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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】表示モジュール及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240430BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240430BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/30 308Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023530014
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 CN2021126918
(87)【国際公開番号】W WO2022160821
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】202110130722.9
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515179325
【氏名又は名称】昆山国顕光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】KUNSHAN GO-VISIONOX OPTO-ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone Kunshan, Jiangsu, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲エン▼徳松
(72)【発明者】
【氏名】廖富
(72)【発明者】
【氏名】丁立薇
(72)【発明者】
【氏名】趙永豐
(72)【発明者】
【氏名】后紅▲チ▼
(72)【発明者】
【氏名】李崢
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0058063(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111862822(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0103552(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0314225(US,A1)
【文献】国際公開第2020/211948(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108932908(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111833743(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111816064(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111669455(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00-9/46
H04M1/02-1/23
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モジュールであって、
対向して設置された表示面及び非表示面を含む表示パネルと、
前記表示パネルの前記非表示面に設置された支持層であって、前記表示パネルに背向する第1の表面を有し、前記第1の表面の少なくとも一部に所定の方向に沿って配列された少なくとも一つの第1の形状部が設置された支持層と、
外周に少なくとも一つの第2の形状部が設置され、前記支持層及び前記表示パネルが前記外周に巻回された回転軸と、を備え、
前記第1の表面における前記第1の形状部は、前記回転軸における前記第2の形状部と係合され、
前記表示パネルは、第1の状態にある部分と第2の状態にある部分とを含み、前記回転軸の回転により、係合される前記第1の形状部と前記第2の形状部とを相対的に運動させるように駆動して前記支持層を回転させることで、前記表示パネルの一部が前記第1の状態と前記第2の状態との間で変換され
前記表示モジュールは、
第1のフレームと、
前記第1のフレームに対向して設置された第2のフレームであって、前記第2のフレームと前記第1のフレームとで少なくとも第1のウィンドウを取り囲んでおり、前記第1のウィンドウの面積を変更するように前記第2のフレームと前記第1のフレームとが互いに接近又は離間可能であり、前記表示パネルの前記第1の状態にある部分は、前記第1のウィンドウに設置されている、第2のフレームと、
