(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】調整可能なマットレスフレーム及び該フレームの調整方法
(51)【国際特許分類】
A61G 7/015 20060101AFI20240430BHJP
A61G 7/005 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
A61G7/015
A61G7/005
(21)【出願番号】P 2022574246
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 IL2020050616
(87)【国際公開番号】W WO2021245641
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】522467932
【氏名又は名称】ポリロン ジキム アハ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リーヒテンシュタイン イッチャク
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツマン ニール
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-511131(JP,A)
【文献】特開昭54-089872(JP,A)
【文献】特開2013-034526(JP,A)
【文献】特表2005-532145(JP,A)
【文献】特表2005-532132(JP,A)
【文献】米国特許第03877750(US,A)
【文献】米国特許第04815155(US,A)
【文献】米国特許第05469591(US,A)
【文献】米国特許第05086529(US,A)
【文献】米国特許第04824411(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00 - A61G 7/16
A47C 27/00 - A47C 27/22
A47C 3/16
A47C 31/02
B68G 7/05 - B68G 7/054
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整可能なマットレスフレームであって、前記調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザを支持する調整可能なマットレスフレームにおいて、
前記ユーザの下背部を支持するとともに、前記調整可能なマットレスフレームが配置された表面と接触する下背部領域と、
前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの上半身を支持する上部領域、又は、
前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの脚部を回動可能に支持する脚部領域、又は、
前記上部領域及び前記脚部領域の両方と、を含み、
前記上部領域は、前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの背部を支持する背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの頭部を支持する頭部領域を含み、
前記脚部領域は、前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの大腿部を支持する大腿部領域と、前記大腿部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの脛部を支持する脛部領域と、を含み、前記大腿部領域と前記脛部領域との間の回動領域は、前記ユーザの膝部を支持する膝部領域であり、
前記調整可能なマットレスフレームは、前記調整可能なマットレスフレームの領域に移動可能に取り付けられる少なくとも1つの角度変更部であって、その長さを変更することにより、隣接する2つの領域間の角度を変更する角度変更部を更に含
み、
前記調整可能なマットレスフレームは、回動可能に接続された複数の長尺状のリンクをさらに含み、
前記リンクは、頭部リンクと、背部リンクと、大腿部リンクと、脛部リンクと、であり、
前記頭部領域は、前記頭部リンクを含み、前記頭部リンクの長さが前記頭部領域の幅を決定し、
前記背部領域は、前記背部リンクを含み、前記背部リンクの長さが前記背部領域の幅を決定し、
前記大腿部領域は、前記大腿部リンクを含み、前記大腿部リンクの長さが前記大腿部領域の幅を決定し、
前記脛部領域は、前記脛部リンクを含み、前記脛部リンクの長さが前記脛部領域の幅を決定し、
前記少なくとも1つの角度変更部は、前記リンクに移動可能に取り付けられ、その長さを変更することにより、隣接する2つのリンク間の角度を変更し、
前記調整可能なマットレスフレームは、隣接する2つのリンクの間に取り付けられ、調整可能なマットレスフレームの調整中に隣接する2つのリンクの間で調整できる最小角度を決定するように構成された少なくとも1つのスペーサを更に含む、調整可能なマットレスフレーム。
【請求項2】
前記角度変更部は、前記頭部領域に固定的に取り付けられ、前記背部領域に移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する背部・頭部調整部に取り付けられ、背部・頭部ケーブルの長さを変更可能に構成された背部・頭部ケーブルであり、前記背部・頭部ケーブルの長さを変更することにより、前記頭部領域と前記背部領域との間の角度、及び、前記背部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する、請求項1に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項3】
前記角度変更部は、前記脛部領域に固定的に取り付けられ、前記大腿部領域に移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する脚部調整部に取り付けられ、脚部ケーブルの長さを変更可能に構成された脚部ケーブルであり、前記脚部ケーブルの長さを変更することにより、前記脛部領域と前記大腿部領域との間の角度、及び、前記大腿部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する、請求項1に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項4】
前記角度変更部は、頭部リンクに固定的に取り付けられ、他の頭部リンクに移動可能に取り付けられ、背部リンクに移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する背部・頭部調整部に取り付けられ、背部・頭部ケーブルの長さを変更可能に構成された背部・頭部ケーブルであり、前記背部・頭部ケーブルの長さを変更することにより、隣接する2つの前記頭部リンク間の角度、前記頭部領域と前記背部領域との間の角度、隣接する2つの前記背部リンク間の角度、及び前記背部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する、請求項
3に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項5】
前記角度変更部は、脛部リンクに固定的に取り付けられ、他の脛部リンクに移動可能に取り付けられ、大腿部リンクに移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する
脚部調整部に取り付けられ、脚部ケーブルの長さを変更可能に構成された脚部ケーブルであり、前記脚部ケーブルの長さを変更することにより、隣接する2つの前記脛部リンク間の角度、前記脛部領域と前記大腿部領域との間の角度、隣接する2つの前記大腿部リンク間の角度、及び前記大腿部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する、請求項
1に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項6】
前記角度変更部は、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられ、その長さを変更することにより、前記隣接する2つのリンク間の角度を変更する、請求項
1に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項7】
2つのリンクごとに、角度変更部が移動可能に取り付けられる、請求項
