(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】フレキソ印刷版の熱現像のためのシステム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/34 20060101AFI20240430BHJP
G03F 7/00 20060101ALI20240430BHJP
B41C 1/055 20060101ALI20240430BHJP
B41N 1/00 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G03F7/34
G03F7/00 502
B41C1/055
B41N1/00
(21)【出願番号】P 2022580410
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 US2021070906
(87)【国際公開番号】W WO2022026980
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-12-26
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506314391
【氏名又は名称】マクダーミッド グラフィックス ソリューションズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】マークハート、ゲイリー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェスト、ライアン、ダブリュー.
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-134892(JP,A)
【文献】特表2003-508824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/34
G03F 7/00
B41C 1/055
B41N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱現像アセンブリ内で生成される蒸気及び/又は液体副生成物を処理するためのシステムであって、前記熱現像アセンブリが、1つ以上の放射線硬化性層を備える感光性印刷要素を受け入れ、前記1つ以上の放射線硬化性層が、前記熱現像アセンブリ内での前記感光性印刷要素の加工処理の前に、化学線への像様曝露に供されて、前記1つ以上の放射線硬化性層の一部分を架橋及び硬化させ、前記1つ以上の放射線硬化性層の未硬化部分が、前記熱現像アセンブリ内で除去可能であり、前記1つ以上の放射線硬化性層の前記未硬化部分を軟化又は液化させるために、前記1つ以上の放射線硬化性層を吸収性材料のウェブと高温で接触させることによって、前記感光性印刷要素内のレリーフ構造を露出させ、前記軟化又は液化した未硬化部分が、前記吸収性材料のウェブ内に吸収可能であり、前記感光性印刷要素が加熱され、前記1つ以上の放射線硬化性層の一部分が軟化又は液化するとき、蒸気及び/又は液体副生成物が、前記熱現像アセンブリ内で生成され、前記システムが、
連続ループを備えるコンベヤであって、前記感光性印刷要素が、前記コンベヤの前記連続ループ上に位置付け可能であり、前記コンベヤが、第1の方向に回転する、コンベヤと、
所定の距離の間隙が間に画定されるように、前記コンベヤに対して位置付け可能な、少なくとも1つの装着された回転可能な加熱可能なローラであって、前記少なくとも1つの加熱可能なローラが、前記第1の方向とは反対である第2の方向に回転する、少なくとも1つの装着された回転可能な加熱可能なローラと、
前記少なくとも1つの加熱可能なローラの少なくとも一部分を覆う吸収性材料であって、前記吸収性材料は、前記感光性印刷要素が前記少なくとも1つの加熱可能なローラの一部分上の前記吸収性材料と接触するときに、前記感光性印刷要素から液化又は軟化した未硬化感光性材料を吸収することができ、前記感光性印刷要素が、前記間隙内で少なくとも部分的に前記吸収性材料と接触する、吸収性材料と、
前記熱現像アセンブリ内で生成された蒸気及び/又は液体副生成物を回収
するための回収領域と、
蒸気及び/又は液体副生成物を前記回収領域から前記吸収性材料のウェブの表面へ送達するように構成されたポンプであって、前記蒸気及び/又は液体副生成物が、感光性印刷要素が吸収性材料のウェブと接触させられた位置に続く位置で前記吸収性材料のウェブの表面に送達される、ポンプと、
後続の除去のために、前記
送達された蒸気及び/又は液体副生成物を架橋及び硬化するように位置付け可能な、少なくとも1つのUV光源と、を備える、システム。
【請求項2】
前記蒸気及び/又は液体副生成物が、前記液化又は軟化した未硬化感光性材料の加熱に関連する蒸気、前記蒸気の凝縮に関連する凝縮物、前記液化又は軟化した未硬化感光性材料、及びこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記回収領域が、前記
未硬化感光性材料を加熱することによって生成された前記蒸気の少なくとも一部分を凝縮物に凝縮するように構成された凝縮システムを
備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記蒸気及び/又は液体副生成物が、前記液化又は軟化した未硬化感光性材料を除去するために以前に使用された前記吸収性材料に送達され、そのため、前記吸収性材料のウェブが、前記蒸気及び/又は液体副生成物を吸収し、少なくとも前記蒸気及び/又は液体副生成物を含有する前記吸収性材料のウェブが、前記少なくとも1つのUV光源に曝露される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記吸収性材料のウェブの表面に近接して位置付けられ、前記ポンプと流体連通するアプリケータを更に備え、前記アプリケータが、前記蒸気及び/又は液体副生成物を前記吸収性材料のウェブの前記表面上に一様に分配するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのUV光源が、UV LED光源、UV蛍光灯光源、及びそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのUV光源が、365nm~405nmの波長範囲で動作して、少なくとも前記蒸気及び/又は液体副生成物を架橋及び硬化させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのUV光源が、14.55mW/cm
2
までの強度範囲で動作して、少なくとも前記蒸気及び/又は液体副生成物を架橋及び硬化させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのUV光源が、前記吸収性材料のウェブに対して反対に位置付けられて配置された2つのUV光源を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
熱現像プロセス中に熱現像アセンブリ内で生成される蒸気及び/又は液体副生成物を処理するための方法であって、前記熱現像アセンブリが、1つ以上の放射線硬化性層を備える感光性印刷要素を受け入れ、前記1つ以上の放射線硬化性層が、前記熱現像アセンブリ内での前記感光性印刷要素の加工処理の前に、化学線への像様曝露に供されて、前記1つ以上の放射線硬化性層の一部分を架橋及び硬化させ、前記1つ以上の放射線硬化性層の未硬化部分が、前記熱現像アセンブリ内で除去され、前記1つ以上の放射線硬化性層の前記未硬化部分を軟化又は液化させるために、前記1つ以上の放射線硬化性層を吸収性材料のウェブと高温で接触させることによって、前記感光性印刷要素内のレリーフ構造を露出させ、前記軟化又は液化した未硬化部分が、前記吸収性材料のウェブ内に吸収可能であり、前記感光性印刷要素が加熱され、前記1つ以上の放射線硬化性層の一部分が軟化又は液化するとき、蒸気及び/又は液体副生成物が、前記熱現像アセンブリ内で生成され、前記方法が、