前記第1のフレーム及び前記第2のフレームのうちの少なくとも一方に設置され、前記第1のフレームと前記第2のフレームとの間の距離情報を取得するための距離検出装置と、
前記回転軸に接続され、前記回転軸を回転させるよう駆動するための駆動装置と、
前記距離検出装置及び前記駆動装置に電気的に接続され、前記距離情報に応じて前記駆動装置の回転を制御するコントローラと、
をさらに備える、表示モジュール。
【請求項2】
前記支持層の前記第1の表面は、係合領域及び貼り合わせ領域を有し、前記貼り合わせ領域は、前記係合領域の前記回転軸の軸方向に垂直な方向における少なくとも一方側に位置し、前記第1の形状部は、前記係合領域に設置され、前記貼り合わせ領域の表面は平らである、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
少なくとも前記係合領域複数の第1の貫通孔が均一に配置されている、
請求項に記載の表示モジュール。
【請求項4】
記第1の形状部の前記係合領域への正投影は少なくとも部分的に前記第1の貫通孔内に位置しており、及び/又は、
前記第1の形状部は前記支持層と一体成形され、前記第1の貫通孔は一部の前記第1の形状部を貫通している、
請求項3に記載の表示モジュール。
【請求項5】
前記第1の表面の少なくとも一部に所定の方向に沿って配列された複数の前記第1の形状部が設置され、複数の前記第1の形状部は、前記係合領域において前記貼り合わせ領域及び前記係合領域の配列方向に沿って配列された複数のラックを含み、
前記回転軸の外周に複数の前記第2の形状部が設けられ、複数の前記第2の形状部は、前記回転軸の周方向に配列されかつ前記複数のラックと係合する歯車を含み、及び/又は、
前記第1の表面の少なくとも一部に、所定の方向に沿って配列された複数の前記第1の形状部が設置され、複数の前記第1の形状部は、前記係合領域に均一に配置された複数の第2の貫通孔を含み、前記回転軸の外周に複数の前記第2の形状部が設置され、複数の前記第2の形状部は、前記回転軸の周方向に配列されかつ前記第2の貫通孔と係合する凸起であり、及び/又は、
前記回転軸の数は、一つ又は二つであり、
前記回転軸の数が一つである場合、前記回転軸は、自身の軸線方向に沿って正方向又は逆方向に回転可能であり、前記支持層は、前記第1の表面に位置するガイド領域をさらに含み、前記ガイド領域と前記貼り合わせ領域とは、それぞれ前記係合領域の両側に位置し、前記支持層及び前記表示パネルが前記回転軸に巻回された場合、前記ガイド領域と前記貼り合わせ領域とは、前記回転軸の両側に位置し
記回転軸の数二つである場合、二つの前記回転軸は、それぞれ自身の軸線に沿って正方向又は逆方向に回転可能であり、かつ二つの前記回転軸の回転方向は反対であり、二つの前記回転軸に巻回された前記支持層及び前記表示パネルは、二つの前記回転軸により第1の状態にある部分と第2の状態にある部分とに分けられ、前記第2の状態にある部分は、前記第1の状態にある部分の直下に位置している、
請求項2に記載の表示モジュール。
【請求項6】
前記第2のフレームと前記第1のフレームとにおいて、前記表示パネルにおける第2の状態にある部分に対応する位置に第2のウィンドウがさらに設置され、前記表示パネルにおける第2の状態にある部分に、付加的な可視部分がさらに設置されており、及び/又は、
前記第2のフレームと前記第1のフレームとにそれぞれ係合されたガイドレール及びスライダが設置されており、及び/又は、
前記第1のフレームは、前記回転軸と平行に延びる第1の枠を含み、前記第2のフレームは、前記回転軸と平行に延びる第2の枠を含み、前記第1の枠及び前記第2の枠のうちの少なくとも一方に前記回転軸が設置されている、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項7】
前記距離検出装置は、第1の検出部及び第2の検出部を含み、前記第1の検出部は、前記第1のフレームに設置され、前記第2の検出部は、前記第2のフレームに設置され、前記第1の検出部及び前記第2の検出部は、前記回転軸の軸方向に垂直な方向において対向して設置されており、及び/又は、
前記表示モジュールは運動状態及び一時停止状態を含み、
前記運動状態において、前記第2のフレームと前記第1のフレームとが互いに接近するか又は離間し、前記回転軸により前記支持層を回転させることで、前記表示パネルの一部が前記第1の状態と前記第2の状態との間で変換され、
前記一時停止状態において、前記第2のフレームと前記第1のフレームとの間の距離が変化せず、前記回転軸の回転が一時停止しており、及び/又は、
前記表示モジュールはさらに緊張状態を含み、
前記運動状態から前記一時停止状態に変換されたとき、前記第2のフレームと前記第1のフレームとの間が前記一時停止状態での距離に維持され、前記回転軸により前記支持層が所定の角度回転されることで、前記表示パネルにおける前記第1の状態にある部分が緊張される、
請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項8】