6に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項8】
各角度変更部は、他の角度変更部とは独立していることにより、任意の隣接する2つのリンク間の角度が、他の隣接する2つのリンク間の角度とは異なるように変更することを可能にする、請求項
7に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項9】
前記調整可能なマットレスフレームを覆うカバーを更に含む、請求項
1~
8のいずれか一項に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項10】
前記カバーは、前記調整可能なマットレスフレームの形状に応じてその形状を変更する、請求項
9に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項11】
前記カバーは、前記カバーに横たわるユーザの圧力に耐え、前記調整可能なマットレスフレームの鋭い部分によって起こり得る損傷に耐える、請求項
9又は
10に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項12】
前記カバーは、前記リンクに移動可能に取り付けられる、請求項
9~
11のいずれか一項に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項13】
前記カバーは、複数のカバーコネクタを含み、各カバーコネクタは、リンクに回動可能に取り付けられる、請求項
12に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項14】
請求項1~
13のいずれか一項に記載の、調整可能な内部マットレスフレームを含む、調整可能なマットレス。
【請求項15】
前記調整可能なマットレスフレームは、パッド材料で覆われる、請求項
14に記載の調整可能なマットレス。
【請求項16】
前記パッド材料は、前記調整可能なマットレスフレームの形状に応じてその形状を変更する、請求項
15に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【請求項17】
少なくとも1つの前記スペーサは、前記隣接する2つのリンクの間に取り外し可能に取り付けられるように構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の調整可能なマットレスフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、睡眠家具(sleep furniture)に関し、特に、マットレスに関する。より詳細には、本主題は、調整可能なマットレスフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの横臥位置(lying position)の変更を可能にする調整可能なベッドは、それらの提供する快適性及び健康上の利点のために人気が高まっている。現在の調整可能なベッドは、重いモータと耐久性のある重いフレームを含む、調整機構を含むため、重すぎてメンテナンス及び移動性の面では面倒である。また、現在の調整可能なベッドでは、屈曲に適した所定のマットレスを使用する必要がある。更に、現在利用可能な調整可能なベッドで達成できる様々な横臥姿勢(lying postures)は、背部を起立させてまっすぐな座位(straight sitting position)にすることと、脚部を持ち上げることだけに限られている。したがって、現在の調整可能なベッドは、典型的なまっすぐなベッド(classic straight beds)と比較して、追加の横臥位置の選択肢を提供するが、快適性及び人間工学の点で改善の余地がある。前述の欠点に加えて、現在の調整可能なベッドの製造、出荷及び設置のコストは、比較的高い。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に使用される技術用語及び科学用語は、特に定義されない限り、本主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を本主題の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。また、材料、方法及び実施例は、例示的なものにすぎず、限定的なことを意図しない。
【0004】
本主題の一態様に係る調整可能なマットレスフレームは、前記調整可能なマットレスフレームに横たわる(lying)人間のユーザを支持する調整可能なマットレスフレームであって、
前記ユーザの下背部(腰部。lower back)を支持するとともに、前記調整可能なマットレスフレームが配置された表面と接触する下背部領域と、
前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの上半身を支持する上部領域、又は、
前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの脚部を回動可能に支持する脚部領域のいずれか、又は、
前記上部領域及び前記脚部領域の両方と、を含み、
前記上部領域は、前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの背部を支持する背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの頭部を支持する頭部領域を含み、前記脚部領域は、前記下背部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの大腿部を支持する大腿部領域と、前記大腿部領域に回動可能に接続され、前記ユーザの脛部(shin)を支持する脛部領域と、を含み、前記大腿部領域と前記脛部領域との間の回動領域は、前記ユーザの膝部を支持する膝部領域であり、前記調整可能なマットレスフレームは、前記調整可能なマットレスフレームの領域に移動可能に取り付けられ、その長さを変更することにより、隣接する2つの領域間の角度を変更する少なくとも1つの角度変更部を更に含む。
【0005】
一実施形態では、前記角度変更部は、前記頭部領域に固定的(fixedly)に取り付けられ、前記背部領域に移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する背部・頭部調整部に取り付けられた背部・頭部ケーブルであり、前記背部・頭部ケーブルの長さを変更し、前記背部・頭部ケーブルの長さを変更することにより、前記頭部領域と前記背部領域との間の角度、及び、前記背部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する。
【0006】
別の実施形態では、前記角度変更部は、前記脛部領域に固定的に取り付けられ、前記大腿部領域に移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する脚部調整部に取り付けられた脚部ケーブルであり、前記脚部ケーブルの長さを変更し、前記脚部ケーブルの長さを変更することにより、前記脛部領域と前記大腿部領域との間の角度、及び、前記大腿部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する。
【0007】
更に別の実施形態では、前記頭部領域は、回動可能に接続された複数の長尺状の頭部リンクを含み、前記頭部リンクの長さが前記頭部領域の幅を決定し、前記背部領域は、回動可能に接続された複数の長尺状の背部リンクを含み、前記背部リンクの長さが前記背部領域の幅を決定し、前記大腿部領域は、回動可能に接続された複数の長尺状の大腿部リンクを有し、前記大腿部リンクの長さが前記大腿部領域の幅を決定し、前記脛部領域は、回動可能に接続された複数の長尺状の脛部リンクを有し、前記脛部リンクの長さが前記脛部領域の幅を決定し、前記少なくとも1つの角度変更部は、前記リンクに移動可能に取り付けられ、その長さを変更することにより、隣接する2つのリンク間の角度を変更する。
【0008】
更に別の実施形態では、前記角度変更部は、頭部リンクに固定的に取り付けられ、他の頭部リンクに移動可能に取り付けられ、背部リンクに移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する背部・頭部調整部に取り付けられた背部・頭部ケーブルであり、前記背部・頭部ケーブルの長さを変更し、前記背部・頭部ケーブルの長さを変更することにより、隣接する2つの前記頭部リンク間の角度、前記頭部領域と前記背部領域との間の角度、隣接する2つの前記背部リンク間の角度、及び前記背部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する。
