(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】無線充電受信機、送信機、システム、および制御方法、ならびに電気自動車
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20240430BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240430BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/12
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2022570721
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2021070617
(87)【国際公開番号】W WO2021232828
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】202010424440.5
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】曾 ▲曉▼生
(72)【発明者】
【氏名】游 洪程
(72)【発明者】
【氏名】毛 云▲鶴▼
(72)【発明者】
【氏名】武 志▲賢▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 双全
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-535577(JP,A)
【文献】特表2017-518012(JP,A)
【文献】国際公開第2012/111127(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0255965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/90
H02J 50/12
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機コントローラ、受電コイル、および低周波磁界受信コイルを備える無線充電受信機であって、
前記受電コイルは、送電コイルによって送信された交流磁界を交流電流に変換するように構成されており、
前記低周波磁界受信コイルは、低周波磁界を誘導信号に変換するように構成されており、
前記受信機コントローラは、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在
取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当て、前記低周波磁界送信コイルの各々と前記割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機に送信するように構成されており、また、前記低周波磁界送信コイルが動作しているとき、前記割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して、前記送電コイルと前記受電コイルとの相対位置を決定するようにさらに構成されている、無線充電受信機。
【請求項2】
すべての前記低周波磁界送信コイルが動作を停止しており、信号特徴が取得されないとき、前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当てられる前記信号特徴は、予め設定された信号特徴である、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記受信機コントローラは、
位置合わせ案内要求を前記送信機に送信し、前記位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように前記送信機に要求するために使用され、
前記送信機によって送信された第1の応答情報を受信し、前記第1の応答情報は、すべての前記低周波磁界送信コイルのパラメータを含む、
ようにさらに構成されている、請求項1または2に記載の受信機。
【請求項4】
前記受信機コントローラは、
第1の命令を前記送信機に送信し、前記第1の命令は、動作を停止するようにすべての前記低周波磁界送信コイルを制御するよう前記送信機に命令するために使用され、
前記送信機によって送信された第2の応答情報が受信されたとき、前記現在取得されている誘導信号の前記信号特徴とは異なる前記信号特徴を前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当て、前記第2の応答情報は、すべての前記低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを前記受信機に示すために使用される、
ように特に構成されている、請求項3に記載の受信機。
【請求項5】
前記受信機コントローラは、
前記低周波磁界送信コイルの各々と前記割り当てられた信号特徴との前記対応関係を含む第2の命令を前記送信機に送信し、前記第2の命令は、動作を開始するように前記低周波磁界送信コイルを制御するよう前記送信機に要求するためにさらに使用される、
ように特に構成されている、請求項4に記載の受信機。
【請求項6】
前記パラメータは、
前記低周波磁界送信コイルの識別情報、サイズ情報、および前記低周波磁界送信コイルと前記送電コイルとの相対位置情報
を含む、請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
前記信号特徴は、以下のうちの1つ、すなわち、
信号パルス幅、信号符号、および信号周波数
のうちの1つである、請求項1に記載の受信機。
【請求項8】
インバータ回路、送信機コントローラ、送電コイル、および低周波磁界送信コイルを備える無線充電送信機であって、
前記送電コイルは、交流電流を交流磁界の形態で送信するように構成されており、
前記インバータ回路は、直流電流を交流電流に変換し、次に前記交流電流を前記低周波磁界送信コイルに送信するように構成されており、
前記低周波磁界送信コイルは、前記交流電流を低周波磁界の形態で送信するように構成されており、
前記送信機コントローラは、無線充電受信機によって送信された、前記低周波磁界送信コイルの各々と割り当てられた信号特徴との対応関係を受信するように構成されており、また、前記低周波磁界送信コイルの各々が動作することを可能にするように前記対応関係に基づいて前記インバータ回路を制御するようにさらに構成されており、前記割り当てられた信号特徴は、すべての前記低周波磁界送信コイルが動作を停止しているときに受信機コントローラによって前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当てられた、現在
取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴である、無線充電送信機。
【請求項9】
すべての前記低周波磁界送信コイルは動作を停止しており、前記受信機コントローラは信号特徴を取得せず、前記割り当てられた信号特徴は、前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当てられた予め設定された信号特徴である、請求項8に記載の送信機。
【請求項10】
前記送信機コントローラは、
前記受信機によって送信された位置合わせ案内要求を受信し、前記位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように前記送信機に要求するために使用され、
前記受信機に送信される第1の応答情報を送信し、前記第1の応答情報は、すべての前記低周波磁界送信コイルのパラメータを含む、
ようにさらに構成されている、請求項8または9に記載の送信機。
【請求項11】
前記信号特徴は、以下のうちの1つ、すなわち、
信号パルス幅、信号符号、および信号周波数
のうちの1つである、請求項8に記載の送信機。
【請求項12】
無線充電受信機に適用される無線充電制御方法であって、前記受信機は、受信機コントローラ、受電コイル、および低周波磁界受信コイルを備え、前記受電コイルは、送電コイルによって送信された交流磁界を交流電流に変換するように構成されており、前記低周波磁界受信コイルは、低周波磁界を誘導信号に変換するように構成されており、前記方法は、
すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当て、前記低周波磁界送信コイルの各々と前記割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機に送信するステップと、
前記低周波磁界送信コイルが動作しているとき、前記割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して、送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定するステップと
を含む、無線充電制御方法。
【請求項13】
無線充電送信機に適用される無線充電制御方法であって、前記送信機は、インバータ回路、送信機コントローラ、送電コイル、および低周波磁界送信コイルを備え、前記送電コイルは、交流電流を交流磁界の形態で送信するように構成されており、前記インバータ回路は、直流電流を交流電流に変換し、次に前記交流電流を前記低周波磁界送信コイルに送信するように構成されており、前記低周波磁界送信コイルは、前記交流電流を低周波磁界の形態で送信するように構成されており、前記方法は、
無線充電受信機によって送信された、前記低周波磁界送信コイルの各々と割り当てられた信号特徴との対応関係を受信するステップと、
前記低周波磁界送信コイルの各々が動作することを可能にするように前記対応関係に基づいてインバータ回路を制御するステップであって、前記割り当てられた信号特徴は、すべての前記低周波磁界送信コイルが動作を停止しているときに前記受信機によって前記低周波磁界送信コイルの各々に割り当てられた、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴である、ステップと
を含む、無線充電制御方法。
【請求項14】
無線充電システムであって、前記システムは、請求項1から7のいずれか一項に記載の無線充電受信機と、請求項8から11のいずれか一項に記載の無線充電送信機とを備える、無線充電システム。
【請求項15】
電気自動車であって、前記電気自動車は、請求項1から7のいずれか一項に記載の無線充電受信機を備え、電源電池パックをさらに備え、
前記電源電池パックは、前記受信機からの電気エネルギーを使用して充電するために前記受信機に電気的に接続するように構成されており、電気エネルギーを前記電気自動車に提供するようにも構成されている、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月19日に中国国家知識産権局に出願された、「無線充電受信機、送信機、システム、および制御方法、ならびに電気自動車」と題された中国特許出願第202010424440.5号の優先権を主張するものであり、その全体は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本出願は、無線充電技術の分野に関し、特に、無線充電受信機、送信機、システム、および制御方法、ならびに電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会におけるエネルギー不足の深刻化および環境汚染問題に伴い、電気自動車は、新エネルギー自動車として様々な団体から広く注目されている。電気自動車は、車両を走行させるために車載用の電源電池パックをエネルギー源として使用する。現在、電気自動車の充電方式は、接触充電および無線充電を含む。無線充電方式は、使いやすさ、スパークまたは感電の危険がないこと、機械的摩耗がないこと、ならびに多様な過酷な環境および天候への適応性などの利点のために、電気自動車の将来の開発方向となっている。
【0004】
無線充電システムは、無線充電送信機(以下、送信機と呼ばれる)および無線充電受信機(以下、受信機と呼ばれる)を含む。通常、送信機は地面に配置され、受信機は電気自動車に配置される。電気自動車の無線充電中、送信機の送電コイルが受信機の受電コイルと位置合わせされているかどうかは、無線充電電力および無線充電効率に直接影響する。
【0005】
送電コイルと受電コイルとを位置合わせするために、低周波磁界送信コイルが送信機に追加されてもよく、低周波磁界送信コイルは、低周波交流磁界を発生させるために送信機の内部回路によって駆動され、また、低周波磁界受信コイルが受信機に追加され、低周波磁界受信コイルは、低周波交流磁界内で誘導信号(誘導電圧または誘導電流)を生成する。誘導信号の振幅は位置に関係し、誘導信号の振幅を検出することによって、送電コイルと受電コイルとの位置情報が取得される。しかしながら、送電コイルと受電コイルとを位置合わせする動作がまた、隣接する駐車スペースで実行されるとき、隣接する駐車スペースの送信機によって発生する低周波交流磁界は、ローカル駐車スペースの送信機によって発生する低周波交流磁界への干渉を発生させ、その結果、ローカル駐車スペースの受信機によって取得される誘導信号の振幅に影響を及ぼす。結果として、取得される位置情報が不正確となり、これは、送電コイルと受電コイルとの位置ずれをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の技術的問題を解決するために、本出願は、送電コイルと受電コイルとの取得された相対位置がより正確になるように、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉を回避するために、無線充電受信機、送信機、システム、および制御方法、ならびに電気自動車を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本出願は無線充電受信機を提供する。受信機は、受信機コントローラ、受電コイル、および低周波磁界受信コイルを含む。受電コイルは、送電コイルによって送信された交流磁界を交流電流に変換するように構成される。低周波磁界受信コイルは、低周波磁界を誘導信号に変換する。実際の用途では、低周波磁界受信コイルによって受信された低周波磁界は、別の送信機によって送信された干渉磁界を含む可能性があり、したがって、取得された誘導信号は干渉信号をさらに含む可能性がある。受信機コントローラは、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在の誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当て、その場合、低周波磁界受信コイルによって取得される誘導信号は干渉信号であり、すなわち、現在存在する干渉信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当て、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機に送信するように構成される。受信機コントローラは、低周波磁界送信コイルが動作しているとき、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定するようにさらに構成される。
【0008】
