機構の設計は極めて重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、電池の性能を向上させるために、電池ケース、電池セル、電池、電池ケースの製造方法及び装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1態様によれば、電池ケースを提供し、圧力放出領域を備え、前記圧力放出領域は前記電池ケースの内面に設けられる第1凹溝、及び前記電池ケースの外面に設けられる第2凹溝を備え、前記第1凹溝と前記第2凹溝は対向して設けられ、前記第1凹溝の底壁及び/又は前記第2凹溝の底壁に第3凹溝が設けられ、前記圧力放出領域は、前記電池ケースの内部圧力が閾値に達すると前記第3凹溝で破裂して前記内部圧力を放出するように構成される。
【0006】
本願の実施例における電池ケースに圧力放出領域が設けられ、該圧力放出領域はそれぞれ電池ケースの内外面に設けられる第1凹溝及び第2凹溝を備え、且つ、該第1凹溝の第3及び/又は第2凹溝の底壁に第3凹溝がさらに設けられてもよく、それによって圧力放出領域の第3凹溝での厚さは電池ケースのほかの領域の厚さよりも小さく、このように、電池セルの内部に熱暴走が発生する場合、電池ケースは相対的に脆弱な第3凹溝で破裂して内部圧力を放出することができ、且つ、本願の実施例における圧力放出領域は、電池ケースに圧力放出機構を別途取り付ける方式に比べて、加工過程がより簡単であり、例えば、打ち抜きの方式によって第1凹溝、第2凹溝及び第3凹溝が設けられてもよく、第1凹溝と第2凹溝は対向して設けられ、具体的には、対称打ち抜きの方式によって2つの凹溝を同時に加工してもよく、加工過程が簡単で迅速であり、また、3つの凹溝の寸法及び形状などは柔軟に設定され、実際の応用に応じて調整されてもよい。
【0007】
いくつかの実施例では、前記第3凹溝は前記第2凹溝の底壁に設けられる。
【0008】
第1凹溝が電池ケースの内面に設けられることを考慮する場合、第3凹溝が第1凹溝の底壁に設けられると、電池ケース内に電解液があるため、該電解液が第3凹溝内に蓄積し、該第3凹溝部分を腐食し、その結果、該圧力放出領域は第3凹溝で繰り上げて破裂する可能性があり、従って、通常、第3凹溝は外面に位置する第2凹溝の底壁に設けられ、それにより電解液の腐食が回避される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記圧力放出領域の前記第3凹溝での厚さは0.16mm~0.25mmである。
【0010】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁に垂直な軸線と前記第2凹溝の底壁に垂直な軸線は同じである。
【0011】
つまり、第1凹溝と第2凹溝は正対して設けられ、このように、圧力放出領域の構造は相対的に対称的であり、圧力放出領域のより正確な指向性破裂を実現することに有利である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記電池ケースの外面に突起があり、且つ前記第2凹溝を取り囲む。
【0013】
打ち抜きの方式によって第1凹溝及び第2凹溝を加工すると凹溝のエッジに通常突起が存在することを考慮する場合、該突起が内部に設けられると、内部の電極組立体の取り付けに影響し、従って、該突起をハウジングの外面に設けてもよい。
【0014】
いくつかの実施例では、前記突起が前記電池ケースの外面に対して突出する高さは0.25mm~1mmである。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁の形状及び/又は前記第2凹溝の底壁の形状は長尺状である。
【0016】
長尺状の凹溝はより加工されやすい。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁の幅及び/又は前記第2凹溝の底壁の幅は3mm~6mmである。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁の面積は150mm2~330mm2であり、及び/又は、前記第2凹溝の底壁の面積は150mm2~330mm2である。
【0019】
いくつかの実施例では、前記電池ケースの内面に対する前記第1凹溝の深さは0.4mm~0.7mmであり、及び/又は、前記電池ケースの外面に対する前記第2凹溝の深さは0.3mm~0.6mmである。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第3凹溝の底壁の形状は長尺状である。
【0021】
いくつかの実施例では、前記第3凹溝の長さは40mm~100mmである。
【0022】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝及び/又は前記第2凹溝は環状凹溝である。
【0023】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁の面積は400mm2~1000mm2であり、及び/又は、前記第2凹溝の底壁の面積は600mm2~1200mm2である。
【0024】
いくつかの実施例では、前記電池ケースの内面に対する前記第1凹溝の深さは1mm~2mmであり、及び/又は、前記電池ケースの外面に対する前記第2凹溝の深さは0.3mm~0.6mmである。
【0025】
いくつかの実施例では、前記第2凹溝の底壁に環状の第4凹溝が設けられ、前記第3凹溝は前記第4凹溝の底壁に設けられる。
【0026】
電池セルの内部に熱暴走が発生すると圧力放出領域がより破裂しやすいために、第3凹溝での厚さをより小さく設定すべきであることで、圧力放出領域内の該第3凹溝で破裂でき、より正確な指向性破裂及び排気を実現する。第2凹溝内に第4凹溝が設けられ、さらに第4凹溝の底壁に第3凹溝が設けられ、このように、薄い第3凹溝領域をより容易に得ることができる。
【0027】
いくつかの実施例では、前記第4凹溝の底壁の面積は200mm2~800mm2である。
【0028】
いくつかの実施例では、前記電池ケースは、前記圧力放出領域を保護することに用いられ、前記電池ケースの外面に設けられ且つ前記第2凹溝を覆う保護シートをさらに備える。
【0029】
いくつかの実施例では、前記保護シートの厚さは0.1mm~0.2mmである。
【0030】
圧力放出領域の電池ケースの内部から離れる側に設けられる保護シートは、圧力放出領域を外部の部材の影響から保護することができる。
【0031】
本願の実施例における圧力放出領域は凹溝によって形成され、従って、保護シートが電池ケースの外面に設けられ且つ第2凹溝を覆う場合、保護シートと圧力放出領域との間に隙間がある。このように、圧力放出領域が排気を行うとき、保護シートと圧力放出領域との間の隙間によって、圧力放出領域が一定の開放空間を有することを確保でき、且つ、保護シートが圧力放出領域に密着するとき、圧力放出領域の摩耗を引き起こすことも防止でき、圧力放出領域をさらに保護する。
【0032】
いくつかの実施例では、前記電池ケースは、中空の直方体であり且つ一端に開口を有するハウジングと、前記ハウジングの開口を蓋合するカバープレートと、を備える。
【0033】
いくつかの実施例では、前記圧力放出領域は前記ハウジングの底壁に位置し、前記ハウジングの底壁は前記ハウジングの開口と対向する壁である。
【0034】