a.前記熱現像アセンブリ内で生成された蒸気及び/又は液体副生成物を回収領域において回収することと、
b.蒸気及び/又は液体副生成物を前記回収領域から前記吸収性材料のウェブの表面へポンプ圧送することであって、前記蒸気及び/又は液体副生成物が、感光性印刷要素が吸収性材料のウェブと接触させられた位置に続く位置で前記吸収性材料のウェブの表面に送達されることと、
c.前記蒸気及び/又は液体副生成物を少なくとも1つのUV光源に曝露して、後続の除去のために、前記送達された蒸気及び/又は液体副生成物を架橋及び硬化させることと、を含む、方法。
【請求項11】
前記蒸気及び/又は液体副生成物が、前記液化又は軟化した未硬化感光性材料の加熱に関連する蒸気、前記蒸気の凝縮に関連する凝縮物、前記液化又は軟化した未硬化感光性材料、及びこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのUV光源が、UV LED光源、UV蛍光灯光源、及びそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
熱現像アセンブリ内で生成される液体凝縮物を処理するためのシステムであって、前記熱現像アセンブリが、1つ以上の放射線硬化性層を備える感光性印刷要素を受け入れ、前記1つ以上の放射線硬化性層が、前記熱現像アセンブリ内での前記感光性印刷要素の加工処理の前に、化学線への像様曝露に供されて、前記1つ以上の放射線硬化性層の一部分を架橋及び硬化させ、前記1つ以上の放射線硬化性層の未硬化部分が、前記熱現像アセンブリ内で除去され、前記1つ以上の放射線硬化性層の前記未硬化部分を軟化又は液化させるために、前記1つ以上の放射線硬化性層を吸収性材料のウェブと高温で接触させることによって、前記感光性印刷要素内のレリーフ構造を露出させ、前記軟化又は液化した未硬化部分が、前記吸収性材料のウェブ内に吸収可能であり、前記感光性印刷要素が加熱され、前記1つ以上の放射線硬化性層の一部分が軟化又は液化するとき、前記液体凝縮物が、前記熱現像アセンブリ内で生成され、前記システムが、
連続ループを備えるコンベヤであって、前記感光性印刷要素が、前記コンベヤの前記連続ループ上に位置付け可能であり、前記コンベヤが、第1の方向に回転する、コンベヤと、
所定の距離の間隙が間に画定されるように、前記コンベヤに対して位置付け可能な、少なくとも1つの装着された回転可能な加熱可能なローラであって、前記少なくとも1つの加熱可能なローラが、前記第1の方向とは反対である第2の方向に回転する、少なくとも1つの装着された回転可能な加熱可能なローラと、
前記少なくとも1つの加熱可能なローラの少なくとも一部分を覆う吸収性材料であって、前記吸収性材料は、前記感光性印刷要素が前記少なくとも1つの加熱可能なローラの一部分上の前記吸収性材料と接触するときに、前記感光性印刷要素から液化又は軟化した未硬化感光性材料を吸収することができ、前記感光性印刷要素が、前記間隙内で少なくとも部分的に前記吸収性材料と接触する、吸収性材料と、
前記熱現像アセンブリ内で生成された液体凝縮物を回収するための回収領域と、
前記液体凝縮物を前記回収領域から前記吸収性材料のウェブの表面へ送達するように構成されたポンプ圧送デバイスであって、前記液体凝縮物が、感光性印刷要素が吸収性材料のウェブと接触させられた位置に続く位置で前記吸収性材料のウェブの表面へ送達される、ポンプ圧送デバイスと、
前記吸収性材料のウェブの表面に近接して位置付けられ、前記ポンプ圧送デバイスと流体連通するアプリケータであって、前記アプリケータは、前記液体凝縮物を前記吸収性材料のウェブの前記表面上に一様に分配するように構成されている、アプリケータと、
前記吸収性材料に対して装着された少なくとも1つのUV光源であって、少なくとも前記アプリケータにより分配された液体凝縮物を、後続の除去のために架橋及び硬化させるように位置付け可能である、少なくとも1つのUV光源と、を備える、システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのUV光源が、365nm~405nmの波長範囲で動作して、少なくとも前記液体凝縮物を架橋及び硬化させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのUV光源が、14.55mW/cm
2
までの強度範囲で動作して、少なくとも前記液体凝縮物を架橋及び硬化させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのUV光源が、UV LED光源、UV蛍光灯光源、及びそれらの組み合わせを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記回収領域が、前記未硬化感光性材料を加熱することによって生成された蒸気の少なくとも一部分を前記液体凝縮物に凝縮するように構成された凝縮システムを備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのUV光源が、前記吸収性材料のウェブに対して反対に位置付けられて配置され、前記液体凝縮物を架橋及び硬化させるように構成されている2つのUV光源を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記ポンプ圧送デバイスは、前記吸収性材料が前記少なくとも1つのUV光源に曝露される前に、前記液体凝縮物を前記吸収性材料のウェブに沿った位置に送達する、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、フレキソ印刷に好適なレリーフ構造を形成するためのシステム及び方法に関し、より全体的には、熱現像アセンブリ内の感光性印刷要素上にレリーフ画像を形成することに関連する蒸気及び/又は液体副生成物の反応性を低減(又は排除)するように構成されたシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷は、一般的に大量部数のために使用される印刷方法である。フレキソ印刷は、紙、板紙ストック、段ボール、フィルム、フォイル、及びラミネートなどの様々な基材に印刷するために採用される。新聞及び買い物袋は、顕著な例である。粗い表面及び延伸性のフィルムは、フレキソ印刷によってのみ経済的に印刷することができる。フレキソ印刷版は、開口領域より上に隆起した画像要素を有するレリーフ版である。かかる版は、版の耐久性及び版を容易に作製することができることに主に基づいて、プリンタにいくつかの利点を提供する。
【0003】
製造元によって供給される典型的なフレキソ印刷版は、順に、バッキング又は支持層、1つ以上の未曝露光硬化性層、保護層又はスリップフィルム、及びカバーシートから作製される多層物品である。
【0004】
フレキソ印刷要素は、光硬化性印刷ブランクに画像形成して印刷要素の表面上にレリーフ画像を生成することによって、光硬化性印刷ブランクから製造される。これは、概して、光硬化性材料を化学線に選択的に曝露することによって達成され、この曝露は、照射領域内の光硬化性材料を硬化又は架橋させるように作用する。光硬化性印刷ブランクは、好適なバッキング層上に未硬化の光硬化性材料の1つ以上の層を含む。光硬化性印刷ブランクは、連続的な(継ぎ目のない)スリーブの形態であり得るか、又はキャリア上に装着された平坦な平面版であり得る。
【0005】
使用されるフォトポリマーは、一般に、バインダ、モノマー、光開始剤、及び他の性能添加剤を含有する。フォトポリマー組成物として、米国特許出願公開第2004/0146806号に記載されているものが挙げられ、その教示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。バインダとして、ポリスチレン-イソプレン-スチレン、ポリスチレン-ブタジエン-スチレン、ポリウレタン及び/又はチオレンに基づくものなどの様々なフォトポリマーが有用である。好ましいバインダは、ポリスチレン-イソプレン-スチレン、及びポリスチレン-ブタジエン-スチレン、特にこれらのブロックコポリマーである。