【0009】
更なる実施形態では、前記角度変更部は、脛部リンクに固定的に取り付けられ、他の脛部リンクに移動可能に取り付けられ、大腿部リンクに移動可能に取り付けられ、更に前記下背部領域に位置する背部・頭部調整部に取り付けられた脚部ケーブルであり、前記脚部ケーブルの長さを変更し、前記脚部ケーブルの長さを変更することにより、隣接する2つの前記脛部リンク間の角度、前記脛部領域と前記大腿部領域との間の角度、隣接する2つの前記大腿部リンク間の角度、及び前記大腿部領域と前記下背部領域との間の角度を変更する。
【0010】
更なる実施形態では、前記角度変更部は、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられ、その長さを変更することにより、前記隣接する2つのリンク間の角度を変更する。
【0011】
更なる実施形態では、2つのリンクごとに、角度変更部が移動可能に取り付けられる。
【0012】
追加の実施形態では、各角度変更部は、他の任意の角度変更部とは独立していることにより、任意の隣接する2つのリンク間の角度が、他の任意の隣接する2つのリンク間の角度とは異なるように変更することを可能にする。
【0013】
別の追加の実施形態では、前記調整可能なマットレスフレームは、前記調整可能なマットレスフレームを覆うカバーを更に含む。
【0014】
更に別の実施形態では、前記カバーは、前記調整可能なマットレスフレームの形状に応じてその形状を変更する。
【0015】
更に別の実施形態では、前記カバーは、前記カバーに横たわるユーザの圧力に耐え、前記調整可能なマットレスフレームの鋭い(sharp)部分によって起こり得る損傷に耐える。
【0016】
更なる実施形態では、前記カバーは、前記リンクに移動可能に取り付けられる。
【0017】
更なる実施形態では、前記カバーは、複数のカバーコネクタを含み、各カバーコネクタは、リンクに回動可能に取り付けられる。
【0018】
本主題の別の態様に係る調整可能なマットレスは、上記のような調整可能な内部マットレスフレームを含む。
【0019】
一実施形態では、前記調整可能なマットレスの前記調整可能なマットレスフレームは、パッド材料で覆われる。
【0020】
別の実施形態では、前記パッド材料は、前記調整可能なマットレスフレームの形状に応じてその形状を変更する。
【0021】
添付の図面を参照しながら、実施形態についてあくまでも例示目的で説明する。特に図面を詳細に参照すると、示される詳細は、好ましい実施形態の例示的な議論のみを目的として例として示されるものであり、本実施形態の原理及び概念的な態様の最も有用で容易に理解できる説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点に関して、構造的な詳細について、基本的な理解に必要なもの以上に詳細に示そうとするものではなく、図面とともに得られる説明は、いくつかの形態を実際にどのように具現化することができるかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】いくつかの例示的な実施形態に係る、調整可能なマットレスフレームと、調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザとの側面図を概略的に示す。
【
図2A】いくつかの例示的な実施形態に係る、様々な位置にある調整可能なマットレスフレームの側面図を概略的に示す。
【
図2B】いくつかの例示的な実施形態に係る、様々な位置にある調整可能なマットレスフレームの側面図を概略的に示す。
【
図2C】いくつかの例示的な実施形態に係る、様々な位置にある調整可能なマットレスフレームの側面図を概略的に示す。
【
図2D】いくつかの例示的な実施形態に係る、様々な位置にある調整可能なマットレスフレームの側面図を概略的に示す。
【
図2E】いくつかの例示的な実施形態に係る、様々な位置にある調整可能なマットレスフレームの側面図を概略的に示す。
【
図3】いくつかの例示的な実施形態に係る、調整可能なマットレスフレームの構成要素の側面図を概略的に示す。
【
図4】いくつかの例示的な実施形態に係る、複数のリンクを更に含む調整可能なマットレスフレームと、調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザとの上面図を概略的に示す。
【
図5】いくつかの例示的な実施形態に係る、複数のリンクを更に含む調整可能なマットレスフレームと、調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザとの側面図を概略的に示す。
【
図6】いくつかの例示的な実施形態に係る、頭部・背部調整部への背部・頭部ケーブルによって相互接続されたいくつかの背部リンクの側面斜視図を概略的に示す。
【
図7】いくつかの例示的な実施形態に係る、背部・頭部ケーブルと脚部ケーブルを含む調整可能なマットレスフレーム100の側面図を概略的に示す。
【
図8】いくつかの例示的な実施形態に係る、脚部リンクに移動可能に接続された脚部ケーブルの側面図を概略的に示す。
【
図9】いくつかの例示的な実施形態に係る、リンクと滑車の斜視図を概略的に示す。
【
図10】いくつかの例示的な実施形態に係る、三角形の輪郭を有する脚部リンクに移動可能に取り付けられた脚部ケーブルの側面図を概略的に示す。
【
図11】いくつかの例示的な実施形態に係る、調整可能なマットレスフレームのリンクの相対的な輪郭のサイズの側面図を概略的に示す。
【
図12A】いくつかの例示的な実施形態に係る、少なくとも1つのスペーサを更に含む調整可能なマットレスフレームの一部の側面斜視図を概略的に示す。
【
図12B】いくつかの例示的な実施形態に係る、少なくとも1つのスペーサを更に含む調整可能なマットレスフレームの一部の側面斜視図を概略的に示す。
【
図13A】いくつかの例示的な実施形態に係る、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部の側面図を概略的に示す。
【
図13B】いくつかの例示的な実施形態に係る、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部の側面図を概略的に示す。
【
図13C】いくつかの例示的な実施形態に係る、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部の側面図を概略的に示す。
【
図13D】いくつかの例示的な実施形態に係る、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部の側面図を概略的に示す。
【
図14】いくつかの例示的な実施形態に係る、カバーで覆われたリンクの側面図を概略的に示す。
【
図15】いくつかの例示的な実施形態に係る、調整可能なマットレスフレームを含む調整可能なマットレスの側面透視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、主題は、その適用において、以下の明細書に記載されるか又は図面に図示された構成要素の構成及び配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。主題は、他の実施形態が可能であり、かつ種々の方法で実践又は実行されることが可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定的なものと見なすべきではないことを理解されたい。本明細書に記載の様々な図面を論じる場合、同一符号は、同一部品を意味する。図面は概して縮尺通りではない。
【0024】
明瞭化のため、不必要な(本質的でない)要素(elements)を図面によっては省略している。
【0025】
一態様では、本主題は、調整可能なマットレスフレームを提供する。別の態様では、本主題は、調整可能なマットレスフレームを含むマットレスを提供する。更に別の態様では、本主題は、調整可能なマットレスフレームの調整方法を提供する。ユーザの横臥位置を変更するための現在利用可能な解決策に対する調整可能なマットレスフレームの利点は、本主題の説明中に明らかになる。
【0026】
次に、例示的な実施形態に係る、調整可能なマットレスフレームと、調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザとの側面図を概略的に示す
図1を参照する。本主題に関連し、