上記請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表示モジュールを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年01月29日に提出された名称が「表示モジュール及び表示装置」である中国特許出願202110130722.9の優先権を主張し、当該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、電子製品の技術分野に属し、特に表示モジュール及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイ技術の発展に伴い、現在発売され、展示されている電子機器には折り畳み式のものが登場している。基本的に二つ折り(内折り、外折り)、三つ折り(二重内折り、二重外折り、内外折)等の形態に分けられることで、折り畳み式スクリーンの形式により需要に応じてスクリーンサイズを切り替え、使用状態では折り曲げ部分を平らにすることにより大画面を取得して視認しやすく、非使用状態では折り畳みにより携帯しやすい。しかしながら、このような折り畳み式スクリーンは折り畳み位置に折り目が生じやすく、さらには表示スクリーンの表示効果に影響を与える。
【0004】
したがって、スクリーンサイズを変更可能な新たなモジュールの提案を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、スライド移動により表示パネルの可視面積の変化を実現する表示モジュール及び表示装置を提供する。
【課題を解決する手段】
【0006】
本願の実施例の一態様は、対向して設置された表示面及び非表示面を含む表示パネルと、前記表示パネルの前記非表示面に設置された支持層であって、前記表示パネルに背向する第1の表面を有し、前記第1の表面の少なくとも一部に所定の方向に沿って配列された少なくとも一つの第1の形状部が設置された支持層と、外周に少なくとも一つの第2の形状部が設置され、前記支持層及び前記表示パネルが前記外周に巻回された回転軸と、を備え、前記第1の表面における前記第1の形状部は、前記回転軸における前記第2の形状部と係合され、前記表示パネルは、第1の状態にある部分と第2の状態にある部分とを含み、前記回転軸の回転により、係合される前記第1の形状部と前記第2の形状部とを相対的に運動させるように駆動して前記支持層を回転させることで、一部の前記表示パネルが前記第1の状態と前記第2の状態との間で変換される表示モジュールを提供する。
【0007】
本願の実施例の他の態様は、表示モジュールを含む表示装置を提供し、前記表示モジュールは上記で説明された表示モジュールである。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施例に係る表示モジュール及び表示装置は、表示パネル、支持層及び回転軸を備え、回転軸は周方向に沿って配置された第2の形状部を有し、表示パネルは対向する表示面及び非表示面を含み、支持層は表示パネルの非表示面に設置され、支持層は表示パネルに背向する第1の表面を有し、第1の表面の少なくとも一部に所定の方向に沿って配列された第1の形状部が設置され、支持層及び表示パネルは回転軸の外周に巻回され、第1の表面の第1の形状部は回転軸の第2の形状部と係合され、表示パネルは第1の状態にある部分と第2の状態にある部分とを含み、係合する第1の形状部と第2の形状部とにより、回転軸の回転時に係合される第1の形状部と第2の形状部とを相対的に運動させるように駆動して支持層を回転させることで、一部の表示パネルが第1の状態と第2の状態との間で変換される。表示パネルにおける第1の状態にある部分を制御する過程において、支持層の設置により回転軸に巻回された表示パネルに支持力を提供することができ、表示パネルが繰り返しの使用中に皺となり変形しやすいことを回避することができる。また、支持層に、係合される第1の形状部及び第2の形状部を設置することにより、表示パネルがスライド移動することを容易に実現し、同時に、係合された箇所が支持層に位置し、これにより、運動過程で回転軸で発生した力が表示パネルの折り曲げ部分に直接作用することを回避し、さらに当該位置の表示パネルの応力集中を低減させ、表示パネルの損傷が回避され、表示モジュールの使用性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の実施例に係る表示モジュールの構造概略図である。
図2】本願の実施例に係る表示モジュールの正面図である。
図3】本願の実施例に係る表示パネルと支持層の展開状態での分解図である。
図4】本願の実施例に係る他の表示モジュールの構造概略図である。
図5図4における表示モジュールの正面図である。
図6】本願の実施例に係る支持層の展開状態での底面図である。
