(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-26
(45)【発行日】2024-05-09
(54)【発明の名称】設問作成支援装置、設問作成支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/105 20230101AFI20240430BHJP
G06Q 10/0635 20230101ALI20240430BHJP
【FI】
G06Q10/105
G06Q10/0635
(21)【出願番号】P 2024007840
(22)【出願日】2024-01-23
(62)【分割の表示】P 2023045020の分割
【原出願日】2023-03-22
【審査請求日】2024-01-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501266110
【氏名又は名称】株式会社リンクアンドモチベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】小笹 芳央
(72)【発明者】
【氏名】坂下 英樹
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-23879(JP,A)
【文献】特開2018-5624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0158028(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得部と、
前記項目ごとの前記相関情報を用いて、前記N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記N個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、当該決定に関する決定情報を取得する決定部と、
前記決定情報を出力する出力部とを具備する設問作成支援装置。
【請求項2】
2以上の各構成員ごとに、N個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと、当該構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを取得する構成員スコア取得部をさらに具備し、
前記相関取得部が用いる前記2以上の構成員スコアは、前記構成員スコア取得部が取得した2以上の構成員スコアである請求項1記載の設問作成支援装置。
【請求項3】
前記N個の各設問は、設問の2以上の分類のうちの一の分類を特定する分類識別子に対応付いており、
前記決定部は、
2以上の各分類ごとに、分類を特定する分類識別子に対応するM(3<=M<N)個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記M個の設問のうちの統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、前記決定情報を取得する請求項1または請求項2記載の設問作成支援装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記2以上の各分類識別子に対応する設問数が同一またはばらつきが閾値以下になるように、分類識別子に対応するM個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記M個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定し、当該決定に関する決定情報を取得する統合決定処理のうちの1以上の処理を行う請求項3記載の設問作成支援装置。
【請求項5】
少なくとも一つの設問に対応付く前記回答スコアは、いずれかの分類識別子に対応付いており、
同一の分類識別子に対応するM個の回答スコアの相関情報のパターンを特定する2以上の各相関パターン識別子に、前記決定部が行う処理を特定する処理識別子が対応付いており、
前記処理識別子が特定する処理は、前記削除決定処理または前記統合決定処理のいずれかであり、
前記決定部は、
前記2以上の各分類ごとに、分類を特定する分類識別子に対応するM個の回答スコアの相関情報のパターンを特定する相関パターン識別子を取得し、当該相関パターン識別子と対になる処理識別子を取得し、当該処理識別子が特定する処理を行い、前記決定情報を取得する請求項3記載の設問作成支援装置。
【請求項6】
前記構成員スコアは、1以上の組織属性値に対応付いており、
前記構成員スコア取得部は、
1以上の組織属性値を用いた組織条件を満たす2以上の各構成員の構成員スコアを取得し、
前記相関取得部は、
前記構成員スコア取得部が取得した前記2以上の構成員スコアを用いて前記相関情報を取得する請求項2記載の設問作成支援装置。
【請求項7】
前記N個の各設問は、2以上の分類識別子のうちのいずれかの分類識別子に対応付いており、
少なくとも一つの設問に対応付く前記3以上の各回答スコアは、いずれかの分類識別子に対応付いており、
前記相関取得部は、
異なる分類識別子に対応付く2以上の回答スコアの間の相関情報を取得し、
前記決定部は、
前記2以上の回答スコアの間の相関情報を用いて、前記2以上の回答スコアのうちの少なくとも一つの回答スコアに対応付く設問であり、削除する設問を決定する削除決定処理、または前記2以上の回答スコアのうちの少なくとも一つの回答スコアに対応付く2以上の設問であり、1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、前記決定情報を取得する請求項1または請求項2記載の設問作成支援装置。
【請求項8】
前記N個の設問は、2以上の設問を有し、項目に対応するX(X>=3)組の設問組であり、
前記決定部は、
前記2以上の各回答スコアの前記相関情報を用いて、前記X組の設問組のうちの削除する設問組を決定する削除決定処理、または前記X組の設問組のうちの統合する2以上の設問組を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、前記決定情報を取得する請求項1記載の設問作成支援装置。
【請求項9】
前記設問組は、項目に対する期待度と満足度とを問う2つの設問を有し、
前記総合スコアは、前記項目に対する前記期待度の回答と前記項目に対する前記満足度の回答の2つの回答を用いて取得された項目スコアを用いて取得されたスコアである請求項8記載の設問作成支援装置。
【請求項10】
前記相関取得部は、
前記項目ごとに、前記項目に対する前記期待度の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する第一相関情報を取得し、かつ前記項目に対する前記満足度の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する第二相関情報を取得し、当該第一相関情報と当該第二相関情報とに基づく相関情報を取得し、
前記決定部は、
前記項目ごとの前記相関情報を用いて、前記X組の設問組のうちの削除する設問組を決定する削除決定処理、または前記X組の設問組のうちの統合する2以上の設問組を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、前記決定情報を取得する請求項9記載の設問作成支援装置。
【請求項11】
相関取得部と、決定部と、出力部とにより実現される設問作成支援方法であって、
前記相関取得部が、2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得ステップと、
前記決定部が、前記項目ごとの前記相関情報を用いて、前記N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記N個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、当該決定に関する決定情報を取得する決定ステップと、
前記出力部が、前記決定情報を出力する出力ステップとを具備する設問作成支援方法。
【請求項12】
コンピュータを、
2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得部と、
前記項目ごとの前記相関情報を用いて、前記N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記N個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、当該決定に関する決定情報を取得する決定部と、
前記決定情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンケートを構成する設問の作成を支援する設問作成支援装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人事労務情報とエンゲージメントとの関係を分析する技術を提供することを目的とし、従業員の人事労務情報を管理するデータベースと、前記従業員に対して仕事に関する質問項目を送信する質問送信部と、前記従業員から前記質問項目に関する回答を受信する回答受信部と、前記回答に基づいて前記従業員のエンゲージメントを算出する指標算出部と、前記エンゲージメントと前記データベースに含まれる前記人事労務情報との関係性を分析する分析部と、を備えることを特徴とする人事管理システムがあった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、エンゲージメント等の総合スコアを取得する場合の設問数が多く、構成員への負担が大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の設問作成支援装置は、2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得部と、項目ごとの相関情報を用いて、N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはN個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定に関する決定情報を取得する決定部と、決定情報を出力する出力部とを具備する設問作成支援装置である。
【0006】
かかる構成により、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0007】
また、本第二の発明の設問作成支援装置は、第一の発明に対して、2以上の各構成員ごとに、N個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと、構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを取得する構成員スコア取得部をさらに具備し、相関取得部が用いる2以上の構成員スコアは、構成員スコア取得部が取得した2以上の構成員スコアである設問作成支援装置である。
【0008】
かかる構成により、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0009】