電極端子が通常電池ケースのカバープレートに設けられることを考慮する場合、圧力放出領域もカバープレートに設けられると、電池セルの内部に熱暴走が発生するとき、圧力放出領域が破裂し、電池セルの内部気圧を放出すると同時に、液体又は固体の燃焼物を外へ噴射し、それに導電性物質が含まれる可能性があり、その結果、電極端子間の短絡を引き起こし、また、電池が車両内に取り付けられているとき、通常、電極端子が上向きであり、つまり乗客の方向を向くことを考慮する場合、圧力放出領域を電極端子と同じ側に取り付けると、圧力放出領域が破裂して放出される気流などの物質は上へ排出され、このように、乗客に火傷や熱傷を引き起こす可能性があり、乗客の危険が高まってしまう。従って、圧力放出領域がハウジングの底壁に設けられるとき、圧力放出領域が下へ排気し、上記問題を回避することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、前記ハウジングの底壁の厚さは1.2mm~2mmである。
【0036】
いくつかの実施例では、前記電池ケースは電極端子をさらに備え、前記電極端子はいずれも前記カバープレートに設けられる正電極端子及び負電極端子を備える。
【0037】
本願の第2態様によれば、電池セルを提供し、上記第1態様及び第1態様のいずれか1つの可能な実現形態に記載の電池ケースと、前記電池ケース内に設けられる電極組立体と、を備える。
【0038】
いくつかの実施例では、前記電池ケースは、中空の直方体であり且つ一端に開口を有するハウジングと、前記ハウジングの開口を蓋合するカバープレートと、を備える。
【0039】
いくつかの実施例では、前記電池セルは、前記電極組立体と前記ハウジングの底壁との間に位置するバッキングプレートをさらに備え、前記ハウジングの底壁は前記ハウジングの前記ハウジングの開口と対向する壁である。
【0040】
該バッキングプレートはさらに圧力放出領域を保護し、圧力放出領域に対する電池ケースの内部の電極組立体及び電解液の衝撃を回避することができる。
【0041】
いくつかの実施例では、前記圧力放出領域は前記ハウジングの底壁に位置し、前記バッキングプレートには前記圧力放出領域に対応する貫通孔が設けられることで、前記バッキングプレートは前記圧力放出領域を遮蔽しない。
【0042】
圧力放出領域が底壁に位置する場合、圧力放出領域の強度が電極組立体及び電解液によって破壊されないことを確保できると、電池セルの内部に熱暴走が発生するとき、バッキングプレートはガスが圧力放出領域を破裂させることを阻止する可能性を考慮し、従って、圧力放出領域をより容易に破裂させるために、バッキングプレートの部分領域を除去して回避領域を形成してもよく、例えば、圧力放出領域の位置において、バッキングプレートに1つの貫通孔が対応して設けられてもよいことで、バッキングプレートは圧力放出領域を遮蔽しない。
【0043】
本願の第3態様によれば、電池を提供し、少なくとも1つの上記第2態様及び第2態様のいずれか1つの可能な実現形態に記載の電池セルを含む複数の電池セルと、前記複数の電池セルの電気的接続を実現することに用いられるバスバー部材と、前記複数の電池セル及び前記バスバー部材を収容することに用いられる筐体と、を備える。
【0044】
本願の第4態様によれば、上記第3態様に記載の電池を備える電力消費機器を提供する。
【0045】
該電力消費機器は車両、船舶又は宇宙機であり得る。
【0046】
本願の第5態様によれば、電池ケースの製造方法を提供し、前記電池ケースの内面に第1凹溝を設置し、及び前記電池ケースの外面に第2凹溝を設置することで、前記電池ケースの圧力放出領域を形成するステップであって、前記第1凹溝と前記第2凹溝は対向して設けられるステップと、前記第1凹溝の底壁及び/又は前記第2凹溝の底壁に第3凹溝を設置するステップであって、前記圧力放出領域は、前記電池ケースの内部圧力が閾値に達すると前記第3凹溝で破裂して前記内部圧力を放出するように構成されるステップと、を含む。
【0047】
いくつかの実施例では、前記電池ケースの外面に突起があり、且つ前記第2凹溝を取り囲む。
【0048】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁の形状及び/又は前記第3凹溝の底壁の形状は長尺状である。
【0049】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝及び/又は前記第2凹溝は環状凹溝である。
【0050】
理解できるように、本願の実施例における電池ケースの製造方法は、上記第1態様及び第1態様のいずれか1つの可能な実現形態における電池ケースを製造することに使用できる。
【0051】
本願の第6態様によれば、電池ケースを製造するための装置を提供し、設置モジュールを備え、前記設置モジュールは、前記電池ケースの内面に第1凹溝を設置し、及び前記電池ケースの外面に第2凹溝を設置することで、前記電池ケースの圧力放出領域を形成することに用いられ、前記第1凹溝と前記第2凹溝は対向して設けられ、前記第1凹溝の底壁及び/又は前記第2凹溝の底壁に第3凹溝を設置することに用いられ、前記圧力放出領域は、前記電池ケースの内部圧力が閾値に達すると前記第3凹溝で破裂して前記内部圧力を放出するように構成される。
【0052】
いくつかの実施例では、前記電池ケースの外面に突起があり、且つ前記第2凹溝を取り囲む。
【0053】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝の底壁の形状及び/又は前記第3凹溝の底壁の形状は長尺状である。
【0054】
いくつかの実施例では、前記第1凹溝及び/又は前記第2凹溝は環状凹溝である。
【0055】
理解できるように、本願の実施例における電池ケースの製造装置は、上記第5態様又は第5態様のいずれか可能な実現形態における方法を実行することに使用できる。具体的には、該装置は、上記第5態様又は第5態様のいずれか可能な実現形態における方法を実行するためのユニットを備える。
【0056】
ここで説明される図面は本願をさらに理解するためのものであり、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例及びその説明は本願を解釈することに用いられ、本願を不適切に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本願における電池を用いた車両のいくつかの実施例の外形模式図である。
【
図2】本願における電池のいくつかの実施例の構造模式図である。
【
図3】本願における電池の電池モジュールのいくつかの実施例の構造模式図である。
【
図4】本願における電池セルのいくつかの実施例の分解図である。
【
図5】本願における圧力放出領域を備えた電池ケースのいくつかの実施例の模式図である。
【
図6】本願における電池セルの別のいくつかの実施例の分解図である。
【
図7】本願におけるバッキングプレートのいくつかの実施例の模式図である。
【
図8】本願における電池ケースのハウジングのいくつかの実施例の断面図である。
【
図10】本願における電池ケースのハウジングのいくつかの実施例の下面図である。
【
図13】本願における電池ケースの製造方法のいくつかの実施例の模式的フローチャートである。
【
図14】本願における電池ケースの製造装置のいくつかの実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得るほかの実施例はすべて本願の保護範囲に属する。
【0059】
