(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】棚の位置を特定するための方法および装置、電子機器、コンピュータ可読媒体並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240430BHJP
【FI】
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2022573286
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2021088890
(87)【国際公開番号】W WO2022033070
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】202010812707.8
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【氏名又は名称】鈴木 学
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】ワン ペン
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-513822(JP,A)
【文献】特開2018-150124(JP,A)
【文献】特開2019-189380(JP,A)
【文献】国際公開第2015/059740(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0026304(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが実行する、棚の位置を特定するための方法であって、
棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得するステップと、
前記無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するステップと、
各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定するステップと、
前記無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始して所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るように、前記無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を前記無人搬送車に送信するステップと、
前記無人搬送車における棚スキャナの走査情報および前記無人搬送車の位置情報に基づいて、前記無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するステップと、
各走査領域における棚の位置と予め設定された棚の正しい位置とを比較して、位置の誤った棚の所在位置を取得するステップと、
位置の誤った棚を有する走査領域内の無人搬送車に対して、前記出口位置と前記位置の誤った棚の所在位置との間のリターン経路を計算するステップと、
当該無人搬送車が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の出口位置に到着した後に前記リターン経路に沿って前記位置の誤った棚の所在位置まで走行するように、前記リターン経路を当該無人搬送車に送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記無人搬送車の初期位置が前記無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置でないと判定されたことに応答して、前記初期位置と前記入口位置との間の走行経路を計算するステップと、
前記無人搬送車が前記走行経路に従って前記初期位置から前記入口位置まで走行するように、前記走行経路を前記無人搬送車に送信するステップと、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するステップは、
前記エリアの分布図を取得するステップと、
前記エリアの分布図から前記分布図における棚の分布領域を特定するステップと、
前記分布領域を少なくとも2つの走査領域に平均的に区画し、かつ前記走査領域の数を前記無人搬送車の数と等しくするステップと、
前記走査領域と前記無人搬送車との対応関係テーブルを作成するステップと、
を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
当該無人搬送車が前記位置の誤った棚の所在位置に到着した後、
当該位置における棚を
再走査し、走査結果に基づいて
、位置の誤った棚
であると判定された棚が本当に位置が誤っているか否かを検証するステッ
プ、
をさらに含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記無人搬送車が昇降台を有し、
前記方法は、
前記位置の誤った棚の所在位置と予め設定された棚の正しい位置との間の搬送経路を計算して、前記搬送経路を当該無人搬送車に送信するステップと、
当該無人搬送車が前記位置の誤った棚の所在位置に到着した後、当該無人搬送車における昇降台を前記位置の誤った棚の底部に突き当てるように制御し、当該無人搬送車によって前記位置の誤った棚を前記搬送経路に沿って予め設定された棚の正しい位置に搬送するステップと、
をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記走査情報は棚番号を含み、
前記無人搬送車の位置情報は、エリアの座標点情報を含み、
前記無人搬送車における棚スキャナの走査情報および前記無人搬送車の位置情報に基づいて、前記無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するステップは、
前記無人搬送車における棚スキャナが走査した棚番号および当該棚番号に対応する前記無人搬送車が経由するエリアの座標点情報をリアルタイムに取得するステップと、
取得した各棚番号と各棚番号に対応するエリアの座標点情報とをバインディングして、前記無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するステップと、
を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記無人搬送車の底部には、エリアの二次元コードを読み取るコードスキャナが設けられ、
前記無人搬送車における棚スキャナの走査情報および前記無人搬送車の位置情報に基づいて、前記無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するステップは、
前記無人搬送車における棚スキャナが走査した棚の二次元コードおよび前記棚の二次元コードに対応する前記無人搬送車が経由するエリアの二次元コードをリアルタイムに取得するステップであって、前記棚の二次元コードは棚の棚番号にバインディングされ、前記エリアの二次元コードは前記エリアにおける座標点位置にバインディングされる、ステップと、
各棚の二次元コードおよび各棚の二次元コードに対応するエリアの二次元コードに基づいて、前記無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するステップと、
を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
棚の位置を特定するための装置であって、
棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得するように構成される取得ユニットと、
前記無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するように構成される割当ユニットと、
各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定するように構成される計画ユニットと、
前記無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始して所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るように、前記無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を前記無人搬送車に送信するように構成される走査ユニットと、
前記無人搬送車における棚スキャナの走査情報および前記無人搬送車の位置情報に基づいて、前記無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するように構成される特定ユニットと、
各走査領域における棚の位置と予め設定された棚の正しい位置とを比較して、位置の誤った棚の所在位置を取得するように構成される比較ユニットと、
位置の誤った棚を有する走査領域内の無人搬送車に対して、前記出口位置と前記位置の誤った棚の所在位置との間のリターン経路を計算するように構成されるリターン経路計算ユニットと、
当該無人搬送車が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の出口位置に到着した後に前記リターン経路に沿って前記位置の誤った棚の所在位置まで走行するように、前記リターン経路を当該無人搬送車に送信するように構成されるリターン経路送信ユニットと、