割り当てられた信号パルス幅を有しない誘導信号は干渉信号であり、送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0009】
第1の態様に関連して、第1の可能な実施態様では、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しており、信号特徴が取得されない、すなわち、干渉磁界がなく、低周波磁界受信コイルにおいて干渉信号が取得されないとき、受信機コントローラによって各低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、予め設定された信号特徴である。
【0010】
第1の態様に関連して、第2の可能な実施態様では、受信機コントローラは、位置合わせ案内要求を送信機に送信し、位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように送信機に要求するために使用される、ようにさらに構成される。受信機コントローラは、送信機によって送信された第1の応答情報をさらに受信することができ、第1の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルのパラメータを含む。パラメータは、送電コイルと受電コイルとの相対位置を計算するために使用される。
【0011】
第1の態様に関連して、第3の可能な実施態様では、受信機コントローラは、第1の命令を送信機にさらに送信し、第1の命令は、動作を停止するようにすべての低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に命令するために使用され、これにより、送信機は、干渉信号が現在あるかどうかを検出し、干渉信号があるとき、干渉信号の信号特徴を決定する。受信機コントローラは、送信機によって送信された第2の応答情報が受信されたとき、現在取得されている誘導信号、すなわち現在の干渉信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てるようにさらに構成される。第2の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを受信機に示すために使用される。
【0012】
第1の態様に関連して、第4の可能な実施態様では、受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を含む第2の命令を送信機にさらに送信する。第2の命令は、対応関係を送信機に通知するために使用される。第2の命令は、動作を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される。
【0013】
第1の態様に関連して、第5の可能な実施態様では、パラメータは、低周波磁界送信コイルの識別情報、サイズ情報、および低周波磁界送信コイルと送電コイルとの相対位置情報を含む。識別情報は、各低周波磁界送信コイルを区別するために使用される。サイズ情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置を決定するために使用される。相対位置情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置を、送電コイルと受電コイルとの相対位置に変換するときに使用される必要がある。
【0014】
第1の態様に関連して、第6の可能な実施態様では、送電コイルと受電コイルとの相対位置を具体的に取得するとき、受信機コントローラは、最初に、対応関係に基づいて、各低周波磁界送信コイルに対応する信号特徴および振幅を決定し、次に、各低周波磁界送信コイルに対応する信号特徴および振幅、各低周波磁界受信コイルと受電コイルとの相対位置、ならびにパラメータに基づいて、送電コイルと受電コイルとの相対位置を取得する。
【0015】
第1の態様に関連して、第7の可能な実施態様では、信号特徴は、信号パルス幅、信号符号、および信号周波数であってもよい。
【0016】
第1の態様に関連して、第8の可能な実施態様では、無線充電受信機は検出回路をさらに含む。誘導信号の振幅および誘導信号の信号特徴を取得し、振幅および信号特徴を受信機コントローラに送信するために、検出回路の入力端子は低周波磁界受信コイルに接続され、検出回路の出力端子は受信機コントローラに接続される。1つ以上の検出回路があってもよい。一部の実施形態では、検出回路の数は、低周波磁界受信コイルの数と同じであってもよく、検出回路は、低周波磁界受信コイルに1対1に対応して接続される。
【0017】
第1の態様に関連して、第9の可能な実施態様では、受信機は受信機コンデンサをさらに含み、各低周波磁界受信コイルは1つの受信機コンデンサに並列に接続される。受信機コンデンサおよび低周波磁界受信コイルは、低周波磁界受信コイルによる変換によって取得される誘導信号を強化するために、並列共振回路を形成する。
【0018】
第1の態様に関連して、第10の可能な実施態様では、信号特徴は信号パルス幅である。この場合、検出回路は、誘導信号の信号パルス幅を取得するために誘導信号のパルス持続時間を検出する。
【0019】
第1の態様に関連して、第11の可能な実施態様では、信号特徴は信号符号である。この場合、検出回路は、誘導信号の持続時間または誘導信号の中断時間に基づいて信号符号を取得する。
【0020】
第1の態様に関連して、第12の可能な実施態様では、信号特徴は信号周波数である。この場合、各低周波磁界受信コイルは、少なくとも2つの周波数調整分岐に並列に接続され、各周波数調整分岐は、直列に接続された受信機コンデンサおよびスイッチを含む。受信機コントローラは、低周波磁界受信コイルおよび接続された受信機コンデンサの並列共振周波数が、割り当てられた信号周波数と同じになるように、各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御し、その結果、割り当てられた信号周波数を有する誘導信号は強化される。
【0021】
第1の態様に関連して、第13の可能な実施態様では、無線充電受信機は、少なくとも2つの低周波磁界受信コイルを含む。一部の実施形態では、無線充電受信機は、代わりに、ただ1つの低周波磁界受信コイルを含んでもよい。この場合、送電コイルと受電コイルとの間の距離を取得するために、無線充電送信機は、少なくとも2つの低周波磁界送信コイルを含む必要がある。したがって、無線充電送信機の低周波磁界送信コイルの数が未知であるという前提で、受信機は、距離を取得するために少なくとも2つの低周波磁界受信コイルを含む。
【0022】
第2の態様によれば、本出願は無線充電送信機をさらに提供する。送信機は、インバータ回路、送信機コントローラ、送電コイル、および低周波磁界送信コイルを含む。送電コイルは、交流電流を交流磁界の形態で送信するように構成される。インバータ回路は、直流電流を交流電流に変換し、次に交流電流を低周波磁界送信コイルに送信するように構成される。低周波磁界送信コイルは、交流電流を低周波磁界の形態で送信するように構成される。送信機コントローラは、無線充電受信機によって送信された、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作することを可能にするように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御するようにさらに構成される。割り当てられた信号特徴は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているときに受信機コントローラによって各低周波磁界送信コイルに割り当てられた、現在の誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴であり、言い換えれば、干渉信号の信号特徴とは異なる信号特徴である。
【0023】
第2の態様に関連して、第1の可能な実施態様では、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しており、受信機コントローラが信号特徴を取得しない、すなわち、干渉磁界が存在せず、低周波磁界受信コイルが誘導電流を発生させないとき、割り当てられた信号特徴は、各低周波磁界送信コイルに割り当てられた予め設定された信号特徴である。
【0024】
第2の態様に関連して、第2の可能な実施態様では、送信機コントローラは、受信機によって送信された位置合わせ案内要求を受信し、位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように送信機に要求するために使用される。送信機コントローラは、第1の応答情報を受信機に送信し、第1の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルのパラメータを含む、ようにさらに構成される。パラメータ情報は、その後、送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定するために使用される。
【0025】
第2の態様に関連して、第3の可能な実施態様では、送信機コントローラは、受信機によって送信された第1の命令を受信し、第1の命令は、動作を停止するようにすべての低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に命令するために使用され、これにより、受信機は、干渉磁界が現在あるかどうかを検出する、ようにさらに構成される。送信機コントローラは、第2の応答情報を受信機に送信し、第2の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを受信機に示すために使用される、ようにさらに構成される。
【0026】
第2の態様に関連して、第4の可能な実施態様では、送信機コントローラは、受信機によって送信された、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を含む第2の命令を受信することができる。第2の命令は、動作を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される。
【0027】
第2の態様に関連して、第5の可能な実施態様では、パラメータは、低周波磁界送信コイルの識別情報、サイズ情報、および低周波磁界送信コイルと送電コイルとの相対位置情報を含む。
【0028】
第2の態様に関連して、第6の可能な実施態様では、信号特徴は、信号パルス幅、信号符号、および信号周波数であってもよい。
【0029】
第2の態様に関連して、第7の可能な実施態様では、送信機は送信機コンデンサをさらに含む。各低周波磁界送信コイルは、1つの送信機コンデンサに直列に接続される。送信機コンデンサは、低周波磁界を強化するために、低周波磁界送信コイルと共に直列共振回路を形成するように構成される。
【0030】
第2の態様に関連して、第8の可能な実施態様では、信号特徴は信号パルス幅である。この場合、送信機コントローラは、低周波磁界送信コイルが異なる時間に低周波磁界を送信するように、対応関係に基づいてインバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整する。低周波磁界は、各低周波磁界受信コイルに、割り当てられた信号パルス幅を有する誘導信号を生成させるために使用される。
【0031】
第2の態様に関連して、第9の可能な実施態様では、信号特徴は信号符号である。この場合、送信機コントローラは、低周波磁界送信コイルが、予め設定された持続時間に基づいて低周波磁界を送信するか、または予め設定された中断時間に基づいて動作を停止するように、対応関係に基づいてインバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号を調整する。
【0032】
第2の態様に関連して、第10の可能な実施態様では、信号符号化方式は2進符号化である。この場合、送信機コントローラは、1つの2進数に対応する各低周波磁界を送信した後に予め設定された時間の間停止し、次に、次の2進数に対応する低周波磁界を送信するように低周波磁界送信コイルを制御する。
【0033】
第2の態様に関連して、第11の可能な実施態様では、信号特徴は信号周波数であり、各低周波磁界送信コイルは、1つの周波数調整回路に直列に接続され、各周波数調整回路は、並列に接続された少なくとも2つの周波数調整分岐を含み、各周波数調整分岐は、直列に接続された送信機コンデンサおよびスイッチを含む。送信機コントローラは、低周波磁界送信コイルおよび接続された送信機コンデンサの直列共振周波数が、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数と同じになるように、対応関係に基づいて各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御する。送信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルが低周波磁界を送信するように、インバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整するようにさらに構成される。
【0034】
第2の態様に関連して、第12の可能な実施態様では、無線充電送信機は、少なくとも2つの低周波磁界送信コイルを含む。
【0035】
第3の態様によれば、本出願は、前述の無線充電受信機に適用される無線充電制御方法をさらに提供する。本方法は、
すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当て、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機に送信するステップと、
低周波磁界送信コイルが動作しているとき、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して、送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定するステップと
を含む。
【0036】
本方法によれば、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号、すなわち干渉信号は、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0037】
第3の態様に関連して、第1の可能な実施態様では、本方法は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しており、信号特徴が取得されないとき、各低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、予め設定された信号特徴であることをさらに含む。
【0038】
第3の態様に関連して、第2の可能な実施態様では、本方法は、位置合わせ案内要求を送信機に送信するステップであって、位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように送信機に要求するために使用される、ステップと、送信機によって送信された第1の応答情報を受信するステップであって、第1の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルのパラメータを含む、ステップとをさらに含む。
【0039】