別途定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は当業者が通常理解する意味と同じであり、本明細書では、出願の明細書で使用される用語は単に具体的な実施例を説明することを目的とするが、本願を限定するものではなく、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明における用語「備える」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における用語「第1」、「第2」などは異なる対象を区別することに用いられるが、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0060】
本明細書での「実施例」への言及は、実施例を参照しながら説明される特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の様々な位置に該句が出現しているが、必ずしもすべてが同じ実施例を指すわけではなく、ほかの実施例と互いに排除する独立する又は代替の実施例でもない。当業者が明示的及び暗黙的に理解できるように、本明細書で説明される実施例はほかの実施例と組み合わせてもよい。
【0061】
本明細書では、用語「及び/又は」は、単に関連対象の関連関係を説明し、3種類の関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する場合、A及びBの両方が存在する場合、及びBのみが存在する場合という3種類を示してもよい。また、本明細書では、文字「/」は、一般には、その前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0062】
本願に出現する「複数」とは2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数組み」とは2組以上(2組を含む)を意味し、「複数枚」とは2枚以上(2枚を含む)を意味する。
【0063】
本願の実施例で説明される電池ケース、電池セル、及び複数の電池セルを備えた電池はいずれも電池を使用する様々な装置に適用でき、例えば、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動自転車、電気自動車、汽船、宇宙機、電動玩具及び電動工具などに適用でき、例えば、宇宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含み、電動玩具は固定式又は移動式電動玩具を含み、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船玩具及び電動飛行機玩具などが挙げられ、電動工具は金属切削電動工具、粉砕電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含み、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター及び電動プレーナーが挙げられる。
【0064】
本願の実施例で説明される電池ケース、電池セル、及び複数の電池セルを備えた電池は、上記説明された機器に適用できるだけでなく、電池を使用するすべての機器にも適用できるが、説明を簡潔にするために、以下の実施例はいずれも電気自動車を例として説明される。
【0065】
例えば、
図1に示すように、本願の一実施例における車両1の構造模式図であり、前記車両1は燃料自動車、燃料ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド自動車又はエクステンデッド・レンジ電気自動車などであってもよい。前記車両1の内部に電池10が設けられてもよく、電池10は電池パックであってもよく、電池モジュールであってもよく、例えば、前記車両1の底部又は前部又は尾部に前記電池10が設けられてもよく、前記車両1の内部にコントローラ30及びモータ40がさらに設けられてもよい。前記電池10は車両1の給電に用いられてもよく、例えば、前記電池10は前記車両1の操作電源として使用されてもよく、前記車両1の回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び運転時の動作電力需要に用いられる。本願の別の実施例では、電池10は前記車両1の操作電源として使用できるだけでなく、前記車両1の駆動電源としても使用でき、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して前記車両1に駆動動力を提供する。
【0066】
様々な電力使用需要を満たすために、電池10は1つ又は複数の電池モジュール(又は、電池ユニットと呼ばれてもよい)を備えてもよく、複数の電池モジュール同士は直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、前記直並列接続とは、直列接続と並列接続との組合せである。例えば、
図2に示すように、本願の別の実施例における電池10の構造模式図であり、前記電池10は第1蓋111、第2蓋112及び複数の電池モジュール11を備え、第1蓋111及び第2蓋112の形状は前記1つ又は複数の電池モジュール11を組み合わせた形状に応じて決定されてもよく、前記第1蓋111及び第2蓋112はいずれも1つの開口を有し、例えば、第1蓋111及び第2蓋112はいずれも中空の直方体であり且つそれぞれ1つの面のみが開口面であり、すなわち、この面はハウジング壁がなくハウジングの内外部を連通させ、前記第1蓋111と第2蓋112は開口箇所で互いに係合されて電池10の密閉なケーシングを形成し、1つ又は複数の電池モジュール11は互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせられた後、第1蓋111と第2蓋112を係合することで形成されたケーシング内に配置される。
【0067】
本願の別の実施例では、前記電池10が1つの電池モジュール11を備える場合、前記電池モジュール11は第1蓋111と第2蓋112を係合して形成されたケーシング内に配置される。
【0068】
前記1つ又は複数の電池モジュール11で発生する電力は導電機構(図示せず)が前記ケーシングを貫通することによって導出される。
【0069】
これに加えて、電池10はほかの構造をさらに備えてもよく、ここでは詳細説明を省略する。例えば、該電池10は、複数の電池セル(図示せず)間の電気的接続を実現することに用いられるバスバー部材をさらに備えてもよく、さらに例えば、該電池10は、冷却媒体を収容して1つ又は複数の電池モジュール11を降温させることに用いられる冷却部材をさらに備えてもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0070】
様々な電力需要に応じて、前記電池モジュール11は1つ又は複数の電池セルを備えてもよく、例えば、
図3に示すように、1つの電池モジュール11は複数の電池セル20を備えてもよく、複数の電池セル20は大きな容量又は電力を実現するように直列接続、並列接続又は直並列接続されてもよく、且つ1つの電池モジュール11に備えられる前記電池セル20の数は任意の値に設定されてもよい。各電池セル20はリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池を含んでもよいが、これらに限定されない。電池セル20は円筒状、扁平状、直方体又はほかの形状などであってもよい。
【0071】