を備える装置。
【請求項9】
前記無人搬送車の初期位置が前記無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置でないと判定されたことに応答して、前記初期位置と前記入口位置との間の走行経路を計算するように構成される応答ユニットと、
前記無人搬送車が前記走行経路に従って前記初期位置から前記入口位置まで走行するように、前記走行経路を前記無人搬送車に送信するように構成される走行経路送信ユニットと、
をさらに備える請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記割当ユニットは、
前記エリアの分布図を取得するように構成される取得モジュールと、
前記エリアの分布図から前記分布図における棚の分布領域を特定するように構成される特定モジュールと、
前記分布領域を平均的に少なくとも2つの走査領域に区画し、かつ前記走査領域の数を前記無人搬送車の数と等しくするように構成される区画モジュールと、
前記走査領域と前記無人搬送車との対応関係テーブルを作成するように構成されるテーブル作成モジュールと、
を備える請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが格納されている記憶装置と、を備える電子機器であって、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実現させる電子機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムが格納されるコンピュータ可読媒体であって、
当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実現するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年8月13日に提出された、出願番号が202010812707.8で、出願人が北京京東乾石科技有限公司で、発明の名称が「棚の位置を特定するための方法および装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許出願の全文を引用により本開示に組み込む。
【0002】
本開示は、コンピュータ技術分野に関わり、具体的に倉庫保管技術分野、AGV経路計画の技術分野に関わり、特に棚の位置を特定するための方法および装置、電子機器、コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
一般にAGVトロリーとも呼ばれる無人搬送車(AGV,Automated Guided Vehicleの略)は、電磁または光学などの自動ナビゲーションデバイスを備え、所定のナビゲーション経路に沿って走行可能で、安全保護および各種の移載機能を有する搬送車をいう。
【0004】
無人倉庫を運営する前に、AGVトロリーによって空の棚を棚搬入位置に置き、棚搬入位置から空の棚を倉庫の対応する保管位置に搬送する必要があり、空の棚が棚搬入位置から保管位置に搬入される前に、手動で棚番号と保管位置をバインディングする必要があり、バインディング作業に手間がかかり、誤って操作する可能性が高い。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、棚の位置を特定するための方法および装置を提供する。
【0006】
第1の態様では、本開示の実施形態は、棚の位置を特定するための方法であって、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得するステップと、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するステップと、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定するステップと、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るように、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信するステップと、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するステップと、を含む方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記方法は、無人搬送車の初期位置が無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置でないと判定されたことに応答して、初期位置と入口位置との間の走行経路を計算するステップと、走行経路に従って初期位置から入口位置まで無人搬送車を走行させるように、走行経路を無人搬送車に送信するステップと、をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するステップは、エリアの分布図を取得するステップと、エリアの分布図から分布図における棚の分布領域を特定するステップと、分布領域を平均的に少なくとも2つの走査領域に区画し、かつ走査領域の数を無人搬送車の数と等しくするステップと、走査領域と無人搬送車との対応関係テーブルを作成するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記方法は、各走査領域における棚の位置を予め設定された棚の正しい位置と比較して、位置の誤った棚の所在位置を取得するステップと、位置の誤った棚を有する走査領域内の無人搬送車に対して、出口位置と位置の誤った棚の所在位置との間のリターン経路を計算するステップと、当該無人搬送車が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の出口位置に到着した後、リターン経路に沿って位置の誤った棚まで走行するように、リターン経路を当該無人搬送車に送信するステップと、当該無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置に到着した後、位置の誤った棚を走査し、走査結果に基づいて、位置の誤った棚が本当に位置が誤っているか否かを検証するステップと、をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記無人搬送車が昇降台を有し、上記方法は、位置の誤った棚の所在位置と予め設定された棚の正しい位置との間の搬送経路を計算して、搬送経路を当該無人搬送車に送信するステップと、当該無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置に到着した後、当該無人搬送車における昇降台を位置の誤った棚の底部に突き当てるように制御し、当該無人搬送車が前記位置の誤った棚を前記搬送経路に沿って予め設定された棚の正しい位置に搬送するステップと、をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、走査情報は棚番号を含み、無人搬送車の位置情報は、エリアの座標点情報を含み、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するステップは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚番号および当該棚番号に対応する無人搬送車が経由するエリアの座標点情報をリアルタイムに取得するステップと、取得した各棚番号と各棚番号に対応するエリアの座標点情報とをバインディングして、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、無人搬送車の底部には、エリアの二次元コードを読み取るコードスキャナが設けられ、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するステップは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚の二次元コードおよび棚の二次元コードに対応する無人搬送車が経由するエリアの二次元コードをリアルタイムに取得するステップであって、棚の二次元コードは棚の棚番号にバインディングされ、エリアの二次元コードはエリアにおける座標点位置にバインディングされる、ステップと、各棚の二次元コードおよび各棚の二次元コードに対応するエリアの二次元コードに基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するステップと、を含む。
【0013】