図1に示される人間のユーザ500の身体の部位は、頭部502、背部504、下背部506及び脚部508を含み、脚部508は、大腿部510、膝部512及び脛部514を含む。調整可能なマットレスフレーム100は、人間のユーザ500の身体の部位に対応する領域を含む。したがって、一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、ユーザ500の下背部506を支持する下背部領域106と、下背部領域106に回動可能に接続され、ユーザの上半身を支持する上部領域、又は、下背部領域106に回動可能に接続され、ユーザの脚部を支持する脚部領域108のいずれか、又は、上部領域及び脚部領域108の両方と、を含む。
【0027】
上部領域は、下背部領域106に回動可能に接続され、ユーザ500の背部504を支持する背部領域104に回動可能に接続され、ユーザ500の頭部502を支持する頭部領域102を含む。
【0028】
脚部領域108は、下背部領域106に回動可能に接続され、ユーザ500の大腿部510を支持する大腿部領域110と、大腿部領域110に回動可能に接続され、ユーザ500の脛部514を支持する脛部領域114と、を含み、大腿部領域110と脛部領域114との間の回動領域は、ユーザ500の膝部512を支持する膝部領域112である。
【0029】
次に、いくつかの例示的な実施形態に係る、様々な位置にある調整可能なマットレスフレームの側面図を概略的に示す
図2A~
図2Eを参照する。一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、ユーザ500の異なる横臥位置を決定する様々な異なる位置に調整するように構成される。いくつかの例示的な位置を
図2A~
図2Eに示す。
図2Aは、調整可能なマットレスフレーム100の全ての領域が水平である場合における、完全な水平位置にある調整可能なマットレスフレーム100を示す。
図2Bは、頭部領域102が上昇された場合における、上昇後の頭部位置にある調整可能なマットレスフレーム100を示す。
図2Cは、頭部領域102及び背部領域104が上昇された場合における、上昇後の背部・頭部位置を示す。
図2Dは、脚部領域108が上昇された場合における、上昇後の脚部位置を示す。なお、脚部領域108の上昇は、膝部領域112の上昇によって達成される。その結果、大腿部領域110及び脛部領域114も上昇される。調整可能なマットレスフレーム100はまた、
図2Eに示す組み合わせのような、前述の位置の任意の組み合わせに調整するように構成される。
図2Eは、上昇後の頭部・背部位置及び上昇後の脚部位置を示す。
【0030】
次に、
図2Aを再び参照する。一実施形態では、調整可能なマットレスフレームは、頭部領域102の縁部と脛部領域114の縁部との間の距離である長さ100-Lを有する。したがって、調整可能なマットレスフレーム100は、ユーザ500が調整可能なマットレスフレーム100の長さ100-Lに沿って正常に横たわることを可能にするように構成される。
【0031】
次に、例示的な実施形態に係る、調整可能なマットレスフレームの構成要素の側面図を概略的に示す
図3を参照する。一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、調整可能なマットレスフレーム100の領域を回動可能に接続するように構成された複数のヒンジ20を含む。したがって、ヒンジ20は、頭部領域102と背部領域104とを回動可能に接続し、背部領域104と下背部領域106とを回動可能に接続し、下背部領域106と大腿部領域110とを回動可能に接続し、膝部領域112におけるヒンジ20は、大腿部領域110と脛部領域114とを回動可能に接続する。
【0032】
図3から分かるように、一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、背部領域104及び頭部領域102に取り付けられた少なくとも1本の背部・頭部ケーブル32と、背部・頭部ケーブル32の長さを変更することにより、頭部領域102の位置を調整するか又は背部領域104及び頭部領域102の位置を調整するように構成された背部・頭部調整部42と、を含む。言い換えれば、背部・頭部ケーブル32の長さを変更すると、頭部領域102と背部領域104との間の角度、及び背部領域104と下背部領域との間の角度を変更することにより、頭部領域102及び背部領域104の位置を調整することができる。
【0033】
更に
図3から分かるように、少なくとも1本の背部・頭部ケーブル32は、頭部領域102に固定的に取り付けられる。背部・頭部ケーブル32は、例えば、溶接(金属ケーブル)、接着などにより頭部領域102に固定的に取り付けられる。別の例では、背部・頭部ケーブル32は、頭部領域102に取り付けられた頭部アンカー52に固定的に取り付けられる。また、背部・頭部ケーブル32は、背部領域104に対する背部・頭部ケーブル32の移動を可能にする方式で、背部領域104に移動可能に取り付けられる。例えば、
図3に示すように、背部・頭部ケーブル32は、背部領域104に取り付けられた少なくとも1つの滑車60に取り付けられる。一実施形態では、背部・頭部ケーブル32は、背部領域104に取り付けられた2つの滑車60に取り付けられる。別の実施形態では、一方の滑車60は、頭部領域102に回動可能に接続された背部領域104の縁部に隣接して取り付けられ、他方の滑車60は、下背部領域106に回動可能に接続された背部領域104の縁部に隣接して取り付けられる。以下、背部領域104及び頭部領域102の調整を可能にする、背部領域104及び頭部領域102に対する背部・頭部ケーブル32の向きについて説明する。
【0034】
更に
図3から分かるように、背部・頭部調整部42は、背部・頭部ケーブル32の長さの変更を可能にする方式で、背部・頭部ケーブル32に取り付けられる。したがって、背部・頭部ケーブル32の一方の縁部は、頭部領域102に固定的に取り付けられ、他方の縁部は、背部・頭部ケーブル32の長さの変更を可能にする方式で、背部・頭部調整部42に取り付けられ、背部・頭部ケーブル32自体は、背部領域104に移動可能に取り付けられる。
【0035】
一実施形態では、背部・頭部調整部42は、背部・頭部ケーブル32の長さを変更するように構成される。例示的な実施形態では、背部・頭部調整部42は、ロータであり、背部・頭部ケーブル32は、背部・頭部ロータ422(back and head rotor)の周りに巻き込むように構成される。したがって、関連性のあるとき、背部・頭部調整部42を「背部・頭部ロータ422」と表記することがある。一実施形態では、背部・頭部ロータ422は、一方向、例えば時計回りに回転し、逆方向、例えば反時計回りに回転するように構成される。したがって、背部・頭部ロータ422が一方向に回転すると、背部・頭部ケーブル32は、背部・頭部ロータ422の周りに巻き込むことにより、背部・頭部ロータ422と頭部領域102に取り付けられた背部・頭部ケーブル32の縁部との間の背部・頭部ケーブル32の長さを短くすることができる。一方、背部・頭部ロータ422が逆方向に回転すると、背部・頭部ロータ422の周りに巻き込まれた背部・頭部ケーブル32の一部を解放することにより、背部・頭部ロータ422と頭部領域102に取り付けられた背部・頭部ケーブル32の縁部との間の背部・頭部ケーブル32の長さを長くすることができる。
【0036】
一実施形態では、背部・頭部ケーブル32の長さを変更することにより、頭部領域102と、頭部領域102及び背部領域104とのいずれか一方の位置を調整する。背部・頭部ケーブル32の長さが短くなると、頭部領域102と、頭部領域102及び背部領域104とのいずれか一方が上昇するが、背部・頭部ケーブル32の長さが長くなると、頭部領域102と、頭部領域102及び背部領域104とのいずれか一方が下降する。本実施形態は、背部・頭部ケーブル32の縁部を頭部領域102に固定し、背部・頭部ケーブル32を背部領域104に移動可能に取り付けるとともに、頭部領域102と、背部領域104と、背部・頭部調整部42が配置された下背部領域106とを回動可能に接続することによって達成される。
【0037】
更に
図3から分かるように、一実施形態では、背部・頭部ケーブル32は、頭部領域102の上側に取り付けられた頭部アンカー52に固定的に取り付けられる。別の実施形態では、背部・頭部ケーブル32は、背部領域104の上側に移動可能に取り付けられる。例えば、背部・頭部ケーブル32は、背部領域104の上側に取り付けられた少なくとも1つの滑車60に取り付けられる。
【0038】
更に