本願の別の実施例では、複数の電池セル20は一体に積み重ねられてもよく、複数の電池セル20同士は互いに直列接続、並列接続又は直並列接続され、本願の別の実施例では、各電池セル20は角形、円筒状又はほかの形状であってもよい。
【0072】
各々の電池セル20は電池ケースと、電池ケース内に設けられる電極組立体とを備えてもよく、電池ケースはハウジング及びカバープレートの2つの部分を備えてもよく、前記ハウジングは中空の直方体又は立方体又は円筒状であってもよく、且つ電極組立体を簡単にハウジング内に配置できるように前記ハウジングの1つの面は1つの開口を有し、前記カバープレートは前記ハウジングの開口箇所でハウジングに接続されることで、該電池セル20の密閉な電池ケースを形成し、且つハウジング内に電解液が充填されてもよい。
【0073】
また、電池ケースは2つの電極端子をさらに備え、これら2つの電極端子は通常、カバープレートに設けられ、且つ電極組立体に接続され、カバープレートの平板面に圧力放出機構がさらに設けられてもよく、該圧力放出機構はカバープレートの平板面の一部であってもよく、カバープレートの平板面に溶接されてもよい。正常状態では、圧力放出機構はカバープレートに密封結合され、すなわち、カバープレートが前記ハウジングの開口箇所でハウジングに接続されることで電池セル20の電池ケースを形成し、該電池ケースによって形成される空間は気密的に密封されている。電池セル20で発生するガスが多すぎる場合、ガスが膨張して電池ケース内の気圧が上昇して所定値を超えると、圧力放出機構は破裂して電池ケースの内外部を連通させることができ、ガスは圧力放出機構の破裂箇所から外へ放出され、さらに爆発の発生を回避する。
【0074】
従来の電池セルは通常圧力放出機構はカバープレートに設けられ、電極端子と同じ側に位置し、電池セルの内部に熱暴走が発生するとき、圧力放出機構が破裂し、電池セルの内部気圧を放出すると同時に、液体又は固体の燃焼物を外へ噴射し、それに導電性物質が含まれる可能性があり、その結果、電極端子間の短絡を引き起こし、また、電池が車両内に取り付けられているとき、通常、電極端子が上向きであり、つまり乗客の方向を向くことを考慮する場合、圧力放出領域を電極端子と同じ側に取り付けると、圧力放出領域が破裂して放出される気流などの物質は上へ排出され、このように、乗客に火傷や熱傷を引き起こす可能性があり、乗客の危険が高まってしまう。従って、上記問題を解決するために圧力放出機構をほかの位置に取り付けることを考慮してもよく、例えば、カバープレートの下のハウジングに取り付け、例えば、ハウジングの底壁に取り付けてもよい。
【0075】
しかし、圧力放出機構がハウジングに取り付けられる場合、ハウジングは一端が開口される中空構造であるが、圧力放出機構は通常シート状であるため、圧力放出機構がハウジングに取り付けられると取り付けが不便であるという問題が存在する可能性があり、特にハウジングの底壁に取り付けられる場合、ハウジングの深さの制限によって、シート状の圧力放出機構が直接底壁に溶接され難い。従って、本願の実施例は圧力放出領域を備えた電池ケースを提供し、上記問題を解決することができる。
【0076】
具体的には、引き続き
図1-3に示す実施例を例として、
図4は本願の実施例における電池セル20の別の実施例を示す。
図4に示すように、該電池セル20は電池ケース(図示せず)、1つ又は複数の電極組立体22及び接続部材23を備え、本願の実施例における電池ケースはハウジング211及びカバープレート212を備える。
【0077】
具体的には、
図4に示すように、電池セル20の電池ケースに備えられるハウジング211は1つ又は複数の電極組立体22を組み合わせた形状に応じて決定されてもよく、例えば、前記ハウジング211は中空の直方体又は立方体又は円筒状であってもよく、且つ1つ又は複数の電極組立体22をハウジング211内に配置できるように前記ハウジング211の1つの面は1つの開口を有し、例えば、前記ハウジング211が中空の直方体又は立方体である場合、前記ハウジング211の1つの平面は開口面であり、すなわち、該平面はハウジング壁がなくハウジング211の内外部を連通させ、前記ハウジング211が中空の円筒状であり得る場合、前記ハウジング211の円形側面は開口面であり、すなわち、該円形側面はハウジング壁がなくハウジング211の内外部を連通させる。前記カバープレート212は前記ハウジング211の開口箇所でハウジング211に接続されて密閉な電池ケースを形成し、且つハウジング211内に電解液が充填される。
【0078】
図4に示すように、該電池セル20の電池ケースは2つの電極端子214をさらに備えてもよく、2つの電極端子214はカバープレート212に設けられてもよい。カバープレート212は通常、平板形状であり、2つの電極端子214はカバープレート212の平板面に位置し、且つカバープレート212の平板面を貫通し、2つの電極端子214はそれぞれ正電極端子214a及び負電極端子214bであり、各電極端子214に対応して1つの接続部材23がそれぞれ設けられ、接続部材23は、集電部材23、又は銅アルミニウムアダプタシート23と呼ばれてもよく、カバープレート212と電極組立体22との間に位置する。
【0079】
図4に示すように、各電極組立体22は具体的には少なくとも1つの正極タブ221及び少なくとも1つの負極タブ222を備えてもよく、また、電極組立体22はさらにベアセル、及びベアセルを包む絶縁シートを備えてもよく、
図4では、正極タブ221と負極タブ222の具体的な位置の設定を区別しない。前記1つ又は複数の電極組立体22の正極タブ221は1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、前記1つ又は複数の電極組立体22の負極タブ222はもう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続され、例えば、正電極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブ221に接続され、負電極端子214bはもう1つの接続部材23を介して負極タブ222に接続される。
【0080】
該電池セル20では、実際の使用需要に応じて、電極組立体22は1つ又は複数設けられてもよく、
図4に示すように、電池セル20内に少なくとも2つの独立した電極組立体22が設けられる。
【0081】
該電池セル20では、電極組立体22は巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0082】
これに加えて、
図4に示すように、該電池セル20はバッキングプレート24をさらに備えてもよく、該バッキングプレート24は電極組立体22とハウジング211の底壁との間に位置し、電極組立体22に対して支持作用を発揮できるだけでなく、電極組立体22とハウジング211の底壁の周りのフィレットとの干渉を効果的に防止できる。本願の実施例におけるバッキングプレート24の形状は実際の応用に応じて設定されてもよく、例えば、バッキングプレート24はハウジング211の底壁の形状に一致する長方形に設定されてもよく、又は、
図4に示すように、ほかの形状に設定されてもよく、また、該バッキングプレート24に1つ又は複数の貫通孔が設けられてもよく、例えば、均一又は対称的に配列される複数の貫通孔が設けられてもよく、このように、バッキングプレート24の上下面の空間を連通させることができ、電解液と電極組立体22の内部で発生するガス及び電解液はいずれもバッキングプレート24を自由に通過でき、電解液やガスのガイドが容易である。
【0083】