第2の態様では、本開示の実施形態は、棚の位置を特定するための装置であって、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得するように構成される取得ユニットと、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するように構成される割当ユニットと、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定するように構成される計画ユニットと、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るように、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信するように構成される走査ユニットと、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するように構成される特定ユニットと、を備える装置を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記装置は、無人搬送車の初期位置が無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置でないと判定されたことに応答して、初期位置と入口位置との間の走行経路を計算するように構成される応答ユニットと、無人搬送車が走行経路に沿って初期位置から入口位置まで走行するように走行経路を無人搬送車に送信するように構成される走行経路送信ユニットと、をさらに備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記割当ユニットは、記エリアの分布図を取得するように構成される取得モジュールと、エリアの分布図から分布図における棚の分布領域を特定するように構成される特定モジュールと、分布領域を平均的に少なくとも2つの走査領域に区画し、かつ走査領域の数を無人搬送車の数と等しくするように構成される区画モジュールと、走査領域と無人搬送車との対応関係テーブルを作成するように構成されるテーブル作成モジュールと、を備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記装置は、各走査領域における棚の位置を予め設定された棚の正しい位置と比較して、位置の誤った棚の所在位置を取得するように構成される比較ユニットと、位置の誤った棚を有する走査領域内の無人搬送車に対して、出口位置と位置の誤った棚の所在位置との間のリターン経路を計算するように構成されるリターン経路計算ユニットと、当該無人搬送車が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の出口位置に到着した後、リターン経路に沿って位置の誤った棚の所在位置まで走行するように、リターン経路を当該無人搬送車に送信するように構成されるリターン経路送信ユニットと、当該無人搬送車は、位置の誤った棚の所在位置に到着した後、位置の誤った棚の所在位置における棚を走査し、走査結果に基づいて、位置の誤った棚であると判定された棚が本当に位置が誤っているか否かを検証するように構成される検証ユニットとをさらに備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記無人搬送車は昇降台を有し、上記装置はさらに、位置の誤った棚の所在位置と予め設定された棚の正しい位置との間の搬送経路を計算して、搬送経路を当該無人搬送車に送信するように構成される搬送経路計算ユニットと、当該無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置に到着した後、当該無人搬送車における昇降台を位置の誤った棚の底部に突き当てるように制御し、当該無人搬送車が前記位置の誤った棚を前記搬送経路に沿って予め設定された棚の正しい位置に搬送するように構成される搬送ユニットと、をさらに備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、走査情報は棚番号を含み、無人搬送車の位置情報は、エリアの座標点情報を含み、上記特定ユニットは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚番号および当該棚番号に対応する無人搬送車が経由するエリアの座標点情報をリアルタイムに取得するように構成される情報取得モジュールと、取得した各棚番号と各棚番号に対応するエリアの座標点情報とをバインディングして、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するように構成される位置取得モジュールと、を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、無人搬送車の底部には、エリアの二次元コードを読み取るコードスキャナが設けられ、上記特定ユニットは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚の二次元コードおよび棚の二次元コードに対応する無人搬送車が経由するエリアの二次元コードをリアルタイムに取得するように構成されるコード取得モジュールであって、棚の二次元コードは棚の棚番号にバインディングされ、エリアの二次元コードはエリアにおける座標点位置にバインディングされる、コード取得モジュールと、各棚の二次元コードおよび各棚の二次元コードに対応するエリアの二次元コードに基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するように構成される位置獲得モジュールと、を備える。
【0020】
第3の態様では、本開示の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが格納されている記憶装置と、を備える電子機器であって、1つまたは複数のプログラムが1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに第1の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現する、電子機器を提供する。
【0021】
第4の態様では、本開示の実施形態は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体であって、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現する、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0022】
本開示の実施形態による棚の位置を特定するための方法および装置は、まず、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得し、次に、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属する場所の走査領域を特定し、次に、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定し、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信し、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るようにし、最後に、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定することにより、棚スキャナを有する無人搬送車に走査領域と走査経路を自動的に割り当てることができ、無人搬送車が各走査領域の走査経路を走行すると、棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、棚の位置を特定することができ、手動作業が必要なく、省人化・省力化が達成され、エリアの棚の位置特定の精度が向上される。
第5の態様では、本開示の実施形態は、プロセッサによって実行されると、第1の態様のいずれかの実施形態に記載の方法を実現するコンピュータプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の他の特徴、目的および利点は、以下の図面を参照してなされる非限定的な実施形態に係る詳細な説明を読むことにより、より明らかになる。
【
図1】本開示の一実施形態を適用可能な例示的なシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本開示に係る棚の位置を特定するための方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図3】本開示に係る無人搬送車の所属するエリアの走査領域を決定する一応用シーンの概略図である。
【
図4】本開示に係る無人搬送車の所属する走査領域における棚の位置を特定する一応用シーンの概略図である。
【
図5】本開示に係る棚の位置を特定するための方法のもう一つの実施形態のフローチャートである。
【
図6】本開示に係る各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を決定する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図7】本開示に係る棚の位置を特定するための装置の一実施形態の構造概略図である。
【
図8】本開示の実施形態の実現に適する電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面および実施形態を参照しながら本開示をより詳細に説明する。ここで述べている具体的な実施形態は関連発明を説明するためのものにすぎず、当該発明を限定するものではないことを理解すべきである。なお、説明の便宜上、図面には発明に関連する部分のみが示されている。
【0025】
なお、本開示の実施形態および実施形態における特徴は、矛盾を生じない限り、相互に組み合わせることができる。以下、図面および実施形態を参照しながら本開示を詳細に説明する。
【0026】
図1は、本開示に係る
棚の位置を特定するための方法または棚の位置を特定するための装置が適用可能な例示的なアーキテクチャ100を示している。
【0027】