また、本第三の発明の設問作成支援装置は、第一または第二の発明に対して、N個の各設問は、設問の2以上の分類のうちの一の分類を特定する分類識別子に対応付いており、決定部は、2以上の各分類ごとに、分類を特定する分類識別子に対応するM(3<=M<N)個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはM個の設問のうちの統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する設問作成支援装置である。
【0010】
かかる構成により、各分類の中の設問数のバランスを担保できる結果、総合スコアを取得する際のバランスの良い適切な設問の集合が得られる。
【0011】
また、本第四の発明の設問作成支援装置は、第三の発明に対して、決定部は、2以上の各分類識別子に対応する設問数が同一またはばらつきが閾値以下になるように、分類識別子に対応するM個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはM個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定し、決定に関する決定情報を取得する統合決定処理のうちの1以上の処理を行う設問作成支援装置である。
【0012】
かかる構成により、各分類の中の設問数のバランスを担保できる結果、総合スコアを取得する際のバランスのより良い適切な設問の集合が得られる。
【0013】
また、本第五の発明の設問作成支援装置は、第三または第四の発明に対して、少なくとも一つの設問に対応付く回答スコアは、いずれかの分類識別子に対応付いており、同一の分類識別子に対応するM個の回答スコアの相関情報のパターンを特定する2以上の各相関パターン識別子に、決定部が行う処理を特定する処理識別子が対応付いており、処理識別子が特定する処理は、削除決定処理または統合決定処理のいずれかであり、決定部は、2以上の各分類ごとに、分類を特定する分類識別子に対応するM個の回答スコアの相関情報のパターンを特定する相関パターン識別子を取得し、相関パターン識別子と対になる処理識別子を取得し、処理識別子が特定する処理を行い、決定情報を取得する設問作成支援装置である。
【0014】
かかる構成により、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0015】
また、本第六の発明の設問作成支援装置は、第二から第五いずれか1つの発明に対して、構成員スコアは、1以上の組織属性値に対応付いており、構成員スコア取得部は、1以上の組織属性値を用いた組織条件を満たす2以上の各構成員の構成員スコアを取得し、相関取得部は、構成員スコア取得部が取得した2以上の構成員スコアを用いて相関情報を取得する設問作成支援装置である。
【0016】
かかる構成により、組織条件ごとの適切な設問集合を提案できる。
【0017】
また、本第七の発明の設問作成支援装置は、第一または第二の発明に対して、N個の各設問は、2以上の分類識別子のうちのいずれかの分類識別子に対応付いており、少なくとも一つの設問に対応付く3以上の各回答スコアは、いずれかの分類識別子に対応付いており、相関取得部は、異なる分類識別子に対応付く2以上の回答スコアの間の相関情報を取得し、決定部は、2以上の回答スコアの間の相関情報を用いて、2以上の回答スコアのうちの少なくとも一つの回答スコアに対応付く設問であり、削除する設問を決定する削除決定処理、または2以上の回答スコアのうちの少なくとも一つの回答スコアに対応付く2以上の設問であり、1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する設問作成支援装置である。
【0018】
かかる構成により、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0019】
また、本第八の発明の設問作成支援装置は、第一から第七いずれか1つの発明に対して、N個の設問は、2以上の設問を有し、項目に対応するX(X>=3)組の設問組であり、決定部は、2以上の各回答スコアの相関情報を用いて、X組の設問組のうちの削除する設問組を決定する削除決定処理、またはX組の設問組のうちの統合する2以上の設問組を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する設問作成支援装置である。
【0020】
かかる構成により、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0021】
また、本第九の発明の設問作成支援装置は、第八の発明に対して、設問組は、項目に対する期待度と満足度とを問う2つの設問を有し、総合スコアは、項目に対する期待度の回答と項目に対する満足度の回答の2つの回答を用いて取得された項目スコアを用いて取得されたスコアである設問作成支援装置である。
【0022】
かかる構成により、項目に対する期待度と満足度とを問うアンケートに基づいて総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0023】
また、本第十の発明の設問作成支援装置は、第九の発明に対して、相関取得部は、項目ごとに、項目に対する期待度の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する第一相関情報を取得し、かつ項目に対する満足度の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する第二相関情報を取得し、第一相関情報と第二相関情報とに基づく相関情報を取得し、決定部は、項目ごとの相関情報を用いて、X組の設問組のうちの削除する設問組を決定する削除決定処理、またはX組の設問組のうちの統合する2以上の設問組を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する設問作成支援装置である。
【0024】
かかる構成により、項目に対する期待度と満足度とを問うアンケートに基づいて総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による設問作成支援装置によれば、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施の形態1における設問作成支援装置1のブロック図
【
図2】同次設問作成支援装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図3】同決定処理の第一の例について説明するフローチャート
【
図4】同分類集約処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同決定情報取得処理の例について説明するフローチャート
【
図6】同決定処理の第二の例について説明するフローチャート
【
図7】同集約処理の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、設問作成支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態において、複数の設問に対する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得し、複数の設問から一部の設問を削除するまたは/および一部の設問を統合することにより、複数の設問から設問数を減少させるための支援を行う設問作成支援装置について説明する。なお、総合スコアは、例えば、エンゲージメントスコアと言われるスコアである。
【0029】
また、本実施の形態において、2以上の各分類ごとに、項目と総合スコアとの相関情報を取得し、一部の設問を削除する、または/および一部の設問を統合することにより、複数の設問から設問数を減少させるための支援を行う設問作成支援装置について説明する。
【0030】
また、本実施の形態において、異なる分類の項目の相関情報を取得し、一部の設問を削除する、または/および一部の設問を統合することにより、設問数を減少させるための支援を行う設問作成支援装置について説明する。
【0031】
また、本実施の形態において、2以上の各分類の中の設問数を同じ又はばらつきを少なくするように設問を決定することを支援する設問作成支援装置について説明する。
【0032】
また、本実施の形態において、一の分類の中の項目の相関情報のパターンを決定し、パターンに応じて、一部の設問を削除する、または/および一部の設問を統合することにより、設問数を減少させるための支援を行う設問作成支援装置について説明する。
【0033】
さらに、本実施の形態において、1以上の各条件ごとに、設問を集約するための支援を行う設問作成支援装置について説明する。
【0034】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0035】
図1は、本実施の形態における設問作成支援装置1のブロック図である。設問作成支援装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、項目情報格納部111、回答情報格納部112、個別スコア表格納部113、組織情報格納部114、パターン管理部115、および構成員スコア管理部116を備える。受付部12は、条件受付部121を備える。処理部13は、構成員スコア取得部131、相関取得部132、決定部133を備える。構成員スコア取得部131は、回答スコア取得手段1311、および総合スコア取得手段1312を備える。
【0036】
設問作成支援装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、後述する項目情報、後述する回答情報、後述する個別スコア表、後述する組織情報、後述するパターン情報、後述する構成員スコアである。なお、個別スコア表は、エンゲージメントスコア表などと言っても良い。
【0037】
項目情報格納部111には、2以上の項目情報が格納される。項目情報は、項目に関する情報である。項目情報は、例えば、組織の項目に関する情報である。項目は、組織に関する設問であっても良い。また、項目は、1または2以上の各設問に対応付いていても良い。2以上の項目には、例えば、組織の総合的な事項に関する総合的項目と組織の個別的な項目である個別項目とがある。なお、総合的項目は、通常、抽象度の高い設問に対する項目である。また、個別項目は、通常、抽象度がより低い設問(より具体的な設問)に対する項目である。また、項目情報格納部111の2以上の項目情報は、例えば、4つの総合的項目の項目情報と64の個別項目の項目情報とを有する。項目情報格納部111の2以上の項目情報は、例えば、64の個別項目の項目情報でも良い。また、項目は、例えば、2以上のうちのいずれかの分類に対応する。分類は、対象、ファクターと言っても良い。また、分類は、例えば、組織に関わる事項と言っても良い。また、項目情報は、例えば、項目を識別する項目識別子、設問情報を有する。また、項目識別子は、例えば、ID、項目名等である。項目識別子は、設問情報そのものでも良い。設問情報は、設問を示す情報である。設問情報は、適宜、単に「設問」と言う。なお、設問とは、通常、アンケートの設問である。設問は、質問と言っても良い。設問は、組織に関する設問であることは好適であるが、問わない。
【0038】