該バッキングプレート24の厚さは一般に0.3~5mmに設定され、好適には絶縁部材であるが、非絶縁部材であってもよい。例えば、該バッキングプレート24の材料はPP、PE、PET、PPS、テフロン(登録商標)、ステンレス鋼、アルミニウムなど電解液耐性及び絶縁性の両方を持つ材料であってもよく、PP、PE、PET、PPSなどのプラスチック材料は耐火材料を選択してもよく、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属材料の表面に対して陽極化処理による絶縁を行ってもよい。
【0084】
これに加えて、本願の実施例における電池セル20はほかの部材をさらに備えてもよい。例えば、該電池セル20はトップカバーパッチ、シーリングネイル、及びプラスチックネイルのうちの少なくとも1つをさらに備えてもよく、トップカバーパッチ、シーリングネイル、及びプラスチックネイルはカバープレート212に取り付けられてもよく、また、電池セル20は、電池ハウジング211の外面に設けられ、電池セルを絶縁及び保護する作用を発揮する青色フィルムをさらに備えてもよい。しかし、本願の実施例はこれに限定されない。
【0085】
本願の実施例では、該電池ケースのハウジング211又はカバープレート212に圧力放出領域がさらに設けられてもよく、例えば、
図4におけるハウジング211の底壁に該圧力放出領域が設けられてもよい。具体的には、
図5を例として、
図5は電池ケース21の模式図を示し、本願の実施例では、
図5における電池ケース21は
図4に示すハウジング211及びカバープレート212を備える。
図5に示すように、ここでは直方体(すなわち、六面体)形状の電池ケース21を例として説明を行う場合、該電池ケース21は6つの壁(又は6つの面ともいう)を備え、
図5は電池ケース21の任意の隣接する3つの壁を示しているが、本願の実施例における圧力放出領域213は該電池ケース21のいずれか1つの壁に設けられてもよい。例えば、該圧力放出領域213は電池ケース21のハウジング211の底壁に設けられてもよく、ハウジング211の底壁とハウジング211の開口は対向し、すなわち、
図5では電池ケース21の圧力放出領域213を設けた壁はハウジング211の底壁を示し、さらに例えば、
図6に示すように、圧力放出領域213はハウジング211のいずれか1つの側壁に設けられてもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。本願の実施例における該圧力放出領域213は電池ケース21の内部圧力が閾値に達すると作動して該内部圧力を放出することに用いられる。
【0086】
本願の実施例では、電池ケース21は直方体であり、この場合、ハウジング211は、面積が大きい2つの側壁及び面積が小さい2つの側壁という4つの側壁を有し、圧力放出領域213がハウジング211の側壁に設けられる場合、例えば、
図6に示すように、圧力放出領域213は通常面積が小さい側壁に設けられる。複数の電池セルを組み立てて電池を形成するとき、例えば、
図3に示す取り付け方式では、直方体形状の電池セルについて、隣接する2つの電池セル間の配置は通常、2つの電池セルのハウジング側壁のうち面積が大きい壁が互いに接触することを考慮し、従って、圧力放出領域213が該面積の大きい側壁に設けられると、複数の電池セルを密に並べて組み立てて電池を形成するとき、該圧力放出領域213の開放に影響し、例えば、電池セル間に圧力放出領域213が開放するための空間を残す必要があり、このように複数の電池セルの取り付けに不利であり、従って、圧力放出領域213が面積の小さい側壁に取り付けられることで、複数の電池セル間の配置に有利であり、さらに電池のエネルギー密度を向上させることができる。
【0087】
該圧力放出領域213がハウジング211の底壁に設けられる場合、圧力放出領域213に対する内部の電極組立体22の圧力を考慮し、例えば、車両内に取り付けられる電池の場合、車両の走行中に揺れるため、電極組立体22及び電解液はハウジング211の側壁及び底壁に衝撃作用を与え、圧力放出領域213はハウジングの底壁のほかの領域よりも薄く、従って、
図4に示すように電極組立体22とハウジング211の底壁との間に設けられるバッキングプレート24はその下の圧力放出領域213に対して緩衝作用を発揮でき、振動衝撃時に電解液と電極組立体22が圧力放出領域213に衝撃を与えて該圧力放出領域213の破裂を引き起こすことを防止する。
【0088】
しかし、一方、底壁上のバッキングプレート24は圧力放出領域213を覆い、該圧力放出領域213を保護するとともに、バッキングプレート24はガスが圧力放出領域213を破裂させることを阻止する可能性もあり、従って、バッキングプレートが圧力放出領域213を遮蔽しないことを確保するように、バッキングプレート24に回避領域が設けられてもよく、つまり、実際の応用における圧力放出領域213の厚さ、強度などの要素に応じて、バッキングプレート24に回避領域を設けるか否かを選択してもよい。
【0089】
具体的には、バッキングプレートが圧力放出領域213を遮蔽しないことを確保するようにバッキングプレート24に回避領域が設けられる場合、
図7に示すように、ここでは直方体形状のバッキングプレート24を例として説明を行い、バッキングプレート24の部分領域を除去し、すなわち、圧力放出領域213の位置においてバッキングプレート24に1つの貫通孔が回避領域241として対応して設けられてもよく、それによってバッキングプレート24は圧力放出領域を遮蔽しない。該バッキングプレート24の回避領域241の形状は通常、圧力放出領域213のハウジング211の内部に近接する側の表面の形状に一致し、
図7は単に一例であり、本願の実施例はこれに限定されない。
【0090】
そして、バッキングプレート24が圧力放出領域213を完全に遮蔽しないために、通常、バッキングプレート24の回避領域241の面積を圧力放出領域213の面積よりも大きく設定してもよく、又は、本願の実施例における圧力放出領域213がハウジング211の底壁の貫通孔内に設けられることを考慮し、従って、バッキングプレート24の回避領域241の面積はハウジング211の底壁の貫通孔の面積よりも大きいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0091】
以下、図面を参照しながら本願の実施例における圧力放出領域213を詳細に説明する。具体的には、ここではハウジング211の底壁に圧力放出領域213が設けられることを例とする。
図8は本願の実施例におけるハウジング211の断面図を示し、例えば、該断面図に示される表面は圧力放出領域213を通過し且つハウジング211の面積の小さい側壁に平行な1つの面であり、
図9は
図8における領域A1の拡大図であり、該領域A1に圧力放出領域213が含まれ、
図9における上側はハウジング211の内部に対応し、
図9における下側はハウジング211の外部に対応する。具体的には、
図9に示すように、本願の実施例における該圧力放出領域213は、該電池ケース21のハウジング211の内面に設けられる第1凹溝2131、及び該電池ケース21のハウジング211の外面に設けられる第2凹溝2132を備えてもよく、該第1凹溝2131と該第2凹溝2132は対向して設けられ、該第1凹溝2131の底壁及び/又は該第2凹溝2132の底壁に第3凹溝2133が設けられ、該圧力放出領域213は、該電池ケース21の内部圧力が閾値に達すると該第3凹溝2133で破裂して該内部圧力を放出するように構成される。
【0092】