図1に示すように、システムアーキテクチャ100は、端末装置101、102、103、ネットワーク104、およびサーバ105を含んでもよい。ネットワーク104は、端末装置101、102、103とサーバ105との間で通信リンクを提供するための媒体として使用される。ネットワーク104は、通常、無線通信リンクなどの様々なタイプの接続を含んでもよい。
【0028】
メッセージを送受信するために、端末装置101、102、103はネットワーク104を介してサーバ105と情報のやり取りをする。端末装置101、102、103には、例えば、インスタントコミュニケーションツール、メールボックスクライアント等のような様々な通信クライアントアプリケーションをインストールすることができる。
【0029】
端末装置101、102、103は、ハードウェアであってもよいし、ソフトウェアであってもよい。端末機器101、102、103がハードウェアである場合には、通信および制御機能を有する車載機器であってもよいし、上記車載機器を搭載した無人搬送車であってもよい。上記車載機器は、無人搬送車の自動運転システムと通信可能である。オプションとして、上記車載機器の機能は、無人搬送車の自動運転システムに統合されてもよい。端末装置101、102、103がソフトウェアである場合、上記無人搬送車にインストールされてもよい。それは、複数のソフトウェアまたはソフトウェアモジュール(例えば、分散サービスを提供するためのソフトウェアまたはソフトウェアモジュール)として実現されてもよく、または単一のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実現されてもよい。ここでは特に限定しない。
【0030】
サーバ105は、様々なサービスを提供するサーバ、例えば、端末装置101、102、103における自動運転システムをサポートするIoV(Internet of Vehicles,自動車のインターネット化)のサーバであってもよい。IoVのサーバは、ネットワーク上の各無人搬送車に関する情報を分析処理し、処理結果(例えば、走査経路)を端末装置にフィードバックすることができる。
【0031】
なお、サーバは、ハードウェアであってもよく、ソフトウェアであってもよい。サーバがハードウェアである場合、複数のサーバから構成される分散サーバクラスターとしても、単一のサーバとしても実装され得る。サーバがソフトウェアである場合、複数のソフトウェアまたはソフトウェアモジュール(例えば、分散サービスを提供するためのソフトウェアまたはソフトウェアモジュール)として実装されてもよく、または単一のソフトウェアまたはソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。ここでは特に限定しない。
【0032】
なお、本開示の実施形態に係る棚の位置を特定するための方法は、通常、サーバ105によって実行され、これに応じて、棚の位置を特定するための装置は、通常、サーバ105に設けられている。
【0033】
図1における端末装置、ネットワークおよびサーバの数は例示的なものに過ぎないことを理解すべきである。実現のニーズに応じて、端末装置、ネットワークおよびサーバの数を任意に加減してもよい。
【0034】
次に、
図2に示すように、本開示に係る棚の位置を特定するための方法の一実施形態のフロー200を示している。当該棚の位置を特定するための方法は次のステップを含む。
【0035】
ステップ201では、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得する。
【0036】
本実施形態では、棚の位置を特定するための方法が実行される実行主体(
図1に示すサーバ105)は、端末装置(例えば、
図1に示す端末装置101、102、103)から、棚スキャナを有する無人搬送車の数をリアルタイムで取得したり、メモリ読み取りにより取得したりしてもよい。
【0037】
本実施形態において、棚スキャナは、走査によって棚情報(棚情報は棚を識別するための棚番号を含む)を取得する装置であり、例えば、コードスキャナやカメラなどであり、棚スキャナが棚を走査した後、実行主体は、得られた棚スキャナの走査情報に基づいて、エリア中の各棚および各棚の棚情報を特定する。
【0038】
本実施形態では、エリアは無人搬送車の作業場であり、さらに、この作業場は商品保管倉庫や無人倉庫などの倉庫に位置してもよい。
【0039】
ステップ202では、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定する。
【0040】
本実施形態では、無人搬送車の数によってエリアを複数の走査領域に区画することができ、走査領域毎の無人搬送車の数は必要に応じて設定することができ、例示として、1台の無人搬送車が1つの走査領域に対応するか、または2台の無人搬送車が1つの走査領域に対応する。もちろん、各走査領域に対応する無人搬送車の数が異なっていてもよい。
【0041】
あるエリアには作業員がいないため、エリア内の無人搬送車は、一般的に視覚認識方式でナビゲートすることができ、例えば、視覚認識に属する二次元コードによるナビゲーションを行っていてもよい。エリアの地面にはエリアの二次元コードが貼り付けられ、無人搬送車の底部にはエリアの二次元コードを読み取るコードスキャナが設置され、このコードスキャナによって無人搬送車の位置情報を特定する。二次元コードによるナビゲーションは磁気ナビゲーションより精度が高いため、敷設、経路変更も容易で、制御しやすく、サウンドや光による干渉がない。したがって、全自動無人化のエリアに適している。
【0042】
具体的には、
図3に示すように、X軸1001から1020まで、Y軸1001から1020までのエリアで、システムには2つの無人搬送車(第1の無人搬送車、第2の無人搬送車)がある。
【0043】
また、X軸の長さ/無人搬送車の数=無人搬送車の所属するエリアの走査領域の数である。
図3において、第1の無人搬送車はA走査領域に対応し、第2の無人搬送車はB走査領域に対応する。
【0044】
ステップ203では、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定する。
【0045】
本実施形態では、各走査領域に基づいて、走査領域における棚の分布領域に応じて走査経路を具体的に設定してもよい。
図3に示すように、第1の無人搬送車の走行経路はS状である(
図3の太矢印で示す)。
【0046】
本実施形態では、走査経路は、各無人搬送車における棚スキャナが走査する際の無人搬送車の走行経路である。各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路は、入口位置と、出口位置と、入口位置と出口位置との間の経路とを含む。さらに、無人搬送車毎に、1つの入口位置と出口位置との間に複数の経路があってもよく、本実施形態では、棚を最も多く経由する経路を本走査経路のルートとして選択してもよい。
【0047】
図3に示すように、A走査領域およびB走査領域の走査経路の入口位置は、それぞれの領域のX軸の最小値か
つY軸の
最小値であり、A走査領域およびB走査領域の走査経路の出口位置は、それぞれの領域のX軸の最大値かつY軸の最大値である。A走査領域の走査経路の入口位置S1は10011001、出口位置E1は
10101020である。B走査領域の走査経路の入口位置S2は10101001、出口位置E2は10201020である。
【0048】
ステップ204では、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るように、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信する。
【0049】
本実施形態では、無人搬送車の走行規則は、位置点をロックしてから走行するという交通の位置点ロックメカニズムに基づいて、位置点ロックが成功してから、無人搬送車がロックされた位置点まで走行することである。同一位置点が同一時間に1台の無人搬送車のみによってロックされることができるので、無人搬送車の衝突を防止することができる。位置点ロック解除は、無人搬送車がロックされた位置点から完全に離れた後に当該位置点をロック解除することである。
【0050】
さらに、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信した後、無人搬送車は、上記走行規則に従って走査経路を走行することができる。以上のことから、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路は、入口位置、終点位置、および出口位置と終点位置との間の経路を含み、それぞれの所属する走査領域の棚をすべて走査するために、本実施形態では、無人搬送車は、所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出る。
【0051】
ステップ205では、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定する。
【0052】
本実施形態では、走査情報には、棚番号が含まれ、無人搬送車の位置情報には、エリアにおける各位置の座標値を含むエリアの座標点情報が含まれる。棚の位置は、エリアの棚の座標値と棚番号を含む。
【0053】