また、本明細書において、設問の内容は問わない。また、本明細書において、設問の対象は組織の構成員でなくても良い。構成員は、ユーザと言っても良い。ただし、本明細書において、2以上の各項目が、2以上の設問を有する設問群に対応することは好適である。項目に対する設問群は、例えば、ある項目に対する期待度を問う設問と満足度を問う設問を含む2または3以上の設問である。なお、期待度は、重要度、重視度等の、同一または類似または関連する意味を有する他の用語に置き換えても良いことは言うまでもない。満足度は、評価値、達成度、充足度等の、同一または類似または関連する意味を有する他の用語に置き換えても良いことは言うまでもない。
【0039】
回答情報格納部112には、2以上の各構成員の回答情報が格納される。回答情報は、構成員に対する設問の回答を示す情報である。なお、構成員は、単に、ユーザと言っても良い。
【0040】
また、回答情報は、例えば、組織を識別する組織識別子に対応付いている。組織識別子は、組織名、組織を識別するID等である。また、回答情報は、例えば、組織の1以上の属性値である組織属性値に対応付いている。組織属性値は、例えば、組織の業種を示す業種識別子(例えば、銀行、アパレル、メーカーなど)、組織の規模を分類する規模識別子(例えば、大企業、中小企業、零細企業、個人事業など)、組織の経営状況に基づく組織のカテゴリー(例えば、黒字企業、赤字企業など)を示す情報、本社の地域を示す地域識別子、組織内の部門を識別する部門識別子(例えば、人事、経理、研究所、技術部門、営業部門、製造部門等)、上場しているか否かを示す上場識別子、組織のステージを示すステージ識別子(例えば、創成期、拡大期、多角化期、再生期など)、事業モデルを示す事業モデル識別子(例えば、複数の種類の事業を行うイノベーター、一つ等の少ない種類の事業を行いかつ人に依存する事業であるプロフェッショナル、一つ等の少ない種類の事業を行いかつ仕組みに依存する事業であるオペレーター等)等である。なお、業種は、金融、メーカー、商社、サービス等の大きな分類でも良いし、銀行、証券、電気メーカー、食品メーカー、機械メーカー等の小さな分類でも良い。業種の分け方等は問わないことは言うまでもない。
【0041】
一の組織の構成員回答情報の集合を組織回答情報と言う。組織回答情報は、1または2以上の各構成員に対応する1または2以上の構成員回答情報を有する。構成員回答情報は、一の構成員が項目に対する設問に回答した結果を含む情報である。構成員回答情報は、2以上の項目回答情報を有する。構成員回答情報は、通常、項目数の分の項目回答情報を有する。項目回答情報は、項目識別子と回答情報とを有する。回答情報は、設問に対する回答に関する情報である。回答情報は、例えば、満足度情報を有する。なお、満足度情報は、単に「満足度」と言っても良い。満足度情報とは、項目に対する構成員の満足の度合いに関する回答を示す情報である。満足度情報は、例えば、項目に対する満足度を特定する情報である。満足度情報は、2以上のクラスに分類される。満足度情報は、例えば、1から5のいずれかの自然数を採り得る。ただし、満足度情報は、例えば、A、B、Cといった、ランクや順序を有する評価値でも良いし、1から100までのいずれかの自然数等でも良い。また、回答情報は、例えば、満足度情報と期待度情報とを有する。期待度情報は、項目に対する構成員の期待の度合いに関する回答を示す情報である。期待度情報は、単に「期待度」と言っても良い。期待度情報は、例えば、項目に対する期待度を特定する情報である。期待度情報は、2以上のクラスに分類される。期待度情報は、例えば、1から5のいずれかの自然数を採り得る。ただし、期待度情報は、例えば、A、B、Cといった、ランクや順序を有する評価値でも良いし、1から100までのいずれかの自然数等でも良い。なお、項目や設問等の内容は問わない。また、構成員とは、例えば、企業の従業員、学校の職員、役所の職員等であるが、企業の役員等も含んでいても良い。構成員は、アルバイトでも良い。
【0042】
また、総合的項目は、例えば、会社に満足している度合いを示す会社満足度、仕事に満足している度合いを示す仕事満足度、上司に満足している度合いを示す上司満足度、職場に満足している度合いを示す職場満足度等である。また、個別項目は、例えば、自社の事業優位性、戦略目標の発信と伝達、全体的な連帯感、評価・給与の妥当性等である。
【0043】
個別スコア表格納部113には、個別スコア表が格納される。個別スコア表は、ここでは、満足度情報と期待度情報とを与えた場合に、項目スコアが決定される情報である。個別スコア表は、ここでは、例えば、満足度情報の軸と期待度情報の軸とを有する表であり、表の各セルに個別スコアが記載され、満足度情報と期待度情報とが決定した場合に、項目スコアが決定される表である。かかる個別スコア表は、満足度情報が示す満足度が大きいほど、大きい項目スコアが取得され、期待度情報が示す期待度が小さいほど、大きい項目スコアが取得される表であることは好適である。
【0044】
項目スコアとは、1または2以上の各設問に対する回答に基づいて取得されたスコアである。項目スコアとは、通常、設問組が有する2以上の各設問に対する回答に基づくスコアである。ただし、項目スコアは、一の設問に対する回答に基づくスコアでも良い。設問組は、2または3以上の設問の組である。設問組は、例えば、一の項目に対する期待度を問う設問と、当該一の項目に対する満足度を問う設問の組である。項目スコアは、項目に対するに対する期待度の回答と項目に対する満足度の回答の2つの回答を用いて取得されたスコアであることは好適である。項目スコアは、例えば、項目に対するに対する期待度の回答と項目に対する満足度の回答の2つの回答と対になるスコアであり、個別スコア表から取得されるスコアである。
【0045】
なお、満足度情報と期待度情報とをパラメータとする演算式により項目スコアが決定されても良い。なお、かかる演算式は、満足度情報をパラメータとする増加関数であり、期待度情報をパラメータとする減少関数であることは好適である。
【0046】
また、満足度情報と期待度情報と項目スコアとのセットを複数、機械学習により学習させ、取得した学習情報を用いて、項目スコアが決定されても良い。かかる場合、満足度情報と期待度情報と学習情報に適用し、機械学習により、項目スコアが取得される。なお、ここでの機械学習は、例えば、SVR、深層学習、決定木、ランダムフォレスト等が利用可能である。ただし、機械学習のアルゴリズムは問わない。
【0047】
組織情報格納部114には、2以上の組織情報が格納される。組織情報は、組織に関する情報である。組織情報は、組織識別子と1または2以上の組織属性値とを有する。組織情報は、組織識別子と、組織属性値と、組織に対する総合的なスコアである総合スコアとを有することは好適である。ここでの総合スコアは、組織属性値に依存しない絶対的な総合スコアでも良い。
【0048】
総合スコアとは、2以上の回答スコアを用いて取得されたスコアである。総合スコアは、例えば、2以上の項目スコアを用いて取得されたスコアである。項目スコアを用いて取得されたスコアは、通常、回答スコアを用いて取得されたスコアである。総合スコアは、例えば、一の構成員に対する総合的なスコアである。総合スコアは、2以上の各構成員の総合スコアに基づく、組織の総合的なスコアでも良い。
【0049】
パターン管理部115には、2以上のパターン情報が格納される。パターン情報は、相関パターン識別子と処理識別子との対応を示す情報である。パターン情報は、例えば、相関パターン情報、処理情報を有する。
【0050】
相関パターン識別子とは、2以上の回答スコアの相関情報に関するパターンを識別する情報である。相関パターン識別子は、相関パターン情報を識別する情報である、と言える。回答スコアの相関情報に関するパターンは、項目スコアの相関情報に関するパターンでも良い。パターンは、条件、傾向等と言っても良い。相関パターン情報とは、2以上の各項目の相関情報のパターンを特定する情報である。相関パターン情報は、例えば、2以上の各項目の相関情報の関係を特定する情報、または特定の相関情報の閾値を特定する情報である。
【0051】
処理識別子とは、設問を集約するための処理を識別する情報である。処理識別子は、例えば、処理情報に対応付いている。処理識別子は、処理情報そのものでも良い。処理識別子は、例えば、「削除」「統合」である。処理識別子「削除」は、設問を削除することである。処理識別子「統合」は、2または3以上の設問を統合することである。「統合」は、2以上の設問から、当該2以上の設問の内容を含む設問を作成することである。なお、設問を集約するための処理は、通常、決定部133が行う処理である。処理情報は、例えば、特定の設問を削除する処理を特定する情報である。処理情報は、例えば、特定の2または3以上の設問を統合する処理を特定する情報である。
【0052】
構成員スコア管理部116には、2以上の構成員スコアが格納される。構成員スコアは、構成員識別子に対応付いていることは好適である。構成員スコアは、組織識別子に対応付いていることは好適である。構成員スコアは、当該組織識別子に対する1以上の組織属性値に対応付いていることは好適である。
【0053】
構成員スコアとは、構成員ごとのスコアである。構成員スコアは、総合スコアを有する。構成員スコアは、通常、2以上の各設問に対する回答に基づく回答スコアを有する。一の回答スコアは、一の設問に対する回答に基づくスコアでも良い。一の回答スコアは、一の設問に対する回答そのものでも良い。一の回答スコアは、例えば、項目に対する期待度または満足度を問う設問に対する回答である。一の回答スコアは、例えば、項目スコアである。項目スコアは、一の設問組の中の各設問の回答に基づくスコアである。項目スコアは、例えば、項目に対する期待度を問う設問に対する回答スコア、および当該項目に対する満足度を問う設問に対する回答スコアに基づくスコアである。
【0054】
構成員スコア管理部116の構成員スコアを構成する総合スコアは、総合スコア取得手段1312が取得した情報でも良いし、図示しない他の装置が取得し、構成員スコア管理部116に蓄積された情報でも良い。構成員スコア管理部116の構成員スコアを構成する回答スコアは、受付部12が受け付けた回答であっても良いし、受付部12が受け付けた回答から処理部13が取得した回答スコアでも良いし、回答スコア取得手段1311が取得した項目スコアでも良いし、図示しない他の装置が取得し、構成員スコア管理部116に蓄積された情報でも良い。つまり、構成員スコア管理部116に構成員スコアが蓄積される過程は問わない。
【0055】
受付部12は、各種の情報や指示を受け付ける。各種の情報や指示とは、例えば、条件、構成員スコア、回答情報、アンケートの回答情報(構成員回答情報)、開始指示等である。また、ここで、受け付けとは、例えば、図示しない端末装置からの受信であるが、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念として捕らえても良い。
【0056】
開始指示とは、設問作成支援装置1の処理の開始の指示である。開始指示は、後述する条件を含むことは好適である。かかる条件は、条件受付部121が受け付ける条件である。
【0057】
各種の情報や指示の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0058】
条件受付部121は、条件を受け付ける。条件は、構成員スコアを取得するための条件である。条件は、組織条件であることは好適である。組織条件は、1以上の組織属性値を用いた条件である。組織条件は、例えば、「業種識別子=商社」、「規模識別子=大企業」、「部門識別子「人事 OR 経理」である。