図7】本願の実施例に係る支持層部分の折り曲げ状態での平面図である。
図8】本願の実施例に係る他の支持層の正面図である。
図9図8におけるA部分の部分拡大図である。
図10】本願の実施例に係る表示モジュールにフレームが取り付けられた後の平面図である。
図11】本願の実施例に係る他の表示モジュールにフレームが取り付けられた後の平面図である。
図12】本願の実施例に係る表示モジュールにフレームが取り付けられた後の背面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明すべきものとして、本明細書において、第1及び第2などのような関係用語は一つの部品又は操作を他の部品又は操作と区別するために用いられ、必ずしもこれらの部品又は操作の間に何らかの実際の関係又は順序が存在することを要求するか又は暗示するものではない。また、「含む」、「備える」という用語又はその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、それにより一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置はそれらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されない他の要素を含み、又はこのような過程、方法、物品又は装置に固有の要素を含む。より多くの制限がない場合に、「…を含む」という文章により限定された要素は、要素を含む過程、方法、物品又は装置において他の同じ要素が存在することを排除しない。
【0011】
本願をよりよく理解するために、以下に図1図11を参照して、本願の実施例に係る表示モジュール及び表示装置を詳細に説明する。
【0012】
図1図3に示すように、本願の実施例は、表示パネル1を含む表示モジュールを提供し、当該表示パネル1は、折り曲げ、スライド移動等の操作により表示パネル1に露出したスクリーン面積の大きさを調整可能であるように、屈曲変形能力を有するフレキシブルパネルであってもよい。表示パネル1は、対向して設置された表示面及び非表示面11を有する。表示モジュールは、支持層2と回転軸3とを含み、支持層2は、表示パネル1の非表示面11に貼り付けられ、表示パネル1に支持を提供する。支持層2は、表示パネル1に背向する第1の表面21を有し、第1の表面21の少なくとも一部に所定の方向に沿って配列された少なくとも一つの第1の形状部22が設置される。回転軸3の外周に少なくとも一つの第2の形状部31が設けられ、支持層2及び表示パネル1が回転軸3の外周に巻回され、第1の表面21の第1の形状部22は、回転軸3の第2の形状部31と係合する。表示パネル1は、第1の状態S1にある部分と第2の状態S2にある部分とを含み、回転軸3の回転により、係合される第1の形状部22と第2の形状部31とを相対的に運動させるように駆動して支持層2を回転させることで、表示パネル1の一部が第1の状態S1と第2の状態S2との間で変換される。例えば、第1の状態S1は、視認可能な可視状態に設置されてもよく、第2の状態S2は、視認しない収納状態に設置され、回転軸3の回転により係合された第1の形状部22と第2の形状部31とを相対的に運動させるように駆動し、さらには表示パネルにおける可視状態にある部分の面積を増大させ、収納状態にある部分の面積を減少させて表示パネル1のスクリーンの面積を大きくし、又は、可視状態にある部分の面積を減少させ、収納状態にある部分の面積を増大させて表示パネル1のスクリーンの面積を小さくする。さらに、第1の状態S1を視認可能な可視状態に設定した上で、第2の状態S2にある表示パネルの一部に、さらに少なくとも部分的に見える付加的な可視部分を設置することで、表示パネル1の視覚効果を増加させ、異なる使用需要を満たすこともできるが、ここで具体的に限定されない。
【0013】
一つの具体的な実施例において、第1の表面の少なくとも一部に所定の方向に沿って配列された複数の第1の形状部が設置される。回転軸の外周に少なくとも一つの第2の形状部が設置される。第1の表面21と回転軸3にそれぞれ設置され、係合される第1の形状部22及び第2の形状部31において、複数の第1の形状部22は所定の方向に沿って配列された複数のラックであってもよく、隣接したラックの間に凹みが形成され、複数の第2の形状部31は回転軸3の外側壁に周方向に沿って配置された複数の歯車であってもよく、複数の歯車は回転軸3と一体成形されて歯車軸を形成し、少なくとも一部の歯車は部分的にラックの間の凹み位置に入ることで、歯車はラックと噛み合うことができる。表示パネル1は、歯車軸により第1の状態S1にある部分と第2の状態S2にある部分とに分けられ、歯車軸は支持層2を回転させることで、表示パネル1の一部は第1の状態S1と第2の状態S2との間で変換される。第1の形状部22及び第2の形状部31は、係合される凸起及び凹み等の形式で回転軸3が支持層2を回転させるよう駆動するように設置されてもよいが、ここで具体的に限定されない。