本実施形態のいくつかのオプション的な実施態様では、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定することは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚番号および当該棚番号に対応する無人搬送車が経由するエリアの座標点情報をリアルタイムに取得することと、取得した各棚番号と各棚番号に対応するエリアの座標点情報とをバインディングして、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得することとを含む。
【0054】
このオプション的な実施形態では、無人搬送車が1つの棚まで走査する度に、棚の棚番号およびその棚番号に対応するエリアの座標点情報を採集し、棚番号と棚番号に対応するエリアの座標点情報とをバインディングして棚のエリアにおける実位置を得るようにしたので、棚の位置を便利かつ迅速に得ることができる。
【0055】
本実施形態の他のいくつかのオプション的な実施形態では、棚スキャナは無人搬送車の頂部に設置されてもよく、エリアの地面にエリアの各位置の座標値を識別するエリアの二次元コードが貼られ、無人搬送車の底部にエリアの二次元コードを読み取るコードスキャナが設置され、実行主体は無人搬送車が通過するエリアの二次元コードから無人搬送車の位置情報を確定することができ、無人搬送車の位置情報中の棚の座標値と棚スキャナの走査情報中の棚番号をバインディングすることで、棚の位置を得ることができる。具体的には、このオプション的な実施形態では、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定することは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚の二次元コードおよび棚の二次元コードに対応する無人搬送車が経由するエリアの二次元コードをリアルタイムに取得し、棚の二次元コードが棚の棚番号にバインディングされ、エリアの二次元コードがエリアにおける座標点位置にバインディングされ、各棚の二次元コードおよび各棚の二次元コードに対応するエリアの二次元コードに基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得することを含む。
【0056】
このオプション的な実施形態では、棚の二次元コードと棚の棚番号とがバインディングされ、かつ、エリアの二次元コードとエリア中の座標点の位置とがバインディングされているので、無人搬送車における棚スキャナによって棚の二次元コードを取得し、無人搬送車の底部に設置されたエリアの二次元コードを読み取るコードスキャナによって棚の二次元コードに対応するエリアの二次元コードを取得した後、棚の棚番号および棚番号に対応するエリア中の座標点の位置を特定することができ、棚の位置を便利かつ迅速に位置特定することができる。
【0057】
具体的には、
図4に示すように、無人搬送車Zが所属する走査領域の走査経路を走査する場合、無人搬送車Zは、棚Hの下方から棚Hを通過し、無人搬送車Zの底部のコードスキャナ(図示せず)により無人搬送車の位置情報を得ることができ、無人搬送車Zの頂部の棚スキャナ(図示せず)により棚底部の棚コード(図示せず)を走査して走査情報を得ることができる。
【0058】
さらに、エリアではN(N>1)台の無人搬送車の同時走行をサポートでき、各無人搬送車が走行しながら無人搬送車の位置情報と棚の走査情報を実行主体に報告する。実行主体は、位置情報に基づいて、エリア中の各位置における棚の座標値を特定し、その座標値をキー値として、得られた走査情報中の棚番号とバインディングして、棚の位置を得る。各無人搬送車が最初に報告すると、システムは1つの棚の位置(key,value)の記録を追加し、ここで、Keyは座標値、valueは棚番号である。また、無人搬送車が走行するとき、重複した道を走行する可能性があり、重複した位置情報と棚の走査情報を実行主体に報告することがあり、実行主体は座標値に基づいてリアルタイムに棚番号を更新する。
【0059】
本開示の実施形態に係る棚の位置を特定するための方法は、まず、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得し、次に、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属する場所の走査領域を特定し、次に、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定し、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信し、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るようにし、最後に、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定することにより、棚スキャナを有する無人搬送車に走査領域と走査経路を自動的に割り当てることができ、無人搬送車が各走査領域の走査経路を走行すると、棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、棚の位置を特定することができ、手動作業が必要なく、省人化・省力化が達成され、エリアの棚の位置特定の精度が向上する。
【0060】
図5に示すように、本開示に係る棚の位置を特定するための方法のもう一つの実施形態のフロー500を示している。この棚の位置を特定するための方法は次のステップを含む。
【0061】
ステップ501では、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得し、その後、ステップ502を実行する。
【0062】
ステップ502では、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定し、その後、ステップ503を実行する。
【0063】
ステップ503では、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定し、その後、ステップ504を実行する。
【0064】
なお、上記ステップ501~503における動作および特徴は、上記ステップ201~203における動作および特徴にそれぞれ対応するので、上記ステップ201~203における動作および特徴の説明は、ステップ501~503に同様に適用できるので、ここでは説明を省略する。
【0065】
ステップ504では、無人搬送車毎に、無人搬送車の初期位置が当該無人搬送車の所属する走査領域における走査経路の入口位置にあるか否かを判定し、入口位置にある場合、ステップ505を実行し、入口位置にない場合、ステップ507を実行する。
【0066】
本実施形態では、無人搬送車の初期位置は、無人搬送車が走査を行う前の位置である。
【0067】
本実施形態では、無人搬送車の初期位置が、当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置にない場合には、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置に進入するように制御する必要がある。進入の途中で棚スキャナを閉じた状態にしてもよい。
【0068】
ステップ505では、当該無人搬送車の初期位置と当該無人搬送車の所属する走査領域における走査経路の入口位置との間の走行経路を計算し、その後、ステップ506を実行する。
【0069】
本実施形態では、走行経路は、無人搬送車が初期位置から入口位置まで走行する走行経路である。無人搬送車の初期位置と入口位置との間の走行経路は、初期位置、入口位置、初期位置と入口位置との間の経路を含む。さらに、無人搬送車毎に、1つの初期位置と入口位置との間に複数の経路があってもよく、本実施形態では、最も短い経路をこの走行経路のルートとして選択してもよい。
【0070】
図3に示すように、第2の無人搬送車の初期位置C2は、入口位置S2と同じ位置ではなく、第2の無人搬送車を入口位置S2まで自動ディスパッチする必要がある。
【0071】
第2の無人搬送車の走行経路は、第2の無人搬送車の初期位置C2(10201001)から10191001,…,10171001,…,10141001,…,10111001を順次経由した後、入口位置S2(10101001)に到着する経路である。
【0072】
ステップ506では、走行経路を当該無人搬送車に送信し、走行経路に沿って初期位置から入口位置まで無人搬送車を走行させるようにし、その後、ステップ507を実行する。
【0073】
本実施形態では、無人搬送車が走行経路を得た後、上記ステップ204の走行規則に従って走行経路に沿って走行する。以上のことから、無人搬送車の初期位置と入口位置との間の走行経路は、初期位置、入口位置、初期位置と入口位置との間の経路を含み、本実施形態では、初期位置と入口位置との間のストロークが最も短い経路を選択して走行することにより、無人搬送車の走行経路を最短に抑え入口位置までの到着時間を短縮することができる。
【0074】
ステップ507では、当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を当該無人搬送車に送信し、当該無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るようにし、その後、ステップ508を実行する。
【0075】
本実施形態では、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路を受信した後、棚スキャナをオンにし、棚スキャナによってエリア内の棚における棚情報をリアルタイムに走査する。