【0059】
条件の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。条件受付部121は、組織条件を図示しない端末装置から受信しても良い。
【0060】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、構成員スコア取得部131、相関取得部132、決定部133が行う処理である。各種の処理とは、例えば、受信された構成員スコア、受信された回答情報、受信されたアンケートの回答情報、または受信された組織情報等を格納部11に蓄積する処理である。
【0061】
構成員スコア取得部131は、2以上の各構成員ごとに、構成員スコアを取得する。なお、Nは、3以上の自然数である。構成員スコアは、例えば、N個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと、構成員の総合スコアとを有する。構成員スコア取得部131は、組織の総合スコアを取得しても良い。
【0062】
構成員スコア取得部131は、例えば、構成員スコア管理部116に格納されている1または2以上の構成員スコアを読み出す。
【0063】
構成員スコア取得部131は、例えば、条件受付部121が受け付けた条件を満たす1または2以上の各構成員の構成員スコアを取得する。構成員スコア取得部131は、例えば、当該条件を満たす2以上の各構成員の構成員スコアを、構成員スコア管理部116から取得する。
【0064】
上述したN個の各設問は、一の分類識別子に対応付いていることは好適である。分類識別子は、設問の分類を特定する情報である。分類は、2以上、存在する、とする。つまり、N個の各設問は、例えば、2以上の分類識別子のうちのいずれかの分類識別子に対応付いている。なお、分類は、クラス、グループ、カテゴリー、ファクター、対象等と言っても良い。分類は、例えば、「会社基盤」「理念戦略」である。
【0065】
回答スコア取得手段1311は、回答スコアを取得する。回答スコア取得手段1311は、例えば、設問ごとに、当該設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアを取得する。回答に基づく回答スコアは、回答そのものでも良い。
【0066】
回答スコア取得手段1311は、例えば、構成員スコア管理部116の構成員スコアが有する回答スコアを読み出す。
【0067】
回答スコア取得手段1311は、自ら回答スコアを取得しても良いし、構成員スコア管理部116から回答スコアを読み出しても良い。
【0068】
回答スコア取得手段1311は、例えば、組織ごとに、当該組織の回答情報に含まれる2以上の各項目の回答情報に含まれる満足度情報を統計処理し、項目スコアを組織ごと及び項目ごとに取得する。なお、統計処理は、例えば、平均値の算出であるが、問わない。かかる場合、項目スコアは、回答スコアである、と考えても良い。
【0069】
回答スコア取得手段1311は、例えば、項目ごとに、満足度情報と期待度情報とを用いて、組織ごとに項目スコアを取得する。なお、満足度情報と期待度情報とを用いて項目スコアを取得する対象の項目は、例えば、個別項目である。なお、満足度情報は、項目に対する満足度を問う設問に対する回答である。期待度情報は、項目に対する期待度を問う設問に対する回答である。
【0070】
回答スコア取得手段1311は、例えば、満足度情報が高ければ高いスコアになり、期待度情報が低ければ高いスコアになるように、項目スコアを取得することは好適である。
【0071】
回答スコア取得手段1311は、例えば、2以上の各組織について、2以上の各項目について、回答情報が有する満足度情報の平均値と回答情報が有する期待度情報の平均値とを算出し、2つの平均値を用いて、項目ごとに項目スコアを取得する。
【0072】
回答スコア取得手段1311は、例えば、個別スコア表に、満足度情報と期待度情報とを適用し、項目ごとに、項目スコアを取得しても良い。また、回答スコア取得手段1311は、例えば、個別スコア表に、満足度情報の統計処理結果と期待度情報の統計処理結果とを適用し、項目ごとに、項目スコアを取得しても良い。回答スコア取得手段1311は、例えば、個別スコア表に、満足度情報の平均値と期待度情報の平均値とを適用し、項目ごとに、項目スコアを取得しても良い。回答スコア取得手段1311は、例えば、個別スコア表に、満足度情報の加重平均値と期待度情報の加重平均値とを適用し、項目ごとに、項目スコアを取得しても良い。なお、加重平均値は、構成員の属性値に基づく、加重平均値である。
【0073】
総合スコア取得手段1312は、総合スコアを取得する。総合スコア取得手段1312は、例えば、構成員スコア管理部116の構成員スコアが有する総合スコアを読み出す。総合スコア取得手段1312は、例えば、回答スコア取得手段1311が取得した2以上の各項目の項目スコアを用いて、総合スコアを取得する。総合スコア取得部132は、通常、2以上の各項目スコアが良好なスコアほど、高い総合スコアを取得する。
【0074】
総合スコア取得手段1312は、例えば、2以上の各構成員ごとに、当該構成員の2以上の各項目の項目スコアを用いて、総合スコアを取得する。総合スコア取得手段1312は、例えば、組織に属する2以上の各構成員の総合スコアを用いて、当該組織の総合スコアを取得する。
【0075】
総合スコア取得手段1312は、構成員の総合スコア、および組織の総合スコアのうち、一つまたは2つの総合スコアを取得する。総合スコアは、回答スコアに基づいて取得される。ここで、回答スコアは、項目スコアでも良い。
【0076】
総合スコア取得部132は、例えば、「総合スコア=α×総合的項目に対する項目スコアの統計的スコア+β×個別項目に対する項目スコアの統計的スコア」により、総合スコアを算出しても良い。なお、ここで、(α>β)であることは好適である。つまり、総合スコア取得部132は、総合的項目に対する項目スコアを個別項目に対する項目スコアと比較して、重みを大きくして、総合スコアを取得することは好適である。また、例えば、「α=0.7,β=0.3」である。なお、総合的項目に対する項目スコアの統計的スコアは、例えば、総合的項目に対する項目スコアの平均値、または加重平均等である。個別項目に対する項目スコアの統計的スコアは、例えば、個別項目に対する項目スコアの平均値、または加重平均等である。
【0077】
総合スコア取得手段1312は、自ら総合スコアを取得しても良いし、構成員スコア管理部116か総合スコアを読み出しても良い。
【0078】
相関取得部132は、構成員スコア取得部131が取得した2以上の構成員スコアを用いて相関情報を取得する。
【0079】
さらに具体的には、相関取得部132は、例えば、2以上の各構成員ごとの、N個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する。なお、Nは、3以上の自然数である。
【0080】
相関取得部132は、例えば、2以上の各構成員ごとの、N個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する。なお、Nは、3以上の自然数である。
【0081】
相関取得部132は、例えば、項目ごとに、項目に対する2以上の各設問の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する相関情報(部分相関情報と言っても良い)を取得し、2以上の各設問の部分相関情報とに基づく、項目の相関情報を取得する。2以上の各部分相関情報が大きな値であるほど、かかる場合の項目の相関情報は大きな値となる。項目の相関情報は、例えば、2以上の各部分相関情報をパラメータとする増加関数により算出される。
【0082】
相関取得部132は、例えば、項目ごとに、項目に対する期待度の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する第一相関情報(第一部分相関情報と言っても良い)を取得し、かつ項目に対する満足度の回答に基づく回答スコアと総合スコアとの相関に関する第二相関情報(第二部分相関情報と言っても良い)を取得し、第一相関情報と第二相関情報とに基づく、項目の相関情報を取得する。
【0083】
相関取得部132は、例えば、以下の(1)または(2)または(3)の方法のいずれかにより相関情報を取得する。つまり、相関取得部132は、相関情報を取得する際に、相関関数、ランダムフォレスト、k-分割交差検証等のいずれのアルゴリズムを用いても良い。
(1)相関関数を用いる場合
(1-1)相関関数を用いる場合の基本的な処理
【0084】
相関取得部132は、例えば、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,設問2の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア,総合スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N,O1)(I21,I22,・・・,I2N,O2)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN,OM)を構成員スコア管理部116から取得する。
【0085】
次に、相関取得部132は、設問1から設問Nまでの各設問の回答スコアの総合スコアに対する相関係数を、相関関数により算出し、各設問識別子に対応付けて、相関係数を図示しないバッファに一時蓄積する。
(1-2)(1-1)の変形
【0086】
相関取得部132は、例えば、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問(例えば、期待度を問う設問、満足度を問う設問)ごとに、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア,総合スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N,O1)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN,OM)を構成員スコア管理部116から取得する。
【0087】
次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問ごとに、設問1から設問Nまでの各設問の回答スコアの総合スコアに対する相関係数を、相関関数により算出し、各設問識別子に対応付けて、相関係数を図示しないバッファに一時蓄積する。
【0088】
次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問に対する相関係数をパラメータとする増加関数(例えば、和)により、各項目(設問群)ごとの相関情報を取得し、各項目識別子に対応付けて、相関係数を図示しないバッファに一時蓄積する。なお、ここでは、項目は、2以上の設問の集合である設問群に対応する。
(2)ランダムフォレストを用いる場合
(2-1)ランダムフォレスを用いる場合の基本的な処理
【0089】