【0006】
印刷要素は、3つの関連する方法の1つで化学線に選択的に曝露される。第1の代替肢では、透明領域及び実質的に不透明な領域を有する写真ネガを使用して、印刷版要素への化学線の透過を選択的に遮断する。第2の代替肢では、フォトポリマー層は、レーザアブレーションに感受性である、化学線(実質的に)不透明層でコーティングされる。次いで、レーザを使用して、化学線不透過層の選択された領域をアブレーションし、その場でネガを作成する。この技術は、当該技術分野において周知であり、例えば、Fanへの米国特許第5,262,275号及び同第6,238,837号、並びにYang et al.への米国特許第5,925,500号において記載され、これらの各々の主題は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。第3の代替肢では、化学線の集束ビームを使用して、フォトポリマーを選択的に曝露する。フォトポリマーを化学線に選択的に曝露し、それによってフォトポリマーの部分を選択的に硬化させる能力を基準として、これらの代替的方法のいずれも許容可能である。
【0007】
次に、印刷要素のフォトポリマー層を現像して、フォトポリマー層の硬化部分を乱すことなく、フォトポリマーの未硬化(すなわち、非架橋)部分を除去して、レリーフ画像を生成する。現像工程は、水洗、溶媒洗浄、及び熱現像(ブロッティング)を含む様々な方法で達成することができる。熱現像は、現像後に追加の乾燥工程を必要としないという利点を有し、したがって、版からプレスにより迅速に移行する能力を提供する。
【0008】
フォトポリマー印刷版が熱を使用して調製され、硬化したフォトポリマーと未硬化のフォトポリマーとの間の溶融温度差が潜像を現像するために使用されるプロセスが開発されている。このプロセスの基本的なパラメータは、米国特許第5,279,697号、同第5,175,072号及び同第3,264,103号、公開された米国特許公開第2003/0180655号及び同第2003/0211423号、並びに国際公開第01/88615号、同第01/18604号、及び欧州特許第1239329号に記載されているように既知であり、これらの各々の教示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらのプロセスは、現像溶媒及び溶媒を除去するために必要とされる長い版乾燥時間の排除を可能にする。これらのプロセスの速度及び効率は、迅速なターンアラウンドタイム及び高い生産性が重要である新聞及び他の刊行物を印刷するためのフレキソ印刷版の製造におけるそれらの使用を可能にする。
【0009】
印刷版が熱現像可能であるためには、フォトポリマーの組成は、硬化ポリマーと未硬化ポリマーとの間の溶融温度に実質的な差が存在するようなものでなければならない。加熱されたときにフォトポリマーに画像を作成することを可能にするのは、まさにこの差である。未硬化フォトポリマー(すなわち、化学線と接触していないフォトポリマーの部分)は、溶融及び/又は実質的に軟化するが、硬化したフォトポリマーは、選択された温度で固体及び無傷のままである。したがって、溶融温度の差によって、未硬化フォトポリマーを選択的に除去することが可能となり、それによって所望の画像を作成する。
【0010】
熱現像の間、印刷要素は、概して少なくとも約140℃の温度まで加熱される。正確な温度は、使用される特定のフォトポリマーの特性に依存する。しかしながら、現像温度を判定する際には、次の2つの主要な要因を考慮すべきである。1.現像温度は、好ましくは、下端の未硬化フォトポリマーの溶融温度と上端の硬化フォトポリマーの溶融温度との間に設定される。これにより、フォトポリマーの選択的除去が可能になり、それによって画像を作成する。2.現像温度が高いほど、プロセス時間は速くなる。しかしながら、現像温度は、硬化したフォトポリマーの溶融温度を超えるほど高くあるべきではなく、又は硬化したフォトポリマーを劣化させるほど高くあるべきではない。温度は、未硬化フォトポリマーを溶融又は実質的に軟化させ、それにより除去されるのを可能にするために十分な温度であるべきである。
【0011】
その後、未硬化フォトポリマーを軟化及び/又は溶融させて除去することができる。ほとんどの場合、加熱された印刷要素は、軟化及び/又は溶融した未硬化フォトポリマーを吸収又は別様に除去する吸収性材料と接触させられる。この除去プロセスは、一般に「ブロッティング」と称される。
【0012】
ブロッティングプロセスが完了すると、印刷版要素は、更なる化学線に後曝露され得、かつ/又は脱粘着化に供され得、冷却され、次いで使用する準備が整う。
【0013】
熱現像プロセス中、未硬化フォトポリマーが加熱されるにつれて、蒸気が筐体内に放出される。共にGotsick et al.への米国特許第7,044,055号及び同第7,152,529号は、各々の主題はその全体が参照により本明細書に組み込まれ、フレキソ印刷版の放射線硬化性層の未架橋部分の除去から生じる蒸気を処理するための閉ループ換気システムを含む、感光性印刷要素上にレリーフ画像を形成するためのシステム及び方法を記載しており、蒸気は、揮発性有機化合物及び他の汚染物質を含む。揮発性有機化合物は、換気システム内のフィルタリングシステムによって吸収され、浄化された空気がシステムの筐体内に再導入される。開示された換気システムの不利点は、フィルタリングシステムによって捕捉された揮発性有機化合物及び他の汚染物質が、筐体から除去されるが、液体のままであり、ひいては反応性であり、それによって、フィルタ除去/清掃中にユーザをフォトポリマー材料の刺激物にさらす可能性があることである。蒸気はまた、環境及びユーザに有害であり得る、フォトポリマー材料の汚染物質及び刺激物を含有し得る。
【0014】
上記に基づいて、フレキソ印刷版の放射線硬化性層の未架橋部分の除去から生じる少なくとも蒸気を処理するための、改善されたシステム及び方法が当該技術分野において必要とされている。具体的には、汚染物質及び未反応感光性材料の反応性を排除する改良されたシステム及び方法が望ましい。改善のためのこれら及び他の非効率性及び機会は、本開示で記載されるアセンブリ、システム、及び方法によって対処及び/又は克服される。
【発明の概要】
【0015】
本開示は、感光性印刷要素上にレリーフ画像を形成するための有利な熱ベースの現像システム及び方法を提供する。具体的には、本開示は、感光性印刷要素上にレリーフ画像を形成することに関連する汚染物質及び/又は未反応感光性材料の反応性を低減(又は排除)するように構成されている、熱ベースの現像システムに関する。更により具体的には、本開示は、感光性印刷要素上にレリーフ画像を形成することに関連する副生成物の反応性を低減(又は排除)するように構成された熱ベースの現像システムを対象とし、副生成物は、これらに限定されないが、蒸気(例えば、煙霧)内の汚染物質、凝縮物内の汚染物質、未反応感光性材料、及びこれらの組み合わせを含む。
【0016】
考察を容易にするために、開示される熱ベースの現像システムの副生成物は、特に明記しない限り、蒸気、凝縮物、未硬化感光性材料、汚染物質、又はそれらの組み合わせを含み得る。したがって、「副生成物」、「感光性印刷要素上にレリーフ画像を形成する副生成物」、「熱ベースの現像システムの副生成物」、「現像システムの副生成物」、「システムの副生成物」、「蒸気及び/又は液体副生成物」、又はこれらの任意の組み合わせ若しくはこれらの代替物への言及は、本開示を考慮して当業者によって理解されることを理解されたい。
【0017】