【0076】
ステップ508では、当該無人搬送車における棚スキャナの走査情報および当該無人搬送車の位置情報に基づいて、当該無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定する。
【0077】
なお、上記ステップ507~508における動作および特徴は、上記ステップ204~205における動作および特徴にそれぞれ対応するので、上記ステップ204~205における動作および特徴の説明は、ステップ507~508に同様に適用できるので、ここでは説明を省略する。
【0078】
本開示の実施形態に係る棚の位置を特定するための方法は、無人搬送車の初期位置が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置にない場合に、初期位置と入口位置との間の走行経路を計算して当該無人搬送車に送信することにより、当該無人搬送車を入口位置まで迅速に走行させて、棚の位置特定の効率を確保できる。
【0079】
エリアの走査領域を良好に区画するために、本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、さらに
図6に示すように本開示に係る各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を決定方法の一実施形態のフロー600が示されている。各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定する方法は、以下のステップを含む。
【0080】
ステップ601では、エリアの分布図を取得する。
【0081】
このオプション的な実施形態では、棚の位置を特定するための方法が実行される実行主体は、エリアの分布図をリアルタイムで取得したり、メモリ読み取りにより取得したりしてもよい。
【0082】
ステップ602では、エリアの分布図から分布図における棚の分布領域を特定する。
【0083】
このオプション的な実施形態では、エリア内に棚分布領域が設置され、棚分布領域に異なる種類の棚を列に配置してもよく、各列の棚が位置する領域の間に所定の空き領域(
図3の正方形格子領域)を設け、この空き領域の設置は棚への貨物集積に便利である。本実施形態では、棚分布領域は、各列の棚の所在領域と、各列の棚の所在領域間の空き領域とを含む。
【0084】
ステップ603では、分布領域を平均的に少なくとも2つの走査領域に区画し、かつ走査領域の数を無人搬送車の数と等しくする。
【0085】
このオプション的な実施形態では、走査領域の数を無人搬送車の数と等しくすることにより、1つの走査領域に1台の無人搬送車を確保し、各無人搬送車がそれぞれの走査領域を走査する際に干渉しないようにすることができる。
【0086】
ステップ604では、走査領域と無人搬送車との対応関係テーブルを作成する。
【0087】
このオプション的な実施形態では、走査領域と無人搬送車との間の対応関係テーブルを作成することで、各無人搬送車と走査領域との間の関係をクエリすることに便利である。
【0088】
図3に示すように、第1の無人搬送車はA走査領域に対応し、第2の無人搬送車はB走査領域に対応し、走査領域と無人搬送車との対応関係テーブルは、表1に示すようなテーブルであってもよい。走査領域と無人搬送車との対応関係テーブルにより、各走査領域に対応する無人搬送車をリアルタイムにクエリすることができる。
【0089】
【0090】
このオプション的な実施形態に係る各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定する方法は、エリア内の棚の分布領域を平均的に少なくとも2つの走査領域に区画し、走査領域の数は無人搬送車の数と同じであり、これにより、1つの無人搬送車が1つの走査領域に対応し、各無人搬送車が互いに干渉しない。さらに、エリア内の棚の分布領域に基づいて走査領域を区画することで、各走査領域における棚の位置の正確性を保証できる。
【0091】
エリア内の棚の位置を特定した後に、棚の位置が正確であるか否かを検証する必要がある。本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、上記棚の位置を特定するための方法は、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定した後、各走査領域における棚の位置と予め設定された棚の正しい位置とを比較して、位置の誤った棚の所在位置を取得することと、位置の誤った棚の走査領域内の無人搬送車に対して、出口位置と位置の誤った棚の所在位置との間のリターン経路を計算することと、当該無人搬送車が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の出口位置に到着した後、リターン経路に沿って位置の誤った棚まで走行するように、リターン経路を当該無人搬送車に送信することと、当該無人搬送車は、位置の誤った棚の所在位置に到着した後、位置の誤った棚を走査し、走査結果に基づいて、位置の誤った棚であると判定された棚が本当に位置が誤っているか否かを検証することと、をさらに含む。
【0092】
このオプション的な実施形態では、エリア内の各列の棚の所在領域の間に所定の空き領域(
図3の正方形格子領域)を設け、この空き領域の設置は棚への貨物集積に便利である。棚分布領域は、各列の棚の所在領域と、各列の棚の所在領域間の空き領域とを含む。予め設定された棚の正しい位置は、各列の棚の所在領域の位置であってもよい。
【0093】
棚の位置と予め設定された各列の棚の所在領域の位置とを比較した後、棚の位置のいずれが各列の棚の所在領域の位置にない場合、棚の位置が誤っていると判定する。また、無人搬送車の走査中に、無人搬送車の走査経路を設定することにより、位置の誤った棚の所在位置を走査して得ることができる。
【0094】
リターン経路は、出口位置、位置の誤った棚の所在位置、および出口位置と位置の誤った棚の所在位置との間の経路を含む。さらに、無人搬送車毎に、1つの出口位置と位置の誤った棚の所在位置との間に複数の経路があってもよく、本実施形態では、棚を最も多く経由する経路をこのリターン経路のルートとして選択してもよい。
【0095】
このオプション的な実施形態では、走査結果における棚の位置と位置の誤った棚の所在位置と同じである場合、上記位置の誤った棚の所在位置における棚の位置が確かに誤っていると判定する。走査結果中の棚の位置が、位置の誤った棚の所在位置と一致しない場合には、さらに、走査結果中の棚の位置が、各列の棚の所在領域にあるか否かを判定する必要がある。走査結果中の棚の位置が各列の棚の所在領域にある場合、上記位置の誤った棚の所在位置における棚の位置が正しいと判定する。
【0096】
このオプション的な実施形態に係る棚の位置を特定するための方法は、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定した後、各走査領域における棚の位置と予め設定された棚の正しい位置とを比較して、位置の誤った棚の所在位置を特定し、位置の誤った棚を有する走査領域における無人搬送車に対して、当該無人搬送車にリターン経路を送信し、当該無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置における棚を再走査し、走査結果に基づいて、位置の誤った棚であると判定された棚が本当に位置が誤っているか否かを検証し、これにより、無人搬送車の走査が完了した後、再び無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置に戻って位置の誤った棚の所在位置における棚を再走査することで、棚の位置の特定時の正確性を確保できる。
【0097】
さらに、棚が位置の誤った棚であると判定した後、位置の誤った棚を棚の正しい位置に搬送する必要があるため、無人搬送車は、積載部材(例えば、昇降台、ロボット)を備えた無人搬送車としてもよく、その積載部材は棚の搬送に用いることができる。本実施形態のいくつかのオプション的な実施形態では、無人搬送車は昇降台を有し、このオプション的な実施形態では、上記の棚の位置を特定するための方法は、位置の誤った棚の所在位置を得た後、または走査によって位置の誤った棚の所在位置における棚の位置が誤っていると判定した後に、位置の誤った棚の所在位置と予め設定された棚の正しい位置との間の搬送経路を計算して、搬送経路を当該無人搬送車に送信することと、当該無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置に到着した後、当該無人搬送車における昇降台を位置の誤った棚の底部に突き当てるように制御し、当該無人搬送車が前記位置の誤った棚を前記搬送経路に沿って予め設定された棚の正しい位置に搬送することと、をさらに含む。
【0098】
このオプション的な実施形態では、棚の正しい位置は、予め設定された棚の設置位置であり、例えば、棚の正しい位置は、エリア分布図における各列の棚の所在領域の位置である。
【0099】
搬送経路は、位置の誤った棚の所在位置、棚の正しい位置、位置の誤った棚の所在位置と棚の正しい位置との間の経路を含み、本実施形態では、位置の誤った棚の所在位置と棚の正しい位置との間のストロークが最も短い経路を、当該搬送経路のルートとして選択してもよい。
【0100】