相関取得部132は、例えば、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,設問2の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア,総合スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N,O1)(I21,I22,・・・,I2N,O2)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN,OM)を構成員スコア管理部116から取得する。
【0090】
次に、相関取得部132は、構成員のベクトルごとに、(設問1の回答スコア,設問2の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア)を説明変数、総合スコアを目的変数とする2以上の教師データを構成し、当該2以上の教師データをランダムフォレストの学習モジュールに与え、当該学習モジュールを実行し、学習モデルを構築する。次に、相関取得部132は、当該学習モデルにおける、設問1から設問Nまでの各設問の回答スコアの総合スコアに対する影響度を取得し、各設問識別子に対応付けて、影響度を図示しないバッファに一時蓄積する。なお、ランダムフォレストの学習モジュールにおける各パラメータの影響度を取得する技術は公知技術である。
(2-2)(2-1)の変形
【0091】
相関取得部132は、例えば、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問(例えば、期待度を問う設問、満足度を問う設問)ごとに、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア,総合スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N,O1)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN,OM)を構成員スコア管理部116から取得する。
【0092】
次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問ごとに、(設問1の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア)を説明変数、総合スコアを目的変数とする2以上の教師データを構成し、当該2以上の教師データをランダムフォレストの学習モジュールに与え、当該学習モジュールを実行し、学習モデルを構築する。次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問ごとに、当該学習モデルにおける、設問1から設問Nまでの各設問の回答スコアの総合スコアに対する影響度を取得し、各設問識別子に対応付けて、影響度を図示しないバッファに一時蓄積する。
【0093】
次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問に対する影響度をパラメータとする増加関数(例えば、和)により、各項目(設問群)ごとの相関情報を取得し、各項目識別子に対応付けて、相関係数を図示しないバッファに一時蓄積する。なお、ここでは、項目は、2以上の設問の集合である設問群に対応する。
(3)k-分割交差検証を用いる場合
(3-1)k-分割交差検証を用いる場合の基本的な処理
【0094】
相関取得部132は、例えば、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,設問2の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア,総合スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N,O1)(I21,I22,・・・,I2N,O2)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN,OM)を構成員スコア管理部116から取得する。
【0095】
次に、相関取得部132は、N個の設問識別子毎に、当該設問識別子に対応する回答スコアを抜いた説明変数と目的変数のベクトルである教師データを構成する。次に、相関取得部132は、N個の設問識別子毎に、作成した教師データを用いて、k-分割交差検証により学習モデルの精度(Sa)を取得する。次に、相関取得部132は、N個の各設問識別子で識別される設問の相関情報を、各設問識別子に対応する精度(Sa)をパラメータとする減少関数(例えば、「1/Sa」により、算出する。
(3-2)(3-1)の変形
【0096】
相関取得部132は、例えば、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問(例えば、期待度を問う設問、満足度を問う設問)ごとに、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア,総合スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N,O1)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN,OM)を構成員スコア管理部116から取得する。
【0097】
次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問ごとに、当該設問に対応する回答スコアを抜いた説明変数と目的変数のベクトルである教師データを構成する。次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問ごとに、作成した教師データを用いて、k-分割交差検証により学習モデルの精度(Sa)を取得する。次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとの相関情報を、各項目に対応する2以上の各設問に対応する精度(Sa)をパラメータとする減少関数(例えば、「1/Sa」)により、算出する。
【0098】
次に、相関取得部132は、2以上の各項目(設問群)ごとに、各項目に対応する2以上の各設問に対する相関情報をパラメータとする増加関数(例えば、和)により、各項目(設問群)ごとの相関情報を取得し、各項目識別子に対応付けて、相関係数を図示しないバッファに一時蓄積する。なお、ここでは、項目は、2以上の設問の集合である設問群に対応する。
【0099】
相関取得部132は、異なる分類識別子に対応付く2以上の回答スコアの間の相関情報を取得しても良い。つまり、相関取得部132は、例えば、M人の各構成員のベクトル(設問1の回答スコア,設問2の回答スコア,・・・,設問Nの回答スコア)である、(I11,I12,・・・,I1N)(I21,I22,・・・,I2N)・・・(IM1,IM2,・・・,IMN)を構成員スコア管理部116から取得する。次に、Nの各設問ごとのベクトル(構成員1の設問1の回答スコア,構成員2の設問1の回答スコア,・・・,構成員Mの設問1の回答スコア)(構成員1の設問2の回答スコア,構成員2の設問2の回答スコア,・・・,構成員Mの設問2の回答スコア)・・・(構成員1の設問Nの回答スコア,構成員2の設問Nの回答スコア,・・・,構成員Mの設問Nの回答スコア)のベクトルのうち、2つのベクトルの距離を算出し、距離が閾値以内である2以上の設問を検知する。かかる2以上の設問のうち、一の設問のみが選択されることは好適である。
【0100】
決定部133は、削除決定処理または統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定に関する決定情報を取得する。
【0101】
削除決定処理とは、N個の設問のうちの削除する設問を決定する処理である。決定部133は、例えば、相関取得部132が取得した3以上の各項目スコアごとの相関情報を用いて、N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理を行う。
【0102】
統合決定処理とは、N個の設問のうちの1つに纏める2以上の設問を決定する処理である。決定部133は、例えば、相関取得部132が取得した3以上の各項目スコアごとの相関情報を用いて、N個の設問のうちの1つに纏める2以上の設問を決定する統合決定処理を行う。
【0103】
決定情報とは、決定部133が処理の結果、取得する情報である。決定情報は、例えば、削除する設問の情報、統合する設問の情報、集約後の設問である。削除する設問の情報は、削除する設問の設問識別子、または削除する設問、または削除されずに残る設問である。統合する設問の情報は、統合する2以上の各設問の設問識別子、または統合した後の設問である。集約後の設問とは、N個の設問に対して、削除決定処理または統合決定処理のうちの1以上の処理を行った結果であり、数が減った設問の集合である。集約とは、設問の数を減らすことであり、例えば、削除または統合である。
【0104】
決定部133は、例えば、項目ごとの相関情報を用いて、N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはN個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する。
【0105】
決定部133は、例えば、2以上の各分類ごとに、分類を特定する分類識別子に対応するM(3<=M<N)個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはM個の設問のうちの統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する。
【0106】
決定部133は、例えば、2以上の各分類識別子に対応する設問数が同一または設問数のばらつきが閾値以下になるように、分類識別子に対応するM個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはM個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定し、決定に関する決定情報を取得する統合決定処理のうちの1以上の処理を行う。なお、ばらつきが閾値以下であることは、例えば、差が閾値(例えば、「1」)以下であることである。
【0107】
決定部133は、例えば、2以上の各分類ごとに、分類を特定する分類識別子に対応するM個の回答スコアの相関情報のパターンを特定する相関パターン識別子を取得し、当該相関パターン識別子と対になる処理識別子を取得し、処理識別子が特定する処理を行い、決定情報を取得する。処理識別子が特定する処理は、例えば、削除決定処理または統合決定処理のいずれかである。
【0108】
決定部133は、例えば、2以上の回答スコアの間の相関情報を用いて、2以上の回答スコアのうちの少なくとも一つの回答スコアに対応付く設問であり、削除する設問を決定する削除決定処理、または2以上の項目スコアのうちの少なくとも一つの項目スコアに対応付く2以上の設問であり、1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する。
【0109】
決定部133は、例えば、2以上の各回答スコアの相関情報を用いて、X組の設問組のうちの削除する設問組を決定する削除決定処理、またはX組の設問組のうちの統合する2以上の設問組を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する。 設問組は、例えば、項目に対する期待度と満足度とを問う2つの設問を有する。
【0110】