図3から分かるように、一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、脚部領域108に取り付けられた少なくとも1本の脚部ケーブル34と、脚部ケーブル34の長さを変更することにより、脚部領域108の位置を調整するように構成された脚部調整部44と、を含む。言い換えれば、脚部ケーブル34の長さを変更することにより、脚部領域108の位置を調整することができる。なお、
図3は、少なくとも1本の背部・頭部ケーブル32及び少なくとも1本の脚部ケーブル34と、少なくとも1つの背部・頭部調整部42及び少なくとも1つの脚部調整部44とを含む調整可能なマットレスフレーム100を示している。この図は、単なる例示的なものと見なされ、本主題の範囲を限定するものではない。これによると、調整可能なマットレスフレームは、背部領域104及び頭部領域102に関連する前述の構成要素と、脚部領域108に関連する構成要素とのいずれか一方又は両方を含む。
【0039】
更に
図3から分かるように、少なくとも1本の脚部ケーブル34は、例えば、溶接(金属ケーブル)、接着などにより、脛部領域114に固定的に取り付けられる。別の例では、脚部ケーブル34は、脛部領域114に取り付けられた脛部アンカー54に固定的に取り付けられる。また、脚部ケーブル34は、大腿部領域110に対する脚部ケーブル34の移動を可能にする方式で、大腿部領域110に移動可能に取り付けられる。例えば、
図3に示すように、脚部ケーブル34は、大腿部領域110に取り付けられた少なくとも1つの滑車60に取り付けられる。一実施形態では、脚部ケーブル34は、大腿部領域110に取り付けられた2つの滑車60に取り付けられる。別の実施形態では、一方の滑車60は、膝部領域112に隣接して取り付けられ、他方の滑車60は、下背部領域106に回動可能に接続された大腿部領域110の縁部に隣接して取り付けられる。以下、脚部領域108の調整を可能にする、脚部領域108に対する脚部ケーブル34の向きについて説明する。
【0040】
更に
図3から分かるように、脚部調整部44は、脚部ケーブル34の長さの変更を可能にする方式で、脚部ケーブル34に取り付けられる。したがって、脚部ケーブル34の一方の縁部は、脛部領域114に固定的に取り付けられ、他方の縁部は、脚部ケーブル34の長さの変更を可能にするする方式で、脚部調整部44に取り付けられ、脚部ケーブル34自体は、大腿部領域110に移動可能に取り付けられる。
【0041】
一実施形態では、脚部調整部44は、脚部ケーブル34の長さを変更するように構成される。例示的な実施形態では、脚部調整部44は、ロータであり、脚部ケーブル34は、脚部ロータ442の周りに巻き込むように構成される。したがって、関連性のあるとき、脚部調整部44を「脚部ロータ442」と表記することがある。一実施形態では、脚部ロータ442は、一方向、例えば時計回りに回転し、逆方向、例えば反時計回りに回転するように構成される。脚部ロータ442が一方向に回転すると、脚部ケーブル34は、脚部ロータ442の周りに巻き込むことにより、脚部ロータ442と脛部領域114に取り付けられた脚部ケーブル34の縁部との間の脚部ケーブル34の長さを短くすることができる。一方、脚部ロータ442が逆方向に回転すると、脚部ロータ442の周りに巻き込まれた脚部ケーブル34の一部を解放することにより、脚部ロータ442と脛部領域114に取り付けられた脚部ケーブル34の縁部との間の脚部ケーブル34の長さを長くすることができる。
【0042】
一実施形態では、脚部ケーブル34の長さを変更することにより、脚部領域108の位置を調整する。脚部ケーブル34の長さが短くなると、脚部領域108が上昇するが、脚部ケーブル34の長さが長くなると、脚部領域108が下降する。本実施形態は、脚部ケーブル34の縁部を脛部領域114に固定し、脚部ケーブル34を大腿部領域110に移動可能に取り付けるとともに、脛部領域114と、大腿部領域110と、脚部調整部44が配置された下背部領域106とを回動可能に接続することによって達成される。
【0043】
更に
図3から分かるように、一実施形態では、脚部ケーブル34は、脛部領域114の下側に取り付けられた脛部アンカー54に固定的に取り付けられる。別の実施形態では、脚部ケーブル34は、大腿部領域110の上側に移動可能に取り付けられる。例えば、脚部ケーブル34は、大腿部領域110の上側に取り付けられた少なくとも1つの滑車60に取り付けられる。しかしながら、膝部領域112において、脚部ケーブル34は、脚部領域108に対してその向きが変更し、大腿部領域110の上側への取り付けから、脛部領域114の下側への取り付けに変更し、すなわち、上述したように、脚部ケーブル34は、脛部領域114の下側に固定的に取り付けられる。本実施形態によれば、脚部ケーブル34の長さを短くした場合に、脛部領域114を略水平に維持したか、又は更に下向きに屈曲させたまま、大腿部領域110を上昇させる方式で、膝部領域112での脚部領域108の屈曲を可能にする。
【0044】
一実施形態では、
図3に示すように、下背部領域106には、背部・頭部調整部42、又は脚部調整部44、又は背部・頭部調整部42及び脚部調整部44が配置される。したがって、調整可能なマットレスフレーム100の調整中に、下背部領域106を調整できず、すなわち、下背部領域106が固定されて、昇降することができない。また、別の実施形態では、下背部領域106は、表面800に配置されるように構成された調整可能なマットレスフレーム100の基礎部として機能する。言い換えれば、下背部領域106は、床、ベッドなどの表面800に永久的に接触するように構成される。
【0045】
次に、複数のリンクを更に含む調整可能なマットレスフレームと、調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザとの上面図を概略的に示す
図4を参照する。調整可能なマットレスフレーム100は、上述したような長さ100-Lと、幅100-Wとを有する。
図4は、回動可能に接続された複数の長尺状のリンクを含む調整可能なマットレスフレーム100を示す。
【0046】
一実施形態では、頭部リンク702の長さが頭部領域102の幅100-Wを決定する場合に、頭部領域102は、回動可能に接続された複数の長尺状の頭部リンク702を含み、背部リンク704の長さが背部領域104の幅100-Wを決定する場合に、背部領域104は、回動可能に接続された複数の長尺状の背部リンク704を含む。
【0047】
次に、複数のリンクを更に含む調整可能なマットレスフレームと、調整可能なマットレスフレームに横たわる人間のユーザとの側面図を概略的に示す
図5を参照する。
図5は、例えば隣接するリンクを接続する可撓性要素を用いることにより、回動可能に接続された頭部リンク702と回動可能に接続された背部リンク704とを示す。好ましい例示的な実施形態では、隣接するリンクは、リンクヒンジ80によって回動可能に相互接続される。
【0048】
また、上述したように、頭部領域102は、背部領域104に回動可能に接続される。これは、
図5に示す、隣接する背部リンク704に回動可能に接続された頭部リンク702の実施形態によって達成される。また、上述したように、背部領域104は、下背部領域106に回動可能に接続される。これは、下背部領域106に回動可能に接続された背部リンク704の実施形態よって達成される。
【0049】
次に、
図4を再び参照し、頭部リンク702と背部リンク704とは、上述した実施形態に係る少なくとも1つの背部・頭部ケーブル32によって相互接続される。背部・頭部ケーブル32の長さは、前述の背部・頭部調整部42によって変更することができる。
【0050】
次に、
図4を参照する。一実施形態では、大腿部リンク710の長さが大腿部領域110の幅100-Lを決定する(determine)場合に、大腿部領域110は、回動可能に接続された複数の長尺状の大腿部リンク710を含み、脛部リンク714の長さが脛部領域114の幅100-Lを決定する場合に、脛部領域114は、回動可能に接続された複数の長尺状の脛部リンク714を含む。
【0051】
次に、例えば隣接するリンクを接続する可撓性要素を用いることにより、回動可能に接続された大腿部リンク710、回動可能に接続された膝部リンク712、及び回動可能に接続された脛部リンク714を示す
図5を再び参照する。好ましい例示的な実施形態では、隣接するリンクは、リンクヒンジ80によって回動可能に相互接続される。
【0052】
また、上述したように、脛部領域114は、膝部領域112に回動可能に接続される。これは、
図5に示す、隣接する膝部リンク712に回動可能に接続された脛部リンク714の実施形態によって達成される。同様に、膝部領域112は、大腿部領域110に回動可能に接続される。これは、隣接する大腿部リンク710に回動可能に接続された膝部リンク712の実施形態によって達成される。また、上述したように、大腿部領域110は、下背部領域106に回動可能に接続される。これは、下背部領域106に回動可能に接続された大腿部リンク710の実施形態よって達成される。