このオプション的な実施形態では、無人搬送車上の昇降台が位置の誤った棚の底部に当たるまで上昇すると、無人搬送車上の昇降台が位置の誤った棚を持ち上げるので、無人搬送車が搬送経路に沿って棚の正しい位置に戻る際に、位置の誤った棚も無人搬送車とともに正しい位置に戻り、さらに、棚の正しい位置に達した後に、位置の誤った棚の底部から離れるように無人搬送車上の昇降台を降下させるように制御して、位置の誤った棚を棚の正しい位置に置くことができる。
【0101】
このオプション的な実施形態に係る棚の位置を特定するための方法は、位置の誤った棚の位置を特定した後、無人搬送車の搬送経路を算出し、無人搬送車の昇降台を位置の誤った棚の底部に突き当てるように制御し、無人搬送車が搬送経路に沿って位置の誤った棚を予め設定された棚の正しい位置に搬送することにより、位置の誤った棚の位置を効率的に修正することができる。
【0102】
更に
図7を参照すると、上記の各図に示された方法の実施態様として、本開示は、棚の位置を特定するための装置の一実施形態を提供し、当該装置の実施形態は、
図2に示された方法の実施形態に対応しており、当該装置は、具体的に様々な電子機器に適用することができる。
【0103】
図7に示すように、本開示の実施形態に係る棚の位置を特定するための装置700を提供し、当該装置700は、取得ユニット701と、割当ユニット702と、計画ユニット703と、走査ユニット704と、特定ユニット705とを備える。ただし、取得ユニット701は、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得するように構成されてもよい。割当ユニット702は、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定するように構成されてもよい。計画ユニット703は、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定するように構成されてもよい。走査ユニット704は、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信し、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るように構成されてもよい。特定ユニット705は、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定するように構成されてもよい。
【0104】
本実施形態において、棚の位置を特定するための装置700において、取得ユニット701、割当ユニット702、計画ユニット703、走査ユニット704および特定ユニット705の具体的な処理およびそれらによって奏される技術的効果は、それぞれ
図2の対応する実施形態におけるステップ201、ステップ202、ステップ203、ステップ204およびステップ205の関連する説明を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0105】
いくつか実施形態では、上記装置700はさらに、応答ユニット(図示せず)、走行経路送信ユニット(図示せず)を含む。応答ユニットは、無人搬送車の初期位置が無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置でないと判定されたことに応答して、初期位置と入口位置との間の走行経路を計算するように構成されてもよい。走行経路送信ユニットは、走行経路を無人搬送車に送信し、走行経路に沿って初期位置から入口位置まで無人搬送車を走行させるように構成されてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、上記割当ユニット702は、取得モジュール(図示せず)と、特定モジュール(図示せず)と、区画モジュール(図示せず)と、テーブル作成モジュール(図示せず)とを含む。取得モジュールは、エリアの分布図を取得するように構成されてもよい。特定モジュールは、エリアの分布図から分布図における棚の分布領域を特定するように構成されてもよい。区画モジュールは、分布領域を平均的に少なくとも2つの走査領域に区画し、かつ走査領域の数を無人搬送車の数と等しくするように構成されてもよい。テーブル作成モジュールは、走査領域と無人搬送車との対応関係テーブルを作成するように構成されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、上記装置700はさらに、比較ユニット(図示せず)と、リターン経路計算ユニット(図示せず)と、リターン経路送信ユニット(図示せず)と、検証ユニット(図示せず)とをさらに含む。比較ユニットは、各走査領域における棚の位置と予め設定された棚の正しい位置とを比較して、位置の誤った棚の所在位置を取得するように構成されてもよい。リターン経路計算ユニットは、位置の誤った棚を有する走査領域内の無人搬送車に対して、出口位置と位置の誤った棚の所在位置との間のリターン経路を計算するように構成されてもよい。リターン経路送信ユニットは、当該無人搬送車が当該無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の出口位置に到着した後、リターン経路に沿って位置の誤った棚の所在位置まで走行するように、リターン経路を当該無人搬送車に送信するように構成されてもよい。検証ユニットは、当該無人搬送車は、位置の誤った棚の所在位置に到着した後、位置の誤った棚の所在位置における棚を走査し、走査結果に基づいて、位置の誤った棚であると判定された棚が本当に位置が誤っているか否かを検証するように構成されてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、上記無人搬送車は昇降台を有する。上記装置700はさらに、搬送経路計算ユニット(図示せず)と、搬送ユニット(図示せず)とをさらに備える。搬送経路計算ユニットは、位置の誤った棚の所在位置と、予め設定された棚の正しい位置との間の搬送経路を算出し、搬送経路を当該無人搬送車に送信するように構成されてもよい。搬送ユニットは、当該無人搬送車が位置の誤った棚の所在位置に到着した後、当該無人搬送車における昇降台を位置の誤った棚の底部に突き当てるように制御し、当該無人搬送車が前記位置の誤った棚を前記搬送経路に沿って予め設定された棚の正しい位置に搬送するように構成されてもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、走査情報は、棚番号を含み、無人搬送車の位置情報は、エリアの座標点情報を含み、上記特定ユニット705は、情報取得モジュール(図示せず)と、位置取得モジュール(図示せず)とを含む。情報取得モジュールは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚番号および当該棚番号に対応する無人搬送車が経由するエリアの座標点情報をリアルタイムに取得するように構成されてもよい。位置取得モジュールは、取得した各棚番号と各棚番号に対応するエリアの座標点情報とをバインディングして、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するように構成されてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、無人搬送車の底部にエリアの二次元コードを読み取るコードスキャナが設置されており、上記特定ユニット705は、コード取得モジュール(図示せず)と、位置獲得モジュール(図示せず)とを備える。コード取得モジュールは、無人搬送車における棚スキャナが走査した棚の二次元コードおよび棚の二次元コードに対応する無人搬送車が経由するエリアの二次元コードをリアルタイムに取得するように構成され、そのうち、棚の二次元コードは棚の棚番号にバインディングされ、エリアの二次元コードはエリアにおける座標点位置にバインディングされる。位置獲得モジュールは、各棚の二次元コードおよび各棚の二次元コードに対応するエリアの二次元コードに基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を取得するように構成される。
【0111】
本開示の一実施形態に係る棚の位置を決定する装置は、まず、取得ユニット701は、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得し、次に、割当ユニット702は、無人搬送車の数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定し、次に、計画ユニット703は、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を決定し、次に、走査ユニット704は、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信し、無人搬送車が所属する走査領域の走査経路の入口位置から走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から出るようにし、最後に、特定ユニット705は、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定することにより、棚スキャナを有する無人搬送車に走査領域と走査経路を自動的に割り当てることができ、無人搬送車が各走査領域の走査経路を走行すると、棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、棚の位置を特定することができ、手動作業が必要なく、省人化・省力化が達成され、エリアの棚の位置特定の精度が向上される。