このように、電池セルの内部に熱暴走が発生する場合、電池ケース21は相対的に脆弱な第3凹溝2133で破裂して内部圧力を放出することができ、且つ、本願の実施例における圧力放出領域213は、電池ケース21に圧力放出機構を別途取り付ける方式に比べて、加工過程がより簡単であり、例えば、打ち抜きの方式によって第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133が設けられてもよく、第1凹溝2131と第2凹溝2132は対向して設けられ、具体的には、対称打ち抜きの方式によって2つの凹溝を同時に加工してもよく、加工過程が簡単で迅速であり、また、3つの凹溝の寸法及び形状などは柔軟に設定され、実際の応用に応じて調整されてもよく、且つ、ハウジング211に使用される材料は通常、金属アルミニウムであり、この場合、該圧力放出領域213の材料も同様にアルミニウムであり、別途設けられるほかの材料の圧力放出機構に比べて、本願の実施例における圧力放出領域213はより加工されやすく、電池ケース21の内部に熱暴走が発生するとき、タイムリーに開放しやすく、排気をよりスムーズにし、排気速度が高い。
【0093】
また、電極端子214が通常電池ケース21のカバープレート212に設けられることを考慮する場合、圧力放出領域213もカバープレート212に設けられると、電池セル20の内部に熱暴走が発生するとき、圧力放出領域213が破裂し、電池セル20の内部気圧を放出すると同時に、液体又は固体の燃焼物を外へ噴射し、それに導電性物質が含まれる可能性があり、その結果、電極端子214間の短絡を引き起こし、また、電池が車両内に取り付けられているとき、通常、電極端子214が上向きであり、つまり乗客の方向を向くことを考慮する場合、圧力放出領域213を電極端子214と同じ側に取り付けると、圧力放出領域213が破裂して放出される気流などの物質は上へ排出され、このように、乗客に火傷や熱傷を引き起こす可能性があり、乗客の危険が高まってしまう。従って、本願の実施例における圧力放出領域213が電池ケース21のハウジング211の底壁に設けられるか又は側壁に設けられるかを柔軟に選択でき、加工方式の制限を受けない。
【0094】
本願の実施例では、第3凹溝2133は第1凹溝2131の底壁及び/又は第2凹溝2132の底壁に設けられてもよいが、第1凹溝2131が電池ケース21の内面に設けられることを考慮する場合、第3凹溝2133が第1凹溝2131の底壁に設けられると、電池ケース21内に電解液があるため、該電解液が第3凹溝2133内に蓄積し、該第3凹溝2133部分を腐食し、その結果、該圧力放出領域213は第3凹溝2133で繰り上げて破裂する可能性があり、従って、通常、第3凹溝2133は外面に位置する第2凹溝2132の底壁に設けられ、それにより電解液の腐食が回避される。以下では、第3凹溝2133が第2凹溝2132の底壁に設けられることを例として説明を行う。
【0095】
理解できるように、本願の実施例における第1凹溝2131と第2凹溝2132の位置は対向して設けられ、又は、圧力放出領域に垂直な方向において、第1凹溝2131と第2凹溝2132の位置は対向する。例えば、電池ケース21の第1凹溝2131が位置する内面に対して、該第2凹溝2132の該内面での投影と第1凹溝2131の底壁の該内面での投影は少なくとも部分的に重なる。例えば、以下では、該第1凹溝2131と第2凹溝2132が正対して設けられることを例として説明を行い、つまり、該第1凹溝2131の底壁に垂直な軸線と該第2凹溝2132の底壁に垂直な軸線は同じである。
【0096】
本願の実施例における圧力放出領域213に備えられる第1凹溝2131及び第2凹溝2132の底壁の形状は実際の応用に応じて設定されてもよく、且つ、第1凹溝2131の底壁の形状と第2凹溝2132の底壁の形状は同じであってもよく異なってもよい。説明の便宜上、以下では、第1凹溝2131の底壁の形状と第2凹溝2132の底壁の形状が同じであることを例として説明を行う。第1凹溝2131の底壁の形状と第2凹溝2132の底壁の形状は矩形、円形、楕円形又は環状であってもよく、以下、2つの実施例を参照しながら詳細に説明する。
【0097】
選択可能に、第1の実施例として、
図8及び9に示すように、該第1凹溝2131の底壁の形状と第2凹溝2132の底壁の形状は環状であってもよく、例えば、角型環状、円環状又はほかの形状の環状であってもよく、例えば、ここでは
図5に示すレーストラック形環状を例として、該レーストラック形は楕円形と類似し、両端が円弧状であり、中間が直線形であるが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0098】
図9に示すように、加工の便宜上、第2凹溝2132の底壁に第3凹溝2133を設けることは、該第2凹溝2132の底壁に第4凹溝2134を設け、該第3凹溝2133を該第4凹溝2134の底壁に設けることを含んでもよい。第2凹溝2132の底壁の形状が環状であることを考慮し、従って、該第4凹溝2134の底壁の形状は第2凹溝2132の底壁の形状と一致し、環状に設定されてもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0099】
図9に示すように、本願の実施例における第1凹溝2131、第2凹溝2132、第3凹溝2133及び第4凹溝2134の
図9に示す断面の形状は実際の応用に応じて設定されてもよく、例えば、凹溝の底壁と側壁によって形成される角度について、
図9における第2凹溝2132と第4凹溝2134に示す直角形の凹溝、又は
図9に示す第1凹溝2131と第3凹溝2133に示す傾斜角度付き凹溝であってもよく、本願の実施例はこれに限定されない。
【0100】
図9に示すように、第1凹溝2131と第2凹溝2132が環状凹溝であり、従って、その中心領域に突出構造が存在し、ここではハウジング211の内部に近接する突出構造2136を例として説明を行う。突出構造2136は環状の第1凹溝2131の中間領域であり、該突出構造2136のハウジング211に近接する表面はハウジング211の圧力放出領域213を除く内面に対して突出せず、例えば、該突出構造2136のハウジング211に近接する表面はハウジング211の圧力放出領域213を除く内面と略面一であってもよいか、又は、
図9に示すように、該突出構造2136のハウジング211に近接する表面はハウジング211の圧力放出領域213を除く内面に対して凹んでもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0101】
また、該第1凹溝2131の周辺もハウジング211の内面に対して突出せず、このように、該ハウジング211の内面に突出する部分がなく、ハウジング211の内部の電極組立体などの部材を取り付けるとき、影響を受けず、突出部分を回避するように追加の設計を行う必要がなく、それによって内部空間を節約することができる。
【0102】
図9に示すように、ハウジング211の外部について、該ハウジング211の外面にさらに突起2137があってもよく、該第2凹溝2132を取り囲み、該突起2137はハウジング211の外面に対してハウジング211の内部から離れる方向へ延伸する。打ち抜きの方式によって第1凹溝2131及び第2凹溝2132を加工すると凹溝のエッジに通常突起が存在することを考慮する場合、該突起が内部に設けられると、内部の電極組立体の取り付けに影響し、従って、該突起2137をハウジング211の外面に設けてもよい。
【0103】