第3の態様に関連して、第3の可能な実施態様では、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てるステップは、具体的には、第1の命令を送信機に送信するステップであって、第1の命令は、動作を停止するようにすべての低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に命令するために使用される、ステップと、送信機によって送信された第2の応答情報が受信されたとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てるステップであって、第2の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを受信機に示すために使用される、ステップとを含む。
【0040】
第3の態様に関連して、第4の可能な実施態様では、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機に送信するステップは、具体的には、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を含む第2の命令を送信機に送信するステップであって、第2の命令は、動作を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される、ステップを含む。
【0041】
第3の態様に関連して、第5の可能な実施態様では、パラメータは、低周波磁界送信コイルの識別情報、サイズ情報、および低周波磁界送信コイルと送電コイルとの相対位置情報を含む。
【0042】
第3の態様に関連して、第6の可能な実施態様では、本方法は、対応関係に基づいて、各低周波磁界送信コイルに対応する信号特徴および振幅を決定するステップと、各低周波磁界送信コイルに対応する信号特徴および振幅、各低周波磁界受信コイルと受電コイルとの相対位置、ならびにパラメータに基づいて、送電コイルと受電コイルとの相対位置を取得するステップとをさらに含む。
【0043】
第3の態様に関連して、第7の可能な実施態様では、信号特徴は、信号パルス幅、信号符号、および信号周波数を含む。
【0044】
第3の態様に関連して、第8の可能な実施態様では、本方法は、誘導信号の信号特徴および誘導信号の振幅を取得するステップをさらに含む。
【0045】
第3の態様に関連して、第9の可能な実施態様では、信号特徴は信号パルス幅であり、誘導信号の信号特徴を取得するステップは、具体的には、誘導信号の信号パルス幅を取得するために誘導信号のパルス持続時間を検出するステップを含む。
【0046】
第3の態様に関連して、第10の可能な実施態様では、信号特徴は信号符号であり、誘導信号の信号特徴を取得するステップは、具体的には、誘導信号の持続時間または誘導信号の中断時間に基づいて信号符号を取得するステップを含む。
【0047】
第3の態様に関連して、第11の可能な実施態様では、信号特徴は信号周波数であり、各低周波磁界受信コイルは、少なくとも2つの周波数調整分岐に並列に接続され、各周波数調整分岐は、直列に接続された受信機コンデンサおよびスイッチを含む。本方法は、低周波磁界受信コイルおよび接続された受信機コンデンサの並列共振周波数が、割り当てられた信号周波数と同じになるように、各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御するステップをさらに含む。
【0048】
第4の態様によれば、本出願は、無線充電送信機に適用される無線充電制御方法をさらに提供する。本方法は、
無線充電受信機によって送信された、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を受信するステップと、
各低周波磁界送信コイルが動作することを可能にするように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御するステップであって、割り当てられた信号特徴は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているときに受信機によって各低周波磁界送信コイルに割り当てられた、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴である、ステップと
を含む。
【0049】
第4の態様に関連して、第1の可能な実施態様では、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しており、受信機が信号特徴を取得しないとき、割り当てられた信号特徴は、各低周波磁界送信コイルに割り当てられた予め設定された信号特徴である。
【0050】
第4の態様に関連して、第2の可能な実施態様では、本方法は、受信機によって送信された位置合わせ案内要求を受信するステップであって、位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように送信機に要求するために使用される、ステップと、第1の応答情報を受信機に送信するステップであって、第1の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルのパラメータを含む、ステップとをさらに含む。
【0051】
第4の態様に関連して、第3の可能な実施態様では、本方法は、受信機によって送信された第1の命令を受信するステップであって、第1の命令は、動作を停止するようにすべての低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に命令するために使用される、ステップと、第2の応答情報を受信機に送信するステップであって、第2の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを受信機に示すために使用される、ステップとをさらに含む。
【0052】
第4の態様に関連して、第4の可能な実施態様では、無線充電受信機によって送信された、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を受信するステップは、具体的には、
受信機によって送信された、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を含む第2の命令を受信するステップであって、第2の命令は、動作を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される、ステップ
を含む。
【0053】
第4の態様に関連して、第5の可能な実施態様では、パラメータは、低周波磁界送信コイルの識別情報、サイズ情報、および低周波磁界送信コイルと送電コイルとの相対位置情報を含む。
【0054】
第4の態様に関連して、第6の可能な実施態様では、信号特徴は、信号パルス幅、信号符号、および信号周波数のうちの1つであってもよい。
【0055】
第4の態様に関連して、第7の可能な実施態様では、信号特徴は信号パルス幅であり、各低周波磁界送信コイルが動作するように対応関係に基づいてインバータ回路を制御するステップは、具体的には、低周波磁界送信コイルが異なる時間に低周波磁界を送信するように、対応関係に基づいてインバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整するステップであって、低周波磁界は、各低周波磁界受信コイルに、割り当てられた信号パルス幅を有する誘導信号を生成させるために使用される、ステップを含む。
【0056】
第4の態様に関連して、第8の可能な実施態様では、信号特徴は信号符号であり、各低周波磁界送信コイルが動作するように対応関係に基づいてインバータ回路を制御するステップは、具体的には、
低周波磁界送信コイルが、予め設定された持続時間に基づいて低周波磁界を送信するか、または予め設定された中断時間に基づいて動作を停止するように、対応関係に基づいてインバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号を調整するステップ
を含む。
【0057】
第4の態様に関連して、第9の可能な実施態様では、信号符号化方式は2進符号化であり、対応関係に基づいてインバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号を調整するステップは、具体的には、1つの2進数に対応する各低周波磁界を送信した後に予め設定された時間の間停止し、次に、次の2進数に対応する低周波磁界を送信するように低周波磁界送信コイルを制御するステップを含む。
【0058】
第4の態様に関連して、第10の可能な実施態様では、信号特徴は信号周波数であり、各低周波磁界送信コイルは、1つの周波数調整回路に直列に接続され、各周波数調整回路は、並列に接続された少なくとも2つの周波数調整分岐を含み、各周波数調整分岐は、直列に接続された送信機コンデンサおよびスイッチを含む。各低周波磁界送信コイルが動作するように対応関係に基づいてインバータ回路を制御するステップは、具体的には、低周波磁界送信コイルおよび接続された送信機コンデンサの直列共振周波数が、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数と同じになるように、対応関係に基づいて各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御するステップと、各低周波磁界送信コイルが低周波磁界を送信するように、インバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整するステップとを含む。
【0059】
第5の態様によれば、本出願は無線充電システムをさらに提供する。本システムは、前述の実施態様で提供された無線充電受信機および無線充電送信機を含む。
【0060】
無線充電システムは、別の無線充電送信機の低周波磁界信号からの干渉を回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得された相対位置はより正確になる。
【0061】
第6の態様によれば、本出願は電気自動車をさらに提供する。電気自動車は、前述の実施態様で提供された無線充電受信機を含み、電源電池パックをさらに含む。電源電池パックは、受信機からの電気エネルギーを使用して充電するために受信機に電気的に接続するように構成され、電気エネルギーを電気自動車に提供するようにも構成される。
【0062】
第6の態様に関連して、第1の可能な実施態様では、電気自動車は表示画面をさらに含む。表示画面は、コイル較正において運転者を案内するために、送電コイルと受電コイルとの相対位置を表示するように構成される。
【0063】
電気自動車の駐車中、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号からの干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとはより正確に位置合わせすることができ、その結果、無線充電中の充電電力および充電効率が高まる。
【0064】
本出願で提供される技術的解決策は、少なくとも以下の利点を有する。
【0065】
無線充電送信機のすべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、低周波磁界受信コイルによって受信される低周波磁界は干渉磁界であり、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。受信機コントローラは、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。言い換えれば、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、干渉信号の信号特徴とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機にさらに送信する。送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】電気自動車の無線充電システムの概略図である。
【
図2】
図1において提供されている電気自動車の無線充電システムの構造の概略図である。
【
図3】受電コイルと送電コイルとの位置ずれの概略図である。
【
図4】低周波磁界を使用して送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内する概略図である。
【
図5】隣接する駐車スペースにおいて低周波磁界を同時に使用して送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内する概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態による無線充電受信機に対応する無線充電システムの概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による無線充電システムの概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による別の無線充電システムの概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による無線充電制御方法のフローチャートである。
【
図10】本出願の一実施形態による別の無線充電制御方法のフローチャートである。
【
図11A】本出願の一実施形態によるさらに別の無線充電制御方法のフローチャートである。
【
図11B】本出願の一実施形態によるさらに別の無線充電制御方法のフローチャートである。
【
図12】本出願の一実施形態による無線充電システムの概略図である。
【
図13】本出願の一実施形態による電気自動車の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
本出願の実施形態で提供される技術的解決策を当業者によりよく理解してもらうために、以下では、無線充電システムの適用シナリオを最初に説明する。
【0068】
本出願で提供される無線充電受信機は、受信コイルを使用して、送信機によって送信された交流磁界を無線で誘導し、負荷を充電するために交流磁界を直流電流に変換する。無線充電受信機および無線充電送信機が電気自動車の分野に適用されるとき、送信機は地面に配置されてもよく、受信機は電気自動車に配置されてもよく、負荷は電気自動車の電源電池パックである。
【0069】
図1は、電気自動車の無線充電システムの概略図である。
【0070】
無線充電システムは、少なくとも電気自動車100および無線充電ステーション200を含み得る。
【0071】
電気自動車100には無線充電受信機101が配置され、地面の無線充電ステーション200には無線充電送信機201が配置される。
【0072】
無線充電システムの充電プロセスは、無線充電受信機101および無線充電送信機201が電源電池パックを充電するために非接触充電によって電気エネルギーの伝送を遂行することである。
【0073】
無線充電ステーション200は、具体的には、固定無線充電ステーション、固定無線充電駐車スペース、または無線充電道路などであってもよい。無線充電送信機201は、地面に配置されてもよいし、地面の下に埋め込まれてもよい(図は、無線充電送信機201が地面の下に埋め込まれている場合を示している)。
【0074】