【0053】
次に、
図4を再び参照し、大腿部リンク710、膝部リンク712及び脛部リンク714は、上述した実施形態に係る少なくとも1つの脚部ケーブル34によって相互接続される。脚部ケーブル34の長さは、前述の脚部調整部44によって変更することができる。なお、以下、大腿部リンク710、膝部リンク712及び脛部リンク714を総称して「脚部リンク708」と表記することがある。
【0054】
したがって、一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、上述した実施形態に係る複数の頭部リンク702及び背部リンク704を含む。別の実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、上述した実施形態に係る複数の脚部リンク708、すなわち、大腿部リンク710、膝部リンク712及び脛部リンク714を含む。更に別の実施形態では、調整可能なマットレスフレームは、複数の頭部リンク702及び背部リンク704と、複数の脚部リンク708とを含む。
【0055】
上述したように、
図3を参照し、調整可能なマットレスフレーム100は、背部・頭部調整部42によって背部・頭部ケーブル32の長さを変更することにより、頭部領域102の位置を調整するか、又は背部領域104及び頭部領域102の位置を調整するように構成される。本実施形態は、複数の頭部リンク702及び複数の背部リンク704を含む調整可能なマットレスフレーム100にも適用される。しかしながら、
図3と
図5とを比較すると、そのうちの1つの図から、複数の頭部リンク702を含む頭部領域102と、複数の背部リンク704を含む背部領域104とが、頭部領域102及び背部領域104の可撓性及び曲率の観点から任意の中間位置に位置するように構成されることを容易に認識することができる。
図3に示すようにまっすぐな平面である代わりに、
図5に見られるように、複数のリンクを含む頭部領域102及び背部領域104は、より湾曲してもよい。同様に、
図5に示すように、複数の脚部リンク708を含む脚部領域108は、
図3に示す脚部領域108の実施形態と比較して、より湾曲してもよい。したがって、複数のリンクを含む調整可能なマットレスフレーム100は、
図3に示すようなまっすぐな領域を含む調整可能なマットレスフレーム100と比較して、又は、例えばユーザの背部と頭部とが、ユーザの背部と頭部との両方に対するまっすぐで剛性のある支持体(straight and stiff support)によって支持された従来技術における調整可能なベッドと比較して、調整可能なマットレスフレーム100に横たわるユーザ500に対してより人間工学的な支持を提供することができる。
【0056】
従来技術における調整可能なベッドに対する本主題の調整可能なマットレスフレーム100の別の利点は、上述したように、調整可能なマットレスフレーム100では、1つの背部・頭部調整部42のみにより背部領域104及び頭部領域102の位置を調整することができることである。これに対し、従来技術における調整可能なベッドでは、ユーザの背部に対する支持体の位置を調整するモータが必要であり、ユーザの頭部に対する支持体の位置を調整できることが望ましい場合に、頭部に対する支持体の位置を調整する追加のモータが必要である。また、従来技術における調整可能なベッドでは、ユーザの脚部に対する支持体を調整するモータ及び煩雑な機構が必要であるのに対し、調整可能なマットレスフレーム100では、脚部領域108を調整するために、脚部調整部44と少なくとも1本の脚部ケーブル34のみが必要であり、ユーザ500に対してより多くの可撓性(much more flexibility)、人間工学的な支持を与える。また、従来技術における調整可能なベッドでは、ベッドの調整を可能にする重くて煩雑な機構が必要であるため、調整中に調整可能なベッドの一部を移動させる強くてかつ重いモータが必要である。一方、調整可能なマットレスフレーム100では、調整可能なマットレスフレーム100の位置を調整するために軽量なケーブルのみが必要とされる。従来技術における調整可能なベッドの機構及びモータと比較して安価であることは勿論のこと、背部・頭部調整部42及び/又は脚部調整部44を比較的弱く軽量にすることができる。
【0057】
次に、頭部・背部調整部への背部・頭部ケーブルによって相互接続されたいくつかの背部リンクの側面斜視図を概略的に示す
図6を参照する。一実施形態では、リンクは、部分的に中空であり、少なくとも1つの内部空間を含む。例えば、
図6に示す背部リンク704は、少なくとも1つの内部空間7042を含む。なお、
図6に示すように、調整可能なマットレスフレーム100の全てのタイプのリンクは、少なくとも1つの内部空間を含んでもよい。本実施形態の利点は、リンクを製造する材料の使用量を比較的少なくすることにより、調整可能なマットレスフレーム100の製造コストを低減することができることである。別の利点は、リンクの空間により、リンクの重量及び調整可能なマットレスフレーム100全体の重量が従来技術における調整可能なベッドと比較して相対的に小さいであることである。
【0058】
図6から明らかに分かる別の実施形態は、
図6に見られるように、隣接する背部リンク704に回動可能に接続された例えばヒンジ80によるリンク同士の回動可能な接続である。
【0059】
また、
図6には、リンクを相互接続する背部・頭部ケーブル32も示される。一実施形態では、リンクは、ケーブルに移動可能に取り付けられる。例えば、背部リンク704は、背部・頭部ケーブル32に移動可能に取り付けられる。同様に、調整可能なマットレスフレーム100の任意のリンクは、その対応するケーブルに移動可能に取り付けられてもよい。
図6に示す例示的な実施形態では、背部リンク704は、滑車60を介して背部・頭部ケーブル32に移動可能に取り付けられる。したがって、一実施形態では、リンクは、ケーブルに移動可能に取り付けるように構成された滑車60を更に含む。一実施形態では、滑車60は、背部リンク704及び頭部リンク702の上部に取り付けられる。別の実施形態では、滑車60の下部は、
図6から分かるように、ケーブルに接触するように構成される。その結果、本実施形態では、背部・頭部ケーブル32は、背部リンク704の各滑車60の下方に位置する。同様に、頭部リンク702の滑車60の下部も、背部・頭部ケーブル32に接触するように構成される。
【0060】
次に、背部・頭部ケーブルと脚部ケーブルを含む調整可能なマットレスフレーム100の側面図を概略的に示す
図7を参照する。一実施形態では、
図3に関して上述したように、背部・頭部ケーブル34は、頭部領域102及び背部領域104の上側に取り付けられる。
図7に示す別の実施形態では、背部・頭部ケーブル32は、頭部リンク702の上側及び背部リンク704の上側に取り付けられる。したがって、背部・頭部ケーブル32の長さを短くすると、背部領域104及び頭部領域102は、調整可能なマットレスフレーム100に横たわるユーザに対して略凹状となる。本実施形態は、それぞれ背部領域104及び頭部領域102を含む背部リンク704及び頭部リンク702によって達成される。
【0061】
次に、
図3を再び参照し、上述した別の実施形態では、脚部ケーブル34は、大腿部領域110の上側に取り付けられ、膝部領域112において脚部領域108の下側に向きを変え、脛部領域114の下側に取り付けられる。
【0062】
次に、
図7を再び参照し、かつ脚部リンクに移動可能に接続された脚部ケーブルの側面図を示す
図8を参照する。脚部ケーブル34は、大腿部リンク710の上側に取り付けられ、膝部領域112において脚部領域108の下側に向きを変え、脛部リンク714の下側に取り付けられる。したがって、脚部ケーブル34の長さを短くすると、大腿部領域110は、調整可能なマットレスフレーム100に横たわるユーザに対して略凹状となり、脛部領域114は、膝部領域112において脚部領域108を屈曲させながら、調整可能なマットレスフレーム100に横たわるユーザに対して略水平又は更にいくらか凸状となる。大腿部領域110の凹状化と脛部領域114の凸状化は、それぞれ大腿部リンク710及び脛部リンク714によって達成される。
【0063】
次に、リンクと滑車の斜視図を概略的に示す
図9を参照する。
図8から分かるように、リンク、例えば背部リンク704は、滑車60を収容するように構成された横溝7044を含む。滑車60は、背部リンク704の上側に取り付けるように構成される。明確性のために、滑車60は、横溝7044の外側に図示される。なお、上述したように、滑車60の下側は、背部・頭部ケーブル32に接触する。また、