電池セル20を組み立てて電池10を形成するとき、電池セル20の下方にある部材を設ける必要があると仮定する場合、例えば、電池セル20を降温させることに用いられる冷却板を設けてもよいか、又は底部保護板を設けてもよいが、本願の実施例はこれに限定されない。該突起2137の存在のため、該電池セル20の下方に位置する部材は、表面に凹む回避領域を設けることによって、該電池セル20を組み立てるようにしてもよい。例えば、電池セル20の下方に冷却板を設けると、冷却板の圧力放出領域213に対応する領域に凹溝又は貫通孔を設けることで、該圧力放出領域213の突出する該突起2137を凹溝又は貫通孔内に収容でき、それによって空間を節約する。
【0104】
また、該突起2137の存在のため、該圧力放出領域213のハウジング211の内部から離れる表面と圧力放出領域213の下方に位置する部材(例えば、冷却部材又は底部保護板)の表面との間に隙間があり、この場合、圧力放出領域213は排気時に一定の開放空間を有することができ、圧力放出領域213の第3凹溝2133が破裂して開放して内部圧力を放出することを確保できる。
【0105】
図9に示すように、圧力放出領域213のハウジング211から離れる側を電池ケース21外のほかの部材の影響から保護するために、該圧力放出領域213は、該圧力放出領域213を保護することに用いられ、該電池ケース21の外面に設けられ且つ該第2凹溝2132を覆う保護シート2135をさらに備えてもよい。
【0106】
理解できるように、本願の実施例では、上記各部分の寸法はいずれも実際の応用に応じて設定されてもよい。例えば、以下、
図9を参照しながら例示的に説明する。
【0107】
圧力放出領域213の寸法について、該第1凹溝の底壁の面積は通常、400mm2~1000mm2に設定されてもよく、例えば、400mm2、700mm2又は1000mm2に設定されてもよく、該第2凹溝2132の底壁の面積は通常、600mm2~1200mm2に設定されてもよく、例えば、600mm2、900mm2又は1200mm2に設定されてもよく、該第4凹溝2134の底壁の面積は通常、200mm2~800mm2に設定されてもよく、例えば、200mm2、500mm2又は800mm2に設定されてもよい。本願の実施例における「mm2」は平方ミリメートルを示す。
【0108】
図9に示すように、ここでは圧力放出領域213がハウジング211の底壁に設けられることを例として、該ハウジング211の底壁の厚さh1は通常、1.2mm~2mmに設定されてもよく、例えば、1.2mm、1.5mm又は2mmに設定されてもよく、該電池ケース21の内面に対する該第1凹溝2131の深さh2は通常、1mm~2mmに設定されてもよく、例えば、1mm、1.5mm又は2mmに設定されてもよく、該電池ケース21の外面に対する該第2凹溝2132の深さh3は0.3mm~0.6mmであり、例えば、0.3mm、0.4mm又は0.6mmに設定されてもよく、該第2凹溝2132の底壁と第1凹溝2131の底壁との間の厚さh4は通常、0.3mm~1mmに設定されてもよく、例えば、0.3mm、0.5mm又は1mmに設定されてもよく、該圧力放出領域213の該第3凹溝2133での厚さh5は通常、0.16mm~0.25mmに設定されてもよく、例えば、0.16mm、0.2mm又は0.25mmに設定されてもよい。本願の実施例における「mm」はミリメートルを示す。
【0109】
図9に示すように、上記第1凹溝2131及び第2凹溝2132の関連寸法、例えば、深さや底壁の面積などを参照して、該突起2137が該電池ケース21の外面に対して突出する高さh6は通常、0.5mm~1mmに設定されてもよく、例えば、0.5mm、0.8mm又は1mに設定されてもよく、また、該保護シート2135の厚さh7は通常、0.1mm~0.2mmに設定されてもよく、例えば、0.1mm、0.15mm又は0.2mmに設定されてもよい。
【0110】
選択可能に、第2の実施例として、該第1凹溝2131の底壁の形状及び該第2凹溝2132の底壁の形状はさらにほかの形状に設定されてもよく、例えば、矩形、円形又はレーストラック形に設定されてもよく、ここでは長尺状に設定されることを例として、該長尺状とは特殊な矩形であり、すなわち、矩形の長さは幅よりも遥かに大きく、例えば、ここでは引き続き圧力放出領域213がハウジング211の底壁に位置することを例とし、
図10はハウジング211の下面図であり、
図10に示すように、第2凹溝2132は長尺状であってもよい。同様に、本願の実施例における第3凹溝2133の形状は第1凹溝2131、第2凹溝2132に一致してもよく、ここでも長尺状を例とする。
【0111】
具体的には、
図10に示すように、該圧力放出領域213は長尺状であり、すなわち、圧力放出領域213のハウジング211の底壁の外面に位置する第2凹溝2132の長さは幅よりも遥かに大きく、第3凹溝2133の長さも幅よりも遥かに大きく、例えば、第3凹溝2133を例として、該第3凹溝2133の底壁の長さL1は通常、は40mm~100mmに設定されてもよく、例えば、40mm、70mm又は100mmに設定されてもよく、このように、該長尺状の第3凹溝2133の長さが大きく、開放面積も大きく、排気もよりスムーズであり、排気速度が高く、爆発が発生し難い。
【0112】
図11は本願の実施例におけるハウジング211の断面図を示し、
図11における上側はハウジング211の開口に対応し、
図11における下側はハウジング211の底壁であり、且つハウジング211の底壁に圧力放出領域213が設けられ、
図12は
図11における領域A2の拡大図であり、該領域A2に圧力放出領域213が含まれ、
図12における上側はハウジング211の内部に対応し、
図12における下側はハウジング211の外部に対応する。具体的には、
図12に示すように、
図9と同様に、該ハウジング211の内面に第1凹溝2131が設けられ、ハウジング211の外面に第2凹溝2132が設けられ、且つ、該第2凹溝2132の底壁に第3凹溝2133が設けられ、
図9との相違点として、
図12に示す該第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133の断面形状は中間に突出構造を有する環状ではない。
【0113】
本願の実施例における第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133の
図12に示す断面の形状について、
図12は角丸台形を例とするが、実際の応用に応じてほかの形状に設定されてもよい。例えば、各凹溝の底壁と側壁によって形成される角度について、直角であってもよく、つまり、第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133は直角形の凹溝であってもよく、又は、第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133の底壁がいずれも長尺状であり、加工過程で直角の加工が非常に困難であることを考慮し、従って、第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133は
図12に示すように、傾斜角度付き凹溝であってもよく、全体として台形にし、例えば、
図12における角丸台形が挙げられ、つまり、第1凹溝2131、第2凹溝2132及び第3凹溝2133の底壁の面積は開口箇所の面積未満であるが、本願の実施例はこれに限定されない。
【0114】
図12に示すように、