一実施形態では、本開示は、概して、レリーフ画像印刷要素を作製する熱現像プロセスにおいて生成される蒸気及び/又は液体副生成物を処理するためのシステムに関し、感光性印刷要素は、可撓性基材と、可撓性基材上に堆積された感光性材料の少なくとも1つの層と、を含み、システムは、筐体と、連続ループを含むコンベヤであって、感光性印刷要素がコンベヤの連続ループ上に位置付け可能であるコンベヤと、筐体内の少なくとも1つの装着された加熱可能なローラと、少なくとも1つの加熱可能なローラの少なくとも一部分を覆う吸収性材料であって、感光性印刷要素が加熱されて感光性印刷要素が少なくとも1つの加熱可能なローラの一部分上の吸収性材料と接触するときに、感光性印刷要素から液化又は軟化した未硬化感光性材料を吸収することができる吸収性材料と、感光性印刷要素が加熱されて感光性印刷要素の一部分が液化及び軟化するときに、熱現像プロセスにおいて生成される蒸気及び/又は液体副生成物を回収及び/又は送達するための手段であって、少なくとも1つのUV光源が蒸気及び/又は液体副生成物を架橋及び硬化させる手段と、を含む。
【0018】
別の実施形態では、本開示は、概して、レリーフ画像印刷要素を作製する熱現像プロセスにおいて生成される液体凝縮物を処理するためのシステムに関し、液体凝縮物は、感光性印刷要素の加熱中に生成され、感光性印刷要素の一部分が液化及び軟化し、感光性印刷要素は、可撓性基材及び可撓性基材上に堆積された感光性材料の少なくとも1つの層を含み、システムは、筐体と、連続ループを含むコンベヤであって、感光性印刷要素がコンベヤの連続ループ上に位置付け可能であるコンベヤと、筐体内の少なくとも1つの装着された加熱可能なローラと、少なくとも1つの加熱可能なローラの少なくとも一部分を覆う吸収性材料であって、感光性印刷要素が加熱されて少なくとも1つの加熱可能なローラの一部分上の吸収性材料と接触するときに、感光性印刷要素から液化又は軟化した未硬化感光性材料を吸収することができる吸収性材料と、回収領域から吸収性材料の表面に液体凝縮物を送達するように構成されたポンプ圧送デバイスであって、吸収性材料が液体凝縮物を吸収することができる、ポンプ圧送デバイスと、吸収性材料に対して装着された少なくとも1つのUV光源であって、少なくとも1つのUV光源が少なくとも液体凝縮物を架橋及び硬化させる、少なくとも1つのUV光源と、を含む。
【0019】
全体を通して使用される際、吸収性材料はまた、本開示の精神/範囲から逸脱することなく、「ブロッタ」、「ブロッティング材料」、又は「吸収性ウェブ」と称され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、システムは、蒸気、凝縮物、未硬化感光性材料、及びそれらの組み合わせ(すなわち、副生成物)を回収し、筐体に対して第1の位置から第2の位置に送達するための手段を含み得る。例えば、第2の位置は、吸収性材料の少なくとも一部分に近接し得るか、又は接触し得る。具体的には、副生成物は、第1の位置から、吸収性材料に少なくとも近接している第2の位置に、ポンプ圧送され得、そのため、吸収性材料は、副生成物を吸収し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の光源を含む。他の実施形態では、システムは、吸収材料の少なくとも一部分に近接して位置付けられた1つ以上の光源を含む。非限定的な例では、1つ以上の光源は、UV光源、例えば、UV LED及び/又はUV蛍光灯のために構成されたUV光源であり得る。非限定的な例では、吸収性材料は、UV光源(又は複数のUV光源)に曝露され得る。具体的には、1つ以上の副生成物を含有する吸収性材料は、少なくとも副生成物(例えば、蒸気及び/又は液体副生成物)が、後続の除去のために架橋及び硬化するように、光源に曝露され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、蒸気は、熱交換器で凝縮され得、システムは、凝縮物を回収するための手段を含み得る。例えば、凝縮物は、吸収性材料のウェブによって吸収され得、次いで、吸収性材料のウェブは、UV光源に曝露され得る。そうすることで、硬化した副生成物は、非反応性にされ、容易かつ安全に処分され得、それによって、潜在的に反応性の副生成物とのユーザ又は環境の接触の可能性を排除する。
【0023】
別の実施形態では、副生成物は、吸収性材料とは別個に、かつそれとは離れて硬化され得る。したがって、副生成物は、吸収性材料によって吸収されない場合があるが、むしろ光源に曝露され、硬化材料として回収される。ある場合では、システムは、フィルタ内に副生成物を回収するための手段を含み得、フィルタ及び未硬化副生成物は、UV光源に曝露される。例えば、蒸気副生成物の汚染物質は、フィルタ内に回収され得、次いで、フィルタは、蒸気副生成物及び汚染物質が硬化するまで、UV光源に曝露され得る。別の場合では、システムは、副生成物(例えば、凝縮物)を容器(例えば、補助タンク)内に回収するための手段を含み得る。回収された副生成物は、UV光源に曝露され得る。硬化した副生成物は、ペレット及び/又は固体粒子を含み得、次いで、これらは、回収されて処分され得る。
【0024】
別の実施形態では、システムは、副生成物が液体形態のままである1つ以上の炭素フィルタ内に副生成物を回収するための手段を含み得る。次いで、蒸気及び/又は液体副生成物を含有する炭素フィルタを光源に曝露し、それによって副生成物を架橋及び硬化させ得る。
【0025】
本明細書に開示される特徴、機能、及び/又は実施形態の任意の組み合わせ又は置換が想定される。本開示の開示されたシステム及び方法の追加の有利な特徴、機能、及び用途は、特に添付の図面と併せて読まれるときに、以下の説明から明らかになるであろう。本開示に列挙される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
実施形態の特徴及び態様は、添付の図面を参照して以下で説明され、図面において、要素は必ずしも縮尺通りに描写されておらず、特定の図では、明確にするために部品が誇張又は除去されている場合がある。
【0027】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して更に説明される。以下に説明され、図に例解される、様々な特性、工程、及び特性/工程の組み合わせは、本開示の範囲内に依然としてある実施形態をもたらすために、異なって配列及び編成され得ることに留意されたい。
【0028】
開示されたアセンブリ、システム、及び方法を作製及び使用する際に当業者を助けるために、添付の図面を参照する。
【
図1】本開示による、例示的な熱ベースの現像システムの断面図を概略的に描写する。
【
図2】本開示による、例示的な熱ベースの現像システムの断面図を概略的に描写する。
【
図3】本開示による、例示的な熱ベースの現像システムの断面図を概略的に描写する。
【
図4A】本開示による、アプリケータを含む例示的な熱ベース現像システムの側面図を概略的に描写する。
【
図4B】本開示による、アプリケータを含む例示的な熱ベース現像システムの側面図を概略的に描写する。
【
図4C】本開示による、有利なアプリケータの上面図を概略的に描写する。
【
図5】本開示の実施例1による、UV光源に曝露された液体凝縮物を有する吸収性材料を例解する。 本明細書及び図面を通して、同様の部分にはそれぞれ同一の参照番号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、感光性印刷要素上に形成されたレリーフ画像を熱現像することに関連する副生成物の反応性を低減(又は排除)するように構成されている、有利な熱ベースの現像システム及び方法を提供し、副生成物は、これらに限定されないが、蒸気(例えば、煙霧)内の汚染物質、凝縮物内の汚染物質、未反応の感光性材料(例えば、放射線硬化性層)、及びこれらの組み合わせを含む。
【0030】
しかしながら、開示される実施形態は、様々な形態で具現化され得る本開示の単なる例解であることが理解されるべきである。したがって、例示的なアセンブリ/製造方法並びにアセンブリ及び使用の関連するプロセス/技法を参照して本明細書に開示される詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、本開示の有利なアセンブリ/システムをどのように作製及び使用するかを当業者に教示するための基礎として解釈されるべきである。