決定部133は、例えば、項目ごとの相関情報を用いて、X組の設問組のうちの削除する設問組を決定する削除決定処理、またはX組の設問組のうちの統合する2以上の設問組を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定情報を取得する。
【0111】
決定部133は、例えば、相関情報が閾値以下または閾値より小さい回答スコアに対応する1または2以上の設問を削除することを決定する。かかる場合、決定部133は、例えば、削除を決定した設問に対応する項目の項目識別子を取得する。
【0112】
2以上の各分類ごとの予め決められた残項目数がR(例えば、2)である場合、決定部133は、例えば、分類識別子に対応する複数の項目スコアのうち、上位R個以外の相関情報が削除条件を満たす場合、上位R個の相関情報を除く相関情報に対応する項目に対応する設問を削除することを決定する。なお、かかる場合の決定条件は、例えば、「R番目の相関情報と(R+1)番目の相関情報との差が閾値以上または閾値より大きいこと」「(R+1)番目の相関情報が閾値以下または閾値未満であること」である。
【0113】
2以上の各分類ごとの予め決められた残項目数がR(例えば、2)である場合、決定部133は、例えば、分類識別子に対応する複数の項目スコアが統合条件を満たす場合、統合条件に対応する2以上の設問を統合することを決定する。なお、統合条件は、例えば、「R番目の相関情報と(R+1)番目の相関情報との差が閾値以下または閾値未満(僅差である)こと」、「すべての相関情報が閾値以上または閾値より大きいこと」である。
【0114】
出力部14は、決定部133が取得した決定情報を出力する。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0115】
格納部11、項目情報格納部111、回答情報格納部112、個別スコア表格納部113、組織情報格納部114、パターン管理部115、および構成員スコア管理部116は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0116】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0117】
受付部12、および条件受付部121は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。受付部12は、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0118】
処理部13、構成員スコア取得部131、相関取得部132、決定部133、回答スコア取得手段1311、および総合スコア取得手段1312は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0119】
出力部14は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部14は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0120】
次に、設問作成支援装置1の動作例について、
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0121】
(ステップS201)受付部12は、開始指示を受け付けたか否かを判断する。開始指示を受け付けた場合はステップS202に行き、開始指示を受け付けなかった場合はステップS20に戻る。
【0122】
(ステップS202)構成員スコア取得部131は、ステップS201で受け付けた開始指示に条件が含まれるか否かを判断する。条件が含まれる場合はステップS203に行き、条件が含まれない場合はステップS204に行く。
【0123】
(ステップS203)構成員スコア取得部131は、ステップS201で受け付けた開始指示に含まれる条件を取得する。
【0124】
(ステップS204)構成員スコア取得部131は、構成員スコア管理部116から2以上の構成員スコアを取得する。なお、ステップS203からステップS204に移行した場合は、構成員スコア取得部131は、条件に合致する2以上の構成員スコアを取得する。また、ステップS202からステップS204に移行した場合は、構成員スコア取得部131は、構成員スコア管理部116からすべての構成員スコアを取得する。
【0125】
(ステップS205)相関取得部132および決定部133は、ステップS204で取得された2以上の構成員スコアを用いて、決定処理を行い、決定情報を取得する。決定処理の例について、
図3、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0126】
(ステップS206)出力部14は、ステップS205で取得された決定情報を出力する。ステップS201に戻る。
【0127】
なお、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0128】
次に、ステップS205の決定処理の第一の例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。ここでの決定処理は、通常、複数の分類が存在する場合の例である。
【0129】
(ステップS301)相関取得部132は、カウンタiに1を代入する。
【0130】
(ステップS302)相関取得部132は、i番目の分類が存在するか否かを判断する。i番目の分類が存在する場合はステップS303に行き、i番目の分類が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0131】
(ステップS303)相関取得部132は、ステップS204で取得した構成員スコアのうち、i番目の分類を識別する分類識別子と対になる回答スコアと総合スコアとを有する構成員スコアを取得する。
【0132】
(ステップS304)相関取得部132は、カウンタjに1を代入する。
【0133】
(ステップS305)相関取得部132は、i番目の分類の中にj番目の項目が存在するか否かを判断する。j番目の項目が存在する場合はステップS306に行き、j番目の項目が存在しない場合はステップS312に行く。なお、項目には、通常、2以上の設問が対応しているが、一つの設問が対応していても良い。
【0134】
(ステップS306)相関取得部132は、カウンタkに1を代入する。
【0135】
(ステップS307)相関取得部132は、j番目の項目の中にk番目の設問が存在するか否かを判断する。k番目の設問が存在する場合はステップS308に行き、k番目の設問が存在しない場合はステップS310に行く。
【0136】
(ステップS308)相関取得部132は、j番目の項目の中のk番目の設問に対する回答スコアの総合スコアに対する相関情報を取得する。
【0137】
(ステップS309)相関取得部132は、カウンタkを1、インクリメントする。ステップS307に戻る。
【0138】
(ステップS310)相関取得部132は、ステップS308で取得した1または2以上の相関情報を用いて、1以上の各相関情報が大きいほど大きな値となる相関情報であり、j番目の項目に対する相関情報を取得する。
【0139】
ステップS308で2以上の相関情報を取得している場合、相関取得部132は、例えば、当該2以上の相関情報をパラメータとする増加関数により、j番目の項目に対する相関情報を算出する。ステップS308で1つの相関情報のみを取得している場合、相関取得部132は、当該1つの相関情報を、j番目の項目に対する相関情報として取得する。
【0140】
(ステップS311)相関取得部132は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS305に戻る。
【0141】
(ステップS312)決定部133は、ステップS310で取得された各項目に対する相関情報を用いて、i番目の分類に対応する項目を集約する処理である分類集約処理を行う。かかる分類集約処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。なお、分類集約処理とは、一の分類に対応する設問を集約するための処理である。設問を集約することは、項目を集約することでも良い。
【0142】
(ステップS313)決定部133は、ステップS312における分類集約処理の結果を用いて、i番目の分類に対応する決定情報を取得する。かかる決定情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0143】
(ステップS314)相関取得部132は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS302に戻る。
【0144】
次に、ステップS312の分類集約処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0145】
(ステップS401)決定部133は、ステップS310で取得された各項目に対する相関情報を要素とするベクトルである相関情報ベクトルを取得する。なお、相関情報ベクトルは、例えば、対象となる分類の各項目の相関情報を要素とするベクトルであり、例えば、(項目1の相関情報,項目2の相関情報,・・・,項目Xの相関情報)である。また、Xは、例えば「4」である。
【0146】
(ステップS402)決定部133は、カウンタiに1を代入する。
【0147】
(ステップS403)決定部133は、パターン管理部115に、i番目のパターン情報が存在するか否かを判断する。i番目のパターン情報が存在する場合はステップS404に行き、存在しない場合はステップS408に行く。
【0148】
(ステップS404)決定部133は、パターン管理部115から、i番目のパターン情報が有する相関パターン情報を取得する。
【0149】
(ステップS405)決定部133は、ステップS401で取得した相関情報ベクトルが、ステップS404で取得した相関パターン情報が示すパターンに合致するか否かを判断する。パターンに合致する場合はステップS406に行き、合致しない場合はステップS407に行く。
【0150】
(ステップS406)決定部133は、ステップS404で取得した相関パターン情報と対になる処理識別子をパターン管理部115から取得する。
【0151】
(ステップS407)決定部133は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS403に戻る。
【0152】
(ステップS408)決定部133は、デフォルトの処理識別子をパターン管理部115から取得する。上位処理にリターンする。
【0153】
次に、ステップS313の決定情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0154】
(ステップS501)決定部133は、対象となる分類識別子と対になる複数の設問を取得する。
【0155】
(ステップS502)決定部133は、ステップS406で取得された処理識別子で識別される処理情報をパターン管理部115から取得する。
【0156】
(ステップS503)決定部133は、ステップS502で取得した処理情報が削除処理(例えば、「delete」)を含むか否かを判断する。削除処理を含む場合はステップS504に行き、含まない場合はステップS506に行く。
【0157】