【0014】
本願の実施例に係る表示モジュールは、表示パネル1において第1の状態S1にある部分の面積が増大するか又は減少するように制御する過程において、支持層2の設置により、回転軸3に巻回された表示パネル1に支持力を提供することができ、表示パネル1が繰り返しの使用中に皺になって変形しやすいことを回避することができる。また、支持層2に、係合される第1の形状部22及び第2の形状部31を設置することにより、表示パネル1のスライド移動を容易にするとともに、第1の形状部22と第2の形状部31とが係合された位置が支持層2と回転軸3との間に位置することにより、回転軸3の回転過程で発生された力が表示パネル1の回転軸3に巻回された部分に直接作用することを回避し、さらに表示パネル1の回転軸3に対応する箇所の応力集中を低減させ、表示パネル1の損傷が回避され、表示パネル1の使用性能を向上させ、損傷しにくくなる。
【0015】
支持層2及び表示パネル1が回転軸3に巻回された構造では、回転軸3が一つ設置されてもよく、複数設置されてもよい。
【0016】
図1及び図2に示すように、回転軸3が一つだけ設置される場合、支持層2は第1の方向Lの一方側において回転軸3の外周に巻回される。複数の第1の形状部22が第1の表面21に配列される所定の方向は第1の方向Lである。回転軸3に巻回された支持層2及び表示パネル1は回転軸3により第1の状態S1にある部分と第2の状態S2にある部分とに分けられ、第2の状態S2にある部分は、第1の状態S1にある部分の直下に位置する。回転軸3は自身の軸線に沿って正方向又は逆方向に回転することで、回転軸3における異なる第2の形状部31は異なる第1の形状部22と係合することができる。それにより、回転軸3の回転過程において、表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積を増大させ、第2の状態S2にある部分の面積を同時に減少させ、又は、表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積を減少させ、第2の状態S2にある部分の面積を同時に増大させる。
【0017】
図4及び図5に示すように、回転軸3が二つ設置され、かつ支持層2が第1の方向Lの両側においてそれぞれ対応する二つの回転軸3、即ち第1の回転軸及び第2の回転軸に巻回される場合、複数の第1の形状部22が第1の表面21に配列される所定の方向は、第1の方向Lである。第1の回転軸及び第2の回転軸に巻回された支持層2及び表示パネル1は、第1の回転軸及び第2の回転軸により第1の状態S1にある部分及び第2の状態S2にある部分に分けられ、第2の状態S2にある部分が第1の状態S1にある部分の直下に位置する。第1の回転軸及び第2の回転軸がそれぞれ自身の軸線に沿って正方向又は逆方向に回転することができ、かつ第1の回転軸と第2の回転軸との回転方向が反対である。第1の回転軸と第2の回転軸とが反対方向へ回転する過程において、第1の形状部22及び第2の形状部31の係合により表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積を増大させ、第2の状態S2にある部分の面積を減少させ、又は、表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積を減少させ、第2の状態S2にある部分の面積を増大させる。
【0018】
選択的に、回転軸3が二つ以上設置される場合、支持層2が第1の方向Lの少なくとも一方側において回転軸3に巻回される場合、支持層2が第2の方向Wの少なくとも一方側において回転軸3に巻回されてもよい。第1の方向Lに複数の第1の形状部22が配列されるだけでなく、第2の方向Wに同様に複数の第1の形状部22が設置され、第1の方向Lが第2の方向Wと交差する。これにより需要に応じて異なる方向、異なる位置の回転軸3を調整して、対応する位置の第1の形状部22と第2の形状部31とを係合させることで、回転軸3の回転時、表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積を増大又は減少させることができる。
【0019】
複数の第1の形状部22が、第1の表面21に所定の方向に沿って配列されることは、設置された第2の形状部31の数、配列方式、調整された位置に基づいて決定される。
【0020】