【0031】
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、単数及び複数の両方を指す。
【0032】
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、パラメータ、量、持続時間などの測定可能な値を意味し、具体的に列挙された値の、及びその値からの、+/-15%以下の変動、好ましくは+/-10%以下の変動、より好ましくは+/-5%以下の変動、更により好ましくは+/-1%以下の変動、及び依然として更により好ましくは+/-0.1%以下の変動を、このような変動が本明細書に記載される本発明で実施するために適切である限り、含むことを意味する。更に、修飾語「約」が意味する値は、それ自体が本明細書に具体的に開示されていることも理解されたい。
【0033】
本明細書で使用するとき、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下側(lower)」、「上方(above)」、「上側(upper)」、「前部(front)」、「後部(back)」のような空間的に相対的な用語は、別の要素又は特徴に対する1つの要素又は特徴の関係を説明するために使用される。「前部(front)」及び「後部(back)」という用語は、限定することを意図するものではなく、適切な場合に交換可能であることが意図されていることが更に理解される。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprise(s))」及び/又は「含む(comprising)」とは、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しない。
【0035】
一実施形態では、
図1に示されるように、本発明は、概して、レリーフ画像印刷要素を加工処理するために使用される熱現像アセンブリ内で生成される蒸気及び/又は液体副生成物42、46を処理するためのシステム10を備える、熱現像アセンブリに関する。感光性印刷要素14は、典型的には、可撓性基材と、可撓性基材上に堆積された感光性材料の少なくとも1つの層と、を含む。
【0036】
システム10は、筐体12と、連続ループ17を含むコンベヤ16であって、感光性印刷要素14がコンベヤ16の連続ループ17上に位置付け可能であるコンベヤ16と、筐体12内に装着された少なくとも1つの加熱可能なローラ24と、少なくとも1つの加熱可能なローラ24の少なくとも一部分を覆う吸収性材料32であって、感光性印刷要素14が少なくとも1つの加熱可能なローラ24の一部分上の吸収性材料32と接触するときに、感光性印刷要素14から液化又は軟化した未硬化感光性材料を吸収することができる吸収性材料32と、感光性印刷要素14が加熱され、感光性印刷要素14の一部分が液化及び軟化するときに、熱現像プロセスで生成される蒸気及び/又は液体副生成物42、46を回収及び/又は送達するための手段であって、少なくとも1つのUV光源48、50が蒸気及び/又は液体副生成物42、46を架橋及び硬化させる、手段と、を含む。
【0037】
別の実施形態では、本発明は、概して、レリーフ画像印刷要素を加工処理するために使用される熱現像アセンブリにおいて生成される液体凝縮物46を処理するためのシステム10を含む熱現像アセンブリに関し、液体凝縮物46は、感光性印刷要素14の一部分が液化及び軟化する感光性印刷要素14の加熱中に生成される。感光性印刷要素14は、典型的には、可撓性基材と、可撓性基材上に堆積された感光性材料の少なくとも1つの層と、を含む。
【0038】
システム10は、筐体12と、連続ループ17を含むコンベヤ16であって、感光性印刷要素14がコンベヤ16の連続ループ17上に位置付け可能であるコンベヤ16と、筐体12内に装着された少なくとも1つの加熱可能なローラ24と、少なくとも1つの加熱可能なローラ24の少なくとも一部分を覆う吸収性材料32であって、感光性印刷要素14が少なくとも1つの加熱可能なローラ24の一部分上の吸収性材料32と接触するときに、感光性印刷要素14から液化又は軟化した未硬化感光性材料を吸収することができる吸収性材料32と、を含む。この実施形態では、ポンプ圧送デバイス52は、液体凝縮物46を回収領域47から吸収性材料32の表面に送達するように構成されており、吸収性材料32は、液体凝縮物46を吸収することができ、少なくとも1つのUV光源48、50は、吸収性材料32に対して装着され、少なくとも1つのUV光源48、50は、少なくとも液体凝縮物46を架橋及び硬化させる。
【0039】
図1を更に参照すると、感光性印刷要素14を加工処理するためのシステム10は、少なくとも熱ベース現像システム10の要素を収容するための筐体12を含む。
【0040】
本発明の熱ベース現像システム10は、予め形成され、像様化学線曝露された可撓性感光性印刷要素14を受け入れ、感光性印刷要素14は、ベース層と、放射線硬化性エラストマー材料の隣接層(硬化性層)と、任意選択的に、化学線への曝露の前にレーザアブレーションなどによってレーザ放射線を使用して硬化性層上にその場でマスクを形成するために使用される、赤外線感受性層と、を有する。本発明の熱ベースの現像システムにおいて加工処理可能な感光性印刷要素の例は、Martensへの米国特許第5,175,092号、Fanへの米国特許第5,262,275号及び同第6,238,837号、並びにYang et al.への米国特許第5,925,500号及び同第6,605,410号に記載されており、これらの各々の主題は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
一実施形態では、かつ、本明細書に記載の熱現像アセンブリで加工処理する前に、放射線硬化性層の一部分は、好ましくは、ベースの下面を通る化学線によって硬化されて、硬化した「フロア層」を形成する。次に、フィルムを反対表面から像様曝露して、写真ネガ又はマスク層のレーザアブレーションによって作成されたその場ネガのいずれかを通して、版の所望の部分を硬化させる。硬化後の放射線硬化性層の残りの部分は、硬化部分及び未硬化部分からなる。その後、感光性印刷要素を熱現像アセンブリに移送して、放射線硬化性層の未硬化部分を除去し、その中のレリーフ画像を露出させ、レリーフ画像は、感光性印刷要素の放射線硬化性層の架橋部分及び硬化部分から構成される。
【0042】
典型的には、駆動モータ(図示せず)に取り付けられたコンベヤ16を使用して、感光性印刷要素14を熱版加工処理システム内に搬送して通過させる。コンベヤ16は、筐体12内の固定位置に装着され得、少なくとも第1のローラ18及び第2のローラ20によって支持された連続ループ17を含む。任意選択的に、1つ以上の追加のローラ(図示せず)を使用して、コンベヤ16に追加の支持を提供し、連続ループ17が感光性印刷要素14の重量により垂れ下がるのを防止し得る。一実施形態では、連続ループ17は、ワイヤメッシュを備える。
【0043】
感光性印刷要素14の前縁は、クランプ及び/又は真空などの好適な締結手段(図示せず)によって、コンベヤ16の連続ループ17に対して適所に保持され得る。一実施形態では、コンベヤ16の第1のローラ18及び第2のローラ20のうちの少なくとも1つに真空が提供され、単独で、又は締結手段と組み合わせて使用されて、感光性印刷要素14をコンベヤ16の連続ループ17上の定位置に保持する。
【0044】
動作中、感光性印刷要素14が装着されたコンベヤ16は、コンベヤ16の連続ループ17が第2のローラ20の上及び周りを回転するときに感光性印刷要素14がコンベヤ16と加熱可能なローラ24との間の間隙26を通過するように、加熱可能なローラ24に向かって第1の方向22に移動する。一実施形態では、加熱可能なローラ24は、コンベヤ16から反対方向28に回転する。加熱可能なローラ24は、コンベヤが第1の方向22に移動し、加熱可能なローラ24が反対方向28に移動するときに、コンベヤ16上に位置付けられた感光性印刷要素14に向かって付勢されることが可能である。好ましくは、加熱可能なローラ24は、ピボット(図示せず)に固定可能に装着されており、これにより、コンベヤ16に向かって付勢することが可能となる。