(ステップS504)決定部133は、ステップS502で取得した処理情報に含まれる削除処理が特定する項目識別子であり、削除する1以上の項目の項目識別子を取得する。なお、項目識別子は、設問識別子でも良い。
【0158】
(ステップS505)決定部133は、ステップS501で取得した複数の設問から、ステップS504で取得した1以上の項目識別子に対応する設問を削除する。
【0159】
(ステップS506)決定部133は、カウンタiに1を代入する。
【0160】
(ステップS507)決定部133は、ステップS502で取得した処理情報が、i番目の統合処理(例えば、「integrate」)を含むか否かを判断する。i番目の統合処理を含む場合はステップS508に行き、含まない場合は上位処理にリターンする。
【0161】
(ステップS508)決定部133は、i番目の統合処理が特定する2以上の項目識別子であり、統合する2以上の項目の項目識別子を取得する。
【0162】
(ステップS509)決定部133は、ステップS508で取得した2以上の項目識別子に対応する設問を取得する。
【0163】
(ステップS510)決定部133は、ステップS509で取得した2以上の設問を統合する。
【0164】
(ステップS511)決定部133は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS507に戻る。
【0165】
なお、
図5のフローチャートにおいて、対象となる分類識別子で識別される分野に対応する、集約された1または2以上の設問が取得される。
【0166】
次に、ステップS205の決定処理の第二の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。ここでの決定処理は、分類が存在しない場合の例である。
【0167】
(ステップS601)決定部133は、カウンタiに1を代入する。
【0168】
(ステップS602)決定部133は、i番目の項目が存在するか否かを判断する。i番目の項目が存在する場合はステップS603に行き、存在しない場合はステップS605に行く。なお、ここでは、項目は、設問でも良い。
【0169】
(ステップS603)決定部133は、ステップS204で取得した複数の各構成員スコアが有するi番目の項目に対する回答スコアと統合スコアとを用いて、i番目の項目に対する回答スコアの統合スコアに対する相関情報を取得する。
【0170】
(ステップS604)決定部133は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS602に戻る。
【0171】
(ステップS605)決定部133は、ステップS603で取得した2以上の各項目に対する相関情報を用いて、設問(ここでは、項目)を集約する処理を行う。上位処理にリターンする。かかる集約処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0172】
次に、ステップS605の集約処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0173】
(ステップS701)決定部133は、相関情報をキーに降順に、項目情報格納部111の設問をソートする。
【0174】
(ステップS702)決定部133は、設問の集合から、相関情報が閾値α以下または閾値α未満の相関情報と対になる設問を削除する。
【0175】
(ステップS703)決定部133は、設問の集合から、相関情報が閾値β以上または閾値βより大きい相関情報と対になる設問を取得する。なお、「β>α」である。
【0176】
(ステップS704)決定部133は、ステップS703で採用した設問に加えて、他の設問を作成するか否かを判断する。他の設問を作成する場合はステップS705に行き、作成しない場合は上位処理にリターンする。
【0177】
なお、他の設問を作成するか否かは、例えば、採用している設問数が最低設問数を下回っている場合、相関情報が閾値γ以上または閾値γより大きい相関情報と対になる設問が存在する場合である。なお、「γ<β」である。
【0178】
(ステップS705)決定部133は、採用されていない設問の中で、相関情報が上位2つの設問を取得し、当該2つの設問を統合した一つの設問を作成する。
【0179】
以下、本実施の形態における設問作成支援装置1の具体的な動作例について説明する。
【0180】
設問作成支援装置1の項目情報格納部111には、
図8に示す項目情報管理表が格納されている、とする。項目情報管理表は、組織(ここでは、企業)の構成員(ここでは、従業員)に対するアンケートの項目を示す多数の項目情報を管理する表である。項目情報管理表は、構成員に対するアンケートの設問を示す情報である、と言える。項目情報は、ここでは、「項目識別子」「種類」「分類」「項目」「質問:期待度」「質問:満足度」を有する。「項目識別子」は項目を識別するIDである。「種類」は項目の種類を示す情報であり、ここでは、総合的項目または個別項目のいずれかを採り得る。「分類」は項目の中位概念であり、対象、ファクター等と言っても良い。「項目」は項目の内容を示す情報である。なお、「項目」を項目識別子である、と考えても良い。「質問:期待度」は期待度情報を取得するための質問である。「質問:満足度」は満足度情報を取得するための質問である。つまり、ここでは、一つの項目に対して、2つの設問の集合である設問群を有する。設問群は、一つの項目に対する期待度を問う設問、および一つの項目に対する満足度を問う設問である。
【0181】
項目情報管理表(
図8)は、4つの総合的項目と、64の個別項目を有する、とする。また、64の各個別項目は、16の分類に分かれている、とする。また、16の各分類の中には、4つの項目が含まれる、とする。また、各項目は、項目に対する期待度を問う設問、および項目に対する満足度を問う設問に対応する。
【0182】
回答情報格納部112には、例えば、
図9に示すような構造を有する回答情報が格納されている。回答情報格納部112には、2以上の回答情報が格納されている。
図9は、組織の多数の構成員に対するアンケート結果である。
図9において、1つのテーブルが、一つの構成員の回答情報の集合である。つまり、701は、一の構成員の回答情報である。回答情報は、「項目識別子」「期待度情報」「満足度情報」を有するレコードを多数(ここでは、63以上)有する。なお、項目識別子が1~4の項目のレコードは、総合的項目のレコードであり、期待度情報を有さない。そして、701の回答情報を構成する期待度情報、満足度情報は、構成員が、
図6に示す項目情報管理表の「質問:期待度」「質問:満足度」に対して行った回答から取得された情報である。そして、かかる回答は、ここでは、1から5までの自然数のいずれかによる回答である。また、ここでは、「質問:期待度」に対する期待度情報が1である場合、期待度が最も低く、5である場合、期待度が最も高い。また、「質問:満足度」に対する満足度情報が1である場合、満足度が最も低く、5である場合、満足度が最も高い。期待度情報、期待度情報は、各々、回答スコアの一例である。
【0183】
個別スコア表格納部113には、
図10に示す個別スコア表が格納されている。個別スコア表は、「期待度情報」「満足度情報」「項目スコア」を有する2以上のレコードを管理している。「期待度情報」の属性値である「期待度の値1」「期待度の値2」・・・「期待度の値N」は、具体的な値または範囲の情報である。「満足度情報」の属性値である「満足度の値1」「満足度の値2」・・・「満足度の値N」は、具体的な値または範囲の情報である。「項目スコア」は、ここでは、項目スコアを示す情報である。「項目スコア」の属性値である「スコア1」「スコア2」・・・「スコアN」は、具体的な値である。つまり、個別スコア表は、項目に対する期待度情報と満足度情報とに基づく項目スコアを決めるための表である。ある項目に対する構成員の回答の期待度が「期待度の値1」、満足度が「満足度の値1」である場合、回答スコア取得手段1311は、例えば、「期待度の値1」「満足度の値1」と対になるスコア1を、当該項目の項目スコアとして取得する。
【0184】
パターン管理部115には、
図11に示すパターン管理表が格納されている。パターン管理表とは、パターン情報を管理する表である。パターン管理表は、「相関パターン識別子」「相関パターン名」「相関パターン情報」「処理識別子」「処理情報」を有する2以上のレコードが管理される。「相関パターン識別子」は、相関パターンのIDである。「相関パターン名」は、相関パターンの名称である。「相関パターン情報」の「C(2位)」は、分類の中の4つの項目に対する相関情報の順位が2位の相関情報であることを示す。「ID=1」の相関パターン情報「C(2位)-C(3位)>=T
1」は、2位の相関情報と3位の相関情報との差がT
1以上である(上位2つの相関情報が他に比べて相当高い)ことを示す。「ID=2」の相関パターン情報「C(2位)-C(3位)<=T
2」は、2位の相関情報と3位の相関情報との差がT
2以下である(2位の相関情報と3位の相関情報との差が相当小さい)ことを示す。「ID=3」の相関パターン情報「C(4位)>=T
3」は、4位の相関情報がT
3以上である(すべての相関情報が相当高い)ことを示す。「ID=4」の相関パターン情報「C(1位)>=T
4 AND C(2位)-C(4位)<=T
5」は、1位の相関情報がT
4以上であり、2位と4位の相関情報の差がT
5以下である(1位が相当高くて、2位以下が低い)ことを示す。「ID=5」の相関パターン情報「-」は、「ID=1から4」のいずれの相関パターン情報にも合致しない場合に適用されるデフォルトの相関パターン情報であることを示す。「処理識別子」は、行われる処理のIDである。「処理情報」は、行われる処理の内容を示す。処理情報に含まれる「delete」は削除処理を示す。「Integrate」は統合処理を示す。例えば、delete(3位)は、3位の相関情報に対応する項目に対応する1以上の設問を削除することと示す。例えば、Integrate(2位,3位)は、2位の相関情報に対応する項目と3位の相関情報に対応する項目とを統合して、新たな項目を作成することを示す。なお、ここでの新たな項目を作成することは、期待度を問う設問と満足度を問う設問の2つの設問からなる設問群を作成することである。新たな項目を作成することは、新たな設問を作成することである。「ID=1」の処理情報は、相関情報が上位2つの設問を残すことを示す。「ID=2」の処理情報は、相関情報が1位の設問を残し、2位と3位の設問を統合し、4位の設問を削除することを示す。「ID=3」の処理情報は、相関情報が1位と2位の設問を統合し、3位と4位の設問を統合することを示す。「ID=4」の処理情報は、相関情報が1位の設問を残し、2位と3位と4位の3つの設問を統合することを示す。「ID=5」の処理情報は、相関情報が1位と4位の設問を統合し、2位と3位の設問を統合することを示す。
【0185】
なお、本具体例では、
図11のC(x位)は、期待度と満足度の各設問に対する2つの回答スコアの和により算出された項目の相関情報のうち、x位の相関情報である、とする。また、本具体例では、
図11の閾値T
1は「0.3」、閾値T
2は「0.1」、閾値T
3が「1.4」である、とする。
【0186】
構成員スコア管理部116には、