図6に示すように、支持層2の第1の表面21は、係合領域D1及び貼り合わせ領域D2を含み、貼り合わせ領域D2は、係合領域D1の回転軸3の軸方向に垂直な方向における少なくとも一方側に位置し、第1の形状部22は、係合領域D1に設置され、貼り合わせ領域D2の表面は平らである。貼り合わせ領域D2の表面を平らに設置し、支持層2を対応する位置に貼り合わせて固定することで、表示パネル1の取り付け固定を実現し、表示パネル1が脱落しやすいことを回避する。なお、第1の表面21に区画される係合領域D1及び貼り合わせ領域D2は、設置された回転軸3と支持層2との係合構造の違いに応じて適応的に調整することができ、貼り合わせ領域D2が係合領域D1の回転軸3の軸方向に垂直な方向における少なくとも一方側に位置するという配置形式に限定されない。第1の表面21が平らな貼り合わせ領域D2を有して表示パネル1を固定接続し、接続の強度、安定性を向上させ、かつ第1の表面21が有する係合領域D1には、対応する位置の回転軸3に応じて対応する所定の方向に沿って配列された複数の第1の形状部22を設置することで、表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積を調整して応力集中による表示パネル1の使用性能への影響を与えないように設定すればよい。
【0021】
いくつかの選択可能な実施例において、表示パネル1の非表示面11に設置された支持層2は、変形能力を有しかつ一定の強度を有する構造であり、例えば鋼板である。これにより、フレキシブル表示パネル1に支持力を提供することができ、表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積の大きさを調整する場合に表示パネル1に局部的に皺が発生しやすいことを回避することができる。同時に、支持層2に複数の第2の形状部31と噛み合う複数の第1の形状部22が設置され、回転軸3の回転力が支持層2に作用することで、表示パネル1への直接的な損傷を回避することができる。
【0022】
選択的に、支持層2は、部分的に回転軸3に巻回される必要があるため、支持層2が高い変形能力を有することを保証するために、図7に示すように、支持層2に均一に分布する複数の第1の貫通孔23が設けられて、バランスよく力がかかる。支持層2に複数の第1の貫通孔23を設けることで支持層2の変形能力を向上させる場合、複数の第1の貫通孔23は少なくとも係合領域D1に均一に配置され、これを土台として、係合領域D1に複数の第1の形状部22を配置することができる。第1の形状部22を複数の第1の貫通孔23を有する係合領域D1に接続する場合、第1の形状部22が表示パネル1の正投影方向において第1の貫通孔23と少なくとも部分的に重なる場合があり、即ち、前記第1の形状部の前記係合領域への正投影は少なくとも部分的に前記第1の貫通孔内に位置する。あるいは、第1の形状部22と支持層2とが一体成形され、第1の貫通孔23が係合領域D1に均一に配置される場合、第1の貫通孔23はさらに一部の第1の形状部22を貫通してもよい。ここで具体的に限定されない。
【0023】
図8及び図9に示すように、第1の形状部22及び第2の形状部31が噛み合う歯車及びラックである場合、複数のラックは係合領域D1において、貼り合わせ領域D2及び係合領域D1の配列方向に沿って配列され、かつ複数のラックの断面は波形を呈する。これにより、歯車軸の回転時に異なる歯車とラックとが噛み合って変換される力を節約し、噛み合い運動の効果に役立つ。
【0024】
選択的に、ラックと支持層2とは一体成形され、これにより接続強度を向上させる。
【0025】
設置された第1の貫通孔23が、ラックと支持層2との係合、ラックと歯車軸との噛み合い、及び貼り合わせ領域D2の貼り合わせ固定強度に対し影響を与えることを回避するために、複数の第1の貫通孔23は係合領域D1に均一に設けられ、かつ第1の貫通孔23が設けられた箇所はラックと干渉しない。例えば、第1の貫通孔23は隣接するラックの間に形成された凹み位置に位置してもよく、又は、第1の貫通孔23は係合領域D1における複数のラックが設置されていない箇所に位置してもよい。
【0026】
一つの具体的な実施例において、複数の第1の形状部22は、係合領域D1に配置された複数の第2の貫通孔として直接設けられてもよい。例えば、複数の第2の貫通孔は係合領域D1にアレイ状に配列され、複数の第2の形状部31は回転軸3の周方向に配置された複数の凸起として設置される。アレイ状に配列された第2の貫通孔と係合することを実現するために、複数の凸起は回転軸3の周方向の外表面にドットマトリクス状に配列され、これにより回転軸3の回転過程で異なる凸起が対応する第2の貫通孔と係合するよう駆動し、さらに、両者の係合により支持層2及び表示パネル1を運動させるよう駆動し、同時に、支持層2における第2の貫通孔の設置により、支持層2自身の変形能力を向上させると共に、十分な支持力を有して表示パネル1を支持し、表示パネル1の使用時の安定性を向上させることができる。
【0027】
以下、回転軸3を一つだけ設置する場合に支持層2が第1の方向Lの一方側において回転軸3に巻回された構造を例として、表示モジュールの構造を具体的に説明する。
【0028】