【0112】
以下、本開示の実施形態を実現するために適用される電子機器800を示す構造概略図である
図8を参照する。
【0113】
図8に示すように、電子機器800は、読み出し専用メモリ(ROM)802に格納されているプログラムまたは記憶装置808からランダムアクセスメモリ(RAM)803にロードされたプログラムによって様々な適当な動作および処理を実行可能な処理装置(例えば、中央処理装置、グラフィックスプロセッサなど)801を含んでもよい。RAM803には、電子機器800の動作に必要な様々なプログラムおよびデータが更に格納されている。処理装置801、ROM802およびRAM803は、バス804を介して互いに接続されている。入/出力(I/O)インターフェース805もバス804に接続されている。
【0114】
例えば、タッチスクリーン、タッチパッド、キーボード、マウスなどを含む入力装置806、液晶ディスプレイ(LCD,Liquid Crystal Display)、スピーカ、振動子などを含む出力装置807、例えば、磁気テープ、ハードディスクなどを含む記憶装置808、および通信装置809がI/Oインターフェース805に接続されてもよい。通信装置809により、電子機器800は、データを交換するために他のデバイスと無線または有線で通信可能になる。
図8は、様々な装置を有する電子機器800を示しているが、図示された装置のすべてを実装または具備することが要求されないことを理解すべきである。オプション的に実行されるか、またはより多いまたはより少ない装置が実装されてもよい。
図8に示す各ブロックは、1つの装置を表すことも、必要に応じて複数の装置を表すこともできる。
【0115】
特に、本開示の実施形態によれば、上述したフローチャートを参照しながら記載されたプロセスは、コンピュータのソフトウェアプログラムとして実装されてもよい。例えば、本開示の実施形態は、コンピュータ可読媒体に具現化されるコンピュータプログラムを含み、当該コンピュータプログラムは、フローチャートで示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施形態では、当該コンピュータプログラムは、通信装置809を介してネットワークからダウンロードされてインストールされてもよいし、または記憶装置808またはROM802からインストールされてもよい。当該コンピュータプログラムが処理装置801によって実行されると、本開示の実施形態の方法で限定された上記機能を実行する。
【0116】
なお、本開示の実施形態に記載されたコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、または半導体のシステム、装置もしくはデバイス、またはこれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、1本または複数本の導線による電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。本開示の実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体は、指令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用可能な、またはそれらに組み込まれて使用可能なプログラムを包含または格納する任意の有形の媒体であってもよい。本開示の実施形態において、コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドにおける、または搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含んでもよく、その中にコンピュータ可読プログラムコードが担持されている。かかる伝搬されたデータ信号は、様々な形態をとることができ、電磁信号、光信号、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、更にコンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。当該コンピュータ可読信号媒体は、指令実行システム、装置もしくはデバイスによって使用されるか、またはそれらに組み込まれて使用されるプログラムを、送信、伝搬または伝送することができる。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは任意の適切な媒体で伝送することができ、当該任意の適切な媒体とは、電線、光ケーブル、RF(Radio Frequency,無線周波数)など、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0117】
上記コンピュータ可読媒体は、上記サーバに含まれるものであってもよく、当該サーバに実装されずに別体として存在するものであってもよい。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、1つまたは複数のプログラムを記録しており、前記1つまたは複数のプログラムが当該サーバにより実行されると、棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得し、数に基づいて、各無人搬送車の所属するエリアの走査領域を特定し、各走査領域に基づいて、各無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を特定し、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路の入口位置から無人搬送車が走査を開始し、所属する走査領域の走査経路の出口位置から無人搬送車が出るように、無人搬送車の所属する走査領域の走査経路を無人搬送車に送信し、無人搬送車における棚スキャナの走査情報および無人搬送車の位置情報に基づいて、無人搬送車の所属する走査領域の棚の位置を特定することを、当該サーバに実行させる。
【0118】
本開示の実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、種以上のプログラミング言語、またはそれらの組み合わせで作成されることができ、プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されることも、単独のソフトウェアパッケージとして実行されることも、部分的にユーザのコンピュータで実行されながら部分的にリモートコンピュータで実行されることも、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバで実行されることも可能である。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザコンピュータに接続することができ、または(例えば、インターネットサービスプロバイダによるインターネットサービスを介して)外部コンピュータに接続することができる。
【0119】
図面のうちのフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態に係るシステム、方法およびコンピュータプログラムによって実現できるアーキテクチャ、機能および動作を図示している。これについては、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部を表すことができる。当該モジュール、プログラムセグメント、またはコードの一部には、所定のロジック機能を実現するための1つまたは複数の実行可能な指令が含まれている。なお、一部の代替となる実施態様においては、ブロックに示されている機能は図面に示されているものとは異なる順序で実行することも可能である。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には係る機能に応答して、ほぼ並行して実行されてもよく、時には逆の順序で実行されてもよい。さらに注意すべきなのは、ブロック図および/またはフローチャートにおけるすべてのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実装されてもよく、または専用のハードウェアとコンピュータ指令との組み合わせで実装されてもよい。
【0120】
本開示の実施形態に記載されたユニットは、ソフトウェアで実装されてもよく、ハードウェアで実装されてもよい。記載されたユニットは、プロセッサ内に設けられてもよく、例えば、「取得ユニットと、割当ユニットと、計画ユニットと、走査ユニットと、特定ユニットとを備えるプロセッサ」と記載されてもよい。ここで、これらのユニットの名称は、ある場合において当該ユニットその自体を限定するものではなく、例えば、取得ユニットは、「棚スキャナを有する無人搬送車の数を取得するユニット」として記載されてもよい。
【0121】
以上の記載は、本開示の好ましい実施形態、および適用される技術的原理に関する説明に過ぎない。当業者であれば、本開示に係る発明の範囲が、上述した技術的特徴の特定の組み合わせからなる技術案に限定されるものではなく、上述した本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した技術的特徴またはそれらの均等の特徴の任意の組み合わせからなる他の技術案も含むべきであることを理解すべきである。例えば、上記の特徴と、本開示の実施形態に開示された類似の機能を持っている技術的特徴(これらに限定されていない)と互いに置き換えてなる技術案が挙げられる。