無線充電受信機101は、電気自動車100の底部に一体化されてもよい。電気自動車100が無線充電送信機201の無線充電範囲に入ると、電気自動車100は無線充電方式で充電することができる。無線充電受信機101の受電モジュールおよび整流回路は、一体化されてもよいし、分離されてもよい。これは本出願では特に限定されない。受電モジュールと整流回路とが分離されるとき、整流回路の整流器は通常、車両に配置される。
【0075】
無線充電送信機201の送電モジュールおよびインバータは、一体化されてもよいし、分離されてもよい。加えて、非接触充電は、無線充電受信機101および無線充電送信機201が電界または磁界結合によってエネルギー伝達を実行することであってもよく、これは具体的には、電界誘導、磁気誘導、磁気共鳴、または無線放射などの方式で実施されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。電気自動車100と無線充電ステーション200との間で双方向充電をさらに実行することができる。具体的には、無線充電ステーション200は、電源を使用して電気自動車100を充電することができ、電気自動車100は電源に放電されることもできる。
【0076】
図2は、
図1において提供されている電気自動車の無線充電システムの構造の概略図である。
【0077】
図に示されている無線充電送信機201は、送信機制御モジュール201a、送信機変換モジュール201b、送電モジュール201c、および送信機通信モジュール201dを含む。
【0078】
無線充電受信機101は、受信機制御モジュール101a、受信機変換モジュール101b、受電モジュール101c、および受信機通信モジュール101dを含む。
【0079】
加えて、受信機変換モジュール101bは、受け取られたエネルギーが、エネルギー貯蔵モジュール101eを充電するために使用され、電気自動車を駆動するためにさらに使用されるように、エネルギー貯蔵モジュール101eおよびエネルギー貯蔵管理モジュール101fに接続されてもよい。エネルギー貯蔵モジュール101eとエネルギー貯蔵管理モジュール101fとの間の接続は、無線充電受信機101の内部に配置されてもよいし、無線充電受信機101の外部に配置されてもよい。これは本出願では特に限定されない。
【0080】
送信機変換モジュール201bは、外部電源201eに接続され、外部電源201eから取得される交流電流または直流電流を高周波交流に変換する。外部電源201eの入力が交流電流であるとき、送信機変換モジュール201bは、力率補正ユニット(図示せず)およびインバータユニット(図示せず)を少なくとも含む。外部電源201eの入力が直流電流であるとき、送信機変換モジュール201bは、少なくともインバータユニットを含む。力率補正ユニットは、交流電流を直流電流に変換することができ、かつ無線充電システムの入力電流の位相を送電網電圧の位相と同じにすることもでき、その結果、無線充電システムの高調波含有量を低減し、力率値を増加させて、無線充電システムによって引き起こされる送電網への汚染を低減し、信頼性を改善する整流回路である。力率補正ユニットは、後段の要求に基づいて力率補正ユニットの出力電圧をさらに増減させてもよい。可変電圧範囲が要求を満たさないとき、電圧を上げるために直流変換ユニットがさらに追加されてもよい。インバータユニットは、力率補正ユニットによって出力された電圧を高周波交流電圧に変換し、次に、高周波交流電圧は送電モジュール201cに作用する。高周波交流電圧は、伝達効率および伝達距離を改善することができる。
【0081】
外部電源201eは、無線充電送信機201dの内部または外部に配置されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0082】
送電モジュール201cは、送信機変換モジュール201bによって出力された交流電流を交流磁界の形態で送信するように構成される。送電モジュール201cは、送電コイルおよび送信機補償ネットワークを含む。
【0083】
送信機制御モジュール201aは、主に制御チップおよび電子回路を含み、送電モジュール201cの高周波交流の電圧および電流を制御するために、無線充電の実際の送信電力要求に基づいて送信機変換モジュール201bの電圧、電流、および周波数変換パラメータ調整を制御することができる。
【0084】
無線通信は、送信機通信モジュール201dと受信機通信モジュール101dとの間で実施され、具体的には、電力制御情報、障害保護情報、オン/オフ情報、および対話認証情報などを含む。無線充電送信機201は、無線充電受信機101によって送信された電気自動車の属性情報、充電要求、および対話認証情報などの情報を受信し得る。加えて、無線充電送信機201は、無線充電送信制御情報、対話認証情報、および無線充電の履歴データ情報などを無線充電受信機101にさらに送信し得る。具体的には、無線通信の方式は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、ワイヤレスフィデリティ(Wireless-Fidelity、Wi-Fi)、ジグビー(Zigbee)プロトコル、無線周波数識別(Radio Frequency Identification、RFID)技術、長距離(Long Range、Lora)無線技術、および近距離無線通信(Near Field Communication、NFC)技術のうちの任意の1つ以上の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。さらに、送信機通信モジュール201dは、電気自動車が属するユーザのインテリジェント端末とさらに通信してもよく、電気自動車が属するユーザは、通信機能を使用して遠隔認証およびユーザ情報送信を実施する。
【0085】
受電モジュール101cは、受電コイルおよび受信機補償ネットワークを含み、送電モジュール201cによって送信された電磁エネルギーを交流磁界の形態で受信するように構成される。
【0086】
無線充電システムにおける送電モジュール201cおよび受電モジュール101cの補償回路の構造の組み合わせ形態は、S-S型、P-P型、S-P型、P-S型、LCL-LCL型、LCL-P型、およびLCC-LCC型などを含む。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0087】
無線充電送信機1001aおよび無線充電受信機1000aの機能は交換されてもよく、すなわち、無線充電受信機1000aはまた、無線充電送信機1001aを充電してもよい。この場合、双方向充電機能を実施するために、無線充電送信機201および無線充電受信機101の各々は、受電コイルと送電コイルとの両方を含んでもよく、同じ端部の受電コイルと送電コイルとは、別々であっても一体化されていてもよい。
【0088】
受信機変換モジュール101bは、受電モジュール101cによって受信された高周波共振電流および電圧を、エネルギー貯蔵モジュール101eを充電するために必要な直流電圧および直流電流に変換する。
【0089】
受信機変換モジュール101bは、通常、整流ユニット(図示せず)および直流変換ユニット(図示せず)を含む。整流ユニットは、受電モジュール101cによって受信された高周波共振電流および電圧を直流電流および直流電圧に変換する。直流変換ユニットは、電圧調整を実行するために、直流電圧を後段の充電回路に提供する。一部の実施形態では、代わりに、受信機変換モジュール101bは、直流変換ユニットを有しなくてもよく、その場合、直流変換ユニットの機能は、整流ユニットによって実施される。
【0090】
受信機制御モジュール101aは、主に制御チップおよび電子回路を含み、無線充電の実際の受信電力要求に基づいて受信機変換モジュール101bの電圧、電流、および周波数などのパラメータを制御することができる。
【0091】
図3は、受電コイルと送電コイルとの位置ずれの概略図である。
【0092】
送信機の送電コイルは電気自動車の外部に配置され、受信機の受電コイルは電気自動車に配置される。したがって、受電コイルと送電コイルとがずれていると、無線充電電力および無線充電効率が低下する。
【0093】
受電コイルと送電コイルとの位置合わせ度を改善する目的で、駐車中に2つのコイルを位置合わせする際に運転者またはシステムを案内するために、受電コイルと送電コイルとの相対位置が取得され、次に運転者または自動運転システムに提示され得る。
【0094】
受電コイルと送電コイルとの相対位置を取得するために、光学的検出方法、音響的検出方法、磁界検出方法などの検出方法が使用され得る。光学的方法および音響的方法は、遮断の問題のせいでこのシナリオにはほとんど適用できない。磁界方法は、遮断によって影響を受け得ない。現在、低周波磁界を使用する方法が比較的一般的である。
【0095】
図4は、低周波磁界を使用して送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内する概略図である。
【0096】
送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内するために低周波磁界が使用されるとき、低周波磁界送信コイルLtxが無線充電送信機に追加され、低周波磁界送信コイルLtxは、低周波交流磁界を発生させるために内部回路によって駆動され、また、低周波磁界受信コイルLrxが、交流磁界内で誘導信号(誘導電圧または誘導電流)を生成するすために無線充電受信機に追加される。誘導信号の振幅は位置に関係し、誘導信号の振幅を検出することによって、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置情報が取得される。さらに、低周波磁界送信コイルと送電コイルとの相対位置は予め決定することができ、低周波磁界受信コイルと受電コイルとの相対位置は予め決定することができるため、送電コイルと受電コイルとの相対位置情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置情報に基づいて決定することができる。
【0097】
図5は、隣接する駐車スペースにおいて低周波磁界を同時に使用して送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内する概略図である。
【0098】
位置合わせを案内するために低周波磁界が使用されるとき、有効範囲は比較的大きく、例えば、距離は数メートルまでであり得る。したがって、位置合わせは、隣接する駐車スペースの低周波磁界送信コイルによって発生する低周波交流磁界の影響を受ける可能性がある。例えば、車両bの駐車スペースの低周波磁界送信コイルによって発生する低周波交流磁界は、車両aの低周波磁界受信コイルに作用し、その結果、干渉が連続して生じ、車両aによって取得される誘導信号の振幅に影響を及ぼす。結果として、車両aによって取得される相対位置情報は不正確となる。
【0099】
前述の技術的問題を解決するために、本出願の実施形態は、無線充電受信機、送信機、システム、および制御方法、ならびに電気自動車を提供する。位置合わせ案内の前に、ローカル駐車スペースの送信機の低周波磁界送信コイルが低周波磁界信号を送信しないことが確保される。加えて、このとき受信機の低周波磁界受信コイルに対する干渉磁界信号があるかどうかが検出され、干渉磁界信号があるとき、干渉磁界信号の信号特徴が識別される。次に、ローカル駐車スペースで生成される低周波磁界信号に異なる信号特徴が割り当てられる。この場合、受信機は、ローカル駐車スペースの信号特徴を有する誘導信号のみを使用して、送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内する。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、取得される低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置がより正確になる。このようにして、受電コイルと送電コイルとはより正確に位置合わせすることができる。
【0100】
以下の説明において、「第1の」および「第2の」などの語は、説明の目的で使用されているにすぎず、相対的な重要性の指示もしくは暗示、または示された技術的特徴の数の暗黙の指示として理解されてはならない。したがって、「第1の」または「第2の」によって限定された特徴は、1つ以上のこのような特徴を明示的に示し得るか、または暗黙的に含み得る。本出願の説明では、別段の記載がない限り、「複数の」は、2つのまたは2つより多くのを意味する。
【0101】
装置の実施形態1
図6は、本出願のこの実施形態による無線充電受信機に対応する無線充電システムの概略図である。
【0102】
無線充電システムは、無線充電受信機101および無線充電送信機201を含む。
【0103】
無線充電受信機(以下、受信機と呼ばれる)101は、受信機コントローラ401、低周波磁界受信コイル403、受電コイル(図示せず)を含む。
【0104】
無線充電送信機201(以下、送信機と呼ばれる)は、送信機コントローラ301、低周波磁界送信コイル302、および送電コイル(図示せず)を含む。
【0105】
送電コイルは、交流電流を交流磁界の形態で送信する。
【0106】
受電コイルは、送電コイルによって送信された交流磁界を交流電流に変換する。
【0107】
低周波磁界送信コイル303は、交流電流を低周波磁界の形態で送信する。送信機201は、1つ以上の低周波磁界送信コイル303を含んでもよい。低周波磁界送信コイル303の数は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0108】
低周波磁界受信コイル403は、低周波磁界を誘導信号に変換する。誘導信号は、誘導電圧であっても誘導電流であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。受信機101は、1つ以上の低周波磁界受信コイル403を含んでもよい。低周波磁界受信コイル403の数は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0109】
低周波磁界受信コイル403によって受信される低周波磁界は、複数の無線充電送信機の低周波磁界送信コイルによって発生する可能性があり、すなわち、この場合に生成される誘導信号には干渉信号がある可能性がある。本出願のこの実施形態では、誘導信号の信号特徴を使用して、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉が回避される。詳細は以下で説明される。
【0110】
送信機201と受信機101との間には対応関係があることが理解できる。以下では、受信機101を無線充電するための送信機201は、受信機101に対応する送信機と呼ばれ、受信機101を充電しない送信機であって、その位置が受信機101に近い送信機は、別の送信機と呼ばれる。一部の実施形態では、受信機が電気自動車に配置されているとき、電気自動車が現在位置する駐車スペースの送信機は対応する送信機であり、近くの駐車スペースの送信機は別の送信機である。
【0111】
すべての低周波磁界送信コイル303が動作を停止すると、低周波磁界送信コイル303は低周波磁界を送信しなくなる。受信機101の低周波磁界受信コイル403は正常に動作する。この場合、低周波磁界受信コイル403によって受信される低周波磁界は、別の送信機の低周波磁界送信コイルによって送信される低周波磁界、すなわち干渉磁界である。したがって、受信コイルによる変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。