【0045】
いくつかの実施形態では、加熱可能なローラ24は、1つ以上の空気圧シリンダ(図示せず)などの好適な手段を使用して、コンベヤ16上の感光性印刷要素14に向かって付勢される。空気圧シリンダは、加熱可能なローラ24をコンベヤ16の第2のローラ20の外面から予め設定された距離に位置付けて、感光性印刷要素14が第2のローラ20の周りのコンベヤ16の連続ループ17上を移動するときに感光性印刷要素14が通過する、間隙26を生成する。
【0046】
吸収性材料32のウェブは、加熱可能なローラ28の外面30の少なくとも一部分の上に導かれる。吸収性材料32のウェブは、加熱可能なローラ24が回転して加熱され、吸収性材料32のウェブが感光性印刷要素14の少なくとも一部分に接触するときに、感光性印刷要素14から液化又は軟化した未硬化材料を吸収(例えば、除去)することができる。加熱可能なローラ24は、コンベヤ16の方向22とは反対である方向28に回転し、そのため、感光性印刷要素14及び吸収性材料32のウェブを互いに接触させ、次いで分離することができる。
【0047】
感光性材料の少なくとも一部分を軟化又は液化する加熱可能なローラ24の表皮温度を維持することができるコア加熱器によって、加熱可能なローラ24に熱が提供され得る。加熱可能なローラ24が加熱される温度は、感光性材料の組成に基づいて選択され、感光性材料内に含有されるモノマー及びポリマーの溶融温度に基づく。一実施形態では、加熱可能なローラ24は、約150℃~約250℃の温度に加熱され、その温度で動作する。上限は、吸収性材料32のウェブの溶融温度によって大部分が判定され得る。すなわち、加熱可能なローラ24の温度は、吸収性材料32のウェブが移動しておらず、加熱可能なローラ24に接触している吸収性材料32のウェブの部分が静止しているときに、吸収性材料32が溶融しないように十分に低くなければならない。加熱可能なローラ24は、好ましくは、所望の表皮温度を提供するために電気コア加熱器を含むが、蒸気、油、熱風、及び様々な他の加熱源の使用もまた、所望の表皮温度を提供し得る。
【0048】
吸収性材料32のウェブは、吸収性材料32のウェブの供給ロール34から加熱可能なローラ24の外面30の少なくとも一部分に供給される。吸収性材料32の選択は、加工処理される感光性印刷要素14の厚さ、吸収性材料32のウェブの溶融温度、並びに感光性印刷要素14及び吸収性材料32のウェブの両方の熱伝達特性に部分的に依存し得る。吸収性材料32のウェブは、不織布又は織布であってよく、当業者には既知であろう好適な吸収性材料が本発明において使用可能である。
【0049】
動作中、感光性材料の一部分が加熱され、次いで液化又は軟化すると、蒸気(例えば、煙霧)が筐体12内に放出され得る。蒸気は、環境及びユーザに有害であり得るフォトポリマーの汚染物質及び刺激物を含有し得る。したがって、蒸気及びいかなるその副生成物も、未硬化感光性材料、汚染物質、又はそれらの任意の組み合わせと共に、有害な影響を制限(又は排除)するように処理及び処分されることが不可欠である。
【0050】
いくつかの実施形態では、蒸気42は、熱交換器44を通して方向付けられ得、それによって、蒸気42は、凝縮される。その後、得られた凝縮物46を回収して除去することができる。凝縮物46、汚染物質、及び/又は未硬化感光性材料の除去は、それらの液化状態(例えば、容器内)で達成することができるが、副生成物(すなわち、蒸気、部分的に液体、液体、及びそれらの組み合わせ)の除去は、環境及びユーザに潜在的な害をもたらす。したがって、副生成物を、好ましくは光源に曝露して副生成物を架橋及び硬化して、反応性を低減して(又は除去して)、処分を容易にすることを保証する。
【0051】
いくつかの実施形態では、熱交換器44は、第2の筐体40内に位置付けられ得、第2の筐体40は、蒸気42が、第2の筐体40内に位置付けられた熱交換器44に方向付けられるように筐体12内に位置付けられ得る。
【0052】
システム10はまた、副生成物を第1の位置から第2の位置に送達するための手段を含み得る。一実施形態では、第1の位置は、熱交換器44の前、熱交換器44の後、又は熱交換器44の前及び後の両方であり得る。第2の位置は、補助的な保持容器(図示せず)、吸収性材料32、又はそれに近接したものを含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、副生成物は、1つ以上のパイプ、ホースなど54を通してポンプ52によって送達され得る。ポンプが副生成物を輸送する速度は、吸収性材料32が進んでいる速度並びに回収される副生成物の量に少なくとも部分的に依存し得る。副生成物が吸収性材料32の速度に対応する速度で吸収性材料に沿って均一に分配され、それによって吸収性材料32の吸収能力を最大にするように、パイプ54は、例えば第2の位置の近くに、いくつかの出口穴を含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、システム10は、少なくとも凝縮物46(及びそれに関連する任意の他の副生成物)を、熱交換器44の後の第1の位置(例えば、回収領域47)から、第2の位置である、吸収性材料32に送達するための手段を含み得る。吸収性材料32は、凝縮物46(及びそれに関連する任意の他の副生成物)を少なくとも部分的に吸収することができる。
図1に示すように、副生成物が供給及び/又は堆積されるこの第2の位置は、感光性印刷要素14が吸収性材料32のウェブに接触した後の、巻き取りローラ38の前である、吸収性材料32のウェブ上の場所である。したがって、吸収性材料32のウェブには、感光性印刷要素14から除去された軟化又は液化されたフォトポリマーが堆積されている。本明細書に記載される熱現像アセンブリを使用することにより、吸収性材料のウェブを再使用して、追加の材料(すなわち、副生成物)を処分のために捕捉する。
【0055】
本明細書に記載の熱現像アセンブリからも明らかであるように、吸収性材料のウェブは、感光性印刷要素14から除去された軟化又は液化したフォトポリマーを第1の側で捕捉し、副生成物を吸収性材料32のウェブの第2の側又は反対側で捕捉する。
【0056】
図4A~
図4Cに描写されるように、システム10は、アプリケータ56を更に含み得、このアプリケータ56は、副生成物(例えば、凝縮物46)を吸収性材料32に送達するための手段(例えば、ポンプ及びパイプ54)と流体連通している。例えば、アプリケータ56は、吸収性材料32の少なくとも表面に沿って、副生成物を少なくとも部分的に分配するように構成され得る。具体的には、アプリケータは、副生成物が一様に分配されるように、吸収性材料32の少なくとも1つの表面上の副生成物の幅及び/又は量(例えば、厚さ)を制御するために使用され得る。
【0057】
図4A及び
図4Bは、アプリケータ56を含む熱ベース現像システムを描写し、アプリケータ56は、吸収性材料32に近接して位置付け可能であり、凝縮物46を吸収性材料32の表面に送達するためのパイプ54と流体連通している。アプリケータ56は、吸収性材料32が加熱可能なローラ24の周りを進む方向(
図4Aに例解される矢印を参照)に基づいて、UV光源48、50の前の、吸収性材料32に沿った位置に位置付け可能であり得る。場合によっては、アプリケータ56及び/又はパイプ54の少なくとも一部分は、吸収性材料32に対して移動可能であり得る。例えば、
図4Aに描写されるように、吸収性材料32が移動しているとき、アプリケータ56は吸収性材料32の表面に近接して据えられ得、
図4Bに描写されるように、吸収性材料32が停止しているとき、アプリケータ56は吸収性材料32から離れた位置に据えられ得る。アプリケータ56及び/又はパイプ54の少なくとも一部分を移動させる能力により、吸収性材料32及び/又は他の構成要素のより容易な除去/設置を促進し得る。