図8は、横溝7044に収容された状態での滑車60を保持するために、滑車60の中央の孔604に挿入されるように構成されたピン602を示す。
【0064】
なお、背部・頭部ケーブル32が背部リンク704及び頭部リンク702の上側に取り付けられるので、滑車60は、背部リンク704及び頭部リンク702の上側に取り付けられ、下側が背部・頭部ケーブル32に接触する。同様に、脚部ケーブル34が大腿部リンク710の上側に取り付けられるので、滑車60は、大腿部リンク710の上側に取り付けられ、下側が脚部ケーブル34に接触する。しかしながら、脚部ケーブル34が脛部リンク714の下側に取り付けられるので、滑車60は、脛部リンク714の下側に取り付けられ、上側が脚部ケーブル34に接触する。
【0065】
次に、背部・頭部ロータ422の形式で背部・頭部調整部42を更に示す
図6を再び参照する。背部・頭部ケーブル32は、背部・頭部ロータ422の周りに巻き込まれる。同様に、脚部調整部44が脚部ロータ442の形式である場合、脚部ケーブル34は、脚部ロータ442の周りに巻き込まれる。調整可能なマットレスフレーム100を調整するために、ケーブルの長さを大きく変更する必要がない。例えば、頭部領域102及び背部領域104を最大限凹ませるために、背部・頭部ケーブル32の長さを実質的に8~10cm短くする必要がある。同様に、脚部領域108の最大屈曲を達成するために、脚部ケーブル34の長さを実質的に8~10cm短くすることができる。本実施形態は、従来技術における調整可能なベッドより有利である。なぜなら、本実施形態では調整可能なマットレスフレームの一部の所望の調整を達成するために、ロータを相対的に小型にし、かつ、弱くすることができるのに対し、従来技術における調整可能なベッドでは調整中に調整可能なベッドの重い部品を移動(move)させるために重くて強いモータを含むためである。
【0066】
次に、
図8を再び参照する。
図8に示すリンクは、略菱形の輪郭を有する。しかしながら、これは、リンクの輪郭の例示的な実施形態に過ぎず、隣接する2つのリンク間の角度の変更を可能にするリンクの輪郭の任意の形状は、本主題の範囲に含まれる。例えば、三角形の輪郭がある。
【0067】
次に、三角形の輪郭を有する脚部リンクに移動可能に取り付けられた脚部ケーブルの側面図を概略的に示す
図10を参照する。
図10に示すように、リンクは、三角形の輪郭を有してもよい。同様に、背部リンク704及び頭部リンク702も三角形の輪郭を有してもよい。しかしながら、
図10に示す脚部リンク708を参照すると、脚部ケーブル34の長さを短くして膝部領域712での脚部領域108の屈曲を達成するために、大腿部リンク710の向きと脛部リンク714の輪郭とを逆向きにする必要がある。言い換えれば、大腿部リンク710は、三角形の輪郭の底辺が下方に向き、三角形の輪郭の頂点が上方に向く。しかしながら、脛部リンク714の向きは、逆である。脛部リンク714は、三角形の輪郭の底辺が上方に向き、三角形の輪郭の頂点が下方に向く。
【0068】
先の図に示す一実施形態では、リンクの輪郭のサイズは、一定であり、すなわち、調整可能なマットレスフレーム100の全てのリンクの輪郭のサイズは、同じである。しかしながら、本実施形態は、例示的であり、本主題の範囲を限定するものではない。他のいくつかの実施形態では、リンクの輪郭のサイズは異なってもよい。
【0069】
次に、調整可能なマットレスフレームのリンクの相対的な輪郭のサイズの例示的な実施形態の側面図を概略的に示す
図11を参照する。一実施形態では、リンクの輪郭のサイズは、異なる。別の実施形態では、下背部領域106に最も近いリンクは、下背部領域106からより遠いリンクより輪郭が大きい。更に別の実施形態では、リンクと下背部領域106との間の距離が大きくなるほど、リンクの輪郭のサイズは、小さくなる。一実施形態では、下背部領域106は、調整可能なマットレスフレーム100が立設された表面に当接するように構成される。したがって、調整可能なマットレスフレーム100の重量と調整可能なマットレスフレーム100に横たわるユーザの重量との大部分は、下背部領域106によって支えられる。しかしながら、下背部領域と調整可能なマットレスフレーム100の一部との間の距離が大きくなると、その一部によってより低い重量が支えられる。したがって、下背部領域106に最も隣接するリンクの強度は、下背部領域106からより遠いリンクの強度より大きくする必要があり、下背部領域106からのリンクの距離が大きくなるほど、リンクの強度を小さくすることができる。リンクの強度は、リンクの輪郭のサイズにおいて反映することができ、すなわち、輪郭が大きいと、リンクの強度が高くなり、輪郭が小さいと、リンクの強度が低くなる。これは、リンクの輪郭のサイズに関する前述の実施形態を説明した。サイズの異なる輪郭を有するリンクのこれらの実施形態は、調整可能なマットレスフレーム100の製造に必要な材料が少ないため、調整可能なマットレスフレーム100の重量及びコストを低減できる点で、従来技術における調整可能なベッドより有利である。勿論、これらの実施形態は、本主題の調整可能なマットレスフレーム100に適用可能であり、従来技術における調整可能なベッドに適用可能でない。
【0070】
次に、少なくとも1つのスペーサを更に含む調整可能なマットレスフレームの一部の側面斜視図を概略的に示す
図12A~
図12Bを参照する。一実施形態では、調整可能なマットレスフレームは、隣接する2つのリンクの間に取り付けられ、調整可能なマットレスフレーム100の調整中に隣接する2つのリンクの間で調整できる最小角度を決定するように構成された少なくとも1つのスペーサ90を更に含む。
図12Aは、調整可能なマットレスフレームから分離された2つのスペーサ90を示し、
図12Bは、それぞれが隣接する2つのリンク、例えば、隣接する2つの大腿部リンク710の間に取り付けられた2つのスペーサ90を示す。一実施形態では、スペーサ90の形状は、隣接する2つのリンクの間の空間の形状に対応する。したがって、
図12A~
図12Bに示す実施形態では、隣接する2つのリンクの間の空間の形状が略三角形であるため、スペーサ90の形状は、略三角形である。別の実施形態では、スペーサ90は、隣接する2つのリンクの間に取り外し可能に取り付けられるように構成される。本実施形態では、異なるサイズのスペーサ90の取り付けを可能にするので、調整可能なマットレスフレーム100の様々な程度の最大曲率を可能にする。スペーサが小さいほど、スペーサ90が取り付けられる隣接する2つのリンク間の調整可能な最大角度が小さくなり、隣接する2つのリンク間の最大角度が小さいほど、調整可能なマットレスフレームの曲率が大きくなる。
【0071】
一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、調整可能なマットレスフレーム100の領域に移動可能に取り付けられた少なくとも1つの角度変更部30を含む。角度変更部30は、その長さを変更することにより、隣接する2つの領域間の角度を変更するように構成される。別の実施形態では、角度変更部30は、複数のリンク、例えばケーブルに移動可能に取り付けられる。前述の背部・頭部ケーブル32及び脚部ケーブル34は、上述したように調整可能なマットレスフレーム100の領域に移動可能に取り付けられたか、又は複数のリンクに移動可能に取り付けられた例示的な角度変更部30である。複数のリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部30の長さを変更することにより、角度変更部30に移動可能に取り付けられた任意の隣接する2つのリンク間の角度が変更される。本実施形態の利点は、複数の隣接する2つのリンク間の角度を同時に変更することを可能にすることである。
【0072】