図10及び図11に示すように、表示モジュールは、第1のフレーム5及び第2のフレーム6をさらに含む。第2のフレーム6は、第1のフレーム5と対向して設置され、第2のフレーム6と第1のフレーム5とで少なくとも第1のウィンドウD4を取り囲んでいる。第1のフレーム5と第2のフレーム6のうちの内部は電子部品を配置するためのものであり、第2のフレーム6と第1のフレーム5とは互いに接近するか又は離間することで、第1のウィンドウD4の面積を変更することができる。表示パネル1における第1の状態S1にある部分は第1のウィンドウD4に設置され、これにより第1の状態S1にある部分が可視部分となり、第2の状態S2にある部分が歯車軸に巻回された後に常に第1のフレーム5と第2のフレーム6の内部に位置し、第2の状態S2にある部分が見えない収納部分となるようにする。
【0029】
選択的に、第1のフレーム6と第2のフレーム5において表示パネル1における第2の状態S2にある部分に対応する位置に第2のウィンドウD5がさらに設置されてもよく、表示パネル1における第2の状態S2にある少なくとも一部は第2のウィンドウD5により可視化を部分的に実現することで、需要に応じて異なる方向において表示パネル1の一部を可視化し、使用性能を向上させることができる。
【0030】
なお、第2のフレーム6と第1のフレーム5とが互いに接近するか又は離間する方式は様々な選択肢が可能である。例えば、いくつかの実施例において、第2のフレーム6と第1のフレーム5にそれぞれ係合されたガイドレール及びスライダを設置することができる。外力により第2のフレーム6を駆動すると、第2のフレーム6を第1の方向Lに沿って運動させて第1のフレーム5に接近又は離間させ、さらに両者で囲まれた第1のウィンドウD4の面積の大きさを調整することができる。
【0031】
表示パネル1、支持層2、回転軸3を第1のフレーム5及び第2のフレーム6に取り付ける場合、第1のフレーム5は回転軸3と平行に延びる第1の枠51を含み、第2のフレーム6は回転軸3と平行に延びる第2の枠61を含み、第1の枠51、第2の枠61のうちの少なくとも一方に回転軸3が設置されている。
【0032】
いくつかの選択可能な実施例において、第2のフレーム6は、第1のフレーム5に対し第1の方向Lに沿って接近するか又は離間することができる。貼り合わせ領域D2は、支持層2の第1の方向Lにおける一方側に位置し、第1のフレーム5と貼り合わせて固定するために用いられ、他方側は回転軸3に巻回され、支持層2における貼り合わせ領域D2は第1のフレーム5に固定接続される。回転軸3は、第2の枠61に対応する箇所に位置し、第2のフレーム6に回転可能に接続され、第2のフレーム6を第1のフレーム5に対し接近するか又は離間するように動作させることにより、回転軸3は、同様に第2のフレーム6と共に第1の方向Lにおいて第1のフレーム5に対し接近するか又は離間することができる。また、このような回転軸3が第1の方向Lに沿ってスライドしながら運動する過程において、回転軸3は回転可能であり、これにより回転力により、回転軸3上の第2の形状部31が支持層2において係合される第1の形状部22に作用し、異なる第1の形状部22と第2の形状部31との噛み合いを実現し、さらに第1のウィンドウD4の面積の変更を実現すると同時に表示パネル1における第1の状態S1にある部分の面積もそれに伴って変更することができ、表示パネル1の局所的な皺の発生を回避することができる。
【0033】
選択的に、図9に示すように、支持層2は第1の表面21に位置するガイド領域D3をさらに含み、ガイド領域D3はガイド平面を有する。係合領域D1の第1の方向Lにおける両側は、それぞれガイド領域D3及び貼り合わせ領域D2であり、支持層2及び表示パネル1が回転軸3に巻回された時、ガイド領域D3及び貼り合わせ領域D2は回転軸3の両側に位置し、両者は互いに平行である。第2のフレーム6にリミット平面を有するリミット部が設けられ、支持層2のガイド領域D3は少なくとも部分的にリミット部に挿入され、ガイド領域D3のガイド平面はリミット平面と少なくとも部分的に接触して係合され、かつ回転軸3の回転時にガイド平面がリミット平面に沿って相対的に運動することで、表示パネル1の回転軸3の両側に位置する部分が互いに平行な状態になり、回転軸3の回転時に第1の形状部22及び第2の形状部31と係合する効果を向上させ、表示パネル1の局所的な皺の発生を回避することができる。
【0034】
いくつかの他の選択可能な実施例において、表示モジュールは、第1のフレーム5及び第2のフレーム6の少なくとも一方に設置され、第1のフレーム5と第2のフレーム6との間の距離情報を取得するための距離検出装置7と、回転軸3に接続され、回転軸3を回転させるように駆動するための駆動装置4と、距離検出装置7及び駆動装置4に電気的に接続され、距離情報に応じて駆動装置4の回転を制御するコントローラと、をさらに含む。設置された距離検出装置7により、第2のフレーム6が第1のフレーム5に対しスリップしたか否かを検出し、かつ検出情報をコントローラにフィードバックし、これによりコントローラはフィードバックされた情報に基づいて駆動装置4の動作の有無を制御し、さらに回転軸3の回転又は回転停止を制御することを実現し、表示パネルにおける第1の状態S1にある部分の面積の増大又は減少の自動調整を実現することができる。