【0058】
図4Cは、パイプ54と流体連通して位置付け可能なアプリケータ56を描写し、パイプ54は、副生成物(例えば、凝縮物46)を吸収性材料32の表面に少なくとも部分的に送達するように構成されている。アプリケータは、剛毛58など(例えば、ペイントブラシ様の構成)を含み得、凝縮物がアプリケータ56の剛毛58を通過するように構成され得る。剛毛58は、ポンプ/パイプ54からの流れを調節して、凝縮物46を吸収性材料32の少なくとも1つの表面上に均一に分配するのを助けることができる。
【0059】
いくつかの例では、凝縮物がポンプ及びパイプを通して送達されると、空気も吸い上げられ得、これにより、凝縮物が吸収性材料の表面に送達されているときに凝縮物をスパッタリングさせ得る。このような場合、ポンプ及びパイプと流体連通するようにアプリケータ56を位置付けることは、吸収性材料32の表面上への凝縮物の均一な分配を容易にするのに役立ち得る。具体的には、アプリケータ56の剛毛58は、ポンプ/パイプを通して吸収性材料に送達されている凝縮物/空気混合物のスパッタリングを減衰させるように、凝縮物を貯蔵するためのリザーバとして作用し得る。アプリケータ56の剛毛58は、1つ以上のUV光源48、50の幅及び/又は吸収材料の幅に近似した幅を有し得る。したがって、アプリケータ56は、1つ以上のUV光源及び/又は吸収性材料の幅と一致する幅に凝縮物を広げるであろう。吸収性材料32の少なくとも1つの表面により薄く塗布するために凝縮物を均一に分配させることによって、凝縮物を架橋及び硬化させるのに必要な強度及び/又は曝露時間をより少なくすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、システム10は、UV光源を更に含み得る。UV光源(例えば、UV LED、UV蛍光)50は、吸収性材料32に近接して、吸収性材料のウェブの反対側に位置付けられ得る。場合によっては、UV光源50はまた、吸収性材料32のウェブによって吸収された液化又は軟化した材料を硬化させ得る。他の実施形態では、UV光源50は、吸収性材料32によって吸収された凝縮物46を硬化させ得る。更に他の実施形態では、UV光源50は、液化又は軟化した材料及び吸収性材料32によって吸収された凝縮物46を硬化させ得る。選択される波長は、光開始剤の特性(例えば、硬化点)に関連し得る(依存し得る)。非限定的な例では、UV光源の波長は、約365nm~約405nmであり得る。
【0061】
UV光源の所望の強度は、吸収性材料のウェブの速度、副生成物の量及び/又は一様性(例えば、吸収性材料のウェブに塗布される副生成物が薄いほど、副生成物を硬化させるのに必要な強度が小さく、かつ/又は必要な時間が短い)、副生成物(例えば、副生成物を吸収した吸収性材料のウェブ)に対するUV光源の近接度、UV光源の波長、UV光源の動作パラメータ(例えば、LEDアレイ内のLEDの数)、並びにこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に関連付けられ得るが、これらに限定されない。したがって、UV光源の強度及び特定のタイプの基材材料に部分的に依存して、副生成物を完全に硬化させるために、UV光源が吸収性材料上を2回以上通過すること、及び/又は複数のUV光源(すなわち、LEDアレイ)が必要とされ得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、システム10は、第2のUV光源48を含み得る。例えば、システム10は、少なくとも2つのUV光源48及び50を含み得る。第2のUV光源(例えば、UV LED、UV蛍光)48は、第1のUV光源50に近接して位置付けられ得る。第2のUV光源48は、第1のUV光源50に隣接して位置付けられ得る。第2のUV光源48は、第1のUV光源50とは反対に位置付けられ得る。例えば、1つの好ましい実施形態では、第2のUV光源48は、第2のUV光源48が、吸収性材料32の第1の側面で軟化若しくは液化されたフォトポリマー又は副生成物を架橋及び硬化するように、第1のUV光源50とは反対に位置付けられ得る。少なくとも2つのUV光源48、50は、吸収性材料32によって吸収された又は吸収性材料32と接触した副生成物がUV光に曝露されて、この副生成物を部分的に(又は完全に)硬化させ得るように、互いに、かつ吸収性材料32に対して反対に位置付けられ得る。非限定的な例では、第2のUV光源48の波長は、約365nm~約405nmであり得る。別の非限定的な例では、第2のUV光源48の所望の強度は、上で定義されたように、第1のUV光源50の素子と少なくとも部分的に関連付けられ得る。UV光源50及び第2のUV光源48の波長及び/又は強度は、互いに類似し得るか、又は互いに異なり得る。
【0063】
一実施形態では、システム10は、吸収性材料32に対して反対に位置付けられた2つのUV光源48、50(例えば、UV LED、UV蛍光)を含み、第1のUV光源50は吸収性材料32の一方の側に位置付けられ、第2のUV光源48は吸収性材料32の反対側に位置付けられる。吸収性材料32は、加熱可能なローラ24の方向28に基づいて第1の方向に移動するように構成され得る。凝縮物46(及びそれに関連する任意の他の副生成物)は、吸収性材料32が凝縮物46の少なくとも一部分を吸収するように、吸収性材料32に輸送される。好ましくは、凝縮物46は、吸収性材料32がUV光源48、50に近接して進むにつれて、凝縮物46、未硬化感光性材料、及びそれらに関連する任意の他の副生成物が架橋及び硬化するように、UV光源48、50の前の位置に輸送される。次いで、硬化した非反応性副生成物を含有する吸収性材料32を、その後の除去及び/又は処分のために巻き取りローラに巻き取ることができる。
【0064】
巻き取りローラ38は、好ましくは変速モータであるモータ(図示せず)によって独立してベルト駆動される。巻き取りローラ38は、吸収性材料32の「使用済み」ウェブが感光性印刷要素14に接触し、液化又は軟化して回収された感光性材料の部分を除去し、蒸気及び/又は液体副生成物42、46を回収した後に、吸収性材料32の「使用済み」ウェブを回収する。モータの速度は、選択されるウェブ張力に干渉しないように調整される。モータがウェブ張力に干渉する場合、結果として得られるフレキソ印刷版は、レリーフ部分の高さが変動する可能性があるか、又はゆがむ可能性があり、商業的に許容不可能である。
【0065】
別の実施形態では、
図2に描写されるように、システム100は、蒸気42が進み得る経路102に沿って、かつ/又は蒸気42が回収され得る位置に位置付け可能な、少なくとも1つのUV光源104を含み得る。UV光源104(例えば、UV LED、UV蛍光)は、蒸気42の内容物を硬化させることができ、その結果、硬化された部分は、硬化した部分に対して位置付けられたフィルタ106内に捕捉され得る。例えば、フィルタ106は、蒸気42の経路102内に位置付けられ得る。その後、今や汚染物質108を含まない(又は少なくとも部分的に含まない)蒸気は、筐体12内に再導入され得、又は別の場所(例えば、筐体12の外側の場所)に方向付けられ得る。
【0066】
更に別の実施形態では、
図3に描写されるように、システム200は、副生成物(例えば、凝縮物46)を補助保持タンク204又はパイプ/ホース(図示せず)に送達するための手段を含み得る。システム200はまた、少なくとも凝縮物46を補助保持タンク204内に回収するための手段を含み得る。システム200は、感光性印刷要素14が加熱され、放射線硬化性層の一部分が軟化又は液化するときに、熱現像アセンブリ内で生成される蒸気42を凝縮するように構成された熱交換器44を含み得る。凝縮物46は、熱交換器44から補助保持タンク204に送達され得る。いくつかの実施形態では、熱交換器44は、筐体202内に位置付けられ得る。
【0067】