【0112】
この場合、受信機コントローラは、干渉信号の信号特徴を取得し、干渉信号の信号特徴とは異なる信号特徴を送信機201の各低周波磁界送信コイル303に割り当て、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を送信機201に送信する。
【0113】
例えば、送信機201が2つの低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2を含み、信号特徴が信号のパルス時間幅であるとき、受信機コントローラが干渉信号のパルス時間幅1msおよび3msを取得すると、受信機コントローラは、パルス時間幅2msをLtx1に割り当て、パルス時間幅4msをLtx2に割り当て、低周波磁界送信コイルと割り当てられたパルス時間幅との対応関係を送信機201に送信してもよい。
【0114】
一部の実施形態では、代わりに、干渉磁界がない可能性がある。この場合、受信機コントローラは干渉信号の信号特徴を取得せず、受信機コントローラによって各低周波磁界送信コイル303に割り当てられる信号特徴は予め設定された信号特徴である。
【0115】
低周波磁界送信コイル303と割り当てられた信号特徴との対応関係を受信した後、送信機コントローラ401は、各低周波磁界送信コイル303が動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路302の動作状態を制御する。この場合、各低周波磁界送信コイル303によって送信された低周波磁界が低周波磁界受信コイル403によって受信された後、生成される誘導信号の信号特徴は割り当てられた信号特徴である。
【0116】
さらに前述の例を参照すると、低周波磁界送信コイルLtx1が2msの間、低周波磁界を送信し続けて、低周波磁界受信コイル403が、パルス時間幅が2msの誘導信号を変換によって取得することができるように、また、低周波磁界送信コイルLtx2が4msの間、低周波磁界を送信し続けて、低周波磁界受信コイル403が、パルス時間幅が4msの誘導信号を変換によって取得することができるように、送信機コントローラ301は、インバータ回路302の動作状態を制御する。
【0117】
受信機コントローラ401によって取得された誘導信号が干渉信号を含むとき、受信機コントローラ401は、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定し、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。このようにして、別の送信機の低周波磁界送信コイルによって送信される低周波磁界からの干渉が回避される。
【0118】
一部の実施形態では、受信機コントローラ401は、低周波磁界受信コイル403の誘導信号の信号特徴を直接検出してもよい。一部の他の実施形態では、低周波磁界受信コイル403の誘導信号の信号特徴は、検出回路402を使用して取得され、受信機コントローラ401に送信されてもよい。受信機コントローラ401が信号特徴を取得する方法は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0119】
一部の実施形態では、受信機コントローラ401と送信機コントローラ301との間の通信は、通信モジュールを使用して実施される。可能な実施態様では、通信は、
図2に示されている受信機通信モジュール101dおよび送信機通信モジュール201dを使用して実施されてもよい。別の可能な実施態様では、通信は、別個に配置され、通信モジュール101dおよび201dから独立した通信モジュールを使用して実施されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0120】
一部の実施形態では、本出願のこの実施形態における受信機コントローラ401および送信機コントローラ301は、特定用途向け集積回路(Application-specific Integrated Circuit、ASIC)、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device、PLD)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、またはこれらの組み合わせであってもよい。PLDは、複合プログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device、CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、汎用アレイ論理(generic array logic、GAL)、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0121】
さらに
図2を参照すると、受信機コントローラ401は、受信機制御モジュール101aと一体化されてもよいし、別個に配置され、受信機制御モジュール101aから独立していてもよく、また、送信機コントローラ301は、送信機制御モジュール201aと一体化されてもよいし、別個に配置され、送信機制御モジュール201aから独立していてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0122】
要約すると、本出願のこの実施形態で提供される受信機の受信機コントローラは、無線充電送信機のすべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当て、すなわち、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、干渉信号の信号特徴とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機にさらに送信する。送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0123】
以下では、信号特徴が信号パルス幅、信号符号、および信号周波数である例を使用して、受信機および送信機の動作原理を説明する。信号特徴は代わりに別の特徴であってもよいが、実施原理は同様であり、本出願では詳細は説明されないことが理解できる。
【0124】
加えて、説明を容易にするために、以下の実施形態はすべて、受信機が4つの低周波磁界受信コイルを含み、送信機が2つの低周波磁界送信コイルを含む例を使用して説明される。低周波磁界受信コイルおよび低周波磁界送信コイルの数は、代わりに異なる値を有してもよいが、実施原理は同様であり、本出願の実施形態では詳細は説明されないことが理解できる。
【0125】
装置の実施形態2
以下では、最初に、信号特徴が信号パルス幅であるときの受信機および送信機の動作原理について説明する。信号パルス幅は、信号パルスの時間幅である。
【0126】
図7は、本出願のこの実施形態による無線充電システムの概略図である。
【0127】
無線充電送信機は、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2、送信機コントローラ301、インバータ回路302、ならびに低周波磁界送信機通信モジュール304を含む。
【0128】
無線充電受信機は、低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4、受信機コントローラ401、検出回路402、および低周波磁界受信機通信モジュール404を含む。
【0129】
本出願のこの実施形態では、インバータ回路302が具体的には2つのハーフブリッジインバータ回路である例が説明のために使用される。スイッチングトランジスタQ1およびQ2を含むハーフブリッジインバータ回路は、直流電流を交流電流に変換し、次に交流電流を低周波磁界送信コイルLtx1に送信するように構成される。スイッチングトランジスタQ3およびQ4を含むハーフブリッジインバータ回路は、直流電流を交流電流に変換し、次に交流電流を低周波磁界送信コイルLtx2に送信するように構成される。
【0130】
電源Udcは、直流電源である。さらに
図2を参照すると、送信機に接続される外部電源201eが直流電源であるとき、電源Udcは、外部電源201eであってもよいし、外部電源201eに対して直流-直流(DC-DC)変換を実行することによって取得されてもよく、送信機に接続される外部電源201eが交流電源であるとき、電源Udcは、外部電源201eによる整流によって取得されてもよい。
【0131】
低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4の誘導信号の振幅および信号パルス幅を取得し、振幅および信号パルス幅を受信機コントローラ401に送信するために、検出回路402の入力端子は低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4に接続され、検出回路402の出力端子は受信機コントローラ401に接続される。
【0132】
1つ以上の検出回路402があってもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。一部の実施形態では、検出回路402の数は、低周波磁界受信コイルの数と同じであってもよく、検出回路は、低周波磁界受信コイルに1対1に対応して接続される。
【0133】
低周波磁界送信機通信モジュール304および低周波磁界受信機通信モジュール404を使用して、送信機と受信機との間で無線通信が実行され得る。送信機と受信機との間で送信される情報は、双方が共に準拠する通信プロトコルを使用して解釈される。
【0134】
以下では、送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内するときの受信機および送信機の動作原理を具体的に説明する。
【0135】
最初に、無線充電送信機が位置合わせ案内要求を開始するか、または無線充電受信機が位置合わせ案内要求を開始する。以下では、受信機が位置合わせ案内要求を開始する例を使用して説明を提供する。
【0136】
要求を開始する方法は、以下の通りであってもよく、受信機コントローラ401は、低周波磁界受信機通信モジュール404を使用して位置合わせ案内要求を送信機に送信し、位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように送信機に要求するために使用される。すなわち、送信機および受信機が共に準拠する通信プロトコルは、位置合わせ案内要求を、低周波磁界を送信することによって位置合わせを案内するように送信機に要求するものとして解釈し得る。
【0137】
送信機コントローラ301は、低周波磁界送信機通信モジュール304を使用して位置合わせ案内要求を受信し、受信機に応答する。具体的には、送信機コントローラ301は、第1の応答情報を受信機に送信し、第1の応答情報はすべての低周波磁界送信コイルのパラメータを含む。
【0138】
パラメータは、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2の各々の識別情報、サイズ情報、ならびにLtx1およびLtx2の各々と送電コイルとの相対位置情報を含む。識別情報は、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2を区別するために使用される。サイズ情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置を決定するために使用される。相対位置情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置を、送電コイルと受電コイルとの相対位置に変換するときに使用される必要がある。
【0139】
第1の応答情報を受信した後、受信機コントローラ401は、第1の命令を送信機に送信する。第1の命令は、動作を停止するように両方の低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に命令するために使用される。受信機コントローラ401は、パラメータが使用される必要があるときにパラメータを呼び出すために、受信機コントローラ401の記憶ユニットに第1の応答情報内のパラメータを記憶してもよいし、受信機のメモリにパラメータを記憶してもよい。
【0140】
第1の命令を受信した後、送信機コントローラ301は、動作を停止するための制御信号をインバータ回路302のスイッチングトランジスタQ1~Q4に送信し、これにより、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2の両方は低周波磁界の送信を停止する。
【0141】
スイッチングトランジスタのタイプは、以下のうちのいずれか1つ、すなわち、リレー、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、MOSFET、以下では略してMOSトランジスタ)、またはSiC MOSFET(Silicon Carbide Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)などのうちのいずれか1つであってもよい。スイッチングトランジスタがMOSトランジスタであるとき、スイッチングトランジスタは、具体的には、PMOSトランジスタまたはNMOSトランジスタであってもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。以下では、スイッチングトランジスタが具体的にはNMOSトランジスタである例を使用して説明を提供する。この場合、制御信号は、PWM(Pulse width modulation、パルス幅変調)信号であってもよい。制御信号がローレベルであるとき、スイッチングトランジスタはオフされる。制御信号がハイレベルであるとき、スイッチングトランジスタはオンされる。したがって、送信機コントローラ301によってインバータ回路302のスイッチングトランジスタQ1~Q4に送信される制御信号はローレベルであり、これにより、すべてのスイッチングトランジスタQ1~Q4はオフ状態となる。
【0142】
送信機コントローラ301が、オフされるようにスイッチングトランジスタQ1~Q4を制御した後、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2は低周波磁界を送信しない。次に、送信機コントローラ301は、第2の応答情報を受信機に送信する。第2の応答情報は、両方の低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを受信機に示すために使用される。
【0143】
送信機によって送信された第2の応答情報が受信されると、受信機コントローラ401は、対応する送信機の両方の低周波磁界送信コイルが低周波磁界の送信を停止していることを知る。この場合、受信機の低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4によって受信される磁界信号は、別の送信機によって送信された干渉磁界であり、したがって、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。検出回路402は、干渉信号の信号パルス幅を検出し、信号パルス幅を受信機コントローラ401に送信する。