【0035】
選択的に、距離検出装置7は、第1の検出部71及び第2の検出部72を有し、第1の検出部71は第1のフレーム5に設けられ、第2の検出部72は第2のフレーム6に設けられ、第1の検出部71及び第2の検出部72は、回転軸3の軸方向に垂直な方向において対向して設けられている。
【0036】
選択的に、駆動装置4は、モータであってもよく、モータの出力軸は回転軸3側に同軸に固定接続され、モータの起動により、回転軸3を自身の軸線周りに回転させることができる。
【0037】
表示モジュールは、運動状態、一時停止状態及び緊張状態を含む。運動状態において、第2のフレーム6と第1のフレーム5とが、互いに接近するか又は離間し、回転軸3により支持層2を回転させることで、表示パネル1の一部が第1の状態S1と第2の状態S2との間で変換される。一時停止状態において、第2のフレーム6と第1のフレーム5との間の距離が変化せず、回転軸3が回転を一時停止する。運動状態から一時停止状態に変換されたとき、第2のフレーム6と第1のフレーム5との間を一時停止状態での距離に維持して、回転軸3により支持層2を所定の角度回転させることで、表示パネル1における第1の状態S1にある部分を緊張させ、表示モジュールを緊張状態にする。
【0038】
理解できるように、第2のフレーム6を第1のフレーム5から最も近い距離(図11を参照)に位置させ、第1のフレーム5及び第2のフレーム6で囲まれた第1のウィンドウD4の面積が最も小さい時の状態を初期状態として定義する。この初期状態から、外力により第2のフレーム6が第1の方向Lに沿って第1のフレーム5から離間するように運動した場合、距離検出装置7は、第1のフレーム5と第2のフレーム6との間の距離が増大したことを検出し、かつ第1の検出信号を形成し、当該第1の検出信号をコントローラにフィードバックする。コントローラは、第1の検出信号を受信すると、駆動装置4を起動するように制御し、回転軸3を回転させる。回転軸3は第2のフレーム6と共に第1のフレーム5から離間する方向に運動しながら、回転軸3の回転によりその異なる第2の形状部31を支持層2上の異なる第1の形状部22と係合させる相対運動を発生させ、これにより支持層2上に位置する表示パネル1の局所的なスライドが発生し、さらに表示パネルにおける第1の状態S1にある可視部分の面積を増大させ、第2の状態S2にある不可視部分の面積を減少させる。第1の状態S1にある可視部分の面積が必要な面積まで増大した後、外力が取り消され、第2のフレーム6と第1のフレーム5との間の距離が変更せず、両者が一時停止状態になる。この時、距離検出装置7は、第1のフレーム5と第2のフレーム6との間の距離の変化が停止したことを検出し、第2の検出信号を形成し、当該第2の検出信号をコントローラにフィードバックする。コントローラは、第2の検出信号を受信すると、まず表示モジュールを緊張状態にし、即ち駆動装置4を制御して継続的に起動させ、かつ回転軸3にこの時支持層2を所定角度回転させ、これによって表示パネル1における第1の状態S1にある部分に平らな力を提供し、表示パネル1を平坦化させ、スクリーン表面を緊張状態にさせ、小さな皺がないようにする。さらに、表示モジュールを一時停止状態にさせかつ維持させ、即ち緊張状態により表示パネル1を平らにした後、コントローラは駆動装置4が運動を停止するように制御する。回転軸3への作用力がなくなると、第1の形状部22及び第2の形状部31は当該係合状態を維持しかつ相対的に静止し、表示パネルにおける第1の状態S1にある部分の面積はこの時の大きさに維持される(図10を参照)。同様に、第2のフレーム6を第1の方向Lに沿って第1のフレーム5に接近するよう運動させる外力がある場合、上記のような原理で動作するので、ここでは詳細に説明しない。
【0039】
選択的に、緊張状態になる時、回転軸3により支持層2を回転させる所定の角度は、表示パネル1に平坦化力を与えるために1度~3度とすることができる。設定された所定の角度の大きさは、実際の表示パネル1自身の柔軟性等の要因に関連するので、ここで具体的に限定されない。
【0040】
本願の実施例は、表示装置をさらに提供し、当該表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ又は表示機能を有する他の電子機器であってもよい。当該表示装置は、上記のいずれかの実施例に記載の表示モジュールを含むことで、設けられた表示モジュールにより必要なスクリーン展開部分の面積の増大又は減少を実現することができる。
図1
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図6
図7
図8
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図10
図11
図12