少なくとも1つのUV光源(例えば、UV LED、UV蛍光)は、回収及び/又は送達された副生成物(例えば、凝縮物46)を架橋及び硬化するために、補助保持タンク又はパイプ/ホースに近接して位置付け可能であり得る。例えば、UV光源206は、送達手段及び/又は回収手段(例えば、補助保持タンク204)に近接して位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、UV光源206は、その後の除去のために凝縮物46を架橋及び硬化させ得る。非限定的な例では、硬化した副生成物(例えば、凝縮物46)は、ペレット208に類似し得、いったん架橋し硬化すると、非反応性となり、容易に処分され得る。しかしながら、架橋及び硬化した副生成物は、他の形状に類似し得、ペレットのみに限定されるべきではないことが理解されよう。
【0068】
別の実施形態では、システム10は、吸収性材料32がコンベヤ16上の感光性材料の少なくとも1つの層に接触する点に隣接して位置付け得る、二次加熱源(図示せず)を含み得る。二次加熱源は、コンベヤ16上の感光性材料の少なくとも1つの層の部分を更に軟化及び液化するための、補助熱源を提供することができる。
【0069】
第1のローラ18及び第2のローラ20並びに加熱可能なローラ24を含むコンベヤ16は、好適な手段、すなわち、モータによって駆動されることが当業者には明らかであろう。更に、マイクロプロセッサなどのコントローラを本発明のシステムで使用して、版プロセッサ10内の各要素の動作を制御することができる。かかるコントローラは、当技術分野で周知である。版プロセッサ内の様々な要素を制御するために使用されるコントローラの一例は、Peterson et al.への米国特許第5,279,697号に記載されており、その主題は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0070】
本開示はまた、レリーフ画像印刷要素を作製する熱現像プロセスにおいて生成される蒸気及び/又は液体副生成物を処理する方法であって、感光性印刷要素が、可撓性基材と、上述のシステムを使用して可撓性基材上に堆積された感光性材料の少なくとも1つの層と、を含む、方法に関する。
【0071】
方法は、(1)感光性印刷要素14をコンベヤ16上に位置付ける工程であって、コンベヤ16は、少なくとも第1のローラ18及び第2のローラ20によって支持される連続ループ17を含み、感光性印刷要素14は、連続ループ17上に支持される、工程と、(2)筐体12内で回転するように装着されている加熱可能なローラ24の外面30の少なくとも一部分に吸収性材料32を供給する工程であって、吸収性材料32は、少なくとも加熱可能なローラ24が加熱されて回転し、吸収性材料32が感光性印刷要素14の少なくとも一部分に接触するときに、感光性印刷要素14上にレリーフ画像を形成することに関連する副生成物を吸収することができる、工程と、(3)吸収性材料32が少なくとも1つの層の感光性材料に接触したときに、感光性材料の少なくとも1つの層の少なくとも一部分を軟化又は液化させるのに十分な温度に、加熱可能なローラ24を加熱する工程と、(4)液化又は軟化した材料の少なくとも一部分が吸収性材料32によって吸収されるように、感光性材料の少なくとも1つの層の表面と吸収性材料32とを、コンベヤ16と加熱可能なローラ24との間の点で接触させる工程と、(5)感光性印刷要素14が加熱され、感光性印刷要素14の一部分が液化及び軟化するときに、熱現像プロセスで生成される蒸気及び/又は液体副生成物42、46を回収する工程と、(6)蒸気及び/又は液体副生成物42、46を、少なくとも1つのUV光源48、50に曝露して、蒸気及び/又は液体副生成物42、46を架橋及び硬化させる工程と、を含む。
【0072】
好ましくは、感光性印刷要素は、レリーフ画像を得るために、未硬化感光性材料の全てではないとしても大部分が感光性印刷要素の表面から除去され得るように、プロセスの工程を何度か通して加工処理される。
【0073】
システム全体にわたって吸収性材料のウェブの一様な張力を維持するための好適な手段が使用され得、これには例えば、1つ以上のアイドラローラ36が含まれる。ウェブの張力を維持するための他の手段もまた提供され得、当業者に既知であろう。
【0074】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアイドラローラ36は、吸収性材料32のウェブと直接又は間接的に接触して位置付けられ得る。1つ以上のアイドラローラ36は、吸収性材料32のウェブの方向の変化を容易にすることができ、かつ/又は吸収性材料32のウェブに張力を提供して、一様かつ所望の張力を維持することができる。場合によっては、2つ以上のアイドラローラ36が互いに近接して位置付けられ得る。例えば、2つ以上のアイドラローラ36は、吸収性材料32のウェブが、2つ以上のアイドラローラ36の各々の外面との少なくとも部分的な接触を維持するために、密接に巻き付けられる(すなわち、急旋回する)ように、互いに近接して位置付けられ得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、加熱可能なローラ24、吸収性材料32のウェブ、及び感光性印刷要素14の線速度は、感光性印刷要素14上の剪断応力を回避するために実質的に同じであり得る。開示された剪断応力は、リリーフ部分版厚さに不均一をもたらす可能性がある。
【0076】
本発明は、これより、以下の非限定的な実施例を参照して説明される。
【0077】
実施例1
熱現像アセンブリ内で生成された液体凝縮物を、LAVA(登録商標)4260製版機(MacDermid Graphics Solutions,Atlanta,Georgia製)の吸収性材料の表面上の2つの並んだ場所に塗布した。吸収性材料の各場所は、LAVA(登録商標)機械の各通過時に生成された液体凝縮物の量と一致する液体凝縮物の代表的な量を含有していた。
【0078】
液体凝縮物を有する吸収性材料上の第1の場所を、約14.3~14.55mW/cm2の最大強度(光源の前面窓から10mmの位置で測定した)を有する365nm波長のUV光に曝露した。
【0079】
液体凝縮物を有する吸収性材料上の第2の場所は、触れないままにし、UV光に曝露しなかった。吸収性材料は、3ft/分で進んだ。
【0080】
UV光源は、20ワットの総ランプ電力を有し、変換損失後に365nmのUVで8ワットをもたらした。
【0081】
図5に例解されるように、液体凝縮物をUV光に曝露した後の吸収性材料上の第1の場所(左)は、UV光源下を約2~3回通過して指触乾燥(架橋及び硬化)した。
図4の左領域に描写された領域は、UV光源の下を2回通過した後に凝縮物が乾燥及び重合したことを例解する。対照的に、液体凝縮物をUV光に曝露しなかった吸収性材料上の第2の場所(右)は、湿ったままであった。
図4の右領域に写された領域は、試料中で視認可能な吸収性材料の織りを示し、液体凝縮物が湿ったままであることを実証している。
【0082】
これに基づいて、365nmのUVにおいて8ワットの出力を生成する単一のUV光源が、UV光源の下を約2~3回通過して約3ft/分で進む吸収材料によって吸収された液体凝縮物の代表的な量を硬化させることができることが判定された。
【0083】
2つ以上のUV光源(例えば、UV LEDモジュール)の使用により、液体凝縮物は、実施例1に挙げるよりも少ない通過数でかつ/又はより速い加工処理速度で架橋及び硬化することが予想される。紙基材上の吸収された液体凝縮物は、上で参照されたUV光源下を1回通過して完全に重合されたことにも留意されたい。
【0084】
本開示は、例示的な実装を参照して説明しているが、本開示は、そのような例示的な実装によって限定されないか、又はそのような例示的な実装に限定されない。むしろ、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な修正、改良、及び/又は代替の実装が採用され得る。