図12に示す構成員スコア管理表が格納されている、とする。構成員スコア管理表は「ID」「構成員識別子」「回答スコア」「総合スコア」を有する多数のレコードが格納されている。「回答スコア」は、ここでは、個別項目64(項目5~68)の各項目の期待度と満足度である。構成員スコア管理表の構成員スコアは、例えば、回答スコア取得手段1311、および総合スコア取得手段1312により取得され、構成員スコア管理表に蓄積された、とする。
【0187】
以上の状況において、設問作成支援装置1の受付部12は、開始指示を受け付けた、とする。
【0188】
そして、構成員スコア取得部131は、構成員スコア管理表(
図12)からすべてのレコード(構成員スコア)を取得する。
【0189】
次に、相関取得部132は、構成員スコア取得部131が取得した多数の構成員スコアを用いて、分類識別子ごと、および設問ごとに、回答スコア(つまり、期待度または満足度)と、総合スコアとの相関情報を取得する。なお、ここでは、相関情報は、例えば、相関係数である、とする。また、ここで、相関係数は相関度という、こととする。
【0190】
そして、例えば、今、分類識別子「理念戦略」に対応する分類の設問を集約する、とする。ここで、分類識別子「理念戦略」に対応する項目を
図13に示す。
図13において、分類識別子「理念戦略」で識別される分類は、項目識別子「5」から「8」の4つの項目を有する。そして、各項目は、期待度を問う設問と満足度を問う設問とがあるので、当該分類に対応する設問は8つである。
【0191】
そして、例えば、相関取得部132は、例えば、分類識別子「理念戦略」と対になる項目識別子「5」の回答情報「期待度」と総合スコア(ここでは、エンゲージメントスコア)との相関度が0.6、項目識別子「5」の回答情報「満足度」と総合スコアとの相関度が0.7を取得した、とする。また、分類識別子「理念戦略」と対になる項目識別子「6」の回答情報「期待度」と総合スコアとの相関度が0.7、項目識別子「6」の回答情報「満足度」と総合スコアとの相関度が0.7を取得した、とする。また、分類識別子「理念戦略」と対になる項目識別子「7」の回答情報「期待度」と総合スコアとの相関度が0.9、項目識別子「7」の回答情報「満足度」と総合スコアとの相関度が0.9を取得した、とする。さらに、分類識別子「理念戦略」と対になる項目識別子「8」の回答情報「期待度」と総合スコアとの相関度が0.5、項目識別子「8」の回答情報「満足度」と総合スコアとの相関度が0.5を取得した、とする。
【0192】
次に、相関取得部132は、例えば、項目ごとに、項目に対応する2つの各回答スコア(期待度、満足度)の相関度を用いて、項目に対応する相関情報を取得する。なお、ここで、相関取得部132は、2つの相関度の和を項目に対応する相関情報とする、とする。つまり、相関取得部132は、項目識別子「5」の項目の相関情報「1.3」、項目識別子「6」の項目の相関情報「1.4」、項目識別子「7」の項目の相関情報「1.8」、項目識別子「5」の項目の相関情報「1.0」を取得する。なお、かかる相関情報は、
図13の「相関情報」である。
【0193】
次に、決定部133は取得された項目「理念戦略」に対する相関情報を要素とするベクトルである相関情報ベクトル(1.3,1.4,1.8,1.0)を取得する。
【0194】
次に、決定部133は、パターン管理表を参照し、相関情報ベクトル(1.3,1.4,1.8,1.0)は、2番目のパターン情報に合致する、と判断する。次に、決定部133は、処理識別子「PR2」をパターン管理表から取得する。
【0195】
次に、決定部133は、処理識別子「PR2」と対になる処理情報「Integrate(2位,3位) delete(4位)」をパターン管理表から取得する。
【0196】
次に、決定部133は、処理情報「Integrate(2位,3位)」に従い、相関情報が2位の項目と3位の項目とを統合する。つまり、決定部133は、「Integrate(2位,3位)」に従い、新しい項目「会社が、自社の企業理念がビジョンを社員に浸透させる努力をしており、かつ自社の企業理念やビジョンを社員に浸透していること」を取得する。
【0197】
また、決定部133は、処理情報「delete(4位)」に従い、相関情報が4位の項目を削除する。つまり、決定部133は、「delete(4位)」に従い、項目識別子「8」で識別される項目を削除する。
【0198】
上記の処理の結果、項目「理念戦略」に対する項目は、4つから2つに減った。そして、その項目内容は、項目(A)「会社が、自社の企業理念がビジョンを社員に浸透させる努力をしており、かつ自社の企業理念やビジョンを社員に浸透していること」、および項目(B)「会社が、自社の当面の戦略や目標を社員に分かりやすく伝えようとすること」の2つである。また、設問は、項目(A)に対する期待度を問う設問、項目(A)に対する満足度を問う設問、項目(B)に対する期待度を問う設問、および項目(B)に対する満足度を問う設問の4つになった。
【0199】
相関取得部132、および決定部133は、以上の処理を、他の分類に対しても行い、他の分類の項目数も、4から2に集約する。その結果、64の個別項目の項目数は32に減った。つまり、個別項目に対応する設問数が128から64に減った。
【0200】
以上、本実施の形態によれば、適切な数の適切な設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0201】
また、本実施の形態によれば、各分類の中の設問数のバランスを担保できる結果、総合スコアを取得する際のバランスの良い適切な設問の集合が得られる。
【0202】
また、本実施の形態によれば、条件ごとの適切な設問集合を提案できる。なお、条件は、1以上の組織属性値に基づく組織条件であることは好適である。
【0203】
また、本実施の形態によれば、項目に対する期待度と満足度とを問うアンケートに基づいて総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【0204】
なお、本実施の形態において、設問作成支援装置1は、図示しない端末装置からアクセス可能なサーバでも良い。かかる場合、受付部12は、各種の指示や情報を端末装置から受信する。また、出力部14は、各種の情報を端末装置に送信する。
【0205】
また、本実施の形態において、設問作成支援装置1は、外部装置に存在する構成員スコア管理部116をアクセスし、相関取得部132と決定部133と出力部14とが、上記で説明した処理を行う装置でも良い。かかる場合、設問作成支援装置1は、2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得部132と、前記項目ごとの前記相関情報を用いて、前記N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記N個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、当該決定に関する決定情報を取得する決定部133と、前記決定情報を出力する出力部14とを具備する設問作成支援装置1である。
【0206】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における設問作成支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得部と、前記項目ごとの前記相関情報を用いて、前記N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、または前記N個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、当該決定に関する決定情報を取得する決定部と、前記決定情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0207】
また、
図14は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の設問作成支援装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図14は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図15は、システム300のブロック図である。
【0208】
図14において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0209】
図15において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0210】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の設問作成支援装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0211】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の設問作成支援装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0212】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0213】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0214】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0215】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0216】
以上のように、本発明にかかる設問作成支援装置1は、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできるという効果を有し、設問の集約を支援する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0217】
1 設問作成支援装置
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
111 項目情報格納部
112 回答情報格納部
113 個別スコア表格納部
114 組織情報格納部
115 パターン管理部
116 構成員スコア管理部
121 条件受付部
131 構成員スコア取得部
132 相関取得部
132 総合スコア取得部
133 決定部
1311 回答スコア取得手段
1312 総合スコア取得手段
【要約】
【課題】従来、総合スコアを取得する際の設問数が多く、構成員への負担が大きかった。
【解決手段】2以上の各構成員ごとの、N(Nは3以上の自然数)個の各設問に対する構成員の回答に基づく回答スコアと構成員の総合スコアとを有する構成員スコアを用いて、1または2以上の設問に対応する項目と総合スコアとの相関に関する相関情報を取得する相関取得部132と、項目ごとの相関情報を用いて、N個の設問のうちの削除する設問を決定する削除決定処理、またはN個の設問のうちの1つに統合する2以上の設問を決定する統合決定処理のうちの1以上の処理を行い、決定に関する決定情報を取得する決定部133と、決定情報を出力する出力部14とを具備する設問作成支援装置1により、適切な数の設問を提案できる結果、総合スコアを取得する際の構成員への負担を小さくできる。
【選択図】
図1