【0144】
受信機コントローラ401は、現在の干渉信号の信号パルス幅を取得し、干渉信号の信号パルス幅とは異なる信号パルス幅を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。一部の実施形態では、受信機コントローラ401は、複数の異なる干渉信号の信号パルス幅を取得し得る。例えば、信号パルス幅は、1msおよび3msであり得る。干渉信号と区別するために、受信機コントローラ401によって低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2に割り当てられる信号パルス幅の各々は、1msおよび3msと異なる必要がある。例えば、割り当てられる信号パルス幅は、それぞれ2msおよび4msであってもよい。低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2に割り当てられる信号パルス幅は、同じであってもよいし、異なっていてもよいことが理解できる。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0145】
一部の実施形態では、代わりに、干渉磁界がない可能性がある。この場合、受信機コントローラは干渉信号の信号特徴を取得せず、受信機コントローラによって各低周波磁界送信コイル303に割り当てられる信号パルス幅は予め設定された信号パルス幅である。
【0146】
誘導信号は、誘導電圧であっても誘導電流であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0147】
一部の実施形態では、誘導信号の振幅が予め設定された振幅よりも大きいことを検出すると、検出回路402は干渉信号が検出されたと決定する。予め設定される振幅は、実際の状況に基づいて決定されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。例えば、誘導信号が誘導電圧であり、取得された誘導電圧の振幅が30mVよりも大きいとき、受信機コントローラ401は干渉信号が存在すると決定する。
【0148】
次に、受信機コントローラ401は、第2の命令を送信機に送信する。第2の命令は、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号パルス幅との対応関係を含む。さらに前述の例を参照すると、第2の命令は、低周波磁界送信コイルLtx1に割り当てられた信号パルス幅が2msであり、低周波磁界送信コイルLtx2に割り当てられた信号パルス幅が4msであることを送信機に通知することができる。第2の命令は、低周波磁界の送信を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される。
【0149】
第2の命令を受信した後、送信機コントローラ301は、低周波磁界送信コイルが異なる時間に低周波磁界を送信するように、第2の命令で搬送された対応関係に基づいてインバータ回路302内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整する。さらに前述の例を参照すると、送信機コントローラ301は、2つのハーフブリッジインバータ回路のスイッチングトランジスタQ1~Q4のオン/オフ状態を制御して、低周波磁界送信コイルLtx1が磁界を送信しない一方で、低周波磁界送信コイルLtx1が磁界を送信し、Ltx1が2msの間、低周波磁界を送信し続け、次に停止し、次に、予め設定された時間間隔の後、送信機コントローラ301が、低周波磁界送信コイルLtx1が磁界を送信しない一方で、磁界を送信するように低周波磁界送信コイルLtx2を制御し、Ltx2が4msの間、低周波磁界を送信し続け、次に停止し、次に、さらに予め設定された時間間隔の後、前述のプロセスが繰り返されるようにする。このようにして、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2によって送信される低周波磁界は、各低周波磁界受信コイルに、割り当てられた信号パルス幅を有する誘導信号を生成させることができる。
【0150】
受信機コントローラ401は、検出回路402を使用して、低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4の誘導信号のパルス時間幅を取得する。この場合、誘導信号は、依然として干渉信号を含み得るが、受信機コントローラ401は、パルス時間幅に基づいて、誘導信号が干渉信号であるかどうかを決定することができる。さらに前述の例を参照すると、受信機コントローラ401は、信号パルス幅が2msでも4msでもない誘導信号は干渉信号であると決定し、次に、割り当てられた信号パルス幅と低周波磁界送信コイルとの対応関係に基づいて、2msおよび4msの誘導信号を生成する低周波磁界を送信する低周波磁界送信コイルを決定する、すなわち、信号パルス幅2msが低周波磁界送信コイルLtx1に対応し、信号パルス幅4msが低周波磁界送信コイルLtx2に対応すると決定する。次に、受信機コントローラ401は、検出回路402から、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2にそれぞれ対応する誘導信号の振幅を取得する。
【0151】
受信機コントローラ401は、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2にそれぞれ対応する誘導信号の取得された振幅と、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2にそれぞれ対応するサイズ情報とに基づいて、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2と低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4との相対位置を取得し、次に、パラメータ内の、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2と送電コイルとの相対位置および低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4と受電コイルとの相対位置に基づいて、受電コイルと送電コイルとの相対位置を決定する。
【0152】
低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4と受電コイルとの相対位置は、相対位置が使用される必要があるときに呼び出されるように、予め決定され、受信機コントローラ401の記憶ユニットに記憶されるか、または受信機の別のメモリに記憶される。
【0153】
一部の実施形態では、送信機は送信機コンデンサをさらに含み、各低周波磁界送信コイルは1つの送信機コンデンサに直列に接続される。さらに
図7を参照すると、送信機コンデンサCtx1およびCtx2は、それぞれ低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2に直列に接続されている。
【0154】
送信機コンデンサCtx1および低周波磁界送信コイルLtx1は、送信される低周波磁界を強化するために、直列共振回路を形成する。この場合、送信機コントローラ301は、直流電流を、周波数がCtx1およびLtx1の直列共振周波数と同じである交流電流に変換するように、ハーフブリッジインバータ回路のスイッチングトランジスタQ1およびQ2の動作状態を制御する。
【0155】
送信機コンデンサCtx2および低周波磁界送信コイルLtx2は、送信される低周波磁界を強化するために、直列共振回路を形成する。この場合、送信機コントローラ301は、直流電流を、周波数がCtx2およびLtx2の直列共振周波数と同じである交流電流に変換するように、ハーフブリッジインバータ回路のスイッチングトランジスタQ3およびQ4の動作状態を制御する。
【0156】
これに対応して、受信機は受信機コンデンサをさらに含み、各低周波磁界受信コイルは1つの受信機コンデンサに並列に接続される。さらに
図7を参照すると、受信機コンデンサCrx1~Crx4は、
それぞれ低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx2に並列に接続されている。並列に接続された各受信機コンデンサおよび対応する低周波磁界受信コイルは並列共振回路を形成し、並列共振周波数は低周波磁界送信コイルおよび送信機コンデンサの直列共振周波数と同じであり、これにより、低周波磁界受信コイルの低周波磁界受信能力は強化することができ、低周波磁界受信コイルの磁界受信距離が増大される。
【0157】
要約すると、本出願のこの実施形態で提供される解決策によれば、受信機コントローラは、送信機の両方の低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号パルス幅とは異なる信号パルス幅を各低周波磁界送信コイルに割り当て、すなわち、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号パルス幅は、干渉信号の信号パルス幅とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号パルス幅との対応関係を無線充電送信機にさらに送信する。送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号パルス幅を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号パルス幅を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0158】
以下では、信号特徴が信号符号であるときの受信機および送信機の動作原理について説明する。
【0159】
装置の実施形態3
さらに
図7を参照すると、本出願のこの実施形態は、実施形態2と同じハードウェア装置に基づいて実施され得る。ハードウェア装置の説明については、実施形態2を参照されたい。本出願のこの実施形態において、ここでは詳細は再び説明されない。違いは、信号特徴を制御および識別するプロセスにあり、その違いが以下で具体的に説明される。
【0160】
本出願のこの実施形態における信号特徴は信号符号である。磁界信号が符号で表すことができるように、低周波磁界送信コイルによって送信される磁界信号は制御される。以下では、使用される信号符号化方式が2進符号化である例を使用して説明を提供する。実際の用途では、別の信号符号化方式、例えば4進符号化または8進符号化が代わりに使用されてもよい。その原理は同様であり、本出願のこの実施形態では詳細は説明されない。
【0161】
信号符号化方式が2進符号化であるとき、低周波磁界送信コイルによって送信される磁界信号は異なる2進数で表され得る。
【0162】
送信機によって送信された第2の応答情報が受信されると、受信機コントローラ401は、対応する送信機の両方の低周波磁界送信コイルが低周波磁界の送信を停止していることを知る。この場合、受信機の低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4によって受信される磁界信号は、別の送信機によって送信された干渉磁界であり、したがって、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。検出回路402は、干渉信号の信号符号を検出し、信号符号を受信機コントローラ401に送信する。
【0163】
受信機コントローラ401は、現在の干渉信号の信号符号を取得し、異なる信号パルス幅を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。一部の実施形態では、受信機コントローラ401は、複数の異なる干渉信号の信号符号を取得し得る。例えば、信号符号は001および010であり得る。干渉信号と区別するために、受信機コントローラ401によって低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2に割り当てられる信号符号の各々は、001および010と異なる必要がある。例えば、割り当てられる信号符号は、それぞれ101および111であってもよい。受信機コントローラ401によって低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2に割り当てられる信号符号は、同じであってもよいし、異なっていてもよいことが理解できる。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。以下では、割り当てられる信号符号が異なる例を使用して説明を提供する。
【0164】
一部の実施形態では、代わりに、干渉磁界がない可能性がある。この場合、受信機コントローラは干渉信号の信号特徴を取得せず、受信機コントローラによって各低周波磁界送信コイル303に割り当てられる信号符号は予め設定された信号符号である。
【0165】
誘導信号は、誘導電圧であっても誘導電流であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0166】
次に、受信機コントローラ401は、第2の命令を送信機に送信する。第2の命令は、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号符号との対応関係を含む。さらに前述の例を参照すると、第2の命令は、低周波磁界送信コイルLtx1に割り当てられた信号符号が101であり、低周波磁界送信コイルLtx2に割り当てられた信号符号が111であることを送信機に通知することができる。第2の命令は、低周波磁界の送信を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される。
【0167】
送信機は、低周波磁界送信コイルが低周波磁界を送信するかどうかに基づいて1および0を表現のために使用し得る。送信機コントローラ301は、1つの2進数に対応する各低周波磁界を送信した後に予め設定された時間の間停止し、次に、次の2進数に対応する低周波磁界を送信するように低周波磁界送信コイルを制御する。以下では、
図7を参照して説明を提供する。
【0168】
送信機コントローラ301は、低周波磁界送信コイルLtx1が予め設定された持続時間内に低周波磁界を送信するように、インバータ回路302内のスイッチングトランジスタQ1およびQ2のオン/オフ状態を制御してもよく、この場合、対応する符号の数字は1であり、次に、予め設定された時間の間オフになるようにスイッチングトランジスタQ1およびQ2を制御してもよく、次に、低周波磁界送信コイルLtx1が予め設定された中断時間内に低周波磁界の送信を停止するように、オフになるようスイッチングトランジスタQ1およびQ2を制御してもよく、この場合、対応する符号の数字は0であり、次に、予め設定された時間の間再びオフになるようにスイッチングトランジスタQ1およびQ2を制御してもよく、次に、低周波磁界送信コイルLtx1が予め設定された持続時間内に低周波磁界を送信するように、スイッチングトランジスタQ1およびQ2のオン/オフ状態を制御してもよく、この場合、対応する符号の数字は1である。このようにして、信号符号101に対応する低周波磁界が送信される。
【0169】