更なる実施形態では、角度変更部30は、隣接する2つのリンクに取り付けられる。したがって、隣接する2つのリンクの少なくとも一部、好ましくはその全ては、角度変更部30に移動可能に取り付けられる。本実施形態の利点は、調整可能なマットレスフレーム100において、隣接する2つのリンク間の角度を、他の任意の隣接する2つのリンクとは独立して変更することを可能にすることである。本実施形態の別の利点は、前述の背部・頭部調整部42及び/又は脚部調整部44の必要性を無効にすることである。隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた各角度変更部30は、それ自体又は隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部30に接続された調整部によって長さを変更するように構成される。本実施形態の更なる利点は、調整可能なマットレスフレーム100の調整の無限の変形例を可能にすることである。全ての隣接する2つのリンクが他の隣接する2つのリンクから独立しているため、隣接する2つのリンクごとにそれらの間に異なる角度を想定でき、これにより、調整可能なマットレスフレーム100の形状の無限の変形例を取得することができる。更に、リンク間の角度の座標変更は、調整可能なマットレスフレーム100の移動効果を有することができる。したがって、調整可能なマットレスフレーム100は、調整可能なマットレスフレーム100のユーザに対してマッサージ効果を付与することもできる。
図13A~
図13Dは、隣接する2つのリンクに移動可能に取り付けられた角度変更部30の例示的な実施形態を示す。
【0073】
次に、短いケーブルの形式での角度変更部の側面図を概略的に示す
図13Aを参照する。
図13Aから分かるように、隣接する2つのリンク、例えば、隣接する2つの大腿部リンク710が示される。なお、本実施形態は、本主題の任意のタイプのリンクに関するものであり、本実施形態を説明するために、隣接する2つの大腿部リンク710について説明する。隣接する2つの大腿部リンク710は、「第1大腿部リンク710-1」及び「第2大腿部リンク710-2」と表記される。
【0074】
図13Aは、リンクケーブル35の形式での角度変更部30と、リンクロータ45とを示す。リンクロータ45は、第1大腿部リンク710-1に取り付けられる。また、リンクケーブル35の第1端部35-1は、リンクロータ45の周りに巻き込まれ、リンクケーブル35の第2端部35-2は、第2大腿部リンク710-2に取り付けられる。リンクロータ45が一方向、例えば時計回りに回転すると、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2とを接続するリンクケーブル35の一部が短くなり、リンクロータ45が逆方向、例えば反時計回りに回転すると、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2とを接続するリンクケーブル35の一部の長さが長くなることを可能にする。リンクケーブル35が短くなると、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2との間の角度Aが小さくなるが、リンクケーブル35の長さが長くなると、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2との間の角度Aが大きくなる。
【0075】
次に、ピストンの形式での角度変更部の2つの実施形態の側面図を概略的に示す
図13B~
図13Cを参照する。
図13Bは、両面ピストン36の形式での角度変更部を示し、
図13Cは、片面ピストン37の形式での角度変更部30を示す。ピストンは、隣接する2つのリンク、例えば第1大腿部リンク710-1及び第2大腿部リンク710-2に移動可能に取り付けられる。ピストンの長さを短くすると、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2との間の角度Aが小さくなるが、ピストンの長さを長くすると、第1大腿部ケーブル710-1と第2大腿部リンク710-2との間の角度Aが大きくなる。
【0076】
ニチノールばね(nitinol spring)の形式での角度変更部の側面図を概略的に示す
図13Dを参照する。
図13Dに示すように、ニチノールばね38は、隣接する2つのリンク、例えば、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2とに移動可能に取り付けられる。ニチノールばね38の長さは、ニチノールばね38を加熱すること、例えば、ニチノールばね38に電流を流すことによって短くすることができ、ニチノールばね38の長さは、ニチノールばね38を冷却するか又はニチノールばね38を受動的に冷却させること、例えば、ニチノールばね38を通る電流の伝達を停止することによって短くすることができる。ニチノールばね38の長さを短くすると、第1大腿部リンク710-1と第2大腿部リンク710-2との間の角度Aが小さくなるが、ニチノールばね38の長さを長くすると、第1大腿部ケーブル710-1と第2大腿部リンク710-2との間の角度Aが大きくなる。
【0077】
次に、カバーで覆われたリンクの側面図を概略的に示す
図14を参照する。一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100をそのまま使用することができ、すなわち、ユーザが調整可能なマットレスフレーム100に直接的に横たわることができる。好ましい実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、調整可能なマットレスフレーム100に横たわるユーザに対してより高い快適性を提供するために、調整可能なマットレスフレーム100を覆うように構成された、カバー12を含む。一実施形態では、カバー12は、弾性を有し、ゴム、シリコン、弾性プラスチックなどの弾性材料により製造することができる。調整可能なマットレスフレーム100は、形状が変更し、いくつかの実施形態では、例えばマッサージ中に形状が連続的に変更するため、弾性カバー12は、調整可能なマットレスフレームの形状に応じてその形状を変更するように構成される。別の実施形態では、カバー12は、堅牢である。言い換えれば、カバー12は、カバー12に横たわるユーザの重量による圧力に耐え、調整可能なマットレスフレーム100の鋭い部分、例えばリンクの鋭い縁部などによって起こり得る損傷に耐えるように構成される。更に別の実施形態では、カバー12は、調整可能なマットレスフレーム100のリンクに移動可能に取り付けられる。
図14から分かるように、カバー12に取り付けられたカバーコネクタ122は、リンクに回動可能に取り付けられる。したがって、一実施形態では、カバー12は、複数のカバーコネクタ122を更に含み、各カバーコネクタ122は、リンクに回動可能に取り付けられる。カバーコネクタ122をリンクに回動可能に取り付けることにより、カバー12の形状を調整可能なマットレスフレーム100の形状に容易に調整することができる。また、カバー12がリンクに接続されることにより、カバー12の位置が保持され、カバー12の調整可能なマットレスフレーム100での滑りを防止する。
【0078】
次に、調整可能なマットレスフレームを含む調整可能なマットレスの側面透視図を概略的に示す
図15を参照する。別の好ましい実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、調整可能なマットレス3の内部フレームとして機能するように構成される。したがって、本主題は、本明細書に記載の実施形態に係る、内部マットレスフレーム1を含む調整可能なマットレス3を提供する。一実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100には、マットレスの技術で使用されるパッド材料307が埋め込まれる。別の実施形態では、調整可能なマットレスフレーム100は、上記実施形態に係る、
図14に示すカバー12で覆われ、更にパッド材料307が埋め込まれる。更なる実施形態では、パッド材料307は、調整可能なマットレスフレームの形状に応じてその形状を変更するように構成される。
【0079】
一実施形態では、調整可能なマットレスは、
図15に示すようなベッド600、床などの表面に配置されるように構成される。また、
図15に示すように、調整可能なマットレス3は、ベッド600などの表面に配置されるように構成された基台309を更に含んでもよく、調整可能なマットレス3は、基台309に配置される。
【0080】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本主題の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせられて提供されてもよいことを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本主題の様々な特徴は、別々に、又は任意の適切なサブ組み合わせで提供されてもよい。
【0081】
本主題をその特定の実施形態に関連して説明したが、当業者には多くの代替、修正及び変形が明らかであることは、明白である。したがって、添付の特許請求の趣旨及び広範な範囲に含まれる全てのそのような代替、修正及び変形を包含することを意図する。