図9と同様に、ハウジング211の外部について、該ハウジング211の外面にさらに突起2137があってもよく、該第2凹溝2132を取り囲み、該突起2137はハウジング211の外面に対してハウジング211の内部から離れる方向へ延伸する。簡潔にするために、ここでは詳細説明を省略する。
【0115】
図12に示すように、圧力放出領域213のハウジング211から離れる側を電池ケース21外のほかの部材の影響から保護するために、第1の実施例と同様に、該圧力放出領域213は、該圧力放出領域213を保護することに用いられ、該電池ケース21の外面に設けられ且つ該第2凹溝2132を覆う保護シート2135をさらに備えてもよい。
【0116】
理解できるように、本願の実施例では、上記各部分の寸法はいずれも実際の応用に応じて設定されてもよい。例えば、以下、
図12を参照しながら例示的に説明する。
【0117】
圧力放出領域213の面積について、第2凹溝2132の底壁の面積は通常、第1凹溝の底壁の面積に等しく設定され、例えば、該第1凹溝の底壁の面積は通常、150mm
2~330mm
2に設定されてもよく、例えば、150mm
2、200mm
2又は330mm
2に設定されてもよく、該第2凹溝2132の底壁の面積も通常、150mm
2~330mm
2に設定されてもよく、例えば、150mm
2、200mm
2又は330mm
2に設定されてもよい。また、該第1凹溝2131の底壁の幅は該第2凹溝2132の底壁の幅に等しくてもよく、例えば、
図12に示すように、該第1凹溝2131の底壁の幅L2は該第2凹溝2132の底壁の幅L2に等しく、3mm~6mmに設定されてもよく、例えば、3mm、5mm又は6mmに設定されてもよい。
【0118】
図12に示すように、ここでは圧力放出領域213がハウジング211の底壁に設けられることを例として、該ハウジング211の底壁の厚さh11は通常、1.2mm~2mmに設定されてもよく、例えば、1.2mm、1.5mm又は2mmに設定されてもよく、該電池ケース21の内面に対する該第1凹溝2131の深さh12は通常、0.4mm~0.7mmに設定されてもよく、例えば、0.4mm、0.5mm又は0.7mmに設定されてもよく、該電池ケース21の外面に対する該第2凹溝2132の深さh13は0.3mm~0.6mmであり、例えば、0.3mm、0.5mm又は0.6mmに設定されてもよく、該圧力放出領域213の該第3凹溝2133での厚さh14は通常、0.16mm~0.25mmに設定されてもよく、例えば、0.16mm、0.2mm又は0.25mmに設定されてもよい。
【0119】
上記第1凹溝2131及び第2凹溝2132の関連寸法、例えば、深さや底壁の面積などを参照して、
図12に示すように、該突起2137が該電池ケース21の外面に対して突出する高さh15は通常、0.25mm~0.5mmに設定されてもよく、例えば、0.25mm、0.3mm又は0.5mmに設定されてもよく、該保護シート2135の厚さh16は通常、0.1mm~0.2mmに設定されてもよく、例えば、0.1mm、0.15mm又は0.2mmに設定されてもよい。
【0120】
以上、
図1~
図12を参照しながら本願の実施例における電池ケース、電池セル及び電池を説明したが、以下、
図13及び
図14を参照しながら本願の実施例における電池ケースの製造方法及び装置を説明する。
【0121】
具体的には、
図13は本願の実施例における電池ケースの製造方法200の模式的フローチャートを示す。
図13に示すように、該方法200は、S210、前記電池ケースの内面に第1凹溝を設置し、及び前記電池ケースの外面に第2凹溝を設置することで、前記電池ケースの圧力放出領域を形成するステップであって、前記第1凹溝と前記第2凹溝は対向して設けられるステップと、S220、前記第1凹溝の底壁及び/又は前記第2凹溝の底壁に第3凹溝を設置するステップであって、前記圧力放出領域は、前記電池ケースの内部圧力が閾値に達すると前記第3凹溝で破裂して前記内部圧力を放出するように構成されるステップと、を含んでもよい。
【0122】
選択可能に、一実施例として、前記電池ケースの外面に突起があり、且つ前記第2凹溝を取り囲む。
【0123】
選択可能に、一実施例として、前記第1凹溝の底壁の形状及び/又は前記第3凹溝の底壁の形状は長尺状である。
【0124】
選択可能に、一実施例として、前記第1凹溝及び/又は前記第2凹溝は環状凹溝である。
【0125】
理解できるように、本願の実施例における方法200は本願の実施例における電池ケース21を製造することに使用でき、簡潔にするために、ここでは詳細説明を省略する。
【0126】
理解できるように、本願の各種の実施例では、上記各過程の番号の大きさは実行順序の優先順位を意味するものではなく、各過程の実行順序はその機能及び内部ロジックによって決定されるべきであり、本願の実施例の実施過程を限定しない。
【0127】
図14は本願の実施例における電池ケースの製造装置300の模式的ブロック図を示す。
図14に示すように、本願の実施例における装置300は設置モジュール310を備え、前記設置モジュール310は、前記電池ケースの内面に第1凹溝を設置し、及び前記電池ケースの外面に第2凹溝を設置することで、前記電池ケースの圧力放出領域を形成することに用いられ、前記第1凹溝と前記第2凹溝は対向して設けられ、前記第1凹溝の底壁及び/又は前記第2凹溝の底壁に第3凹溝を設置することに用いられ、前記圧力放出領域は、前記電池ケースの内部圧力が閾値に達すると前記第3凹溝で破裂して前記内部圧力を放出するように構成される。
【0128】
選択可能に、一実施例として、前記電池ケースの外面に突起があり、且つ前記第2凹溝を取り囲む。
【0129】
選択可能に、一実施例として、前記第1凹溝の底壁の形状及び/又は前記第3凹溝の底壁の形状は長尺状である。
【0130】
選択可能に、一実施例として、前記第1凹溝及び/又は前記第2凹溝は環状凹溝である。
【0131】
理解できるように、本願の実施例における装置300は本願の実施例における方法200を対応付けて実行することができ、且つ装置300の各ユニットの上記及びほかの操作及び/又は機能はそれぞれ
図13における方法200の対応するプロセスを実現するためのものであり、簡潔にするために、ここでは詳細説明を省略する。
【0132】
最後に、なお、以上の実施例は単に本願の技術的解決手段を説明することに用いられ、それを限定するものではなく、上記実施例を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者が理解できるように、依然として上記各実施例に記載の技術的解決手段を変更したり、そのうちの一部の技術的特徴を同等置換したりすることができるが、これらの変更や置換によって対応する技術的解決手段の本質が本願の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0133】
10 電池
11 電池モジュール
20 電池セル
21 電池ケース
22 電極組立体
23 集電部材、銅アルミニウムアダプタシート、接続部材
24 バッキングプレート
30 コントローラ
40 モータ
111 第1蓋
112 第2蓋
200 製造方法
211 電池ハウジング、ハウジング
212 カバープレート
213 圧力放出領域
214 電極端子
221 正極タブ
222 負極タブ
241 回避領域
300 製造装置
310 設置モジュール
2131 第1凹溝
2132 第2凹溝
2133 第3凹溝
2134 第4凹溝
2135 保護シート
2136 突出構造
2137 突起