受信機の低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4は、割り当てられた信号符号を有する誘導信号を生成することができる。検出回路402は、誘導信号の持続時間または誘導信号の中断時間に基づいて信号符号を取得する、すなわち誘導信号の信号特徴を取得する。
【0170】
低周波磁界送信コイルLtx1が、信号符号101に対応する低周波磁界の送信を完了した後、送信機コントローラ301は、低周波磁界の送信を停止するように低周波磁界送信コイルLtx1を制御する。次に、送信機コントローラ301は、インバータ回路302内のスイッチングトランジスタQ3およびQ4のオン/オフ状態を制御して、低周波磁界送信コイルLtx2が、前述の方法と同様の方法を使用して、信号符号111に対応する低周波磁界を送信するようにする。本出願のこの実施形態において、ここでは詳細は再び説明されない。
【0171】
受信機コントローラ401は、検出回路402を使用して、低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4の誘導信号の信号符号を取得する。この場合、誘導信号は、依然として干渉信号を含み得るが、受信機コントローラ401は、信号符号に基づいて、誘導信号が干渉信号であるかどうかを決定することができる。具体的には、受信機コントローラ401は、信号符号が101でも111でもない誘導信号は干渉信号であると決定し、次に、割り当てられた信号符号と低周波磁界送信コイルとの対応関係に基づいて、信号符号が101および111である誘導信号を生成する低周波磁界を送信する低周波磁界送信コイルを決定する、すなわち、信号符号101が低周波磁界送信コイルLtx1に対応し、信号符号111が低周波磁界送信コイルLtx2に対応すると決定する。
【0172】
次に、受信機コントローラ401は、検出回路402から、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2にそれぞれ対応する誘導信号の振幅を取得する。
【0173】
受信機コントローラ401は、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2にそれぞれ対応する誘導信号の取得された振幅と、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2にそれぞれ対応するサイズ情報とに基づいて、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2と低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4との相対位置を取得し、次に、パラメータ内の、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2と送電コイルとの相対位置および低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4と受電コイルとの相対位置に基づいて、受電コイルと送電コイルとの相対位置を決定する。
【0174】
低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4と受電コイルとの相対位置は、相対位置が使用される必要があるときに呼び出されるように、予め決定され、受信機コントローラ401の記憶ユニットに記憶されるか、または受信機の別のメモリに記憶される。
【0175】
要約すると、本出願のこの実施形態で提供される解決策によれば、受信機コントローラは、送信機の両方の低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号符号とは異なる信号符号を各低周波磁界送信コイルに割り当て、すなわち、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号符号は、干渉信号の信号符号とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号符号との対応関係を無線充電送信機にさらに送信する。送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号符号を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号符号を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0176】
以下では、信号特徴が信号周波数であるときの受信機および送信機の動作原理について説明する。
【0177】
装置の実施形態4
図8は、本出願のこの実施形態による別の無線充電システムの概略図である。
【0178】
本出願のこの実施形態で提供される無線充電システムのハードウェア装置と
図7に示されている無線充電システムのハードウェア装置との違いは、以下にある。
【0179】
各低周波磁界受信コイルは、1つの周波数調整回路に直列に接続され、各周波数調整回路は、並列に接続された少なくとも2つの周波数調整分岐を含み、各周波数調整分岐は、直列に接続された送信機コンデンサおよびスイッチを含む。図では、低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2の各々に直列に接続された周波数調整回路が4つの周波数調整分岐を含む例が説明のために使用されている。これに対応して、スイッチS1~S8は、それぞれCTx1~CTx8に直列に接続されている。
【0180】
受信機の各低周波磁界受信コイルは、少なくとも2つの周波数調整分岐に並列に接続され、各周波数調整分岐は、直列に接続された受信機コンデンサおよびスイッチを含む。図では、各低周波磁界受信コイルが4つの周波数調整分岐に並列に接続されている例が説明のために使用されている。これに対応して、スイッチS9~S24は、それぞれCRx1~CRx8に直列に接続されている。
【0181】
各低周波磁界送信コイルの周波数調整回路に含まれる周波数調整分岐の数は、各低周波磁界受信コイルに並列に接続された周波数調整分岐の数と同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。しかしながら、以下の条件、受信機の低周波磁界送信コイルおよび接続された受信機コンデンサによって形成される並列共振回路の並列共振周波数が、送信機の低周波磁界送信コイルおよび接続された送信機コンデンサによって形成される直列共振回路の共振周波数と同じになるように、スイッチのオン/オフ状態が調整される、が満たされる必要がある。
【0182】
以下では、信号周波数を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を取得する原理について説明する。
【0183】
受信機コントローラ401および送信機コントローラ301の一部の情報交換プロセスは同様であり、本出願のこの実施形態において、ここでは詳細は再び説明されない。
【0184】
送信機によって送信された第2の応答情報が受信されると、受信機コントローラ401は、対応する送信機の両方の低周波磁界送信コイルが低周波磁界の送信を停止していることを知る。この場合、受信機の低周波磁界受信コイルLrx1~Lrx4によって受信される磁界信号は、別の送信機によって送信された干渉磁界であり、したがって、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。検出回路402は、干渉信号の信号周波数を検出し、信号周波数を受信機コントローラ401に送信する。
【0185】
受信機コントローラ401は、現在の干渉信号の信号周波数を取得し、異なる信号周波数を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。受信機コントローラ401によって低周波磁界送信コイルLtx1およびLtx2に割り当てられる信号周波数は、同じであってもよいし、異なっていてもよいことが理解できる。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。以下では、低周波磁界送信コイルLtx1に第1の周波数が割り当てられ、低周波磁界送信コイルLtx2に第2の周波数が割り当てられる例を使用して説明を提供する。
【0186】
一部の実施形態では、代わりに、干渉磁界がない可能性がある。この場合、受信機コントローラは干渉信号の信号周波数を取得せず、受信機コントローラによって各低周波磁界送信コイル303に割り当てられる信号周波数は予め設定された信号周波数であり、すなわち、この場合に割り当てられる第1の周波数および第2の周波数は予め設定された信号周波数である。
【0187】
誘導信号は、誘導電圧であっても誘導電流であってもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0188】
次に、受信機コントローラ401は、第2の命令を送信機に送信する。第2の命令は、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号周波数との対応関係を含む。言い換えれば、第2の命令は、低周波磁界送信コイルLtx1に割り当てられた信号周波数が第1の周波数であり、低周波磁界送信コイルLtx2に割り当てられた信号周波数が第2の周波数であることを送信機に通知することができる。第2の命令は、低周波磁界の送信を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される。
【0189】
送信機コントローラ301は、低周波磁界送信コイルおよび接続された送信機コンデンサの直列共振周波数が、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数と同じになるように、対応関係に基づいて各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御する。
【0190】
送信機コントローラ301は、各低周波磁界送信コイルが低周波磁界を送信するように、インバータ回路302内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整する。
【0191】
この場合、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数が同じであるとき、低周波磁界送信コイルは異なる時間に低周波磁界を送信してもよく、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数が異なるとき、低周波磁界送信コイルは、同じ時間に低周波磁界を送信してもよいし、異なる時間に低周波磁界を送信してもよい。
【0192】
受信機コントローラ401は、低周波磁界受信コイルおよび接続された受信機コンデンサの並列共振周波数が、割り当てられた信号周波数と同じになるように、受信機の各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御し、その結果、受信コイルの低周波磁界受信能力が強化される。
【0193】
送信機および受信機の周波数調整分岐内のスイッチのタイプは、インバータ回路302におけるスイッチの種類と同じであっても異なっていてもよい。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0194】
要約すると、無線充電送信機の両方の低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、低周波磁界受信コイルによって受信される低周波磁界は干渉磁界であり、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。受信機コントローラは、現在取得されている誘導信号の信号周波数とは異なる信号周波数を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。言い換えれば、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号周波数は、干渉信号の信号周波数とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号周波数との対応関係を無線充電送信機にさらに送信する。送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号周波数を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号周波数を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0195】
方法の実施形態
前述の実施形態で提供された無線充電送信機および無線充電受信機に基づいて、本出願の実施形態は、送電コイルと受電コイルとの位置合わせを案内するための無線充電制御方法をさらに提供する。以下では、添付の図面を参照して具体的な説明を提供する。
【0196】
図9は、本出願の一実施形態による無線充電制御方法のフローチャートである。
【0197】
本方法は、無線充電受信機に適用され、以下のステップを含む。
【0198】
S901:すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当て、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機に送信する。
【0199】
S902:低周波磁界送信コイルが動作しているとき、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定する。
【0200】
図10は、本出願の一実施形態による別の無線充電制御方法のフローチャートである。
【0201】
本方法は、無線充電送信機に適用され、以下のステップを含む。
【0202】
S1001:無線充電受信機によって送信された、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を受信する。
【0203】
S1002:各低周波磁界送信コイルが動作することを可能にするように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御し、割り当てられた信号特徴は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているときに受信機によって各低周波磁界送信コイルに割り当てられた、現在取得されている誘導信号とは異なる信号特徴である。
【0204】
以下では、受信機および送信機の特定の実施態様を参照して前述の制御方法を説明する。
【0205】
図11Aおよび
図11Bは、本出願の一実施形態によるさらに別の無線充電制御方法のフローチャートである。
【0206】
図に示されている方法は、以下のステップを含む。
【0207】
S1101:受信機は、位置合わせ案内要求を送信機に送信し、位置合わせ案内要求は、位置合わせを案内するように送信機に要求するために使用される。
【0208】
S1102:送信機は、位置合わせ案内要求を受信し、第1の応答情報を受信機に送信し、第1の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルのパラメータを含む。
【0209】
パラメータは、低周波磁界送信コイルの識別情報、サイズ情報、および低周波磁界送信コイルと送電コイルとの相対位置情報を含む。識別情報は、異なる低周波磁界送信コイルを区別するために使用される。サイズ情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置を決定するために使用される。相対位置情報は、低周波磁界送信コイルと低周波磁界受信コイルとの相対位置を、送電コイルと受電コイルとの相対位置に変換するときに使用される必要がある。
【0210】
S1103:受信機は、送信機によって送信された第1の応答情報を受信する。
【0211】
S1104:受信機は、第1の命令を送信機に送信し、第1の命令は、動作を停止するようにすべての低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に命令するために使用される。
【0212】
S1105:送信機は、第1の命令を受信し、動作を停止するようにすべての低周波磁界送信コイルを制御し、第2の応答情報を受信機に送信し、第2の応答情報は、すべての低周波磁界送信コイルが動作を停止したことを受信機に示すために使用される。
【0213】
S1106:第2の応答情報を受信すると、受信機は、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てるか、または誘導信号の信号特徴が現在取得されていないときには、予め設定された信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。
【0214】
信号特徴は、信号パルス幅、信号符号、および信号周波数のうちの1つであってもよい。
【0215】
信号特徴が信号パルス幅であるとき、誘導信号のパルス持続時間が、誘導信号の信号パルス幅を取得するために検出されてもよい。
【0216】
信号特徴が信号符号であるとき、信号符号は、誘導信号の持続時間または誘導信号の中断時間に基づいて取得されてもよい。
【0217】
信号特徴が信号周波数であるとき、誘導信号の周波数が信号周波数である。
【0218】
信号特徴が信号周波数であるとき、各低周波磁界受信コイルは、少なくとも2つの周波数調整分岐に並列に接続され、各周波数調整分岐は、直列に接続された受信機コンデンサおよびスイッチを含む。
【0219】
受信機コントローラは、低周波磁界受信コイルおよび接続された受信機コンデンサの並列共振周波数が、割り当てられた信号周波数と同じになるように、各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御する。
【0220】
無線充電送信機のすべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、低周波磁界受信コイルによって受信される低周波磁界は干渉磁界であり、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。受信機コントローラは、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。言い換えれば、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、干渉信号の信号特徴とは異なる。
【0221】
S1107:受信機は、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を含む第2の命令を送信機に送信し、第2の命令は、動作を開始するように低周波磁界送信コイルを制御するよう送信機に要求するためにさらに使用される。
【0222】
S1108:送信機は、第2の命令を受信し、動作を開始するように低周波磁界送信コイルを制御する。
【0223】
信号特徴が信号パルス幅であるとき、低周波磁界送信コイルが異なる時間に低周波磁界を送信するように、対応関係に基づいてインバータ回路のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数が調整される。低周波磁界は、各低周波磁界受信コイルに、割り当てられた信号パルス幅を有する誘導信号を生成させるために使用される。
【0224】
信号特徴が信号符号であるとき、低周波磁界送信コイルが、予め設定された持続時間に基づいて低周波磁界を送信するか、または予め設定された中断時間に基づいて動作を停止するように、対応関係に基づいてインバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号が調整される。
【0225】
信号符号化方式は2進符号化である。送信機コントローラは、1つの2進数に対応する各低周波磁界を送信した後に予め設定された時間の間停止し、次に、次の2進数に対応する低周波磁界を送信するように低周波磁界送信コイルを制御し得る。
【0226】
信号特徴が信号周波数であるとき、各低周波磁界送信コイルは、1つの周波数調整回路に直列に接続され、各周波数調整回路は、並列に接続された少なくとも2つの周波数調整分岐を含み、各周波数調整分岐は、直列に接続された送信機コンデンサおよびスイッチを含む。送信機コントローラは、低周波磁界送信コイルおよび接続された送信機コンデンサの直列共振周波数が、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数と同じになるように、対応関係に基づいて各周波数調整分岐内のスイッチの動作状態を制御する。加えて、送信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルが低周波磁界を送信するように、インバータ回路内のスイッチングトランジスタの制御信号のデューティサイクルおよび/または周波数を調整する。
【0227】
この場合、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数が同じであるとき、低周波磁界送信コイルは異なる時間に低周波磁界を送信してもよく、低周波磁界送信コイルに割り当てられた信号周波数が異なるとき、低周波磁界送信コイルは、同じ時間に低周波磁界を送信してもよいし、異なる時間に低周波磁界を送信してもよい。
【0228】
S1109:受信機は、対応関係に基づいて、各低周波磁界送信コイルに対応する信号特徴および振幅を決定し、各低周波磁界送信コイルに対応する信号特徴および振幅、各低周波磁界受信コイルと受電コイルとの相対位置、ならびにパラメータに基づいて、送電コイルと受電コイルとの相対位置を取得する。
【0229】
前述のステップの分割および順序は、この解決策の原理を説明しやすくするためのものにすぎず、本出願に対する限定を構成するものではないことが理解できる。
【0230】
要約すると、本出願のこの実施形態で提供される方法によれば、無線充電送信機のすべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴が、各低周波磁界送信コイルに割り当てられ、すなわち、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、干渉信号の信号特徴とは異なる。加えて、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係が無線充電送信機に送信される。送信機は、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機は、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0231】
無線充電システムの実施形態
前述の実施形態で提供された無線充電送信機および無線充電受信機に基づいて、本出願のこの実施形態は無線充電システムをさらに提供する。以下では、添付の図面を参照して具体的な説明を提供する。
【0232】
図12は、本出願のこの実施形態による無線充電システムの概略図である。
【0233】
無線充電システム1200は、無線充電送信機201および無線充電受信機101を含む。
【0234】
無線充電受信機101は、受信機コントローラ、受電コイル、および低周波磁界受信コイルを含む。
【0235】
無線充電送信機201は、インバータ回路、送信機コントローラ、送電コイル、および低周波磁界送信コイルを含む。
【0236】
無線充電受信機101および無線充電送信機201の具体的な実施態様および動作原理については、前述の装置の実施形態および方法の実施形態の関連する説明を参照されたい。本出願のこの実施形態において、ここでは詳細は再び説明されない。
【0237】
本出願のこの実施形態で提供される無線充電システムでは、無線充電送信機のすべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、低周波磁界受信コイルによって受信される低周波磁界は干渉磁界であり、変換によって取得される誘導信号は干渉信号である。受信機コントローラは、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てる。言い換えれば、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、干渉信号の信号特徴とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機にさらに送信する。
【0238】
送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、隣接する駐車スペースの低周波磁界信号間の干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとの取得される相対位置がより正確になる。
【0239】
電気自動車の実施形態
前述の実施形態で提供された無線充電受信機に基づいて、本出願のこの実施形態は、無線充電機能を有する電気自動車をさらに提供する。以下では、添付の図面を参照して具体的な説明を提供する。
【0240】
図13は、本出願のこの実施形態による電気自動車の概略図である。
【0241】
電気自動車100は、無線充電受信機101、電源電池パック、および表示画面(図示せず)を含む。
【0242】
無線充電受信機101は、電気自動車の電源電池を充電するように構成される。無線充電受信機101の実施態様および動作原理については、前述の実施形態の関連する説明を参照されたい。本出願のこの実施形態において、ここでは詳細は再び説明されない。
【0243】
電源電池パックは、受信機からの電気エネルギーを使用して充電するために受信機に電気的に接続するように構成され、電気エネルギーを電気自動車に提供するようにも構成される。
【0244】
表示画面は、駐車中に送電コイルと受電コイルとを位置合わせする際に運転者を案内するために、送電コイルと受電コイルとの相対位置を表示するように構成される。
【0245】
電気自動車の無線充電受信機101は、受信機コントローラを含む。受信機コントローラは、無線充電送信機のすべての低周波磁界送信コイルが動作を停止しているとき、現在取得されている誘導信号の信号特徴とは異なる信号特徴を各低周波磁界送信コイルに割り当てることができ、すなわち、低周波磁界送信コイルに割り当てられる信号特徴は、干渉信号の信号特徴とは異なる。受信機コントローラは、各低周波磁界送信コイルと割り当てられた信号特徴との対応関係を無線充電送信機にさらに送信し、これにより、送信機コントローラは、対応関係を受信し、各低周波磁界送信コイルが動作するように、対応関係に基づいてインバータ回路を制御する。この場合、受信機コントローラは、割り当てられた信号特徴を有する誘導信号を使用して送電コイルと受電コイルとの相対位置を決定することができ、割り当てられた信号特徴を有しない誘導信号は干渉信号であり、相対位置を決定するために使用されない。したがって、電気自動車の駐車中に隣接する駐車スペースの低周波磁界信号からの干渉は回避することができ、これにより、送電コイルと受電コイルとはより正確に位置合わせすることができ、その結果、無線充電中の電気自動車の充電電力および充電効率が高まる。
【0246】
本出願では、「少なくとも1つの(もの)」は1つ以上のを意味し、「複数の」は2つ以上のを意味することを理解されたい。「および/または」という用語は、関連付けられた対象間の関連付け関係を説明するために使用され、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、「Aおよび/またはB」は、以下の3つのケース、すなわち、Aのみが存在するケース、Bのみが存在するケース、およびAとBとの両方が存在するケースを表し得、AおよびBは単数であっても複数であってもよい。記号「/」は通常、関連付けられた対象間の「または」関係を示す。「以下のもの(要素)のうちの少なくとも1つ」またはその同様の表現は、単一のもの(要素)または複数のもの(要素)の任意の組み合わせを含む、これらのものの任意の組み合わせを指す。例えば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを示し得、a、b、およびcは単数であっても複数であってよい。
【0247】
本明細書の実施形態はすべて、段階的に説明されており、実施形態の同じまたは同様の部分については、これらの実施形態を参照されたく、各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を当てている。特に、装置の実施形態は、基本的に方法の実施形態と同様であり、したがって、簡単に説明されており、関連する部分については、方法の実施形態の部分的な説明を参照されたい。上記で説明された装置の実施形態は例にすぎず、別個の構成要素として説明されたユニットおよびモジュールは、物理的に別個であってもなくてもよい。モジュールの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要求に基づいて選択されてもよい。当業者は、創造的な努力なしに実施形態を理解し実施し得る。
【0248】
前述の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎない。当業者は、本出願の原理から逸脱することなく、いくつかの改善または洗練を加えてもよく、改善または洗練は、本出願の保護範囲内にあることに留意されたい。
【符号の説明】
【0249】
100 電気自動車
101 無線充電受信機
101a 受信機制御モジュール
101b 受信機変換モジュール
101c 受電モジュール
101d 受信機通信モジュール
101e エネルギー貯蔵モジュール
101f エネルギー貯蔵管理モジュール
101g 車両駆動装置
200 無線充電ステーション
201 無線充電送信機
201a 送信機制御モジュール
201b 送信機変換モジュール
201c 送電モジュール
201d 送信機通信モジュール
201e 外部電源
301 送信機コントローラ
302 インバータ回路
303 低周波磁界送信コイル
304 低周波磁界送信機通信モジュール
401 受信機コントローラ
402 検出回路
403 低周波磁界受信コイル
404 低周波磁界受信機通信モジュール
1200 無線充電システム
Crx1~Crx4 受信機コンデンサ
CRx1~CRx16 受信機コンデンサ
Ctx1~Ctx2 送信機コンデンサ
CTx1~CTx8 送信機コンデンサ
Lrx 低周波磁界受信コイル
Lrx1~Lrx4 低周波磁界受信コイル
Ltx 低周波磁界送信コイル
Ltx1~Ltx2 低周波磁界送信コイル
Q1~Q4 スイッチングトランジスタ
S1~S24 スイッチ
Udc 電源